JP2017192075A - ステレオマイクロホン - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、非特許文献1に開示されたOSS方式においては、前記ディスクによる音波の反射を軽減するために、ディスクの表面をスポンジ(フォーム=foam)で覆う構造が採用されている。
これによると、第1と第2のマイクロホンユニットの振動板の振動軸(主軸)が一致するように配置されると共に、この主軸上からオフセットされた位置に、各マイクロホンユニットの共通の後部音響端子が形成される。
したがって、第1と第2のマイクロホンユニットは、それぞれの前部音響端子と、共通の後部音響端子における音圧傾度によって動作し、左右の指向軸DL,DRが適切な開き角度に振り分けられた特性を備えたものとなる。
加えて、前記ディスクと各マイクロホンとの間には、10〜25mm厚程度のスポンジ(フォーム)が取り付けられた構成が採用され、このスポンジによって、ディスクによる音波の反射を軽減する対策が施されている。
加えてこの発明は、実用的な音声帯域内における周波数応答に凹凸の少ない、よりフラットな特性を有するステレオマイクロホンを提供することを目的とするものである。
したがって、構成部品が少なく、より小型化を図ることができるステレオマイクロホンを提供することができる。そして前記分離板は、音波を透過し適度な音響抵抗として機能するので、周波数応答における凹凸の発生を効果的に抑制することができる。
したがって、一対のマイクロホンユニットの共通の後部音響端子が、前記第2開口において形成される。これにより、各マイクロホンユニットは、それぞれの前部音響端子と、共通の後部音響端子における音圧傾度によって動作することになり、第1と第2マイクロホンユニットには、適度な開き角度になされた指向軸DL,DRを前記分離板を中央にして形成することができる。
したがって、以下においては、その一方の第2マイクロホンユニット(Rチャンネル側マイクロホンユニット)10Rの各部に付けた符号を引用してその構成を説明し、他方のマイクロホンユニット10Lについては、その説明を省略する。
そして、振動板14または固定極16の一方にエレクトレット誘電体膜を備えることで、エレクトレット型コンデンサマイクロホンユニットを構成している。
なお、絶縁座15と固定極16との間には、不織布などからなる音響抵抗材20が配置されている。
これにより、マイクロホンユニット10Rは、単一指向性のコンデンサマイクロホンユニットを構成している。
そして、分離板2における左右のマイクロホンユニット10L,10Rの背面側は、両ユニット10L,10Rの背面を連通する第1開口2Aが形成されている。また、左右のマイクロホンユニット10L,10Rの主軸(X−X)からオフセットした位置において、前記第1開口2Aを外部空間に連通させる第2開口2Bが形成されている。
したがって、各マイクロホンユニット10L,10Rは、それぞれの前部音響端子と共通の後部音響端子における音圧傾度によって動作することになる。
したがってねじれ部5を有するエキスパンドメタル4を、アルミニウム系金属繊維層6に圧接すると、金属繊維層6との絡みが良く、このエキスパンドメタル4の特性を利用して金属多孔質材として形成される。
このアルミニウム細線は、例えば溶融状態のアルミニウムをノズル噴出孔から大気中に噴出し、急冷凝固させることにより得ることができる。すなわち、これによって得られるアルミニウム細線は、例えば綿繊維と同様にアルミニウムの長繊維が非圧縮状態で所定の面密度を持った不織布として得ることができる。
この場合、プレスまたはロール圧延率を適宜選択することにより、金属多孔質材の密度(多孔率)を調整することができ、これにより音波を透過し適度な音響抵抗として機能する金属多孔質材を得ることができる。
なお、前記した金属多孔質材としては、例えば株式会社ユニックス(東京都大田区)より提供される商品名「ポアル」を利用することができる。
なお図4に示す例は、アルミニウム系金属繊維層6をアルミニウム系エキスパンドメタル4で挟持して圧着した構成にされているが、アルミニウム系金属繊維層6の一方の面のみにエキスパンドメタル4を圧着した金属多孔質材であっても、分離板2として好適に用いることができる。
なお、図1および図2に示したステレオマイクロホン1においては、前記分離板2として、A4サイズ(210×297mm)を用い、その中央部に左右のマイクロホンユニット10L,10Rを配置すると共に、分離板2の長辺方向に、図1に矢印0degで示した収音軸を持たせている。
一方、図7Aと図7Bおよび図8Aと図8Bは、前記した金属多孔質材による分離板2の両面に、比較のために音波を通さないテープを貼り付け、他は図5Aと図5Bおよび図6Aと図6Bの測定条件と同様の条件で測定した結果を示している。
これに対して、図5Aおよび図6Aに示されたこの発明に係るステレオマイクロホンのポーラパターンによると、310度付近に左指向DLが、50度付近に右指向DRが、それぞれ現れていることが理解できる。
これに対して、図5Bおよび図6Bに示されたこの発明に係るステレオマイクロホンのそれぞれの特性D、すなわち左指向軸DL付近(310度)と右指向軸DR付近(50度)の周波数応答を見ると、左右いずれも大きなピークおよびディップは発生しておらず、よりフラットな特性を有していることが確認できる。
これは、分離板2として音波を透過し音響抵抗を有する金属多孔質材を用いたことによる作用効果として受け取ることができる。
これに加えて振動雑音の少ないステレオマイクロホンを提供することができるなど、前記した発明の効果の欄に記載したとおりの作用効果を得ることができる。
2 分離板
2A 第1開口
2B 第2開口
4 エキスパンドメタル
5 ねじれ部
6 金属繊維
10L 左チャンネルマイクロホンユニット
10R 右チャンネルマイクロホンユニット
11 ユニットケース
11a 音孔
12 網体
13 振動板支持リング
14 振動板
15 絶縁座
15a 音孔
16 固定極
16a 音孔
17 回路基板
17a 音孔
18 FET
19 中継電極体
20 音響抵抗材
DL 左指向軸
DR 右指向軸
RT 後部音響端子
X 主軸
Claims (4)
- 指向性がともに単一指向性である第1と第2マイクロホンユニットと、前記第1と第2マイクロホンユニットの間に位置して、左右の音を分離すると共に、第1と第2マイクロホンユニットを背中合わせにそれぞれ取り付けた分離板とが備えられ、
前記分離板は、音波を透過し音響抵抗を有する素材により平板状に形成され、
かつ前記分離板には、前記第1と第2マイクロホンユニットの背面を連通する第1開口が形成されると共に、前記第1および第2マイクロホンユニットの主軸からオフセットした位置において、前記第1開口を外部空間に連通させる第2開口が形成されていることを特徴とするステレオマイクロホン。 - 前記第と第2マイクロホンユニットは、それぞれ振動板とこの振動板に対向して固定極とを備えたコンデンサマイクロホンユニットであり、前記分離板を中央にして各コンデンサマイクロホンユニットの振動板が両外側に向かって配置されていることを特徴とする請求項1に記載のステレオマイクロホン。
- 前記分離板は、音波を透過し音響抵抗を有する素材により構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステレオマイクロホン。
- 前記分離板は、アルミニウム金属繊維をアルミニウムエキスパンドメタルに密着させて構成した金属多孔質材により構成されていることを特徴とする請求項3に記載のステレオマイクロホン。
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