JP2017181409A - 制御回路および制御システム - Google Patents

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田中 健
Takeshi Tanaka
健 田中
徳▲くん▼ 高
De Kung Gao
徳▲くん▼ 高
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Abstract

【課題】外部磁場を検出するための磁気センサを提供する。【解決手段】第1磁気抵抗素子と、第1磁気抵抗素子にバイアス磁場を印加する第1磁場発生装置とを備える磁気センサの駆動を制御する制御装置であって、第1磁場発生装置にバイアス磁場を発生させることにより、第1磁気抵抗素子の状態を、予め定められた磁気感度を有する第1状態から、第1状態と異なる磁気感度を有する第2状態に変更する制御装置を提供する。また、磁気センサと、制御装置とを備える制御システムを提供する。【選択図】図4

Description

本発明は、制御回路および制御システムに関する。
従来、外部磁場を検出する磁気センサにおいて、外部磁場に応じて互いに逆方向に変化する2つの磁気抵抗素子を用いてばらつきを低減することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1 特開2006−105693号公報
しかしながら、従来の磁気センサは、2つの磁気抵抗素子の抵抗値のミスマッチによるオフセットを除去することができない。
本発明の第1の態様においては、第1磁気抵抗素子と、第1磁気抵抗素子にバイアス磁場を印加する第1磁場発生装置とを備える磁気センサの駆動を制御する制御装置であって、第1磁場発生装置にバイアス磁場を発生させることにより、第1磁気抵抗素子の状態を、予め定められた磁気感度を有する第1状態から、第1状態と異なる磁気感度を有する第2状態に変更する制御装置を提供する。
本発明の第2の態様においては、磁気センサと、制御装置とを備える制御システムを提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
磁気センサ100の構成の一例を示す。 磁気センサ100の断面図の一例を示す。 磁気抵抗素子10の磁気抵抗特性の一例を示す。 実施例1に係る制御システム300の構成の一例を示す。 実施例2に係る制御システム300の構成の一例を示す。 実施例3に係る制御システム300の構成の一例を示す。 実施例4に係る制御システム300の構成の一例を示す。 実施例4に係る磁気センサ100の断面図の一例を示す。 実施例5に係る制御システム300の構成の一例を示す。 実施例6に係る制御システム300の構成の一例を示す。 実施例7に係る制御システム300の構成の一例を示す。 実施例8に係る制御システム300の構成の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、磁気センサ100の構成の一例を示す。本例の磁気センサ100は、磁気抵抗素子10および第1磁場発生装置21を備える。磁気抵抗素子10は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12を備える。本明細書において、第1方向〜第3方向の直交する3方向をX、Y、Z軸で示し、磁気センサ100のXY平面の平面視(Z軸方向から見た平面視)を示す。
第1磁気抵抗素子11は、入力磁場に応じて抵抗が変化する。第1磁気抵抗素子11は、Y軸方向に延伸して形成される。本例の第1磁気抵抗素子11は、平面視で、中心軸c1に対称な形状を有する。第1磁気抵抗素子11は、XY平面上に形成される。本例の第1磁気抵抗素子11は、X軸方向に感磁軸を有する。
第2磁気抵抗素子12は、入力磁場に応じて抵抗が変化する。第2磁気抵抗素子12は、Y軸方向に延伸して形成される。本例の第2磁気抵抗素子12は、平面視で、中心軸c2に対称な形状を有する。第2磁気抵抗素子12は、XY平面上に形成される。本例の第2磁気抵抗素子12は、X軸方向に感磁軸を有する。即ち、第2磁気抵抗素子12は、第1磁気抵抗素子11の感磁軸と平行な感磁軸を有する。
また、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12は、対称軸sに対して対称に形成される。第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12は、それぞれの中心軸c1,c2の間に間隔d1を置いて配置される。中心軸c1、c2の間隔d1は、少なくとも0より大きい値に設定される。
第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12は、平板状であることが好ましい。本例の第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の形状は矩形である。但し、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の形状は、矩形に限らず、どのような形状であってもよく、例えば、四角形、正方形、平行四辺形、台形、三角形、円形、楕円形のいずれであってもよい。
磁気抵抗素子10は、1軸方向の入力磁場を感知して抵抗値が変化する。磁気抵抗素子10は、一例において、予め定められた一方向の磁気を検出する巨大磁気抵抗(GMR:Giant Magneto−Resistance)素子である。また、磁気抵抗素子10は、1軸方向の磁場にのみ感知して抵抗値を変化させる素子であれば、GMR素子に限られない。よって、磁気抵抗素子10は、トンネル磁気抵抗(TMR:Tunnel Magneto−Resistance)素子又は異方性磁気抵抗(AMR:Anisotropic−Magneto−Resistive)素子であってもよい。
第1磁気抵抗素子11は、複数の磁気抵抗素子を有してよい。即ち、第1磁気抵抗素子11は、1つの磁気抵抗素子で構成される場合に限らず、2つ以上の磁気抵抗素子をメタル配線で接続して形成されてよい。例えば、第1磁気抵抗素子11は、Y軸方向に一列に並べられた複数の磁気抵抗素子からなる。また、第1磁気抵抗素子11は、複数の列を成すように、Y軸方向に並べられた複数の磁気抵抗素子で構成されてよい。但し、第1磁気抵抗素子11が有する複数の磁気抵抗素子は、感磁軸が一致していることが好ましい。第2磁気抵抗素子12も第1磁気抵抗素子11と同様に、複数の磁気抵抗素子を有してよい。
第1磁場発生装置21は、バイアス磁場Bを発生する。第1磁場発生装置21は、発生させたバイアス磁場Bを第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に印加する。第1磁場発生装置21は、バイアス磁場Bを発生させ、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の磁気感度を変調する。磁気感度を変調するとは、バイアス磁場Bを磁気抵抗素子10に印加することにより、磁気抵抗素子10の状態を第1状態から第2状態に変更することを指す。
第1状態および第2状態は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の磁気感度がそれぞれ異なる状態を示す。
第1状態とは、第1磁場発生装置21がバイアス磁場Bを発生させていない場合の磁気抵抗素子10の磁気感度の状態を指す。本明細書において、第1状態を無バイアス状態と称する。
第2状態とは、第1磁場発生装置21がバイアス磁場Bを発生させている場合の磁気抵抗素子10の磁気感度の状態を指す。本明細書において、第2状態をバイアス磁場と称する。但し、第1状態および第2状態は、第1状態と第2状態における磁気抵抗素子10の磁気感度の大きさが異なっていれば、いずれもバイアス状態であってよい。
また、第1磁場発生装置21は、磁気抵抗素子10の近傍に配置される。磁気抵抗素子10の近傍とは、一例において、第1磁場発生装置21の発生したバイアス磁場Bが磁気抵抗素子10に印加できる程度の距離を指す。本例の第1磁場発生装置21は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に重なり、横切るように配置される。これにより、第1磁場発生装置21は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に対してバイアス磁場Bを与える。但し、第1磁場発生装置21は、平面視で、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12と離間して形成されてよい。磁場発生装置は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に、それぞれ異なる大きさのバイアス磁場Bを与えてもよいが、本例の第1磁場発生装置21は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に、同一強度のバイアス磁場Bを印加する。
第1磁場発生装置21は、第1磁気抵抗素子11の感磁軸と異なる方向の成分を少なくとも有するバイアス磁場Bを発生する。第1磁場発生装置21は、第1磁気抵抗素子11の感磁軸と垂直な成分を少なくとも有するバイアス磁場Bを発生させてもよい。また、一例において、第1磁場発生装置21は、第1磁気抵抗素子11の感磁軸と垂直なバイアス磁場Bを発生させる。
図2は、磁気センサ100の断面図の一例を示す。磁気センサ100は、基板40および絶縁体42を備える。
基板40は、シリコン基板、化合物半導体基板およびセラミック基板等のいずれであってもよい。また、基板40は、IC等の電子回路を搭載した基板であってもよい。基板40の基板平面50には、絶縁層42等が形成される。絶縁層42の上面は、XY平面に略平行な面として形成され、本例において第2平面52とする。
第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12は、第1平面51上に形成される。第1平面51は、絶縁層42における仮想的な平面であってよい。第1平面51は、XY平面に略平行な面として形成される。
第1磁場発生装置21は、断面図において、X軸方向に延伸するメタル配線が、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に重なり、横切るように、第2平面52上に形成される。第1平面51および第2平面52は、略平行で、互いが重ならないように配置されている。本例の第1磁場発生装置21は、1本のメタル配線で描かれているが、第2平面52上において、Y軸方向に並んだ複数のメタル配線で構成されてもよい。
第1磁場発生装置21は、複数のメタル配線で構成されることにより、バイアス磁場Bを第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に均一に与えることができる。第1磁場発生装置21は、複数のメタル配線を有する場合、それぞれが並列に接続されて同一方向に電流を流してもよい。また、複数のメタル配線は、それぞれが直列に接続されてもよい。
なお、第1磁場発生装置21は、電力損失の観点から、比抵抗の低い金属で形成されることが好ましい。一例において、第1磁場発生装置21は、銅、金、白金、アルミニウム又はこれらの材料を含む合金で形成される。
図3は、第1磁気抵抗素子11の磁気抵抗特性の一例を示す。縦軸は第1磁気抵抗素子11の抵抗値R[Ω]を示し、横軸は第1磁気抵抗素子11に印加する磁場B[mT]を示す。本例の磁場Bxは、第1磁気抵抗素子11に対して、X軸方向に−1.0mTから+1.0mTの大きさの磁場を与えている。また、本例の磁気抵抗特性は、無バイアス状態およびバイアス状態での、第1磁気抵抗素子11の磁気抵抗特性にそれぞれ対応する。本例の磁場発生装置21は、第1磁気抵抗素子11に対して、Y軸方向に0mTと+1.0mTの大きさの磁場を発生させる。
抵抗値R1Nは、無バイアス状態における第1磁気抵抗素子11の抵抗値を示す。抵抗値R1Bは、バイアス状態における第1磁気抵抗素子11の磁気抵抗特性を示す。
無バイアス状態における第1磁気抵抗素子11の初期抵抗値は、バイアス状態における第1磁気抵抗素子11の初期抵抗値と等しい。ここで、初期抵抗値が等しいとは、無バイアス状態とバイアス状態における第1磁気抵抗素子11の初期抵抗値の差が、無バイアス状態における第1磁気抵抗素子11の抵抗値の1%以内であることを指す。
また、無バイアス状態における第1磁気抵抗素子11の磁気感度は、バイアス状態における第1磁気抵抗素子11の磁気感度よりも大きい。即ち、本例の第1磁気抵抗素子11は、バイアス磁場Bが印加されることにより、磁気感度が小さくなる。
第1磁気抵抗素子11の抵抗値R1N、R1Bは、(数1)式および(数2)式で示される。
(数式1)
1N=ΔR・B+R01
(数式2)
1B=(aΔR)B+b01
ここで、b=1.001、a=0.75であるので、第1磁気抵抗素子11の磁気感度は、無バイアス状態よりもバイアス状態の方が小さくなる。一方、初期抵抗値R01≒b01(b=1.001)であるので、第1磁気抵抗素子11の初期抵抗値R01は、無バイアス状態とバイアス状態とでほとんど変動しない。
[実施例1]
図4は、実施例1に係る制御システム300の構成の一例を示す。制御システム300は、磁気センサ100および制御装置200を備える。
磁気センサ100のX軸負側には磁石が配置されている。この場合、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12には、X軸方向の磁場Bが入力される。本例では、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12のそれぞれに、X軸方向の磁場B、Bが入力される。X軸方向の磁場B、Bは、一様でなく、例えば、B>Bとなる。
第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値R、Rは、次式で示される。
(数式3)
=ΔR・B+R01
(数式4)
=ΔR・B+R02
01、R02は、それぞれ第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の初期抵抗値を示す。本明細書において、初期抵抗値とは、X軸方向の磁場のない場合の磁気抵抗素子の抵抗値を指す。ΔR、ΔRは、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12のX軸方向の磁気感度である。B、Bは、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に印加されるX軸方向の磁場である。
無バイアス状態において、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12のそれぞれの抵抗値R1N、R2Nは、次式で示される。
(数式5)
1N=R01+ΔR・B
(数式6)
2N=R02+ΔR・B
制御装置200は、演算部210、電流発生回路220および電流源241,242を備える。演算部210は、減算増幅器211および演算回路215を備える。
電流源241は、一端が第1磁気抵抗素子11に接続され、他端が電気的に1点に結合され第1電位231が与えられる。第1磁気抵抗素子11の他端は、電気的に1点に結合され第2電位232が与えられる。
電流源242は、一端が第2磁気抵抗素子12に接続され、他端が電気的に1点に結合され第1電位231が与えられる。第2磁気抵抗素子12の他端は、電気的に1点に結合され第2電位232が与えられる。一例において、第1電位231は電源装置の電源電位VDDであり、第2電位232はグランド電位GNDである。但し、第1電位231および第2電位232は、これに限定されるものではない。
電流源241および電流源242は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に予め定められた大きさの定電流Iをそれぞれに供給する。これにより、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の端子間には、電圧V1N、V2Nが生じる。電圧V1N、V2Nは、次式で示される。
(数式7)
1N=I1N=I(R01+ΔR・B
(数式8)
2N=I2N=I(R02+ΔR・B
減算増幅器211は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の一方の端子に接続される。また、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の他方の端子は、第2電位232に設定されている。これにより、減算増幅器211は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の2つの端子間に生じる差分電圧を増幅して出力する。減算増幅器211の出力VOSNは、次式で示される。
(数式9)
OSN=G(V1N−V2N)=GI{ΔR(B−B)+(R01−R02)}
Gは、固定した増幅率であり、0でない任意の値をとり得る。(数9)式の第1項は、磁気感度に相当する部分で、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力するX軸に平行な磁場B、Bに依存する。(数9)式の第2項は、オフセットに相当する部分で、B=B=0のときの第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値のミスマッチの大きさに依存する。第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値のミスマッチとは、第1磁気抵抗素子11と第2磁気抵抗素子12との初期抵抗値の差分である。
次に、磁気センサ100がバイアス状態に設定された場合について考える。即ち、本例の第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12には、バイアス磁場Bが与えられる。
電流発生回路220は、第1磁場発生装置21の一方の端子に接続される。また、第1磁場発生装置21の他方の端子は、第2電位232に設定される。本例の第1磁場発生装置21は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12が接続された、第2電位232の端子に接続される。但し、第1磁場発生装置21の他方の端子は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12が接続される端子と異なる電位に設定されてよい。
電流発生回路220は、第1磁場発生装置21に電流を供給する。これにより、電流発生回路220は、第1磁場発生装置21にバイアス磁場Bを発生させ、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に対してバイアス磁場Bを与える。
第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の磁気感度は、無バイアス状態における磁気感度ΔRに対してそれぞれa倍、a倍に変化する。また、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の初期抵抗値は、無バイアス状態における初期抵抗値R01、R02に対してそれぞれb倍、b倍に変化する。即ち、バイアス状態における第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12のそれぞれの抵抗値R1B、R2Bは、次式で示される。
(数式10)
1B=b01+(aΔR)B
(数式11)
2B=b02+(aΔR)B
同様にして、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12は、各々に接続された電流源241および電流源242で生成される予め定められた大きさIの定電流がそれぞれに供給される。これにより、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の端子間に生じる電圧V1B、V2Bは、次式で示される。
(数式12)
1B=I1B=I{b01+(aΔR)B
(数式13)
2B=I2B=I{b02+(aΔR)B
続いて、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の端子間に生じる電圧V1B、V2Bは、減算増幅器211に入力される。減算増幅器211の出力VOSBは、次式で示される。
(数式14)
OSB=G(V1B−V2B
=GI{ΔR(a−a)+(b01−b02)}
演算回路215は、無バイアス状態での減算増幅器211の出力VOSNと、バイアス状態での減算増幅器211の出力VOSBとを減算する。演算回路215には、減算増幅器211の出力信号が入力される。また、演算回路215には、電流発生回路220が第1磁場発生装置21に電流を供給しているか否かを示す情報が入力される。演算回路215の出力VOUTは、次式で示される。
(数式15)
OUT=VOSN−VOSB=GI[ΔR{(1−a)B−(1−a)B
+{(1−b)R01−(1−b)R02}]
本例の第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12は、同一チップ基板上に形成されている。この場合、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の特性がほぼ揃うので、a=a=a、b=b=bとなる。よって、(数15)式の演算回路215の出力VOUTは、次式で示される。
(数式16)
OUT=GI{ΔR(1−a)(B−B)+(1−b)(R01−R02)}
(数16)式の第1項は、磁気感度に相当する部分で、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力するX軸に平行な方向の磁場B、Bに依存する。(数16)式の第2項は、オフセットに相当する部分で、B=B=0のときの第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値のミスマッチの大きさに依存する。
無バイアス状態およびバイアス状態における、X軸に平行な方向の磁場による抵抗変化を考えると、a=0.75、b=1.001が得られる。これらを(数16)式に代入し、1−a=0.25と、1−b=−0.001≒0とすれば、演算回路215の出力VOUTは、次式で示される。
(数式17)
OUT=GIΔR(0.25)(B−B
即ち、演算回路215の出力VOUTは、オフセットに相当する部分が除去され、磁気感度に相当する部分のみが抽出されている。したがって、磁気センサ100は、誤差要素であるオフセット成分を抑制して、高い精度で不均一に生じた磁場を検出できる。
また、磁気センサ100は、差分構成をとるので、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力する磁場の大きさが等しければ、誤差要素が演算回路215の出力VOUTに現れることを抑制できる。例えば、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力する磁場の大きさが等しくなる場合とは、地磁気のような遠方より飛来するX軸に平行な方向の一様な磁場が入力される場合である。
なお、本例の演算手順はあくまで一例であり、本例で示した手順に限定されない。また、制御装置200は、磁気センサ100の出力信号を処理する処理回路の一例である。つまり、無バイアス状態とバイアス状態との間で、磁気抵抗素子の磁気感度およびオフセットが変化することを利用してオフセット成分を抑制する回路であれば本例に限られない。
[実施例2]
図5は、実施例2に係る制御システム300の構成の一例を示す。本例の制御システム300は、磁気センサ100および制御装置200を備える。磁気センサ100は、磁気抵抗素子10として、第1磁気抵抗素子11、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13を備える。即ち、本例の磁気センサ100は、実施例1に係る磁気センサ100に加えて、第3磁気抵抗素子13を更に備える。また、磁気センサ100の両端には、第1電流導体31および第2電流導体32が形成されている。
第3磁気抵抗素子13は、入力磁場に応じて抵抗が変化する。第3磁気抵抗素子13は、Y軸方向に延伸して形成される。本例の第3磁気抵抗素子13は、平面視で、中心軸に対称な形状を有する。第3磁気抵抗素子13は、XY平面上に形成される。また、第3磁気抵抗素子13は、X軸方向に感磁軸を有する。即ち、第3磁気抵抗素子13は、第1磁気抵抗素子11の感磁軸と平行な感磁軸を有する。第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13は、いずれもX軸に平行な方向に感度軸を有し、それぞれがX軸に平行な方向に一定の間隔を置いて配置される。第3磁気抵抗素子13は、第1平面51上で、第2磁気抵抗素子12を対称軸にして、第1磁気抵抗素子11と対称となるように配置される。なお、本明細書において、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13とは、第1磁気抵抗素子11、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13を指す。
第1電流導体31および第2電流導体32は、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13にX軸方向の磁場を印加する。第1電流導体31および第2電流導体32は、Y軸方向に延伸して形成される。第1電流導体31および第2電流導体32は、磁気センサ100のX軸の負側と正側にそれぞれ形成されている。第1電流導体31および第2電流導体32には、Y軸の正側に向けて電流が流れる。これにより、第1電流導体31および第2電流導体32の周囲に、2つの電流の作る合成の磁場が生成される。
第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13のそれぞれに、X軸方向の磁場B、B、Bが入力される。X軸方向の磁場B、B、Bは、一様でなく、例えば、B>B、B>Bである。第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13は、X軸に平行な方向に同じ磁気感度ΔRを有することが好ましい。R、R、Rは、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13のそれぞれの抵抗値であり、次式で示される。
(数式18)
=R01+ΔR・B
(数式19)
=R02+ΔR・B
(数式20)
=R03+ΔR・B
ここで、R01、R02、R03はX軸に平行な方向の磁場のないときの第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の抵抗値である。ΔRは第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の磁気感度である。B、B、Bは第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に入力するX軸に平行な方向の磁場である。
第1磁場発生装置21は、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に重なり、横切るように配置される。第1磁場発生装置21には、X軸に平行な方向に電流が流される。これにより、第1磁場発生装置21は、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に対してY軸に平行な方向にバイアス磁場Bを与える。
制御装置200は、演算部210、電流発生回路220および電流源241,242,243を備える。演算部210は、減算増幅器211,212、加算増幅器214および演算回路215を備える。
先ず、磁気センサ100が無バイアス状態に設定された場合について考える。即ち、本例の第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13には、バイアス磁場Bが与えられていない。
無バイアス状態での第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の抵抗値R1N、R2N、R3Nは、次式で示される。
(数式21)
1N=R01+ΔR・B
(数式22)
2N=R02+ΔR・B
(数式23)
3N=R03+ΔR・B
電流源241〜電流源243の一方の端子は、それぞれ第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の一方の端子に接続される。また、電流源241〜電流源243の他方の端子は、電気的に1点に結合されて、第1電位231が与えられる。第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の他方の端子は、電気的に1点に結合されて、第2電位232が与えられる。
第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13は、各々に接続された電流源241〜電流源243で生成される予め定められた大きさIの定電流がそれぞれに供給される。これにより、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の端子間に生じる電圧V1N、V2N、V3Nは、次式で示される。
(数式24)
1N=I1N=I(R01+ΔR・B
(数式25)
2N=I2N=I(R02+ΔR・B
(数式26)
3N=I3N=I(R03+ΔR・B
減算増幅器211は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の一方の端子に接続される。また、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の他方の端子は、電気的に1点に結合されている。これにより、減算増幅器211は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の端子間に生じる差分電圧を増幅して出力する。
減算増幅器212は、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13の一方の端子に接続される。また、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13の他方の端子は、電気的に1点に結合されている。これにより、減算増幅器212は、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13の端子間に生じる差分電圧を増幅して出力する。
よって、減算増幅器211および減算増幅器212の出力電圧VOSN1、VOSN2は、次式で示される。
(数式27)
OSN1=G(V1N−V2N)=GI{ΔR(B−B)+(R01−R02)}
(数式28)
OSN2=G(V3N−V2N)=GI{ΔR(B−B)+(R03−R02)}
Gは、予め定められた増幅率であり、0でない任意の値をとり得る。本例の減算増幅器211および減算増幅器212の増幅率は、等しい値に設定される。但し、減算増幅器211および減算増幅器212の増幅率は、異なる値であってよい。
加算増幅器214は、減算増幅器211および減算増幅器212の出力信号が入力されて、それぞれの入力を加算して増幅する。一例において、加算増幅器214の増幅率は1倍である。この場合、加算増幅器214の出力VOANは、次式で示される。
(数式29)
OAN=VOSN1+VOSN2
=GI[ΔR{(B−B)+(B−B)}
+{(R01−R02)+(R03−R02)}]
(数29)式の第1項は、磁気感度に相当する部分で、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に入力するX軸に平行な方向の磁場B、B、Bに依存する。(数29)式の第2項は、オフセットに相当する部分で、B=B=B=0のときの第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値のミスマッチと、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13の抵抗値のミスマッチと、の大きさに依存する。
次に、磁気センサ100がバイアス状態に設定された場合について考える。即ち、本例の第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13には、バイアス磁場Bが与えられる。
電流発生回路220は、第1磁場発生装置21の一方の端子に接続される。また、第1磁場発生装置21の他方の端子は、第2電位232に設定される。ここで、電流発生回路220が、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に対してY軸に平行な方向にバイアス磁場Bを与えるとき、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の磁気感度は、無バイアス状態における磁気感度ΔRに対してそれぞれa倍、a倍、a倍に変化し、初期抵抗値が、無バイアス状態における初期抵抗値R01、R02、R03に対してそれぞれb倍、b倍、b倍に変化する。
即ち、バイアス状態における第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13のそれぞれの抵抗値R1B、R2B、R3Bは、次式で示される。
(数式30)
1B=b01+(aΔR)B
(数式31)
2B=b02+(aΔR)B
(数式32)
3B=b03+(aΔR)B
同様にして、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13は、各々に接続された電流源241〜電流源243で生成される予め定められた大きさIの定電流がそれぞれに供給される。これにより、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の端子間に生じる電圧V1B、V2B、V3Bは、次式で示される。
(数式33)
1B=I1B=I{b01+(aΔR)B
(数式34)
2B=I2B=I{b02+(aΔR)B
(数式35)
3B=I3B=I{b03+(aΔR)B
続いて、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の端子間に生じる電圧V1B、V2Bは、減算増幅器211に入力される。また、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13の端子間に生じる電圧V2B、V3Bは、減算増幅器212に入力される。減算増幅器211および減算増幅器212の出力VOSB1、VOSB2は、次式で示される。
(数式36)
OSB1=G(V1B−V2B
=GI{ΔR(a−a)+(b01−b02)}
(数式37)
OSB2=G(V3B−V2B
=GI{ΔR(a−a)+(b03−b02)}
続いて、減算増幅器211および減算増幅器212の出力VOSB1、VOSB2は、加算増幅器214に入力される。加算増幅器214の出力VOABは、次式で示される。
(数式38)
OAB=VOSB1+VOSB2
=GI[ΔR{(a−a)+(a−a)}
+{(b01−b02)+(b03−b02)}]
演算回路215には、加算増幅器214の出力信号が入力される。また、演算回路215には、電流発生回路220が第1磁場発生装置21に電流を供給しているか否かに関する情報が入力される。これにより、演算回路215は、無バイアス状態における加算増幅器214の出力VOANと、バイアス状態における加算増幅器214の出力VOABとを減算して出力する。よって、演算回路215の出力VOUTは、次式で示される。
(数式39)
OUT=VOAN−VOAB
=GI[ΔR{(1−a)B+(1−a)B−2(1−a)B
+{(1−b)R01+(1−b)R03−2(1−b)R02}]
さらに、本例の第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13は、同一チップ基板上に形成されている。この場合、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の特性がほぼ揃うので、a=a=a=a、b=b=b=bとなる。(数39)式の演算回路215の出力VOUTは、次式で示される。
(数式40)
OUT=GI[ΔR(1−a){(B−B)+(B−B)}
+(1−b){(R01−R02)+(R03−R02)}]
(数40)式の第1項は、磁気感度に相当する部分で、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に入力するX軸に平行な方向の磁場B、B、Bに依存する。(数40)式の第2項は、オフセットに相当する部分で、B=B=B=0のときの第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値のミスマッチと、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13の抵抗値のミスマッチと、の大きさに依存する。
ここで、無バイアス状態およびバイアス状態におけるX軸に平行な方向の磁場による抵抗変化を考えると、a=0.75、b=1.001が得られる。これらを(数40)式に代入すると、1−a=0.25と、1−b=−0.001≒0とすれば、演算回路215の出力VOUTは、次式で示される。
(数式41)
OUT=GIΔR(0.25){(B−B)+(B−B)}
即ち、演算回路215の出力VOUTは、オフセットに相当する部分が除去され、磁気感度に相当する部分のみが抽出されている。したがって、磁気センサ100は、誤差要素であるオフセット成分を抑制して、X軸に平行な方向に不均一に生じた磁場を、高い精度で検出できる。
また、磁気センサ100は、差分構成をとるので、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に入力する磁場の大きさが等しければ、誤差要素に相当して、これが演算回路215の出力VOUTに現れることを抑制できる。例えば、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に入力する磁場の大きさが等しくなる場合とは、地磁気のような遠方より飛来するX軸に平行な方向の一様な磁場が入力される場合である。
本例の磁気センサ100は、[(B−B)+(B−B)]で示されるように、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13を用いて、2重の差分構成をとる。そのため、磁気センサ100は、一様でない外乱磁場による誤差要素を抑制できる。即ち、演算回路215の出力VOUTには、一様でない外乱磁場の成分が含まれない。本明細書において、一様な外乱磁場とは、X軸方向において一様に増加する磁場、又はX軸方向において一様に減少する磁場を指す。
なお、本例の演算手順はあくまで一例であり、本例に記載した手順に限定されない。また、制御装置200は、磁気センサ100の出力信号を処理する処理回路の一例である。つまり、無バイアス状態とバイアス状態との間で、磁気抵抗素子の磁気感度およびオフセットが変化することを利用してオフセット成分を抑制する回路であれば本例に限られない。
[実施例3]
図6は、実施例3に係る制御システム300の構成の一例を示す。本例の磁気センサ100は、第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14および第1磁場発生装置21を備える。即ち、本例の磁気センサ100は、実施例1に係る磁気センサ100に加えて、第3磁気抵抗素子13および第4磁気抵抗素子14を更に備える。磁気センサ100の両端には、第1電流導体31および第2電流導体32が形成されている。なお、本明細書において、第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14とは、第1磁気抵抗素子11、第2磁気抵抗素子12、第3磁気抵抗素子13および第4磁気抵抗素子14を示す。
第3磁気抵抗素子13は、入力磁場に応じて抵抗が変化する。第3磁気抵抗素子13は、Y軸方向に延伸して形成される。第3磁気抵抗素子13は、XY平面上に形成される。また、第3磁気抵抗素子13は、X軸方向に感磁軸を有する。即ち、第3磁気抵抗素子13は、第1磁気抵抗素子11の感磁軸と平行な感磁軸を有する。
第4磁気抵抗素子14は、入力磁場に応じて抵抗が変化する。第4磁気抵抗素子14は、Y軸方向に延伸して形成される。第4磁気抵抗素子14は、XY平面上に形成される。また、第4磁気抵抗素子14は、X軸方向に感磁軸を有する。即ち、第4磁気抵抗素子14は、第1磁気抵抗素子11の感磁軸と平行な感磁軸を有する。
第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14は、X軸方向の負側から、第1磁気抵抗素子11、第2磁気抵抗素子12、第4磁気抵抗素子14および第3磁気抵抗素子13の順に並んで配置されている。本例の第3磁気抵抗素子13および第4磁気抵抗素子14は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12と対称に配置されている。
本例の第2磁気抵抗素子12は、第1磁気抵抗素子11および第4磁気抵抗素子14に挟まれて形成される。また、本例の第4磁気抵抗素子14は、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13に挟まれて形成される。
第1電流導体31および第2電流導体32は、Y軸方向に延伸して形成される。第1電流導体31および第2電流導体32は、磁気センサ100のX軸の負側と正側にそれぞれ形成されている。第1電流導体31および第2電流導体32には、Y軸の正側に向けて電流が流れる。これにより、第1電流導体31および第2電流導体32の周囲に、2つの電流の作る合成の磁場が生成される。
第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14のそれぞれに、X軸方向の磁場B、B、B、Bが入力される。X軸方向の磁場B、B、B、Bは、一様でなく、例えば、B>B、B>Bである。第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14は、X軸に平行な方向に同じ磁気感度ΔRを有することが好ましい。
制御装置200は、演算部210、電流発生回路220および電流源241〜電流源244を備える。演算部210は、減算増幅器211,212、加算増幅器214および演算回路215を備える。
電流源241〜電流源244の一方の端子は、それぞれ第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14の一方の端子に接続される。また、電流源241〜電流源244の他方の端子は、電気的に1点に結合されて、第1電位231が与えられる。第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14の他方の端子は、電気的に1点に結合されて、第2電位232が与えられる。これにより、電流源241〜電流源244は、第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14の各々に予め定められた大きさIの定電流を供給する。
減算増幅器211は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の一方の端子に接続される。また、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の他方の端子は、電気的に1点に結合されている。これにより、減算増幅器211は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の端子間に生じる差分電圧を増幅して出力する。
減算増幅器212は、第3磁気抵抗素子13および第4磁気抵抗素子14の一方の端子に接続される。また、第3磁気抵抗素子13および第4磁気抵抗素子14の他方の端子は、電気的に1点に結合されている。これにより、減算増幅器212は、第3磁気抵抗素子13および第4磁気抵抗素子14の端子間に生じる差分電圧を増幅して出力する。
加算増幅器214は、減算増幅器211および減算増幅器212の出力信号が入力される。加算増幅器214は、入力された出力信号を加算して出力する。
本例の磁気センサ100は、実施例2の場合と同様に、第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14の出力に基づいて、オフセット成分を除去する。したがって、磁気センサ100は、誤差要素であるオフセット成分を抑制して、X軸に平行な方向に不均一に生じた磁場を、高い精度で検出できる。
[実施例4]
図7は、実施例4に係る制御システム300の構成の一例を示す。図8は、実施例4に係る磁気センサ100の断面図の一例を示す。本例の磁気センサ100は、第1磁気抵抗素子11、第2磁気抵抗素子12、第1磁場発生装置21および第2磁場発生装置22を備える。即ち、本例の磁気センサ100は、実施例1に係る磁気センサ100の構成に加えて、第2磁場発生装置22を更に有する。
第2磁場発生装置22は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に帰還磁場を印加する。第2磁場発生装置22は、帰還磁場を第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に印加することにより、第1磁気抵抗素子11と第2磁気抵抗素子12の抵抗値が同じとなるように制御する。帰還電流とは、帰還磁場を発生させるために第2磁場発生装置22に流される電流である。
第2磁場発生装置22は、第1磁場発生装置21の延伸する方向と異なる方向に延伸する。本例の第2磁場発生装置22は、Y軸に平行な方向に延伸する2つの第2磁場発生装置22aおよび第2磁場発生装置22bを備える。第2磁場発生装置22a,22bは、導電性の材料で形成される。一例において、第2磁場発生装置22a,22bは、メタル配線で形成される。第2磁場発生装置22は、電力損失の観点から、比抵抗の小さい金属が好ましく、銅、金、白金、アルミニウム、或いは、それらを含む合金が好ましい。
第2磁場発生装置22aは、平面視で、第1磁気抵抗素子11と重なるように第3平面53上に配置される。第2磁場発生装置22aは、第1磁気抵抗素子11に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。
第2磁場発生装置22bは、平面視で、第2磁気抵抗素子12と重なるように第3平面53上に配置される。第2磁場発生装置22bは、第2磁気抵抗素子12に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。
第3平面53は、XY平面に略平行な面として形成される。即ち、第3平面53は、第1平面51および第2平面52と略平行で、互いが重ならないように配置される。第1平面51〜第3平面53は、Z軸の正側に向かって、第1平面51、第3平面53、第2平面52の順に形成される。磁気センサ100の製造と特性の観点からは、本例の順で配置することが好ましい。但し、第1平面51〜第3平面53の形成される順序は、本例に限られない。
第2磁場発生装置22aのY軸方向正側の端子は、第2電位232に設定される。第2磁場発生装置22aのY軸方向負側の端子は、第2磁場発生装置22bのY軸方向負側の端子に接続される。また、第2磁場発生装置22bのY軸方向正側の端子は、制御装置200に接続される。このような接続により、第2磁場発生装置22a,22bは、直列に接続され、帰還電流IFBが流される。
一例において、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22aをY軸方向の正側に向かって流れる。この場合、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22bをY軸方向の負側に向かって流れる。これにより、第2磁場発生装置22a,22bは、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。この場合、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に生じる帰還磁場は、それぞれ−βIFB、βIFBとなる。
βは、電流磁場変換率であり、β=BFB/IFBとなる。IFBは、第2磁場発生装置22a,22bに流れる帰還電流である。BFBは、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に印加される、IFBに応じたX軸に平行な方向の帰還磁場である。
また、一例において、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22aをY軸方向の負側に向かって流れる。この場合、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22bをY軸方向の正側に向かって流れる。これにより、第2磁場発生装置22a,22bは、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。この場合、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に生じる帰還磁場は、それぞれβIFB、−βIFBとなる。
本例において、第2磁場発生装置22a,22bの電流磁場変換率が等しい場合について考えたが、第2磁場発生装置22aと第2磁場発生装置22bのメタル配線の幅を変えることなどにより、それぞれの電流変換率を異ならせてもよい。
また、本例の第2磁場発生装置22a,22bは、それぞれが1本のメタル配線で形成されている。但し、第2磁場発生装置22a,22bは、第3平面53上において、X軸に平行な方向に、メタル配線を適当な間隔で複数並べられてもよい。第2磁場発生装置22aおよび第2磁場発生装置22bのそれぞれが複数のメタル配線で構成される場合、それぞれのメタル配線に電流をY軸に平行な同一方向に流すと、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に与えられるX軸に平行な方向の帰還磁場の強度がより強くなる。この場合、第2磁場発生装置22が有する複数のメタル配線は、それぞれが並列に接続されて同一方向に電流を流してもよいし、それぞれが直列に接続されてもよい。また、第2磁場発生装置22が有する複数のメタル配線は、渦巻きを描くように一筆書きに接続されて同一方向に電流を流してもよい。第2磁場発生装置22a、22bは、第1磁気抵抗素子11、第2磁気抵抗素子12に帰還磁場を与えることができれば、第1磁気抵抗素子11、第2磁気抵抗素子12のそれぞれに重ならないように配置されてもよい。
磁気センサ100のX軸負側には磁石が配置されている。この場合、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12には、X軸方向の磁場Bが入力される。本例では、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12のそれぞれに、X軸方向の磁場B、Bが入力される。X軸方向の磁場B、Bは、一様でなく、例えば、B>Bとなる。
ここで、帰還電流IFBが、第2磁場発生装置22aをY軸方向の正側に向かって流れ、第2磁場発生装置22bをY軸方向の負側に向かって流れる場合について考える。この場合、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12には、帰還電流IFBにより、X軸に平行な方向の帰還磁場−βIFB、βIFBがそれぞれ入力される。また、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12は、X軸に平行な方向に同じ磁気感度ΔRを有することが好ましい。この場合、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12のそれぞれの抵抗値R、Rは、次式で示される。
(数式42)
=R01+ΔR(B−βIFB
(数式43)
=R02+ΔR(B+βIFB
01、R02はX軸に平行な方向の磁場のないときの第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値、ΔRは第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の磁気感度、B、Bは第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力するX軸に平行な方向の磁場、−βIFB、βIFBは帰還電流IFBによる第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力するX軸に平行な方向の帰還磁場である。
次に、本例の磁気センサ100に対応する制御装置200の一例を説明する。制御装置200は、演算部210、電流発生回路220、電流源241,242、増幅器251,252および抵抗270を備える。演算部210は、減算増幅器211および加算増幅器214を備える。
無バイアス状態において、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12のそれぞれの抵抗値R1N、R2Nは、次式で示される。
(数式44)
1N=R01+ΔR(B−βIFBN
(数式45)
2N=R02+ΔR(B+βIFBN
FBNは、無バイアス状態における帰還電流を示す。
電流源241は、一端が第1磁気抵抗素子11に接続され、他端が電気的に1点に結合され第1電位231が与えられる。第1磁気抵抗素子11の他端は、電気的に1点に結合され第2電位232が与えられる。
電流源242は、一端が第2磁気抵抗素子12に接続され、他端が電気的に1点に結合され第1電位231が与えられる。第2磁気抵抗素子12の他端は、電気的に1点に結合され第2電位232が与えられる。一例において、第1電位231は電源装置の電源電位VDDであり、第2電位232はグランド電位GNDである。但し、第1電位231および第2電位232は、これに限定されるものではない。
電流源241および電流源242は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に予め定められた大きさの定電流Iをそれぞれに供給する。これにより、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の端子間には、電圧V1N、V2Nが生じる。電圧V1N、V2Nは、次式で示される。
(数式46)
1N=I1N=I{R01+ΔR(B−βIFBN)}
(数式47)
2N=I2N=I{R02+ΔR(B+βIFBN)}
減算増幅器211は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の一方の端子に接続される。また、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の他方の端子は、第2電位232に設定されている。減算増幅器211は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の2つの端子間に生じる差分電圧を増幅して出力する。減算増幅器211の増幅率が1倍の場合、減算増幅器211の出力VOSNは、次式で示される。
(数式48)
OSN=V1N−V2N
=I[ΔR{(B−B)−2βIFBN}+(R01−R02)]
加算増幅器214は、減算増幅器211の出力VOSNと、後述の増幅器252の出力Vとが入力され、それぞれの入力を加算して増幅する。この場合、加算増幅器214の出力VOANは、次式で示される。
(数式49)
OAN=G(VOSN+V
=G[IΔR{(B−B)−2βIFBN}+I(R01−R02)+V
Gは固定した増幅率であり、0でない任意の値をとり得る。増幅率Gは正の値であってよい。
増幅器251は、加算増幅器214の出力信号が入力される。増幅器251は、入力された信号をA倍に増幅して出力する。増幅器251の出力VANは、次式で示される。
(数式50)
AN=AOAN=AG[IΔR{(B−B)−2βIFBN
+I(R01−R02)+V
は固定した増幅率であり、0でない任意の値をとり得る。増幅率Aは正の値であってよい。
増幅器251の出力端子は、抵抗値がRである抵抗270の一方の端子に接続される。抵抗270の他方の端子は、第2磁場発生装置22の他方の端子に接続される。また、第2磁場発生装置22の一方の端子は、第2電位232に設定される。本例では第2磁場発生装置22の抵抗値がほぼゼロであるとすれば、抵抗270の端子間電圧はVANとなり、ここで作られる電流が、第2磁場発生装置22に流れる帰還電流となる。よって、帰還電流IFBNは、次式で示される。
(数式51)
FBN=VAN/R=AG[IΔR{(B−B)−2βIFBN
+I(R01−R02)+V]/R
(数51)式は、IFBについて解くと、次式で示される。
(数式52)
Figure 2017181409
ここで、R≪2AGIΔRβとなるように、増幅率AやGを調整すれば、(数52)式は、次式で示される。
(数式53)
Figure 2017181409
(数53)式の第1項は、磁気感度に相当する部分で、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力される磁場B、Bに依存する。(数53)式の第2項は、オフセットに相当する部分で、B=B=0のときの第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値のミスマッチと、増幅器252の出力Vの大きさに依存する。
帰還電流IFBNは、第1磁気抵抗素子11、第2磁気抵抗素子12、減算増幅器211、加算増幅器214、増幅器251および抵抗270で構成された閉ループ回路網により生成される。本明細書において、当該閉ループ回路網を主閉ループ回路網と称する。
以上の通り、帰還電流IFBNの磁気感度に相当する第1項は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の磁気感度ΔRに依らず、且つ、電流磁場変換率βが温度特性をほとんど有さない。そのため、磁気センサ100は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力するX軸に平行な方向の磁場の差分(B−B)を精度よく検出できる。
次に、磁気センサ100がバイアス状態に設定された場合について考える。即ち、本例の第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12には、バイアス磁場Bが与えられる。
電流発生回路220は、第1磁場発生装置21の一方の端子に接続される。また、第1磁場発生装置21の他方の端子は、第2電位232に設定される。ここで、電流発生回路220が、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に対してY軸に平行な方向にバイアス磁場Bを与えるとき、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12は、磁気感度が、無バイアス状態における磁気感度ΔRに対してそれぞれa倍、a倍に変化し、初期抵抗値が、無バイアス状態における初期抵抗値R01、R02に対してそれぞれb倍、b倍に変化する。
即ち、バイアス状態における第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12のそれぞれの抵抗値R1B、R2Bは、バイアス状態における帰還電流をIFBBとすると、次式で示される。
(数式54)
1B=b01+(aΔR)(B−βIFBB
(数式55)
2B=b02+(aΔR)(B+βIFBB
バイアス状態では、無バイアス状態の場合と同様に、主閉ループ回路網で動作する。第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12が同一チップ基板上に形成されている場合、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の特性がほぼ揃うので、a=a=a、b=b=bとなる。よって、帰還電流IFBBは、次式で示される。
(数式56)
Figure 2017181409
(数53)式と、(数56)式より、無バイアス状態とバイアス状態とで磁気感度に相当する部分は変化せず、オフセットに相当する部分が変化する。
電圧検出回路260には、抵抗270の端子間電圧が入力される。また、電圧検出回路260には、電流発生回路220が第1磁場発生装置21に電流を供給しているか否かを示す情報が入力される。これにより、電圧検出回路260は、ここまでに得られた無バイアス状態における抵抗270の端子間電圧VRLNと、バイアス状態における抵抗270の端子間電圧VRLBとを減算して出力する。よって、電圧検出回路260の出力VOPPは、次式で示される。
(数式57)
Figure 2017181409
増幅器252は、電圧検出回路260の出力信号が入力される。増幅器252は、入力された信号を−A倍に増幅して出力する。増幅器252の出力Vは、次式で示される。
(数式58)
Figure 2017181409
は固定した増幅率であり、0でない任意の値をとり得る。増幅率Aは正の値であってよい。
(数58)式は、Vについて解くと、次式で示される。
(数式59)
Figure 2017181409
2βIΔR≪A(1−1/a)となるように、増幅率Aを調整すれば、(数59)式は、次式で示される。
(数式60)
Figure 2017181409
増幅器252の出力Vは、電圧検出回路260、加算増幅器214、増幅器251,252および抵抗270で構成した閉ループ回路網により生成される。本明細書において、当該閉ループ回路網を補助閉ループ回路網と称する。
ここで、一例において、磁気抵抗素子の無バイアス状態とバイアス状態との間でX軸に平行な方向の磁場による抵抗変化を考えると、a=0.75、b=1.001が得られる。これらを(数56)式、(数60)式に代入し、b≒1とすれば、無バイアス状態およびバイアス状態における帰還電流IFBN、IFBBは、次式で示される。
(数式61)
FBN=IFBB=(B−B)/(2β)
即ち、帰還電流IFBN、IFBBは、オフセットに相当する部分を除去し、磁気感度に相当する部分のみを抽出している。したがって、磁気センサ100は、誤差要素であるオフセット成分を抑制して、X軸に平行な方向に不均一に生じた磁場を、高い精度で検出できる。
また、磁気センサ100は、差分構成をとるので、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力する磁場の大きさが等しければ、誤差要素が帰還電流IFBに現れることを抑制できる。例えば、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力する磁場の大きさが等しくなる場合とは、地磁気のような遠方より飛来するX軸に平行な方向の一様な磁場が入力される場合である。
なお、本例の演算手順はあくまで一例であり、本例で示した手順に限定されない。また、制御装置200は、磁気センサ100の出力信号を処理する処理回路の一例である。無バイアス状態とバイアス状態との間で、磁気抵抗素子の磁気感度およびオフセットが変化することを利用してオフセット成分を抑制する回路であれば本例に限られない。
主閉ループ回路網は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値が同じとなるように変化する。言い換えれば、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値の差が生じないように変化する負帰還の回路を構成すれば、いかなる回路を組んでもよい。
また、補助閉ループ回路網は、無バイアス状態とバイアス状態との間で、帰還電流に生じるオフセット成分の変化が生じないように負帰還の回路を構成すれば、いかなる回路を組んでもよい。
[実施例5]
図9は、実施例5に係る制御システム300の構成の一例を示す。本例の磁気センサ100は、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13、第1磁場発生装置21および第2磁場発生装置22を備える。即ち、本例の磁気センサ100は、実施例2に係る磁気センサ100の構成に加えて、第2磁場発生装置22を備える。磁気センサ100の両端には、第1電流導体31および第2電流導体32が形成されている。
第2磁場発生装置22は、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に帰還磁場を印加する。第2磁場発生装置22は、Y軸に平行な方向に延伸する3つの第2磁場発生装置22a、第2磁場発生装置22bおよび第2磁場発生装置22cを備える。第2磁場発生装置22a,22b,22cは、導電性の材料で形成される。一例において、第2磁場発生装置22a,22b,22cは、メタル配線で形成される。第2磁場発生装置22は、電力損失の観点から、比抵抗の小さい金属が好ましく、銅、金、白金、アルミニウム、或いは、それらを含む合金が好ましい。
第2磁場発生装置22aは、平面視で、第1磁気抵抗素子11と重なるように第3平面53上に配置される。第2磁場発生装置22aは、第1磁気抵抗素子11に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。
第2磁場発生装置22bは、平面視で、第2磁気抵抗素子12と重なるように第3平面53上に配置される。第2磁場発生装置22bは、第2磁気抵抗素子12に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。
第2磁場発生装置22cは、平面視で、第3磁気抵抗素子13と重なるように第3平面53上に配置される。第2磁場発生装置22cは、第3磁気抵抗素子13に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。
第2磁場発生装置22aのY軸方向正側の端子は、第2電位232に設定される。第2磁場発生装置22aのY軸方向負側の端子は、第2磁場発生装置22bのY軸方向負側の端子に接続される。また、第2磁場発生装置22bのY軸方向正側の端子は、第2磁場発生装置22cのY軸方向正側の端子に接続される。また、第2磁場発生装置22cのY軸方向負側の端子は、制御装置200に接続される。このような接続により、第2磁場発生装置22a,22b,22cは、直列に接続され、帰還電流IFBが流される。
一例において、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22aをY軸方向の正側に向かって流れる。この場合、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22bをY軸方向の負側に向かって流れ、第2磁場発生装置22cをY軸方向の正側に向かって流れる。これにより、第2磁場発生装置22a,22b,22cは、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。この場合、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に生じる帰還磁場は、それぞれ−βIFB、βIFB、−βIFBとなる。
βは、電流磁場変換率であり、β=BFB/IFBとなる。IFBは、第2磁場発生装置22a,22b,22cに流れる帰還電流である。BFBは、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に印加される、IFBに応じたX軸に平行な方向の帰還磁場である。
また、一例において、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22aをY軸方向の負側に向かって流れる。この場合、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22bをY軸方向の正側に向かって流れ、第2磁場発生装置22cをY軸方向の負側に向かって流れる。これにより、第2磁場発生装置22a,22b,22cは、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。この場合、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に生じる帰還磁場は、それぞれβIFB、−βIFB、βIFBとなる。
本例において、第2磁場発生装置22a,22b,22cの電流磁場変換率が等しい場合について考えたが、第2磁場発生装置22a〜第2磁場発生装置22cのメタル配線の幅を変えることなどにより、それぞれの電流変換率を異ならせてもよい。
第1電流導体31および第2電流導体32は、Y軸方向に延伸して形成される。第1電流導体31および第2電流導体32は、磁気センサ100のX軸の負側と正側にそれぞれ形成されている。第1電流導体31および第2電流導体32には、Y軸の正側に向けて電流が流れる。これにより、第1電流導体31および第2電流導体32の周囲に、2つの電流の作る合成の磁場が生成される。
第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13のそれぞれに、X軸方向の磁場B、B、Bが入力される。X軸方向の磁場B、B、Bは、一様でなく、例えば、B>B、B>Bである。第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13は、X軸に平行な方向に同じ磁気感度ΔRを有することが好ましい。R、R、Rは、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13のそれぞれの抵抗値であり、次式で示される。
(数式62)
=R01+ΔR(B−βIFB
(数式63)
=R02+ΔR(B+βIFB
(数式64)
=R03+ΔR(B−βIFB
01、R02、R03はX軸に平行な方向の磁場のないときの第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の抵抗値である。ΔRは第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の磁気感度である。B、B、Bは第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に入力するX軸に平行な方向の磁場である。−βIFB、βIFB、−βIFBは帰還電流IFBによって、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に入力されるX軸に平行な方向の帰還磁場である。
制御装置200は、演算部210、電流発生回路220、電流源241〜電流源243、増幅器251,252、電圧検出回路260および抵抗270を備える。演算部210は、減算増幅器211,212および加算増幅器214を備える。
先ず、磁気センサ100が無バイアス状態に設定された場合について考える。即ち、本例の第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13には、バイアス磁場Bが与えられていない。
無バイアス状態における第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13のそれぞれの抵抗値R1N、R2N、R3Nは、無バイアス状態における帰還電流をIFBNとすると、次式で示される。
(数式65)
1N=R01+ΔR(B−βIFBN
(数式66)
2N=R02+ΔR(B+βIFBN
(数式67)
3N=R03+ΔR(B−βIFBN
電流源241〜電流源243の一方の端子は、それぞれ第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の一方の端子に接続される。また、電流源241〜電流源243の他方の端子は、電気的に1点に結合されて、第1電位231が与えられる。第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の他方の端子は、電気的に1点に結合されて、第2電位232が与えられる。
第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13は、各々に接続された電流源241〜電流源243で生成される予め定められた大きさIの定電流がそれぞれに供給される。これにより、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の端子間に生じる電圧V1N、V2N、V3Nは、次式で示される。
(数式68)
1N=I1N=I{R01+ΔR(B−βIFBN)}
(数式69)
2N=I2N=I{R02+ΔR(B+βIFBN)}
(数式70)
3N=I3N=I{R03+ΔR(B−βIFBN)}
減算増幅器211は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の一方の端子に接続される。また、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の他方の端子は、電気的に1点に結合されている。これにより、減算増幅器211は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の端子間に生じる差分電圧を増幅して出力する。
減算増幅器212は、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13の一方の端子に接続される。また、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13の他方の端子は、電気的に1点に結合されている。これにより、減算増幅器212は、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13の端子間に生じる差分電圧を増幅して出力する。よって、減算増幅器211および減算増幅器212の出力電圧VOSN1、VOSN2は、次式で示される。
(数式71)
OSN1=V1N−V2N
=I[ΔR{(B−B)−2βIFBN}+(R01−R02)]
(数式72)
OSN2=V3N−V2N
=I[ΔR{(B−B)−2βIFBN}+(R03−R02)]
加算増幅器214は、減算増幅器211および減算増幅器212の出力信号に加え、増幅器252の出力Vが入力される。加算増幅器214は、入力された信号を加算して増幅する。加算増幅器214の出力VOANは、次式で示される。
(数式73)
OAN=G(VOSN1+VOSN2+V
=G[IΔR{(B−B)+(B−B)−4βIFBN
+I{(R01−R02)+(R03−R02)}+V
Gは固定した増幅率であり、0でない任意の値をとり得る。増幅率Gは正の値であってよい。
増幅器251は、入力された加算増幅器214の出力をA倍に増幅して出力する。増幅器251の出力VANは、次式で示される。
(数式74)
AN=AOAN
=AG[IΔR{(B−B)+(B−B)−4βIFBN
+I{(R01−R02)+(R03−R02)}+V
は固定した増幅率であり、0でない任意の値をとり得る。増幅率Aは正の値であってよい。
増幅器251の出力端子は、抵抗値がRである抵抗270の一方の端子に接続される。また、抵抗270の他方の端子は、第2磁場発生装置22の他方の端子に接続される。また、第2磁場発生装置22の一方の端子は、第2電位232に設定される。本例では第2磁場発生装置22の抵抗値がほぼゼロであるとすれば、抵抗270の端子間電圧はVANとなり、ここで作られる電流が、第2磁場発生装置22に流れる帰還電流となる。よって、帰還電流IFBNは、次式で示される。
(数式75)
FBN=VAN/R
=AG[IΔR{(B−B)+(B−B)−4βIFBN
+I{(R01−R02)+(R03−R02)}+V]/R
(数75)式は、IFBについて解くと、次式で示される。
(数式76)
Figure 2017181409
ここで、R≪4AGIΔRβとなるように、増幅率AやGを調整すれば、(数76)式は、次式で示される。
(数式77)
Figure 2017181409
(数77)式の第1項は、磁気感度に相当する部分で、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に入力するX軸に平行な方向の磁場B、B、Bに依存する。(数77)式の第2項は、オフセットに相当する部分で、B=B=B=0のときの第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値のミスマッチと、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13の抵抗値のミスマッチと、増幅器252の出力Vの大きさに依存する。
帰還電流IFBNは、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13、減算増幅器211,212、加算増幅器214、増幅器251および抵抗270で構成された閉ループ回路網により生成される。本明細書において、当該閉ループ回路網を主閉ループ回路網と称する。
以上の通り、帰還電流IFBNの磁気感度に相当する第1項は、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の磁気感度ΔRに依らず、且つ、電流磁場変換率βが温度特性をほとんど有さないことから、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力するX軸に平行な方向の磁場の差分(B−B)と、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13に入力するX軸に平行な方向の磁場の差分(B−B)と、の和を精度よく検出できる。
次に、磁気センサ100がバイアス状態に設定された場合について考える。即ち、本例の第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13には、バイアス磁場Bが与えられる。
電流発生回路220は、第1磁場発生装置21の一方の端子に接続される。また、第1磁場発生装置21の他方の端子は、第2電位232に設定される。ここで、電流発生回路220が、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に対してY軸に平行な方向にバイアス磁場Bを与えるとき、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13は、磁気感度が、無バイアス状態における磁気感度ΔRに対してそれぞれa倍、a倍、a倍に変化し、初期抵抗値が、無バイアス状態における初期抵抗値R01、R02、R03に対してそれぞれb倍、b倍、b倍に変化する。
即ち、バイアス状態における第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13のそれぞれの抵抗値R1B、R2B、R3Bは、バイアス状態における帰還電流をIFBBとすると、次式で示される。
(数式78)
1B=b01+(aΔR)(B−βIFBB
(数式79)
2B=b02+(aΔR)(B+βIFBB
(数式80)
3B=b03+(aΔR)(B−βIFBB
バイアス状態においても同様に、主閉ループ回路網で動作する。第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13は、同一チップ基板上に形成されているので、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13の特性がほぼ揃い、a=a=a=a、b=b=b=bとなる。帰還電流IFBBは、次式で示される。
(数式81)
Figure 2017181409
(数77)式および(数81)式は、無バイアス状態とバイアス状態との間で磁気感度に相当する部分は変化せず、オフセットに相当する部分は変化することを示す。
電圧検出回路260には、抵抗270の端子間電圧が入力される。また、電圧検出回路260には、電流発生回路220が第1磁場発生装置21に電流を供給しているか否かを示す情報が入力される。これにより、電圧検出回路260は、ここまでに得られた無バイアス状態における抵抗270の端子間電圧VRLNと、バイアス状態における抵抗270の端子間電圧VRLBとを減算して出力する。よって、電圧検出回路260の出力VOPPは、次式で示される。
(数式82)
Figure 2017181409
増幅器252は、電圧検出回路260の出力信号が入力される。増幅器252は、入力された信号を−A倍に増幅して出力する。増幅器252の出力Vは、次式で示される。
(数式83)
Figure 2017181409
は固定した増幅率であり、0でない任意の値をとり得る。増幅率Aは正の値であってよい。
(数83)式は、Vについて解くと、次式で示される。
(数式84)
Figure 2017181409
4βIΔR≪A(1−1/a)となるように、増幅率Aを調整すれば、(数84)式は、次式で示される。
(数式85)
Figure 2017181409
増幅器252の出力Vは、電圧検出回路260、加算増幅器214、増幅器251,252および抵抗270で構成した閉ループ回路網により生成される。本明細書において、当該閉ループ回路網を補助閉ループ回路網と称する。
ここで、一例において、磁気抵抗素子の無バイアス状態とバイアス状態との間でX軸に平行な方向の磁場による抵抗変化を考えると、a=0.75、b=1.001が得られる。これらを(数77)式、(数81)式に代入し、b≒1とすれば、無バイアス状態およびバイアス状態における帰還電流IFBN、IFBBは、次式で示される。
(数式86)
FBN=IFBB={(B−B)+(B−B)}/(4β)
即ち、帰還電流IFBN、IFBBは、オフセットに相当する部分を除去し、磁気感度に相当する部分のみを抽出している。したがって、磁気センサ100は、誤差要素であるオフセット成分を抑制して、X軸に平行な方向に不均一に生じた磁場を、高い精度で検出できる。
また、磁気センサ100は、差分構成をとるので、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に入力する磁場の大きさが等しければ、誤差要素に相当して、これが帰還電流IFBに現れることを抑制できる。例えば、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13に入力する磁場の大きさが等しくなる場合とは、地磁気のような遠方より飛来するX軸に平行な方向の一様な磁場が入力される場合である。
本例の磁気センサ100は、[(B−B)+(B−B)]で示されるように、第1磁気抵抗素子11〜第3磁気抵抗素子13を用いて、2重の差分構成をとる。そのため、磁気センサ100は、一様でない外乱磁場による誤差要素が帰還電流IFBに現れるのを抑制できる。
なお、本例の演算手順はあくまで一例であり、本例で示した手順に限定されない。また、制御装置200は、磁気センサ100の出力信号を処理する処理回路の一例である。無バイアス状態とバイアス状態との間で、磁気抵抗素子の磁気感度およびオフセットが変化することを利用してオフセット成分を抑制する回路であれば本例に限られない。
主閉ループ回路網は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値が同じとなるように、且つ、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13の抵抗値が同じとなるように変化する。言い換えれば、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値の差が生じないように、且つ、第2磁気抵抗素子12および第3磁気抵抗素子13の抵抗値の差が生じないように変化する負帰還の回路を構成すれば、いかなる回路を組んでもよい。
また、補助閉ループ回路網は、無バイアス状態とバイアス状態との間で、帰還電流に生じるオフセット成分の変化が生じないように負帰還の回路を構成すれば、いかなる回路を組んでもよい。
[実施例6]
図10は、実施例6に係る制御システム300の構成の一例を示す。本例の磁気センサ100は、第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14、第1磁場発生装置21および第2磁場発生装置22を備える。即ち、本例の磁気センサ100は、実施例3に係る磁気センサ100の構成に加えて、第2磁場発生装置22を更に備える。また、本例の制御装置200は、実施例5に係る制御装置200の構成に加えて、電流源244を更に備える。
第2磁場発生装置22は、第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14に帰還磁場を印加する。第2磁場発生装置22は、Y軸に平行な方向に延伸する4つの第2磁場発生装置22a、第2磁場発生装置22b、第2磁場発生装置22cおよび第2磁場発生装置22dを備える。第2磁場発生装置22a,22b,22c,22dは、導電性の材料で形成される。一例において、第2磁場発生装置22a,22b,22c,22dは、メタル配線で形成される。第2磁場発生装置22は、電力損失の観点から、比抵抗の小さい金属が好ましく、銅、金、白金、アルミニウム、或いは、それらを含む合金が好ましい。
第2磁場発生装置22aは、平面視で、第1磁気抵抗素子11と重なるように第3平面53上に配置される。第2磁場発生装置22aは、第1磁気抵抗素子11に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。
第2磁場発生装置22bは、平面視で、第2磁気抵抗素子12と重なるように第3平面53上に配置される。第2磁場発生装置22bは、第2磁気抵抗素子12に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。
第2磁場発生装置22cは、平面視で、第3磁気抵抗素子13と重なるように第3平面53上に配置される。第2磁場発生装置22cは、第3磁気抵抗素子13に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。
第2磁場発生装置22dは、平面視で、第4磁気抵抗素子14と重なるように第3平面53上に配置される。第2磁場発生装置22dは、第4磁気抵抗素子14に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。
第2磁場発生装置22aのY軸方向正側の端子は、第2電位232に設定される。第2磁場発生装置22aのY軸方向負側の端子は、第2磁場発生装置22bのY軸方向負側の端子に接続される。また、第2磁場発生装置22bのY軸方向正側の端子は、第2磁場発生装置22dのY軸方向負側の端子に接続される。第2磁場発生装置22dのY軸方向正側の端子は、第2磁場発生装置22cのY軸方向正側の端子に接続される。第2磁場発生装置22cのY軸方向負側の端子は、制御装置200に接続される。このような接続により、第2磁場発生装置22a,22b,22c,22dは、直列に接続され、帰還電流IFBが流される。
一例において、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22aをY軸方向の正側に向かって流れる。この場合、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22bおよび第2磁場発生装置22dをY軸方向の負側に向かって流れ、第2磁場発生装置22cをY軸方向の正側に向かって流れる。これにより、第2磁場発生装置22a,22b,22c,22dは、第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。この場合、第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14に生じる帰還磁場は、それぞれ−βIFB、βIFB、−βIFB、βIFBとなる。
βは、電流磁場変換率であり、β=BFB/IFBとなる。IFBは、第2磁場発生装置22a,22b,22c,22dに流れる帰還電流である。BFBは、第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14に印加される、IFBに応じたX軸に平行な方向の帰還磁場である。
また、一例において、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22aをY軸方向の負側に向かって流れる。この場合、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22bおよび第2磁場発生装置22dをY軸方向の正側に向かって流れ、第2磁場発生装置22cをY軸方向の負側に向かって流れる。これにより、第2磁場発生装置22a,22b,22c,22dは、第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。この場合、第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14に生じる帰還磁場は、それぞれβIFB、−βIFB、βIFB、−βIFBとなる。
第1電流導体31および第2電流導体32は、Y軸方向に延伸して形成される。第1電流導体31および第2電流導体32は、磁気センサ100のX軸の負側と正側にそれぞれ形成されている。第1電流導体31および第2電流導体32には、Y軸の正側に向けて電流が流れる。これにより、第1電流導体31および第2電流導体32の周囲に、2つの電流の作る合成の磁場が生成される。
第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14のそれぞれに、X軸方向の磁場B、B、B、Bが入力される。X軸方向の磁場B、B、B、Bは、一様でなく、例えば、B>B、B>Bである。第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14は、X軸に平行な方向に同じ磁気感度ΔRを有することが好ましい。
電流源241〜電流源244の一方の端子は、それぞれ第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14の一方の端子に接続される。また、電流源241〜電流源244の他方の端子は、電気的に1点に結合されて、第1電位231が与えられる。第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14の他方の端子は、電気的に1点に結合されて、第2電位232が与えられる。第1磁気抵抗素子11〜第4磁気抵抗素子14は、各々に接続された電流源241〜電流源244で生成される予め定められた大きさIの定電流がそれぞれに供給される。
減算増幅器211は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の一方の端子に接続される。また、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の他方の端子は、電気的に1点に結合されている。これにより、減算増幅器211は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の端子間に生じる差分電圧を増幅して出力する。
減算増幅器212は、第3磁気抵抗素子13および第4磁気抵抗素子14の一方の端子に接続される。また、第3磁気抵抗素子13および第4磁気抵抗素子14の他方の端子は、電気的に1点に結合されている。これにより、減算増幅器212は、第3磁気抵抗素子13および第4磁気抵抗素子14の端子間に生じる差分電圧を増幅して出力する。
加算増幅器214は、減算増幅器211および減算増幅器212の出力信号に加え、増幅器252の出力Vが入力される。加算増幅器214は、入力された信号を加算して増幅する。
本例の制御装置200は、このような構成により、無バイアス状態とバイアス状態との間で、磁気抵抗素子の磁気感度およびオフセットが変化することを利用してオフセット成分を抑制する。本例の制御システム300は、実施例5に係る制御システム300と同様に、誤差要素であるオフセット成分を抑制して、X軸に平行な方向に不均一に生じた磁場を、高い精度で検出できる。
[実施例7]
図11は、実施例7に係る制御システム300の構成の一例を示す。制御システム300は、磁気センサ100および制御装置200を備える。制御装置200は、演算部210および電流発生回路220を備える。演算部210は、減算増幅器211および演算回路215を備える。
本例の磁気センサ100は、第1磁気抵抗素子11、第2磁気抵抗素子12および第1磁場発生装置21を備える。即ち、本例の磁気センサ100は、実施例1に係る磁気センサ100の構成の一例である。但し、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12は、フルブリッジ回路を構成する。
第1磁気抵抗素子11は、磁気素子61aおよび磁気素子61bを備える。磁気素子61aおよび磁気素子61bは、第1磁気抵抗素子11の一部を構成する磁気抵抗素子の一例である。磁気素子61a,61bは、Y軸に平行な方向に延伸して、X軸とY軸とでなす第1平面51上に形成される。磁気素子61a,61bは、X軸に平行な方向に感度軸を有する。また、本例の磁気素子61a,61bは、Y軸に平行な方向に一定の間隔を置いて並んで配置されるが、X軸に平行な方向に近接して並んで配置されてもよい。
第2磁気抵抗素子12は、磁気素子62aおよび磁気素子62bを備える。磁気素子62aおよび磁気素子62bは、第2磁気抵抗素子12の一部を構成する磁気抵抗素子の一例である。磁気素子62a,62bは、Y軸に平行な方向に延伸して、第1磁気抵抗素子11を構成する2つの磁気素子61a,61bと同様に、X軸とY軸とでなす第1平面51上に形成される。磁気素子62a,62bは、X軸に平行な方向に感度軸を有する。また、磁気素子62a,62bは、図示では、Y軸に平行な方向に一定の間隔を置いて並んで配置されるが、X軸に平行な方向に近接して並んで配置されてもよい。第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12は、それぞれがX軸に平行な方向に一定の間隔を置いて配置される。
磁気素子61aは、第1電位231に設定された端子と第2電位232に設定された端子との間において、磁気素子62bと直列に接続される。磁気素子61bは、第1電位231に設定された端子と第2電位232に設定された端子との間において、磁気素子62aと直列に接続される。
磁気素子61aのY軸方向正側の端子と、磁気素子62aのY軸方向正側の端子とは、電気的に1点に結合されて、第1電位231が与えられる。磁気素子61bの一方の端子と、磁気素子62bの一方の端子とは、電気的に1点に結合されて、第2電位232が与えられる。磁気素子61aと磁気素子62bとの間の接続ノードは、減算増幅器211に接続される。また、磁気素子62aと磁気素子61bとの間の接続ノードは、減算増幅器211に接続される。
磁気センサ100のX軸負側には磁石が配置されている。この場合、磁気素子61a,61bおよび磁気素子62a,62bには、X軸方向の磁場Bが入力される。本例では、磁気素子61a,61bのそれぞれにX軸方向の磁場Bが入力される。また、磁気素子62a,62bのそれぞれにX軸方向の磁場Bが入力される。X軸方向の磁場B、Bは、一様でなく、例えば、B>Bとなる。
磁気素子61a,61bおよび磁気素子62a,62bは、X軸に平行な方向に同じ磁気感度ΔRを有することが好ましい。この場合、磁気素子61a,61bおよび磁気素子62a,62bのそれぞれの抵抗値R1a、R1b、R2a、R2bは、次式で示される。
(数式87)
1a=R1b=R01+ΔR・B
(数式88)
2a=R2b=R02+ΔR・B
01はX軸に平行な方向の磁場のないときの磁気素子61a,61bの抵抗値である。R02はX軸に平行な方向の磁場のないときの磁気素子62a,62bの抵抗値である。ΔRは磁気素子61a,61bおよび磁気素子62a,62bのそれぞれの磁気感度である。Bは磁気素子61a,61bに入力するX軸に平行な方向の磁場である。Bは磁気素子62a,62bに入力するX軸に平行な方向の磁場である。
第1磁場発生装置21は、第1磁場発生装置21aおよび第1磁場発生装置21bを有する。第1磁場発生装置21は、X軸に平行な方向に延伸し、X軸とY軸とでなす第2平面52上に形成される。
第1磁場発生装置21aは、磁気素子61aおよび磁気素子62aに重なり、横切るように配置される。これにより、第1磁場発生装置21aは、磁気素子61aおよび磁気素子62aに対してY軸に平行な方向にバイアス磁場Bを与える。
第1磁場発生装置21bは、磁気素子61bおよび磁気素子62bに重なり、横切るように配置される。これにより、第1磁場発生装置21bは、磁気素子61bおよび磁気素子62bに対してY軸に平行な方向にバイアス磁場Bを与える。
先ず、磁気センサ100が無バイアス状態に設定された場合について考える。即ち、本例の第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12には、バイアス磁場Bが与えられない。
無バイアス状態における磁気素子61a,61bおよび磁気素子62a,62bのそれぞれの抵抗値R1aN、R1bN、R2aN、R2bNは、次式で示される。
(数式89)
1aN=R1bN=R01+ΔR・B
(数式90)
2aN=R2bN=R02+ΔR・B
第1電位231および第2電位232の間に電圧Vを与えると、磁気素子61aのY軸方向負側の端子と、磁気素子62aのY軸方向負側の端子との間に生じる電圧VMNは、次式で示される。
(数式91)
Figure 2017181409
ここで、ΔR(B+B)≪(R01+R02)であるので、(数91)式は、次式で示される。
(数式92)
Figure 2017181409
減算増幅器211は、磁気素子61aのY軸方向負側の端子と、磁気素子62aのY軸方向負側の端子に接続される。減算増幅器211は、当該2つの端子間に生じる差分電圧を増幅して出力する。よって、減算増幅器211の出力VOSNは、次式で示される。
(数式93)
Figure 2017181409
Gは固定した増幅率であり、0でない任意の値をとり得る。
(数93)式は、実施例1の(数9)式に対応する。(数93)式の第1項は、磁気感度に相当する部分で、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力するX軸に平行な方向の磁場B、Bに依存する。(数93)式の第2項は、オフセットに相当する部分で、B=B=0のときの第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値のミスマッチの大きさに依存する。
次に、磁気センサ100がバイアス状態に設定された場合について考える。即ち、本例の第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12には、バイアス磁場Bが与えられる。
電流発生回路220は、第1磁場発生装置21の一方の端子に接続される。また、第1磁場発生装置21の他方の端子は、第2電位232に設定される。ここで、電流発生回路220が、磁気素子61a,61bおよび磁気素子62a,62bに対してY軸に平行な方向にバイアス磁場Bを与える場合、磁気素子61a,61bの磁気感度は無バイアス状態における磁気感度ΔRに対してa倍に変化し、磁気素子62a,62bの磁気感度は無バイアス状態における磁気感度ΔRに対してa倍に変化する。
また、磁気素子61a,61bの初期抵抗値は、無バイアス状態における初期抵抗値R01に対してb倍に変化し、磁気素子62a,62bの初期抵抗値は、無バイアス状態における初期抵抗値R02に対してb倍に変化する。即ち、バイアス状態における磁気素子61a,61bおよび磁気素子62a,62bのそれぞれの抵抗値R1aB、R1bB、R2aB、R2bBは、次式で示される。
(数式94)
1aB=R1bB=b01+(aΔR)B
(数式95)
2aB=R2bB=b02+(aΔR)B
同様にして、磁気素子61aのY軸方向負側の端子と、磁気素子62aのY軸方向負側の端子との間に生じる電圧VMBは、次式で示される。
(数式96)
Figure 2017181409
続いて、減算増幅器211の出力VOSBは、次式で示される。
(数式97)
Figure 2017181409
演算回路215には、減算増幅器211の出力信号が入力される。また、演算回路215には、電流発生回路220が第1磁場発生装置21に電流を供給しているか否かを示す情報が入力される。これにより、演算回路215は、ここまでに得られた無バイアス状態における減算増幅器211の出力VOSNと、バイアス状態における減算増幅器211の出力VOSBとを減算して出力できる。よって、演算回路215の出力VOUTは、次式で示される。
(数式98)
Figure 2017181409
更に、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12は、同一チップ基板上に形成されている。この場合、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の特性がほぼ揃うので、a=a=a、b=b=bとなる。
ここで、一例において、磁気抵抗素子の無バイアス状態とバイアス状態との間でX軸に平行な方向の磁場による抵抗変化を考えると、a=0.75、b=1.001が得られる。1−a=0.25と、b≒1と、1−b=−0.001≒0として、(数98)式に代入すれば、演算回路215の出力VOUTは、次式で示される。
(数式99)
Figure 2017181409
演算回路215の出力VOUTは、オフセットに相当する部分が除去され、磁気感度に相当する部分のみが抽出されている。したがって、磁気センサ100は、誤差要素であるオフセット成分を抑制して、X軸に平行な方向に不均一に生じた磁場を、高い精度で検出できる。
また、磁気センサ100は、差分構成をとるので、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力する磁場の大きさが等しければ、誤差要素が演算回路215の出力VOUTに現れることを抑制できる。例えば、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力する磁場の大きさが等しくなる場合とは、地磁気のような遠方より飛来するX軸に平行な方向の一様な磁場が入力される場合である。
なお、本例の演算手順はあくまで一例であり、本例に記載した手順に限定されない。また、制御装置200は、磁気センサ100の出力信号を処理する処理回路の一例である。つまり、無バイアス状態とバイアス状態との間で、磁気抵抗素子の磁気感度およびオフセットが変化することを利用してオフセット成分を抑制する回路であれば本例に限られない。磁気センサ100は、本例のようにフルブリッジ回路を構成する場合であっても、オフセット成分を抑制して、高い精度で不均一に生じた磁場を検出できる。
[実施例8]
図12は、実施例8に係る制御システム300の構成の一例を示す。制御システム300は、磁気センサ100および制御装置200を備える。本例の磁気センサ100は、実施例7に係る磁気センサ100の構成に加えて第2磁場発生装置22を更に有する。本例の第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12は、フルブリッジ回路を構成する。
第2磁場発生装置22は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に帰還磁場を印加する。第2磁場発生装置22は、Y軸に平行な方向に延伸する2つの第2磁場発生装置22aおよび第2磁場発生装置22bを備える。第2磁場発生装置22a,22bは、導電性の材料で形成される。一例において、第2磁場発生装置22a,22bは、メタル配線で形成される。第2磁場発生装置22は、電力損失の観点から、比抵抗の小さい金属が好ましく、銅、金、白金、アルミニウム、或いは、それらを含む合金が好ましい。
第2磁場発生装置22aは、平面視で、第1磁気抵抗素子11と重なるように第3平面53上に配置される。即ち、第2磁場発生装置22aは、磁気素子61aおよび磁気素子61bと重なるように第3平面53上に配置される。これにより、第2磁場発生装置22aは、磁気素子61aおよび磁気素子61bに対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。
第2磁場発生装置22bは、平面視で、第2磁気抵抗素子12と重なるように第3平面53上に配置される。即ち、第2磁場発生装置22bは、磁気素子62aおよび磁気素子62bと重なるように第3平面53上に配置される。これにより、第2磁場発生装置22bは、磁気素子62aおよび磁気素子62bに対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。
第3平面53は、XY平面に略平行な面として形成される。即ち、第3平面53は、第1平面51および第2平面52と略平行で、互いが重ならないように配置される。第1平面51〜第3平面53は、Z軸の正側に向かって、第1平面51、第3平面53、第2平面52の順に形成される。磁気センサ100の製造と特性の観点からは、本例の順で配置することが好ましい。但し、第1平面51〜第3平面53の形成される順序は、本例に限られない。
第2磁場発生装置22aのY軸方向正側の端子は、第2電位232に設定される。第2磁場発生装置22aのY軸方向負側の端子は、第2磁場発生装置22bのY軸方向負側の端子に接続される。また、第2磁場発生装置22bのY軸方向正側の端子は、制御装置200に接続される。このように、第2磁場発生装置22a,22bは、直列に接続され、帰還電流IFBが流される。
一例において、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22aをY軸方向の正側に向かって流れる。この場合、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22bをY軸方向の負側に向かって流れる。これにより、第2磁場発生装置22a,22bは、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。この場合、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に生じる帰還磁場は、それぞれ−βIFB、βIFBとなる。
βは、電流磁場変換率であり、β=BFB/IFBとなる。IFBは、第2磁場発生装置22a,22bに流れる帰還電流である。BFBは、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に印加される、IFBに応じたX軸に平行な方向の帰還磁場である。
また、一例において、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22aをY軸方向の負側に向かって流れる。この場合、帰還電流IFBは、第2磁場発生装置22bをY軸方向の正側に向かって流れる。これにより、第2磁場発生装置22a,22bは、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に対してX軸に平行な方向に帰還磁場を与える。この場合、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に生じる帰還磁場は、それぞれβIFB、−βIFBとなる。
本例において、第2磁場発生装置22a,22bの電流磁場変換率が等しい場合について考えたが、第2磁場発生装置22aと第2磁場発生装置22bのメタル配線の幅を変えることなどにより、それぞれの電流変換率を異ならせてもよい。
磁気センサ100のX軸負側には磁石が配置されている。この場合、磁気素子61a,61bには、X軸方向の磁場Bが入力される。また、磁気素子62a,62bには、X軸方向の磁場Bが入力される。X軸方向の磁場B、Bは、一様でなく、例えば、B>Bとなる。
次に、帰還電流IFBにより、磁気素子61a,61bにX軸に平行な方向の帰還磁場−βIFBが入力され、磁気素子62a,62bにX軸に平行な方向の帰還磁場βIFBが入力される場合について考える。一例において、磁気素子61a,61bおよび磁気素子62a,62bは、X軸に平行な方向に同じ磁気感度ΔRを有する。磁気素子61a,61bおよび磁気素子62a,62bのそれぞれの抵抗値R1a、R1b、R2a、R2bは、次式で示される。
(数式100)
1a=R1b=R01+ΔR(B−βIFB
(数式101)
2a=R2b=R02+ΔR(B+βIFB
01はX軸に平行な方向の磁場のないときの磁気素子61a,61bの抵抗値である。R02はX軸に平行な方向の磁場のないときの磁気素子62a,62bの抵抗値である。ΔRは磁気素子61a,61bおよび磁気素子62a,62bの磁気感度である。Bは磁気素子61a,61bに入力するX軸に平行な方向の磁場である。Bは磁気素子62a,62bに入力するX軸に平行な方向の磁場である。−βIFBは帰還電流IFBによる磁気素子61a,61bに入力するX軸に平行な方向の帰還磁場である。βIFBは帰還電流IFBによる磁気素子62a,62bに入力するX軸に平行な方向の帰還磁場である。
制御装置200は、演算部210、電流発生回路220、増幅器251,252、電圧検出回路260および抵抗270を備える。演算部210は、減算増幅器211および加算増幅器214を備える。即ち、本例の制御装置200は、実施例4に係る制御装置200と同様の構成を有する。
先ず、磁気センサ100が無バイアス状態に設定された場合について考える。即ち、本例の第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12には、バイアス磁場Bが与えられていない。
無バイアス状態における磁気素子61a,61bおよび磁気素子62a,62bのそれぞれの抵抗値R1aN、R1bN、R2aN、R2bNは、無バイアス状態における帰還電流をIFBNとすると、次式で示される。
(数式102)
1aN=R1bN=R01+ΔR(B−βIFBN
(数式103)
2aN=R2bN=R02+ΔR(B+βIFBN
第1電位231と第2電位232との間に電圧Vを与えると、磁気素子61aのY軸方向負側の端子と、磁気素子62aのY軸方向負側の端子との間に生じる電圧VMNは、次式で示される。
(数式104)
Figure 2017181409
減算増幅器211は、磁気素子61aのY軸方向負側の端子と、磁気素子62aのY軸方向負側の端子との間の接続ノードに接続される。減算増幅器211は、当該2つの端子間に生じる差分電圧を増幅して出力する。一例において、加算増幅器214の増幅率は1倍である。この場合、減算増幅器211の出力電圧VOSNは、次式で示される。
(数式105)
Figure 2017181409
加算増幅器214は、減算増幅器211の出力に加え、増幅器252の出力Vが入力されて、それぞれの入力を加算して増幅する。加算増幅器214の出力VOANは、次式で示される。
(数式106)
Figure 2017181409
Gは固定した増幅率であり、0でない任意の値をとり得る。増幅率Gは正の値であってよい。
増幅器251は、入力された加算増幅器214の出力をA倍に増幅して出力する。増幅器251の出力VANは、次式で示される。
(数式107)
Figure 2017181409
は固定した増幅率であり、0でない任意の値をとり得る。増幅率Aは正の値であってよい。
増幅器251の出力端子は、抵抗値がRである抵抗270の一方の端子に接続される。また、抵抗270の他方の端子は、第2磁場発生装置22の他方の端子に接続される。また、第2磁場発生装置22の一方の端子は、第2電位232に設定される。本例では第2磁場発生装置22の抵抗値がほぼゼロであるとすれば、抵抗270の端子間電圧はVANとなり、ここで作られる電流が、第2磁場発生装置22に流れる帰還電流となる。よって、帰還電流IFBNは、次式で示される。
(数式108)
Figure 2017181409
(数108)式は、IFBNについて解くと、次式で示される。
(数式109)
Figure 2017181409
≪2AGΔRβV/(R01+R02)となるように、増幅率AやGを調整すれば、(数109)式は、次式で示される。
(数式110)
Figure 2017181409
(数110)式の第1項は、磁気感度に相当する部分で、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力するX軸に平行な方向の磁場B、Bに依存する。(数110)式の第2項は、オフセットに相当する部分で、B=B=0のときの第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値のミスマッチと、増幅器252の出力Vの大きさに依存する。
帰還電流IFBNは、第1磁気抵抗素子11、第2磁気抵抗素子12、減算増幅器211、加算増幅器214、増幅器251および抵抗270で構成された閉ループ回路網により生成される。本明細書において、当該閉ループ回路網を主閉ループ回路網と称する。
以上の通り、帰還電流IFBNの磁気感度に相当する第1項は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の磁気感度ΔRに依らず、且つ、電流磁場変換率βが温度特性をほとんど有さないことから、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力するX軸に平行な方向の磁場の差分(B−B)を精度よく検出できる。
次に、磁気センサ100がバイアス状態に設定された場合について考える。即ち、本例の第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12には、バイアス磁場Bが与えられる。
電流発生回路220は、第1磁場発生装置21の一方の端子に接続される。また、第1磁場発生装置21の他方の端子は、第2電位232に設定される。ここで、電流発生回路220が、バイアス状態において、磁気素子61a,61bの磁気感度が、無バイアス状態における磁気感度ΔRに対してa倍に変化し、磁気素子62a,62bの磁気感度が、無バイアス状態における磁気感度ΔRに対してa倍に変化する。また、磁気素子61a,61bの初期抵抗値は、無バイアス状態における初期抵抗値R01に対してb倍に変化し、磁気素子62a,62bの初期抵抗値は、無バイアス状態における初期抵抗値R02に対してb倍に変化する。
即ち、バイアス状態における磁気素子61a,61bおよび磁気素子62a,62bのそれぞれの抵抗値R1aB、R1bB、R2aB、R2bBは、バイアス状態における帰還電流をIFBBとすると、次式で示される。
(数式111)
1aB=R1bB=b01+(aΔR)(B−βIFBB
(数式112)
2aB=R2bB=b02+(aΔR)(B+βIFBB
バイアス状態においても同様に、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12は、同一チップ基板上に形成されているので、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の特性がほぼ揃う。即ち、a=a=a、b=b=bとなる。よって、帰還電流IFBBは、次式で示される。
(数式113)
Figure 2017181409
(数110)式および(数113)式は、無バイアス状態とバイアス状態との間で磁気感度に相当する部分は変化せず、オフセットに相当する部分が変化することを示す。
電圧検出回路260には、抵抗270の端子間電圧が入力される。また、電圧検出回路260には、電流発生回路220が第1磁場発生装置21に電流を供給しているか否かを示す情報が入力される。これにより、電圧検出回路260は、ここまでに得られた無バイアス状態における抵抗270の端子間電圧VRLNと、バイアス状態における抵抗270の端子間電圧VRLBとを減算して出力する。よって、電圧検出回路260の出力VOPPは、次式で示される。
(数式114)
Figure 2017181409
増幅器252は、電圧検出回路260の出力信号が入力される。増幅器252は、入力された信号を−A倍に増幅して出力する。増幅器252の出力Vは、次式で示される。
(数式115)
Figure 2017181409
は固定した増幅率であり、0でない任意の値をとり得る。増幅率Aは正の値であってよい。
(数58)式は、Vについて解くと、次式で示される。
(数式116)
Figure 2017181409
2βΔRV/(R01+R02)≪A(1−1/a)となるように、増幅率Aを調整すれば、(数116)式は、次式で示される。
(数式117)
Figure 2017181409
増幅器252の出力Vは、電圧検出回路260、加算増幅器214、増幅器251,252および抵抗270で構成した閉ループ回路網により生成される。本明細書において、当該閉ループ回路網を補助閉ループ回路網と称する。
ここで、一例において、磁気抵抗素子の無バイアス状態とバイアス状態との間でX軸に平行な方向の磁場による抵抗変化を考えると、a=0.75、b=1.001が得られる。これらを(数110)式、(数113)式に代入し、b≒1とすれば、無バイアス状態およびバイアス状態での帰還電流IFBN、IFBBは、次式で示される。
(数式118)
FBN=IFBB=(B−B)/(2β)
即ち、帰還電流IFBN、IFBBは、オフセットに相当する部分を除去し、磁気感度に相当する部分のみを抽出している。したがって、磁気センサ100は、誤差要素であるオフセット成分を抑制して、高い精度で不均一に生じた磁場を検出できる。
また、磁気センサ100は、差分構成をとるので、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力する磁場の大きさが等しければ、誤差要素が帰還電流IFBに現れることを抑制できる。例えば、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12に入力する磁場の大きさが等しくなる場合とは、地磁気のような遠方より飛来するX軸に平行な方向の一様な磁場が入力される場合である。
なお、本例の演算手順はあくまで一例であり、本例で示した手順に限定されない。また、制御装置200は、磁気センサ100の出力信号を処理する処理回路の一例である。つまり、無バイアス状態とバイアス状態との間で、磁気抵抗素子の磁気感度およびオフセットが変化することを利用してオフセット成分を抑制する回路であれば本例に限られない。磁気センサ100は、本例のようにフルブリッジ回路を構成する場合であっても、オフセット成分を抑制して、高い精度で不均一に生じた磁場を検出できる。
主閉ループ回路網は、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値が同じとなるように制御する。言い換えれば、第1磁気抵抗素子11および第2磁気抵抗素子12の抵抗値の差が生じないように変化する負帰還の回路を構成すれば、いかなる回路を組んでもよい。
また、補助閉ループ回路網は、無バイアス状態とバイアス状態との間で、帰還電流に生じるオフセット成分の変化が生じないように負帰還の回路を構成すれば、いかなる回路を組んでもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10・・・磁気抵抗素子、11・・・第1磁気抵抗素子、12・・・第2磁気抵抗素子、13・・・第3磁気抵抗素子、14・・・第4磁気抵抗素子、21・・・第1磁場発生装置、22・・・第2磁場発生装置、31・・・第1電流導体、32・・・第2電流導体、40・・・基板、42・・・絶縁層、50・・・基板平面、51・・・第1平面、52・・・第2平面、53・・・第3平面、61・・・磁気素子、62・・・磁気素子、100・・・磁気センサ、200・・・制御装置、210・・・演算部、211・・・減算増幅器、212・・・減算増幅器、214・・・加算増幅器、215・・・演算回路、220・・・電流発生回路、231・・・第1電位、232・・・第2電位、241・・・電流源、242・・・電流源、243・・・電流源、244・・・電流源、251・・・増幅器、252・・・増幅器、260・・・電圧検出回路、270・・・抵抗、300・・・制御システム

Claims (12)

  1. 第1磁気抵抗素子と、前記第1磁気抵抗素子にバイアス磁場を印加する第1磁場発生装置とを備える磁気センサの駆動を制御する制御装置であって、
    前記第1磁場発生装置に前記バイアス磁場を発生させることにより、前記第1磁気抵抗素子の状態を、予め定められた磁気感度を有する第1状態から、前記第1状態と異なる磁気感度を有する第2状態に変更する制御装置。
  2. 前記第1状態における前記磁気センサの測定値と、前記第2状態における前記磁気センサの測定値との差分を算出する演算部を備える
    請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記磁気センサは、前記第1磁気抵抗素子の感磁軸と平行な感磁軸を有する第2磁気抵抗素子を更に備え、
    前記演算部は、前記第1磁気抵抗素子の出力信号と、前記第2磁気抵抗素子の出力信号との差分を算出する
    請求項2に記載の制御装置。
  4. 前記演算部は、
    前記第1磁気抵抗素子の出力信号と、前記第2磁気抵抗素子の出力信号との差分を出力する第1差分回路と、
    前記第1状態における前記第1差分回路の出力と、前記第2状態における前記第1差分回路の出力とに基づいて、オフセット成分の除去された磁気信号を算出する算出部と
    を有する
    請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記第1磁気抵抗素子の抵抗値と前記第2磁気抵抗素子の抵抗値との差が生じないように制御する負帰還の第1閉ループ回路を更に備える
    請求項3又は4に記載の制御装置。
  6. 前記磁気センサは、前記第1磁場発生装置が延伸する方向と異なる方向に延伸し、前記第1磁気抵抗素子に帰還磁場を印加する第2磁場発生装置を更に備え、
    前記第1閉ループ回路は、前記第2磁場発生装置に前記帰還磁場を発生させるための帰還電流を生成する
    請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記帰還電流に生じるオフセット成分が、前記第1状態と前記第2状態との間で、同一となるように制御する負帰還の第2閉ループ回路を更に備える
    請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記第1磁場発生装置は、前記第1磁気抵抗素子の感磁軸と平行に延伸して形成され、
    前記第1磁場発生装置に前記バイアス磁場を発生させるための電流を発生する電流発生回路を更に備える
    請求項1から7のいずれか一項に記載の制御装置。
  9. 前記磁気センサは、
    前記第1磁気抵抗素子の感磁軸と平行な感磁軸を有する第2磁気抵抗素子と、
    前記第1磁気抵抗素子の感磁軸と平行な感磁軸を有する第3磁気抵抗素子と
    を更に備え、
    前記演算部は、
    前記第1磁気抵抗素子の出力信号と、前記第2磁気抵抗素子の出力信号との差分を出力する第1差分回路と、
    前記第2磁気抵抗素子の出力信号と、前記第3磁気抵抗素子の出力信号との差分を出力する第2差分回路と
    を更に備える
    請求項2に記載の制御装置。
  10. 前記磁気センサは、
    前記第1磁気抵抗素子の感磁軸と平行な感磁軸を有する第2磁気抵抗素子と、
    前記第1磁気抵抗素子の感磁軸と平行な感磁軸を有する第3磁気抵抗素子と、
    前記第1磁気抵抗素子の感磁軸と平行な感磁軸を有する第4磁気抵抗素子と
    を更に備え、
    前記演算部は、
    前記第1磁気抵抗素子の出力信号と、前記第2磁気抵抗素子の出力信号との差分を出力する第1差分回路と、
    前記第3磁気抵抗素子の出力信号と、前記第4磁気抵抗素子の出力信号との差分を出力する第2差分回路と
    を更に備える
    請求項2に記載の制御装置。
  11. 前記磁気センサは、前記第1磁気抵抗素子の感磁軸と平行な感磁軸を有する第2磁気抵抗素子を更に備え、
    前記第1磁気抵抗素子は、前記第1磁気抵抗素子の感磁軸と平行な感磁軸を有する第1磁気素子および第2磁気素子を含み、
    前記第2磁気抵抗素子は、前記第2磁気抵抗素子の感磁軸と平行な感磁軸を有する第3磁気素子および第4磁気素子を含み、
    前記第1磁気素子および前記第4磁気素子が直列に接続され、前記第2磁気素子および前記第3磁気素子が直列に接続され、
    前記第1磁気素子と前記第4磁気素子との間の接続ノードと、前記第2磁気素子と前記第3磁気素子との間の接続ノードから信号を出力する
    請求項10に記載の制御装置。
  12. 前記磁気センサと、
    請求項1から11のいずれか一項に記載の制御装置と
    を備える制御システム。
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