[パチスロの機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ)1の機能フローについて説明する。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の有効ライン(図6の符号8のセンターライン)に沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L,3C,3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L,7C,7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L,49C,49R)は、内部当籤役とストップボタン7L,7C,7Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L,3C,3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタン7L,7C,7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L,3C,3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L,3C,3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、有効ラインに沿って表示されることがないようにリール3L,3C,3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L,3C,3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L,3C,3Rが回転しているときに最初に行われるリール3L,3C,3Rの停止操作(ストップボタン7L,7C,7Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作に伴う停止制御を第1停止といい、第2停止操作及び第3停止操作に伴う停止制御を、それぞれ第2停止及び第3停止という。
また、パチスロ1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置5により行う映像の出力、スピーカ9L,9Rにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブCPU81)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段(後述の液晶表示装置5、後述のスピーカ9L,9R)は、リール3L,3C,3Rの回転が開始されるとき、各リール3L,3C,3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
<遊技状態の移行>
ここで、本実施の形態では、抽出された乱数値が同一であっても、遊技状態が異なる場合には、決定される内部当籤役が異なる場合がある。本実施の形態では、このような遊技状態として一般遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、及びRT4遊技状態を設けている。なお、以下では、一般遊技状態を「RT0遊技状態」とする場合がある。
RT0遊技状態〜RT4遊技状態のそれぞれでは、再遊技の作動といった特典が遊技者に与えられる確率がそれぞれ異なる。すなわち、再遊技の作動といった特典が遊技者に与えられる上段リプ1〜9(以下、総称して「上段リプ」という)、中段リプ1〜27(以下、総称して「中段リプ」という)、特殊リプ1〜40(以下、総称して「特殊リプ」という)、RT0移行リプ1〜9(以下、総称して「RT0移行リプ」という)、RT1移行リプ1〜27(以下、総称して「RT1移行リプ」という)、RT2移行リプ1〜36(以下、総称して「RT2移行リプ」という)、RT2確定リプ1〜33(以下、総称して「RT2確定リプ」という)、RT3移行リプ1〜3(以下、総称して「RT3移行リプ」という)、RT4移行リプ1〜92(以下、総称して「RT4移行リプ」といい、上段リプ〜RT4移行リプを「リプレイ」という)が内部当籤役として決定される確率がそれぞれ異なる。
本実施の形態では、リプレイが内部当籤役として決定される確率は、RT0遊技状態及びRT1遊技状態が最も低く、RT2遊技状態が次に低く、RT3遊技状態及びRT4遊技状態が最も高い。そのため、以下では、RT0遊技状態〜RT2遊技状態を低RT遊技状態とする場合があり、RT3遊技状態及びRT4遊技状態を高RT遊技状態とする場合がある。また、RT1遊技状態はリプレイ低確率遊技状態と称される場合があり、RT2遊技状態は中途遊技状態と称される場合があり、RT3遊技状態はリプレイ高確率遊技状態と称される場合があり、RT4遊技状態は特殊リプレイ高確率遊技状態と称される場合がある。なお、本実施形態では、中途遊技状態がRT2遊技状態のみであるが、中途遊技状態は複数設けてもよい。
図2及び図3は、このように複数設けられた遊技状態の移行遷移図を示している。
図2に示すように、RT0遊技状態への移行条件は、RT0移行リプが入賞することである。そして、RT0遊技状態へ移行する可能性のある遊技状態、すなわち、RT0移行リプが入賞する可能性のある遊技状態は、RT1遊技状態及びRT2遊技状態である。
また、RT1遊技状態への移行条件は、後述するRT作動図柄が表示されること、あるいはRT1移行リプが入賞することである。なお、RT作動図柄とは、所定の内部当籤役が決定された場合に、遊技者の停止操作の順序(押し順)及び停止操作のタイミングにより表示されることのある図柄の組合せであり、詳しくは後述する。そして、RT1遊技状態へ移行する可能性のある遊技状態は、RT0遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、及びRT4遊技状態である。
また、RT2遊技状態への移行条件は、RT2移行リプ又はRT2確定リプが入賞することである。そして、RT2遊技状態へ移行する可能性のある遊技状態、すなわち、RT2移行リプ又はRT2確定リプが入賞する可能性のある遊技状態は、RT1遊技状態である。
また、RT3遊技状態への移行条件は、RT3移行リプが入賞することである。そして、RT3遊技状態へ移行する可能性のある遊技状態、すなわち、RT3移行リプが入賞する可能性のある遊技状態は、RT2遊技状態及びRT4遊技状態である。
また、RT4遊技状態への移行条件は、RT4移行リプが入賞することである。そして、RT4遊技状態へ移行する可能性のある遊技状態、すなわち、RT4移行リプが入賞する可能性のある遊技状態は、RT1遊技状態、RT2遊技状態及びRT3遊技状態である。また、RT4遊技状態から他の遊技状態への移行条件は、RT3移行リプが入賞すること、又はRT作動図柄が表示されることである。ここで、後述するように、RT4遊技状態では停止操作に対する報知が行われることがあり、RT作動図柄は、この報知に従う限り表示されることがない。そのため、報知が行われる状態では、RT4遊技状態は、RT3移行リプが入賞するまで継続する。
ここで、RT1遊技状態及びRT2遊技状態からRT4遊技状態へ移行する可能性は極めて低いため、RT4遊技状態に移行するには、RT1遊技状態からRT2遊技状態へ移行した後にRT3遊技状態へ移行する必要がある。言い換えると、RT1遊技状態においてRT2移行リプを入賞させる必要がある。
(RT1移行リプ)
RT1移行リプは、RT3遊技状態において、内部当籤役として後述するデータポインタ12が決定された場合に入賞する可能性がある。具体的には、RT3遊技状態では、RT1移行リプは、内部当籤役として決定され、かつ、遊技者の停止操作の順序が予め定められた停止操作の順序と一致する場合に限り入賞する(図9のデータポインタ(内部当籤役)12参照)。このRT1移行リプは、リプレイの当籤確率の高いRT3遊技状態からリプレイの当籤確率の低いRT1遊技状態に転落させるものである。RT1移行リプが入賞する停止操作順序は、左第1停止であり、RT3遊技状態においてAT中である場合には、RT1移行リプの入賞を回避する停止操作の順序が報知される。
(RT2移行リプ、RT2確定リプ)
ここで、RT2移行リプ及びRT2確定リプについて説明する。RT1遊技状態では、内部当籤役として後述するデータポインタ4〜7,14〜18が決定された場合にRT2移行リプ又はRT2確定リプが入賞する可能性がある。具体的には、RT1遊技状態では、RT2移行リプ及びRT2確定リプは、内部当籤役として決定され、かつ、遊技者の停止操作の順序が予め定められた停止操作の順序と一致する場合に限り入賞する。なお、図9にRT2移行リプ及びRT2確定リプが入賞することとなる停止操作の順序を示す。このようなRT2移行リプ又はRT2確定リプが入賞することとなる停止操作の順序を遊技者に知らせるため、パチスロ1では、停止操作の順序を報知することがある。このような報知を受けることで、遊技者は、RT1遊技状態からRT2遊技状態へ移行させることができる。
ところで、図9を参照すると、内部当籤役としてデータポインタ4〜7が決定された場合には、第1停止操作が左のリール3Lに対する停止操作である場合には、RT2移行リプは入賞することがない。パチスロ1では、遊技者に停止操作の順序を報知する場合がある一方で、停止操作の報知が行われない状態(ATではない遊技状態)で第1停止操作として左のリール3L以外、すなわち、リール3C,3Rに対する停止操作が行われた場合には、停止操作の順序を報知することに対するペナルティ(罰則)を与えることとしている。そのため、遊技者は、ATではない遊技状態では、第1停止操作として左のリール3Lに対する停止操作を行うこととなる。
このようなペナルティを設けることで、ATではない遊技状態では、RT1遊技状態からRT2遊技状態へ移行することが基本的(ペナルティを無視しない限り)には起こらない。
(RT3移行リプ)
なお、仮にペナルティを無視して遊技を行った結果、RT2遊技状態へ移行したとしても、RT2遊技状態からRT3遊技状態(高RT遊技状態、リプレイ高確率遊技状態)へ移行させるためには、RT2遊技状態においてRT3移行リプを入賞させる必要がある。しかしながら、RT3移行リプもRT2移行リプと同様に遊技者の停止操作の順序が適切である場合に限り入賞する(図9のデータポインタ(内部当籤役)8〜11参照)。このとき、RT3移行リプは、RT2移行リプと同様に、第1停止操作を左のリール3L以外のリールに対して行わなければならず、かつ、停止操作の順序が適切でない場合には、RT0移行リプが入賞し、RT0遊技状態へ移行してしまう。そのため、ペナルティを無視してRT2遊技状態へ移行したとしても、その後、高RT遊技状態へ移行することは非常に困難になる。
(RT作動図柄)
また、仮にペナルティを無視して遊技を行った結果、RT3遊技状態へ移行したとしても、RT3遊技状態においてRT作動図柄が表示された場合には、再びRT1遊技状態へ移行してしまう。ここで、RT作動図柄は、所定の内部当籤役が決定された場合に、遊技者の停止操作の順序及び停止操作のタイミングにより表示されることのある図柄の組合せである。なお、図9にRT作動図柄が表示されることとなる停止操作の順序を示す。図9に示すように、内部当籤役としてデータポインタ28〜58が決定された場合には、遊技者の停止操作の順序が適切である場合には、下段小役1〜9のいずれか又は中段小役1〜27のいずれかが入賞し、停止操作の順序が適切でなくかつ停止操作のタイミングが適切でない場合には、RT作動図柄が表示される。このように、RT3遊技状態では、停止操作の順序及び停止操作のタイミングによってRT作動図柄が表示されてしまうため、ペナルティを無視してRT3遊技状態へ移行したとしても、その後、RT3遊技状態を維持することは困難になる。同様に、RT3遊技状態では、RT1移行リプの入賞の可能性があり、RT1移行リプの入賞によっても、RT1遊技状態に移行する。RT3遊技状態では、AT中でなければ、RT1リプの入賞を回避するための停止操作の順序が報知されないため、ペナルティを無視してRT3遊技状態へ移行したとしても、RT1移行リプの存在により、その後、RT3遊技状態を維持することは、より一層困難になる。
なお、図9における太枠の記載は、パチスロ1において遊技者にとって有利となる停止操作の順序(適切な順序)である場合に入賞する役を示している。例えば、内部当籤役(当籤番号)4では、左リール3Lに第1停止操作を行った場合には上段リプレイ又は中段リプレイが入賞し、中左右の順に停止操作を行った場合にはRT2移行リプレイが入賞し、中右左又は右リール3Rに第1停止操作を行った場合にはRT0移行リプレイが入賞する。すなわち、太枠の停止順序では、RT2移行リプレイが入賞してRT2遊技状態に移行するのに対して、それ以外の停止順序ではRT0遊技状態に移行するか、又は遊技状態の移行を伴わない。そのため、遊技状態という観点からは、遊技者にとって最も有利であるのは、太線で囲んだ停止順序である中左右となる。
このような停止操作の順序による遊技状態の移行を考慮した遊技状態の遷移図を図3に示す。なお、以下において、遊技者にとって有利な遊技状態へ移行することを「上昇」あるいは「昇格」等という場合があり、遊技者にとって不利な遊技状態へ移行することを「転落」あるいは「降格」等という場合がある。より詳細には、RT数が大きい遊技状態へ移行することを「上昇」・「昇格」といい、RT数が小さい遊技状態へ移行することを「転落」・「降格」という場合がある。
図3に示すように、低RT遊技状態は、非AT遊技状態及びAT遊技状態を含む。
非AT遊技状態は、停止操作の順序が報知されない低RT遊技状態であり、基本的には、RT0遊技状態及びRT1遊技状態の間で遊技状態の移行が行われる。すなわち、図3の符号(1)に示すように、非AT遊技状態では、停止操作の順序が報知されないため、RT2移行リプが入賞することがなく、RT1遊技状態からRT2遊技状態へ上昇することがない。仮に上昇したとしても、図3の符号(2)に示すように報知がないためにRT1遊技状態へ転落することを回避できない。
なお、非AT遊技状態では、RT4移行リプが入賞することで後述するART区間へ移行することがある。しかしながら、図3の符号(3)に示すように、非AT遊技状態においてRT4移行リプが入賞することは極めて低い確率であるため、非AT遊技状態から他の遊技状態への移行は、報知権利を取得することにより移行するAT遊技状態への移行が主となる。なお、パチスロ1では、後述するように報知権利の取得方法に特徴を有している。
AT遊技状態は、停止操作の順序が報知される低RT遊技状態であり、RT0遊技状態、RT1遊技状態及びRT2遊技状態の間で遊技状態の移行(上昇)が行われる。すなわち、AT遊技状態では、図3の符号(5)に示すように、報知に従うだけでRT0遊技状態からRT1遊技状態へ上昇し、同様にRT1遊技状態からRT2遊技状態へ上昇する。そして、RT2遊技状態において報知に従うだけで高RT遊技状態(ART遊技状態)へ上昇する。一方、AT遊技状態では、図3の符号(6)に示すように、報知に従う以上、遊技状態が転落することはない。
続いて、高RT遊技状態は、非ART遊技状態及びART遊技状態を含む。
非ART遊技状態は、停止操作の順序が報知されない高RT遊技状態であるが、図3の符号(1)に示すように、基本的に上昇してくることがなく、仮に上昇してきたとしても図3の符号(2)に示すように転落を回避できず、直ぐに非AT遊技状態へ移行する。そのため、パチスロ1では、非ART遊技状態に滞在する期間は極めて短い。
ART遊技状態は、停止操作の順序が報知される高RT遊技状態であり、報知権利がある限りRT3遊技状態(リプレイ高確率遊技状態)及びRT4遊技状態(特殊リプレイ遊技状態)の間で遊技状態の移行が行われる。なお、ART遊技状態のRT3遊技状態では、1セット50、100又は200ゲームの遊技が行われる。すなわち、報知権利が「1」である場合には、少なくとも50ゲームの間RT3遊技状態において停止操作の順序が報知される。また、ART遊技状態のRT4遊技状態は、セット数の上乗せ、すなわち、報知権利の付与抽籤が高確率で行われる。上述のように、RT4遊技状態は、RT3移行リプが入賞するまで継続する遊技状態であるため、RT4遊技状態では、RT3移行リプが入賞するまでセット数の上乗せが行われる。
なお、以下では、報知権利を計数するカウンタのことを「ATセットカウンタ」といい、RT3遊技状態中の50、100又は200ゲームのゲーム数を計数するカウンタのことを「ARTカウンタ」という。ARTは、ATセットカウンタに計数された数値分だけ、1セット50、100又は200ゲームだけ継続する。
そして、ARTは、ATセットカウンタの値が「0」になると終了し、その後は停止操作の順序が報知されなくなるため、図3の符号(9)に示すように、低RT遊技状態への転落を回避できず、RT作動図柄又はRT1移行リプが表示されることで、RT1遊技状態へ移行する。
<報知権利の付与>
本実施の形態では、報知権利の付与(すなわち、ATセットカウンタへの加算)は、(1)5ゲーム(今回のゲーム及び直近4ゲーム)間の入賞履歴に基づくAT抽籤、(2)現在のモードに基づくAT抽籤、の2つのAT抽籤のいずれかに当籤することにより行われる。以下、各AT抽籤について具体的に説明する。
(1)5ゲーム間の入賞履歴に基づくAT抽籤(図99のS892〜S894)
パチスロ1では、各ゲームで入賞した役(表示役)又は各ゲームで内部当籤した役(内部当籤役)の履歴を記憶しておき、当該履歴が所定の条件を満たした場合に報知権利を付与するためのAT抽籤を行う。ところで、高RT遊技状態と低RT遊技状態とでは、リプレイが内部当籤役として決定される確率が異なり、また、AT(又はART)と非AT(又は非ART)とでは、停止操作の順序の報知の有無が異なるため内部当籤役が実際に入賞する確率(報知が有る場合には、下段小役1〜9等は必ず入賞するが、報知がない場合には、RT作動図柄又はRT1移行リプが表示されてしまう)が異なる。
そのため、例えば、リプレイが連続して入賞した回数や、下段小役1〜9等が連続して入賞した回数に基づいてAT抽籤を行うこととした場合、ARTのようなリプレイが内部当籤役として決定される確率が高く、停止操作の順序が報知される遊技状態では、頻繁にAT抽籤が行われることになる。
そこで、パチスロ1では、表示役(内部当籤役)の履歴を遊技状態に応じて管理することとし、その結果、AT抽籤を行う条件も遊技状態に応じて異なることとしている。
(表示役(内部当籤役)の履歴の管理)
表示役(内部当籤役)の履歴の管理は、図38に示すようにシンボルパターンテーブルA,Bにより行われる。ここで、シンボルパターンテーブルA,Bの使い分けは、図36に示しシンボルパターン選択テーブルに従って行われる。
なお、AT抽籤に用いられる表示役(内部当籤役)の履歴は、図4及び図5に示すように液晶表示装置5の履歴表示領域5cに適宜表示する。このとき、液晶表示装置5の履歴表示領域5cへの表示は、履歴コード及びシンボルパターンテーブルにより異なり、例えば、履歴コード「1」では、シンボルパターンテーブルAのときには「黄7」が表示され、シンボルパターンテーブルBのときには「黄羽根」が表示される。履歴コード「2」では、シンボルパターンテーブルAのときには「青7」が表示され、シンボルパターンテーブルBのときには「青羽根」が表示される。すなわち、上段小役1〜9及び中段小役1〜27リプレイが入賞すると、図36においてメインRT遊技状態とサブ状態で定義されるシンボルパターンテーブルAでは「黄7」が表示され、シンボルパターンテーブルBでは「黄羽根」が表示される。一方、リプレイ(RT4移行リプ、特殊リプを除く)が入賞すると、シンボルパターンテーブルAでは「青7」が表示され、シンボルパターンテーブルBでは「青羽根」が表示される。
(AT抽籤の条件)
また、AT抽籤の条件は、図39に示すように条件コードにより行われる。例えば、条件コード「1」を参照して、液晶表示装置5において「「青7」が3連続」で表示された場合には、条件コード「1」を充足し、所定の確率(1000/32768)で当籤するAT抽籤が行われる。ここで、上述の通り「青7」は、非AT中又は非ART中にリプレイが入賞することを条件に表示される履歴表示であり、AT中又はART中に表示されることはない。
このように、パチスロ1では、表示役(内部当籤役)の履歴を遊技状態に応じて管理し、この履歴に基づいてAT抽籤を行うか否かを管理するため、AT抽籤が行われる条件も遊技状態に応じて異なることになる。
例えば、非AT中又は非ARTにAT抽籤が行われる条件は、5ゲームの間に、リプレイが特定回数以上連続して(3連続以上)入賞すること、小役1〜9等が特定回数以上連続して(3連続以上)入賞することといった第1の条件(条件コード「1」〜「7」が相当)に加え、SB又は特殊リプが2回以上当籤又は入賞すること(条件コード「8」〜「11」が相当)、RT4移行リプ又は特殊小役が2回以上入賞すること(条件コード「12」が相当)といった第2の条件(条件コード「8」〜「12」が相当)を含む。
一方、AT中又はART中にAT抽籤が行われる条件は、上記第2の条件を含み、上記第1の条件を含まない。
ここで、RT4遊技状態では、第2の条件を構成するRT4移行リプ又は特殊リプ(データポインタ15〜19)が内部当籤役として決定される確率がRT0遊技状態〜RT3遊技状態に比べて高い(図11〜図15参照)。そのため、RT4遊技状態に移行した場合には、第2の条件が充足され易くなり、AT抽籤に当籤しやすくなる。その結果、RT4遊技状態に移行した場合には、RT3移行リプが入賞するまでセット数の上乗せが行われることになる。
なお、RT4移行リプは、入賞履歴に基づくAT抽籤によらず、入賞しただけで報知権利が付与される(図92のS697,S698)。すなわち、RT4移行リプが5ゲームの間に2回入賞した場合には、入賞履歴に基づくAT抽籤に加え、RT4移行リプが入賞したことに基づいて報知権利が付与される。
ここで、詳細は省略するが、RT4移行リプは、遊技者の停止操作のタイミング(すなわち、遊技者が狙って停止操作を行うこと)により「赤7−赤7−赤7」が停止表示する一方で、特殊リプは、遊技者が狙って停止操作を行ったとしても「赤7−赤7−赤7」は停止表示せず、「赤7−赤7−その他」「赤7−その他−赤7」「その他−赤7−赤7」のように「赤7」が2つ揃って停止表示(いわゆる「テンパイ」)する。
そのため、RT4遊技状態に移行した場合には、遊技者は「赤7」を狙って停止操作を行うことで、RT4移行リプが入賞したことに基づく報知権利の付与を受けることができる。このとき、「赤7−赤7−赤7」が停止表示されることで、報知権利を確実に取得することができる一方で、「赤7−赤7−その他」のように「赤7−赤7−赤7」が停止表示しない場合であっても、入賞履歴に基づくAT抽籤により報知権利を取得することができる。
(2)現在のモードに基づくAT抽籤(図88のS613〜S615)
また、パチスロ1では、現在のモード及び内部当籤役に基づいてAT抽籤を行い、当籤した場合に報知権利を付与する。ここで、「モード」とは、AT抽籤に当籤する確率を規定する情報であり、例えば、図44に示す。図44では、モードが大きいほど、AT抽籤に当籤する確率が高くなっている。パチスロ1では、複数のモードを備え、任意の抽籤(図88のステップS611)によりそれぞれのモード間でモードの移行を行っている。
<報知権利の継続付与>
以上のように、パチスロ1では、(1),(2)のように様々な条件に基づいて報知権利の付与が行われる。このとき、パチスロ1では、報知権利の付与が行われた場合には、その後のゲームにおいて継続抽籤に当籤している間、継続して報知権利を付与する(図87のステップS581〜ステップS584、ステップS586〜ステップS589)。
ここで、パチスロ1では、「1%」「25%」「50%」「75%」「80%」「90%」といった複数段階の継続率(ループ率)を設け(図59参照)、継続抽籤は、この継続率に従って行われる。継続率は、(1),(2)のAT抽籤の種別によって決定され、(1)のAT抽籤により報知権利が付与された場合には、条件コードに基づいて決定され(図58、図99のステップS895)、(2)のAT抽籤により報知権利が付与された場合には、モードに基づいて決定される(図88のステップS616、図94のステップS753、図95のステップS784)。
その結果、例えば、継続率「90%」が決定された場合には、(1),(2)により報知権利が付与された後のゲームにおいて「90%」の確率で当籤する継続抽籤が行われ、当籤した場合には報知権利が付与され、その後のゲームにおいて再度「90%」の確率で当籤する継続抽籤が行われる。このような継続抽籤は、当籤する限り継続して行われる。
以上のように様々な条件を契機として報知権利を付与することで、パチスロ1では、ART(RT3遊技状態)に対する期待を遊技状態に関わらず常に抱かせることとしている。
[パチスロの構造]
パチスロ1の機能フローについての説明は以上である。次に、図6を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
図6は、本実施の形態におけるパチスロ1の外部構造を示す。
パチスロ1は、いわゆる「パチスロ機」である。このパチスロ1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
パチスロ1の全体を形成している筐体4は、箱状のキャビネット60と、このキャビネット60を開閉する前面ドア2と、を備える。この前面ドア2正面の左右には、複数の色に発光可能なランプ14が設けられている。
このランプ14は、発光ダイオード(LED)や有機エレクトロルミネッセンス(有機
EL)等、少なくとも緑色、黄色、青色、赤色に発光可能であれば既存の発光素子でよい。
また、前面ドア2の正面の略中央には、縦長矩形の表示窓21L,21C,21Rが設けられる。表示窓21L,21C,21Rには、中段のセンターライン8が設定されている。このセンターライン8は、後述のベットボタン11を操作すること(以下「BET操作」という)、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより有効化される入賞判定を行うラインである。なお、有効化されたセンターライン8を以下では「有効ライン」とする場合がある。
前面ドア2の裏面には、複数のリール3L,3C,3Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール3L,3C,3Rには、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての図柄列が描かれており、各リール3L,3C,3Rの図柄は表示窓21L,21C,21Rを通して、パチスロ1の外部から視認できるようになっている。また、各リール3L,3C,3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
各リール3L,3C,3Rの内部には、図示しないがバックランプが設けられている。バックライトは、リール3L,3C,3Rの図柄を背後から照明するものであり、各表示窓21L,21C,21Rに停止表示される3つ分の図柄に対応させて、1つのリール3L,3C,3Rにつき、縦に並んで3つのバックライトが設けられている。
これらのバックライトは、リール3L,3C,3Rの停止後において発生させるランプ演出にも利用される。ランプ演出は、小役の種類に対応付けて複数種類設定されるが、所定の条件が成立した場合には強制終了させられる。本実施形態において、所定の条件とは、例えば小役入賞に伴うメダルの払出が完了した場合、リプレイの入賞によるメダルの自動投入が完了した場合、あるいは遊技者がメダルを手入れした場合が該当する。
払出の完了による次回遊技へのメダルの投入許可、又は自動投入あるいは手入れによる次回遊技の開始操作の許可が行われた場合には、バックライトによる演出を強制的に終了させることで、次回遊技が開始する前に遊技者に表示結果を明確に表示することができる。
表示窓21L,21C,21Rの上方には、液晶表示装置5が設けられる。液晶表示装置5は、表示窓21L,21C,21Rよりも大きな表示面を備え、図4及び図5で後述するように画像表示による演出を行う。また、前面ドア2の正面下部には、スピーカ9L,9Rが設けられており、効果音や音声等の音による演出を行う。
表示窓21L,21C,21Rの左方には、7セグメントLEDからなる7セグ表示器13が設けられる。7セグ表示器13は、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
表示窓21L,21C,21Rの下方には、略水平面の台座部10が形成されている。この台座部10の水平面内のうち、右側にはメダル投入口22が設けられ、左側にはベットボタン11が設けられる。
このベットボタン11を押下操作することで、単位遊技の用に供される枚数(3枚)のメダルが投入され、前述の通り、所定の表示ラインが有効化される。ベットボタン11の操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」という。
メダル投入口22の上部には、GODボタン46が設けられている。このGODボタン46は、所定のタイミング、例えば書き換え演出に当籤している単位遊技の第1停止前に押下されることにより演出を書き換え、あるいは遅れ演出が発生した単位遊技において、第1停止前に押下されることにより遅れ演出における特殊音声を再生するものである。
台座部10の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段としてのストップボタン7L,7C,7Rが設けられている。なお、実施例では、単位遊技は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換える精算ボタン12が設けられている。この精算ボタン12の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。精算ボタン12の右側には、遊技者の回動操作により上記リールを回転させ、表示窓21L,21C,21R内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。
前面ドア2下部の正面には、メダルが払出されるメダル払出口15と、この払出されたメダルを貯留するメダル受け部16とが設けられている。また、前面ドア2下部の正面のうち、ストップボタン7L,7C,7Rとメダル受け部16とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル20が取り付けられている。
キャビネット60の両側部には、把持部47が設けられており、パチスロ1の設置時等に持ち運び易くなっている。
<液晶表示装置>
続いて、図4及び図5を参照して、液晶表示装置5の画面構成について説明する。液晶表示装置5は、演出表示領域5aと、情報表示領域5bと、入賞履歴表示領域5cと、を含んで構成される。
演出表示領域5aは、様々な演出情報を表示する。一例としては、演出表示領域5aには、図5に示すように3つの数字からなる数字組合せデータが表示される。ここで、数字組合せデータを構成する3つの数字のそれぞれは、「1〜8」の数字であり、リール3L,3C,3Rの回転に伴い変動し、リール3L,3C,3Rの停止に伴い任意の数字で停止する。そして、演出表示領域5aにおいて同一の奇数の数字が3つ表示されると、その後のゲームにおいて停止操作の順序が報知される。
なお、演出表示領域5aには、数字組合せデータに加え、背景ステージ(以下、「ステージ」)も表示される。ステージは、現在の遊技状態、モード、ATセットカウンタの値等により適宜切り換えられる。そのため、演出表示領域5aに表示されたステージから、パチスロ1の現在の状況を大まかに把握することができる。
情報表示領域5bは、AT及びART中に停止操作の順序を表示することで、これを報知する。例えば、図4の表示では、第1停止操作が中のリール3Cであり、第2停止操作が右のリール3Rであり、第3停止操作が左のリール3Lであることを報知している。
また、情報表示領域5bは、ペナルティ警告も表示する。例えば、非ATにおいて左のリール3L以外のリールに対して第1停止操作が行われた場合には、情報表示領域5bには、左のリール3Lから停止操作を行うことを促す警告情報等が表示される。
さらに、図9に太線で囲んで示すように、AT及びART中では、遊技者にとってより有利なメインRT状態に移行し、あるいは遊技者にとってより有利なメイン遊技状態を維持する内部当籤役を入賞させるための停止操作の順序を表示する。
入賞履歴表示領域5cは、5ゲーム分の入賞履歴を表示する。例えば、図4では、古い方から順に「表示なし」「表示なし」「赤7」「赤7」「未確定」である。「表示なし」は、図38に示したシンボルパターンテーブルに対応する履歴コードのないものである。「未確定」は、現在の単位遊技ではリール3L,3C,3Rが変動表示中であり、入賞履歴として表示すべき内容が未確定である。図5では、図4に示す状態からさらに「赤7」が停止表示されたものである。遊技者は、入賞履歴表示領域5cに表示された入賞履歴から、AT抽籤への期待を抱くことになる。
[パチスロが備える回路の構成]
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、図7及び図8を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主制御回路71、副制御回路72及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御回路>
図7は、本実施の形態におけるパチスロ1の主制御回路71の構成を示す。
(マイクロコンピュータ)
主制御回路71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム(後述の図62等)、内部抽籤テーブル等のデータテーブル(後述の図11等)、副制御回路72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域(後述の図24等)が設けられる。
(乱数発生器等)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
(スイッチ等)
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ49L,49C,49R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ7Sは、3つのストップボタン7L,7C,7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルが前述のセレクタ42内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ11Sは、ベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ12Sは、精算ボタン12が遊技者により押されたことを検出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L,49C,49R、7セグ表示器13及びホッパー40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路39は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L,3C,3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L,3C,3Rに応じて検出する。
ステッピングモータ49L,49C,49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L,49C,49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L,3C,3Rに伝達される。ステッピングモータ49L,49C,49Rに対して1回のパルスが出力される毎に、リール3L,3C,3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L,49C,49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リール3L,3C,3Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3L,3C,3Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路48は、7セグ表示器13の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
(外部端子板)
外部端子板17は、スタートスイッチ6Sから信号が出力された旨の信号、ARTに移行する旨の信号等を外部に出力するものである。外部端子板17からの信号は、例えば呼出装置やホールコンピュータなどの外部機器18に入力される。
具体的には、パチスロ1は、メダルのIN枚数及びOUT枚数を外部端子板17を介してホールコンピュータに出力する。OUT枚数は、例えば小役入賞時にそのときの払出枚数として出力される。
ここで、外部機器18の一例である呼出装置は、遊技場の店員を呼び出すものであるが、一般にデータ表示を行う機能を備えており、データ表示器とも称される。呼出装置では、ビッグボーナス回数やレギュラーボーナス回数を表示することが可能であり、またボーナス間の要した遊技回数をボーナス履歴として表示することが可能である。呼出装置では、当日を含めた数日間のボーナス回数や総遊技数等の履歴を表示することが可能であり、当日のボーナスについてはボーナス間に要した遊技数を履歴として表示可能である。各種の履歴等の情報に関しては、呼出装置に設けられた操作ボタンを操作することにより、表示される情報の切り換えを行うことが可能である。
呼出装置は、パチスロ1のようなARTを備えた遊技機に対しては、ART回数を表示することが可能となるように設定できるようになっている。
このような呼出装置に対して、パチスロ1からのARTに移行する旨を表す信号は、RT1遊技状態又はRT2遊技状態において、RT3移行リプ又はRT4移行リプが表示されたときに、主制御回路71において生成され外部端子板17を介して送信される。
呼出装置では、主制御回路71において生成されたARTに移行する旨を表す信号を受信すると、ARTが開始されたものとしてART回数を加算表示する。
パチスロ1はさらに、ART中においては、後述するART確定小役に入賞(GOD図柄揃い)したときにのみ、外部端子板17を介して、その旨を表す信号を外部に出力する。具体的には、R3遊技状態において特殊小役が入賞したときに、主制御回路71において特殊小役が入賞した旨を表す信号が生成され、その信号が外部端子板17を介して呼出装置に送信される。呼出装置では、特殊小役が入賞した旨を表す信号を受信したときに、ARTが開始されたものとしてART回数を加算表示する。もちろん、主制御回路71では、RT1遊技状態又はRT2遊技状態においてRT3移行リプ又はRT4移行リプが表示されたときに生成する信号と、R3遊技状態において特殊小役が入賞したときの信号とを同一の信号として生成するようにしてもよい。
ART中(RT遊技状態)の特殊小役の入賞を、ARTを開始して呼出装置に送信することで、ART中のゲーム数の上乗せによってARTでのゲーム数が長くなったときに、呼出装置に長くなったARTでのゲーム数(上乗せゲーム数が加算されたゲーム数)が表示されることを回避できる。そのため、上乗せによって長くなったARTでのゲーム数が表示される場合において生じていた問題、すなわち連荘のARTを初当たりARTであると誤解する問題を解消し、呼出装置に表示される履歴から、初当たりのARTであるか、又は連荘のARTであるかの判断を容易化することができる。
<副制御回路>
図8は、本実施の形態におけるパチスロ1の副制御回路72の構成を示す。
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ROM(以下、サブROM)82、RAM(以下、サブRAM)83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ87、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)88、オーディオRAM89、A/D変換器90及びアンプ91を含んで構成されている。
サブCPU81は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラム(後述の図76等)に従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。また、本実施の形態では、サブRAM83には後述のATセットカウンタ、連荘カウンタ、ストックカウンタ、ペナルティカウンタ、及びARTカウンタ等が設けられている。サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御し通信内容に基づいて演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための主基板通信タスクや、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御するアニメタスク、ランプ14による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ9L,9Rによる音の出力を制御するサウンド制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、副制御回路72には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ9L,9R、ランプ14、及びGODボタン46が接続されている。
サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファ86を含む)及びドライバ87は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5により表示する。
また、サブCPU81、DSP88、オーディオRAM89、A/D変換器90及びアンプ91は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ9L,9Rにより出力する。また、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ14の点灯及び消灯を行う。
[メインROMに記憶されているデータテーブルの構成]
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図9〜図23を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[停止操作位置と入賞役との関係]
図9に、内部当籤役と停止操作順序の別による入賞役(表示役)との関係を示す。
パチスロ1では、複数の役を同時に重複して内部当籤役として決定するとともに、内部当籤役として決定された役の重複態様により停止制御を異ならせることで、図9に示すように停止操作の順序により入賞する役を異ならせている。
例えば、当籤番号1では、左第1停止時(左中右・左右中)の押し順の場合には、上段リプレイ1〜9のいずれかが停止表示され、中第1停止あるいは右第1停止の場合には、RT0移行リプレイ1〜9のいずれかが停止表示される。
当籤番号2では、停止操作の順序を問わず、上段リプレイ1〜9のいずれかが停止表示され、当籤番号3では、停止操作の順序を問わず、中段リプレイ1〜27のいずれかが停止表示される。
当籤番号4〜7では、左第1停止時には、上段リプレイ1〜9及び中段リプレイ1〜27のいずれかが停止表示され、停止順序正解時にはRT2移行リプレイ1〜36のいずれかが停止表示され、左第1停止以外の停止順序不正解時には、RT0移行リプレイ1〜9のいずれかが停止表示される。
当籤番号8〜13は、RT3へ移行するRT3移行リプレイを当籤役として含む場合に相当する。
当籤番号8〜11では、停止順序正解時にはRT3移行リプレイ1〜3のいずれかが停止表示され、停止順序不正解時には、RT0移行リプレイ1〜9のいずれかが停止表示される。ここで、RT3移行リプレイが停止表示した場合、ARTに移行した旨が外部端子板17を介して呼出装置(外部機器18)等に出力される。
当籤番号12では、左第1停止時には、RT1移行リプレイ1〜27のいずれかが停止表示され、左第1停止以外の停止操作順序の場合には、中段リプレイ1〜27及びRT3移行リプレイ1〜3のいずれかが停止表示される。
当籤番号13では、停止操作の順序を問わず、RT3移行リプレイ1〜3のいずれかが停止表示される。このRT3移行リプレイ1〜3は、RT4遊技状態においてのみ当籤するものであり、RT4遊技状態においてRT3遊技状態への転落リプレイとなっている。
当籤番号14〜21は、RT4への移行が確定する赤7図柄揃いのリプレイが当籤役に含まれる場合に相当する。
当籤番号14〜18では、停止順序正解時には、RT4移行リプレイ1〜77のいずれかが停止表示され、停止順序不正解時には、RT2確定リプレイ1〜33、RT2移行リプレイ1〜36のうちの当籤番号に対応したRT2確定リプレイ又はRT2移行リプレイ又の中から押下位置に応じていずれかのRT2確定リプレイ又はRT2移行リプレイが停止表示される。ここで、RT4移行リプレイは、ARTのセット数上乗せに有利なRT4遊技状態に遊技状態を移行させる契機役である。このRT4移行リプレイは、押下位置に応じて、センターライン8に赤7図柄が揃い、あるいは他のRT4移行リプレイが停止表示されるものである。RT2移行リプレイ及びRT2確定リプレイは、RT3遊技状態に移行しやすいRT2遊技状態に移行する契機役である。RT2確定リプレイは、押下位置に応じて、センターライン8以外の非有効ラインに赤7図柄が揃うように図柄組合せが規定されている。
また、遊技状態がRT2遊技状態において、当籤番号14〜18に当籤した場合には、ATであることを条件に、赤7図柄揃いを入賞させるための押し順を高確率(例えば100%)で報知する。一方、当籤番号14〜18に当籤した場合には、図30(A)を参照して後述するように、リール演出としてのロックを行うか否かについて抽籤を行う。この場合、リール演出として特定のリールアクション(ロングロック)が選択された場合には、他の特典をさらに付与する。特定のリールアクションは、スタートレバー6の操作後にストップボタン7L,7C,7Rの操作を無効化する時間が相対的に長いリールのロックである。特典は、図39の条件コード18に示したように入賞履歴に基づくAT抽選である。ここで、特典を付与するのは、ATかつRT2遊技状態において、当籤番号14〜18に当籤し、特定のリールアクション(ロングロック)が選択された場合には、AT中であることにより赤7図柄揃いを入賞させるための押し順が報知されるため、特定のリールアクション(ロングロック)が選択されたときの報知という利益を得られないことから、この利益に対応する利益を遊技者に確保させるためである。
ART準備中(図37参照)における当籤番号14〜18のリプレイに当籤し、特定のリールアクションが選択されたことによる利益は、入賞履歴として「エメラルド」が表示されている間(例えば入賞履歴表示ゲーム数である5G間)の限定的な利益としてもよい。
当籤番号19〜21では、停止操作の順序を問わず、RT4移行リプレイ1〜92のうちの当籤番号に対応したRT4移行リプレイの中から押下位置に応じていずれかのRT4移行リプレイが停止表示される。
当籤番号22〜23では、停止操作の順序を問わず、特殊リプレイ1〜40のうちの当籤番号に対応した特殊リプレイの中から押下位置に応じていずれかの特殊リプレイが停止表示される。これらの特殊リプレイに入賞した場合、ARTでは液晶表示装置5の入賞履歴表示領域5cにおいて、入賞履歴として「エメラルド」が表示される。
ここで、入賞履歴として「エメラルド」が表示されている間(例えば入賞履歴表示ゲーム数である5G間)は、赤7図柄揃いの入賞可能性のある当籤番号14〜18のリプレイに当籤すると、特定のリール演出であるロングロックが選択されるとともに、より有利なRT4遊技状態へ移行させる赤7図柄揃いを入賞させるための正解の押し順が報知される。すなわち、入賞履歴としての「エメラルド」の表示期間は、正解の押し順の報知により赤7図柄揃の入賞可能性が高められるため、RT4遊技状態への移行する可能性も高められる。RT4遊技状態は、RT4移行リプレイの当籤確率が他の遊技状態よりも高く、RT4移行リプレイの当籤によりATに当籤する有利な遊技状態である。従って、「エメラルド」が表示されている間は、AT当籤率が高められたRT4遊技状態への移行のチャンスゾーン(以下「エメラルドチャンスゾーン」という)となる。
また、入賞履歴として「エメラルド」が表示されなくなった後(エメラルドチャンスゾーンの終了後)の所定ゲーム数の間(例えば25G)、チャンスゾーン(以下「継続チャンスゾーン」という)が継続する。この場合の継続チャンスゾーンは、エメラルドチャンスゾーンよりも期待値が低いが、エメラルドチャンスゾーンでも継続チャンスゾーンでもない非チャンスゾーンに比べて、期待値の高いものとして設定される。図30(A)を参照して後述するように、非チャンスゾーンでは、ロック演出の発生確率が所定確率(本実施形態では1/5)であり、そのうちの赤7図柄揃いを入賞させるための押し順報知の発生確率が特定確率(本実施形態では2/5)であるとした場合に、継続チャンスゾーンではロック演出の発生抽籤に当籤したときに特定確率(本実施形態では2/5)よりも高い確率(例えば100%)での押し順報知が発生する。
当籤番号24〜25では、押下位置を問わず特殊小役が停止表示される。特殊小役は、「GOD」図柄が揃う小役であり、AT当籤が確定する小役である(図43参照)。特殊小役に当籤した場合、図31(A)及び図31(B)を参照して後述するようにリール制御が特殊なものとされる。
なお、当籤番号25のクロスダウン特殊小役1〜3については、図31(B)を参照して後述するように、右第1停止かつ押下位置が図柄位置8のときのみ停止するが、報知とは関連性がないために図9には反映されていない。
当籤番号26では、停止操作の順序を問わず、単小役、クロスアップ小役1、クロスアップ小役2、クロスアップ小役3、クロスアップ小役4、クロスアップ小役5、及びクロスアップ小役6のいずれかが停止表示される。
当籤番号27では、停止操作の順序を問わず、中段小役1〜27のいずれかが停止表示される。
当籤番号28〜58は、黄色7の図柄が揃い得る押し順小役に当籤している場合に相当する。当籤番号28〜31では、左第1停止操作のとき(停止順序正解時)には、下段小役1〜9が停止表示され、当籤番号32〜40では、中第1停止操作のとき(停止順序正解時)には、中段小役1〜27が停止表示され、当籤番号41〜49では、右第1停止操作のとき(停止順序正解時)には、中段小役1〜27が停止表示され、当籤番号50〜58では、中第1停止操作又は右第1停止操作のとき(停止順序正解時)には、中段小役1〜27が停止表示される。
一方、当籤番号28〜58では、停止順序の不正解の場合、押下位置正解のときには下段小役1〜9、押し順2小役1〜9、押し順3小役1〜9のうち、当籤番号と押し順と押下位置に対応する小役が停止表示され、押下位置不正解のときにはRT作動図柄10〜24のうち、当籤番号と押し順と押下位置に対応するものが停止表示される。
ここで、図9において、「押下位置正解」とは、遊技者がストップボタン7L,7C,7Rを押した際のセンターライン8の図柄位置から最大滑り駒数である4駒の範囲内に、対象となる内部当籤役に係る図柄組合せを構成する図柄があり、その図柄を有効ライン(本実施形態ではセンターラインのみ)に停止可能であることをいう。
当籤番号59,60,61では、停止操作の順序を問わず、それぞれ押下位置正解で、一枚役1、一枚役2、及びSB(シングルボーナス)が停止表示される。押下位置不正解では、当籤番号59,60,61のいずれにおいても、メダルの払出のないハズレに対応する図柄組合せが停止表示される。
[図柄配置テーブル及び図柄コード表]
図10を参照して、図柄配置テーブル及び図柄コード表について説明する。
図柄配置テーブルは、各リール3L,3C,3Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓21L,21C,21R内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3L,3C,3Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓21L,21C,21Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
<図柄コード表>
図10に示した図柄コード表は、3つのリール3L,3C,3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを格納するものである。本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、「GOD」、「上半円」、「下半円」、「黄7−1」、「黄7−2」、「黄7−3」、「青7−1」、「青7−2」、「青7−3」、及び「赤7」の10種類である。
図柄コード表では、「GOD」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「上半円」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「下半円」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。「黄7−1」図柄(図柄コード4)に対しては、データとして「00000100」が割り当てられている。「黄7−2」図柄(図柄コード5)に対しては、データとして「00000101」が割り当てられている。「黄7−3」図柄(図柄コード6)に対しては、データとして「00000110」が割り当てられている。「青7−1」図柄(図柄コード7)に対しては、データとして「00000111」が割り当てられている。「青7−2」図柄(図柄コード8)に対しては、データとして「00001000」が割り当てられている。「青7−3」図柄(図柄コード9)に対しては、データとして「00001001」が割り当てられている。「赤7」図柄(図柄コード10)に対しては、データとして「00001010」が割り当てられている。
[内部抽籤テーブル]
図11〜図15を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。
パチスロ1では、内部抽籤テーブルとして、図11に示す一般遊技状態(RT0)用内部抽籤テーブル、図12に示すRT1用内部抽籤テーブル、図13に示すRT2用内部抽籤テーブル、図14に示すRT3用内部抽籤テーブル及び図15に示すRT4用内部抽籤テーブルを備えている。
これらの内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。尚、本実施形態では、当籤番号とデータポインタの数値とが一致しており、ハズレの場合にはデータポインタの数値は「0」とされている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。なお、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。なお、図中特に表記しない場合は、抽籤範囲は「0〜65535」、すなわち、確率分母は「65536」である。
本実施の形態では、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
具体的には、図11に示した一般遊技状態(RT0)用内部抽籤テーブルでは、リプレイとして当籤番号1のリプレイのみしか当籤しない(当籤番号2〜23のリプレイの抽籤値が「0」)のに対して、RT1〜RT4遊技状態では当籤番号1のリプレイの抽籤値が「0」であり、当籤番号1のリプレイには当籤しない。
図12に示したRT1遊技状態用内部抽籤テーブルでは、リプレイとしては当籤番号3〜7,14〜19に振り分けがある。
当籤番号3は、押し順不問で、中段リプレイ1〜27のいずれかを表示させる当籤番号である。
当籤番号4〜7は、左第1停止以外、且つ押し順が正解である場合に、RT2移行リプレイを表示させる当籤番号である。RT2移行リプレイが表示されることにより、遊技状態がRT2遊技状態に移行される。このRT1遊技状態用内部抽籤テーブルでは、RT2移行リプレイの当籤確率が他の遊技状態よりも高確率とされている。なお、RT2遊技状態は、ATであることを条件に、RT3遊技状態に移行するためのナビが行われる中途遊技状態である。
当籤番号14は、押し順正解でRT4移行リプレイを表示させ、押し順不正解でRT2移行リプレイを表示させる当籤番号である。遊技状態は、RT4移行リプレイが表示されることによりRT4遊技状態に移行され、RT2移行リプレイが表示されることによりRT2遊技状態に移行される。RT2遊技状態は先に説明した通りである、RT4遊技状態は、ATのセット数上乗せにおいて当籤確率が有利であるART遊技状態(EG)(図37参照)に対応するものである。
当籤番号15〜18は、押し順正解でRT4移行リプレイを表示させ、押し順不正解でRT2移行リプレイ又はRT確定リプレイを表示させ、あるいは非有効ラインにRT4移行リプレイに含まれる図柄組合せ(赤7・赤7・赤7)を表示させる当籤番号である。RT4移行リプレイ及びRT2移行リプレイは、先に説明した通りである。RT2確定リプレイは、RT4移行リプレイの表示させることが可能であり、RT4移行リプレイを表示させることができないときにRT2移行リプレイを表示させることができる。遊技状態は、RT4移行リプレイが表示されることによりRT4遊技状態に移行され、RT2移行リプレイが表示されることによりRT2遊技状態に移行される。RT2遊技状態及びRT4遊技状態は先に説明した通りである、
当籤番号19は、RT4遊技状態に移行させるRT4移行リプ1〜92を、押し順不問で表示させる当籤番号である。RT4移行リプ1〜92は、図柄組合せとして赤7図柄揃いが表示されるRT4移行リプ74(図21参照)を含んでいる。そのため、当籤番号19に当籤した場合には、図柄組合せとして赤7図柄揃いが表示される可能性がある。
図13に示したRT2遊技状態用内部抽籤テーブルでは、当籤番号8〜11,19〜21のリプレイに振り分けがある。
当籤番号8〜11は、左第1停止以外、且つ押し順正解でRT3移行リプレイを表示させる当籤番号である。遊技状態は、RT3移行リプレイが表示されることにより、RT3遊技状態に移行される。このRT2遊技状態用内部抽籤テーブルでは、RT3遊技状態に移行させるRT3移行リプレイの当籤確率が他のRT遊技状態よりも高くされており、RT3遊技状態に移行しやすくなっている。
当籤番号19〜21は、RT4遊技状態に移行させるRT4移行リプを、押し順不問で表示させる当籤番号である。当籤番号19〜21で規定されたRT4移行リプは、それぞれ図柄組合せとして赤7図柄揃いが表示されるRT4移行リプ74(図21参照)を含んでいる。そのため、当籤番号19〜21に当籤した場合には、図柄組合せとして赤7図柄揃いが表示される可能性がある。RT2遊技状態用内部抽籤テーブルでは、RT1遊技状態用内部抽籤テーブルよりも赤7図柄揃いの可能性がある当籤番号19〜21に当籤しやすくなっている。
図14に示したRT3遊技状態用内部抽籤テーブルでは、当籤番号2,3,12,19〜21のリプレイに振り分けがある。
当籤番号2,3は、押し順不問でリプレイを表示させる当籤番号であり、その入賞によっても遊技状態の移行が発生しないものである。当籤番号2は、上段リプレイ1〜9のいずれかを停止表示させる当籤番号である。当籤番号3は、中段リプレイ1〜27のいずれかを停止表示させる当籤番号であり、シンボルパターンテーブルBが選択されるときには、後述する維持リプレイと同様に、液晶表示装置5の入賞履歴表示領域5cにシンボルパターンとして「白羽根」が表示されるものである。
当籤番号12は、左第1停止でRT1移行リプレイ1〜27のいずれかのリプレイ(転落リプレイ)を入賞させ、左第1停止以外で中段リプレイ1〜27、RT3移行リプレイ1〜3のいずれかのリプレイ(転落回避の維持リプレイ)を入賞させる当籤番号である。すなわち、ART(RT3遊技状態)では、当籤番号12に当籤した場合には、転落回避の維持リプレイであるRT1移行リプレイの入賞を回避するための押し順(左第1停止以外)が報知され、RT3遊技状態を維持するための維持リプレイを入賞させることが促される。これにより、ART(RT3遊技状態)では、RT3遊技状態からRT1遊技状態への転落を回避することが可能となる。また、転落回避の維持リプレイが入賞した場合には、シンボルパターンテーブルBが選択されるときには、液晶表示装置5の入賞履歴表示領域5cにシンボルパターンとして「白羽根」が表示される。
当籤番号19〜21は、RT4遊技状態に移行させるRT4移行リプを、押し順不問で表示させる当籤番号である。当籤番号19〜21で規定されたRT4移行リプは、それぞれ図柄組合せとして赤7図柄揃いが表示されるRT4移行リプ74(図21参照)を含んでいる。そのため、当籤番号19〜21に当籤した場合には、図柄組合せとして赤7図柄揃いが表示される可能性がある。RT3遊技状態用内部抽籤テーブルでは、RT2遊技状態用内部抽籤テーブルよりも格段に赤7図柄揃いの可能性がある当籤番号19〜21に当籤しやすくなっている。すなわち、ART(RT3遊技状態)において、赤7図柄揃いによるARTのセット数上乗せに期待の持てるものとなっている。
図15に示したRT4遊技状態用内部抽籤テーブルでは、リプレイとして当籤番号2,3,13,19〜23に振り分けがある。
当籤番号2,3は、押し順不問のリプレイを入賞させる当籤番号であり遊技状態の移行を伴うものではないが、当籤番号13はRT3遊技状態へ移行させる、いわゆる転落リプレイを入賞させるものである。
当籤番号19〜21は、RT4遊技状態に移行させるRT4移行リプを、押し順不問で表示させる当籤番号である。当籤番号19〜21で規定されたRT4移行リプは、それぞれ図柄組合せとして赤7図柄揃いが表示されるRT4移行リプ74(図21参照)を含んでいる。そのため、当籤番号19〜21に当籤した場合には、図柄組合せとして赤7図柄揃いが表示される可能性がある。RT4遊技状態用内部抽籤テーブルでは、他の遊技状態に比べて格段に赤7図柄揃いの可能性がある当籤番号19〜21に当籤しやすくなっている。すなわち、RT4遊技状態では、RT3遊技状態への転落リプレイに入賞するまでの間は、赤7図柄揃いによるARTのセット数上乗せに大きな期待の持てるものとなっている。
当籤番号22,23は、赤7図柄不揃いのフェイクリプレイ(特殊リプレイ)を入賞させる当籤番号であり、押下位置の正解により赤7図柄揃いのテンパイとなるものである。この赤7図柄不揃いのフェイクリプレイの存在により、RT4遊技状態において、赤7図柄揃いに対する期待、すなわちARTのセット数上乗せへの期待を持たせることが可能となって、遊技性が向上する。
[内部当籤役決定テーブル]
図16を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
内部当籤役は、入賞ラインに沿って表示を許可する各リール3L,3C,3Rの図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。なお、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
[図柄組合せテーブル]
図17〜図23を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。ここで、図17はシングルボーナス(SB)に対応する図柄組合せテーブルを示し、図18〜図21はリプレイに対応する図柄組合せテーブルを示し、図22は小役に対応する図柄組合せテーブルを示し、図23はRT作動図柄に対応する図柄組合せテーブルを示す。
本実施の形態では、有効ラインに沿って各リール3L,3C,3Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、リプレイタイム(RT)の作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、格納領域種別と、払出枚数を示すデータと、を規定している。表示役は、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。格納領域種別は、表示役を格納する後述の表示役格納領域をメインCPU31が識別するために設けられたデータである。表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役として特殊小役、クロスダウン特殊小役、クロスアップ小役1〜6、単小役、中段小役1〜27、下段小役1〜9、押し順2小役1〜9、押し順3小役1〜9、一枚役1及び一枚役2のいずれかが決定されたときメダルの払い出しが行われる(以下、メダルの払い出しが行われる役を総称して「全小役」とする場合がある)。なお、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、予め定められた上限を限度に払い出される。
各表示役のメダルの払出枚数は、図22に示すように特殊小役及びクロスダウン特殊小役が14枚であり、クロスアップ小役1〜6、単小役、中段小役1〜27、下段小役1〜9、押し順2小役1〜9、及び押し順3小役1〜9が15枚であり、一枚役1及び一枚役2が1枚である。
ここで、特殊小役及びクロスダウン特殊小役は、ART(RT3遊技状態)のセット数が加算される当籤役であるが、その払出枚数は14枚であり、他の小役とは払出枚数が異なっている。そのため、外部端子板17を介してホールコンピュータ18等に小役の払出枚数を出力するようにすれば、ARTのセット数が加算される特殊小役に入賞したか否かを事後的に確認することが可能となる。これにより、不正行為により遊技者がART(RT3遊技状態)に遊技状態を移行させた場合には、不正行為であることを確認することができ、また遊技者から特殊小役に入賞したにも拘わらずART(RT3遊技状態)に移行しなかったとのクレームがあった場合にも、実際に特殊小役に入賞したか否かを確認することが可能となる。その結果、不正行為の発見が容易となるばかりか、遊技者のクレームに対して適切に対応することが可能となる。
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。なお、表示役として決定されたリプレイの種別に応じて、リプレイタイムの作動や終了が行われることは上述の通りである。また、表示役としてRT作動図柄が決定されたとき、リプレイタイムの作動(RT1遊技状態)が行われる。
[メインRAMに設けられる格納領域の構成]
次に、図24〜図29を参照して、メインRAM33に設けられている各種格納領域の構成について説明する。なお、各種格納領域は、メインRAM33に設けるとともにサブRAM83にも設けることとしてもよい。
[内部当籤役格納領域]
図24は、内部当籤役(当たり要求フラグ)を示すデータが格納される内部当籤役格納領域1〜内部当籤役格納領域45を示す。これらの内部当籤役格納領域1〜45の各々の格納領域の大きさは1バイトである。したがって、内部当籤役格納領域1〜45の全体の大きさは45バイトである。内部抽籤処理において決定された内部当籤役は対応する領域に格納される。図示した例では、各内部当籤役格納領域1〜45に格納される内容(内部当籤役)は、図16に示す内部当籤役決定テーブルにおいて、データ(格納領域種別)として規定されている。
図示した内部当籤役格納領域では、内部当籤役格納領域2〜44の図示は省略されているが、内部当籤役格納領域1のビット0はシングルボーナス(SB)に対応し、内部当籤役格納領域45のビット0〜2は押し順2小役9、一枚役1、及び一枚役2に対応している。本実施の形態では、内部当籤役格納領域1のビット1〜7は未使用になっており、内部当籤役格納領域45のビット3〜7は余りのビットである。
[図柄コード格納領域]
図25は、図柄コード格納領域を示すデータが格納される図柄コード格納領域1〜図柄コード格納領域48を示す。これらの図柄コード格納領域1〜48の各々の格納領域の大きさは1バイトであり、格納領域全体の大きさは45バイトである。図柄コード格納領域には、回転中のリールにおいて入賞可能な役を示すデータが格納される。例えば、リール3L,3C,3Rの全てが回転中の場合には、全ての役が入賞可能であるため、図柄コード格納領域の対応するビットの全てに「1」が格納される。その後、左のリール3Lが停止(リール3C,3Rは回転)した場合には、左のリール3Lの停止に伴い入賞不可能となった役に対応するビットが「0」に更新される。
図示した図柄コード格納領域では、図柄コード格納領域1のビット0はシングルボーナス(SB)に対応し、図柄コード格納領域48のビット0〜7はRT作動図柄17〜24に対応している。本実施の形態では、図柄コード格納領域1のビット1〜7は未使用になっている。図25において、図柄コード格納領域2〜47の内容は省略されているが、これらの格納領域2〜27に格納される内容は、図18〜図23に示した図柄組合せテーブルの格納領域種別において規定された通りである。
[表示役格納領域]
図26は、表示役(入賞作動フラグ)を示すデータが格納される表示役格納領域1〜表示役格納領域48を示す。これらの表示役格納領域1〜48の各々の格納領域の大きさは1バイトであり、格納領域全体の大きさは48バイトである。表示役格納領域には、図柄コード格納領域の値がそのまま反映される。そのため、表示役格納領域は、リール3L,3C,3Rが停止するたびに更新される。表示役格納領域の値は、リール3L,3C,3Rの全てが停止した際に、メインCPU31が表示役を識別するために用いられる。
図示した表示役格納領域では、図柄コード格納領域2〜47の図示は省略されているが、図柄コード格納領域1のビット0はシングルボーナス(SB)リプレイに対応し、表示役格納領域48のビット0〜7はRT作動図柄17〜24に対応している。本実施の形態では、表示役格納領域1のビット1〜7は未使用になっている。
[押下順序格納領域]
図27は、停止操作の順序を示すデータが格納される押下順序格納領域を示す。この押下順序格納領域は、大きさがビット0からビット7からなる1バイトであり、ビット0は押下順序が「左→中→右」に、ビット1は押下順序が「左→右→中」に、ビット2は押下順序が「中→左→右」に、ビット3は押下順序が「中→右→左」に、ビット4は押下順序が「右→左→中」に、ビット5は押下順序が「右→中→左」に、それぞれ対応している。本実施の形態では、押下順序格納領域のビット6,7は未使用になっている。
図示した押下順序格納領域では、第1停止操作に左のストップボタン7Lが操作された場合には、ビット0及びビット1に「1」が格納される。その後、第2停止操作として中のストップボタン7Cが操作されると、「1」が格納されているビット0及びビット1のうち、ビット1を「0」に更新し、ビット0を「1」のまま維持する。他の押下順序についても同様であり、第3停止後にはビット0〜5のいずれか1つのみに「1」が格納される。すなわち、押下順序格納領域では、「1」が格納されているビットを検索することにより、6種類の押下順序から当該ゲームの押下順序を特定することができる。
[作動ストップボタン格納領域]
図28は、今回押されたストップボタン7L,7C,7Rである作動ストップボタンの他、押下操作が有効なストップボタン7L,7C,7Rである有効ストップボタンを示すデータも格納される作動ストップボタン格納領域を示す。この作動ストップボタン格納領域は、大きさがビット0からビット7からなる1バイトであり、ビット0は「左ストップボタン操作」に、ビット1は「中ストップボタン操作」に、ビット2は「右ストップボタン操作」に、ビット4は「左ストップボタン操作有効」に、ビット5は「中ストップボタン操作有効」に、ビット6は「右ストップボタン操作有効」に、それぞれ対応している。本実施の形態では、作動ストップボタン格納領域のビット3,7は未使用になっている。
図示した作動ストップボタン格納領域では、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域のビット0〜2に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタン7L,7C,7Rを識別し、作動ストップボタン格納領域のビット4〜6に格納されているデータに基づいて、未だ押されていないストップボタン7L,7C,7Rを識別する。
[遊技状態フラグ格納領域]
図29は、遊技状態を示すデータが格納される遊技状態フラグ格納領域を示す。この遊技状態フラグ格納領域は、大きさがビット0からビット7からなる1バイトであり、ビット0はSB遊技状態に、ビット1はRT1遊技状態に、ビット2はRT2遊技状態に、ビット3はRT3遊技状態に、ビット4はRT4遊技状態にそれぞれ対応している。本実施の形態では、遊技状態フラグ格納領域のビット5〜7は未使用になっている。
遊技状態フラグの値は、メインCPU31が現在の遊技状態を識別するために用いられる。例えば、現在の遊技状態がRT1遊技状態である場合には、遊技状態フラグ格納領域のビット1に「1」が格納される。なお、遊技状態フラグ格納領域の全てのビットが「0」のときは、メインCPU31は、現在の遊技状態を一般遊技状態(RT0遊技状態)と識別する。
[リール制御に用いる各種テーブル]
続いて、図30〜図35にリールアクションやリール停止制御等のリール制御に用いる各種テーブルを示す。これらのテーブルに基づいてリール制御を行うことで、詳細は後述するが、ロック等のリール3L,3C,3Rのアクション、特殊小役当籤時の滑り制御、及び図9に示す内部当籤役と停止操作順序の別による入賞役(表示役)との関係が実現される。
[ロック抽籤テーブル]
図30(A)に示したロック抽籤テーブルは、当籤番号14〜18に当籤したときに、リール3L,3C,3Rのショートロック又はロングロックを実行するか否かを抽籤するために参照されるテーブルである。当籤番号14〜18は、内部当籤役がRT4移行リプレイ、RT2確定リプレイ、及びRT2移行リプレイである。
ロック抽籤では、まずロックの種別が抽籤される。ロックの種別は、非当籤、ショートロック、及びロングロックである。ショートロック又はロングロックは、予め規定された操作無効時間(ストップボタン7L,7C,7Rの操作が無効化される時間)及び無効時間中に行うリールアクションを含んでいる。ショートロック及びロングロックの違いは、操作無効時間の長短である。ショートロックとロングロックとの操作無効時間は通常時よりも長く、ショートロックとロングロックとの違いは、基本的に操作無効時間の長短である。ショートロックとロングロックとのストップボタン7L,7C,7Rの操作無効時間の比は、本実施形態では1:2、具体的にはショートロックの操作無効時間は約1.25秒に設定され、ロングロックの操作無効時間は約2.5秒に設定される。ショートロック及びロングロックにおけるリールアクションは、同一であっても異なっていてもよい。リールアクションとしては、リール3L,3C,3Rのスロー回転が採用される。もちろん、スロー回転以外のリールアクション、例えば高速回転、逆回転などを採用することもできる。本実施形態では、ロングロックのときのリールアクションとしてスロー回転が採用され、ショートロックのときのリールアクションとして通常回転が採用される。
図示したロック抽籤テーブルでは、液晶表示装置5の入賞履歴表示領域5cにエメラルドのシンボルパターンが表示されていないときには(履歴なし)、1/5の確率でロック演出に当籤する。ロック演出が選択された場合、ショートとロングの比率は、60:40である。ロングロックが選択された場合、RT4移行リプレイを入賞させるための押し順が報知される。また、AT中(ART準備中及びART中)(図37参照)にロングロックを選択した場合には、ARTのセット数上乗せが行われる。
液晶表示装置5の入賞履歴表示領域5cにエメラルドのシンボルパターンが表示されているとき(エメラルド後1〜5G)、すなわちエメラルドが表示されてからの5ゲームの間であるチャンスゾーンでは、当籤番号14〜18を選択したときには100%の確率でロングロックが選択される。
入賞履歴表示領域5cにおけるエメラルドのシンボルパターンの表示が無くなってから25ゲームの間の継続チャンスゾーン(エメラルド表示開始後6〜30G)では、当籤番号14〜18を選択したときには1/5の確率でロック演出に当籤する。この継続チャンスゾーンでは、ロングロックしか選択されない。すなわち、継続チャンスゾーンでは、当籤番号14〜18を選択したときには、RT4移行リプレイを入賞させるための押し順が報知される。このように、継続チャンスゾーンでは、RT4移行リプレイが入賞しやすくなって、ARTのセット数上乗せに有利なART(EG)(図37参照)に移行しやすくなっている。
ここで、入賞履歴表示領域5cへのエメラルドのシンボルパターンの表示後において、チャンスゾーンのゲーム数及び継続チャンスゾーンのゲーム数のカウントは個別に行うのではなく、纏めて行われる。ずなわち、入賞履歴表示領域5cへのエメラルドのシンボルパターンを表示するための対象役の当籤時にゲーム数カウントとして30がセットされる。ゲーム数カウントが0になる前にエメラルドのシンボルパターンを表示するための対象役の当籤した場合には、再びゲーム数カウントとして30がセットされる。
なお、液晶表示装置5において、チャンスゾーンあるいは継続チャンスゾーンである旨を表示し、また残りゲーム数を表示するようにしてもよい。
図30(B)に示したロック抽籤テーブルは、当籤番号24,25に当籤したときに、リール3L,3C,3Rのフリーズを実行するか否かを抽籤するために参照されるテーブルである。当籤番号24,25は、内部当籤役が特殊小役(クロスダウン特殊小役を含む)であるため、ART(図37参照)への移行が確定する。そのため、フリーズは、当籤番号24,25の内部当籤によるARTへの移行時の演出という側面を有している。図示したロック抽籤テーブルでは、当籤番号24,25の内部当籤したときの1/5の確率でフリーズに当籤する。
フリーズは、例えばスタートレバー6の操作後、ショートロックやロングロックよりも長時間、ストップボタン7L,7C,7Rの操作無効状態が継続する演出である。フリーズにおけるストップボタン7L,7C,7Rの操作無効時間は、例えばショートロックの4倍程度、ロングロックの2倍程度に設定され、本実施形態では約5秒に設定される。
[特殊小役当籤時の第1停止用停止テーブル]
図31(A)及び図31(B)は、当籤番号24,25の特殊小役当籤時の第1停止用停止テーブルである。
図31(A)に示したように、特殊小役当籤時には、左リール3Lを第1停止とした場合、当籤番号24の特殊小役では、図柄位置データ「4」の「GOD図柄」が中段に位置するタイミングでストップボタン7Lを操作したときには、図柄位置データ「4」の「GOD図柄」が中段にビタ止まり(0駒滑り)する一方で、当籤番号25の特殊小役では、3駒滑りで図柄位置データ「7」の「GOD図柄」が中段に停止する。
このように、本実施の形態では、特殊小役当籤時に左リール3Lを第1停止として図柄位置データ「4」の「GOD図柄」を中段にビタ押しした場合には、当籤番号に応じて、ビタ止まり又は3駒滑りとなるリール制御なっている。そのため、目押しの得意な遊技者からすれば、目押しにより独特のリール制御を楽しむことができるになるために遊技性が向上する。
図31(B)に示したように、特殊小役当籤時には、右リール3Rを第1停止とした場合、当籤番号24の特殊小役では、4駒滑りで図柄位置データ「12」の「GOD図柄」が中段に停止する一方で、当籤番号25の特殊小役では、図柄位置データ「8」の「下半円図柄」が中段(図柄位置データ「7」の「GOD図柄」が下段)に位置するタイミングでストップボタン7Rを操作したときには、図柄位置データ「8」の「下半円図柄」が中段(図柄位置データ「7」の「GOD図柄」が下段)にビタ止まり(0駒滑り)する。図面上省略されているが、右リール3Rを第1停止して図柄位置データ「7」の「GOD図柄」が下段に停止させた場合には、クロスダウンのラインに沿って「GOD図柄」が停止する。
このように、本実施の形態では、特殊小役当籤時に右リール3Rを第1停止として図柄位置データ「8」の「GOD図柄」を中段(図柄位置データ「7」の「GOD図柄」が下段)にビタ押しした場合には、当籤番号に応じて、ビタ止まり又は4駒滑りとなるリール制御なっているとともに右リール3Rの下段に「GOD図柄」が停止し得る。そのため、目押しの得意な遊技者からすれば、目押しにより独特のリール制御、通常のGOD揃いとは異なるラインにGOD図柄を揃えることができるため、目押しにより遊技性が向上する。
[引込優先順位データ格納領域]
図32は、各図柄位置データに対応して優先引込順位データが格納される引込優先順位データ格納領域を示す。引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域、及び右リール用引込優先順位データ格納領域により構成される。各引込優先順位データ格納領域は、当該引込優先順位データ格納領域に対応するリール3L,3C,3Rの図柄位置データのそれぞれについて、優先引込順位データを格納する。優先引込順位データは、一の図柄位置データに位置する図柄がセンターラインの位置で表示された場合に、何れの表示役に係る図柄の組合せ又はその一部が入賞ラインに沿って表示されるかを示すデータである。
[優先順序テーブル]
図33を参照して、メインCPU31が滑り駒数を取得するときに用いる優先順序テーブルについて説明する。
優先順序テーブルは、滑り駒数決定データと優先順序とに対応して、滑り駒数を示す情報を規定している。例えば、滑り駒数決定データが「0」である場合には、メインCPU31は、優先順序テーブルを参照して、滑り駒数決定データ「0」と優先順序「5」とに対応する滑り駒数として「3」を取得し、これが適切な滑り駒数であるか否かを判別し、次いで、優先順序「4」〜優先順序「1」の順で、同様に判別する。なお、このように優先順序「5」に対応する滑り駒数が最も先に適切か否かを判別し、優先順序「1」に対応する滑り駒数が適切か否かを最も後に判別するようにしたのは、基本的に、優先順序「1」が最も優先的に滑り駒数として決定されるようにしているからである。
[回胴停止初期設定テーブル]
図34を参照して、回胴停止初期設定テーブルについて説明する。回胴停止初期設定テーブルは、データポインタに対応する回胴停止用番号に対応付けて、停止制御に用いる各種情報(引込優先順位テーブル選択テーブル番号、引込優先順位テーブル番号、左第1停止用停止テーブル番号、左第1停止後停止テーブル番号、左第1停止後停止データテーブル番号、ランダム用停止データテーブル番号、及び変更ステータス)を規定している。引込優先順位テーブル番号とは、回転中のリール3L,3C,3Rに配された図柄のうち表示してよい図柄(内部当籤役として決定されている役に対応する図柄)であるか否かの判別を図柄位置「0」〜「20」毎に行うための引込優先順位テーブルを判別するための情報である。また、引込優先順位テーブル選択テーブル番号は、この引込優先順位テーブル番号を停止操作の順序に応じて決定するための情報である(図36参照)。
[引込優先順位テーブル選択テーブル]
図35に示した引込優先順位テーブル選択テーブルは、停止操作の順序に応じて引込優先順位テーブルを選択するためのテーブルであり、引込優先順位テーブル選択テーブル番号毎に引込優先順位テーブル番号の情報を規定している。
本実施形態では、引込優先順位テーブルは省略するが、この引込優先順位テーブルは役毎に優先順位が規定されるテーブルであり、テーブル毎に優先される役が異なっている。
図示した引込優先順位テーブル選択テーブルでは、引込優先順位テーブル選択テーブル番号が「00」、第1停止操作が左リール3Lの場合には、引込優先順位テーブル番号「00」の引込優先順位テーブルが選択され、このテーブルでは上段リプレイが優先される。また、引込優先順位テーブル選択テーブル番号が「00」、第1停止操作が中リール3Cの場合には、引込優先順位テーブル番号「01」の引込優先順位テーブルが選択され、このテーブルではRT0移行リプレイが優先される。
[サブROMに記憶されているデータテーブルの構成]
次に、図36〜図61を参照して、サブROM82に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[シンボルパターン選択テーブル]
図36に示したシンボルパターン選択テーブルは、図38に示したシンボルパターンテーブルA,Bのいずれかを選択するためのものである。このシンボルパターン選択テーブルでは、メインRT遊技状態の種類と、サブ状態の種類とによって、いずれのシンボルパターンテーブルが選択されるかが規定されている。
シンボルパターンテーブルは、図38を参照して後述するように、液晶表示装置5の入賞履歴表示領域5cに表示されるシンボルパターンを規定するものである。
メインRT遊技状態の種類は、当該単位遊技の開始時の状態であり、上述のように、RT0遊技状態(一般遊技状態)、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、及びRT4遊技状態を含んでいる。
サブ状態は、当該単位遊技の終了時の状態であり、図37に示した「通常」、「G−ZONE」、「ART準備中」、「ART」、及び「ART(EG)」を含んでいる。
「通常」は、非ATであって、「G−ZONE」、「ART準備中」、「ART」、及び「ART(EG)」のいずれにも該当しない期間である。この「通常」は、理論的には最も滞在期間が長く、遊技者に不利な期間である。
「G−ZONE」は、「G−ZONE(A)」と「G−ZONE(5)」を含んでいる。
「G−ZONE(A)」は、非ARTであって、ARTカウンタが「0」となってからRT1移行リプレイ又はRT作動図柄が表示されるまでの間である。
「G−ZONE(5)」は、非ATであって、基本的にはG−ZONE(A)から移行して5ゲームの間であるが、RT3移行リプレイが表示された場合には、G−ZONE(A)から移行してからRT3移行リプレイまでの間である。
「ART準備中」は、ART(RT3遊技状態)に移行するまでのAT(リプレイの正解押し順の報知が行われる期間)である。
「ART」は、ART準備中又はART(EG)においてRT3移行リプレイに入賞したときに移行するRT3遊技状態であって、小役を入賞させ、転落リプレイの入賞を回避するために押し順の報知が発生するATである。このARTでは、ARTカウンタが1以上であることが条件であり、ARTカウンタは単位ゲームが消化される度に減算される。
「ART(EG)」は、RT4移行リプレイに入賞したときに移行するARTのセット数上乗せに有利な期間であり、押し順の報知が発生する期間である。このART(EG)では、単位遊技の消化によってもARTカウンタは減算されない。
図示したシンボルパターン選択テーブルでは、シンボルパターンテーブルAは、メイン状態がRT0遊技状態又はRT1遊技状態で、サブ状態が通常又はG−ZONEのときに選択される。
一方、シンボルパターンテーブルBは、メイン状態がRT0遊技状態又はRT1遊技状態で、サブ状態がART準備中又はARTのとき、メイン状態がRT2遊技状態で、サブ状態が通常、G−ZONE、ART準備中又はARTのとき、メイン状態がRT3遊技状態で、サブ状態が通常、G−ZONE、又はARTのとき、メイン状態がRT4遊技状態で、サブ状態が通常、G−ZONE、又はART(EG)のときに選択される。
[シンボルパターンテーブル]
図38に示したシンボルパターンテーブルは、液晶表示装置5の履歴入賞表示領域5cに表示させるシンボルパターンについて、履歴コード毎にシンボルパターンテーブルA,Bのそれぞれについて規定したものである。
履歴コード1に対応する15枚小役入賞では、シンボルパターンテーブルAが選択されているときにはシンボルパターンとして「黄7」が選択され、シンボルパターンテーブルBが選択されているときにはシンボルパターンとして「黄羽根」が選択される。
履歴コード2に対応するリプレイ入賞(履歴コード5のRT4移行リプレイ、履歴コード4の特殊リプレイ、及び履歴コード3の白羽根対象リプレイを除く)では、シンボルパターンテーブルAが選択されているときにはシンボルパターンとして「青7」が選択され、シンボルパターンテーブルBが選択されているときにはシンボルパターンとして「青羽根」が選択される。なお、履歴コード2に対応するリプレイを、適宜「通常リプレイ」と称する。
履歴コード3に対応する白羽根対象リプレイ入賞では、シンボルパターンテーブルAが選択されているときにはシンボルパターンとして「青7」が選択され、シンボルパターンテーブルBが選択されているときにはシンボルパターンとして「白羽根」が選択される。
白羽根対象リプレイは、遊技開始時においてARTであるときに、RT3遊技状態からRT1遊技状態への転落を回避する転落回避リプレイ、RT3遊技状態中のG−ZONEへの転落リプレイ、及び当籤番号2の押し順不問の中段リプレイである。転落回避リプレイは、図14に示すRT3遊技状態用内部抽籤テーブルの当籤番号12の中段リプレイ1〜27及びRT3移行リプレイ1〜3である。転落リプレイは、図14に示すRT3遊技状態用内部抽籤テーブルの当籤番号12のRT1移行リプレイ1〜27である。
履歴コード4に対応するシングルボーナス(SB)当籤、特殊リプレイ当籤、一枚役1当籤、及び一枚役2当籤では、シンボルパターンテーブルA,Bのいずれでもシンボルパターンとして「エメラルド」が選択される。
履歴コード5に対応するRT4移行リプレイ入賞では、シンボルパターンテーブルA,Bのいずれでもシンボルパターンとして「赤7」が選択される。
履歴コード6に対応する特殊小役入賞では、シンボルパターンテーブルA,Bのいずれでもシンボルパターンとして「GOD」が選択される。
[条件コードテーブル]
図39に示す条件コードテーブルは、条件コードの内容を規定したものである。条件コードは、図40に示す入賞履歴用AT抽籤テーブルにおいて参照されるものであり、入賞履歴に基づいてAT抽籤を行うための条件を満たすときの分類コードである。
図示した条件コードテーブルでは、条件コード1はシンボルパターンとして青7が3連続で表示された時、条件コード2はシンボルパターンとして青7が4連続で表示された時、条件コード3はシンボルパターンとして青7が5連続で表示された時に対応している。すなわち、条件コード1〜3は、シンボルパターンテーブルAが選択されている場合において、通常リプレイが3ゲーム以上連続して入賞したときのコードに対応している。
ここで、条件コード1〜3は同時に成立せずに個別に単独で成立し、条件コード3、条件コード2、条件コード1の順に優先適用される。すなわち、条件コード3は、シンボルパターンとしての青7が5個連続で液晶表示装置5の入賞履歴表示領域5cに表示されることが条件であるため、条件コードとしては、形式的に条件コード1,2の条件を同時に満たすものである。しかしながら、本実施形態では、条件コード3が成立するときには、条件コード3が優先適用され、条件コード1,2は同時に成立しない。同様に、条件コード2が成立するときには、条件コード2が優先適用され、条件コード1は同時に成立しない。
条件コード4はシンボルパターンとして黄7が3連続で表示された時、条件コード5はシンボルパターンとして黄7が4連続で表示された時、条件コード6はシンボルパターンとして黄7が5連続で表示された時に対応している。すなわち、条件コード4〜6は、シンボルパターンテーブルAが選択されている場合において、14枚小役が3ゲーム以上連続して入賞したときのコードに対応している。
ここで、条件コード4〜6は同時に成立せずに個別に単独で成立し、条件コード6、条件コード5、条件コード4の順に優先適用される。すなわち、条件コード6が成立するときには、条件コード6が優先適用され、条件コード4,5は同時に成立しない。同様に、条件コード5が成立するときには、条件コード5が優先適用され、条件コード4は同時に成立しない。
条件コード7は、シンボルパターンとしての黄羽根が液晶表示装置5の入賞履歴表示領域5cに5連続で表示されたときのコードに対応している。すなわち、条件コード7は、シンボルパターンテーブルBが選択されている場合において、14枚小役が5ゲーム連続して入賞したときのコードに対応している。
条件コード8はシンボルパターンとしてエメラルドが入賞履歴表示領域5cに2個表示された時、条件コード9はシンボルパターンとしてエメラルドが入賞履歴表示領域5c3個表示された時、条件コード10はシンボルパターンとしてエメラルドが入賞履歴表示領域5cに4個表示された時、条件コード11はシンボルパターンとしてエメラルドが入賞履歴表示領域5cに5個表示された時に対応している。すなわち、条件コード8〜11は、シンボルパターンテーブルA,Bのいずれが選択されているかを問わず、5ゲーム内において、シングルボーナス(SB)、特殊リプレイ、一枚役1、又は一枚役2に2回以上内部当籤したときのコードに対応している。
ここで、条件コード8〜11は同時に成立するものであり、条件コード11が成立するときには、条件コード8〜10が同時に成立する。同様に、条件コード10が成立するときには条件コード8,9が同時に成立し、条件コード9が成立するときには条件コード8が同時に成立する。
条件コード12は、赤7又はGODが入賞履歴表示領域5cに2個以上表示された場合に対応している。すなわち、条件コード12は、シンボルパターンテーブルA,Bのいずれが選択されているかを問わず、5ゲーム内において、表示役として赤7又はGODが入賞判定されたときに対応している。
条件コード13は、RT2遊技状態中又はRT3遊技状態中において、入賞履歴表示領域5cの最新入賞履歴表示位置(入賞履歴表示領域5cの一番左)に、シンボルパターンとしてGODが表示された場合に対応している。すなわち、条件コード13は、RT2遊技状態中又はRT3遊技状態中において特殊小役に当籤した単位遊技(GOD成立ゲーム)にのみ成立する条件に対応している。
条件コード14は、RT4遊技状態中において、入賞履歴表示領域5cの最新入賞履歴表示位置(入賞履歴表示領域5cの一番左)に、シンボルパターンとしてGODが表示された場合に対応している。すなわち、条件コード14は、RT4遊技状態中において特殊小役に当籤した単位遊技(GOD成立ゲーム)にのみ成立する条件に対応している。
条件コード15は、サブ側の遊技状態としてのG−ZONE中(図37参照)のときに、入賞履歴表示領域5cの最新入賞履歴表示位置(入賞履歴表示領域5cの一番左)に、シンボルパターンとしてGODが表示された場合に対応している。すなわち、条件コード15は、G−ZONE中において特殊小役に当籤した単位遊技(GOD成立ゲーム)にのみ成立する条件に対応している。
条件コード16は、天井到達時に成立する条件である。ここで、天井到達時とは、天井カウンタにセットされたゲーム数を、ARTに移行することが確定することなく(ATセットカウンタに値が0のまま)消化することである。本実施形態において、天井カウンタにセットされるゲーム数は、通常1500ゲームであり、天井短縮フラグがオンされている場合には300ゲームである。天井短縮フラグは、天井到達前の所定ゲーム数内(天井カウンタが所定値よりも小さいとき)、例えば200ゲーム以下のときにARTに移行することが確定したときにオンされる。
条件コード17は、入賞履歴表示領域5cに白羽根が5個連続して表示された場合に対応している。すなわち、条件コード17は、シンボルパターンテーブルBが選択されている場合において、上述した白羽根対象リプレイ(図38参照)が5ゲーム連続して、入賞判定されたときに対応している。
条件コード18は、AT中にリール3L,3C,3Rのロック(図30(A)参照)を伴う赤7リプレイ(当籤番号22,23の特殊リプレイ)に当籤した時に成立する条件である。ここで、AT中とは、サブ状態において、小役およびリプレイの押し順が報知される状態であり、少なくとも、ART、ART(EG)、ART準備中を含んでいる。
[入賞履歴用AT抽籤テーブル]
図40は、入賞履歴用AT抽籤テーブルである。この入賞履歴用AT抽籤テーブルは、AT抽籤を行うことになる条件コード毎に、AT抽籤の抽籤結果(当籤・非当籤)についての抽籤値の情報を規定する。5ゲーム間の入賞履歴に基づくAT抽籤が行われた場合には、入賞履歴用AT抽籤テーブルに記憶された抽籤値に基づいてAT抽籤が行われる。例えば、条件コードが「2」、「3」、「5」〜「7」、「11」、「16」〜「18」である場合には、常にAT抽籤に当籤する。
ここで、条件コード17は、白羽根対象リプレイの5連続入賞であり、常にAT抽籤に当籤する。上述のように、白羽根対象リプレイは、ARTであるときに、転落回避リプレイ、RT3遊技状態中のG−ZONEへの転落リプレイ、及び当籤番号2の押し順不問の中段リプレイである。
ART(RT3遊技状態)からの転落を回避するための転落回避リプレイが連続する場合、遊技者からすればメダルの払出しもないのに押し順報知に従う必要があるために遊技の興趣が低下しがちである。しかしながら、転落回避リプレイに関して、5連続入賞であることを条件にARTのセット数を上乗せする対象とすれば、転落回避リプレイの当籤・入賞による遊技の興趣の低下を抑制することができる。そのことに加えて、白羽根対象リプレイとして当籤番号2の押し順不問の中段リプレイを含ませることにより、転落回避リプレイのみを5連続で入賞させる場合に比べて、入賞履歴に白羽根を5連続で表示させることが容易となるため、ARTのセット数を上乗せさせることがさらに容易となるために遊技の興趣が向上する。また、白羽根対象リプレイとしてG−ZONEへの転落リプレイを含ませることにより、ARTの最終ゲームにおいてARTのセット数上乗せが行われる可能性、すなわちARTの終了と同時にARTのセット数上乗せが行われる可能性があるために、遊技者にとってより遊技性の高いものとなる。
[ARTゲーム数振り分け抽籤テーブル]
図41及び図42は、ARTゲーム数振り分け抽籤テーブルである。図41は初当たり判定カウンタが「1」(ART初当たり時)の抽籤テーブルであり、図42は、初当たり判定カウンタが「0」(連荘時)の抽籤テーブルである。
ARTゲーム数は、ART前兆ゲームの最終ゲームにおける内部当籤役(当籤番号)に基づいて決定される。本実施形態では、ARTゲーム数は、50ゲーム、100ゲーム、及び200ゲームとなっている。
図41に示したように、ART初当たり時のテーブルでは、50ゲームの振り分けが無く、100ゲーム以上となっているが、100ゲームと200ゲームの振り分けに関して当籤番号による差は設定されていない。
図42に示したように、ART連荘時のテーブルでは、当籤番号による差が設定されている。この連荘時のテーブルでは、初当たり時と同様なゲーム数振り分けである第1振り分けグループと、この第1振り分けに比べて50ゲームの振り分けが高い反面、200ゲームの振り分けも高い第2振り分けグループと、に分けることができる。初当たり時と同様な振り分けである第1振り分けグループには、当籤番号14〜18,24,25が該当する。その他の当籤番号は、第2振り分けグループに属する。
[ART抽籤テーブル]
図43に示すART抽籤テーブルは、当籤番号と状態(メイン状態とサブ状態)とに基づいて、ART当籤確率を規定するものであり、7つのモード毎にそれぞれ規定されている。なお、モード3〜7のART抽籤テーブルの図示は省略するが、上位モードほど(モードの番号が大きいほど)、ART抽籤に当籤しやくなっている。
ART当籤確率は、内部当籤役(当籤番号)がひとつの指標となって決定されるが、ARTに100%当籤しない当籤番号(12,22,23,28〜31,59,60)、ARTに100%当籤する当籤番号(14〜21,24,25,61)、及び遊技状態によって当籤確率が異なる当籤番号(0,3,26,27,32〜49)がある。なお、状態が上位になるほど(図の下側に記載の遊技状態ほど)、ARTに当籤しやすい傾向にある。
[モード移行抽籤テーブル]
図44に示すように、モードは7つ規定されており、上位モードほど(モードの番号が大きいほど)、AT抽籤確率が高くなる傾向にある。
モード1は、低確Aであり、主として低確B(モード2)に移行するモードである。
モード2は、低確Bであり、主として通常(モード3)に移行するモードである。
モード3は、通常であり、主として高確A(モード4)に移行するモードである。
モード4は、高確Aであり、主として高確B(モード5)及び低確A(モード1)に移行するモードである。
モード5は、高確Bであり、主として高確A(モード4)に移行するモードである。
モード6は、高確Cであり、主として高確B(モード5)、高確D(モード7)、低確A(モード1)に移行するモードである。
モード7は、高確Dであり、主として高確C(モード6)に移行するモードである。
図45及び図46に移行前のモードがモード1,2のときのモード移行抽籤テーブルを示した。モード移行抽籤テーブルは、モード1〜7のそれぞれについて規定されているが、本実施形態では、モード3〜7のモード移行抽籤テーブルの図示は省略している。
モード移行抽籤テーブルは、当籤番号と状態(メイン状態とサブ状態)とに基づいて、モード移行先を規定している。すなわち、モード移行の有無及びモード移行先は、現在の滞在モード(移行元)と状態に依存する。ただし、遊技者にとって有利なモード6,7へは、滞在モード及び状態に関係なく、当籤番号61のシングルボーナス(SB)の当籤により移行する。また、図45及び図46からは判断できないが、上位モードほど同一モードに長く滞在する(他のモードに移行しにくい)。
もちろん、モード間の移行確率は、任意に設定することができ、現在のモード毎に異ならせることとしてもよく、また図45及び図46に示した例には限定されない。
[ART開始時ステージ抽籤テーブル]
図47はART開始時ステージ抽籤テーブルである。このART開始時ステージ抽籤テーブルは、ATセットカウンタの値、前回のステージ、及び現在のモード毎に、今回のステージについての抽籤値の情報を規定している。ここで、「ステージ」とは、ARTにおいて液晶表示装置5において表示される演出の種類であり、どのステージが選択されるかは、ART開始時において、ART開始時ステージ抽籤テーブルを参照して決定される。すなわち、RT3遊技状態に初めて移行した場合や、ART後にG−ZONEに移行した後に新たな1セットのART開始時に、ART開始時ステージ抽籤テーブルを参照してステージが決定される。ステージが決定されると、ART中に再生するBGMがステージに対応させて決定される(図48参照)。
液晶表示装置5の演出表示領域5aには、ART開始時ステージ抽籤テーブルで決定されたステージが表示される。なお、ステージには、「オリンポス」、「ポセイドン」、及び「ゼウス」が含まれる。一方、BGMとしては、「特殊BGM」が決定される場合を除いて、「オリンポス」ステージのときには基本的に「オリンポス(1)」が決定され、「ポセイドン」ステージのときには「ポセイドン」専用BGMが決定され、「ゼウス」ステージのときには「ゼウス」専用BGMが決定される。
ただし、「オリンポス」ステージのときにARTゲーム数として100ゲームが選択された場合には、BGMとして「オリンポス100専用」が決定される。この場合において、ART終了後の所定ゲーム間にARTに当籤(初当たり(引き戻し)及びARTのセット数上乗せの双方を含む)したときには、ART準備中に「オリンポス(1)」を再生し、ARTの開始時(ARTゲーム数の表示時)にBGMを「オリンポス100専用」に変化させるようにしてもよい。
これにより、ART準備中にARTゲーム数を認識し難くなり、ARTが連荘したか初当たりであるかを判別し難くすることができる。また、ART準備中のBGMとして「オリンポス(1)」を再生することにより、ART準備中にはARTゲーム数として50ゲームが選択され、ARTの連荘であることが示唆されるが(図41及び図42参照)、ARTゲーム数の表示とともにBGMが「オリンポス100専用」が変化すると、ART初当たり(引き戻し)の可能性もあり、また予想ARTゲーム数(50ゲーム)とは異なる実際のARTゲーム数(100G)が表示されるとともにBGM変化により認識されるため、遊技者に驚きを与えることができる。そのため、BGMの種類によってARTゲーム数を早期に把握されることを防止し、遊技の興趣の低下を抑制することができる。
「ポセイドン」ステージ及び「ゼウス」ステージは、ATセットカウンタが「1」以上でないと選択されることがない。そのため、演出表示領域5aに「ポセイドン」又は「ゼウス」が表示された場合には、開始した1セットのARTが終了したとしても、更に少なくとも1セット以上のARTが継続して行われることになる。また、モードが大きい(高い)ほど「ゼウス」が選択される確率が高い。そのため、演出表示領域5aに「ゼウス」が表示された場合には、その後、現在のモードに基づくAT抽籤に対して強い期待を抱くことができる。
パチスロ1では、前回のステージが「ポセイドン」又は「ゼウス」である場合には、新たな1セット開始時のモードが前回の1セット開始時のモードよりも大きい(遊技者にとって有利)場合に、同じステージが決定される可能性が高く、新たな1セット開始時のモードが前回の1セット開始時のモードと同じ又は小さい場合には、同じステージが決定される可能性が低い。
具体的には、前回のステージが「ゼウス」以外である場合には、モード「5」以上であれば「ゼウス」のステージが選択される可能性がある一方で、前回のステージが「ゼウス」である場合には、モード「6」以上でなければ「ゼウス」は選択されない。同様に、前回のステージが「ポセイドン」以外である場合には、モード「3」以上であれば「ポセイドン」のステージが選択される可能性がある一方で、前回のステージが「ポセイドン」である場合には、「モード4」以上でなければ「ポセイドン」は選択されない。
なお、ART開始時ステージ抽籤テーブルの抽籤値の割り振りは、図47に示すものに限られず、例えば、新たな1セット開始時のATセットカウンタの値が前回の1セット開始時のATセットカウンタの値よりも多い場合に、又は前回に比べて今回のモードが高い場合に、モードに限らず「ポセイドン」又は「ゼウス」を連続して選択可能としてもよい。
また、ART(EG)(RT4遊技状態)に移行した場合には、EG(エキストラゲーム)である旨を示唆すべく、図47に示した3つのステージとは異なる特別なステージ(エキストラステージ)に移行するようにしてもよい。
[BGM優先度テーブル]
図48に示すBGM優先度テーブルは、ART中にスピーカ9L,9Rから出力されるBGMの優先度と発生条件を定めたものである。図中において、「上乗せ条件非発生」及び「上乗せ条件発生」は、ART中にARTのセット数上乗せ条件が発生したか否かを示しており、それらの欄に記載された数値が小さいほど、そのBGMが選択される優先度が高くなる。また、複数の条件が同時に満たされる場合には、最も優先度の高い(数値の小さい)BGMが出力される。
図示したBGM優先度テーブルでは、例えばART開始時に選択されたステージが「オリンポス」である場合、基本的にはBGMとして「オリンポス(1)」が選択される。現在のARTが5連以上のときに上乗せ演出(告知)が発生したときには「オリンポス(2)」が選択される可能性があり、「オリンポス(2)」が選択された場合には「オリンポス(1)」に優先して「オリンポス(2)」がBGMとして出力される。すなわち、上乗せ演出が発生した次のゲームからBGMが「オリンポス(2)」に変化する。
同様に、図48に示す条件を満たしてBGMとして「オリンポス(3)」又は「オリンポス(4)」が選択された場合には、「オリンポス(4)」が最も優先され、次に「オリンポス(3)」、「オリンポス(2)」、及び「オリンポス(1)」の順に優先される。また、ART開始時にオリンポスステージが選択された場合において、BGMとしてARTの継続ゲーム数が100Gのときにのみ選択される「オリンポス100専用」が選択された場合には、「オリンポス(1)」よりも「オリンポス100専用」が優先されるが、所定の連荘数以上のときに上乗せ演出が発生した場合には、BGMとしては「オリンポス100専用」よりも「オリンポス(2)〜(4)」が優先される。すなわち、上乗せ演出が発生した次のゲームからBGMが変化する。
ART開始時に選択されたステージが「ポセイドン」又は「ゼウス」である場合には、基本的に「ポセイドン専用BGM」又は「ゼウス専用BGM」が選択される。ただし、所定の連荘数以上のときに上乗せ演出が発生し、「オリンポス(2)〜(4)」が選択された場合には、BGMとしては、「オリンポス(2)〜(4)」が優先される。すなわち、上乗せ演出が発生した次のゲームからBGMが変化する。
ただし、「オリンポス(3)」又は「オリンポス(4)」が選択された場合であっても、「オリンポス(1)」及び「オリンポス100専用」からは、BGM変化の優先度の関係上、「オリンポス(3)」又は「オリンポス(4)」にBGMが発生することはなく、まずは「オリンポス(2)」にBGMが変化する。すなわち、「オリンポス(2)」、「オリンポス(3)」及び「オリンポス(4)」の間では、優先度は「オリンポス(4)」、「オリンポス(3)」及び「オリンポス(2)」の順であるが、BGM変化としては、「オリンポス(2)」、「オリンポス(3)」及び「オリンポス(4)」と順番に(段階的に)変化する。
また、後述するように「オリンポス」、「ポセイドン」及び「ゼウス」のいずれのステージにおいても、BGMとして基本BGM以外に「特殊BGM」が選択されることがあり、この「特殊BGM」が選択された場合には、「特殊BGM」が優先される。例えば、所定数以上の連荘時のときにARTの上乗せ発生演出が発生し、BGMとして「オリンポス(2)〜(4)」が選択された場合であっても「特殊BGM」が優先されるため、BGMの変化は発生しない。
なお、ART中にGOD揃いが発生した場合には、GOD揃い時のBGMがいかなるものであったとしても、「GOD専用BGM」が優先され、ステージがGOD専用の「特別ステージ」に移行して「GOD専用BGM」が出力される。この「特殊BGM」が選択された場合には、「GOD専用BGM」が優先される。例えば、所定数以上の連荘時のときにARTの上乗せ発生演出が発生し、BGMとして「オリンポス(2)〜(4)」が選択された場合であっても「GOD専用BGM」が優先されるため、BGMの変化は発生しない。
また、「特殊BGM」及び「GOD専用BGM」のときにBGMとして「オリンポス(2)〜(4)」が選択された場合には、次回以降のARTにBGM変化が持ち越される。すなわち、「特殊BGM」が選択される場合を除いて、次回のARTにおいて「オリンポス(2)〜(4)」が出力される。
[特殊BGM抽籤テーブル]
図49に示した特殊BGM抽籤テーブルは、BGMとして特殊BGMを選択するか否かを抽籤するときに参照されるものである。この特殊BGM抽籤テーブルは、連荘カウンタの値、前回のサウンド、及びATセットカウンタの値毎に、今回のサウンドについての抽籤値の情報を規定している。「連荘カウンタ」はARTが連続して行われた回数を計数するカウンタであり、「ATセットカウンタ」はARTの残りセット数(ARTストック数)を計数するカウンタであり、それぞれサブRAM83の所定の格納領域に格納される。
図50に示すように、BGMとして「特殊以外」が決定された場合には、ART開始時に選択されたステージに応じて決定されたBGM(楽曲A)がART中に流れる。
一方、BGMとして「特殊」が決定された場合には、楽曲Aが1フレーズ流れた後、「特殊BGM」(楽曲B)が流れる。ここで、図50において「ART開始時」とは、ART準備中に突入したゲーム(押し順の報知が開始されるゲーム)を意味している。
図49に示した特殊BGM抽籤テーブルでは、特殊BGMは、ATセットカウンタの値が20以下のときには選択されず、ATセットカウンタの値が21以上のときに選択される。すなわち、特殊BGMは、ARTの残りストック数が21以上のときに選択されるため、特殊BGMが出力されることにより、残りストック数が21以上であることが確定する。そのため、遊技者からすれば、特殊BGMが出力されることにより、残りストック数が21以上の大量ストックがあることを認識することが可能となり、遊技の興趣が向上する。
また、連荘カウンタの値が9以下で、ATセットカウンタの値が30以下の場合には、前回のサウンドが特殊BGMの場合には今回のサウンドとして特殊BGMが選択されず、特殊BGMが連続して選択されることはない。そのため、ARTの連荘数が9以下の状況で特殊BGMが連続して出力されれば、残りストック数が31以上であることが確定する。
一方、連荘カウンタの値が10以上の場合には、前回のサウンドが特殊BGMであっても、ATセットカウンタの値が21以上であれば今回のサウンドとして特殊BGMが選択される。そのため、ARTの連荘数が10以上の状況で特殊BGMが連続して出力されれば、残りストック数が21以上であることが確定する。
従って、ARTの残りストック数が多い場合には、特殊BGMが連続して選択されやすいため、ARTが連続することと相まって、爽快な気分を味わうことができる。
本実施形態では、BGMとして「オリンポス100専用」が選択され、かつ「特殊BGM」が選択された場合には「特殊BGM」が再生されるタイミングが抽籤により決定される。図51及び図52に示したように、特殊BGMが出力(再生)されるタイミングは、ART開始時及びARTゲーム数セット時から選択されるが、ART開始時から「特殊BGM」が再生される場合よりもARTゲーム数セット時から「特殊BGM」が再生される場合のほうが、当籤確率が高くなっている。
ここで、「ART開始時」は、ART準備中に移行したゲーム(押し順の報知が開始されるゲーム)である。この場合、図50を参照して既に説明したように、1フレーズだけ楽曲Aを再生した後に楽曲B(「特殊BGM」)が再生される。
一方、「ARTゲーム数セット時」は、RT3遊技状態に移行したゲームである。この場合、図52に示したように、「ART開始時」から「ARTゲーム数セット時」までの間は楽曲A(「オリンポス(1)」)が再生され、1フレーズだけ楽曲C(「「オリンポス100専用」)を再生した後に楽曲B(「特殊BGM」)が再生される。
[図柄テーブル抽籤テーブル]
図53及び図54に示した図柄テーブル抽籤テーブルは、液晶表示装置5における演出表示領域5aに表示される図柄を決定するために参照されるものである。この図柄テーブル抽籤テーブルは、モード1〜7のそれぞれについて規定されており、図53及び図54がそれぞれモード1及びモード2に対応している。なお、本実施形態では、モード3〜7のモード移行抽籤テーブルの図示は省略している。
図53及び図54に示したモード1及びモード2の図柄テーブル抽籤テーブルでは、当籤番号(内部当籤役)に応じて、図柄なしを含む18種類から図柄が抽籤されるようになっている。例えば、当籤番号24,25の特殊小役の場合、7揃い、リーチ目、偶数テンパイリーチ目が選択されるが、7揃いは特殊小役が当籤したときにのみ選択される。当籤番号14〜18のRT4移行リプレイ、RT2確定リプレイ、及びRT2移行リプレイの重複当籤の場合、奇数揃いが選択される。当籤番号22,23の特殊リプレイ、当籤番号59,60の一枚役、及び当籤番号61のシングルボーナス(SB)の場合には、奇数テンパイが選択される。
また、図柄テーブルは、リーチ目として「634」(ムサシ)、「315」(サイコー)、あるいは「873」(花見)のような語呂合わせの図柄組み合わせを含み、ART準備への前兆や上位モードの可能性が高くなるチャンス目として「515」あるいは「V5V」のような奇数(「V」は奇数扱い)のハサミ目図柄組み合わせを含んでいてもよい。
なお、図53及び図54では、1つのモードにつき1つの図柄テーブル抽籤テーブルが示されているが、実際には、7つのそれぞれのモードについて、メイン側のRT状態、ART当籤ゲーム用、ART終了後30ゲーム以内にART当籤時用、G−ZONE用、ペナルティ時用などに応じて、図柄テーブル抽籤テーブルが設けられている。
[演出グループ抽籤テーブル]
図55(A)及び図55(B)に示した演出グループ抽籤テーブルは、図54を参照して選択された図柄テーブルに応じて、演出グループを抽籤するときに参照されるテーブルである。
図55(A)に示した演出グループ抽籤テーブルは、モード1〜3のときのATでなく(非AT)、ARTの前兆でないとき(非前兆)に参照されるテーブルある。この演出グループ抽籤テーブルでは、例えば「図柄なし」、「左7」及び「奇数テンパイ」以外の図柄テーブルが選択された場合には、全ての演出グループが選択され得る。「図柄なし」の図柄テーブルが選択された場合には「ナビ演出グループ」が選択され、「左7」の図柄テーブルが選択された場合には「スタート音の遅れ固定演出グループ」が選択され、「奇数テンパイ」の図柄テーブルが選択された場合には「エフェクト演出グループ」、「氷固定演出グループ」又は「雷固定演出グループ」が選択される。ここで、「○○固定演出グループ」とは、「○○演出」のが必ず選択されることを意味している。例えば「氷固定演出グループ」とは、氷の演出グループから必ず演出が選択されることを意味している。
図55(B)に示した演出グループ抽籤テーブルは、ART発動時に参照されるテーブルある。この演出グループ抽籤テーブルは、ART発動時に参照されるものであるために、演出としては、ARTが開始する旨の報知や矛盾する演出が選択される。
[演出抽籤テーブル]
図56及び図57に示した演出抽籤テーブルは、図55を参照して選択された演出グループに基づいて、演出を抽籤するときに参照されるテーブルである。演出抽籤テーブルでは、当籤番号(内部当籤役)に応じて演出が抽籤される。
図56は、演出グループとして「全部」が選択された場合の演出抽籤テーブルであり、この演出抽籤テーブルでは、当籤番号に応じて、1又は複数の演出から固定的に演出が選択される。すなわち、入賞役と演出との間には、概ね対応付けられている。
図57は、演出グループとして「スタート音の遅れ固定」が選択された場合の演出抽籤テーブルであり、この演出抽籤テーブルでは当籤番号に関係なくリール遅れ演出が選択される。本実施形態では、リール遅れ演出は、スタート音の遅れ演出は、通常時と比べて、リール回転開始時のスタート音が遅れて発生する演出であるとともに、スタート音が通常時とは異なる特殊告知音となる。
なお、図56及び図57においては、押し順ナビ演出、フリーズ演出等は省略してあり、図中の●を付した演出は次遊技のメダルBETでART画面に移行する告知演出の役割を果たすものである。
[GODボタン抽籤テーブル]
図58に示したGODボタン抽籤テーブルは、遅れの演出が選択されたときに、GODボタン46の操作によって書き換える特定の演出を抽籤するときに参照されるテーブルである。このGODボタン抽籤テーブルでは、当籤番号(内部当籤役)により、書き換え無しを含めた特定の演出が規定されている。
図示したGODボタン抽籤テーブルでは、遅れ演出が選択されることを前提に、当籤番号24,25以外(特殊小役以外)のときには、高確率(32736/32768=約99.9%)でGODボタン46を操作しても何も演出が発生しない書き換え無しが選択され、低確率(32/32737=約0.1%)で演出番号22に書き換えられる。演出番号22は、GODボタン46が点灯するとともに、GODボタン46を操作したときに再生演出が実行される演出である。再生演出は、スタート音としての特殊告知音が再生される演出である。なお、特殊小役以外のときには、フリーズ演出を行うことは適切でないため、フリーズ演出への書き換えは選択されない。
一方、当籤番号24,25(特殊小役)のときには、1/2の確率でGODボタン46を操作しても何も演出が発生しない書き換え無しが選択され、残りの1/2は演出番号21,22,23のいずれかへの演出の書き換えが所定の確率で選択される。
演出番号21は、フリーズ演出である。従って、演出番号21への書き換えでは、スタート音の遅れ演出後にフリーズ演出が発生する。
演出番号22は、上述のようにGODボタン46の点灯演出+再生演出である。従って、演出番号22への書き換えでは、スタート音の遅れ演出後にGODボタン46を点灯させ、ストップボタン7L,7C,7Rの第1停止操作までにGODボタン46が操作されることによって特殊告知音を発生させるものである。
演出番号23は、GODボタン46の点灯演出+フリーズ演出である。従って、演出番号23への書き換えでは、スタート音の遅れ演出後にGODボタン46を点灯させ、ストップボタン7L,7C,7Rの第1停止操作までにGODボタン46が操作されることによって、フリーズ演出を発生させるものである。
このように、スタート音遅れ演出が発生した場合には、GODボタン46の点灯演出が発生して再生演出が発生すると、特殊小役に当籤してRT4遊技状態に移行する可能性がある。その一方で、図31(A)及び図31(B)を参照して先に説明したように、特殊小役に当籤していると、特殊なリール制御となる。そのため、再生演出の発生時には、第1停止として左リール3Lを操作するとともに、図柄位置データ「4」の「GOD」図柄を中段に目押しすることにより、ビタ止まり、あるいは3コマ滑りが発生するか否かによって、特殊小役に当籤しているか否かを第1停止で推測することができる。また、第1停止として右リール3Rを操作するときには、図柄位置データ「8」の「下半円」図柄を中段(図柄位置データ「7」の「GOD」図柄を下段)に目押しすることにより、右リール3Rがビタ止まりすれば、当籤番号25の特殊小役に当籤していることを第1停止で確認することができるとともに、左第1停止では停止し得ないクロスダウンにGOD図柄を揃えることができる。
このように、スタート音遅れ演出を選択したときに、フリーズ演出への書き換えを行うようにすれば、スタート音の遅れが発生した場合には、RT4遊技状態への移行に伴うフリーズ演出が発生し得るため、スタート音の遅れが発生したときの期待感が高まる。
フリーズ演出が発生しなくても、特殊小役に当籤している可能性がある再生演出を採用することで、RT4遊技状態に移行していることへの期待は維持できる。そのため、次遊技を開始するときにRT4遊技状態に移行しているか否かについてのドキドキ感を楽しみことができる。
さらに、特殊小役に当籤したときに、特殊小役に当籤している可能性がある演出を発生させるに加えて、特殊なリール制御を行うとともにことで、目押しにより、RT4遊技状態に移行するか否かについてのドキドキ感を楽しみことができる。
[GOD入賞時フラッシュ抽籤テーブル]
図59に示したGOD入賞時フラッシュ抽籤テーブルは、当籤番号24,25の特殊小役に入賞してGOD図柄が揃ったときのランプ14のフラッシュパターンを抽籤するときに参照されるテーブルである。このGOD入賞時フラッシュ抽籤テーブルは、ARTの継続率とランプデータとの関係として規定されている。GOD入賞時フラッシュ抽籤テーブルでは、ランプデータのフラッシュ番号が多きくなるほど上位のデータである。
図示したGOD入賞時フラッシュ抽籤テーブルでは、継続率が高いほど、上位のランプデータが選択されやすくなる。すなわち、上位のランプデータに対応するフラッシュが発生すると、ARTのループ率が高いことへの期待を持つことができる。
[プレミアG−ZONE移行抽籤テーブル]
図60に示したプレミアG−ZONE移行抽籤テーブルは、ART終了後のチャンスゾーンであるG−ZONE(厳密には15枚小役の取りこぼし目であるRT移行図柄が停止表示されるまでのG−ZONE(A))において、ARTのストックがあることを条件に、プレミアG−ZONEに移行させるか否かを抽籤するときに参照されるテーブルである。このプレミアG−ZONE移行抽籤テーブルは、当籤番号(内部当籤役)に応じて、プレミアG−ZONEへの移行の当籤・非当籤を規定している。
プレミアG−ZONEは、後述する図61に示したモード移行抽籤テーブルを参照してモード移行抽籤を行うゾーンであり、モードの昇格が期待できるゾーンである。上述のように、上位のモードほどART当籤確率が優遇されているため、プレミアG−ZONEにおいてモードを昇格させることにより、ARTに当籤する期待度を高めることができる。そのため、チャンスゾーンであるG−ZONE中の演出を、単なるART準備中の演出としてではなく、意味のあるものとすることができるため、遊技の興趣の低下を防止することができる。
プレミアG−ZONE移行抽籤に当籤した場合には、移行抽籤に当籤する毎にG−ZONESPカウンタに1を加算する。本実施の形態ではG−ZONESPカウンタの最大値は32とされている。一方、G−ZONESPカウンタの値が0でない場合には、プレミアG−ZONEに移行するが、このプレミアG−ZONEは、G−ZONESPカウンタの値が0になるまで継続する。すなわち、プレミアG−ZONEは、G−ZONE(A)での抽籤で当籤した回数だけ継続するが、その上限ゲーム数は32とされる。
また、プレミアG−ZONEの最終ゲームにおいて、ART継続を報知するようにしてもよい。そうすれば、プレミアG−ZONEの終了ゲームが明確化されるため、プレミアG−ZONEの終了によるモチベーションの低下を、次ゲーム以降に行われるARTに対する期待に転換し、遊技に対するモチベーションを維持することが可能となって遊技の興趣の低下を抑制することができる。
なお、プレミアG−ZONEへの移行は、ARTのストックがあることを条件としていたが、必ずしもARTのストックを条件とする必要はない。例えば、ストックのない場合にプレミアG−ZONEに移行するようにすれば、プレミアG−ZONEにおけるモードの昇格によってARTに当籤しやすくなった場合、ART終了後に直ぐにARTを引き戻すことが可能なゲーム性とすることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
[モード移行抽籤テーブル]
図61(A)及び図61(B)に示したモード移行抽籤テーブルは、プレミアG−ZONEにおいて参照されるテーブルであり、モードと当籤番号との関係として規定されている。なお、図61(A)及び図61(B)は、それぞれ現行の滞在モードがモード1及びモード2に対応しており、モード3〜7のモード移行抽籤テーブルは省略されている。
これらのモード移行抽籤テーブルは、図45及び図46を参照して先に説明したモード移行抽籤テーブルに比べて、上位モードへの移行が優遇されている。すなわち、プレミアG−ZONEでは、上位モードに移行しやすくなっているため、単調になりがちなART準備中の遊技を、上位モードに移行しやすい内部当籤役に入賞に対する期待を持ちつつ遊技を進行することができる。
[主制御回路のメインCPUの制御によるメインフローチャート]
図62を参照して、メインCPU31が実行する主たる処理を示したメインフローチャートについて説明する。
初めに、メインCPU31は、電源投入時の初期化処理を行い(ステップS1)、ステップS2に移る。なお、この処理では、メインCPU31は、バックアップが正常であるか否か、設定変更が適切に行われたか否かを判定し、判定結果に応じた初期化処理を行う。
ステップS2では、メインCPU31は、一遊技終了時の初期化処理を行う。例えば、メインCPU31は、内部当籤役格納領域や表示役予想格納領域等に格納されているデータをクリアする。続いて、メインCPU31は、後で図63を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。この処理では、メインCPU31は、投入枚数に基づいてセンターライン8を有効にするとともに開始操作が可能であるか否かを判別する。
次に、メインCPU31は、乱数値A及び乱数値Bを抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。乱数値Aは、内部抽籤処理において使用され、乱数値Bは、ロック抽籤処理等において使用される(図30(A)、図30(B)及び図64等参照)。続いて、メインCPU31は、後で図64を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS5)。なお、この処理では、メインCPU31は、内部当籤役を決定する。
次に、メインCPU31は、後で図65を参照して説明するロック抽籤処理を行う(ステップS6)。この処理では、メインCPU31は、内部当籤役に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を開始するタイミングを遅らせるか否かを決定する。続いて、メインCPU31は、後で図66を参照して説明するリール停止初期設定処理を行う(ステップS7)。この処理では、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を停止する制御に係る領域等の初期化を行う。
次に、メインCPU31は、スタートコマンド送信処理を行う(ステップS8)。この処理では、メインCPU31は、スタートコマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。スタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役、ロック抽籤の結果(ロックの有無)等の情報を含み、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理(図75のステップS334)において副制御回路72に送信される。これにより、副制御回路72は、開始操作に応じて演出を行うことができる。
続いて、メインCPU31は、ウェイト処理を行う(ステップS9)。この処理では、メインCPU31は、前回の遊技開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過するまで、又は、ロック抽籤処理において設定されたロック時間(例えば、5秒)経過するまで待機する。なお、ロック抽籤処理により設定したロック時間を、回転開始後にストップボタン7L,7C,7Rの停止操作を無効とすることにより消化してもよい。この場合、遊技者は、回転が開始されたにも拘わらず、停止操作が可能にならないことからロックしていることを認識できる。また、このロック中に、スロー回転や逆回転などを行い、ロック中であることをより認識しやすくしてもよい。
続いて、メインCPU31は、リール回転開始処理を行う(ステップS10)。この処理では、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転の開始を要求するとともに、リール回転開始コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。格納されたリール回転開始コマンドは、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御回路72に送信される。
次に、メインCPU31は、後に図67を参照して説明する引込優先順位格納処理を行う(ステップS11)。続いて、メインCPU31は、後で図69を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS12)。
次に、メインCPU31は、入賞検索処理を行う(ステップS13)。この処理では、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの停止後に有効ライン(センターライン8)に沿って表示された図柄組合せと図柄組合せテーブル(図17〜図23)とを照合し、表示役を決定するとともに、メダルの払出枚数の決定を行う。
次に、メインCPU31は、ステップS13の処理において決定されたメダルの払出枚数に基づいてメダルを払い出す(ステップS14)。続いて、メインCPU31は、表示役コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する(ステップS15)。格納されたリール回転開始コマンドは、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御回路72に送信される。
次に、メインCPU31は、後で図72を参照して説明するRT制御処理を行う(ステップS16)。この処理では、表示役に応じてRT遊技状態フラグの更新を行う。
続いて、メインCPU31は、後で図73を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS17)。この処理では、メインCPU31は、ボーナスゲームを終了する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を終了する。続いて、メインCPU31は、後で図74を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行い(ステップS18)、次に、ステップS2の処理を行う。なお、この処理では、メインCPU31は、ボーナスゲームを開始する条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を開始し、再遊技の条件を満たした場合に再遊技の作動を行う。
[メダル受付・スタートチェック処理]
図63を参照して、投入枚数に基づいて開始操作が可能であるか否かをメインCPU31が判別する処理の手順を示したメダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、自動投入カウンタの値があるか否か、すなわち、「0」であるか否かを判別する(ステップS31)。このとき、自動投入カウンタの値がある場合、すなわち「0」以外である場合には、メインCPU31は、続いて、自動投入処理を行い(ステップS32)、ステップS39に移る。具体的には、メインCPU31は、自動投入カウンタの値を投入枚数カウンタに複写する。なお、自動投入カウンタは、自動的に投入するメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタであり、投入枚数カウンタは、投入されたメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。自動投入カウンタ及び投入枚数カウンタは、メインRAM33の所定の領域に格納される。
他方、自動投入枚数カウンタの値がない、すなわち「0」である場合には、メインCPU31は、メダル受付を許可し(ステップS33)、続いて、ステップS34の処理を行う。
ステップS34では、メインCPU31は、遊技状態に応じて投入枚数の最大値を設定する。本実施形態では、メインCPU31は、全ての遊技状態において投入枚数の最大値を「3」とセットする。
続いて、メインCPU31は、メダル受付が許可されているか否かを判別する(ステップS35)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS36の処理を行い、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS39の処理を行う。
ステップS36では、メインCPU31は、メダル投入チェック処理を行う。この処理では、メインCPU31は、投入メダルセンサ9Sからの入力をチェックする。続いて、メインCPU31は、メダル投入コマンド送信処理を行う(ステップS37)。この処理では、メインCPU31は、メダル投入コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。格納されたメダル投入コマンドは、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御回路72に送信される。
続いて、メインCPU31は、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判別する(ステップS38)。例えば、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値が投入枚数の最大値であるか否かを判別する。このとき、投入枚数カウンタの値が投入枚数の最大値である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS39の処理を行い、最大値でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS35の処理を行う。
ステップS39では、メインCPU31は、スタートスイッチ6Sがオンであるか否かを判別する。具体的には、メインCPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する。このとき、スタートスイッチ6Sからの入力がある場合には、メインCPU31は、メダル受付を禁止し(ステップS40)、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。他方、スタートスイッチ6Sからの入力がない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS35の処理を行う。
[内部抽籤処理]
図64を参照して、乱数値及び遊技状態等に基づいてメインCPU31が内部当籤役を決定する処理の手順を示した内部抽籤処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(ステップS51)。続いて、メインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値Aを取得する(ステップS52)。
次に、メインCPU31は、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得し、乱数値Aから抽籤値を減算する(ステップS53)。続いて、メインCPU31は、減算結果が「0」より大きいか否か(正であるか否か)を判別する(ステップS54)。このとき、減算結果が正である場合には、メインCPU31は、当籤番号に対応するデータポインタを取得し(ステップS58)、続いて、ステップS59の処理を行う。他方、減算結果が正でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS55の処理を行う。
ステップS55では、メインCPU31は、乱数値Aを更新するとともに当籤番号を更新する。具体的には、メインCPU31は、乱数値AをステップS53で減算した後の値に更新するとともに、当籤番号を「1」加算した値に更新する。続いて、メインCPU31は、全ての当籤番号をチェックしたか否かを判別する(ステップS56)。このとき、全ての当籤番号をチェックした場合には、メインCPU31は、データポインタに「0」をセットし、ステップS59に移る。他方、全ての当籤番号をチェックしていない場合には、メインCPU31は、ステップS53に移る。
ステップS59では、メインCPU31は、内部当籤役決定テーブルを参照し、データポインタに基づいて内部当籤役(当たり要求フラグ)を取得する。続いて、メインCPU31は、取得した当たり内部当籤役(当たり要求フラグ)を対応する内部当籤役格納領域に格納する(ステップS60)。
[ロック抽籤処理]
図65を参照して、ロック抽籤処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、当籤番号が14〜18、24,25のいずれであるか否かを判別する(ステップS81)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS82の処理を行い、NOのときは、ロック抽籤処理を終了する。
ステップS82では、メインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値Bを取得する。続いて、メインCPU31は、ロック用抽籤値を取得し、乱数値Bからロック用抽籤値を減算する(ステップS83)。ここで、本実施形態では、ショートロックとロングロックの抽籤値は図30(A)に示した通りであり、フリーズの抽籤値は図30(B)に示した通りである。
続いて、メインCPU31は、乱数値Bから取得したロック用抽籤値と、図30(A)及び図30(B)に示したロック抽籤テーブルとに基づいて、ロックの当否及び種別を決定する(ステップS83)。ここで、ロックの種別は、ショートロック、ロングロック、及びフリーズである。
ロックの当否は、当籤番号が14〜18(図9参照)のときにショートロック及びロングロックについて行われ、当籤番号が24,25(図9参照)のときにフリーズについて行われる。
当籤番号が14〜18(図9参照)のときにショートロック及びロングロックの当否は、図30(A)に示すように、以下に定義される3種類の状況によって区別して判断される。
(a) 入賞履歴として「エメラルド」が表示されていないとき(後述の(c)を除く)
(b) 入賞履歴として「エメラルド」が表示されている間(例えば入賞履歴表示ゲーム数である5G間)
(c) 入賞履歴として「エメラルド」が表示されなくなった後の所定ゲーム数の間(例えば25G)
なお、入賞履歴としての「エメラルド」は、シングルボーナス、特殊リプレイ、一枚役1、及び一枚役2に当籤したときに表示される(図38参照)。
図30(A)に示すように、エメラルド入賞履歴のない(a)の状況では、ロック非当籤は約80%であり、ショートロック当籤は約12%であり、ロングロック当籤は約8%である。ロングロック当籤した場合には、赤7図柄揃いを入賞させるための正解の押し順が報知される。
エメラルド入賞履歴の表示される(b)の状況では、100%の確率でロングロックに当籤する。すなわち、(b)の状況では、当籤番号が14〜18(図9参照)のリプレイに当籤したときに、赤7図柄揃いを入賞させるための正解の押し順が100%の確率で報知される。(b)の状況では、(a)の状況に比べて、当籤番号が14〜18(図9参照)のリプレイに当籤したときに、赤7図柄揃いを入賞させるための正解の押し順が報知される確率が12.5倍となっている。
エメラルド入賞履歴の表示が無くなった所定期間の(c)の状況では、ロングロックに約20%の確率で当籤する。この20%という確率は、エメラルドの入賞履歴のない(a)の状況に比べて、約2.5倍の確率である。すなわち、(c)の状況では、(a)の状況に比べて、当籤番号が14〜18(図9参照)のリプレイに当籤したときに、赤7図柄揃いを入賞させるための正解の押し順が報知される確率が約2.5倍になっている。
したがって、シングルボーナス、特殊リプレイ、一枚役1、又は一枚役2に当籤して入賞履歴に「エメラルド」が表示された所定ゲーム数(例えば30ゲーム)の間は、赤7図柄揃いRT4リプレイ入賞によるRT4遊技状態への移行、すなわちART(EG)への移行の可能性が高められている。
一方、当籤番号が24,25(図9参照)のときにフリーズの当否は、図3(B)に示したように当籤が25%であり、非当籤が75%である。
続いて、メインCPU31は、ロック抽籤に当籤したか否かを判別する(ステップS84)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS85の処理を行い、NOのときは、ロック抽籤処理を終了する。
ステップS85では、メインCPU31は、ウェイトタイマにロックの種別に応じた値を加算する。具体的には、ロックの種別がショートロックの場合にはウェイトタイマに「1119」(約1.25秒)を、ロックの種別がロングロックの場合にはウェイトタイマに「2238」(約2.5秒)を、ロックの種別がフリーズの場合にはウェイトタイマに「4476」(約5秒)を、それぞれ加算する。ステップS82の処理が終了した場合にはロック抽籤処理を終了する。
[リール停止初期設定処理]
図66を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、データポインタの値を回胴停止用番号としてセットする(ステップS111)。続いて、メインCPU31は、リール停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(ステップS112)。例えば、メインCPU31は、引込優先順位テーブル番号や引込優先順位テーブル番号選択テーブル番号等を取得する。
次に、メインCPU31は、図柄コード格納領域に回転中の識別子を格納、すなわち、全図柄コード格納領域に回転中の識別子(例えば、全ビットに「1」)を格納する(ステップS113)。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(ステップS114)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン7L,7C,7Rの数を判別するためのものであり、メインRAM33の所定の領域に格納される。
[引込優先順位格納処理]
図67を参照して、引込優先順位格納処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を検索回数として格納する(ステップS131)。続いて、メインCPU31は、検索対象リール決定処理を行う(ステップS132)。この処理では、回転中のリール3L,3C,3Rのうちより左側のリールから順に検索対象リールと決定する。
次に、メインCPU31は、後で図68を参照して説明する引込優先順位テーブル選択処理を行う(ステップS133)。続いて、メインCPU31は、図柄チェック回数に「21」、検索図柄位置に「0」をセットする(ステップS134)。次に、メインCPU31は、後で図70を参照して説明する図柄コード格納処理を行う(ステップS135)。
次に、メインCPU31は、取得された図柄コードと図柄コード格納領域とに基づいて、表示役格納領域を更新する(ステップS136)。続いて、メインCPU31は、引込優先順位データ取得処理を行う(ステップS137)。この処理では、メインCPU31は、表示役格納領域で「1」が格納されているビットに対応する役であって、内部当籤役格納領域で「1」が格納されているビットに対応する役について、ステップS133で選択された引込優先順位テーブルを参照して、引込優先順位データを取得する。なお、この処理では、1のリールで入賞が確定する役(例えば、右のリール3Rで確定する単小役)については、当該1のリール以外のリール(単小役の場合の左のリール3L,中のリール3C)では引込優先順位データを取得しない。また、1のリールで入賞が確定する役が内部当籤役として決定されていない場合には、当該1のリールについて「停止禁止」となる引込優先順位データを取得する。
次に、メインCPU31は、取得した引込優先順位データを検索対象リールに応じた引込優先順位データ格納領域に格納する(ステップS138)。続いて、メインCPU31は、図柄チェック回数を「1」減算し、検索図柄位置を「1」加算する(ステップS139)。次に、メインCPU31は、図柄チェック回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS140)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、ステップS141の処理を行い、NOのときは、ステップS135の処理を行う。この処理では図柄位置「0」〜「20」の全ての検索が行われたかを判別している。ステップS141では、メインCPU31は、検索回数分検索したか否かを判別する。この判別がYESのときは、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を終了し、NOのときは、ステップS132の処理を行う。この処理では全リールについて検索が行われたかを判別している。
[引込優先順位テーブル選択処理]
図68を参照して、引込優先順位を選択するための引込優先順位テーブル選択処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、引込優先順位テーブル選択テーブル番号がセットされているか否かを判別する(ステップS161)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS162の処理を行い、NOのときは、メインCPU31は、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。
ステップS162では、メインCPU31は、引込優先順位テーブル選択テーブル番号に応じた引込優先順位テーブル選択テーブルをセットする。続いて、メインCPU31は、押下順序格納領域、作動ストップボタン格納領域を参照し、引込優先順位テーブル選択テーブルから対応する引込優先順位テーブル番号をセットし(ステップS163)、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。
[リール停止制御処理]
図69を参照して、メインCPU31が内部当籤役や遊技者による停止操作のタイミング等に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を停止させる処理の手順を示したリール停止制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、有効なストップボタン7L,7C,7Rが押されたか否かを判別する(ステップS181)。このとき、有効なストップボタン7L,7C,7Rが押された場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS182の処理を行う。他方、有効なストップボタン7L,7C,7Rが押されていない場合には、メインCPU31は、再び、ステップS181の処理を行う。
ステップS182では、メインCPU31は、押下順序格納領域及び作動ストップボタン格納領域を更新する。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を「1」減算する(ステップS183)。続いて、メインCPU31は、作動ストップボタンから検索対象リールを決定する(ステップS184)。
続いて、ステップS185において、メインCPU31は、図柄カウンタに基づいて停止開始位置を格納する。次に、メインCPU31は、滑り駒数決定処理を行う(ステップS186)。この処理では、メインCPU31は、停止テーブルを参照し、停止開始位置に対して定められた滑り駒数決定データを決定する。次に、メインCPU31は、後で図71を参照して説明する優先引込制御処理を行う(ステップS187)。
続いて、メインCPU31は、リール停止コマンド送信処理を行う(ステップS188)。この処理では、メインCPU31は、リール停止コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。リール停止コマンドは、作動ストップボタン等についての情報を含み、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御回路72に送信される。これにより、副制御回路72は、停止操作に応じて演出を行うことができる。
続いて、メインCPU31は、停止開始位置と滑り駒数決定データとに基づいて、検索対象リールの停止予定位置を決定し、格納する(ステップS189)。続いて、メインCPU31は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットし(ステップS190)、セットした検索図柄位置に基づく図柄コードを取得する図柄コード格納処理(図70)を行う(ステップS191)。
続いて、メインCPU31は、取得した図柄コードに基づいて図柄コード格納領域を更新する(ステップS192)。この処理では、メインCPU31は、図柄コード格納領域において、表示し得る役(図柄組合せ)のビットを「1」に更新し、表示されない役(図柄組合せ)のビットを「0」に更新する。例えば、左のリール3Lについて、検索図柄位置として「GOD」図柄がセットされた場合には、図柄コード格納領域では、左のリール3Lの図柄が「GOD」図柄である役に対応するビットが「1」のまま維持される一方で、左のリール3Lの図柄が「GOD」図柄以外の図柄である役に対応するビットが「0」に更新される。
続いて、メインCPU31は、検索図柄位置に応じて必要がある場合には、制御変更処理を行う(ステップS193)。次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」あるか否かを判別する(ステップS194)。このとき、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」でない場合(第3停止時でない場合)には、メインCPU31は、図67の引込優先順位格納処理を行い(ステップS195)、次に、ステップS181の処理を行う。すなわち、パチスロ1では、次のリール3L,3C,3Rの回転を停止する処理が行われる前に、未だ回転しているリール3L,3C,3Rの各図柄位置について引込優先順位データを格納する処理が行われる。他方、ストップボタン未作動カウンタの値が「0」である場合には、メインCPU31は、第3停止時の停止制御が終了したと判別し、リール停止制御処理を終了する。
[図柄コード格納処理]
図70を参照して、セットした検索図柄位置に基づく図柄コードを取得する図柄コード格納処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、有効ラインデータをセットする(ステップS211)。本実施形態では、センターライン8のみが有効ラインであるため、ライン1(中段−中段−中段)がセットされる。
次に、メインCPU31は、検索図柄位置と有効ラインデータとに基づいて、検索対象リールのチェック用図柄位置データをセットする(ステップS212)。この処理では、メインCPU31は、検索対象リールの検索図柄位置(中段の図柄)に基づいて、セットされた有効ラインデータと対応する図柄の図柄位置を、チェック用図柄位置データとしてセットする。具体的には、有効ラインデータが中段を示す場合には、検索図柄位置がそのままチェック用図柄位置データとなり、有効ラインデータが上段を示す場合には、検索図柄位置+1がチェック用図柄位置データとなる。なお、本実施形態では、有効ラインがセンターライン8のみであるため、有効ラインデータは常に中段となり、検索図柄位置がそのままチェック用図柄位置データとなる。
続いて、メインCPU31は、チェック用図柄位置データの図柄コードを取得し(ステップS213)、図柄コード格納処理を終了する。
[優先引込制御処理]
図71を参照して、メインCPU31が滑り駒数を決定する処理の手順を示した優先引込制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、作動ストップボタンに応じた引込優先順位データ格納領域をセットする(ステップS231)。続いて、メインCPU31は、停止開始位置を取得する(ステップS232)。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定データに応じた優先順序テーブルをセットし(ステップS233)、続いて、優先順序の初期値及びチェック回数に「5」をセットする(ステップS234)。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定データを滑り駒数としてセットする(ステップS235)。続いて、メインCPU31は、停止開始位置及び優先順序に基づいて、停止検索位置を抽出する(ステップS236)。次に、メインCPU31は、停止検索位置の引込優先順位データを取得する(ステップS237)。
続いて、メインCPU31は、先に取得された引込優先順位データ以上であるか否かを判別する(ステップS238)。このとき、先に取得した優先引込順位データ以上である場合には、メインCPU31は、滑り駒数を更新し(ステップS239)、続いて、ステップS240の処理を行う。他方、先に取得した優先引込順位データ未満である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS240の処理を行う。
ステップS240では、メインCPU31は、優先順序及びチェック回数を「1」減算する。続いて、メインCPU31は、チェック回数が「0」であるか否かを判別する(ステップS241)。このとき、チェック回数が「0」である場合には、メインCPU31は、更新された滑り駒数をセットし(ステップS242)、優先引込制御処理を終了する。他方、チェック回数が「0」でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS236の処理を行う。
このように、優先引込制御処理では、メインCPU31は、複数の種類の滑り駒数の中から、より優先順位の高い引込みを行うべき内部当籤役に係る図柄の組合せが表示される滑り駒数を決定する。
[RT制御処理]
図72を参照して、RT制御処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、RT0移行リプレイが表示されたか否か、すなわち、RT0移行リプレイが入賞したか否かを判別する(ステップS261)。このとき、RT0移行リプレイが入賞した場合には、メインCPU31は、続いて、遊技状態を一般遊技状態(RT0遊技状態)に更新し(ステップS262)、RT制御処理を終了する。
他方、RT0移行リプレイが入賞していない場合には、メインCPU31は、続いて、RT作動図柄又はRT1移行リプレイが表示されたか否かを判別する(ステップS263)。このとき、RT作動図柄又はRT1移行リプレイが表示された場合には、メインCPU31は、続いて、遊技状態をRT1遊技状態に更新し(ステップS264)、RT制御処理を終了する。
他方、RT作動図柄又はRT1移行リプレイが表示されていない場合には、メインCPU31は、続いて、RT2移行リプレイ又はRT確定リプレイが表示されたか否か、すなわち、RT2移行リプレイ又はRT確定リプレイが入賞したか否かを判別する(ステップS265)。このとき、RT2移行リプレイ又はRT確定リプレイが入賞した場合には、メインCPU31は、続いて、遊技状態をRT2遊技状態に更新し(ステップS266)、RT制御処理を終了する。
他方、RT2移行リプレイ又はRT確定リプレイが入賞していない場合には、メインCPU31は、続いて、RT3移行リプレイが表示されたか否か、すなわち、RT3移行リプレイが入賞したか否かを判別する(ステップS267)。このとき、RT3移行リプレイが入賞した場合には、メインCPU31は、続いて、遊技状態をRT3遊技状態に更新し(ステップS268)、RT制御処理を終了する。
他方、RT3移行リプレイが入賞していない場合には、メインCPU31は、続いて、RT4移行リプレイが表示されたか否か、すなわち、RT4移行リプレイが入賞したか否かを判別する(ステップS269)。このとき、RT4移行リプレイが入賞した場合には、メインCPU31は、続いて、遊技状態をRT4遊技状態に更新し(ステップS270)、RT制御処理を終了する。他方、RT4移行リプレイが入賞していない場合には、メインCPU31は、RT制御処理を終了する。
[ボーナス終了チェック処理]
図73を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、SB作動中であるか否か、すなわち、SB遊技状態フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS291)。このとき、SB作動中でない場合には、メインCPU31は、ボーナス終了チェック処理を終了する一方で、SB作動中である場合には、メインCPU31は、続いて、SB遊技状態フラグをオフに更新するSB終了処理を行い(ステップS292)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
[ボーナス作動チェック処理]
図74を参照して、決定された表示役の種別等に基づいてメインCPU31がボーナスゲームを作動する処理の手順を示したボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、SB作動であるか否か、すなわち、SBが入賞したか否かを判別する(ステップS311)。このとき、SBが入賞した場合には、メインCPU31は、続いて、SB遊技状態フラグをオンに更新するSB作動処理を行い(ステップS312)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
他方、SBが入賞していない場合には、メインCPU31は、続いて、リプレイが表示されたか否か、すなわち、リプレイが入賞したか否かを判別する(ステップS313)。このとき、リプレイが入賞した場合には、メインCPU31は、続いて、自動投入枚数カウンタに投入枚数カウンタの値を複写する自動投入要求を行い(ステップS314)、ボーナス作動チェック処理を終了する。他方、リプレイが入賞していない場合には、メインCPU31は、ボーナス作動チェック処理を終了する。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1173msec)]
図75を参照して、メインCPU31が所定の時間(例えば、1.1173ms)毎に実行する割込の処理の手順を示したメインCPU31の制御による割込処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(ステップS331)。続いて、メインCPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS332)。この処理では、メインCPU31は、マイクロコンピュータ30へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU31は、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S等のオンエッジ、オフエッジを割込処理毎に格納する。
続いて、メインCPU31は、タイマ更新処理を行う(ステップS333)。次に、メインCPU31は、コマンドデータ送信処理を行う(ステップS334)。この処理では、通信データ格納領域に格納されたコマンドを副制御回路72へ送信する。続いて、メインCPU31は、リール制御処理を行う(ステップS335)。例えば、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を制御する。より詳細には、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L,3C,3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L,3C,3Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L,3C,3Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS336)。例えば、メインCPU31は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。続いて、メインCPU31は、レジスタの復帰を行い(ステップS337)、定期的に発生する割込の処理を終了する。
[副制御回路のサブCPUによって実行されるプログラムフロー]
次に、図76〜図101を参照して、副制御回路72のサブCPU81により実行されるプログラムの内容について説明する。
[電源投入時処理]
図76を参照して、電源投入時の副制御回路72の動作について説明する。
初めに、サブCPU81は、初期化処理を行い(ステップS351)、ステップS352に移る。この処理では、サブCPU81は、サブRAM83等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、サウンド制御タスク、及びVSYNC(Vertical Synchronization)割込同期のタスクグループであるマザータスクを含んで構成される。
ステップS352では、サブCPU81は、ランプ制御タスクを起動し、ステップS353に移る。ランプ制御タスクについては、後に図77を参照して説明するが、サブCPU81に対して2ms毎に送信されるタイマ割込イベントメッセージをサブCPU81が受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージをサブCPU81が受け取ったことに応じて、サブCPU81は、リール3L,3C,3Rのリールバックランプの点灯状態を制御する処理を行う。
ステップS353では、サブCPU81は、サウンド制御タスクを起動し、ステップS354に移る。サウンド制御タスクについては、後に図78を参照して説明するが、サブCPU81は、スピーカ9L,9Rからの出音状態を制御する処理を行う。
ステップS354では、サブCPU81は、マザータスクを起動し、処理を打ち切る。マザータスクについては、後に図79を参照して説明するが、VSYNC(垂直同期信号)割込同期のタスクグループであり、液晶表示装置5で1フレームの映像が表示されたときに液晶表示装置5から送られる垂直同期信号(VSYNC割込信号)を用いる。
[ランプ制御タスク]
図77を参照して、ランプ制御タスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、タイマ割込初期化処理を行い(ステップS371)、ステップS372に移る。ステップS372では、サブCPU81は、ランプ関連データの初期化処理を行う。
次に、サブCPU81は、タイマ割込待ちを行い(ステップS373)、ステップS374に移る。この処理では、サブCPU81が2ms毎にタイマ割込イベントメッセージを受け取るまでの間、サブCPU81は、タイマ割込同期とは異なるタスクグループを実行する。
ステップS374では、後で図78を参照して説明するサウンド制御タスクの実行処理を行い、ステップS375に移る。この処理では、ランプ制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスクを実行する。本実施形態では、タイマ割込同期のタスクグループの優先順位は、基本的に、ランプ制御タスク、サウンド制御タスクの順としている。したがって、ステップS374では、ランプ制御タスクの次の優先順位にあるサウンド制御タスクを実行する。なお、ステップS374では、後述の図78を参照して説明するサウンド制御タスクのうち、ステップS393、ステップS394の処理が行われる。
ステップS375では、サブCPU81は、ランプデータ解析処理を行い、ステップS376に移る。ステップS376では、サブCPU81は、ランプ点灯制御処理を行い、ステップS373に移る。
[サウンド制御タスク]
図78を参照して、サウンド制御タスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、スピーカ9L,9Rからの出音状態に関連するサウンド関連データの初期化処理を行い(ステップS391)、ステップS392に移る。ステップS392では、サブCPU81は、サウンド制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスク、すなわちランプ制御タスクを実行し、ステップS393に移る。このステップS392では、ランプ制御タスクのうち、ステップS375、ステップS376の処理が行われる。
ステップS393では、サブCPU81は、サウンドデータの解析処理を行い、ステップS394に移る。ステップS394では、サブCPU81は、音出力制御処理を行い、ステップS392へ移る。
[マザータスク]
図79を参照して、マザータスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、後に図80を参照して説明するメインタスクの起動を行い(ステップS411)、ステップS412に移る。ステップS412では、サブCPU81は、主基板通信タスクの起動を行い、ステップS413に移る。主基板通信タスクでは、2ms毎に送信されるコマンドデータに基づいて、演出を制御するための制御用データをセットする。ステップS413では、サブCPU81は、後に図83を参照して説明するアニメタスクを起動し、処理を打ち切る。
[メインタスク]
図80を参照して、メインタスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、VSYNC割込初期化処理を行い(ステップS431)、ステップS432に移る。ステップS432では、サブCPU81は、VSYNC割込待ちを行う。続いて、サブCPU81は、描画処理を行い(ステップS433)、ステップS432に移る。
[主基板通信タスク]
図81を参照して、主基板通信タスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、通信メッセンジャーキューの初期化を行い(ステップS451)、ステップS452に移る。ステップS452では、サブCPU81は、受信コマンドのチェックを行い、ステップS453に移る。ステップS453では、サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS454に移り、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS452に移る。
ステップS454では、サブCPU81は、受信したコマンドのパラメータから内部当籤役、遊技状態、設定値、ATセットカウンタ等の遊技情報を作成、格納し、ステップS455に移る。ステップS455では、サブCPU81は、後に図82を参照して説明するコマンド解析処理を行い、ステップS452に移る。
[コマンド解析処理]
図82を参照して、コマンド解析処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、後で図84を参照して説明する演出内容決定処理を行い(ステップS471)、ステップS472に移る。ステップS472では、サブCPU81は、ランプデータ決定処理を行い、ステップS473に移る。ステップS473では、サブCPU81は、サウンドデータ決定処理を行い、ステップS474に移る。ステップS474では、サブCPU81は、決定された各データを登録し、コマンド解析処理を終了する。
[アニメタスク]
図83を参照して、アニメタスクについて説明する。
初めに、サブCPU81は、前回の遊技情報との変化をチェックし(ステップS491)、ステップS492に移る。ステップS492では、サブCPU81は、オブジェクト制御処理を行い、ステップS493に移る。ステップS493では、サブCPU81は、アニメタスク管理処理を行い、ステップS491に移る。
[演出内容決定処理]
図84を参照して、演出内容決定処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、初期化コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS511)。初期化コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、初期化コマンド受信時処理を行い(ステップS512)、演出内容決定処理を終了する。なお、初期化コマンドには、例えば、設置値変更の有無や設定値の情報が含まれ、初期化コマンド受信時処理では、サブCPU81は、これらの情報を取得する。
他方、初期化コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、メダル投入コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS513)。メダル投入コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、後で図85を参照して説明するメダル投入コマンド受信時処理を行い(ステップS514)、演出内容決定処理を終了する。なお、メダル投入コマンドには、例えば、メダル投入の有無、投入枚数カウンタやクレジットカウンタの値の情報が含まれ、メダル投入コマンド受信時処理では、サブCPU81は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、メダル投入コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS515)。スタートコマンド受信時である場合には、サブCPU81は、後で図86を参照して説明するスタートコマンド受信時処理を行い(ステップS516)、演出内容決定処理を終了する。なお、スタートコマンドには、例えば、遊技状態フラグの種別、内部当籤役の種別、ロック抽籤の結果(ショートロック、ロングロック、あるいはフリーズの有無)等が含まれ、スタートコマンド受信時処理では、サブCPU81は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、スタートコマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、リール回転開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS517)。リール回転開始コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、リール回転開始コマンド受信時処理を行い(ステップS518)、演出内容決定処理を終了する。なお、リール回転開始コマンドには、例えば、リールの回転が開始された旨の情報が含まれ、リール回転開始コマンド受信時処理では、サブCPU81は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、リール回転開始コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS519)。リール停止コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、後で図91を参照して説明するリール停止コマンド受信時処理を行い(ステップS520)、演出内容決定処理を終了する。なお、リール停止コマンドには、例えば、停止したリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)の情報が含まれ、リール停止コマンド受信時処理では、サブCPU81は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、リール停止コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS521)。表示コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、後で図92を参照して説明する表示コマンド受信時処理を行い(ステップS522)、演出内容決定処理を終了する。なお、表示コマンドには、例えば、表示役の種別を示す情報が含まれ、表示コマンド受信時処理では、サブCPU81は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、表示コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS523)。ボーナス開始コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、ボーナス開始コマンド受信時処理を行い(ステップS524)、演出内容決定処理を終了する。なお、ボーナス開始コマンドには、ボーナスが開始された旨の情報が含まれ、ボーナス開始コマンド受信時処理では、サブCPU81は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、ボーナス開始コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS525)。ボーナス終了コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、ボーナス終了コマンド受信時処理を行い(ステップS526)、演出内容決定処理を終了する。なお、ボーナス終了コマンドには、ボーナスが終了した旨の情報が含まれ、ボーナス終了コマンド受信時処理では、サブCPU81は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
他方、ボーナス終了コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、続いて、入力状態コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS527)。入力状態コマンド受信時である場合には、サブCPU81は、後で図101を参照して説明する入力状態コマンド受信時処理を行い(ステップS528)、演出内容決定処理を終了する。他方、入力状態コマンド受信時でない場合には、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了する。なお、入力状態コマンドには、例えば、ストップボタン7L,7C,7R等の各操作部がオンエッジ状態であるか、オフエッジ状態であるかの情報が含まれ、入力状態コマンド受信時処理では、サブCPU81は、これらの情報を取得し、必要な演出データをセットする。
[メダル投入コマンド受信時処理]
図85を参照して、メダル投入コマンド受信時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、メダル投入コマンドが3枚目のメダルの投入のものであるか否かを判別する(ステップS541)。サブCPU81は、3枚目のメダルの投入であると判別した場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS542の処理を行う。
ステップS542では、サブCPU81は、バックライトを用いた演出の終了を指示する。この処理では、サブCPU81は、リール3L,3C,3Rの停止後において発生させるライト演出を、手入れあるいは自動投入を問わず、3枚目のメダルの投入が確認されることを条件に強制的に終了する。
バックライトによる演出は、図82を参照して説明したコマンド解析処理におけるランプデータ決定処理(S472)によって終了が決定され、サブCPU81によってバックライトの消灯指示がなされる。バックライトによる演出は、小役等の種類に対応付けて複数種類設定されるが、バックライトによる演出を強制的に終了させることで、次回遊技が開始する前に遊技者に表示結果を明確に表示することができる。
他方、サブCPU81は、3枚目のメダルの投入であると判別しない場合には、メダル投入コマンド受信時処理を終了する。
[スタートコマンド受信時処理]
図86を参照して、スタートコマンド受信時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、後で図87を参照して説明するATセット数上乗せ抽籤処理を行う(ステップS561)。この処理では、サブCPU81は、継続率に基づいて報知権利の継続付与を行う。続いて、サブCPU81は、ペナルティカウンタが「1」以上であるか否かを判別する(ステップS562)。本実施形態では、非AT及び非ARTにおいて左のリール3L以外のリールに対して第1停止操作が行われた場合に、報知権利の付与が行われない(又は付与する確率を著しく低くする)罰則を与えることとしている。ペナルティカウンタとは、この罰則が行われるゲーム数を計数するカウンタであり、サブRAM83の所定の領域に格納される。
このとき、ペナルティカウンタが「1」以上である場合には、サブCPU81は、ペナルティカウンタを「1」減算し(ステップS563)、ステップS565に移る。他方、ペナルティカウンタが「0」である場合には、サブCPU81は、後で図88を参照して説明するモード処理を行う(ステップS564)。この処理では、サブCPU81は、現在のモードに基づくAT抽籤を行う。
続いて、サブCPU81は、開始時の履歴表示パターンの更新を行う(ステップS565)。具体的には、サブCPU81は、液晶表示装置5の入賞履歴表示領域5cに表示された5ゲーム分の入賞履歴を1ゲーム分更新する(すなわち、今回遊技分の入賞履歴をブランク表示とする)。
続いて、サブCPU81は、内部当籤役がSBであるか否かを判別する(ステップS566)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS567の処理を行い、NOのときは、ステップS568の処理を行う。ステップS567では、サブCPU81は、SB識別データをセットし、続いて、ステップS568の処理を行う。ステップS568では、サブCPU81は、後で図90を参照して説明する演出抽籤処理を行い、スタートコマンド受信時処理を終了する。
[ATセット数上乗せ抽籤処理]
図87を参照して、ATセット数上乗せ抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、モード用初当たりフラグがオンであるか否かを判別する(ステップS581)。ここで、モード用初当たりフラグとは、現在のモードに基づくAT抽籤に当籤したか否かを識別するためのフラグであり、オンである場合には当籤したことを示し、オフである場合には非当籤であることを示す。このとき、モード用初当たりフラグがオフである場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS586の処理を行う。
他方、モード用初当たりフラグがオンである場合には、サブCPU81は、AT抽籤当籤時に決定された継続率を参照してAT継続抽籤を実行する(ステップS582)。続いて、サブCPU81は、AT継続抽籤に当籤したか否か、すなわちATを継続するか否かを判別する(ステップS583)。このとき、ATを継続する場合には、サブCPU81は、ATセットカウンタを「1」加算し(ステップS584)、続いて、ステップS586の処理を行う。他方、ATを継続しない場合には、サブCPU81は、モード用初当たりフラグをオフに更新し(ステップS585)、続いて、ステップS586の処理を行う。
ステップS586では、サブCPU81は、入賞履歴用初当たりフラグがオンであるか否かを判別する。ここで、入賞履歴用初当たりフラグとは、5ゲーム間の入賞履歴に基づくAT抽籤に当籤したか否かを識別するためのフラグであり、オンである場合には当籤したことを示し、オフである場合には非当籤であることを示す。このとき、入賞履歴用初当たりフラグがオフである場合には、サブCPU81は、ATセット数上乗せ抽籤処理を終了する。
他方、入賞履歴用初当たりフラグがオンである場合には、サブCPU81は、AT抽籤当籤時に決定された継続率を参照してATの継続抽籤を実行する(ステップS587)。続いて、サブCPU81は、AT継続抽籤に当籤したか否か、すなわちATを継続するか否かを判別する(ステップS588)。このとき、ATを継続する場合には、サブCPU81は、ATセットカウンタを「1」加算し(ステップS589)、ATセット数上乗せ抽籤処理を終了する。他方、ATを継続しない場合には、サブCPU81は、入賞履歴用初当たりフラグをオフに更新し(ステップS590)、ATセット数上乗せ抽籤処理を終了する。
[モード処理]
図88を参照して、モード処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、設定値、現在のモード、状態(例えばメイン側のRT遊技状態の種別、サブ側のATの有無及び前兆の有無)、SPフラグのオン・オフ、及び内部当籤役(当籤番号)に基づいて移行先モードを決定する(ステップS611)。例えばSPフラグがオフである場合には、図45及び図46等のモード移行抽籤テーブルを参照して移行先モードを決定する。一方、SPフラグがオンである場合には、図61(A)及び図61(B)等のモード移行抽籤テーブルを参照して移行先モードを決定する。
図61(A)及び図61(B)に示したモード移行抽籤テーブルは、SPフラグがオンであるプレミアG−ZONEにおいて参照されるテーブルであり、図45及び図46に示したSPフラグがオフであるモード移行抽籤テーブルに比べて、上位モードへの移行が優遇されている。すなわち、プレミアG−ZONEでは、上位モードに移行しやすくなっているため、単調になりがちなART準備中の遊技を、上位モードに移行しやすい内部当籤役に入賞に対する期待を持ちつつ遊技を進行することができる。
次に、サブCPU81は、決定された移行先モードを現在のモードとしてセットし(ステップS612)、続いて、図43に示したモード毎に規定されたART抽籤テーブルを参照し、現在のモード及び内部当籤役に基づいてAT抽籤を行う(ステップS613)。
続いて、サブCPU81は、AT抽籤に当籤したか否かを判別する(ステップS614)。このとき、AT抽籤に当籤しない場合には、サブCPU81は、モード処理を終了する。他方、AT抽籤に当籤した場合には、サブCPU81は、続いて、ATセットカウンタを「1」加算する(ステップS615)。AT抽籤に当籤したときにATセットカウンタに加算する値は、「1」に限らず、複数であってもよい。
続いて、サブCPU81は、モード用継続率抽籤テーブル(図示略)を参照し、現在のモードに基づいて継続率を決定する(ステップS616)。継続率(ループ率)は、例えば1%、25%、50%、75%、80%、90%に設定される(図60参照)。
続いて、サブCPU81は、モード用初当たりフラグをオンに更新するとともに(ステップS617)、図89を参照して後に説明する初当たり時処理を実行し(ステップS618)、モード処理を終了する。
[初当たり時処理]
図89を参照して、初当たり時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、前兆カウンタが0であるか否かを判別する(ステップS631)。前兆カウンタは、ART準備中に移行するまでの残りゲーム数を規定するものであり、サブRAM63の所定領域に格納されている。サブCPU81は、前兆カウンタが0である場合、ステップS632の処理を実行する。他方、サブCPU81は、前兆カウンタが0でない場合、初当たり時処理を終了する。
ステップS632では、サブCPU81は、サブ状態が通常又はG−ZONEであるか否かを判別する。ここで、G−ZONEは、特に指定のない場合、G−ZONE(A)及びG−ZONE(5)の双方を含む。G−ZONE(A)は、非ATであって、ARTカウンタが「0」となってからRT1移行リプレイ又はRT作動図柄が表示されるまでの間である。G−ZONE(5)は、非ATであって、基本的にはG−ZONE(A)から移行して5ゲームの間であるが、RT3移行リプレイが表示された場合には、G−ZONE(A)から移行してからRT3移行リプレイまでの間である。
サブCPU81は、サブ状態が通常又はG−ZONEである場合、ステップS633の処理を実行する。他方、サブCPU81は、サブ状態が通常又はG−ZONEでない場合、初当たり時処理を終了する。
ステップS633では、サブCPU81は、前兆ゲーム数抽籤テーブルを参照して抽籤により前兆ゲーム数を決定し、決定された前兆ゲーム数を前兆カウンタにセットする。前兆ゲーム数抽籤テーブルについては図示していないが、前兆ゲーム数抽籤テーブルは、前兆ゲーム数を、例えば1〜32の範囲で規定している。前兆ゲーム数抽籤テーブルは、初当たり時と連荘時と別々のテーブルとしてもよく、この場合には、連荘時前兆ゲーム数抽籤テーブルは、初当たり時の前兆ゲーム数抽籤テーブル比べて前兆ゲーム数に少なく設定され、連荘時には1〜5ゲームの振り分けが高くされる。
続いて、サブCPU81は、初当たりカウンタに1加算した後(ステップS634)、天井カウンタが200〜1であるか否かを判別する(ステップS635)。天井カウンタは、サブ状態にG−ZONE(5)がセットされ、かつATセットカウンタが0のときに、図100を参照して後に説明する天井セット処理のステップS911において1500にセットされるものである。この天井カウンタは、図96を参照して後に説明するART開始時処理のステップS801においてクリアされる。
サブCPU81は、天井カウンタが200〜1である場合にはS636の処理を実行し、天井カウンタが200〜1でない場合には初当たり時処理を終了する。
ステップS636では、サブCPU81は、抽籤により天井短縮フラグをオンにした後、初当たり時処理を終了する。
天井短縮フラグがオンされる確率は、例えば50%に設定される。もちろん、天井短縮フラグがオンされる確率は50%以外でもよく、100%であってもよい。天井短縮フラグがオンされる確率が100%の場合には、抽籤を行うことなく、天井カウンタが200〜1である場合には無条件で天井短縮スラグがオンされる。
サブCPU81は、天井短縮フラグがオンの場合、図100を参照して後に説明する天井セット処理のステップS913において天井カウンタに300にセットされる。
[演出抽籤処理]
図90を参照して、演出抽籤処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、ロックありか、すなわちメイン側においてショートロック、ロングロック、あるいはフリーズを行うか否かを判別する(ステップS651)。このとき、ロックありである場合には、サブCPU81は、ロック用特殊演出データをセットし(ステップS652)、続いて、ステップS653の処理を行う。他方、ロックなしである場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS653の処理を行う。なお、ロックありか否かは、スタートコマンドを解析することにより判別することができる。
続いて、サブCPU81は、図柄テーブル抽籤テーブル(図53及び図54参照)に基づいて、図柄テーブルを決定する(ステップS653)。図柄テーブル抽籤テーブルは、モード毎に設けられる。各モードの図柄テーブル抽籤テーブルはさらに、サブ状態(図37参照)に併せて複数種類含んでいてもよい。図柄テーブルは、図53及び図54の左欄に列挙されたものであり、液晶表示装置5の演出表示領域5aに表示される図柄の組合せをグループ化したものである。
続いて、サブCPU81は、演出グループテーブル抽籤テーブル(図55(A)及び図55(B)参照)を参照し、図柄テーブルに基づいて、演出グループテーブルを決定する(ステップS654)。
続いて、サブCPU81は、演出抽籤テーブル(図56及び図57参照)を参照し、演出グループテーブルに基づいて演出番号を決定する(ステップS655)。
続いて、サブCPU81は、ステップS655において決定された演出番号が2、すなわち遅れ演出であるか否かを判別する(ステップS656)。遅れ演出は、スタートレバー23を操作したときのスタート音がリール3L,3C,3Rの回転開始に対して遅れる演出である。遅れ演出時のスタート音としては、通常時のスタート音とは異なる特殊音が採用される。
サブCPU81は、ステップS656における判別で演出番号2であると判別した場合にはステップS657の処理を実行し、演出番号2でないと判別した場合には演出抽籤処理を終了する。
ステップS657では、サブCPU81は、GODボタン抽籤テーブル(図58参照)を参照して抽籤を行い、演出番号の書き換えを行って演出抽籤処理を終了する。
演出番号の書き換え抽籤は、書き換え後の演出として演出番号2,21〜23の4種類から選択することにより行われる。ただし、演出番号2(遅れ演出)に当籤したときには、内部的には演出の書き換えは行われない。ここで、演出の書き換えとは、演出番号2の演出を行うとともに、その後に書き換える演出を追加的に実行するパターンと、演出番号2の演出を行わずに、演出番号2の演出をキャンセルして完全に演出を書き換えるパターンと、を含み得る。
[リール停止コマンド受信時処理]
図91を参照して、リール停止コマンド受信時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、ARTカウンタが「1」以上であるか否かを判別する(ステップS671)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、リール停止コマンド受信時処理を終了し、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS672の処理を行う。
ステップS672では、サブCPU81は、ATセットカウンタが「1」以上であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、リール停止コマンド受信時処理を終了し、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS673の処理を行う。
ステップS673では、サブCPU81は、左第1停止であるか否か、すなわち、第1停止操作が左のリール3Lに対するものであるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、リール停止コマンド受信時処理を終了し、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS674の処理を行う。
ステップS674では、サブCPU81は、ペナルティカウンタを「10」加算し、続いて、ペナルティ警告演出データをセットし(ステップS675)、リール停止コマンド受信時処理を終了する。
[表示コマンド受信時処理]
図92を参照して、表示コマンド受信時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、後で図99を参照して説明する入賞履歴処理を行う(ステップS691)。続いて、サブCPU81は、ペナルティカウンタが「1」以上であるか否かを判別する(ステップS692)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、表示コマンド受信時処理を終了し、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS693の処理を行う。
ステップS693では、サブCPU81は、表示役が特殊小役であるか否かを判別する。なお、特殊小役という場合、特に指定がないときには、クロスダウン特殊小役も含むものとする。ステップS693において、サブCPU81が表示役が特殊小役であると判別した場合には、サブCPU81は、特別ステージであるGODステージをセットするとともに、GODステージに対応するBGMをセットし(ステップS694)、続いて、ステップS695の処理を行う。他方、表示役が特殊小役でない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS695の処理を行う。
ステップS695では、サブCPU81は、サブ状態がART又はART(EG)であるか否かを判別する。ARTは、小役を入賞させるため、及び転落リプレイの入賞を回避するために押し順の報知が発生する期間である(図37参照)。ART(EG)は、RT4移行リプレイに入賞したときに移行するARTのセット数上乗せに有利な期間である(図37参照)。
ART又はART(EG)である場合には、サブCPU81は、ステップ707の処理を行う。他方、ART又はART(EG)でない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS696の処理を行う。
ステップS696では、サブCPU81は、当籤番号が14〜21のいずれかであるか否か、すなわち内部当籤役がRT4移行リプレイ、RT2確定リプレイ及びRT2移行リプレイの重複当籤であるか否かを判別する。このとき、当籤番号が14〜21のいずれかである場合には、サブCPU81は、ステップS697の処理を行う。他方、当籤番号が14〜21のいずれでもない場合には、サブCPU81は、ステップS702の処理を行う。
ステップS697では、サブCPU81は、表示役がRT4移行リプであるか否かを判別する。このとき、表示役がRT4移行リプである場合には、図93を参照して後に説明する突ART開始時処理を行うとともに(ステップS698)、背景色変更フラグをオンに更新する(ステップS699)。これらの処理によって、サブ状態をART(EG)に移行させるとともに、背景色を変更して、サブ状態がART(EG)に移行したことを報知する。すなわち、突ARTは、非ARTから前兆ゲームなしで突入するART(EG)である。続いて、サブCPU81は、ステップS700の処理を行う。他方、表示役がRT4移行リプでない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS700の処理を行う。
ステップS700では、サブCPU81は、表示役がRT2移行リプであるか否かを判別する。このとき、表示役がRT2移行リプである場合には、図94を参照して後に説明する突当たり時処理を行い(ステップS701)、表示コマンド受信時処理を終了する。すなわち、サブCPU81は、サブ状態をART準備中にセットして、表示コマンド受信時処理を終了する。ここで、突当たりは、前兆ゲームなしでART準備中に移行する当りである。他方、表示役がRT2移行リプでない場合には、表示コマンド受信時処理を終了する。
ステップS702では、サブCPU81は、表示役がRT3移行リプであるか否かを判別する。このとき、表示役がRT3移行リプである場合には、図96を参照して後に説明するART開始時処理を行い(ステップS703)、表示コマンド受信時処理を終了する。すなわち、サブCPU81は、サブ状態をARTにセットして、表示コマンド受信時処理を終了する。他方、表示役がRT3移行リプでない場合には、ステップS704の処理を行う。
ステップS704では、サブCPU81は、サブ状態がG−ZONE(A)であるか否かを判別する。このとき、サブ状態がG−ZONE(A)である場合には、図97を参照して後に説明するG−ZONE(A)中処理を行い(ステップS705)、表示コマンド受信時処理を終了する。他方、G−ZONE(A)でない場合には、図95を参照して後に説明するカウント処理を行う(ステップS706)。この処理において、各種カウンタ、例えば天井カウンタ、前兆カウンタ、ARTカウンタの更新を行うとともに、ART予約数、ステージ、及びBGM等を決定する。ここで、G−ZONE(A)は、ARTカウンタが「0」となってからRT1移行リプレイ又はRT作動図柄が表示されるまでの非ATである。ステップS706の処理が終了した場合には、表示コマンド受信時処理を終了する。
ステップS707では、サブCPU81は、サブ状態がARTであるか否かを判別する。このとき、サブ状態がARTである場合には、図98を参照して後に説明するART中表示時処理を行い(ステップS708)、表示コマンド受信時処理を終了する。他方、サブ状態がARTでない場合には、すなわちART(EG)である場合には、ステップS709の処理を行う。
ステップS709では、サブCPU81は、サブ状態がART(EG)である場合には、表示役がRT3移行リプであるか否かを判別する。このとき、表示役がRT3移行リプである場合には、サブ状態にARTをセットし(ステップS710)、続いて、サブCPU81は、背景色変更フラグをオフにして(ステップS711)、表示コマンド受信時処理を終了する。すなわち、サブCPU81は、サブ状態がART(EG)からARTに移行したことを背景色により報知する。他方、表示役がRT3移行リプでない場合には、表示コマンド受信時処理を終了する。
[突ART開始時処理]
図93を参照して、突ART開始時処理、すなわち非ARTから突入するART(EG)の開始時の処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、天井カウンタ及び前兆カウンタをクリアし、SPフラグをオフにする(ステップS731)。続いて、サブCPU81は、ARTゲーム数振り分け抽籤テーブル(図42参照)を参照し、当籤役に基づいてARTゲーム数を決定し、ARTカウンタにセットする(ステップS732)。
続いて、サブCPU81は、初当たりカウンタが「1」であるか否かを判別する(ステップS733)。この判別がNOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS736の処理を行う。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、連荘カウンタに1をセットするとともに(ステップS734)、初当たり判定カウンタをクリアし(ステップS735)、続いて、ステップS736の処理を行う。
ステップS736では、サブCPU81はサブ状態が通常又はG−ZONEであるか否かを判別する。この判別がNOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS739の処理を行う。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、ART開始時ステージ抽籤テーブル(図47参照)を参照し、ステージを決定するとともに(ステップS737)、特殊BGM抽籤テーブル(図49参照)、BGM優先度テーブル(図48参照)及び再生タイミング抽籤テーブル(図51参照)を参照し、ART中BGMを決定し(ステップS738)、続いて、ステップS739の処理を行う。
ステップS739では、サブCPU81は、サブ状態をART(EG)にセットし、突ART開始時処理を終了する。
[突当り時処理]
図94を参照して、突当り時処理、すなわち前兆ゲームなしで突入するART準備中の開始時の処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、天井カウンタ及び前兆カウンタをクリアし、SPフラグをオフにする(ステップS751)。続いて、サブCPU81は、サブ状態にART準備中をセットし(ステップS752)、モード用継続率抽籤テーブル(図示略)を参照し、現在のモードに基づいて継続率を決定する(ステップS753)。
続いて、サブCPU81は、モード用初当たりフラグをオンし(ステップS754)、続いて、初当たりカウンタが「1」であるか否かを判別する(ステップS755)。この判別がNOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS758の処理を行う。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、連荘カウンタに1をセットするとともに(ステップS756)、初当たり判定カウンタをクリアし(ステップS757)、続いて、ステップS758の処理を行う。
ステップS758では、サブCPU81は、ART開始時ステージ抽籤テーブル(図47参照)を参照し、ステージを決定するとともに、特殊BGM抽籤テーブル(図49参照)、BGM優先度テーブル(図48参照)及び再生タイミング抽籤テーブル(図51参照)を参照し、ART中BGMを決定し(ステップS759)、突当たり時処理を終了する。
[カウント処理]
図95を参照して、カウント処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、前兆カウンタが「0」であるか否かを判別する(ステップS771)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS781の処理を行う。他方、判別がNOのときは、サブCPU81は、前兆カウンタを「1」減算する(ステップS772)。
続いて、サブCPU81は、前兆カウンタが「0」であるか否かを判別する(ステップS773)。この判別がNOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS781の処理を行う。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、サブ状態にART準備中をセットする(ステップS734)。
続いて、サブCPU81は、初当たりカウンタが「1」であるか否かを判別する(ステップS775)。この判別がNOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS778の処理を行う。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、連荘カウンタに1をセットするとともに(ステップS776)、初当たり判定カウンタをクリアし(ステップS777)、続いて、ステップS778の処理を行う。
ステップS778では、サブCPU81は、ART予約ゲーム数を決定し、続いて、ステージ及びART中BGMを決定し(ステップS779,ステップS780)、カウント処理を終了する。ART予約ゲーム数は、ART開始時にARTカウンタにセットされるゲーム数であり、ゲーム数振り分け抽籤テーブル(図41及び図42参照)を参照し、当籤役に基づいて、50ゲーム、100ゲーム及び200ゲームの中から決定される(ステップS778)。ステージは、ART開始時ステージ抽籤テーブル(図47参照)を参照して決定される(ステップS779)。ART中BGMは、特殊BGM抽籤テーブル(図49参照)、BGM優先度テーブル(図48参照)及び再生タイミング抽籤テーブル(図51参照)を参照して決定される(ステップS780)。
ステップS781では、サブCPU81は、天井カウンタを「1」減算し、天井カウンタが「0」であるか否かを判別する(ステップS782)。この判別がNOのときは、サブCPU81は、カウント処理を終了する。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、ATセットカウンタを1加算し(ステップS783)、ステップS784の処理を行う。
ステップS784では、サブCPU81は、モード用継続率抽籤テーブル(図示略)を参照して現在のモードに基づいて継続率を決定し、続いて、モード用初当たりフラグをオンする(ステップS785)。
続いて、サブCPU81は、図89を参照して先に説明した初当たり時処理を行い、カウント処理を終了する。
[ART開始時処理]
図96を参照して、ART開始時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、天井カウンタ及び前兆カウンタをクリアし、SPフラグをオフし(ステップS801)、続いて、サブ状態にART準備中をセットし(ステップS802)。
続いて、サブCPU81は、図95のカウント処理におけるS778で決定されたART予約ゲーム数を、ARTカウンタにセットする(ステップS803)。続いて、サブCPU81は、ATセットカウンタを1減算し(ステップS804)、ART開始時処理を終了する。
[G−ZONE(A)中処理]
図97を参照して、G−ZONE(A)中処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、ATセットカウンタが「1」以上であるか否かを判別する(ステップS821)。すなわち、ARTのストックがあるか否かを判別する。この判別がNOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS825の処理を行う。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、プレミアG−ZONE移行抽籤テーブル(図60参照)を参照し、当籤役に基づいて当否を決定し(ステップS822)、ステップS823の処理を行う。
ここで、プレミアG−ZONEは、モード移行抽籤テーブル(図61参照)を参照してモード移行抽籤を行うゾーンであり、モードの昇格が期待できるゾーンである。上位のモードほどART当籤確率が優遇されているため、プレミアG−ZONEにおいてモードを昇格させることにより、ARTに当籤する期待度を高めることができる。
ステップS823では、サブCPU81は、プレミアG−ZONE移行抽籤に当籤したか否かを判別する。この判別がNOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS825の処理を行う。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、G−ZONESPカウンタを1加算し(ステップS824)、ステップS825の処理を行う。
G−ZONESPカウンタは、プレミアG−ZONEのゲーム数を規定するものであり、このG−ZONESPカウンタの値が「0」になるまでプレミアG−ZONE遊技状態が継続する。なお、本実施の形態では、G−ZONESPカウンタの最大値は32とされている。ただし、G−ZONESPカウンタの最大値は「32」には限定されず、もちろん、必ずしもG−ZONESPカウンタの上限を設ける必要もない。
プレミアG−ZONEへの移行抽籤は、ARTのストックがあることを条件として行っているが(ステップS821〜S824)、この場合には、ARTのストックがあることが遊技者に示唆され、またプレミアG−ZONEへの移行によってARTの連荘数を伸ばすことが期待できる。
ただし、プレミアG−ZONEへの移行抽籤は、必ずしもARTのストックを条件とする必要はない。例えば、ストックのない場合にプレミアG−ZONEに移行するようにすればプレミアG−ZONEにおけるモードの昇格によってARTに当籤しやすくなった場合、ART終了後に直ぐにARTを引き戻すことが可能なゲーム性とすることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
ステップS825では、サブCPU81は、表示役がRT1移行リプレイ又はRT作動図柄であるか否かを判別する。すなわち、サブCPU81は、メイン状態がRT1遊技状態に移行するか否かを判別し、サブ状態をG−ZONE(A)からG−ZONE(5)に移行させるかを判別する。この判別がNOのときは、サブCPU81は、G−ZONE(A)中処理を終了する。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、G−ZONE(5)をセットし(ステップS826)、ステップS827の処理を行う。ここで、G−ZONE(5)は、G−ZONE(A)から移行して5ゲーム間継続する非ATである。
ステップS827では、サブCPU81は、ATセットカウンタが「1」以上である否を判別する。この判別がNOのときは、サブCPU81は、図100を参照して後に説明する天井セット処理を行い(ステップS828)、G−ZONE(A)中処理を終了する。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS829の処理を行う。
ステップS829では、サブCPU81は、G−ZONESPカウンタが「1」以上であるか否かを判別する。すなわち、サブCPU81は、サブ状態をプレミアG−ZONEに移行させるか否かを判別する。この判別がNOのときは、サブCPU81は、G−ZONE(A)中処理を終了する。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、G−ZONESPカウンタを1減算し、SPフラグをオンするとともに(ステップS830)、前兆カウンタの値を5に変更し(ステップS831)、G−ZONE(A)中処理を終了する。
[ART中表示時処理]
図98を参照して、ART中表示時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、表示役がRT4移行リプであるか否かを判別する(ステップS851)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS852の処理を行い、NOのときは、続いて、ステップS855の処理を行う。
ステップS852では、サブCPU81は、ATセットカウンタを1加算し、サブ状態にART(EG)をセットするとともに(ステップS853)、背景色変更フラグをオンにし(ステップS854)、ART中表示時処理を終了する。すなわち、背景色を変更することで、ART(EG)であることを遊技者に認識させることがきる。また、ART(EG)(RT4遊技状態)は、ARTのセット数上乗せが優遇されているため、演出表示領域5aの背景色によりセット数の上乗せの期待感を遊技者に報知することができる。
ステップS855では、サブCPU81は、ATセットカウンタを1減算し、続いて、ステップS856の処理を行う。
ステップS856では、サブCPU81は、ATカウンタが「0」であるか否か、すなわちARTを終了させるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS857の処理を行い、NOのときは、ART中表示時処理を終了する。
ステップS857では、サブCPU81は、ATセットカウンタが「1」以上であるか否かを判別する。この判別がYESのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS858の処理を行い、NOのときは、続いて、ステップS860の処理を行う。
ステップS858では、サブCPU81は、抽籤により前兆ゲーム数を決定するとともに、決定された前兆ゲーム数を前兆カウンタにセットする。続いて、サブCPU81は、連荘カウンタを「1」加算し(ステップS859)、続いて、ステップS860の処理を行う。連荘カウンタは、例えばARTのセット数上乗せ時のBGM変更時(図48参照)や液晶表示装置5における演出表示領域5aに連荘数を表示させるために参照される。なお、ATセットカウンタに値がなくても、所定ゲーム数内の初当たりは、連荘として扱ってもよい。
ステップS860では、サブCPU81は、G−ZONE(A)にセットし、ART中表示時処理を終了する。なお、表示役がRT0リプレイ又はRT1リプレイの場合には、G−ZONE(A)ではなく、G−ZONE(5)をセットする。すなわち、押し順ナビに従わずに転落リプレイを入賞させた場合には、メイン状態をRT0又はRT1とされるため、サブ状態にG−ZONE(5)がセットされる。
[入賞履歴処理]
図99を参照して、入賞履歴処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、表示役及びSB識別データに基づいて、入賞履歴データの更新を行う(ステップS881)。続いて、サブCPU81は、SB識別データがセットされているか否かを判別する(ステップS882)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、SB識別データをクリアし(ステップS883)、続いて、ステップS884の処理を行う。他方、この判別がNOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS884の処理を行う。
ステップS884では、サブCPU81は、シンボルパターン選択テーブル(図36参照)及びシンボルパターンテーブル(図38参照)を参照し、サブ状態及び表示役(又は当籤役)に基づいてシンボルパターンを選択する。ここで、サブ状態は、シンボルパターン選択テーブル(図36参照)に記載された「A」及び「B」に分類される。
続いて、サブCPU81は、ペナルティカウンタが「1」以上であるか否かを判別する(ステップS885)。この判別がYESのときは、サブCPU81は、入賞履歴処理を終了し、NOのときは、サブCPU81は、続いて、ステップS886の処理を行う。
ステップS886では、サブCPU81は、選択されたシンボルパターンと表示役に基づいて履歴コード(過去5ゲーム分)を更新する。続いて、サブCPU81は、条件コードの初期値として「18」をセットする(ステップS887)。
続いて、サブCPU81は、条件コードテーブル(図39参照)により規定される条件(内容)と、履歴コードとを比較し(ステップS888)、一致するか否かを判別する(ステップS889)。このとき、条件コードに対応する入賞履歴と履歴コードとが一致する場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS892の処理を行い、一致しない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS890の処理を行う。ステップS890では、サブCPU81は、条件コードを「1」減算し、続いて、条件コードが「0」であるか否かを判別する(ステップS891)。このとき、条件コードが「0」である場合には、サブCPU81は、入賞履歴処理を終了し、条件コードが「0」でない場合には、サブCPU81は、ステップS888の処理を行う。
ステップS892では、サブCPU81は、入賞履歴用AT抽籤テーブル(図40参照)を参照し、条件コードに基づいてAT抽籤を行う。続いて、サブCPU81は、AT抽籤に当籤したか否かを判別する(ステップS893)。このとき、AT抽籤に当籤した場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS894の処理を行い、AT抽籤に当籤しない場合には、サブCPU81は、ステップS890に処理を戻す。
ステップS894では、サブCPU81は、ATセットカウンタを「1」加算する。続いて、サブCPU81は、入賞履歴用継続率抽籤テーブル(図示略)を参照して、条件コードに基づいて継続率を決定するとともに(ステップS895)、入賞履歴用初当たりフラグをオンに更新する(ステップS896)。
続いて、サブCPU81は、図89を参照して先に説明した初当たり時処理を行い(ステップS897)、ステップS890に処理を戻す。
この入賞履歴処理では、サブCPU81は、条件コード18から条件コード1まで順に繰り返し条件コードの照合が行われ、ステップS891において、条件コードが「0」であると判別されたときに、全ての条件コードに対する照合が終了したものと判別されて入賞履歴処理が終了する。
[天井セット処理]
図100を参照して、天井セット処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、天井カウンタに「1500」をセットし(ステップS911)、続いて、ステップS912の処理を行う。なお、天井カウンタにセットする値は、「1500」に限らず、適宜設定すればよい。
ステップS912では、サブCPU81は、天井短縮フラグがオンであるか否かを判別する。この判別がNOのときは、サブCPU81は、天井セット処理を終了し、YESのときは、ステップS913の処理を行う。天井短縮フラグは、図89を参照して先に説明した初当たり時処理のステップS636において、天井カウンタの値が200以下(0を除く)であることを条件にオンされるものである。
ステップS913では、サブCPU81は、天井カウンタに「300」をセットし、続いて、天井短縮フラグをオフし(ステップS914)、天井セット処理を終了する。
天井直前にAT抽籤に当籤した場合には、通常は天井到達によるARTの恩恵を受けることができないが、天井短縮フラグを採用することにより、再び天井ARTの恩恵を受ける期待が確保される。そのため、天井直前にAT抽籤に当籤することによるモチベーションの低下を抑制し、遊技の興趣を向上させることができる。従って、天井直前のAT当籤によるARTに移行するまでの前兆演出やART準備中演出に嫌悪感を覚えることを抑制し、以後の遊技において感じ得る不快感を低減することが可能となる。
[入力状態コマンド受信時処理]
図101を参照して、入力状態コマンド受信時処理について説明する。
初めに、サブCPU81は、GODボタン46の使用条件を満たすか否かを判別し(ステップS931)、条件を満たす場合にはGODボタン46を点灯させ(ステップS932)、続いて、ステップS933の処理を行う。すなわち、GODボタン46を点灯させることにより、GODボタン46の操作が有効であることを報知する。他方、条件を満たさない場合には、サブCPU81は、続いて、ステップS933の処理を行う。
ここで、GODボタン46の使用条件とは、次の(1),(2)のいずれかである。
(1) 図90のステップS655において決定された演出、あるいはステップS657で書き換えられた演出が演出番号22,23であり、かつ演出が決定されてからストップボタン7L,7C,7Rの第1停止操作が行われていないこと
(2) 特殊小役入賞から3枚目のメダル投入コマンドを受信するまで
ステップS933では、サブCPU81は、GODボタン46に対して有効な操作が行われたか否かを判別する。この判別がNOのときは、サブCPU81は、入力状態コマンド受信時処理を終了し、判別がYESのときは、ステップS934の処理を行う。
ステップS934では、サブCPU81は、演出番号が「22」であるか否かを判別する。すなわち、サブCPU81は、GODボタン46の点灯・操作後にスタート音の遅れ演出時のスタート音を再生させる演出であるか否かを判別する。この判別がNOのときは、ステップS936の処理を行う。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、スタート音のサウンドデータを再セットし(ステップS935)、入力状態コマンド受信時処理を終了する。このようにして、GODボタン46の操作によってスタート音の遅れ演出時のスタート音を発生させることにより、遅れ演出が発生したことを再確認することができる。
ステップS936では、サブCPU81は、演出番号が「23」であるか否かを判別する。すなわち、サブCPU81は、GODボタン46の点灯・操作後にフリーズを行う演出であるか否かを判別する。この判別がNOのときは、ステップS938の処理を行う。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、演出の切り換えを指示し(ステップS937)、入力状態コマンド受信時処理を終了する。このようにして、GODボタン46の操作によってフリーズを発生させることにより、GODボタン46が単なる遅れ演出の確認のためのものではなく、フリーズに発展して特殊小役に当籤している可能性への期待を持てるようになる。そのため、GODボタン演出に対する遊技者の期待度を高めることで、遊技の興趣を高めることができるようになる。
ステップS938では、サブCPU81は、表示役が特殊小役であるか否かを判別する。この判別がNOのときは、入力状態コマンド受信時処理を終了する。他方、判別がYESのときは、サブCPU81は、GOD入賞時フラッシュ抽籤テーブル(図59参照)を参照し、ARTの継続率に基づいて、ランプデータをセットし(ステップS939)、入力状態コマンド受信時処理を終了する。
GOD入賞時フラッシュ抽籤テーブルは、特殊小役に入賞(GOD図柄揃い)したときのランプ14のフラッシュパターンを規定するものである。このGOD入賞時フラッシュ抽籤テーブルでは、継続率(ループ率)が高いほど、上位のランプデータ(数字の大きなもの)が選択されやすくなる。そのため、高継続率で有る可能性の高いフラッシュパターンが発生することへの期待を抱き、また発生したフラッシュパターンから継続率を予測して楽しむことができる。
[実施の形態の効果]
本実施の形態のパチスロ1よれば、メイン状態をRT4遊技状態に移行させる「赤7」図柄組合せ(RT4移行リプレイ)が、ATを付与する表示役の図柄組合せとして規定されている。そのため、リール3L,3C,3Rに「赤7」図柄組合せ(RT4移行リプレイ)が表示された場合には、即座に遊技者にとって有利なARTとすることができる。従って、従来の遊技機のようなATにより有利なRT状態に段階的に移行させることによる遊技に対する興趣の低下を、即座に遊技者にとって有利なARTとすることで抑制することができる。
パチスロ1では、RT4移行リプレイに対応する「赤7」図柄組合せを停止表示させるための停止操作押し順に従うことで、より有利なARTに移行するようにしている。そのため、RT4移行リプレイに当籤した場合に、当籤による押し順報知に対する喜びとともに、より有利なRT状態に移行させることができるか否かという緊張感を与えることができるため、遊技の興趣が向上する。
パチスロ1よれば、入賞履歴表示領域5cに表示される入賞履歴から、SB、特殊リプレイ、一枚役などのレア役の当籤によって表示された「エメラルド」の入賞履歴が消えた後の特定の回数の間は、RT4移行リプレイを入賞させる押し順が報知される確率が、特定の回数経過のRT0,RT1等よりも高くなっている。すなわち、「エメラルド」の入賞履歴の表示が消えた後も引き続きRT4移行リプレイを入賞させる押し順が報知されるチャンス期間となる。そのため、入賞履歴表示手段に「エメラルド」の入賞履歴が表示されている間にRT移行リプレイに当籤せずに、入賞履歴表示領域5cから「エメラルド」の入賞履歴の表示が消えたとしても、即座に遊技に対する興趣が低下してしまうことを抑制することができる。
パチスロによれば、「赤7」図柄組合せ(RT4移行リプレイ)が停止表示されたときに移行するRT4遊技状態は、単にリプレイ確率が高い状態ではなく、RT4移行リプレイの当籤率の高い状態となっている。一方、RT4遊技状態においてRT4移行リプレイに入賞したときには、ATが付与される。そのため、RT4移行リプレイに入賞してRT4遊技状態に移行した場合には、ATセット数を上乗せすることが可能であるため、遊技の興趣が向上する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述したものに限られるものではない。
例えば、上記実施形態では、ボーナスとしてSB(普通役物)のみを設けることとしているが、これに限られるものではなく、RB又はCBといった各種特別役物や、BB又はMBといった各種特別役物連続作動装置等を設けることとしてもよい。
実施例のようなパチスロ1の他、他の遊技機にも本発明を適用できる。更に、上述のパチスロ1での動作を家庭用ゲーム機用として疑似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他の記録媒体を利用できる。