JP2017204937A - ばねを作動子に用いた超音波アクチュエータ - Google Patents

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礼人 金田
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Abstract

【課題】ステータと作動子のみを用いた単純構造で予圧の調整を可能にし、小型化に適した構造を有し、実用に供しうるトルクを発生する超音波アクチュエータを提供することである。
【課題を解決する手段】圧電体で構成された超音波発生装置を有するステータと、このステータに貫設された作動子孔と、この作動子孔に挿通された柱状の作動子とを備える超音波アクチュエータにおいて、作動子は、その一部または全部が拡径可能な弾性片で構成され、該作動子孔の内部表面を付勢させた状態で当接している。よって、小型であっても実用に供しうるトルクを発生させることができる。

【選択図】図1

Description

本発明は、超音波モータに関して高トルク、柔軟性を実現する超音波アクチュエータに関するものである。
超音波アクチュエータは、エネルギー密度の大きいアクチュエータとして知られている。エネルギー密度が大きいとは、小さな装置であっても大きな力を発生できることであり、小型化ができるということでもある。従来の超音波アクチュエータは、複数の電歪素子または磁歪素子を組み合わせた振動子を、弾性体の内部に組み込み、当該弾性体の表面に励振される横波と縦波の合成による進行波を、摩擦駆動方式により一方向運動に変換する構成のものであり、作動子を回転子とすることにより、当該回転子に対して回転運動を付与する構成のものであった(特許文献1参照)。摩擦駆動であるため、ロータ(回転子)に大きな予圧をかけてステータである振動子に押し付け、ステータの振動をロータに伝達している。上記構成のアクチュエータは、弾性体とロータとを加圧接触させる必要性から、そのための押圧機構を設けることが要求されるものであった。また、ロータを回転させるためには、弾性体を円環状に形成し、その円環に当接する円盤状のロータを摩擦接触させる構成であるため、そのロータが大きくなってしまい、小型化すべき駆動装置には適さないものとなっていた。
現在、実用化されている回転型の超音波アクチュエータは円盤状のステータに張り付けられた圧電体で励振させ、その縦波と横波が結合して2つの直交する振動成分を発生させている。これらの直交成分は90度の位相差があり、ステータ表面の点は超音波周波数で楕円軌道を描く。ステータに張り付けられた圧電体は円周に亘って複数枚に分割され、交互に90度位相差のある電圧を印加することで90度ずれた二つの定在波が発生して、その結果ステータの面(ロータと接触する面)は進行波を発生する。進行波が発生している面では、弾性変形によって楕円振動が発生することになり、この楕円振動がロータを摺動する。予圧をかけられた円盤状のロータに進行波として伝達する。この場合、ステータに対してロータは面的に圧力をかける押圧機構を設けることによって効率よくステータの振動エネルギーをロータに伝達することができる。このような構成の超音波アクチュエータは、円盤状のステータとロータが必要である上、両者に予圧を与える押圧機構が必要であるため、構造が複雑で小型化できていない。
そこで、円柱状または円筒状の作動子(ロータまたはリニアスライダ)を駆動する超音波アクチュエータが開発されている(特許文献2ないし4参照)。これらの技術は、円柱状または円筒状の作動子と摩擦接触するステータが円筒状に形成されており、その円筒状ステータの外部表面に圧電素子を点在させる構成のほかに(特許文献2)、円筒状のステータの内部表面に圧電素子を設け、このステータの内部に摩擦材帯を介して作動子を接触させる構成(特許文献3)であった。さらに、円筒状の固定子(ステータ)の一方表面に分極電極を配列し、他方表面に全面電極を設ける構成としたものがあった(特許文献4)。
しかしながら、ステータを円筒状とする場合、その表面に設けられる圧電素子は、当該円筒状表面に沿った形状としなければならず、その製造が容易なものではなかった。しかも、ロータを作動させるための超音波振動の励起が複雑となり、そのままの構成により小型化することが難しいものであった。そこで、本願の発明者らは、小型化を可能にし得る超音波アクチュエータを開発した(特許文献5および6参照)。
特開昭59−96881号公報 実開平2−83695号公報 特開平3−198672号公報 特開平10−210776号公報 WO2008/038817号公報 特開2009−261494号公報
前掲の特許文献5に開示される技術は、作動子孔の軸線方向に垂直な断面の外周輪郭が四角形となるステータを、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅等の金属材料で構成し、前記四角形側面に超音波発生素子を取り付ける構成であった。また、上記技術では、作動子の駆動トルクを向上させるために、ステータと作動子との摩擦を最適に設定することが必要となるため、前掲の特許文献6に開示される技術では、ステータを複数の部品により構成することとし、作動子の径に応じてステータの作動子孔の大きさを調整できるように構成していた。
ところが、ステータと作動子との摩擦状態を最適に設定したとしても、本来生じるべきトルクを得ることができない場合があった。その理由としては、圧電素子などの超音波発生素子により励起される超音波振動の共振周波数が上昇することに伴って、共振する超音波振動の振幅が減少することによることが考えられる。更に、この方法ではステータと作動子が面的に接触するため、単位面積当たり所定の圧力を得るためにはステータ外部から大きな圧力が必要となり、構造が大きくなる。このことは、アクチュエータを小型化した際には深刻な問題となっていた。また、前掲の特許文献6によれば、複数個のステータを作動子に通して使うことで駆動力を増加させることもできるが、基本的にステータと作動子の隙間があるために回転数が安定しない上、ステータの数が増えることから、これまた小型化が困難なものとなっていた。
ステータに設けた作動子孔と貫通する作動子を備えた構造の超音波アクチュエータにおいて、ステータの振動エネルギーを作動子に伝達して摩擦駆動させるためには、実用化された技術のようにステータ内面と作動子外面とが十分な大きさの圧力が作用するように接触させることが必要である。このため、ステータの作動子孔をテーパ状にし、作動子を逆テーパにして作動子を貫通させた状態で押圧し、両者間に面圧力を発生させる方法が考えられる。しかし、この方法では、小径部分と大径部分との表面の速度に差を生じる結果、回転に伴って作動子が中心軸上で進行する現象が発生し、面圧が極端に上昇する場合には回転が止まってしまうことになる。
この問題に対して発明者らが出願した特願2015−076300では、作動子を外部から押し付け傾けさせることで、作動子孔の開口近傍において部分的に接触・予圧させ,トルクの増大と回転数安定性を得ることに成功した。この方法では、2つのステータに設けた作動子孔の中心をわずかにずらして配置し、その中にロータを挿入した後に、ステータの端部がロータに接するように固定する必要があり、ステータを外部から保持する枠体が必要であった。このため,小型化する上でその枠体の大きさが問題になっていた。また、ステータとロータが点接触であるため、回転の安定性、長期の耐久性に問題があった。
理想的には作動子とステータのみを用いて、作動子孔におけるこの2つの物体間の予圧を微調整できる機構が小型化には望ましい。例えば作動子の直径をマイクロ単位で調整して作動子孔に挿入することで予圧を得るという方法が考えられる。しかし、作動子は一般に金属の丸棒で構成されており、その外径をマイクロ単位で調整しても、そのことによる予圧の変動が大きいため調整することが困難である。このような先行技術文献に示された構造では、小型で高トルクを発現する超音波アクチュエータを提供することはできない。
本発明は、上記諸点にかんがみてなされたものであって、その目的とするところは、ステータと作動子のみを用いて予圧の調整を可能にし、小型化に適した構造を有し、実用に供しうるトルクを発生する超音波アクチュエータを提供することである。
請求項1の超音波アクチュエータは、超音波発生装置を有するステータと、このステータに貫設された作動子孔と、この作動子孔に挿通された柱状の作動子とを備える超音波アクチュエータにおいて、前記作動子は、その一部または全部が拡径可能に設けられ、少なくとも前記作動子孔の内部において拡径することにより、該作動子孔の内部表面を付勢させた状態で当接していることを特徴とするものである。
請求項2の超音波アクチュエータは、請求項1の作動子のその一部または全部が弾性体で構成されたものであることを特徴とするとするものである。
請求項3の超音波アクチュエータは、請求項1の作動子がコイルばねによって構成されたものであることを特徴とするものである。
請求項4の超音波アクチュエータは請求項1の作動子が弾性片を備え、該弾性片が外向きに付勢するものであることを特徴とするものである。
請求項5の超音波アクチュエータは、請求項1の作動子が複数の弾性片を備え、該弾性片が該作動子の周方向に均等な間隔で配置され、該複数の弾性片が前記作動子孔の内部表面に対して均等な間隔で当接することにより、該作動子の軸線を該作動子孔の中心に向かって付勢させるものであることを特徴とするものである。
請求項6の超音波アクチュエータは、請求項1の弾性片が長尺な板バネであり、該板バネの長手方向を前記作動子の軸線方向に沿って配置されるものであることを特徴とする請求項4または5に記載のものである。
本発明の超音波アクチュエータによれば、回転力や直動力などの機械出力が高くなる上、その出力の安定性が維持できるという効果がある。
ばね形状の作動子を挿入する工程図である。 バナナ状のばねの形状図である。 超音波アクチュエータの動作原理説明図である。 予圧とスラスト力の関係を示す実験結果の図である。 予圧とトルクの関係を示す実験結果の図である。
以下に本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は本発明の実施形態を示す斜視図である。この図に示すようにステータ12は全体形状が六面体の一組の対向する二面に設けられた本体部に作動子孔13が設けられている。また、六面体の残りの2組の対向する面には、それぞれ超音波発生素子としての圧電素子14が装着されている。ここでは高い出力を発生させるために4面に圧電素子14を取り付けたが、理論上は2面でも動作させることができる。作動子11は、弾性片の一形態としてコイルばね構造をしており、フリーな状態では、作動子孔13の内径よりわずかに大きな外形で作成されている。作動子孔13にロータを挿通する時には、ばねを伸ばすことで、前記作動子孔13よりも小さい径の柱状になり、作動子孔13に挿通するとき、遊嵌された状態となり、挿通後、ばねをフリーにすることで、ばね上の作動子2の外表面と作動子孔13の内部表面とが、所定の面圧で接触することになる。
コイルばねは鋼、リン青銅、ベリリウム銅、形状記憶合金などで作られたもので、実用的な好適には鋼製である。コイルばねを構成する素線の断面形状は、円形または角形である。
例えば,円形形状の物は最も手に入れやすくコストを抑えることができるが,ステータの内周面と線接触するため,接触部の圧力が高くなる。一方,角形形状では面接触となるため,接触部の圧力が小さくなり,予圧(圧力)を調整しやすくなる効果があると考えられる。素線の断面形状を変えることで,予圧(力)の大きさを変えずに,コイルばねの柔らかさ(断面二次係数)を変化させることができる。
図2は、バナナ状のばね構造を有する作動子の斜視図である。弾性片の実施形態としてコイルばね以外に硬質ゴムやこのバナナ状ばねで構成することもできる。バナナ状のばねは板状のばね25を円周状に配置し、その両端を円筒24に差込み溶接等で固定したものである。ステータに挿入する際は、両端を軸方向に伸ばして外形をステータの孔径よりも小さくすることで容易に装着できる。このような形状のばねを用いたロータはコイル形状に比べ、曲げ変形し難いが、直動型で使用する場合には、直動の移動距離がばねの寸法によって制限されることになる。
本構成の超音波アクチュエータの駆動原理を説明する。図3は、超音波アクチュエータの動作原理を説明する図である。ステータの4辺を時計回りに「A」から「D」とし、前後方向は軸方向にそれぞれ「f」「b」とする。8つの銀電極すべてに印加される交流電圧は「EAf」、 「EAb」から 「EDf」、「EDb」として与えられる。回転運動を生成するために、4種類の位相がπ/ 2ずれた交流電圧を印加する。各圧電素子に与える電圧は以下のようにあらわされる。
Figure 2017204937
Figure 2017204937
Figure 2017204937
Figure 2017204937
このときステータは作動子孔の内周面に3波の振動モード(定在波)を発生させる。互いに位相がπ/2ずつずれた定在波が重なり合うことで、進行波となる。ここで、Aは振動の振幅、fは交流の周波数(3波の振動モードの共振周波数)を示している。
一方、直動運動を生成するために、2種類の位相がずれた交流電圧を与える。このときの各圧電素子に与える電圧は以下のようにあらわされる。
Figure 2017204937
Figure 2017204937

このときステータは作動子孔の軸方向に1次の縦振動モードと2次の縦振動モードを同時に発生させる(ステータが図のように立方体形状である場合、この2つの縦振動モードの共振周波数は一致する)。回転と同様に、互いに位相がπ/2ずつずれた定在波が重なり合うことで、軸方向の進行波となる。ここで、Aは振動の振幅、fは交流の周波数(2つの縦振動モードの共振周波数)を示している。
進行波が発生しているステータの作動子孔の内周面では、楕円運動が発生しており、この楕円運動が作動子へ駆動力を伝達し回転力または直動力が生み出される。この楕円運動は本実施形態では作動子孔と作動子の接触点を通して作動子に伝達される。作動子11表面が作動子孔13部表面との間でコイルの素線外表面が当接することにより、作動子11は、当該当接部分から振動エネルギーの伝達を受けることとなる。コイルばねの素線表面とステータ内面が均一な圧力で当接することから、当接位置から振動エネルギーの伝達を受けることにより、作動子11は十分なトルクを得ることができ、しかも作動状態にバラつきがなく、安定して作動することとなる。トルクを得るためには、当接位置において十分な密着性(押圧力)を付与する必要がある。押圧によって、摩擦力を向上させ、摩擦伝達の効率を上げるのである。詳細は後述するが、押圧力が大きい程にトルクは向上するが、作動状態が不安定となることがある。そのため、適度なトルクと安定性を得るために、押圧力が調整されることとなる。なお、この押圧力を付与するためには、作動子11のコイルばねの素線材質、素線径を適切に設計することで調節することができる。
ステータ12の六面体構造物はリン青銅、ステンレス、鉄、金、チタンなどの金属および合金材料、銅に金を被覆したものやガラス、セラミックスなどの無機材料などで構成される。アクチュエータのトルクはステータのヤング率と比重に大きく左右される。ヤング率の小さい材料を使えば共振周波数を小さくすることができる。また、同じヤング率でも比重の大きい材料を選択することにより共振周波数をさげることができるので有利である。比重が大きいのは、ステータが作動子へ与える運動量が大きくなるために、大きなトルクを発生するためにも効果がある。また、適用する用途に応じて、材料は選定することができる。また、ヤング率を低減するために、多孔体や六面体の表面にディンプル状に空孔を設けて六面体の見かけのヤング率を下げることもできる。
作動子11としてコイルばねを使う場合のステータと作動子の間に発生する圧力(予圧、P)の大きさの計算方法を説明する。コイルばねを巻き込む方向にねじった際のコイル径の減少△Dは、次のように表される。
Figure 2017204937
ここで、コイルばねのねじれ角φは、ばねに作用するねじりモーメントM,コイル径D、ステータに当接するコイル部分の巻き数N、縦弾性係数E、断面2次モーメントIを用いて次のように表される。コイル径Dはコイルの素線の中心間の距離である。
Figure 2017204937
従って、△Dは、次のように整理できる。
Figure 2017204937
ばねが広がる際に発生する予圧はばねを縮める際に作用するモーメントと十分に近い値だと仮定すると、モーメントはばねの半径と与えた力の積で表わされるため、数9を変形すると,予圧Pは次の式で表される。
Figure 2017204937
本発明の構成による効果を検証するための実験例について説明する。予圧はステータの作動子孔13の内径よりもやや大きい外径を有するコイルばねで外径の異なるものを複数用意し、予圧を変化させた。コイルばねは、ねじり応力を加えることでその直径を減少させ、ステータの穴に差し込む。コイルばねが元の直径に戻ろうとして円周方向に応力を発生させることで、ステータの内周面に予圧を発生させることができる。試作したステータは1辺14mmの金属の立方体で,中心にコイルばねを通すための10mmの貫通穴を設けた。ステータの周囲には4つの圧電素子が貼られており、各圧電素子は片側が正に分極された2つの銀の電極を有し、もう片側は負に分極している。ステータには合計8つの配線がつながっている。実験では,線径0.5mm,重さ3g,長さ30mmのステンレス製コイルばねを用いた。ステータにコイルばねを挿入する際に、コイルのばねの最大径は10.015mmであり、その外径を0.015mm縮ませて、ステータに挿入した。従って、この縮んだ外径に比例して、コイルばねとステータの内周面の間に予圧が発生する。予圧の計算では、ヤング率E:196[GPa],断面2次モーメントI:3.068×10-3[mm4],コイル径D:9.75[mm]を用いた。
実験では,印加電圧の振幅は120Vp-pで一定として、固有振動数frはトルク・スラスト力が最大となるように調整した。スラスト力は回転体の軸方向に働く力である。トルクおよびスラスト力はフォースゲージ(ZP-20,株式会社イマダ)を用いて測定した。予圧の大きさは,数10式を用いて算出した。実験で得られたスラスト力と予圧の関係を図4に示す。図の横軸は数10式を用いて計算した予圧で、図の縦軸はスラスト力である。予圧力の上昇に伴ってスラスト力が上昇し、ある予圧でピーク値に達した後に,出力が減少していくことが分かる。トルクと予圧の関係を図5に示す。図の横軸は数10を用いて計算した予圧で、図の縦軸はトルクである。予圧力の上昇に伴ってトルクが上昇し、ある予圧でピーク値に達した後に,出力が減少していくことが分かる。ステータと作動子に予圧Nが与えられる時、超音波モータに発生するトルクTおよびスラスト力Fは、数11、数12に示したクローン摩擦モデルを用いた式で表され、予圧に伴うトルクとスラスト力の上昇は説明することができる。
Figure 2017204937
Figure 2017204937

ここで,μr,μtはそれぞれ回転・直動における動摩擦係数である。
トルクおよびスラスト力ともに出力はピーク値を示した後に徐々に低下する傾向にあるが、予圧による摩擦抵抗が大きくなりすぎたためである。
本実験ではコイルばねの直径を変えることで予圧の大きさを調整したが,数10からその他のパラメータを操作することでも予圧を変化させられることができることがわかる。例えば,コイルばねの線径をより細くしたりコイルばねを平板で作成したりすることで,断面2次モーメントIが小さくなり予圧を小さくすることができる。すなわち,より細かく予圧を調整することを可能にする。この他にも縦弾性係数Eを操作することで予圧を調整することもできるが,作動子が振動を吸収する場合は,ステータが生じる微小な振動が伝わりづらくなる。
11 コイルばね状ロータ
12 ステータ
13 作動子孔
14 圧電体
24 円筒体
25 板状ばね

Claims (6)

  1. 超音波発生装置を有するステータと、このステータに貫設された作動子孔と、この作動子孔に挿通された柱状の作動子とを備える超音波アクチュエータにおいて、
    前記作動子は、その一部または全部が拡径可能に設けられ、少なくとも前記作動子孔の内部において拡径することにより、該作動子孔の内部表面を付勢させた状態で当接していることを特徴とする超音波アクチュエータ。
  2. 前記作動子は、その一部または全部が弾性体で構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の超音波アクチュエータ。
  3. 前記作動子は、コイルばねによって構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の超音波アクチュエータ。
  4. 前記作動子は、弾性片を備え、該弾性片が外向きに付勢するものであることを特徴とする請求項1に記載の超音波アクチュエータ。
  5. 前記作動子は、複数の弾性片を備え、該弾性片が該作動子の周方向に均等な間隔で配置され、該複数の弾性片が前記作動子孔の内部表面に対して均等な間隔で当接することにより、該作動子の軸線を該作動子孔の中心に向かって付勢させるものであることを特徴とする請求項1に記載の超音波アクチュエータ。
  6. 前記弾性片は、長尺な板バネであり、該板バネの長手方向を前記作動子の軸線方向に沿って配置されるものであることを特徴とする請求項4または5に記載の超音波アクチュエータ。
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