JP2017185237A - Tmr素子を有するウエアラブル端末 - Google Patents

Tmr素子を有するウエアラブル端末 Download PDF

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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
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Abstract

【課題】来の脈波の測定装置とは異なる方法で測定できる新しい装置を提供するものであって、測定対象部位の脈波等の情報を非接触で検出することができるウエアラブル端末を提供する。【解決手段】測定対象部位50で発生する脈波等の情報60を非接触で検出することができるウエアラブル端末1であって、反平行結合膜構造体15を有する磁気抵抗効果素子10を有するように構成して上記課題を解決した。このウエアラブル端末1は、ブレスレット型、めがね型又はヘッドギア型であるように構成できる。また、ウエアラブル端末1は、測定対象部位60又はその近くに磁石21が配置されていることが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、TMR素子を有するウエアラブル端末に関し、さらに詳しくは、測定対象部位の脈波や嚥下で発生する信号等の情報をTMR素子で非接触で検出することができるウエアラブル端末に関する。
脈波は、心臓の拍動にともなう末梢血管系内の血圧変化や体積変化を波形としてとらえたものであり、通常は、例えば特許文献1で提案される脈波計測装置が用いられている。この脈波計測装置は、バネで付勢された一対のクリップ片からなる測定部を備えている。その測定部は、一方のクリップ片に発光部が設けられ、他方のクリップ片に受光部が設けられており、指先を一対のクリップ片で挟んでから発光部を発光させると、指先を透過した光が受光部に取り込まれる。受光部には、受光した光の強度に応じて電流を発生させる素子を備えており、その素子から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、その後にデータ処理して脈波情報を得ている。
一方、クリップ片で挟まない態様の脈波計測装置としては、例えば特許文献2では光センシング技術を利用した装置が提案されている。この装置は、光源であるLEDを生体内に向けて照射し、受光部となるフォトダイオードを用いて、生体内を透過して反射した光を計測している。
また、特許文献3では、圧電素子を用いた脈波センサが提案されている。このセンサは、心臓の鼓動に伴う血管壁の振動を、圧電効果を利用して測定するものである。このセンサは、特許文献1,2のように血管壁の振動による血管の膨らみをヘモグロビンの光吸収量で検出して脈波を容積波形として算出するものではないので、分解能が高いという利点があるとされている。
また、特許文献4では、トンネル磁気抵抗素子(TMR素子)をセンサ部に備え、磁歪に基づく磁気抵抗率の変化等を通じて対象物の圧力変化を検知するように構成した微小圧力検知素子が提案されている。
特開2009−131483号公報 特開2015−80601号公報 WO2013/145352 特開2002−148132号公報
特許文献4で提案された微小圧力検知素子は、TMR素子に圧力が加わると磁歪効果(圧力によって磁化が変化する効果)によってTMR素子中の磁化の角度変化が起こり、その磁化の角度変化をTMR効果等の磁気抵抗効果を用いて電流の変化として読み出すという原理であり、圧力センサとして使用されている。しかしながら、磁歪があると測定感度が低下しやすいという難点があった。
本発明は、上記した従来の脈波の測定装置とは異なる方法で測定できる新しい装置を提供するものであって、その目的は、測定対象部位の脈波や嚥下で発生する信号等の情報を非接触で検出することができるウエアラブル端末を提供することにある。
本発明に係るウエアラブル端末は、測定対象部位で発生する脈波等の情報を非接触で検出することができるウエアラブル端末であって、反平行結合膜構造体を有する磁気抵抗効果素子を有することを特徴とする。
この発明に係るウエアラブル端末は、磁歪効果によって起こる磁化の角度変化を検出するものではなく、反平行結合膜構造体を有する磁気抵抗効果素子が、測定対象部位で発生した磁界を空間的にとらえ、とらえた磁界の変化を磁化の角度変化として検出し、その角度変化をTMR効果によって抵抗の変化(電流の変化)として読み出すという原理である。特に、磁石を測定対象部位の近くに配置することにより、その磁石によって、磁界の変化を増幅してTMR素子での検出感度を高めている。
本発明に係るウエアラブル端末において、ブレスレット型、めがね型又はヘッドギア型であるように構成できる。
本発明に係るウエアラブル端末において、前記測定対象部位又はその近くに磁石が配置されているように構成できる。
本発明に係るウエアラブル端末において、前記情報が、嚥下動作での発生信号である。この発明によれば、脈波以外にも嚥下動作に由来する発生信号もとらえることができ、今後の嚥下関連筋群の筋力や筋力測定に応用でき、嚥下機能の改善に向けた新しいデバイスとして期待できる。
本発明によれば、従来の脈波等の測定装置とは異なる方法で測定できる新しい装置を提供するものであって、測定対象部位の脈波や嚥下で発生する信号等の情報を非接触で検出することができるウエアラブル端末を提供することができる。
本発明に係るウエアラブル端末の一例を示す模式図である。 本発明に係るウエアラブル端末による他の一例を示す模式図である。 磁気抵抗効果素子の一例を示す構成図である。 ウエアラブル端末の形態例を示す外観図である。 実験1で得た測定データ(その1)である。 実験1で得た測定データ(その2)である。 実験2で嚥下動作信号の検出を試みたTMR素子(A)とそのTMR素子を含むセンサ装置(B)を示す写真である。 実験2で得た測定データである。 実験2で得た他の測定データである。 実験2で得たさらに他の測定データである。
以下、本発明に係るウエアラブル端末について図面を参照しつつ説明する。なお、本発明は図示の実施形態に限定されるものではない。
[ウエアラブル端末]
本発明に係るウエアラブル端末1は、従来の脈波等の測定装置とは異なる方法で測定できる新しい装置である。このウエアラブル端末1は、図1〜図3に示すように、測定対象部位50で発生する脈波等の情報60を非接触で検出することができるものであって、反平行結合膜構造体15を有する磁気抵抗効果素子(以下「TMR素子」という。)10を有することに特徴がある。
このウエアラブル端末1は、磁歪効果によって起こる磁化の角度変化を検出するものではなく、反平行結合膜構造体15を有するTMR素子10が、測定対象部位50で発生した磁界を空間的にとらえ、とらえた磁界の変化を磁化の角度変化として検出し、その角度変化をTMR効果によって抵抗の変化(電流の変化)として読み出すという原理である。
以下、ウエアラブル端末の各構成要素を説明する。
(TMR素子)
TMR素子10は特に限定されず、測定対象部位50で発生した磁界を空間的にとらえ、とらえた磁界の変化を磁化の角度変化として検出し、その角度変化をTMR効果によって抵抗の変化(電流の変化)として読み出す原理を実現できるTMR素子を適用できる。TMR素子10としては、図4に示すように、強磁性金属磁化固定層(磁化固定層という。)11と、絶縁層13と、強磁性金属磁化自由層(磁化自由層という。)12とを有している。こうしたTMR素子10は、磁化固定層11の磁化と磁化自由層12の磁化との相対角度により抵抗が変化する。磁化固定層11及び磁化自由層12を構成する磁性材料は特に限定されないが、例えば、CoFeB合金、CoFe合金、CoFeNi合金、CoFeNiB合金等を挙げることができる。また、絶縁層13としては、MgO等を好ましく挙げることができ、高い磁気抵抗比が得られる。
TMR素子10では、磁化自由層12及び磁化固定層11の一方又は両方が反平行結合膜構造体15になっていることが好ましい。反平行結合膜構造体15を備えるTMR素子10は、測定対象部位50で発生した磁界を空間的にとらえ、とらえた磁界の変化を磁化の角度変化として検出し、その角度変化をTMR効果によって抵抗の変化(電流の変化)とすることができるので、本発明で好ましく適用できる。
反平行結合膜構造体15は、第1の強磁性層15aと、第2の強磁性層15bと、第1の強磁性層15aと第2の強磁性層15bとの間に挟まれる極薄非磁性層15cとを有している。第1の強磁性層15aの磁化と第2の強磁性層15bの磁化とは、反平行になる交換結合力を有している。第1の強磁性層15a及び第2の強磁性層15bについては特に限定されず、本発明の効果を奏することができる磁性材料を採用することができる。反平行結合膜構造体15では、極薄非磁性層15cの膜厚に依存して2つの強磁性層15a,15bの磁化に交換相互作用が働き、ある膜厚でお互いの磁化が反平行に向くように強く結合する。
反平行結合膜構造体15の一例としては、第1の強磁性層15a及び第2の強磁性層15bの一方をCoFeB合金又はCoFe合金とし、他方を面心立方構造を有するCoFe合金又はNiFe合金とすることができる。また、極薄非磁性層15cとしては、Ru層等を挙げることができ、その厚さは例えば0.8nm前後であることが好ましい。なお、CoFe合金又はNiFe合金は、通常、下地層を介して形成されている。下地層としては、Ta/Ru等の積層膜を好ましく挙げることができる。
これらの各層は、熱酸化膜付きの基板上に、超高真空スパッタリング法等の各種の成膜手段で形成することができる。また、必要に応じて例えば300℃前後で熱処理が施されていることが好ましい。この範囲内の温度での熱処理により、高い反平行結合強度を有する反平行結合膜構造体15を作製することができる。これらの各層が設けられる基板としては、耐熱性と耐エッチング液性のあるシリコン基板や石英基板等を挙げることができる。シリコン基板や石英基板は、成膜工程や耐熱性に優れるので、好ましく適用できる。
TMR素子10は、上記した単位構造の磁気トンネル接合(MTJ)を二次元に配列して構成される。後述の実施例では、微細加工技術によって、100個×100個のMTJを並列及び直列に接続して回路を形成している。こうした多くのMTJを配列した回路することにより、ノイズを低減することができる。
(磁石)
磁石21は、ウエアラブル端末1に好ましく設けられる。磁石21は、図2及び図3に示すように、測定対象部位50又はその最も近い箇所52に配置される。この磁石21を測定対象部位50又はその最も近い箇所52に配置することにより、その磁石21によって、磁界の変化を増幅してTMR素子10での検出感度を高めることができる。
磁石21の種類は特に限定されないが、フェライト磁石、金属磁石、プラスチック磁石、ゴム磁石等、各種のものを利用可能である。フェライト磁石としては、バリウムフェライト磁石やストロンチウムフェライト磁石等を挙げることができ、金属磁石としては、アルニコ磁石や希土類磁石(サマリウムコバルト磁石、ネオジウム磁石)等を挙げることができ、プラスチック磁石としては、フェライトプラスチック磁石やネオジウムプラスチック磁石等を挙げることができ、ゴム磁石としては、フェライトゴム磁石やネオジウムゴム磁石等を挙げることができる。なかでも、低コストや磁力の大きさの観点から、フェライト磁石、フェライトプラスチック磁石、フェライトゴム磁石等が好ましく用いられる。
(構造形態)
ウエアラブル端末1は、ブレスレット型、めがね型又はヘッドギア型のような各種の構造形態とすることができる。図3は、ブレスレット型(又は時計型)のウエアラブル端末1である。このブレスレット型のウエアラブル端末1は、時計と同様の形態になっており、文字盤に相当する部分にTMR素子10等の主要部品が配置されている。このウエアラブル端末1を手首に時計のように装着する場合、図2に示すように、磁石21を脈波の発生源60に最も近い箇所52に配置するために、磁石21は図3に示すバンド接続部に配置されていることが好ましい。なお、ブレスレット型のウエアラブル端末1は、図3に例示する形態に限定されない。
めがね型のウエアラブル端末1は、脈波の測定に特に好ましい頸動脈に近い位置に装着できるので、頸動脈からの脈波情報を検出することができる点で好ましい。めがね型のウエアラブル端末1では、めがねフレームにTMR素子10等の主要部品を仕込み、首の頸動脈の上に磁石を貼り付けておくことにより、めがねネフレーム内に仕込んだTMR素子10が、磁化の変化を検出することができる。なお、TMR素子10等の主要部品とは、TMR素子10、電池、回路、マイクロコンピュータ、無線装置等を挙げることができる。
各種のウエアラブル端末1に設けられるTMR素子10の設置位置は、特に限定さればいが、測定対象部位50に最も近い箇所52でもよいし、図1〜図3に示すように、測定対象部位50から少し離れたところでもよい。なお、磁石21は、最も近いところに設けられていることが好ましい。
(主要部品)
ウエアラブル端末1は、TMR素子10の他、種々の主要部品を備えている。主要部品としては、例えば、電池、回路、マイクロコンピュータ、無線装置等を挙げることができる。例えば、図3に示すブレスレット型のウエアラブル端末1の例では、TMR素子10と、回路と、電池と、ブルートゥース(登録商標)と、マイクロコンピュータとを有している。さらに、このウエアラブル端末1からの信号を受信するスマートフォンを組み合わせることが好ましい。
これらの主要部品は、反平行結合膜構造体を有するTMR素子10が測定対象部位50で発生した磁界を空間的にとらえ、とらえた磁界の変化を磁化の角度変化として検出し、その角度変化をTMR効果によって抵抗の変化(電流の変化)として読み出すためにそれぞれ機能する。電流は、必要に応じて増幅やノイズキャンセリングされて、マイクロコンピュータにより出力され、有線又は無線によって表示装置や解析装置等に送信することができる。送信手段としては、信号線による有線送信であってもよいし、モバイル通信で利用されているBluetooth(登録商標)による近距離通信手段であってもよい。
以上説明した本発明に係るウエアラブル端末1は、脈波等を検知することができるとともに、心拍、脈拍等も併せて検知することができる。また、自律神経機能等の生体情報を計測することもでき、健康情報をモニタリングするウエアラブル端末1としても好ましく利用できる。特に自律神経機能について解析することができれば、ストレスチェックに役立てることができ、さらにはリラックス状態も検出することができる。こうした状態解析により、ストレス状態とリラックス状態とを可視化し、自身でストレスとリラックスをマネジメントすることもできるウェアラブルデバイスとして応用することもできる。
また、このウエアラブル端末1に、圧力センサや振動センサ等の他のセンサ装置を複合させてもよい。そうした複合により、各種の情報を複合的に検出することができ、総合的な解析を実現することも可能になる。
(嚥下機能改善への応用)
本発明に係るウエアラブル端末1は、測定対象部位で発生する脈波等の情報を非接触で検出することができるが、その情報として、嚥下動作での発生信号も測定可能であることが明らかになった。脈波以外にも嚥下動作に由来する発生信号もとらえることができることから、今後の嚥下関連筋群の筋力や筋力量の測定に応用でき、嚥下機能の改善に向けた新しいデバイスとして期待できる。
嚥下(えんげ)は、いわゆる物を飲み込む動作であり、嚥下障害(嚥下困難とも言う。)は、例えば病気や年をとること等で水や食べ物が飲み込みにくくなること等を含み、特に水や食べ物が肺の方に行ってしまうことを「誤嚥(ごえん)」という。嚥下障害が起こると、食物摂取障害による栄養低下と、食べ物の気道への流入誤嚥による肺炎(嚥下性肺炎,誤嚥性肺炎)が起こりやすくなる。嚥下障害を引き起こす疾患としては、例えば脳梗塞や脳出血等の脳血管障害、神経や筋疾患等が挙げられるが、高齢者の肺炎のかなりの部分は、加齢による嚥下機能の低下による誤嚥によって引き起こされているともいわれ、高齢社会を迎えてその対応が問題になっている。
従来では、口腔から咽頭にかけては目視観察によって行われているが、下咽頭や喉頭の機能を確認するには喉頭ファイバー等の内視鏡検査が必要になる。また、実際に食物等を嚥下させて誤嚥等を検出する検査には嚥下内視鏡検査を行わなければならない。また、実際に食べ物がどのようにのみ込まれるかを調べるには、造影剤を用いて嚥下状態をX線透視下に観察する嚥下造影検査をしなければならない。また、摂食嚥下能力を評価するために、舌圧測定器で検討した例もある。また、嚥下機能を改善するために、干渉電流型低周波治療器や光電グロトグラフィで筋力や神経を刺激して改善を試みたりする例がある。しかし、これらは、嚥下機能が低下した後に検査するケースが多く、予め嚥下機能が低下しないようにするための手立てについては実験的に検討されておらず、そのため統計的な解析もされていない。
本発明に係るウエアラブル端末1は、上記した問題を解決するのに役立つものであるとともに、予め嚥下機能が低下しないようにするための予防手段や低下した後に改善するための回復手段についての実験的検討に利用でき、統計的な解析をするのに役立つ素子であって、嚥下動作での発生信号を測定することができるというものである。こうした信号を測定できれば、嚥下関連筋群の筋力や筋力量の測定に応用でき、具体的には、どのような運動、動作、食事、生活習慣を行えば、嚥下機能回復、維持又は低下抑制を実現できるかを、本発明に係るウエアラブル端末1を適用して簡易に評価することができる。さらに、このウエアラブル端末1は、嚥下動作での発生信号をアプリケーションソフトと関連させれば、遠隔での状況確認、嚥下機能回復、嚥下機能低下等を測定し、管理することも可能になる。
ウエアラブル端末1は、測定対象部位である嚥下で発生する信号情報を非接触で検出することができるので、非侵襲的(無痛性)に筋活動を計測でき、筋萎縮等の計測も可能である。しかも、小型で大がかりなシールドも不要であるという利点もある。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は以下の実験例に限定されない。
[実験1]
TMR素子10は、図4に示すように、磁化固定層11として厚さ3nmのCoFeB合金層、磁化自由層12として反平行結合膜構造体15を適用した。反平行結合膜構造体15は、第1の強磁性層15aとして厚さ70nmのNiFe合金層、第2の強磁性層15bとして厚さ3nmのCoFeB合金層、極薄非磁性層15cとして厚さ0.85nmのRu層で構成した。なお、絶縁層13は、厚さ1.8nmのMgO層とした。こうしたTMR素子10は、熱酸化膜付きのシリコン基板上に、超高真空スパッタリング法で成膜し、300℃で熱処理を行った。磁石21は、直径5.2mmで厚さ2.5mmのフェライト磁石を用いた。
図1及び図2に示すように、手首を測定対象部位50とし、手首内側の最近傍に磁石21を貼り付けた。ウエアラブル端末1は、その磁石21から3cm離れた位置に置いた。
なお、ウエアラブル端末1は、TMR素子10の抵抗値が約2.7kΩであり、印加電圧が2Vであり、磁場1μTに対する信号出力が磁場周波数3.3Hzでの評価で640μv/μT(p-p)であり、帯域0.1〜10Hzのノイズ強度が2μv(p-p)であった。
こうしたウエアラブル端末1を用いて実験した結果を図5及び図6に示した。図5は、シールドルーム内で行った積算100回の結果であり、上側はパルストランデューサであり、下側は得られた結果である。図6は、それを拡大したものである。この結果より、脈波をはっきりと捉えることができた。
[実験2]
図7は、嚥下動作信号の検出を試みたTMR素子(A)とそのTMR素子を含むセンサ装置(B)を示す写真である。センサ装置は、図7(B)に示すように、矩形筐体内の上方に配置されたTMR素子と、矩形筐体内の下方に配置されている回路基板とで構成されている。測定は、図7(B)に示すセンサ装置を顎の下にテープで装着して行った。必要に応じて磁石を貼り付ける場合、磁石をセンサ装置と耳との中間部に貼り付けた。磁石は、実験1と同様、直径5.2mmで厚さ2.5mmのフェライト磁石を用いた。測定場所は、シールドルームの内(静磁場に対して−40dB)と外とで測定した。測定は、定期的に音を鳴らし、その音が鳴ったときにストローで水を1回飲み込み、その動作を10回繰り返したときのデータをとった。
センサ装置は、実験1で用いたものと同様のものであり、電池駆動とし、正電源は、基準電圧源、誤差増幅器、ドライバトランジスタ、電流制限回路、位相補償回路から構成された正電圧・大電流LDOレギュレータICを用い、負電源は、スイッチト・キャパシタ広入力範囲シャットダウン機能付き電圧コンバータを用い、計装アンプだけ2電源で動作させ、他のアンプは3.3V単電源動作とした。センサ駆動は、ブリッジ(定電圧)ではなく、定電流による検出、ローパスフィルタ、計装アンプ、高精度・ローノイズオペアンプ、ローパスフィルタを配置して増幅した。得られた信号をオシロスコープに出力させて信号波形を得た。得られた信号波形を図8〜図10に示した。
図8(A)は、シールドルーム内で、センサ装置と磁石を貼り付け、水を嚥下したときの測定データである。2.2秒付近に小さいながら嚥下で発生した信号が見られた。図8(B)は、シールドルーム内で、センサ装置と磁石を貼り付け、水を嚥下したときの他の測定データである。この測定結果でも1.2秒付近に小さいながら嚥下で発生した信号が見られた。
図9は、嚥下で発生した信号を捉えていることを確認する実験データである。ここでは、2CHのセンサ装置を用い、磁石は用いなかった。CH1のセンサ装置は顎の下に取り付けた。一方、CH2のセンサ装置は、ポリプロピレン製樹脂板にホットメルト接着剤で取り付け、CH1を装着した顎から180mmの距離を取った顔正面の空間に固定した。なお、CH2のセンサ装置は、図9に示すように、CH1のセンサ装置でのみシグナルが観測されたことから、シグナルがセンサ装置の動きを計測しているのではなく、頤舌骨筋又はオトガイ舌骨筋の動作信号を捉えていることを確認した。
図10は、Bluetooth(登録商標)搭載のセンサ装置を使用した。このセンサ装置は、シールドルーム内で、センサ装置を固定し、磁石は用いず、水を嚥下したときの測定データである。1.8秒付近に嚥下の信号が見られた。
1 ウエアラブル端末
10 TMR素子
11 強磁性磁化固定層
12 強磁性磁化自由層
13 絶縁層
15 反平行結合膜構造体
15a 第1の強磁性層
15b 第2の強磁性層
15c 極薄非磁性層
21 磁石
50 測定対象部位
51 TMR素子の配置位置
52 脈波等の発生位置の最近傍
60 脈波等の発生原(発生情報)


Claims (4)

  1. 測定対象部位で発生する脈波等の情報を非接触で検出することができるウエアラブル端末であって、反平行結合膜構造体を有する磁気抵抗効果素子を有することを特徴とするウエアラブル端末。
  2. ブレスレット型、めがね型又はヘッドギア型である、請求項1に記載のウエアラブル端末。
  3. 前記測定対象部位又はその近くに磁石が配置されている、請求項1又は2に記載のウエアラブル端末。
  4. 前記情報が、嚥下動作での発生信号である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のウエアラブル端末。


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