JP2017205707A - シール装置及び攪拌機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】貯留タンク14の開口部14Bに取り付けられた、貫通孔18を有する据付部材17と、貫通孔18に固定され、貯留タンク14内へ延在するシール筒28と、シール筒28の下方へ延在する回転軸20と、シール筒28の下方に固定された底部26Aと、上方へ延在する側部を有するシール容器26と、内部に密封用の液体Lが貯留される管状の保護管32と、保護管32内に設置された吊り下げ部材36Eと、吊り下げ部材36Eの下端部に取り付けられた検出部36Fを有する検出器36と、を有し、シール容器26内、シール筒28内および保護管32内に液体Lが貯留され、液体Lの液面の高さを検出器36で検出する構成とされ、保護管32の下端が検出部36Fの下端よりも上方に位置するシール装置10。
【選択図】図1
Description
(A)汚泥の供給を停止する問題
下水処理によって常に新しい汚泥が発生するため、消化タンク114を1つしか有さない下水処理場では、消化タンク114内への汚泥の供給を停止できないという問題があった。また、消化タンク114を複数有する下水処理場であっても、ある消化タンク114への汚泥の供給を停止している間、他の消化タンク114に供給する汚泥の量を増やさなければならないため、他の消化タンク114の容量に余裕が無い場合は、汚泥の供給を停止できないという問題があった。
消化タンク114への汚泥の供給を停止した後、汚泥から消化ガスが完全に発生しなくなるまでには、約30日以上もかかるという問題があった。
汚泥から消化ガスが発生しなくなっても、消化タンク114内の圧力は、ガスホルダ圧(発生した消化ガスが流れて貯留されるガスホルダの設定圧)とほぼ同程度の圧力(100mmAq〜300mmAq程度)である。そのため、消化ガスが発生しなくなった後においても、貯留ポット126内や保護管132内の液体Lの液面があまり上昇せず、かつ軸封部は外部から目視確認が出来ず、保護管132のガス抜き穴134を液中に埋没させるのが困難であるという問題があった。
前記シール装置において、前記シール容器内の液面が前記シール筒内の液面よりも100〜300mm低い、通常時の液位を基準として、前記シール容器内の液面より上方に、保護管の内外を貫通するガス抜き穴が設けられていない構成とすることが好ましい。前記保護管に、保護管の内外を貫通するガス抜き穴を設けない構成も好ましい形態である。
前記シール装置において、前記シール容器内の液面が前記シール筒内の液面よりも100〜300mm低い、通常時の液位を基準として、前記シール容器内の液面より下方に、前記保護管の下端が位置する構成とすることが好ましい。前記保護管の下端が、前記検出部の上端よりも下方に位置する構成がさらに好ましい形態である。
前記シール装置の回転軸に撹拌羽根を取り付けて攪拌機とすることもできる。すなわち、貯留タンク内を撹拌する撹拌機の一部分として、シール装置を用いることができる。
前記特許文献1とは異なり、本発明に係るシール装置は、通常時の液位を基準として、前記シール容器内の液面より上方に、保護管の内外を貫通するガス抜き穴が設けられていない。したがって、検出器を引き抜く際、ガス抜き穴を埋没させるために、被処理物の供給停止を行う必要がないという利点がある。
図3に示すように、本実施形態に係るシール装置10が適用される貯留槽12の本体部分とされる貯留タンク14は、中間部が円筒形になっており、上部及び下部が中心軸側へ向かって次第に狭まった形状をしている。この貯留タンク14としては、消化槽12の消化タンク14を例示できるが、これに限られるものではない。その他の例として、生ごみなどを混合した嫌気発酵槽を挙げることもできる。この消化タンク14は被処理物Sを貯留するために、内部が空洞となっている。
貯留タンク14に貯留される被処理物Sとしては、汚泥を例示することができる。被処理物Sは汚泥に限られるものではなく、そのほかに、屎尿、食品残渣、草木系バイオマスなどを例示することもできる。
消化タンク14の上壁面14Aには開口部14Bが形成されており、その開口部14Bに上側から蓋をするように据付部材17が設置されている。この据付部材17は、消化タンク14に撹拌機7を据え付けるために用いられる。図1、図2には、据付部材17として板状の据付板を示したが、板状に限られるものではなく、アーチ状などの任意の形態に変更しても良い。なお、この据付部材17の中央部には貫通穴18が形成されている。
前記据付部材17の上方には、円板状に形成されたケーシング52が設置され、このケーシング52の上方にモータ16が取り付けられている。また、このケーシング52にも貫通穴54が形成されており、下方向に垂直に伸びる回転軸20が、これらの貫通穴18、54を同軸状の位置で貫通している。さらに、ケーシング52の上面と向かい合う位置にスラストベアリング56が設けられており、このスラストベアリング56は回転軸20に取り付けられている。そして、モータ16と回転軸20との間に介在する図示しない歯車等からなる回転機構によって、モータ16の回転動力が回転軸20に伝達される構造になっている。
前記回転軸20の上部は、前記回転機構に連結されるとともに、図示しない支持機構によって支持されている。そして、その連結部から下方へ垂直に延在し、後述するシール筒28内を通って、消化タンク14の中部または下部まで延在している。
図3に示すように、消化タンク14内の回転軸20の下端部には、大型インペラ22が取り付けられている。また、この回転軸20の上方には、大型インペラ22よりも小さい小型インペラ24が取り付けられている。そして、回転軸20が回転するのに伴い、消化タンク14の下部に位置する大型インペラ22と、消化タンク14内の上部に位置することになる小型インペラ24が、それぞれ回転し、下方から上方へ向かう汚泥の渦流(矢印Bの方向の渦流)を生み出している。
前記据付部材17の貫通穴18の内面には、筒形状のシール筒28が固定されている。図1、図2の形態では、貫通穴18の内面とシール筒28の外面が溶接によって直接固定されている。そして、このシール筒28は、据付部材17の上方(図1、図2では、据付部材17とケーシング52の間の位置)から貫通孔18を通って消化タンク14内へ延在している。このシール筒28内の中空部分には、前記回転軸20が貫通されており、シール筒28と回転軸20の間の隙間には、後述する密封用の液体Lが貯留されている。なお、このシール筒28は、前記据付部材17に固定されていることから、回転軸20が回転しても、シール筒28が回転することはない。
しかし、通常は、消化タンク114内の消化ガスのガス圧と外気圧が違うため、貯留ポット126内の液面の高さと中間筒128内の液面の高さが異なる。したがって、中間筒128内に保護管132を配置した場合、保護管内132内のレベル計136は、中間筒128内の液面の高さを検出できるが、貯留ポット126内の液面の高さを検出できないという問題がある。特に、消化タンク114内の圧力が上昇して、貯留ポット126内の液体Lが減少したとしても、中間筒128内に液体Lがある間はその減少を検知することができず、中間筒128内にも液体Lがほとんど無くなり、消化タンク114の内部と外部を液体Lによってシールできなくなるまで検知できないという問題がある。また、前記軸封液Lの損失の問題を考慮して、中間筒128をできる限り小径にするように設計するため、中間筒128内に保護管132やレベル計136を配置することは困難であるという問題もある。さらに、レベル計136や保護管132を回転軸120の近くに設置した場合、レベル計136や保護管132が回転軸120と接触する懸念があるため、好ましくない。
前記回転軸20のうち、シール筒28の下端28dよりも下方に位置する部分に、シール容器26の底部26Aが固定されている。このシール容器26は前記底部26Aと底部26Aから上方へ延在する側部26Bを有している。図1に示したシール容器26は、円板状の底面26A(底部)と、その底面26Aの縁部から上方へ延在する円筒形の側壁26B(側部)から構成されている。そして、シール容器26の円盤状の底面26Aの中心部を回転軸20が貫通しており、その貫通部26Cにおいて、シール容器26と回転軸20が溶接26D等によって結合している。シール容器26の底面26Aは、シール筒28の下端28dよりも下側に位置しており、シール容器26の底面26Aとシール筒28の下端28dの間には、所定の隙間h1が空いている。また、シール容器26の側面26Bは、シール筒28の壁面を取り囲むように外側に位置しており、シール容器26の側壁26Bとシール筒28の壁面の間にも、所定の隙間w1が空いている。なお、回転軸20が回転すると、回転軸20に固定されたシール容器26も同方向に回転するため、回転軸20とシール容器26の軸心は同軸になるように配置することが好ましい。また、シール容器26の形状は、前記の形状に限られるものではなく、例えば椀形状にしたり、側壁26Bが多角形の筒状(底面26Aを有する)にしたりしても良い。椀形状にした場合などは、底部26Aと側部26Bの境界線がはっきりしない場合もあり得るが、その場合は例えばシール容器26と回転軸20の結合部26D周辺を底部26Aとし、そこから上方へ向かう部分を側部26Bと考えることができる。さらに、シール容器26には、側壁26Bの上端部から回転軸20がある方向へ延在する上面(図示しない)を設けても良い。
シール容器26の内部には、消化タンク14内の消化ガスと、消化タンク14外の空気の間を遮断する密封用の液体Lが貯留されている。この密閉用の液体Lとしては、安価に入手できる砂ろ過水(砂ろ過装置を用いて下水処理設備の流出水から浮遊物を除去したもの)を例示することができるが、これに限られるものではなく、水道水や不凍液水などを用いても良い。
円管状に形成された保護管32の上端部は、前記据付板17に設けられた第二の貫通孔19(前記貫通孔18とは別の貫通孔)の内側に固定されている。そして、保護管32は、その固定部21から下方へ真っ直ぐに(回転軸20の軸心と平行に)延在し、下端部がシール容器26とシール筒28の間の空間に配置されている。この保護管32の下端とシール容器26の底面26Aとの間には、所定の長さの隙間が空けられている。この保護管32内の中空部にも液体Lが貯められており、保護管32内の液体Lとシール容器26内の液体Lは、前記隙間を通じて相互に移動可能となっている。なお、保護管32の断面形状は円状に限られるものではなく、多角形等の任意の形状のものでも良い。
また、据付板17または貯留タンクの上壁面14Aには、安全弁(図示しない)が設けられ、貯留タンク内の圧力が一定値(例えば、400mmAq)を超えたときに、気圧を下げる構成となっている。
保護管32内には、シール容器26内の液体Lを検出する検出器36が設けられている。この検出器36の例としては、所定の位置における液体Lの有無を検出するレベルスイッチや、液体量を0〜100%の連続指示値で出力するレベル計を挙げることができるが、経済的なレベルスイッチが好ましい。また、前記レベルスイッチ36は、据付板17の上方から貫通孔19を通じてシール容器26内に挿入するが、据付板17からケーシング52までの距離が短いため、標準的な棒状の電極のレベルスイッチを入れることは困難である。そのため、フレキシブルなワイヤを使用したワイヤタイプのレベルスイッチ36を用いると良い。また、消化タンク14内の消化ガスがメタンなどの爆発性物質を含む場合は、防爆の観点から、防爆仕様の静電容量式レベルスイッチ36を用いることが好ましい。
また、検出器36としてレベル計を用いた場合は、変換器で複数点の液位を検出し、予め定めた所望の液位と比較して液位が少ないと判定したときに、液体Lを補充するようにしている。
前記のように、通常時の液位を基準として、シール容器26内の液面より上方に、保護管32の内外を貫通するガス抜き穴を設けず、通常時に保護管32内を液体で満杯の状態にすることで、検出器36の引き抜きの問題を解消することができる。しかし、前記のガス抜き穴を設けないことで、下記の新たな問題が生じる。
次に、特許文献1の他の課題について説明する。
(A)ワイヤの腐食の問題
保護管132にガス抜き穴134を設けたことによって生じる別の問題もあった。すなわち、ガス抜き穴134を設けたことによって、保護管132内の圧力と消化タンク114内の圧力が同じになるため、消化タンク114内の消化ガスが保護管132内に入り込み、ワイヤ138の液体Lに埋没していない部分が、恒常的に消化ガスと接触することになる。この消化ガスは、高濃度の硫化水素を含む腐食性ガスであるため、ワイヤ138が腐食し、最後には切れて、レベル計136が貯留ポット126内に落ちてしまうという懸念があった。ワイヤ138が切れた場合は、誘電率が低下して、液位の異常警報が発せられる。その後、レベル計136が貯留ポットに落下したことを確認し、レベル計136を回収することになるが、消化タンク114の外にいる作業員が、保護管132または中間筒128の狭く見えづらい中空部分に回収道具を挿入して回収することになるため、その回収作業が困難であるという問題があった。
また、汚泥の過剰な供給や引き抜き、消化タンク114内の温度の低下、汚泥に対する加温や撹拌の不足、消化タンク114内への消化阻害物質(例えば、酸性物質、シアン化合物、重金属類等の毒性物質)や放線菌の流入などが原因となり、消化タンク114内でしばしば発泡が起きる。この泡が次第に消化タンク114の上方へ上昇し、保護管132のガス抜き穴134を通ってワイヤ138に付着することがある。この泡がワイヤ138に付着すると、誘電率が高くなり、誤作動が生じるという懸念もあった。
また、ガスシール装置110を通常運転しているときには、貯留ポット126内の液面の高さと中間筒128内の液面の高さに差が生じている。すなわち、外気圧よりも消化タンク114内の消化ガスの圧力の方が高いため、中間筒128の上端開口部から消化タンク114の外側に液体Lが溢れ出る状態になっている。貯留ポット126内の液体Lは、消化タンク114内の発泡によって汚染されたり、中間筒128の上端開口部から異物が混入する可能性があるため、定期的に洗浄したり交換したりすることが望ましいが、洗浄後の液体Lや新しい液体Lを中間筒128内に供給しても、中間筒128の上端開口部から外へ溢れ出てしまうため、通常運転時に中間筒128を介して液体Lを洗浄・交換することは困難である。そこで、保護管132を介して液体Lを洗浄・交換することが考えられるが、保護管132にガス抜き穴134が設けられていることから、ねじ止部140Aを開けた瞬間に消化ガスが消化タンク114の外に漏れる可能性があるため、保護管132を介して液体Lを供給することは困難であった。
本実施形態に係るシール装置10の作用・効果を説明する。
円管状の保護管32の上端部が、据付板17の貫通穴19の内面に固定され、保護管32の下端部がシール容器26とシール筒28の間に空間に配置されている。このとき、保護管32の下端とシール容器26の底面26Aの間には、隙間が空けられている。そして、この保護管32内に存在する液体Lの液面レベルを検知電極36Fが検出するようになる。つまり、消化タンク14の稼働時においてシール容器26内の液面レベルが設定値よりも低下したときは、この検知電極36Fによって液面レベルの異常を感知可能となっている。また、本実施形態では、消化タンク14の外側に配置される変換器が、ワイヤ36Eを介して検知電極36Fに繋がっており、この変換器によって、液面の高さが所定値以上になっているか否かの判断をしている。
Claims (6)
- 貯留タンクの上面開口部に取り付けられた、貫通孔を有する据付部材と、
前記据付部材の貫通孔に固定され、前記据付部材の上方から前記貫通孔を通って貯留タンク内へ延在する筒状のシール筒と、
前記シール筒の上端よりも上方から、前記シール筒内を通って、前記シール筒の下端より下方へ延在する回転軸と、
前記回転軸のうち、前記シール筒の下端よりも下方に位置する部分に固定された底部と、前記底部から上方へ延在する側部を有するシール容器と、
上部が前記据付部材に固定され、下端が前記シール容器の底面と隙間を空けて上方に配置され、内部に密封用の液体が貯留される管状の保護管と、
前記保護管内に設置された吊り下げ部材と、前記吊り下げ部材の下端部に取り付けられた検出部を有する検出器と、を有し、
前記シール容器内、シール筒内および保護管内に液体が貯留され、
前記シール容器内に貯留された液体の液面の高さを前記検出器で検出する構成とされたシール装置であって、
前記保護管の下端が前記検出部の下端よりも上方に位置することを特徴とするシール装置。 - 前記シール容器内の液面が前記シール筒内の液面よりも100〜300mm低い、通常時の液位を基準として、
前記シール容器内の液面より上方に、保護管の内外を貫通するガス抜き穴が設けられていない請求項1記載のシール装置。 - 前記保護管には、保護管の内外を貫通するガス抜き穴が設けられていない請求項1記載のシール装置。
- 前記シール容器内の液面が前記シール筒内の液面よりも100〜300mm低い、通常時の液位を基準として、
前記シール容器内の液面より下方に、前記保護管の下端が位置する請求項1記載のシール装置。 - 前記保護管の下端が、前記検出部の上端よりも下方に位置する請求項1記載のシール装置。
- 貯留タンクの上面開口部に取り付けられた、貫通孔を有する据付部材と、
前記据付部材の貫通孔に固定され、前記据付部材の上方から前記貫通孔を通って貯留タンク内へ延在する筒状のシール筒と、
前記シール筒の上端よりも上方から、前記シール筒内を通って、前記シール筒の下端より下方へ延在する回転軸と、
前記回転軸のうち、前記シール筒の下端よりも下方に位置する部分に固定された底部と、前記底部から上方へ延在する側部を有するシール容器と、
上部が前記据付部材に固定され、下端が前記シール容器の底面と隙間を空けて上方に配置され、内部に密封用の液体が貯留される管状の保護管と、
前記保護管内に設置された吊り下げ部材と、前記吊り下げ部材の下端部に取り付けられた検出部を有する検出器と、を有し、
前記シール容器内、シール筒内および保護管内に液体が貯留され、
前記シール容器内に貯留された液体の液面の高さを前記検出器で検出する構成とされたシール装置の前記回転軸に撹拌羽根が取り付けられていることを特徴とする攪拌機。
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