JP2017207447A5 - - Google Patents

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物体の表面の所定の測定領域に光を照射したときの反射光を用いて、物体の表面形状や色、該物体の内部に含まれる成分等を定性的、定量的に測定することが従来より行われている。反射光には物体の表面で反射された反射光(表面反射光成分)と、物体の内部に進入し、そこで反射された光(内部反射光成分)が含まれており、測定する対象に応じて表面反射光成分、もしくは内部反射光成分、あるいは両方が利用される。表面反射光成分及び内部反射光成分の一方のみを用いて物体の表面形状や色、該物体の内部に含まれる成分等を測定する場合は、他方の成分がノイズとなるため、測定の精度や感度を上げるためには、反射光から該他方の成分を取り除く必要がある。
また、上記課題を解決するために成された本発明に係る反射光検出方法は、
a) 全体として平面ではない表面を有する対象物の第1領域に、第1方向から所定の偏光方向の第1測定光を入射させ、
b) 前記第1測定光が前記第1領域において表面反射された光である第1表面反射光の少なくとも一部が入射する位置に偏光光学系を配置し、
c) 前記対象物の表面の前記第1領域とは異なる領域である第2領域に、第2方向から、前記第1測定光と偏光方向が同じである第2測定光を入射させ、
d) 前記第2測定光が前記第2領域において表面反射された光である第2表面反射光の少なくとも一部が前記偏光光学系に入射するように、前記第2測定光の光軸の方向調整し、
e) 前記偏光光学系を通過した光を検出する
ことを特徴とする。
CCDカメラ204は2次元配置された複数の受光素子を備えている。制御部205は、CCDカメラ204(受光素子)の検出信号からインターフェログラムを求め、このインターフェログラムを数学的にフーリエ変換することにより前記受光側偏光板13を透過した光の波長毎の相対強度である分光特性(スペクトル)を求める処理部206、駆動機構212の動作状態から、位相シフタ202を構成する固定ミラー部210及び可動ミラー部211の位置関係を判別する判別部207、処理部206の処理結果や判別部207の判別結果等をディスプレイ、プリンタ等の出力装置に出力する出力部208を備える。
次に、第1光源111から出射される光の光軸の向き、及び第2光源121から出射される光の光軸の向きを光軸調整機構113、123によって調整し、第1測定光及び第2測定光の両方が受光側偏光板13に入射するように設定する。ここでは、第1光源111から出射される光の光軸はXZ平面と平行な向きに設定し、第2光源121から出射される光の光軸はXY平面と平行な向きに設定する。
以上の反射光検出装置の動作について、図5A〜図5Fを使って更に詳しく説明する。図5A〜図5Fは、第1偏光板と受光側偏光板の偏光方向の関係を示す図で、図中、矢印が各偏光板の偏光方向(偏光軸の方向)を示す。
図5A及び図5Bは、互いに平行に配置された第1偏光板と受光側偏光板がオープンニコル(偏光方向が平行な位置関係)、クロスニコル(偏光方向が直交する位置関係)にある状態を示している。一方、図5Cは、図5Bに示す状態から第1偏光板をX軸周りに回転させた状態を示す。この状態で、図5Dに示すように第1偏光板の上方の光源から対象物に向けて光を出射し、受光側偏光板(Z軸方向)に表面反射させる場合は、第1偏光板の傾きに関係なく、第1偏光板の偏光方向と受光側偏光板の偏光方向の関係は変化しない。また、図5は、図5Bに示す状態から第1偏光板をX軸周りに回転させ、さらにZ軸周りに回転させた状態を示す。この状態で、第1偏光板の上方の光源から対象物に向けて光を出射し、受光側偏光板(Z軸方向)に表面反射させる場合も、第1偏光板の傾きに関係なく、第1偏光板の偏光方向と受光側偏光板の偏光方向の関係は変化しない。これは、第1偏光板と受光側偏光板がオープンニコル、クロスニコルのいずれの関係であっても同じである。
これに対して、図5は、図5Bに示す状態から第1偏光板を軸周りに回転させ、受光側偏光板をZ軸周りに回転させた状態を示す。この状態で、第1偏光板の上方の光源から対象物に向けて光を出射し、受光側偏光板(Z軸方向)に表面反射させる場合は、第1偏光板の偏光方向と受光側偏光板の偏光方向の関係が崩れてしまう。これは、受光側偏光板をY軸周りに回転させた場合も同様である。また、第1偏光板と光学素子がオープンニコル、クロスニコルのいずれの関係であっても同じである。ただし、図5Bに示す状態から第1偏光板をX軸周りに回転させた状態から、さらに、第1偏光板をY軸周りに回転、もしくは受光側偏光板をZ軸周りに回転(図5Fの状態)させることにより、第1偏光板を透過した光が受光側偏光板を透過する量を調整することができる(図5F参照)。
[測定結果1]
次に、具体的な分光特性の測定結果を示す。
ここでは、表面に赤色の塗料が塗装された断面L字状の金属板(対象物S)の異なる2面(A面及びB面)に対して2個の白色LED(第1光源111及び第2光源121、いずれも波長帯域は400〜800nm)から光を照射したときに該金属板で生じる反射光の分光特性を測定した。図6に2個の白色LEDと第1及び第2偏光板112及び122、金属板、受光側偏光板13の配置を示す。また、図6には示していないが、受光側偏光板13を通過した光が入射する位置に上述の分光測定装置200が配置されている。
図6に示すように、2個の白色LEDの出射光は、それぞれ金属板の直交する2つの面(A面、B面)に照射される。各白色LEDと金属板との間には偏光板(第1偏光板112、第2偏光板122)が配置されており、上側の白色LED(第1光源111)の出射光は偏光軸が矢印D1で示す方向の偏光となって金属板のA面に入射し、下側の白色LED(第2光源121)の出射光は偏光軸が矢印D2で示す方向の偏光となって金属板のB面に入射する。また、受光側偏光板13は、2個の白色LEDの出射光の金属板における表面反射光の少なくとも一部が入射する位置に配置されている。
また、受光側偏光板13と第1及び第2偏光板112、122がクロスニコルの関係にあるときの分光測定装置200の測定結果(スペクトル)を図8に示す。図8には、白色LED(第1光源111及び第2光源121)の出射光がそのまま受光側偏光板13に入射した光(白色LED)、白色LED(第1光源111)の出射光が第1偏光板112を通過し、A面で反射された後、受光側偏光板13に入射した光、白色LED(第2光源121)の出射光が第2偏光板122を通過し、B面で反射された後、受光側偏光板13に入射した光のスペクトルをそれぞれ示している。
図8に示すように、白色LEDの出射光のスペクトルは、波長450nm付近と波長550nm付近にそれぞれピークが存在する。これに対して、A面からの光のスペクトル、及びB面からの光のスペクトルには、白色LEDの出射光スペクトルのピーク成分が存在しない。これは、A面、B面における表面反射光の偏光方向と受光側偏光板13の偏光軸とが直交するため、各面における表面反射光は受光側偏光板13を通過せず、非偏光である内部反射光の一部のみが受光側偏光板13を通過するからである。従って、A面及びB面からの光のスペクトルはそれぞれ各面における内部反射光のスペクトルを表す。A面及びB面からの各光のスペクトルに見られるピーク波長(580nm〜650nm)はA面及びB面の塗料の色(赤色)の波長に対応する。このことから、本実施形態に係る反射光検出装置において、受光側偏光板13と第1及び第2偏光板112、122をクロスニコルの関係にすることにより、A面及びB面の塗料成分の分光特性を得られることが分かる。
受光側偏光板13と第1及び第2偏光板112、122がオープンニコルの関係にあるときも、A面及びB面からの表面反射光と内部反射光の両方が受光側偏光板13を通過するが、この場合は表面反射光の光量の方が内部反射光の光量よりも圧倒的に多く、表面反射光の強度に内部反射光の強度が埋もれてしまうため、内部反射光の分光特性を求めることが難しい。これに対して、受光側偏光板13と第1及び第2偏光板112、122の偏光軸の角度を適宜、調整することにより、A面及びB面の表面反射光と内部反射光の両方の分光特性を同時に求めることができる。
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