JP2017191301A - 脳トレーニング運動療法システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】使用者Uが、運動Eと、質問Qに対する回答Aを同時に行うトレーニングシステム1である。使用者Uが運動Eを行う運動機器2と、使用者Uに質問Qを提示する提示部3と、使用者Uが回答Aを入力する入力部4を有していても良い。又、使用者Uに、運動Eと、質問Qに対する回答Aを同時に行わせるトレーニング方法である。
【選択図】図1
Description
この治療システムは、常圧で吸入される酸素富化気体を用いて患者の治療を行うものであって、身体活動状況により異なる患者の血中酸素飽和度を、測定時の身体活動状況とともに測定記録する記録手段と、前記記録手段が記録した情報を患者の身体活動状況の情報とともに出力することにより、患者の身体活動状況に応じた認知症治療に必要な酸素富化気体の流量を決定可能とする手段と、前記決定され且つ患者の現在の身体活動状況に適応する流量で酸素富化気体を患者へ供給する気体供給手段と、を有する。
更に、特許文献1の治療システムにおいて、記録手段は、患者の血中酸素飽和度を、測定時の身体活動状況とともに測定記録するものであり、流量を決定可能とする手段は、記録手段が記録した情報を患者の身体活動状況の情報とともに出力することにより、患者の身体活動状況に応じた認知症治療に必要な酸素富化気体の流量を決定可能とするものであり、気体供給手段は、決定され且つ患者の現在の身体活動状況に適応する流量で酸素富化気体を患者へ供給するものであることから、治療システム自体が非常に複雑化し、製造効率の低下やコスト高を招く。
そして、特許文献1のように、複雑な記録手段や流量を決定可能とする手段、気体供給手段の3つを同時に有する必要はなく、システム大型化を抑制でき、製造効率の向上や、低コスト化を実現し易くなる。
つまり、簡素化されたシステムで、認知症を十分に予防・抑制できると少なくとも言える(「システムの簡素化」と「認知症の予防・抑制」の両立)。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1〜3、8、9には、本発明に係るトレーニングシステム1(以下、「システム1」とも言う)が示されており、システム1の使用者Uが、運動Eと、質問Qに対する回答Aを同時に行うものである。
この他、システム1は、運動機器2や提示部3、入力部4を制御する制御部10や、運動Eをしている使用者Uの心拍数などを計測する計測部11、運動機器2の強度などを調整する調整部12、運動機器2等の外部と通信する通信部13、運動機器2等の外部に設けられたサーバ14などのうち、少なくとも1つを有していても良い。
図1〜3、8、9に示すように、運動機器2は、システム1の使用者Uが運動Eを行うものである。
運動機器2は、使用者Uが運動Eを行うのであれば、何れの構成でも良く、例えば、ランニングやウォーキングを行えるトレッドミルや、エアロバイク(登録商標)、ステッパー、クロストレーナー(登録商標)などの他、腹筋、胸筋等のトレーニング器具や、ツイスト器具(使用者Uの腰を捻るトレーニング器具)、開脚器具(使用者Uが脚を開いたり、閉じたりするトレーニング器具)、ぶら下がり健康器、ゴムチューブ、バランスボール、鉄アレイ、ダンベル、バーベル、ウエイトトレーニングマシン、爪先立ちをして履く踵のないサンダルなどでも構わない。
その他、制御部10や計測部11、調整部12、通信部13等は、運動機器2に設けられていたり、運動機器2とは別体であっても良い。
以下、運動機器2として、まずはトレッドミルであるものとし、運動Eとしては、ランニングやウォーキングであるとして述べる(図1参照)。
図1〜3、8、9に示したように、提示部3は、使用者Uに質問Qを提示するものである。
提示部3は、使用者Uに質問Qを提示するものであれば、何れの構成であっても良いが、例えば、映像提示部31と音提示部32を同時に備えていたり、映像提示部31と音提示部32のうち、何れかを備えていても良い。
以下は、まず映像提示部31について述べる。
映像提示部(ディスプレイ)31は、テレビ画面や、ノート型やデスクトップ型のパソコン(PC)などにおけるディスプレイ画面、スマートホンや携帯電話、タブレット、PDAなどの携帯端末におけるディスプレイ画面などであっても良い。
又、映像が音を含む場合には、提示部3は、映像提示部31と共に音提示部32も同時に備えていることとなる。
その他、映像提示部31は、使用者Uの運動Eに支障がない映像の提示機器(運動中の使用者Uが身に着ける眼鏡型等のウェアラブル端末)などであっても良い。
又、音提示部32も、上述した運動機器2にコード等を介して取り付けられていても良く、その他、運動機器2とは切り離して床面上や台上に載置されていたり、壁面や天井等に取り付けられていても良い。
尚、本発明における「音」とは、使用者Uが質問Qそのものを認識できる「音声」の他、音楽のイントロや、動物の鳴き声や、車など物の音であっても良い。
尚、計算問題は、その計算結果を、テンキーやキーボードから入力させる形式でも良いが、計算結果を例示した○×式や選択式であっても構わない。
質問Qの頻度についても、例えば、1秒ごとに1問であったり、2秒、3秒、5秒、10秒ごとに1問などや、各質問Qによって頻度が変わっても良く、質問Qの難易度についても、低レベル(易しい)ものから、中レベル(一般常識など)、高レベル(専門知識など)ものや、複数のレベルが混在するものであっても良い。
質問Qの形式も、同様で、上述した計算問題、○×式のクイズ、選択式のクイズ、フリースタイル形式のクイズ、映像を見て答える形式や、順次ヒントが提示させる形式などのその他の形式のクイズ、音楽のイントロクイズ、動物の鳴き声や物の音等を当てるクイズなど、何れでも良く、これらの形式が混在していても構わない。
図1〜3、8、9に示したように、入力部4は、使用者Uが、質問Qに対する回答Aを入力するものである。
入力部4は、使用者Uが質問Qに対する回答Aを入力するものであれば、何れの構成でも良いが、例えば、ボタンや、映像提示部31の画面に組み込まれたタッチパネル、マウス、キーボード、手書きの他、マイク及びマイクからの使用者Uの音声を認識する音声認識装置や、使用者Uの視線を認識する視線入力装置、使用者Uの脳波を認識する脳波入力装置などであっても良い。
入力部4は、使用者Uの運動Eに支障がない又は少ない構成とされていても良く、例えば、入力部4がボタンであれば、運動機器2において運動Eをしている使用者Uの手元に取り付けられていても良い。
尚、入力部4は、上述した具体例(ボタン、タッチパネル、マウス、キーボード、手書き、マイク及び音声認識装置、視線入力装置、脳波入力装置)のうち、2つ以上のものを同時に有していても良い。
又、入力部4は、使用者Uからの回答Aの入力を、全て受け付ける構成でも良いが、その他、質問Qに所定時間内に応えられていない場合や、使用者Uが休憩して運動Eをしていない場合などには、回答Aの入力を受け付けない構成であっても良い。
以下同様に、質問Qが選択式のクイズであれば、選択した選択肢が回答Aとなり、質問Qがフリースタイル形式のクイズであれば、使用者Uが自由に考えたその答えが回答Aであり、質問Qが映像を見て答える形式や順次ヒントが提示させる形式などのクイズ、音楽のイントロクイズ、動物の鳴き声や物の音等を当てるクイズである場合にも、使用者Uが考えたその答えが回答Aとなる。
又、特許文献1のように、複雑な記録手段や流量を決定可能とする手段、気体供給手段の3つを同時に有する必要はなく、システム大型化を抑制でき、製造効率の向上や、低コスト化を実現し易くなる。
このようなトレーニングシステム1は、「脳トレーニング運動療法システム(救(Q)脳システム)」であるとも言える。
更に、トレーニングシステム1が、運動機器2と提示部3と入力部4を有することで、更なるシステム大型化の抑制や、製造効率の向上、低コスト化を実現できる。
図1〜3、8、9に示したように、制御部10は、上述した運動機器2や提示部3、入力部4を制御するものである。
制御部10は、運動機器2、提示部3、入力部4それぞれを、個別に制御する以外に、運動機器2と提示部3と入力部4における互いの関係性を制御するものであっても良い。
その他、制御部10が制御する運動機器2と提示部3と入力部4における互いの関係性とは、例えば、制御部10は、使用者Uが運動機器2での運動Eを始めた(又は、運動Eが一定強度を超えた)時に、提示部3に対して使用者Uに質問Qを提示させる制御や、入力部4に対して使用者Uからの回答Aの入力受付を開始する制御をしたり、使用者Uが運動機器2での運動Eを止めた(又は、運動Eが一定強度を下回った)時には、提示部3に対して使用者Uへの質問Qの提示を止める制御や、入力部4に対して使用者Uからの回答Aの入力受付を停止する制御をしても良い。
制御部10は、運動機器2、提示部3、入力部4それぞれに設けられた構成でも良く、又、運動機器2、提示部3、入力部4をまとめて1つで制御する構成であっても良い。
図1〜3、8、9に示したように、計測部11は、運動機器2で運動Eをしている使用者Uの心拍数などを計測するものである。
計測部11は、運動Eをしている使用者Uの心拍数以外にも、運動機器2で運動Eをしている使用者Uの脈拍、血圧、体温などを計測するものであっても良い。
又、計測部11は、センサ端子部と本体との間を、有線か無線の何れで接続されていても良く、計測部11の本体は、運動機器2に取り付けられていたり、運動機器2とは切り離して床面上や台上に載置されていたり、壁面や天井等に取り付けられていても構わない。
このような計測部11で計測した使用者Uの心拍数などや、心拍数などに基づいて計算した消費カロリー等が、上述した提示部3で使用者Uに(例えば、リアルタイムに)提示される構成でも良い。
このような計測部11で計測した無限軌道やペダルの回転速度などに基づいて計算した消費カロリーや、走っている速度、歩いている速度、漕いでいる自転車の速度等が、上述した提示部3で使用者Uに(例えば、リアルタイムに)提示される構成でも良い。
これら以外に、運動機器2が、ぶら下がり健康器、ゴムチューブ、バランスボール、鉄アレイ、ダンベル、バーベル、踵のないサンダルなど回転する部分を有さないものであっても、これらの運動機器2を用いた時にかかる力などを計測する加速度センサ等を内蔵させていても良い。
図1〜3、8、9に示したように、調整部12は、使用者Uが運動Eをする運動機器2の強度などを調整するものである。
調整部12は、使用者Uがする運動Eの強度以外にも、運動Eの時間や、運動Eの種類を調整するものであっても良い。
又、運動機器2がステッパー、クロストレーナー(登録商標)、腹筋、胸筋等のトレーニング器具、ツイスト器具、開脚器具、ウエイトトレーニングマシン、ゴムチューブなどであれば、これらの運動機器2を用いて行う運動Eをするのに必要な力が運動Eの強度であり、運動機器2が鉄アレイ、ダンベル、バーベルなどであれば、これら鉄アレイ等の重さ(自重)そのものが運動Eの強度であり、運動機器2がぶら下がり健康器、バランスボール、踵のないサンダルなどであれば、使用者U自身の体重(重さ)が運動Eの強度であるとも言える。
又、調整部12は、運動継続時間や、運動休止時間ごとに、アラーム等の音や、映像提示部31における映像にて、それぞれの開始・終了を使用者Uに知らせても良い。
尚、調整部12は、この所定間隔ごとに音を出す構成でなくとも良い。
調整部12は、運動機器2に設けられていても良く、その他、運動機器2とは切り離して床面上や台上に載置されていたり、壁面や天井等に取り付けられていたり、使用者Uの運動Eに支障がないウェアラブルな機器に設けられていても良い。
図8に示したように、通信部13は、運動機器2(運動機器2や提示部3、入力部4)等の外部と通信するもの(例えば、ルータ、モデム、ONUや、携帯電話、スマートホン、タブレット型端末、PDA(携帯情報端末)など)である。
詳解すれば、通信部13は、使用者Uの回答A、実際に運動Eを行っている使用者Uの心拍数、脈拍、血圧、体温や、実際に行われている運動Eの強度、時間、種類などを運動機器2等の外部へ送信したり、使用者Uへの質問Qや、使用者Uに実際に行わせたい運動Eの強度、時間、種類などを運動機器2等の外部から受信する。
通信部13は、運動機器2や提示部3等に設けられていても良く、その他、運動機器2とは切り離して床面上や台上に載置されていたり、壁面や天井等に取り付けられていたり、使用者Uの運動Eに支障がないウェアラブルな機器に設けられていても良い。
図8に示したように、サーバ14は、運動機器2等の外部に設けられたものであって、上述した通信部13が外部と通信する使用者Uの回答A、使用者Uの心拍数、脈拍、血圧、体温や、実際に行われている運動Eの強度、時間、種類、そして、使用者Uへの質問Q(質問コンテンツ)や、使用者Uに実際に行わせたい運動Eの強度、時間、種類(運動コンテンツ)などをアクセス可能に保持するアプリケーションサーバ(クラウドサーバ)である。
このサーバ14も含めて、トレーニングシステム1であるとも言える。
尚、本発明における「ネットワークW」とは、個々のコンピュータネットワーク(ローカルエリアネットワーク(LAN))を接続して、データのやりとりにTCP/IPというプロトコルを用いて、世界的規模で通信サービスを行えるようにしたローカルエリアネットワーク(LAN)の集合体である「インターネット」(オープンネットワーク)をはじめ、各「ローカルエリアネットワーク(LAN)」や、「メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)」、「ワイドエリアネットワーク(WAN)」など、何れのコンピュータネットワークであっても構わない。
本発明における「メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)」も、JIS−X−0009:1997で規定された「同じ都市内のローカルエリアネットワークを接続するための網」を言い、本発明における「ワイドエリアネットワーク(WAN)」は、JIS−X−0009:1997の規定による「ローカルエリアネットワーク又はメトロポリタンネットワークよりも広域に通信サービスを提供するネットワーク」を言う。
又、本発明においては、Wi−Fi(登録商標の少なくとも一部)や、Bluetooth(登録商標)などの無線通信手法も含め「LAN」として扱う。
又、ネットワークW上に様々な質問コンテンツや運動コンテンツを保有したサーバ14が設けられていることから、トレーニングシステム1は、ネットワークW上にそれらのコンテンツを置いたままで、使用者Uに、質問コンテンツ、運動コンテンツを提示・提供させることが可能となる。
従って、使用者Uは、場所・時間を問わず、提示されるコンテンツを選択することが出来る。又、システム1は、ネットワークWを介して、病院、消防、警察、その他の関係機関と通信したり、質問コンテンツや運動コンテンツをやりとりしても良い。
尚、本発明における「クラウドコンピューティング」システムとは、米国国立標準技術研究所(NIST)による定義から、「共用の構成可能なコンピューティングリソース(ネットワーク、サーバ、ストレージ、アプリケーション、サービス)の集積に、どこからでも、簡便に、必要に応じて、ネットワーク経由でアクセスすることを可能とするモデルであり、最小限の利用手続きまたはサービスプロバイダとのやりとりで速やかに割当てられ提供される(翻訳は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA))」システムを言う。
本発明に係るトレーニング方法は、使用者Uに、運動Eと、質問Qに対する回答Aを同時に行わせるものである。
このトレーニング方法は、上述した運動機器2と提示部3と入力部4を有するトレーニングシステム1を用いて行っても良いが、使用者Uに、運動Eと、質問Qに対する回答Aを同時に行わせるのであれば、それ以外の構成でも良い。
トレーニング方法は、使用者Uに、運動Eと、質問Qに対する回答Aを同時に行わせるのであれば、使用者Uが運動機器2すらも用いず、ただ走ったり、歩いたり、階段を上り下りしたり、腕立て伏せや、ヒンズースクワットなどの運動Eを行う構成でも良い。
ここまで述べたように、本発明に係るトレーニング方法で、使用者Uに、運動Eと質問Qへの回答Aを同時に行わせることで、後述する表1、2や図4〜7に示すように、質問Qへの回答Aのみを行わせた場合や、何れも行わせない場合と比べて有意差があり、回答Aそのものの数等が向上すると同時に、特許文献1に比べて、トレーニング方法を行わせるシステムの大型化・複雑化を抑制でき、製造効率の向上や、低コスト化を実現し易くなる。
このようなトレーニング方法は、「脳トレーニング運動療法」であるとも言える。
ここからは、本発明に係るトレーニングシステム1を用いて行った本発明に係るトレーニング方法における実施例と、その比較例1、2について言及する。
これらの実施例と比較例を用いて、後述する試験を行う。
実施例のトレーニングシステム1及びトレーニング方法における運動機器2及び運動E、提示部3及び質問Q、入力部4及び回答Aを以下に示す。
運動機器2としては、使用者Uの心拍数が計測可能な計測部12を備えたトレッドミルを用い(図1、2、9)、運動Eとしては、このトレッドミル2を使用して1分間に使用者Uの心拍数を通常値から20上昇させる程度の運動(心拍数を20上昇させる運動であれば、ランニング運動でもウォーキング運動など何れでも良い)をさせる。
提示部3としては、運動機器2とは別のノート型のパソコン(PC)におけるディスプレイ画面(映像提示部31)を用い(図2)、質問Qとしては、2桁のたし算(計算問題)の3択式の質問(図3(a))であり、各質問Qの制限時間は5秒間(つまり、質問Qの総数は、1分間に12問、4分間で48問)である。
入力部4としては、ボタンであり、質問Qの選択肢を選ぶ選択ボタン4aと、選択した○×や選択肢を決定する決定ボタン4bを備えている(図2、図3(b))。
上述した運動機器2・提示部3・入力部4を備えたトレーニングシステム1を用いて、使用者U(被験者)は、上述した運動Eと、質問Qに対する回答Aを同時に4分間行うトレーニング方法を、休憩をはさんで2回行い、その後、改めて、脳トレーニング(クレペリン検査(内田クレペリン検査))を行って実施例のトレーニング方法を得た。
この実施例のトレーニング方法は、使用者U(被験者)4人(F値、p値の導出では3人として計算)に対して、週3回(月曜日、水曜日、木曜日)を3週間、合計9回行った。
尚、このクレペリン検査は、検査全体の時間(制限時間)は15分であって、1行につき15秒で28問まで、全20行で合計560問である。
実施例において、本発明に係るトレーニング方法を行わない(本発明に係るトレーニングシステム1も用いない)で、実施例と同様のクレペリン検査だけを行って比較例1の方法を得た。
この比較例1の方法は、使用者U(被験者)19人(F値、p値の導出では12人として計算)に対して、週3回(月曜日、水曜日、木曜日)を3週間、合計9回行った。
実施例において、本発明に係るトレーニング方法を行わず(本発明に係るトレーニングシステム1も用いず)、更には、クレペリン検査も行わないことで、比較例2の方法を得た。
つまり、この比較例2の方法は、使用者U(被験者)4人(F値、p値の導出では3人として計算)に対して、実施例や比較例1のように、週3回(月曜日、水曜日、木曜日)を3週間、合計9回行うことはなく、3週間、本発明に係るトレーニング方法もクレペリン検査も行わなかった。
上述した実施例と比較例1、2の方法を行ったそれぞれの使用者U(被験者)全員に対して、試験を開始した日(平成28年1月12日)と、それから3週間後の試験を終了した日(平成28年2月2日)に、上述した実施例・比較例1、2の方法とは別に、クレペリン検査を行い、試験を開始した日を基準として、実施例と比較例1と比較例2における回答数、最高得点、平均得点、最低得点の増減(違い)を示す検査結果を、以下の表1、2と図4〜7に示す。
尚、表1は、実施例と比較例1と比較例2の回答数における1要因分散分析の比較結果を示し、表1において、「SS」は「平方和」であり、「MS」は「平均平方(SS÷df1)」であり、「MSe」は「誤差の平方和(SS÷df2)」であり、「df1」は「群間の自由度(群数は実施例、比較例1、比較例2の3つで、ここから1を引いた数)」であり、「df2」は「郡内の自由度(各群の合計被験者数(実施例の3人、比較例1の12人、比較例2の3人)から群数3を引いた数)」であり、「補正df1」と「補正df2」は「df1」と「df2」をそれぞれ補正したものであり、「F値」は「MS÷MSe」であり、「偏η2 (効果量である偏η2 (partial η2 ))」とその「95%CI(95%信頼区間)」と「p値」は、「SS」や「MS」や「F値」や「df1」や「df2」などに基づきエクセルなどで算出したものである。
又、表2は、実施例と比較例1と比較例2の1要因分散分析の多重比較結果を示し、表2において、「差」は「比較している群(実施例、比較例1、比較例2)間の平均の差」であり、「標準誤差」は「比較している群(実施例、比較例1、比較例2)間の平均の差の標準偏差」であり、「効果量d」と「95%CI(95%信頼区間)」は、「差」や「標準誤差」や「df」などに基づき算出したものであり、「df」は「誤差自由度(各群の合計被験者数(実施例の3人、比較例1の12人、比較例2の3人)から群数3を引いた数)」であり、「t値」は「差÷標準誤差」であり、「p値」は、「差」や「標準誤差」や「df」などに基づきエクセルなどで算出したものであり、「調整p値」は「Holm法による調整後のp値(具体的には、調整前で最も小さいp値には群数(=3)を掛け、次に小さいp値には群数から1を引いた数(=2)を掛け、最も大きいp値はそのままとしたもの)」である。尚、表2の右上に示された「主効果p値0.001」とは、p値が0.001以下であれば、本発明に係るトレーニング方法を行う(本発明に係るトレーニングシステム1を用いる)ことが、試験を終了した日(平成28年2月2日)に行ったクレペリン検査を向上させる主効果であることを意味する。
更に、図4は、実施例と比較例1と比較例2ごとの使用者U(被験者)が行った回答Aの数(回答数)の違い(増減)を示すグラフであり、図5は、実施例と比較例1と比較例2ごとの使用者U(被験者)が行った回答Aにおける最高得点の違い(増減)を示すグラフであり、図6は、実施例と比較例1と比較例2ごとの使用者U(被験者)が行った回答Aにおける平均得点の違い(増減)を示すグラフであり、図7は、実施例と比較例1と比較例2ごとの使用者U(被験者)が行った回答Aにおける最低得点の違い(増減)を示すグラフである。
表1に示された1要因分散分析の比較結果に対する評価を述べる。
この比較結果における帰無仮説は「実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均は、どの組合せにおいても差はない」となる。
しかし、表1中の「F値」は「13.038」であり、この「13.038」は、5%有意水準のF分布表における「df1」が「2」で「df2」が「15(厳しめに20として算出)」の棄却域の境界値「3.49」より大きいことから、帰無仮説である「実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均は、どの組合せにおいても差はない」は、5%有意水準で棄却される。
つまり、「実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均は、5%有意水準で有意差がある(実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均のうち、少なくとも1つの組合せにおいて、5%有意水準で有意差がある)」ことが分かる。
同様に、「F値13.038」は、1%有意水準のF分布表における「df1」が「2」で「df2」が「15(厳しめに20として算出)」の棄却域の境界値「5.85」よりやはり大きいことから、帰無仮説は1%有意水準でも棄却され、「実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均は、1%有意水準でも有意差がある(実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均のうち、少なくとも1つの組合せにおいて、1%有意水準でも有意差がある)」ことが分かる。
又、効果量である「偏η2 」が「0.635」であるところ、効果量が「η2 」である場合の目安が、「0.01」で効果「小」、「0.06」で効果「中」、「0.14」で効果「大」であることから、十分な効果があるとも言える。
更に、「p値」の面から見ても、この値が「0.001」であることから、5%有意水準(p値=0.05)でも、1%有意水準(p値=0.01)でも、帰無仮説が棄却される。
尚、表1における「p値」が「0.001」であることから、本発明に係るトレーニング方法を行う(本発明に係るトレーニングシステム1を用いる)ことが、試験を終了した日(平成28年2月2日)に行ったクレペリン検査を向上させる主効果、すなわち、認知症を予防・抑制する主効果であることを意味する。
この多重比較結果における帰無仮説は、「比較例1と比較例2の回答数の増減の平均において差はない」、「実施例と比較例1の回答数の増減の平均において差はない」、「実施例と比較例2の回答数の増減の平均において差はない」の3つとなる。
しかし、表2中におけるこれら3つの「t値」は、「比較例1と比較例2」が「2.588」、「実施例と比較例1」が「3.796」、「実施例と比較例2」が「5.047」であり、これら「2.588」、「3.796」、「5.047」の全ては、5%有意水準のt分布表における「df」が「15」の棄却域の境界値「2.131」より大きいことから、3つの帰無仮説「比較例1と比較例2の回答数の増減の平均において差はない」、「実施例と比較例1の回答数の増減の平均において差はない」、「実施例と比較例2の回答数の増減の平均において差はない」は、何れも5%有意水準で棄却される。
つまり、「比較例1と比較例2の回答数の増減の平均は、5%有意水準で有意差がある」、「実施例と比較例1の回答数の増減の平均は、5%有意水準で有意差がある」、「実施例と比較例2の回答数の増減の平均は、5%有意水準で有意差がある」(実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均は、どの組合せにおいても、5%有意水準で有意差がある)ことが分かる。
同様に、3つのt値のうち、「実施例と比較例1」の「t値3.796」と、「実施例と比較例2」の「t値5.047」は、1%有意水準のt分布表における「df」が「15」の棄却域の境界値「2.977」より大きいことから、2つの帰無仮説「実施例と比較例1の回答数の増減の平均において差はない」、「実施例と比較例2の回答数の増減の平均において差はない」は、1%有意水準でも棄却される。
つまり、「実施例と比較例1の回答数の増減の平均は、1%有意水準でも有意差がある」、「実施例と比較例2の回答数の増減の平均は、1%有意水準でも有意差がある」ことが分かる。
又、「効果量d」については、「比較例1と比較例2」が「1.572」、「実施例と比較例1」が「2.306」、「実施例と比較例2」が「3.878」であるところ、「効果量d」の目安が、「0.20」で効果「小」、「0.50」で効果「中」、「0.80」で効果「大」であることから、「比較例1と比較例2」、「実施例と比較例1」、「実施例と比較例2」の全てに、十分な効果があるとも言える。
更に、「調整p値」の面から見ても、この値が「比較例1と比較例2」が「0.021」、「実施例と比較例1」が「0.004」、「実施例と比較例2」が「0.000」であることから、5%有意水準(p値=0.05)で、3つ全ての帰無仮説が棄却され、同様に、3つの調整p値のうち、「実施例と比較例1」の「調整p値0.004」と、「実施例と比較例2」の「調整p値0.000」は、1%有意水準(p値=0.01)でも、帰無仮説が棄却される。
尚、表2における「実施例と比較例2」の「調整p値」が「0.000」と、「0.001」より小さいことから、本発明に係るトレーニング方法を行う(本発明に係るトレーニングシステム1を用いる)ことが、試験を終了した日(平成28年2月2日)に行ったクレペリン検査を向上させる主効果、すなわち、認知症を予防・抑制する主効果であることを意味する。
尚、図7で示されたように、比較例1と比較例2の使用者Uの回答Aにおける最低得点は、日を追うごとに低下しているにも関わらず、実施例の使用者Uの回答Aにおける最低得点だけは、増加しており、クレペリン検査を十分に行い難い使用者Uに対しても、本発明に係るトレーニング方法を行う(本発明に係るトレーニングシステム1を用いる)ことが有効であることを示している。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。トレーニングシステム1、トレーニング方法等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
トレーニングシステム1は、使用者Uが、運動Eと、質問Qに対する回答Aを同時に行うものであれば、運動機器2、提示部3、入力部4のみを有し、制御部10や計測部11、調整部12、通信部13、サーバ14などを有していなくとも良い。
2 運動機器
3 提示部
4 入力部
U 使用者
E 運動
Q 質問
A 回答
本発明に係るトレーニングシステム1の第3の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、前記入力部4は、マイク、及び、前記マイクからの使用者Uの音声を認識する音声認識装置を備えている点にある。
その他、トレーニング方法としては、使用者Uに、運動Eと、質問Qに対する回答Aを同時に行わせるものであっても良い。
このトレーニング方法は、上述した運動機器2と提示部3と入力部4を有するトレーニングシステム1を用いて行っても良いが、使用者Uに、運動Eと、質問Qに対する回答Aを同時に行わせるのであれば、それ以外の構成でも良い。
トレーニング方法は、使用者Uに、運動Eと、質問Qに対する回答Aを同時に行わせるのであれば、使用者Uが運動機器2すらも用いず、ただ走ったり、歩いたり、階段を上り下りしたり、腕立て伏せや、ヒンズースクワットなどの運動Eを行う構成でも良い。
ここまで述べたように、上述したトレーニング方法で、使用者Uに、運動Eと質問Qへの回答Aを同時に行わせることで、後述する表1、2や図4〜7に示すように、質問Qへの回答Aのみを行わせた場合や、何れも行わせない場合と比べて有意差があり、回答Aそのものの数等が向上すると同時に、特許文献1に比べて、トレーニング方法を行わせるシステムの大型化・複雑化を抑制でき、製造効率の向上や、低コスト化を実現し易くなる。
このようなトレーニング方法は、「脳トレーニング運動療法」であるとも言える。
ここからは、本発明に係るトレーニングシステム1を用いて行ったトレーニング方法における実施例と、その比較例1、2について言及する。
これらの実施例と比較例を用いて、後述する試験を行う。
実施例におけるトレーニング方法を行わない(本発明に係るトレーニングシステム1も用いない)で、実施例と同様のクレペリン検査だけを行って比較例1の方法を得た。
この比較例1の方法は、使用者U(被験者)19人(F値、p値の導出では12人として計算)に対して、週3回(月曜日、水曜日、木曜日)を3週間、合計9回行った。
実施例におけるトレーニング方法を行わず(本発明に係るトレーニングシステム1も用いず)、更には、クレペリン検査も行わないことで、比較例2の方法を得た。
つまり、この比較例2の方法は、使用者U(被験者)4人(F値、p値の導出では3人として計算)に対して、実施例や比較例1のように、週3回(月曜日、水曜日、木曜日)を3週間、合計9回行うことはなく、3週間、実施例におけるトレーニング方法もクレペリン検査も行わなかった。
上述した実施例と比較例1、2の方法を行ったそれぞれの使用者U(被験者)全員に対して、試験を開始した日(平成28年1月12日)と、それから3週間後の試験を終了した日(平成28年2月2日)に、上述した実施例・比較例1、2の方法とは別に、クレペリン検査を行い、試験を開始した日を基準として、実施例と比較例1と比較例2における回答数、最高得点、平均得点、最低得点の増減(違い)を示す検査結果を、以下の表1、2と図4〜7に示す。
尚、表1は、実施例と比較例1と比較例2の回答数における1要因分散分析の比較結果を示し、表1において、「SS」は「平方和」であり、「MS」は「平均平方(SS÷df1)」であり、「MSe」は「誤差の平方和(SS÷df2)」であり、「df1」は「群間の自由度(群数は実施例、比較例1、比較例2の3つで、ここから1を引いた数)」であり、「df2」は「郡内の自由度(各群の合計被験者数(実施例の3人、比較例1の12人、比較例2の3人)から群数3を引いた数)」であり、「補正df1」と「補正df2」は「df1」と「df2」をそれぞれ補正したものであり、「F値」は「MS÷MSe」であり、「偏η2 (効果量である偏η2 (partial η2 ))」とその「95%CI(95%信頼区間)」と「p値」は、「SS」や「MS」や「F値」や「df1」や「df2」などに基づきエクセルなどで算出したものである。
又、表2は、実施例と比較例1と比較例2の1要因分散分析の多重比較結果を示し、表2において、「差」は「比較している群(実施例、比較例1、比較例2)間の平均の差」であり、「標準誤差」は「比較している群(実施例、比較例1、比較例2)間の平均の差の標準偏差」であり、「効果量d」と「95%CI(95%信頼区間)」は、「差」や「標準誤差」や「df」などに基づき算出したものであり、「df」は「誤差自由度(各群の合計被験者数(実施例の3人、比較例1の12人、比較例2の3人)から群数3を引いた数)」であり、「t値」は「差÷標準誤差」であり、「p値」は、「差」や「標準誤差」や「df」などに基づきエクセルなどで算出したものであり、「調整p値」は「Holm法による調整後のp値(具体的には、調整前で最も小さいp値には群数(=3)を掛け、次に小さいp値には群数から1を引いた数(=2)を掛け、最も大きいp値はそのままとしたもの)」である。尚、表2の右上に示された「主効果p値0.001」とは、p値が0.001以下であれば、実施例におけるトレーニング方法を行う(本発明に係るトレーニングシステム1を用いる)ことが、試験を終了した日(平成28年2月2日)に行ったクレペリン検査を向上させる主効果であることを意味する。
更に、図4は、実施例と比較例1と比較例2ごとの使用者U(被験者)が行った回答Aの数(回答数)の違い(増減)を示すグラフであり、図5は、実施例と比較例1と比較例2ごとの使用者U(被験者)が行った回答Aにおける最高得点の違い(増減)を示すグラフであり、図6は、実施例と比較例1と比較例2ごとの使用者U(被験者)が行った回答Aにおける平均得点の違い(増減)を示すグラフであり、図7は、実施例と比較例1と比較例2ごとの使用者U(被験者)が行った回答Aにおける最低得点の違い(増減)を示すグラフである。
表1に示された1要因分散分析の比較結果に対する評価を述べる。
この比較結果における帰無仮説は「実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均は、どの組合せにおいても差はない」となる。
しかし、表1中の「F値」は「13.038」であり、この「13.038」は、5%有意水準のF分布表における「df1」が「2」で「df2」が「15(厳しめに20として算出)」の棄却域の境界値「3.49」より大きいことから、帰無仮説である「実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均は、どの組合せにおいても差はない」は、5%有意水準で棄却される。
つまり、「実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均は、5%有意水準で有意差がある(実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均のうち、少なくとも1つの組合せにおいて、5%有意水準で有意差がある)」ことが分かる。
同様に、「F値13.038」は、1%有意水準のF分布表における「df1」が「2」で「df2」が「15(厳しめに20として算出)」の棄却域の境界値「5.85」よりやはり大きいことから、帰無仮説は1%有意水準でも棄却され、「実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均は、1%有意水準でも有意差がある(実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均のうち、少なくとも1つの組合せにおいて、1%有意水準でも有意差がある)」ことが分かる。
又、効果量である「偏η2 」が「0.635」であるところ、効果量が「η2 」である場合の目安が、「0.01」で効果「小」、「0.06」で効果「中」、「0.14」で効果「大」であることから、十分な効果があるとも言える。
更に、「p値」の面から見ても、この値が「0.001」であることから、5%有意水準(p値=0.05)でも、1%有意水準(p値=0.01)でも、帰無仮説が棄却される。
尚、表1における「p値」が「0.001」であることから、実施例におけるトレーニング方法を行う(本発明に係るトレーニングシステム1を用いる)ことが、試験を終了した日(平成28年2月2日)に行ったクレペリン検査を向上させる主効果、すなわち、認知症を予防・抑制する主効果であることを意味する。
この多重比較結果における帰無仮説は、「比較例1と比較例2の回答数の増減の平均において差はない」、「実施例と比較例1の回答数の増減の平均において差はない」、「実施例と比較例2の回答数の増減の平均において差はない」の3つとなる。
しかし、表2中におけるこれら3つの「t値」は、「比較例1と比較例2」が「2.588」、「実施例と比較例1」が「3.796」、「実施例と比較例2」が「5.047」であり、これら「2.588」、「3.796」、「5.047」の全ては、5%有意水準のt分布表における「df」が「15」の棄却域の境界値「2.131」より大きいことから、3つの帰無仮説「比較例1と比較例2の回答数の増減の平均において差はない」、「実施例と比較例1の回答数の増減の平均において差はない」、「実施例と比較例2の回答数の増減の平均において差はない」は、何れも5%有意水準で棄却される。
つまり、「比較例1と比較例2の回答数の増減の平均は、5%有意水準で有意差がある」、「実施例と比較例1の回答数の増減の平均は、5%有意水準で有意差がある」、「実施例と比較例2の回答数の増減の平均は、5%有意水準で有意差がある」(実施例と比較例1と比較例2の回答数の増減の平均は、どの組合せにおいても、5%有意水準で有意差がある)ことが分かる。
同様に、3つのt値のうち、「実施例と比較例1」の「t値3.796」と、「実施例と比較例2」の「t値5.047」は、1%有意水準のt分布表における「df」が「15」の棄却域の境界値「2.977」より大きいことから、2つの帰無仮説「実施例と比較例1の回答数の増減の平均において差はない」、「実施例と比較例2の回答数の増減の平均において差はない」は、1%有意水準でも棄却される。
つまり、「実施例と比較例1の回答数の増減の平均は、1%有意水準でも有意差がある」、「実施例と比較例2の回答数の増減の平均は、1%有意水準でも有意差がある」ことが分かる。
又、「効果量d」については、「比較例1と比較例2」が「1.572」、「実施例と比較例1」が「2.306」、「実施例と比較例2」が「3.878」であるところ、「効果量d」の目安が、「0.20」で効果「小」、「0.50」で効果「中」、「0.80」で効果「大」であることから、「比較例1と比較例2」、「実施例と比較例1」、「実施例と比較例2」の全てに、十分な効果があるとも言える。
更に、「調整p値」の面から見ても、この値が「比較例1と比較例2」が「0.021」、「実施例と比較例1」が「0.004」、「実施例と比較例2」が「0.000」であることから、5%有意水準(p値=0.05)で、3つ全ての帰無仮説が棄却され、同様に、3つの調整p値のうち、「実施例と比較例1」の「調整p値0.004」と、「実施例と比較例2」の「調整p値0.000」は、1%有意水準(p値=0.01)でも、帰無仮説が棄却される。
尚、表2における「実施例と比較例2」の「調整p値」が「0.000」と、「0.001」より小さいことから、実施例におけるトレーニング方法を行う(本発明に係るトレーニングシステム1を用いる)ことが、試験を終了した日(平成28年2月2日)に行ったクレペリン検査を向上させる主効果、すなわち、認知症を予防・抑制する主効果であることを意味する。
尚、図7で示されたように、比較例1と比較例2の使用者Uの回答Aにおける最低得点は、日を追うごとに低下しているにも関わらず、実施例の使用者Uの回答Aにおける最低得点だけは、増加しており、クレペリン検査を十分に行い難い使用者Uに対しても、実施例におけるトレーニング方法を行う(本発明に係るトレーニングシステム1を用いる)ことが有効であることを示している。
Claims (3)
- 使用者(U)が、運動(E)と、質問(Q)に対する回答(A)を同時に行うことを特徴とするトレーニングシステム。
- 前記使用者(U)が運動(E)を行う運動機器(2)と、前記使用者(U)に質問(Q)を提示する提示部(3)と、前記使用者(U)が回答(A)を入力する入力部(4)を有していることを特徴とする請求項1に記載のトレーニングシステム。
- 使用者(U)に、運動(E)と、質問(Q)に対する回答(A)を同時に行わせることを特徴とするトレーニング方法。
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