JP2017183879A - 撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】対象物の内部情報を、対象物に接触しない状態で、かつ、対象物表面からの反射成分や表面直下の散乱成分によるノイズを抑制した状態で高解像度測定し得る撮像装置を提供する。【解決手段】撮像装置は、受光面Iaと、受光面に配置された少なくとも1つの画素Gであって、画素が光電変換部Pと光電変換部の周囲に位置する少なくとも1つの電荷蓄積部Fとを有する少なくとも1つの画素とを含む撮像素子Iと、光軸Jを有し、撮像素子の受光面に集光させる光学系Oと、光学系の光路上に配置され、光軸に垂直な断面において、遮光部と遮光部によって規定される形状を有する開口とを備え、遮光部は、開口の中心に対して、光電変換部の中心に対する電荷蓄積部の位置に対応した位置に遮光部が設けられた遮光部材Sとを備える。【選択図】図1
Description
本開示は撮像装置に関する。
生体計測、材料分析等の分野では、対象物に光を照射し、対象物内部を透過した光の情報から対象物の内部情報を取得する方法が用いられる。この方法において、対象物表面からの反射成分や表面直下の散乱成分の混入が問題となることがある。特に、脳内計測では、表面反射成分や皮下散乱成分は脳内散乱成分と比較し4〜5桁高い強度を持つため、脳内散乱成分の取得にはこれら表面反射成分と皮下散乱成分をできるだけ除去することが望ましい。これら成分を取り除き所望の内部情報のみを取得する方法として、例えば生体計測の分野では、特許文献1に開示された方法がある。特許文献1は、光源と光検出器を空間的に一定の間隔で離した状態で測定部位に密着させて測定する方法を開示している。
本開示は、対象物の内部情報を、対象物に接触しない状態で、かつ、対象物表面からの反射成分や表面直下の散乱成分によるノイズを抑制した状態で高解像度に取得し得る撮像装置を提供する。
本開示の撮像装置は、受光面と、前記受光面に配置された少なくとも1つの画素であって、前記画素が光電変換部と前記光電変換部の周囲に位置する少なくとも1つの電荷蓄積部とを有する前記少なくとも1つの画素とを含む撮像素子と、光軸を有し、前記撮像素子の受光面に集光させる光学系と、前記光学系の光路上に配置され、前記光軸に垂直な断面において、遮光部と前記遮光部によって規定される形状を有する開口とを備え、前記遮光部は、前記開口の中心に対して、前記光電変換部の中心に対する前記電荷蓄積部の位置に対応した位置に設けられている遮光部材とを備える。
本開示によれば、対象物の内部情報を、対象物に接触しない状態で、かつ、対象物表面からの反射成分や表面直下の散乱成分によるノイズを抑制した状態で高解像度に測定できる。
本願発明者の詳細な検討によれば、特許文献1の方法では、検出信号に含まれる皮下散乱成分の割合を低減し、脳まで到達した光の散乱成分の検出量を高めることができる。しかし、この方法では照射点と検出点とを3cm離す必要があり、得られる脳活動分布の空間解像度が低下すると考えられる。
一方、近年、TOF(Time-of-Flight)方式で対象物までの距離を測定するための、高速撮影が可能なイメージセンサが開発されている。このようなイメージセンサは時間分割能が高いため、イメージセンサのシャッターを高速に制御することにより、強度が大きい表面反射や皮下散乱成分を大幅に低減して脳内散乱成分を検出することが考えられる。具体的には、パルス光を生体に向けて照射し、生体において反射する光を撮影した場合、生体の表面近傍で反射する光は光路が相対的に短いため、早くイメージセンサに到達し、生体の内部で反射する光は、光路が相対的に長いため、遅れてイメージセンサに到達する。このため、イメージセンサに戻るパルス光のうち、後端部分を検出するように、シャッターを調整することで、比較的光路長が長く、時間遅れを有する脳内散乱成分を効率よく検出することが可能である。時間的に分離検出するこの方法は、照射点直下の脳信号が検出可能であるため、特許文献1の方法と比較し、高解像度な脳活動分布を取得することができると考えられる。
このような高速撮影が可能なイメージセンサでは、シャッター動作(電荷の蓄積および蓄積電荷のリセット)は電子的に行われる。しかし、本願発明者の検討によれば、イメージセンサの構造、電子シャッター動作等に起因して、シャッターが閉じている期間にも除去したい成分の光の一部が光漏れノイズとして検出され得ることが分かった。特に、脳血流計測のような非常にわずかな脳内散乱成分を検出するためには、照射する光の強度を高める、あるいは、発光するパルス数を多くする必要があり、これに応じてこの光漏れノイズが非常に大きくなり、脳内散乱成分検出におけるSNが低下してしまうことが分かった。このような課題に鑑み、本願発明者は新規な構造を有する撮像装置を想到した。本開示の撮像装置の概要は以下の通りである。
本開示の撮像装置は、受光面と、前記受光面に配置された少なくとも1つの画素であって、前記画素が光電変換部と前記光電変換部の周囲に位置する少なくとも1つの電荷蓄積部とを有する前記少なくとも1つの画素とを含む撮像素子と、光軸を有し、前記撮像素子の受光面に集光させる光学系と、前記光学系の光路上に配置され、前記光軸に垂直な断面において、遮光部と前記遮光部によって規定される形状を有する開口とを備え、前記遮光部は、前記開口の中心に対して、前記光電変換部の中心に対する前記電荷蓄積部の位置に対応した位置に設けられている遮光部材とを備える。
前記開口は、前記遮光部によって規定される正方形、長方形、扇形またはこれらの少なくとも2つを組み合わせた形状を有していてもよい。
前記光学系はレンズモジュールを含み、前記遮光部材は、前記レンズモジュール内または前記レンズモジュール近傍に配置されていてもよい。
撮像装置は前記光学系に配置される絞りをさらに有し、前記遮光部材は前記絞りよりも物体側に位置していてもよい。
前記遮光部材の遮蔽率は、前記レンズモジュールのF値をFと置くと、下記式で表されてもよい。
遮蔽率(%)>(1−0.2F)×50
遮蔽率(%)>(1−0.2F)×50
前記遮光部材の遮蔽率は、前記レンズモジュールのF値をFと置くと、下記式で表されてもよい。
遮蔽率(%)>(1−0.2F)×75
遮蔽率(%)>(1−0.2F)×75
前記遮光部材の遮蔽率は、前記レンズモジュールのF値をFと置くと、下記式で表されてもよい。
遮蔽率(%)>(1−0.2F)×100
遮蔽率(%)>(1−0.2F)×100
本開示の他の撮像装置は、受光面と、前記受光面に配置された少なくとも1つの画素であって、前記画素が光電変換部と前記光電変換部の周囲に位置する少なくとも1つの電荷蓄積部とを有する前記少なくとも1つの画素とを含む撮像素子と、光軸を有し、前記撮像素子の受光面に集光させる光学系と、前記受光面の前記各画素において、前記少なくとも1つの電荷蓄積部に隣接して前記光電変換部の一部分を覆う遮光部材とを備える。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施形態の撮像装置の構成を概略的に示している。撮像装置D1は、撮像素子Iと、光学系Oと、遮光部材Sとを備える。
図1は、本実施形態の撮像装置の構成を概略的に示している。撮像装置D1は、撮像素子Iと、光学系Oと、遮光部材Sとを備える。
撮像素子Iは受光面Iaを有し、受光面Iaに少なくとも1つの画素Gが配置されている。生体内の情報を1次元あるいは2次元で取得する場合には、複数の画素Gが1次元または2次元に配列されていることが望ましい。撮像素子Iは単一光子計数型素子であってもよいし、CCD型、CMOS型のイメージセンサであってもよいし、増幅型イメージセンサ(EMCCD、ICCD)であってもよい。また、イメージセンサの光電変換部はシリコンで構成されていてもよいし、有機薄膜で構成されていてもよい。各画素Gは、光電変換部Pおよび光電変換部Pの周囲に配置される少なくとも1つの電荷蓄積部Fを有する。図1は各画素が2つの電荷蓄積部Fを有する例を示している。撮像素子Iは、各画素Gが2つの電荷蓄積部Fを有し、光電変換部Pで生成した電荷を、2つの光電変換部Pにおいて逐次切り替えて蓄積し、光電変換部Pから読み出すことによって、高フレームレート、つまり、高速で被写体を撮影することができる。このような撮像装置は例えば特開2008−89346号公報に開示されている。
光学系Oは、光を撮像素子Iの受光面Iaに収束させる。本実施形態では光学系OはレンズモジュールLを含む。図1では1つのレンズを含むレンズモジュールLを示しているが、レンズモジュールLは複数のレンズを含んでいてもよい。光学系Oは光軸Jを有する。
遮光部材Sは、光学系Oの光路中に配置される。遮光部材Sは、光軸Jに垂直な断面において、遮光部Ssと遮光部Ssによって規定される形状を有する開口Soとを備える。遮光部Ssは、開口Soの中心Socに対して、光電変換部Pの中心Pc対する電荷蓄積部Fの位置に対応した位置に設けられている。図1に示す例では、光電変換部Pの中心Pcに対して電荷蓄積部Fが光電変換部Pを挟んで上下に位置している。このため、遮光部材Sは、図1において、破線で示す光学系Oの光路の光軸Jに垂直な断面において、上下に遮蔽部Ssを有しており、遮蔽部Ssによって上下が遮光された略長方形の開口Soを有している。ここで、受光面Iaにおける光電変換部Pと電荷蓄積部Fとの配置と、光路の光軸Jに垂直断面における遮光部材S上の遮蔽部の配置は光軸に対して点対称の関係にある。
図1に示すように光学系Oに入射する光Rの一部は遮光部材Sによって遮られ、残りの光はレンズLを通して撮像素子Iの受光面Iaに収束する。シャッタオフ時に生じる光漏れノイズの要因の一つは、光電変換部Pの電荷蓄積部Fに隣接する領域に入射した光が基板内部を透過し、電荷蓄積部Fへ入射したり、電荷蓄積部Fとその上に位置する遮光膜との間に設けられた保護膜に入射し、電荷蓄積部Fへ到達するからであると考えられる。
光電変換部Pの電荷蓄積部Fに隣接する領域、つまり、光電変換部Pの端(最も外周側)の領域には、光学系Oの有効径の外周側に高入射角で入射する光が集束する。このため、このようなノイズを抑制するには、光学系Oの光軸Jに垂直な平面上における有効径内の外周側であって、電荷蓄積部の位置と、光軸Jに垂直な平面と光軸Jとが交わる点に対して点対称の関係にある位置に遮光部を設ければよい。これにより、光電変換部Pの電荷蓄積部F側に高入射角で入射する光線を制限することができ、ノイズを低減することができる。また、遮光部材Sは電荷蓄積部Fが存在しない位置と、光軸Jに垂直な平面と光軸Jとが交わる点に対して点対称の関係にある位置には遮光部を設けないことによって、開口を大きくし、受光量を高めることができる。したがって、撮像装置D1内の遮光部材Sの形状は、電荷蓄積部Fの配置と対応して設計される。図1は光軸方向である画角0°の光線しか描画していないが、斜入射の光線についても同様に電荷蓄積部F方向に向かう光を遮光できるため光漏れノイズを低減する効果がある。
以下、遮光部材Sの具体的な形状を説明する。図2A、図2Bおよび図2Cに示す光電変換部Pおよび電荷蓄積部Fの配置関係に基づき設計された遮光部材Sの形状を示す。図2Bおよび図2Cは、それぞれ撮像素子の4画素分を抽出して描画しているが、実際はそれぞれこれらが連続して縦横に並んで配置されている。図2Bでは、各画素Gは、1つの光電変換部Pおよび1つの電荷蓄積部Fを有する。図2Cでは、各画素Gは、1つの光電変換部Pおよび複数の電荷蓄積部Fを含む。
図2Bおよび図2Cに示すように、電荷蓄積部Fは光電変換部Pに対してそれぞれ左右両側に配置されているため、高入射角の光が光電変換部Pの左右方向のどちら側から入射しても、光漏れノイズは検出される。したがって、図2Aに示すように、遮光部材Sは本来の開口Aの左右方向における両側を遮光するのが望ましい。このとき、生体計測や材料分析等の分野では散乱体を扱うため微弱な信号を観測する必要がある。すなわち、わずかな光漏れノイズであってもSNに大きく影響するため、遮光幅bは開口の半径rに対し十分大きくとり、高入射角の光を遮光する必要がある。このとき、上下方向においては、もとの開口Aの半径rのままであるため、検出信号の光量を確保できる。
開口Aは、撮像装置D1の光学設計によって決定される。微弱な信号を検出する必要がある生体計測や材料分析の分野では光量をなるべく多く取り込めるのが望ましいため、開口Aが大きい、すなわち、F値が小さい光学系を用いるのが望ましい。例えば、F値で2以下である。望ましくは1.8以下、さらに、望ましくは1.3以下である。
図3A、図4A、図5Aおよび図6Aは、光電変換部Pと電荷蓄積部Fの他の配置関係を表す図であり、図3B、図4B、図5Bおよび図6Bは、それぞれ図3A、図4A、図5Aおよび図6Aに対応した遮光部材Sの形状の例を示す。図3Aに示すように光電変換部Pの上下および左右方向の四隅に電荷蓄積部Fが配置されている場合は、図3Bに示すように光電変換部Pの四隅の方向へ入射し得る高入射角の光を遮ることができるよう、遮光部材Sの本来の開口Aの四隅に遮光部を設ける。これにより、遮光部材Sの開口は、2つの長方形を十字になるように組み合わせた形状を有する。図4Aに示すように光電変換部Pのx軸に平行な2辺のうち、左側の辺のy方向の両端に電荷蓄積部Fが存在する場合は、光電変換部Pの左隅へ入射し得る高入射角度の光を遮ることができるよう、図4Bに示すように、遮光部材Sの本来の開口Aにおける右上および右下を遮光部で遮光する。このため、遮光部材Sの開口は、扇形と長方形を組み合わせた形状を有する。このとき、遮光部材Sにおける遮光部の位置は、光電変換部Pに対する電荷蓄積部Fの位置と点対称の関係にある。
図5Aに示すように光電変換部Pの右側に電荷蓄積部Fが存在する場合は、光電変換部Pの右側への入射し得る高入射角度の光を遮ることができるように、図5Bに示すように、遮光部材Sの本来の開口Aにおける左側を遮光部で遮光する。このため、遮光部材Sの開口は扇形の形状を有する。このとき、遮光部材Sにおける遮光部の位置は、光電変換部Pに対する電荷蓄積部Fの位置と点対称の関係になる。図6Aに示すように光電変換部Pの周囲に電荷蓄積部Fが存在する場合は、図6Bに示すように、遮光部材Sの本来の開口Aの外周全体に遮光部を設け矩形の開口を形成する。
次に、本実施の形態における撮像装置D1の有効な遮蔽率について説明する。
図7は、遮光部材Sの開口率を変化させた際の光漏れノイズの低減量を表すグラフである。光学系のF値が2.0の円形開口Aを基準(開口率100%)とし、それに対する遮光部材Sの開口面積の比(=開口率)を85、75、50、48、25%と変化させた。このとき、電荷蓄積部Fは光電変換部Pの左右に配置した構成であり、遮光部材Sの開口は図2Aに示す形状を有している。遮光幅bが電荷蓄積部F方向へ向かう光線Rの遮光量を決定する主要なパラメータであるため、ここで、遮蔽率を遮光幅b/開口の半径rで定義する。このとき、準備した6つの遮光部材Sの遮蔽率は、0、26、37、60、61、80%であった。
光漏れノイズ量は、以下に示すように測定した。対象にパルス光を照射すると、対象にあたり反射・散乱して撮像装置D1に戻る。この光が撮像素子Iに到達する期間中はシャッターをOFFにし、パルス光が散乱遅れも含め全て十分に到達したあとにシャッターをONにし、電荷蓄積部Fに電荷を蓄積する。このとき、理想的には電荷蓄積部には電荷は蓄積されていないはずであるが、パルス光が撮像素子Iに到達している期間中にシャッターをOFFにしていたとしても、そのうちの一部は、上述した理由から電荷蓄積部Fに到達し、光漏れノイズとして検出される。遮蔽率が同じでも開口面積が大きいほど撮像素子Iに到達するパルス光の光量が大きくなり光漏れノイズの絶対量が増加するため、撮像素子Iに到達するパルス光の光量をあらかじめ測定しておくことで光漏れノイズ量を正規化した。これにより、開口面積に依存する絶対光量変化影響を排除し、純粋な光漏れノイズ低減効果を評価できる。パルス光の光量は撮像素子Iにパルス光が到達する期間中、シャッターを開け続けることで測定することができる。
図7は、光軸J上(画角0°)で評価した結果である。横軸は開口率を示し、縦軸はパルス全光量で正規化した光漏れノイズの低減量を示す。光漏れノイズ量は、それぞれ基準の円形開口を100%とし、測定結果に対する相対値で表した。実線が本願の遮光部材Sで評価した結果である。図7より、遮光部材Sの左右両サイドを遮光することで効果的に光漏れノイズが低減できていることが確認できる。参考のため、開口率を75、50、25%とした円形開口での測定結果を点線で示す。開口径を小さくすることで高入射角の光が遮光されるため、円形開口でも効果が見られるが、本願と比較し、例えば、開口率が75、50%で、低減効果が半分程度しかない。この結果からも遮光すべき箇所のみに遮光部を配置した本願の遮光部材Sの構成の有効性が示唆される。
図7より、本願の遮光部材Sは、開口率は50%まで線形的に効果が見られ、50%を超えると効果が薄れることが示される。円形開口での結果と比較しても開口率25%では1.5倍程度の低減効果しかない。これは、開口率が50%よりも小さくなると既に高入射角の光が十分に遮られ、高入射角の光がほとんど無くなるためであると考えられる。したがって、遮光部材Sの効果的な開口率は50%以下、定義した遮蔽率では60%以上とするのが望ましい。スミア対策のために従来のCCDでも、瞳部やセンサ部で一部遮蔽することはあったが、感度が重視されていたこと、および、飽和するほどの大きな光が撮像素子Iに入射した際しか問題とならなかったため、今回のように大きく遮蔽する必要性は従来無かった。遮蔽率60%は従来想定しないほどの遮蔽構造である。
図7は、もともとの光学系のF値を2.0として有効な開口率、遮蔽率を算出したが、遮蔽効果は光電変換部Pに入射する光線の角度に関係しているためF値にも依存する。ここでは、このF値も考慮し一般化した理想的な遮蔽率について考える。図8Aは、遮光部材S1を示し、図8Bは、遮光部材S1を通過する光線の像面での光路図を示す。図9Aは、図8Aと異なる大きさの開口A2の遮光部材S2を示し、図9Bは、遮光部材S2を通過する光線の像面での光路図を示す。遮光部材S2のもともとの光学系の開口A2の半径r2は、遮光部材S1の開口A1の半径r1よりも大きい。したがって、撮像素子Iへの最大入射角は、図8Bおよび9Bに示すように、遮光部材S2の場合のほうが大きい。このとき、光漏れノイズは光線入射角に依存するため、遮光部材S1、S2で遮光すべき光の入射角は同じであり、遮光後の遮光部材S1、S2の遮蔽方向の開口角(=w/f)はともに同じ値となる。したがって、遮蔽率は、光学系のF値を用いて、
b/r=1−wF/f
=1−kF (数1)
と、置くことができる。ここで、kは定数である。図7を参照して説明した結果より、F値2.0、遮蔽率0.6(60%)を上式に代入すれば、k=0.2が得られる。したがって、遮光部材Sの遮蔽率は、光学系のもともとのF値の値、あるいは遮光されていない方向の瞳直径と焦点距離から求められるF値を用いて次式で一般化される。
遮蔽率(%)=(1−0.2F)×100 (数2)
すなわち、本実施の形態1の遮光部材Sの遮蔽率は(1−0.2F)×100以上とするのが良い。
b/r=1−wF/f
=1−kF (数1)
と、置くことができる。ここで、kは定数である。図7を参照して説明した結果より、F値2.0、遮蔽率0.6(60%)を上式に代入すれば、k=0.2が得られる。したがって、遮光部材Sの遮蔽率は、光学系のもともとのF値の値、あるいは遮光されていない方向の瞳直径と焦点距離から求められるF値を用いて次式で一般化される。
遮蔽率(%)=(1−0.2F)×100 (数2)
すなわち、本実施の形態1の遮光部材Sの遮蔽率は(1−0.2F)×100以上とするのが良い。
ただし、用途によっては一部光漏れノイズを許容し、感度を少し確保したほうが良い場合もある。この場合は、遮蔽率は、数2の75%、さらには、50%であっても良い。すなわち、(1−0.2F)×75以上、(1−0.2F)×50以上である。
(実施の形態2)
本実施形態の撮像装置D2は、遮光部材Sとは別に絞りStを含む点において、実施の形態1と異なっている。ここでは、本実施形態において実施の形態1と同様の内容についての詳細な説明は省略する。
本実施形態の撮像装置D2は、遮光部材Sとは別に絞りStを含む点において、実施の形態1と異なっている。ここでは、本実施形態において実施の形態1と同様の内容についての詳細な説明は省略する。
図10は、撮像装置D2の構成を示す模式図である。光学系Oは、遮光部材Sに加えて絞りStを含む。絞りStの設置位置は光学系の設計で決まり任意であり、レンズLの物体側、像側、あるいは、レンズLが複数枚で構成されている場合はそれらの間に設置しても良い。しかし、遮光部材Sは、任意のいずれの画角の光線Rに対しても遮光する必要があり、絞りSt近傍に設置することが望ましいため、汎用のレンズモジュールに遮光部材Sを取り付けることを勘案すると絞りStは物体側に設置した構成であることが望ましい。
図10に示すように、一般に、撮像用光学系は撮像素子Iに対する主光線入射角が、画角が大きくなるにつれて光軸Jに対し角度を持つような設計になる。したがって、画角が大きくなるにつれて撮像素子Iの受光面Iaでの光線Rの下光線の角度も軸上画角に比べ大きくなる。すなわち、光漏れノイズの発生が周辺画角ほど顕著になる。そこで、図10に示すように、遮光部材Sの設置位置を絞りStよりも物体側に配置する。このように配置することで、軸上画角の光線は上光線、下光線が均等な幅に遮光され、周辺画角の光線は上光線よりも下光線のほうがより多く遮光される。したがって、撮像素子Iの受光面Ia上で、周辺画角で入射角度がきつくなる光線Rを効果的に遮光できる。
実施の形態2では絞りStも設置するが、本願の発明では必ずしも設置する必要は無い。例えば、像側テレセンのレンズモジュールを使用する場合には、周辺画角の光線であっても軸上と同じように主光線が0度で撮像素子Iに入射するため、下光線を多めに遮光する必要はない。
(実施の形態3)
本実施の撮像装置は、光学系O中ではなく、遮光部材Sが撮像素子Iの受光面Ia上に形成される点において、実施の形態1と異なっている。ここでは、本実施形態において実施の形態1と同様の内容についての詳細な説明は省略する。
本実施の撮像装置は、光学系O中ではなく、遮光部材Sが撮像素子Iの受光面Ia上に形成される点において、実施の形態1と異なっている。ここでは、本実施形態において実施の形態1と同様の内容についての詳細な説明は省略する。
図11Aから図11Fは、本実施形態における遮光部材Sの構成例を示す。図11Aから図11Fに示すように、受光面Iaの各画素Gにおいて、電荷蓄積部Fに隣接した光電変換部の一部分を覆うように遮光部材Sが配置されている。遮光部材Sは、例えば、撮像装置において、電荷蓄積部F上に設けられる遮光膜と同様の材料および厚さによって構成することができる。一般的なイメージセンサは、感度を確保するために光電変換部Pの面積をできる限り大きく設計している。これに対し本実施の形態では、感度の低下を許容し、わずかな光漏れノイズの混入もさけるために従来には無い十分大きな遮光幅bで遮光部材Sを設ける。例えば、光電変換部Pと電荷蓄積部Fの間距離(=遮光幅b)を1μm以上、望ましくは、1.5μm以上、さらに望ましくは、2μm以上とすると良い。
本実施形態の撮像装置によれば、受光面Ia上に設けられた遮光部材は、光電変換部Pの電荷蓄積部Fに隣接する領域に、光が入射するのを遮る。このため、第1の実施形態と同様、このような光が基板内部を透過し、電荷蓄積部Fへ入射したり、電荷蓄積部Fとその上に位置する遮光膜との間に設けられた保護膜に入射し、電荷蓄積部Fへ到達するを抑制することができる。
本開示における撮像装置は、非接触で測定対象の内部情報を取得するカメラや測定機器に有用である。生体・医療センシング、材料分析、食品分析、および車載センシングシステム等に応用できる。
D1、D2 撮像装置
I 撮像素子
L レンズ
S、S1、S2 遮光部材
Sp スポット
R 光線
P 光電変換部(フォトダイオード)
F 電荷蓄積部
A、A1、A2 開口
b、b1、b2 遮光幅
r、r1、r2 開口の半径
w 開口幅
f 焦点距離
St 絞り
I 撮像素子
L レンズ
S、S1、S2 遮光部材
Sp スポット
R 光線
P 光電変換部(フォトダイオード)
F 電荷蓄積部
A、A1、A2 開口
b、b1、b2 遮光幅
r、r1、r2 開口の半径
w 開口幅
f 焦点距離
St 絞り
Claims (8)
- 受光面と、前記受光面に配置された少なくとも1つの画素であって、前記画素が光電変換部と前記光電変換部の周囲に位置する少なくとも1つの電荷蓄積部とを有する前記少なくとも1つの画素とを含む撮像素子と、
光軸を有し、前記撮像素子の受光面に集光させる光学系と、
前記光学系の光路上に配置され、前記光軸に垂直な断面において、遮光部と前記遮光部によって規定される形状を有する開口とを備え、前記遮光部は、前記開口の中心に対して、前記光電変換部の中心に対する前記電荷蓄積部の位置に対応した位置に設けられている遮光部材と、
を備えた撮像装置。 - 前記開口は、前記遮光部によって規定される正方形、長方形、扇形またはこれらの少なくとも2つを組み合わせた形状を有する請求項1に記載の撮像装置。
- 前記光学系はレンズモジュールを含み、
前記遮光部材は、前記レンズモジュール内または前記レンズモジュール近傍に配置される請求項1または2に記載の撮像装置。 - 前記光学系に配置される絞りをさらに有し、
前記遮光部材は前記絞りよりも物体側に位置している、請求項1から3のいずれかに記載の撮像装置。 - 前記遮光部材の遮蔽率は、前記レンズモジュールのF値をFと置くと、
下記式で表される、請求項3に記載の撮像装置。
遮蔽率(%)>(1−0.2F)×50 - 前記遮光部材の遮蔽率は、前記レンズモジュールのF値をFと置くと、
下記式で表される、請求項3に記載の撮像装置。
遮蔽率(%)>(1−0.2F)×75 - 前記遮光部材の遮蔽率は、前記レンズモジュールのF値をFと置くと、
下記式で表される、請求項3に記載の撮像装置。
遮蔽率(%)>(1−0.2F)×100 - 受光面と、前記受光面に配置された少なくとも1つの画素であって、前記画素が光電変換部と前記光電変換部の周囲に位置する少なくとも1つの電荷蓄積部とを有する前記少なくとも1つの画素とを含む撮像素子と、
光軸を有し、前記撮像素子の受光面に集光させる光学系と、
前記受光面の前記各画素において、前記少なくとも1つの電荷蓄積部に隣接して前記光電変換部の一部分を覆う遮光部材と、
を備えた撮像装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016065405A JP2017183879A (ja) | 2016-03-29 | 2016-03-29 | 撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016065405A JP2017183879A (ja) | 2016-03-29 | 2016-03-29 | 撮像装置 |
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JP2017183879A true JP2017183879A (ja) | 2017-10-05 |
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ID=60007684
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016065405A Pending JP2017183879A (ja) | 2016-03-29 | 2016-03-29 | 撮像装置 |
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JP (1) | JP2017183879A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110266918A (zh) * | 2019-06-11 | 2019-09-20 | 青岛小鸟看看科技有限公司 | 一种深度摄像头装置以及设备 |
-
2016
- 2016-03-29 JP JP2016065405A patent/JP2017183879A/ja active Pending
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CN110266918A (zh) * | 2019-06-11 | 2019-09-20 | 青岛小鸟看看科技有限公司 | 一种深度摄像头装置以及设备 |
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