JP2017189473A - ゲル配線構造体、生体電極、これらの製造方法、生体から電気信号を収集する方法 - Google Patents

ゲル配線構造体、生体電極、これらの製造方法、生体から電気信号を収集する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】皮膚への負担が小さく、繰り返して使用される場合に安定した特性を保持することができる、非導電性のゲル基材に伸縮可能な配線が形成されたゲル配線構造体を提供する。【解決手段】ゲル配線構造体1は、多孔質ゲル体20に導電性高分子を含有する導電配線10が形成されており、多孔質ゲル体20が炭素数3〜10のアルキレングリコールからなる群のうち、一又は複数を含有している。常温条件下ではアルキレングリコールが蒸発しないから、ゲル配線構造体1は安定した特性を保持することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、皮膚への負担が小さく、繰り返して使用される場合に安定した特性を保持することができる、ゲル配線構造体、生体電極、これらの製造方法、および生体から電気信号を収集する方法に関する。
近年、脳波などの生体情報を測定したり、ペースメーカーなど電気を用いて生体を制御したりする目的で、種々の医療器具が用いられる。これら医療器具には、効率的な情報伝達および高い生体適合性が求められる。生体に直接接触する、ゲル配線構造体および生体電極には、皮膚などへの負担が小さいことや、複数回繰り返して使用される場合にも安定した特性を保持できることが求められる。
特許文献1には、粘着力等の物性低下を少なくすることを目的として、重合性単量体に、架橋性単量体を共重合させた高分子マトリックス内に湿潤剤と水と電解質塩が含まれ、この湿潤剤は、多価アルコール単量体を重合させた重合体を50重量%以上含むとともに、多価アルコール単量体として、3価以上の多価アルコール単量体を含み、この重合体の平均分子量は150〜4000であり、水溶性を示し、かつ[(重合体中に存在するエーテル基の数+重合体中に存在するヒドロキシル基の数)/重合体中に存在する炭素原子の数]≧1/3の条件を満たす導電性高分子ハイドロゲルと電極素子とを備えてなる高分子ハイドロゲル電極が開示される。
特許文献2には、高い機械的強度および優れた柔軟性を実現することを目的として、架橋網目構造を有する第1の重合体と、第1の重合体の架橋網目構造に侵入した第2の重合体とによって構成されているゲル、導電性重合体、ドーパント、および、アルキレングリコール系化合物を含む、導電性ゲルが開示される。
特開2003−346554号公報 特開2014−133787号公報
特許文献1に開示される高分子ハイドロゲル電極は、良好な粘着特性を実現するために、特定の湿潤剤を用いるものである。当該特定の潤滑剤として、例えば、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール単量体を重合してなる水溶性の重合体を50重量%以上含むことにより、繰り返し水洗した場合などにおける物性の低下を抑制している。しかし、同文献に記載の発明は、多価アルコール単量体を重合させた重合体として用いるものであり、多価アルコールの単量体を用いるものではない。
また、特許文献2に開示される導電性ゲルは、ダブルネットワークゲル中に、導電性重合体が分散してなるゲル自体として導電性を備えたものであり、非導電性のゲル基材に配線が形成されたゲル配線構造体とは異なる。
本発明は、皮膚への負担が小さく、繰り返して使用される場合に安定した特性を保持することができる、神経や筋肉の活動に関する情報収集や監視(モニタ)のために身体に接触させたり、体内に埋め込んだりする機器(デバイス)として好ましい、非導電性のゲル基材に伸縮可能な配線が形成されたゲル配線構造体および生体電極を提供することを目的とする。また、本発明は、当該ゲル配線構造体および生体電極の製造方法および上記のゲル配線構造体および生体電極を用いた生体から電気信号を収集する方法を提供することも目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らが検討した結果、非導電性のゲル基材に伸縮可能な配線が形成されたゲル配線構造体のゲル基材の分散媒として、特定のアルキレングリコールを用いることにより、皮膚への負担が小さく、安定した特性を維持できるという新たな知見を得た。かかる知見により完成された発明は次のとおりである。
本発明は、一態様として、多孔質ゲル体に導電性高分子を含有する導電配線が形成されているゲル配線構造体であって、前記多孔質ゲル体は、炭素数3〜10のアルキレングリコールからなる群のうち、一又は複数を含有することを特徴とするゲル配線構造体を提供する。上記のアルキレングリコールは、人体に対する悪影響を及ぼさず、常温で蒸発しないことから、これを用いることにより、皮膚への負担が小さく、繰り返して使用される場合に安定した特性を維持することができる。
前記導電配線は、炭素数3〜10のアルキレングリコールからなる群のうち、一又は複数を含有してもよい。この場合、多孔質ゲル体と導電配線との分散媒が共通になるから、ゲル配線構造体の構成を簡略化することができる。
前記導電配線は、前記導電性高分子としてPEDOT(poly(ethylenedioxy)thiophene、ポリエチレンジオキシチオフェン)を含有していてもよい。この場合、PEDOTが多孔質ゲル体と導電配線との間に介在することにより、両者を強く接合することができる。
前記導電配線は、ウレタンを含有しているものであってもよい。この場合、導電配線の可撓性および弾性が高くなって耐久性が向上するから、ゲル配線構造体の特性を安定に維持することができる。
本発明は、別の一態様として、上記本発明のゲル配線構造体を備えていることを特徴とする生体電極を提供する。生体電極が本発明のゲル配線構造体を備えることにより、皮膚への負担が小さく、繰り返して使用される際、安定した特性を維持することができる。
本発明は、さらに別の一態様として、上記本発明のゲル配線構造体の製造方法であって、電解重合により導電性高分子になる単量体を含有する導電配線を基板に形成する導電配線形成工程と、炭素数3〜10のアルキレングリコールからなる群のうちの一又は複数を含有する多孔質ゲル体を形成する多孔質ゲル体形成工程と、前記導電配線と前記多孔質ゲル体とが接触した状態で、前記導電配線中の前記単量体を電解重合して導電性高分子を形成する電解重合工程と、を備えていることを特徴とするゲル配線構造体の製造方法を提供する。かかる製造方法によれば、導電配線と多孔質ゲル体とが強固に接合された、皮膚への負担が小さく、安定した特性を維持できる生体電極が得られる。
前記多孔質ゲル体形成工程は、炭素数3〜10のアルキレングリコールからなる群のうちの一又は複数と電解重合により導電性高分子になる単量体とを含有する多孔質ゲル体を形成し、前記電解重合工程は、前記導電配線中および前記多孔質ゲル体中の前記単量体を電解重合して導電性高分子とするものであってもよい。この場合、導電性高分子による導電配線と多孔質ゲル体との接合が、より強固かつ柔軟なものになる。
前記配線形成工程により形成される前記導電性高分子はPEDOTであり、前記導電配線は、炭素数3〜10のアルキレングリコールからなる群のうち一又は複数、およびウレタンを含有しているものであってもよい。
本発明は、さらに別の一態様として、上記本発明のゲル配線構造体を備えている生体電極の製造方法であって、前記ゲル配線構造体を、上記本発明の製造方法により製造することを特徴とする生体電極の製造方法を提供する。かかる製造方法によれば、導電配線とゲル構造体とが強固に接合された、皮膚への負担が小さく、安定した特性を維持できる生体電極が得られる。
本発明は、さらに別の一態様として、上記生体電極または上記生体電極の製造方法により製造された生体電極を生体に接触させて、電気信号を収集する、生体から電気信号を収集する方法を提供する。かかる方法によれば、生体からの電気信号を生体への負担少なく、安定的に収集することが可能である。
前記生体は、ヒトであってもよいし、ヒト以外の哺乳類または鳥類であってもよい。
収集対象となる前記電気信号は、脳の動作に関する電気信号であってもよいし、心臓の動作に関する電気信号であってもよい。
本発明によれば、多孔質ゲル体の分散媒として炭素数3〜10のアルキレングリコールを含有しているから、人体への悪影響を及ぼさず、また、常温雰囲気下で分散媒が蒸発したり、0℃以下の低温条件下において分散媒が凝固したりすることがない。したがって、皮膚への負担が小さく、かつ複数回繰り返して使用される場合に安定した特性を保持できるゲル配線構造体および生体電極が提供される。または、本発明により、当該ゲル電極構造体、生体電極を用いた生体から電気信号を収集する方法が提供される。
(a)本発明の一実施形態に係るゲル配線構造体の構成の概略を示す斜視図である、(b)ゲル配線構造体の構成を模式的に示す図1(a)のA−A’断面図である。 (a)(b)(c)ゲル配線構造体の製造方法を説明する断面図である。 本発明の一実施形態に係るゲル配線構造体を備えている生体電極の構成を概念的に示す斜視図である。 本発明のいくつかの実施形態に係る生体電極の使用状態の一例を示す概念図である。 本発明のいくつかの実施形態に係る生体電極の使用状態の他の一例を示す概念図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
図1(a)は、本発明の一実施形態に係るゲル配線構造体の構成の概略を示す斜視図であり、図1(b)は、ゲル配線構造体の構成を模式的に示した図1(a)のA−A’断面図である。図1(a)に表されるように、本発明の一実施形態に係るゲル配線構造体1は、多孔質ゲル体20に導電性高分子を含有する導電配線10が形成されてなるものである。また、図1(b)に表されるように、多孔質ゲル体20と導電配線10との接触部において、多孔質ゲル体20および導電配線10にそれぞれ含有されているEDOT((ethylenedioxy)thiophene、エチレンジオキシチオフェン)モノマーが電解重合されてなるPEDOT(poly(ethylenedioxy)thiophene、ポリエチレンジオキシチオフェン)11を備えている。PEDOT11を介して導電配線10と多孔質ゲル体20とが接合されている。
導電配線10は、伸縮性を有する導電体であればよい。導電配線10に導電性を付与する導電性高分子としては、上述したPEDOTの他、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリビチオフェン、ポリイソチオフェン、ポリドデシルチオフェン、ポリイソナフトチオフェン、ポリ−3−ヘキシルチオフェン、ポリアニリン、ポリイソチアナフテン、ポリチアジル、ポリフェニレン、ポリフルオレン、ポリジアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリフェニレンスルフィドなどを用いることができる。
導電性高分子は、さらに、不純物(以下、「ドーパント」という)を含有していてもよい。導電性高分子に添加するドーパントの種類や量により、単量体を重合して得られる導電性高分子の導電率や導電型を制御することができる。ドーパントとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸(PSS、(poly(styrene sulfonic acid))や硝酸カリウム(KNO)を用いることができる。
導電配線10は、ウレタンと、電解重合によりPEDOT11となるEDOTモノマー(単量体)とを含有してなるものである。ウレタンを含有することにより、変形に強くなるから、断線を防止することができる。また、導電配線10と多孔質ゲル体20とを接触させた状態で、接触部のEDOTモノマーを電解重合してPEDOT11を形成することで、導電配線10と多孔質ゲル体20とを強固かつ柔軟に接合することができる。
上述したように、導電配線10のEDOTモノマーを電解重合してPEDOT11を形成すれば、強固かつ柔軟に多孔質ゲル体20と接合することが可能である。本実施形態のゲル配線構造体1は、EDOTモノマーが導電配線10および多孔質ゲル体20に含有されている。このため、導電配線10と多孔質ゲル体20との接合部で電解重合することにより、導電配線10と多孔質ゲル体20との接触部近傍のEDOTモノマーを重合してPEDOT11を形成することができる。したがって、図1(b)に示すように、PEDOT11が多孔質ゲル体20内部にまで成長することにより、PEDOT11を介して導電配線10と多孔質ゲル体20とを強固かつ柔軟に接合できる。
多孔質ゲル体20に含有されるEDOTモノマーは、接触部にあるものが選択的に電解重合されてPEDOT11となる。このため、多孔質ゲル体20に含有されるEDOTモノマーのうち、接触部以外のEDOTモノマーは単量体のままである。したがって、多孔質ゲル体20は、電気抵抗が高い非導電性のゲル基材であって、電流は導電配線10を流れることとなる。
導電配線10は、後述する多孔質ゲル体20同様、炭素数3〜10のアルキレングリコールからなる群のうち、一又は複数を含有してもよい。導電配線10と多孔質ゲル体20との分散媒を共通にすることにより、ゲル配線構造体1の製造工程を簡略化できるとともに、電解重合工程によりPEDOT11が形成される際の導電配線10と多孔質ゲル体20とが均質な状態になるから、PEDOT11による接合を強固なものとすることができる。
多孔質ゲル体20は、電気抵抗が高い非導電体であり、例えば、アガロースゲル、コラーゲン、グルコマンナン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート、ポリビニルピロリドンなどの重合体を含有してなるものであり、分散媒として炭素数3〜10のアルキレングリコール(以下、「C3〜C10」とも記す)を含有する。
炭素数3〜10のアルキレングリコールとしては、C3:プロピレングリコール(プロパンジオール)、C4:ブチレングリコール(ブタンジオール)、C5:ペンチレングリコール(ペンタンジオール)、C6:ヘキシレングリコール(ヘキサンジオール)、C7:ヘプチレングリコール(ヘプタンジオール)、C8:オクチレングリコール(オクタンジオール)、C9:ノニレングリコール(ノナンジオール)、C10:デキレングリコール(デカンジオール)が挙げられる。これらは、単独で使用しても、複数を混合して使用してもよい。なお、上記のアルキレングリコールのうち、常温で固体である上記C8〜C10は、融点まで加熱した状態、またはC3〜C7と混合して用いられる。
本実施形態の多孔質ゲル体20は、上述したように炭素数3〜10のアルキレングリコールが分散媒であって、水を実質的に含んでいない。炭素数3〜10のアルキレングリコールは、ヒトに対する安全性が高いから、人体に接触した場合に、悪影響を与えることがない。また、アルキレングリコールを分散媒として用いることにより、分散媒が室温条件下で蒸発せず、0℃以下の低温条件下で凝固しないから、安定した特性を維持することができる。
本発明において、水を実質的に含んでいないとは、常温条件下において、多孔質ゲル体20の水が蒸発することによって多孔質ゲル体20の含水率が変化しないことをいう。たとえば、多孔質ゲル体20の含水率が1質量%以下、好ましくは0.1質量%以下であることをいう。
多孔質ゲル体20は、架橋網目構造を有する第1の重合体と、該第1の重合体の該架橋網目構造に侵入した第2の重合体とを含むダブルネットワークゲル(以下「DNゲル」ともいう。)を備えたものが好ましい。
第1の重合体(高分子、ポリマー)は、架橋網目構造を有する重合体である。たとえば、アクリル酸、アクリルアミド、酢酸ビニル等の単量体(モノマー)を重合して得られる重合体を用いることができる。単量体を重合する際に用いられる架橋剤としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。単量体は、光を照射して光重合させることにより第1の重合体となる。光重合の際に用いる光重合開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(最大吸収波長260nm付近)、2−オキソグルタル酸(2-oxoglutaric acid)や二硫酸カリウム(K)等を用いることができる。
第2の重合体は、多孔質ゲル体20の第1の重合体の架橋網目構造に侵入するものである。例えば、アクリルアミド、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の単量体を重合させて得られる重合体が用いられる。単量体の重合は、第1の重合体同様、光重合開始剤を用いた光重合により行うことができる。
(多孔質ゲル体20の合成例)
ダブルネットワークゲル構造を備えた多孔質ゲル体20は、例えば、以下のようにして合成することができる。
(1st ネットワークゲルの作製)
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の水溶液(2mol/L)を12.5ml、架橋剤(N,N’−メチレンビスアクリルアミド)の水溶液(0.2mol/L)を10ml、および光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)の水溶液(0.1mol/L)を1ml、ビーカーに入れ、純水を加えて総量25mlに調整する。その後、当該混合水溶液をシャーレに入れる。上記シャーレにUVを8時間照射して、単量体を光ラジカル重合させて、重合体とする。
上記重合体の電解質ゲルを乳鉢に入れ適当なサイズに砕いた後,デシケーター内で一週間ほど乾燥させて、乾燥した寒天様の状態とする。
(プロピレングリコールDNゲル(2ndネットワークゲル)の作製)
アクリルアミドのプロピレングリコール溶液(5mol/L)を40ml、架橋剤(N,N’−メチレンビスアクリルアミド)のプロピレングリコール溶液(0.2mol/L)を5ml、光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキしているフェニルケトン)のプロピレングリコール溶液(0.1mol/L)を1ml、ビーカーに入れて、プロピレングリコールを加えて総量200mlに調製して第2の重合体用溶液を作製する。また、チオフェン(EDOTモノマー、単量体)も適量混合しておく。
乾燥した寒天様の状態となった上記電解質ゲルを乳鉢で適当な大きさに砕いた後、上記第2の重合体用溶液に入れて24時間〜48時間放置して、電解質ゲルを十分に膨らませた。その後、ゲルを取り出し、紫外線(UV)を照射し中性モノマーを光ラジカル重合させる。UV照射は、6時間〜24時間とする。
(ゲル配線構造体の製造方法)
上述した、ゲル配線構造体の製造方法を以下に説明する。
図2(a)〜図2(c)は、ゲル配線構造体の製造方法を説明する断面図である。図2(a)に示すように、導電配線形成工程により、基板30に導電配線10を形成する。この導電配線10は、後の電解重合工程により導電性高分子になる単量体として、EDOTモノマー(単量体)を含有している。多孔質ゲル体形成工程により、EDOTモノマーおよび炭素数3〜10のアルキレングリコールからなる群のうちの一又は複数を含有する多孔質ゲル体20を形成する。
図2(b)に示すように、導電配線10と多孔質ゲル体20とが接触した状態で、導電配線10および多孔質ゲル体20が含有するEDOTモノマーを電解重合して、導電配線10と多孔質ゲル体20との間にPEDOT11の層を形成する電解重合工程を行う。このように、導電配線10と多孔質ゲル体20とを接触させて、接触部でEDOTモノマーを電解重合してPEDOT11とすることにより、導電配線10と多孔質ゲル体20とを接合することができる。すなわち、電解重合工程により、PEDOT11が導電配線10から多孔質ゲル体20内部にまで絡みつくようにして成長するから、PEDOT11を介して導電配線10と多孔質ゲル体20とを強固かつ柔軟に接合することができる。
そして、図2(c)に示すように、基板30から導電配線をはがすことにより、ゲル配線構造体1が得られる。
なお、図2(a)〜図2(c)には、シート状の多孔質ゲル体20の表面に導電配線10を形成した例を記載したが、厚みのある多孔質ゲル体20の内部に導電配線10を形成した3D配線(三次元配線)を形成することも可能である。
(生体電極)
図3は、本発明の一実施形態に係るゲル配線構造体を備えている生体電極2の構成を概念的に示す斜視図である。図1(b)に示すように、生体電極2は、多孔質ゲル体20に導電配線10が形成されてなるゲル配線構造体1を備えたものであり、ゲル配線構造体1の両端にはそれぞれ、生体側の端部12および、機器側の端子13が設けられている。
本実施形態の生体電極2は、多孔質ゲル体20の分散媒として、炭素数3〜10のアルキレングリコールを含有している。したがって、皮膚への負担が小さく、また、多孔質ゲル体20の分散媒が常温で蒸発しないから、複数回繰り返して使用される場合に安定した特性を維持することができる。なお、図3には、フィルム状の多孔質ゲル体20に導電配線10が形成された生体電極2を例示したが、多孔質ゲル体20はフィルム状のものに限られない。
(生体から電気信号を収集する方法)
本発明のいくつかの実施形態に係る生体電極を、生体表面に押圧して、生体電極の生体接触端部を生体の皮膚に接触させ、生体接触端部から電気信号を収集することにより、生体から電気信号を収集することができる。測定対象である生体の種類は特に限定されない。生体の例として、毛や羽を有する哺乳類や鳥類が挙げられる。哺乳類の具体例として犬、猫等の愛玩動物、牛等の家畜、サル等の野生種、ヒトなどが挙げられ、鳥類の具体例として、ニワトリ、ハトなどの家畜種、トキ、ライチョウなどの野生種が挙げられる。ヒトが測定対象であって脳波を測定する場合には、測定部位が頭であっても、毛髪を適切に避けて、頭皮に接触することが可能である。測定信号の種類も限定されない。上記のように脳波であってもよいし、心臓の動作に関する電気信号(心電図を得るための信号が具体例として挙げられる。)であってもよい。
図4は、本発明のいくつかの実施形態に係る生体電極の使用状態の一例を示す概念図である。図4に示される使用例では、測定対象はヒトBBHであり、ヒトBBHの頭部にヘッドギアHGが取り付けられている。ヘッドギアHGは、ネットキャップ3に複数の生体電極2が取り付けられ、生体電極2の端部12(図3参照)が頭皮に接触した状態はネットキャップ3により維持される。それぞれの生体電極2の端子13(図3参照)に電気的に接続されたリード線4はターミナル5に集められて、図示しない測定装置へと接続される。
図5は、本発明のいくつかの実施形態に係る生体電極の使用状態の他の一例を示す概念図である。図5に示される使用例では、測定対象はヒト以外の動物(具体的にはウシである。)BBAであり、動物BBAの胴部に固定ギアBGが取り付けられている。固定ギアBGは、ネット6に複数の生体電極2が取り付けられ、生体電極2の端部12(図2参照)が動物BBAの肌に接触した状態はネット6により維持される。それぞれの生体電極2の端子13に電気的に接続されたリード線4はターミナル5に集められて、図示しない測定装置へと接続される。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…ゲル配線構造体
2…生体電極
3…ネットキャップ
4…リード線
5…ターミナル
6…ネット
10…導電配線
11…PEDOT(導電配線)
12…端部
13…端子
20…多孔質ゲル体
30…基板
HG…ヘッドギア
BBH…ヒト
BG…固定ギア
BBA…動物

Claims (14)

  1. 多孔質ゲル体に導電性高分子を含有する導電配線が形成されているゲル配線構造体であって、
    前記多孔質ゲル体は、炭素数3〜10のアルキレングリコールからなる群のうち、一又は複数を含有することを特徴とするゲル配線構造体。
  2. 前記導電配線は、炭素数3〜10のアルキレングリコールからなる群のうち、一又は複数を含有することを特徴とする請求項1記載のゲル配線構造体。
  3. 前記導電配線は、前記導電性高分子としてPEDOT(poly(ethylenedioxy)thiophene、ポリエチレンジオキシチオフェン)を含有している請求項1または2に記載のゲル配線構造体。
  4. 前記導電配線は、ウレタンを含有している請求項1から3のいずれか一項に記載のゲル配線構造体。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のゲル配線構造体を備えていることを特徴とする生体電極。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載のゲル配線構造体の製造方法であって、
    電解重合により導電性高分子になる単量体を含有する導電配線を基板に形成する導電配線形成工程と、
    炭素数3〜10のアルキレングリコールからなる群のうちの一又は複数を含有する多孔質ゲル体を形成する多孔質ゲル体形成工程と、
    前記導電配線と前記多孔質ゲル体とが接触した状態で、前記導電配線中の前記単量体を電解重合して導電性高分子を形成する電解重合工程と、
    を備えていることを特徴とするゲル配線構造体の製造方法。
  7. 前記多孔質ゲル体形成工程は、炭素数3〜10のアルキレングリコールからなる群のうちの一又は複数と電解重合により導電性高分子になる単量体とを含有する多孔質ゲル体を形成し、
    前記電解重合工程は、前記導電配線中および前記多孔質ゲル体中の前記単量体を電解重合して導電性高分子とする、
    請求項6に記載のゲル配線構造体の製造方法。
  8. 前記配線形成工程により形成される前記導電性高分子はPEDOTであり、前記導電配線は、炭素数3〜10のアルキレングリコールからなる群のうち一又は複数、およびウレタンを含有している請求項6または7に記載のゲル配線構造体の製造方法。
  9. 請求項5に記載のゲル配線構造体を備えている生体電極の製造方法であって、
    前記ゲル配線構造体を、請求項6から8のいずれか一項に記載の製造方法により製造することを特徴とする生体電極の製造方法。
  10. 請求項5に記載される生体電極または請求項9に記載される生体電極の製造方法により製造された生体電極を生体に接触させて、電気信号を収集する、生体から電気信号を収集する方法。
  11. 前記生体はヒトである、請求項10に記載の生体から電気信号を収集する方法。
  12. 前記生体はヒト以外の哺乳類または鳥類である、請求項10に記載の生体から電気信号を収集する方法。
  13. 収集対象となる前記電気信号は、脳の動作に関する電気信号である、請求項10から12のいずれか一項に記載の生体から電気信号を収集する方法。
  14. 収集対象となる前記電気信号は、心臓の動作に関する電気信号である、請求項10から12のいずれか一項に記載の生体から電気信号を収集する方法。
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