JP2017206649A - 高分子化合物、該高分子化合物からなる有機半導体材料並びに該高分子化合物を有する有機半導体及び有機トランジスタ - Google Patents
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Abstract
【課題】有機半導体及び有機トランジスタとして用いる、バンドギャップが狭く、キャリア移動度が高く、アンビポーラー特性に優れる高分子化合物の提供。【解決手段】式(1)で表される高分子化合物。[R1〜R4は夫々独立にH又はC1〜40のアルキル基;AはO、S又はSeを含むキノイド型構造を有する2価の基;Zはチオフェン環を含む2価の基;mは0以上の整数、nは10〜100の整数]【選択図】なし
Description
本発明は、新規な高分子化合物、該高分子化合物からなる有機半導体材料並びに該高分子化合物を有する有機半導体及び有機トランジスタに関する。
有機半導体は無機半導体に比べてキャリア移動度で劣るものの、軽い、薄い、柔軟性がある、印刷プロセスにより大面積化が容易である等のメリットがあり、有機半導体材料の研究開発が盛んに行われている。
有機半導体材料として、チエノチオフェンジオン骨格を有する有機半導体ポリマー(PTTD4T)が知られている(特許文献1及び非特許文献1〜2)。PTTD4Tは狭いバンドギャップを持ち、比較的高いキャリア移動度とアンビポーラー特性を有しているが、有機薄膜トランジスタ材料として実用化するためにはさらなる性能の向上が望まれている。
Itaru Osaka et al.、"Small band gap polymers incorporating a strong acceptor, thieno[3,2-b]thiophene-2,5-dione, with p-channel and ambipolar charge transport characteristics"、Journal of Materials Chemistry C、2014年、2、p. 2307-2312
Kohsuke Kawabata et al.、"Thienothiophene-2,5-dione-Based Donor-Acceptor Polymers: Improved Synthesis and Influence of the Donor Units on Ambipolar Charge Transport Properties"、Advanced Electronic Materials、2015年、1、p. 150039
従って、本発明は、有機半導体材料として、狭いバンドギャップを持ち、高いキャリア移動度とアンビポーラー特性を有しつつ、さらなる高性能な高分子化合物を提供することを目的とする。
本願発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、下記の高分子化合物が上述した課題を解決できることを見出し、本発明に想到するに至った。
即ち、本発明は、次の発明を提供するものである。
<1>
一般式(1)で表される高分子化合物。
一般式(1)で表される高分子化合物。
[一般式(1)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜40のアルキル基を示し、Aは一般式(A1)〜(A5)で表されるキノイド型構造を有する基のいずれかを示し、Zは一般式(Z1)〜(Z5)で表される基のいずれかを示し、mは0又は1を示し、nは1以上の数を示す。
(A1)〜(A5):
(一般式(A1)〜(A5)中、Xは、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示し、Y=は、式(Y1)〜(Y5)で表される基のいずれかを示す。)
(式(Y3)中、Rはアルキル基を示す。)
(Z1)〜(Z5):
(一般式(Z1)〜(Z5)中、Rxはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜40のアルキル基を示し、一般式(Z5)中、Arは下記式
(上記式中、RZはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のヘテロ原子含有脂肪族炭化水素基、または置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す)
から選ばれる基を示し、lは0又は1を示す。)]
から選ばれる基を示し、lは0又は1を示す。)]
<2>
一般式(1)におけるAが、式(A1)で表される基であることを特徴とする<1>記載の高分子化合物。
一般式(1)におけるAが、式(A1)で表される基であることを特徴とする<1>記載の高分子化合物。
<3>
式(A1)で表される基が、次式
で表される基であることを特徴とする<2>記載の高分子化合物。
式(A1)で表される基が、次式
<4>
一般式(1)におけるAが、式(A2)で表される基であることを特徴とする<1>記載の高分子化合物。
一般式(1)におけるAが、式(A2)で表される基であることを特徴とする<1>記載の高分子化合物。
<5>
式(A2)で表される基が、
で表される基であることを特徴とする<4>記載の高分子化合物。
式(A2)で表される基が、
<6>
一般式(1)におけるZが、式(Z2)で表される基であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項記載の高分子化合物。
一般式(1)におけるZが、式(Z2)で表される基であることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項記載の高分子化合物。
<7>
<1>〜<6>のいずれか1項記載の高分子化合物からなる有機半導体材料。
<1>〜<6>のいずれか1項記載の高分子化合物からなる有機半導体材料。
<8>
<1>〜<6>のいずれか1項記載の高分子化合物を含有する、有機半導体。
<1>〜<6>のいずれか1項記載の高分子化合物を含有する、有機半導体。
<9>
<1>〜<6>のいずれか1項記載の高分子化合物を含有する、有機トランジスタ。
<1>〜<6>のいずれか1項記載の高分子化合物を含有する、有機トランジスタ。
本発明によれば、狭いバンドギャップを持ち、高いキャリア移動度とアンビポーラー特性を有する高分子化合物が提供される。さらに、本発明の高分子化合物は、ホール移動度と電子移動度が同程度でバランスがよいことから、論理回路を構成するためのトランジスタ材料として有用な化合物として期待される。また、本発明の高分子化合物は、バンドギャップが小さく可視光領域で吸収がなく(ほぼ透明である)、赤外領域での吸収が大きい高分子化合物をも提供することから、赤外センサーや透明電極としても有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(高分子化合物)
本発明の高分子化合物は、下記一般式(1)で表される。
本発明の高分子化合物は、下記一般式(1)で表される。
一般式(1)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜40のアルキル基を示す。
炭素原子数1〜40のアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基も含まれる。また、アルキル基の水素原子はハロゲン原子等で置換されていてもよい。
炭素原子数1〜40のアルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基も含まれる。また、アルキル基の水素原子はハロゲン原子等で置換されていてもよい。
直鎖状のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。
本発明の高分子化合物の溶媒への可溶性から、R1〜R4のうち少なくとも1つは、炭素原子数8〜40の分岐鎖状アルキル基であることが好ましい。該分岐鎖状アルキル基としては、下記一般式で表されるものが特に好ましい。
(上記一般式中、x、y及びzは、8≦x+y+z+1≦40かつ1≦x≦5を満たす整数である。)
ただし、一般式(1)において、後述するZで表される基が、上記一般式で表される分岐鎖状アルキル基を有する場合(すなわち、Rx及び/又はRzが上記一般式で表される分岐鎖状アルキル基である場合)、R1〜R4は上記一般式で表される分岐鎖状アルキル基でなくてもよく、水素原子又は炭素原子数1〜40のアルキル基のいずれであってもよい。
上記一般式で表される分岐鎖状アルキル基以外の好ましい炭素原子数1〜40のアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、炭素原子数6〜20の直鎖状アルキル基等が挙げられる。
一般式(1)中、Aは一般式(A1)〜(A5)で表されるキノイド型構造を有する基のいずれかを示す。
一般式(A1)〜(A5)中、Xは、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子を示すが、硫黄原子が好ましい。
一般式(A1)〜(A5)中、Y=は、式(Y1)〜(Y5)で表される基のいずれかを示すが、(Y1)で表される基が好ましい。
式(Y3)中、Rはアルキル基を示す。具体的には、一般式(1)におけるR1〜R4と同様の基が挙げられる。
一般式(1)中、Zは一般式(Z1)〜(Z5)で表される基のいずれかを示す。
一般式(Z1)〜(Z5)中、Rxはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜40のアルキル基を示す。Rxで表されるアルキル基としては、一般式(1)におけるR1〜R4と同様の基が挙げられる。
一般式(Z5)中、Arは下記式から選ばれる基を示し、lは0又は1を示す。
上記式中、RZはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のヘテロ原子含有脂肪族炭化水素基、又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。
RZで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
RZで表される置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の脂肪族炭化水素基としては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基等が挙げられる。RZで表されるアルキル基としては、一般式(1)におけるR1〜R4と同様の基が挙げられる。
RZで表される置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、単環式又は多環式の芳香族炭化水素基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
RZで表される置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のヘテロ原子含有脂肪族炭化水素基としては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基等の脂肪族炭化水素基の一部にヘテロ原子を含むものが挙げられる。このヘテロ原子は、炭素原子及び水素原子以外の原子であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。
RZで表される置換基を有していてもよい芳香族複素環基としては、単環式又は多環式の芳香族炭化水素基中、環構成原子としてヘテロ原子を1つ以上含むものが挙げられる。このヘテロ原子は、炭素原子以外の原子であり、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。芳香族複素環基の具体例としては、例えばピリジル基、チエニル基、フリル基、ピリダジニル基等が挙げられる。
脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ原子含有脂肪族炭化水素基、芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。また、上記脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ原子含有脂肪族炭化水素基、芳香族複素環基は、エーテル結合(−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)等を有していてもよい。
RZで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
RZで表される置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状もしくは環状の脂肪族炭化水素基としては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基等が挙げられる。RZで表されるアルキル基としては、一般式(1)におけるR1〜R4と同様の基が挙げられる。
RZで表される置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、例えば、単環式又は多環式の芳香族炭化水素基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
RZで表される置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のヘテロ原子含有脂肪族炭化水素基としては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基、シクロアルキル基等の脂肪族炭化水素基の一部にヘテロ原子を含むものが挙げられる。このヘテロ原子は、炭素原子及び水素原子以外の原子であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。
RZで表される置換基を有していてもよい芳香族複素環基としては、単環式又は多環式の芳香族炭化水素基中、環構成原子としてヘテロ原子を1つ以上含むものが挙げられる。このヘテロ原子は、炭素原子以外の原子であり、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等が挙げられる。芳香族複素環基の具体例としては、例えばピリジル基、チエニル基、フリル基、ピリダジニル基等が挙げられる。
脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ原子含有脂肪族炭化水素基、芳香族複素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子(具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、アルコキシカルボニル基等が挙げられる。また、上記脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、ヘテロ原子含有脂肪族炭化水素基、芳香族複素環基は、エーテル結合(−O−)、カルボニル基(−C(=O)−)等を有していてもよい。
一般式(1)中、mは0又は1を示す。nは1〜200の数を示すが、好ましくは10〜150、より好ましくは20〜100の数である。nの値は、本発明の一般式(1)で表される高分子化合物の数平均分子量より算出される。該数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算の値として算出することができる。
本発明の一般式(1)で表される高分子化合物は、以下の方法により製造することができる。すなわち、一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物とのクロスカップリング反応等を応用して重合することで本発明の一般式(1)で表される高分子化合物を製造することができる。該カップリング反応としては、例えば以下の反応が挙げられる。
一般式(2)中、R1〜R4及びAは一般式(1)におけるR1〜R4及びAとそれぞれ同義であり、Qは水素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ホウ素原子及び−SnR3(Rはアルキル基である)等の有機スズのいずれかを示す。
一般式(3)中、Zは一般式(1)におけるZと同義であり、Tは水素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、−B(OR)3(Rはアルキル基である)及び−SnR3(Rはアルキル基である)のいずれかを示す。
一般式(3)中、Zは一般式(1)におけるZと同義であり、Tは水素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、−B(OR)3(Rはアルキル基である)及び−SnR3(Rはアルキル基である)のいずれかを示す。
一般式(2)で表される化合物は、公知の方法により合成することができる。
例えば一般式(2)におけるA中のYが=Oである場合、該箇所にボロン酸あるいはボロン酸エステル基を導入し、これを過酸化水素やペルオキシ一硫酸カリウムなどによる酸化反応により、当該化合物を合成することができる。Yが=O以外の場合は、=Oを公知の化学反応を用いて変換することで合成することができる。
例えば一般式(2)におけるA中のYが=Oである場合、該箇所にボロン酸あるいはボロン酸エステル基を導入し、これを過酸化水素やペルオキシ一硫酸カリウムなどによる酸化反応により、当該化合物を合成することができる。Yが=O以外の場合は、=Oを公知の化学反応を用いて変換することで合成することができる。
該クロスカップリング反応は、一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表される化合物を等モル量で混合し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)やトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などのパラジウム触媒、トリ(o−トリル)ホスフィンなどのリガンド及びトルエンやクロロベンゼンなどの溶媒の存在下行なうことができる。
該クロスカップリング反応は、溶媒還流下において反応時間6〜48時間で行えばよい。また、該クロスカップリング反応は窒素などの不活性雰囲気下で行うことが好ましい。さらに、マイクロ波照射下で該カップリング反応を行なってもよい。その場合は、反応温度100〜240℃、反応時間10〜120分で行えばよい。
該クロスカップリング反応は、溶媒還流下において反応時間6〜48時間で行えばよい。また、該クロスカップリング反応は窒素などの不活性雰囲気下で行うことが好ましい。さらに、マイクロ波照射下で該カップリング反応を行なってもよい。その場合は、反応温度100〜240℃、反応時間10〜120分で行えばよい。
(有機半導体材料・有機トランジスタ)
本発明の高分子化合物は、Aで表される電子欠損性(アクセプター性)の骨格を有する。したがって、本発明の高分子化合物は、ドナー・アクセプター型の骨格を有する半導体であり、良好な電子移動度及びホール移動度を示す。このため、本発明の高分子化合物は、n型有機半導体材料(電子輸送性半導体)、両極性有機半導体材料(アンビポーラー性半導体)及びp型有機半導体材料(ホール輸送性半導体)として用いることができる。
したがって、本発明の高分子化合物は、有機トランジスタの半導体層、光電変換素子の光電変換層、熱電変換素子の熱電変換層を形成するための有機半導体材料として用いることができる。
本発明の高分子化合物を半導体層に用いた有機トランジスタとしては、図2に示すボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタを例示できるが、これに限定されない。また、半導体層以外の部材を構成材料等は公知のものを採用することができる。
本発明の高分子化合物は、Aで表される電子欠損性(アクセプター性)の骨格を有する。したがって、本発明の高分子化合物は、ドナー・アクセプター型の骨格を有する半導体であり、良好な電子移動度及びホール移動度を示す。このため、本発明の高分子化合物は、n型有機半導体材料(電子輸送性半導体)、両極性有機半導体材料(アンビポーラー性半導体)及びp型有機半導体材料(ホール輸送性半導体)として用いることができる。
したがって、本発明の高分子化合物は、有機トランジスタの半導体層、光電変換素子の光電変換層、熱電変換素子の熱電変換層を形成するための有機半導体材料として用いることができる。
本発明の高分子化合物を半導体層に用いた有機トランジスタとしては、図2に示すボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタを例示できるが、これに限定されない。また、半導体層以外の部材を構成材料等は公知のものを採用することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本願発明をさらに詳細に説明するが、本願発明は下記の例に制限されるものではない。
5,5'−ジブロモ−2,2'−ビチオフェン(化合物1)は、市販品を用いた。
化合物6は、Ebata, Hideaki et al,Organic Letters, 2007, 9 (22), pp 4499-4502に記載の方法を参考に合成した。
4−(4−デシルヘキサデシル)−2−トリメチルスタニルチオフェンは、An, Cunbin et al, Chemistry of Materials, 2014, 26 (20), pp 5923-5929に記載の方法を参考に合成した。
化合物6は、Ebata, Hideaki et al,Organic Letters, 2007, 9 (22), pp 4499-4502に記載の方法を参考に合成した。
4−(4−デシルヘキサデシル)−2−トリメチルスタニルチオフェンは、An, Cunbin et al, Chemistry of Materials, 2014, 26 (20), pp 5923-5929に記載の方法を参考に合成した。
[合成例1]
以下のスキームに示す方法で、単量体(化合物5)を得た。各ステップの詳細は次の通りである。
以下のスキームに示す方法で、単量体(化合物5)を得た。各ステップの詳細は次の通りである。
(化合物2の合成)
300mLの三口フラスコに5,5’−ジブロモ−2,2’−ビチオフェン(化合物1)(6.48g,20.0mmol)及びテトラヒドロフラン(80mL)を仕込み、そこに−78℃でリチウムジイソプロピルアミド(42.0mmol)のTHF溶液(40mL)をゆっくり滴下した。−78℃で2時間撹拌後、−40℃に昇温後、さらに1時間撹拌した。反応液にトリイソプロピルシリルクロリド(9.2mL,43mmol)をゆっくり滴下後、4時間かけて反応液を室温まで昇温しながら撹拌した。反応液をジクロロメタンで2回抽出した。食塩水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、得られた粗体をクロロホルム/メタノールで再結晶することで化合物2(9.76g,15.3mmol,Y=77%)を得た。
300mLの三口フラスコに5,5’−ジブロモ−2,2’−ビチオフェン(化合物1)(6.48g,20.0mmol)及びテトラヒドロフラン(80mL)を仕込み、そこに−78℃でリチウムジイソプロピルアミド(42.0mmol)のTHF溶液(40mL)をゆっくり滴下した。−78℃で2時間撹拌後、−40℃に昇温後、さらに1時間撹拌した。反応液にトリイソプロピルシリルクロリド(9.2mL,43mmol)をゆっくり滴下後、4時間かけて反応液を室温まで昇温しながら撹拌した。反応液をジクロロメタンで2回抽出した。食塩水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、得られた粗体をクロロホルム/メタノールで再結晶することで化合物2(9.76g,15.3mmol,Y=77%)を得た。
得られた化合物3の物性データは次の通りであった。
HRMS(EIS) m/z 635.0861 [M++H]. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.21 (s, 2H), 1.58 (septet, 6H, J = 7.6 Hz), 1.15 (d, 36H, J = 7.6 H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 140.93, 130.69, 129.51, 118.00, 18.75, 12.38.
HRMS(EIS) m/z 635.0861 [M++H]. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.21 (s, 2H), 1.58 (septet, 6H, J = 7.6 Hz), 1.15 (d, 36H, J = 7.6 H). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 140.93, 130.69, 129.51, 118.00, 18.75, 12.38.
(化合物3の合成)
4−(4−デシルヘキサデシル)−2−トリメチルスタニルチオフェン(3.06g,5.00mmol)、化合物2(1.40g,2.20mmol)、トルエン(10mL)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(50mg,0.043mol)を20mL反応用バイアルに入れ、窒素封入し、密栓した。マイクロウェーブ反応装置を用いて、160℃で1時間反応させた。冷却後、フッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(1M,20mL,20mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液をヘキサンで2回抽出した。水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、n−ヘキサンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物3(2.27g,2.14mmol,Y=97%)を得た。
4−(4−デシルヘキサデシル)−2−トリメチルスタニルチオフェン(3.06g,5.00mmol)、化合物2(1.40g,2.20mmol)、トルエン(10mL)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(50mg,0.043mol)を20mL反応用バイアルに入れ、窒素封入し、密栓した。マイクロウェーブ反応装置を用いて、160℃で1時間反応させた。冷却後、フッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(1M,20mL,20mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液をヘキサンで2回抽出した。水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、n−ヘキサンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物3(2.27g,2.14mmol,Y=97%)を得た。
得られた化合物3の物性データは次の通りであった。
HRMS (ESI) m/z 1059.7881 [M++H]. 1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 7.36 (s, 2H), 7.23 (s, 2H), 7.06 (s, 2H), 6.81 (s, 2H), 2.58 (t, 4H, J = 7.6 Hz), 1.61 (m, 4H), 1.30-1.23 (m, 86H), 0.88 (t, 12H, J = 6.2 Hz). 13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 144.03, 138.27, 137.57, 136.55, 124.80, 122.69, 118.75, 118.24, 37.25, 33.62, 33.28, 31.93, 30.99, 30.15, 29.72, 29.67, 29.38, 27.54, 26.70, 22.70, 14.13.
HRMS (ESI) m/z 1059.7881 [M++H]. 1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ 7.36 (s, 2H), 7.23 (s, 2H), 7.06 (s, 2H), 6.81 (s, 2H), 2.58 (t, 4H, J = 7.6 Hz), 1.61 (m, 4H), 1.30-1.23 (m, 86H), 0.88 (t, 12H, J = 6.2 Hz). 13C-NMR (CDCl3, 100 MHz): δ 144.03, 138.27, 137.57, 136.55, 124.80, 122.69, 118.75, 118.24, 37.25, 33.62, 33.28, 31.93, 30.99, 30.15, 29.72, 29.67, 29.38, 27.54, 26.70, 22.70, 14.13.
(化合物4の合成)
100mL三口フラスコに3回窒素置換を行った後、−78℃でテトラヒドロフラン(40mL)及びノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,2.63mL,4.2mmol)を仕込んだ。その後、−78℃で2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.72mL,4.2mmol)を滴下した。−78℃で15分間撹拌後、化合物3(2.12g,2.0mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)溶液をゆっくり滴下した。−78℃で1時間撹拌後、−60℃に昇温した後、1時間撹拌した。反応液にトリイソプロピルボレート(3.00mL,13.1mmol)を滴下後、反応液を3時間かけて室温まで昇温しながら撹拌した。1M塩酸を加え、ジエチルエーテルで1回抽出後、水で3回洗浄した。100mL三口フラスコにジエチルエーテル(30mL)と35%過酸化水素水(30mL)を仕込んだ後、抽出後の有機層を室温でゆっくり滴下した。室温で20分間撹拌した後、反応溶液をヘキサンで2回抽出した。水で3回洗浄後硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、n−ヘキサン:塩化メチレン=8:2の混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することでE体とZ体の混合物として化合物4(0.85g,0.80mmol,Y=39%)を得た。
100mL三口フラスコに3回窒素置換を行った後、−78℃でテトラヒドロフラン(40mL)及びノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,2.63mL,4.2mmol)を仕込んだ。その後、−78℃で2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.72mL,4.2mmol)を滴下した。−78℃で15分間撹拌後、化合物3(2.12g,2.0mmol)のテトラヒドロフラン(40mL)溶液をゆっくり滴下した。−78℃で1時間撹拌後、−60℃に昇温した後、1時間撹拌した。反応液にトリイソプロピルボレート(3.00mL,13.1mmol)を滴下後、反応液を3時間かけて室温まで昇温しながら撹拌した。1M塩酸を加え、ジエチルエーテルで1回抽出後、水で3回洗浄した。100mL三口フラスコにジエチルエーテル(30mL)と35%過酸化水素水(30mL)を仕込んだ後、抽出後の有機層を室温でゆっくり滴下した。室温で20分間撹拌した後、反応溶液をヘキサンで2回抽出した。水で3回洗浄後硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、n−ヘキサン:塩化メチレン=8:2の混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することでE体とZ体の混合物として化合物4(0.85g,0.80mmol,Y=39%)を得た。
得られた化合物4の物性データは次の通りであった。
HRMS (ESI) m/z 1089.7627 [M++H]. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.03 (s, 1H), 7.71 (d, 1H, J = 0.8 Hz), 7.69 (s, 1H), 7.68 (d, 1H, J = 0.8 Hz), 7.11 (s, 1H), 7.09 (s, 1H), 2.59 (m, 4H), 1.60 (m, 4H), 1.29-1.22 (m, 86H), 0.87 (t, 12H, J = 6.8 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 189.43, 189.32, 144.92, 144.90, 137.02, 136.84, 135.24, 134.06, 133.71, 132.60, 130.77, 130.66, 130.59, 125.34, 124.38, 37.22, 33.57, 33.21, 31.93, 30.14, 29.72, 29.67, 29.38, 27.53, 26.69, 22.70, 14.14.
HRMS (ESI) m/z 1089.7627 [M++H]. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.03 (s, 1H), 7.71 (d, 1H, J = 0.8 Hz), 7.69 (s, 1H), 7.68 (d, 1H, J = 0.8 Hz), 7.11 (s, 1H), 7.09 (s, 1H), 2.59 (m, 4H), 1.60 (m, 4H), 1.29-1.22 (m, 86H), 0.87 (t, 12H, J = 6.8 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 189.43, 189.32, 144.92, 144.90, 137.02, 136.84, 135.24, 134.06, 133.71, 132.60, 130.77, 130.66, 130.59, 125.34, 124.38, 37.22, 33.57, 33.21, 31.93, 30.14, 29.72, 29.67, 29.38, 27.53, 26.69, 22.70, 14.14.
(化合物5の合成)
50mLの三口フラスコに化合物4(730mg,0.67mmol)及びTHF(25ml)を仕込み、0〜5℃に冷却した。そこにN−ブロモスクシンイミド(262mg,1.47mmol)を加え、30分間かけて室温に戻しながら撹拌した後、45℃に昇温し、20時間攪拌した。その後、ヘキサンで1回抽出した。水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、n−ヘキサン:塩化メチレン=8:2の混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することでE体とZ体の混合物として化合物5(680mg,0.55mmol,Y=81%)を得た。
50mLの三口フラスコに化合物4(730mg,0.67mmol)及びTHF(25ml)を仕込み、0〜5℃に冷却した。そこにN−ブロモスクシンイミド(262mg,1.47mmol)を加え、30分間かけて室温に戻しながら撹拌した後、45℃に昇温し、20時間攪拌した。その後、ヘキサンで1回抽出した。水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、n−ヘキサン:塩化メチレン=8:2の混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することでE体とZ体の混合物として化合物5(680mg,0.55mmol,Y=81%)を得た。
得られた化合物5の物性データは次の通りであった。
HRMS (ESI) m/z 1245.5837 [M++H]. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.95 (s, 1H,), 7.62 (s, 1H,), 7.53 (s, 1H), 7.48 (s, 2H), 2.55 (m, 4H), 1.60-1.54 (m, 4H), 1.31-1.23 (m, 86H), 0.87 (t, 12H, J = 7.0 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 189.23, 189.15, 143.69, 143.67, 137.16, 136.23, 134.43, 132.92, 132.22, 132.18, 130.03, 129.97, 129.92, 116.49, 115.28, 37.13, 33.53, 31.94, 30.14, 29.85, 29.73, 29.69, 29.38, 26.72, 26.67, 22.70, 14.15.
HRMS (ESI) m/z 1245.5837 [M++H]. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.95 (s, 1H,), 7.62 (s, 1H,), 7.53 (s, 1H), 7.48 (s, 2H), 2.55 (m, 4H), 1.60-1.54 (m, 4H), 1.31-1.23 (m, 86H), 0.87 (t, 12H, J = 7.0 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 189.23, 189.15, 143.69, 143.67, 137.16, 136.23, 134.43, 132.92, 132.22, 132.18, 130.03, 129.97, 129.92, 116.49, 115.28, 37.13, 33.53, 31.94, 30.14, 29.85, 29.73, 29.69, 29.38, 26.72, 26.67, 22.70, 14.15.
[合成例2]
以下のスキームに示す方法で、単量体(化合物9)を得た。各ステップの詳細は次の通りである。
以下のスキームに示す方法で、単量体(化合物9)を得た。各ステップの詳細は次の通りである。
(化合物7の合成)
4−(4−デシルヘキサデシル)−2−トリメチルスタニルチオフェン(5.51g,9.00mmol)と化合物6(2.35g,4.00mmol)とトルエン(13mL)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(185mg,0.16mol)を20mL反応用バイアルに入れ、窒素封入し、密栓した。マイクロウェーブ反応装置を用いて、160℃で1時間反応させた。冷却後、フッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(1M,30mL,30mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液をヘキサンで2回抽出した。水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、n−ヘキサンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物7(4.29g,3.96mmol,Y=99%)を得た。
4−(4−デシルヘキサデシル)−2−トリメチルスタニルチオフェン(5.51g,9.00mmol)と化合物6(2.35g,4.00mmol)とトルエン(13mL)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(185mg,0.16mol)を20mL反応用バイアルに入れ、窒素封入し、密栓した。マイクロウェーブ反応装置を用いて、160℃で1時間反応させた。冷却後、フッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(1M,30mL,30mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液をヘキサンで2回抽出した。水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、n−ヘキサンを展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物7(4.29g,3.96mmol,Y=99%)を得た。
得られた化合物7の物性データは次の通りであった。
HRMS (ESI) m/z 1082.7806 [M+]. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.61 (s, 2H), 7.54 (s, 2H), 7.23 (d, 2H, J = 0.8 Hz), 6.98 (s, 2H), 2.68 (t, 4H. J =7.4 Hz), 1.68 (m, 4H), 1.38-1.25 (m, 86H), 0.87 (t, 12H, J = 6.6 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 144.01, 138.21, 136.78, 135.50, 129.88, 126.71, 124.82, 119.57, 116.85, 37.31, 33.68, 33.42, 31.92, 31.08, 30.15, 29.71, 29.66, 29.36, 27.67, 26.73, 22.69, 14.11.
HRMS (ESI) m/z 1082.7806 [M+]. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.61 (s, 2H), 7.54 (s, 2H), 7.23 (d, 2H, J = 0.8 Hz), 6.98 (s, 2H), 2.68 (t, 4H. J =7.4 Hz), 1.68 (m, 4H), 1.38-1.25 (m, 86H), 0.87 (t, 12H, J = 6.6 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 144.01, 138.21, 136.78, 135.50, 129.88, 126.71, 124.82, 119.57, 116.85, 37.31, 33.68, 33.42, 31.92, 31.08, 30.15, 29.71, 29.66, 29.36, 27.67, 26.73, 22.69, 14.11.
(化合物8の合成)
100mL三口フラスコに3回窒素置換を行った後、−78℃でテトラヒドロフラン(40mL)、ノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,2.22mL,3.55mmol)を仕込んだ。その後、−78℃で2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.61mL,3.55mmol)を滴下した。−78℃で15分間撹拌後、化合物7(1.60g,1.48mmol)のテトラヒドロフラン(23mL)溶液をゆっくり滴下した。−78℃で3時間撹拌した後、反応液にトリイソプロピルボレート(3.00mL,13.1mmol)を滴下し、反応液を5時間かけて室温まで昇温しながら撹拌した。1M塩酸を加え、ジエチルエーテルで1回抽出後、水で3回洗浄した。100mL三口フラスコにジエチルエーテル(40mL)と35%過酸化水素水(40mL)を仕込んだ後、抽出後の有機層を室温でゆっくり滴下した。室温で20分間撹拌した後、反応溶液をヘキサンで2回抽出した。水で3回洗浄後硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、n−ヘキサン:塩化メチレン=85:15の混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物8(778mg,0.70mmol,Y=47%)を得た。
100mL三口フラスコに3回窒素置換を行った後、−78℃でテトラヒドロフラン(40mL)、ノルマルブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6M,2.22mL,3.55mmol)を仕込んだ。その後、−78℃で2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(0.61mL,3.55mmol)を滴下した。−78℃で15分間撹拌後、化合物7(1.60g,1.48mmol)のテトラヒドロフラン(23mL)溶液をゆっくり滴下した。−78℃で3時間撹拌した後、反応液にトリイソプロピルボレート(3.00mL,13.1mmol)を滴下し、反応液を5時間かけて室温まで昇温しながら撹拌した。1M塩酸を加え、ジエチルエーテルで1回抽出後、水で3回洗浄した。100mL三口フラスコにジエチルエーテル(40mL)と35%過酸化水素水(40mL)を仕込んだ後、抽出後の有機層を室温でゆっくり滴下した。室温で20分間撹拌した後、反応溶液をヘキサンで2回抽出した。水で3回洗浄後硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、n−ヘキサン:塩化メチレン=85:15の混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物8(778mg,0.70mmol,Y=47%)を得た。
得られた化合物8の物性データは次の通りであった。
HRMS (ESI) m/z 1113.7616 [M++H]. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.69 (d, 2H, J = 0.8 Hz), 7.66 (s, 2H), 7.28 (d, 2H, J = 0.8 Hz), 2.64 (t, 4H, 7.6 Hz), 1.62 (m, 4H), 1.31-1.23 (m, 86H), 0.87 (t, 12H, J = 6.6 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 191.07, 145.19, 139.60, 139.05, 133.45, 132.39, 130.11, 127.23, 119.77, 37.25, 33.60, 33.28, 31.92, 30.68, 30.13, 29.71, 29.66, 29.37, 26.70, 22.69, 14.12.
HRMS (ESI) m/z 1113.7616 [M++H]. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.69 (d, 2H, J = 0.8 Hz), 7.66 (s, 2H), 7.28 (d, 2H, J = 0.8 Hz), 2.64 (t, 4H, 7.6 Hz), 1.62 (m, 4H), 1.31-1.23 (m, 86H), 0.87 (t, 12H, J = 6.6 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 191.07, 145.19, 139.60, 139.05, 133.45, 132.39, 130.11, 127.23, 119.77, 37.25, 33.60, 33.28, 31.92, 30.68, 30.13, 29.71, 29.66, 29.37, 26.70, 22.69, 14.12.
(化合物9の合成)
50mLの三口フラスコに化合物8(677mg,0.60mmol)及びTHF(20mL)を仕込み、0〜5℃に冷却した。そこにN−ブロモスクシンイミド(235mg,1.32mmol)を加え、30分間かけて室温に戻しながら撹拌した後、45℃に昇温し、6時間攪拌した。その後、ヘキサンで1回抽出した。水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、n−ヘキサン:塩化メチレン=9:1の混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物9(718mg,0.57mmol,Y=94%)を得た。
50mLの三口フラスコに化合物8(677mg,0.60mmol)及びTHF(20mL)を仕込み、0〜5℃に冷却した。そこにN−ブロモスクシンイミド(235mg,1.32mmol)を加え、30分間かけて室温に戻しながら撹拌した後、45℃に昇温し、6時間攪拌した。その後、ヘキサンで1回抽出した。水で2回洗浄後、硫酸マグネシウムを加え乾燥させた。その後、濾過、濃縮を行い、n−ヘキサン:塩化メチレン=9:1の混合溶媒を展開溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで化合物9(718mg,0.57mmol,Y=94%)を得た。
得られた化合物9の物性データは次の通りであった。
HRMS (ESI) m/z 1269.5854 [M++H]. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.55 (s, 2H), 7.54 (s, 2H), 2.60 (t, 4H, J = 7.4 Hz), 1.59 (m, 4H), 1.31-1.23 (m, 86H), 0.87 (t, 12H, J = 6.6 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 190.81, 144.18, 139.81, 138.53, 132.83, 132.59, 129.30, 119.47, 118.65, 37.15, 33.56, 33.19, 31.92, 30.12, 29.83, 29.71, 29.67, 29.37, 26.67, 22.69, 14.12.
HRMS (ESI) m/z 1269.5854 [M++H]. 1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.55 (s, 2H), 7.54 (s, 2H), 2.60 (t, 4H, J = 7.4 Hz), 1.59 (m, 4H), 1.31-1.23 (m, 86H), 0.87 (t, 12H, J = 6.6 Hz). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 190.81, 144.18, 139.81, 138.53, 132.83, 132.59, 129.30, 119.47, 118.65, 37.15, 33.56, 33.19, 31.92, 30.12, 29.83, 29.71, 29.67, 29.37, 26.67, 22.69, 14.12.
[実施例1](高分子化合物P1の合成)
化合物5(120.5mg,0.10mmol)、5,5’−ビス(トリメチルスタニル)−2,2’−ビチオフェン(49.2mg,0.10mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.3mg,0.002mol)及びトルエン(3mL)を反応用バイアルに入れ、窒素封入し、密栓した。マイクロウェーブ反応装置を用いて、180℃で60分間反応させた。その後、室温まで冷却後、反応液を5%塩酸/メタノール溶液に注ぎ込み、5時間撹拌した。沈殿した固体をろ取し、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、n−ヘキサンで洗浄した後、クロロホルムで抽出した。得られた溶液を一部濃縮し、メタノールに注ぎ込み、ろ取することで、高分子化合物P1(95mg,Y=79%)を暗緑色固体として得た(数平均分子量37,000)。
化合物5(120.5mg,0.10mmol)、5,5’−ビス(トリメチルスタニル)−2,2’−ビチオフェン(49.2mg,0.10mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.3mg,0.002mol)及びトルエン(3mL)を反応用バイアルに入れ、窒素封入し、密栓した。マイクロウェーブ反応装置を用いて、180℃で60分間反応させた。その後、室温まで冷却後、反応液を5%塩酸/メタノール溶液に注ぎ込み、5時間撹拌した。沈殿した固体をろ取し、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、n−ヘキサンで洗浄した後、クロロホルムで抽出した。得られた溶液を一部濃縮し、メタノールに注ぎ込み、ろ取することで、高分子化合物P1(95mg,Y=79%)を暗緑色固体として得た(数平均分子量37,000)。
[実施例2](高分子化合物P2の合成)
化合物9(38.6mg,0.030mmol)、3,6−ビス(トリメチルスタニル)チエノ[3,2−b]チオフェン(14.9mg,0.030mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.07mg,0.007mol)及びトルエン(1.5mL)を反応用バイアルに入れ、窒素封入し、密栓した。マイクロウェーブ反応装置を用いて、180℃で60分間反応させた。その後、室温まで冷却後、反応液を5%塩酸/メタノール溶液に注ぎ込み、5時間撹拌した。沈殿した固体をろ取し、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、n−ヘキサン、クロロホルム、クロロベンゼンで洗浄した後、オルトジクロロベンゼンで抽出した。得られた溶液を一部濃縮し、メタノールに注ぎ込み、ろ取することで、高分子化合物P2(22mg,Y=57%)を暗茶色固体として得た(数平均分子量58,000)。
化合物9(38.6mg,0.030mmol)、3,6−ビス(トリメチルスタニル)チエノ[3,2−b]チオフェン(14.9mg,0.030mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.07mg,0.007mol)及びトルエン(1.5mL)を反応用バイアルに入れ、窒素封入し、密栓した。マイクロウェーブ反応装置を用いて、180℃で60分間反応させた。その後、室温まで冷却後、反応液を5%塩酸/メタノール溶液に注ぎ込み、5時間撹拌した。沈殿した固体をろ取し、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、n−ヘキサン、クロロホルム、クロロベンゼンで洗浄した後、オルトジクロロベンゼンで抽出した。得られた溶液を一部濃縮し、メタノールに注ぎ込み、ろ取することで、高分子化合物P2(22mg,Y=57%)を暗茶色固体として得た(数平均分子量58,000)。
[比較例1](高分子化合物P3の合成)
特開2013−254818に記載の方法により、以下の化学式で示される高分子化合物P3を合成した(数平均分子量480,000)。
特開2013−254818に記載の方法により、以下の化学式で示される高分子化合物P3を合成した(数平均分子量480,000)。
(光学特性の評価)
上記実施例及び比較例で得られた高分子化合物P1、P2及びP3を用いて薄膜を作製し、吸収スペクトルを測定した。吸収スペクトルを図1(a)に示し、薄膜の写真を図1(b)に示す。
薄膜作製条件:0.5〜1.0mg/Lの濃度の高分子化合物のオルトジクロロベンゼン溶液を100〜150℃に加熱し、これを石英基板上に1500〜3000rpmの回転数で約30秒間スピンコートすることで、薄膜を作製した。
測定条件:島津製作所製紫外可視近赤外分光光度計(UV3600)を用いて、250〜2000nmの波長範囲で、2〜5nm/secの掃引速度で測定した。
薄膜の吸収スペクトル測定より算出した、吸収極大波長(λmax)、吸収端波長(λedge)、及び1240/λedgeにて算出した光吸収バンドギャップ(Eg opt)の各値を表1にまとめた。
上記実施例及び比較例で得られた高分子化合物P1、P2及びP3を用いて薄膜を作製し、吸収スペクトルを測定した。吸収スペクトルを図1(a)に示し、薄膜の写真を図1(b)に示す。
薄膜作製条件:0.5〜1.0mg/Lの濃度の高分子化合物のオルトジクロロベンゼン溶液を100〜150℃に加熱し、これを石英基板上に1500〜3000rpmの回転数で約30秒間スピンコートすることで、薄膜を作製した。
測定条件:島津製作所製紫外可視近赤外分光光度計(UV3600)を用いて、250〜2000nmの波長範囲で、2〜5nm/secの掃引速度で測定した。
薄膜の吸収スペクトル測定より算出した、吸収極大波長(λmax)、吸収端波長(λedge)、及び1240/λedgeにて算出した光吸収バンドギャップ(Eg opt)の各値を表1にまとめた。
(電気化学特性の評価)
次に、高分子化合物P1、P2及びP3の薄膜を用いてサイクリックボルタンメトリー測定を行なった。
試料作製条件:0.5〜1.0mg/Lの濃度の高分子化合物のオルトジクロロベンゼン溶液を白金製作用電極に垂らして乾燥させることで、薄膜試料を作製した。
測定条件:支持電解質としてテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファートを用い、このベンゾニトリル溶液を0.1Mの濃度に調整した。高分子化合物の薄膜を有する白金製作用電極、白金製カウンター電極、銀/塩化銀参照電極を溶液に入れ、ALS電気化学アナライザー(612D)を用いて100mV/sの掃引速度で測定した。
測定結果より、ELUMO及びEHOMOを算出し、表1にまとめた。
次に、高分子化合物P1、P2及びP3の薄膜を用いてサイクリックボルタンメトリー測定を行なった。
試料作製条件:0.5〜1.0mg/Lの濃度の高分子化合物のオルトジクロロベンゼン溶液を白金製作用電極に垂らして乾燥させることで、薄膜試料を作製した。
測定条件:支持電解質としてテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファートを用い、このベンゾニトリル溶液を0.1Mの濃度に調整した。高分子化合物の薄膜を有する白金製作用電極、白金製カウンター電極、銀/塩化銀参照電極を溶液に入れ、ALS電気化学アナライザー(612D)を用いて100mV/sの掃引速度で測定した。
測定結果より、ELUMO及びEHOMOを算出し、表1にまとめた。
高分子化合物P1、P2に用いたキノイド型構造A1、A2に対応する芳香族型構造を有する従来公知の高分子化合物のバンドギャップは約1.8〜1.9eVである(Journal of the American Chemical Society 2004年、vol.126、p3378およびJournal of the American Chemical Society 2007年、vol.129、p4112)のに対して、本発明の高分子化合物は、いずれもバンドギャップが狭いことがわかった。特に実施例2の高分子化合物P2を用いた薄膜は、極大吸収波長も赤外領域で可視光の吸収が少なく透明の薄膜であった。
(ボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタ素子の評価)
続いて、上記実施例及び比較例で得られた高分子化合物P1、P2及びP3を用いて、図2に示す構造のトランジスタ素子を作製し、トランジスタ特性を評価した。
ゲート電極となる200nm厚のシリコン酸化膜を有する高濃度にドーピングされたn−型シリコン基板を十分洗浄した後、n−型シリコン基板のシリコン酸化膜表面をオクタデシルトリエトキシシラン(ODTS)でシラン処理した。
高分子化合物P1を1,2,4−トリクロロベンゼン溶媒に加熱溶解して5g/Lの溶液を調製し、上記表面処理したn−型シリコン基板上にスピンコート法で約30nm厚のポリマー薄膜を作製した。高分子化合物P2及びP3についても同様に、n−型シリコン基板上に約30nm厚のポリマー薄膜を作製した。
この薄膜を窒素雰囲気下にて、P1及びP3薄膜は300℃で30分、P2薄膜は200℃で30分、それぞれ加熱した。薄膜上に金を真空蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。
このようにして、チャネル長40μm、チャネル幅1.5mmのボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタ素子を作製した。
以下、これらのトランジスタ素子をトランジスタ素子P1、トランジスタ素子P2、トランジスタ素子P3と記す。
続いて、上記実施例及び比較例で得られた高分子化合物P1、P2及びP3を用いて、図2に示す構造のトランジスタ素子を作製し、トランジスタ特性を評価した。
ゲート電極となる200nm厚のシリコン酸化膜を有する高濃度にドーピングされたn−型シリコン基板を十分洗浄した後、n−型シリコン基板のシリコン酸化膜表面をオクタデシルトリエトキシシラン(ODTS)でシラン処理した。
高分子化合物P1を1,2,4−トリクロロベンゼン溶媒に加熱溶解して5g/Lの溶液を調製し、上記表面処理したn−型シリコン基板上にスピンコート法で約30nm厚のポリマー薄膜を作製した。高分子化合物P2及びP3についても同様に、n−型シリコン基板上に約30nm厚のポリマー薄膜を作製した。
この薄膜を窒素雰囲気下にて、P1及びP3薄膜は300℃で30分、P2薄膜は200℃で30分、それぞれ加熱した。薄膜上に金を真空蒸着し、ソース電極及びドレイン電極を形成した。
このようにして、チャネル長40μm、チャネル幅1.5mmのボトムゲート・トップコンタクト型トランジスタ素子を作製した。
以下、これらのトランジスタ素子をトランジスタ素子P1、トランジスタ素子P2、トランジスタ素子P3と記す。
作製したトランジスタ素子P1に、ゲート電圧Vgを10〜−60V、ソース・ドレイン間電圧Vdを0〜−60Vに変化させてp−チャネルトランジスタ特性を測定した。さらに、ゲート電圧Vgを−10〜60V、ソース・ドレイン間電圧Vdを0〜60Vに変化させてn−チャネルトランジスタ特性を測定した。図3(a)に伝達特性、図3(b)に出力特性を示す。これらの特性から、p−チャネル駆動時のホール移動度は0.16cm2/Vs、電流のオン・オフ比は101と算出され、n−チャネル駆動時の電子移動度は0.16cm2/Vs、電流のオン・オフ比は101と算出された。
作製したトランジスタ素子P2に、ゲート電圧Vgを−20〜−80V、ソース・ドレイン間電圧Vdを0〜−60Vに変化させてp−チャネルトランジスタ特性を測定した。さらに、ゲート電圧Vgを−20〜60V、ソース・ドレイン間電圧Vdを0〜60Vに変化させてn−チャネルトランジスタ特性を測定した。図4(a)に伝達特性、図4(b)に出力特性を示す。これらの特性から、p−チャネル駆動時のホール移動度は0.30cm2/Vs、電流のオン・オフ比は101と算出され、n−チャネル駆動時の電子移動度は0.35cm2/Vs、電流のオン・オフ比は101と算出された。
作製したトランジスタ素子P3に、ゲート電圧Vgを10〜−60V、ソース・ドレイン間電圧Vdを0〜−60Vに変化させてp−チャネルトランジスタ特性を測定した。さらに、ゲート電圧Vgを0〜60V、ソース・ドレイン間電圧Vdを0〜60Vに変化させてn−チャネルトランジスタ特性を測定した。図5(a)に伝達特性、図5(b)に出力特性を示す。これらの特性から、p−チャネル駆動時のホール移動度は0.36cm2/Vs、電流のオン・オフ比は101と算出され、n−チャネル駆動時の電子移動度は0.16cm2/Vs、電流のオン・オフ比は101と算出された。
本発明の高分子化合物を用いた実施例は、ホール移動度と電子移動度の比μe/μhの値がほぼ1であり、比較例に比べてホール移動度と電子移動度のバランスがよいことが示された。
本発明の高分子化合物は、バンドギャップが狭く、キャリア移動度が高く、またホール移動度と電子移動度が同程度でバランスがよいことから、論理回路を構成するためのトランジスタ材料として有用である。
また、本発明の高分子化合物は、バンドギャップが小さく可視光領域で吸収がない(ほぼ透明である)こと、赤外領域での吸収が大きいことから、赤外センサー、透明電極、熱電材料として有用な化合物として期待される。
また、本発明の高分子化合物は、バンドギャップが小さく可視光領域で吸収がない(ほぼ透明である)こと、赤外領域での吸収が大きいことから、赤外センサー、透明電極、熱電材料として有用な化合物として期待される。
Claims (9)
- 一般式(1)で表される高分子化合物。
(A1)〜(A5):
(Z1)〜(Z5):
から選ばれる基を示し、lは0又は1を示す。)] - 一般式(1)におけるAが、式(A1)で表される基である請求項1記載の高分子化合物。
- 式(A1)で表される基が、次式
- 一般式(1)におけるAが、式(A2)で表される基である請求項1記載の高分子化合物。
- 式(A2)で表される基が、
- 一般式(1)におけるZが、式(Z2)で表される基である請求項1〜5のいずれか1項記載の高分子化合物。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の高分子化合物からなる有機半導体材料。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の高分子化合物を含有する有機半導体。
- 請求項1〜6のいずれか1項記載の高分子化合物を含有する有機トランジスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016101380A JP2017206649A (ja) | 2016-05-20 | 2016-05-20 | 高分子化合物、該高分子化合物からなる有機半導体材料並びに該高分子化合物を有する有機半導体及び有機トランジスタ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=60416940
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JP2016101380A Pending JP2017206649A (ja) | 2016-05-20 | 2016-05-20 | 高分子化合物、該高分子化合物からなる有機半導体材料並びに該高分子化合物を有する有機半導体及び有機トランジスタ |
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-
2016
- 2016-05-20 JP JP2016101380A patent/JP2017206649A/ja active Pending
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