JP2017192096A - ネットワーク制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ネットワークにおけるネットワークスライスの信頼性の維持を容易にする。【解決手段】ネットワーク制御装置は、予測されたデータトラヒック量の推移と、スライスに使用されるパスを構成する現用パスリソースに不足又は障害が生じた際に用いられるノードごとの共用予備パスリソースの数とに基づいて、各スライスで使用されるパスリソース数の推移とノードごとの共用予備パスリソース数の推移とを算出するリソース数算出部と、スライスそれぞれで使用されるパスリソース数の推移とノードごとの共用予備パスリソース数の推移とに基づいて、スライスそれぞれの信頼性の推移を算出する信頼性算出部と、スライスそれぞれの信頼性の推移に基づいて、各スライスに要求される所望の信頼性以上の信頼性を維持するために必要な共用予備パスリソース数の変更量を共用予備パスリソース供給数としてノードごとに算出する予備リソース供給数算出部と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ネットワーク制御装置に関する。
インターネットをはじめとするデータトラヒックが急増している。これを支える通信ネットワークには、多量のトラヒックを処理し、通信を行うため、大容量のネットワーク装置及び大容量通信方式が必要となる。IPやイーサネット(登録商標)などのネットワークに、その通信路として用いられるSONETもしくはSDH等の通信方式は、通信路の始点と終点との間に、パスを固定的に設定する方式である。パスは時分割多重されたタイムスロットを指定することによって設定され、一度パスを設定すると、ネットワーク内では常に一定の通信容量が確保される。近年、波長分割多重(WDM)技術を用いた大容量通信路を提供する技術もあるが、SDHやSONETと同様に、通信路の容量は固定的である。
昨今、次世代モバイル通信技術として5Gモバイル通信の検討が進められており、5Gモバイル通信の普及により、通信ネットワークで伝送されるデータトラヒックの大部分がモバイルトラヒックとなることが予想されている。5Gモバイル通信では、様々なサービスレベルを有するアプリケーションに対応したデータトラヒックが伝送されることが考えられ、それらのデータトラヒックを伝送するためのトランスポートネットワークが必要となる。単一のトランスポートネットワーク上に、サービスレベルに対応する複数のネットワークスライスを構成し、それぞれのネットワークスライスにトランスポートネットワークの物理的なパスリソースを動的に割り当てることにより、効率的なトランスポートネットワークの構築を実現する方式が検討されている。ネットワークスライスは、トランスポートネットワーク上における論理ネットワークである。特に、各ネットワークスライスで伝送されるデータトラヒック量の変動を考慮した、動的なパスリソース割り当てが提案されている(非特許文献1、2)。ここで、パスリソースとは、例えば波長パスの提供を実現するトランスポンダ(中継器)などを指す。以下、ネットワークスライスを単に「スライス」という。
S. Yamamoto, et al., "Theoretical and Experimental Study of Statistical-Decision Method for Link-Capacity Adjustment," Journal of Lightwave Technology, vol.25, no. 9, pp.2864-2873, 2007 S. Yamamoto, et al., "Traffic Driven Path Capacity Adjustment Utilizing Adaptive Digital Filter," Proceedings of ECOC2007, pp.754-755, 2007
各スライスで伝送されるデータトラヒック量の変動を考慮し、各スライスに対して動的にパスリソースの割り当てを行う技術は、パスリソースの効率的な利用の観点では非常に有用である。一方で、各スライスには異なるサービスレベルが要求されるため、各スライスに割り当てられるパスリソース数が動的に変動する環境下においても、各スライスに求められる所望のサービスレベルを維持し続けることが必須となる。
各スライスに求められるサービスレベルの指標として、帯域、遅延、信頼性などが挙げられる。例えば、帯域を指標とする場合、スライスが収容するデータトラヒックの80%は、そのスライスが提供するパスで帯域が保証され、データトラヒックの残りの20%は他のスライスと共用のパスで帯域が保証されるといったサービスレベルが上げられる。また、遅延を指標とする場合、そのスライスを通過することによる最大遅延は1ms以下であるといったサービスレベルが考えられる。
サービスレベルの指標として特に重要な指標には、スライスの信頼性が挙げられる。例えば、通信システムとしての障害発生率が低いスライスは、信頼性が高いスライスであるといえる。スライスの信頼性は、そのスライスで稼働しているパスリソース数や、そのスライスが利用可能な予備のパスリソース数に依存する。例えば、稼働しているパスリソース数が多ければ多いほど、通信システムとして障害が発生する可能性が高くなるため、そのスライスの信頼性は低くなる。一方で、そのスライスが利用可能な予備のパスリソース数が多ければ多いほど、稼働中のパスリソースに障害が発生したとしても、予備のパスリソースを用いて障害を復旧することができるため、そのスライスの信頼性は高くなる。
したがって、各スライスに割り当てられるパスリソース数(すなわち、スライスで稼働するパスリソース数)及び予備のパスリソース数が動的に変動する環境下では、各スライスの信頼性も動的に変動してしまうため、所望の信頼性を維持し続けることが困難になる場合があった。
前述の事情に鑑み、本発明は、ネットワークにおいて形成されるネットワークスライスの信頼性の維持を容易にすることができるネットワーク制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、複数のノードと前記ノード間に設けられたリンクとを備え、異なるサービスレベルに対応する複数のネットワークスライスを含むトランスポートネットワークに用いられるネットワーク制御装置であって、前記トランスポートネットワークにおけるデータトラヒック量の推移を示す履歴情報と、前記トランスポートネットワークが形成されている地域における気温及び天気を示す環境情報とに基づいて、前記ネットワークスライスにおける前記ノード間のパスで伝送されるデータトラヒック量の推移を予測するトラヒック変動予測部と、前記トラヒック変動予測部により予測されたデータトラヒック量の推移と、前記ネットワークスライスに使用されるパスを構成する現用パスリソースに不足又は障害が生じた際に用いられる共用予備パスリソースであって前記ノードごとに備えられる共用予備パスリソースの数とに基づいて、前記ネットワークスライスそれぞれで使用されるパスリソース数の推移と前記ノードごとの共用予備パスリソース数の推移とを算出するリソース数算出部と、前記リソース数算出部により算出された前記ネットワークスライスそれぞれで使用されるパスリソース数の推移と前記ノードごとの共用予備パスリソース数の推移とに基づいて、前記ネットワークスライスそれぞれの信頼性の推移を算出する信頼性算出部と、前記信頼性算出部により算出された前記ネットワークスライスそれぞれの信頼性の推移に基づいて、前記ネットワークスライスそれぞれに要求される所望の信頼性以上の信頼性を維持するために必要な共用予備パスリソース数の変更量を共用予備パスリソース供給数として前記ノードごとに算出する予備リソース供給数算出部と、を備える、ネットワーク制御装置である。
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、前記トランスポートネットワーク上の前記ノードの数と前記ネットワークスライスの数とをそれぞれN、Mとし、時刻tにおける、n番目の前記ノードに備えられるm番目の前記ネットワークスライス用の現用パスリソース数をR_mn(t)とし、前記予備リソース供給数算出部により算出されるn番目の前記ノードにおける共用予備パスリソース数をR_n(t)とし、前記リソース数算出部により算出されるn番目の前記ノードにおける共用予備パスリソース数をR’_n(t)とし、時刻t=0におけるn番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数をΔR_n(0)とし、m番目の前記ネットワークスライスの信頼性をA_m(t)とし、m番目の前記ネットワークスライスに要求される所望の信頼性をA’_mとし、信頼性A’_mはA’_i>A’_i+1,(i=1,2,…,M−1)を満たし、共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)が決定されてから前記ノードそれぞれにおいて共用予備パスリソース数が変更されるまでのリードタイムをT_Lとし、共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出する周期をT_Jとし、共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出する際に用いるm番目の前記ネットワークスライスに対する評価関数であって信頼性A_m(t)と所望の信頼性A’_mとの差に基づいた評価関数をE_mとする場合において、前記トラヒック変動予測部は、前記履歴情報と前記環境情報とに基づいて、現時刻t=0から時刻t=T_L+T_Jまでの予測期間の各時刻において、前記ネットワークスライスそれぞれの各パスにおいて伝送されるデータトラヒック量の推移を予測し、前記リソース数算出部は、前記トラヒック変動予測部により算出されたデータトラヒック量の推移に基づいて、現用パスリソース数R_mn(t)と共用予備パスリソース数R’_n(t)とを算出し、前記リソース数算出部は、算出した共用予備パスリソース数R’_n(t)と、過去に算出された共用予備パスリソース供給数ΔR_nとに基づいて、前記予測期間における共用予備パスリソース数R_n(t)を算出し、前記信頼性算出部は、前記予測期間における現用パスリソース数R_mn(t)及び共用予備パスリソース数R_n(t)に基づいて、信頼性A_mを前記ネットワークスライスごとに算出し、前記予備リソース供給数算出部は、前記ノードそれぞれにおける共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を0とした場合における評価関数E_mの値を前記ネットワークスライスごとに算出し、算出した評価関数E_mの値をE’_mとし、前記予備リソース供給数算出部は、共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を更新するごとに算出する評価関数E_mとE’_mとの差分に基づいて、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出する。
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、評価関数E_mは式(A)で与えられ、
Figure 2017192096
前記予備リソース供給数算出部は、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の算出において、共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の現在の値を用いて評価関数E_mを算出して得られた値を基準値とし、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1増加させたときの評価関数E_mの値から前記基準値を減算して得られる差分値を前記ノードごとに算出し、算出した差分値の中で最小の値を算出した際に値を増加させたΔR_n(0)の値を1増加させる更新を行う供給数更新処理を、前記ノードごとに算出する差分値のすべてが0又は正の値になるまで繰り返し行い、前記供給数更新処理の繰り返しをすべての前記ネットワークスライスに対して行うことにより、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出し、算出された共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)は、前記リソース数算出部が共用予備パスリソース数R_n(t)を次回算出する際に用いられる。
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、評価関数E_mは式(A)で与えられ、
Figure 2017192096
前記予備リソース供給数算出部は、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の算出において、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1増加させたときの信頼性A_m(T)を前記ノードごとに算出し、算出した信頼性A_m(T)の中で最大の値を算出した際に値を増加させたΔR_n(0)の値を1増加させる更新を行う第1の供給数更新処理を、前記予測期間における信頼性A_m(t),(T_L<t<T_L+T_J)の中で最小の値A_m(T)がA’_m以上になるまで繰り返し行い、共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の現在の値を用いて評価関数E_mを算出して得られた値を基準値とし、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1増加させたときの評価関数E_mの値から前記基準値を減算して得られる差分値を前記ノードごとに算出し、算出した差分値の中で最小の値を算出した際に値を増加させたΔR_n(0)の値を1増加させる更新を行う第2の供給数更新処理を、前記ノードごとに算出する差分値のすべてが0又は正の値になるまで繰り返し行い、前記第1の供給数更新処理の繰り返しと、前記第2の供給数更新処理の繰り返しとをすべての前記ネットワークスライスに対して行うことにより、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出し、算出された共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)は、前記リソース数算出部が共用予備パスリソース数R_n(t)を次回算出する際に用いられる。
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、評価関数E_mは式(A)で与えられ、
Figure 2017192096
前記予備リソース供給数算出部14は、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の算出において、共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の現在の値を用いて評価関数E_mを算出して得られた値を基準値とし、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1増加させたときの評価関数E_mの値から前記基準値を減算して得られる第1の差分値と、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1減少させたときの評価関数E_mの値から前記基準値を減算して得られる第2の差分値とを前記ノードごとに算出し、算出した第1の差分値及び第2の差分値の中で最小の値が第1の差分値のいずれかである場合に最小の値を算出した際に値を増加させたΔR_n(0)の値を1増加させる更新を行い、最小の値が第2の差分値のいずれかである場合に最小の値を算出した際に値を減少させたΔR_n(0)の値を1減少させる更新を行う供給数更新処理を、前記ノードごとに算出する第1の差分値及び第2の差分値のすべてが0又は正の値になるまで繰り返し行い、前記供給数更新処理の繰り返しをすべての前記ネットワークスライスに対して順に行うことにより、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出し、前記供給数更新処理におけるΔR_n(0)の値を1減少させる更新は、減少対象のΔR_n(0)の前記ノードが、前記供給数更新処理の繰り返しが既に完了した前記ネットワークスライスに含まれる場合には行われず、算出された共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)は、前記リソース数算出部が共用予備パスリソース数R_n(t)を次回算出する際に用いられる。
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、評価関数E_mは式(A)で与えられ、
Figure 2017192096
前記予備リソース供給数算出部は、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の算出において、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1増加させたときの信頼性A_m(T)を前記ノードごとに算出し、算出した信頼性A_m(T)の中で最大の値を算出した際に値を増加させたΔR_n(0)の値を1増加させる更新を行う第1の供給数更新処理を、前記予測期間における信頼性A_m(t),(T_L<t<T_L+T_J)の中で最小の値A_m(T)がA’_m以上になるまで繰り返し行い、共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の現在の値を用いて評価関数E_mを算出して得られた値を基準値とし、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1増加させたときの評価関数E_mの値から前記基準値を減算して得られる第1の差分値と、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1減少させたときの評価関数E_mの値から前記基準値を減算して得られる第2の差分値とを前記ノードごとに算出し、算出した第1の差分値及び第2の差分値の中で最小の値が第1の差分値のいずれかである場合に最小の値を算出した際に値を増加させたΔR_n(0)の値を1増加させる更新を行い、最小の値が第2の差分値のいずれかである場合に最小の値を算出した際に値を減少させたΔR_n(0)の値を1減少させる更新を行う第2の供給数更新処理を、前前記ノードごとに算出する第1の差分値及び第2の差分値のすべてが0又は正の値になるまで繰り返し行い、前記第1の供給数更新処理の繰り返しと、前記第2の供給数更新処理の繰り返しとをすべての前記ネットワークスライスに対して順に行うことにより、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出し、前記第2の供給数更新処理におけるΔR_n(0)の値を1減少させる更新は、減少対象のΔR_n(0)の前記ノードが、前記第2の供給数更新処理の繰り返しの完了した前記ネットワークスライスに含まれる場合と、減少対象のΔR_n(0)の値を1減少させると所望の信頼性A’_m未満になる場合とには行われず、算出された共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)は、前記リソース数算出部が共用予備パスリソース数R_n(t)を次回算出する際に用いられる。
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、前記トランスポートネットワークにおいて実際に、n番目の前記ノードに備えられるm番目の前記ネットワークスライス用の現用パスリソース数S_mn(t)とn番目の前記ノードにおける共用予備パスリソース数S_n(t)とを前記トランスポートネットワークから取得し、取得した前記ネットワークスライス用の現用パスリソース数S_mn(t)及び共用予備パスリソース数S_n(t)を用いて、信頼性A_m(t)同様の手法で信頼性B_m(t)を算出する信頼性モニタ部、を更に備え、前記予備リソース供給数算出部は、前記信頼性モニタ部により算出される信頼性B_m(t)を信頼性A_m(t)に代えて用い、評価関数E_mには式(A)に代えて式(B)が用いられ、前記ネットワークスライスそれぞれの信頼性A_m(t)は式(C)を満たし、式(C)におけるσmは式(D)で与えられ、式(D)におけるPは式(E)を満たす自然数であり、式(B)及び式(C)におけるαは予め定められた値である。
Figure 2017192096
Figure 2017192096
Figure 2017192096
Figure 2017192096
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、前記トランスポートネットワークにおいて実際に、n番目の前記ノードに備えられるm番目の前記ネットワークスライス用の現用パスリソース数S_mn(t)とn番目の前記ノードにおける共用予備パスリソース数S_n(t)とを前記トランスポートネットワークから取得し、取得した前記ネットワークスライス用の現用パスリソース数S_mn(t)及び共用予備パスリソース数S_n(t)を用いて、信頼性A_m(t)同様の手法で信頼性B_m(t)を算出する信頼性モニタ部、を更に備え、前記予備リソース供給数算出部は、前記信頼性モニタ部により算出される信頼性B_m(t)を信頼性A_m(t)に代えて用い、評価関数E_mには式(A)に代えて式(B)が用いられ、前記ネットワークスライスそれぞれの信頼性A_m(t)は式(C)を満たし、式(C)におけるσmは式(D)で与えられ、式(D)におけるPは式(E)を満たす自然数であり、式(B)及び式(C)におけるαは予め定められた値である。
Figure 2017192096
Figure 2017192096
Figure 2017192096
Figure 2017192096
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、m番目の前記ネットワークスライスの信頼性A_m(t)は、A_m(t)=1/F_m(t)で与えられ、F_m(t)は、単位時間あたりにm番目の前記ネットワークスライスに障害が発生する確率であり、式(F)で与えられ、
Figure 2017192096
式(F)におけるF_mnは、単位時間あたりにn番目の前記ノードにおけるm番目の前記ネットワークスライスに障害が発生する確率であり、式(G)で与えられ、
Figure 2017192096
式(G)におけるf_Tは単位時間あたりのパスリソースの故障率である。
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、前記予備リソース供給数算出部は、共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を、式(H)に基づいて前記ノードごとに算出し、
Figure 2017192096
式(H)におけるμは予め定められた値であり、δ_inはクロネッカーのδであり、f_Tは単位時間あたりのパスリソースの故障率である。
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、前記トランスポートネットワークは、レイヤ内で生じるパスリソース数の変動が他のレイヤに影響しない複数のレイヤから構成されており、前記予備リソース供給数算出部は、前記ノードそれぞれの前記共用予備パスリソース供給数を前記レイヤごとに算出する。
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、前記トランスポートネットワークは、レイヤ内で生じるパスリソース数の変動が他のレイヤに影響する複数のレイヤから構成されており、前記信頼性算出部は、前記レイヤ間の依存の度合いを反映させて前記ネットワークスライスそれぞれの信頼性の推移を算出し、前記予備リソース供給数算出部は、前記ノードそれぞれにおける各前記レイヤの前記共用予備パスリソース供給数を算出する。
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、前記信頼性算出部は、前記ネットワークスライスそれぞれで使用されるパスリソース数の推移と前記ノードごとの共用予備パスリソース数の推移と、前記ネットワークスライスに使用されるパスに収容されるデータフロー数に基づいて、前記ネットワークスライスそれぞれの信頼性の推移を算出する。
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、前記ノードは、前記ネットワークスライスそれぞれに対するパスリソースとして割り当て可能な仮想リソースを有し、前記仮想リソースは、前記ネットワークスライス用の現用パスリソース及び前記ノードにおける共用予備パスリソースとして用いられる。
また、本発明の一態様は、上記のネットワーク制御装置において、前記トランスポートネットワーク上における前記ネットワークスライスそれぞれに対して、信頼性に加えて帯域及び遅延のいずれか又は両方が前記ネットワークスライスのサービス指標として規定されている。
本発明によれば、ネットワークにおいて形成されるネットワークスライスの信頼性の維持を容易にすることが可能となる。
第1の実施形態におけるトランスポートネットワーク制御システムの構成例を示すブロック図。 ネットワーク制御装置が制御対象とするトランスポートネットワークの概要を示す図。 ネットワーク制御装置が共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する処理を示すフローチャート。 図3に示した手順S6における処理を示すフローチャート。 第2の実施形態における手順S6における処理を示すフローチャート。 第2の実施形態における手順S6における処理を示すフローチャート。 第3の実施形態におけるトランスポートネットワーク制御システムの構成例を示すブロック図。 第5の実施形態における手順S6における処理を示すフローチャート。 第5の実施形態における手順S6における処理を示すフローチャート。 第6の実施形態における手順S6における処理を示すフローチャート。 第6の実施形態における手順S6における処理を示すフローチャート。 第8の実施形態におけるトランスポートネットワーク制御システムで想定するトランスポートネットワークの構成例を示す図。 第11の実施形態におけるネットワーク制御装置が制御対象とするトランスポートネットワークの概要を示す図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態におけるネットワーク制御装置を説明する。なお、以下の実施形態では、同一の符号を付した構成要素は同様の動作を行うものとして、重複する説明を適宜省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態におけるトランスポートネットワーク制御システムの構成例を示すブロック図である。トランスポートネットワーク制御システムは、ネットワーク制御装置1と、トランスポートネットワーク2とを備える。ネットワーク制御装置1は、トランスポートネットワーク2上の各スライス(論理ネットワーク)に対して割り当てられるパスリソース数の変動を予測し、予測値に基づいて各スライスの信頼性の推移を算出する。ネットワーク制御装置1は、各スライスの信頼性の推移に基づいて、各スライスにおける所望の信頼性を維持するために必要な共用予備パスリソースの数を、トランスポートネットワーク2を構成する各ノードについて算出する。ここで、共用予備パスリソースとは、各ノードに設置されているパスリソースのうちいずれのスライスにも割り当てられていないパスリソースであって、現用パスリソースに不足又は障害が生じた際に現用パスリソースとして割り当て可能なパスリソースである。ネットワーク制御装置1は、算出した各ノードにおける共用予備パスリソース数を含むリソース変更要求を出力する。ネットワーク制御装置1により得られるリソース変更要求に基づいて、トランスポートネットワーク2の管理者又は運用者は、予備のパスリソース数を確保できるトランスポンダ等の装置を各ノードに増設することにより、各スライスの信頼性を維持することができる。
図1に示すように、ネットワーク制御装置1は、トラヒック変動予測部11と、リソース数算出部12と、信頼性算出部13と、予備リソース供給数算出部14とを備える。
トラヒック変動予測部11は、トランスポートネットワーク2における過去のデータトラヒック量の推移を示す履歴情報と、トランスポートネットワーク2が形成されている地域又は領域における気温、天気などの履歴を含む外部環境に関する環境情報とを取得する。トラヒック変動予測部11は、履歴情報と環境情報とに基づいて、トランスポートネットワーク2上のスライスそれぞれにおける各パスで伝送されるデータトラヒック量の推移を予測する。トラヒック変動予測部11は、予測したデータトラヒック量の推移をリソース数算出部12へ出力する。
リソース数算出部12は、トラヒック変動予測部11により予測されたデータトラヒック量の推移に基づいて、各スライスに割り当てられるパスリソース数の推移を算出する。データトラヒック量の推移に応じて各スライスに割り当てられる現用パスリソースの数は、トランスポートネットワーク2、スライス又はスライスを用いるアプリケーションのいずれか又はそれらの組み合わせにおいて定められる運用ポリシに基づいて決定される。例えば、運用ポリシとしては、データトラヒック量がパス容量の80%を超過した場合に新たな現用パスリソースを割り当てるといったポリシが考えられる。リソース数算出部12は、算出した現用パスリソース数の推移を信頼性算出部13へ出力する。また、リソース数算出部12は、現用パスリソース数の推移から共用予備パスリソース数の推移を算出し、現用パスリソース数の推移とともに共用予備パスリソース数推移を信頼性算出部13へ出力する。
信頼性算出部13は、リソース数算出部12により算出された現用パスリソース数の推移と、各ノードにおける共用予備パスリソース数の推移とに基づいて、各スライスの信頼性の推移を算出する。
予備リソース供給数算出部14は、信頼性算出部13により算出された各スライスの信頼性の推移に基づいて、各スライスに要求される所望の信頼性を維持するために必要となる各ノードにおける共用予備パスリソースの数を算出する。予備リソース供給数算出部14は、算出した各ノードにおける共用予備パスリソースの数を含むリソース変更要求を出力する。リソース変更要求に応じて、トランスポートネットワーク2の各ノードにおける共用予備パスリソースの配備が行われる。共用予備パスリソースの数が正の値の場合にはノードにおける共用予備パスリソースの増設が行われ、共用予備パスリソースの数が負の値の場合にはノードにおける共用予備パスリソースの減設が行われる。
スライスの信頼性を示す指標は、定量的に得られる指標であれば任意の指標を用いることができる。以下では、スライスの信頼性の指標として、スライスにおける障害発生率の逆数を用いて説明する。
図2は、ネットワーク制御装置1が制御対象とするトランスポートネットワーク2の概要を示す図である。トランスポートネットワーク2は、N台のノードで構成されており、ノード間に通信リンクが確立されている。トランスポートネットワーク2上に構成されるスライス数をMとする。各ノードには、各スライス用に稼動している現用パスリソースと、各スライス共用の共用予備パスリソースとが備えられる。ノードnに備えられたスライスm用の現用パスリソースの数をR_mnとし、ノードnに備えられた共用予備パスリソースの数をR_nとする。ここで、m=1,2,…,M、n=1,2,…,Nである。また、R_nなどの表記における「_(アンダースコア)」は、nが変数Rの添字であることを示す。
また、スライスmの信頼性をA_mとする。スライスmの信頼性は、一般にスライスm用の現用パスリソース数{R_m1,R_m2,…,R_mN}と、共用予備パスリソース数{R_1,R_2,…,R_N}とに依存するため、それぞれを引数としてA_m((R_m1,R_m2,…,R_mN),(R_1,R_2,…,R_N))と表すことができる。各スライスのパス容量は、常にそのスライスで伝送されるデータトラヒック量より大きくなければならないため、データトラヒック量の増大に伴い当該スライス用の現用パスリソース数を増加させなければならない。現用パスリソース数を増加させるために、共用予備パスリソースが現用パスリソースに転用されることになる。
例えば、ノードnにおけるスライスm用の現用パスリソースを1台増加させるためには、ノードnに備えられる共用予備パスリソース1台をスライスm用の現用パスリソースに割り当て、転用する。この転用により、スライスm用の現用パスリソース数はR_mnから(R_mn+1)に増加し、共用予備パスリソースの数はR_nから(R_n−1)に減少する。この変化は、各スライスで伝送されているデータトラヒック量の変化に伴い、現用パスリソース数と共用予備パスリソース数とが動的に変化することを意味している。また、各スライスの信頼性は、現用パスリソース数と共用予備パスリソース数に依存しているため、データトラヒック量の変化に伴い各スライスの信頼性も動的に変化する。
このように動的に変化する信頼性を一定以上に保ち、常に所望の信頼性を満足し続けるためには、各ノードに適切な量の共用予備パスリソースを備えなければならない。ノードnに供給する共用予備パスリソース数をΔR_nとする。以下、各スライスが常に所望の信頼性を満足し続けるために必要となる、必要最小限の共用予備パスリソース供給数ΔR_nの算出処理を示す。スライスmが満足しなければならない所望の信頼性をA’_m、ΔR_nが決定されてから各ノードに共用予備パスリソースが備えられるまでに掛かるリードタイムをT_L、ΔR_nの決定周期をT_J、ΔR_nの決定を行う時刻をt=0とする。時刻tは、リードタイムT_Lや決定周期T_Jに比べて十分に短い時間間隔で離散化されているものとする。すなわち、1<<T_L、T_Jとする。また、スライス番号mは、所望の信頼性が大きいスライス順に付与する。すなわち、A’_1≧A’_2≧…≧A’_Mを満たすように、各スライスに対して番号付けをする。また、リードタイムT_Lは、例えば共用予備パスリソース供給数ΔR_nが決定された後に、ノードに備えるべき装置の発注、搬入、設置などに要する時間が含まれる。
図3は、ネットワーク制御装置1が共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する処理を示すフローチャートである。ネットワーク制御装置1において、共用予備パスリソース供給数ΔR_nの算出が開始されると、手順S1から手順S6が行われる。
[手順S1]
トラヒック変動予測部11は、過去のデータトラヒック量の推移を示す履歴情報と、外部環境に関する環境情報とに基づいて、現時刻t=0からt=(T_L+T_J)までにおける、スライスそれぞれの各パスで伝送されるデータトラヒック量の推移を予測する。
[手順S2]
リソース数算出部12は、手順S1で予測されたデータトラヒック量の推移に基づいて、現在時刻t=0から時刻t=(T_L+T_J)までの予測期間における、各ノードに備えられている現用パスリソース数の推移R_mn(t)と共用予備パスリソース数の推移R_n(t)とを算出する(n=1,2,…,N;m=1,2,…,M)。共用予備パスリソース数の変動には、データトラヒック量の推移に起因した変動と、過去に決定した共用予備パスリソース供給数に起因した変動との2種類の変動がある。手順S2において算出される共用予備パスリソース数の推移は、データトラヒック量の推移に起因した変動である。
[手順S3]
リソース数算出部12は、これまでに決定した共用予備パスリソース供給数に起因した、共用予備パスリソース数の推移を算出する。時刻tにおいて、ノードnに対して決定した共用予備パスリソース供給数をΔR_n(t)とする。共用予備パスリソース供給数ΔR_nを決定してから実際に各ノードに共用予備パスリソースが備えられるまでのリードタイムはT_Lであるため、手順S2で算出したデータトラヒック量の推移に起因した共用予備パスリソース数の推移をR’_n(t)とすると、正味の共用予備パスリソース数の推移R_n(t)は式(1)で表される。
Figure 2017192096
ただし、T_J>T_Lの場合、期間0≦t≦(T_L+T_J)における過去の共用予備パスリソース供給数の決定に伴う共用予備パスリソース数に変化は生じないため、R_n(t)=R’_n(t)とできる。手順S3までにより、時刻t=0から時刻t=(T_L+T_J)までの予測期間における現用パスリソース数の推移R_mn(t)と、共用予備パスリソース数の推移R_n(t)が得られる。
[手順S4]
信頼性算出部13は、手順S3までに算出された現用パスリソース数の推移R_mn(t)と共用予備パスリソース数の推移R_n(t)とに基づいて時刻t=0から時刻t=(T_L+T_J)までの予測期間における、各スライスの信頼性の推移を算出する。スライスmに対する信頼性の推移を、A_m(t)とする。信頼性A_m(t)は、現用パスリソース数の推移{R_m1(t),R_m2(t),…,R_mN(t)}と共用予備パスリソース数の推移{R_1(t),R_2(t),…,R_n(t)}とに依存しているため、より厳密にはA_m(t)は、A_m((R_m1(t),R_m2(t),…,R_mN(t)),(R_1(t),R_2(t),…,R_N(t))と表される。信頼性の指標は、各スライスの信頼性を定量的に表す指標であれば、任意の指標を用いることができる。本実施形態では、スライスに対する単位時間あたりの障害発生率の逆数を、信頼性の指標として用いる。スライスmに対する単位時間あたりの障害発生率をF_mとすると、障害発生率F_mは式(2)を用いて表すことができ、信頼性はA_m=1/F_mと表すことができる。
Figure 2017192096
式(2)におけるF_mnは単位時間中にノードnでスライスmに影響を与える障害が発生する確率であり、式(3)及び式(4)を用いて表すことができる。
Figure 2017192096
Figure 2017192096
式(3)におけるf_tはパスリソースの単位時間あたりの故障率である。例えば対象とするトランスポートネットワークが波長多重光伝送ネットワークであるならば、波長パスを提供する光トランスポンダの単位時間当たりの故障率に相当する。f_Tが1よりも十分に小さい場合には、式(3)及び式(2)はそれぞれ式(5)及び式(6)のように近似することができる。
Figure 2017192096
Figure 2017192096
手順S3までで時刻t=0から時刻t=(T_L+T_J)までの予測期間における現用パスリソース数の推移R_mn(t)と共用予備パスリソース数の推移R_n(t)とが算出されているため、信頼性算出部13は、これらの値に基づいて当該期間における各スライスの信頼性の推移A_m(t)、(m=1,2,…,M_)を算出できる。
[手順S5]
予備リソース供給数算出部14は、式(7)で表される評価関数E_mの値を算出する。
Figure 2017192096
式(7)におけるA’_mはスライスmに要求される所望の信頼性であり、前述のように、A’_1≧A’_2≧…≧A’_Mである。評価関数E_mは、時刻t=T_Lから時刻t=(T_L+T_J)までの予測期間において、スライスmの信頼性が所望の信頼性からどの程度ずれているのかを表す指標になっている。評価関数E_mの値が小さいほど、過剰なパスリソースを用いることなく、スライスmで所望の信頼性が満足されている度合いが大きいことを表している。評価関数E_mの値は信頼性の推移A_m(t)に依存しており、信頼性の推移A_m(t)は現用パスリソース数の推移R_mn(t)と共用予備パスリソース数の推移R_n(t)とに依存している。そして、時刻t=T_Lから時刻t=(T_L+T_J)までの予測期間におけるR_n(t)の値は、現在時刻t=0において決定する共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)に依存する。本実施形態では、前述のように、共用予備パスリソース供給数ΔR_nを決定するタイミングを常に0と定義している。予備リソース供給数算出部14は、最適なΔR_n(0)を決定することにより、評価関数E_mの最小化を図る。
[手順S6]
予備リソース供給数算出部14は、時刻t=0における共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を考慮すると、時刻t=T_Lから時刻t=(T_L+T_J)における各スライスの信頼性の推移は、A_m((R_m1(t),R_m2(t),…,R_mN(t)),(R_1(t)+ΔR_1(0),R_2(t)+ΔR_2(0),…,R_N(t)+ΔR_N(0)))と表される。信頼性の推移A_mの引数のうち、R_n(t)は式(1)で算出される値であり、ΔR_n(0)は手順S6において算出する値である。手順S5で算出した評価関数E_mの値は、ΔR_n(0)=0,(n=1,2,3…,N)の場合に相当する。この値を、E’_mとする。手順S6では、予備リソース供給数算出部14は評価関数E_mが最小となるΔR_n(0)を算出する。以下に、手順S6の詳細な処理を説明する。
図4は、図3に示した手順S6における処理を示すフローチャートである。手順S6において、予備リソース供給数算出部14は、手順S601から手順S613を行う。
[手順S601]
予備リソース供給数算出部14は、トランスポートネットワーク2上の各スライスが満足すべき信頼性の大きい順に各スライスに番号付けをする。
[手順S602]
予備リソース供給数算出部14は、初期値として、各ノードに供給する共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)それぞれの値を0にする(ΔR_n(0)←0;n=1,2,…,N)。
[手順S603]
予備リソース供給数算出部14は、処理対象のスライスの番号を示すmの値を0にする初期化(m←0)を行う。
[手順S604]
予備リソース供給数算出部14は、スライスの番号を示すmの値を1増加させる(m←m+1)。
[手順S605]
予備リソース供給数算出部14は、スライスmの信頼性A_mを用いてE_mを算出し、その値をE’_mとする。スライスmの信頼性A_mは、現用パスリソース数R_mn(t)と、共用予備パスリソース数の推移R_n(t)と共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)とに基づいて算出される。初回に算出される信頼性A_mはすべてのΔR_n(0)の値が0である場合の信頼性A_mであり、2回目以降に算出される信頼性A_mは手順S610において更新されたΔR_n(0)を用いて算出される信頼性A_mである。なお、2回目以降にE’_mを算出する際には、前回算出したE’_mに手順S608において選択されるΔE_miを加算して得られる値を新たなE’_mとしてもよい。
[手順S606(S606−1〜S606−N)]
予備リソース供給数算出部14は、ΔR_1(0)の値のみを1増加させた状態、すなわちΔR_1(0)の値を(ΔR_1(0)+1)とした状態で評価関数E_mの値を算出し、算出した値をE_m1とする(手順S606−1)。また、予備リソース供給数算出部14は、ΔR_2(0)の値のみを1増加させた状態、すなわちΔR_2(0)の値を(ΔR_2(0)+1)とした状態で、評価関数E_mの値を算出し、算出したE_mの値をE_m2とする(手順S606−2)。同様に、ΔR_3(0)からΔR_Nそれぞれについてもその値のみを1増加させた状態で評価関数E_mの値を算出し、算出したE_mの値をE_m3,…,E_mNとする(手順S606−3〜S606−N)。評価関数の値E_m1,E_m2,…,E_mNそれぞれの算出(手順S606−1〜S606−N)は、並行して行われてもよいし、順に行われてもよい。
[手順S607(S607−1〜S607−N)]
予備リソース供給数算出部14は、手順S606で算出したE_m1を用いて、ΔE_m1=E_m1−E’_mを算出する。また、予備リソース供給数算出部14は、手順S606で算出したE_m2を用いて、ΔE_m2=E_m2−E’_mを算出する。同様に、予備リソース供給数算出部14は、ΔE_m3,…,ΔE_mNを算出する。また、ΔE_m1,ΔE_m2,…,ΔE_mNそれぞれの算出は、並行して行われてもよいし、順に行われてもよい。
[手順S608]
予備リソース供給数算出部14は、手順S607において算出したΔE_m1,…,ΔE_mNのうち、最小の値となるΔE_mi,(1≦i≦N)を選択する。
[手順S609]
予備リソース供給数算出部14は、手順S608で選択したΔE_miの値が負であるか否かを判定する。ΔE_miの値が負である場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S610を行う。ΔE_miの値が負でない場合、すなわちΔE_m1,…,ΔE_mNすべての値が0又は正である場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S611を行う。
[手順S610]
予備リソース供給数算出部14は、手順S608において選択したΔE_miに対応するΔR_i(0)の値を1増加させ、手順S605以降の手順を繰り返し行う。すなわち、予備リソース供給数算出部14は、選択したΔE_miとノード番号が一致するΔR_i(0)の値を(ΔR_i(0)+1)に更新した後に、手順S605から手順S609までを再度行う。
予備リソース供給数算出部14は、ΔE_m1,ΔE_m2,…,ΔE_mNの値がすべて0又は正の値になるまで、手順S605から手順S609までを繰り返す。このようにして得られたΔR_1(0),ΔR_2(0),…,ΔR_N(0)は、評価関数E_mの値を最小化する値になる。
[手順S611]
予備リソース供給数算出部14は、ΔE_m1,ΔE_m2,…,ΔE_mNの値がすべて0又は正の値になるまで手順を繰り返すことにより得られた、各ノードに供給する共用予備パスリソース数ΔR_1(0),ΔR_2(0),…,ΔR_N(0)を、共用予備パスリソース供給数ΔR_nに仮決定する。
[手順S612]
予備リソース供給数算出部14は、mの値がMであるか否かを判定し、mの値がMでない場合には手順S604以降を繰り返し行う。すなわち、予備リソース供給数算出部14は、すべてのスライスに対して手順S605から手順S611までを繰り返し行うことにより、各スライスに対する所望の信頼性A’_mが満足されるように、各ノードに供給する共用予備パスリソース数ΔR_1(0),ΔR_2(0),…,ΔR_N(0)の値を更新する。一方、mの値がMである場合には、予備リソース供給数算出部14は手順S613を行う。
[手順S613]
予備リソース供給数算出部14は、すべてのスライスに対する所望の信頼性A’_mを満足する最新のΔR_1(0),ΔR_2(0),…,ΔR_N(0)を、共用予備パスリソース供給数ΔR_nとして採用する。なお、ここで得られたΔR_n(0)は、次回以降の共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する際の手順S3にて、正味の共用予備パスリソース数の推移R_n(t)を算出するときに用いられる。
第1の実施形態のネットワーク制御装置1によれば、スライスごとのデータトラヒック量の推移を予測し、予測結果に基づいて、各スライスの信頼性を所望の信頼性の近傍で安定させるために必要な共用予備パスリソース供給数ΔR_nをノードごとに算出することができる。この各ノードに対する共用予備パスリソース供給数ΔR_nに基づいて、パスリソースを設置又は増設することにより、各スライスに割り当てられるパスリソースが変動する環境下においても各スライスの信頼性を維持することが容易になる。
なお、第1の実施形態では、各スライスに対して求められるサービスレベル(サービス指標)として信頼性の値を規定されたスライスを対象とする制御を示したが、信頼性に帯域や遅延といった他のサービスレベルがスライスに対して規定される場合においても、パスリソースの増減が帯域や遅延の値に影響を与えない限り、同様の手順で制御できる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、式(7)で示される通り、信頼性の時間平均が所望の信頼性にできるだけ近づくように共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を決定していた。第2の実施形態では、各時点における信頼性が所望の信頼性を下回らないという制約条件のもとで、信頼性の時間平均が所望の信頼性にできるだけ近づくようにΔR_n(0)を決定することを特徴とする。第2の実施形態におけるネットワーク制御装置の構成は、第1の実施形態におけるネットワーク制御装置1の構成と同じであるので、説明を省略する。また、共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する処理は、第1の実施形態の図3に示した処理と手順S1から手順S5までが同じであり、手順S6が異なる。本実施形態の共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する処理における手順S6を以下に説明する。
[手順S6]
時刻t=0における共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を考慮すると、時刻t=T_Lから時刻t=(T_L+T_J)までにおける各スライスの信頼性の推移は、ノードnに備えられたスライスm用の現用パスリソース数R_mn(t)と、ノードnにおける共用予備パスリソース数R_n(t)+ΔR_n(0)とに依存する。そのため、各スライスmの信頼性の推移A_m(t)は、A_m((R_m1(t),R_m2(t),…,R_mN(t)),(R_1(t)+ΔR_1(0),R_2(t)+ΔR_2(0),…,R_N(t)+ΔR_N(0)))と表される。手順S5で算出した評価関数E_mの値は、ΔR_n(0)=0,(n=1,2,…,N)の場合に相当する。この値を、E’_mとする。手順S6では、予備リソース供給数算出部14は各スライスの評価関数E_mが最小となるΔR_n(0)を算出する。ただし、A_m(t)は、式(8)を満足しなければならない。
Figure 2017192096
図5及び図6は、第2の実施形態における手順S6における処理を示すフローチャートである。手順S6において、予備リソース供給数算出部14は、手順S621から手順S639を行う。
[手順S621]
予備リソース供給数算出部14は、トランスポートネットワーク2上の各スライスが満足すべき信頼性の大きい順に各スライスに番号付けをする。
[手順S622]
予備リソース供給数算出部14は、初期値として、各ノードに供給する共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)それぞれの値を0にする(ΔR_n(0)←0;N=1,2,…,N)。
[手順S623]
予備リソース供給数算出部14は、処理対象のスライスの番号を示すmの値を0にする初期化(m←0)を行う。
[手順S624]
予備リソース供給数算出部14は、スライス番号を示すmの値を1増加させる(m←m+1)。
[手順S625]
予備リソース供給数算出部14は、時刻t(T_L<t<T_L+T_J)それぞれにおけるスライスmの信頼性A_m(t)を算出する。
[手順S626]
予備リソース供給数算出部14は、手順S625で算出した信頼性A_m(t)の中で最小の値の信頼性A_m(T),(T_L<T<T_L+T_J)を選択する。
[手順S627]
予備リソース供給数算出部14は、選択した信頼性A_m(T)がスライスmに要求される信頼性A’_m以上であるか否かを判定する。A_m(T)<A’_mである場合、スライスmは満足すべき所望の信頼性を満足していない、すなわち式(8)を満足していないことになる。予備リソース供給数算出部14は、A_m(T)<A’_mである場合には手順S628を行い、A_m(T)≧A’_mである場合には手順S631を行う。
[手順S628(S628−1〜S628−N)]
予備リソース供給数算出部14は、ΔR_1(0)の値のみを1増加させた状態、すなわちΔR_1(0)の値を(ΔR_1(0)+1)とした状態で信頼性A_mを算出し、算出した値をA_m1とする。また、予備リソース供給数算出部14は、ΔR_2(0)の値のみを1増加させた状態、すなわちΔR_2(0)の値を(ΔR_2(0)+1)とした状態で信頼性A_mを算出し、算出した値をA_m2とする。同様に、ΔR_3(0)からΔR_Nそれぞれについてもその値のみを1増加させた状態で信頼性A_mの値を算出し、算出した値をA_m3,…,A_mNとする。信頼性の値A_m1,A_m2,…,A_mNそれぞれの算出(手順S628−1〜S628−N)は、並行して行われてもよいし、順に行われてもよい。
[手順S629]
予備リソース供給数算出部14は、手順S628において算出したA_m1,A_m2,…,A_mNの中で最大の値となるA_mi,(1≦i≦N)を選択する。
[手順S630]
予備リソース供給数算出部14は、手順S629にて選択したA_miに対応するΔR_i(0)の値を1増加させ、手順S625以降を繰り返し行う。すなわち、予備リソース供給数算出部14は、選択したA_miとノード番号が一致するΔR_i(0)の値を(ΔR_i(0)+1)に更新した後に、手順S625以降を再度行う。予備リソース供給数算出部14は、A_m(t)(T_L<t<T_L+T_J)の最小値がA’_m以上になるまで、手順S625から手順S630までを繰り返して行う。このようにして得られるΔR_n(0),(n=1,2,…,N)は手順S631で用いられる。
[手順S631]
予備リソース供給数算出部14は、現在のΔR_n(0),(n=1,2,…,N)を用いて、信頼性A_m((R_m1(t),R_m2(t),…,R_mN(t)),(R_1(t)+ΔR_1(0),R_2(t)+ΔR_2(0),…,R_N(t)+ΔR_N(0)))を算出し、算出した信頼性A_mを用いて評価関数E_mの値を算出し、算出したE_mの値をE’_mとする。2回目以降に算出される信頼性A_mは手順S636において更新されたΔR_n(0)を用いて算出される信頼性A_mである。なお、2回目以降にE’_mを算出する際には、前回算出したE’_mに手順S634において選択されるΔE_miを加算して得られる値を新たなE’_mとしてもよい。
[手順S632(S632−1〜S632−N)]
予備リソース供給数算出部14は、ΔR_1(0)の値のみを1増加させた状態、すなわちΔR_1(0)の値を(ΔR_1(0)+1)とした状態で評価関数E_mの値を算出し、算出した値をE_m1とする。また、予備リソース供給数算出部14は、ΔR_2(0)の値のみを1増加させた状態、すなわちΔR_2(0)の値を(ΔR_2(0)+1)とした状態で、評価関数E_mの値を算出し、算出したE_mの値をE_m2とする。同様に、ΔR_3(0)からΔR_Nそれぞれについてもその値のみを1増加させた状態で評価関数E_mの値を算出し、算出したE_mの値をE_m3,…,E_mNとする。評価関数の値E_m1,E_m2,…,E_mNそれぞれの算出(手順S632−1〜S632−N)は、並行して行われてもよいし、順に行われてもよい。
[手順S633(S633−1〜S633−N)]
予備リソース供給数算出部14は、手順S632で算出したE_m1を用いて、ΔE_m1=E_m1−E’_mを算出する。また、予備リソース供給数算出部14は、手順S606で算出したE_m2を用いて、ΔE_m2=E_m2−E’_mを算出する。同様に、予備リソース供給数算出部14は、ΔE_m3,…,ΔE_mNを算出する。また、ΔE_m1,ΔE_m2,…,ΔE_mNそれぞれの算出は、並行して行われてもよいし、順に行われてもよい。
[手順S634]
予備リソース供給数算出部14は、手順S633において算出したΔE_m1,…,ΔE_mNの中で値が最小のΔE_mi,(1≦i≦N)を選択する。
[手順S635]
予備リソース供給数算出部14は、選択したΔE_miの値が負であるか否かを判定する。ΔE_miの値が負である場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S636を行う。ΔE_miの値が負でない場合、すなわちΔE_m1,…,ΔE_mNすべての値が0又は正である場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S637を行う。
[手順S636]
予備リソース供給数算出部14は、手順S634において選択したΔE_miに対応するΔR_i(0)の値を1増加させ、手順S631以降の手順を繰り返し行う。すなわち、予備リソース供給数算出部14は、手順S636において更新した共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を用いてE’_mを更新し、ΔE_m1,…,ΔE_mNを再度算出する。予備リソース供給数算出部14は、ΔE_m1,…,ΔE_mNすべての値が0又は正になるまで手順S631から手順S636までを繰り返す。このようにして得られるΔR_1(0),ΔR_2(0),…,ΔR_N(0)は、A_m(t)>A’_m,(T_L<t<T_L+T_J)を満足した上で、評価関数E_1の値を最小化する。
[手順S637]
予備リソース供給数算出部14は、ΔE_m1,ΔE_m2,…,ΔE_mNの値がすべて0又は正の値になるまで手順を繰り返すことにより得られた、各ノードに供給する共用予備パスリソース数ΔR_1(0),ΔR_2(0),…,ΔR_N(0)を、共用予備パスリソース供給数ΔR_nに仮決定する。
[手順S638]
予備リソース供給数算出部14は、mの値がMであるか否かを判定し、mの値がMでない場合には手順S624以降を繰り返し行う。すなわち、予備リソース供給数算出部14は、すべてのスライスに対して手順S625から手順S636までを繰り返すことにより、各スライスに対する所望の信頼性A’_mが満足されるように、各ノードに供給する共用予備パスリソース数ΔR_1(0),ΔR_2(0),…,ΔR_N(0)の値を更新する。一方、mの値がMである場合には、予備リソース供給数算出部14は手順S639を行う。
[手順S639]
予備リソース供給数算出部14は、すべてのスライスに対する所望の信頼性A’_mを満足する最新のΔR_1(0),ΔR_2(0),…,ΔR_N(0)を、共用予備パスリソース供給数ΔR_nとして採用する。なお、ここで得られたΔR_n(0)は、次回以降の共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する際の手順S3にて、正味の共用予備パスリソース数の推移R_n(t)を算出するときに用いられる。
第2の実施形態のネットワーク制御装置1によれば、スライスごとのデータトラヒック量の推移を予測し、予測結果に基づいて、各時点における信頼性が所望の信頼性を下回らないという制約条件のもとで、各スライスに対する所望の信頼性を満たすために必要な共用予備パスリソース供給数ΔR_nをノードごとに算出することができる。この各ノードに対する共用予備パスリソース供給数ΔR_nに基づいて、パスリソースを設置又は増設することにより、各スライスに割り当てられるパスリソースが変動する環境下においても各スライスの信頼性を維持することが容易になる。
[第3の実施形態]
第1、第2の実施形態のネットワーク制御装置1では、データトラヒック量の推移予測をもとに導出されるパスリソース数の推移に基づいて、各スライスが所望の信頼性を維持し続けるために必要な共用予備パスリソース供給数を決定することを特徴とする。データトラヒック量の推移の予測誤差を考慮した上でパスリソース数の推移が導出されている場合には、データトラヒック量の予測に対する最悪ケースを想定した上でパスリソース数推移が導出されるため、これに紐付いて導出される信頼性も、データトラヒック量予測の最悪ケースを想定した推移となる。したがって、第1、第2の実施形態では、信頼性の推移に対して予測誤差を考慮する必要がなかった。
一方、データトラヒック量推移の予測誤差を考慮せずにパスリソース数の推移を導出する場合は、データトラヒック量予測に対する最悪ケースが想定されていないため、予測が大きく外れたときには、各スライスの信頼性が所望の信頼性を下回ってしまう恐れがある。第3の実施形態では、このような場合に対しても各スライスが所望の信頼性を満足し続けるように、トランスポートネットワーク2を制御する構成について説明する。
図7は、第3の実施形態におけるトランスポートネットワーク制御システムの構成例を示すブロック図である。トランスポートネットワーク制御システムは、ネットワーク制御装置1Aと、トランスポートネットワーク2とを備える。ネットワーク制御装置1Aは、トラヒック変動予測部11と、リソース数算出部12と、信頼性算出部13と、予備リソース供給数算出部14と、信頼性モニタ部15とを備える。ネットワーク制御装置1Aは、信頼性モニタ部15を備える点が第1の実施形態のネットワーク制御装置1と異なる。
信頼性モニタ部15は、トランスポートネットワーク2において実際に各スライスに割り当てられているパスリソース数及び各ノードに備えられている共用予備リソース数を取得し、各スライスの実際の信頼性を算出する。信頼性算出部13は、各スライスの信頼性の推移A_m(t)を算出する際には、過去に決定した共用予備パスリソース供給数ΔR_nを用いる。また、信頼性モニタ部15により算出される各スライスの実際の信頼性を用いることで、信頼性の推移を算出する際の算出精度を向上させる。各スライスにどれくらいのパスリソースが割り当てられるかは、トランスポートネットワーク2及びスライスの運用ポリシに依存するため、各スライスに割り当てられるパスリソース数の推移はリソース数算出部12から与えられることを前提とし、与えられたパスリソース数の推移を基に、各スライスが所望の信頼性を維持し続けるために必要な共用予備パスリソース供給数を算出する。
第3の実施形態におけるネットワーク制御装置1Aが行う共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する処理は、第1の実施形態における図3に示した処理と同様である。なお、各スライスの信頼性の推移に対する予測誤差の影響を評価関数E_mに含めるために、式(7)の評価関数E_mに代えて式(9)の評価関数E_mを用いる。
Figure 2017192096
式(9)においてσ_mは、スライスmにおける信頼性推移の直近の実測値B_m(t)と、信頼性算出部13により算出される信頼性A_m(t)との二乗誤差であり、式(10)で表される。
Figure 2017192096
式(10)におけるPは、式(11)を満足する自然数である。
Figure 2017192096
また、式(9)におけるαは、危険率係数である。例えば実測の信頼性B_m(t)が正規分布に従う場合は、α=3とすると信頼性A_m(t)の時刻t=T_Lから時刻t=(T_L+T_J)までに亘る平均値が所望の信頼性A’_mを下回る確率がおよそ0.15%となる。したがって、所望の信頼性を下回る確率に応じて危険率係数αを定めることで、所望の信頼性を下回る確率である危険率を任意に設定することができる。信頼性推移の実測値B_m(t)は、信頼性推移の予測値A_m(t)の引数である現用パスリソース数の推移R_mn(t),(m=1,2,…,M;n=1,2,…,N)と、共用予備パスリソース数の推移R_n(t),(n=1,2,…,N)とに代えて、実際の現用パスリソース数の推移S_mn(t)と共用予備パスリソース数の推移S_n(t)とを用いることで算出できる。信頼性モニタ部15は、トランスポートネットワーク2から取得する実際の現用パスリソース数の推移S_mn(t)と共用予備パスリソース数の推移S_n(t)とから、信頼性B_m(t)を算出する。
なお、第2の実施形態におけるネットワーク制御装置1は、手順S1から手順S6を行い、式(8)に示された制約条件を満足しつつ、式(7)に示した評価関数E_mを最小化するΔR_n(0),(n=1,2,…,N)を共用予備パスリソース供給数として採用する処理を行っている。第2の実施形態の処理において、第3の実施形態のように各スライスの信頼性推移に対する予測誤差の影響を含める場合、式(9)に示した評価関数E_mを用いることに加え、式(8)に代えて式(12)を制約条件として用いればよい。
Figure 2017192096
第3の実施形態のネットワーク制御装置1Aによれば、各スライスの信頼性の推移において生じる予測誤差を考慮した上で、各スライスの信頼性を所望の信頼性の近傍で安定させるために必要な共用予備パスリソース供給数ΔR_nをノードごとに算出することができる。この各ノードに対する共用予備パスリソース供給数ΔR_nに基づいて、パスリソースを設置又は増設することにより、各スライスに割り当てられるパスリソースが変動する環境下においても各スライスの信頼性を維持することが容易になる。
[第4の実施形態]
データトラヒック量推移の予測誤差が正規分布に従うと仮定した場合、データトラヒック量推移に基づいて導出される各ノードにおけるパスリソース数の推移R_mn(t)、R_n(t)も正規分布に従う誤差を有することが想定される。このような場合、信頼性を表す指標として式(2)から式(4)に示した障害発生確率F_mを用いてA_m=1/F_mなどと定めたとき、各スライスの信頼性の推移A_m(t)の誤差は正規分ではなく対数正規分布に従うことが想定される。第4の実施形態では、信頼性A_m(t)の誤差が対数正規分布に従う場合において、各スライスが所望の信頼性を維持し続けるために必要な共用予備パスリソース供給数を決定することを特徴とする。
第4の実施形態におけるネットワーク制御装置は、第3の実施形態におけるネットワーク制御装置1Aと同様の構成を有する。第4の実施形態における共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する処理は、第3の実施形態における処理と同様であり、式(7)の評価関数E_mに代えて式(13)の評価関数E_mを用いる。
Figure 2017192096
式(13)におけるσ_mは、スライスmにおける信頼性推移の直近の実測値B_m(t)の対数と想定値A_m(t)の対数の二乗誤差であり、式(14)で表される。
Figure 2017192096
式(14)におけるPは、式(11)を満足する自然数である。また、αは式(9)と同様に危険率係数である。例えば実測の信頼性B_m(t)が正規分布に従う場合は、α=3とすると信頼性A_m(t)の時刻t=T_Lから時刻t=(T_L+T_J)までに亘る平均値が所望の信頼性A’_mを下回る確率がおよそ0.15%となる。したがって、所望の信頼性を下回る確率に応じて危険率係数αを定めることで、所望の信頼性を下回る確率である危険率を任意に設定することができる。
なお、第2の実施形態におけるネットワーク制御装置1は、手順S1から手順S6を行い、式(8)に示された制約条件を満足しつつ、式(7)に示した評価関数E_mを最小化するΔR_n(0),(n=1,2,…,N)を共用予備パスリソース供給数として採用する処理を行っている。第2の実施形態の処理において、第4の実施形態のように各スライスの信頼性推移に対する予測誤差の影響を含める場合、式(13)に示した評価関数E_mを用いることに加え、式(8)に代えて式(15)を制約条件として用いればよい。
Figure 2017192096
第4の実施形態のネットワーク制御装置によれば、各スライスの信頼性の推移において生じる予測誤差を考慮した上で、各スライスの信頼性を所望の信頼性の近傍で安定させるために必要な共用予備パスリソース供給数ΔR_nをノードごとに算出することができる。この各ノードに対する共用予備パスリソース供給数ΔR_nに基づいて、パスリソースを設置又は増設することにより、各スライスに割り当てられるパスリソースが変動する環境下においても各スライスの信頼性を維持することが容易になる。
[第5の実施形態]
第1の実施形態では、データトラヒック量の変動に伴い各スライスに割り当てるパスリソース数及び共用予備パスリソース数が変動する環境下においても各スライスが所望の信頼性を維持し続けるために、各ノードへの共用予備パスリソースの供給、すなわち共用予備パスリソースの増設のみを考慮していた。しかし、データトラヒック量の変動に伴い各ノードに備えられた共用予備パスリソースに余剰が生じることも考えられる。各スライスが所望の信頼性を満足できていれば、必要以上に共用予備パスリソースをノードに備えなくともよい。共用予備パスリソースに余剰が生じている場合、各ノードから共用予備パスリソースを撤去する減設を行うことも可能である。減設したパスリソースは、他のノードに備えるパスリソースとして転用することができるため、パスリソースを有効に活用するという観点で、減設を考慮することは有意義である。
第5の実施形態のネットワーク制御装置は、第1の実施形態のネットワーク制御装置1において減設を考慮した構成を備える。第5の実施形態のネットワーク制御装置は、第1の実施形態のネットワーク制御装置1と同様の構成を有する。また、第5の実施形態における共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する処理は、第1の実施形態における処理と手順S1から手順S5までが同じであり、手順S6が異なる。本実施形態の共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する処理における手順S6を以下に説明する。
[手順S6]
時刻t=0における共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を考慮すると、時刻t=T_Lから時刻t=(T_L+T_J)における各スライスの信頼性の推移は、A_m((R_m1(t),R_m2(t),…,R_mN(t)),(R_1(t)+ΔR_1(0),R_2(t)+ΔR_2(0),…,R_N(t)+ΔR_N(0)))と表される。手順S5で算出した評価関数E_mの値は、ΔR_n(0)=0,(n=1,2,3…,N)の場合に相当する。この値を、E’_mとする。手順S6では、予備リソース供給数算出部14は評価関数E_mが最小となるΔR_n(0)を算出する。以下に、手順S6の詳細な処理を説明する。
図8及び図9は、第5の実施形態における手順S6における処理を示すフローチャートである。手順S6において、予備リソース供給数算出部14は、手順S641から手順S659を行う。
[手順S641]
予備リソース供給数算出部14は、トランスポートネットワーク2上の各スライスが満足すべき信頼性の大きい順に各スライスに番号付けをする。
[手順S642]
予備リソース供給数算出部14は、初期値として、各ノードに供給する共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)それぞれの値を0にする(ΔR_n(0)←0;n=1,2,…,N)。
[手順S643]
予備リソース供給数算出部14は、処理対象のスライスの番号を示すmの値を0にする初期化(m←0)を行う。
[手順S644]
予備リソース供給数算出部14は、スライスの番号を示すmの値を1増加させる(m←m+1)。
[手順S645]
予備リソース供給数算出部14は、スライスmの信頼性A_mを用いてE_mを算出し、その値をE’_mとする。スライスmの信頼性A_mは、現用パスリソース数R_mn(t)と、共用予備パスリソース数の推移R_n(t)と共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)とに基づいて算出される。初回に算出される信頼性A_mはすべてのΔR_n(0)の値が0である場合の信頼性A_mであり、2回目以降に算出される信頼性A_mは手順S653又は手順S654において更新されたΔR_n(0)を用いて算出される信頼性A_mである。なお、2回目以降にE’_mを算出する際には、前回算出したE’_mに手順S650において選択されるΔE_miを加算して得られる値を新たなE’_mとしてもよい。
[手順S646(S646−1〜S646−N)]
予備リソース供給数算出部14は、ΔR_1(0)の値のみを1増加させた状態、すなわちΔR_1(0)の値を(ΔR_1(0)+1)とした状態で評価関数E_mの値を算出し、算出した値をE_m1とする(手順S646−1)。また、予備リソース供給数算出部14は、ΔR_2(0)の値のみを1増加させた状態、すなわちΔR_2(0)の値を(ΔR_2(0)+1)とした状態で、評価関数E_mの値を算出し、算出したE_mの値をE_m2とする(手順S646−2)。同様に、ΔR_3(0)からΔR_Nそれぞれについてもその値のみを1増加させた状態で評価関数E_mの値を算出し、算出したE_mの値をE_m3,…,E_mNとする(手順S646−3〜S646−N)。評価関数の値E_m1,E_m2,…,E_mNそれぞれの算出(手順S646−1〜S646−N)は、並行して行われてもよいし、順に行われてもよい。
[手順S647(S647−1〜S647−N)]
予備リソース供給数算出部14は、手順S646で算出したE_m1を用いて、ΔE_m1=E_m1−E’_mを算出する(手順S647−1)。また、予備リソース供給数算出部14は、手順S606で算出したE_m2を用いて、ΔE_m2=E_m2−E’_mを算出する(手順S647−2)。同様に、予備リソース供給数算出部14は、ΔE_m3,…,ΔE_mNを算出する(手順S647−3〜S647−N)。また、ΔE_m1,ΔE_m2,…,ΔE_mNそれぞれの算出は、並行して行われてもよいし、順に行われてもよい。
[手順S648(S648−1〜S648−N)]
予備リソース供給数算出部14は、ΔR_1(0)の値のみを1減少させた状態、すなわちΔR_1(0)の値を(ΔR_1(0)−1)とした状態で評価関数E_mの値を算出し、算出した値をE_m−1とする(手順S648−1)。また、予備リソース供給数算出部14は、ΔR_2(0)の値のみを1減少させた状態、すなわちΔR_2(0)の値を(ΔR_2(0)−1)とした状態で、評価関数E_mの値を算出し、算出したE_mの値をE_m−2とする(手順S648−2)。同様に、ΔR_3(0)からΔR_Nそれぞれについてもその値のみを1減少させた状態で評価関数E_mの値を算出し、算出したE_mの値をE_m−3,…,E_m−Nとする(手順S648−3〜S648−N)。評価関数の値E_m−1,E_m−2,…,E_m−Nそれぞれの算出(手順S648−1〜S648−N)は、並行して行われてもよいし、順に行われてもよい。
[手順S649(S649−1〜S649−N)]
予備リソース供給数算出部14は、手順S648で算出したE_m−1を用いて、ΔE_m−1=E_m−1−E’_mを算出する(手順S649−1)。また、予備リソース供給数算出部14は、手順S648で算出したE_m−2を用いて、ΔE_m−2=E_m−22−E’_mを算出する(手順S649−2)。同様に、予備リソース供給数算出部14は、ΔE_m−3,…,ΔE_m−Nを算出する(手順S649−3〜S649−N)。また、ΔE_m−1,ΔE_m−2,…,ΔE_m−Nそれぞれの算出は、並行して行われてもよいし、順に行われてもよい。
[手順S650]
予備リソース供給数算出部14は、手順S647及び手順S649において算出したΔE_m−N,…,ΔE_m−1,ΔE_m1,…,ΔE_mNを含む差分の集合のうち、最小の値となるΔE_mi,(−N≦i≦N)を選択する。
[手順S651]
予備リソース供給数算出部14は、手順S650において選択したΔE_miの値が負であるか否かを判定する。ΔE_miの値が負である場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S652を行う。ΔE_miの値が負でない場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S657を行う。
[手順S652]
予備リソース供給数算出部14は、手順S650において選択したΔE_miの添字iが正の値であるか否かを判定する。添字iが正の値である場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S653を行う。添字iが負の値である場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S654を行う。
[手順S653]
予備リソース供給数算出部14は、手順S650において選択したΔE_miと添字iが一致するΔR_i(0)の値を1増加させ、手順S645以降の手順を繰り返し行う。すなわち、予備リソース供給数算出部14は、選択したΔE_miとノード番号が一致するΔR_i(0)の値を(ΔR_i(0)+1)に更新した後に、手順S645以降の手順を繰り返し行う。
[手順S654]
予備リソース供給数算出部14は、手順S650において選択したΔE_miの添字iが示すノード−iが、スライスr(r<m)で示される論理ネットワークの構成要素に含まれているか否かを判定する。すなわち、手順S6(手順S641〜S659)において、ΔR_n(0)を最適化する際に既に判定済みのスライスrを構成するノードにノード−iが含まれるか否かを判定する。ノード−iがスライスrの構成要素に含まれない場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S655を行う。ノード−iがスライスrの構成要素に含まれる場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S656を行う。
[手順S655]
予備リソース供給数算出部14は、手順S650において選択したΔE_miと添字iの絶対値が一致するΔR_−i(0)の値を1減少させ、手順S645以降の手順を繰り返し行う。すなわち、予備リソース供給数算出部14は、選択したΔE_miとノード番号が一致するΔR_−i(0)の値を(ΔR_−i(0)−1)に更新した後に、手順S645以降の手順を繰り返し行う。
[手順S656]
予備リソース供給数算出部14は、差分の集合{ΔE_m−N,…,ΔE_m−1,ΔE_m1,…,ΔE_mN}から手順S650又は前回の手順S656において選択したΔE_miを除いて差分の集合を更新し、更新された差分の集合の中で最小の値となるΔE_mi,(−N≦i≦N)を再度選択する。予備リソース供給数算出部14は、手順S651以降を再度行う。
[手順S657]
予備リソース供給数算出部14は、手順S645から手順S657までを行うことで更新されたΔR_n,(n=1,2,…,N)を、共用予備パスリソース供給数として仮決定する。
[手順S658]
予備リソース供給数算出部14は、mの値がMであるか否かを判定し、mの値がMでない場合には手順S644以降を繰り返し行う。すなわち、予備リソース供給数算出部14は、すべてのスライスに対して手順S645から手順S657までを繰り返し行うことにより、各スライスに対する所望の信頼性A’_mが満足されるように、各ノードに増設又は減設する共用予備パスリソース供給数ΔR_1(0),ΔR_2(0),…,ΔR_N(0)の値を更新する。一方、mの値がMである場合には、予備リソース供給数算出部14は、手順S659を行う。
[手順S659]
予備リソース供給数算出部14は、すべてのスライスに対する所望の信頼性A’_mを満足する最新のΔR_1(0),ΔR_2(0),…,ΔR_N(0)を、共用予備パスリソース供給数ΔR_nとして採用する。なお、ここで得られたΔR_n(0)は、次回以降の共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する際の手順S3にて、正味の共用予備パスリソース数の推移R_n(t)を算出するときに用いられる。
第5の実施形態のネットワーク制御装置によれば、スライスごとのデータトラヒック量の推移を予測し、予測結果に基づいて、各スライスの信頼性を所望の信頼性の近傍で安定させるために必要な共用予備パスリソース供給数ΔR_nをノードごとに算出することができる。このとき、ネットワーク制御装置は、各ノードにおけるパスリソースの増設に加えて減設も考慮して共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出することにより、各スライスに割り当てられるパスリソースが変動する環境下においても各スライスの信頼性を維持することを容易としつつ、パスリソースの効率的な利用を促すことができる。
なお、第3及び第4の実施形態のネットワーク制御装置においても、第5の実施形態のネットワーク制御装置と同様に、各ノードにおけるパスリソースの減設を考慮して共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出してもよい。
[第6の実施形態]
第6の実施形態では、第5の実施形態と同様に、共用予備パスリソースに余剰が生じている場合に各ノードから共用予備パスリソースを撤去する減設を行う。第6の実施形態では、第2の実施形態のネットワーク制御装置において、余剰の共用予備パスリソースを削減する動作を行う場合について説明する。第6の実施形態のネットワーク制御装置は、第1及び第2の実施形態のネットワーク制御装置と同様の構成を有する。また、第6の実施形態における共用予備パスリソース共用数ΔR_nを算出する処理は、第2の実施形態における処理と手順S1から手順S5までが同じであり、手順S6が異なる。本実施形態の共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する処理における手順S6を以下に説明する。
[手順S6]
時刻t=0における共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を考慮すると、時刻t=T_Lから時刻t=(T_L+T_J)における各スライスの信頼性の推移は、A_m((R_m1(t),R_m2(t),…,R_mN(t)),(R_1(t)+ΔR_1(0),R_2(t)+ΔR_2(0),…,R_N(t)+ΔR_N(0)))と表される。手順S5で算出した評価関数E_mの値は、ΔR_n(0)=0,(n=1,2,3…,N)の場合に相当する。この値を、E’_mとする。手順S6では、予備リソース供給数算出部14は評価関数E_mが最小となるΔR_n(0)を算出する。以下に、手順S6の詳細な処理を説明する。
図10及び図11は、第6の実施形態における手順S6における処理を示すフローチャートである。第6の実施形態における手順S6は、第2の実施形態における手順S6を構成する図5及び図6の手順S621から手順S639までのうち、手順S621から手順S630までが同じであり、手順S630以降が異なる。図10及び図11には、手順S630以降の処理が示されている。ここでは、重複する説明を省き、手順S630以降に行われる手順S661から手順S678について説明する。
第6の実施形態における予備リソース供給数算出部14は、手順S627において、A_m(T)≧A’_mである場合に手順S661を行う。
[手順S661]
予備リソース供給数算出部14は、現在のΔR_n(0),(n=1,2,…,N)を用いて、信頼性A_m((R_m1(t),R_m2(t),…,R_mN(t)),(R_1(t)+ΔR_1(0),R_2(t)+ΔR_2(0),…,R_N(t)+ΔR_N(0)))を算出し、算出した信頼性A_mを用いて評価関数E_mの値を算出し、算出したE_mの値をE’_mとする。2回目以降に算出される信頼性A_mは手順S669又は手順S674において更新されたΔR_n(0)を用いて算出される信頼性A_mである。なお、2回目以降にE’_mを算出する際には、前回算出したE’_mに手順S666において選択されるΔE_miを加算して得られる値を新たなE’_mとしてもよい。
[手順S662(S662−1〜S662−N)]
[手順S663(S663−1〜S663−N)]
[手順S664(S664−1〜S664−N)]
[手順S665(S665−1〜S665−N)]
[手順S666]
手順S662から手順S666までの動作は、第5の実施形態において説明した手順S646から手順S650までの動作とそれぞれ同じであるので、重複する説明を省略する。
[手順S667]
予備リソース供給数算出部14は、手順S666において選択したΔE_miの値が負であるか否かを判定する。ΔE_miの値が負である場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S668を行う。ΔE_miの値が負でない場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S675を行う。
[手順S668]
予備リソース供給数算出部14は、手順S666において選択したΔE_miの添字iが正の値であるか否かを判定する。添字iが正の値である場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S669を行う。添字iが負の値である場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S670を行う。
[手順S669]
予備リソース供給数算出部14は、手順S666において選択したΔE_miと添字iが一致するΔR_i(0)の値を1増加させ、手順S661以降の手順を繰り返し行う。すなわち、予備リソース供給数算出部14は、選択したΔE_miとノード番号が一致するΔR_i(0)の値を(ΔR_i(0)+1)に更新した後に、手順S661以降の手順を繰り返し行う。
[手順S670]
予備リソース供給数算出部14は、手順S666において選択したΔE_miと添字iの絶対値が一致するΔR_−i(0)の値を1減少させた場合における時刻t(T_L<t<T_L+T_J)それぞれにおけるスライスmの信頼性A_m(t)を算出する。
[手順S671]
予備リソース供給数算出部14は、手順S670において算出した信頼性A_m(t)の中で最小の値の信頼性A_m(T),(T_L<T<T_L+T_J)を選択する。
[手順S672]
予備リソース供給数算出部14は、手順S671において選択した信頼性A_m(T)がスライスmに要求される信頼性A’_m以上であるか否かを判定する。A_m(T)<A’_mである場合、スライスmは満足すべき所望の信頼性を満足していない、すなわち式(8)を満足していないことになる。予備リソース供給数算出部14は、A_m(T)<A’_mである場合には手順S674を行い、A_m(T)≧A’_mである場合には手順S673を行う。
[手順S673]
予備リソース供給数算出部14は、手順S666又は手順S675において選択したΔE_miの添字iが示すノード−iが、スライスr(r<m)で示される論理ネットワークの構成要素に含まれているか否かを判定する。すなわち、手順S6において、ΔR_n(0)を最適化する際に既に判定済みのスライスrを構成するノードにノード−iが含まれるか否かを判定する。ノード−iがスライスrの構成要素に含まれない場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S674を行う。ノード−iがスライスrの構成要素に含まれる場合、予備リソース供給数算出部14は、手順S675を行う。
[手順S674]
予備リソース供給数算出部14は、手順S666又は手順S675において選択したΔE_miと添字iの絶対値が一致するΔR_−i(0)の値を1減少させ、手順S661以降の手順を繰り返し行う。すなわち、予備リソース供給数算出部14は、選択したΔE_miとノード番号が一致するΔR_−i(0)の値を(ΔR_−i(0)−1)に更新した後に、手順S661以降の手順を繰り返し行う。
[手順S675]
予備リソース供給数算出部14は、差分の集合{ΔE_m−N,…,ΔE_m−1,ΔE_m1,…,ΔE_mN}から手順S666又は前回の手順S675において選択したΔE_miを除いて差分の集合を更新し、更新された差分の集合の中で最小の値となるΔE_mi,(−N≦i≦N)を再度選択する。予備リソース供給数算出部14は、手順S667以降を再度行う。
[手順S676]
予備リソース供給数算出部14は、手順S625から手順S630と、手順S661から手順S675までを行うことで更新されたΔR_n,(n=1,2,…,N)を、共用予備パスリソース供給数として仮決定する。
[手順S677]
予備リソース供給数算出部14は、mの値がMであるか否かを判定し、mの値がMでない場合には手順S624以降を繰り返し行う。すなわち、予備リソース供給数算出部14は、すべてのスライスに対して手順S625から手順S630と、手順S661から手順S675までを繰り返し行うことにより、各スライスに対する所望の信頼性A’_mが満足されるように、各ノードに増設又は減設する共用予備パスリソース供給数ΔR_1(0),ΔR_2(0),…,ΔR_N(0)の値を更新する。一方、mの値がMである場合には、予備リソース供給数算出部14は、手順S678を行う。
[手順S678]
予備リソース供給数算出部14は、すべてのスライスに対する所望の信頼性A’_mを満足する最新のΔR_1(0),ΔR_2(0),…,ΔR_N(0)を、共用予備パスリソース供給数ΔR_nとして採用する。なお、ここで得られたΔR_n(0)は、次回以降の共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する際の手順S3にて、正味の共用予備パスリソース数の推移R_n(t)を算出するときに用いられる。
第6の実施形態のネットワーク制御装置によれば、スライスごとのデータトラヒック量の推移を予測し、予測結果に基づいて、各時点における信頼性が所望の信頼性を下回らないという制約条件のもとで、各スライスに対する所望の信頼性を満たすために必要な共用予備パスリソース供給数ΔR_nをノードごとに算出することができる。このとき、ネットワーク制御装置は、各ノードにおけるパスリソースの増設に加えて減設も考慮して共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出することにより、各スライスに割り当てられるパスリソースが変動する環境下においても各スライスの信頼性を維持することを容易としつつ、パスリソースの効率的な利用を促すことができる。
[第7の実施形態]
第1、第2、第5及び第6の実施形態では、各ノードの共用予備リソース供給数ΔR_n(0),(n=1,2,…,N)を1つずつ増減させたときの評価関数E_mの値の変化量に基づいて、共用予備リソース供給数ΔR_n(0)の値を決定していた。このような方法を用いた場合、ΔR_n(0)の値を1つずつ増減させる度に評価関数E_mの値を算出するため、演算量が大きくなってしまうことがある。第7の実施形態では、最急降下法を用いて共用予備リソース供給数ΔR_n(0)を決定することにより、演算量を削減する。
第7の実施形態では、第1から第6の実施形態と同様に、式(6)で表される障害発生確率F_mを用いた、信頼性の指標A_m=1/F_mを用いる。最急降下法より、ΔR_n(0)は、式(16)で決定される。
Figure 2017192096
評価関数E_mは、式(7)で表されるため、式(7)のA_mに1/F_mを代入した上で、F_mに式(6)を代入し、式(16)に従って、評価関数E_mをR_nで偏微分することにより、式(17)を得る。
Figure 2017192096
ここで、式(17)におけるμはトランスポートネットワーク制御システムに応じて任意に設定可能な定数である。δ_inはクロネッカーのδであり、添字のi,nの値が同じ場合(n=i)のみδ_in=1であり、それ以外の場合はδ_in=0である。式(17)の右辺が正の値でかつ整数でない場合は、右辺の値を超過しない最大の整数を、ΔR_n(0)の値として採用する。右辺の値が負の値でかつ整数でない場合は、右辺を下回らない最小の整数を、ΔR_n(0)の値として採用する。なお、第1及び第2の実施形態における共用予備リソース供給数ΔR_n(0)の算出のように、ノードにおけるパスリソースの減設を考慮しない場合、式(17)の右辺が負の値である場合はΔR_(0)=0とすればよい。また、第3の実施形態のように危険率を考慮する場合は、式(17)の右辺のA’_mをA’_m+ασ_mに置き換えればよい。また、第4の実施形態のように危険率を考慮する場合は、式(17)の右辺のA’_mを10(ασ_m)×A’_mに置き換えればよい。
第7の実施形態におけるネットワーク制御装置によれば、最急降下法を用いて共用予備リソース供給数ΔR_n(0)を算出するので、各スライスの信頼性を所望の信頼性の近傍で安定させるために必要な共用予備パスリソース供給数ΔR_nをノードごとに少ない演算量で算出することができる。この各ノードに対する共用予備パスリソース供給数ΔR_nに基づいて、パスリソースを設置又は増設することにより、各スライスに割り当てられるパスリソースが変動する環境下においても各スライスの信頼性を維持することが容易になる。
[第8の実施形態]
第1から第7の実施形態では、トランスポートネットワーク2が単一のレイヤで構成される場合について説明した。第8の実施形態では、トランスポートネットワーク2が複数のレイヤで構成される場合について説明する。ここで、レイヤとは、例えば波長パスを提供する波長レイヤや、MPLS(Multiprotocol Label Switching)パスを提供するMPLSレイヤである。図12は、第8の実施形態におけるトランスポートネットワーク制御システムで想定するトランスポートネットワーク2の構成例を示す図である。
第8の実施形態におけるトランスポートネットワーク2は、複数のレイヤから構成されている。トランスポートネットワーク2におけるレイヤ数はLである。レイヤl(l=1,2,…,L)は、N_l台のノードで構成されている。N_l台のノード間にはリンクが確立されている。トランスポートネットワーク2上には、M個のスライスが構成されている。各レイヤの各ノードには、各スライス用に稼動している現用のパスリソースと、各スライスに対して共用の予備パスリソースとが備えられている。
レイヤlのノードn_lに備えられたスライスm用の現用パスリソース数をR_lmnとし、ノードn_lに備えられた共用予備パスリソース数をR_lnとする。ここで、l=1,2,…,L、m=1,2,…,M、n_l=1,2,…,N_lである。スライスmのレイヤlにおける信頼性をA_lmとする。信頼性A_lmは、一般に、レイヤlにおけるスライスm用の現用パスリソース数R_lm1,R_lm2,…,R_lmN_lと、共用予備リソース数R_l1,R_l2,…,R_lN_lに依存するため、それぞれを引数としてA_lm((R_lm1,R_lm2,…,R_lmN_l),(R_l1,R_l2,…,R_lN_l))と表すことができる。スライスmがレイヤlにおいて満足しなければならない所望の信頼性をA’_lmとする。動的に変化する信頼性を一定に保ち、常に所望の信頼性を満足させ続けるためには、各レイヤの各ノードに適切な数の共用予備パスリソースを共有し備え続けなければならない。ノードn_lに供給する供給予備パスリソース数を、ΔR_lnとする。
第8の実施形態では、各レイヤのパスリソース数やその変動は、他のレイヤの信頼性に影響を与えない。例えば、スライスmのレイヤlにおける信頼性は、レイヤlのパスリソース数のみに依存しているため、スライスmに関する他のレイヤのパスリソース数が変動した場合においても、スライスmのレイヤlにおける信頼性は影響を受けない。各スライスの信頼性は、レイヤごとに独立に設計されていることに相当する。したがって、各レイヤの各ノードへの供給予備パスリソース数供給数は、そのレイヤに閉じた制御によって決定することができる。つまり、レイヤごとに独立に、第1から第7の実施形態におけるいずれかの共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する処理を適用し、算出された共用予備パスリソース供給数ΔR_nを、対象とするレイヤにおける共用予備パスリソース供給数ΔR_lnとする。これにより、トランスポートネットワーク2が複数のレイヤから構成される場合においても、各スライスが常に所望の信頼性を満足し続けることができる。
[第9の実施形態]
第8の実施形態では、トランスポートネットワーク2が複数のレイヤから構成され、各レイヤの信頼性は他のレイヤの信頼性に影響を与えない構成を説明した。具体的には、レイヤlに備えられたパスリソース数の変動は他のレイヤの信頼性に影響を与えることがない。すなわち、各スライスの信頼性がレイヤごとに独立に設計されている状況を想定していた。しかし、レイヤ間連動動作などによって、あるレイヤで発生した障害を他のレイヤで復旧できる場合、各スライスの信頼性は複数のレイヤにまたがって設計されることがある。例えば波長パスレイヤにおける障害をパケットレイヤにおける変更で補うことができる状況である。第9の実施形態では、そのような状況を想定する。
各スライスの信頼性が複数のレイヤにまたがって設計される場合、各スライスの信頼性は、第8の実施形態において示したようにA_1m,A_2m,…,A_Lmという形でレイヤごとに独立に表現されずに、複数のレイヤにまたがった統一的な表記A_mで表現される。このとき、信頼性A_mは、各レイヤl(l=1,2,…,L)におけるスライスmの各ノードn(n=1,2,…,N_l)に備えられる現用パスリソース数{R_lm1,R_lm2,…,R_lmNl}と、各レイヤlにおける各ノードnに備えられる共用予備パスリソース数{R_l1,R_l2,…,R_lN_l}とに依存するため、
式(18)のように表現される。
Figure 2017192096
各スライスの信頼性が複数レイヤにまたがって設計される場合は、各スライスの信頼性を式(18)で表した上で、評価関数E_mを最小化するためのノードnにおけるレイヤlの共用予備パスリソース供給数ΔR_ln,(l=1,2,…,L;n=1,2,…,N)を決定すればよく、第1から第7の実施形態における共用予備パスリソース供給数を算出する処理を適用して共用予備パスリソース供給数ΔR_lnを算出することができる。このとき、各スライスにおける複数のレイヤをまたがった信頼性A_mの算出において、例えば式(2)においてスライスmを構成するノードごとの障害発生率を累算して得られたスライスmの障害発生率を用いることに代えて、スライスmを構成するすべてのレイヤのノードごとの障害発生率を累算して得られたスライスmの障害発生率を用いてもよいし、トランスポートネットワーク2の運用ポリシに基づいて定まるレイヤ間の依存の度合いを示す係数を用いて各レイヤ間のパスリソース数の依存を反映させてもよい。すなわち、信頼性算出部13は、レイヤ間の依存の度合いを反映させて各スライスの信頼性の推移を算出する。予備リソース供給数算出部14は、各スライスの信頼性の推移に基づいて算出される評価関数E_mを用いて、各ノードにおけるレイヤそれぞれの共用予備パスリソース供給数ΔR_lnを算出する。
第9の実施形態のネットワーク制御装置によれば、各レイヤのパスリソース数やその変動が他のレイヤの信頼性に影響を与える場合であっても、他のレイヤにおけるパスリソース数を含めて各スライスの信頼性と評価関数とが算出され、評価関数の値を最小とする共用予備パスリソース供給数ΔR_lnを得ることができる。得られた共用予備パスリソース供給数ΔR_lnに基づいて共用予備パスリソースの増設又は減設を行うことにより、トランスポートネットワーク2が複数のレイヤから構成される場合においても各スライスが常に所望の信頼性を満足し続けることができる。
[第10の実施形態]
第1から第9の実施形態では、信頼性を示す指標として「障害発生率の逆数」を用いる場合を説明したが、他の指標として「パスに収容されるデータフロー数」を信頼性の指標に盛り込むようにしてもよい。一般に、トランスポートネットワーク2内のパスリソースが提供するパス(ここでは「パスA」とする。)には、複数のデータフローが収容されている。データフローは、各ユーザが利用している各サービスに対応付けられているので、収容するデータフロー数が多ければ多いほど、パスAに障害が発生した場合により多くのユーザ/サービスに影響が生じることが想定される。したがって、影響を受けるユーザ/サービス数が多いほど、パスAの信頼性は低いものであると考えられる。この考えに基づくことで、パスAに収容されているデータフロー数が多いほど信頼性が低くなるように信頼性の指標を定義することができる。例えば式(2)では、障害発生の原因となるトランスポンダの故障率f_Tは、そのトランスポンダが提供するパスに収容されているデータフロー数によらず一定であるとしている。これに対して、各パスに収容されているデータフロー数を考慮した上で各トランスポンダの故障率を再定義することにより、当該トランスポンダが故障することによるユーザ/サービスへの影響度を加味した形での信頼性を定義できる。例えば式(19)で表されるように、各トランスポンダの故障率f_Tに、各トランスポンダが提供するパスに収容されているデータフロー数に比例するパラメータβを乗じて得られる、故障率f’_Tを新たに故障率として再定義することにより、ユーザ/サービスへの影響度を加味した信頼性を定義できる。信頼性算出部13は、再定義された故障率f’_Tを用いることにより、パスに収容されるデータフロー数を加味して信頼性を算出できる。
Figure 2017192096
第10の実施形態のネットワーク制御装置によれば、パスに収容されるデータフロー数を考慮した上で、評価関数の値を最小とする共用予備パスリソース供給数ΔR_nを得ることができる。得られた共用予備パスリソース供給数ΔR_nに基づいて共用予備パスリソースの増設又は減設を行うことにより、パスに収容されるデータフロー数に基づいて常に所望の信頼性を各スライスが満足し続けることができる。
[第11の実施形態]
第1から第10の実施形態では、図2に示したように、各スライスで用いられるパスリソースをトランスポンダに代表される物理的なパスリソースとして想定している。第11の実施形態では、パスリソースを仮想的なリソースとして扱う。図13は、第11の実施形態におけるネットワーク制御装置が制御対象とするトランスポートネットワーク2の概要を示す図である。トランスポートネットワーク2はN個のノードから構成されている。各ノードはトランスポートネットワーク2において形成される各スライス内で伝送されるデータパケットを目的の方路へ向けてスイッチする、いわゆるパケットスイッチとしての機能を有する。各ノードは、各スライス向けに個別のパケットスイッチを実現するための仮想リソースを有している。仮想リソースの具体的な例としては、ノード内に設けられた計算機のCPUリソースなどである。
スライス内で伝送されるデータパケットの増大に伴い、当該スライス内のデータパケットをスイッチするための仮想リソースとして、ノード内のより多くの仮想リソースを当該スライスに割り当てる必要がある。また、各ノードは、仮想リソースに障害が発生した際の予備の仮想リソースとして、各スライス共用の予備仮想リソースを有している。スライス内で伝送されるデータトラヒック量の変動に伴い、各スライスに割り当てられる仮想リソース数も変動する。スライスに割り当てられる仮想リソース数及び予備仮想リソース数の変動に伴い、各スライスに対する障害発生率も変動するため、結果として各スライスの信頼性も変動することになる。
各スライスが所望の信頼性を維持し続けるためには、動的に予備の仮想リソース数を増大させる必要がある。ノードnにおける、スライスmが現用で使用している仮想リソース数をR_mn、共用予備仮想リソース数をR_nとすることで、第1から第10の実施例形態における共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する処理のいずれかを適用し、共用予備パスリソース供給数ΔR_nを算出する。算出した共用予備パスリソース供給数ΔR_nを予備仮想リソース供給数とし、各ノードの共用予備仮想リソースを増設又は減設することにより、各スライスが所望の信頼性を維持し続けることが可能となる。
前述した実施形態におけるネットワーク制御装置のすべて又は一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。例えば、ネットワーク制御装置が有する構成要素それぞれを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって構成要素それぞれを実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また、このプログラムは、前述した構成要素の一部を実現するためのものであってもよく、更に前述した構成要素をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、PLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されるものであってもよい。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
ネットワークにおいて形成されるスライスの信頼性の維持を容易にすることが不可欠な用途にも適用できる。
1,1A…ネットワーク制御装置
11…トラヒック変動予測部
12…リソース数算出部
13…信頼性算出部
14…予備リソース供給数算出部
15…信頼性モニタ部
2…トランスポートネットワーク

Claims (15)

  1. 複数のノードと前記ノード間に設けられたリンクとを備え、異なるサービスレベルに対応する複数のネットワークスライスを含むトランスポートネットワークに用いられるネットワーク制御装置であって、
    前記トランスポートネットワークにおけるデータトラヒック量の推移を示す履歴情報と、前記トランスポートネットワークが形成されている地域における気温及び天気を示す環境情報とに基づいて、前記ネットワークスライスにおける前記ノード間のパスで伝送されるデータトラヒック量の推移を予測するトラヒック変動予測部と、
    前記トラヒック変動予測部により予測されたデータトラヒック量の推移と、前記ネットワークスライスに使用されるパスを構成する現用パスリソースに不足又は障害が生じた際に用いられる共用予備パスリソースであって前記ノードごとに備えられる共用予備パスリソースの数とに基づいて、前記ネットワークスライスそれぞれで使用されるパスリソース数の推移と前記ノードごとの共用予備パスリソース数の推移とを算出するリソース数算出部と、
    前記リソース数算出部により算出された前記ネットワークスライスそれぞれで使用されるパスリソース数の推移と前記ノードごとの共用予備パスリソース数の推移とに基づいて、前記ネットワークスライスそれぞれの信頼性の推移を算出する信頼性算出部と、
    前記信頼性算出部により算出された前記ネットワークスライスそれぞれの信頼性の推移に基づいて、前記ネットワークスライスそれぞれに要求される所望の信頼性以上の信頼性を維持するために必要な共用予備パスリソース数の変更量を共用予備パスリソース供給数として前記ノードごとに算出する予備リソース供給数算出部と、
    を備える、ネットワーク制御装置。
  2. 前記トランスポートネットワーク上の前記ノードの数と前記ネットワークスライスの数とをそれぞれN、Mとし、
    時刻tにおける、n番目の前記ノードに備えられるm番目の前記ネットワークスライス用の現用パスリソース数をR_mn(t)とし、前記予備リソース供給数算出部により算出されるn番目の前記ノードにおける共用予備パスリソース数をR_n(t)とし、前記リソース数算出部により算出されるn番目の前記ノードにおける共用予備パスリソース数をR’_n(t)とし、時刻t=0におけるn番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数をΔR_n(0)とし、
    m番目の前記ネットワークスライスの信頼性をA_m(t)とし、m番目の前記ネットワークスライスに要求される所望の信頼性をA’_mとし、信頼性A’_mはA’_i>A’_i+1,(i=1,2,…,M−1)を満たし、
    共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)が決定されてから前記ノードそれぞれにおいて共用予備パスリソース数が変更されるまでのリードタイムをT_Lとし、共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出する周期をT_Jとし、
    共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出する際に用いるm番目の前記ネットワークスライスに対する評価関数であって信頼性A_m(t)と所望の信頼性A’_mとの差に基づいた評価関数をE_mとする場合において、
    前記トラヒック変動予測部は、前記履歴情報と前記環境情報とに基づいて、現時刻t=0から時刻t=T_L+T_Jまでの予測期間の各時刻において、前記ネットワークスライスそれぞれの各パスにおいて伝送されるデータトラヒック量の推移を予測し、
    前記リソース数算出部は、前記トラヒック変動予測部により算出されたデータトラヒック量の推移に基づいて、現用パスリソース数R_mn(t)と共用予備パスリソース数R’_n(t)とを算出し、
    前記リソース数算出部は、算出した共用予備パスリソース数R’_n(t)と、過去に算出された共用予備パスリソース供給数ΔR_nとに基づいて、前記予測期間における共用予備パスリソース数R_n(t)を算出し、
    前記信頼性算出部は、前記予測期間における現用パスリソース数R_mn(t)及び共用予備パスリソース数R_n(t)に基づいて、信頼性A_mを前記ネットワークスライスごとに算出し、
    前記予備リソース供給数算出部は、前記ノードそれぞれにおける共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を0とした場合における評価関数E_mの値を前記ネットワークスライスごとに算出し、算出した評価関数E_mの値をE’_mとし、
    前記予備リソース供給数算出部は、共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を更新するごとに算出する評価関数E_mとE’_mとの差分に基づいて、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出する、
    請求項1に記載のネットワーク制御装置。
  3. 評価関数E_mは式(A)で与えられ、
    Figure 2017192096
    前記予備リソース供給数算出部は、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の算出において、
    共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の現在の値を用いて評価関数E_mを算出して得られた値を基準値とし、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1増加させたときの評価関数E_mの値から前記基準値を減算して得られる差分値を前記ノードごとに算出し、算出した差分値の中で最小の値を算出した際に値を増加させたΔR_n(0)の値を1増加させる更新を行う供給数更新処理を、前記ノードごとに算出する差分値のすべてが0又は正の値になるまで繰り返し行い、
    前記供給数更新処理の繰り返しをすべての前記ネットワークスライスに対して行うことにより、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出し、
    算出された共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)は、前記リソース数算出部が共用予備パスリソース数R_n(t)を次回算出する際に用いられる、
    請求項2に記載のネットワーク制御装置。
  4. 評価関数E_mは式(A)で与えられ、
    Figure 2017192096
    前記予備リソース供給数算出部は、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の算出において、
    n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1増加させたときの信頼性A_m(T)を前記ノードごとに算出し、算出した信頼性A_m(T)の中で最大の値を算出した際に値を増加させたΔR_n(0)の値を1増加させる更新を行う第1の供給数更新処理を、前記予測期間における信頼性A_m(t),(T_L<t<T_L+T_J)の中で最小の値A_m(T)がA’_m以上になるまで繰り返し行い、
    共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の現在の値を用いて評価関数E_mを算出して得られた値を基準値とし、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1増加させたときの評価関数E_mの値から前記基準値を減算して得られる差分値を前記ノードごとに算出し、算出した差分値の中で最小の値を算出した際に値を増加させたΔR_n(0)の値を1増加させる更新を行う第2の供給数更新処理を、前記ノードごとに算出する差分値のすべてが0又は正の値になるまで繰り返し行い、
    前記第1の供給数更新処理の繰り返しと、前記第2の供給数更新処理の繰り返しとをすべての前記ネットワークスライスに対して行うことにより、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出し、
    算出された共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)は、前記リソース数算出部が共用予備パスリソース数R_n(t)を次回算出する際に用いられる、
    請求項2に記載のネットワーク制御装置。
  5. 評価関数E_mは式(A)で与えられ、
    Figure 2017192096
    前記予備リソース供給数算出部は、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の算出において、
    共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の現在の値を用いて評価関数E_mを算出して得られた値を基準値とし、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1増加させたときの評価関数E_mの値から前記基準値を減算して得られる第1の差分値と、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1減少させたときの評価関数E_mの値から前記基準値を減算して得られる第2の差分値とを前記ノードごとに算出し、算出した第1の差分値及び第2の差分値の中で最小の値が第1の差分値のいずれかである場合に最小の値を算出した際に値を増加させたΔR_n(0)の値を1増加させる更新を行い、最小の値が第2の差分値のいずれかである場合に最小の値を算出した際に値を減少させたΔR_n(0)の値を1減少させる更新を行う供給数更新処理を、前記ノードごとに算出する第1の差分値及び第2の差分値のすべてが0又は正の値になるまで繰り返し行い、
    前記供給数更新処理の繰り返しをすべての前記ネットワークスライスに対して順に行うことにより、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出し、
    前記供給数更新処理におけるΔR_n(0)の値を1減少させる更新は、減少対象のΔR_n(0)の前記ノードが、前記供給数更新処理の繰り返しが既に完了した前記ネットワークスライスに含まれる場合には行われず、
    算出された共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)は、前記リソース数算出部が共用予備パスリソース数R_n(t)を次回算出する際に用いられる、
    請求項2に記載のネットワーク制御装置。
  6. 評価関数E_mは式(A)で与えられ、
    Figure 2017192096
    前記予備リソース供給数算出部は、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の算出において、
    n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1増加させたときの信頼性A_m(T)を前記ノードごとに算出し、算出した信頼性A_m(T)の中で最大の値を算出した際に値を増加させたΔR_n(0)の値を1増加させる更新を行う第1の供給数更新処理を、前記予測期間における信頼性A_m(t),(T_L<t<T_L+T_J)の中で最小の値A_m(T)がA’_m以上になるまで繰り返し行い、
    共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の現在の値を用いて評価関数E_mを算出して得られた値を基準値とし、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1増加させたときの評価関数E_mの値から前記基準値を減算して得られる第1の差分値と、n番目の前記ノードの共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)の値を1減少させたときの評価関数E_mの値から前記基準値を減算して得られる第2の差分値とを前記ノードごとに算出し、算出した第1の差分値及び第2の差分値の中で最小の値が第1の差分値のいずれかである場合に最小の値を算出した際に値を増加させたΔR_n(0)の値を1増加させる更新を行い、最小の値が第2の差分値のいずれかである場合に最小の値を算出した際に値を減少させたΔR_n(0)の値を1減少させる更新を行う第2の供給数更新処理を、前前記ノードごとに算出する第1の差分値及び第2の差分値のすべてが0又は正の値になるまで繰り返し行い、
    前記第1の供給数更新処理の繰り返しと、前記第2の供給数更新処理の繰り返しとをすべての前記ネットワークスライスに対して順に行うことにより、評価関数E_mの値を最小にする共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を算出し、
    前記第2の供給数更新処理におけるΔR_n(0)の値を1減少させる更新は、減少対象のΔR_n(0)の前記ノードが、前記第2の供給数更新処理の繰り返しの完了した前記ネットワークスライスに含まれる場合と、減少対象のΔR_n(0)の値を1減少させると所望の信頼性A’_m未満になる場合とには行われず、
    算出された共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)は、前記リソース数算出部が共用予備パスリソース数R_n(t)を次回算出する際に用いられる、
    請求項2に記載のネットワーク制御装置。
  7. 前記トランスポートネットワークにおいて実際に、n番目の前記ノードに備えられるm番目の前記ネットワークスライス用の現用パスリソース数S_mn(t)とn番目の前記ノードにおける共用予備パスリソース数S_n(t)とを前記トランスポートネットワークから取得し、取得した前記ネットワークスライス用の現用パスリソース数S_mn(t)及び共用予備パスリソース数S_n(t)を用いて、信頼性A_m(t)同様の手法で信頼性B_m(t)を算出する信頼性モニタ部、を更に備え、
    前記予備リソース供給数算出部は、前記信頼性モニタ部により算出される信頼性B_m(t)を信頼性A_m(t)に代えて用い、
    評価関数E_mには式(A)に代えて式(B)が用いられ、前記ネットワークスライスそれぞれの信頼性A_m(t)は式(C)を満たし、式(C)におけるσmは式(D)で与えられ、式(D)におけるPは式(E)を満たす自然数であり、式(B)及び式(C)におけるαは予め定められた値である、
    Figure 2017192096
    Figure 2017192096
    Figure 2017192096
    Figure 2017192096
    請求項3から請求項6のいずれか一項に記載のネットワーク制御装置。
  8. 前記トランスポートネットワークにおいて実際に、n番目の前記ノードに備えられるm番目の前記ネットワークスライス用の現用パスリソース数S_mn(t)とn番目の前記ノードにおける共用予備パスリソース数S_n(t)とを前記トランスポートネットワークから取得し、取得した前記ネットワークスライス用の現用パスリソース数S_mn(t)及び共用予備パスリソース数S_n(t)を用いて、信頼性A_m(t)同様の手法で信頼性B_m(t)を算出する信頼性モニタ部、を更に備え、
    前記予備リソース供給数算出部は、前記信頼性モニタ部により算出される信頼性B_m(t)を信頼性A_m(t)に代えて用い、
    評価関数E_mには式(A)に代えて式(B)が用いられ、前記ネットワークスライスそれぞれの信頼性A_m(t)は式(C)を満たし、式(C)におけるσmは式(D)で与えられ、式(D)におけるPは式(E)を満たす自然数であり、式(B)及び式(C)におけるαは予め定められた値である、
    Figure 2017192096
    Figure 2017192096
    Figure 2017192096
    Figure 2017192096
    請求項3から請求項6のいずれか一項に記載のネットワーク制御装置。
  9. m番目の前記ネットワークスライスの信頼性A_m(t)は、A_m(t)=1/F_m(t)で与えられ、
    F_m(t)は、単位時間あたりにm番目の前記ネットワークスライスに障害が発生する確率であり、式(F)で与えられ、
    Figure 2017192096
    式(F)におけるF_mnは、単位時間あたりにn番目の前記ノードにおけるm番目の前記ネットワークスライスに障害が発生する確率であり、式(G)で与えられ、
    Figure 2017192096
    式(G)におけるf_Tは単位時間あたりのパスリソースの故障率である、
    請求項2から請求項8のいずれか一項に記載のネットワーク制御装置。
  10. 前記予備リソース供給数算出部は、共用予備パスリソース供給数ΔR_n(0)を、式(H)に基づいて前記ノードごとに算出し、
    Figure 2017192096
    式(H)におけるμは予め定められた値であり、δ_inはクロネッカーのδであり、f_Tは単位時間あたりのパスリソースの故障率である、
    請求項2に記載のネットワーク制御装置。
  11. 前記トランスポートネットワークは、レイヤ内で生じるパスリソース数の変動が他のレイヤに影響しない複数のレイヤから構成されており、
    前記予備リソース供給数算出部は、前記ノードそれぞれの前記共用予備パスリソース供給数を前記レイヤごとに算出する、
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のネットワーク制御装置。
  12. 前記トランスポートネットワークは、レイヤ内で生じるパスリソース数の変動が他のレイヤに影響する複数のレイヤから構成されており、
    前記信頼性算出部は、前記レイヤ間の依存の度合いを反映させて前記ネットワークスライスそれぞれの信頼性の推移を算出し、
    前記予備リソース供給数算出部は、前記ノードそれぞれにおける各前記レイヤの前記共用予備パスリソース供給数を算出する、
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のネットワーク制御装置。
  13. 前記信頼性算出部は、前記ネットワークスライスそれぞれで使用されるパスリソース数の推移と前記ノードごとの共用予備パスリソース数の推移と、前記ネットワークスライスに使用されるパスに収容されるデータフロー数に基づいて、前記ネットワークスライスそれぞれの信頼性の推移を算出する、
    請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のネットワーク制御装置。
  14. 前記ノードは、前記ネットワークスライスそれぞれに対するパスリソースとして割り当て可能な仮想リソースを有し、
    前記仮想リソースは、前記ネットワークスライス用の現用パスリソース及び前記ノードにおける共用予備パスリソースとして用いられる、
    請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のネットワーク制御装置。
  15. 前記トランスポートネットワーク上における前記ネットワークスライスそれぞれに対して、信頼性に加えて帯域及び遅延のいずれか又は両方が前記ネットワークスライスのサービス指標として規定されている、
    請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のネットワーク制御装置。
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