JP2017210433A - 水素ガスを含む、治療後のリハビリテーションの効率を向上させるための急性期脳梗塞の治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】急性脳梗塞を治療し、その後のリハビリにおける改善を促進する治療剤の提供。【解決手段】水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤。【選択図】なし

Description

本発明は、急性期脳梗塞の治療剤に関する。
急性期脳梗塞の標準治療では血栓溶解剤投与が推奨レベルA(強くすすめられる)であるが、発症後4.5時間以内に投与可能となった症例にしか適応できず、未だ大多数の症例は従来の様に点滴で脳保護剤、抗凝固剤、抗酸化剤、抗血小板製剤などの投与を受け其の為、入院治療が必要になっている。然し組織循環が停止した脳梗塞巣へのこれら薬剤の到達や薬剤効果の他、脳梗塞患者に多い高齢者の腎、肝機能に対する副作用等安全性及び高価な薬剤の長期使用による経済性の問題もあり、これ等の薬剤は現在、推奨レベルはグレードB(すすめられる)である。
一方、水素は従来の抗酸化能に加えて最近、多種の作用を有することが明らかになり、加えて、高い組織透過能で梗塞巣の深部に到達可能でその安全性についてもすでに多くの報告がなされている(特許文献1を参照)。
国際公開第WO2007/021034公報
本発明は、急性脳梗塞を治療し、その後のリハビリテーションによる改善を促進し、急性脳梗塞患者の入院治療費を低減させる、治療剤の提供を目的とする。
本発明者らは急性期脳梗塞(小型及び中型)25症例を水素ガスで治療し、特に高齢の脳梗塞患者に使用した場合の安全性、神経症状や梗塞巣のMRI輝度の推移、機能回復訓練(リハビリ)の推移及び入院後1ケ月間の治療費総計等について調べ、標準治療のみを受けた対照群25例の所見と比較、検討した。
すなわち、急性期脳梗塞(病巣の大きさが3cm以下のラクナ型及びBAD型)症例に水素(3%吸入)を治療に使ったコホート群と通常の脳梗塞標準治療群(コントロール群)各25症例の比較を行い、以下の(1)〜(5)の所見を得た。
(1)安全性の確認、一般検血、腎機能、肝機能等、11項目について調べ両群の間に統計学的に有意の差なし。
(2)統計学的に有意の神経機能改善あり(水素群NIHSS)。
(3)統計学的に有意のMRI所見改善(水素群MRI輝度)あり。
(4)統計学的に有意の入院医療費の軽減あり(水素群の入院1ケ月目までの全医療費)。
(5)統計学的に有意のリハビリ指標機能改善が一部にあり。
この結果から、水素ガスが急性期脳梗塞患者の治療に有用であり、特に治療後のリハビリにおける改善に効果があることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 水素ガスを有効成分として含む、治療後のリハビリテーションの効率を向上させるための急性期脳梗塞の治療剤。
[2] 水素ガスを1〜4%(v/v)の濃度で含む[1]の治療剤。
[3] 急性期脳梗塞が、発症後24時間以内の脳梗塞である、[1]又は[2]の治療剤。
[4] 脳梗塞患者におけるバーセルインデックス(BI)を向上させる、[1]〜[3]のいずれかの治療剤。
[5] 治療後のリハビリテーションにかかる時間を短縮させる、[1]〜[4]のいずれかの治療剤。
[6] 急性期脳梗塞患者の入院から退院までの治療費を軽減し、さらに、将来の必要介護量を減少させる、[1]〜[5]のいずれかの治療剤。
本発明の水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤により、急性期脳梗塞を治療できるとともに、種々のリハビリ指数や機能回復指数を改善させることができ、その結果リハビリテーションの効率が向上し、リハビリテーションにかかる期間を短縮し、退院後の必要介護量を減少させることができる。また、入院治療費を軽減することもできる。
水素ガスを投与した急性脳梗塞患者における末梢血の臨床諸検査2項目(WBC及びRBC)の結果を示す図である。 水素ガスを投与した急性脳梗塞患者における末梢血の臨床諸検査2項目(HGB及びHCT)の結果を示す図である。 水素ガスを投与した急性脳梗塞患者における末梢血の臨床諸検査2項目(MCV及びPLT)の結果を示す図である。 水素ガスを投与した急性脳梗塞患者における末梢血の肝腎機能検査2項目(GOT及びγGPT)の結果を示す図である。 水素ガスを投与した急性脳梗塞患者における末梢血の肝腎機能検査2項目(CRTN及びGPT)の結果を示す図である。 水素ガスを投与した急性脳梗塞患者における末梢血の肝腎機能検査1項目(BUN)の結果を示す図である。 水素ガス投与患者における神経学的改善の結果(NIHSSスコアの変化)を示す図である。 水素ガス投与患者におけるMRIの結果の改善の結果を示す図である。 水素ガス投与患者におけるリハビリ指数(機能回復指数)の変化を示す図である。図5A、図5B、図5C及び図5Dは、それぞれ、バーセルインデックス(BI)、機能的自立度評価表(FIM)、モディファイド・ランキンスコア(mRS)、及びブルンストロームステージ(BRS)を示す。 水素ガス投与患者における入院後1ヶ月間の入院治療費を示す図である。 水素ガスを患者に投与する装置を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、水素ガスを含む急性期脳梗塞の治療剤である。
急性期脳梗塞とは、脳梗塞を発症してから病巣の大きさが3cm以下のラクナ型及びBAD型(Branch atheromatous disease:分子粥腫病)の脳梗塞をいう。ラクナ型とは、細動脈硬化に起因する穿通枝深部動脈の血管壊死やリポヒアリノ―シスよる狭窄や閉塞を原因とする脳梗塞をいい、BAD型は皮質枝からの穿通枝開口部に生成したアテローム硬化病変を起因とする開口部の閉塞により、穿通枝の閉塞を起こした脳梗塞をいう。
本発明の治療剤が治療対象とする急性期脳梗塞は、発症直後から発症後24時間以内の脳梗塞である。また、本発明の治療剤が治療対象とする急性期脳梗塞において、脳梗塞部位はMRIのDWI(拡散強調画像)で白く描出される新鮮脳梗塞病変を有する。また、脳梗塞の重症度を評価するためのスケールの1つである、NIHSS(National Institute of Health Stroke Scale)により点数が2〜6点である。NIHSS(National Institute of Health Stroke Scale)は、点数が高いほど脳梗塞の重症度が高いと判断され、最大で42点になるように設計されており、意識、注視、視野、顔面麻痺、四肢麻痺、運動失調、間隔障害、失語、構音障害、消去現象と注意障害により点数がつけられる。
本発明の水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤に含まれる水素ガスの濃度は、1〜4%(v/v)、好ましくは2.5〜3.5%(v/v)、さらに好ましくは約3%である。水素ガス含有量は安全性確保のために約4%(v/v)未満であることが望ましいが、密閉条件下で静電気が発生しないように配慮された安全な条件下であれば水素ガス含有量をより高くすることもできる。本発明の水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤は、さらに酸素ガス及び/又は他の不活性ガスを含んでいてもよい。酸素ガスを含む場合、水素ガスと酸素ガスの混合ガスからなる。酸素ガスは呼吸のために消費される。不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等を使用し得るが、安価な窒素ガスが望ましい。この不活性ガスの含有量は、多すぎない範囲で当業者が任意に設定できるが、呼吸用の酸素ガス濃度を考慮すると80%(v/v)以下が好ましい。さらに、本発明の水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤は、水素ガスと空気の混合ガスであってもよい。このような混合ガスは、空気に水素ガスを適宜混合することにより簡単に製造し得る。さらに、本発明の水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤は、麻酔用ガスを含んでいてもよい。この場合、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤は、水素ガスと麻酔ガスの混合ガスからなる。麻酔ガスとしては、笑気ガス等が挙げられる。
本発明の水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤は、例えばガスボンベ等の耐圧性の容器中に入れられる。本発明は、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤を含む容器をも包含する。
本発明の気体状の水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤は、被験体に吸引させることができる。吸引は吸引手段を用いて行うことができ、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤を含む容器から配管を通して吸引手段を介して吸引させればよい。吸引手段は限定されないが、例えば、吸引マスクが挙げられ該マスクは好ましくは患者の口及び鼻を同時に覆うことができる。さらに、吸引手段として密閉された小密閉室がある。該小室は患者がその中に入り込める程度の大きさを有し、該小室に患者が入った状態で、小室内に本発明の水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤を供給することにより、患者に吸引させることができる。このような小室の一例として、密閉されたベッドが挙げられる。患者はベッドに横臥した状態で本発明の水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤を吸引することができる。
さらに、本発明は水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤を含む容器、ガス吸引用手段並びに前記容器中のガスを吸引用手段に供給する供給配管を備えている、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤を急性期脳梗塞患者に供給するための装置を包含する。容器は例えば、水素ガスボンベである。また、ガス吸引手段として前述のように、吸引マスク、密閉した小室が挙げられる。該装置は、さらに、酸素ガス、不活性ガス、空気及び麻酔ガスからなる群から選択される少なくとも1種のガスを含む容器を備えていてもよく、この場合、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤と酸素ガス、不活性ガス及び空気からなる群から選択される少なくとも1種のガスを別々に或いは混合した後にガス吸引用手段に供給すればよい。例えば、吸引マスクに水素ガスが含まれるガス吸引バックを直結し、このガス吸引バックに水素ガスを含むガスボンベから水素ガスを供給すればよい。図7に本発明の装置の概略図を示す。該図は、ガス吸引用手段1、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤を含む容器2、酸素ガス、不活性ガス、空気及び麻酔ガスからなる群から選択される少なくとも1種のガスを含む容器3並びに配管4を備え、ガスが配管4を通してガス吸引用手段1に供給され、患者に投与される。
急性期脳梗塞患者への、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤の投与は、脳梗塞の発症後24時間以内、好ましくは12時間以内、さらに好ましくは6時間以内に行う。水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤の投与は、1回0.1時間〜5時間、好ましくは0.5時間から2時間、さらに好ましくは1時間行い、1日当たり1〜5回、好ましくは1〜3回、さらに好ましくは2回を、1〜30日、好ましくは5〜20日、さらに好ましくは7〜14日行えばよい。水素ガスを投与するときの吸引スピードは、例えば、1時間当たり数L、好ましくは約6Lである。
水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤の投与によっても、末梢血の臨床諸検査項目(例えば、WBC、RBC、HGB、HCT、MCV、PLT(Platelet))や末梢血の肝腎機能検査項目(例えば、GOT、γGPT、CRTN、GPT、BUN)の測定値は変化しない。このことは、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤の人体への安全性を示している。
また、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤の投与によってNIHSSスコアは改善する。このことは、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤により、神経学的改善が認められることを示す。
さらに、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤の投与によって、血液抗凝固剤、抗血小板剤及び脳保護剤により治療した場合に比較して、MRIによる脳梗塞部位のMRIシグナル強度が低下する。なお、同様に有効である方法に血栓溶解剤投与があるが、これは、発症から数時間の急性期脳梗塞患者の治療方法として勧められている治療法であり、血栓溶解剤として、組織プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)やウロキナーゼが用いられる。
さらに、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤の投与によって、血栓溶解剤投与により治療した場合に比較して、心身機能、日常生活の活動性、社会生活への参加を把握するための機能評価の結果が向上する。このような機能評価の指数として、種々のリハビリ指数や機能回復指数があり、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤の投与によってこれらの指数が改善し得る。
例えば、日常生活活動(ADL)を評価するバーセルインデックス(BI)が向上する。また、機能的自立度評価表(FIM)、モディファイド・ランキンスコア(mRS)及びブルンストロームステージ(BRS)も向上し得る。特に、バーセルインデックスは長期にわたる将来の介護量を推定できる指標である。
これらの指標の向上は、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤が急性期脳梗塞の治療に効果があるばかりでなく、その後の心身機能、日常生活の活動性、社会生活への参加等の機能回復が順調に進むことにより、退院後も長期にわたる必要介護量がより少なくて済むことを示している。すなわち、本発明の水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤は、リハビリテーションの効率を向上させることができ、リハビリテーションによる改善が促進され、またリハビリテーションの効果を促進することができる。この結果、本発明の水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤は、治療後のリハビリテーションを支援し、リハビリテーションにかかる期間を短縮することができる。
脳梗塞患者のリハビリテーションは、脳梗塞患者の身体的、精神的、社会的に適した生活水準を達成を可能とするために行われる。脳梗塞発症〜3週間程度までの脳梗塞患者に対して行われるリハビリテーションとして、手足の関節を動かしたり、寝たきりによる床ずれを防ぐための体位変換などが挙げられる。また、病状が安定後3〜6か月の回復期の脳梗塞患者に対しては、日常生活で必要な食事・歩行・排泄など身体機能の回復に力点が行われ、さまざまな訓練が実施される。本発明の水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤を用いることにより、これらのリハビリテーションの効率が向上し、リハビリテーションによる改善が促進され、リハビリテーションの効果が促進され、その結果、リハビリテーションにかかる期間を短縮することができる。
さらに、水素ガスを有効成分として含む急性期脳梗塞の治療剤の投与によって、血栓溶解剤投与により治療した場合に比較して、入院治療費を軽減することもできる。
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
方法
発症後24時間以内の90歳以下、初診時NIHSS(National Institute of Health Stroke Scale)点数2-6点、脳MRIDWI(MRI(核磁気共鳴画像法)のDWI(拡散強調画像))で小型及び中型(径3cm以下)の新鮮脳梗塞病変を有し、心房細動やコントロール困難な糖尿病を有しない非心原性脳梗塞患者を対象とし、患者ID番号の偶数、奇数により水素ガス(3%、1時間×2回・日)吸入のみで標準治療薬を使用しない水素治療群(H群)と水素を投与しない標準治療薬(脳保護剤、抗凝固剤等、血栓溶解剤であるプラスミノゲン活性化因子(tPA)は除く)点滴のみの対照群(C群)に分けた。H群では安全性については水素ガス吸入時の問題点(苦痛、呼吸困難感等)、水素血中濃度(ガスクロ測定)、バイタルサイン(血圧、脈拍数、体温、酸素飽和度等)、末梢血性状(赤血球、白血球数、Ht、Hg等の8項目)、血液生化学性状(電解質、肝、腎機能等を含む17項目)、胸部レ線などについて調べ、神経機能はNIHSSの点数を、脳MRIは病巣の状態を最も鋭敏に反映するDWIの輝度の計算値をいずれも経時的に調べた。機能回復訓練の推移は訓練室に移動可能であった症例についてバーセルインデックス(BI)、ブルンストロームステージ(BRS)、機能的自立度評価表(FIM)、及びモデイファイド・ランキンスコア(mRS)を毎日調べた。
結果
図1−1から図1−3は、末梢血の臨床諸検査6項目(WBC、RBC、HGB、HCT、MCV、PLT(Platelet))の検査結果を示し、図2−1から図2−3は末梢血の肝腎機能検査5項目(GOT、γGPT、CRTN、GPT、BUN)の結果を示す。図1−1から図1−3及び図2−1から図2−3には、H群(H2)とC群(Control)の結果を示す。H群の平均年令は76.0歳と高齢者が多かったが上記の多数の安全性諸指標全てにおいて入院時と比べ悪化したものはなく、脳梗塞急性期でも高齢者に水素ガス吸入が極めて安全に行えることを示した。
図3に、水素ガス投与患者における神経学的改善の結果、すなわち、ベースラインからのNIHSSスコアの変化を示す。図3には、H群(Hydrogen group)とC群(Control)の水素ガス投与3、5、7、9、11及び14日後のNIHSSを示す。図3に示すように、水素学投与により神経学的改善が認められた。
図4に、水素ガス投与患者におけるMRIの結果の改善の結果を示す。すなわち、H群(hydrogen)とC群(Control)の水素ガス投与1、3、5、7、10及び14日後の脳梗塞部位におけるMRIシグナル強度を示す。
水素ガス吸入後の血中濃度は平均24.5μMolであったが低値を示した2症例について考察を加える。NIHSS点数及び脳MRI輝度はH群で統計学的に有意差をもって、より良好な経過をたどり、H群での神経症状及び脳梗塞病巣の改善がより早く、より著しく起こることが示された。
図5に水素ガス投与患者におけるリハビリ指数(機能回復指数)の変化を示す。図5には、H群(hydrogen)とC群(Control)の水素ガス投与1〜14日間の各種指標の変化を示す。図5Aはバーセルインデックス(BI:Barthel Index)による評価の変化を示し、図5Bは機能的自立度評価表(FIM:functional independence measure)により日常生活動作(ADL)のスコアの変化を示し、図5Cはモディファイド・ランキンスコア(mRS:modified Rankin Score)(脳梗塞の総合的な評価指数)の変化を示し、図5Dはブルンストロームステージ(BRS:Brunstrom Stage)(脳卒中の運動麻痺の回復過程を判断するための指標)の変化を示す。
いずれの機能回復指数でも水素ガス投与により、改善の傾向が見られたが、特にバーセルインデックス(BI)で明確な統計学的な有意差が認められた(ANOVA、球面性補正後)。
図6に、H群(水素治験群)とC群(コントロール群)の入院後1ヶ月間の入院治療費を示す。
図6に示すように、入院治療費はH群で低くその差は統計学的に有意であった。
リハビリ指数(機能回復指数)のうち、BIは現時点よりも将来へ向けての機能改善の可能性を示す指数だといわれており、急性期脳梗塞症例に水素治療を行うことで、入院治療費の軽減に加えて将来の必要介護量も減少し得ることが示された。
本発明の水素ガスを有効成分として含む治療剤は、急性期脳梗塞の治療に利用できる。
1 ガス吸引用手段
2 水素ガスを含む容器
3 酸素ガス、不活性ガス、空気及び麻酔ガスからなる群から選択される少なくとも1種のガスを含む容器
4 配管

Claims (6)

  1. 水素ガスを有効成分として含む、治療後のリハビリテーションの効率を向上させるための急性期脳梗塞の治療剤。
  2. 水素ガスを1〜4%(v/v)の濃度で含む請求項1記載の治療剤。
  3. 急性期脳梗塞が、発症後24時間以内の脳梗塞である、請求項1又は2に記載の治療剤。
  4. 脳梗塞患者におけるバーセルインデックス(BI)を向上させる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の治療剤。
  5. 治療後のリハビリテーションにかかる時間を短縮させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の治療剤。
  6. 急性期脳梗塞患者の入院から退院までの治療費を軽減し、さらに、将来の必要介護量を減少させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の治療剤。
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