JP2017190931A - 熱交換ユニットおよび空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水に対する耐腐食性があり、親水性および保水性が高く、加工性に優れた熱伝導部材を有する熱交換ユニット1を得ること。
【解決手段】加湿冷却された空気と冷却されるべき空気との間での熱交換を行うための熱交換ユニット1であって、空気を加湿するための加湿通路130aと、空気を冷却するための冷却通路130bと、加湿通路130a内の空気と冷却通路130b内の空気との間で熱伝導が生ずるように加湿通路130aと冷却通路130bとの間に配置された熱伝導部材110bとを備え、熱伝導部材110bは樹脂成形品であり、熱伝導部材110bの表面のうちの少なくとも加湿通路130aに面する部分には、1以上の溝111が形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、熱交換ユニットおよび空調装置に関し、特に、加湿冷却された空気と冷却されるべき空気との間で熱交換を行うための熱交換ユニットおよびこの熱交換ユニットを用いた空調装置に関する。
水の気化熱を利用して空気を冷却する方法は古くから利用されている。この方法は、空気を加湿すると水の気化現象により空気から気化熱が奪われて空気の温度が低下するという原理(加湿冷却の原理)を利用したものである。
このような加湿冷却の原理を利用した冷却器はすでに製品化されており、特許文献1には、その一例として間接式気化式冷却器が開示されている。
この間接式気化式冷却器は、空気の加湿を行うための通路(加湿通路)と、空気の冷却を行うための通路(冷却通路)とを有し、加湿通路と冷却通路との間に熱伝導部材が配置された構造となっている。冷却通路を通過する空気の熱は熱伝導部材を介して加湿通路を通過する空気に伝達され、これにより冷却通路を通過する空気が冷却される。
ここでは、熱伝導部材にはアルミニウム合金の薄板が用いられているが、熱伝導部材にはアルミニウムなどのその他の金属の薄板も用いられる。これは、熱伝導部材に軽量で安価な合成樹脂を用いると、熱交換効率が低くなるためである。
ただし、アルミニウムなどの金属の薄板は表面の機械加工が難しいという問題がある。例えば、熱伝導部材にアルミニウム製薄板を用いた場合、空気との接触面積を大きくするために、アルミニウム製薄板の表面に凸凹を形成するための表面加工を行うと、凸凹の形状が均一にならず、場合によってはアルミニウム製薄板に穴が開くこともある。
アルミニウムは、水で腐食するので、耐腐食性を持たせるために表面に耐腐食性の被膜を形成するなどの表面処理が必要となる。また、金属材料の表面は撥水性を呈し保水性に乏しいことから、熱伝導部材として金属製の薄板を用いる場合、このような薄板の表面には親水性を持たせるための表面処理が必要となる。
実用新案登録第3160898号公報
本発明は、水に対する耐腐食性があり、親水性および保水性が高く、加工性に優れた熱伝導部材を有する熱交換ユニットおよびこの熱交換ユニットを用いた空調装置を提供することを目的とする。
本発明にかかる熱交換ユニットは、加湿冷却された空気と冷却されるべき空気との間での熱交換を行うための熱交換ユニットであって、空気を加湿するための加湿通路と、空気を冷却するための冷却通路と、該加湿通路内の空気と該冷却通路内の空気との間で熱伝導が生ずるように該加湿通路と該冷却通路との間に配置された熱伝導部材とを備え、該熱伝導部材は樹脂成形品であり、該熱伝導部材の表面のうちの少なくとも該加湿通路に面する部分には、1以上の溝が形成されており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の1つの実施形態では、前記1以上の溝は、複数の溝を含み、該複数の溝は、前記加湿通路での空気の流れの方向に一定の配列ピッチで配列されている。
本発明の1つの実施形態では、前記1以上の溝は、該加湿通路内での空気の流れに交差する方向に延びるように形成されている。
本発明の1つの実施形態では、前記加湿通路と前記冷却通路と前記熱伝導部材とが積層構造を形成するようにそれぞれ複数設けられており、該積層構造では、該複数の加湿通路と該複数の冷却通路とが交互に積層されている。
本発明の1つの実施形態では、前記加湿通路を挟んで対向する一対の熱伝導部材の対向面に設けられた溝のピッチは、一方が他方に対し半ピッチずれている。
本発明の1つの実施形態では、前記加湿通路を挟んで対向する一対の熱伝導部材の対向面に設けられた溝のピッチは、一方と他方とで一致している。
本発明の1つの実施形態では、前記複数の熱伝導部材の各々の厚さは0.5〜3mmであり、該複数の熱伝導部材のうちの隣接する熱伝導部材の間隔は2〜4.5mmである。
本発明の1つの実施形態では、前記複数の溝は、同一の断面形状を有する複数の直線状溝である。
本発明の1つの実施形態では、前記複数の直線状溝の断面形状は、矩形形状である。
本発明の1つの実施形態では、前記複数の直線状溝の各々は、0.1〜0.5mmの深さと、0.5〜1.5mmの幅とを有し、該複数の直線状溝の配列ピッチは1〜3mmである。
本発明の1つの実施形態では、前記熱伝導部材の表面のうちの前記冷却通路に面する部分には、1以上の溝が形成されている。
本発明の1つの実施形態では、前記熱伝導部材の表面のうちの前記冷却通路に面する部分に形成された1以上の溝は、該冷却通路での空気の流れの方向に一定の配列ピッチで配列されている複数の溝を含む。
本発明の1つの実施形態では、前記熱伝導部材の表面のうちの前記冷却通路に面する部分に形成された複数の溝は、該冷却通路内での空気の流れに交差する方向に延びるように形成されている。
本発明の1つの実施形態では、前記熱伝導部材の表面のうちの前記冷却通路に面する部分には、複数の溝が該冷却通路内での空気の流れに交差する方向に延びるように前記冷却通路での空気の流れの方向に一定の配列ピッチで形成されている。
本発明の1つの実施形態では、前記冷却通路を挟んで対向する一対の熱伝導部材の対向面に設けられた溝のピッチは、一方が他方に対し半ピッチずれている。
本発明の1つの実施形態では、前記冷却通路を挟んで対向する一対の熱伝導部材の対向面に設けられた溝のピッチは、一方と他方とで一致している。
本発明の1つの実施形態では、前記熱伝導部材は、板状形状を有し、前記1以上の溝は、該熱伝導部材の表側面に形成された複数の溝と、該熱伝導部材の裏側面に形成された複数の溝とを含み、該表側面に形成された複数の溝の配列ピッチは、該裏側面に形成された複数の溝の配列ピッチに対して半ピッチずれている。
本発明の1つの実施形態では、前記表側面のうちの前記溝が形成されている領域が、前記裏側面のうちの該溝が形成されていない領域に対向し、該裏側面のうちの該溝が形成されている領域が、該表側面のうちの該溝が形成されていない領域に対向するように、該熱伝導部材は構成されている。
本発明の1つの実施形態では、前記熱伝導部材は、板状形状を有し、前記1以上の溝は、該熱伝導部材の表側面に形成された複数の溝と、該熱伝導部材の裏側面に形成された複数の溝とを含み、該表側面に形成された複数の溝の配列ピッチと、該裏側面に形成された複数の溝の配列ピッチとが一致している。
本発明の1つの実施形態では、前記樹脂成形品はABS樹脂の成形品である。
本発明に係る空調装置は、上述した本発明に係る熱交換ユニットを備えたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明によれば、水に対する耐腐食性があり、親水性および保水性が高く、加工性に優れた熱伝導部材を有する熱交換ユニットおよびこの熱交換ユニットを用いた空調装置を提供することが可能である。
図1は、本発明の熱交換ユニットを用いた気化冷却器100の外観を示す斜視図である。 図2は、図1に示す気化冷却器100内に配列された複数の熱交換ユニット1を示す斜視図である。 図3は、本発明の実施形態1による熱交換ユニット1を説明するための斜視図であり、熱交換ユニット1の外観を示すとともに、熱交換ユニット1の一部を分解して示している。 図4は、図1に示す熱交換ユニット1に形成される加湿通路130aおよび冷却通路130bを説明するための図であり、図4(a)では、熱伝導部材110bの一方の表面に加湿側スペーサ120aにより形成された加湿通路130aを示し、図4(b)では、熱伝導部材110bの他方の表面に冷却側スペーサ120bにより形成された冷却通路130bを示す。 図5は、図3に示す熱伝導部材110bの構造を説明するための図であり、図5(a)は、熱伝導部材110bを図3のA方向から見た構造を示す平面図、図5(b)は、熱伝導部材110bを図5(a)のB部分を拡大して示す平面図、図5(c)は、熱伝導部材110bを図3のC方向から見た構造を示す平面図、図5(d)は、図5(c)のD部分を拡大して示す平面図、図5(e)は、図5(c)のD部分を拡大して示す断面図である。 図6は、図3に示す熱交換ユニット1における熱伝導部材110a〜110eの配列の一例を説明するための図であり、図6(a)は、図3のE−E線部分の断面構造を示す図であり、図6(b)は、図6(a)のF部分を拡大して示す図である。 図7は、実施形態1の1つの変形例による熱交換ユニット2を説明するための図であり、図7(a)は、熱交換ユニット2の外観を示す斜視図であり、図7(b)は、図7(a)のE1−E1線部分の断面構造を示す図であり、図7(c)は、図7(b)のG部分を拡大して示す図である。 図8は、実施形態1の他の変形例による熱交換ユニット3を説明するための図であり、図8(a)は、熱交換ユニット3の外観を示す斜視図であり、図8(b)は、図8(a)のE2−E2線部分の断面構造を示す図であり、図8(c)は、図8(b)のH部分を拡大して示す図である。 図9は、図3に示す気化冷却器100を用いた空調装置10の構造を説明するための模式図である。 図10は、図9に示す空調装置10が住宅1000に設置された具体的な設置例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明は、加湿冷却された空気と冷却されるべき空気との間での熱交換を行うことにより、冷却の対象となる空気を間接的に冷却するための熱交換ユニットに関するものである。
本発明の熱交換ユニットは、空気を加湿するための加湿通路と、空気を冷却するための冷却通路と、加湿通路内の空気と冷却通路内の空気との間で熱伝導が生ずるように加湿通路と冷却通路との間に配置された熱伝導部材とを備え、熱伝導部材は樹脂成形品であり、熱伝導部材の表面のうちの少なくとも加湿通路に面する部分には、1以上の溝が形成されているものである。
ここで、溝の深さ、溝の断面の形状、溝の配列ピッチなどは特に限定されるものではなく、また、溝は、熱伝導部材の冷却通路に面する部分に形成されていてもよい。さらに、加湿通路と冷却通路との間に熱伝導部材を配置した具体的構造も、特に限定されるものではない。たとえば、加湿通路で空気が流れる方向や経路、冷却通路で空気が流れる方向や経路なども特に限定されない。
このように本発明の熱交換ユニットは、加湿通路と冷却通路との間に熱伝導部材を配置した具体的構造や熱伝導部材に形成する溝の具体的形状は特に限定されるものではないが、以下の実施形態では、熱交換ユニットとして、複数の熱伝導部材が積層された積層構造を有するものを挙げる。この積層構造では、加湿通路と冷却通路とが交互に配置されている。熱伝導部材は板状形状を有し、熱伝導部材の両面には、加湿通路および冷却通路での空気の流れに交差する方向に延びる複数の直線状溝が形成されている。
(実施形態1)
本発明の熱交換ユニットは、水の気化熱を利用して空気の冷却を行う気化冷却器のエレメントとして用いられるものである。まず、このような気化冷却器について簡単に説明する。
〔気化冷却器100〕
図1は、本発明の熱交換ユニット1を用いた気化冷却器100の外観を示す斜視図である。
図1に示す気化冷却器100は、冷却されるべき空気(以下、被冷却空気という。)A1と、加湿されるべき空気(以下、被加湿空気という。)A11とを冷却器筐体100a内に取り入れ、被冷却空気A1と被加湿空気A11との熱交換により被冷却空気A1を冷却する間接式気化式冷却器である。
この冷却器筐体100aの底面部には、被冷却空気A1を冷却器筐体100a内に取り入れるための底面部開口101aが形成され、冷却器筐体100aの上面部には、被加湿空気A11を冷却器筐体100aに取り入れるための上面部開口102aが形成されている。ここで、上面部開口102aは、被加湿空気A11を加湿するための加湿用水W1cを冷却器筐体100aに取り込むための開口でもある。冷却器筐体100aの前面上部には、加湿冷却された被加湿空気A11との熱交換により冷却された被冷却空気A1を吹出すための空気吹出口101bが形成されている。冷却器筐体100aの前面下部には、被冷却空気A1からの熱移動により高温多湿となった被加湿空気A11を排出するための空気排出口102bが形成されている。
なお、冷却器筐体100aの背面下部には外気A2を取り入れるための外気吸入口103aが形成されている。この気化冷却器100では、被冷却空気A1の一部が被加湿空気A11として用いられるため、被冷却空気A1は高温にして乾燥させた状態で冷却器筐体100a内に取り込まれる。外気A2は、高温の被冷却空気A1を予め外気A2と被冷却空気A1との熱交換により冷却するために用いられる。

〔熱交換ユニット1〕
次に、気化冷却器100のエレメントとして用いられる熱交換ユニット1について詳しく説明する。
図2は、気化冷却器100内に設けられた複数の熱交換ユニット1の配列を示す斜視図である。図3は、本発明の実施形態1による熱交換ユニット1を説明するための斜視図であり、熱交換ユニット1の外観を示すとともに、熱交換ユニット1の一部を分解して示している。
気化冷却器100の冷却器筐体100a内には、図2に示すように複数の熱交換ユニット1が配列されている。
熱交換ユニット1は、複数の熱伝導部材110a〜110eが積層された積層構造1aを有する。この積層構造1aでは、2つの加湿通路130aと2つの冷却通路130bとが交互に積層されている。
なお、加湿通路130aおよび冷却通路130bを積層する数はそれぞれ2つに限定されるものではなく、3以上であってもよい。この積層構造1aでは、1つの加湿通路130aと1つの冷却通路130bとが積層されていてもよい。また、加湿通路130aの数と冷却通路130bの数は同数でなくてもよく、加湿通路130a及び冷却通路130bの一方の数が他方の数より多くても少なくてもよい。従って、熱交換ユニット1での熱伝導部材の数も5つに限定されるものではなく、積層する加湿通路130aおよび冷却通路130bの数に応じた数とされる。
また、ここでは熱交換ユニット1におけるすべての熱伝導部材は同じ構造としている。ただし、熱交換ユニット1を構成する複数の熱伝導部材110a〜110eのうちでの両端の熱伝導部材110aおよび110eは、それ以外の熱伝導部材110b〜110dのように、冷却通路130を通過する被冷却空気から加湿通路130aを通過する被加湿空気へ熱を移動させる役割はない。従って、両端の熱伝導部材110aおよび110eには、それ以外の熱伝導部材110b〜110dに比べて熱伝導性の小さいものを用いてもよい。
なお、熱交換ユニット1では、水を図1に示すように熱交換ユニット1の長手方向に流す必要があるため、熱交換ユニット1はその長手方向が鉛直方向となるように配置して用いられるものである。このため、以下の説明では、図3の紙面上側を熱交換ユニット1の上側とし、紙面下側を熱交換ユニット1の下側として説明する。

〔熱交換ユニット1の積層構造1a〕
熱交換ユニット1の積層構造1aでは、図3に示すように、その端から1枚目の熱伝導部材110aとこれに対向する2枚目の熱伝導部材110bとの間には加湿側スペーサ120aが設けられており、2枚目の熱伝導部材110bと3枚目の熱伝導部材110cとの間には冷却側スペーサ120bが設けられている。同様に、3枚目の熱伝導部材110cとその次の4枚目の熱伝導部材110dとの間には加湿側スペーサ120aが設けられており、4枚目の熱伝導部材110dと5枚目の熱伝導部材110eとの間には冷却側スペーサ120bが設けられている。
以下、図3および図4を用いて加湿通路130a及び冷却通路130bを例に挙げて熱交換ユニット1を詳しく説明する。
図4は、図1に示す熱交換ユニット1に形成される加湿通路130aおよび冷却通路130bを説明するための図であり、図4(a)では、熱伝導部材110bの一方の表面に加湿側スペーサ120aにより形成された加湿通路130aを示し、図4(b)では、熱伝導部材110bの他方の表面に冷却側スペーサ120bにより形成された冷却通路130bを示す。

〔加湿通路130a〕
ここで、加湿側スペーサ120aは、横長の板状形状を有する加湿側スペーサ下片121aと、縦長の角柱形状を有する加湿側スペーサ前上片122aと、縦長の角柱形状を有する加湿側スペーサ後上片123aとを有する。加湿側スペーサ120aを構成する各片は同じ厚みを有し、これにより1枚目の熱伝導部材110aと2枚目の熱伝導部材110bとがこの厚み分だけ離れて対向する。
加湿側スペーサ前上片122aと加湿側スペーサ後上片123aとは、1枚目の熱伝導部材110aと2枚目の熱伝導部材110bとの間でこれらの熱伝導部材の幅に相当する所定の間隔を隔てて互いに平行に配置される。これにより、加湿側スペーサ前上片122aの上端と加湿側スペーサ後上片123aの上端との間には第1の加湿側開口131aが形成される。さらに、これらの加湿側スペーサ前上片122aおよび加湿側スペーサ後上片123aの下端側には、これらの下端との間に所定の間隔をへだてて加湿側スペーサ下片121aが配置される。これにより、加湿側スペーサ下片121aと加湿側スペーサ前上片122aの下端との間には第2の加湿側開口132aが形成され、加湿側スペーサ下片121aと加湿側スペーサ後上片123aの下端との間には第3の加湿側開口133aが形成されている。
加湿側スペーサ120aは、その両側に位置する熱伝導部材110aおよび熱伝導部材110bに密着している。従って、第2の加湿側開口132aでの空気圧を第1の加湿側開口131aおよび第3の加湿側開口133aでの空気圧より低く設定することにより、図4(a)に示すように、第1の加湿側開口131aから第2の加湿側開口132aに向かう通路130aと、第3の加湿側開口133aから第2の加湿側開口132aに向かう補助通路140aとに空気の流れが形成される。ここでは、通路130aは、被加湿空気A11を加湿用水W1cとともに流すための加湿通路として用いられる。補助通路140aは外気A2を流す経路として用いられる。
同様に、3枚目の熱伝導部材110cと4枚目の熱伝導部材110dとの間には、加湿側スペーサ120aが配置されることにより、被加湿空気A11を加湿用水Wc1とともに流すための通路(加湿通路)130aが、外気A2を流すための通路140aとともに形成される。
なお、気化冷却器100の冷却器筐体100aは、冷却器筐体100a内に熱交換ユニット1が収容されたとき、熱交換ユニット1の第1の加湿側開口131a、第2の加湿側開口132a、及び第3の加湿側開口133aはそれぞれ、冷却器筐体100aの上面部開口102a、空気排出口102bおよび外気吸入口103aにつながるように構成されている。また、冷却器筐体100aでは、加湿通路130aに供給された加湿用水Wc1のうち蒸発しなかった水は、図4(a)に示すように、加湿側スペーサ下片121aの表面を伝って冷却器筐体100aの下方に回り込み、冷却器筐体100aの底面部開口101aを通って冷却器筐体100aの下側に位置するドレン皿41に落下する。

〔冷却通路130b〕
冷却側スペーサ120bは、縦長の角柱形状を有する冷却側スペーサ前片121bと、逆L字型形状を有する冷却側スペーサ後片122bとを有する。冷却側スペーサ後片122bは、縦長の角柱形状を有する胴体部と、胴体部の先端側に位置する横長の板状頭部とを一体に形成した構造となっている。冷却側スペーサ120bを構成する各片は同じ厚みを有し、これにより2枚目の熱伝導部材110bと3枚目の熱伝導部材110cとがこの厚み分だけ離れて対向する。
冷却側スペーサ後片122bの胴体部と冷却側スペーサ前片121bとは、2枚目の熱伝導部材110bと3枚目の熱伝導部材110cとの間で所定の間隔を隔てて互いに平行に配置される。これにより、冷却側スペーサ後片122bの胴体部の下端と冷却側スペーサ前片121bの下端との間には第1の冷却側開口131bが形成される。冷却側スペーサ後片122bの頭部先端には、この頭部先端と所定の間隔をへだてて冷却側スペーサ前片121bが配置される。これにより冷却側スペーサ後片122bの頭部先端と、冷却側スペーサ前片121bの上端との間には、第2の冷却側開口132bが形成される。冷却側スペーサ120bも加湿側スペーサ120aと同様、その両側に位置する熱伝導部材110bおよび熱伝導部材110cに密着している。従って、第2の冷却側開口132bでの空気圧を第1の冷却側開口131bでの空気圧より低く設定することにより、図4(b)に示すように、第1の冷却側開口131bから第2の冷却側開口132bに向かう通路130bに空気の流れが形成される。ここでは、通路130bは、被冷却空気A1を流すための冷却通路として用いられる。
同様に、4枚目の熱伝導部材110dと5枚目の熱伝導部材110eとの間には、冷却側スペーサ120bが配置されることにより、被冷却空気A1を流すための冷却通路130bとして用いられる通路が形成されている。
なお、気化冷却器100の冷却器筐体100aは、冷却器筐体100a内に熱交換ユニット1が収容されたとき、熱交換ユニット1の第1の冷却側開口131b及び第2の冷却側開口132bはそれぞれ、冷却器筐体100aの底面部開口101a及び空気吹出口101bにつながるように構成されている。

〔熱伝導部材110b〕
次に、熱交換ユニット1を構成する熱伝導部材110bの構造について詳しく説明する。
なお、この実施形態1の熱交換ユニット1に用いられる熱伝導部材110a〜110eは同一の構造であるので、加湿通路130aと冷却通路130bとの仕切りとなっている熱伝導部材110bを例にあげてその構造を説明する。
図5は、図3に示す熱伝導部材110bの構造を説明するための図であり、図5(a)は、熱伝導部材110bを図3のA方向から見た構造を示す平面図、図5(b)は、図5(a)のB部分を拡大して示す平面図、図5(c)は、熱伝導部材110bを図3のC方向から見た構造を示す平面図、図5(d)は、図5(c)のD部分を拡大して示す平面図、図5(e)は、図5(c)のD部分を拡大して示す断面図である。
熱伝導部材110bは、縦長の長方形形状を有する樹脂成形品である。熱伝導部材110bの加湿通路130aに面する部分には、被加湿空気A11の流れに直交する方向に延びる複数の直線状溝111が被加湿空気A11の流れの方向に一定の間隔で形成されている。
親水性の高い樹脂製の熱伝導部材110bの表面では、水が薄く広がることから、樹脂製の熱伝導部材110bの表面に複数の直線状溝111を設けて表面積を拡張することにより、表面積の拡張により熱伝導部材110bの表面と水との接触面積を有効に増大させることができる。これに対し、親水性に乏しい金属製の熱伝導部材の表面積を、金属製の熱伝導部材の表面に複数の直線状溝を設けることにより拡張したとしても、もともと金属部材の表面では水は水玉状となって表面にうすく広がらないことから、直線状溝を形成したことによる表面積の拡張を、直線状溝の表面と水との接触面の拡張に有効に生かすことができない。
また、熱伝導部材110bの冷却通路130bに面する部分にも、被冷却空気A1の流れに直交する方向に延びる複数の直線状溝111が被冷却空気A1の流れの方向に一定の間隔で形成されている。ただし、熱伝導部材110bの冷却通路130bに面する部分には、必ずしも複数の直線状溝111が形成されていなくてもよい。
また、複数の直線状溝111の断面形状はすべて同じ矩形形状としている。これにより熱伝導部材110bの表面に沿って流れる空気の流れが乱れないようにでき、熱交換効率の低下を回避できる。
また、熱伝導部材110bを構成する樹脂材料にはABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂を用いている。これにより熱伝導性を比較的高いものとできる。
さらに、熱伝導部材110bの表面に形成する溝を、空気流と交差する直線状溝とすることにより、熱伝導部材110bの表面で水を、空気流を横切る方向に拡がらせることができ、空気流との接触効率を高めることができる。しかも、熱伝導部材110bの幅方向に延びるように直線状溝111を形成した場合、熱伝導部材110bを直線状溝111が水平になるように配置することにより、親水性の高い樹脂製の熱伝導部材110bでは、直線状溝111内に入り込んだ水は、直線状溝111内で熱伝導部材110bの幅全体に広がる。これにより熱伝導部材110bでの保水性を大きく高めることができる。
なお、熱伝導部材に形成する溝の形状は直線状溝に限定されるものではなく、円形の溝でもよい。ただし、円形の溝では、直線状溝に比べると、溝内での水の広がりが阻害されやすく、溝の一部に最も低い箇所ができてしまい、溝に入り込んだ水が最も低い箇所に集められて流落ちてしまいやすいので、熱伝導部材の親水性の程度、溝の直径及び深さなどの関係によって溝内に水を十分に溜めることができる溝の構造を実現することが望ましい。例えば、円形の溝の断面形状は、上述した直線状溝の断面形状と同様に矩形形状であることが望ましい。
以下、熱伝導部材110bの構造をより詳しく説明する。
図6は、図3に示す熱交換ユニット1における熱伝導部材110a〜110eの配列の一例を説明するための図であり、図6(a)は、図3のE−E線部分の断面構造を示す図であり、図6(b)は、図6(a)のF部分を拡大して示す図である。
図6(a)に示されるように、熱交換ユニット1では、5つの熱伝導部材110a〜110eが積層され、加湿通路130aと冷却通路130bとが交互に配置されている。
ここでは、熱伝導部材110aと熱伝導部材110bとの間および熱伝導部材110cと熱伝導部材110dとの間にはそれぞれ、加湿側スペーサ120aにより加湿通路130aが形成され、熱伝導部材110bと熱伝導部材110cとの間および熱伝導部材110dと熱伝導部材110eとの間にはそれぞれ、冷却側スペーサ120bにより冷却通路130bが形成されている。
また、加湿通路130aを挟んで対向する一対の熱伝導部材110aおよび110bの対向面に設けられた溝のピッチは、一方と他方とで一致している。すなわち、加湿通路130aを挟んで対向する一対の熱伝導部材110a及び110bの間では、加湿通路130aに面する部分に形成された複数の直線状溝111が図6(b)に示すように互いに対向する。加湿通路130aを挟んで対向する一対の熱伝導部材110c及び110dの間でも、加湿通路130aに面する部分に形成された複数の直線状溝111が互いに対向するようになっている。
また、冷却通路130bを挟んで対向する一対の熱伝導部材110bおよび110cの対向面に設けられた溝のピッチは、一方と他方とで一致している。すなわち、冷却通路130bを挟んで対向する一対の熱伝導部材110b及び110cでは、冷却通路130bに面する部分に形成された複数の直線状溝111が図6(b)に示すように互いに対向する。冷却通路130bを挟んで対応する一対の熱伝導部材110d及び110eの間でも、冷却通路130bに面する部分に形成された複数の直線状溝111が互いに対向するようになっている。また、板状形状を有する熱伝導部材の一方の表面(表側面)に形成された複数の溝の配列ピッチと、熱伝導部材の他方の表面(裏側面)に形成された複数の溝の配列ピッチとは一致している。
ここで、熱伝導部材の厚さTmは1〜3mmであり、隣接する熱伝導部材の間隔Laは2〜4mmである。好ましくは、熱伝導部材の厚さTmは2mmであり、隣接する熱伝導部材の間隔Laは3mmである。また、直線状溝111は、0.1〜0.5mmの深さDeと、0.5〜1.5mmの幅Dwとを有し、複数の直線状溝111の配列ピッチPtは1〜3mm、直線状溝111の配列間隔Dsは0.5〜1.5mmである。好ましくは、直線状溝111は、0.3mmの深さDeと、1mmの幅Dwとを有し、直線状溝111の配列間隔Dsは1mm、複数の直線状溝111の配列ピッチPtは2mmである。
なお、図6では、加湿通路を挟んで対向する一対の熱伝導部材の対向面に設けられた溝のピッチは、一方と他方とで一致しており、冷却通路を挟んで対向する一対の熱伝導部材の対向面に設けられた溝のピッチは、一方と他方とで一致している場合について説明したが、加湿通路を挟んで対向する一対の熱伝導部材の対向面に設けられた溝のピッチは、一方が他方に対して半ピッチずれており、冷却通路を挟んで対向する一対の熱伝導部材の対向面に設けられた溝のピッチは、一方が他方に対して半ピッチずれていてもよい。
(実施形態1の1つの変形例)
図7は、このような構成の熱交換ユニット2を実施形態1の1つの変形例として説明するための図であり、図7(a)は、熱交換ユニット2の外観を示す斜視図であり、図7(b)は、図7(a)のE1−E1線部分の断面構造を示す図であり、図7(c)は、図7(b)のG部分を拡大して示す図である。
この実施形態1の変形例による熱交換ユニット2は、図7(a)に示すように、実施形態1の熱交換ユニット1における熱伝導部材110bおよび110dに代えて、熱伝導部材110bおよび110dにおける複数の直線状溝111の配列を半ピッチだけずらした熱伝導部材210bおよび210dを用いたものである。ここで、熱伝導部材の厚さTm、直線状溝111の深さDeおよび幅Dw、複数の直線状溝111の配列ピッチPt、直線状溝111の配列間隔Dsは、実施形態1におけるものと同一である。隣接する熱伝導部材の間隔Laは2.5〜4.5mmであり、好ましくは、4.3mmである。隣接する熱伝導部材の距離Lb(=La−De)は2〜4.4mmであり、好ましくは、4mmである。この1つの変形例におけるその他の構成は、実施形態1におけるものと同一である。
この熱交換ユニット2では、図7(b)、(c)に示すように、加湿通路130aを挟んで対向する一対の熱伝導部材110aおよび210bの対向面に設けられた溝のピッチは、一方(熱伝導部材110aに形成された複数の直線状溝111の配列ピッチ)が他方(熱伝導部材210bに形成された複数の直線状溝111の配列ピッチ)に対して半ピッチずれている。同様に、加湿通路130aを挟んで対向する一対の熱伝導部材110cおよび210dの対向面に設けられた溝のピッチは、一方(熱伝導部材110cに形成された複数の直線状溝111の配列ピッチ)が他方(熱伝導部材210dに形成された複数の直線状溝111の配列ピッチ)に対して半ピッチずれている。
また、図7(b)、(c)に示すように、冷却通路130bを挟んで対向する一対の熱伝導部材210bおよび110cの対向面に設けられた溝のピッチは、一方(熱伝導部材210bに形成された複数の直線状溝111の配列ピッチ)が他方(熱伝導部材110cに形成された複数の直線状溝111の配列ピッチ)に対して半ピッチずれている。冷却通路130bを挟んで対向する一対の熱伝導部材210d及び110eの対向面に設けられた溝のピッチは、一方(熱伝導部材210dに形成された複数の直線状溝111の配列ピッチ)が他方(熱伝導部材110eに形成された複数の直線状溝111の配列ピッチ)に対して半ピッチずれている。
この場合、図7(b)、(c)に示すように、隣接する熱伝導部材の一方の表面に形成された直線状溝111と、他方の表面に形成された隣接する直線状溝111の間の部分211とが対向するので、隣接する熱伝導部材の距離Lbをこれらの熱伝導部材間に形成される通路で空気の流通抵抗の上昇を抑えつつ小さくすることができ、また、隣接する一対の熱伝導部材では、空気が対向する熱伝導部材の表面の溝によりジグザグに流れることとなる。これにより、空気が直線状溝に保持された水に接触しやすくなり、直線状溝に保持された水を効果的に蒸発させることができる。
なお、図7は、熱伝導部材に形成される溝は直線状溝である場合を示すが、溝は円形の溝でもよい。この場合、円形の溝の空気の流れる方向に沿った配列ピッチが、隣接する熱伝導部材の一方の表面と他方の表面とで半ピッチだけずれていてもよい。
また、図6に示す熱交換ユニット1及び図7に示す熱交換ユニット2ではそれぞれ、熱伝導部材として、一方の表面(表側面)に形成された直線状溝の配列ピッチと他方の表面(裏側面)に形成された直線状溝の配列ピッチとが一致しているものが用いられているが、熱交換ユニットに用いられる熱伝導部材は、一方の表面(表側面)に形成された複数の直線状溝の配列ピッチと、他方の表面(表側面)に形成された複数の直線状溝の配列ピッチとが一致していないものでもよい。例えば、熱伝導部材は、一方の表面(表側面)に形成された複数の直線状溝の配列ピッチが、他方の表面(表側面)に形成された複数の直線状溝の配列ピッチに対して半ピッチだけずれたものでもよい。
(実施形態1の他の変形例)
図8は、このような構成の熱交換ユニット3を実施形態1の他の変形例として説明するための図であり、図8(a)は、熱交換ユニット3の外観を示す斜視図であり、図8(b)は、図8(a)のE2−E2線部分の縦断面の構造を示す断面図であり、図8(c)は、図8(b)のH部分を拡大して示す縦断面図である。
この実施形態1の他の変形例による熱交換ユニット3は、図8(a)に示すように、実施形態1の熱交換ユニット1における熱伝導部材110a〜110eに代えて、直線状溝の配列ピッチが表側面と裏側面とで半ピッチずれた熱伝導部材310a〜310eを用いたものである。この他の変形例におけるその他の構成は、実施形態1におけるものと同一である。
この熱交換ユニット3で用いられる熱伝導部材310a〜310eはそれぞれ、一方の表面(例えば表側面)に形成された複数の直線状溝311の配列ピッチが、他方の表面(例えば裏側面)に形成された複数の直線状溝311の配列ピッチに対して半ピッチずれた構造となっている。
このような構造の熱伝導部材310a〜310eは、その表側面及び裏側面にそれぞれ複数の直線状溝311が形成されているにも拘わらず、熱伝導部材のどの部位でも、その肉厚が、厚さ方向の外形寸法Tmから溝の深さDeを差し引いた寸法Trとなり、肉厚が熱伝導部材の全体に渡って一定となる。このため、熱伝導部材の熱伝導効率が熱伝導部材の全体で均一となり、被加湿空気A11と被冷却空気A1との間での熱交換効率を高めることができる。
ここで、熱伝導部材の厚さTmは0.5〜2mmであり、隣接する熱伝導部材の間隔Laは2.5〜4.5mmであり、隣接する熱伝導部材の距離Lb(=La−De)は2〜4.4mmである。好ましくは、熱伝導部材の厚さTmは1mmであり、隣接する熱伝導部材の距離Lbは4mmであり、隣接する熱伝導部材の間隔Laは4.3mmである。また、熱伝導部材の表面側に形成されている直線状溝311は、0.1〜0.5mmの深さDeと、0.5〜1.5mmの幅Dwとを有し、複数の直線状溝311の配列ピッチPtは1〜3mm、直線状溝311の配列間隔Dsは0.5〜1.5mmである。好ましくは、直線状溝311は、0.3mmの深さDeと、1mmの幅Dwとを有し、直線状溝311の配列間隔Dsは1mm、複数の直線状溝311の配列ピッチPtは2mmである。
なお、図8は、熱伝導部材に形成される溝は直線状溝である場合を示すが、溝は円形の溝でもよい。この場合、円形の溝の空気の流れる方向に沿った配列ピッチが、板状形状を有する熱伝導部材の表面のうちの一方の面(加湿通路側の面)とその反対側の面(冷却通路側の面)とで半ピッチだけずれたものとなる。
上述したように、上記実施形態及びその変形例では、熱伝導部材に形成した溝として直線状溝あるいは円形に溝を示したが、熱伝導部材に形成する溝は直線状溝や円形の溝に限定されない。
また、直線状溝の延びる方向も、被加湿空気A11あるいは被冷却空気A1の流れに直交する方向に限定されず、少なくとも、被加湿空気A11あるいは被冷却空気A1の流れに交差する方向であればよい。この場合、加湿通路130aでの被加湿空気A11の加湿冷却の効率を高めることができる。
さらに、直線状溝の配列間隔も一定の間隔でなくてもよい。例えば、複数の直線状溝の配列間隔は、加湿通路130aの上流側と下流側とで異なる間隔としてもよいし、上流側から下流側にかけて徐々に配列ピッチを大きくしてもよい。これにより、加湿通路130aに沿った被加湿空気A11の湿度の勾配が一定でない場合でも、被加湿空気A11の加湿効率を加湿通路130aの全体に渡って均一に行うことが可能となり、熱交換の均一性を確保できる。例えば、上流側では直線状溝の配列間隔を広くし、下流側では配列間隔を狭くすると、下流側で湿度が高くなった被加湿空気A11の加湿を促進できる。この場合、上流側での空気流に対する抵抗を減らして下流側まで空気流の所定の流速を保持できる。さらに、上流側では直線状溝の配列間隔を狭くし、下流側では配列間隔を広くすると、加湿通路130aの上流側で熱交換効率を高めることができる。例えば、加湿通路130aでの被加湿空気A11の流れと冷却通路130bでの被冷却空気A1の流れとが対向して流れる場合、加湿通路130aの上流側には冷却通路130bの下流側が隣接して位置することとなるので、被冷却空気A1を冷却通路130bから吹きだす直前に効果的に冷却することができる。
さらには、複数の直線状溝の配列間隔は、上述しように加湿通路130a側で変化させるだけでなく、冷却通路130b側でも加湿通路130a側と同様に変化させてもよいし、冷却通路130b側でのみ変化させてもよい。
また、少なくとも1つの直線状溝は1つの直線状溝であってもよい。また、ここでは、熱伝導部材に形成された複数の直線状溝の断面形状はすべて同じ形状としているが、これに限定されるものではない。さらに、複数の直線状溝の断面形状は、熱伝導部材における直線状溝の位置によって断面形状が異なっていてもよいし、1つの直線状溝でも、中央部分と両端部分とで断面形状を異ならせてもよい。
また、直線状溝の断面形状は矩形形状としているが、直線状溝の断面形状はこれに限定されず、例えば、直線状溝の底面が直線状溝の内側面に対して傾斜していてもよい。
また、熱伝導部材を構成する樹脂材料はABS(アクリロ二トリル・ブタジエン・スチレン)樹脂に限定されるものではなく、PP(ポリプロピレン)樹脂などの他の樹脂でもよい。

〔空調装置10〕
以下、図1に示す気化冷却器100を用いた空調装置10を説明する。
図9は、図1に示す気化冷却器100を用いた空調装置10の構造を説明するための模式図である。図10は、図9に示す空調装置10が住宅1000に設置された具体的な設置例を示す図である。
この空調装置10は、例えば、住宅1000に設置される。この空調装置10は、例えば、住宅1000の屋根に設置されている太陽熱温水器1010からの温水を気化冷却のための熱源として利用する。なお、気化冷却の熱源としては、住宅1000の屋根に設置されている太陽光発電パネル1020で発電された電力を用いてもよい。住宅1000の外壁1001には空調装置10の室内吸込口11d及び室内吹出口11eが取り付けられている。
この空調装置10の装置筐体11には、図1に示す気化冷却器100が設けられ、さらに室内ファン12a及び室外ファン12bが設けられている。
装置筐体11内では、室内ファン12aが駆動すると、気化冷却器100の底面部開口101aから被冷却空気A1が気化冷却器100内に取り込まれ、気化冷却器100内に取り込まれた被冷却空気A1が気化冷却器100で冷却されて空気吹出口101bから吹き出される。空気吹出口101bから吹き出された被冷却空気A1は、その一部が戻り空気A12として室内吹出口11eから室内へ戻る。
装置筐体11内では、室外ファン12bが駆動すると、気化冷却器100の空気吹出口101bから吹き出された被冷却空気A1の一部が、被加湿空気A11として気化冷却器100の上面部開口102aから気化冷却器100内に取り込まれる。気化冷却器100内に取り込まれた被加湿空気A11は気化冷却器100の空気排出口102bから排出される。また、室外ファン12bの駆動により、外気A2が装置筐体11の第1の室外吸込口11b及び気化冷却器100の外気吸入口103aを通して気化冷却器100に取り込まれ、気化冷却器100に取り込まれた外気A2は気化冷却器100で被冷却空気A1の冷却に用いられ、気化冷却器100の空気排出口102b及び装置筐体11の室外吹出口11aを通して装置筐体11の外部に排出される。
装置筐体11の室内吸込口11dと気化冷却器100の底面部開口101aとの間には、テシカントローラ23が設けられている。装置筐体11の室内吸込口11dから被冷却空気A1として装置筐体11に吸入された室内空気は、テシカントローラ23を通過する際に加熱されて乾燥する。
なお、この空調装置10では、テシカントローラ23を再生するための放熱用熱交換器22が設けられており、室外加熱空気A3が放熱用熱交換器22を経てテシカントローラ23に供給されるようになっている。放熱用熱交換器22は温調器21から供給される温水W3と室外加熱空気A3との間での熱交換により、テシカントローラ23に供給される室外加熱空気A3の温度を制御する。放熱用熱交換器22で熱を放出した温水W3は、温水W4として温調器21から排出される。ここで、室外加熱空気A3は室外ファン12bの駆動により、装置筐体11の第2の室外吸込口11cから装置筐体11内に取り込まれ、放熱用熱交換器22およびテシカントローラ23を通過した後、室外吹出口11aから排気される。
また、空調装置10の装置筐体11内には、外気散水ノズル33、加湿ノズル34、及び換気散水ノズル35が設けられている。換気散水ノズル35は、被加湿空気A11に対する加湿冷却を行うための加湿用水W1cを気化冷却器100内に散水するためのノズルであり、換気散水電磁弁35aに接続されている。外気散水ノズル33は、装置筐体11の第1の室外吸込口11bから取り込まれて気化冷却器100に供給される外気A2に対して加湿用水W1aの散水を行うためのノズルであり、外気散水電磁弁33aに接続されている。加湿ノズル34は、気化冷却器100の空気吹出口101bから吹き出された被冷却空気A1に対して加湿用水W1bの散水を行うためのノズルであり、加湿電磁弁34aに接続されている。それぞれの電磁弁33a、34a、35aは減圧弁32を介して給水管連結部31に接続されている。また、気化冷却器100で気化しなかった水を受けるドレン皿41のドレン排水口41aは排水管連結部42に接続されている。なお、図中、W1は空調装置10の外部から給水管連結部31に供給される水道水であり、W2は排水管連結部42から空調装置10の外部に出される排水である。
このような構成の空調装置10では、室内ファン12a及び室外ファン12bが駆動し、電磁弁33a、34a、35aが作動すると、住宅1000の室内空気が被冷却空気A1として空調装置10の室内吸込口11dから空調装置10内に取り込まれ、空調装置10内に取り込まれた被冷却空気A1はテシカントローラ23で加熱されて乾燥される。なお、テシカントローラ23は、放熱用熱交換器22により加熱された室外加熱空気A3により湿度の低い状態に再生される。テシカントローラ23の再生に使われた室外加熱空気A3は装置筐体11から排出される。
加熱により乾燥された被冷却空気A1は気化冷却器100に取り込まれる。空調装置10内に取り込まれた被冷却空気A1は、外気散水ノズル33からの加湿用水W1aにより加湿されて気化冷却器100に流入する外気A2により冷却された後、空調装置10内の気化冷却器100にて被加湿空気A11との熱交換によりさらに冷却されて気化冷却器100の空気吹出口101bから吹き出される。気化冷却器100の空気吹出口101bから吹き出された被冷却空気A1は加湿ノズル34からの加湿用水W1bにより加湿され、被冷却空気A1の一部は戻り空気A12として空調装置10の室内吹出口11eから住宅1000の室内へ噴出される。また、被冷却空気A1の他の一部は、被加湿空気A11として気化冷却器100に取り込まれる。気化冷却器100内にて被加湿空気A11は換気散水ノズル35からの加湿用水W1cにより加湿冷却され、被加湿空気A11と被冷却空気A1との熱交換が行われる。熱交換および加湿により高温多湿の空気となった被加湿空気A11は気化冷却器100の空気排出口102bから排気され、さらに空調装置10の室外吹出口11aから外部に排出される。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
本発明は、水に対する耐腐食性があり、親水性および保水性が高く、加工性に優れた熱伝導部材を有する熱交換ユニットおよびこの熱交換ユニットを用いた空調装置などを提供するものとして有用である。
10 空調装置
11 装置筐体
11a 室外吹出口
11b 第1の室外吸込口
11c 第2の室外吸込口
11d 室内吸込口
11e 室内吹出口
100 気化冷却器
100a 冷却器筐体
101a 底面部開口
101b 空気吹出口
102a 上面部開口
102b 空気排出口
110a〜110e、310a〜310e 熱伝導部材
111、311、311 直線溝部
120a 加湿側スペーサ
120b 冷却側スペーサ
121a 加湿側スペーサ下片
121b 冷却側スペーサ前片
122a 加湿側スペーサ前上片
122b 冷却側スペーサ後片
123a 加湿側スペーサ後上片
130a 加湿通路
130b 冷却通路
A1 被冷却空気
A11 被加湿空気

Claims (21)

  1. 加湿冷却された空気と冷却されるべき空気との間での熱交換を行うための熱交換ユニットであって、
    空気を加湿するための加湿通路と、
    空気を冷却するための冷却通路と、
    該加湿通路内の空気と該冷却通路内の空気との間で熱伝導が生ずるように該加湿通路と該冷却通路との間に配置された熱伝導部材と
    を備え、
    該熱伝導部材は樹脂成形品であり、
    該熱伝導部材の表面のうちの少なくとも該加湿通路に面する部分には、1以上の溝が形成されている、熱交換ユニット。
  2. 前記1以上の溝は、複数の溝を含み、該複数の溝は、前記加湿通路での空気の流れの方向に一定の配列ピッチで配列されている、請求項1に記載の熱交換ユニット。
  3. 前記複数の溝は、該加湿通路内での空気の流れに交差する方向に延びるように形成されている、請求項2に記載の熱交換ユニット。
  4. 前記加湿通路と前記冷却通路と前記熱伝導部材とが積層構造を形成するようにそれぞれ複数設けられている、請求項3に記載の熱交換ユニット。
  5. 前記加湿通路を挟んで対向する一対の熱伝導部材の対向面に設けられた溝のピッチは、一方が他方に対し半ピッチずれている、請求項4に記載の熱交換ユニット。
  6. 前記加湿通路を挟んで対向する一対の熱伝導部材の対向面に設けられた溝のピッチは、一方と他方とで一致している、請求項4に記載の熱交換ユニット。
  7. 前記複数の熱伝導部材の各々の厚さは0.5〜3mmであり、該複数の熱伝導部材のうちの隣接する熱伝導部材の間隔は2〜4.5mmである、請求項4〜6のいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
  8. 前記複数の溝は、同一の断面形状を有する複数の直線状溝である、請求項3〜7のいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
  9. 前記複数の直線状溝の断面形状は、矩形形状である、請求項8に記載の熱交換ユニット。
  10. 前記複数の直線状溝の各々は、0.1〜0.5mmの深さと、0.5〜1.5mmの幅とを有し、
    該複数の直線状溝の配列ピッチは1〜3mmである、請求項9に記載の熱交換ユニット。
  11. 前記熱伝導部材の表面のうちの前記冷却通路に面する部分には、1以上の溝が形成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
  12. 前記熱伝導部材の表面のうちの前記冷却通路に面する部分に形成された1以上の溝は、該冷却通路での空気の流れの方向に一定の配列ピッチで配列されている複数の溝を含む、請求項11に記載の熱交換ユニット。
  13. 前記熱伝導部材の表面のうちの前記冷却通路に面する部分に形成された複数の溝は、該冷却通路内での空気の流れに交差する方向に延びるように形成されている、請求項12に記載の熱交換ユニット。
  14. 前記熱伝導部材の表面のうちの前記冷却通路に面する部分には、複数の溝が該冷却通路内での空気の流れに交差する方向に延びるように前記冷却通路での空気の流れの方向に一定の配列ピッチで形成されている、請求項4〜7のいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
  15. 前記冷却通路を挟んで対向する一対の熱伝導部材の対向面に設けられた溝のピッチは、一方が他方に対し半ピッチずれている、請求項14記載の熱交換ユニット。
  16. 前記冷却通路を挟んで対向する一対の熱伝導部材の対向面に設けられた溝のピッチは、一方と他方とで一致している、請求項14に記載の熱交換ユニット。
  17. 前記熱伝導部材は、板状形状を有し、
    前記1以上の溝は、該熱伝導部材の表側面に形成された複数の溝と、該熱伝導部材の裏側面に形成された複数の溝とを含み、
    該表側面に形成された複数の溝の配列ピッチは、該裏側面に形成された複数の溝の配列ピッチに対して半ピッチずれている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
  18. 前記表側面のうちの前記溝が形成されている領域が、前記裏側面のうちの該溝が形成されていない領域に対向し、
    該裏側面のうちの該溝が形成されている領域が、該表側面のうちの該溝が形成されていない領域に対向するように、
    該熱伝導部材は構成されている、請求項17に記載の熱交換ユニット。
  19. 前記熱伝導部材は、板状形状を有し、
    前記1以上の溝は、該熱伝導部材の表側面に形成された複数の溝と、該熱伝導部材の裏側面に形成された複数の溝とを含み、
    該表側面に形成された複数の溝の配列ピッチと、該裏側面に形成された複数の溝の配列ピッチとが一致している、請求項1〜10のいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
  20. 前記樹脂成形品はABS樹脂の成形品である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の熱交換ユニット。
  21. 請求項1〜20のいずれか一項に記載の熱交換ユニットを備えた空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020076552A (ja) * 2018-11-09 2020-05-21 梅津 健兒 アルミプレート空気熱交換器

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