JP2017200275A - 電力系統解析システム及び方法 - Google Patents

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正剛 今林
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Abstract

【課題】簡便な手法での解析を可能とする電力系統解析システム及び方法を提供する。
【解決手段】電力変換器を備えた風力発電を含む複数の発電機が連系された電力系統解析を行うための電力系統解析システムであって、電力変換器が電力系統に接続される連系点電圧と、運転継続可否の関係を表形式で記憶する記憶手段DB1と、電力変換器を除く電力系統における応動を模擬するモデルを含む過渡安定性解析部20を備える。過渡安定性解析部は、電力系統の想定故障条件を設定する系統故障設定部と、想定故障条件をもとに電力系統のモデルを作成する系統解析モデル作成部と、系統解析モデル作成部で作成したモデルを用いて、電力系統の状態を計算する系統計算部と、風力発電の運転継続の可否を判定する解列判定部を備える。系統計算部は、風力発電の運転継続の可否を考慮して新たに作成したモデルを用いて電力系統全体としての故障発生後の過渡安定性解析を実行する。
【選択図】図5

Description

本発明は自然エネルギー発電がパワーエレクトロニクスを介して連系した電力系統の解析を、パワーエレクトロニクスによる自然エネルギーの運転継続、解列を判定しながら解析する電力系統解析システム及び方法に係り、特に系統故障を想定した時間シミュレーションでのインバータの動作モデルについて、連系点の情報からインバータの解列の可否を判定するインバータ解列判定LUT(Look Up Table)を作成し、インバータ解列判定LUTを元に自然エネルギー出力量を決定しながら時間シミュレーションをする電力系統解析システム及び方法に関する。
近年、電力系統への自然エネルギーの連系量が増大している。自然エネルギーは電力系統へ電力変換器を介して連系されるため、系統故障時の応動は電力変換機器の制御に依存する。例えば、非特許文献1には、故障時運転継続(FRT:Fault Ride Through)規定(以下「FRT規定」という。)の規定が示されている。この規定に従って、自然エネルギー発電が運転される場合、系統故障直後に自然エネルギー発電の運転が継続されるかどうかは系統状態によって決まることになる。
この電力変換器の応動が、系統に連系された回転型発電機の故障時の安定性(過渡安定性)を制限するケースがある。例えば非特許文献2では、自然エネルギーの挙動によって、過渡安定性に違いがあらわれることを示している。そのため、故障時の電力変換器の応動の正確な解析が必要となる。このことから、電力変換器の応動を、系統解析で模擬する方法が検討されている。
電力変換器の応動を、系統解析で模擬する方法について、例えば特許文献1には、インバータの応動を実効値モデルにて解析する方法が示されている。
また、例えば非特許文献3には、系統故障の影響をおおきく受ける電力変換器の応動は、瞬時値解析によって詳細に解析し、系統故障の影響をあまり受けない電力変換器の応動は、実効値によって簡単に模擬することで、電力系統の過渡安定性を計算する方法が示されている。
特開-2003−092828号公報
「日本電気技術規格委員会、JESC E0019 系統連系規定 JEAC 9701−2012[2013年 追補版(その1)]」、社団法人日本電気協会系統連系専門部会JEAC 9701−2012(2013) 「太陽光発電大量導入時の一機無限大母線系統の過渡安定度解析」、電気学会論文誌B、Vol.132、No.1(2012) 「遠方系統の単相実効値模擬による電力系統瞬時値解析の高速化」、電気学会論文誌B、Vol.135、No.8(2014)
電力変換器の応動を、系統解析で模擬する方法についての、特許文献1に記載の方法によれば、インバータから出力される電流を計算する方法は示されているが、インバータの連系点の状態による、インバータの運転継続可否を判定する方法は記載されていない。また非特許文献2に述べられているように、自然エネルギーの運転継続可否によって過渡安定性に違いが表れるため、特許文献1に記載の方法で過渡安定性を解析した場合に大きな誤差を持つことが懸念される。そこで、非特許文献3の方法でインバータの瞬時値解析をすることも考えられる。
しかし、非特許文献3の手法ではインバータの動作解析の時間が長くなってしまうため、過渡安定性シミュレーションの時間も増大する懸念がある。特に自然エネルギー発電設備数が増大してくると、1設備あたりの解析時間が長いことは、系統全体の解析を行う上では大きな負担となってくる。そのうえ想定故障は、系統各所で、かつ複数種別の故障を想定することが望ましいので、この観点から見ても解析の負担が大きく、実現性に乏しいものと言わざるを得ない。
以上のことから本発明においては、簡便な手法での解析を可能とする電力系統解析システム及び方法を提供することを目的とする。
以上のことから本発明においては、電力変換器を備えた風力発電を含む複数の発電機が連系されて構成された電力系統における解析を行うための電力系統解析システムであって、
電力変換器が電力系統に接続される連系点における電圧と、この電圧のときに電力変換器の運転継続可否の関係を表形式で記憶する記憶手段と、電力変換器を除く電力系統における応動を模擬するモデルを含む過渡安定性解析部を備え、
過渡安定性解析部は、電力系統における想定故障条件を設定する系統故障設定部と、系統故障設定部で設定された想定故障条件をもとに、解析対象である電力系統のモデルを作成する系統解析モデル作成部と、系統解析モデル作成部で作成したモデルを用いて、電力系統の状態を計算する系統計算部と、系統計算部で求めた電力変換器が電力系統に接続される連系点における電圧の情報から、記憶手段を参照して、風力発電の運転継続の可否を判定する解列判定部を備え、系統計算部は、風力発電の運転継続の可否を考慮して新たに作成したモデルを用いて電力系統全体としての故障発生後の過渡安定性解析を実行することを特徴とする。
また本発明においては、電力変換器を備えた風力発電を含む複数の発電機が連系されて構成された電力系統における解析を行うための電力系統解析方法であって、
電力変換器が電力系統に接続される連系点における電圧と、この電圧のときに電力変換器の運転継続可否の関係を表形式で記憶しておき、電力系統における想定故障条件をもとに、解析対象である電力系統のモデルを作成し、作成したモデルを用いて、電力系統の状態を計算し、電力変換器が電力系統に接続される連系点における電圧の情報から、風力発電の運転継続の可否を判定し、風力発電の運転継続の可否を考慮して新たに作成したモデルを用いて電力系統全体としての故障発生後の過渡安定性解析を実行することを特徴とする。
本発明の電力系統解析システム及び方法により、インバータが連系された電力系統の過渡安定性を、インバータの解列を判定することで精度よく解析可能であり、インバータの解列判定を高速に可能とすることで、時間シミュレーションの時間短縮可能となる。
本発明のそれ以外の効果については、明細書中で説明する。
本発明に係る系統解析モデルの構成例を示す図。 風力発電を含む電力系統の一例を示した図。 本発明による過渡安定性解析のアルゴリズムの例を示す図。 本発明に係る系統解析モデルを計算機システムにより構成する場合の電力系統解析システムの構成例を示す図。 本発明に係る電力系統解析システムの処理機能構成を示す図。 FRT規定の運転継続領域を表す図。 FRT規定の出力規定を表す図。 系統解析モデルにおける、風力発電機の模擬の一例を示す図。 電圧降下量と運転継続についての第1のテーブルLUT1を示す図。 位相変化量と運転継続についての第2のテーブルLUT2を示す図。 三相電圧差最大値と運転継続についての第3のテーブルLUT3を示す図。 三相位相差最大値と運転継続についての第4のテーブルLUT4を示す図。 風力発電が複数ある系統で故障があった際の、各風力発電の動作を示す図。 図13の系統において、系統故障F(三相地絡故障)が発生した場合の、故障中の各ノード電圧をグラフ形式で示す図。 運転継続可否の要否を判定する場合に本発明を実施する際のアルゴリズムを示す図。 図3の風力発電動作計算を行う処理ステップS381における風力発電の状態を計算する方法を示す図。 解列・出力判定テーブルLUT10を示す図。 解列判定テーブルLUT1〜LUT4を使用する領域を示す図。 処理ステップS3240におけるLUT使用判定及び出力パターン決定のアルゴリズムを示す図。 図13の系統において、系統故障F(三相地絡故障)が発生した場合の、故障中の各ノード電圧を表形式で示す図。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図2は、自然エネルギー電源である風力発電170を含む電力系統の一例を示した図である。図2の電力系統は、ノード(母線)120およびそれらを接続する送電線路140、ノード120に接続される火力発電130、負荷150、変圧器160、風力発電170などで構成されている。また、風力発電170は、インバータ1701、直流送電部1702、コンバータ1703、発電部1704から構成されている。なお、風力発電の上記構成は風力発電の一例であり、インバータを介して系統に連系される構成であればよい。
このような電力系統で、落雷等の系統故障Fが発生した場合、火力発電130の加速(回転数上昇)や動揺(振動)が発生する。この発電機の加速が一定量以上であるか、動揺が発散する場合、火力発電の運転を継続することができず、過渡安定性および同期安定性が維持できない状態となる。このため図2の電力系統について、この応動を表す系統解析モデルを作成し、時間シミュレーションを行うことで、過渡安定性および同期安定性が維持可能か判定することができる。
この場合に、電力系統の過渡安定度シミュレーションの結果には、風力発電170の故障時の動きが影響を与えることになる。風力発電170が電力系統故障後に送電継続できるのとできないのとでは、その後の電力系統の過渡安定度シミュレーションの結果が相違してくる。このため、電力系統故障時の電圧低下時に、風力発電170の特に電力変換器(インバータ1701)が運転継続可能か否か、風力発電170が複数である場合にどこの風力発電170が運転継続可能か否か、さらにはこの結果として電力系統故障後の風力発電170による合計送電量がどの程度になるかを推定することが必要であり、この推定結果により電力系統の過渡安定度シミュレーションの結果としての過渡安定性および同期安定性が維持可能か否かの判定が相違してくる。
このため、電力系統に連系された風力発電170について、系統故障時の動作特性(FRT特性など)を正確に模擬することが重要となる。一方で、風力発電の数が増えるほどシミュレーション時間が増大することが懸念される。風力発電の解析で特に時間を要するのは電力変換器のインバータの瞬時値解析である。
以上のことから本発明においては、系統故障時の動作特性の解析に利用する系統解析モデルを構成するに当たり、特に風力発電の電力変換器のインバータの瞬時値解析が容易に行えるようにしたものである。
図1は、本発明に係る系統解析モデルの構成例を示している。図2の解析対象電力系統と対比すると、図1の系統解析モデルは、送電系統220と、複数の火力発電130と、風力発電170により表現されている。なおこのモデルでは、風力発電の電力変換器のインバータの応動を主体に解析する目的のものであるため、風力発電170について、インバータ1701、直流送電部1702、コンバータ1703、発電部1704により構成されるPMSG型風力発電機(PMSG:永久磁石同期発電機)が具体的に表現されている。
本発明に係る図1のモデル構成においては、火力発電機130、電力系統220、風力発電170の発電部分1704、コンバータ1703、直流送電部1702は、物理現象を数式で表現した物理モデルか、制御による出力変動を数式で表現した制御モデルを用いた実効値解析によって解析する。
これに対しインバータ1701は、解列判定テーブルLUT(Look Up Table)による解列判定と、制御モデルによる実効値解析を両方用いて解析する。これにより、解析に時間を要するインバータの運転継続の可否を値参照のみで判定することができるようになり、解析を高速化できる。
この系統解析モデルの構成手法は、解析に時間を要するインバータ1701について、予め動作挙動をテーブル形式で記憶しておき、その都度の運転条件に応じて運転継続の可否をテーブル参照する形で他のモデル部分(物理モデルや制御モデル)に適用して、全体としての応動を定めたものである。
図4は、本発明に係る系統解析モデルを計算機システムにより構成する場合の電力系統解析システム10の構成例を示す図である。
電力系統解析システム10は計算機システムで構成されており、表示装置11、キーボードやマウス等の入力手段12、CPU13、通信手段14、ランダムアクセスメモリRAM、および各種データベースDBがバス線BUSに接続されている。また計算機システムのデータベースDBとして、解列判定テーブルLUTを記憶する解列判定テーブルLUTデータベースDB1、自然エネデータD2を記憶する自然エネデータベースDB2、系統構成データD4を記憶する系統構成データベースDB4、系統解析モデルデータD5を記憶する系統解析モデルデータベースDB5、および計算プログラムPRを記憶するプログラムデータベースDB6を備える。
ここでCPU13は、プログラムデータベースDB6に記憶された計算プログラムPRを実行して、表示すべき画像データの指示や、各種データベース内のデータの検索等を行う。ランダムアクセスメモリRAMは、解列判定テーブルLUT、自然エネのFRT特性やインバータ特性や設置点の情報を含む自然エネデータD2、線路や発電機などの電力系統を構成する設備に関する系統構成データD4、自然エネの運転継続可否や出力電力をデータに持つLUT作成結果データや、過渡安定性解析の計算結果データD5を一旦格納するメモリである。これらのデータに基づき、CPU13によって必要な画像データを生成して、表示装置11(例えば表示ディスプレイ画面)に表示する。
電力系統解析システム10内には、複数のデータベースDBが搭載されている。解列判定テーブルLUTデータベースDB1には、解列判定テーブルLUTが記憶されている。この部分は本発明の主要な構成部分であり、詳細説明を後述する。
自然エネデータベースDB2には、自然エネデータD2として例えば風力発電の設置ノード、制御構成と制御パラメータ、FRT特性(運転継続可否、有効電力出力パターン)のデータが記憶されている。これらの情報と、前述の電圧に関する計算結果情報から、風力発電の系統故障中、系統故障後の動き(運転継続可否など)が決定される。
系統解析モデルデータベースDB5には、線路(抵抗、リアクタンス、対地静電容量)や発電機(容量、過渡リアクタンスなど)などの電力系統を構成する設備に関するデータD5が記憶されている。このデータを用いることで、電力系統の潮流計算や故障計算が可能となり、系統故障中の電圧低下量を把握することができる。
系統構成データベースDB4には、系統解析モデルデータベースDB5に記憶された電力系統を構成する設備の相互の接続に関するデータが記憶されており、例えば図1の火力発電130がノード1に接続されている情報が記憶されている。
なお、これらのデータベースは、個別に分割して構成されていても、或は集約的に1か所に集められて構成されるものであってもよい。要するに、本発明には係るデータを必要としているにすぎず、どこにどのように配置するのかは重要ではない。
プログラムデータベースDB6には、計算プログラムである過渡安定性解析プログラムPR1、系統解析モデル作成プログラムPR2、故障計算プログラムPR3、解列判定LUT作成プログラムPR4、LUT参照プログラムPR5を格納する。これらのプログラムは、必要に応じてCPU13に読み出され、計算が実行される。またこれらの計算によって生成された各種の中間生成物としてのデータは、適宜の箇所に保管され、以降の処理において適宜利用されるものとする。
図5を用いて本発明の電力系統解析システム10の処理機能構成について説明する。電力系統解析システム10の処理を機能ごとに大別して表現すると、これは過渡安定性解析部20、解列判定LUT作成部30、複数のデータベースDBから構成されているということができる。この大別された処理機能を、図1の電力系統モデル構成と対比して説明すると、解列判定LUT作成部30は風力発電170の電力変換器のインバータ1701の応動を表しており、過渡安定性解析部20はインバータ1701以外の部分の応動を表している。また過渡安定性解析部20は、解列判定LUT作成部30の処理結果を取り込んで最終的に図1の電力系統の過渡安定性を解析し、その結果を出力する。
過渡安定性解析部20は、さらに詳細には、系統故障設定部21、系統解析モデル作成部22、系統計算部23、解列判定部24、風力動作計算部25、火力動作計算部26の各機能で構成されている。
また解列判定LUT作成部30は、さらに詳細には、LUT作成部31、LUT作成可否表示部32の各機能で構成されている。
さらに過渡安定性解析部20、解列判定LUT作成部30において、これらの処理を実行するに当たり、図4に示した複数のデータベース(解列判定テーブルLUTデータベースDB1、自然エネデータベースDB2、系統構成データベースDB4、系統解析モデルデータベースDB5)が適宜参照される。
以下、各処理機能について図5を参照して詳細に説明する。まず風力発電170の電力変換器のインバータ1701の応動を表す解列判定LUTを作成する解列判定LUT作成部30について説明する。
図5において、解列判定LUT作成部30は、プログラムデータベースDB6に格納された計算プログラムのうち、解列判定LUT作成プログラムPR4を実行する処理機能である。解列判定LUT作成部30の処理では、自然エネデータD2を記憶する自然エネデータベースDB2を用いる。自然エネデータベースDB2には、自然エネデータD2として例えば風力発電の設置ノード、制御構成と制御パラメータ、FRT特性(運転継続可否、有効電力出力パターン)のデータが記憶されている。
解列判定LUT作成部30では最初にLUT作成部31において、自然エネデータベースDB2に記憶された自然エネルギーの特性から、風力発電の連系点の離散化された各情報について、運転継続の可否を記憶した解列判定テーブルLUTを作成し、解列判定テーブルLUTデータベースDB1に格納する。ここで連系点の離散化された各情報とは、例えば電圧の状態(大きさ、位相変化量)である。解列判定テーブルLUTは、例えば自然エネデータベースDB2のFRT特性やインバータ特性を元に作成される。
ここでの処理内容を平易に表すと、例えば複数ある風力発電のうちの特定の風力発電について、この風力発電が電力系統に接続された連系点の電圧が電力系統の故障により低下しあるいは位相変化した場合に、電圧低下状況に応じてインバータが運転継続可能であるか否か、可能である場合の出力値などが、事前検討されてテーブル形式で記憶されるものである。このテーブルは全ての風力発電を対象として、事前に作成される。従って、実際に電力系統に故障発生した場合に、そのときの電圧低下状況に応じてテーブル参照すれば、インバータ運転継続の可否、可能である場合の出力値などが即座に得られることになる。
解列判定LUT作成部30内のLUT作成可否表示部32では、LUT作成部31で解列判定テーブルLUTを作成できた場合に、表示装置11に作成可であった旨を表示し、解列判定テーブルLUTが格納されたファイルを生成する。LUT作成部31で解列判定テーブルLUTを作成できない場合には、表示装置11に作成ができなかった旨を表示する。この時作成の可否は、規定された電圧の大きさと位相の範囲全てで運転継続、解列を規定できた場合をさす。作成ができなかった場合、規定できなかった条件については、すべて風力発電が運転継続するとして解列判定テーブルLUTを再度作成した後、規定できなかった条件を表示装置11に表示する。
過渡安定性解析部20は、プログラムデータベースDB6に格納された計算プログラムのうち、過渡安定性解析プログラムPR1、系統解析モデル作成プログラムPR2、故障計算プログラムPR3、LUT参照プログラムPR5を実行する処理機能である。なお過渡安定性解析部20は系統故障設定部21、系統解析モデル作成部22、系統計算部23、解列判定部24、風力動作計算部25、火力動作計算部26から構成されている。
まず系統故障設定部21では、図2の電力系統における系統故障Fの想定故障条件として、場所、様相を設定する。なお様相とは、短絡、地絡、断線の区別、故障相数、複数回線に跨る多重故障の区別などであり、ユーザからの入力によって設定されてもよいし、あらかじめ準備されたパターンから適宜系統故障を選定してもよい。
系統解析モデル作成部22では、系統構成データベースDB4に記憶された系統構成データD4、系統解析モデルデータベースDB5に記憶された系統解析モデルデータD5、系統故障設定部21で設定した系統故障Fの想定故障条件(場所、様相)をもとに、図1の解析対象系統220のモデルを作成する。この処理のために、プログラムデータベースDB6に格納された計算プログラムのうち、系統モデル作成プログラムPR2が用いられる。
系統計算部23では、系統解析モデル作成部22で作成した解析対象系統220のモデルと、火力発電の内部状態、風力発電の内部状態を用いて、必要な系統の状態を計算する。系統の状態とは、例えば系統各所における電圧、電流、有効電力、無効電力、位相などである。この処理のために、プログラムデータベースDB6に格納された計算プログラムのうち、故障計算プログラムPR3が用いられる。
解列判定部24では、系統計算部23で計算した系統の状態、ならびに風力発電の連系点の情報から、解列判定テーブルLUTデータベースDB1内の解列判定テーブルLUTを参照し、風力発電の運転継続の可否を判定する。この処理のために、プログラムデータベースDB6に格納された計算プログラムのうち、LUT参照プログラムPR5が用いられる。
風力動作計算部25では、解列判定部24で決定した運転継続の可否を元に、風力発電の動作を計算する。ここで計算される風力発電の動作とは、インバータ1701、直流送電部1702、コンバータ1703、発電部1704における動作を含むものであり、特にコンバータ1703では電圧、電流、位相、有効電力、無効電力の一部または全部を表し、発電部1704では風車の回転角速度、ピッチ角、出力電力の一部または全部をあらわすものである。この風力発電の動作を計算する方法は、確立された計算手法であり、一般的なアルゴリズムで計算することができる。
火力動作計算部26では、系統計算部23で計算された系統状態と、系統解析モデルデータベースDB5に記憶された系統解析モデルデータD5から、火力発電の状態変化を計算する。この火力発電の状態変化を計算する方法は、確立された計算手法であり、一般的なアルゴリズムで計算することができる。
最終的に系統計算部23では、風力動作計算部25で求めた風力発電の動作内容と、火力動作計算部26で求めた火力発電の状態変化などから電力系統全体としての故障発生後の過渡安定性解析を実行する。この処理のために、プログラムデータベースDB6に格納された計算プログラムのうち、過渡安定性解析プログラムPR1が用いられる。
図3に示したフローを用いて、本発明による過渡安定性解析のアルゴリズムを説明する。図3の最初の処理ステップS310では、対象とする電力系統の系統解析モデルを作成し、電力系統、火力発電、風力発電の初期状態を計算する。この状態では電力系統故障発生前の状態が計算されている。なお以後の処理において、処理ステップS301から処理ステップS302までの一連の処理は、繰り返し計算を表しており、これ以降の時間刻み毎に、解析終了時刻に達するまで繰り返し計算される。
繰り返しにおける最初の処理ステップS320では、解列判定テーブルLUTによる解列判定により、系統の状態からインバータによる風力発電の運転継続可否を判定する。解列と判定された場合は処理ステップS330において解列か運転継続かを表す解列フラグの値を1とする。また、解列判定テーブルLUTによる解列判定により、風力発電が運転継続と判定された場合は、処理ステップS330において風力発電の解列フラグを0とする。
処理ステップS350では、系統故障により変化した電力系統の解析モデルを作成しなおす。この結果は、処理ステップS360、S370、S381、S382に反映される。
まず火力発電に関して、処理ステップS360では、系統の変化による火力発電の状態変化を計算し、系統への出力電力を計算する。
次に風力発電に関して、風力発電の運転継続可否が考慮される。このため処理ステップS370において、風力発電の動作の計算を実行するか否かの判定をする。この判定は、処理ステップS320、処理ステップS330で決定した解列フラグの値が1の場合は風力発電の動作の計算を実行せず、処理ステップS381において風力発電から系統への出力電力を0とする。解列フラグの値が0の場合は計算を実行すると判定し、処理ステップS382において風力発電の状態変化を計算し、系統への出力電力を計算する。
処理ステップS390では、系統、火力発電、風力発電が変化した後の系統の状態を計算し、繰り返し計算により故障後の電力系統の電力変化を推定する。
図8は、系統解析モデルにおける、風力発電機の模擬の一例を示す図である。図3の風力動作計算部25における風力発電機の模擬事例を示している。風力発電機モデルは、電力系統のノード820に接続された電流源810の大きさと位相を制御するモデルとして構成される。また、ノード電圧計測値は電圧計測装置830を介して各制御モデルに取り込まれる。
風力発電の制御部分は、発電機・コンバータモデル840、コンバータ制御モデル850、風車モデル860で構成される。発電機・コンバータモデル840は、コンバータ制御モデル850から有効・無効電流指令値を受け、また電圧計測装置830から電圧計測値を受け、コンバータ制御モデル850に発電機有効・無効電力量を渡し、風車モデル860に発電機有効電力量を渡す。
コンバータ制御モデル850は、発電機・コンバータモデルから受けた発電機有効・無効電力と、風車モデル860から受けた電力指令と、電圧計測装置830から受けた電圧計測値から、有効・無効電流指令値を決定し、発電機・コンバータモデル840へ渡す。
風車モデル860は、発電機・コンバータモデル840から受けた発電機有効電力をもとに、コンバータ制御モデル850に有効電力制御指令を与える。
このような風力発電モデルを用意することで、系統の電圧やコンバータの応答を考慮した風力発電の出力変化を模擬することが可能となる。後述のFRT特性と、インバータの特性を表した解列判定テーブルLUTによって、系統故障時の運転継続可否を、より実際に近く模擬可能となる効果がある。
図6、図7は、自然エネ発電(風力発電機)のFRT特性を説明する図である。非特許文献1では、高圧系統の三相発電設備のFRT要件として、2017年3月末以降に連系するものについて、電圧低下時に、以下の事項を満たすシステムが望まれている。
図6は、FRT規定の運転継続領域を表しており、横軸に電力系統故障発生後の時間、縦軸に残電圧を示している。要望される事項の一つは、この図上において残電圧が0%で継続時間が0.15秒以下の電圧低下に対しては風力発電機の運転を継続し(図6の(a)の領域)、電圧の復帰後1.0秒以内に電圧低下前の出力の80%以上の出力まで復帰することである。なお復帰できない場合に、図6の(c)の領域に示すように風力発電機は解列、運転継続のいずれであってもよい。
図7は、FRT規定の出力規定を表しており、横軸に電力系統故障発生後の時間、縦軸に風力発電機の出力を示したものである。要望される事項の他の一つは、この図上において電圧が低下した瞬間にインバータが解列した場合、2サイクル以内に復帰し、電圧低下中に運転継続することである。
このように、運転継続、解列、電圧復帰後の出力復帰パターンは、系統の状態や発電機の状態によって異なってくる。また、FRT規定外の状態では、運転継続、解列、電圧復帰パターンはインバータの特性によって決まるため、インバータの特性が過渡安定性に与える影響は大きい。そのため、各発電機のFRTやインバータの特性から表れる運転継続可否が過渡安定性解析の中で動的に判定されるような計算が、実際の動きに近い結果が得られると考えられる。
次に、図9〜図12によって、風力発電の運転継続可否を判定する解列判定テーブルLUTについて説明する。解列判定テーブルLUTは、インバータの系統連系点の電圧の情報を離散化した値を持つ。これは、インバータの制御が連系点の電圧の情報に基づいて行われるためである。
解列判定テーブルLUTは、電圧降下量と運転継続についての第1のテーブルLUT1と、位相変化量と運転継続についての第2のテーブルLUT2と、三相電圧差最大値と運転継続についての第3のテーブルLUT3と、三相位相差最大値と運転継続についての第4のテーブルLUT4から構成されている。これら各種の解列判定テーブルLUTは、図4の解列判定テーブルLUTデータベースDB1に格納される。
図9は、電圧降下量と運転継続についての第1のテーブルLUT1を示している。第1のテーブルLUT1は、前の時刻からの電圧の大きさの降下量を表した電圧降下量テーブルT11と、解列または運転継続を表す解列or運転継続テーブルT12とを持つ。
図10は、位相変化量と運転継続についての第2のテーブルLUT2を示している。第2のテーブルLUT2は、前の時刻からの電圧の位相の変化量を表した位相変化量テーブルT21と、解列または運転継続を表す解列or運転継続テーブルT22とを持つ。
図11は、三相電圧差最大値と運転継続についての第3のテーブルLUT3を示している。第3のテーブルLUT3は、三相の電圧の大きさの差の中で、最も大きな値を示す電圧最大差テーブルT31と、解列または運転継続を表す解列or運転継続テーブルT32とを持つ。
図12は、三相位相差最大値と運転継続についての第4のテーブルLUT4を示している。第4のテーブルLUT4は、三相の電圧の位相の差の中で、最も大きな値を示す位相最大差テーブルT41と、解列または運転継続を表す解列or運転継続テーブルT42とを持つ。
解列判定テーブルLUTは、図9から図12に示す例えば4組のテーブルを保有しており、電圧降下量、位相変化量、三相電圧差最大値、三相位相差最大値の各観点からそれぞれのテーブルを参照して、解列or運転継続を判断するように使用される。4組の観点からのテーブル参照結果として、1つでも解列があれば解列とされる。
図18は、解列判定テーブルLUT1〜LUT4を使用する領域を示した図である。図18は、図6と同様に、横軸に電力系統故障発生後の時間、縦軸に残電圧を示したものであり、風力発電の連系点の電圧の大きさの時間変化を示している。
第1のテーブルLUT1と第2のテーブルLUT2は、故障が起きて電圧が落ちた時、つまり、図16の点線時に使用する。これにより、電圧の急変によるインバータの特性を動的に計算することができる。第3のテーブルLUT3と第4のテーブルLUT4は、連系点の電圧が低下しており、かつ、FRT規定で運転継続or解列を規定される領域に連系点の電圧がある時、つまり、図18の一点鎖線時に利用する。これによって系統故障による電圧低下中に、インバータの特性による解列が起きるか否かを判定できる。
図3の解列判定テーブルLUTによる解列判定の処理ステップS320では、これらのテーブルLUT1〜LUT4と、時間刻み毎に計算される連系点の状態量を利用することで、解列の判定をすることができる。解列と判定された場合、図3の風力出力代入を行う処理ステップ部S382では、風力発電の出力電力は0として計算される。また、運転継続と判定された場合、風力発電動作計算の処理ステップS381では、出力電力が計算される。
図16を用いて、図3の風力発電動作計算を行う処理ステップS381における風力発電の状態を計算する方法を説明する。図16において処理ステップS381は、FRT規定判定の処理ステップS3811と、FRT出力値代入の処理ステップS3812と、モデル計算を行う処理ステップS3813で構成されている。
ここで処理ステップS3811は、連系点の電圧がFRT規定の運転継続領域に入っているかを判定する部分である。処理ステップS3812は、処理ステップS3811の判定結果が運転継続領域内と判定された場合に、図7に示した出力電力を風力発電の出力電力として代入する。処理ステップS3813は、風力発電の出力電力を図8で一例を示した風力発電モデルで計算する。
以上により、風力発電の解列を高速に判定しながら、過渡安定性解析をすることができる。
実施例2では、系統に複数の風力発電がある場合について説明する。基本的な実施方法は実施例1と同じなので、ここでは実施例1と違う点を主体に説明する。
まず、図13によって風力発電が複数ある系統で故障があった際の、各風力発電の動作の違いを説明する。図13は、自然エネルギー電源である風力発電171、172、173、176、177、178を含む電力系統の一例を示した図である。この図が表す電力系統は、記号Nに番号を付して示したノード(母線)、およびそれらを接続する送電線路140、ノードに接続される火力発電130、負荷150、変圧器160、などで構成されている。
図20および図14は、図13の系統において、系統故障F(三相地絡故障)が発生した場合の、故障中の各ノード電圧を表形式およびグラフ形式で示したものである。これらによれば、故障点Fに近い地点(ノードN81、N82、N83、N91、N92、N93、N910、N920、N930)の電圧の大きさが大きく低下していることがわかる。このことから、系統故障の影響を大きく受けているノードに接続されている風力発電176、177、178は運転継続可否の判定をしながら風力発電の出力を計算することが望ましい。
一方、電圧の大きさの低下が殆ど見られないノード(ノードN610、N620、N630)に接続されている風力発電171、172、173は故障の影響を殆ど受けないため、運転継続しているとして計算をして問題ない。このように、系統故障の影響の大きさによって、運転継続可否判定の利用を判断することで、過渡安定性解析の精度を維持したまま解析速度を向上させられる。
また系統故障時の風力発電の出力パターンは、電圧の大きさと位相の変化量で変化する。図13の風力発電171、172、173、176、177、178には、出力パターンが3つに分けられるとして、各パターンを説明する。パターン3は故障点から遠隔地にある風力発電171、172、173における応動パターンであり、パターン2は故障点から中間的な位置にある風力発電176における応動パターンであり、パターン1は故障点の近地にある風力発電177、178における応動パターンである。
パターン1では、系統故障の影響を非常におおきく受け、電圧の大きさまたは位相が非常に大きく変化し、風力発電が系統から解列した場合を示したものである。この場合、FRT規定から、解列後2サイクル以内に再連系し、以降はFRT規定にそって解列なく運転する。
パターン2は、系統故障の影響をおおきく受け、電圧の大きさまたは位相が大きく変化したが、風力発電が運転を継続する場合を示したものである。この場合、風力発電は故障が起きた瞬間は、電圧が落ちたため電力の出力がほぼ0になるが、その後FRT規定にそって出力を回復する。しかし、図7に示したFRTの電圧規定に示された運転継続を強制されない領域に入ることもあるため、解列判定をする必要がある。
パターン3は、系統故障の影響をあまり受けず、電圧の大きさまたは位相が殆ど変化しない場合を示したものである。この場合、風力発電は通常通り運転を継続するので、故障時も平常時と同じように運転を継続することとなる。
図15に、運転継続可否の要否を判定する場合に本発明を実施する際のアルゴリズムを示す。基本的なアルゴリズムは図3と同じであるが、図15では図3の機能に故障直後の処理として処理ステップS3210―S3250を追加し、風力発電の出力を求める処理ステップの内容を見直したものである。
図15の最初の処理ステップS310では、対象とする電力系統の系統解析モデルを作成し、電力系統、火力発電、風力発電の初期状態を計算する。この状態では電力系統故障発生前の状態が計算されている。なお以後の処理において、処理ステップS301から処理ステップS302までの一連の処理は、繰り返し計算を表しており、これ以降の時間刻み毎に、解析終了時刻に達するまで繰り返し計算される。
繰り返しにおける最初の処理ステップS3210では、故障直後か否かを判定し、故障直後であれば処理ステップS3220の処理を行い、故障直後でなければ処理ステップS350の処理に移る。故障直後である場合には、処理ステップS3220から処理ステップS3250までの一連の処理が、繰り返し実行され、これ以降の時間刻み毎に、解析終了時刻に達するまで繰り返し計算される。
処理ステップS3220から処理ステップS3250までの小繰り返しは、複数ある風力発電機ごとに逐次実行を繰り返すものであり、特定した風力発電機について処理ステップS3220では、電力系統の故障直後か否かを判別する。
次の処理ステップS3240では、故障直後である場合に解列判定テーブルLUT1及び2を用いて、故障直後の風力発電の解列を判定する。また処理ステップS3240では、故障直後でない場合に故障時の風力発電の連系点の電圧降下量及び位相変化量、故障直後の風力発電の解列の有無から、風力発電ごとに解列判定テーブルLUT3及びLUT4を、その後の計算で利用する。なお電圧降下量及び位相変化量は、各自然エネルギーごとのインバータの特性から決められる量で、自然エネDB2に格納された値とする。この判定処理は、図18で述べた故障後の時点に応じて、選択されるものである。
図19は、処理ステップS3240におけるLUT使用判定及び出力パターン決定のアルゴリズムを示したものである。処理ステップS3240における処理は、瞬時解列有無判定を行う処理ステップS3010と、電圧・位相判定を行う処理ステップS3020と、出力パターン決定を行う処理ステップS3030とからなる。
瞬時解列有無判定を行う処理ステップS3010では、処理ステップS3210における瞬時解列判定の結果(瞬時解列)をもとに、対象の風力発電が故障直後に瞬時解列をしたかを判定する。
電圧・位相判定を行う処理ステップS3020では、当該風力発電の連系点の電圧降下量と位相変化量が、あらかじめ決められた電圧降下量と位相変化量と比較したときの大小関係を判定する。
出力パターンを決定する処理ステップS3030では、処理ステップS3010及び処理ステップS3020の結果から、出力パターンを決定する。出力パターンは、図13で示した3パターンである。因みに、パターン1は瞬時解列がある場合であり、パターン2は瞬時解列がないが、連系点の電圧降下量または位相変化量があらかじめ定められた値よりもおおきいときであり、パターン3は瞬時解列がなく、連系点の電圧降下量かつ位相変化量があらかじめ定められた値よりも小さいときである。以上により、LUT使用の有無と出力パターンを決定できた。
処理ステップS350では、系統故障により変化した電力系統の解析モデルを作成しなおす。この結果は、処理ステップS360、S3710、S383に反映される。
まず火力発電に関して、処理ステップS360では、系統の変化による火力発電の状態変化を計算し、系統への出力電力を計算する。
次に風力発電に関して、処理ステップS3710において、処理ステップS3030で求めた風力発電の出力パターンを判定し、決定した出力パターン(パターン1、パターン2、パターン3)をもとに、処理ステップS383で使用する風力発電の出力の計算方法を決定する。処理ステップS383では、出力パターンごとにと風力発電動作計算を実行し、各風力発電の出力を決定する。
これにより、風力発電の出力を精度よく計算しながら、過渡安定性を計算することが可能となる。
実施例1、実施例2では、解列判定テーブルLUTによって風力発電の運転継続のみを判定していた。しかし、風力発電の出力が連系点の電圧を使って、インバータによって制御されることから、解列判定テーブルLUTによって出力を決めることもできる。実施例3ではそのための解列・出力判定テーブルLUT10について説明する。
図17は解列・出力判定テーブルLUT10を示したものである。解列・出力判定テーブルLUT10は、風力発電の発電部の発電量のテーブルT21と、連系点の3相の各相電圧の大きさのテーブルT22、T24、T26と、連系点の3相の各相電圧の位相のテーブルT23、T25、T27と、出力電力のテーブルT28を備え、これらの諸量を各値として持つ。これにより、発電量と連系点の3相の電圧の大きさ、位相から、出力電力を決定することができる。これらの値は、インバータや直流送電部、コンバータ、発電部、FRTの特性に応じて持つパラメータを適宜かえてもよい。
10:電力系統解析システム
11:表示装置
12:入力手段
13:CPU
14:通信手段
20:過渡安定性解析部
21:系統故障設定部
22:系統解析モデル作成部
23:系統計算部
24:解列判定部
25:風力動作計算部
26:火力動作計算部
30:解列判定LUT作成部
31:LUT作成部
32:LUT作成可否表示部
120:ノード(母線)
130:火力発電
140:送電線路
150:負荷
160:変圧器
170:風力発電
1701:インバータ
1702:直流送電部
1703:コンバータ
1704:発電部RAM:ランダムアクセスメモリ
BUS:バス線
DB1:解列判定テーブルLUTデータベース
DB2:自然エネデータベース
DB4:系統構成データベース
DB5:系統解析モデルデータベース
DB6:プログラムデータベース

Claims (5)

  1. 電力変換器を備えた風力発電を含む複数の発電機が連系されて構成された電力系統における解析を行うための電力系統解析システムであって、
    前記電力変換器が電力系統に接続される連系点における電圧と、この電圧のときに前記電力変換器の運転継続可否の関係を表形式で記憶する記憶手段と、前記電力変換器を除く前記の電力系統における応動を模擬するモデルを含む過渡安定性解析部を備え、
    過渡安定性解析部は、前記電力系統における想定故障条件を設定する系統故障設定部と、該系統故障設定部で設定された想定故障条件をもとに、解析対象である電力系統のモデルを作成する系統解析モデル作成部と、該系統解析モデル作成部で作成したモデルを用いて、電力系統の状態を計算する系統計算部と、該系統計算部で求めた前記電力変換器が電力系統に接続される連系点における電圧の情報から、前記記憶手段を参照して、風力発電の運転継続の可否を判定する解列判定部を備え、前記系統計算部は、前記風力発電の運転継続の可否を考慮して新たに作成した前記モデルを用いて電力系統全体としての故障発生後の過渡安定性解析を実行することを特徴とする電力系統解析システム。
  2. 請求項1に記載の電力系統解析システムであって、
    自然エネデータとして風力発電の設置ノード、FRT特性のデータが記憶されている自然エネデータベースと、該自然エネデータベースに記憶された自然エネルギーの特性から、風力発電の連系点の電圧の情報について、運転継続の可否を記憶した前記の記憶手段を形成する解列判定LUT作成部を備えることを特徴とする電力系統解析システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電力系統解析システムであって、
    前記記憶手段は、連系点における電圧と前記電力変換器の運転継続可否の関係を表形式で記憶するとともに、前記電力変換器が運転継続可能である場合にその発電出力の関係を含めて備えていることを特徴とする電力系統解析システム。
  4. 請求項1から請求項3に記載の電力系統解析システムであって、
    前記記憶手段は、連系点における電圧と前記電力変換器の運転継続可否の関係を表形式で記憶するとともに、連系点における電圧の位相と前記電力変換器の運転継続可否の関係を表形式で記憶して備えていることを特徴とする電力系統解析システム。
  5. 電力変換器を備えた風力発電を含む複数の発電機が連系されて構成された電力系統における解析を行うための電力系統解析方法であって、
    前記電力変換器が電力系統に接続される連系点における電圧と、この電圧のときに前記電力変換器の運転継続可否の関係を表形式で記憶しておき、
    前記電力系統における想定故障条件をもとに、解析対象である電力系統のモデルを作成し、作成したモデルを用いて、電力系統の状態を計算し、前記電力変換器が電力系統に接続される連系点における電圧の情報から、前記風力発電の運転継続の可否を判定し、前記風力発電の運転継続の可否を考慮して新たに作成した前記モデルを用いて電力系統全体としての故障発生後の過渡安定性解析を実行することを特徴とする電力系統解析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108988320A (zh) * 2018-06-28 2018-12-11 华南理工大学 电力系统动态元件响应特性对暂态电压稳定性影响分析方法
CN109149645A (zh) * 2018-09-29 2019-01-04 吉林大学 一种含有双馈感应式风电机组电网的暂态稳定计算方法
CN110334078A (zh) * 2019-06-18 2019-10-15 国网四川省电力公司 电力系统告警故障模型定义方法、计算机设备及存储介质
WO2019216006A1 (ja) * 2018-05-11 2019-11-14 株式会社日立製作所 系統安定化システムとその方法

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