JP2017190344A - 赤血球を増加させるための方法および組成物 - Google Patents

赤血球を増加させるための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】赤血球を増加させるための方法および組成物を提供すること。
【解決手段】ある特定の態様において、本発明は、齧歯類および霊長類を含む脊椎動物における、特にヒトにおける赤血球および/またはヘモグロビンレベルを増大させるための、BMP9ポリペプチドもしくはBMP10ポリペプチドまたはこれらの組合せを含む組成物および方法を提供する。例えば、患者における赤血球レベルを増大させるため、または貧血を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、BMP9ポリペプチドおよびBMP10ポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチドを投与することを含む方法が提供される。
【選択図】なし

Description

関連出願の引用
本願は、2012年4月6日に出願した米国仮特許出願第61/621,154号に対する優先権およびその利益を主張する。この出願の開示は、その全体が本明細書に参考として援用される。
発明の背景
成熟赤血球(red blood cell)、即ちエリスロサイト(erythrocyte)は、脊椎動物
の循環器系における酸素輸送を担う。赤血球は、ヘモグロビンを高濃度で含有し、ヘモグロビンは、相対的に高い酸素分圧(pO)の肺において酸素に結合し、相対的に低いpOの身体区域に酸素を送達するタンパク質である。
成熟赤血球は、赤血球生成と呼ばれる過程において多能性造血幹細胞から産生される。出生後の赤血球生成は、主として骨髄および脾臓の赤色脾髄において行われる。様々なシグナル伝達経路の協調作用は、細胞の増殖、分化、生存および死亡のバランスを制御する。正常条件下において、赤血球は、体内において一定の赤血球量を維持する速度で産生され、産生は、酸素圧(oxygen tension)または組織需要の増加または減少を含む様々な
刺激に応答して増加または減少し得る。赤血球生成の過程は、系列にコミットした前駆細胞の形成に始まり、一連の別個の前駆細胞型を経て進行する。赤血球生成の最終段階は、網状赤血球が血流に放出され、成熟赤血球の形態をとりつつそのミトコンドリアおよびリボソームを失うときに為される。血液における網状赤血球のレベルの上昇または網状赤血球:エリスロサイト比の上昇は、赤血球産生速度の増加を示す。
エリスロポエチン(EPO)は、脊椎動物における出生後の赤血球生成の最も顕著な正の調節因子として広く認識されている。EPOは、組織酸素圧の低下(低酸素)および低赤血球レベルまたは低ヘモグロビンレベルに対する代償性赤血球新生応答を調節する。ヒトにおいて、EPOレベルの上昇は、骨髄および脾臓における赤血球前駆細胞の生成を刺激することにより赤血球形成を促進する。マウスにおいて、EPOは、主として脾臓における赤血球生成を増強する。
貧血は、血液における正常レベルよりも低いレベルのヘモグロビンまたは赤血球によって特徴付けられた、広く定義された状態である。場合によっては、貧血は、赤血球の産生または生存における原発性障害によって引き起こされる。より一般には、貧血は、他の系の疾患に続発する(Weatherall & Provan(2000年)Lancet 355巻、1169
〜1175頁)。貧血は、赤血球の産生速度の低下もしくは破壊速度の増加または出血による赤血球の損失に起因し得る。貧血は、例えば、慢性腎不全、化学療法処置、骨髄異形成症候群、関節リウマチおよび骨髄移植を含む種々の障害に起因し得る。
EPOによる処置は、典型的には、健康なヒトにおいて数週間の期間にわたりヘモグロビンの約1〜3g/dLの上昇を引き起こす。貧血性個体に投与されると、この処置レジメンは多くの場合、ヘモグロビンおよび赤血球レベルの実質的な増大をもたらし、クオリティ・オブ・ライフにおける改善および生存延長を導く。EPOは、一様に有効ではなく、多くの個体は、さらに高い用量に対してさせ抵抗性である(Horlら(2000年)Nephrol Dial Transplant 15巻、43〜50頁)。50%を超えるがん患者がEPOに
対し不適切な応答を有し、末期腎疾患のおよそ10%が反応性低下し(Glaspyら(1997年)J Clin Oncol 15巻、1218〜1234頁;Demetriら(1998年)J Clin Oncol 16巻、3412〜3425頁)、骨髄異形成症候群の10%未満が有利に
応答する(Estey(2003年)Curr Opin Hematol 10巻、60〜67頁)。炎症、鉄およびビタミンの欠乏、不適切な透析、アルミニウム毒性ならびに副甲状腺機能亢進を含む数種類の因子は、治療応答不良を予測することができる。EPOに対する抵抗性の分子機序は現在のところ不明である。最近の証拠は、より高い用量のEPOが、一部の患者集団における心血管罹患率、腫瘍成長および死亡率のリスクの増加を伴い得ることを示唆する(Krapfら、2009年、Clin J Am Soc Nephrol 4巻:470〜480頁;Glaspy、2009年、Annu Rev Med 60巻:181〜192頁)。従って、EPOに基づく治療化合物(エリスロポエチン刺激剤、ESA)は、赤血球輸血の必要の回避に十分な最低用量で投与されることが推奨された(Jelkmannら、2008年、Crit Rev Oncol. Hematol 67巻:39〜61頁)。
Weatherall & Provan(2000年)Lancet 355巻、1169〜1175頁 Horlら(2000年)Nephrol Dial Transplant 15巻、43〜50頁 Glaspyら(1997年)J Clin Oncol 15巻、1218〜1234頁 Demetriら(1998年)J Clin Oncol 16巻、3412〜3425頁 Estey(2003年)Curr Opin Hematol 10巻、60〜67頁 Krapfら、2009年、Clin J Am Soc Nephrol 4巻:470〜480頁 Glaspy、2009年、Annu Rev Med 60巻:181〜192頁 Jelkmannら、2008年、Crit Rev Oncol. Hematol 67巻:39〜61頁
よって、本開示の目的は、患者における赤血球レベルを増大させるための代替的な方法および組成物を提供することである。
発明の概要
一部には、本開示は、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを使用して、赤血球およびヘモグロビンのレベルを増大させ得ることを実証する。特に、本開示は、BMP9がin vivoで投与されると、赤血球レベル、ヘマトクリットおよびヘモグロビンの著明かつ急速な増加を引き起こすことを実証する。BMP10は、BMP9と密接に関係し、同じ受容体セットを介してシグナル伝達することが公知である。従って、ある特定の実施形態において、本開示は、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチド(またはこれらの組合せ)を使用して、患者における赤血球およびヘモグロビンのレベルを増大させ、それを必要とする患者における赤血球またはヘモグロビンの低いレベルに関連する障害を処置するための方法を提供する。
ある特定の態様において、本開示は、BMP9ポリペプチドを提供する。ある特定の実施形態において、BMP9ポリペプチドは、配列番号1、2、3、7、8もしくは16のアミノ酸配列または前述のいずれかに対して少なくとも、63%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%もしくは99%同一のアミノ酸配列を含むか、これからなるか、またはこれから本質的になるアミノ酸配列を有する。BMP9ポリペプチドは、BMP9の成熟部分をコードするヌクレオチド1121〜1450等、そのいずれかの部分を含む、配列番号11の核酸によってコードされるアミノ酸配列を含むことができ、BMP9ポリペプチドは、低度にストリンジェント、中程度にストリンジェントまたは高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号11のヌクレオチド1121〜1450の配列に相補的な核酸にハイブリダイズする核酸によってコードされ得る。
ある特定の態様において、本開示は、BMP10ポリペプチドを提供する。ある特定の実施形態において、BMP10ポリペプチドは、配列番号4、5、6、9、10もしくは17のアミノ酸配列または前述のいずれかに対して少なくとも、63%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%もしくは99%同一のアミノ酸配列を含むか、これからなるか、またはこれから本質的になるアミノ酸配列を有する。BMP10ポリペプチドは、BMP10の成熟部分をコードするヌクレオチド1108〜1431等、そのいずれかの部分を含む、配列番号12の核酸によってコードされるアミノ酸配列を含むことができ、BMP10ポリペプチドは、低度にストリンジェント、中程度にストリンジェントまたは高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号12のヌクレオチド1108〜1431の配列に相補的な核酸にハイブリダイズする核酸(nucleic)によってコードされ得る。
ある特定の態様において、本開示は、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドと、薬学的に許容できる担体とを含む医薬品調製物を提供する。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、10マイクロモル濃度未満、1マイクロモル濃度未満、100ナノモル濃度未満、10ナノモル濃度未満または1ナノモル濃度未満のKdで、1種または複数のI型(例えば、ALK1、ALK2)またはII型(例えば、ActRIIA、ActRIIB、BMPRII)受容体に結合することができる。典型的には、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、I型受容体およびII型受容体の両方に結合するが、これらの受容体の一方との結合は、非常に弱い親和性においてであり得る。場合によって、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、ID1遺伝子由来のBMP応答性エレメント(BRE)を含有するプロモーター等、細胞におけるSMAD1応答性プロモーターまたはSMAD5応答性プロモーターからの発現を刺激する。
医薬品調製物は、BMP9プロドメインポリペプチドまたはBMP10プロドメインポリペプチドをさらに含むことができる。ある特定の実施形態において、BMP9プロドメインポリペプチドは、配列番号1の23〜319のアミノ酸配列またはこれに対して少なくとも、63%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%もしくは99%同一のアミノ酸配列を含むか、これからなるか、またはこれから本質的になるアミノ酸配列を有する。BMP9プロドメインポリペプチドは、そのいずれかの部分を含む、配列番号11のヌクレオチド230〜1120の配列によってコードされるアミノ酸配列を含むことができ、BMP9プロドメインポリペプチドは、低度にストリンジェント、中程度にストリンジェントまたは高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号11のヌクレオチド230〜1120の配列に相補的な核酸にハイブリダイズする核酸によってコードされ得る。ある特定の実施形態において、BMP10プロドメインポリペプチドは、配列番号4の22〜316のアミノ酸配列またはこれに対して少なくとも、63%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%もしくは99%同一のアミノ酸配列を含むか、これからなるか、またはこれから本質的になるアミノ酸配列を有する。BMP10プロドメインポリペプチドは、そのいずれかの部分を含む、配列番号12のヌクレオチド223〜1107の配列によってコードされるアミノ酸配列を含むことができ、BMP10プロドメインポリペプチドは、低度にストリンジェント、中程度にストリンジェントまたは高度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号12のヌクレオチド223〜1107の配列に相補的な核酸にハイブリダイズする核酸によってコードされ得る。プロドメインポリペプチドは、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドと共有結合または非共有結合により会合することができる。
好ましくは、医薬品調製物は、実質的にパイロジェン・フリーである。一般に、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドが、患者における好ましくない免疫応答の見込みを減弱することができるように、天然グリコシル化を適切に媒介する哺乳動物細胞株において発現されることが好ましい。ヒト細胞株およびCHO細胞株の使用が成功したため、他の一般的な哺乳動物発現ベクターが有用であることが予想される。
ある特定の態様において、本開示は、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを作製するための方法を提供する。このような方法は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞等、適した細胞において本明細書に開示されている核酸(例えば、配列番号11または12)のいずれかを発現させることを含むことができる。このような方法は、a)BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの発現に適した条件下で、BMP9発現構築物またはBMP10発現構築物で形質転換された細胞を培養することと、b)このようにして発現されたBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを回収することとを含むことができる。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、細胞培養物からタンパク質を得るための周知の技法のいずれかを使用して、粗製か、部分的に精製されたかまたは高度に精製された画分として回収することができる。精製は、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを、ALK1、ALK2、ActrIIA、ActRIIBもしくはBMPRIIまたはBMP9もしくはBMP10に結合するこれらの改変版等、受容体タンパク質のリガンド結合ドメインと接触させることにより、達成することができる。リガンド結合ドメインは、例えば、IgGのFc部分との(場合によって、介在するリンカーとの)融合体として使用することができ、かつプロテインAでコーティングした表面上に固定することができる。
ある特定の態様において、BMP9ポリペプチドもしくはBMP10ポリペプチドまたは前述のうち1種もしくは複数を含む医薬品調製物は、対象における赤血球産生を促進するかまたは赤血球レベルを増大させるための方法において使用することができる。ある特定の実施形態において、本開示は、それを必要とする患者における低い赤血球数または低いヘモグロビンレベルに関連する障害(例えば、貧血)を処置するため、あるいは赤血球産生を促進するための方法を提供する。方法は、これを必要とする対象に、有効量のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを投与することを含むことができる。ある特定の態様において、本開示は、本明細書に記載されている障害または状態の処置のための医薬を作製するための、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの使用を提供する。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
患者における赤血球レベルを増大させるため、または貧血を処置するための方法であって、それを必要とする患者に、BMP9ポリペプチドおよびBMP10ポリペプチドからなる群から選択されるポリペプチドを投与することを含む方法。
(項目2)
前記ポリペプチドが、BMP9ポリペプチドである、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記BMP9ポリペプチドが、配列番号3の配列に対して少なくとも63%同一のアミノ酸配列を含む、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記BMP9ポリペプチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号11のヌクレオチド1121〜1450の配列に相補的な核酸にハイブリダイズする核酸によってコードされるアミノ酸配列を含む、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記BMP9ポリペプチドが、配列番号3の配列に対して同一のアミノ酸配列を含む、項目2に記載の方法。
(項目6)
前記ポリペプチドが、BMP10ポリペプチドである、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記BMP10ポリペプチドが、配列番号6の配列に対して少なくとも63%同一のアミノ酸配列を含む、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記BMP10ポリペプチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号12のヌクレオチド1108〜1431の配列に相補的な核酸にハイブリダイズする核酸によってコードされるアミノ酸配列を含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記BMP10ポリペプチドが、配列番号6の配列に対して同一のアミノ酸配列を含む、項目6に記載の方法。
(項目10)
前記BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドが、医薬品調製物において投与される、項目1〜9のいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記医薬品調製物が、BMP9プロドメインポリペプチドおよびBMP10プロドメインポリペプチドからなる群から選択されるプロドメインポリペプチドを含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記プロドメインポリペプチドが、BMP9プロドメインポリペプチドである、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記プロドメインポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸23〜319の配列に対して少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記プロドメインポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸23〜319のアミノ酸配列を含む、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記医薬品調製物が、前記BMP9プロドメインポリペプチドと非共有結合により会合したBMP9ポリペプチドを含む、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記医薬品調製物が、前記BMP9プロドメインポリペプチドと非共有結合により会合したBMP10ポリペプチドを含む、項目12に記載の方法。
(項目17)
前記プロドメインポリペプチドが、BMP10プロドメインポリペプチドである、項目11に記載の方法。
(項目18)
前記プロドメインポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸22〜316の配列に対して少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記プロドメインポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸22〜316のアミノ酸配列を含む、項目17に記載の方法。
(項目20)
前記患者が、慢性腎臓疾患に伴う貧血を有する、項目1〜19のいずれかに記載の方法。
(項目21)
前記患者が、化学療法処置に伴う貧血を有する、項目1〜19のいずれかに記載の方法。
(項目22)
前記化学療法処置が、タキサンである、項目1〜19のいずれかに記載の方法。
(項目23)
前記患者が、失血の結果として貧血を有する、項目1〜19のいずれかに記載の方法。(項目24)
BMPポリペプチドと、プロドメインポリペプチドとを含む医薬品調製物であって、前記BMPポリペプチドが、BMP9ポリペプチドおよびBMP10ポリペプチドからなる群から選択され、前記プロドメインポリペプチドが、BMP9プロドメインポリペプチドおよびBMP10プロドメインポリペプチドからなる群から選択される医薬品調製物。
(項目25)
前記BMPポリペプチドの実質的な部分が、前記プロドメインポリペプチドと非共有結合により会合する、項目24に記載の医薬品調製物。
(項目26)
前記BMPポリペプチドが、BMP9ポリペプチドである、項目24に記載の医薬品調製物。
(項目27)
前記BMP9ポリペプチドが、配列番号3の配列に対して少なくとも63%同一のアミノ酸配列を含む、項目26に記載の医薬品調製物。
(項目28)
前記BMP9ポリペプチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号11のヌクレオチド1121〜1450の配列に相補的な核酸にハイブリダイズする核酸によってコードされるアミノ酸配列を含む、項目26に記載の医薬品調製物。
(項目29)
前記BMP9ポリペプチドが、配列番号3の配列と同一のアミノ酸配列を含む、項目26に記載の医薬品調製物。
(項目30)
前記ポリペプチドが、BMP10ポリペプチドである、項目24に記載の医薬品調製物。
(項目31)
前記BMP10ポリペプチドが、配列番号6の配列に対して少なくとも63%同一のアミノ酸配列を含む、項目30に記載の医薬品調製物。
(項目32)
前記BMP10ポリペプチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号12のヌクレオチド1108〜1431の配列に相補的な核酸にハイブリダイズする核酸によってコードされるアミノ酸配列を含む、項目30に記載の医薬品調製物。(項目33)
前記BMP10ポリペプチドが、配列番号6の配列と同一のアミノ酸配列を含む、項目30に記載の医薬品調製物。
(項目34)
前記プロドメインポリペプチドが、BMP9プロドメインポリペプチドである、項目25〜33のいずれかに記載の医薬品調製物。
(項目35)
前記プロドメインポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸23〜319の配列に対して少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、項目34に記載の医薬品調製物。
(項目36)
前記プロドメインポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸23〜319のアミノ酸配列を含む、項目34に記載の医薬品調製物。
(項目37)
前記プロドメインポリペプチドが、BMP10プロドメインポリペプチドである、項目25〜33のいずれかに記載の医薬品調製物。
(項目38)
前記プロドメインポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸22〜316の配列に対して少なくとも80%同一のアミノ酸配列を含む、項目37に記載の医薬品調製物。
(項目39)
前記プロドメインポリペプチドが、配列番号4のアミノ酸22〜316のアミノ酸配列を含む、項目37に記載の医薬品調製物。
図1は、ヒト、マウスおよびニワトリのBMP9タンパク質の多重配列アライメントを示す。アライメントは、Clustal Wプログラムを使用して得られた。 図2は、ヒト、マウスおよびニワトリのBMP10タンパク質の多重配列アライメントを示す。アライメントは、Clustal Wプログラムを使用して得られた。 図3は、BMP9およびBMP10の成熟部分のアライメントを示す。
発明の詳細な説明
1.概要
トランスフォーミング増殖因子−ベータ(TGF−ベータ)スーパーファミリーは、共通の配列エレメントおよび構造モチーフを共有する種々の増殖因子を含有する。これらのタンパク質は、脊椎動物および無脊椎動物の両方における多種多様な細胞型に対して生物学的効果を発揮することが公知である。スーパーファミリーのメンバーは、胚発生の際にパターン形成および組織特化において重要な機能を行い、脂肪生成、筋形成、軟骨形成、心発生、造血、神経発生および上皮細胞分化を含む種々の分化過程に影響を与えることができる。TGF−ベータファミリーのメンバーの活性を操作することにより、多くの場合、生物において顕著な生理的変化を引き起こすことが可能になる。例えば、ピエモンテ(Piedmontese)およびベルジャン・ブルー(Belgian Blue)のウシ品種は、GDF8(ミオスタチンとも呼ばれる)遺伝子に、著しい筋量増加をもたらす機能喪失型突然変異を保有する。Grobetら、Nat Genet.1997年、17巻(1号):71〜4頁。さらに、ヒトにおいて、GDF8の不活性アレルは、筋量増加と、報告によれば、並外れた力に関連する。Schuelkeら、N Engl J Med 2004年、350巻:2682〜8頁。
骨形成タンパク質9(BMP9)およびBMP10は、TGF−ベータスーパーファミリーの2種の密接に関係したメンバーである。これらのタンパク質は、血液中を循環することのできるジスルフィド結合したホモ二量体として産生されると考えられる。BMPシグナルは、リガンド刺激により下流のSmadタンパク質をリン酸化および活性化する、I型およびII型のセリン/スレオニンキナーゼ受容体のヘテロマー型複合体によって媒介される(Massague'、2000年、Nat. Rev. Mol. Cell Biol.1巻:169〜178頁)。これらのI型受容体およびII型受容体は、システイン・リッチ領域を備えるリガンド結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメインおよび予測セリン/スレオニン特異性を有する細胞質ドメインで構成された膜貫通タンパク質である。I型受容体は、シグナル伝達に必須である。II型受容体は、リガンド結合およびI型受容体発現に必要とされる。I型およびII型のアクチビン受容体は、リガンド結合後に安定的な複合体を形成し、II型受容体によるI型受容体のリン酸化をもたらす。BMP9およびBMP10は、I型受容体ALK1およびALK2ならびにII型受容体ActRIIA、ActRIIBおよびBMPRIIを介してシグナル伝達すると考えられる。
本明細書において実証されている通り、BMP9ポリペプチド(と、相同性および共通シグナル伝達経路により推論される通り、BMP10ポリペプチド)は、in vivoにおける赤血球レベルを増大させるのに有効であり、種々の貧血モデルにおいて有益な効果を有することが予想される。造血が、エリスロポエチン、G−CSFおよび鉄恒常性を含む種々の因子により調節される複雑な過程であることに留意されたい。用語「赤血球レベルを増大させる」および「赤血球形成を促進する」は、ヘマトクリット、赤血球数およびヘモグロビン測定値等、臨床的に観察可能な測定基準を指し、このような変化を生じる機序に関して中立であることが企図される。
本明細書において使用されている用語は、一般に、本発明の文脈内において、また、各用語が使用される特定の文脈において、本技術分野におけるその通常の意味を有する。ある特定の用語は、本明細書の後述または他の箇所で記述されており、本発明の組成物および方法ならびにこれをどのようにして作製および使用するかの記載において実行者(practitioner)に対し追加的なガイダンスを提供する。用語のいずれかの使用の範囲または意味は、用語が使用されている特定の文脈から明らかになるであろう。
「約」および「およそ」は、一般に、測定値の性質または精度を考慮した、測定された量の許容できる程度の誤差を意味するものとする。典型的に、誤差の例示的な程度は、所定の値または値の範囲の20パーセント(%)以内、好ましくは、10%以内、より好ましくは、5%以内である。
あるいは、また、特に生物系において、用語「約」および「およそ」は、所定の値の一桁以内、好ましくは、5倍以内、より好ましくは、2倍以内の値を意味し得る。本明細書に提示されている数的な量は、他に特に明記されていなければ近似的なものであり、明確に記述されていなければ、用語「約」または「およそ」が推論され得る状況を意味する。
本発明の方法は、野生型配列と1種または複数の突然変異体(配列バリアント)を含む配列を互いに比較するステップを含むことができる。このような比較は、典型的には、例えば、本技術分野において周知の配列アライメントプログラムおよび/またはアルゴリズム(例えば、数例を挙げると、BLAST、FASTAおよびMEGALIGN)を使用した、ポリマー配列のアライメントを含む。当業者であれば、このようなアライメントにおいて、突然変異が残基の挿入または欠失を含有する場合、配列アライメントが、挿入または欠失された残基を含有しないポリマー配列において「ギャップ」(典型的にはダッシュ記号または「A」により表される)を導入することを容易に認めることができる。
「相同」は、そのあらゆる文法形式および綴り方のバリエーションにおいて、同じ生物種におけるスーパーファミリー由来のタンパク質ならびに異なる生物種由来の相同タンパク質を含め、「共通進化的起源」を保有する2種のタンパク質間の関係性を指す。このようなタンパク質(およびそれをコードする核酸)は、同一性パーセントの観点からであれ、特異的な残基またはモチーフおよび保存された位置の存在によるものであれ、その配列類似性により反映される通りの配列相同性を有する。
用語「配列類似性」は、そのあらゆる文法形式において、共通の進化的起源を共有しても共有しなくてもよい、核酸配列間またはアミノ酸配列間の同一性または一致の程度を指す。
しかし、一般的な使用法において、また、本願において、用語「相同」は、「高度に」等の副詞により修飾される場合、配列類似性を指すことができ、これは共通進化的起源に関係しても関連しなくてもよい。
2.BMP9およびBMP10のポリペプチドおよび核酸
ある特定の態様において、本発明は、例えば、成熟ヒトBMP9タンパク質および成熟ヒトBMP10タンパク質、ならびに、共有結合によって結合したものであれ非共有結合によって結合したものであれ、プロドメインを保持するBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドならびに前述のバリアントおよび切断型を含む、BMP9ポリペプチドおよびBMP10ポリペプチドに関する。このようなバリエーションおよび切断型は、ALK1、ALK2、ActRIIA、BMPR2およびActRIIBを含む、BMP9またはBMP10の公知の受容体のうち1種または複数によりシグナル伝達を刺激する能力を保持するように選択することができる。場合によって、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、BRE−ルシフェラーゼレポーター遺伝子構築物をトランスフェクトした細胞株におけるルシフェラーゼの発現を増加させることができる。
本明細書において使用される場合、用語「BMP−9」または「BMP−10」は、いずれかの種由来のそれぞれBMP−9タンパク質またはBMP−10タンパク質のファミリーと、変異誘発、切断または他の改変によるこのようなタンパク質に由来するバリアントを指す。BMP−9タンパク質およびBMP−10タンパク質は、図1および2に示す通り、特にタンパク質の成熟部分において、脊椎動物系列にわたって十分に保存されている。ヒトBMP−9およびBMP−10の成熟部分はまた、互いに実質的な同一性を示す(64%)(図3)。BMP−9またはBMP−10ファミリーのメンバーは、一般に、シグナルペプチドと、II型受容体(例えば、BMPR2、ActRIIA、ActRIIB)との結合と競合する様式で成熟部分に結合するプロドメインと、システインノットを含有する成熟部分とで構成された分泌タンパク質である。成熟部分は、I型受容体(例えば、ALK1またはALK2)およびII型受容体(例えば、BMPR2、ActRIIAまたはActRIIB)の両方に結合して、シグナル伝達複合体を形成する。
用語「BMP9ポリペプチド」は、それぞれBMP−9ファミリーメンバーのいずれかの天然起源のポリペプチドおよび有用な活性を保持するそのいずれかのバリアント(突然変異体、断片、融合体およびペプチド模倣型を含む)を含むポリペプチドを含む。例えば、BMP9ポリペプチドは、いずれか公知のBMP9タンパク質の配列に由来するポリペプチドを含むことができ、プロタンパク質型(プロドメインおよび成熟部分の両方を含有する)および完全な成熟型として、シグナルペプチドと共に発現される型を含むことができる。図1に示す通り、ヒト、マウスおよびニワトリといった多様な脊椎動物は、高度に保存されたBMP9タンパク質を有し、従って、機能的バリアントは、例えば、異なる脊椎動物種の間で保存性が低いアミノ酸の参照により選択することができる(このような変化は一般に許容されるため)。BMP9ポリペプチドは、配列番号1、2、3、7もしくは8または配列番号7もしくは8の成熟部分のいずれか等、天然に存在するBMP9ポリペプチドの配列に対して少なくとも、63%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一のアミノ酸配列を含むか、これから本質的になるかまたはこれからなることができる。本明細書に記載されているあらゆるヒトBMP9ポリペプチドのアミノ酸のナンバリングは、他に特に指定されていなければ、配列番号1のナンバリングに基づく。
BMP9ポリペプチドの例として、次のものが挙げられる。
全長ヒトBMP9前駆体(アミノ酸1〜22に相当するシグナル配列を含む)(Genbank NP_057288):
Figure 2017190344
全長ヒトBMP9プロタンパク質(シグナル配列が除去されているがプロドメインを含み、配列番号1のアミノ酸23〜429に相当する):
Figure 2017190344
成熟ヒトBMP9(シグナル配列およびプロドメインの両方が除去されており、配列番号1のアミノ酸320〜429に相当する):
Figure 2017190344
用語「BMP10ポリペプチド」は、それぞれBMP10ファミリーメンバーのいずれかの天然に存在するポリペプチドおよび有用な活性を保持するそのいずれかのバリアント(突然変異体、断片、融合体およびペプチド模倣型を含む)を含むポリペプチドを含む。例えば、BMP10ポリペプチドは、いずれか公知のBMP10タンパク質の配列に由来するポリペプチドを含むことができ、プロタンパク質型および完全な成熟型として、シグナルペプチドと共に発現される型を含むことができる。図2に示す通り、ヒト、マウスおよびニワトリといった多様な脊椎動物は、高度に保存されたBMP10タンパク質を有し、従って、機能的バリアントは、例えば、異なる脊椎動物種の間で保存性が低いアミノ酸の参照により選択することができる。BMP10ポリペプチドは、配列番号4、5、6、9もしくは10または配列番号9もしくは10の成熟部分のいずれか等、天然に存在するBMP10ポリペプチドの配列に対して少なくとも、63%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一のアミノ酸配列を含むか、これから本質的になるかまたはこれからなることができる。本明細書に記載されているあらゆるヒトBMP10ポリペプチドのアミノ酸のナンバリングは、他に特に指定されていなければ、配列番号4のナンバリングに基づく。
BMP10ポリペプチドの例として、次のものが挙げられる。
全長ヒトBMP10前駆体(アミノ酸1〜21に相当するシグナル配列を含む)(Genbank NP_055297):
Figure 2017190344
全長ヒトBMP10プロタンパク質(シグナル配列が除去されているがプロドメインを含み、配列番号4のアミノ酸22〜424に相当する):
Figure 2017190344
成熟ヒトBMP10(シグナル配列およびプロドメインの両方が除去されており、配列番号4のアミノ酸317〜424に相当する):
Figure 2017190344
ある特定の態様において、本開示は、本明細書に開示されているBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドのいずれかをコードする、単離されたおよび/または組換えによる核酸を提供する。このような核酸は、DNA分子であってもRNA分子であってもよい。このような核酸は、例えば、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを作製するための方法において、あるいは直接的な治療剤として(例えば、遺伝子療法アプローチにおいて)使用することができる。
ヒトBMP9前駆体タンパク質をコードする核酸配列は以下のとおりである:(Genbank NM_016204)
Figure 2017190344
BMP9(シグナルペプチド、プロドメインおよび成熟部分)のコード領域は、配列番号11の164位〜1453位に存在する。シグナルペプチドはヌクレオチド164〜229によって、プロドメインはヌクレオチド230〜1120によって、成熟ペプチドは1121位〜1450位によってコードされる。
ヒトBMP10前駆体タンパク質をコードする核酸配列は以下のとおりである(Genbank NM_014482):
Figure 2017190344
BMP10(シグナルペプチド、プロドメインおよび成熟部分)のコード領域は、配列番号12の160位〜1434位に存在する。シグナルペプチドはヌクレオチド160〜222によって、プロドメインはヌクレオチド223〜1107によって、成熟ペプチドは1108位〜1431位によってコードされる。
ある特定の態様において、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドをコードする対象核酸は、配列番号11または配列番号12のバリアントである核酸を含むことがさらに理解される。バリアントヌクレオチド配列は、アレルバリアント等、1個または複数のヌクレオチドの置換、付加または欠失により異なる配列を含み、従って、配列番号11または12において指定されているコード配列のヌクレオチド配列とは異なるコード配列を含む。
ある特定の実施形態において、本開示は、配列番号11もしくは配列番号12またはプロドメインもしくは成熟部分をコードするこれらの部分に対して、少なくとも、63%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一の、単離されたかまたは組換えの核酸配列を提供する。当業者であれば、配列番号11または12および配列番号11または12のバリアントに相補的な核酸配列もまた、本発明の範囲内に収まることを認められよう。さらなる実施形態において、本発明の核酸配列は、単離されても、組換えであってもおよび/または異種ヌクレオチド配列と融合されてもよいか、あるいはDNAライブラリーに存在してもよい。
他の実施形態において、本発明の核酸は、プロドメインまたは成熟部分をコードするその部分を含む配列番号11または12において指定されているヌクレオチド配列、そのプロドメインまたは成熟部分をコードするその部分を含む配列番号11または12の相補体配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列も含む。特定の実施形態において、本開示は、配列番号11の1121〜1450の核酸の相補体または配列番号12の1108〜1431の核酸の相補体にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸と、前述によってコードされるBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドとを提供する。上に記す通り、当業者であれば、DNAハイブリダイゼーションを促進する適切なストリンジェンシー条件が変動し得ることを容易に理解することができよう。例えば、6.0×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、約45℃にてハイブリダイゼーションを、続いて2.0×SSC、50℃にて洗浄を行うことができる。例えば、洗浄ステップにおける塩濃度は、約2.0×SSC、50℃の低ストリンジェンシーから約0.2×SSC、50℃の高ストリンジェンシーまでから選択することができる。加えて、洗浄ステップにおける温度は、室温約22℃の低ストリンジェンシー条件から、約65℃の高ストリンジェンシー条件まで増大させることができる。温度および塩の両方が変動されてよいか、あるいは温度または塩濃度を一定に維持しつつ、もう一方の変数を変化させてもよい。一実施形態において、本開示は、6×SSC、室温、続いて2×SSC、室温の洗浄という低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸を提供する。
遺伝暗号における縮重により配列番号11または12に表記されている核酸とは異なる単離された核酸もまた、本発明の範囲内に収まる。例えば、多くのアミノ酸は、1個より多くのトリプレットにより指定される。同じアミノ酸を特定するコドン、即ち同義(例えば、CAUおよびCACはヒスチジンについて同義である)は、タンパク質のアミノ酸配列に影響を与えない「サイレント」変異をもたらすことができる。ある特定の実施形態において、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、代替ヌクレオチド配列にコードされる。代替ヌクレオチド配列は、ネイティブなBMP9またはBMP10の核酸配列に関して縮重であるが、依然として同じ融合タンパク質をコードする。
ある特定の実施形態において、本発明の組換え核酸は、発現構築物において1種または複数の調節ヌクレオチド配列に作動可能に連結することができる。調節ヌクレオチド配列は、一般に、発現に使用される宿主細胞に適切である。多くの種類の適切な発現ベクターおよび適した調節配列が、種々の宿主細胞に対し本技術分野において公知である。典型的には、前記1種または複数の調節ヌクレオチド配列として、プロモーター配列、リーダーまたはシグナル配列、リボソーム結合部位、転写開始および終結配列、翻訳開始および終結配列ならびにエンハンサーまたはアクチベーター配列を挙げることができるがこれらに限定されない。本技術分野において公知のとおりの恒常プロモーターまたは誘導性プロモーターが、本発明によって企図されている。プロモーターは、天然に存在するプロモーターであっても、あるいは2種以上のプロモーターのエレメントを組み合わせたハイブリッドプロモーターであってもよい。発現構築物は、細胞内でプラスミド等のエピソームに存在していてもよく、あるいは発現構築物は染色体に挿入されていてもよい。好ましい実施形態において、発現ベクターは、形質転換された宿主細胞の選択を可能にする選択可能マーカー遺伝子を含有する。選択可能マーカー遺伝子は、本技術分野において周知であり、使用されている宿主細胞によって変動する。
本開示のある特定の態様において、対象核酸は、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドをコードし、少なくとも1種の調節配列に作動可能に連結されたヌクレオチド配列を含む発現ベクターにおいて提供される。調節配列は、本技術分野において認識されており、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの直接的な発現に対して選択される。従って、用語調節配列は、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御エレメントを包含する。例示的な調節配列は、Goeddel; Gene Expression Technology: Methods in Enzymology、Academic Press、カリフォルニア州サンディエゴ(1
990年)に記載されている。例えば、これに作動可能に連結されたDNA配列の発現を制御する幅広い種類の発現制御配列のいずれかをこれらのベクターにおいて使用して、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドをコードするDNA配列を発現させてもよい。このような有用な発現制御配列としては、例えば、SV40の初期および後期プロモーター、tetプロモーター、アデノウイルスまたはサイトメガロウイルス最初期プロモーター、RSVプロモーター、lac系、trp系、TAC系またはTRC系、その発現がT7 RNAポリメラーゼにより方向づけられるT7プロモーター、ファージラムダの主要オペレーターおよびプロモーター領域、fdコートタンパク質の制御領域、3−ホスホグリセリン酸キナーゼまたは他の解糖酵素のプロモーター、酸性ホスファターゼ(例えば、Pho5)のプロモーター、酵母α−接合因子のプロモーター、バキュロウイルス系の多角体(polyhedron)プロモーターならびに原核細胞もしくは真核細胞またはそのウイルスの遺伝子の発現を制御することが公知の他の配列、ならびにこれらの様々な組合せが挙げられる。発現ベクターの設計が、形質転換しようとする宿主細胞の選択および/または発現が望まれるタンパク質の種類等の要因に依存し得ることを理解されたい。さらに、ベクターのコピー数、該コピー数を制御する能力および抗生物質マーカー等のベクターによってコードされる任意のその他のタンパク質の発現も考慮されるべきである。
BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの産生のための組換え核酸は、クローニングされた遺伝子またはその一部分を、原核細胞、真核細胞(酵母、トリ、昆虫または哺乳動物)のいずれか一方またはその両方における発現に適したベクター中にライゲーションすることにより産生することができる。組換えBMP9ポリペプチドまたは組換えBMP10ポリペプチドの産生のための発現ビヒクルは、プラスミドおよび他のベクターを含む。例えば、適したベクターは、次の種類のプラスミド:E.coli等の原核細胞における発現のための、pBR322由来プラスミド、pEMBL由来プラスミド、pEX由来プラスミド、pBTac由来プラスミドおよびpUC由来プラスミドを含む。
一部の哺乳動物発現ベクターは、細菌におけるベクターの繁殖を容易にするための原核生物配列と、真核細胞において発現される1種または複数の真核生物転写単位の両方を含有する。pcDNAI/amp、pcDNAI/neo、pRc/CMV、pSV2gpt、pSV2neo、pSV2−dhfr、pTk2、pRSVneo、pMSG、pSVT7、pko−neoおよびpHygに由来するベクターは、真核細胞のトランスフェクションに適した哺乳動物発現ベクターの例である。これらのベクターのいくつかは、原核細胞および真核細胞の両方における複製および薬物抵抗性選択を容易にするために、pBR322等、細菌プラスミド由来の配列により改変されている。あるいは、ウシパピローマウイルス(BPV−1)またはエプスタイン・バーウイルス(pHEBo、pREP由来およびp205)等、ウイルスの誘導体を、真核細胞におけるタンパク質の一過性発現のために使用することができる。他のウイルス(レトロウイルスを含む)発現系の例は、後述する遺伝子療法送達系の説明に見出すことができる。プラスミドの調製および宿主生物の形質転換において用いられている様々な方法は、本技術分野において周知である。原核細胞および真核細胞の両方のための他の適した発現系ならびに一般組換え手順に関して、Molecular Cloning A Laboratory Manual、第2版、Sambrook, Fritsch and Maniatis編(Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989年)、第16章および第17章を参照されたい。場合によっては、バキュロウイルス発現系の使用により組換えポリペプチドを発現することが所望され得る。このようなバキュロウイルス発現系の例として、pVL由来ベクター(pVL1392、pVL1393およびpVL941等)、pAcUW由来ベクター(pAcUW1等)およびpBlueBac由来ベクター(β−gal含有pBlueBacIII等)が挙げられる。
好ましい実施形態において、ベクターは、Pcmv−Scriptベクター(Stratagene、カリフォルニア州ラホヤ)、pcDNA4ベクター(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)およびpCI−neoベクター(Promega、ウィスコンシン州マディソン)等、CHO細胞における対象のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの産生のために設計される。明らかとなる通り、対象遺伝子構築物を使用して、培養において繁殖させた細胞における対象のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの発現をもたらして、例えば、精製のためのタンパク質(融合タンパク質またはバリアントタンパク質が挙げられる)を産生させることができる。
本開示はまた、対象のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドのうち1種または複数についてのコード配列を含む組換え遺伝子でトランスフェクトした宿主細胞に関する。宿主細胞は、いかなる原核細胞であっても真核細胞であってもよい。例えば、本発明のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、E.coli等の細菌細胞、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現系を使用)、酵母または哺乳動物細胞において発現させることができる。他の適した宿主細胞は、当業者に公知である。
上述の核酸を使用して、例えば、HEK細胞、COS細胞およびCHO細胞を包含する、適した細胞において、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを発現させることができる。シグナル配列は、BMP9もしくはBMP10のネイティブシグナル配列、または組織プラスミノーゲンアクチベーター(TPA)シグナル配列もしくはミツバチメリチン(HBM)シグナル配列等の別のタンパク質由来のシグナル配列であり得る。BMP10成熟部分がBMP9プロドメインと共に発現されるように(またはその逆も可)、BMP9およびBMP10のプロドメイン配列は交換することができる。タンパク質PACE(またはフューリン)は、プロタンパク質を2個のペプチド(プロタンパク質および成熟部分)とする切断を媒介し、よって、このような切断が望まれる場合、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの産生が企図されている細胞においてPACE導入遺伝子を発現させることは有用である。GDFまたはBMPファミリーのメンバーは、完全に活性となるためにそのプロドメインから解離する必要があることが一般に容認されている。BMP9またはBMP10の場合、プロドメインは成熟部分と会合し続け、よって、投与できる医薬品形態を生成するために成熟部分を分離することが所望され得る。あるいは、本明細書において、プロドメインは、例えば、より長い血清半減期およびより優れたバイオアベイラビリティを含めた望ましい医薬品特性を付与し得ることが認識され、よって、ある特定の実施形態において、本開示は、プロドメインポリペプチドと共有結合または非共有結合により会合したBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの成熟部分を含む医薬品調製物を提供する。「プロドメインポリペプチド」は、配列番号1のアミノ酸23〜319または配列番号4のアミノ酸22〜316等、天然に存在するBMP9プロドメイン配列またはBMP10プロドメインの配列に対して少なくとも、63%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%または100%同一のアミノ酸配列を含むか、これから本質的になるかまたはこれからなるポリペプチドである。プロドメインポリペプチドは、相当する成熟部分の30、20、10または5個よりも多くのアミノ酸を一般に含むべきではないことが明らかである。ある特定の実施形態において、プロドメインポリペプチドは、10−6M以下、10−7M以下、10−8M以下もしくは10−9M以下の、またはそれら未満のKDで、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの成熟部分に結合する。
ある特定の実施形態において、本開示は、治療有効性または安定性(例えば、ex vivo有効保存期間およびin vivoにおけるタンパク質分解に対する抵抗性)の増強等の目的で、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの構造を改変することによる機能的バリアントの作製を企図する。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、アミノ酸の置換、欠失または付加により生成することもできる。例えば、イソロイシンまたはバリンによるロイシンの、グルタミン酸によるアスパラギン酸の、セリンによるスレオニンの単離された置き換えまたは構造的に関連するアミノ酸によるアミノ酸の同様の置き換え(例えば、保存的変異)は、その結果得られる分子の生物活性に大した効果を持たないであろうと予想することは理にかなう。保存的置き換えは、その側鎖が関連するアミノ酸のファミリー内で行われる置き換えである。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドのアミノ酸配列の変化が機能的バリアントをもたらすか否かは、未改変のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドと比べた、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドが細胞において応答を生じる能力、または1種もしくは複数の受容体に結合する能力を評価することにより、容易に決定することができる。プロドメインポリペプチドにおけるバリエーションの場合、バリアントの機能活性は、プロドメインが成熟BMP9ポリペプチドまたは成熟BMP10ポリペプチドに結合する能力を測定することにより評価することができる。
ある特定の実施形態において、本発明は、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドのグリコシル化を変更するような特異的な変異を有するBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを企図する。アミノ酸配列の変更は、一般にNXS配列またはNXT配列である1個または複数のN結合型グリコシル化部位を導入するように為すことができる。変異は、O結合型またはN結合型のグリコシル化部位等、1個または複数のグリコシル化部位を排除するように選択することもできる。変更は、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの配列に対する1個または複数のアスパラギン残基、セリン残基またはスレオニン残基の付加またはこれとの置換により為すこともできる。グリコシル化認識部位の第1または第3のアミノ酸位置の一方または両方における種々のアミノ酸置換または欠失(および/または第2の位置におけるアミノ酸欠失)は、改変されたトリペプチド配列における非グリコシル化をもたらす。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドにおける糖鎖部分の数を増加させる別の手段は、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドへのグリコシドの化学的または酵素的カップリングによる。使用されているカップリングモードに応じて、糖(複数可)は、(a)アルギニンおよびヒスチジン;(b)遊離カルボキシル基;(c)システインの遊離スルフヒドリル基等の遊離スルフヒドリル基;(d)セリン、スレオニンもしくはヒドロキシプロリンの遊離ヒドロキシル基等の遊離ヒドロキシル基;(e)フェニルアラニン、チロシンもしくはトリプトファンの芳香族残基等の芳香族残基;または(f)グルタミンのアミド基に付着させることができる。これらの方法は、ここに本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する、国際公開第87/05330号パンフレットおよびAplin and Wriston(1981年)CRC Crit. Rev. Biochem.、259〜306頁に記載されている。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドに存在する1個または複数の糖鎖部分の除去は、化学的および/または酵素的に達成することができる。化学的脱グリコシル化は、例えば、化合物トリフルオロメタンスルホン酸または均等な化合物へのBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの曝露を伴い得る。この処理は、アミノ酸配列をインタクトに保ちつつ、結合糖(N−アセチルグルコサミンまたはN−アセチルガラクトサミン)以外の大部分または全ての糖の切断をもたらす。化学的脱グリコシル化は、Hakimuddinら(1987年)Arch. Biochem. Biophys.259巻:52頁およびEdgeら(1981年)Anal. Biochem.118巻:131頁によってさらに記載されている。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドにおける糖鎖部分の酵素的切断は、Thotakuraら(1987年)Meth. Enzymol.138巻:350頁によって記載されている通り、種々のエンドグリコシダーゼおよびエキソグリコシダーゼの使用により達成することができる。哺乳動物、酵母、昆虫および植物の細胞は全て、ペプチドのアミノ酸配列によって影響され得る異なるグリコシル化パターンを導入することができるため、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの配列は、使用されている発現系の種類に応じて、必要に応じて調整することができる。一般に、ヒトにおける使用のためのBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、HEK293細胞株またはCHO細胞株等、適切なグリコシル化をもたらす哺乳動物細胞株において発現されるが、他の哺乳動物発現細胞株も同様に有用であると予想される。
本開示は、場合によって切断バリアントを含む、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドのバリアント、特に、コンビナトリアルバリアントのセットを作製する方法をさらに企図する。コンビナトリアル変異体のプールは、BMP9配列またはBMP10配列を同定するために特に有用である。このようなコンビナトリアルライブラリーのスクリーニングの目的は、例えば、変更された薬物動態または変更された受容体結合等、変更された特性を有するBMP9ポリペプチドバリアントまたはBMP10ポリペプチドバリアントを作製することであり得る。種々のスクリーニングアッセイが後述されており、このようなアッセイを使用して、バリアントを評価することができる。例えば、BMP9ポリペプチドバリアントまたはBMP10ポリペプチドバリアントは、ALK1ポリペプチド、ActRIIAポリペプチドまたはActRIIBポリペプチドに結合する能力に関してスクリーニングすることができる。
BMP9ポリペプチドもしくはBMP10ポリペプチドまたはそれらのバリアントの活性は、細胞ベースのアッセイまたはin vivoアッセイにおいて試験することもできる。例えば、造血に関与する遺伝子の発現におけるBMP9ポリペプチドバリアントまたはBMP10ポリペプチドバリアントの効果を評価することができる。同様に、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドをマウスまたは他の動物に投与し、RBC数、ヘモグロビンレベル、ヘマトクリットレベル、鉄貯蔵または網状赤血球数等、1種または複数の血液測定値を、本技術分野において認識されている方法を使用して評価することができる。一般に、ID1遺伝子のプロモーター領域から得られるBMP応答性エレメント(BRE)エレメントは、SMAD1/5/8シグナル伝達を刺激するBMP/GDFファミリーのメンバーの適切なレポーター遺伝子として広く認識されている。例えば、Logeart-Avramoglou Dら、Anal Biochem.2006年2月1日;349巻(1号):78〜86頁を参照されたい。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、ATDC5マウス軟骨形成細胞またはMC3T3−E1マウス骨芽細胞によるアルカリホスファターゼの誘導により測定することもできる。Nakamura, K.ら(1999年)Exp. Cell Res.250巻:351頁。
ある特定の実施形態において、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドに天然に存在するいずれかの修飾に加えて、翻訳後修飾をさらに含むことができる。このような修飾として、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質付加、アシル化およびポリエチレングリコール(PEG)による修飾が挙げられるがこれらに限定されない。結果として、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、ポリエチレングリコール、脂質、多糖または単糖およびホスフェート等、非アミノ酸エレメントを含有することができる。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの機能性に対するこのような非アミノ酸エレメントの効果は、他のBMP9ポリペプチドバリアントまたはBMP10ポリペプチドバリアントに関して本明細書に記載されている通りに試験することができる。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドが、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの新生型を切断することにより細胞において産生される場合、翻訳後プロセシングは、タンパク質の正確なフォールディングおよび/または機能にも重要となり得る。異なる細胞(CHO、HeLa、MDCK、293、WI38、NIH−3T3またはHEK293等)は、このような翻訳後活性の特異的な細胞機構および特徴的な機序を有するため、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの正確な修飾およびプロセシングを確実にするよう選択され得る。
ある特定の態様において、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの少なくとも一部分と、1種または複数の融合ドメインとを有する融合タンパク質を含む。このような融合ドメインの周知の例として、ポリヒスチジン、Glu−Glu、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、プロテインA、プロテインG、免疫グロブリン重鎖定常領域(例えば、Fc)、マルトース結合タンパク質(MBP)またはヒト血清アルブミンが挙げられるがこれらに限定されない。融合ドメインは、所望の特性を付与するように選択することができる。例えば、一部の融合ドメインは、親和性クロマトグラフィーによる融合タンパク質の単離に特に有用である。親和性精製の目的のためには、グルタチオン、アミラーゼおよびニッケルまたはコバルトにコンジュゲートされた樹脂等、親和性クロマトグラフィー用の適したマトリックスが使用される。このようなマトリックスの多くは、(HIS)融合パートナーと共に有用なPharmacia GST精製系およびQIAexpress(商標)系(Qiagen)等、「キット」形態において入手可能である。別の例として、融合ドメインは、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの検出を容易にするように選択することができる。このような検出ドメインの例として、様々な蛍光タンパク質(例えば、GFP)と共に、通常、特異的な抗体が入手可能である短いペプチド配列である「エピトープタグ」が挙げられる。特異的なモノクローナル抗体を容易に入手可能である周知のエピトープタグとして、FLAG、インフルエンザウイルス赤血球凝集素(HA)およびc−mycタグが挙げられる。一部の場合において、融合ドメインは、適切なプロテアーゼに融合タンパク質を部分的に消化させ、これにより融合タンパク質から組換えタンパク質を遊離させることのできる、第Xa因子またはトロンビン等のための、プロテアーゼ切断部位を有する。続いて、遊離されたタンパク質は、その後のクロマトグラフィー分離により融合ドメインから単離することができる。ある特定の好ましい実施形態において、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、in vivoにおいてBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを安定化させるドメイン(「スタビライザー(stabilizer)」ドメイン)と融合される。「安定化」は、破壊の減少、腎臓によるクリアランスの減少または他の薬物動態効果のいずれによるものであるかにかかわらず、血清半減期を増大させる任意のことを意味する。免疫グロブリンのFc部分との融合は、広範囲のタンパク質に望ましい薬物動態特性を付与することが公知である。同様に、ヒト血清アルブミンへの融合は、望ましい特性を付与することができる。選択され得る他の種類の融合ドメインは、多量体形成(例えば、二量体形成、四量体形成)ドメインおよび機能ドメイン(赤血球レベルのさらなる増大等の追加的な生物機能を付与する)を含む。
所望の機能性と一貫した任意の様式で、融合タンパク質の異なるエレメントを配置してよいことが理解される。例えば、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、異種ドメインに対してC末端側に置くことができるか、あるいは異種ドメインは、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドに対してC末端側に置くことができる。BMP9ポリペプチドドメインまたはBMP10ポリペプチドドメインと異種ドメインは、融合タンパク質において隣接している必要はなく、追加的なドメインまたはアミノ酸配列が、いずれかのドメインに対してC末端側もしくはN末端側にまたは両ドメイン間に含まれていてよい。
ある特定の実施形態において、本発明は、単離された形態である、あるいは他の仕方により他のタンパク質を実質的に含まない、単離および/または精製された形態のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを利用できるようにする。
ある特定の実施形態において、本発明のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチド(未修飾または修飾)は、本技術分野において公知の種々の技法により産生することができる。例えば、ポリペプチドは、Bodansky, M.、Principles of Peptide Synthesis、Springer Verlag、ベルリン(1993年)およびGrant G. A.(編)、Synthetic Peptides: A User's Guide, W. H. Freeman and Company、ニューヨーク(1992年)に記載されている技法等の標準タンパク質化学技法を使用して合成することができる。加えて、自動ペプチド合成機は市販されている(例えば、Advanced ChemTech Model 396;Milligen/Biosearch 9600)。あるいは、BMP9ポリペプチドもしくはBMP10ポリペプチド、それらの断片またはバリアントは、本技術分野において周知の通り、様々な発現系(例えば、E.coli、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、COS細胞、バキュロウイルス)を使用して組換えにより産生し、続いてタンパク質精製することができる。BMP9およびBMP10は、R&D Systems(ミネソタ州ミネアポリス)からも市販されている。
従って、本開示は、対象のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを産生する方法を提供する。例えば、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドをコードする発現ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞を適切な条件下で培養して、ポリペプチドの発現を行わせることができる。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを含有する細胞および培地の混合物から、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを分泌させ、単離することができる。あるいは、これらのポリペプチドは、細胞質においてまたは膜画分に保持され得るため、細胞を収集し、溶解し、これらのタンパク質を単離し得る。細胞培養物は、宿主細胞、培地および他の副産物を含む。細胞培養に適した培地は、本技術分野において周知である。対象のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、電気泳動、およびBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの特定のエピトープに特異的な抗体による免疫親和性精製を含め、タンパク質を精製するための本技術分野において公知の技法を使用して、細胞培養培地、宿主細胞またはその両方から単離することができる。
本開示は、ALK1、ALK2、BMPR2、ActRIIAまたはActRIIBを含めたそれらの受容体のうち1種または複数に対するこれらのタンパク質の親和性を使用することにより、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの精製のための新規方法をさらに提供する。固体マトリックス(例えば、クロマトグラフィー樹脂)を前述のいずれかのリガンド結合部分に接合して、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドに選択的に結合する親和性マトリックスを作製することができる。受容体の細胞外ドメインを免疫グロブリンのFc部分に融合し、プロテインA等のFc結合タンパク質を含有するマトリックスに接合することができる。驚くべきことに、79位にロイシンではなくアスパラギン酸またはグルタミン酸を含有するActRIIB細胞外ドメインのバリアントは、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの親和性精製に特に有効な試薬である。特に、このバリアントは、野生型ActRIIBと比べてBMP9またはBMP10に対し低下した親和性を有する。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの産生において有用な受容体および受容体−Fc融合体構築物の例に関して、その受容体および受容体−Fc配列をここに本明細書の一部を構成するものとしてその内容を援用する次の公開されたPCT特許出願:国際公開第2011/020045号、国際公開第2010/151426号、国際公開第2010/019261号、国際公開第2009/139891号、国際公開第2009/134428号、国際公開第2008/097541号、国際公開第2008/076437号、国際公開第2007/062188号および国際公開第2006/012627号を参照されたい。ActRIIA試薬、BMPR2試薬およびActRIIB試薬は、成熟部分との結合に関してプロペプチドと競合するため、BMP9成熟タンパク質またはBMP10成熟タンパク質を精製するために有用である。ALK1試薬またはALK2試薬は、プロペプチドと比べて別個でかつ非競合性の部位において結合するため、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドをプロドメインとの複合体として精製するために有用である。
別の実施形態において、組換えBMP9ポリペプチドまたは組換えBMP10ポリペプチドの所望の部分のN末端におけるポリ(His)/エンテロキナーゼ切断部位配列等の精製リーダー配列をコードする融合遺伝子は、Ni2+金属樹脂を使用する親和性クロマトグラフィーによる発現された融合タンパク質の精製を可能にする。続いて、エンテロキナーゼ処理により精製リーダー配列をその後に除去して、精製されたBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドをもたらすことができる(例えば、Hochuliら(1987年)J.Chromatography 411巻:177頁;およびJanknechtら、PNAS USA 88巻:8972頁を参照)。
融合遺伝子を作製するための技法は周知である。基本的に、異なるポリペプチド配列をコードする様々なDNA断片の接合は、ライゲーションのための平滑末端または突出末端、適切な末端を生じるための制限酵素消化、必要に応じた付着末端のフィルイン、望まれない接合を回避するためのアルカリホスファターゼ処理および酵素によるライゲーションを用いる従来の技法に従って行われる。別の実施形態において、融合遺伝子は、自動DNA合成機を含む従来の技法により合成することができる。あるいは、遺伝子断片のPCR増幅は、その後にアニーリングしてキメラ遺伝子配列を作製することのできる2個の連続した遺伝子断片の間に相補的オーバーハングを生じるアンカープライマーを使用して行うことができる(例えば、Current Protocols in Molecular Biology、Ausubelら編、John Wiley & Sons:1992年を参照)。
3.例示的な治療使用
ある特定の実施形態において、本開示のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを使用して、齧歯類および霊長類、特にヒト患者等の哺乳動物における赤血球レベルを増大させることができる。その上、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドをEPO受容体アクチベーターと組み合わせて使用して、より低い用量範囲で赤血球の増加を達成することができるか、あるいは全体により高いレベルのRBCまたはより優れた奏効率を達成することができる。これは、高用量のEPO受容体アクチベーターに伴う公知のオフターゲット効果およびリスクの低下において有益であり得る。ある特定の実施形態において、本発明は、治療有効量のBMP9ポリペプチドもしくはBMP10ポリペプチドまたはBMP9ポリペプチドもしくはBMP10ポリペプチドとEPO受容体アクチベーターとの組合せ(または併用療法)を個体に投与することにより、貧血の処置または予防を必要とする個体における貧血を処置または予防する方法を提供する。これらの方法は、哺乳動物、特にヒトの治療的および予防的な処置に使用することができる。
BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドをEPO受容体アクチベーターと組み合わせて使用して、EPOの有害効果に対し感受性の患者におけるこのようなアクチベーターの必要とされる用量を低下させることができる。EPOの主要な有害効果は、ヘマトクリットまたはヘモグロビンのレベルの過剰な増大および赤血球増加症である。ヘマトクリットレベルの上昇は、高血圧(より詳細には、高血圧の増悪)および血管血栓症をもたらし得る。その一部が高血圧に関係する、報告されたことのあるEPOの他の有害効果は、血栓症、高血圧性脳症および赤血球形成不全(red cell blood cell applasia)による頭痛、インフルエンザ様症候群、シャントの閉塞、心筋梗塞および脳痙攣である(Singibarti(1994年)J. Clin Investig 72巻(増補6号)、S36〜S43頁;Horlら(2000年)Nephrol Dial Transplant 15巻(増補4号)、51〜56頁;Delantyら(1997年)Neurology 49、686〜689頁;Bunn(2002)N Engl J Med 346巻(7号)、522〜523頁)。
本明細書に開示されているBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの赤血球レベルにおける迅速な効果は、このような薬剤がEPOとは異なる機序により作用することを示す。従って、このようなアンタゴニストは、EPOに十分に応答しない患者における赤血球およびヘモグロビンのレベルの増大に有用であり得る。例えば、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、正常から増加(>300IU/kg/週)用量のEPOの投与により、標的レベルへのヘモグロビンレベルの増大がもたらされない患者に有益であり得る。不適切なEPO応答を有する患者は、あらゆる種類の貧血に見出されるが、より多数のノンレスポンダーががん患者および末期腎疾患患者において特に頻繁に観察された。EPOに対する不適切な応答は、構成的(即ち、最初のEPO処置の際に観察される)または獲得的(例えば、反復的なEPO処置の際に観察される)のいずれかであり得る。
本明細書において使用する場合、障害または状態を「予防」する治療剤は、統計学的試料において、未処置対照試料と比べて処置された試料における障害または状態の発生を低減させるか、あるいは未処置対照試料と比べて障害または状態の1種または複数の症状の発生を遅延させるかまたは重症度を低下させる化合物を指す。本明細書における用語「処置」は、指名された状態が確立された後における、指名された状態の予防法または状態の改善もしくは排除を含む。いずれの場合においても、予防または処置は、医師または他の医療提供者によって為される診断ならびに治療剤投与の企図される結果において識別することができる。
本明細書に示されている通り、EPO受容体アクチベーターと場合によって組み合わされたBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを使用して、健康な個体における赤血球、ヘモグロビンまたは網状赤血球のレベルを増大させることができ、このようなBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、選択される患者集団において使用することができる。適切な患者集団の例として、貧血の患者、および相当量の失血を生じ得る大手術または他の手順を受けようとしている患者等の望ましくない程低い赤血球またはヘモグロビンレベルを発症するリスクがある患者等の、望ましくない程低い赤血球またはヘモグロビンのレベルを有する患者集団が挙げられる。一実施形態において、適切な赤血球レベルを有する患者は、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドで処置されて赤血球レベルを増大させ、続いて血液を採取し、輸血における後での使用のために貯蔵する。
本明細書に開示されている、EPO受容体アクチベーターと場合によって組み合わされたBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを使用して、貧血の患者における赤血球レベルを増大させることができる。ヒトにおけるヘモグロビンレベルを観察すると、適切な年齢および性別カテゴリーに対して正常に満たないレベルは(個々のバリエーションも考慮に入れられるが)、貧血を示すことができる。例えば、12g/dlのヘモグロビンレベルは、一般に、一般成人集団における正常の下限と考えられる。潜在的原因は、失血、栄養欠乏、薬物療法反応、骨髄に伴う様々な問題および多くの疾患を含む。より詳細には、貧血は、例えば、慢性腎不全、骨髄異形成症候群、関節リウマチ、骨髄移植を含む、種々の障害に関連付けられてきた。貧血は、次の状態にも関連付けられてきた:固体腫瘍(例えば、乳がん、肺がん、結腸がん);リンパ系の腫瘍(例えば、慢性リンパ球白血病、非ホジキンリンパ腫およびホジキンリンパ腫);造血系の腫瘍(例えば、白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫);放射線療法;化学療法(例えば、白金含有レジメン);関節リウマチ、他の炎症性関節炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、急性または慢性皮膚疾患(例えば、乾癬)、炎症性腸疾患(例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎)等が挙げられるがこれらに限定されない、炎症性および自己免疫性の疾患;特発性または先天性の状態を含む急性または慢性の腎疾患または腎不全;急性または慢性の肝臓疾患;急性または慢性の出血;患者の同種異系抗体もしくは自己抗体および/または宗教上の理由(例えば、一部のエホバの証人)により赤血球の輸血が不可能な状況;感染症(例えば、マラリア、骨髄炎);例えば、鎌状赤血球疾患、サラセミアを含む異常ヘモグロビン症;薬物使用または乱用、例えば、アルコール誤用;輸血を回避する何らかの原因による貧血の小児患者;および循環過負荷に関する懸念により輸血を受けることのできない高齢患者または貧血を伴う根底にある心肺疾患を有する患者。
EPO受容体アクチベーターと場合によって組み合わされたBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、典型的には赤血球(RBC)形態の変化を殆ど伴わない、低増殖性骨髄(bone marrrow)の貧血の処置に適切なものとなろう。低増殖性貧血は、1)慢性疾患の貧血、2)腎臓疾患の貧血および3)低代謝状態に関連する貧血を含む。これらの種類のそれぞれにおいて、内在性エリスロポエチンレベルは、観察された貧血の程度に対し不適切に低い。他の低増殖性貧血は、4)初期鉄欠乏性貧血および5)骨髄への損傷が原因の貧血を含む。これらの種類において、内在性エリスロポエチンレベルは、観察される貧血の程度に対し適切に上昇する。
最も一般的な種類の貧血は、炎症、感染症、組織傷害およびがん等の状態を包含する慢性疾患の貧血であり、骨髄における低いエリスロポエチンレベルおよびエリスロポエチンに対する不適切な応答の両方により区別される(Adamson、2008年、Harrison's Principles of Internal Medicine、第17版;McGraw Hill、ニューヨーク、628〜634頁)。多くの因子が、がん関連の貧血に寄与し得る。その一部は、疾患過程それ自体ならびにインターロイキン−1、インターフェロン−ガンマおよび腫瘍壊死因子等の炎症性(inflamatory)サイトカインの生成に関連する(Bronら、2001年、Semin Oncol 28巻(増補8号):1〜6頁)。その効果の中でも、炎症は、重要な鉄調節性ペプチドであるヘプシジンを誘導し、これによりマクロファージからの鉄搬出を阻害し、一般に、赤血球生成のための鉄利用能を限定する(Ganz、2007年、J Am Soc Nephrol 18巻:394〜400頁)。様々な経路による失血も、がん関連貧血に寄与し得る。がん進行による貧血の罹患率は、がんの種類により変動し、前立腺がんにおける5%から、多発性骨髄腫における90%までに及ぶ。がん関連貧血は、疲労およびクオリティ・オブ・ライフの低下、処置有効性の低下および死亡率の増加を含む、患者にとって著明な結果を有する。
慢性腎臓疾患は、腎臓損傷の程度により重症度が変動する低増殖性貧血に関連する。このような貧血は、主として、エリスロポエチンの不適切な産生および赤血球の生存低下によるものである。慢性腎臓疾患は通常、数年間または数十年間の期間をかけて末期(ステージ5)疾患に徐々に進行し、この時点において、患者の生存のために透析または腎臓移植が必要とされる。貧血は多くの場合、この過程における初期に発症し、疾患が進行するにつれ悪化する。腎臓疾患の貧血の臨床結果は、十分に裏付けされており、左室肥大の発症、認知機能の損傷、クオリティ・オブ・ライフの低下および免疫機能の変更を含む(Levinら、1999年、Am J Kidney Dis 27巻:347〜354頁;Nissenson、1992年、Am J Kidney Dis 20(増補1号):21〜24頁;Revickiら、1995年、Am J Kidney Dis 25巻:548〜554頁;Gafterら、1994年、Kidney Int 45巻:224〜231頁)。EPO受容体アクチベーターと場合によって組み合わされたBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを使用して、腎臓疾患の貧血を処置することができる。
低代謝速度をもたらす多くの状態は、軽度から中等度の低増殖性貧血を生じ得る。このような状態の中でも、内分泌欠乏状態が挙げられる。例えば、貧血は、アジソン病、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進、または去勢されたかもしくはエストロゲンで処置された男性において起こり得る。軽度から中等度の貧血は、タンパク質の食事摂取の低下によって起こる場合もあり、これは高齢者において特に蔓延している状態である。最後に、貧血は、殆どあらゆる原因による慢性肝臓疾患の患者において発症し得る(Adamson、2008年、Harrison's Principles of Internal Medicine、第17版;McGraw Hill、ニューヨーク、628〜634頁)。
外傷または分娩後出血等、十分な容量の急性失血による貧血は、急性出血後貧血として公知である。他の血液成分とRBCとの比例的枯渇が存在するため、急性失血は最初に、貧血なしの血液量減少を引き起こす。しかし、血液量減少は、血管外区画から血管区画に体液をシフトさせる生理学的機序を急速に誘発し、これが血液希釈および貧血をもたらす。慢性であれば、失血は、体内の鉄貯蔵を徐々に枯渇させ、最終的に鉄欠乏をもたらす。EPO受容体アクチベーターと場合によって組み合わされたBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを使用して、急性失血の貧血からの回復速度を上げることができる。
鉄欠乏性貧血は、中間段階として負の鉄バランスおよび鉄欠乏性赤血球生成を含む、増加する鉄欠乏の段階的な進行における最終段階である。鉄欠乏は、妊娠、不適切な食事、腸吸収不良、急性または慢性の炎症および急性または慢性の失血等の状態において例証される通り、鉄需要の増加、鉄摂取の減少または鉄損失の増加に起因し得る。この種の軽度から中等度の貧血により、骨髄は低増殖性を維持し、RBC形態は大部分が正常である。しかし、軽度の貧血であっても、いくつかの小球性低色素性RBCをもたらすことがあり、重症鉄欠乏性貧血への移行は、骨髄の過剰増殖ならびにますます蔓延する小球性および低色素性RBCを伴う(Adamson、2008年、Harrison's Principles of Internal Medicine、第17版;McGraw Hill、ニューヨーク、628〜634頁)。鉄欠乏性貧血に適切な治療法は、その原因および重症度に依存し、主要な従来の選択肢として経口鉄調製物、非経口的鉄製剤およびRBC輸血が挙げられる。EPO受容体アクチベーターと場合によって組み合わされたBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを使用して、単独でまたは従来の治療的アプローチと組み合わせて慢性鉄欠乏性貧血を処置、特に多因子起源の貧血を処置することができる。
低増殖性貧血は、炎症、感染症またはがん進行に続発する機能障害の代わりに、骨髄の原発性の機能障害または不全に起因し得る。顕著な例は、がん化学療法薬またはがん放射線療法が原因の骨髄抑制である。臨床治験の広範な総説は、軽度の貧血が、化学療法後の患者の100%において起こり得るが、より重症な貧血が、このような患者の最大80%において起こり得ることを見出した(Groopmanら、1999年、J Natl Cancer Inst 91巻:1616〜1634頁)。骨髄抑制薬は、1)ナイトロジェンマスタード(例えば、メルファラン)およびニトロソウレア(例えば、ストレプトゾシン)等のアルキル化剤;2)葉酸アンタゴニスト(例えば、メトトレキサート)、プリンアナログ(例えば、チオグアニン)およびピリミジンアナログ(例えば、ゲムシタビン)等の代謝拮抗物質;3)アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン)等の細胞傷害性抗生物質(antibotics);4)キナーゼ阻害剤(例えば、ゲフィチニブ);5)タキサン(例えば、パクリタキセル)およびビンカアルカロイド(例えば、ビノレルビン)等の有糸分裂阻害剤;6)モノクローナル抗体(例えば、リツキシマブ);ならびに7)トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、トポテカンおよびエトポシド)を含む。EPO受容体アクチベーターと場合によって組み合わされたBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを使用して、化学療法剤および/または放射線療法が原因の貧血を処置することができる。
EPO受容体アクチベーターと場合によって組み合わされたBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、一部には小振りの(小球性)、大振りの(大球性)、奇形のまたは異常な色の(低色素性)RBCによって特徴付けられる混乱したRBC成熟の貧血の処置にも適切である。
患者は、通常、約10g/dl〜約12.5g/dlの間、典型的には、約11.0g/dl(Jacobsら(2000年)Nephrol Dial Transplant 15巻、15〜19頁も参照)である標的ヘモグロビンレベルに患者を回復させることが企図される投薬レジメンで処置することができるが、より低い標的レベルは、より少ない心血管副作用をもたらし得る。あるいは、ヘマトクリットレベル(細胞に占有される血液試料の容量のパーセンテージ)は、赤血球の状態の尺度として使用することができる。健康な個体のヘマトクリットレベルは、成人男性で41〜51%、成人女性で35〜45%に及ぶ。標的ヘマトクリットレベルは通常、30〜33%前後である。さらに、ヘモグロビン/ヘマトクリットレベルは、個人間で変動する。よって、最適には、標的ヘモグロビン/ヘマトクリットレベルは、患者毎に個別化することができる。
ある特定の実施形態において、本発明は、患者における1種または複数の血液学的パラメータを測定することにより、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドで処置したことがあるか、あるいはこれで処置するための候補である、患者を管理するための方法を提供する。血液学的パラメータを使用して、BMP9ポリペプチドもしくはBMP10ポリペプチドで処置する候補である患者に適切な投薬を評価する、BMP9ポリペプチドもしくはBMP10ポリペプチドによる処置の間の血液学的パラメータをモニターする、BMP9ポリペプチドもしくはBMP10ポリペプチドによる処置の間の投薬量を調整するか否かを評価する、および/またはBMP9ポリペプチドもしくはBMP10ポリペプチドの適切な維持用量を評価することができる。血液学的パラメータのうち1種または複数が、正常レベル外である場合、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドによる投薬を低下、遅延または終結させることができる。
本明細書に提示されている方法に従って測定することのできる血液学的パラメータは、例えば、本技術分野において認識される方法を使用する、赤血球レベル、血圧、鉄貯蔵、および赤血球レベルの増大と相関する体液中に存在する他の作用因子を含む。このようなパラメータは、患者由来の血液試料を使用して決定することができる。赤血球レベル、ヘモグロビンレベルおよび/またはヘマトクリットレベルの増大は、血圧の増加を引き起こすことができる。
一実施形態において、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドで処置する候補である患者において、1種または複数の血液学的パラメータが、正常範囲外であるかまたは正常の高め(high side)である場合、血液学的パラメータが自然にまたは治療介入のいずれかにより正常または許容できるレベルに戻るまで、ポリペプチドの投与の開始を遅延させることができる。例えば、候補患者が、高血圧または前高血圧症である場合、患者の血圧を低下させるために、患者を血圧降下剤で処置することができる。例えば、利尿薬、アドレナリン作動性阻害剤(アルファ遮断薬およびベータ遮断薬を含む)、血管拡張薬、カルシウムチャネル遮断薬、アンジオテンシン転換酵素(ACE)阻害剤またはアンジオテンシンII受容体遮断薬を含む、個々の患者の状態に適切ないかなる血圧降下剤を使用してもよい。あるいは、血圧は、食事および運動レジメンを使用して処置することができる。同様に、候補患者が、正常よりも低いかまたは正常の低め(low side)である鉄貯蔵を有する場合、患者の鉄貯蔵が正常または許容できるレベルに戻るまで、食事および/または鉄サプリメントの適切なレジメンで患者を処置することができる。正常赤血球レベルおよび/またはヘモグロビンレベルよりも高いレベルを有する患者に対しては、レベルが正常または許容できるレベルに戻るまで、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの投与を遅延させることができる。
ある特定の実施形態において、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドで処置する候補である患者において、1種または複数の血液学的パラメータが、正常範囲外であるかまたは正常の高めである場合、投与の開始を遅延させることができる。しかし、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの投薬量または投薬頻度は、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの投与の際に生じる血液学的パラメータの許容されない増加のリスクを低下させる量に設定することができる。あるいは、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを、望ましくないレベルの血液学的パラメータに取り組む治療剤と組み合わせる治療レジメンを患者に対し開発することができる。例えば、患者が上昇した血圧を有するか、あるいはBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドが血圧上昇を引き起こすと考えられる場合、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドおよび血圧降下剤の投与に関与する治療レジメンを設計することができる。所望の鉄貯蔵よりも低い鉄貯蔵を有する患者に対しては、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドおよび鉄補充の治療レジメンを開発することができる。
一実施形態において、1種または複数の血液学的パラメータのベースラインパラメータ(複数可)は、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドで処置する候補である患者に対して確立することができ、適切な投薬レジメンは、ベースライン値(複数可)に基づき該患者に対し確立する。あるいは、患者の病歴に基づき確立されたベースラインパラメータを使用して、患者に適切なBMP9ポリペプチド投薬レジメンまたはBMP10ポリペプチド投薬レジメンを知らせることができる。例えば、健康な患者が、定義された正常範囲を上回る確立されたベースライン血圧読み取り値を有する場合、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドによる処置前に一般集団に対して正常と考えられる範囲に患者の血圧を収める必要がない可能性がある。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドによる処置前の1種または複数の血液学的パラメータに関する患者のベースライン値は、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドによる処置の間の血液学的パラメータに対するいずれかの変化をモニターするための適切な比較値として使用することもできる。
ある特定の実施形態において、1種または複数の血液学的パラメータは、BMP9またはBMP10ポリペプチドにより処置しようとしている患者において測定される。血液学的パラメータを使用して、処置の間に患者をモニターし、BMP9またはBMP10ポリペプチドによる投薬または別の治療剤による追加的な投薬の調整または終結を許可することができる。例えば、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの投与が、血圧、赤血球レベルもしくはヘモグロビンレベルの増大または鉄貯蔵の低下をもたらす場合、1種または複数の血液学的パラメータに対するBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの効果を減少させるために、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの用量は、量または頻度を低下させることができる。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの投与が、患者に有害な1種または複数の血液学的パラメータの変化をもたらす場合、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの投薬は、血液学的パラメータ(複数可)が許容できるレベルに戻るまで一時的に、あるいは永続的に終結させることができる。同様に、1種または複数の血液学的パラメータが、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの投与の用量または頻度を低下させた後に許容できる範囲内に収まらない場合、投薬を終結させることができる。BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドによる投薬の低下または終結の代替として、あるいはこれに加えて、例えば、血圧降下剤または鉄サプリメント等、血液学的パラメータ(複数可)における望ましくないレベルに取り組む追加的な治療剤を用いて患者に投薬することができる。例えば、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドにより処置される患者が、上昇した血圧を有する場合、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドによる投薬を同じレベルで継続することができ、かつ血圧降下剤を処置レジメンに加えるか、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドによる投薬を(例えば、量および/または頻度を)低下させることができ、かつ血圧降下剤を処置レジメンに加えるか、あるいはBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドによる投薬を終結して、患者を血圧降下剤で処置することができる。
4.医薬品調製物
ある特定の実施形態において、本発明のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、薬学的に許容できる担体と共に製剤化される。例えば、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドは、単独でまたは医薬品調製物の構成成分として投与することができる。対象化合物は、ヒトまたは獣医学医薬における使用のためのいずれかの簡便な仕方における投与のために製剤化することができる。上に記す通り、プロドメインポリペプチドを含む製剤においてBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを調製することが所望され得る。
ある特定の実施形態において、本発明の治療方法は、全身的にまたはインプラントもしくは装置として局所的に調製物を投与することを含む。投与される場合、本発明における使用のための医薬品調製物は、当然ながら、パイロジェン・フリーで生理学的に許容できる形態である。上述の調製物に場合によって含まれていてよい、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチド以外の治療的に有用な薬剤は、対象のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドと同時にまたは逐次的に投与することができる。
典型的には、化合物は非経口的に投与される。非経口的投与に適した医薬品調製物は、抗酸化剤、バッファー、静菌薬、製剤に企図されているレシピエントの血液との等張性を付与する溶質、または懸濁もしくは増粘剤を含有することのできる、1種または複数の薬学的に許容できる無菌等張性の水性もしくは非水性の溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルジョンまたは直前使用に無菌注射用溶液もしくは分散液に再構成することのできる無菌粉末(例えば、凍結乾燥物(lyophilate))と組み合わせた、1種または複数のBMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドを含むことができる。本発明の医薬組成物において用いることのできる適した水性および非水性の担体の例として、水、糖、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールその他等)およびこれらの適した混合物、オリーブ油等の植物油ならびにオレイン酸エチル等の注射可能有機エステルが挙げられる。
さらに、調製物は、標的組織部位に送達するための形態においてカプセルに包むかまたは注射することができる。ある特定の実施形態において、本発明の調製物は、組織発達のための構造を提供し、最適には、体内に再吸収されることができる、標的組織部位に1種または複数の治療化合物(例えば、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチド)を送達することのできるマトリックスを含むことができる。例えば、マトリックスは、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドのゆっくりとした放出をもたらすことができる。このようなマトリックスは、他の植え込み型医療適用のために現在使用されている材料から形成することができる。
マトリックス材料の選択は、生体適合性、生分解性、機械的特性、美容上の外観および界面特性に基づく。対象組成物の特定の適用は、適切な製剤を規定する。組成物のための潜在的なマトリックスは、生分解性かつ化学的に規定された硫酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ポリ乳酸およびポリ酸無水物となり得る。他の潜在的な材料は、骨または真皮コラーゲン等、生分解性であり、かつ生物学的に十分に規定されている。さらに別のマトリックスは、純粋タンパク質または細胞外マトリックス構成成分で構成される。他の潜在的なマトリックスは、焼結ヒドロキシアパタイト、バイオガラス、アルミネート(aluminate)または他のセラミックス等、非生分解性であってかつ化学
的に規定されている。マトリックスは、ポリ乳酸とヒドロキシアパタイトまたはコラーゲンとリン酸三カルシウム等、上述の種類の材料のいずれかの組合せで構成され得る。バイオセラミックスは、カルシウム−アルミネート−ホスフェートのように、組成を変更させ、孔径、粒子径、粒子形状および生分解性を変更するよう加工することができる。
投薬量レジメンが、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの作用を変更する様々な因子を考慮しつつ、担当医によって決定されることが理解される。様々な因子として、患者の赤血球数、ヘモグロビンレベル、収縮期もしくは拡張期の血圧または他の診断評価、所望の標的赤血球数、患者の年齢、性別および食事、抑制された赤血球レベルに寄与し得るいずれかの疾患の重症度、投与の時間ならびに他の臨床因子が挙げられるがこれらに限定されない。最終組成物への他の公知の増殖因子の添加は、投薬量にも影響を与え得る。進行は、赤血球およびヘモグロビンレベルの定期的評価ならびに網状赤血球レベルおよび造血過程の他の指標の評価によりモニターすることができる。
ある特定の実施形態において、本発明はまた、BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドのin vivo産生のための遺伝子療法を提供する。このような治療法は、上に収載する障害を有する細胞または組織へのBMP9ポリヌクレオチド配列またはBMP10ポリヌクレオチド配列の導入により、その治療効果を達成する。BMP9ポリヌクレオチド配列またはBMP10ポリヌクレオチド配列の送達は、キメラウイルスまたはコロイド分散系等の組換え発現ベクターを使用して達成することができる。標的化リポソームの使用が、BMP9ポリヌクレオチド配列またはBMP10ポリヌクレオチド配列の治療送達に好ましい。
本明細書に教示されている通りに遺伝子療法に利用することのできる様々なウイルスベクターは、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアまたはレトロウイルス等のRNAウイルスを含む。レトロウイルスベクターは、マウスまたはトリのレトロウイルスの誘導体であり得る。単一の外来遺伝子を挿入することのできるレトロウイルスベクターの例として、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)、ハーベイマウス肉腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTV)およびラウス肉腫ウイルス(RSV)が挙げられるがこれらに限定されない。数多くの追加的なレトロウイルスベクターは、複数の遺伝子を組み入れることができる。形質導入された細胞を同定および作製することができるように、このようなベクターの全てが、選択可能マーカーの遺伝子を伝達または組み入れることができる。レトロウイルスベクターは、例えば、糖、糖脂質またはタンパク質を付着させることにより、標的特異的にされることができる。好ましい標的化は、抗体の使用により達成される。当業者であれば、特異的なポリヌクレオチド配列をレトロウイルスゲノムに挿入するかまたはウイルスエンベロープに付着させて、BMP9ポリヌクレオチドまたはBMP10ポリヌクレオチドを含有するレトロウイルスベクターの標的特異的な送達を可能にすることができることを認識する。
例証
本発明をここで概説してきたが、本発明は、次の実施例を参照することによりさらに容易に理解される。実施例は、単にある特定の実施形態および本発明の実施形態の説明目的のために含まれており、本発明の限定を企図していない。
(実施例1)
BMP9ポリペプチドまたはBMP10ポリペプチドの作製
BMP9またはBMP10は、R&D Systems(ミネソタ州ミネアポリス)等の商業的供給業者から購入することができる。あるいは、後述等のプロトコールに従うことができる:
BMP−9のネイティブシグナル配列を組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)のシグナル配列または別のシグナル配列に置き換えることにより、ヒトBMP−9(bBMP9)cDNA構築物を作製した。リーダー配列の例:
(i)ミツバチメリチン(HBML):MKFLVNVALVFMVVYISYIYA(配列番号14)
(ii)組織プラスミノーゲンアクチベーター(TPA):MDAMKRGLCCVLLLCGAVFVSP(配列番号15)
tPAシグナル配列をコードするDNA配列を、BMP−9のプロペプチド/成熟領域をコードするDNA配列とインフレームで融合した。このcDNA配列をpAID4ベクターにクローニングし、次のプロセシングされていない配列を有するタンパク質をコードさせた:
Figure 2017190344
BMP10ポリペプチド発現カセットを同様に産生することができる:
Figure 2017190344
PACE(フューリン)(Genbank No.P09958)の可溶性(分泌)型を発現するよう操作されたCHO DUKX B11細胞株に、BMP−9構築物をトランスフェクトした。PACEの同時発現は、BMPのプロペプチド切断を容易にする。10nMメトトレキサート(MTX)においてクローンを選択し、続いて50nM MTXにおいて増幅させて、発現を増加させた。希釈クローニングにより高発現クローンを同定し、無血清懸濁増殖に適応させて、精製のための馴化培地を作製した。場合によって、遍在性クロマチンオープニングエレメント(ubiquitous chromatin opening element)(UCOE)をベクターに含ませて、発現を容易にすることができる。例えば、Cytotechnology.2002年1月;38巻(1〜3号):43〜6頁を参照されたい。
次の配列を有する変更ActRIIb−Fc融合タンパク質をプロテインAカラム(MAb SelectSure、GE Healthcare Life Sciences)に充填し、架橋することにより調製した親和性カラムに通すことにより、親和性精製を達成した:
Figure 2017190344
0.1Mグリシン、pH3.0を用いて、カラムからBMP−9タンパク質を溶出させた。BMP10を同じ様式で調製することができる。共有結合二量体と非共有結合二量体との混合溶液としてBMP9またはBMP10が精製される場合、共有結合型と非共有結合型とは、0.1%トリフルオロ酢酸の存在下で0〜100%アセトニトリルの勾配により溶出するVydac C4カラム等の逆相HPLCを使用して分離することができる。共有結合/非共有結合二量体含量は、還元SDS−PAGEと非還元SDS−PAGEとの比較により評価することができる。
(実施例2)
野生型マウスへのBMP9の投与
赤血球生成に対するBMP9の効果を探索するため、10匹のC57BL/6マウスを無作為化して(2群、1群当たり5匹の動物)、ビヒクル(vehicle)対照(0.8mM HClおよび0.1%BSAを含有するTBS)またはBMP9(10mg/kg)の2用量を1日1回、2日間腹腔内注射により与えた。試験終了日に尾静脈から血液試料を採取した。処置後48時間目に全血を得て、全血球数(CBC)を決定した。
BMP9は、ビヒクル対照と比較して、RBC数、ヘモグロビン(HGB)レベルおよびヘマトクリット(HCT)をそれぞれ32%、34%および31%増加させた。このことは、BMP9処置が赤血球増加をもたらすことを示唆した。白血球または他の血液パラメータに対する実質的な効果はなかった。
本試験は、エリスロサイト数、ヘモグロビンレベルおよびヘマトクリットによって測定される通り、BMP9が、血流における赤血球のレベルの増大において著明で選択的かつ迅速な効果を有することを実証した。
参照による援用
本明細書に言及されているあらゆる刊行物および特許は、あたかも個々の刊行物または特許が参照により援用されていると具体的にかつ個々に示されているかのように、これによりここに本明細書の一部を構成するものとしてその内容全体を援用する。
主題の特定の実施形態について記述してきたが、上の明細書は、説明目的であって制限目的ではない。本明細書および後述する特許請求の範囲を概観すると、当業者であれば多くのバリエーションが明らかになるであろう。特許請求の範囲と共にその均等物の全範囲と、本明細書と共にこのようなバリエーションを参照することにより、本発明の全範囲を決定するべきである。

Claims (1)

  1. 本明細書に記載の発明。
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