以下、本発明を適用したサプリメント創造探索システムについて、図面を参照しながら詳細に説明をする。
第1実施形態
本発明を適用したサプリメント創造探索システム1は、例えば図1に示すような構成により具現化される。このサプリメント創造探索システム1は、システムを利用するユーザ用の端末11と、この端末11に対して公衆通信網12を介して接続されるサーバ13とを備えている。
公衆通信網12は、端末11間及びサーバ13を通信回線を介して接続されるインターネット網等である。ちなみにこの端末11を一定の狭いエリア内で運用する場合には、この公衆通信網12を、LAN(Local Area Network)で構成してもよい。また、この公衆通信網12につきいわゆる光ファイバ通信網で構成してもよい。また、この公衆通信網12は、有線通信網に限定されるものではなく、無線通信網で実現するようにしてもよい。
端末11は、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末、パーソナルコンピュータ(PC)等であり、少なくともユーザの操作に基づいて公衆通信網12を介して通信可能なデバイスである。端末11は、ユーザが携帯可能とすることにより、常時持ち運びを可能とするデバイスであるが、これに限定されるものではなく、そえ置き型のPC等、あらゆる電子機器を含む概念である。
なお、この端末11は、後述するサプリメント創造探索プログラムを公衆通信網12を介してダウンロードすることなく、店頭で販売されているパッケージソフトをインストールする場合には、公衆通信網12を介した通信を行わない機器であってもよい。以下の例では、この端末11につき、スマートフォンを適用する場合を例にとり説明をする。
図2は、端末11の具体的な構成例を示している。この端末11は、ROM(Read Only Memory)22と、データの蓄積や展開等に使用する作業領域としてのRAM(Random Access Memory)23と、端末11全体を制御するためのCPU(Central Processing Unit)を含む制御部24と、操作ボタンやキーボード等を介して各種制御用の指令を入力するための操作部25と、各種情報の表示を制御するための出力I/F16と、ハードディスク等に代表され、実行すべき検索を行うためのプログラムを格納するための記憶部27と、外部から端末11内へデータを入力し、或いは端末11において生成されたデータを外部へ出力するためのデータ入出力部29が内部バス21にそれぞれ接続されている。さらに、この内部バス21には、通信I/F28、音声入力部31が接続されている。また、出力I/F16には、実際に情報を表示するモニタとしての表示部26が接続されている。
ROM22は、端末11全体のハードウェア資源を制御するためのプログラムが格納されている。RAM23は、端末11全体のハードウェア資源を制御するときの各種命令を一時的に記憶する。
制御部24は、内部バス21を介して制御信号を送信することにより、端末11内に実装された各構成要素を制御するためのいわゆる中央演算ユニットである。また、この制御部24は、操作部25を介したユーザの操作に応じて各種制御用の指令を内部バス21を介して伝達する。
操作部25は、タッチパネル等で具体化され、ユーザが実際に解決したい問題に関する情報が入力される他、サプリメント創造探索プログラムを実行するための実行命令がユーザから入力される。この操作部25は、上記実行命令がユーザにより入力された場合には、これを制御部24に通知する。この通知を受けた制御部24は、上記プログラムを記憶部27から読み出して実行する。
出力I/F16は、制御部24による制御に基づいて表示画像を作り出すグラフィックコントローラにより構成されている。この出力I/F16に接続される表示部26は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現される。
記憶部27は、ハードディスクで構成される場合において、制御部24による制御に基づき、各アドレスに対して所定の情報が書き込まれるとともに、必要に応じてこれが読み出される。また、この記憶部27には、本発明を実行するためのサプリメント創造探索プログラムが格納されている。このプログラムは制御部24により読み出されて実行されることになる。
通信I/F28は、公衆通信網12と接続するための回線制御回路や、他の端末装置との間でデータ通信を行うための信号変換回路等が実装されている。通信I/F28は、内部バス21からの各種命令に変換処理を施してこれを公衆通信網12側へ送出するとともに、公衆通信網12からのデータを受信した場合にはこれに所定の変換処理を施して内部バス21、或いは制御部24へ送信する。
データ入出力部29は、PC等の電子機器との間でUSB接続するためのコード等が接続される。このデータ入出力部29を介して外部の機器との間でデータを入出力することが可能となる。
音声入力部31は、ユーザから入力された音声を電子データに変換するためのデバイスである。
サーバ13には、所定のデータベースが構築されている。このデータベースには、公衆通信網12を介して送られてきた情報が蓄積される。また、このサーバ13は、端末11からの要求に基づいて、この蓄積した情報を公衆通信網12を介して端末11へと送信する。
なお、端末11における何れか1以上の構成要素、或いはサーバ13は、人工知能により制御されるものであってもよい。本発明への人工知能の具体的な応用方法は、従来における全ての公知の人工知能に関する情報の何れか1以上に基づくものであってもよい。
本発明を適用したサプリメント創造探索システム1は、端末11内にインストールされたサプリメント創造探索プログラムを介して実行していくこととなる。即ち、ユーザは、端末11を操作し、これにインストールされているサプリメント創造探索プログラムを通じ、サプリメントの開発を行っていくこととなる。このサプリメント創造探索プログラムは、図3に示すようにユーザが自らサプリメントイノベーターとしてサプリメントイノベーションを創発する上での支援ソフトウェアとして使用されるものである。サプリメント創造探索プログラムは、端末11にインストールして使用する場合に限定されるものではなく、サーバ13に記憶させておき、端末11側から、使用の都度、サーバ13にアクセスして使用するようにしてもよいことは勿論である。また、本発明の処理動作は端末側11で一切行うことなく、公衆通信網12側において実行し、端末11はその公衆通信網12にアクセスしていく形態も含まれる。
サプリメントイノベーション創発プロセスにおいては、新たに創造すべきサプリメントの条件を、先ず期待効能情報として入力する。この期待効能情報とは、実際にサプリメントを摂取する際において期待する効能や、サプリメントを摂取することで期待する身体の状況に関するあらゆる情報、並びに現在又は過去の症状や体調、或いは持病や健康上の問題点に関するあらゆる情報を含む。
この期待効能情報の例としては、鉄不足を解消したい、肥満を改善したい、糖尿病を解消したい、野菜不足を解消したい、目覚めをすっきりとさせたい、疲れを取りたい、不眠症を改善したい、頭をリフレッシュさせたい、免疫力を改善する、骨を強化する、脂肪を消費しやすくする、肌のハリをよくする、血液をサラサラに、疲れ目を治したい等のような期待する効能もあれば、単に鉄不足、肥満体質、高血圧、糖尿病、野菜不足、不眠症、疲れ目、血液がドロドロ等のような症状、体調、持病等がストレートに指定される場合もある。
これら期待効能情報の入力方法としては予め画面上に表示されている選択枝の中から選択するようにしてもよいし、文章や文字列で入力するようにしてもよい。この入力される期待効能情報は、1種類のみならず2種類以上入力されるものであってもよい。
ユーザは、この期待効能情報の入力を端末11における操作部25を介して手動で行い、又は音声入力部31を介して音声により入力する。この入力において、他の端末11やPC等の電子機器において作成した期待効能情報をデータ入出力部29から入力するようにしてもよい。またユーザが他の端末11やPC等の電子機器において作成したテキストデータを、公衆通信網12を介して実際にサプリメント創造探索プログラムがインストールされた端末11に送信するようにしてもよい。このようにして送信又は入力された期待効能情報は、記憶部27に記憶されることとなる。
期待効能情報が入力された後に、実際にサプリメント創造探索プログラムが処理動作を実行していくこととなる。このサプリメント創造探索プログラムの処理動作フローを図4に示す。
サプリメント創造探索プログラムは、ステップS11において期待効能情報の入力を受け付ける。ステップS11において入力された期待効能情報の解析を行う(ステップS12)。この解析については、期待効能情報が文字列で入力された場合には、既存のあらゆるテキストマイニング技術、データマイニング技術、言語解析処理技術等を用いて文字列を解析するようにしてもよい。また予め画面上に表示されている選択枝の中から選択された場合には、これをそのまま識別することとなる。
次に、このサプリメント創造探索プログラムは、解析対象の期待効能情報を単語、形態素、句、節等、あらゆる文法上の構造単位の中から何れか1以上の単位に亘り、文字列の抽出を行う。例えば期待する効能として「脂肪を消費しやすくする」というテキストデータがあった場合には、「脂肪」、「消費」等といった文字列を抽出することとなる。
或いは、予め画面上に表示されている選択枝の中から、期待する効能として「脂肪を消費しやすくする」という項目が選択された場合には、それを項目単位で抽出することとする。
ステップS11において期待効能情報が2種類以上に亘り入力された場合には、このステップS12においてそれぞれについて解析を行い、文字列をそれぞれ抽出することとなる。
次にサプリメント創造探索プログラムは、ステップS13へ移行し、ステップS12において抽出した期待効能情報に基づいて成分配合の探索を開始する。この探索を行う前において、サプリメント創造探索システム1は、サプリメントを構成する既存の各成分又は各成分の組み合わせに対する効能の連関性を予め取得しておく。この事前取得する連関性は、サーバ13に記憶しておき、公衆通信網12を介して端末11側に送信するようにしてもよいし、端末11毎の記憶部27にこれを記憶させるようにしてもよい。このように記憶された連関性は、制御部24による制御の下で読み出されて、成分配合の探索に使用されることとなる。
図5は、サプリメントを構成する既存の各成分又は各成分の組み合わせと、既に定義された各効能との連関度で記述される第1連関性を示している。ここでいうサプリメントを構成する既存の各成分は、従来より提案されているあらゆるサプリメントの構成成分を示しており、例えばナットキナーゼ、ニンニク、ビタミンB1、βカロチン、葉酸、カテキン等である。また、既に定義された効能とは、例えば、「疲れ目改善」、「肥満解消」、「肌のハリを良くする」、「血液をサラサラに」、「疲労改善」等である。これらの効能と成分の第1連関性は、従来において市販、流通、提案されているサプリメントの構成成分とその効能に基づいて予め作成される。この第1連関性は、新たなサプリメントが開発される度に、順次更新されるものであってもよい。
この第1連関性は、各サプリメントの成分が、予め定義された効能とどの程度連関しているかの度合を示すものであり、いわゆるニューラルネットワークで構成されていてもよい。サプリメントの成分である「ニンニク」については、「肌のハリを良くする」、「血液をサラサラに」、の第1連関性が規定されている。この第1連関性は、単に連関しているか否かの2値で定義されていてもよいし、アナログ的な表現方法で定義されていていてもよい。第1連関性のアナログ的な表現方法としては、「ニンニク」に対して「肌のハリを良くする」が84%、「血液をサラサラに」が60%等のように連関度が定量的に規定されていてもよい。仮に制御部24が人工知能により制御されるものである場合に、これら連関度がいわゆる教師あり学習を行う場合における重み付け係数となる。
制御部24は、このような第1連関性を参照し、サプリメントを探索していくこととなる。このとき、先ず制御部24は、ステップS12において解析した期待効能情報に基づき、実際に今回入力された期待効能情報が既に定義された効能の何れに該当するものなのかを判断する。仮にテキストマイニング解析した期待情報効能が、「疲れ目」「改善」であれば、既に定義された効能である「疲れ目改善」と同一の文言であるたけ、これに該当するものと容易に判断することができる。ステップS11において入力された期待効能情報がテキスト情報で「太り過ぎ」であった場合には、これと同一の文言で構成される効能が存在しない。但し、太り過ぎのユーザにとって課題は、肥満解消であるため、効能として「肥満解消」が選択されることとなる。期待効能情報としての「太り過ぎ」を「肥満解消」に結びつける方法としては、例えば「肥満解消」に関連するキーワードのグループを予め登録しておく。この「肥満解消」に対するキーワードのグループ例としては、例えば「太」、「脂肪」、「デブ」、「fat」、「ダイエット」、「痩せたい」、「体脂肪率」、「メタボ」等を登録しておく。これにより、期待効能情報として、例えば、「ダイエットしたい」とか、「メタボを解消したい」といった文字列が入力された場合においても、この「肥満解消」の効能が選択されることとなる。
制御部24は、この期待効能情報に基づいて選択した効能と連関性の高いサプリメントの成分を、上述した第1連関性に基づいて探索することとなる。例えば選択した効能が「疲労改善」である場合、第1連関性を参照した場合、その「疲労改善」と連関性の高い成分は、「ニンニク」と「葉酸」である。このため、探索すべきサプリメントとして「ニンニク」と「葉酸」を選択することとなる。同様に選択した効能が「肥満解消」である場合、第1連関性を参照した場合、その「肥満解消」と連関性の高い成分は、「ビタミンB1」と「葉酸」と「カテキン」であるため、これらを選択することとなる。
このように、入力された期待効能情報が、一つの効能に集約されるものであれば、この第1連関性を参照することで、従来よりその効能に効き目があるとされているサプリメントの成分をそのまま選択すればよいこととなる。
一方、入力された1つの期待効能情報が2以上の効能に属する場合もありえる。この例として、効能としての「血液をサラサラに」及び「肥満解消」のキーワードグループに「メタボ」が含まれ、入力された一つの期待効能情報が「メタボ」であった場合である。効能としての「血液をサラサラに」には、それに特化した最適なサプリメントの成分が第1連関性を介して規定され、効能としての「肥満解消」には、それに特化した最適なサプリメントの成分が第1連関性を介して規定されているが、「メタボ」の解消については、それに特化したサプリメントの成分が第1連関性を介して登録されていない状態である。
本発明では、かかる場合において、この「メタボ」に特化したサプリメントの成分を新たに設計していくこととなる。かかる場合には、この「メタボ」が属する「血液をサラサラに」、「肥満解消」の2つの効能と連関性の高い成分として、「ナットキナーゼ」、「ニンニク」、「ビタミンB1」、「βカロチン」、「カテキン」がある。制御部24は、これらの中から1以上の成分を選択し、成分設計を行っていくこととなる。この成分選択の組み合わせの数としては、5×4×3×2×1=120通り存在するが、当初はどれがメタボに対して最も高い効能を発揮するのかは不明である。このため、この120通りの組み合わせからランダムに1の組み合わせを選択するようにしてもよいし、「肥満解消」と連関性の高い成分「ビタミンB1」、「βカロチン」、「カテキン」に加えて、残りの「ナットキナーゼ」、「ニンニク」についてはランダムに1以上選択するようにしてもよい。
また入力された2以上の期待効能情報が2以上の効能に属する場合もある。例えば、2つの期待効能情報が入力され、そのうちの一つが「肥満解消」であり、もう一つが「血液をサラサラに」にそれぞれ帰結することを解析した場合等である。かかる場合も上述と同様に「肥満解消」、「血液をサラサラに」の各効能と連関性の高い成分から1以上を選択することとなる。
なお、この成分の選択は1の成分のみが選択されるものであってもよいし、複数の成分の組み合わせが選択されるものであってもよい。
次にステップS14に移行し、このようにして選択されたサプリメントの成分をユーザに通知する。ユーザへの通知方法としては例えば表示部26を介して画像により表示するようにしてもよいし、音声入出力31を介して音声により通知してもよい。また図示しないプリンターを介して、選択されたサプリメントの成分を印刷するようにしてもよい。
ユーザは、この通知されたサプリメントの成分に基づいてサプリメントを製造、販売、流通させていくこととなる。
なお本発明によれば、制御部24が人工知能により制御される場合には、この第1連関性を学習により更新するようにしてもよい。上述したように、サプリメントの成分は、第1連関性による教師あり学習に基づいて探索されるものである。このような第1連関性に対してサプリメントの評価結果が反映された評価データを反映させるようにしてもよい。
ここでいう評価データは、製造販売された上述のサプリメントを購入し、摂取した顧客による感想や口コミ等が反映されたデータや、販売前の試作の段階においてパネラーに上述のサプリメントを摂取させて上で述べてもらった感想のデータ、或いはサプリメントにつき、各種官能基センサを介して検出されたデータや、体温、血圧、血液、体重、心電図等の身体の一時的又は長期的な検査データ等も含まれる。更には、他の医者や評価者による評価も含まれることから、必ずしもサプリメント摂取者から発せられる評価には限定されない。この評価データの例としては、ステップS14により通知された成分配合からなるサプリメントを摂取した者が、「体調が良くなった」、「体重が低下した」、「夜ぐっすり眠れるようになった」、「朝の目覚めが爽快だった」、「肩こりが治った」という肯定的な感想もあれば、「体調が良くならない」、「体重が増加した」、「不眠症が治らない」、「吐き気がする」等の否定的な感想も含まれる。
評価データは、例えば試作品を摂取したパネラーに対して実施するアンケート調査や、実際に販売品を購入した顧客によるインターネット上のサイトへの書き込み、Twitter(登録商標)、LINE(登録商標)等の書き込み等から公衆通信網4を介して取得するようにしてもよい。
アンケート調査に基づく評価データや身体検査等にも届く評価データは、アンケート票や検査結果に基づいて操作部25又はデータ入出力部29を介して入力されることとなり、公衆通信網4からの評価データは、通信I/F29を介して取得することとなる。
ちなみに、この評価データは、評価をした者が少なくともいかなる成分からなるサプリメントを摂取したか特定できることが前提となる。パネラーに対するアンケート調査では、いかなるサプリメントをパネラーに摂取させたか容易に特定ができる。また公衆通信網4から評価データを取得する場合には、インターネット上の書き込みの内容を分析することで、少なくともサプリメントの商品名が特定できれば、その成分も容易に特定することが可能となる。
制御部24は、このような評価データを取得し、これを解析する。この解析は、一般的な周知のテキストマイニング技術に基づくものであってもよい。テキストマイニング技術を介して、肯定的な評価か、否定的な評価かを特定することとなる。
仮にこの特定した評価データが肯定的であれば、ステップS13において探索解として選択したサプリメントが適切な成分であったことが分かる。かかる場合に、制御部24は、この第1連関性の連関度につき、特に何もしないか、或いは実際にそのサプリメントを提案するに当たり、当該サプリメントに帰結する矢印で結ばれる連関度を高くするように更新する。図5の例でいえば、「肥満解消」、「血液をサラサラに」の2つの効能に帰結する文字列が期待効能情報として入力され、そのサプリメントの成分として、「ビタミンB1」、「カテキン」「ナットキナーゼ」を探索解として選択した結果、実際にパネラーから肯定的な評価データを得た場合は、第1連関性において、「肥満解消」、「血液をサラサラに」の2つの条件に対する成分としての「ビタミンB1」、「カテキン」「ナットキナーゼ」の連関度をより高くするように更新を行う。
仮に「メタボ」の効能に対して、「βカロチン」、「カテキン」、「ナットキナーゼ」、「ニンニク」を探索解として選択した結果、実際にパネラーから否定的な評価データを得た場合は、第1連関性において、「メタボ」の条件に対する成分としての「βカロチン」、「カテキン」、「ナットキナーゼ」、「ニンニク」の連関度をより低くするように更新を行う。或いは、この「メタボ」に関連性の高い「肥満解消」、「血液をサラサラに」の2つの効能に対する「βカロチン」、「カテキン」、「ナットキナーゼ」、「ニンニク」の連関度をより低くするように更新を行う。このとき、新たに「メタボ」という効能を定義してもよい。この「メタボ」の効能は、既に定義された効能として第1連関性に登録されることとなる。
人工知能により制御される制御部24は、このようにして評価データに基づいて第1連関性を更新することで学習を行う。このような学習を繰り返し行うことにより、ユーザが真に期待する効能が反映された期待効能情報に対して、より優れた効能を発揮しえるサプリメントの成分が選ばれるような第1連関性に順次更新されることとなる。
なお、本発明によれば、図6に示すように効能と各成分の含有率との間の連関度により記述される第2連関性を更に参照するようにしてもよい。上述した図5の第1連関性において「疲れ目」に対して「ナットキナーゼ」は連関性が高いものとされているが、この「ナットキナーゼ」がいかなる含有率(含有量)であるときに、この「疲れ目」に対する効能を効果的に発揮するかを規定したのが第2連関性である。図6の例に拠れば、ナットキナーゼが1mgのときは、連関度が21%、1.5mgのときは連関度が26%、2mgのときは連関度が56%、2.5mgのときは81%、3mgのときは連関度が45%である。この第2連関性における連関度もいわゆる教師あり学習を行う場合における重み付け係数となることは勿論である。即ち、このナットキナーゼが2.5mgのときに最も「疲れ目」に効果を発揮し易いことが示されている。第1連関性では、単に成分を含めるか否かを選択するものであるが、第2連関性を参酌するのであれば、具体的な成分の含有量までも探索解として求めることができる。この第2連関性は、上述した図5におけるサプリメントの他の成分についても同様に含有率毎に設定されている。各成分につきそれぞれ設定される含有率は、0.5mg単位でグループ分けされているがこれに限定されるものではなく、いかなる単位でグループ分けされるものであってもよい。
またサプリメントの成分につき2以上の効能と第2連関性を持つ場合がある。例えば「ナットキナーゼ」は、「疲れ目改善」、「肌のハリを良くする」の2つの効能と連関性を持つ。かかる場合における「ナットキナーゼ」の各成分に対する第2連関性は、図7に示すように、「疲れ目改善」、「肌のハリを良くする」からそれぞれ繋がるものとなり、それぞれについて連関度が定義される。「疲れ目」のみであれば、「ナットキナーゼ」が2mgと選択されるところ、「肌のハリ」においては「ナットキナーゼ」が2.5mgのところに連関度が最も高くなっている。このため、「疲れ目改善」、「肌のハリを良くする」の双方の効能を満足する上で「ナットキナーゼ」が2mg、又は2.5mgの何れか選択されるかはケースバイケースとなる。即ち、「疲れ目改善」、「肌のハリを良くする」のそれぞれから繋がる連関度の重み付け後の値の総合計を求めて、所定の閾値を超えている場合に、その成分に該当するものと判断し、所定の閾値以下の場合にはその成分に該当しないものと判断するようにしてもよい。この閾値は成分毎に異なるものであってもよい。また、「疲れ目」、「肌のハリ」等の効能自体に元々の重み付けが設定されていてもよい。
なお、上述した第2連関性は、上述の連関度が定量的に規定されている場合に限定されるものではなく、単に連関しているか否かの2値で定義されていてもよい。
このように本発明は、期待効能情報に応じた1又は2以上の効能を特定し、上記データベースにおいて取得された第1連関性や第2連関性を参照し、上記特定した効能に応じた成分又は成分の組み合わせ、或いは成分の含有率又は成分の含有率の組み合わせを探索解として選択することができる。
また本発明によれば、図8に示すようにサプリメントの提供形態と、サプリメントを構成する各成分又は各成分の含有率との間の連関度により記述される第3連関性を更に参照するようにしてもよい。図8の例によれば、サプリメントの提供形態として、錠剤、顆粒、カプセル、液体、粉等の各種が予め定義されている。これらの各提供形態に対して、サプリメントを構成する各成分が第3連関性を通じて予め定義されている。この第3連関性は、連関度が定量的に規定されている場合に限定されるものではなく、単に連関しているか否かの2値で定義されていてもよい。
ある成分が第1連関性、第2連関性を介して選択された場合において、その成分と第3連関性の高いサプリメント提供形態がより選択される可能性が高くなる。例えば、「顆粒」が成分としての「ニンニク」、「ビタミンB1」、「βカロチン」と連関度が高い場合、これらの何れか1以上の成分が第1連関性、第2連関性を介して選択された場合には、この「顆粒」が選択される場合が多い。
また「ニンニク」が顆粒、カプセルとともに第3連関性が高い場合において、その何れが選択されるかは、それぞれの具体的な連関度や、選択された他の成分における顆粒、カプセルとの連関度によって決まる。例えば、第1連関性、第2連関性を介して「ニンニク」、「ビタミンB1」が選択された場合に、これらは共に「顆粒」、「カプセル」と連関度が高いが、何れが選択されるかは、「顆粒」、「カプセル」のそれぞれから繋がる連関度の重み付け後の値の総合計を求めて、所定の閾値を超えている場合に、その成分に該当するものと判断し、所定の閾値以下の場合にはその成分に該当しないものと判断するようにしてもよいし、総合計が最も高い方を選択するようにしてもよい。ちなみにこの閾値は成分毎に異なるものであってもよい。
このように本発明によれば、第3連関性を参照し、探索した成分又は成分の組み合わせに応じたサプリメントの提供形態を探索することができる。
また本発明によれば、図9に示すようにサプリメントの提供形態と、効能との間の連関性を規定した第4連関性を更に参照するようにしてもよい。図9の例によれば、サプリメントの提供形態として、錠剤、顆粒、カプセル、液体、粉等の各種が予め定義されている。これらの各提供形態に対して、効能が第4連関性を通じて予め定義されている。この第4連関性は、連関度が定量的に規定されている場合に限定されるものではなく、単に連関しているか否かの2値で定義されていてもよい。
ある期待効能情報に基づいて効能が特定された場合において、その成分と第4連関性の高いサプリメント提供形態がより選択される可能性が高くなる。例えば、「顆粒」が効能としての「肥満解消」、「肌のハリを良くする」と連関度が高い場合、これらの何れか1以上の効能が期待効能情報に基づいて特定された場合には、この「顆粒」が選択される場合が多い。
また「肥満解消」が錠剤、顆粒ともに第4連関性が高い場合において、その何れが選択されるかは、それぞれの具体的な連関度や、選択された他の成分における錠剤、顆粒との連関度によって決まる。例えば、期待効能情報を介して「肥満解消」、「肌のハリを良くする」が選択された場合に、これらは共に「錠剤」、「顆粒」と連関度が高いが、何れが選択されるかは、「錠剤」、「顆粒」のそれぞれから繋がる連関度の重み付け後の値の総合計を求めて、所定の閾値を超えている場合に、その成分に該当するものと判断し、所定の閾値以下の場合にはその成分に該当しないものと判断するようにしてもよいし、総合計が最も高い方を選択するようにしてもよい。ちなみにこの閾値は成分毎に異なるものであってもよい。
このように本発明によれば、第4連関性を参照し、効能に応じたサプリメントの提供形態を探索することができる。
なお、本発明では、更に図10に示すように、サプリメントを構成する既存の各成分又は各成分の組み合わせと、既に定義された各効能に加え、属性情報との連関度を規定した第1連関性に基づいて、上述した探索を行うようにしてもよい。この属性情報とは、例えば、サプリメントを提供する顧客層の年齢、性別、職業、国籍、住所といった一般的な個人情報のみならず、その顧客層に関する身体、精神、持病に関する情報として、肥満体形、痩せ型、妊娠中、ダイエット中、高血圧、糖尿病、虚弱体質、お酒に弱い、不整脈等を含むものである。またこの属性情報は、体調として、頭痛、胃腸の調子が良くない、欝状態、風邪気味等を含むものであってもよいし、疲労度や体温、血圧等のデータが含まれるものであってもよい。
属性情報は、効能と互いに関係しあって、サプリメントの各成分と連関性が設定される場合が多い。効能が「脂肪多い」である場合には、これに対して最も効き目のある成分が、「ビタミンB1」と「カテキン」である場合、更に高血圧の顧客層は、「カテキン」が高い確率を以って選択されるようにするために、この属性情報「高血圧」と「カテキン」との第1連関性が高くなるように設定されていることが好ましいといえる。同じく高血圧の顧客層については、高血圧に効き目のある「ナットキナーゼ」が高い確率を持って選択されるように第1連関性が設定されている。これ以外に、男女別、年齢等、あらゆる属性情報に応じて最適なサプリメントが選択される可能性が高くなるように第1連関性が設定されていてもよい。その結果、男女別、年齢別に合わせた最適なサプリメントを選択することができる。
属性情報は、例えば操作部25やデータ入出力部29を介して入力される。この属性情報はテキスト情報で入力されるものであってもよいし、選択肢の中から選択する形式で入力されるものであってもよい。入力された属性情報並びに期待効能情報に基づき、図10における左列の効能、属性情報が特定され、これらと第1連関性の高い成分が選択されることとなる。
このように第1連関性が、効能に加え、属性情報が含められていることで、顧客層の年齢、性別、健康状態や体調、持病等を考慮しつつ、効能との関係で最適なサプリメントを探索することが可能となる。
また、この属性情報は、上述した第2連関性〜第4連関性の何れにおいても含まれるものであってもよい。
また本発明によれば、制御部24が人工知能により制御される場合には、この第2連関性を学習により更新するようにしてもよい。上述したように、選択されるサプリメントの成分は、第2連関性に基づく教師あり学習により探索されるものである。このような第2連関性につき、サプリメント摂取者の評価が反映された評価データをそれぞれ反映させるようにしてもよい。
仮に評価データが肯定的であれば、第2連関性を介して選択したサプリメントの成分の含有量が、適切であったことが分かる。かかる場合に、制御部24は、この第2連関性の連関度につき、特に何もしないか、或いは実際にそのサプリメントの成分の含有量を選択するに当たり、当該の含有量に帰結する矢印で結ばれる連関度を高くするように更新する。仮にこの特定した評価データが否定的であれば、第2連関性を介して選択したサプリメントの含有量が、不適切であったことが分かる。かかる場合に、制御部24は、この第2連関性の連関度につき、実際にその含有量を選択するに当たり、当該含有量に帰結する矢印で結ばれる連関度を低くするように更新する。
なお、上述した実施の形態においては、評価データが肯定的か、否定的かの2段階によってランク付けされ、これに応じて第2連関性の連関度を変化させる場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではない。例えば、この評価データが3段階以上にランク付けされ、その3段階以上のランクに応じて第2連関性を変化させるようにしてもよい。
同様に、制御部24が人工知能により制御される場合には、この第3連関性、第4連関性を学習により更新するようにしてもよい。上述したように、選択されるサプリメントの提供形態は、第3連関性、第4連関性に基づく教師あり学習により探索されるものである。このような第3連関性、第4連関性につき、サプリメント摂取者の評価が反映された評価データをそれぞれ反映させるようにしてもよい。この第3連関性、第4連関性の学習における評価データの取得方法、解析方法は上述したとおりである。
仮にこの特定した評価データが肯定的であれば、第3連関性、第4連関性を介して選択したサプリメントの提供形態が、適切であったことが分かる。かかる場合に、制御部24は、この第3連関性、第4連関性の連関度につき、特に何もしないか、或いは実際にそのサプリメントの提供形態を選択するに当たり、当該成分に帰結する矢印で結ばれる連関度を高くするように更新する。図8の例でいえば、成分が「ニンニク」であり、選択した提供形態が「顆粒」であった結果、実際に「ニンニク」を顆粒化したサプリメントを摂取した者から例えば「飲み易かった」等の肯定的な評価データを得た場合は、第3連関性において、この「ニンニク」と「顆粒」との連関度を高くする。一方、「飲みにくかった」等の否定的な評価データを得た場合には、第3連関性において、この「ニンニク」と「顆粒」との連関度を低くする。
人工知能による制御される制御部24は、このようにして評価データに基づいて第3連関性、第4連関性を更新することで学習を行う。このような学習を繰り返し行うことにより、第3連関性、第4連関性が、効能や成分に対してより適切なサプリメントの提供形態が選ばれるように適正化させることが可能となる。
なお、上述した実施の形態においては、評価データが肯定的か、否定的かの2段階によってランク付けされ、これに応じて第3連関性、第4連関性の連関度を変化させる場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではない。例えば、この評価データが3段階以上にランク付けされ、その3段階以上のランクに応じて第3連関性、第4連関性を変化させるようにしてもよいことは勿論である。
なお、上述した第1連関性〜第4連関性は、ニューラルネットワークで構成されていてもよく、通常の教師ありの機械学習以外に深層学習を取り入れてこれを更新するようにしてもよいことは勿論である。
第2実施形態
次に本発明を適用したサプリメント創造探索システム1の第2実施形態について説明をする。この第2実施形態では、上述した第1実施形態において説明したサプリメント創造探索システム1を使用して、新たに創造すべきサプリメントの成分探索を行う。このため、このサプリメント創造探索システム1の構成の説明は、第1実施形態における説明を引用することにより、以下での説明を省略する。
第2実施形態では、図11に示すような第5連関性を参照しつつ、成分探索を行う。この第5連関性は、既存のサプリメント毎に予め規定されている。例えば既存のサプリメントAは、図11(a)に示すように、その構成成分が、ビタミンB1、ビタミンC、パントテン酸、ビオチン、カテキン、ナイアシン、葉酸、ラクトフェリンから構成されるものとする。この図11(a)における各成分間を連結している線が連関度を示している。この線の太さは、連関度の重み付けを示すものである。この成分間を連結している線が太いほど、その成分間の連関度が高いことを意味している。一方、この成分間を連結している線が細ほどその成分間の連関度が低くなり、特に成分間において連結線が存在しない場合には、より連関度が低いことを意味している。
この連関度の重み付けは、その成分間の配合比率に基づくものであってもよい。例えばこのサプリメントAでは、ナイアシンとビオチン間の線が太くなっており、連関度の重み付けが大きいことを意味しているが、その根拠として、ナイアシンとビオチンの配合比率が他の成分と比較してより高いことを意味している。一方、ビタミンB1、パントテン酸、カテキンも互いに連関度の重み付けが小さいが、その根拠として、ビタミンB1、パントテン酸、カテキンが他の成分と比較してより低いことを意味している。このように、成分の配合比率が同時に高いグループ、同時に低いグループがともに連関度が高くなるように予め設定されていてもよい。
また、この連関度の重み付けは、その成分の組み合わせの出現頻度に基づくものであってもよい。上述したビオチンとナイアシンは、一のサプリメント内において同時に含まれる成分であるが、他のサプリメントにおいてもビオチンとナイアシンは同時に含まれる場合が多いため、同時含有頻度が高いことから連関度の重み付けを重くしている。このような連関度からなる第5連関性を作る上で、2以上の既存のサプリメントの成分を数多く調査し、その成分の同時含有頻度を確認する。その結果、各サプリメントにおいて同時含有頻度が高い成分同士は互いに結びつきが強いため、連関度の重み付けを重くする。一方、各サプリメントにおいて同時含有頻度が低い成分は、互いに結びつきが弱いため、連関度の重み付けを軽くする。例えば、各サプリメントにおいて、ラクトフェリン又はナトリウムの何れか一方のみしか含有されていない場合が多い場合には、同時含有頻度が低いものとして、この連関度の重み付けを軽くする。
なお、成分間の連関度の算出方法は、上述した方法に限定されるものではなく、サプリメントの成分間の関係性の強さを規定するものであればいかなる方法に基づいてもよい。
このような第5連関性を参照して成分探索を行う際には、新たに創造すべきサプリメントの条件として、含有させたい成分に関する期待成分情報が外部から入力される。この期待成分情報は、新たに創造すべきサプリメントにおいて是非含めたい成分であるとユーザ自身が考えているものであり、例えば、「カテキン」とか「ビタミンB1」等の成分名が具体的に入力される。このとき、この期待成分情報には、含有させたい成分が1種類のみ入力される場合に限定されるものではなく、2種類以上が入力されるものであってもよい。この期待成分情報は、例えばデータ入出力部29、操作部25、又は公衆通信網12を介して入力される。
制御部24は、このような期待成分情報を取得し、これに記述されている、含有させたい成分を特定する。制御部24は、上述した第5連関性が記憶されている記憶部27からこれを読み出して参照し、期待成分情報に規定された各成分に応じた他の成分の組み合わせを探索する。
例えば、期待成分情報に規定された成分が「パントテン酸」であった場合、図11(a)に示すサプリメントAと、図11(b)に示すサプリメントBの第5連関性を参酌するものと仮定する。このとき、「パントテン酸」と連関度の高いのは、サプリメントAにおいて「ビタミンB1」、「カテキン」であり、サプリメントBにおいて「ビタミンC」である。制御部24は、このように各サプリメントにおける連関度を参照した上で、この「パントテン酸」を含有させるとともに、これと連関度の高い成分として、「ビタミンB1」、「カテキン」、「ビタミンC」を選択するようにしてもよい。また、選択した「ビタミンB1」、「カテキン」、「ビタミンC」と連関度の高い他の成分を選択するようにしてもよい。このようにして、選択した他の成分と更に連関度の高い成分を順次選択することで、パントテン酸を中心にした連関度の高い成分を、一又は複数のサプリメントの第5連関性に基づいて順次選択することができる。またサプリメントA、Bのみならず、他のサプリメントにおける第5連関性を参照し、その期待成分情報に規定された成分を中心に連関度の高い成分を選択するようにしてもよい。
また制御部24は、期待成分情報に規定された成分と連関度の高い他の成分を選択する場合に限定されるものではなく、連関度が平均的な他の成分を選択するようにしてもよいし、逆に連関度が低い他の成分を選択するようにしてもよい。
また制御部24は、成分間の連関度の分散がより大きくなる成分の組み合わせ、平均的な成分の組み合わせ、より小さい成分の組み合わせの何れかを選択するようにしてもよい。これら各グループは、上述した期待成分情報に規定された成分を含むものとする。
制御部24は、他には成分間の連関度の総合計値に基づいて最適な成分の組み合わせを選択するようにしてもよい。かかる場合には、連関度の総合計値が最大となる成分の組み合わせや最小となる成分の組み合わせを選択するようにしてもよい。
制御部24は、他には成分間の各連関度の平均値が所定の閾値に入っている成分の組み合わせを選択するようにしてもよいし、各組み合わせの平均値を上からソートして何番目のものを採用するか予めルールを決めて選択するようにしてもよい。
何れのケースにおいても、制御部24は、複数のサプリメントにおける第5連関性を参照し、期待成分情報に規定された成分を含むようにしつつ、成分を選択していくこととなる。このとき、第5連関性に規定されている連関度に基づくものであれば、上述したルールに限定されるものではなく、いかなるルールの下で新たに創造すべきサプリメントの成分を選択するようにしてもよい。
なお、期待成分情報において、新たに創造するサプリメントの構成成分として2以上の成分が指定された場合においても同様に、これらを含むようにしつつ他の成分を第5連関性に規定されている連関度に基づいて選択することとなる。
なお本発明によれば、制御部24が人工知能により制御される場合には、この第5連関性を学習により更新するようにしてもよい。第2実施形態において、新たに創造すべきサプリメントの成分は、第5連関性による教師あり学習に基づいて探索されるものである。このような第5連関性に対してサプリメント摂取者の評価が反映された評価データを反映させるようにしてもよい。
この評価データの詳細、取得方法は、上述した第1実施形態と同様であるため、以下での説明を省略する。
人工知能による制御される制御部24は、このようにして評価データに基づいて第1連関性を更新することで学習を行う。このような学習を繰り返し行うことにより、ユーザが真に期待する成分が反映された期待成分情報に対して、より優れた成分の組み合わせからなるサプリメントを創造できるような第5連関性に順次更新されることとなる。
特定した評価データが肯定的であれば、第5連関性を介して選択したサプリメントの成分が、適切であったことが分かる。かかる場合に、制御部24は、この第5連関性の連関度につき、特に何もしないか、或いは実際にそのサプリメントにつき選択した成分間の線の太さで表現される連関度を高くするように更新する。仮にこの特定した評価データが否定的であれば、第5連関性を介して選択したサプリメントの成分が、不適切であったことが分かる。かかる場合に、制御部24は、この第5連関性の連関度につき、そのサプリメントにつき選択した成分間の線の太さで表現される連関度が低くなるように更新する。
なお、上述した実施の形態においては、評価データが肯定的か、否定的かの2段階によってランク付けされ、これに応じて第5連関性の連関度を変化させる場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではない。例えば、この評価データが3段階以上にランク付けされ、その3段階以上のランクに応じて第5連関性を変化させるようにしてもよい。
更にこの第2実施形態においては、第5連関性につき、図12に示すように単に成分間において連関度が規定されているだけでなく、それぞれの成分の含有比率(含有量)が規定されていてもよい。この図12の各成分に併記されている数値が含有量であると仮定する。実際に第5連関性に規定される連関度に基づいて、成分を選択する際に、この含有比率に基づくようにしてもよい。かかる場合には、例えば図12(a)に示すようにサプリメントAにおいて、パントテン酸とカテキンは互いに連関度が高いため、これらを選択しようとしたが、双方とも含有量が高い。仮にその選択の境界条件として、含有量が頼りも高い成分は選択しないポリシーとしている場合には、その成分は選択しないように制御する等、含有比率(含有量)を参照して判断を行うようにしてもよい。
また第2実施形態では、サプリメントを構成する成分の組み合わせを決定する場合のみならず、サプリメントを構成する成分の含有量までも決定するようにしてもよい。かかる場合には、例えばパントテン酸を選択した場合において、このパントテン酸を含むサプリメントの第5連関性に規定されている含有量の平均値や中央値としてもよい。
なお、上述した第5連関性はニューラルネットワークで構成されていてもよく、通常の教師ありの機械学習以外に深層学習を取り入れてこれを更新するようにしてもよいことは勿論である。
また、上述した第1実施形態、第2実施形態において連関度は、1対1で定義されるものではなく、一方の組み合わせと他方の組み合わせとの連関度が定義され、これに基づいて上述した処理動作を行うものであってもよい。例えば、第1連関性が、サプリメントを構成する既存の各成分又は各成分の組み合わせと、既に定義された各効能との連関度を介してきていされるものであってもよい。例えば図5でいうところの「ビタミンB1」は、「肌のハリを良くする」と「血液をサラサラに」の2つの効能との関係がそれぞれ定義されているが、「肌のハリを良くする」と「血液をサラサラに」の組み合わせに対する「ビタミンB1」の連関度が定義されていてもよい。つまり、「肌のハリを良くする」と「血液をサラサラに」を一つのグループとし、このグループに対して「ビタミンB1」の連関度が規定されていてもよい。