1.遊技機の構造
本発明の実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取付けられた遊技盤2(図7参照)とを備えている。遊技機枠50は、図2に示すように、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠51は、パチンコ遊技機1の外郭部を形成する縦長方形状の枠体である。内枠52は、外枠51の内側に配置されていて、遊技盤(内部視認部材)2を取付ける縦長方形状の枠体である。前枠53は、内枠52の前方に配置されて、遊技盤2を保護する縦長方形状のものである。本形態では、外枠51及び内枠52が本発明の「基枠部」に相当し、前枠53が本発明の「前枠部」に相当する。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えている。このヒンジ部54により、前枠53は、外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は、外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。前枠53の中央には開口部分53aが形成されていて、遊技者が後述する遊技領域3を視認できるように透明のガラス板55が開口部分53aに取付けられている。
前枠53は、図3に示すように、ベース枠56と、上側装飾ユニット200と、左側装飾ユニット210と、右側装飾ユニット220と、操作機構ユニット230とを備えて構成されている。ベース枠56は、前面側(表面側)で上側装飾ユニット(上側装飾部)200と左側装飾ユニット210と右側装飾ユニット220と操作機構ユニット230とを着脱可能に取付ける枠体である。ベース枠56の上側の左右にはスピーカ67が設けられていて、ベース枠56のうち下側の左方には遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61が設けられている。またベース枠56の下端部には遊技球を後述する遊技領域3へ打ち出すための打球発射機構57が設けられている。
上側装飾ユニット200は、ベース枠56の上側に配されるものであり、当該上側装飾ユニット200と左側装飾ユニット210と右側装飾ユニット220と操作機構ユニット230とがベース枠56に取付けられている状態(図6参照)で、最も前方に突出している。つまり、上側装飾ユニット200の前後方向の寸法は、ベース枠56に取付けられるどのユニットの前後方向の寸法よりも長くなっている。これにより、本形態の前枠53では、上側装飾ユニット200が強調されていて、大きなインパクトを与えるようになっている。上側装飾ユニット200の詳細な構成については、後に説明する。
左側装飾ユニット210は、ベース枠56の左側に配されるものであり、左側装飾部材211等を備えている。右側装飾ユニット220は、ベース枠56の右側に配されるものであり、右側装飾部材221等を備えている。また右側装飾ユニット220には、剣の形を模した剣部材222が配されていて、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が剣部材222を下方向に押し込むことができるようになっている。
操作機構ユニット230は、ベース枠56の下側に配されるものであり、右側の下端に回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60を備え、ハンドル60の左側に打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62を備えている。また操作機構ユニット230の上側には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63やセレクトボタン(十字ボタン)68が設けられている。
本形態のパチンコ遊技機1では、図4に正面図が示され、図5に平面図が示され、図6に右側面図が示されている。ここで、図4及び図6に示すように、遊技場の島設備において鉛直方向に起立した垂直壁面SHのうち遊技機1の上方には、データカウンタ150が配されている。データカウンタ150は、垂直壁面SHに固定されている固定部材151と、この固定部材151に対して前傾姿勢になるように傾動可能に取付けられているデータ表示装置152とを備えている。
データ表示装置152は、後述する大当たり遊技状態の発生回数や高確率状態の発生回数等を表示する略直方体形状のものである。またデータ表示装置152は、遊技者が遊技場(ホール)の従業員を呼ぶための呼び出しボタン等を有している。このデータカウンタ150では、垂直壁面SHに対するデータ表示装置152の前傾角度θを15度から25度まで可変できるようになっている。なお、図6では、データ表示装置152の前傾角度θが最大の25度になっている状態が示されている。
次に、図7を参照して遊技盤2について説明する。図7に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図42参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(符号省略)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置(表示手段)7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出、演出図柄可変表示演出、又は単に変動演出ともいう。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図8参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄可変表示演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一つ)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留画像表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留画像9A,9Bの表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図8参照)にて表示される第1特図保留の記憶数、及び後述の第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左下方には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10の上部には、盤可動体15が格納状態にて配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図41参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材が開状態にあるときのみ遊技球が入球可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の右上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また、遊技領域3におけるゲート28の下方には、第1大入賞口(特別入賞口、第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(特別入賞手段、第1特別可変入賞装置、第1特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材(第1開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図41参照)により駆動される。つまり、第1大入賞口ソレノイド33は開閉部材32の駆動源である。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、第2特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(第2開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図41参照)により駆動される。第2大入賞口ソレノイド38は開閉部材37の駆動源である。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
また遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
また遊技盤2の右側中央には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図8に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入賞情報に相当)は、特図保留記憶部85(図41参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図41参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図41参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図8参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図41参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.上側装飾ユニットの構成
次に図9〜図32に基づいて、上側装飾ユニット200の構成を説明する。図9に示すように、上側装飾ユニット200は、前枠53のベース枠56に図示しないビスにより着脱可能になっている。そして本形態の上側装飾ユニット200は、左側装飾ユニット210及び右側装飾ユニット220のベース枠56に対する取付状態に拘わらず、独立して着脱可能になっている。
即ち、上側装飾ユニット200の取付けは、左側装飾ユニット210及び右側装飾ユニット220をベース枠56に取付ける前、又は取付けた後のいずれであっても行うことができる。また上側装飾ユニット200の取外しも、左側装飾ユニット210及び右側装飾ユニット220をベース枠56から取外す前、又は取外した後のいずれであっても行うことができる。こうして、本形態の上側装飾ユニット200では、他の部材と連係(係合)せずに着脱可能であるため、故障や点検の際に容易に交換することが可能である。
上側装飾ユニット200は、図10に示すように、外側カバー300と内側カバー400と駆動プレート500と左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rと左側警光灯ユニット700Lと右側警光灯ユニット700Rとを備え、これらが一体としてユニット化されたものである。左側警光灯ユニット700L及び右側警光灯ユニット700Rは、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rよりも前方に配されていて、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rと共に内側カバー400内に収容されるものである。そして図11に示すように、左側警光灯ユニット700L及び右側警光灯ユニット700Rは、内側カバー400の底面部410の前方部分に載置されて、図示しないビスによって内側カバー400に取付けられるようになっている。
上側装飾ユニット200では、後述するように左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rと左側回転発光部710Lと右側回転発光部710Rとが、遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に移動可能に構成されている点に特徴がある(図29及び図30参照)。なお、左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rとをまとめて「枠可動体(演出可動体)600」と称し、左側警光灯ユニット700Lと右側警光灯ユニット700Rとをまとめて「警光灯ユニット700」と称し、左側回転発光部710Lと右側回転発光部710Rとをまとめて「回転発光部(可動部材)710」と称することとする。以下、上側装飾ユニット200の各構成部材について順に説明する。
先ず外側カバー300について、図12(A)(B)及び図13に基づいて説明する。図12(A)は外側カバー300の平面図であり、図12(B)は外側カバー300の底面図である。また、図13は外側カバー300を右斜め下方から見たときの斜視図である。外側カバー300は、図12(A)(B)及び図13に示すように、上方と後方とが開口している略箱型形状をしていて、内側カバー400と枠可動体600と警光灯ユニット700とを収容するものである。外側カバー300は、合成樹脂で構成されていて、平面視で略台形形状の底壁部310と、底壁部310の左端から起立している左側壁部320と、底壁部310の右端から起立している右側壁部330と、底壁部310の前端から起立している前壁部340とを備えている。
底壁部310は、後述する内側カバー400の底面部410を載置する部分である。この底壁部310には、図12(A)に示すように、左右両側で前後方向のほぼ中央に、上下方向に貫通する排液孔311が形成されている。各排液孔311は、内側カバー400に入れられたコーヒー、ジュース、水等の液体、及び遊技球を排出するためのものであり、後述する内側カバー400の底面部410の排液孔411と連通するように設けられている。各排液孔311の形状は略円形であり、内側カバー400の底面部410の排液孔411と同じ形状になっていて、その開口径は遊技球の直径9mmよりも大きい。排液孔311の効果については後に詳しく説明する。
図12(A)に示すように、底壁部310の内側面(遊技者が視認できない上面)310aには、補強板312が取付けられている。補強板312は、前後方向に延びる直線部312aと、直線部312aの後端から起立した起立部312b(図9参照)とを有していて、上側装飾ユニット200の強度(剛性)を向上させる鋼鈑である。つまり、上述したように上側装飾ユニット200は、前枠53に設けられている他のユニットよりも前方に突出していて比較的大きなものであり、他の部材と連係せずに独立してベース枠56に取付けられている。そのため、ユニットとして強度不足が生じるおそれがある。そこで本形態では、補強板312の直線部312aが底壁部310の内側面310aに固定され、補強板312の起立部312bがベース枠56に固定されることで、上側装飾ユニット200としての強度を十分大きくしている。
また図12(B)及び図13に示すように、底壁部310の外側面(遊技者が視認できる下面)310bの前端には、ゴムから成る緩衝材313が取付けられている。緩衝材313は、底壁部310の外側面310bの前端で左右方向に延びていて、左右両端部が後方へ湾曲している。ここで図6に示すように、上側装飾ユニット200が前枠53に設けられている他のユニットよりも前方に突出していて、具体的には、外側カバー300の底壁部310の前端位置P1が、操作機構ユニット230の最前方位置P2よりも前方に位置している。
そのため、遊技者が遊技中に操作機構ユニット230のハンドル60、打球供給皿61、演出ボタン63、セレクトボタン68等に意識を集中した後に立ち上がると、遊技者の頭が底壁部310の外側面310bの前端に衝突するおそれがある。そこで本形態では、万一遊技者の頭が底壁部310の外側面310bの前端に衝突しても、緩衝材313によって衝撃を緩和できるようになっている。更に緩衝材313によって、外側カバー300の搬送時等に、底壁部310の外側面310bの前端に破損や傷を生じ難くすることが可能となる。
また図13に示すように、外側カバー300の前壁部340には、枠文字ランプ66が設けられている。具体的に、枠文字ランプ66は、左側から右側に向かって順番に第1発光部341と第2発光部342と第3発光部343と第4発光部344とによって構成されている。これら発光部341,342,343,344は、遊技の進行に伴って発光し得るものであり、遊技者等から特に目立つように外側カバー300の前壁部340に設けられている。第1発光部341は正面視で「L」字状であり、第2発光部342は正面視で「O」字状であり、第3発光部343は正面視で「G」字状であり、第4発光部344は正面視で「O」字状である。これら発光部341,342,343,344により、上側装飾ユニット200が本パチンコ遊技機の機種名の略称(「LOGO」)として発光することで、本パチンコ遊技機1をアピールできるようになっている。
また図12(B)及び図13に示すように、外側カバー300の左側壁部320には、可動体復帰ボタン323が設けられている。可動体復帰ボタン323は、遊技者の操作により後述する左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rをそれぞれの待機位置に復帰させるためのボタンである。可動体復帰ボタン323の効果については後に詳しく説明する。なお、図10に示すように、外側カバー300には、後方側の上方を塞ぐように塞ぎ板350が取付けられるようになっている。
次に内側カバー(収容部)400について、図14(A)(B)に基づいて説明する。図14(A)は内側カバー400の平面図であり、図14(B)は図14(A)に示した内側カバー400を矢印Y方向から見た背面図である。内側カバー400は、図14(A)(B)に示すように、上方と後方が開口している略箱型形状をしていて、枠可動体600及び警光灯ユニット700を収容するものである。内側カバー400は、平面視で略台形形状の底面部410と、底面部410の左端から起立している左側面部420と、底面部410の右端から起立している右側面部430と、底面部410の前端から起立している前面部440とを備えている。
底面部410には、図14(A)に示すように、左右両側で後方寄りに、上下方向に貫通する排液孔411が形成されている。各排液孔411は、内側カバー400に入れられたコーヒー、ジュース、水等の液体、及び遊技球を排出するためのものであり、内側カバー400が外側カバー300の上に載置された状態で上述した外側カバー300の各排液孔311に連通している。この連通によって、内側カバー400の収納空間SPと上側装飾ユニット200の外部とが連通することになる。各排液孔311の形状は略円形であり、その開口径は遊技球の直径9mmよりも大きい。
後述するように枠可動体600は、内側カバー400内に収容されている状態から、上方に移動することにより内側カバー400外へ露出した状態へ変化できるようになっている。そのため、枠可動体600が内側カバー400外に露出した状態では、内側カバー400の収納空間SPが露出することとなる(図28参照)。しかし、収納空間SPが露出しているとき、遊技者等が内側カバー400内に悪戯でコーヒー、ジュース、水等の液体を入れるおそれがある。そのため、内側カバー400内に液体が入り込んでも、各排液孔411及び各排液孔311により液体が内側カバー400内に溜まってしまうのを防止することが可能となる。
また収納空間SPが露出しているとき、遊技者等が内側カバー400内に悪戯で遊技球を入れるおそれがある。そして遊技球が内側カバー400内に溜まって、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rを内側カバー400に収容できなくなるおそれがある。そこで、各排液孔411及び各排液孔311の開口径が遊技球の直径よりも大きいため、内側カバー400内に入り込んだ遊技球を各排液孔411及び各排液孔311から内側カバー400及び外側カバー300外へ排出することが可能となる。よって、内側カバー400内に遊技球が溜まって、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rを内側カバー400に収容するのが阻害されるのを防ぐことが可能となる。また、内側カバー400内に入り込んだ遊技球を遊技者に返すことも可能となる。
そして内側カバー400では、図14(B)に示すように、底面部410の床面410aに、中央側から左右両側に位置する排液孔411に向かって下方に傾斜する傾斜面410bが形成されている。この傾斜面410bによって、内側カバー400に入り込んだ液体や遊技球等の異物を排液孔411に案内することが可能となる。よって、異物を各排液孔411及び各排液孔311から内側カバー400外へ排出し易くすることが可能となる。なお、各排液孔411及び各排液孔311の形状は円形でなくても良く、直径9mmである遊技球が通過できる形状(直径9mmである円形の断面よりも大きい形状)であれば適宜変更可能であり、例えば四角形状等であっても良い。
また図14(A)(B)に示すように、内側カバー400の前面部440のうち左右方向中央の上端には、前後方向に延びる回転軸441が設けられている。この回転軸441は、後述する左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rを回転可能に取付けるものである。但し回転軸441は、前後方向に延びていても、水平方向(鉛直方向と直交する方向)に沿うように延びているわけではなく、前方に向かって斜め下方に傾斜している(図9及び図10参照)。この理由については後述する。
続いて駆動プレート500について、図15(A)(B)に基づいて説明する。図15(A)は駆動プレート500の正面図であり、図15(B)は駆動プレート500の背面図である。駆動プレート500は、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rを回転駆動させるためのプレートであり、上側装飾ユニット200のうち後方側に起立した状態で配されている(図10参照)。即ち、外側カバー300及び内側カバー400は、後方が開口している略箱型形状であるため、駆動プレート500は外側カバー300及び内側カバー400の後方側を塞ぐように配されるものである。
駆動プレート500は、図15(A)(B)に示すように、左右方向中央の上端に、回転支持部501が設けられている。この回転支持部501は、前後方向に延びる挿入孔501aを有し、この挿入孔501aに内側カバー400の回転軸441の先端(前端)441aが挿入される。また、駆動プレート500の左側には、左側回転ガイド孔502Lが形成されていて、駆動プレート500の右側には、右側回転ガイド孔502Rが形成されている。左側回転ガイド孔502Lと右側回転ガイド孔502Rとは、左右一対で略L字状に形成されていて、前後方向に貫通している。
左側回転ガイド孔502Lには、後述する左側リンク部材630Lの中間部632に設けられている丸軸部632a(図17参照)が挿通される。これにより、左側リンク部材630Lの移動が左側回転ガイド孔502Lによってガイドされることとなる(図19(A)(B)(C)参照)。同様に、右側回転ガイド孔502Rには、後述する右側リンク部材630Rの丸軸部632aが挿通される。これにより、右側リンク部材630Rの移動が右側回転ガイド孔502Rによってガイドされることとなる。左側リンク部材630L及び右側リンク部材630Rの動作については、後に詳しく説明する。
図15(A)に示すように、駆動プレート500の正面510のうち、左側回転ガイド孔502Lの左下方に左側従動ギヤ511Lが設けられている。左側従動ギヤ511Lは駆動プレート500に回転可能に取付けられていて、径外方端に左側連結部材512Lが一体的に設けられている。左側連結部材512Lは、後述する左側リンク部材630Lの一端部631に設けられている挿通孔に連結するものである(図17参照)。そのため、左側従動ギヤ511Lが回転すると、左側連結部材512L及び左側リンク部材630Lの一端部631が左側従動ギヤ511Lの径外方端で一体に回転するようになっている(図19(A)(B)(C)参照)。
また図15(A)に示すように、左側従動ギヤ511Lの左上方に左側駆動ギヤ513Lが設けられている。左側駆動ギヤ513Lは、駆動プレート500に回転可能に取付けられていて、左側従動ギヤ511Lと噛合している。そして図15(B)に示すように、駆動プレート500の背面520の左側には、左側回転用モータ521Lが設けられている。この左側回転用モータ521Lは、その出力軸に左側駆動ギヤ513Lを取付けていて、駆動によって左側駆動ギヤ513Lを回転させるものである。そのため、左側回転用モータ521Lが駆動すると、左側駆動ギヤ513Lが回転し、左側駆動ギヤ513Lと噛合している左側従動ギヤ511Lが回転するようになっている。
そして図15(A)に示すように、駆動プレート500の正面510のうち、左側回転ガイド孔502Lの下端502Laの下方には、左側第1フォトセンサ531Lが設けられている。左側第1フォトセンサ531Lは、後述する左側リンク部材630Lの中間部632に設けられている第1遮蔽部632b1(図17参照)を検出するためのものである。また、左側回転ガイド孔502Lの上端502Lbの左方には、左側第2フォトセンサ532Lが設けられている。
左側第2フォトセンサ532Lは、左側リンク部材630Lの第2遮蔽部632b2(図17参照)を検出するためのものである。なお、左側第1フォトセンサ531L及び左側第2フォトセンサ532Lは、光を発光する発光部と、発光部から光を受光する受光部とを有している。そして、これら発光部と受光部との間で発光部からの光が左側リンク部材630Lの第1遮蔽部632b1又は第2遮蔽部632b2によって遮られると、左側リンク部材630Lの位置を検出するようになっている。
ここで、駆動プレート500のうち左側の構成と右側の構成は、左右対称であって同様の構成である。つまり、上述した左側回転ガイド孔502L、左側従動ギヤ511L、左側連結部材512L、左側駆動ギヤ513L、左側回転用モータ521L、左側第1フォトセンサ531L、左側第2フォトセンサ532Lの構成と、図15(A)(B)に示す右側回転ガイド孔502R、右側従動ギヤ511R、右側連結部材512R、右側駆動ギヤ513R、右側回転用モータ521R、右側第1フォトセンサ531R、右側第2フォトセンサ532Rの構成とは、左右対称であって同様であるため、対応する部位に「R」の符号を付して詳細な説明は省略する。
次に左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rについて、図16〜図19に基づいて説明する。図16(A)は左側枠可動体600Lの前面部分と上面部分とを示す斜視図であり、図16(B)は左側枠可動体600Lの背面部分(後面部分)と上面部分とを示す斜視図である。なお図16(A)(B)では、左側枠可動体600Lが内側カバー400内に収容されている状態(待機位置にあるときの状態)が示されている。
図16(A)(B)に示すように、左側枠可動体600Lは、表面(外側面)として前面部分と上面部分と背面部分と側面部分とを備える4面体構造になっている。左側枠可動体600Lの構成と右側枠可動体600Rの構成とは、左右対称であって同様である。そのため以下では、左側枠可動体600Lの構成を中心に説明し、右側枠可動体600Rの構成については対応する部位に「R」の符号を付して、詳細な説明については適宜省略する。
図16(A)に示すように、左側枠可動体600Lの前面部分のほとんどには、銀色の金属で構成された立体形状の左側タッチ電極602Lが設けられている。左側タッチ電極602Lには、本パチンコ遊技機1のキャラクタの顔の左半分を模した装飾形態が施されている。なお右側枠可動体600Rの前面部分のほとんどにも、銀色の金属で構成された立体形状の右側タッチ電極602Rが設けられている(図29参照)。そして右側タッチ電極602Rには、本パチンコ遊技機1のキャラクタの顔の右半分を模した装飾形態が施されている。左側タッチ電極602L及び右側タッチ電極602Rの機能については、後に説明する。
左側枠可動体600Lの上面部分には、前後左右方向に延びる平板状のベース板612が設けられている。ベース板612は、その前端にて左側タッチ電極602Lの上端と連結している。左側枠可動体600Lの背面部分には、略上下左右方向に延びる平板状の取付プレート621が設けられている。ここで図17は、左側タッチ電極602Lと取付プレート621及び左側リンク部材630Lとの関係を示した図である。図17に示すように、取付プレート621は、左側タッチ電極602Lの後端にて、図示しないビスによって取付けられるようになっている。
図16(A)に示すように、左側枠可動体600Lの側面部分には、上下前後方向に延びる平板状の透明板613が設けられている。透明板613は、左側タッチ電極602Lの右端とベース板612の右端と取付プレート621の右端とによって形成される嵌合部分に嵌め込まれるように取付けられている。
図18は、左側枠可動体600Lのうち取付プレート621が取り外された状態を示した図である。図18に示すように、左側枠可動体600Lの内部には、内部空間NSが設けられていて、この内部空間NSに左側タッチセンサ640Lが遊技者から視認できないように配されている。そして左側タッチセンサ640Lは、左側タッチ電極602Lの裏面(背面)に接続されている。なお図18に示す左側タッチセンサ640Lに、後述するハーネスH9(図48参照)のコネクタCN21が接続されることになる。
左側タッチセンサ640Lは、左側タッチ電極602Lに対する人体の接触を検出するものであり、具体的には高周波発振回路を利用する静電容量式のタッチセンサである。つまり、人体(遊技者等)が左側タッチ電極602Lに接触すると、人体の大地に対する静電容量(人体容量)に基づいて発振回路641(図36参照)が発振する高周波正弦波の電圧が減衰する。左側タッチセンサ640Lは、この高周波正弦波の電圧の減衰に基づいて、人体が左側タッチ電極602Lに接触したか否かを検出するようになっている。なお、右側枠可動体600Rの内部空間には、右側タッチ電極602Rに対する人体の接触を検出する右側タッチセンサ640Rが配されていて、右側タッチセンサ640Rも高周波発振回路を利用する静電容量式のタッチセンサである。
こうして本形態では、左側タッチセンサ640Lが左側タッチ電極602Lに対する人体の接触を検出した場合、又は右側タッチセンサ640Rが右側タッチ電極602Rに対する人体の接触を検出した場合には、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rを移動(回転)させないようにしている。即ち、人体が左側タッチ電極602L又は右側タッチ電極602Rに接触しているときには、枠可動体600は停止することになる。
左側枠可動体600Lの内部空間NSには、遊技の進行に伴って発光し得る左側枠顔ランプ660L(図43参照)が配されている。左側枠顔ランプ660Lが発光すると、左側枠可動体600Lの前面部分のうち目の形を模した第1透過部601a(図16(A)参照)と、多数の細長い第2透過部601b(図16(A)参照)とが光って見えるようになる。なお、右側枠可動体600Rの内部空間にも、遊技の進行に伴って発光し得る右側枠顔ランプ660R(図43参照)が配されている。
また図16(A)(B)に示すように、左側枠可動体600Lのベース板612の右端には、2つの円筒状の取付部603が前後方向に離れて設けられている。なお右側枠可動体600Rのベース板612の左端にも、2つの円筒状の取付部603が前後方向に離れて設けられている。これら左側枠可動体600Lの各取付部603及び右側枠可動体600Rの各取付部603は、上述した内側カバー400の回転軸441(図14(A)参照)に挿通されるものである。
こうして、左側枠可動体600Lの各取付部603及び右側枠可動体600Rの各取付部603を内側カバー400の回転軸441に挿通し、この回転軸441の先端441aを駆動プレート500の回転支持部501の挿入孔501aに挿入して、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rを収容した内側カバー400を外側カバー300内に載置することで、外側カバー300と内側カバー400と左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rとがユニット化される。
ここで、左側枠可動体600Lは、内側カバー400内に収容されている状態(図16(A)に示す状態)から回転軸441周りに時計方向に90度回転可能である。左側枠可動体600Lが時計方向に90度回転したときには、左側枠可動体600Lの大部分が内側カバー400から露出する(図29参照)。そこで、左側枠可動体600Lが内側カバー400内に収容されているときの位置を、「左側待機位置」と呼ぶことにする。一方、左側枠可動体600Lが時計方向に90度回転したときの位置を、「左側動作位置」と呼ぶことにする。
同様に、右側枠可動体600Rは、内側カバー400内に収容されている状態から回転軸441周りに反時計方向に90度回転可能である。右側枠可動体600Rが反時計方向に90度回転したときには、右側枠可動体600Rの大部分が内側カバー400から露出する(図29参照)。そこで、右側枠可動体600Rが内側カバー400内に収容されているときの位置を、「右側待機位置」と呼ぶことにする。一方、右側枠可動体600Rが反時計方向に90度回転したときの位置を、「右側動作位置」と呼ぶことにする。
これにより、左側枠可動体600Lが左側待機位置あると共に右側枠可動体600Rが右側待機位置にあるときには、左側枠可動体600Lの透明板613と右側枠可動体600Rの透明板613とが鉛直方向に延びて対向する(図19(A)参照)。そして、左側枠可動体600Lのベース板612と右側枠可動体600Rのベース板612とが同じ平面方向に延びて、上側装飾ユニット200(前枠53)の上壁面の一部を形成することとなる(図9参照)。
そして本形態では、左側枠可動体600Lが左側動作位置にあると共に、右側枠可動体600Rが右側動作位置にあるときには、図29に示すように、左側タッチ電極602Lと右側タッチ電極602Rとが互いに当接するようになっている。このとき、左側タッチ電極602Lに施されているキャラクタの顔の左半分と、右側タッチ電極602Rに施されているキャラクタの顔の右半分とが合わさって、関連する一つの装飾形態(本パチンコ遊技機1のキャラクタの顔)が形成されることになる。これにより、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600Rによる演出効果を高めるようにしている。
次に、左側リンク部材630Lについて、図17に基づいて説明する。なお図17では、左側リンク部材630Lの一端部631と、上述した駆動プレート500の左側連結部材512Lとが連結している状態が示されている。左側リンク部材630Lは取付プレート621を回転させるための部材であり、図17に示すように、長手方向の一端部(図17の下端部)631に挿通孔(図示省略)を有している。この挿通孔は、上述したように、駆動プレート500の左側従動ギヤ511Lに設けられている左側連結部材512Lと連結するためのものである。
また左側リンク部材630Lは、長手方向の中間部632に、後方に突出する丸軸部632aと、左右一対で薄板状の第1遮蔽部632b1及び第2遮蔽部632b2とを有している。丸軸部632aは、駆動プレート500の左側回転ガイド孔502Lに挿通されて、取付プレート621の回転に伴って左側回転ガイド孔502Lに沿って移動するものである(図19(A)(B)(C)参照)。各遮蔽部632b1,632b2は、上述したように、左側第1フォトセンサ531L又は左側第2フォトセンサ532Lに検出されるものである。
また左側リンク部材630Lは、長手方向の他端部(図17の上端部)633に、前方に突出する筒状突部633aを有している。筒状突部633aは、取付プレート621の外端部621aに形成されている挿通孔に挿通されるものである。右側リンク部材630Rの構成は、上述した左側リンク部材630Lの構成と左右対称であって同様であるため、その説明を省略する。
こうして、左側枠可動体600Lの取付プレート621は、左側リンク部材630Lを介して駆動プレート500の左側連結部材512Lに取付けられる。同様に、右側枠可動体600Rの取付プレート621は、右側リンク部材630Rを介して駆動プレート500の右側連結部材512R(図15(A)参照)に取付けられる。
続いて図19に基づいて、左側リンク部材630Lと右側リンク部材630Rの動作について説明する。なお、以下の説明において、左側に関する名称と、右側に関する名称との両方を説明する場合には、「左側」及び「右側」の名称を適宜省略して、総称で説明する。例えば、左側リンク部材630L及び右側リンク部材630Rについては、リンク部材630L,630Rとして説明し、左側待機位置及び右側待機位置については「待機位置」として説明する。
図19(A)に示すように、左側枠可動体600L及び右側枠可動体600R(枠可動体600)がそれぞれ待機位置にあるとき、リンク部材630L,630Rがほぼ水平状で左右方向に延びていて、リンク部材630L,630Rの第1遮蔽部632b1が第1フォトセンサ531L,531Rに検出されている。言い換えると、第1フォトセンサ531L,531Rがリンク部材630L,630Rの第1遮蔽部632b1を検出しているときには、枠可動体600がそれぞれ待機位置にあることになる。
そして、図19(A)に示す状態から、駆動プレート500の回転用モータ521L,521Rが駆動すると、駆動ギヤ513L,513R及び従動ギヤ511L,511Rが回転して、リンク部材630L,630Rの丸軸部632aが、回転ガイド孔502L,502Rの下端502La,502Ra(図15(A)参照)から回転ガイド孔502L,502Rに沿って移動し始める。これにより、図19(B)に示すように、リンク部材630L,630Rが斜め略45度に傾斜した状態になる。このとき、左側枠可動体600Lは、図19(A)に示す状態から回転軸441周りに時計方向へ略45度回転していて、右側枠可動体600Rは、図19(A)に示す状態から回転軸441周りに反時計方向へ略45度回転している。
更に、図19(B)に示す状態から、駆動プレート500の回転用モータ521L,521Rが駆動すると、リンク部材630L,630Rの丸軸部632aが、回転ガイド孔502L,502Rの上端502Lb,502Rb(図15(A)参照)まで移動する。これにより、リンク部材630L,630Rがほぼ鉛直方向に延びて、リンク部材630L,630Rの第2遮蔽部632b2が第2フォトセンサ532L,532Rに検出される。このとき、左側枠可動体600Lは、図19(A)に示す状態から回転軸441周りに時計方向へ90度回転していて、右側枠可動体600Rは、図19(A)に示す状態から回転軸441周りに反時計方向へ90度回転している。言い換えると、枠可動体600がそれぞれ動作位置にあれば、第2フォトセンサ532L,532Rがリンク部材630L,630Rの第2遮蔽部632b2を検出していることになる。
なお、左側リンク部材630Lと右側リンク部材630Rが、図19(C)に示す状態から図19(A)に示す状態にまで変化するときの動作については、上述した動作と逆の動作を行うだけであるため、詳細な説明を省略する。すなわち、左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rが、それぞれ動作位置から待機位置に変化するときの動作については、左側回転用モータ521Lと右側回転用モータ521Rが上述した駆動と逆の駆動を行うことになる。
次に右側警光灯ユニット700R及び左側警光灯ユニット700Lについて、図20〜図27に基づいて説明する。図20(A)は右側警光灯ユニット700Rを僅かに上方から見たときの斜視図であり、図20(B)は図20(A)に示す右側警光灯ユニット700Rから、後述する下側透明カバー732が取り外された状態を示した斜視図である。なお、図20(A)(B)では、後述する右側回転発光部710Rが内側カバー400から露出している状態(露出位置にあるときの状態)が示されている。
図20(A)(B)に示すように、右側警光灯ユニット700Rは、右側回転発光部710Rと、屈曲機構部720と、組付機構部730とを備えて構成されている。右側警光灯ユニット700Rの構成と左側警光灯ユニット700Lの構成とは、左右対称であって同様である。そのため以下では、右側警光灯ユニット700Rの構成を中心に説明し、左側警光灯ユニット700Lの構成については、説明を適宜省略する。
右側回転発光部710Rは、赤色の光を回転しながら放射するものである。右側回転発光部710Rは、ベース部材711(図21参照)と、上側透明カバー712と、右側発光部材713Rとを備えている。ベース部材711は、前後左右方向に延びる平板状の部材であり、上側透明カバー712と右側発光部材713Rとを支持した状態で取付けるものである。上側透明カバー712は、右側発光部材713Rを覆う透明のカバーであり、上側透明カバー712の上面712aが上下左右方向に延びる平面状になっている。
右側発光部材713Rは、左右方向に並ぶ3つの発光部材で構成されていて、左側に第1発光部材713aが配されていて、中央に第2発光部材713bが配されていて、右側に第3発光部材713cが配されている。各発光部材713a,713b,713cは、主に、ドーム形状に形成された赤色カバーと、赤色カバー内にて発光可能な赤色LED素子と、赤色カバー内で上下方向に延びる軸周りに回転可能な反射鏡とを備えている。そのため、赤色LED素子が発光した状態で反射鏡が回転すると、光が前後左右に向けて回転しながら放射される。こうして、各発光部材713a,713b,713cでは赤色の光が回転しながら放射されることで、遊技者の注意を引き付けることが可能である。なお、左側警光灯ユニット700Lでも、3つの発光部材713a,713b,713cで構成される左側発光部材713Lが設けられている。
ここで図21は、右側警光灯ユニット700Rを右斜め上方から見たときの斜視図である。なお図21では、後述する下側透明カバー732が取り外された状態が示されている。また、図22(A)は右側警光灯ユニット700Rの右側面図であり、図22(B)は図22(A)に示す右側警光灯ユニット700Rから、後述する下側透明カバー732が取り外された状態を示した右側面図である。また図23は、右側警光灯ユニット700Rの平面図である。
屈曲機構部720は、くの字状に屈曲していて、右側回転発光部710Rを上下方向に移動させるものである。屈曲機構部720は、図21及び図22(A)(B)に示すように、左下支持部材721L及び右下支持部材721Rと、下側回転軸722と、下側揺動部材723と、中央回転軸724と、上側揺動部材725と、上側回転軸726と、巻きバネ727とを備えている。
左下支持部材721L及び右下支持部材721Rは、下側回転軸722の両端部を支持するものである。左下支持部材721L及び右下支持部材721Rは、後述する組付機構部730の下側透明カバー732の後端部(図22(A)参照)にて、左右方向に離れた状態でビス(図示省略)を介して取付けられている。下側回転軸722は、左右方向に延びていて、下側揺動部材723の下端部を回転(揺動)可能に支持するものである。
下側揺動部材723は、図22(A)に示すように、矢印Q1で示す向きに揺動可能なものである(図26(A)参照)。下側揺動部材723の上端部は、図21に示すように二股状に分かれていて、中央回転軸724の両端部を支持している。中央回転軸724は、左右方向に延びていて、下側揺動部材723の上端部を回転(揺動)可能に支持すると共に、上側揺動部材725の下端部を回転(揺動)可能に支持するものである。
上側揺動部材725は、図22(A)に示すように、矢印Q2に示す向きに揺動可能なものである(図26(A)参照)。上側揺動部材725の下端部は、二股状に分かれていて、下側揺動部材723の上端部よりも内側に配されている。上側揺動部材725の上端部は、左右方向に延びる上側回転軸726を一体的に取付けている。上側回転軸726は、両端部にて右側回転発光部710Rのベース部材711の後方側に設けられている左右一対の組付部711aに組付けられている。これにより、上側回転軸726及び上側揺動部材725が、ベース部材711に対して回転(揺動)可能に支持されている。
巻きバネ727は、下側揺動部材723及び上側揺動部材725に付勢力を付与するものであり、図20(B)及び図21に示すように、中央回転軸724の左右方向の中間部に巻回されている。巻きバネ727の一端部727aは、下側揺動部材723に当接している。これにより下側揺動部材723が、中央回転軸724周りに反時計方向へ回転するように付勢(押圧)されている(図21参照)。巻きバネ727の他端部(図示省略)は、上側揺動部材725に当接している。これにより上側揺動部材725が、中央回転軸724周りに時計方向へ回転するように付勢(押圧)されている。こうして、下側揺動部材723及び上側揺動部材725は、巻きバネ727により、当該下側揺動部材723の下端部と当該上側揺動部材725の上端部とが互いに離間するように付勢されている。
組付機構部730は、右側回転発光部710Rを上下方向に移動可能に組付けるためのものである。組付機構部730は、図20(B)及び図21に示すように、外側組付カバー731(図11参照)と、下側透明カバー732と、前側固定板733と、長尺支持部材734と、組付部材740とを備えている。
外側組付カバー731は、右側警光灯ユニット700Rを内側カバー400に取付けるためのものであり(図11参照)、図示していないが、前方側にて下側透明カバー732を組付けていて、前後方向の中間部にて左下支持部材721L及び右下支持部材721Rを組付けている。そして外側組付カバー731は、内側カバー400の底面部410の前方部分に載置された状態で、図示しないビスによって内側カバー400に取付けられるようになっている。なお図20〜図27では、外側組付カバー731が取り外されている状態が示されている。
下側透明カバー732は、図20(A)に示すように、長尺支持部材734及び組付部材740を覆う透明のカバーである。また下側透明カバー732の上端部は、前側固定板733を支持していて、下側透明カバー732の下端部は、外側組付カバー731に組付けられている。下側透明カバー732の下面には、長尺支持部材734の下端部を嵌め込むための嵌合孔(図示省略)が設けられている。
前側固定板733は、図20(A)(B)に示すように、上下左右方向に延びる平面状の部材であり、下側透明カバー732の上端部に固定されている。この前側固定板733よりも後方にて、右側回転発光部710Rが上下方向に移動可能になっている。前側固定板733には、長尺支持部材734の上端部を嵌め込むための嵌合孔(図示省略)が設けられている。
長尺支持部材734は、組付部材740を上下方向に摺動可能に組付けるものである。長尺支持部材734は、図20(B)及び図22(B)に示すように、上下方向に長い長尺状且つ薄板状の金属板である。そして長尺支持部材734は、下端部にて下側透明カバー732の嵌合孔に嵌め込まれると共に、上端部にて前側固定板733の嵌合孔に嵌め込まれた状態で支持されている。
組付部材740は、右側回転発光部710Rのベース部材711に取付けられていて、ベース部材711を長尺支持部材734に組付けるためのものである。組付部材740は、図20(B)、図21、及び図22(B)に示すように主に、内側連結部材741と、外側連結部材742と、前方下側回転軸743と、後方下側回転軸744と、前方上側回転軸745と、後方上側回転軸746と、前方下側ローラ751と、後方下側ローラ752と、前方上側ローラ753と、後方上側ローラ754とを備えて構成されている。
内側連結部材741は、図20(B)に示すように、長尺支持部材734よりも左方に配されていて、上下前後方向に延びる平板状の部材である。内側連結部材741の上端部が右側回転発光部710Rのベース部材711の前方側に固定されている。これにより、右側回転発光部710Rのベース部材711が上下方向に移動するのに伴って、組付部材740(内側連結部材741)が上下方向に移動することになる。外側連結部材742は、図20(B)に示すように、長尺支持部材734よりも右方に配されていて、上下前後方向に延びる平板状の部材である。
前方下側回転軸743は、前方下側ローラ751を回転可能に支持するものである。前方下側回転軸743は、図21及び図22(B)に示すように、組付部材740の前方下側に設けられていて、長尺支持部材734よりも前方にて左右方向に延びている。そして前方下側回転軸743の両端部は、内側連結部材741と外側連結部材742とに連結されている。
後方下側回転軸744は、後方下側ローラ752を回転可能に支持するものである。後方下側回転軸744は、図21及び図22(B)に示すように、組付部材740の後方下側に設けられていて、長尺支持部材734よりも後方にて左右方向に延びている。そして後方下側回転軸744の左端部は、内側連結部材741に連結されていて、後方下側回転軸744の右端部は、後方下側ワッシャ747を組付けた状態で外側連結部材742に連結されている。
前方上側回転軸745は、前方上側ローラ753を回転可能に支持するものである。前方上側回転軸745は、図21及び図22(B)に示すように、組付部材740の前方上側に設けられていて、長尺支持部材734よりも前方にて左右方向に延びている。そして、前方上側回転軸745の両端部は、内側連結部材741と外側連結部材742とに連結されている。
後方上側回転軸746は、後方上側ローラ754を回転可能に支持するものである。後方上側回転軸746は、図21及び図22(B)に示すように、組付部材740の後方上側に設けられていて、長尺支持部材734よりも後方にて左右方向に延びている。そして後方上側回転軸746の左端部は、内側連結部材741に連結されていて、後方上側回転軸746の右端部は、後方上側ワッシャ748を組付けた状態で外側連結部材742に連結されている。
前方下側ローラ751は、図21及び図22(B)に示すように、前方下側回転軸743の周りで回転可能な円筒状の部材である。後方下側ローラ752は、図22(B)に示すように、後方下側回転軸744の周りで回転可能な円筒状の部材である。これら前方下側ローラ751と後方下側ローラ752とは、長尺支持部材734に対して前後方向に挟むように配されている。これにより、組付部材740が長尺支持部材734に沿って上下動する際に、前方下側ローラ751の周面が長尺支持部材734の前面に対して摺動(回転)したり、後方下側ローラ752の周面が長尺支持部材734の後面に対して摺動(回転)することが可能である。その結果、組付部材740の前後方向の移動(ズレ)を抑制しながら、組付部材740の上下動をスムーズにすることが可能である。
前方上側ローラ753は、図21及び図22(B)に示すように、前方上側回転軸745の周りで回転可能な円筒状の部材である。後方上側ローラ754は、図22(B)に示すように、後方上側回転軸746の周りで回転可能な円筒状の部材である。これら前方上側ローラ753と後方上側ローラ754とは、長尺支持部材734に対して前後方向に挟むように配されている。これにより、組付部材740が長尺支持部材734に沿って上下動する際に、前方上側ローラ753の周面が長尺支持部材734の前面に対して摺動(回転)したり、後方上側ローラ754の周面が長尺支持部材734の後面に対して摺動(回転)することが可能である。その結果、組付部材740の前後方向の移動(ズレ)を抑制しながら、組付部材740の上下動をスムーズにすることが可能である。
なお前方下側ローラ751と前方上側ローラ753とは、同様の構成であり、上下対称に配されている。また後方下側ローラ752と後方上側ローラ754とは、同様の構成であり、上下対称に配されている。こうして各ローラ751,752,753,754が長尺支持部材734に対して前後上下に配されていることにより、組付部材740が長尺支持部材734に沿って上下動する際に、組付部材740の長尺支持部材734に対する傾動を抑制することが可能である。
以上により、右側回転発光部710Rは、組付部材740を介して長尺支持部材734に沿って上下方向に直動可能である。但し上述したように、下側揺動部材723及び上側揺動部材725は、巻きバネ727により、当該下側揺動部材723の下端部と当該上側揺動部材725の上端部とが互いに離間するように付勢されている。そのため、図22(B)に示すように、右側回転発光部710Rに何ら外力が作用しない状態では、右側回転発光部710Rのベース部材711が前側固定板733に当接するまで、下側揺動部材723の下端部と上側揺動部材725の上端部とが離間するようになっている。その結果、右側回転発光部710Rは長尺支持部材734の上端側に位置することになる。ここで図22(B)に示すように、右側回転発光部710R(左側回転発光部710L)が長尺支持部材734の上端側にあるときの位置を「露出位置」と呼ぶことにする。
ところで本形態では、枠可動体600(左側枠可動体600L及び右側枠可動体600R)が動作位置にあるときには、枠可動体600は回転発光部710(左側回転発光部710L及び右側回転発光部710R)に当接(係合)していない。従って、回転発光部710には枠可動体600から外力(押圧力)が作用しなくて、回転発光部710は露出位置にある(図29参照)。しかしながら、枠可動体600が動作位置から待機位置へ復帰する際には、枠可動体600が回転発光部710に当接して、回転発光部710は枠可動体600から押圧力を受けるようになっている。
具体的には、枠可動体600が動作位置から待機位置へ復帰する際に、枠可動体600の透明板613に設けられている突起(図示省略)が、回転発光部710のベース部材711に設けられている係合凹部711b(図23参照)を下方に向かって押圧する。これにより、ベース部材711が巻きバネ727の付勢力に抗して下方に移動すると共に、組付部材740が長尺支持部材734に沿って下方に移動する。なおこのときには、下側揺動部材723の下端部と上側揺動部材725の上端部とが、巻きバネ727の付勢力に抗して接近することになる(図26(B)参照)。そして、枠可動体600が待機位置へ復帰したとき、回転発光部710のベース部材711が枠可動体600に押圧されたままの状態で、回転発光部710が内側カバー400内に収容される(図4参照)。
ここで図24(A)は、右側回転発光部710Rが内側カバー400内に収容されているときに右側警光灯ユニット700Rを僅かに上方から見たときの斜視図であり、図24(B)は図24(A)に示す右側警光灯ユニット700Rから、下側透明カバー732が取り外された状態を示した斜視図である。図24(B)に示すように、右側回転発光部710R(左側回転発光部710L)が長尺支持部材734の下端側あるときの位置を「収容位置」と呼ぶことにする。
また図25は、右側回転発光部710Rが内側カバー400内に収容されているときに右側警光灯ユニット700Rを右斜め上方から見たときの斜視図である。なお図25では、下側透明カバー732が取り外された状態が示されている。また、図26(A)は右側回転発光部710Rが内側カバー400内に収容されているときに右側警光灯ユニット700Rの右側面図であり、図26(B)は図26(A)に示す右側警光灯ユニット700Rから、下側透明カバー732が取り外された状態を示した右側面図である。
こうして、図4及び図6に示すように、枠可動体600が待機位置にあるときには、回転発光部710が収容位置にあって、枠可動体600及び回転発光部710が共に内側カバー400内に収容されている。このとき、枠可動体600のベース板612と上側透明カバー712の上面712aとが同一平面状になっていて、上側装飾ユニット200の上壁面の一部を形成している(図4参照)。
そして、枠可動体600が待機位置から動作位置へ駆動するのに伴って、回転発光部710には枠可動体600からの押圧力が作用されなくなる。これより回転発光部710は、巻きバネ727の付勢力により上方に移動すると共に、組付部材740が長尺支持部材734に沿って上方に移動することになる。その結果、図29及び図30に示すように、枠可動体600が動作位置まで駆動すると、回転発光部710が露出位置まで変位して、枠可動体600及び回転発光部710が共に遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に突出することになる。なお遊技機枠50(前枠53)の上縁50Uとは、遊技機枠50の外郭を構成する上下左右の枠縁(上縁50U,下縁50D,左縁50L,右縁50R)のうち、遊技機枠50の上端で左右方向に延びる縁を意味する。
一方、枠可動体600が動作位置から待機位置へ復帰し始めると、回転発光部710には枠可動体600からの押圧力が作用する(図28参照)。これにより回転発光部710は、巻きバネ727の付勢力に抗して下方に移動すると共に、組付部材740が長尺支持部材734に沿って下方に移動することになる。その結果、図4及び図6に示すように、枠可動体600が待機位置まで復帰すると、回転発光部710が収容位置まで変位して、枠可動体600及び回転発光部710が共に遊技機枠50の上縁50Uよりも下方にて内側カバー400内に収容されることになる。
次に遊技機枠50の効果について説明する。本形態では、遊技機枠50(上側装飾ユニット200)に設けられている枠可動体600と回転発光部710とが、図4に示すように遊技機枠50(前枠53)の上縁50Uよりも下方から、図29に示すように遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に変位(移動)可能となっている。そのため、2種類の移動部材(枠可動体600及び回転発光部710)が遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に同時に突出することで、遊技者に与える演出のインパクトを強めることが可能である。
また本形態では、図4に示すように、枠可動体600及び回転発光部710が内側カバー400内に収容されているときには、枠可動体600のベース板612と上側透明カバー712の上面712aとが、上側装飾ユニット200の上壁面の一部を形成している。これに対して図29に示すように、枠可動体600が動作位置にあるときには、各ベース板612が係合(対向)して、枠可動体600の各タッチ電極602L,602Rによって関連する一つの装飾形態(本パチンコ遊技機1のキャラクタの顔)が形成される。更に、回転発光部710が露出位置にあるときには、露出した回転発光部710から赤色の光が回転しながら放射される。こうして、上側装飾ユニット200の上壁面が目立つように変形することで、遊技者に強いインパクトを与えることが可能である。
また本形態では、図30に示すように、枠可動体600が、側面視で前方に向かって斜め上向きに突出するようになっている。つまり、枠可動体600が待機位置にあるときには、ベース板612が前方に向かって斜め下方に傾斜していて(図6参照)、枠可動体600を回転可能に支持する回転軸441も、前方に向かって斜め下方に傾斜していて(図6参照)、枠可動体600の後側に配されている取付プレート621が前方に向かって斜め上向きに傾斜している。そのため、図30に示すように、枠可動体600が待機位置から動作位置へ90度回転する際に、取付プレート621は、当該取付プレート621が傾斜している平面方向(仮想鉛直面に対して前方に向かって斜め上向きに延びる仮想前方傾斜面)に沿って回転し、枠可動体600が前方に向かって斜め上向きに突出することになる。その結果、枠可動体600がデータ表示装置152と干渉するのを防止することが可能となる。なお図30に示すように、枠可動体600は、垂直壁面SHに対する取付プレート621の前傾角度φが25度になるように、前方に向かって斜め上向きに突出する。
また本形態では、図22(B)に示すように、回転発光部710を上下方向に変位させるための長尺支持部材734も、前方に向かって斜め上向きに延びている。そのため、図30に示すように、回転発光部710が収容位置から露出位置へ変位する際に、側面視にて枠可動体600と平行に前方に向かって斜め上向きに突出する。こうして、回転発光部710と枠可動体600とが突出する方向を合わせることで、同時に突出する2種類の移動部材(枠可動体600及び回転発光部710)の見た目を整えることが可能である。
また本形態では、遊技機枠50(上側装飾ユニット200)に2種類の移動部材(枠可動体600、回転発光部710)が設けられているが、駆動源は枠可動体600を駆動させるための駆動モータ(回転用モータ521L,521R)だけである。つまり、回転発光部710は、電気的な駆動源を必要とせずに、機械(メカ)的な付勢力を利用して移動させるものになっている。そのため、電気的なトラブルを回避することが可能であると共に、安価に構成することが可能である。更に、電気的な駆動源への配線による手間やトラブルも無くすことが可能である。
ところで本形態では、図28に示すように、枠可動体600が動作位置から待機位置へ復帰する際に、枠可動体600が回転発光部710を下方に向かって押圧しながら内側カバー400内に収容されることになる。ここで遊技者等の手が、不注意等により復帰している途中の枠可動体600と回転発光部710との間に挟まれる場合が考えられる。この場合において仮に、遊技者等の手が挟まれたまま枠可動体600が内側カバー400内に収容されることになると、遊技者に危害が加わりかねない。
そこで本形態では、左側枠可動体600Lの前面部分に左側タッチ電極602Lが設けられていて、右側枠可動体600Rの前面部分に右側タッチ電極602Rが設けられている。そのため、復帰している途中の枠可動体600と回転発光部710との間に遊技者等の手が挟まれたとしても、遊技者の手はタッチ電極602L,602Rに接触することになる。その結果、タッチセンサ640L,640Rがタッチ電極602L,602Rに対する接触を検出する。これにより、復帰中の枠可動体600を停止させることが可能であり、遊技者に危害が加わるのを回避することが可能である。
なお、枠可動体600が動作位置から待機位置へ復帰する途中だけでなく、待機位置から動作位置へ駆動する途中であっても、遊技者等の手がタッチ電極602L,602Rに接触すれば、駆動中の枠可動体600を停止させることが可能である。
ここで本形態では、警光灯ユニット700(右側警光灯ユニット700R、左側警光灯ユニット700L)を平面視で見た場合に、回転発光部710に外力(枠可動体600からの押圧力)が作用する位置と、回転発光部710に取付けられている組付部材740が長尺支持部材734に対して上下方向に摺動する位置とが、前後方向及び左右方向に離れている。以下この点について、詳細に説明する。
図27は、回転発光部710に外力が作用する位置S1と長尺支持部材734の位置G1との関係を示した平面図である。図27に示すように、回転発光部710におけるベース部材711の係合凹部711bの位置が、回転発光部710に外力(枠可動体600からの押圧力)が作用する位置S1でもあり、以下では「作用位置S1」と呼ぶことにする。また長尺支持部材734の位置G1が、組付部材740が摺動可能に組付けられている位置でもあり、以下では「組付位置G1」と呼ぶことにする。
図27から明らかなように、作用位置S1と組付位置G1とは、左右方向に所定量だけ離れている。以下、作用位置S1と組付位置G1とが左右方向に離れている距離を、「左右方向離間量D1」と呼ぶことにする。この左右方向離間量D1があることにより、係合凹部711bに、待機位置へ復帰する枠可動体600からの下向きの押圧力が作用すると、その左右方向離間量D1に対応した曲げモーメントが組付部材740に作用することになる。
また作用位置S1と組付位置G1とは、前後方向に所定量だけ離れている。以下、作用位置S1と組付位置G1とが前後方向に離れている距離を、「前後方向離間量D2」と呼ぶことにする。この前後方向離間量D2があることにより、係合凹部711bに、待機位置へ復帰する枠可動体600からの下向きの押圧力が作用すると、その前後方向離間量D2に対応した曲げモーメントが組付部材740に作用することになる。
以上により、回転発光部710の係合凹部711bに下向きの押圧力が作用するとき、組付部材740が長尺支持部材734に沿って下方に摺動しようとするものの、組付部材740には、左右方向離間量D1に対応した曲げモーメントと前後方向離間量D2に対応した曲げモーメントとの2つの曲げモーメントが作用することになる。つまり、組付部材740には2方向からの曲げが作用する。
ここで、本形態の組付部材740及び長尺支持部材734に換えて、比較例の組付部材740X及び丸軸部材734Xを用いた場合について説明する。図31(A)は、比較例において組付部材740Xと丸軸部材734Xとの関係を示した図であり、図31(B)は、比較例において組付部材740Xが丸軸部材734Xに対して下方に摺動したときの状態を示した図である。
図31(A)に示すように、組付部材740Xは円筒状であり、丸軸部材734Xは丸棒状である。組付部材740Xは、丸軸部材734Xの周りで上下方向に摺動可能に組付けられている。組付部材740Xの内周面と丸軸部材734Xとの間の距離R1は、例えば約1mmとする。
この比較例において、組付部材740Xが丸軸部材734Xに沿って下方に摺動しようとするとき、組付部材740Xに左右方向離間量D1に対応した曲げモーメントと前後方向離間量D2に対応した曲げモーメントが作用することになると、図31(B)に示すように、組付部材740Xの内周面が丸軸部材734Xに局所的に当接し得る。すなわち、組付部材740Xに作用する2方向からの曲げにより、組付部材740Xが傾きながら下方に摺動する。その結果、組付部材740Xが丸軸部材734Xに対してこじることになり、組付部材740X(回転発光部710)を円滑に摺動させることができないおそれがある。
なお仮に、組付部材740Xの内周面と丸軸部材734Xとの間の距離R1を、1mmよりも十分大きくしてしまうと、組付部材740Xが丸軸部材734Xに対してぐらつくように不安定な状態で上下動することになってしまう。
そこで本形態では、上記した問題に対処できるように組付部材740及び長尺支持部材734が構成されている。ここで図32は、図21に示した組付部材740及び長尺支持部材734を矢印U方向から見たときの底面図である。図32に示すように、組付部材740の各構成部材では、上述したように構成及び配置がなされていて、長尺支持部材734に対して上下方向に摺動可能になっている。
ここで、前方下側ローラ751(前方上側ローラ753)と長尺支持部材734の前面との間の距離Y1は、1mm以下であり、後方下側ローラ752(後方上側ローラ754)と長尺支持部材734の後面との間の距離Y2は、1mm以下である。そのため、組付部材740が前後方向に変位(移動)すると、各ローラ751,752,753,754が長尺支持部材734にすぐに面接触することになり、実質的に組付部材740の前後方向の変位が規制されている。
一方、内側連結部材741と長尺支持部材734の左側面との間の距離X1は、約4mmであり、外側連結部材742と長尺支持部材734の右側面との間の距離X2は、約4mmである。そのため、組付部材740が左右方向にある程度変位しても、内側連結部材741又は外側連結部材742が長尺支持部材734に当接しないことになり、実質的に組付部材740の左右方向の変位が規制されていない。
従って本形態では、組付部材740が長尺支持部材734に沿って下方に摺動しようとするとき、組付部材740に左右方向離間量D1に対応した曲げモーメントと前後方向離間量D2に対応した曲げモーメントとが作用しても、組付部材740の左右方向の変位が規制されていないため、組付部材740がある程度左右方向に逃げることが可能である。これにより、左右方向離間量D1に対応した曲げモーメントを吸収することが可能である。
一方、前後方向離間量D2に対応した曲げモーメントについては、組付部材740の前後方向の変位が規制されているため、各ローラ751,752,753,754と長尺支持部材734が面接触することで受承することが可能である。これにより、組付部材740が長尺支持部材734に対してぐらつかずに安定した状態で上下動することが可能である。こうして、組付部材740が長尺支持部材734に局所的に当接するのを回避することが可能である。その結果、組付部材740にこじりを生じさせないで、組付部材740を長尺支持部材734に対して円滑に摺動させることが可能である。
特に本形態では、前後方向離間量D2に対応した曲げモーメントにより、各ローラ751,752,753,754が長尺支持部材734に面接触した際に、各ローラ751,752,753,754を回転させることが可能である。つまり組付部材740は、各ローラ751,752,753,754を長尺支持部材734に対して回転させながら、長尺支持部材734に沿って摺動可能である。従って、組付部材740をよりスムーズに上下動させることが可能であると共に、組付部材740に応力集中が生じるのを回避して破損や故障を生じ難くすることが可能である。
なお本形態では、図32に示すように、厳密に言えば、各ローラ751,752,753,754が距離Y1,Y2だけ前後方向に僅かに変位できることになる。しかしながら、仮に距離Y1,Y2が「0」であれば、各ローラ751,752,753,754が長尺支持部材734に対して上下動できないことになる。つまり距離Y1,Y2は、「0」よりも僅かに大きい値として必要なものである。従って、「組付部材740において長尺支持部材734に対する前後方向の変位が規制されている一方、左右方向の変位が許容されている」とは、距離Y1,Y2が距離X1,X2よりも十分に小さくて(例えば半分以下であり)、組付部材740において前後方向の変位が左右方向の変位よりも規制されていれば良いこととする。
また本形態では、組付部材740において長尺支持部材734に対する前後方向の変位が規制されている一方、左右方向の変位が許容されているが、その反対に左右方向の変位が規制されている一方、前後方向の変位が許容されているようにしなかったのは、以下の理由に基づく。先ず図27に示すように、左右方向離間量D1が前後方向離間量D2よりも大きい。そのため、組付部材740には、左右方向離間量D1に対応する曲げモーメントが前後方向離間量D2に対応する曲げモーメントよりも大きく作用する。そのため、小さい方の曲げモーメント(前後方向離間量D2に対応する曲げモーメント)を、前後方向の変位が規制されている組付部材740で受承することで、組付部材740に曲げや変形等の悪影響を生じ難くさせることができることになる。そして、大きい方の曲げモーメント(左右方向離間量D1に対応する曲げモーメント)を、左右方向の移動が許容されている組付部材740で吸収することで、こじりが生じるのを防ぐことができることになる。
更に図21に示すように、屈曲機構部720は、上側揺動部材725の上端部と下側揺動部材723の下端部とを接近又は離間させる構成であって、回転発光部710の左右方向の変位を規制する一方、前後方向及び上下方向の変位を許容するものである。従って、仮に組付部材740において前後方向の変位が規制されていなければ、組付部材740に取付けられている回転発光部710が上下方向に移動すると共に、前後方向にも移動し得る構成になってしまう。よって、回転発光部710が前後方向には移動しないで上下方向にだけ移動する構成とするため、組付部材740において前後方向の変位を規制する構成にしている。
ところで本形態では、左側枠可動体600Lの前面部分のほとんどが左側タッチ電極602Lになっていて、右側枠可動体600Rの前面部分のほとんどが右側タッチ電極602Rになっている。そして、左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rがそれぞれ動作位置にあるときには、左側タッチ電極602Lと右側タッチ電極602Rとにより関連する一つの装飾形態が形成されるものの(図29参照)、左側タッチ電極602Lの縁部分602La(図1参照)と、右側タッチ電極602Rの縁部分602Raとが当接することになる。この当接により、タッチ電極602L,602Rに遊技者等の手が接触していないにも拘わらず、タッチセンサ640L,640Rが接触を検出(誤検出)してしまう可能性があった。これにより枠可動体600が停止されることになり、枠可動体600が動作位置から待機位置へ復帰しないおそれがあった。
そこで本形態では、上記した問題に対処するために、後述する演出制御用マイコン91がタッチセンサ640L,640Rの有効状態と無効状態とを切替えるように設定している。ここでタッチセンサ640L,640Rの有効状態とは、タッチセンサ640L,640Rによる検出を演出制御用マイコン91が有効なものとして判断する状態であり、タッチセンサ640の無効状態とは、タッチセンサ640L,640Rによる検出があってもその検出を演出制御用マイコン91が無効なものとして判断する状態である。以下では図33〜図38に基づいて、タッチセンサ640L,640Rの詳細な構成について説明する。
図33は、左側タッチセンサ640Lと右側タッチセンサ640Rとサブ制御基板90の電気的な構成を示すブロック図である。図33に示すように、左側タッチセンサ640Lには、電源端子Vccと出力端子OUTとグランド端子GNDとが設けられていて、これら各端子が配線を介してサブ制御基板90の入出力回路95に接続されている。同様に、右側タッチセンサ640Rにも、電源端子Vccと出力端子OUTとグランド端子GNDとが設けられていて、これら各端子が配線を介してサブ制御基板90の入出力回路95に接続されている。タッチセンサ640L,640Rは、具体的には、センサテック株式会社製の型式「HTG−A4」であり、動作感度が40pF±8pFである小型静電容量式タッチセンサである。なおタッチセンサ640L,640Rには、フレームグランド端子FGが設けられていて、このフレームグランド端子FGが後述する配線J4を介してフレームグランド用中継基板650L,650Rに接続されるようになっている(図45参照)。
電源端子Vccは、サブ制御基板90から電力が供給される端子である。出力端子OUTは、人体の接触を検出したことを示す検出信号(出力信号)をサブ制御基板90に出力する端子である。グランド端子GNDは、基準電位となる端子である。なお図33には、左側タッチセンサ640L及び右側タッチセンサ640Rとサブ制御基板90との間に、後述する枠顔中継基板99(図43参照)が省略されている。
図34は、左側タッチセンサ640Lの電気回路図である。右側タッチセンサ640Rの構成は、左側タッチセンサ640Lの構成と同様であるため、説明を省略する。図34に示すように、左側タッチセンサ640Lは、発振回路641と検波平滑回路642とレベル弁別回路643と出力回路644と静電気保護回路645とを備えている。
発振回路641は、高周波正弦波を発振する回路である。図36では、発振回路641の上方に、発振された高周波正弦波の電圧を模式的に示している。図34に示すように、発振回路641は、静電気保護回路645を介して左側タッチ電極602Lに接続されている。また発振回路641は、検波平滑回路642と電源端子Vccとグランド端子GNDに接続されている。なお、発振回路641と電源端子Vccとの間には、図示しない定電圧回路が設けられている。これにより、電源端子Vccに供給された電圧(電力)が、定電圧回路によって安定した一定電圧となり、この一定電圧が発振回路641と検波平滑回路642とレベル弁別回路643に供給される。
発振回路641では、供給された一定電圧が抵抗R2に印加されて、トランジスタTR1にバイアス電流を流す。トランジスタTR2は、トランジスタTR1のパラメータが温度等により変化するのを補正するためのトランジスタである。この発振回路641では、2つのコンデンサK1,K2が直列接続されていて、これらコンデンサK1,K2とコイルQとが並列接続されている。コンデンサK1の静電容量をC1とし、コンデンサK2の静電容量をC2とし、コイルQのインダクタンスをLとする。この左側タッチセンサ640Lでは、高周波正弦波の周波数Fが約1000Hzとなるように、静電容量C1,C2とインダクタンスLの値が設定されている。
検波平滑回路642は、発振回路641から発振される高周波正弦波を検波(高周波正弦波から高周波脈流を生成)すると共に、高周波脈流を平滑する(高周波脈流の波形を平坦な直流電圧に近づける)回路である。検波平滑回路642は、レベル弁別回路643に接続されている。図36では、検波平滑回路642の上方に、高周波脈流を平滑した後の電圧を模式的に示している。
レベル弁別回路643は、検波平滑回路642によって平滑された電圧(直流電圧)を基準値(比較電圧)Vaと比較して、スイッチング信号を出力し得る回路である。平滑された電圧が基準値Va以上であれば、スイッチング信号が出力されない。一方、平滑された電圧が基準値Vaより小さければ、スイッチング信号が出力されるようになっている。レベル弁別回路643は、出力回路644に接続されている。図36では、レベル弁別回路643の上方に、平滑された電圧と基準値Vaとの比較を模式的に示している。
出力回路644は、レベル弁別回路643によって出力されたスイッチング信号に応じて、検出信号を出力し得る回路である。出力回路644の出力側には、出力端子OUTが接続されている。この出力回路644は、入力したスイッチング信号をパワートランジスタで増幅し、制御信号としての検出信号を出力端子OUTに出力するようになっている。出力端子OUTに出力された検出信号は、枠顔中継基板99を介してサブ制御基板90に入力される(図33参照)。なお、レベル弁別回路643からスイッチング信号が出力されなければ、サブ制御基板90が出力回路644から枠顔中継基板99を介して検出信号を入力することはない。
こうして、出力回路644が検出信号を出力することにより、左側タッチセンサ640Lが人体の接触を検出したこととなる。なお左側タッチセンサ640L及び右側タッチセンサ640Rを「検出部」と呼び、左側タッチ電極602L及び右側タッチ電極602Rを「電極部」と呼ぶことも可能である。また、タッチ電極602L,602R及びタッチセンサ640L,640Rを「人体検出手段」と呼ぶことも可能である。
静電気保護回路645は、左側タッチ電極602Lと発振回路641との間に配されていて、左側タッチ電極602Lに印加されるサージ電圧から左側タッチセンサ640Lの各回路を保護する回路である。即ち、パチンコ遊技機1において、遊技球が長いプラスチック製の通路を通過したり、遊技球同士が擦れ合うことにより、遊技球は数万Vの静電気を帯びることがある。また遊技者等が着用している毛織物等にも数万Vの静電気を帯びることがある。仮にこの静電気に基づくサージ電圧が左側タッチセンサ640Lに印加されると、発振回路641やレベル弁別回路643等が破壊されるおそれがある。
そのため、静電気保護回路645によって、左側タッチ電極602Lに数万Vのサージ電圧が印加されても、発振回路641やレベル弁別回路643等に高電圧が印加されるのを防止している。静電気保護回路645は、例えばプリント基板上に数十〜数百μmのギャップ(隙間)で構成することができ、このギャップで放電させることにより、左側タッチセンサ640Lの各回路に高電圧が印加するのを防止することが可能となる。
更に、静電気保護回路645は、上述したフレームグランド端子FGに接続されている。そのため、左側タッチ電極602Lに印加されたサージ電圧は、静電気保護回路645とフレームグランド端子FGを介して、後述する配線J4(図45参照)の方へ作用させるようになっている。
次に、左側タッチセンサ640Lの検出について説明する。なお右側タッチセンサ640Rの検出については、左側タッチセンサ640Lの検出と同様であるため、説明を省略する。図35は、遊技者の手が左側タッチ電極602Lに接触した状態を示したブロック図であり、図36は、遊技者の手が左側タッチ電極602Lに接触したときに左側タッチセンサ640Lの検出を説明するための模式図である。図35に示すように、遊技者の手が左側タッチ電極602Lに接触すると、図36に示すように、左側タッチセンサ640Lの発振回路641が発振する高周波正弦波の電圧が減衰(又は停止)する。
つまり、遊技者は人体容量Co(人体の大地に対する静電容量で約100pF程度、図34参照)を有しているため、遊技者が左側タッチ電極602Lに接触すると、発振回路641に極微弱な高周波正弦波の電流が流れる。この高周波正弦波の電流の流れにより、発振回路641では、発振する高周波正弦波が減衰又は停止するように設計されている。
こうして高周波正弦波の電圧が減衰されると、検波平滑回路642により、検波された高周波脈流が減少し、この高周波脈流の減少に伴って、平滑される電圧(直流電圧)が減少することとなる。そして、レベル弁別回路643により、平滑された電圧と基準値Vaとが比較される。このとき電圧が基準値Vaより小さくなるため(図36の左側タッチセンサ640Lのレベル弁別回路643の上方参照)、レベル弁別回路643からスイッチング信号が出力される。これにより、出力回路644が検出信号を出力して、左側タッチセンサ640Lが左側タッチ電極602Lに対する接触を検出したことになる。
なお、図35に示すように、遊技者が左側タッチ電極602Lに接触したとき、左側タッチセンサ640Lの発振回路641から発振された高周波正弦波は、左側タッチ電極602L、遊技者(人体)、大地、図示しない電源を通って、再び左側タッチセンサ640Lの発振回路641へループして流れるようになっている。
一方、図35に示すように、遊技者の手は右側タッチ電極602Rに接触していないため、図36に示すように、右側タッチセンサ640Rの発振回路641が発振する高周波正弦波の電圧は変化しない。つまり、左側タッチ電極602Lと異なり、人体容量Coが右側タッチ電極602Rに作用しないため、右側タッチセンサ640Rの発振回路641に極微弱な高周波正弦波の電流が流れず、その発振回路641が発振する高周波正弦波が減衰又は停止しない。そのため、レベル弁別回路643では、平滑された電圧が基準値Vaよりも大きくて(図36の右側タッチセンサ640Rのレベル弁別回路643の下方参照)、レベル弁別回路643からスイッチング信号が出力されない。これにより、出力回路644が検出信号を出力することはなく、右側タッチセンサ640Rが右側タッチ電極602Rに対する接触を検出していないことになる。
次に、左側枠可動体600Lと右側枠可動体600Rとがそれぞれ動作位置にあることにより、左側タッチ電極602Lと右側タッチ電極602Rとが当接した場合について説明する。図37は、左側タッチ電極602Lと右側タッチ電極602Rとが当接している状態を示したブロック図であり、図38は、左側タッチ電極602Lと右側タッチ電極602Rとが当接しているときに誤検出が生じる場合を説明するための模式図である。
図37及び図38に示すように、左側タッチ電極602Lと右側タッチ電極602Rとが当接しているときには、左側タッチセンサ640Lの発振回路641と、左側タッチ電極602Lと、右側タッチ電極602Rと、右側タッチセンサ640Rの発振回路641とが接続状態のようになる。これにより、左側タッチセンサ640Lの発振回路641から発振される高周波正弦波が、左側タッチ電極602Lと右側タッチ電極602Rとを介して、右側タッチセンサ640Rの発振回路641に伝達して、右側タッチセンサ640Rの発振回路641から発振される高周波正弦波の電圧が減衰される可能性がある。同様に、右側タッチセンサ640Rの発振回路641から発振される高周波正弦波が、右側タッチ電極602Rと左側タッチ電極602Lとを介して、左側タッチセンサ640Lの発振回路641に伝達して、左側タッチセンサ640Lの発振回路641から発振される高周波正弦波の電圧が減衰される可能性もある。
そうなると右側タッチセンサ640R又は左側タッチセンサ640Lにおいて、検波平滑回路642で検波される高周波脈流が減少し、この高周波脈流の減少に伴って、平滑される電圧(直流電圧)が減少し得る。その結果、レベル弁別回路643からスイッチング信号が出力されて、出力回路644から検出信号が出力されるという事態が生じかねない。つまり、遊技者の手が右側タッチ電極602R又は左側タッチ電極602Lに接触していないにも拘わらず、右側タッチセンサ640Rが右側タッチ電極602Rに対する接触を検出(誤検出)したり、左側タッチセンサ640Lが左側タッチ電極602Lに対する接触を検出(誤検出)したりする可能性があった。
そこで本形態では、上述した誤検出に対処すべく、枠可動体600が待機位置から動作位置へ駆動する際に、枠可動体600が動作位置に到達する直前に、タッチセンサ640を有効状態から無効状態に切替えるようにしている。ここで、枠可動体600が動作位置に到達する直前とは、図39(B)に示すように、第2フォトセンサ532L,532Rがリンク部材630L,630Rの第2遮蔽部632b2を検出し始めたときである。
つまり、第2フォトセンサ532L,532Rは、発光部と受光部との間で発光部からの光がリンク部材630L,630Rの第2遮蔽部632b2によって遮られることに基づいて、枠可動体600の位置を検出するものである。そこで厳密に見れば、図39(B)に示すように、リンク部材630L,630Rの第2遮蔽部632b2が、第2フォトセンサ532L,532Rの発光部からの光を遮り始めたタイミングでは、枠可動体600が未だ動作位置に到達する前であって、左側タッチ電極602Lと右側タッチ電極602Rとが当接する前である。従って、このタイミングにおいて、タッチセンサ640L,640Rを有効状態から無効状態に切替える。そして、枠可動体600が動作位置に到達しても、タッチセンサ640L,640Rを無効状態のままに設定しておく。
その結果、左側タッチ電極602Lと右側タッチ電極602Rとが当接しているときに上述したように誤検出が生じても、タッチセンサ640L,640Rによる検出が無効なものとして判断される。よって、タッチセンサ640L,640Rによる誤検出で枠可動体600が停止されることにはならず、所定の復帰タイミングにて枠可動体600を動作位置から待機位置へ復帰させることが可能である。
ここで図39(B)に示すように、リンク部材630L,630Rの第2遮蔽部632b2が、第2フォトセンサ532L,532Rの発光部からの光を遮り始めたときの枠可動体600の位置を、「駆動停止直前位置」と呼ぶことにする。図39(C)に示すように、枠可動体600が駆動停止直前位置だけでなく動作位置にあるときでも、リンク部材630L,630Rの第2遮蔽部632b2が、第2フォトセンサ532L,532Rの発光部からの光を遮るようになっている。こうして、本形態の第2フォトセンサ532L,532Rは、枠可動体600が駆動停止直前位置にある状態から動作位置にある状態までを検出可能な位置センサになっていて、枠可動体600の駆動停止直前位置を検出するためだけに新たに設けられた位置センサではない。従って、既存の位置センサをそのまま利用して実施可能となっている。
また本形態では、枠可動体600が動作位置から待機位置へ復帰する際には、図40に示すようにタッチセンサ640を無効状態から有効状態に切替えている。即ち、枠可動体600が図40(A)(B)に示すように、動作位置から駆動停止直前位置までの間にあるときには、タッチセンサ640L,640Rを無効状態に設定している。そして、枠可動体600が駆動停止直前位置を通過し終えたタイミングで、タッチセンサ640L,640Rを無効状態から有効状態に切替えている。
要するに本形態では、リンク部材630L,630Rの第2遮蔽部632b2が、第2フォトセンサ532L,532Rの発光部からの光を遮っている場合(第2フォトセンサ532L,532Rの検出がある場合)に限って、タッチセンサ640L,640Rを無効状態に設定することにしている。こうして、枠可動体600が駆動停止直前位置を通過した後で、待機位置へ復帰している途中に遊技者等の手がタッチ電極602L,602Rに接触すれば、タッチセンサ640L,640Rによる検出に基づいて、復帰中の枠可動体600を停止させることが可能である。
なお枠可動体600が動作位置から待機位置へ復帰する際に、図示していないが、リンク部材630L,630Rの第1遮蔽部632b1が、第1フォトセンサ531L,531Rの発光部からの光を遮り始めたときの枠可動体600の位置を、「復帰停止直前位置」と呼ぶことにする。また図40(C)に示すように、枠可動体600が待機位置にあるときでも、リンク部材630L,630Rの第1遮蔽部632b1が、第1フォトセンサ531L,531Rの発光部からの光を遮るようになっている。
3.遊技機の電気的構成
次に図41〜図43に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図41〜図43に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110、各制御基板及び各駆動源(ソレノイド、モータ)に電力を供給する電源基板160等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠文字ランプ66、スピーカ67、盤可動体15、枠可動体600等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
また主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため貸球センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60の操作があった場合には、タッチセンサ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ユニット113が駆動されることとなる。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図42に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107、上皿中継基板108、枠顔中継基板99(図43参照)が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して、遊技盤2に設けられている盤ランプ5の点灯制御を行うと共に、枠顔中継基板99(図43参照)を介して、上側装飾ユニット200に設けられている枠文字ランプ66、枠顔ランプ660L,660R、及び発光部材713L,713Rの点灯制御を行う。そして演出制御用マイコン91は、盤ランプ5、枠文字ランプ66、枠顔ランプ660L,660R、発光部材713L,713R等の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って盤ランプ5、枠文字ランプ66、枠顔ランプ660L,660R、発光部材713L,713R等の発光を制御する。なお、ランプデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に接続された盤可動体15(図7参照)を動作させる。盤可動体15は、可動式のいわゆるギミックのことであり、盤可動体15は、センター装飾体10の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。盤可動体15は、表示画面7aの周辺部(本形態では上部)でコンパクトに折り畳まれて格納されている格納状態(図7参照)から、その折り畳みを解除されて表示画面7aの中央部を含む略全域の前方で露出している露出状態(図示省略)に変位可能なものである。
上皿中継基板108には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出スイッチ63aが接続されていると共に、セレクトボタン68(図1参照)が押下操作されたことを検出するセレクトボタン検出スイッチ68aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出スイッチ63aから上皿中継基板108を介してサブ制御基板90に対してスイッチ信号が出力され、セレクトボタン68が押下されると、セレクトボタン検出スイッチ68aから上皿中継基板108を介してサブ制御基板90に対してスイッチ信号が出力される。
電源基板160は、図41及び図42に示すように、各制御基板及び各駆動源(ソレノイド、電動モータ)等が作動するのに必要な電圧値の電力(電源)を生成し、各制御基板及び各駆動源等に電力を供給する。具体的に、電源基板160は、本遊技機1の外部から受電したAC24Vの電力を整流回路によりDC37Vの電力に変換し、DC37Vの電力の一部をレギュレータIC等の電圧変換手段によりDC12Vの電力や、DC5Vの電力に変換する。これにより、各制御基板及び各駆動源の作動に必要な各電力が生成されるようになっている。なおDC37Vの電力はソレノイドの電源として用いられ、DC5Vの電力は各制御回路や各種センサ類の電源として用いられ、DC12Vの電力はLEDや電動モータの電力として用いられる。
図43に示すように、枠顔中継基板99には、上側装飾ユニット200に設けられている電子部品(左側回転用モータ521L、右側回転用モータ521R、左側発光部材713L、右側発光部材713R、枠文字ランプ66、左側枠顔ランプ660L、及び右側枠顔ランプ660R等)を制御可能な枠顔集積回路98が実装されている。枠顔集積回路98は、入出力回路(I/Oポート部)96を介して他の基板や各電子部品に対して信号の送受信を行う。なお枠顔中継基板99は、図9に示すように、上側装飾ユニット200のうち外側カバー300の後方側に配されている。
枠顔中継基板99には、可動体復帰ボタン323(図13参照)が押下操作されたことを検出する可動体復帰ボタン検出スイッチ323aが接続されている。従って、可動体復帰ボタン323が押下されると、可動体復帰ボタン検出スイッチ323aから枠顔中継基板99を介してサブ制御基板90に対してスイッチ信号が出力される。
また枠顔中継基板99には、左側タッチ電極602Lに対する人体の接触を検出する左側タッチセンサ640Lと、右側タッチ電極602Rに対する人体の接触を検出する右側タッチセンサ640Rが接続されている。そのため、各タッチセンサ640L,640Rの検出信号は、枠顔中継基板99を介してサブ制御基板90に出力される。
また枠顔中継基板99には、枠可動体600の駆動源(電動モータ)が接続されている。枠可動体600の駆動源としては、左側枠可動体600Lを回転させるための左側回転用モータ(演出手段、駆動手段)521Lと、右側枠可動体600Rを回転させるための右側回転用モータ(演出手段、駆動手段)521Rが接続されている。そのため、後述する枠可動体駆動データ又は枠可動体復帰データに基づいて、サブ制御基板90から枠顔中継基板99を介して回転用モータ521L,521Rに駆動信号が出力されると、回転用モータ521L,521Rが駆動する。また後述する枠可動体停止データに基づいて、サブ制御基板90から枠顔中継基板99を介して回転用モータ521L,521Rに停止信号が出力されると、回転用モータ521L,521Rが停止する。
また枠顔中継基板99には、枠可動体600の位置を検出するための位置センサが接続されている。位置センサとしては、左側枠可動体600Lの待機位置(厳密には復帰停止直前位置から待機位置までの位置)を検出する左側第1フォトセンサ531Lと、左側枠可動体600Lの動作位置(厳密には駆動停止直前位置から動作位置までの位置)を検出する左側第2フォトセンサ532Lと、右側枠可動体600Rの待機位置(厳密には復帰停止直前位置から待機位置までの位置)を検出する右側第1フォトセンサ531Rと、右側枠可動体600Rの動作位置(厳密には駆動停止直前位置から動作位置までの位置)を検出する右側第2フォトセンサ532Rが接続されている。各フォトセンサ531L,532L,531R,532Rの検出信号は、枠顔中継基板99を介してサブ制御基板90に出力される。
また枠顔中継基板99には、上側装飾ユニット200のランプ類(演出手段)が接続されている。上側装飾ユニット200のランプ類としては、左側発光部材713L(図20参照)と、右側発光部材713Rと、枠文字ランプ66(図4参照)と、左側枠顔ランプ660Lと、右側枠顔ランプ660Rが接続されている。上述したように演出制御用マイコン91が、枠顔中継基板99を介して上側装飾ユニット200のランプ類の点灯制御を行う。
演出制御用マイコン91は、盤可動体15や枠可動体600の動作態様を決める動作パターンデータ(枠可動体駆動データ、枠可動体復帰データ、枠可動体停止データ等)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15や枠可動体600の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御を実行させてもよい。また、ランプ制御基板107に枠可動体600を接続して、ランプ制御基板107に枠可動体600の動作制御をさせてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
4.枠顔中継基板99周りの配線
次に図44〜図48に基づいて、枠顔中継基板(特定基板)99周りの配線について説明する。図44に示すように、枠文字ランプ66(図4参照)は枠文字ランプ用基板66Zに設けられている。枠文字ランプ用基板66Zには、ハーネスH1の一端側に連結しているコネクタCN1が接続されている。一方、枠顔中継基板99には、ハーネスH1の他端側に連結しているコネクタCN2が接続されている。こうして枠文字ランプ用基板66Zが、ハーネスH1を介して枠顔中継基板99に接続されている。
可動体復帰ボタン323(図4参照)は、可動体復帰ボタン用基板323Zに電気的に接続されている。なお、可動体復帰ボタン検出スイッチ323a(図43参照)は、可動体復帰ボタン用基板323Zに設けられている。可動体復帰ボタン用基板323Zには、ハーネスH2の一端側に連結しているコネクタCN3が接続されている。一方、枠顔中継基板99には、ハーネスH2の他端側に連結しているコネクタCN4が接続されている。こうして可動体復帰ボタン用基板323Zが、ハーネスH2を介して枠顔中継基板99に接続されている。
ここで、左側回転用モータ521Lと左側第1フォトセンサ531Lと左側第2フォトセンサ532Lとは、1つのハーネスH3を介して枠顔中継基板99に接続されている。ハーネスH3は、一端側にコネクタCN5とコネクタCN6とコネクタCN7とを有し、他端側にコネクタCN8を有するものである(図47参照)。よって、左側回転用モータ521LにはコネクタCN5を接続し、左側第1フォトセンサ531LにはコネクタCN6を接続し、左側第2フォトセンサ532LにはコネクタCN7を接続するのに対して、枠顔中継基板99にはコネクタCN8を接続するようになっている。
また、右側回転用モータ521Rと右側第1フォトセンサ531Rと右側第2フォトセンサ532Rとは、1つのハーネスH4を介して枠顔中継基板99に接続されている。ハーネスH4は、一端側にコネクタCN9とコネクタCN10とコネクタCN11とを有し、他端側にコネクタCN12を有するものである(図47参照)。よって、右側回転用モータ521RにはコネクタCN9を接続し、右側第1フォトセンサ531RにはコネクタCN10を接続し、右側第2フォトセンサ532RにはコネクタCN11を接続するのに対して、枠顔中継基板99にはコネクタCN12を接続するようになっている。
また図45に示すように、左側発光部材713L(図20(A)参照)は、左側発光部材用基板713LZに設けられている。左側発光部材用基板713LZには、ハーネスH5の一端側に連結しているコネクタCN13が接続されている。一方、枠顔中継基板99には、ハーネスH5の他端側に連結しているコネクタCN14が接続されている。こうして左側発光部材用基板713LZが、ハーネスH5を介して枠顔中継基板99に接続されている。
右側発光部材713Rは、右側発光部材用基板713RZに設けられている。右側発光部材用基板713RZには、ハーネスH6の一端側に連結しているコネクタCN15が接続されている。一方、枠顔中継基板99には、ハーネスH6の他端側に連結しているコネクタCN16が接続されている。こうして右側発光部材用基板713RZが、ハーネスH6を介して枠顔中継基板99に接続されている。
左側枠顔ランプ660Lは、左側枠顔ランプ用基板660LZに設けられている。左側枠顔ランプ用基板660LZには、ハーネスH7の一端側に連結しているコネクタCN17が接続されている。一方、枠顔中継基板99には、ハーネスH7の他端側に連結しているコネクタCN18が接続されている。こうして左側枠顔ランプ用基板660LZが、ハーネスH7を介して枠顔中継基板99に接続されている。
右側枠顔ランプ660Rは、右側枠顔ランプ用基板660RZに設けられている。右側枠顔ランプ用基板660RZには、ハーネスH8の一端側に連結しているコネクタCN19が接続されている。一方、枠顔中継基板99には、ハーネスH8の他端側に連結しているコネクタCN20が接続されている。こうして右側枠顔ランプ用基板660RZが、ハーネスH8を介して枠顔中継基板99に接続されている。
ここで図45に示す本形態における左側タッチセンサ640Lの接続について説明する前に、図49に示す比較例(従来例)における左側タッチセンサ640Lの接続について先に説明する。図49に示す比較例では、左側タッチセンサ640Lが、ハーネスH9Xを介して枠顔中継基板に接続されている。
ハーネスH9Xは、図50に示すように、DC5Vの電力が流れる配線I1と、左側タッチセンサ640Lの検出信号を枠顔中継基板99に送信するための配線I2と、グランド(電位の基準点)に接続するための配線I3と、フレームグランドとして設けられている配線I4とをまとめたものである。ハーネスH9Xの一端側(図50の上側)には、コネクタCN51が連結していて、このコネクタCN51が左側タッチセンサ640Lに接続される(図49参照)。一方、ハーネスH9Xの他端側(図50の下側)には、コネクタCN52が連結していて、このコネクタCN52が枠顔中継基板99に接続される(図49参照)。こうしてハーネスH9Xにより、電源基板160から枠顔中継基板99に送られてきたDC5V電力を左側タッチセンサ640Lに供給することが可能である。更に、左側タッチセンサ640Lの検出信号を枠顔中継基板99に出力することが可能である。
ところで、図29に示すように、左側タッチ電極602Lに、遊技者等の手が接触することで、静電気に基づくサージ電圧が、左側タッチ電極602Lを介して左側タッチセンサ640Lに印加するおそれがある。そのため、左側タッチセンサ640Lでは、フレームグランド(筐体接地)により、印加されたサージ電圧を左側フレームグランド用板金670L(図49参照)へ作用させてサージ(電流)を吸収するようになっている。
そこで図49に示す比較例では、フレームグランドを行うための配線I6を別途用意して、配線I6の一端部に連結しているコネクタCN53を枠顔中継基板99に接続し、配線I6の他端部に連結しているコネクタCN54を左側フレームグランド用中継基板650Lに接続している。なお、枠顔中継基板99内には配線I5が予め通されている。そのため、コネクタCN52が枠顔中継基板99に接続されると、配線I5とハーネスH9Xの配線I4(図50参照)が接続状態となる。また、コネクタCN57が枠顔中継基板99に接続されると、配線I5と配線I6が接続状態になる。こうしてハーネスH9Xの配線I4は、枠顔中継基板99(配線I5)を介して配線I6に接続されるようになっている。
左側フレームグランド用中継基板650Lは、上側装飾ユニット200に配されていて(図9参照)、図示していないが、サージ吸収手段(サージプロテクタ)を実装している。サージ吸収手段では、2つの薄膜の電極がマイクロギャップを挟んで対向している。そのため、所定以上の高電圧(サージ電圧)が作用したときに、マイクロギャップに放電を生じさせることで、サージ(サージ電流)を少なからず吸収可能となっている。
左側フレームグランド用板金670Lは、左側タッチセンサ640Lに対するフレームグランドとして設けられている金属部材であり、上側装飾ユニット200に配されている(図9参照)。左側フレームグランド用中継基板650Lと左側フレームグランド用板金670Lとは、ハーネスH11を介して接続されている。
なお図46に示すように、左側フレームグランド用板金670Lは、所定の配線を介してガラス板55(図2参照)に接続されていて、ガラス板55は前枠53の閉鎖時において当該前枠53に設けられている前枠板金58に接触するようになっている。前枠板金58は所定の配線を介して電源基板160に接続されていて、電源基板160はアース配線を介して遊技機島設備170に接続されている。
以上、比較例において、左側タッチセンサ640Lから遊技機島設備170までの接続状態について説明したが、右側タッチセンサ640Rから遊技機島設備170までの接続状態も同様であるため、以下に簡単に説明する。
図49に示すように、ハーネスH10X(図50参照)のコネクタCN55が右側タッチセンサ640Rに接続され、ハーネスH10XのコネクタCN56が枠顔中継基板99に接続されている。また、配線I8のコネクタCN57が枠顔中継基板99に接続され、配線I8のコネクタCN58が右側フレームグランド用中継基板650R(図9参照)に接続されている。なお配線I7により、ハーネスH10Xの配線I4(図50参照)は、枠顔中継基板99を介して配線I8に接続されている。そして、右側フレームグランド用中継基板650Rは、ハーネスH12を介して右側フレームグランド用板金670Rに接続されていて、図46に示すように、右側フレームグランド用板金670Rは、ガラス板55と前枠板金58と電源基板160を介して遊技機島設備170に接続されるようになっている。
こうして比較例においては、サージ電圧が左側タッチセンサ640Lに印加された場合、そのサージ電圧をハーネスH9Xの配線I4(図50参照)と、枠顔中継基板99と、配線I6と、左側フレームグランド用中継基板650Lと、ハーネスH11とを介して、左側フレームグランド用板金(金属部)670Lへ作用させて、サージ(電流)を吸収することが可能である。また、サージ電圧が右側タッチセンサ640Rに印加された場合、そのサージ電圧をハーネスH10Xの配線I4と、枠顔中継基板99と、配線I8と、右側フレームグランド用中継基板650Rと、ハーネスH12とを介して、右側フレームグランド用板金(金属部)670Rへ作用させて、サージ(電流)を吸収することが可能である。なお図46に示すように、左側フレームグランド用板金670L又は右側フレームグランド用板金670Rにサージ電圧が作用したとき、サージ電圧に基づくサージ電流が遊技機島設備170の方へ流れることになる。
しかしながらこの比較例においては、ハーネスH9X,H10Xの配線I4が、枠顔中継基板99内に通されている配線I5,I7に接続されているため、ハーネスH9X,H10Xにサージ電圧が作用したときに、枠顔中継基板99にサージ電圧が作用してしまうおそれがある。これにより、枠顔中継基板99に接続されている電子部品が適切に機能(動作)しなくなるおそれがある。特に枠顔中継基板99には、図44及び図45に示すように、枠文字ランプ66、回転用モータ521L,521R、発光部材713L,713R、枠顔ランプ660L,660Rを制御可能な枠顔集積回路98が実装されているため、サージ電圧に基づく枠顔集積回路98への悪影響により、枠文字ランプ66、回転用モータ521L,521R、発光部材713L,713R、枠顔ランプ660L,660Rが適切に動作しなくなる可能性がある。
そこで本形態では、上記した問題を解消すべく、図45に示すように、ハーネス(特殊ハーネス)H9,H10を用いてタッチセンサ(電子機器)640L,640Rを接続するようにしている。ここで図48は、ハーネスH9,H10を示した斜視図である。図48に示すように、ハーネスH9,H10の一端側(図48の上側)には、コネクタCN21,CN24が設けられている。一方、ハーネスH9,H10の他端側(図48の下側)には、コネクタCN22,CN25が設けられていると共に、コネクタCN23,CN26が設けられている。
コネクタ(第1コネクタ)CN21,CN24には、DC5Vの電力が流れる配線(電力配線)J1の一端部と、タッチセンサ640L,640Rの検出信号を枠顔中継基板99に送信するための配線(第1配線、検出用配線)J2の一端部と、グランドに接続するための配線(シグナルグランド用配線)J3の一端部と、フレームグランドとして設けられている配線(第2配線、フレームグランド用配線)J4の一端部とが連結している。そして、コネクタ(第2コネクタ)CN22,CN25には、配線J1,J2,J3の他端部が連結しているのに対して、コネクタ(第3コネクタ)CN23,CN26には、配線J4の他端部が連結している。なお配線J4は、フレームグランドとして用いる配線であることを把握し易いように、その他の配線J1,J2,J3とは異なる緑色の配線になっている。
こうして本形態のハーネスH9,H10は、4本の配線J1,J2,J3,J4をまとめたものであるが、他端側(図48の下側)では3本の配線J1,J2,J3が連結したコネクタCN22,CN25と、1本の配線J4が連結したコネクタCN23,CN26とが分岐した特殊ハーネスになっている。つまり1本のハーネスH9,H10を用いて、タッチセンサ640L,640Rに対して2つの被接続部材(枠顔中継基板99、フレームグランド用中継基板650L,650R)を接続できるようになっている。
このハーネスH9,H10により、図45に示すように、タッチセンサ640L,640Rが枠顔中継基板99及びフレームグランド用中継基板650L,650Rの両方に接続されている。即ち、コネクタCN21が左側タッチセンサ640Lに接続され、コネクタCN22が枠顔中継基板99に接続され、コネクタCN23が左側フレームグランド用中継基板650Lに接続されている。またコネクタCN24が右側タッチセンサ640Rに接続され、コネクタCN25が枠顔中継基板99に接続され、コネクタCN26が右側フレームグランド用中継基板650Rに接続されている。なお、左側フレームグランド用中継基板650L又は右側フレームグランド用中継基板650Rから遊技機島設備170までの接続については、上述した比較例と同様であるため、説明を省略する。
よって本形態では、タッチセンサ640L,640Rから延びるハーネスH9,H10の配線J4が、比較例のように枠顔中継基板99に接続されることがなくて(図49参照)、右側フレームグランド用中継基板650Rに直接接続されることになる。従って、サージ電圧がタッチセンサ640L,640RからハーネスH9,H10の配線J4に作用しても、枠顔中継基板99にサージ電圧が作用するのを回避することが可能である。その結果、サージ電圧に基づいて枠顔中継基板99内の配線が破損したり、枠顔集積回路98が故障するのを防ぐことが可能であり、枠文字ランプ66、回転用モータ521L,521R、発光部材713L,713R、枠顔ランプ660L,660Rが適切に動作しなくなるのを防ぐことが可能である。
ここで図47に示すハーネスH3と、図48に示す特殊なハーネスH9の違いについて説明する。図47に示すように、ハーネスH3は、一端側(図47の上側)にコネクタCN8を有し、他端側(図47の下側)にコネクタCN5とコネクタCN6とコネクタCN7とを有している。そして図44に示すように、コネクタCN5,CN6,CN7は、それぞれ3つの電子部品(左側回転用モータ521L,左側第1フォトセンサ531L,左側第2フォトセンサ532L)に接続される。そのため、複数の電子部品に対する配線の接続を1つのハーネスH3で済ますことができる。こうしてハーネスH3は、組付け性を向上させる観点から、3つの電子部品から延びる3本のハーネスをまとめた集合ハーネスと考えることができる。
これに対して図48に示すハーネスH9は、1つの電子部品(左側タッチセンサ640L)に接続される単独ハーネスである。この単独ハーネスにおいて、1つの電子部品(電子機器)から延びる複数の配線J1,J2,J3,J4を2つに分岐させている。従って、ハーネスH9は、1つの電子部品から延びる複数の配線J1,J2,J3,J4の組付け性を多少犠牲にしても、枠顔中継基板99及び左側フレームグランド用中継基板650Lの両方に対して接続できることを目的としたものである。よってハーネスH9は、組付け性の向上の観点から3本のハーネスをまとめているハーネスH3とは技術的思想が全く異なるものである。
また本形態のハーネスH9,H10では、配線J4がその他の配線J1,J2,J3よりも長くなっている。これは、タッチセンサ640L,640Rからフレームグランド用中継基板650L,650Rまでの距離が、タッチセンサ640L,640Rから枠顔中継基板99までの距離よりも長くて、タッチセンサ640L,640Rから枠顔中継基板99までの距離に合わせたからである。但し、配線J4がその他の配線J1,J2,J3よりも長いため、からまり易くなって、組付け性が僅かに悪化することは生じ得る。その引き換えとして、ハーネスH9,H10では、配線J4の長さとその他の配線J1,J2,J3の長さとを変えることで、1つの電子部品(タッチセンサ640L,640R)から距離が異なる2つの被接続部材(枠顔中継基板99とフレームグランド用中継基板650L,650R)であっても、接続することが可能となっている。
5.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技(特別遊技)」が実行される。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図51に示す通りである。図51に示すように、本形態では大当たりの種別としては、16R大当たり、8R(実質7R)大当たり、6R大当たり、4R大当たりの4つがある。実質7Rの大当たりとは、形式的には8Rであるが、7R分の賞球しか遊技者が獲得できない大当たりである。
特図1の抽選であっても特図2の抽選であっても当選可能な大当たりの種類は、同じである。16R大当たりに当選すると、特別図柄表示器41には「大当たり図柄1」が停止表示される。また8R大当たりに当選すると、特別図柄表示器41には「大当たり図柄2」が停止表示される。また6R大当たりに当選すると、特別図柄表示器41には「大当たり図柄3」が停止表示される。また4R大当たりに当選すると、特別図柄表示器41には「大当たり図柄4」が停止表示される。
本形態のパチンコ遊技機1は、所謂ST機(確変の回数切りの遊技機)である。本形態では、どの大当たり図柄に当選しても、大当たり遊技後は後述する高確率状態に制御される。高確率状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(つまりST回数)は6回である。また、どの大当たり図柄に当選しても、大当たり遊技後は後述する電サポ制御状態に制御される。但し、大当たり図柄1に当選した場合には、電サポ回数(電サポ制御状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数、時短回数ともいう)は100回に設定されるが、大当たり図柄2〜4に当選した場合には、電サポ回数は50回に設定される。
なお、大当たり図柄1〜3のいずれかに当選した場合には、その当否判定結果を示す変動演出において最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせとして、金図柄(本形態では「3」又は「7」の演出図柄)のゾロ目が選択される。一方、大当たり図柄4に当選した場合には、その当否判定結果を示す変動演出において最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせとして、銀図柄(本形態では「1」、「2」、「4」、「6」、又は「8」の演出図柄)のゾロ目が選択される。よって遊技者は金図柄と銀図柄のどちらの図柄が最終的に停止表示されたかによって、4R大当たりなのか否かを判断することが可能である。各大当たりに対する振分率は図51に示す通りである。
図52は、大当たりの種別と、大入賞口の開放態様との対応関係を示す表である。どの大当たりに当選した場合でも6R目までは第1大入賞口30が開放され、7R目以降は第2大入賞口35が開放される。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図53(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図53(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
6.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図54(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図55参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図54(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である(図54(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図56参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図56参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球サポート状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球サポート状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、当選した大当たりの種類がいずれであっても大当たり遊技後の遊技状態は、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。本形態では、確変回数(高確率状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数)は6回である。この回数は、時短回数(50回又は100回)よりも小さい(図51参照)。従って、高確高ベース状態は、6回の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
大当たり遊技後に、再度大当たりに当選することなく確変回数分の特図変動(特別図柄の変動表示)が実行されると、その後は、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率状態)かつ時短状態かつ高ベース状態に制御される。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、大当たり遊技後の特図変動の実行回数が、設定された時短回数(50回又は100回)となるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特定遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図7参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図7参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
7.遊技制御用マイコン81の動作
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、図57に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。遊技制御用マイコン81は、図57に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種類を決めるための大当たり種別乱数、変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図41参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ20a又は第2始動口センサ21aがONしていれば、ONした始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)を取得する。また、ゲートセンサ28aがONしていれば、すでに記憶されている当たり乱数(普通図柄乱数)が4個未満であることを条件に普通図柄乱数を取得する。
特別動作処理(S104)では、センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を判定し、その判定結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の変動パターンの情報を含む変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、所定の開放パターン(開放時間や開放回数)に従って第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。なお大当たり乱数等の乱数の記憶がない場合には、所定の待機時間の経過後に客待ちコマンドをRAM84の出力バッファにセットする。
普通動作処理(S105)では、センサ検出処理(S103)にて取得した普通図柄乱数を判定し、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通図柄当たりに当選していた場合には、所定の開放パターン(開放時間や開放回数)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90等に出力する出力処理(S106)を行う。
8.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図58〜図69に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図58に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理(S4006)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100や枠顔中継基板99に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴うオープニング演出、ラウンド演出(開放遊技演出)、エンディング演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5を発光させたり、盤可動体15を駆動させたりする。更に、枠顔中継基板99を介して発光部材713L,713R、枠文字ランプ66、又は枠顔ランプ660L,660Rを発光させたり、枠可動体600を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図59に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図60に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図42参照)、セレクトボタン検出スイッチ、又は可動体復帰ボタン検出スイッチ323a(図43参照)からの検知信号(スイッチ信号)に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5、発光部材713L,713R、枠文字ランプ66、又は枠顔ランプ660L,660Rを発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理にて作成したランプデータをランプ制御基板107や枠顔中継基板99に出力する。つまりランプデータに従って、盤ランプ5、発光部材713L,713R、枠文字ランプ66、又は枠顔ランプ660L,660Rを所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、後述するように、セットされている動作パターンデータ(枠可動体駆動データ、枠可動体復帰データ、枠可動体停止データ等)に基づいて、枠可動体600や盤可動体15の動作を制御する。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[駆動制御処理]図61に示すように、駆動制御処理(S4203)ではまず、演出制御用マイコン91は、枠可動体駆動データがセットされているか否かを判定する(S4301)。枠可動体駆動データは、枠可動体600を動作位置まで駆動させるための動作パターンデータである。セットされていなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。一方、セットされていれば(S4301でYES)、枠可動体駆動制御処理を行う(S4302)。枠可動体駆動制御処理(S4302)では、枠可動体600が動作位置に向けて回転するように回転用モータ521L,521Rを駆動させる。
ステップS4303では、演出制御用マイコン91は、枠可動体復帰データがセットされているか否かを判定する。セットされていなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む。一方、セットされていれば(S4303でYES)、枠可動体復帰制御処理を行う(S4304)。枠可動体復帰制御処理(S4304)では、枠可動体600が待機位置に向けて回転するように回転用モータ521L,521Rを駆動させる。
ステップS4305では、演出制御用マイコン91は、枠可動体停止データがセットされているか否かを判定する。セットされていなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む。一方、セットされていれば(S4305でYES)、枠可動体停止制御処理を行う(S4306)。枠可動体停止制御処理(S4306)では、枠可動体600が動作位置又は待機位置に向けて回転していても、枠可動体600を停止させるべく、回転用モータ521L,521Rを停止させる。
ステップS4307では、演出制御用マイコン91は、駆動停止タイマの値が「0」より大きいか否かを判定する。後述するように、駆動停止タイマには、枠可動体600が駆動停止直前位置(図39(B)参照)から動作位置に変位するまでの時間(以下、「駆動残余時間」と呼ぶ)がセットされるようになっている(図67のステップS4903参照)。つまり、第2フォトセンサ532L,532Rにより枠可動体600の駆動停止直前位置が検出されたタイミングでは、枠可動体600は未だ動作位置まで駆動していない。そのため本形態では、第2フォトセンサ532L,532Rにより枠可動体600の駆動停止直前位置が検出されたタイミングから、駆動残余時間が経過すると、回転用モータ521L,521Rを停止させて、枠可動体600が動作位置で停止するようにしている。なお駆動残余時間は、駆動停止直前位置から動作位置までの距離や回転用モータ521L,521Rの出力等に基づいて、例えば100msに設定される。
ステップS4307で、駆動停止タイマの値が「0」より大きくなければ、ステップS4312に進む。一方、駆動停止タイマの値が「0」より大きければ(S4307でYES)、駆動停止タイマの値を減算する(S4308)。続いて、駆動停止タイマの値が「0」であるか否か、即ち駆動残余時間が経過したか否かを判定する(S4309)。「0」であれば(S4309でYES)、枠可動体600が動作位置に到達したタイミングであるため、回転用モータ521L,521Rを停止させる(S4310)。そして、セットされている枠可動体駆動データをクリアして(S4311)、ステップS4312に進む。
ステップS4312では、演出制御用マイコン91は、復帰停止タイマの値が「0」より大きいか否かを判定する。後述するように、復帰停止タイマには、枠可動体600が復帰停止直前位置から待機位置に変位するまでの時間(以下、「復帰残余時間」と呼ぶ)がセットされるようになっている(図68のステップS5003参照)。つまり、第1フォトセンサ531L,531Rにより枠可動体600の復帰停止直前位置が検出されたタイミングでは、枠可動体600は未だ待機位置まで復帰していない。そのため本形態では、第1フォトセンサ531L,531Rにより枠可動体600の復帰停止直前位置が検出されたタイミングから、復帰残余時間が経過すると、回転用モータ521L,521Rを停止させて、枠可動体600が待機位置で停止するようにしている。なお復帰残余時間は、復帰停止直前位置から待機位置までの距離や回転用モータ521L,521Rの出力等に基づいて、例えば100msに設定される。
ステップS4312で、復帰停止タイマの値が「0」より大きくなければ、ステップS4317に進む。一方、復帰停止タイマの値が「0」より大きければ(S4312でYES)、復帰停止タイマの値を減算する(S4313)。続いて、復帰停止タイマの値が「0」であるか否か、即ち復帰残余時間が経過したか否かを判定する(S4314)。「0」であれば(S4314でYES)、枠可動体600が待機位置に到達したタイミングであるため、回転用モータ521L,521Rを停止させる(S4315)。そして、セットされている枠可動体駆動データをクリアして(S4316)、ステップS4317に進む。
ステップS4317では、演出制御用マイコン91は、盤可動体15を駆動させるための処理等、その他の処理を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図62に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、演出制御用マイコン91は、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4401)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン91は、後述する検出状態設定処理(S4404)、タッチセンサ処理(S4405)、駆動停止設定処理(S4406)、復帰停止設定処理(S4407)、枠可動体任意復帰処理(S4408)を行う。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5、発光部材713L,713R、枠文字ランプ66、枠顔ランプ660L,660Rの点灯を制御するデータ)を作成したり(S4309)、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力をしたりする(S4310)。そして、各種の演出決定用乱数を更新するなどのその他の処理を実行して(S4311)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図63に示すように、受信コマンド解析処理(S4401)ではまず、演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S4501)。受信していなければ(S4501でNO)、ステップS4507に進むが、受信していれば(S4501でYES)、変動演出パターン選択処理(S4502)を行う。
変動演出パターン選択処理(S4502)では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動開始コマンドの解析結果等に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、枠可動体600や盤可動体15の駆動の有無やそのタイミングといった詳細まで含めて変動演出の内容が決定される。つまり変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン63を利用する演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。
次に演出制御用マイコン91は、選択した変動演出パターンが、枠可動体600の駆動を伴う変動演出パターンであるか否かを判定する(S4503)。なお本形態では、SPリーチ(SPリーチハズレ又はSPリーチ大当たり)を伴う変動演出パターンが選択された場合には、枠可動体600を待機位置から動作位置へ駆動させるようになっている。SPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている(図55参照)。よって遊技者は、SPリーチの実行に伴って、枠可動体600が動作位置へ駆動すると共に、回転発光部710が露出位置へ変位するのを見ることが可能となっている。
ステップS4503において、枠可動体600の駆動を伴うものでなければ、ステップS4506に進む。これに対して枠可動体600の駆動を伴うものであれば(S4503でYES)、枠可動体駆動タイマに駆動開始時間をセットする(S4504)。駆動開始時間は、現時点から、待機位置にある枠可動体600を動作位置に向けて駆動させるタイミングまでの時間である。続いて、枠可動体復帰タイマに復帰開始時間をセットする(S4505)。復帰開始時間は、現時点から、動作位置にある枠可動体600を待機位置に向けて復帰させるタイミングまでの時間であり、駆動開始時間よりも長く設定される。
そしてステップS4506では、ステップS4502で選択した変動演出パターンで変動演出を開始するための変動演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。その後ステップS4507では、その他の処理として他の受信コマンドに基づく処理を行って、本処理を終える。
[枠可動体演出設定処理]図64に示すように、枠可動体演出設定処理(S4403)ではまず、演出制御用マイコン91は、枠可動体駆動タイマの値が「0」より大きいか否かを判定する(S4601)。「0」であれば(S4601でNO)、ステップS4607に進む。一方、「0」より大きければ(S4601でYES)、枠可動体駆動タイマの値を減算する(S4602)。そして、枠可動体駆動タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S4603)。「0」でなければ(S4603でNO)、待機位置にある枠可動体600を動作位置に向けて駆動させるタイミングではないため、ステップS4607に進む。これに対して、「0」であれば(S4603でYES)、枠可動体駆動データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットする(S4604)。これにより上述したように駆動制御処理(S4203)にて、枠可動体駆動制御処理(S4302)が実行されて、枠可動体600が待機位置から動作位置に向けて駆動する演出(枠可動体駆動演出)が実行されることになる。
続いて、枠顔ランプデータをRAM94の所定のランプデータバッファにセットする(S4605)。これにより、枠可動体600の内部空間NSに配されている枠顔ランプ660L,660Rが所定の発光態様にて発光することになる。更に、発光部材ランプデータをRAM94の所定のランプデータバッファにセットする(S4606)。これにより、警光灯ユニット700の発光部材713L,713Rが所定の発光態様にて発光することになる。なお発光部材713L,713Rでは、上述したように赤色の光が回転しながら放射されることで、遊技者等の注目を集めることが可能となっている。
ステップS4607では、枠可動体復帰タイマの値が「0」より大きいか否かを判定する(S4607)。「0」であれば(S4607でNO)、本処理を終える。一方、「0」より大きければ(S4607でYES)、枠可動体復帰タイマの値を減算する(S4608)。そして、枠可動体復帰タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S4609)。「0」でなければ(S4609でNO)、動作位置にある枠可動体600を待機位置に向けて復帰させるタイミングではないため、本処理を終える。これに対して、「0」であれば(S4609でYES)、枠可動体復帰データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットする(S4610)。なおこのときには、セットされている枠可動体駆動データがクリアされる。こうして上述したように駆動制御処理(S4203)にて、枠可動体復帰制御処理(S4304)が実行されて、枠可動体600が動作位置から待機位置に向けて復帰することになる。
続いて、セットされている枠顔ランプデータをクリアする(S4611)。これにより、枠可動体600の内部空間NSに配されている枠顔ランプ660L,660Rが消灯する。更に、セットされている発光部材ランプデータをクリアして(S4612)、本処理を終える。これにより、警光灯ユニット700の発光部材713L,713Rが消灯することになる。
[検出状態設定処理]検出状態設定処理(S4404)は、タッチセンサ640L,640Rによる検出を有効状態又は無効状態に設定しておくための処理である。なお初期設定では、タッチセンサ640L,640Rによる検出が有効状態に設定されている。
図65に示すように、検出状態設定処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、枠可動体600が駆動中であるか否か、即ち枠可動体駆動データがセットされているか否かを判定する(S4701)。枠可動体600が駆動中でなければ(S4701でNO)、ステップS4704に進む。一方、枠可動体600が駆動中であれば(S4701でYES)、第2フォトセンサ532L,532Rによる検出がONであるか否かを判定する(S4702)。ONでなければ(S4702でNO)、ステップS4704に進む。これに対して、ONであれば(S4702でYES)、タッチセンサ640L,640Rを無効状態に設定する(S4703)。こうして、駆動中の枠可動体600が駆動停止直前位置に到達すれば(図39(B)参照)、タッチセンサ640L,640Rを無効状態に設定することが可能である。これにより、左側タッチ電極602Lと右側タッチ電極602Rとが当接しているときに(図39(C)参照)、タッチセンサ640L,640Rによる検出(誤検出)が生じても、その検出を無効にすることが可能である。
ステップS4704では、枠可動体600が復帰中であるか否か、即ち枠可動体復帰データがセットされているか否かを判定する(S4704)。枠可動体600が復帰中でなければ(S4704でNO)、本処理を終える。一方、枠可動体600が復帰中であれば(S4704でYES)、第2フォトセンサ532L,532Rによる検出がOFFであるか否かを判定する(S4705)。OFFでなければ(S4705でNO)、本処理を終える。これに対して、OFFであれば(S4705でYES)、タッチセンサ640L,640Rを有効状態に設定する(S4706)。こうして、復帰中の枠可動体600が駆動停止直前位置を通過すれば(通り過ぎれば)、タッチセンサ640L,640Rを有効状態に設定することが可能である。これにより、駆動停止直前位置を通過した復帰中の枠可動体600に対して、遊技者等の手がタッチ電極602L,602Rに接触すれば、枠可動体600を停止させることが可能である。
[タッチセンサ処理]図66に示すように、タッチセンサ処理(S4405)ではまず、演出制御用マイコン91は、タッチセンサ640L,640Rによる検出がONであるか否か、即ち左側タッチセンサ640L又は右側タッチセンサ640Rから検出信号を受信したか否かを判定する(S4801)。ONであれば(S4801でYES)、続いて、タッチセンサ640L,640Rが無効状態に設定されているか否かを判定する(S4802)。無効状態に設定されていなければ(S4802でNO)、枠可動体停止データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットする(S4803)。これにより上述したように駆動制御処理(S4203)にて、枠可動体停止制御処理(S4306)が実行されて、枠可動体600が停止することになる。つまり、タッチセンサ640L,640Rが有効状態に設定されているときに、タッチ電極602L,602Rに遊技者等の手が接触すれば、移動中の枠可動体600であっても停止させることが可能である。
これに対して、ステップS4802でタッチセンサ640L,640Rが無効状態に設定されていれば、ステップS4803を行うことなく、本処理を終える。こうして、枠可動体600が動作位置にあるときに、左側タッチ電極602Lと右側タッチ電極602Rとの当接に基づいて上述したように誤検出が生じても、枠可動体停止データがセットされないことになる。従って、誤検出に基づいて動作位置にある枠可動体600が待機位置に復帰できなくなるのを回避することが可能である。
またステップS4801において、タッチセンサ640L,640Rによる検出がOFFであれば、続いて枠可動体停止データがセットされているか否かを判定する(S4804)。セットされていなければ(S4804でNO)、本処理を終える。一方、セットされていれば(S4804でYES)、枠可動体600の停止を解除すべく、枠可動体停止データをクリアして(S4805)、本処理を終える。これにより、タッチ電極602L,602Rによる接触に基づいて、枠可動体600の動作位置への駆動が停止した後に、タッチ電極602L,602Rによる接触がなくなれば、枠可動体600を再び動作位置の方へ駆動させることが可能である。またタッチ電極602L,602Rによる接触に基づいて、枠可動体600の待機位置への復帰が停止した後に、タッチ電極602L,602Rによる接触がなくなれば、枠可動体600を再び待機位置の方へ駆動させることが可能である。
[駆動停止設定処理]駆動停止設定処理(S4406)は、枠可動体600が待機位置から動作位置へ駆動している際に、枠可動体600が駆動停止直前位置に到達したタイミングで、駆動停止タイマに駆動残余時間をセットする処理である。図67に示すように、駆動停止設定処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、駆動停止タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S4901)。「0」でなければ(S4901でNO)、既に駆動停止タイマに駆動残余時間がセットされているため、本処理を終える。
一方、「0」であれば(S4901でYES)、次に枠可動体600が駆動中であるか否か、即ち枠可動体駆動データがセットされているか否かを判定する(S4902)。枠可動体600が駆動中でなければ(S4902でNO)、本処理を終える。枠可動体600が駆動中であれば(S4902でYES)、第2フォトセンサ532L,532Rによる検出がONであるか否かを判定する(S4903)。ONでなければ(S4903でNO)、本処理を終える。これに対して、ONであれば(S4903でYES)、駆動中の枠可動体600が駆動停止直前位置に到達したことになるため(図39(B)参照)、駆動停止タイマに駆動残余時間(100ms)をセットして(S4904)、本処理を終える。これにより駆動残余時間が経過すると、駆動制御処理(S4203)のステップS4310にて、回転用モータ521L,521Rが停止することなり、枠可動体600を動作位置で停止させることが可能である(図39(C)参照)。
[復帰停止設定処理]復帰停止設定処理(S4407)は、枠可動体600が動作位置から待機位置へ復帰している際に、枠可動体600が復帰停止直前位置に到達したタイミングで、復帰停止タイマに復帰残余時間をセットする処理である。図68に示すように、復帰停止設定処理(S4407)ではまず、演出制御用マイコン91は、復帰停止タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S5001)。「0」でなければ(S5001でNO)、既に復帰停止タイマに復帰残余時間がセットされているため、本処理を終える。
一方、「0」であれば(S5001でYES)、次に枠可動体600が復帰中であるか否か、即ち枠可動体復帰データがセットされているか否かを判定する(S5002)。枠可動体600が復帰中でなければ(S5002でNO)、本処理を終える。一方、枠可動体600が復帰中であれば(S5002でYES)、第1フォトセンサ531L,531Rによる検出がONであるか否かを判定する(S5003)。ONでなければ(S5003でNO)、本処理を終える。これに対して、ONであれば(S5003でYES)、復帰中の枠可動体600が復帰停止直前位置に到達したことになるため、復帰停止タイマに復帰残余時間(100ms)をセットして(S5004)、本処理を終える。これにより復帰残余時間が経過すると、駆動制御処理(S4203)のステップS4315にて、回転用モータ521L,521Rが停止することなり、枠可動体600を待機位置で停止させることが可能である(図40(C)参照)。
[枠可動体任意復帰処理]図69に示すように、枠可動体任意復帰処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、第1フォトセンサ531L,531Rによる検出がOFFであるか否かを判定する(S5101)。即ち、枠可動体600が待機位置にいないか否かを判定する。第1フォトセンサ531L,531Rによる検出がONであれば(S5101でNO)、枠可動体600を待機位置へ復帰させる必要はないため、本処理を終える。一方、OFFであれば(S5101でYES)、続いて、可動体復帰ボタン検出スイッチ323aがONであるか否かを判定する(S5102)。ONでなければ(S5102でNO)、可動体復帰ボタン323が押下されていないため、本処理を終える。これに対して、ONであれば(S5102でYES)、枠可動体600を待機位置に復帰させるべく、枠可動体復帰データをRAM94の所定の駆動データバッファにセットする(S5103)。なおこのときに枠可動体駆動データがセットされていれば、枠可動体駆動データをクリアする。そして、枠顔ランプデータをクリアする(S5104)。これにより、枠可動体600の内部空間NSに配されている枠顔ランプ660L,660Rが消灯することになる。更に、発光部材ランプデータをクリアして(S5105)、本処理を終える。これにより、警光灯ユニット700の発光部材713L,713Rが消灯することになる。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1によれば、図45に示すように、ハーネスH9,H10のコネクタCN21,CN24をタッチセンサ640L,640Rに接続し、ハーネスH9,H10のコネクタCN22,CN25を枠顔中継基板99に接続する。これにより、タッチセンサ640L,640Rの検出信号を配線J2(図48参照)を介して枠顔中継基板99に送信することが可能である。更にハーネスH9,H10では、配線J4(図48参照)の他端部にコネクタCN23,CN26が連結しているため、そのコネクタCN23,CN26を枠顔中継基板99とは異なるフレームグランド用中継基板650L,650Rに接続することが可能である。
こうして、特殊なハーネスH9,H10を用いて、タッチセンサ640L,640Rに対して枠顔中継基板99及びフレームグランド用中継基板650L,650Rの両方を接続することが可能である。よって、タッチセンサ640L,640Rに対するフレームグランドとして設けられている配線を、図49に示す比較例のように、一旦枠顔中継基板99を介在させてからフレームグランド用中継基板650L,650Rに接続するという煩雑さを回避することが可能であり、タッチセンサ640L,640Rから延びるハーネスH9,H10の接続の自由度を向上させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図29に示すように、遊技機枠50に取付けられている枠可動体600が、遊技機枠50よりも内側ではなく、遊技機枠50の表側(外部)で移動するため、遊技者等が枠可動体600のタッチ電極602L,602Rに意図的に接触し易い状況にある。加えて、枠可動体600の前面部分には装飾形態(本パチンコ遊技機1のキャラクタの顔)が施されているため、接触したい気持ちが生じ得る。そのため、遊技者等の手がタッチ電極602L,602Rに接触すると、遊技者に帯電していた静電気に基づいて、サージ電圧がタッチ電極602L,602Rからタッチセンサ640L,640Rに印加されるおそれがある。
この場合、図45に示すように、タッチセンサ640L,640Rに接続されているハーネスH9,H10の配線J4は、枠顔中継基板99に接続されておらず、フレームグランド用中継基板650L,650Rに接続されている。そしてフレームグランド用中継基板650L,650Rは、ハーネスH11,H12を介してフレームグランド用板金670L,670Rに接続されている。そのため、サージ電圧を枠顔中継基板99に作用させることがなくて、フレームグランド用板金670L,670Rの方へ作用させて、サージ(電流)を吸収することが可能である。即ち、フレームグランドとは無関係な枠顔中継基板99にサージ電圧が作用するのを回避することが可能である。
特に、枠顔中継基板99には、枠文字ランプ66、回転用モータ521L,521R、発光部材713L,713R、枠顔ランプ660L,660Rを制御可能な枠顔集積回路98が実装されている。そのため、サージ電圧に基づいて枠顔集積回路98が故障するのを防ぐことが可能であり、枠可動体600を駆動させる演出(枠可動体駆動演出)や、枠文字ランプ66、発光部材713L,713R、枠顔ランプ660L,660Rを発光させる演出(枠ランプ発光演出)が実行されなくなる等の不具合が生じるのを回避することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図45に示すように、タッチセンサ640L,640Rに対する配線の接続において、ハーネスH9,H10のコネクタCN21,CN24をタッチセンサ640L,640Rに接続し、ハーネスH9,H10のコネクタCN22,CN25を枠顔中継基板99に接続し、ハーネスH9,H10のコネクタCN23,CN26をフレームグランド用中継基板650L,650Rに接続すれば良い。これに対して比較例では、図49に示すように、ハーネスH9X,H10Xだけでなく、フレームグランドとしての配線I6,I8を別途用いて接続作業を行う必要がある。更に比較例では、コネクタCN51,CN55をタッチセンサ640L,640Rに接続し、コネクタCN52,CN56を枠顔中継基板99に接続し、コネクタCN53,CN57を枠顔中継基板99に接続し、コネクタCN54,CN58をフレームグランド用中継基板650L,650Rに接続しなければならない。即ちコネクタを合計4カ所で接続しなければならない。従って本形態では、フレームグランドとしての配線を別途用いずに、ハーネスH9,H10を用いるだけの接続作業にすることが可能であると共に、コネクタの接続箇所を1カ所減らすことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、タッチセンサ640L,640Rからフレームグランド用中継基板650L,650Rまでの距離が、タッチセンサ640L,640Rから枠顔中継基板99までの距離よりも大きい。そのため図48に示すように、ハーネスH9,H10のうち、配線J4がその他の配線J1,J2,J3よりも長くなっていて、配線J4の長さが、タッチセンサ640L,640Rからフレームグランド用中継基板650L,650Rまでの距離以上になっている。従って、タッチセンサ640L,640Rから延びる配線J4をフレームグランド用中継基板650L,650Rまで届かせることが可能となり、ハーネスH9,H10のコネクタCN23,CN26をフレームグランド用中継基板650L,650Rに接続することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技者等の手が枠可動体600のタッチ電極602L,602Rに接触すれば、枠可動体600を停止させておくことが可能である。このときタッチ電極602L,602Rにサージ電圧が印加されて、仮にそのサージ電圧が枠顔中継基板99に作用してしまうと、枠可動体600が停止しなかったり、予想外の動きをするおそれが生じてしまう。そこで本形態では、上述したようにサージ電圧が枠顔中継基板99に作用するのを回避することで、枠可動体600の動きが制御できなくなり、安全性が損なわれるのを防ぐことが可能である。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、図45に示すように、ハーネスH9,H10のコネクタCN23,CN26、言い換えればフレームグランドとして設けられている配線J4をフレームグランド用中継基板650L,650Rに接続した。しかしながら、第1変形例として図70に示すように、ハーネスH9,H10のコネクタCN23,CN26をフレームグランド用板金(金属部)670L,670Rに直接接続するようにしても良い。なお図45に示す本形態では、図70に示す第1変形例よりも、配線J4を短くすることができるため、配線J4が絡まり難くなり、ハーネスH9,H10の組付け性を良くすることが可能である。
また上記形態では、図45に示すように、1つのハーネスH9,H10を用いて、タッチセンサ640L,640Rと枠顔中継基板99とフレームグランド用中継基板650L,650Rとを接続した。しかしながら、第2変形例として図71に示すように、ハーネスH20と配線(フレームグランド用配線)J5とを用いて、タッチセンサ640L,640Rと枠顔中継基板99とフレームグランド用中継基板650L,650Rとを接続するようにしても良い。
この第2変形例において、ハーネスH20は、DC5Vの電力が流れる配線と、タッチセンサ640L,640Rの検出信号を枠顔中継基板99に送信するための配線(検出用配線)と、グランドに接続するための配線とをまとめたものである。ハーネスH20の一端側には、タッチセンサ640L,640Rに接続されるコネクタCN27が連結していて、ハーネスH20の他端側には、枠顔中継基板99に接続されるコネクタCN28が連結している。また配線J5はフレームグランドとして設けられているものであり、配線J5の一端部にはタッチセンサ640L,640Rに接続されるコネクタCN29が連結していて、配線J5の他端部には、フレームグランド用中継基板650L,650Rに接続されるコネクタCN30が連結している。
よってこの第2変形例でも、上述した本形態の作用効果と実質的に同様の作用効果を得ることが可能である。なおタッチセンサ640L,640Rに対する接続作業において、図71に示す第2変形例では、ハーネスH20と配線J5を用いて合計4つのコネクタの接続作業を行うことになるのに対して、図45に示す本形態では、1つのハーネスH9,H10を用いて3つのコネクタの接続作業で済む。そのため、本形態の方が第2変形例よりも、タッチセンサ640L,640Rに対する接続作業を簡易にすることが可能である。
また上記形態では、枠可動体600にタッチセンサ640L,640Rが設けられていて、そのタッチセンサ640L,640Rから枠顔中継基板99にサージ電圧が作用するのを回避できるように構成した。しかしながら、タッチセンサが設けられている部位や、タッチセンサからサージ電圧が印加されるのを回避する基板(特定基板)は、適宜変更可能である。例えば、図72及び図73に示す第3変形例のように構成することも可能である。以下、第3変形例について説明する。
第3変形例では、図72示すように、ハンドル60(図1参照)が、発射中継端子板142と中継端子板141を介して発射制御基板140に接続されている。また、発射ユニット113が、発射制御基板140に接続されている。発射制御基板140は、払出制御基板110を介して主制御基板80に接続されている。発射制御基板140には、遊技者によるハンドル60への操作に基づいて、発射ユニット113による遊技球の発射を制御可能な発射制御回路(制御IC)が実装されている。
ハンドル(発射操作手段)60は、遊技者が回転操作可能なものであり、発射ボリューム115と発射停止スイッチ(単発スイッチ)116とタッチセンサ(タッチスイッチ)114とを備えている。発射ボリューム115は、ハンドル60の回転量を検出するものである。発射停止スイッチ116は、遊技者が遊技球の発射を停止するときに押圧されるものである。タッチセンサ(電子機器)114は、ハンドル60に露出した状態で取付けられているタッチ電極(図示省略)に接続されていて、そのタッチ電極に対する人体(遊技者)の接触を検出するものである。発射ボリューム115の検出信号(ハンドル60の回転量に基づく操作検知信号)、発射停止スイッチ116の検出信号、又はタッチセンサ114の検出信号は、発射中継端子板142と中継端子板141を介して発射制御基板140に入力される。
発射ユニット113は、遊技者によるハンドル60の回転操作に基づいて、遊技球を遊技領域3に向けて発射するものであり、発射ソレノイド117と球送りソレノイド118とを備えている。発射ソレノイド117は、発射制御基板140から入力した駆動信号により駆動して、図示しない弾球槌を可動させるものである。弾球槌が可動すると、遊技球が弾球槌により遊技領域3に向けて発射されることになる。球送りソレノイド118は、発射制御基板140から入力した駆動信号により駆動して、打球供給皿61に貯留されている遊技球を1球ずつ弾球槌の方へ送り込むものである。
ここで図73は、発射中継端子板(特定基板)142周りの配線を示すブロック図である。図73に示すように、発射ボリューム(電子部品)115は、ハーネスH30を介して発射中継端子板142に接続されている。発射停止スイッチ(電子部品)116は、ハーネスH31を介して発射中継端子板142に接続されている。タッチセンサ114は、ハーネスH32を介して発射中継端子板142と前枠板金58の両方に接続されている。
ハーネスH32は、上述した本形態のハーネスH9,H10(図48参照)と同様、一端側にてタッチセンサ114に接続されるコネクタCN31を有し、他端側にて発射中継端子板142に接続されるコネクタCN32と、前枠板金58に接続されるコネクタCN33とを有する特殊コネクタである。コネクタCN31には、DC5Vの電力が流れる配線J11の一端部と、タッチセンサ114の検出信号を発射中継端子板142に送信するための配線(検出用配線)J12の一端部と、グランドに接続するための配線J13の一端部と、フレームグランドとして設けられている配線(フレームグランド用配線)J14の一端部とが連結している。そして、コネクタCN32には、配線J11の他端部と配線J12の他端部と配線J13の他端部とが連結しているのに対して、コネクタCN33には、配線J14の他端部が連結している。即ち、フレームグランドとしてタッチセンサ114から延びる配線J14は、発射中継端子板142に接続されなくて、前枠板金58に接続されるようになっている。
よってこの第3変形例によれば、遊技者がハンドルを操作するときに、遊技者に帯電した静電気に基づいて、サージ電圧がタッチセンサ114に印加されるおそれがある。この場合、タッチセンサ114に印加されたサージ電圧を、発射中継端子板142に作用させることなく前枠板金58に作用させて、サージ(電流)を吸収することが可能である。よって、発射中継端子板142にサージ電圧が作用してしまい、発射中継端子板142に接続されている電子部品(発射ボリューム115、発射停止スイッチ116)が適切に機能しなくなるのを回避することが可能である。即ち、タッチセンサ114に印加されたサージ電圧が原因で、発射ボリューム115の検出信号や発射停止スイッチ116の検出信号を、発射中継端子板142から発射制御基板140の方へ適切に送信し難くなってしまい、遊技球の発射の強さの調整や遊技球の発射の停止ができなくなるのを回避することが可能である。
また上記形態では、図48に示すように、ハーネス(特殊ハーネス)H9は4本の配線J1,J2,J3,J4をまとめたものであった。しかしながら特殊ハーネスを構成する配線の数は、2本、3本、又は5本以上であっても良く、適宜変更可能である。
また上記形態では、図48に示すように、ハーネスH9の他端側(図48の下側)において、制御信号を伝達するための配線(第1配線)J2と、フレームグランドとして設けられている配線(第2配線)J4とが少なくとも分岐するようになっていた。しかしながら、第2配線は、フレームグランドとして設けられている配線でなくても良く、例えば電力を供給する配線J1やグランドに接続するための配線J3であっても良い。そして、本発明の「特殊ハーネス」には、フレームグランドとして設けられている配線がなくても良い。
また上記形態では、ハーネスH9,H10において、配線J4がその他の配線J1,J2,J3よりも長くなっていたが、配線J4がその他の配線J1,J2,J3よりも短くても良い。つまり本形態のような特殊ハーネスにおいて、各配線の長さは適宜変更可能であり、ハーネスを構成する全ての配線の長さがそれぞれ異なっていても良いし、ハーネスを構成する一部の配線の長さが、その他の配線の長さに対して異なるようにしても良い。また特殊ハーネスであっても、各配線の長さがそれぞれ同じであっても良い。
また上記形態では、図48に示すように、ハーネスH9の他端側(図48の下側)には、2つのコネクタCN22,CN23が設けられていて、各配線J1,J2,J3,J4の他端部(図48の下端部)が2つに分岐されているようになっていた。しかしながら、ハーネスの他端側には3つ以上のコネクタが設けられていて、各配線の他端部が3つ以上に分岐されているようにしても良い。即ち本発明の特殊ハーネスを用いて、一つの電子機器(タッチセンサ等)に対して、3つ以上の被接続部材を接続するようにしても良い。
また上記形態では、図48に示すように、ハーネスH9の両端部に設けられているコネクタCN21〜CN26は、合成樹脂(プラスチック)で構成されていて、被接続部材に対して挿入可能な形状であるが、コネクタ(第1コネクタ、第2コネクタ、第3コネクタ)は、被接続部材に対して接続できるようになっていれば、材質及び形状は適宜変更可能である。
また上記形態では、図48に示すように、ハーネスH9の他端側(図48の下側)において、コネクタCN22には、DC5Vの電力が流れる配線J1と、制御信号(検出信号)を送信するための配線J2と、グランドに接続するための配線J3とが連結しているのに対して、コネクタCN23には、フレームグランドとして設けられている配線J4が連結していた。しかしながら例えば、コネクタCN22には、配線J1と配線J2とが連結するのに対して、コネクタCN23には配線J3と配線J4とが連結しているようにしても良く、ハーネスの他端側において、各配線を複数のコネクタのうちどのコネクタに連結させるかは適宜変更可能である。
また上記形態では、遊技機枠50(上側装飾ユニット200)に枠可動体(演出可動体)600が取付けられていて、枠可動体600の表面にタッチ電極602L,602Rが設けられていた。しかしながら、タッチ電極が設けられている演出可動体は、枠可動体600に限られるものではなく、回転発光部710であっても良い。又は、遊技盤2に取付けられている演出可動体(例えば本形態の盤可動体15)であっても良い。この場合には、例えば遊技場(ホール)の従業員が前枠53を開放させたときに、誤作動等によって盤可動体15が移動して従業員等に接触しても、盤可動体15を停止させることが可能であり、安全性を高めることが可能である。
また上記形態では、タッチセンサ640L,640Rは、発振回路641から発振される高周波正弦波の電圧の減衰又は停止(高周波正弦波が変化すること)に基づいて、タッチ電極602L,602Rに対する人体の接触を検出するものであった。しかしながら、発振回路641から発振される高周波正弦波の電流の減衰又は停止に基づいて、タッチ電極602L,602Rに対する人体の接触を検出するものであっても良い。
また上記形態では、タッチセンサ640L,640Rは、タッチ電極602L,602Rに対する人体の接触を検出する接触センサであった。しかしながら、タッチ電極602L,602Rに対して人体が近づいたこと(近接)を検出する近接センサであっても良い。例えば図34に示すタッチセンサ640L,640Rの電気回路図では、抵抗R2の抵抗値に応じて検出感度を変えることができて、近接センサとして構成することが可能になる。これにより、実際にタッチ電極602L,602Rに接触していなくても、人体の近接を検出することで、安全性を高めることが可能になる。
また上記形態では、タッチセンサ640L,640R及びタッチ電極602L,602Rは、移動可能な枠可動体(演出可動体)600に設けられていたが、移動しない固定物(例えば外側カバー300)に設けられていても良く、タッチセンサ及びタッチ電極が設けられている部位は適宜変更可能である。
また上記形態では、ハーネスH9,H10を用いてフレームグランド(筐体接地)を行う電子機器は、タッチセンサ640L,640Rであったが、タッチセンサ640L,640R以外の電子機器であっても良く、例えば遊技球の通過を検出する近接センサ(低周波近傍電磁界検出センサ)や、画像表示装置(液晶表示装置)7であっても良い。
また上記形態では、遊技機枠50の上縁50Uよりも上方に移動可能な枠可動体600にタッチ電極602L,602Rが設けられていた。しかしながら、例えば遊技機枠50の下縁50Dよりも下方に移動可能な枠可動体、遊技機枠50の左縁50Lよりも左方に移動可能な枠可動体、又は遊技機枠50の右縁50Rよりも右方に移動可能な枠可動体にタッチ電極を設けても良い。また遊技機枠50の上下左右の枠縁(上縁50Uと下縁50Dと左縁50Lと右縁50Rとからなる枠縁)よりも外側に移動可能な枠可動体に限られず、遊技機枠50の枠縁よりも内側で移動可能な枠可動体にタッチ電極を取付けるようにしても良い。
また上記形態では、枠可動体600の表面のうち遊技者によって視認可能な前面部分に、タッチ電極602L,602Rが設けられていた。しかしながら、枠可動体600の前面部分だけでなく、枠可動体600の上面部分(ベース板612)にタッチ電極を設けたり、枠可動体600の背面部分(取付プレート621)にタッチ電極を設けたり、枠可動体600の側面部分(透明板613)にタッチ電極を設けても良い。これにより、タッチセンサによる検出範囲が広くなるため、安全性をより高めることが可能である。なお、演出可動体の表面のうち遊技者に視認されない部分にだけ、タッチ電極を設けても良い。この場合には、枠可動体600にタッチ電極が設けられていることを遊技者に気付かれないようにすることが可能である。
また上記形態では、枠可動体600の表面のうち遊技者によって視認可能な前面部分のほとんど(90%以上)が、タッチ電極602L,602Rになっていて、タッチセンサ640L,640Rによる検出範囲をできるだけ広くするようにしていた。しかしながら、タッチセンサ640L,640Rによる検出感度が敏感になり過ぎないように、枠可動体600の前面部分の半分(50%)に、タッチ電極602L,602Rを設けるようにしても良い。つまり、枠可動体600の表面に設けるタッチ電極の割合は、タッチセンサ640L,640Rの検出範囲と検出感度とを考慮して、適宜変更可能である。なお枠可動体600の表面全体、又は枠可動体600の前面部分全体にタッチ電極602L,602Rを設けるようにしても良い。
また上記形態では、枠可動体600は、左側タッチ電極602Lと右側タッチ電極602Rとが当接すると、本パチンコ遊技機1のキャラクタの顔(関連する一つの装飾形態)を形成するものであったが、その他のキャラクタや模様、アイテム等を形成するものであっても良い。また、枠可動体600は遊技者による操作が可能な演出用操作ボタン(操作手段)等であっても良く、関連する一つの装飾形態を形成しないものであっても良い。そして、左側タッチ電極602L及び右側タッチ電極602Rは、それぞれ装飾形態を形成しないものであっても良い。
また上記形態では、演出可動体である枠可動体600L,600Rは、左右一対で2つ設けられていたが、演出可動体は左右一対でなくても良く、その数も適宜変更可能である。また可動部材である回転発光部710L,710Rは、左右一対で2つ設けられていたが、可動部材は左右一対でなくても良く、その数も適宜変更可能である。
また上記形態では、パチンコ遊技機1に対して本発明を実施するようにした。しかしながら図74及び図75に示す第4変形例のように、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)900に対して本発明を実施するようにしても良い。即ち、図74及び図75に示すように、スロットマシン900では、筐体910と前面扉920により遊技機枠が構成されていて、筐体910の内部には、外周面に複数種類の図柄が配列されたリール930L,930C,930R(内部視認部材)が左右方向に並設されている。スロットマシン900の詳細な説明は周知であるため省略するが、筐体910の上部には、上述した本形態と同様の上側装飾ユニット200(枠可動体600、タッチ電極602L,602R、タッチセンサ640L,640R、枠顔中継基板99等)が設けられている。従って、第4変形例のスロットマシン900でも、上述した本形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
また上記形態では、大当たりに当選すると、大当たり遊技後の遊技状態が必ず高確率状態に制御されるパチンコ遊技機であった。しかしながら、大入賞口内の特定領域への遊技球の通過に基づいて高確率状態に移行するパチンコ遊技機(所謂「V確機」)、又は停止表示される特別図柄の種類に応じて高確率状態に移行するパチンコ遊技機、又は高確率状態に移行しないパチンコ遊技機であっても良い。
また上記形態では、高確率状態に制御されたあと特別図柄の変動表示の回数が上限実行回数に達すると、通常確率状態に制御される所謂「ST機」であった。しかしながら、高確率状態に制御されたあと実質的に次回の大当たりに当選するまで高確率状態が継続する所謂「ループ機」であっても良い。また特別図柄の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技が実行される所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機であったが、その他(例えば所謂1種2種混合機)のタイプのパチンコ遊技機であっても良い。
また上記形態の特徴及び上記した変形例の特徴をそれぞれ組み合わせて実施することは勿論可能である。
なお、上記した実施の形態には、以下の<A>〜<E>の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<A>
本発明に係る遊技機は、
枠状の基枠部(外枠51及び内枠52)と、前記基枠部の前面側に位置する前枠部(前枠53)とを含む遊技機枠(50)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)において、
所定の特定基板(枠顔中継基板99)及び電子機器(タッチセンサ640L,640R)と、
前記特定基板と前記電子機器との間で少なくとも制御信号(検出信号)を伝達可能なハーネス(H9,H10)と、を備え、
前記ハーネスは、
少なくとも第1配線(配線J2)と第2配線(J4)とを含む複数の配線(J1〜J4)と、
少なくとも前記第1配線の一端部及び前記第2配線の一端部に連結している第1コネクタ(コネクタCN21,CN24)と、
少なくとも前記第1配線の他端部に連結している第2コネクタ(コネクタCN22,CN25)と、
少なくとも前記第2配線の他端部に連結している第3コネクタ(コネクタCN23,CN26)と、を備える特殊ハーネスであり、
前記特殊ハーネスは、
前記第1コネクタで前記電子機器に接続されていると共に、前記第2コネクタで前記特定基板に接続されていて、前記第3コネクタで前記特定基板と異なる被接続部材(フレームグランド用中継基板650L,650R)に接続可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特殊ハーネスの第1コネクタを電子機器に接続し、特殊ハーネスの第2コネクタを特定基板に接続することで、電子機器と特定基板との間で第1配線により制御信号の伝達が可能となる。更に特殊ハーネスでは、第2配線の他端部に第2コネクタではなく第3コネクタが連結しているため、その第3コネクタを特定基板とは異なる被接続部材に接続することが可能である。こうして、特殊ハーネスを用いて電子機器に対して特定基板及び被接続部材の両方を接続することが可能である。よって、電子機器から延びる第2配線を、一旦特定基板を介在させてから被接続部材に接続させるという煩雑さを回避することが可能であり、電子機器から延びるハーネス(配線)の接続の自由度を向上させることが可能である。
<B>
<A>に記載の遊技機において、
少なくとも前記電子機器に対するフレームグランドとして設けられている金属部(フレームグランド用板金670L,670R)を備え、
前記被接続部材は、前記金属部に所定の配線(ハーネスH11,H12)を介して接続されているフレームグランド用中継基板又は前記金属部であり、
前記第2配線は、他端部にて前記フレームグランド用中継基板又は前記金属部に接続されるフレームグランド用配線であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、電子機器にサージ電圧が印加された場合、そのサージ電圧がフレームグランド用配線の一端部に作用する。このときフレームグランド用配線の他端部は、特定基板に接続されずに、フレームグランド用中継基板又は金属部に接続されている。そのため、サージ電圧を特定基板に作用させることがなくて、金属部の方へ作用させて、サージ(電流)を吸収することが可能である。即ち、フレームグランドとは無関係な特定基板にサージ電圧が作用するのを回避することが可能である。
<C>
<B>に記載の遊技機において、
前記電子機器は、人体の接触又は接近を検出可能な人体検出手段(タッチセンサ640L,640R)であり、
前記特殊ハーネスは、
前記第1配線として前記人体検出手段による検出に基づく制御信号を前記特定基板に送信する検出用配線(配線J2)と、
前記電子機器に電力を供給する電力用配線(配線J1)と
グランドに接続するためのシグナルグランド用配線(配線J3)と、
前記フレームグランド用配線(配線J4)と、を備え、
前記電力用配線の一端部及び前記シグナルグランド用配線の一端部は、前記第1コネクタに連結し、前記電力用配線の他端部及び前記シグナルグランド用配線の他端部は、前記第2コネクタに連結しているものであることを特徴とする遊技機。
従来においては、検出用配線と電力用配線とシグナルグランド用配線とフレームグランド用配線をまとめたハーネスと、別途用意した他のフレームグランド用配線とを用いて、人体検出手段に対する配線の接続を行っていた。具体的には、上記ハーネスの一端側のコネクタを人体検出手段に接続し、他端側のコネクタを特定基板に接続する。更に、他のフレームグランド用配線の一端部のコネクタを特定基板に接続し、他端部のコネクタをフレームグランド用中継基板に接続していた。これに対して、この構成の遊技機によれば、特殊ハーネスの第1コネクタを人体検出手段に接続し、特殊ハーネスの第2コネクタを特定基板に接続し、特殊ハーネスの第3コネクタをフレームグランド用中継基板又は金属部に接続すれば良い。つまり、コネクタの接続箇所を3カ所で済ますことが可能であり、従来に比べて接続箇所を1カ所減らすことが可能である。
<D>
<B>又は<C>に記載の遊技機において、
所定の演出を実行可能な演出手段(枠可動体600、枠文字ランプ66、枠顔ランプ660L,660R、発光部材713L,713R)を備え、
前記特定基板は、前記演出手段を制御可能な集積回路(枠顔集積回路98)を実装している制御基板(枠顔中継基板99)であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、フレームグランド用基板からのサージ電圧が制御基板の集積回路に作用するのを回避することが可能であり、演出手段による所定の演出が実行されなくなる等の不具合が生じるのを回避することが可能である。
<E>
<A>乃至<D>の何れかに記載の遊技機において、
前記電子機器から前記被接続部材までの距離が、当該電子機器から前記特定基板までの距離よりも大きくなっていて、
前記第2配線は、前記第1配線よりも長くなっている(図48参照)ことを特徴とする遊技機。