以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図59を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)1に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機1の正面図であり、図2はパチンコ機1の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機1の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機1は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠2と、その外枠2と略同一の外形形状に形成され外枠2に対して開閉可能に支持された内枠4とを備えている。外枠2には、内枠4を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠4が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠4には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠4には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠4の前面側には、その前面上側を覆う前扉5と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前扉5および下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前扉5および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠4の施錠と前扉5の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前扉5は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部5cが設けられている。前扉5の裏面側には2枚の板ガラス8を有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機1の正面側に視認可能となっている。
前扉5には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前扉5には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部5cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機1においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前扉5の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前扉5の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機1の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機1においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部5cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機1の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前扉5の窓部5c(図1参照)を通じて内枠4の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール77が植立され、その外レール77の内側位置には外レール77と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール76が植立される。この内レール76と外レール77とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール76,77とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール76,77は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール76の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール77の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機1の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口140へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口140へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機1が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機1の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機1では、第1入賞口64,第2入賞口140のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機1は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機1が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口140に付随する第1電動役物140aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。第1電動役物140aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その第1電動役物140aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口140へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する第1電動役物140aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで第1電動役物140aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口140に付随する第1電動役物140aが開放される時間および1回の当たりで第1電動役物140aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する第1電動役物140aが開放される時間や、1回の当たりで第1電動役物140aおよび第2電動役物82を開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64、第2入賞口140のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート66の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が第1スルーゲート66を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機1では、球が第1スルーゲート66を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機1は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口140に付随された第1電動役物140aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口140の第1電動役物140aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する第1電動役物140aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口140および第3入賞口へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する第1電動役物140aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート66は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤に組み付けられる。第1スルーゲート66は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート66を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート66の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート66の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口140が配設されている。第2入賞口140へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64,第2入賞口140は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口140には第1電動役物140aが付随されている。この第1電動役物140aは開閉可能に構成されており、通常は第1電動役物140aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口140へ入賞しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート66への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、第1電動役物140aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口140へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、第1電動役物140aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中または時短中は、第1電動役物140aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中または時短中は、通常時と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口140へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口140へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口140にあるような第1電動役物140aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口140に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口140に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第1スルーゲート66に球を通過させることで、第2入賞口140に付随する第1電動役物140aが開放状態となりやすく、第2入賞口140に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口140へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第1スルーゲート66を通過させて第1電動役物140aを開放状態にすると共に、第2入賞口140への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機1は、パチンコ機1の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機1においては、第1入賞口64,第2入賞口140のいずれかの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前扉5の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,82,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機1の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機1を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機1の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機1の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機1の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機1の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機1の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、各駆動モータ481,491,661,880が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機1の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機1の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図59を参照して、動作ユニット200の概略構成について説明する。図5は、動作ユニット200の正面斜視図であり、図6は、動作ユニット200の分解正面斜視図である。また、図7及び図8は、動作ユニット200の正面図である。
なお、図7では、変位ユニット400の左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485と上下変位ユニット800の変位部材850とがそれぞれ退避位置に変位された状態が、図8では、スライドユニと400の左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485と上下変位ユニット800の変位部材850とがそれぞれ張出位置に変位された状態が、それぞれ図示される。
図5から図8に示すように、動作ユニット200は、箱状に形成される背面ケース300を備え、その背面ケース300の内部空間に、変位ユニット400、投影ユニット600、上下変位ユニット800がそれぞれ順に収容される。
背面ケース300は、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
変位ユニット400は、背面ケース300の底壁部301に配設される正面視額縁形状のベース部材410と、そのベース部材410に変位可能に配設される左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485とを備え、これら左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485を、投影ユニット600の背面側に退避する退避位置と、背面ケース300の開口301a(即ち、第3図柄表示装置81)の正面側に張り出す張出位置との間で変位させることができる(図7及び図8参照)。
この場合、変位ユニット400には、変位部材(左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485)を駆動する駆動手段(第1駆動モータ481及び第2駆動モータ491)が2個設けられ、駆動する駆動手段を選択することで、変位部材の変位態様を異ならせる(複数種類の変位態様を形成する)ことができる。かかる構造の詳細については後述する。
投影ユニット600は、変位ユニット400の正面に配設される正面視円環形状のベース部材610と、そのベース部材610の内周側に配設される円板状の投影板部材620と、投影板部材620の外周面から光を入射させる複数のLED651とを備える。投影板部材620は、光透過性材料からなり、第3図柄表示装置81の表示が遊技者に視認可能とされると共に、LED651から光が入射されると、その入射された光を、模様や図柄の形状をなす態様で、投影板部材620の正面から出射させる。即ち、第3図柄表示装置81の正面に模様や図柄を浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
この場合、投影ユニット600には、LED651から照射された光の投影板部材620への入射の効率を高める構造が採用され、投影板部材620の正面から出射される光を強くする(模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる)ことができる。また、複数のLED651(照射ユニット650)をベース部材610に組み付ける際の作業性を高める構造が採用される。これらの構造の詳細については後述する。
上下変位ユニット800は、投影ユニット600のベース部材610における上部に配設される正面ベース820及び背面ベース830と、それら両ベース部材820,830に一端が回転可能に軸支される変位部材850とを備え、変位部材850の他端側を、背面ケース300の開口301a(即ち、第3図柄表示装置81)の上方となる退避位置および正面側に張り出す張出位置の間で変位させることができる(図7及び図8参照)。
この場合、上下変位ユニット800は、変位部材850を付勢する付勢ばねSPを備え、退避位置および張出位置の間の所定位置において、変位部材850に作用する重力と付勢ばねSPの弾性回復力とをつり合わせることで、つり合い位置(所定位置)を中心として、重力の作用と付勢ばねSPの弾性回復力とによる往復変位(近似的には単振動)を変位部材850に行わせる構造が採用される。かかる構造の詳細については後述する。
次いで、図9から図28を参照して、変位ユニット400について説明する。図9は、変位ユニット400の正面斜視図であり、図10は、変位ユニット400の背面図である。
変位ユニット400は、背面ケース300の底壁部301(図6参照)に締結固定されるベース部材410と、そのベース部材410に変位可能に配設される変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)と、その変位部材に駆動力を付与する複数(本実施形態では2個)の駆動手段(下駆動機構480及び上駆動機構490)とを主に備え、上述したように、下駆動機構480(第1駆動モータ481)の駆動により変位部材を変位させる場合、上駆動機構490(第2駆動モータ491)の駆動により変位部材を変位させる場合、或いは、下駆動機構480(第1駆動モータ481)及び上駆動機構490(第2駆動モータ491)の両者の駆動により変位部材を変位させる場合で、変位部材を異なる態様で変位させることができるように形成される。以下、その構造の詳細について、図11から図18を参照して説明する。
まず、変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)について、図11及び図12を参照して説明する。図11は、左変位部材420L及び右変位部材420Rの正面斜視図であり、図12は、左変位部材420L及び右変位部材420Rの背面斜視図である。
図11及び図12に示すように、変位ユニット400は、変位による演出を行う変位部材として形成される左変位部材420L及び右変位部材420Rを備え、それら左変位部材420L及び右変位部材420Rには、左従動部材430L及び右従動部材430Rと、台車部材440と、上部左ラック450L及び上部右ラック450Rとが連結される。
左変位部材420Lは、縦姿勢で配設される長尺状の部材であり、背面から突設される連結軸421と、上端に穿設される連結孔422と、下端に穿設される摺動溝423とを備える。連結軸421は、断面円形の軸であり、左従動部材430Lの連結孔431が回転可能に軸支される。即ち、左変位部材420Lの背面側には、左従動部材430Lの上端が回転可能に連結される。
なお、連結軸421は、左従動部材430Lの背面から先端が突出される長さ寸法に設定され、その突出された連結軸421の先端は、上駆動機構490の駆動アーム494における駆動溝494c(図17及び図18参照)に摺動可能に挿通される。即ち、上駆動機構490の駆動アーム494が駆動(回転)されると、駆動溝494cの内壁面が連結軸421に作用して、左変位部材420Lが変位される。
連結孔422は、断面円形の孔であり、後述する台車部材440の2本の連結軸441のうちの一方の連結軸441が回転可能に挿通される。即ち、左変位部材420Lは、台車部材440Lに対する相対的な姿勢変化(連結孔422の軸心を回転中心とする回転)が許容された状態で連結される。
摺動溝423は、左変位部材420Lの長手方向に沿って延設される溝であり、後述する下部左ラック488Lの駆動ピン488b(図15参照)が回転可能かつ摺動可能に挿通される。よって、下部左ラック488Lが停止された状態で、上駆動機構490のみが駆動される場合、又は、その逆の場合のいずれにおいても、ベース部材410に対する左変位部材420Lの姿勢の変化(回転)を形成可能とできる。
左従動部材430Lは、ベース部材410と左変位部材420Lとの間に架設されることで、左変位部材420Lの変位に従動される部材であり、一端(上端)に穿設される連結孔431と、背面から突設される摺動ピン432とを備える。
連結孔431は、断面円形の孔であり、上述したように、左変位部材420Lの連結軸421が回転可能に挿通される。摺動ピン432は、断面円形のピン(棒状体)であり、ベース部材410の側方に穿設される摺動溝410aに回転可能かつ摺動可能に挿通される。よって、左変位部材420Lが変位されると、その左変位部材420Lに対する相対姿勢を変化させつつ、左従動部材430Lを従動させることができる。
台車部材440は、ベース部材410の上側部分(上部中間部分410f及び上部正面部分410g、図17及び図18参照)に左右方向(幅方向)に沿って延設される被転動面を転動する部材であり、平行に並設される2本の連結軸441と、それら各連結軸441の両端にそれぞれ回転可能に軸支される4輪の転動輪442とを備える。よって、左変位部材420Lの上端は、台車部材440の各転動輪442が被転動面を転動することで、かかる台車部材440を介して、左右方向(幅方向)に沿って変位される。
なお、ベース部材410の被転動面は、鉛直方向上側を臨む略水平な平坦面として形成され、その被転動面に台車部材440の各転動輪442が載置される。即ち、左変位部材420は、台車部材440を介して、ベース部材410の被転動面に吊り下げられて状態で支持される。
上部左ラック450Lは、ベース部材410の上側部分(上部中間部分410f及び上部正面部分410g、図17及び図18参照)に左右方向(幅方向)に沿って延設される案内部を摺動する長尺板状の部材であり、台車部材440の2本の連結軸441がそれぞれ回転可能に挿通される2の連結孔451と、上部左ラック450Lの背面に長手方向に沿って刻設されるラックギヤ452とを備える。
ここで、右変位部材420Rは左変位部材420Lに対して、右従動部材430Rは左従動部材430Lに対して、上部右ラック450Rは上部左ラック450Lに対して、それぞれ略左右対称の形状に形成され、実質的に同一の構成とされるので、同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
但し、上部右ラック450Rは、その正面にラックギヤ452が刻設される。また、上部右ラック450Rは、連結孔451の形成部分が正面側へオフセットされ、上部左ラック450Lと前後方向の位置を違えて配設される。よって、上部左ラック450Lのラックギヤ452と上部右ラック450Rのラックギヤ452とは所定間隔を隔てて対向配置される。この場合、両ラックギヤ452には、ベース部材410に回転可能に軸支されるピニオンギヤ459が歯合される。
従って、左変位部材420Lの変位に伴って、上部左ラック450Lがベース部材410の案内部(図示せず)に沿って左右方向(幅方向、図19左右方向)へ変位(摺動)されると、その上部左ラック450Lの変位が、ピニオンギヤ459を介して、上部右ラック450Rに伝達されるので、右変位部材420Rを変位させることができる。
なお、本実施形態では、上部左ラック450L及び上部右ラック450Rの間に介設されるピニオンギヤ459の配設数が奇数個(即ち、1個)なので、左変位部材420L及び右変位部材420Rの変位方向を逆方向(互いが近接し合う又は離間し合う方向)とできる。但し、ピニオンギヤ459の配設数を偶数個として、左変位部材420L及び右変位部材420Rの変位方向を同方向としても良い。
次いで、複数の駆動手段(下駆動機構480及び上駆動機構490)のうちの下駆動機構480について、図13から図16を参照して説明する。
図13及び図15は、変位ユニット400の正面斜視図であり、図14及び図16は、変位ユニット400の背面斜視図である。なお、図13及び図14では、背面カバー412が装着された状態が図示され、図15及び図16では、背面カバー412が取り外された状態が図示される。また、図13から図16では、嵩上げカバー413の図示が省略される。
図13から図16に示すように、下駆動機構480は、第1駆動モータ481と、その第1駆動モータ481の駆動軸に取着されるピニオンギヤ482と、そのピニオンギヤ482が歯合される駆動ギヤ483と、その駆動ギヤ483と共にクランク機構を形成する駆動アーム484と、その駆動アーム484により駆動される突出部材485と、その突出部材485の背面に配設されるラックギヤ486と、そのラックギヤ486に先頭の歯車487aが歯合される歯車列(歯車487a〜487e)と、その歯車列の末尾の歯車487eに歯合される下部左ラック488L及び下部右ラック488Rと、を主に備える。
第1駆動モータ481は、左正面カバー411Lの正面に取着され、その左正面カバー411Lの背面から突出された第1駆動モータ481の駆動軸には、ピニオンギヤ482が取着(固設)される。駆動ギヤ483は、左正面カバー411Lの背面に、駆動アーム484は、ベース部材410の正面に、それぞれ回転可能に軸支される。
駆動ギヤ483は、その回転中心から偏心して位置すると共に背面から突設される偏心ピン483aを備える。駆動アーム484は、ベース部材410の支持軸が回転可能に挿通される軸支孔484aと、駆動ギヤ483の偏心ピン483aが摺動可能に挿通される直線状の摺動溝484bと、それら軸支孔484a及び摺動溝484bが形成される側と反対側の端部における正面から突設される駆動ピン484cとを備える。
よって、第1駆動モータ481の駆動力により、ピニオンギヤ482を介して駆動ギヤ483が正方向または逆方向へ回転されると、その駆動ギヤ483の偏心ピン483aから駆動アーム484の摺動溝484bの一方または他方の内壁面が作用を受けることで、駆動アーム484が軸支孔484aを回転中心として正方向または逆方向へ回転され、駆動アーム484の駆動ピン484cが上昇または下降される。
突出部材485は、駆動アーム484の駆動ピン484cが摺動可能に挿通される直線状の摺動溝485aを備え、スライドレールSLを介して、ベース部材410の正面に配設される。スライドレールSLは、伸縮式の直線案内機構であり、その伸縮方向を鉛直方向に沿わせた縦姿勢で配設される。なお、スライドレールSLは、ベース部材410の正面に配設される基端レールと、突出部材485の背面に配設される先端レールと、それら基端レール及び先端レールの間に介設され基端レール及び先端レールを互いに長手方向へ相対変位可能とする中間レールとを備える。
よって、駆動アーム484が回転され、その駆動アーム484の駆動ピン484cによって、突出部材485の摺動溝485aの内壁面が押し上げられる又は押し下げられると、スライドレールSLが伸縮され、突出部材485がベース部材410に対して鉛直方向に昇降される。
ラックギヤ486は、突出部材485の昇降方向に沿って刻設され、歯車列(歯車487a〜487e)は、先頭の歯車487aをラックギヤ486に歯合させた状態で、ベース部材410の正面と右正面カバー411Rの背面との間にそれぞれ回転可能に軸支される。よって、突出部材485が昇降されることで、ラックギヤ486の直線運動を利用して、歯車列(歯車487a〜487e)を回転させることができる。
下部左ラック488L及び下部右ラック488Rは、長尺板状の部材であり、その長手方向に沿って側面に刻設されるラックギヤ488aと、長手方向端部における正面から突設される駆動ピン488bとをそれぞれ備える。これら下部左ラック488L及び下部右ラック488Rは、上下方向に位置を違え、互いのラックギヤ488aを対向させた状態で、ベース部材410の背面と背面カバー412の正面との間に左右方向(幅方向、図19左右方向)に沿って摺動可能に保持される。
なお、歯車列の末尾の歯車487eは、隣接する歯車487dに同軸に固着され、ベース部材410に穿設される開口410bを介して背面側に突出されることで、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rのそれぞれのラックギヤ488aに歯合される。よって、上述したように、突出部材485の昇降に伴って、歯車列(歯車487a〜487e)が回転されると、その末尾の歯車487aの回転により、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rを互いに逆方向(互いが近接し合う又は離間し合う方向)へ直線運動させることができる。
下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの駆動ピン488bは、ベース部材410に穿設される直線状の挿通溝410cを介して正面側に突出されることで、上述したように、左変位部材420L及び右変位部材420Rの摺動溝423に回転可能かつ摺動可能に挿通される。よって、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rが直線運動されることで、左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側(摺動溝423側)を変位させることができる。
なお、挿通溝410cの延設方向は、台車部材440の転動輪442が転動する被転動面と略平行に形成される。即ち、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの直線運動の方向は、後述する上部左ラック450L及び上部右ラック450Rの直線運動の方向と略平行とされる。
次いで、複数の駆動手段(下駆動機構480及び上駆動機構490)のうちの上駆動機構490について、図17及び図18を参照して説明する。
図17は、変位ユニット400の正面斜視図であり、図18は、変位ユニット400の背面斜視図である。なお、図17及び図18では、理解を容易とするために、ピニオンギヤ459及び上部右ラック450Rが上部中間部分410f及び上部正面部分410gの対向間に図示される。
図17及び図18に示すように、上駆動機構490は、第2駆動モータ491と、その第2駆動モータ491の駆動軸に取着されるピニオンギヤ492と、そのピニオンギヤ492が歯合される駆動ギヤ493と、その駆動ギヤ493と共にクランク機構を形成する駆動アーム494と、を主に備える。
ベース部材410は、その上部(正面視略額縁形状に形成される上辺部分)が、上部背面部分410eと、上部中間部分410fと、正面部分410gとを順に正面側に重ね合わせた分割構造として形成される。
第2駆動モータ491は、上部中間部分410fの上方へ張り出された部分の正面に取着され、その張り出された部分の背面から突出された第2駆動モータ491の駆動軸には、ピニオンギヤ492が取着(固設)される。駆動ギヤ493及び駆動アーム494は、上部中間部分410fの背面に回転可能に軸支される。
駆動ギヤ493は、その回転中心から偏心して位置すると共に背面から突設される偏心ピン493aを備える。駆動アーム494は、上部中間部分410fの支持軸が回転可能に挿通される軸支孔494aと、駆動ギヤ493の偏心ピン493aが摺動可能に挿通される直線状の摺動溝494bと、それら軸支孔494a及び摺動溝494bが形成される側と反対側の端部に位置する直線状の駆動溝494cとを備える。
よって、第2駆動モータ491の駆動力により、ピニオンギヤ492を介して駆動ギヤ493が正方向または逆方向へ回転されると、その駆動ギヤ493の偏心ピン493aから駆動アーム494の摺動溝494bの一方または他方の内壁面が作用を受けることで、駆動アーム494が軸支孔494aを回転中心として正方向または逆方向へ回転され、駆動アーム494の駆動溝494cが左右に変位される。
上述したように、駆動アーム494の駆動溝494cには、左変位部材420Lの連結軸421の先端が摺動可能に挿通される。よって、駆動アーム494を駆動(軸支孔494aを中心として回転)させ、左右に変位される駆動溝494cの内壁面を連結軸421に作用させることで、台車部材440(転動輪442)を被転動面に沿って転動させ、左変位部材420Lの上端側を左右に変位させることができる。
この場合、左変位部材420Lが左右に変位され、台車部材440(転動輪442)が被転動面を転動されると、上述したように、上部左ラック450Lがベース部材410の案内部に沿って左右方向(幅方向、図19左右方向)へ変位(摺動)され、その上部左ラック450Lの変位が、ピニオンギヤ459を介して、上部右ラック450Rに伝達されることで、右変位部材420Rを変位させることができる。なお、台車部材440の転動輪442が転動する被転動面は、上部中間部分410fと上部正面部分410gとに形成される。
次いで、上述のように構成された変位ユニット400の動作について、図19から図28を参照して説明する。
まず、下駆動機構480(第1駆動モータ481)及び上駆動機構490(第2駆動モータ491)の両者を駆動して、変位部材(左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485)を変位させる第1の態様について、図19から図24を参照して説明する。
図19、図21及び図23は、第1の態様における変位ユニット400の正面図であり、図20、図22及び図24は、図19、図21及び図23の背面視における変位ユニット400の背面図である。
なお、図19及び図20は、左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485が退避位置に配置された状態に対応し、図23及び図24は、左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485が第1の態様における張出位置に配置された状態に対応する。
図19及び図20に示すように、退避位置に配置された状態では、左変位部材420L及び右変位部材420Rが最外方(互いが左右方向に最も離間される位置)に配置されると共に、突出部材485が最下方に配置される。
この状態から下駆動機構480の第1駆動モータ481及び上駆動機構490の第2駆動モータ491がそれぞれ駆動されると、図21及び図22に示す状態を経た後、図23及び図24に示す状態(第1の態様における張出位置)まで、左変位部材420L及び右変位部材420Rが左右方向(幅方向)において互いに近接する方向へ変位されると共に、突出部材485が上昇される。なお、第1の態様における張出位置では、左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485が合体状態(三者の側面どうしが密着した状態)が形成される。
詳細には、図19の状態から、下駆動機構480の第1駆動モータ481が駆動されると、駆動アーム484が回転され、その駆動アーム484の駆動ピン484cが突出部材485の摺動溝485aの内壁面を押し上げることで、突出部材485が上昇される(図13及び図14参照)。
また、突出部材485が上昇されると、ラックギヤ486、歯車列(歯車487a〜487e)及びラックギヤ488aを介して、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rが変位(直線運動)され(図15及び図16参照)、それら下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの駆動ピン488bが、左変位部材420L及び右変位部材420Rの摺動溝423の内壁面に作用することで、左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側(摺動溝423側)がベース部材410の挿通溝410cに沿って互いに近接する方向へ変位(直線運動)される。
一方、図19の状態から、上駆動機構490の第2駆動モータ491が駆動されると、駆動アーム494が回転され、その駆動アーム494の駆動溝494cの内壁面が左変位部材420Lの連結軸421に作用される。これにより、台車部材440が被転動面を転動され、左変位部材420Lの上端側(台車部材440)が右変位部材420Rへ近接する方向へ変位(直線運動)される(図17及び図18参照)。
また、左変位部材420Lの上端側(台車部材440)が変位されると、その変位が、上部左ラック450Lからピニオンギヤ459を介して上部右ラック450Rへ伝達されることで、右変位部材420Rの上端側(台車部材440)が左変位部材420Lへ近接する方向へ変位(直線運動)される(図11及び図12参照)。
なお、本実施形態では、左変位部材420L及び右変位部材420Rの左右方向(幅方向、図20左右方向)の変位量は、下端側の変位量が上端側の変位量よりも小さくされる(即ち、駆動ピン488bの可動範囲(挿通溝410cの延設長さ)が、台車部材440の可動範囲(被転動面の延設長さ)よりも短くされる)。
この場合、左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側と上端側とが、退避位置(図19及び図20参照)から略同時に変位を開始し、かつ、第1の態様における張出位置(図23及び図24参照)に略同時に到達されるように、下駆動機構480及び上駆動機構490が駆動される。即ち、下端側(駆動ピン488b)よりも上端側(台車部材440)の左右方向の変位速度が速くされる。
これにより、左変位部材420L及び右変位部材420Rを、縦姿勢に維持したまま非回転で左右方向へ平行に変位させるのではなく、その姿勢を回転させつつ左右方向へ変位させることができる。即ち、このように、姿勢を回転させつつ変位させることは、1の駆動手段の駆動力でスライド溝に沿って変位部材を摺動させる構成では不可能であり、本実施形態のように、2の駆動手段を利用することが始めて可能となったものである。
また、下端側(駆動ピン488b)よりも上端側(台車部材440)の左右方向の変位速度が異なる場合、駆動ピン488bと台車部材440との距離が変化されるところ、本実施形態では、摺動溝423が駆動ピン488bの直径よりも大きな長さで上下方向に延設される長穴形状とされるため、両者の距離の変化を吸収することができる。即ち、複雑な機構を設ける必要がなく、摺動溝423及び駆動ピン488bを回転可能かつ摺動可能に形成すれば良いので、製品コストの削減に加え、動作の信頼性と耐久性とを図ることができる。
図23及び図24に示す状態から下駆動機構480の第1駆動モータ481及び上駆動機構490の第2駆動モータ491がそれぞれ上述した場合と逆方向へ駆動されると、図21及び図22に示す状態を経た後、図19及び図20に示す状態(退避位置)まで、左変位部材420L及び右変位部材420Rが左右方向(幅方向)において互いに離間する方向へ変位されると共に、突出部材485が下降される。
次いで、下駆動機構480(第1駆動モータ481)のみを駆動して(即ち、上駆動機構490(第2駆動モータ491)は非駆動状態に維持して)、変位部材(左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485)を変位させる第2の態様について、図25及び図26を参照して説明する。なお、第2の態様の説明では、図19及び図20も適宜参照する。
図25は、第2の態様における変位ユニット400の正面図であり、図26は、図25の背面視における変位ユニット400の背面図である。なお、図25及び図26は、左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485が第2の態様における張出位置に配置された状態に対応する。
ここで、図19及び図20に示す状態(退避位置に配置された状態)では、上駆動機構490の駆動アーム494は、左変位部材420Lがその上端側(連結孔422の軸心)を回転中心として回転することを許容する姿勢で配置される。即ち、左変位部材420Lの連結軸421が駆動アーム494の駆動溝494cに沿って摺動することが許容される。
よって、この状態(図19及び図20に示す状態)から、下駆動機構480の第1駆動モータ481のみが駆動されると、図25及び図26に示すように、図駆動アーム484の駆動ピン484cが突出部材485の摺動溝485aの内壁面を押し上げることで、突出部材485が上昇されると共に、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの駆動ピン488bが、左変位部材420L及び右変位部材420Rの摺動溝423の内壁面に作用することで、左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側(摺動溝423側)が互いに近接する方向へ変位(直線運動)される。即ち、第2の態様では、左変位部材420L及び右変位部材420Rを、その上端側(連結孔422の軸心)を回転中心として、回転させることができる。
次いで、上駆動機構490(第2駆動モータ491)のみを駆動して(即ち、下駆動機構480(第1駆動モータ481)は非駆動状態に維持して)、変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)を変位させる第3の態様について、図27及び図28を参照して説明する。なお、第3の態様の説明では、図19及び図20も適宜参照する。
図27は、第3の態様における変位ユニット400の正面図であり、図28は、図27の背面視における変位ユニット400の背面図である。なお、図27及び図28は、左変位部材420L及び右変位部材420Rが第3の態様における張出位置に配置された状態に対応する。
ここで、左変位部材420L及び右変位部材420Rの摺動溝423は、駆動ピン488bの直径よりも大きな長さで上下方向に延設される長穴形状とされ、左変位部材420L及び右変位部材420Rが上方へ持ち上げられることが許容される。
よって、図19及び図20に示す状態(退避位置に配置された状態)から、上駆動機構490の第2駆動モータ491のみが駆動されると、図27及び図28に示すように、駆動アーム494の駆動溝494cの内壁面が左変位部材420Lの連結軸421に作用され、左変位部材420Lの上端側(台車部材440)が右変位部材420Rへ近接する方向へ変位(直線運動)される共に、その変位が、上部左ラック450Lからピニオンギヤ459を介して上部右ラック450Rへ伝達されることで、右変位部材420Rの上端側(台車部材440)が左変位部材420Lへ近接する方向へ変位(直線運動)される。
即ち、第3の態様では、左変位部材420L及び右変位部材420Rを、その下端側(摺動溝423側)を回転中心として、回転させることができる。また、第3の態様では、左変位部材420L及び右変位部材420Rのみを変位させ、突出部材485は停止状態に維持することができる。
ここで、従来の遊技機では、ベース部材410に案内手段(例えば、案内溝)が延設され、その案内手段に沿って変位部材が変位(案内)可能に形成されるものであるため、変位部材の変位態様(ベース部材に対して変位部材が変位する際の軌跡)が一通りに限定されていた。そのため、変位部材の変位による演出がワンパターンとなり、遊技者の意表をつく演出を行うことが困難であった。駆動手段(例えば、駆動モータ)の駆動力(駆動速度)に強弱をつけて変化を設けたとしても、変位部材の変位速度が増減するだけであり、その変位態様(軌跡)は相変わらず一定であるため、遊技者の意表をつく演出を行うことが困難である。
これに対し、本実施形態の変位ユニット400によれば、下駆動機構480(第1駆動モータ481)及び上駆動機構490(第2駆動モータ491)を備え、その駆動状態を選択(変更)することで、変位部材(左変位部材420L、右変位部材420R及び突出部材485)を3種類の態様(第1の態様、第2の態様および第3の態様)で変位させることができる。即ち、変位部材の変位態様が一通りに限定される従来品のように、演出がワンパターンとならず、変位部材を少なくとも3通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行うことができる。
特に、第1の態様では(図19から図24参照)では、左変位部材420L及び右変位部材420Rに平行移動(直線運動)が支配的な変位を行わせることができる一方、第2の態様および第3の態様(図19、図25から図28参照)では、左変位部材420L及び右変位部材420Rに回転(回転運動)のみの変位を行わせることができ、その変位の運動形態を異ならせることができる。その結果、変位部材の変位態様の変化を大きくでき、遊技者の意表をつく演出を行いやすくできる。
この場合、従来品では、回転中心は一定のままで、その回転方向のみを異ならせることで、変位態様を異ならせるものは存在するが、本実施形態における第2の態様および第3の態様は、同一の回転中心でその回転方向のみが異なるというものではなく、回転方向が異なり、且つ、回転中心も異なって形成されるので(第2の態様では上端側が回転中心とされ、第3の態様では下端側が回転中心とされる)、変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)の変位態様の変化を大きくでき、遊技者の意表をつく演出を行いやすくできる。
また、第1の態様では、回転と平行移動(直線運動)とを組み合わせた形態で変位部材(左変位部材420L及び右変位部材420R)が変位されるところ、かかる回転の方向が第3の態様における回転の方向と同方向とされる。そのため、第1の態様および第3の態様の初期段階(例えば、図21及び図27参照)では、変位部材どうしが近接する方向へ変位されるように遊技者に視認させることができ、その区別をつき難くできる。一方で、第1の態様では、左変位部材420L及び右変位部材420Rの近接する方向への変位に伴い、突出部材485が上昇されるのに対し、第3の態様では、突出部材485を停止状態に維持することができる。即ち、左変位部材420L及び右変位部材420Rが互いに近接する方向へ変位された初期段階において、突出部材485が上昇されている場合には、第1の態様における張出位置まで変位部材が変位されることを遊技者に期待させることができる。
変位ユニット400は、台車部材440、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rがそれぞれ直線変位可能にベース部材410に配設(保持)されると共に、台車部材440に左変位部材420L及び右変位部材420Rの上端側(連結孔422)が回転可能に連結されると共に、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rの駆動ピン488bが左変位部材420L及び右変位部材420Rの下端側(摺動溝423)に回転可能かつ摺動可能に挿通される。
これにより、上述したように、左変位部材420L及び右変位部材420Rに、回転成分を含む直線運動(第1の態様)や、回転運動(第2及び第3の態様)を行わせるための構造を簡素化できる。例えば、曲線状の案内溝を設け、その案内溝に沿って変位部材を変位させることも考えられるが、このような曲線状の軌跡でスライド変位させる場合には、複雑な構造が必要となる(即ち、曲線状の軌跡であると、台車部材440に対応する部材、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rに対応する部材をそれぞれ曲線状に案内するための機構だけでなく、これら各部材440,488L,488Rに駆動力を継続して付与可能とする機構を設ける必要が生じる)。
これに対し、本実施形態では、台車部材440、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rを直線方向へ案内すれば良く、よって、台車部材440は平坦面としての被転動面により案内すれば良く、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rはラック・ピニオン機構を利用することができるので、それらの構造を簡素化することができる。よって、製品コストの削減と共に、耐久性と動作の信頼性の向上を図ることができる。
また、変位ユニット400によれば、第1の態様、第2の態様および第3の態様のいずれにおいても、左変位部材420L及び右変位部材420Rを案内する機構が共通とされ、具体的には、各変位部材420L,420Rの一端側(上端側)は、台車部材440が被転動面を転動することで案内され、他端側(下端側)は、下部左ラック488L及び下部右ラック488Rがベース部材410と背面カバー412との間で摺動(直線運動)することで案内される。即ち、各態様に応じて異なる案内機構をそれぞれ設ける必要がなく、従って、異なる案内機構を切り替える構造も採用する必要がない。その結果、構造を簡素化して、動作の信頼性と耐久性とを高めることができると共に、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図29から図46を参照して、投影ユニット600について説明する。
初めに、図29から図32を参照して、投影ユニット600の全体構成について説明する。図29は、投影ユニット600の正面図であり、図30は、投影ユニット600の背面図である。また、図31は、投影ユニット600の分解正面斜視図であり、図32は、投影ユニット600の分解背面斜視図である。
図29から図32に示すように、投影ユニット600は、正面視円環形状のベース部材610と、そのベース部材610に回転可能に配設される円板形状の投影板部材620と、その投影板部材620の外周側を取り囲んで配設される複数の照射ユニット650と、投影板部材620を回転させるための駆動モータ661と、その駆動モータ661の駆動力を投影板部材620に伝達するための歯車列(歯車662〜664)と、を主に備えて形成される。
ベース部材610は、円環形状の背面ベース611と、その背面ベース611の正面に配設される円環形状の正面ベース612とを備え、それら背面ベース611及び正面ベース612の対向面間に形成される内部空間に、投影板部材620、照射ユニット650及び歯車列(歯車662〜664)が収納される。
なお、正面ベース612の正面視における内周縁より内側の領域(以下、「表示領域」と称す)では、投影板部材620が遊技者から視認可能であり、正面ベース612の内周縁より外側の領域(即ち、正面ベース612で遮蔽される領域)(以下、「表示領域外」と称す)では、投影板部材620が遊技者から視認不能とされる。
投影板部材620は、光透過性材料からなり、背面側に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)の表示を透過させて遊技者に視認させると共に、照射ユニット650から照射された光が外周面から入射されると、その入射された光を、模様や図柄の形状をなす態様で、投影板部材620の正面から出射させ、遊技者に視認させる。即ち、第3図柄表示装置81の正面に模様や図柄を浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
投影板部材620の外周縁部には、ギヤ部材630及び溝形成部材640が背面側および正面側にそれぞれ配設される。これらギヤ部材630及び溝形成部材640は、正面視円環状に形成され、投影板部材620と同心に配設される。
ギヤ部材630には、外周面に沿って複数の歯が刻設され、歯車列の末尾の歯車664が歯合される。溝形成部材640は、投影板部材620との間に周方向に連続する断面コ字状の案内溝641を形成するための部材であり、ベース部材610に回転可能に軸支される複数のカラーCが案内溝641に案内されることで、投影板部材620がベース部材610に回転可能に保持される。なお、ギヤ部材630及び溝形成部材640の詳細構成については後述する。
照射ユニット650は、投影板部材620の外周面から光を入射させるための発光手段(LED651)を複数備えるユニットであり、各LED651が投影板部材620の外周面を臨む(外周面に対向する)姿勢で複数(本実施形態では5個)が配設される。詳細には、本実施形態では、各LED651の照射方向の延長線が投影板部材620の略中心を通過する姿勢とされる。なお、照射ユニット650のベース部材610への取り付け構造の詳細については後述する。
駆動モータ661は、背面ベース611の背面側に配設され、その駆動モータ661の駆動軸には、歯車列の先頭の歯車662が連結(固着)される。また、歯車列の末尾の歯車664には、投影板部材620に配設されたギヤ部材630が歯合される。よって、駆動モータ661の駆動軸が回転されると、その回転が、歯車列(歯車662〜歯車664)を介して、ギヤ部材630に伝達され、投影板部材620が回転される。
次いで、図33から図38を参照して、投影板部材620の保持構造について説明する。図33は、背面ベース611の正面図である。図34は、正面ベース612及び照射ユニット650の背面図であり、図35は、正面ベース612の背面図である。
図33に示すように、背面ベース611は、円環形状の板部材の内縁部に立設される内側立設部と611aと、円環形状の板部材の外縁部に立設される外側立設部611cと、内側立設部611a及び外側立設部611cの間から立設される中間立設部611bと、その内側立設部611b及び内側立設部611aに取り囲まれる領域の内側凹溝611dと、内側立設部611b及び外側立設部611cに取り囲まれる領域の外側凹部611eと、所定の間隔を隔てて円環状の板部材から突設される規制突起611fと、を主に備えて形成される。
内側立設部611aは、円環形状の板部材の内縁部から正面側(図33紙面手前側)に立設されると共に、径方向に一定の厚みを備える。
外側立設部611cは、円環形状の板部材の外縁部から正面側(図33紙面手前側)に立設されると共に、径方向に一定の厚みを備える。
中間立設部611bは、内側立設部611a及び外側立設部611bの中間位置に立設される。また、中間立設部611bは、軸周りに7分割して形成され、それぞれの分割端部は外側立設部611cに連結される。
内側凹溝611dは、後述する投影板部材620の外縁部を内部に配置するための領域であり、円環形状の板部材と内側立設部611aと中間立設部611bとの3方向を取り囲まれて形成される。
外側凹溝611eは、後述する照射ユニット650を内部に配置するための領域であり、円環形状の板部材と外側立設部611cと中間立設部611bとの3方向を取り囲まれて形成される。
規制突起611fは、正面ベース612に軸支されるカラーCが、背面側にがたつくことを抑制する突起であり、カラーCの軸心に開口された穴の内径よりも大きい内径の円環状に形成されると共に、正面側に突出形成される。なお、本実施形態では、規制突起611fは、所定の間隔を空けて6か所形成される。
図34及び図35に示すように、正面ベース612の背面には、背面ベース611の内側立設部611a、中間立設部611b、外側立設部611c及び規制突起611fに対応して、内側立設部612a、中間立設部612b、外側立設部612c及び軸部612fが立設される。即ち、ベース部材610が組み立てられた状態では、背面ベース611の各立設部611a〜611cの立設先端面に、正面ベース612の各立設部612aから612cの立設先端面がそれぞれ重ね合されると共に、規制突起611fに軸部612fの先端が挿通される。
正面ベース612の背面であって、中間立設部611b及び外側立設部612cとの間の領域には、複数の保持ピン612gが立設される。保持ピン612gは、照射ユニット650の位置決め及び保持を行うための断面円形の軸状態であり、周方向に所定の間隔を隔てて配置される。
照射ユニット650は、上述したように、複数のLED651を備え、それら各LED651から照射された光を投影板部材620の外周面から入射させるためのユニットであり、投影板部材620の周囲に沿って配設される。即ち、投影板部材620は、その外周側が複数の照射ユニット650に取り囲まれる。
照射ユニット650は、正面ベース612の背面であって、中間立設部611b及び外側立設部612cとの間の領域に装着され、正面ベース612の背面に背面ベース611の正面が重ね合されることで、それら両ベース611,612の対向面間(内部空間)に収容される。
図36は、図34の矢印XXXVI方向視における正面ベース612及び照射ユニット650の部分拡大断面図である。
図36に示すように、正面ベース612の中間立設部612bには、その立設先端側に略半円形状の切り欠き部612b1が切り欠き形成される。同様に、背面ベース611の中間立設部611bの立設先端側にも、切り欠き部612b1と同位相となる位置に、略半円形状の切り欠き部611b1が切り欠き形成される(図33参照)。
即ち、中間立設部611b,612bの立設先端面どうしが重ね合わされた状態(即ち、ベース部材610の組み立て状態)では、互いの切り欠き部611b1,612b2により正面視略円形の開口が形成される。これら円形の開口は、照射ユニット650の各LED651に対面する位置(同位相となる位置)にそれぞれ形成される。
よって、照射ユニット650の各LED651から照射された光は、中間立設部611b,612bの切り欠き部611b1,612b1により形成される円形の開口を通過して、投影板部材620の外周面へ入射される。なお、円形の開口は、LED651の発光部の直径よりも大きな直径に設定される。
次いで、図37及び図38を参照して、投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640について説明する。
図37は、投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640の正面図である。図38は、図37のXXXVIII−XXXVIII線における投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640の部分断面図である。なお、図38では、上述した表示領域と表示領域外との境界が仮想線Mで示される。
図37及び図38に示すように、投影板部材620は、正面視円形の板状体に形成される。投影板部材620は、外縁の一部に切り欠き部621と、光を乱反射させる反射部622を備える。
切り欠き部621は、カラーCを背面ベース611の規制突起611fに配置しやすくするため部分であり、投影板部材620の外縁の一部を径方向と直交する方向の直線状に切り欠いて形成される。
反射部622は、投影板部材620の内部がレーザー加工等により粗面加工された部分であり、投影板部材620の正面視における全域に模様や図柄等の形状に加工される。これにより、投影板部材620の内部に入射された光が反射部622に照射されると、反射部622の粗面により乱反射して遊技盤の表面側から出射される。
その結果、遊技者は、乱反射された光を視認しやすくなり、反射部622の形状を視認することができる。即ち、投影板部材620に光が入射されることで、反射部622の形状を投影板部材620の正面側に表示することができる。
ギヤ部材630は、投影板部材620よりも屈折率が低い光透過性材料からなり、正面視円環状の板状体から形成されると共に、外径寸法が投影板部材620の外径寸法よりも大きく設定されて、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)。また、ギヤ部材630は、投影板部材620の背面側(図37紙面奥側)に配置されると共に、その軸が投影板部材620の軸と同軸上に配置される。
ギヤ部材630は、外周面に沿って刻設される歯部631と、背面側の側面の背面部632と、その背面部632の内周側(図38左側)の端部から正面側に傾斜される傾斜面部633と、を備える。
歯部631は、上述したように歯車664が歯合される歯面であり、ギヤ部材630の外周面に全周に亘って刻設される。
傾斜面部633は、背面部632の内周側(図38左側)の端部634から連設されると共に、正面側に傾斜する面である。また、傾斜面部633の正面側への傾斜角度は、LED651の光源A及び端部634を結んだ仮想線Bと背面部632との交差角度θ1が、背面部632を内周側に延長した仮想線C及び傾斜面部633の交差角度θ2と略同一に設定される(θ1=θ2)。
溝形成部材640は、投影板部材620よりも屈折率が低い光透過性材料からなり、正面視円環状に形成されると共に、断面が略L字に屈曲した形状に形成され、屈曲した内側が投影板部材620側に配置される。また、溝形成部材640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)。さらに、溝形成部材640は、投影板部材620の正面側(図38上側)に配置されると共に、その軸が投影板部材620の軸と同軸上に配置される。
溝形成部材640は、断面略L字に屈曲した内側部分の一方の面の側面部641aと、断面略L字に屈曲した内側部分の他方の面の当接面641bと、正面側の側面の正面部642と、その正面部642の内周側(図38左側)の端部から背面側に傾斜される傾斜面部643と、を備える。
側面部641aは、投影板部材620の正面側(図38上側)の側面との対向間にカラーCを挟む面であり、投影板部材620の正面側の平面と軸周りに一定の対向間隔を隔てて形成される。
当接面641bは、側面部641aと投影板部材620との対向間に配置されるカラーCと当接して、投影板部材620を回転可能に保持する面であり、断面が側面部641aと直交すると共に、軸周りに円形に形成される。
よって、側面部641a及び当接面641bは、投影板部材620に配置されることで、カラーCを案内する案内溝641を形成することができる。即ち、案内溝641は、投影板部材620と溝形成部材640とを組み付けることで、投影板部材620と溝形成部材640との間に形成される。
傾斜面部643は、正面部642の内周側(図38左側)の端部644から連設されると共に、背面側に傾斜する面である。また、傾斜面部643の背面側への傾斜角度は、LED651の光源A及び端部644を結んだ仮想線Dと正面部642との交差角度θ3が、正面部642を内周側に延長した仮想線E及び傾斜面部643の交差角度θ4と略同一に設定される(θ3=θ4)。
次いで、図39及び図40を参照して、投影板部材620及びカラーCの説明をする。図39(a)は、投影ユニット600の背面図であり、図39(b)は、図39(a)のXXXIXb−XXXIXb線における投影ユニット600の部分拡大断面図である。図40(a)から図40(c)は、投影ユニット600の部分拡大断面図である。なお、図40(a)から図40(c)は、カラーCを正面ベース612の軸部612fへ取り付ける際の遷移状態が図示される。また、図39及び図40では、投影ユニット600から背面ベース611を取り外した状態が図示される。
図39(a)及び図39(b)に示すように、カラーCが軸部612fに配置された状態では、その径方向外側に突出した突出部C1が、投影板部材620の正面側(図39(b)下側)の側面と溝形成部材640の側面部641aとの対向間(案内溝641)に配置される。
また、カラーCの突出部C1の先端面と溝形成部材640の側面部641aとの間の距離寸法L1が、カラーCの軸部分と溝形成部材640の外周面との間の距離寸法L2よりも小さく設定される(L1<L2)。
よって、投影板部材620を回転可能にするために、溝形成部材640とカラーCとが所定の隙間を開けた状態で配置される際に、投影板部材620がその隙間の分、上下左右方向にずれたとしても、溝形成部材640の当接面641bをカラーCの突出部C1の先端と当接させることができる。その結果、カラーCの突出部C1の先端で投影板部材620を回転可能に保持することができ、投影板部材620をスムーズに回転させることができる。
次に、図40(a)からを図40(c)参照して、正面ベース612の軸部612fへのカラーCの取り付けを説明する。
図39(a)及び図40(a)に示すように、カラーCを軸部612fへ配置する際には、正面ベース612に投影板部材620を配置した状態で行われる。
ここで、正面ベース612への投影板部材620の配置は、正面ベース612の内側凹溝612dの内側に、溝形成部材640を配置することで行われる。即ち、内側凹溝612dの径方向の距離寸法は、溝形成部材640の径方向の距離寸法よりも大きく形成されており、内側凹溝612dの内側に溝形成部材640を配置することで投影板部材620の位置決めして配置できる。
次に、投影板部材620を回転させて、投影板部材620の切り欠き部621をカラーCを配置する軸部612f側に変位させる。即ち、切り欠き部621の位置を軸部612fと合わせることで、投影板部材620が配置された状態の正面ベース612にカラーCを配置することができる。
次に、軸部612fへのカラーCの配置は、カラーCの軸を軸部612fの軸に対して、背面側(図40(a)上側)を内周側(図40(a)左側)に傾倒させた状態で行われる。この状態で、カラーCの軸を軸部612fの先端に挿入すると共に、投影板部材620に対して内側に位置する突出部C1を切り欠き部621及び案内溝641の内側に挿入する。
この状態から、図40(b)に示すように、投影板部材620の内側に位置する突出部C1の先端を軸として反対側を正面側(図40(b)下側)に回転させる。これにより、カラーCの軸を軸部612fの軸と同心に配置することができる。
次に、図40(c)に示すように、カラーCを正面側(図40(c)下側)に変位させることで、カラーCの突出部C1の先端面と溝形成部材640の当接面とが対向する位置に配置される。この後、投影板部材620を回転させることで、カラーCを案内溝641の内側に配置することができる。
ここで、円形の回転部材の外縁に溝を形成して、その溝の内側に複数個のカラーを配置するものであると、カラーを配置するために、回転部材を持ち上げて(操作して)カラーを配置する必要があり、その組み付けに両手を使うため組み付けの効率が悪いという問題点があった。
これに対し、投影ユニット600では、投影板部材620に切り欠き部621が形成されることで、上述したように、カラーCを配置する際に、投影板部材620を持ち上げる(操作する)必要がない。よって、投影ユニット600の組み付けの効率を向上することができる。
このように組み付けられた投影ユニット600に、背面側から背面ベース611を覆設することで、投影ユニット600を組み立てることができる。
次に、図41から図43を参照して、LED651(光源A)から照射された光について説明する。
図41(a)から図43(b)は、投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640の断面模式図である。なお、図41(b)、図42(b)及び図43(b)では、理解を容易とするため、断面線の図示が省略される。
また、図41(b)、図42(b)及び図43(b)では、光源Aからの光が投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640に入射した際の屈折角は、本発明には影響のないものとして考え、光源Aから投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640に入射する光は直行した様態で図示される。さらに、図41から図43では、上述した表示領域と表示領域外との境界が仮想線Mで示される。
図41(a)及び図41(b)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち投影板部材620の外面を照射する照射角度αの光は、投影板部材620にその外縁部の側面から入射される。投影板部材620に入射された光は、投影板部材620の正面側および背面側の側面に照射されることにより、入射角と同じ角度で反射される。これにより、投影板部材620に入射された光は、投影板部材620の縁側から中央部に向かって進行することができる。よって、照射角度α1に照射された光源Aの光は、投影板部材2620を通過し反射部622で乱反射されて、遊技機正面側(図41(b)上側)に出射される。
なお、この場合、投影板部材620の内部を進行する光が、投影板部材620と溝形成部材640又はギヤ部材630とが隣合う位置で投影板部材620の正面または背面に照射された際に、投影板部材620の正面または背面の側面から溝形成部材640又はギヤ部材630に入射して、投影板部材620の内部を進行する光の量が減少することが考えられる。
これに対し、本実施形態では、溝形成部材640及びギヤ部材630が、投影板部材620の光透過性材量の屈折率よりも低い屈折率の光透過性材料から形成されるので、投影板部材620を進行する光は、投影板部材620と溝形成部材640又はギヤ部材630とが隣合う位置で投影板部材620の正面または背面に照射された際にも、投影板部材620の正面または背面の側面で全反射させることができる。よって、投影板部材620の縁部から入射された光の量が減少することを抑制できる。
即ち、屈折率の高い媒体を通過する光は、屈折率の低い媒体へ進む場合、入射角度が大きくされると屈折率の低い媒体へ入射されずに全反射される。投影ユニット600では、投影板部材620が板状体に形成され、その端面(縁部)から光が入射されるので、光の入射角度は十分に大きくされている。よって、投影板部材620から屈曲率の低い溝形成部材640及びギヤ部材630へ光は入射されず、投影板部材620の内側で全反射させることができる。その結果、投影板部材620を進行する光の量が減少することを抑制できる。
また、投影板部材620と空気との関係も同様に、空気の屈折率は、透過性材量よりも十分に小さい値(屈折率1)であることから、投影板部材620の内部を進行する光は、投影板部材620から空気中(大気中)に入射されず、投影板部材620の内側で全反射させることができる。その結果、投影板部材620を進行する光の量が減少することを抑制できる。
次に、図42(a)及び図42(b)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち溝形成部材640を照射する照射角度βの光は、溝形成部材640に入射される。
溝形成部材640に入射された光は、溝形成部材640の内部で反射させて、投影板部材620の軸心側に進行させることができる。この場合、溝形成部材640の側面と投影板部材620とが隣合う(面する)位置では、溝形成部材640の内部を反射させられていた光を投影板部材620側へ入射させることができる。
即ち、溝形成部材640と投影板部材620とが隣合わない位置では、溝形成部材640が、空気(大気)と隣合う様態であるため、側面に照射された光を反射させることができる。一方、溝形成部材640と投影板部材620とが隣合う位置では、投影板部材620の光透過性材量の屈折率よりも低い屈折率の光透過性材料から形成されるので、照射された光を投影板部材620に入射させることができる。
溝形成部材640から投影板部材620に入射される光は、照射角度αの光と同様に、投影板部材620の内側側面に全反射されて進行することができる。なお、その理由は上記照射角度αの場合と同様であるので、詳しい説明は省略する。
よって、照射角度βに照射された光源Aの光も、投影板部材620を通過させ、反射部622で乱反射させて、遊技機正面側に出射できる。その結果、投影板部材620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の強さ(光量)を増加することなく投影板部材620から出射される光の強さ(光量)を増加することができる。
即ち、LED651の光源Aから照射される光は、投影板部材620の側端面から入射されるだけでなく、溝形成部材640に照射される光も投影板部材620の側端面から入射させることができ、その分、投影板部材620の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。よって、光源Aから照射された光のうちの投影板部材620の反射部622までの到達する光を増加させることができるので、反射部622で反射され投影板部材620の正面から出射される光の量を増加させて、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。また、LED651の出力を高める必要がないので、発熱量を小さくして、他の部材や機器への熱影響を抑制できる。
また、溝形成部材640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)ので、遊技者から視認し難くでき、その分外観が悪化することを抑制できる。
ここで、光源Aから溝形成部材640に入射する光は、上記した光源Aから投影板部材620に入射する光に比べて、溝形成部材640が光源Aと正面方向(図42(a)上方向)に位置がずれて配置される分、溝形成部材640の内側側面に照射される際の光の入射角度が小さくなる。これにより、溝形成部材640の内部を進行する光をその内側側面で、全反射させることが困難となるが、少なくとも光源Aから溝形成部材640に入射される光の一部は反射されて、上記した状態(光を溝形成部材640の内側側面で反射させる状態)を形成することできる。
また、溝形成部材640は、傾斜面部643を備えるので、照射角度βに照射されて投影板部材620側に反射する光の量を増加させることができる。即ち、傾斜面部643は、上述したように、その交差角度θ4が、LED651の光源A及び端部644を結んだ仮想線Dと正面部642との交差角度θ3と同一に形成される(図38参照)ので、端部644に向かってLED651(光源A)から照射された光を反射させたあと、その光を傾斜面部643に沿って進行させることができ、照射角度βの光を投影板部材620側に反射させる面積を増加させることができる。その結果、投影板部材620側に反射する光の量を増加させることができる。
さらに、溝形成部材640の外径は、投影板部材620の外径よりも大きく形成されるので、その分、光源Aからの照射角度βを大きくすることができる。よって、光源Aから照射された光を、溝形成部材640の外縁部で反射させて、投影板部材620の側端面へ入射させやすくできる。よって、その分、投影板部材620の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。
図43(a)及び図43(b)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうちギヤ部材630を照射する照射角度γの光は、ギヤ部材630に入射される。
ギヤ部材630に入射された光は、ギヤ部材630の内部で反射されて、投影板部材620の軸心側に進行させられる。この場合、ギヤ部材630の側面と投影板部材620とが隣合う(面する)位置では、ギヤ部材630の内部を反射する光を、投影板部材620に入射させることができる。
即ち、ギヤ部材630と投影板部材620とが隣合わない位置では、ギヤ部材630が空気と隣合う(大気と接する)状態であるため、ギヤ部材630の内側側面に照射される光を反射させることができる。一方、ギヤ部材630と投影板部材620とが隣合う位置では、ギヤ部材630が投影板部材620の光透過性材料の屈折率よりも低い屈折率の光透過性材料から形成されるので、照射された光を投影板部材620に入射させることができる。
ギヤ部材630から投影板部材620に入射される光は、照射角度αの光と同様に、投影板部材620の内部で全反射され、投影板部材620の軸心側に進行させられる。なお、その理由は、上記照射角度αの場合と同様であるので、詳しい説明は省略する。
よって、照射角度γに照射される光源Aの光は、投影板部材620を通過して、反射部622で乱反射されて、遊技機正面側に出射される。その結果、投影板部材620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の量(光量)を増加することなく投影板部材620から出射される光の量を増加することができる。
即ち、LED651の光源Aから照射される光は、投影板部材620の側端面入射されるだけでなく、ギヤ部材630に照射される光も投影板部材620の側端面から入射させることができ、その分、投影板部材620の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。よって、光源Aから照射された光のうちの投影板部材620の反射部622までの到達する光を増加させることができるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光の量を増加させて、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。また、LED651の出力を高める必要がないので、発熱量を小さくして、他の部材や機器への熱影響を抑制できる。
また、ギヤ部材630は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)ので、遊技者から視認され難くでき、その分外観が悪化することを抑制できる。
さらに、光源Aからギヤ部材630に入射される光は、上記した光源Aから投影板部材620に入射した光に比べて、ギヤ部材630が光源Aと背面方向(図43(a)下方向)に位置がずれて配置される分、ギヤ部材630の内側側面を照射する際の入射角度が小さくされる。これにより、ギヤ部材630の内部を進行する光をその側面で、全反射させることが困難となるが、少なくとも光源Aからギヤ部材630に入射される光の一部は反射されて、上記した状態(光をギヤ部材630の内側側面で反射させる状態)を形成することができる。
ギヤ部材630は、傾斜面部633を備えるので、照射角度γに照射されて投影板部材620側に反射する光の量を増加させることができる。即ち、傾斜面部633は、上述したように、その交差角度θ2が、LED651の光源A及び端部634を結んだ仮想線Bと背面部632との交差角度θ1と同一に形成される(図38参照)ので、端部634に向かってLED651(光源A)から照射された光を反射させたあと、その光を傾斜面部633に沿って進行させることができ、照射角度γに照射される光を投影板部材620側に反射させる面積を増加させることができる。その結果、投影板部材620側に反射する光の量を増加させることができる。
また、ギヤ部材630の外径は、投影板部材620の外径よりも大きく形成されるので、その分、光源Aからの照射角度βを大きくすることができる。よって、光源Aから照射された光を、ギヤ部材630の外縁部で反射させて、投影板部材620の側端面へ入射させやすくできる。よって、その分、投影板部材620の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。
次いで、照射ユニット650の詳細構成およびベース部材610への取り付け構造について、図44から図46を参照して説明する。
図44(a)は、照射ユニット650の上面図であり、図44(b)は、図44(a)の矢印XLIVb方向視における照射ユニット650の正面図である。また、図45(a)は、図44(a)の矢印XLVa方向視における照射ユニット650の背面図であり、図45(b)は、図44(b)のXLVb−XLVb線における照射ユニット650の断面図である。なお、図44及び図45では、ベース部材610(正面ベース612)に取り付けられる前の状態(即ち、基板部材652が弾性変形されていない状態)が図示される。
図44及び図45に示すように、照射ユニット650は、複数(本実施形態では8個)のLED651と、それら複数のLED651が正面に搭載される基板部材652と、その基板部材652の背面に配設される複数(本実施形態では各2個)の第1ブロック653及び第2ブロック654と、を備える。
基板部材652は、弾性変形可能な素材から正面視横長の帯状に形成される。LED651は、上述したように、投影板部材620の外周面から入射させるための光を照射する発光手段であり、基板部材652の正面へ照射面を向けた姿勢で複数が基板部材652の長手方向(図44(b)左右方向)に沿って等間隔に配設される。
第1ブロック653及び第2ブロック654は、基板部材652とベース部材610との間に介設される部材であり、基板部材652の長手方向中央側に2個の第1ブロック653が配設されると共に、それら第1ブロック653を挟んで基板部材652の長手方向両側に第2ブロック654がそれぞれ配設される。
第1ブロック653及び第2ブロック654は、樹脂材料から直方体状に形成され、基板部材652よりも高い剛性(弾性変形し難くい特性)を備える。そのため、ベース部材610(正面ベース612)への取り付け状態では、基板部材652の各ブロック653,654の隣接間に位置する部分のみを弾性変形させることができる。ここで、図46を参照して、第1ブロック653及び第2ブロック654について説明する。
図46(a)は、第1ブロック653の正面図であり、図46(b)は、図46(a)のXLVIb−XLVIb線における第1ブロック653の断面図である。また、図46(c)は、第2ブロック654の正面図であり、図46(d)は、図46(c)のXLVId−XLVId線における第2ブロック654の断面図である。
第1ブロック653は、正面視横長矩形の底壁部653aと、その底壁部653aの4辺から正面側へ向けて立設される側壁部653bとから、正面側(図46(a)紙面手前側)が開放された箱状に形成される。
4枚の側壁部653bのうちの対向する(底壁部653aの短辺から立設される)側壁部653bには、その正面側の端面に締結孔hが凹設され、ねじS1が締結可能とされる。また、締結孔hが凹設される側壁部653bとは別の側壁部653bどうしは、連結壁653cにより連結され、その連結壁653cの正面側の端面からは、突起653c1が突設される。
第2ブロック654は、正面視矩形の底壁部654aと、その底壁部654aの4辺から正面側へ向けて立設される側壁部654bとから、正面側(図46(c)紙面手前側)が開放された箱状に形成される。底壁部654aには、正面視矩形の開口654a1が穿設され、電気的な接続線が挿通可能とされる。
4枚の側壁部654bのうちの底壁部654aの短辺から立設される側壁部654bには、その正面側の端面に締結孔hが凹設され、ねじS1が締結可能とされる。また、底壁部654aの長辺から立設される側壁部653bどうしは、連結壁654cにより連結され、その連結壁654cには、その正面側の端面に締結孔hが凹設され、ねじS1が締結可能とされる。
第1ブロック653及び第2ブロック654には、底壁部653a,654aの長辺から立設される側壁部653b,654bのそれぞれの2カ所に挿通孔653b1,654b1が穿設される(図45(a)及び図46(b)参照)。挿通孔653b1,654b1には、正面ベース612の保持ピン612gが挿通される。これにより、正面ベース612に対する両ブロック653,654の配設位置の位置決め及びその配設位置での保持を行うことができる。
なお、第1ブロック653は、上下方向(図46(a)上下方向)中央を通る第1の仮想面(即ち、2か所の締結孔hの軸心をそれぞれ含む仮想平面)に対して対称、かつ、長手方向(図46(a)左右方向)中央を通ると共に第1の仮想面に垂直となる第2の仮想面に対して対称となる形状に形成される。
よって、1の基板部材620に対して2の第1ブロック653が配設される照射ユニット650において、第1ブロック653を共通化できるので、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。また、基板部材620に第1ブロック653を組み付ける際には、基板部材620に対して第1ブロック653が上下方向および長手方向の方向性を共に有さないので、組み立て作業時の作業性の向上を図ることができる。
同様に、第2ブロック654は、上下方向(図46(c)上下方向)中央を通る第1の仮想面(即ち、2か所の締結孔hの軸心をそれぞれ含む仮想平面)に対して対称となる形状に形成される。
よって、1の基板部材620に対して2の第2ブロック654が配設される照射ユニット650において、第2ブロック654を共通化できるので、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。また、基板部材620に第2ブロック654を組み付ける際には、基板部材620に対して第2ブロック654が上下方向の方向性を共に有さないので、組み立て作業時の作業性の向上を図ることができる。
図44及び図45に戻って説明する。第1ブロック653及び第2ブロック654は、それらの長手方向を基板部材652の長手方向に沿わせ、隣接するものとの間に所定間隔を隔てつつ、基板部材652の背面側にそれぞれ配設される。
詳細には、第1ブロック653及び第2ブロック654は、その正面を基板部材652の背面に重ね合わせ、基板部材652に穿設された挿通孔から挿通されたねじS1が締結孔hに螺合されることで、基板部材652の背面側に締結固定される。この場合、第1ブロック653の突起653c1は、基板部材652に穿設された挿通孔から正面側に突出される。
基板部材652には、LED651のみが正面に配設(搭載)され、他の電子部品やコネクターは、基板部材652の背面に配設(搭載)される。この場合、上述したように、第1ブロック653及び第2ブロック654は、正面が開放された箱状に形成され、その開放された側を基板部材652の背面に重ね合わせて配設される。即ち、両ブロック653,654は、基板部材652に重ね合わされる(配設される)側の面に凹部を備えるので、その凹部(内部空間)に、基板部材652に搭載される電子部品やコネクターを収容することができる。よって、電子部品やコネクターを両ブロック653,654により覆って保護することができるので、周囲の変位する部材(例えば、投影板部材620)が当接されて電子部品やコネクターが破損することを抑制できる。
また、基板部材652に形成される回路(パターン)は、その背面に形成される。よって、かかる回路についても、両ブロック653,654により覆って保護することができるので、周囲の変位する部材(例えば、投影板部材620)が当接されて回路が破損(断線)することを抑制できる。また、基板部材652のうちの両ブロック653,654が配設されない部分は、背面側へ凸となる湾曲形状に弾性変形される(曲げられる)ので(図34参照)、その分、回路を投影板部材620から離間させることができる。これにより、両ブロック653,654が配設されない部分についても、回路が破損(断線)することを抑制できる。
このように構成された照射ユニット650のベース部材610への配設方法(組み付け方法)について説明する。まず、照射ユニット650を、正面ベース612の背面であって、中間立設部611b及び外側立設部612cの間の領域に装着する。この場合、基板部材652を弾性変形させ(曲げ)つつ、正面ベース612の背面から立設される各保持ピン612gを、第1ブロック653及び第2ブロック654の各挿通孔653b1,654b1に挿通させる。
これにより、正面ベース612の背面に両ブロック653,654(即ち、照射ユニット650)を保持させると共に照射ユニット650の配設位置(即ち、LED651の照射方向)を所定の位置に位置決めできる(図34参照)。その後、正面ベース612の背面に背面ベース611の正面が重ね合わされることで、それら両ベース611,612の対向面間(内部空間)に照射ユニット650が収容される。即ち、照射ユニット650がベース部材610に配設(組み付け)られる。
なお、本実施形態では、ベース部材610に照射ユニット650が配設された状態では、各LED651は、上述したように、投影板部材620の外周側に周方向等間隔に配設される。即ち、一の照射ユニット650におけるLED651の周方向間隔だけでなく、その一の照射ユニット650とその一の照射ユニット650に隣接する照射ユニット650とにおけるLED651の周方向間隔も他と同一の間隔とされる。
ここで、投影ユニット600は、複数のLED651から照射された光を投影板部材620の外周面から入射させる。そのため、複数のLED651を投影板部材620の外周面に沿って配設する必要がある。かかるLED651の配設(取り付け)は、その数が多いことに加え、各LED651の照射面(照射方向)をそれぞれ投影板部材620の中心へ向けた姿勢に調整して、各LED651をそれぞれ配設する必要があり、配設作業の手間が嵩む。
これに対し、本実施形態によれば、複数(本実施形態では8個)のLED651が、弾性変形可能に形成される基板部材652に搭載されるので、1の基板部材652(照射ユニット650)を正面ベース612(ベース部材610)に配設する(取り付ける)ことで、複数(本実施形態では8個)のLED651の配設作業を一度に完了することができる(図34参照)。よって、その分、LED651の配設作業の手間を抑制することができる。
また、第1ブロック653及び第2ブロック654の挿通孔653b1,654b1に背面ベース612の保持ピン612gが挿通されることで、基板部材652を、弾性変形された所定の姿勢に保持でき、LED651の照射面の方向を規定することができる(図34参照)。即ち、複数のLED651を、それらの照射面をそれぞれ個別に調整しつつ背面ベース612へ組み付ける必要がなく、両ブロック653,654の挿通孔653b1,654b1への保持ピン612gの挿通のみで、各LED651の姿勢(照射方向)を設定(調整)できるので、この点からもLED651の配設(取り付け)作業の手間を抑制できる。
この場合、照射ユニット650は、基板部材652よりも剛性が高く形成される第1ブロック653及び第2ブロック654を備え、それら両ブロック653、654が背面ベース612に保持されるので、振動などの外力入力に伴う基板部材652の反りや撓みを抑制して、或いは、基板部材652自身が有する反りや撓みを矯正して、かかる基板部材652の姿勢を所望の姿勢に規定しやすくできる。その結果、各LED651の姿勢が、基板部材652の反りや撓みの影響を受けることを抑制して、各LED651の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きを維持しやすくできる。
特に、各LED651は、基板部材652のうちの第1ブロック653又は第2ブロック654が配設される領域(即ち、正面視において4枚の側壁部653b,654bに囲まれる領域の内側)に配設される。よって、振動などの外力入力に伴う基板部材652の反りや撓みを抑制しやすくできる、或いは、基板部材652自身が有する反りや撓みを矯正しやすくできるので、基板部材652の姿勢を所望の姿勢に規定しやすくできる。その結果、各LED651の姿勢が、基板部材652の反りや撓みの影響を受けることをより確実に抑制でき、各LED651の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きをより一層維持しやすくできる。
また、各LED651は、基板部材652の正面に搭載される一方、第1ブロック653及び第2ブロック654は、基板部材652の背面に配設されるので、両ブロック653,654による基板部材652の姿勢を安定化する効果を得つつ、LED651をより投影板部材620の外周面へ近接させることができる。
ここで、LED651は、基板部材652の長手方向(図44及び図45左右方向)に沿って等間隔に配設される。即ち、照射ユニット650のベース部材610(正面ベース612)への取り付け状態では、投影板部材620の外周側にLED651を周方向等間隔に配設できるので(図34参照)、投影板部材620の外周面から入射される光の均一性を確保できる。
この場合、本実施形態では、第2ブロック654は、2か所に形成される締結孔hのうちの一方が、連結壁654cに形成されるので、その分、第2ブロック654の長手方向寸法を短くできる。また、第2ブロック654は、締結孔hが形成される側壁部653bを第1ブロック653側とする姿勢で基板部材652に配設される。即ち、締結孔hが形成されない側壁部653bを、基板部材652の長手方向両端側に位置させる。
これにより、LED651を基板部材652の長手方向に等間隔に配設して、投影板部材620へ入射させる光の均一性を確保しつつ、照射ユニット650の長手方向(図44及び図45左右方向)の全長を短くして、隣接する照射ユニット650の間に間隔を空ける(スペースを設ける)ことができる。この場合、かかるスペースを利用して、軸部612fを配設することができ、その結果、LED651と投影板部材620の外周面との距離を近接させやすくできる。
一方、第1ブロック653は、2か所に形成される締結孔hの両者が連結壁654cに形成されるので、かかる締結孔hとLED651との間の距離を短くできる。即ち、ねじS1による基板部材652の第1ブロック653への締結固定の位置を、LED651に近接させることができる。その結果、振動などの外力入力に伴う基板部材652の反りや撓みの影響をLED651に作用させ難くでき、また、基板部材652自身が有する反りや撓みをLED651近傍において特に矯正しやすくできる。よって、各LED651の姿勢が、基板部材652の反りや撓みの影響を受けることをより確実に抑制できるので、各LED651の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きをより一層維持しやすくできる。
この場合、第1ブロック653では、2か所に形成される締結孔hの間隔が大きくなるため、それら2カ所の締結孔hの間での基板部材652の拘束が弱くなるおそれがある。これに対し、本実施形態では、締結孔hが形成される側壁部653bの間に連結壁653cを設け、その連結壁653cから突設される突起653c1を、基板部材652に穿設された挿通孔に挿通させる。よって、突起653c1及び挿通孔の係合により、振動などの外力入力に伴う基板部材652の反りや撓みを抑制しやすくできる、或いは、基板部材652自身が有する反りや撓みを矯正しやすくできるので、基板部材652の姿勢を所望の姿勢に規定しやすくできる。その結果、ねじS1を別途設けることを不要として、部品点数を削減できるので、その分、製品コストの削減を図りつつ、各LED651の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きをより一層維持しやすくできる。
なお、基板部材652の長手方向両端(長手方向の最外方、図45(b)の左端および右端)は、自由端とされる(即ち、第2ブロック654に拘束されない)ため、かかる長手方向両端に位置するLED651の姿勢が不安定となるおそれがある。これに対し、本実施形態では、基板部材652の背面側に第1ブロック653及び第2ブロック654を配設し、基板部材652をその正面側に円弧中心が位置する方向に弾性変形させる(曲げる)ので(図34参照)、基板部材652の弾性回復力を、基板部材652の長手方向両端の背面を第2ブロック654の正面に押し付ける方向の力として作用させることができる。その結果、基板部材652の長手方向両端に位置するLED651の姿勢を安定化できる。
次いで、図47から図50を参照して、上下変位ユニット800について説明する。
図47は、上下変位ユニット800の正面図であり、図48は上下変位ユニット800の背面図である。また、図49は、上下変位ユニット800の正面斜視図であり、図50は、上下変位ユニット800の背面斜視図である。
図47から図50に示すように、上下変位ユニット800は、正面視矩形状の背面ベース830と、その背面ベース830の正面側に重ね合される正面ベース820と、背面ベース830の背面側に配置される駆動モータ880と、その駆動モータ880の駆動力により背面ベース830及び正面ベース820に対して回転させられる変位部材850と、その変位部材850へ駆動モータ880の駆動力を伝達する伝達機構860と、伝達機構860及び変位部材850とを連結する連結部材870と、変位部材850の軸孔851の前方に配置されると共に正面ベース820に取着されるカバー部材840と、を主に備える。
背面ベース830は、駆動モータ880に連結される伝達機構860の伝達ギヤ861が挿通可能な大きさに開口形成される開口831と、伝達機構860の伝達ギヤ862,863のそれぞれの軸心に突出形成される軸部832,833と、正面側に突設されると共に湾曲した形状に延設される背面側規制部834と、を主に備える。
開口831は、背面ベース830の背面側に取着される駆動モータ880の軸部が挿通される。これにより、背面ベース830の正面側に配置される伝達機構860に駆動モータ880の駆動力を伝達させることができる。
また、開口831は、伝達機構860の伝達ギヤ861の外径よりも大きい内径に形成される。これにより、伝達ギヤ861が破損した際には、駆動モータ880を背面ベース830から取り外すことで、伝達ギヤ861を上下変位ユニット800から取り外すことができる。その結果、伝達ギヤ861が破損した際の部品交換の作業工程を少なくすることができる。
軸部832,833は、後述する伝達機構860の伝達ギヤ862、863がそれぞれ軸支され回転可能に保持されるための軸であり、背面ベース830から正面側に円柱状に突出形成される。
背面側規制部834は、後述する連結部材870の背面方向(図47紙面奥方向)の変位を規制する突起であり、背面ベース830の正面側に突設されると共に、後述する連結部材870の変位に沿った湾曲形状に延設される。
正面ベース820は、背面ベース830よりもやや大きい外形の正面視横長矩形状に形成される。正面ベース820は、正面側から背面側(図47紙面手前側から紙面奥側)に向かって凹設される軸支部821と、背面側の縁部に立設した側壁822と、背面側に突出する突起823と、背面側に突設されると共に湾曲した形状に延設される正面側規制部824と、背面側に突出する膨出部825と、を主に備える。
軸支部821は、後述するピン部材890の一端が挿入される軸孔であり、正面ベース820の正面視右側下方に凹設される。
側壁822は、背面ベース830と正面ベース820との間に後述する伝達機構860及び連結部材870を配置する隙間を形成するための壁部であり、伝達機構860及び連結部材870の前後方向の厚み寸法よりも大きな寸法で正面ベース820の上及び左右(下端以外の)の縁部に立設される。これにより、正面ベース820と背面ベース830とを締結した際に、その間に伝達機構860及び連結部材870を変位可能な状態で配置できる。
突起823は、後述する付勢ばねSPの一端側(図48上側)が係合される突起であり、円柱状に形成されると共に、正面ベース820の背面側に突出形成される。
正面側規制部824は、連結部材870の正面方向(図47紙面手前方向)への変位を規制する突起であり、正面ベース820の背面側に突設されると共に、連結部材870の変位に沿った湾曲形状に延設される。
膨出部825は、後述する付勢ばねSPと所定の間隔を空けて横隣りに配置される突壁であり、正面ベース820の下側端部から背面側に突出して形成される。
伝達機構860は、伝達ギヤ861〜863により構成される歯車列であり、それぞれ直列に歯合し合うことで、駆動モータ880から付与される駆動力が伝達ギヤ861,862を介して伝達ギヤ863まで伝達される。
伝達ギヤ863は、伝達ギヤ862と歯合する歯部863aと、連結部材870に連結される軸部863bと、軸を中心とした円弧状に突設される突設部863cと、その回転位置を検出するための板状体のセンサ検出板863dと、を主に備える。
歯部863aは、伝達ギヤ863の円形状の側面の3分の2程度に形成される歯合面であり、これにより、伝達ギヤ862から駆動力を伝達ギヤ863に伝達させることができる。
軸部863bは、連結部材870に連結される軸であり、背面側に円柱状に突出されると共に、伝達ギヤ863の回転軸と異なる位置(偏心した位置)に軸が配置される。
突設部863cは、連結部材870が正面方向に変位することを抑制するための突起であり、伝達ギヤ863の背面側の外縁部分に突出形成されると共に、伝達ギヤ863の軸を中心とした円形状に湾曲して形成される。
センサ検出板863dは、伝達ギヤ863の回転位置を検出するために、正面ベースに配置される位置検出用センサ(図示しない)の検出領域を遮る板であり、伝達ギヤ863の歯部863aが形成されない側面に径方向外側に突出形成される。
連結部材870は、伝達機構860の回転の駆動力を変位部材850に伝達する部材であり、正面視略C字状に湾曲して形成され、湾曲形状の一端(図48上端)に前後方向に貫通形成されたギヤ側連結穴871と、湾曲形状の他端(図48下端)に前後方向に貫通形成された変位側連結穴872と、湾曲部分の外側から上方に突出して形成された当接部873と、を備える。
ギヤ側連結穴871は、伝達ギヤ863の軸部863bが挿入される貫通孔であり、軸部863bの外径よりも大きい内径の円形状に形成される。これにより、伝達ギヤ863と連結部材870とを連結することができ、伝達ギヤ863の駆動力を連結部材870に伝達することができる。
変位側連結穴872は、後述する変位部材850の軸部853が挿入される貫通孔であり、軸部853の外径よりも大きい内径の円形状に形成される。これにより、連結部材870と変位部材850とを連結することができ、連結部材870の駆動力を変位部材850に伝達することができる。
当接部873は、変位部材850の前後方向の変位を規制するための突起であり、先端が背面ベース830の背面側規制部834と正面ベース820の正面側規制部824との対向間に配置される。
また、当接部873は、先端の前後方向の幅寸法が、背面ベース830の背面側規制部834と、正面ベース820の正面側規制部824との対向間の距離寸法よりもやや小さい寸法に形成される。よって、連結部材870が変位される際には、当接部873を、背面側規制部834と正面側規制部824との間隙の変位させることで、連結部材870が変位する際の抵抗が大きくなることを抑制できる。一方、連結部材870が前後方向に変位した際には、正面ベース820又は背面ベース830に当接することで、連結部材870の変位を安定させることができる。
カバー部材840は、変位部材850の一端側(図47右側端部)を保持する部材であり、正面視縦長矩形に形成され、間にピン部材890を介した状態で正面ベース820に締結される。また、カバー部材840には、背面側から正面側に向かって円形状に凹設された軸支部841が形成される。
軸支部841は、ピン部材890の正面側の端部を挿入することで、ピン部材890を回転可能な状態で保持(軸支)する溝であり、正面ベース820の軸支部821と対向する位置に形成される。これにより、ピン部材890が、正面ベース820の軸支部821とカバー部材840の軸支部841との対向間に配置されるので、上下変位ユニット800から脱落することを抑制することができる。
変位部材850は、正面側に装飾が施された部材であり、一端側(図47右側)が正面視横長矩形に形成され、他端側(図47左側)が正面視円形に形成される。変位部材850は、ピン部材890が挿通される軸孔851と、付勢ばねSPが連結される突起852と、連結部材870の駆動力を伝達する軸部853と、を備えて形成される。
軸孔851は、上述したように内部にピン部材890が挿通される貫通孔であり、変位部材の一端側端部に前後方向に貫通形成されると共に、その内径がピン部材890の外径よりも大きく形成される。よって、変位部材850は、軸孔851にピン部材890が挿通された状態で、ピン部材890が正面ベース820の軸支部821とカバー部材840の軸支部841との対向間に配置されることで、変位部材850を軸孔851の軸を中心に回転可能な状態で正面ベース820の前方に配置できる。
突起852は、付勢ばねSPの他端(図50下端)が係合される突起であり、変位部材850の背面側から突出形成される。また、突起852は、変位部材850が正面ベース820に配置されると、正面ベース820の突起823の下方から背面側に突出する位置に形成されると共に、その突出距離が、背面ベースの正面側の側面と略一致する位置まで形成される。よって、付勢ばねSPの長手方向を重力方向と平行にすることができる。その結果、変位部材850は、正面ベース820に対して常に重力方向上方に付勢される。
軸部853は、上述したように、連結部材870の変位側連結穴872に挿入される軸であり、変位部材850が正面ベース820に配置された状態では、正面ベース820よりも下方(図50下側)の位置に突出形成される。よって、変位部材850と連結部材870とを連結させることができ、変位部材850の駆動力を連結部材870に伝達させることができる。
ピン部材890は、上述したように、変位部材850の軸孔851に挿入される軸であり、変位部材850よりも硬度の金属の棒状体から形成される。これにより、変位部材850が変位する際に回転軸に力がかかった際に、回転軸が破損することを抑制することができる。
また、変位部材850が回転する際の軸部分の抵抗を、ピン部材890がそれぞれの軸支部821,841対して回転する際の抵抗と、変位部材850がピン部材890に対して回転する際の抵抗との2つに分割することができるので、一箇所の抵抗が大きくなることで部品が破損することを抑制できる。
次いで、以上のように構成された上下変位ユニット800の動作について、図51から図56を参照して説明する。図51は、第1位置における上下変位ユニット800の正面図であり、図52は、中間位置における上下変位ユニット800の正面図であり、図53は、第2位置における上下変位ユニット800の正面図である。
図54は、第1位置における上下変位ユニット800の背面図であり、図55は、中間位置における上下変位ユニット800の背面図であり、図56は、第2位置における上下変位ユニット800の背面図である。なお、図54から図56では、理解を容易とするために、背面ベース830を取り外した状態が図示される。
図51及び図54に示すように、変位部材850の他端側(図52左側)が上昇に配置された(第1位置)状態では、伝達ギヤ863の軸部863bが上方に配置されて、軸部863bに連結される連結部材870が上方に配置される。これにより、連結部材870の変位側連結穴872に挿入された変位部材850の軸部853が上方に配置されるので、変位部材850を上方に吊り上げた姿勢とされる。
また、第1位置では、伝達ギヤ863の軸心および軸部863bの軸心を結んだ直線と、伝達ギヤ863の突設部863cの軸心および連結部材870の変位側連結穴872を結んだ直線とが同一の直線上に配置される。
よって、第1位置では、変位部材850が、連結部材870を押し引きして伝達ギヤ863を回転させる方向の力成分が発生しない状態(即ち、死点)を形成できる。その結果、変位部材850が第1位置に配置されたあとは、変位部材850のがたつきを抑制して、耐久性を向上することができる。
図51及び図54に示す状態から、駆動モータ880に電力が供給されて駆動モータ880が回転駆動され、各伝達ギヤ861,862,863(伝達機構860)が回転されると、伝達ギヤ863の軸部863bが下方に変位する。よって、伝達ギヤ863の軸部863bに連結された連結部材870のギヤ側連結穴871が、軸部863bの回転駆動に伴って下方に押し下げられる。その結果、連結部材870の他端側(図54及び図55下側)に形成された変位側連結穴872が変位部材850の軸部853を押し下げて、変位部材850を回転させることができる。
この場合、伝達ギヤ863が回転されることで、伝達ギヤ863の軸心および軸部863bの軸心とを結んだ直線と、伝達ギヤ863の突設部863cの軸心および連結部材870の変位側連結穴872を結んだ直線とが公差する状態とされる。よって、変位部材850が、連結部材870を押し引きして伝達ギヤ863を回転させる方向の力成分が発生しない状態(即ち、死点)を解除できる。その結果、変位部材850を変位させる回転方向(図54右回転)に伝達ギヤ863が回転し始めた際には、変位部材850の重力により連結部材780のギヤ側連結穴871が引っ張られる力を、伝達ギヤ863が回転する方向に付与させることができる。その結果、第1位置からの変位の際にかかる駆動モータ880の消費エネルギーを抑制することができる。
次に、図52及び図55を参照して、変位部材850が図51及び図54に示す状態(即ち、死点に位置する状態)から変位させられたあと、駆動モータ880への電力の供給をオフした場合の説明をする。
図52及び図55に示すように、第1位置から変位させたのちに駆動モータ880への電力の供給をオフにした状態では、伝達ギヤ863の軸心(回転中心)と伝達ギヤ863の軸部863bとを結ぶ方向と、連結部材870のギヤ側連結穴871と変位側連結穴872とを結ぶ方向とが略直交する位置で、変位部材850に作用する重力と付勢ばねSPの弾性回復力とがつり合った状態(中間位置)とされる。
よって、第1位置から、後述する第2位置に変位部材850を変位させる際に、駆動モータ880への電力の供給をオフすることで、中間位置(つり合い位置)を中心として、変位部材850に作用する重量と付勢ばねSPの弾性回復力とによる往復変位を変位部材850に行わせることができる。即ち、変位部材850の重力方向の変位を等速円運動の正射影の運動とでき、変位速度に変化を持たせることができるので、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
一方、駆動モータ880へ電力を供給して、伝達機構860から連結部材870を介して変位部材850へ駆動力を付与すれば、上述した変位(等速円運動の正射影の運動)とは異なる態様で、変位部材850を第1位置および第2位置との間で変位させることができ、その分、変位のバリエーションを増やすことができる。即ち、駆動モータ880への電力供給をオンまたはオフして、伝達機構860から変位部材850へ駆動力を付与するか否かを切り替えるのみで、変位のバリエーションを増やすことができ、構造や制御を複雑化する必要がないので、製品コストの低減と信頼性の向上とを図ることができる。
また、上述したように、変位部材850は、軸孔851を軸とした回転変位とされるので、伝達機構860から変位部材850の駆動力の付与を解除して、変位部材850の重力の作用と付勢ばねSPの弾性回復力とよる往復変位を変位部材850に行わせる場合には、かかる変位部材850の他端側(図52左側)の変位を、鉛直方向の直線運動だけでなく、軸孔851を回転中心とする回転運動も組み合わせた変位とすることができる。その結果、かかる変位部材850に興趣のある変位を行わせることができる。
この場合、変位部材850に連結される連結部材870は、変位部材850の変位に伴って押し引き(上下方向に変位)されて、伝達ギヤ863を回転させるところ、その押し引きに伴って伝達ギヤ863の姿勢が変化されるため、押し引き方向のうちの回転部材を回転させる方向の力の成分の大きさを変化させることができる。即ち、変位部材850が、往復変位される際に、変位部材850が伝達機構860及び連結部材870から受ける抵抗の大きさを変化させることができる。その結果、変位部材850の往復変位の変位速度に変化を付与することができ、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
さらに、上述したように、変位部材850に作用する重力と付勢ばねSPの弾性回復力とがつり合った状態(中間位置)では、伝達ギヤ863の軸心および伝達ギヤ863の軸部863bの軸心を結んだ直線と、連結部材870のギヤ側連結穴871の軸心および変位側連結穴872の軸心を結んだ直線とが略直交する位置とされるので、押し引き方向の力のうちの伝達ギヤ863を回転させる方向の力成分の大きさを、つり合い位置(中間位置)において最大とし、その力成分を、つり合い位置から押し引きのいずれの方向へ向かう場合も減少させることができる。即ち、変位部材850が往復変位される際に、変位部材850が伝達機構860及び連結部材870から受ける抵抗をつり合い位置を中心として、略対称に変化させることができるので、変位部材850の往復変位を継続させやすくできる。
図52及び図55に示す状態から、駆動モータ880に電力が供給されて、各伝達ギヤ861,862,863(伝達機構860)がさらに回転させられると、伝達ギヤ863の軸部863bがさらに下方に変位される。よって、軸部863bに連結された連結部材870のギヤ側連結穴871は、軸部863bの回転駆動に伴ってさらに下方に押し下げられる。その結果、連結部材870の他端側に形成された変位側連結穴872が変位部材850の軸部853を押し下げて、変位部材850を回転させることができる。
図53及び図56に示すように、変位部材850の他端側(図53左側)が下降位置に配置された(第2位置)状態では、伝達ギヤ863の軸部863bが下方に配置されて、軸部863bに連結された連結部材870が下方に配置される。これにより、連結部材870の変位側連結穴872に挿入された変位部材850の軸部853が下方に配置されるので、変位部材850を下方に押し下げた姿勢とさせることができる。
また、第2位置では、伝達ギヤ863の軸心および伝達ギヤ863の突設部863cの軸心を結んだ直線と、伝達ギヤ863の突設部863cの軸心および連結部材870の変位側連結穴872の軸心を結んだ直線とが同一の直線長に配置される。
よって、第2位置では、変位部材850が、連結部材870を押し引きして伝達ギヤ863を回転させる方向の力成分が発生しない状態(即ち、死点)を形成できる。その結果、変位部材850が第2位置に配置された後は、変位部材850のがたつきを抑制して、耐久性を向上することができる。
次に、図57を参照して、伝達ギヤ863と連結部材870とについて説明する。図57(a)は、第1位置のおける伝達ギヤ863及び連結部材870の背面図であり、図57(b)は、中間位置における伝達ギヤ863及び連結部材870の背面図であり、図57(c)は、第2位置における伝達ギヤ863及び連結部材870の背面図である。なお、図57(a)から図57(c)では、伝達ギヤ863の一部(連結部材870の前方に位置した伝達ギヤ863の突設部863c)が破線で図示される。
図57(a)に示すように、第1位置では、伝達ギヤ863の突設部863cが、連結部材870と前後方向に対向する位置に配置される。よって、背面ベース830と伝達ギヤ863との間に配置された連結部材870の前後方向の間隙を小さくできるので、連結部材870を背面ベース830又は伝達ギヤ863と当接させやすくできる。
従って、第1位置では、変位部材850を駆動させる際の抵抗を増やすことができる。その結果、第1位置では、変位部材850を上方に配置して、第3図柄表示装置81を遊戯者から視認可能な退避状態を形成するため、変位部材850を停止した状態とすることが好ましいところ、変位部材850を駆動させる抵抗を増やして停止した状態を維持させやすくできる。
一方、図57(b)及び図57(c)に示すように、駆動モータ880に電力が付与されて伝達ギヤ863が一定以上回転させられた状態(伝達ギヤ863の突設部863cが第2駆動範囲θ6を駆動している状態)では、連結部材870と伝達ギヤ863の突設部863cとが前後方向に対向しない状態とされる。
よって、伝達ギヤ863が、一定以上回転させられると、伝達ギヤ863と背面ベース830との間に配置される連結部材870の前後方向の間隙を大きくできるので、連結部材870を変位させる際の抵抗を小さくすることができる。
従って、変位部材850を第1位置から第2位置に変位させる際には、第3図柄表示装置81の前方に短時間で変位させることが好ましいところ、連結部材870を変位させる抵抗を小さくして、変位部材850を第1位置から第2位置へ短時間で変位させることができる。
また、図57(c)示すように、第2位置では、連結部材870の当接部873cを伝達ギヤ863の歯部863aと当接させることができる。
ここで、上下に変位する変位部材を下方に変位させて停止させる際には、その変位部材の重力が停止の際の慣性力に付加させるので、変位部材を素早く停止させることができないという問題点があった。
これに対し、上下変位ユニット800は、変位部材850を第2位置へ変位させた際に、連結部材870の当接部873cを伝達ギヤ863に当接させることができるので、変位部材850の変位を停止させる際の力を、連結部材870が伝達ギヤ863と当接することで停止される力と、伝達ギヤ863の回転(駆動モータ880の駆動)を停止させることで停止される力との2つに分散することができる。その結果、変位部材850の第1位置から第2位置へ変位させられた変位部材850を第2位置で素早く停止させることができる。
次に、図58(a)から図58(c)を参照して、第1位置から変位する際の伝達ギヤ863と連結部材870とについて説明する。図58(a)から図58(c)は、第1駆動範囲θ5における伝達ギヤ863及び連結部材870の背面図である。なお、図58(a)から図58(c)は、第1位置からの遷移状態が図示される。また、図58(a)から図58(c)では、伝達ギヤ863の一部(連結部材870の前方に位置した伝達ギヤ863の突設部863c)が破線で図示される。
図58(a)から図58(c)に示すように、伝達ギヤ863が回転されて、伝達ギヤ863の軸部863bが第1駆動範囲θ5を変位する際には、第1位置から第2位置に変位するに従って、伝達ギヤ863の突設部863cと連結部材870とが対向した部分を少なくすることができる。
よって、伝達ギヤ863を、第1位置から回転させる際には、変位部材850を変位させる抵抗をその変位に伴って小さくさせることができるので、変位部材850の変位をスムーズに行うことができる。
また、第2位置から第1位置に変位部材850を変位させる際には、退避位置の第1位置に変位させつつ変位部材850の摺動抵抗を増やすことができるので、変位部材850を第1位置に変位させて停止させた際に変位部材850を素早く停止状態とすることができる。
即ち、変位部材850を変位させて停止させる際には、動作を停止させる慣性力により素早く停止状態を形成しにくいところ、停止する際の変位部材850の抵抗を大きくできるので、素早く停止状態を形成することができる。
一方で、伝達ギヤ863の軸部863bが、第2駆動範囲θ6を変位する際には、伝達ギヤ863の突設部863cと連結部材870とが前後方向に対向した位置に配置されていない状態を形成できるので、変位部材850を変位させる抵抗を小さくすることができる。その結果、伝達ギヤ863の軸部863bが、第2駆動範囲θ6を駆動する際には、変位部材850を素早く変位させることができ、変位部材850の張り出し動作による演出効果を高めることができる。
また、第2駆動範囲θ6において、伝達機構860からの変位部材850への駆動力を解除して、変位部材850を中間位置(つり合い位置)中心とする往復変位を行わせる場合には、突設部863cによる抵抗の発生を回避して、変位部材850の往復変位をスムーズに行うことができる。
次に、図59(a)から図59(c)を参照して、当接部873と正面ベース820及び背面ベース830とについて説明する。図59(a)は、図54のLIXa−LIXa線における上下変位ユニット800の断面模式図であり、図59(b)は、図55のLIXb−LIXb線における上下変位ユニット800の断面模式図であり、図59(c)は、図56のLIXc−LIXc線における上下変位ユニット800の断面模式図である。
図59(a)及び図59(b)に示すように、連結部材870の当接部873の先端は、正面ベース820の正面側規制部824及び背面ベース830の背面側規制部834との間に配置される。
即ち、正面ベース820の正面側規制部824及び背面ベース830の背面側規制部834は、連結部材870の当接部873の先端の変位に伴った湾曲形状に形成される。これにより、連結部材870の前後方向の変位が規制される。
ここで、連結部材870と変位部材850とは、軸部853を変位側連結穴872に挿入した状態とされるので、軸と孔との隙間の分、変位部材850の重力により前後方向に傾くことで、変位側連結穴872又は軸部853が変形するという問題点があった。
これに対し、上下変位ユニット800は、当接部873により前後方向に傾くことが抑制されるので、変位部材850をスムーズに変位させることができる。
また、図59(c)に示すように、変位部材850が第2位置に変位させられた際には、背面ベース830の背面側規制部834が連結部材870の当接部873と対向する位置に配置されていない状態とすることができる。
これにより、第2位置における連結部材870の当接部873と正面ベース820及び背面ベース830との間隙を大きくできる。その結果、第2位置から第1位置へ変位部材850を変位させる際の抵抗を小さくして、変位部材850を第2位置から変位させやすくできる。
さらに、上下変位ユニット800は、当接部873が変位部材850の軸部853の軸心と連結部材870のギヤ側連結穴の軸心とを結んだ略直線上であって、伝達ギヤ863及び連結部材870のギヤ側連結穴の軸心を挟んで変位部材850の軸孔851の軸心と反対側に配置される(図54参照)。
よって、正面ベース820及び背面ベース830に対して連結部材870が、がたつく場合に、正面ベース820及び背面ベース830に連結部材870の当接部873が当接されることで、伝達ギヤ863の軸部863b及び連結部材870のギヤ側連結穴871の傾きを抑制させやすくできる。その結果、駆動モータ880の駆動力を伝達機構860及び連結部材870を介して変位部材850にスムーズに伝達させることができる。
次いで、図60から図63を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、投影板部材620の外径寸法が、ギヤ部材630及び溝形成部材640よりも小さく設定される場合をしたが、第2実施形態では、投影板部材620の外径寸法がギヤ部材630及び溝形成部材640の外径寸法と同一に設定される。
初めに、図60及び図61を参照して、投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図60(a)は、第2実施形態における投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640の正面図であり、図60(b)は、図60(a)のLXb−LXb線における投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640の断面模式図である。
図60(a)及び図60(b)に示すように、投影板部材2620の外周縁部には、ギヤ部材630及び溝形成部材2640が背面側および正面側にそれぞれ配設される。投影板部材2620は、正面視円形の板状体に形成されると共に、その外径がギヤ部材630及び溝形成部材2640の外径と同一寸法に形成される。また、投影板部材2620は、外縁の一部に切り欠き部621と、光を乱反射させる反射部622を備える。
溝形成部材2640は、投影板部材2620よりも屈折率が低い光透過性材料からなり、正面視円環状に形成されると共に、その断面が外縁側から内縁側に凹となるコ字状に形成された案内溝2641を備える。また、溝形成部材2640は、投影板部材2620の正面側(図60(b)上側)に配置されると共に、その軸が投影板部材2620の軸と同軸上に配置される。さらに、溝形成部材2640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)。
案内溝2641は、内側にカラーCを案内する溝であり、カラーCの突出部C1の軸方向寸法よりも、凹設幅が大きく形成される。よって、ベース部材610に回転可能に軸支される複数のカラーCが案内溝2641に案内されることで、投影板部材2620がベース部材610に回転可能に保持される。
次に、図61から図63を参照して、LED651(光源A)から照射された光について説明する。
図61から図63は、投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640の断面模式図である。なお、図61(b)、図62(b)及び図63(b)では、理解を容易とするため、断面線の図示が省略される。
また、図61(b)、図62(b)及び図63(b)では、第1実施形態と同様に、光源Aからの光が投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640に入射した際の屈折角は、本発明には影響のないものとして考え、光源Aから投影板部材2620、ギヤ部材630及び溝形成部材2640に入射する光は直行した様態で図示される。さらに、図61から図63では、第1実施形態と同様に、表示領域と表示領域外との境界が仮想線Mで示される。
図61(a)及び図61(b)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち投影板部材2620の外面を照射する照射角度α2の光は、投影板部材620にその外縁部の側面から入射される。投影板部材2620に入射された光は、投影板部材2620の正面側および背面側の側面に照射されることにより、入射角と同じ角度で反射される。これにより、投影板部材2620に入射された光は、投影板部材2620の縁側から中央部(軸心)に向かって進行することができる。よって、照射角度α1に照射された光源Aの光は、投影板部材2620を通過し反射部622で乱反射されて、遊技機正面側に出射される。
なお、この場合、投影板部材2620は、第1実施形態における投影板部材620よりも、外形の寸法が大きく形成される。これにより、投影板部材2620の縁部をLED651(光源A)の近くに配置することができる。よって、第1実施形態の照射角度α1よりも、第2実施形態の照射角度α2を大きくすることができるので、その分、投影板部材2620に投射される光の量(光量)を増やすことができる。その結果、投影板部材2620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の量を増加することなく投影板部材2620から出射される光の量を増加させることができる。
図62(a)及び図62(b)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち案内溝641から正面側(図62(a)上側)の溝形成部材640を照射する照射角度β2の光は、溝形成部材2640の正面側の縁部に入射される。
照射角度β2の範囲に照射されて溝形成部材2640に入射される光は、溝形成部材2640の内部で反射されて投影板部材2620の軸心側に進行される。この場合、第1実施形態と同様に、溝形成部材2640の側面と投影板部材2620とが隣合う(面する)位置では、溝形成部材2640の内側側面に照射された光を投影板部材2620へ入射させることができる。
図63(a)及び図63(b)に示すように、LED651の光源Aから照射される光のうち案内溝641の背面側(図62(a)下側)の溝形成部材2640を照射する照射角度Δ2の光は、溝形成部材2640の背面側の縁部から入射される。
照射角度Δ2の範囲に照射されて溝形成部材2640に入射される光は、溝形成部材2640の案内溝2641の側面に照射されて反射される。反射された光は、溝形成部材2640の側面と投影板部材2620とが隣合う(面する)位置の側面に照射されることで投影板部材2620へ入射させることができる。
即ち、案内溝2641を溝形成部材2640の外縁の側面に凹設することにより、案内溝2641と投影板部材2620との間から溝形成部材2640に入射される光を、案内溝2641の側面で反射させて、投影板部材2620へ入射させることができる。
よって、案内溝2641を、溝形成部材2640の外縁の側面に凹設して形成することで、そのカラーCを保持する役割と、光を投影板部材2620に集める役割とを兼用させることができる。
また、第1実施形態に比べて、照射角度Δが追加される分、溝形成部材2640から投影板部材2620に入射される光の量(光量)を増やすことができる。よって、投影板部材2620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の強さ(光量)を増加することなく投影板部材2620から出射される光の強さ(光量)を増加させることができる。
さらに、溝形成部材2640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612の背面側に配設される)ので、遊技者から視認し難くでき、その分外観が悪化することを抑制できる。
なお、LED651の光源Aから照射される光のうち、ギヤ部材630を照射する光については第1実施形態と同様であるのでその詳しい説明は省略する。
次に、図64から図66を参照して、第3実施形態について説明する。第1実施形態では、ギヤ部材630及び溝形成部材640が、投影板部材620の外縁部全周に亘って接地した状態を説明したが、第3実施形態におけるギヤ部材3630及び溝形成部材640は、投影板部材3620に対して浮いた面が形成される。
初めに、図64及び図65を参照して、投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の形状について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図64(a)は、第3実施形態における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材3640の正面図であり、図64(b)は、図64(a)のLXIVb−LXIVb線における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の断面模式図である。
図65(a)は、図64(a)の矢印LXVa方向視における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の側面図であり、図65(b)は、図65(a)のLXVb−LXVb線における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の断面図であり、図65(c)は、図65(a)のLXVc−LXVc線における投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材640の断面図である。
図64及び図65に示すように、第3実施形態における投影板部材3620は、正面視円形の板状体に形成され、その外周縁部にギヤ部材3630及び溝形成部材3640が背面側および正面側にそれぞれ配設される。また、投影板部材3620は、その外径がギヤ部材3630及び溝形成部材3640よりも大きく形成され、その外側縁部に正面側および背面側に突出する突部3623が形成される。
突部3623は、外側縁部に向かうほど正面側(図64(b)上側)又は背面側(図64(b)下側)に突出する断面略三角形状に形成される。また、正面側に突出する突部3623は、その先端部がLED651の光源Aと、後述する溝形成部材3640に形成される凹溝3645の外縁端部とを連結する仮想線Fの線上に設定される。一方、背面側に突出する突部3623は、その先端部がLED651の光源Aと、後述するギヤ部材3630に形成される凹溝3635の外縁端部とを連結する仮想線Gの線上に設定される。
ギヤ部材3630は、正面視円環状の板状体に形成され、投影板部材620の軸と同軸上に配置される。また、ギヤ部材3630は、正面側(図64(b)上側)の側面に所定の間隔を隔てて凹設される凹溝3635と、周方向に所定の間隔を隔てて貫通形成されるねじ止め用の止め穴636と、を備える。
凹溝3635は、径方向に亘って凹設される溝であり、各止め穴636の周方両側に形成される。これにより、ギヤ部材3630を投影板部材3620に配置した際に、投影板部材3620とギヤ部材3630との間に隙間を形成することができる(図64(b)参照)。
溝形成部材3640は、正面視円環形状の板状体に形成され、投影板部材620の軸と同軸上に配置される。また、溝形成部材3640は、背面側(図64(b)下側)の側面に所定の間隔を隔てて凹設される凹溝3645と、周方向に所定の間隔を隔てて貫通形成されるねじ止め用の開口646とを備える。
凹溝3645は、径方向に亘って凹設される溝であり、ギヤ部材3630に形成された凹溝3636と対向する位置に形成される。これにより、溝形成部材3640を投影板部材3620に配置した際に、投影板部材3620とギヤ部材3630との間に隙間を形成することができる。
この場合、投影板部材3620と溝形成部材3640とが接地する面は、図65に示すように、投影板部材3620、溝形成部材3640及びギヤ部材3630を締結するボルトTを挿入する開口646と径方向に重なる面とされる。これにより、投影板部材3620とギヤ部材3630及び溝形成部材3640との間に隙間を形成した際に、その保持力が低下することを抑制することができる。即ち、投影板部材3620とギヤ部材3630及び溝形成部材3640との間に隙間を形成する際に、開口646の直径分、投影板部材3620とギヤ部材3630及び溝形成部材3640を接地することができるので、投影板部材3620とギヤ部材3630及び溝形成部材3640を挟持する保持面を確保することができる。
次に、図66を参照して、LED651(光源A)から照射される光について説明する。
図66(a)及び(b)は、投影板部材620、ギヤ部材630及び溝形成部材640の断面模式図である。なお、図66(b)では、理解を容易とするため、断面線の図示が省略される。
また、図66(b)では、第1実施形態と同様に、光源Aからの光が投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材3640に入射した際の屈折角は、本発明には影響のないものとして考え、光源Aから投影板部材3620、ギヤ部材3630及び溝形成部材3640に入射する光は直行した様態で図示される。さらに、図66では、第1実施形態と同様に表示領域と表示領域外との境界が仮想線Mで示される。
図66(a)及び図66(b)に示すようにLED651の光源Aから照射される光のうち、投影板部材3620の外面を照射する照射角度α3の光は、投影板部材3620の外縁の側面から入射される。
投影板部材3620に入射された光は、投影板部材3620の正面側および背面側の側面に照射されることにより、入射角と同じ角度で全反射される。これにより、投影板部材3620に入射された光は、投影板部材3620の縁部から中央側(軸心側)に向かって、進行することができる。よって、照射角度α3に照射された光源Aの光は、投影板部材3620を通過し反射部622で乱反射されて、遊技機正面側に射出される。
この場合、第3実施形態では、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との間に隙間が形成されるので、投影板部材3620の側端面から入射された光を、反射部622に到達させやすくできる。その結果、投影板部材3620の側端面から入射された光を反射部622に到達させやすくできるので、反射部622で反射され投影板部材3620の正面側から射出される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせることができる。
一方、照射角度α3以外の照射角度に照射される光は、溝形成部材3640又はギヤ部材3630に入射される。この場合、溝形成部材3640及びギヤ部材3630と投影板部材とは、上述したように隙間を隔てて配置されているため、溝形成部材3640又はギヤ部材3630に入射された光は、第1実施形態のように投影板部材620側に入射されない。
よって、LED651の光源A以外の光源の光が投影板部材3620側に投射された光を、溝形成部材3640及びギヤ部材3630に入射させることにより、投影板部材3620に光源A以外の光源の光が入射されることを抑制することができる。これにより、投影板部材3620の反射部622に施した表示が、LED651以外の光で浮かび上がる(表示される)ことを抑制することができる。
また、上述したように、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との締結部分の接地面は、開口646と径方向に重なる面(図65(c)参照)であるため、通常光が入射されない箇所を接地面とすることができる。
即ち、開口646には、ボルトTが挿入されるため、開口646の径方向外側から光を入射すると光はボルトTにより遮られ、LED651の光が反射部622側に入射されない。よって、LED651から溝形成部材3640及びギヤ部材3630に入射された光が、投影板部材3620側に入射されること確実に抑制することができる。
さらに、この場合、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との締結部分の接地面は、開口646と径方向に重なる面の全域に形成できるので、その接地面を確保でき、投影板部材3620に対して溝形成部材3640及びギヤ部材3630がずれることを抑制できる。
ここで、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との間に隙間を形成するものであると、その隙間から、LED651の光が投影板部材3620の軸心側に挿通されて、投影板部材3620の縁部から中央部に光が漏れ出す恐れがあった。
これに対し、第3実施形態の投影板部材3620の縁部には突部3623が形成されるので、LED651の光源Aの光が、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との隙間に照射されない。よって、投影板部材3620の縁部から中央部に光が漏れ出すことを抑制できる。
さらに、突部3623により、投影板部材3620の縁部側面の前後方向(図66(a)上下方向)の寸法を長くすることができるので、照射角度α3の角度を大きくすることができる。よって、投影板部材3620の厚みを変更、または、照射するLED651の光の強さ(光量)を増加することなく投影板部材3620から出射される光の強さ(光量)を増加させることができる。
次いで、図67及び図68を参照して、第4実施形態における照射ユニット4650について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図67(a)は、第4実施形態における照射ユニット4650の上面図であり、図67(b)は、照射ユニット4650の断面図である。また、図68(a)は、第1ブロック653近傍における投影ユニット4600の部分拡大模式図であり、図68(b)は、第2ブロック654近傍における投影ユニット4600の部分拡大模式図である。なお、図67(b)は、図44(b)に対応する。また、図68では、照射ユニット4650がベース部材610に配設された状態が模式的に図示される。
図67に示すように、第4実施形態における照射ユニット4650では、第1ブロック653及び第2ブロック654が基板部材620に対してねじS2により締結固定される。この場合、ねじS2は、頭部の高さ寸法(図67上下方向寸法)が、LED651の高さ寸法よりも大きな寸法に設定される。即ち、基板部材620の正面からのねじS2の突出量が、LED651の突出量よりも大きくされる。
より詳細には、図68に示すように、ねじS2の頭部の高さ寸法は、一のねじS2とその一のねじS2に隣接するねじS2とのそれぞれの頭部に投影板部材620の外周面が当接(外接)された際に、それら2カ所のねじS2の間に配設されるLED651に投影板部材620の外周面が当接不能な寸法に設定される。
これにより、LED651をねじS2の頭部によって保護することができる。即ち、投影板部材620が回転される際に、例えば、寸法公差や組み付け公差に基づく径方向のがたつきにより、照射ユニット2650へ近接された場合には、投影板部材620の外周面をねじS2の頭部に当接させることで、LED651への当接を回避することができ、その結果、LED651が破損することを抑制できる。
特に、本実施形態では、投影板部材620が樹脂材料から形成されるのに対し、ねじS2が金属材料から形成されるので、投影板部材620が径方向へがたついた際にLED651を保護する効果を高めることができる。また、投影板部材620がねじS2に当接されたまま回転される形態が継続的に行われる場合には、投影板部材620が摩耗されるため、投影板部材620が径方向へがたついても、LED651へ当接されることを回避できる。
このように、ねじS2を利用して、LED651を保護できることで、中間立設部611b,612bの形成を省略することができる。よって、この場合には、複雑な形状が省略できることで、背面ベース611及び正面ベース612の形状を簡素化でき、その樹脂成形における成形性の向上を図ることができる。その結果、歩留りの向上を図ることができる。
また、ねじS2を利用して、LED651を保護できることで、部品の寸法公差や組立公差に起因する径方向のがたつきの許容量を緩やかとできるので、設計の自由度を高めることができる。即ち、LED651と投影板部材620の外周面とをより近接させることができ、その結果、LED651から照射される光を、投影板部材620の外周面へ効率的に入射させることができる。
次いで、図69から図76を参照して、第5実施形態の投影ユニット5600について説明する。第1実施形態では、投影板部材620が正面視円盤形状に形成され、その円の中心を軸に回転される場合を説明したが、第5実施形態では、投影板部材5620が正面視縦長矩形に形成され、一方向にスライド変位される場合を説明する。
初めに、図69から図71を参照して、投影ユニット5600の全体構成について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図69は、第5実施形態における投影ユニット5600の正面図である。図70は、投影ユニット5600の分解正面斜視図である。図71は、正面ベース5612の背面図である。図72は、投影ユニット5600の背面図である。なお、図72では、背面ベース5611を取り外した状態が図示される。
図69から図72に示すように、投影ユニット5600は、正面視円形状に形成されると共にその中央部分が開口されたベース部材5610と、そのベース部材5610の開口部分にスライド変位可能に配置される投影板部材5620と、投影板部材5620の外周面から光を入射させる照射ユニット650と、投影板部材5620をスライド変位させるための駆動モータ661と、その駆動モータ661の駆動力を投影板部材5620に伝達するための歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)と、を主に備えて形成される。
ベース部材5610は、正面視円形状に形成され、その中央部が横長矩形状に開口される背面ベース5611と、その背面ベース5611の正面に配設されると共に背面ベース5611と外形が略同一に形成される正面ベース5612とを備え、それら背面ベース5611と正面ベース5612との対向面間に形成される内部空間に、投影板部材5620、照射ユニット650及び歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)が収納される。
正面ベース5612は、上述したように、正面視円形状に形成される板部材であり、背面側の外側縁部に立設される外側立設部612cと、中央部に正面視横長矩形に開口される中央開口部5612hと、その中央開口部5612hの背面側縁部に立設される内側立設部612aと、中央開口部5612hの上方両端に突出形成される左右一対の保持部5612iと、その一対の保持部5612iの間から背面側に突出形成される2つの軸部5612kと、中央開口部5612hの下方から背面側に突出形成される摺動突起5612mと、を主に備えて形成される。
中央開口部5612hは、正面ベース5612の正面視中央部に横長矩形状に開口される。遊技者は、中央開口部5612hを介して投影ユニット5600の背面側に配設される第3図柄表示装置81の模様や図柄を視認できる。
保持部5612iは、後述する棒部材5625を保持するための突出部であり、中央開口部5612hの上方両端に正面ベース5612の背面側(図71紙面手前側)に突出形成される。また、保持部5612iは、その突出面に正面側(図71紙面奥側)に凹となる様態で凹んだ凹溝5612i1が形成される。
凹溝5612i1は、正面ベース5612の左右方向(図71左右方向)中央部から端部側に向かって断面円弧形状に凹設され、その凹溝5612i1の内径が、後述する棒部材5625の外径よりも大きく形成される。また、一対の凹溝5612i1は、上下方向(図71上下方向)の高さが同じ位置に形成され、その左右方向(図71左右方向)の端部間の距離寸法は、棒部材5625の軸方向寸法よりも大きく設定される。よって、凹溝5612i1の内周面に棒部材5625を配設したあとで、背面側(図71紙面手前側)から凹溝5612i1と対向する位置に棒部材5625の外径よりも大きい半径の溝を備えた保持部カバー5628を両端に配設することで、棒部材5625を正面ベース5612に配設できる(図72参照)。
軸部5612kは、後述する回転部材5670の回転軸となる突起であり、中央開口部5612hの上方に円盤形状の正面ベース5612の中心を通過する垂線を軸に対称の位置に配置される。
摺動突起5612mは、後述するラック5627の変位を案内する突起であり、中央開口部5612hの下側から背面側に円柱状に突出形成される。また、一対の摺動突起5612mは、円盤形状の正面ベース5612の中心を通過する垂線を軸に対称の位置に配置される。
投影板部材5620は、光透過性材料からなり、第3図柄表示装置81の表示が遊技者に視認可能とされると共に、LED651の光が入射されると、その入射された光を、模様や図柄の形状をなす様態で、投影板部材5620の正面から出射させる。即ち、第3図柄表示装置81の正面に模様や図柄を浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
投影板部材5620は、下方側の端部に左右方向に延設されたラック5627と、投影板部材5620の内部に形成される反射部622と、を備える。ラック5627は、ベース部材610の中央部の開口(正面ベース5612の中央開口部5612h)よりも下方に配設され、組み立て状態の投影ユニット5600の正面側から視認不可能な位置に配置される。また、ラック5627は、正面視横長矩形に形成され、その長手方向寸法が投影板部材5620の左右方向(図72左右方向)の寸法よりも長く設定される。これにより、投影板部材5620のスライド変位の可動範囲を投影板部材5620の左右方向寸法よりも大きくすることができる。
ラック5627は、歯車5668と歯合されるラックギヤ5627aがその下面に刻設されると共に、中央部に前後方向に貫通する摺動溝5627bが形成される。
ラックギヤ5627aは、駆動モータ661の駆動力が歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)を介して伝達された際に、ラック5627(投影板部材5620)を左右方向に変位させるギヤ歯面であり、ラック5627の下面側の全域に形成される。
摺動溝5627bは、駆動モータ661の駆動によりラック5627が左右方向に変位された際に、ラック5627が傾くことを抑制するための溝であり、左右方向に長く開口され、その内部に、正面ベース5612の一対の摺動突起5612mが挿入される。これにより、ラック5627が背面ベース5611に対して変位される際に、その変位方向が規制されて、ラック5627がスライド変位される。なお、ラック5627(投影板部材5620)の詳しい動作の説明は後述する。
投影板部材5620の背面側の上方には、左右方向(図72左右方向)に延びる円柱状の棒部材5625と、その棒部材5625を挟んで投影板部材5620と対向する位置に正面視横長矩形状の正面カバー5626と、が配設される。
棒部材5625は、投影板部材5620の左右方向の長さ寸法よりも、左右方向に長く形成されると共に、背面ベース5611の外径よりも短く形成され、正面カバー5626と投影板部材5620との間に挟まれて、投影板部材5620に配設される。
正面カバー5626は、棒部材5625に案内される板部材であり、左右方向(図72左右方向)の長さ寸法が投影板部材5620の左右方向の長さ寸法と略同一に設定され、投影板部材5620との間に棒部材5625を挟んだ状態で、投影板部材5620に配設される。
正面カバー5626は、投影板部材5620と対向する側面に、正面側(図72紙面奥側)に凹むと共に、左右方向に亘って凹設された溝部5626aを備える。溝部5626aは、内側に棒部材5625が配置される溝であり、断面略U字状に凹設され、上下方向および正面側への凹設寸法が、棒部材5625の外径寸法よりも大きく設定される。
これにより、溝部5626aの内側に棒部材5625を配設することができる。これにより、棒部材5625に対して投影板部材5620を棒部材5625の軸方向にスライド変位可能に配設できる。
また、棒部材5625は、正面カバー5626の前方側の側面よりも、背面側に配置される。即ち、正面カバー5626の前面から棒部材5625が突出しない様態とできるので、投影板部材5620に凹設部分を形成することなく、投影板部材5620に正面カバー5626を配設できる。
ここで、正面カバー5626の前面から棒部材5625が突出した状態であると、投影板部材5620の背面側に棒部材5625を挿入するための溝を形成する必要がある。しかしながら、投影板部材5620は、その内部に入射された光を、模様や図柄の形状をなす様態で投影板部材5620の正面から出射させる部材であるところ、投影板部材5620に溝を形成して、その厚み寸法を部分的に小さくすると、厚み寸法が小さくされる分、投影板部材5620の内部に入射された光が進み難くなり、投影板部材5620の正面から出射される光量が減少するという問題点があった。
これに対し、第5実施形態では、投影板部材5620の厚みを変更することなく、内部に棒部材5625を配置した状態の正面カバー5626を投影板部材5620を配置することができる。その結果、投影板部材5620の内部に入射された光が進み難くなることを抑制して、投影板部材5620の正面から出射される光量が減少することを抑制できる。
また、棒部材5625は、上述したように、その両端が正面ベース5612に脱落不能に配設されるので、投影板部材5620は、正面ベース5612に対して棒部材5625の軸方向に摺動可能保持される。即ち、投影板部材5620は、左右方向(図72左右方向)にスライド変位可能な様態で棒部材5625に吊り下げられて配置される。
よって、駆動モータ661に駆動力が付与されると、その駆動力が歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)を介してラック5627に伝達され、ラック5627が、左右方向にスライド変位される。ラック5627が左右方向にスライド変位されると、ラック5627に連結された投影板部材5620がそのスライド方向に変位できる。
照射ユニット650は、第1ブロック653が、投影板部材5620の上端面に沿った略直線状に配置されると共に、第1ブロックの前方に配設されたLED651が投影板部材5620の上端面と対向する位置に配置される。これにより、照射ユニット650のLED651から照射される光を、投影板部材5620の上端面から入射させて、投影板部材5620の反射部622の模様や図柄を浮かび上がらせることができる。
また、照射ユニット650の第1ブロック653が配設される正面ベース5612の側面は、背面側(図71紙面手前側)に背面視略矩形状に膨出する膨出部5612nが形成される。膨出部5612nは、第1ブロック653を背面側に嵩上げするための部分であり、その嵩上げ寸法が、後述する回転部材5670の板厚よりも大きく設定される。これにより、第2ブロック654と正面ベース6512との間の隙間に後述する回転部材5670を配設することができる。
また、膨出部5612nには、突起612gが形成される。照射ユニット650の第1ブロック653は、挿通孔653b1に突起612gが挿入されると共に正面ベース5612及び背面ベース5611に挟持されることで、照射ユニット5600に配設される。
照射ユニット650の両端に配設される第2ブロック654には、その正面側に回転部材5670が取着される。
回転部材5670は、正面視L字状に屈曲形成される板部材であり、屈曲部分を左右方向中央側に位置する状態で正面ベース5612に配設されると共に、長手側の一側に照射ユニット650の第2ブロック654が取着される。また、回転部材5670の屈曲部分には前後方向に貫通された貫通孔5671が形成される。
貫通孔5671は、正面ベース5612の軸部5612kが挿入される開口であり、軸部5612kの外径よりも大きい内径に形成される。よって、回転部材5670は、正面ベース5612に配設されると、正面ベース5612に対して軸部5612kを軸に回転できる。
ここで、回転部材5670には、照射ユニット650が取着されるので、正面ベース5612に対して回転部材5670が回転されると、照射ユニット650を変位させることができる。即ち、回転部材5670を変位させることで、照射ユニット650の基盤部材652を屈曲させて第2ブロック654を第1ブロック653に対して変位させることができる。
回転部材5670は、回転部材5670と正面ベース5612との間に介設された図示しない付勢ばねにより軸部5612kに対して一側の先端部分を下方に変位させる方向に付勢されて正面ベース5612に配設される。また、回転部材5670が配設される正面ベース5612の軸部5612kの下側には、背面側に突出する変位規制突起5612jが形成される。
変位規制突起5612jは、回転部材5670の一端側の下方への変位を規制する部材であり、その突出先端が正面ベース5612に配置された状態の回転部材5670よりも後方(背面ベース5611側)に位置すると共に、回転部材5670に取着された照射ユニット650のLED651よりも前方側(正面ベース5612側)に位置して形成される。これにより、回転部材5670の一端側の下方への変位は、回転部材5670が変位規制突起5612jによって規制されると共に、照射ユニット650のLED651から投影板部材5620側に照射された光が変位規制突起5612jに遮られることを抑制することができる。
次に、図73から図76を参照して、投影ユニット5600の動作について説明する。図73(a)は、第1状態における投影ユニット5600の正面図であり、図73(b)は、第2状態における投影ユニット5600の正面図である。図74(a)は、第1状態における投影ユニット5600の背面図であり、図74(b)は、第2状態における投影ユニット5600の背面図である。
図75(a)は、第1状態における投影ユニット5600の正面図であり、図75(b)は、第3状態における投影ユニット5600の正面図である。図76(a)は、第1状態における投影ユニット5600の背面図であり、図76(b)は、第2状態における投影ユニット5600の背面図である。なお、図74及び図76では、背面ベース5611を取り外した状態が図示される。また、第1状態から第3状態への変位動作は、第1状態から第2状態への変位動作と変位方向が左右反転しただけであるので、その詳しい説明は省略する。
図73(a)及び図74(a)に示すように、投影板部材5620が中央開口部5612hの左右方の略中央部に配置された第1状態では、左右方向両側に配設された回転部材5670が図示しない付勢ばねにより付勢されて一端側が下方に変位された状態とされる。これにより、回転部材5670に配設された照射ユニット650の第2ブロック654を、第1ブロック653に対して変位させることができ、第2ブロック654の前面に配設されるLED651の照射方向を投影板部材5620側に傾倒させることができる。その結果、投影板部材5620の左右側(図74(a)左右側)の側面から第2ブロック654の前面に配設されたLED651の光を入射させることができ、その分、投影板部材5620の正面から出射される光の光量を増加でき、投影板部材5620の模様や図柄をはっきりと表示することができる。
図73(a)及び図74(a)に示す状態から、駆動モータ661に駆動力が付与されて、その駆動力が歯車列(歯車662〜664、5665〜5668)を介して、ラック5627が正面視右方向(図73右方向)にスライド変位されると、ラック5627に連結された投影板部材5620も同様に右方向にスライド変位される(図73(b)及び図74(b)参照)。これにより、投影板部材5620が中央開口部5612hに対して正面視右側に配置された第2状態が形成される。
この場合、投影板部材5620の上端部正面側に配設された正面カバー5626が、スライド方向に配置される回転部材5670の正面視L字の他端側の側面と当接される。これにより、回転部材5670に対して、回転軸となる軸部5612kの軸周りに一端側を上方に押し上げる方向の回転モーメントを作用させることができる。よって、回転部材5670の一端側が上方に押し上げられるので、回転部材5670に配設される第2ブロック654も同様に第1ブロック653に対して変位されて、第1ブロック653の長手方向(図74(b)左右方向)と第2ブロック654の長手方向とが略同一の直線上となる位置まで変位される。
これにより、投影板部材5620のスライド変位に伴って、第2ブロック654の前方に配置されるLED651の照射方向を変位させて、投影板部材5620の上端面から入射される光量を多くすることができる。その結果、投影板部材5620の正面側から出射される光の光量を増加でき、投影板部材5620の模様や図柄をはっきりと表示することができる。
また、投影板部材5620のスライド変位に伴って、第2ブロック654の前方に配設されるLED651の照射方向を変位させることができるので、投影板部材5620の正面から出射される光の光量を変化させることができる。即ち、投影板部材5620に表示される模様や図柄の様態を変化させることができる。その結果、遊技者に興趣を持たせやすくできる。
ここで、投影板部材を変位させた際に、その変位に伴って、別の位置に配設したLEDを点灯させることで、投影板部材の光量を一定に保つものであると、その変位に伴って、LEDの点灯または消灯とを制御する必要があり、投影板部材の変位が複雑になるほどLEDの制御が複雑になり、製品の信頼性が低下するという問題点があった。さらに、別の位置にLEDを配設する分、製品コストが嵩むという問題点があった。
これに対し、第5実施形態では、投影板部材5620の変位に伴って、LED651の照射する方向を変位させることができるので、投影板部材5620の位置を検出して、別の位置に配設したLEDを点灯または消灯するといった制御が必要ないので、LED651の制御を簡易とすることができ、製品の信頼性を向上できると共に、製品コストが嵩むことを抑制できる。
また、変位する被照射体(投影板部材)に光を照射するため、固定された照射体(LED)を被照射体の周囲に複数個配設したものであると、各照射体の照射範囲の間に光量の弱い部分ができてしまい、被照射体が変位した際に明暗ができてしまい遊技者の興趣を下げるという問題点があった。ここで、照射体の配置間隔を狭くすることで、上記した問題を解決することも考えられるが、この場合は、照射体を配設する個数が増加するために、製品コストが増加するという問題点があった。
しかしながら、第5実施形態では、投影板部材5620の変位に伴って、LED651の照射方向を変位させることができるので、投影板部材5620の変位動作にLED651の照射方向を追従させることができる。従って、投影板部材5620をその変位位置に関わらず常に安定して投影させることができる。その結果、投影板部材5620の変位に伴って光の明暗ができることを抑制して、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。さらに、LED651を配設する数を増加する必要がないので、製品コストが増加することを抑制できる。
また、上述したように投影板部材5620のスライド変位により、第2ブロック654の前方に配設されたLED651の照射方向を変更させることができるので、駆動モータ661の駆動力を投影板部材5620のスライド変位させる駆動と、第2ブロック654を回転させる駆動とに兼用させることができ、第2ブロック654を変位させるための駆動手段を新たに設けることを不要とできる。その結果、製品のコストが嵩むことを抑制することができる。
さらに、照射ユニット650は、弾性変形可能な素材から形成される基盤部材652及び各ブロック653、654によって形成されるので、変位する第2ブロック654を別部材で形成する必要がない。よって、ユニットとして組み上げた照射ユニット650を正面ベース5612に配設したのちに配線を連結することで正面ベースに照射ユニット650を配設できるので、組み付けの際の工程を簡素化することができる。
一方、第2状態から第1状態に変位させる際には、駆動モータ661の駆動を反転させることで、ラック5627を中央開口部5612hの左右方向中央位置に変位される。よって、ラック5627に連結された投影板部材5620も同様にスライド変位されて第1状態が形成される。
この場合、第2状態への変位により一端が押し上げられた側(図74(b)左側)の回転部材5670は、正面ベース5612との間に介設された図示しない付勢ばねにより、投影板部材5620が左右方向中央位置にスライド変位するに従って、回転部材5670の正面視L字の一端側が下方に押し下げられて、軸部5612kを軸心に回転される。また、下方に変位される回転部材5670は、上述したように、変位規制突起5612jと当接されることで、その回転範囲が規制される。
図7及び図8に示す、第1状態から第3状態への変位は、上述したように、第1状態から第2状態への変位動作と変位方向が左右反転しただけであるので、その詳しい説明は省略する。なお、第3状態とは、投影板部材5620が中央開口部5612hに対して正面視左側に配置された状態(図75(b)及び図76(b)参照)である。
次に、図77から図80を参照して第6実施形態の投影ユニット6600について説明する。第1実施形態では、投影板部材620の中央部分全域が常に遊技者から視認可能に配設される場合を説明したが、第6実施形態では、投影板部材6620が部分的に遊技者から視認可能に配設される。
初めに、図77から図79を参照して、投影ユニット6600の全体構成について説明する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図77は、第6実施形態における投影ユニット6600の正面図である。図78は、投影ユニット6600の正面分解斜視図である。図79は、正面ベース6612及び照射ユニット650を組み付けた状態における正面ベース6612の背面図である。
図77から図79に示すように、投影ユニット6600は、正面視円環状に形成されるベース部材6610と、そのベース部材6610に形成される開口から部分的に視認可能に配置される投影板部材6620と、その投影板部材6620の外周面から光を入射させる照射ユニット650と、投影板部材6620を回転させるための駆動モータ661と、その駆動モータ661の駆動力を投影板部材6620に伝達するための歯車列(歯車662〜664)と、を主に備えて形成される。
ベース部材6610は、円環形状の背面ベース611と、その背面ベース611の正面に配設される円環形状の正面ベース6612とを備え、それら背面ベース611及び正面ベース6612の対向間面に形成される内部空間に、投影板部材6620、照射ユニット650及び歯車列(662〜664)が収納される。
正面ベース6612は、第1実施形態の円環形状の正面ベース612の内縁部に正面視円環形状の遮蔽部材6612rが形成され、その遮蔽部材6612rの一部に前後方向に扇状に開口する開口部6612pが形成される。
開口部6612pは、その開口から背面に配置される投影板部材6620を視認可能にするための開口であり、正面視円環状に形成される正面ベース6612の軸を中心とした扇状に形成され、遮蔽部材6612rの全周の略1/6程度の長さで形成され、正面視右側に形成される。
照射ユニット650は、正面ベース6612の背面であって、開口部6612pの外縁部の中間立設部612b及び外側立設部612cとの間の領域に装着され、正面ベース612の背面に背面ベース611の正面が重ね合されることで、それら両ベース611,612の対向面間(内部空間)に収容される。
投影板部材6620は、正面視円環形状に形成され、その内径が円環形状の正面ベース6612の内径よりも大きく形成される。また、投影板部材6620は、正面ベース6612の軸と同軸上に配設される。よって、投影ユニット6600が組み上げられた状態では、投影板部材6620の内縁部が遊技者から視認できないように配設される。
また、投影板部材6620に配設されるギヤ部材630及び溝形成部材640は、正面ベース612の非表示領域側に配設される(即ち、正面ベース612(遮蔽部材612r)の背面側に配設される)ので、遊技者から視認され難くでき、その分外観が悪化することを抑制できる。
投影板部材6620は、光透過性材料からなり、背面側に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)の表示を透過させて、正面ベース6612の開口部6612pを通して遊技者に視認させると共に、照射ユニット650から照射された光が外周面から入射されると、その入射された光を、模様や図柄の形状をなす様態で、投影板部材620の正面から出射させ、正面ベース6612の開口部6612pを通して遊技者に視認させる。即ち、正面ベース6612の開口部6612pの内部空間に模様や図柄を浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
また、投影板部材6620は、その内部に光を乱反射する反射部6622を備える。反射部6622は、内部がレーザー加工等により粗面加工された部分であり、投影板部材6620の正面視における全域に模様や図柄等が投影板部材6620の周方向に複数個分割して形成される。なお、本実施形態では、反射部6622の模様や図柄等の形状が周方向に6分割して形成され、6形態の模様や図柄等の反射領域6622a〜6622fが形成される(図80参照)。
さらに、投影板部材6620は、外周縁部にギヤ部材630及び溝形成部材640が背面側および正面側にそれぞれ配設される。これにより、第1実施形態と同様に、駆動モータ661の駆動力が歯車列(662〜664)を介してギヤ部材630に伝達することで、投影板部材6620を回転させることができる。
次に、図80を参照して、投影ユニット6600の動作を説明する。図80(a)から図80(c)は、投影ユニット6600の背面図である。なお、図80(a)〜図80(c)は、投影板部材6620の遷移状態が図示される。また、図80では、背面ベース611が取り外された状態が図示される。また、正面ベース6612の開口部6612p及び投影板部材6620の反射部6622(反射領域6622a〜6622f)が鎖線で図示される。
図80(a)に示すように、投影板部材6620が初期位置に配置された状態では、正面視(紙面奥から手前方向視)において正面ベース6612の開口部6612pの内側に投影板部材6620の反射領域6622aが配置される。よって、投影板部材6620の外縁部から照射ユニット650のLED651の光を入射させると、開口部6612pの内側に反射領域6622aの模様や図柄を表示させることができる。即ち、遊技者は、開口部6612pの内部に浮かび上がる模様や図柄を視認することができる。
この場合、LED651の光は、反射領域6622aと隣り合う反射領域6622b、6622fにも照射されるが、反射領域6622b、6622fの前面には正面ベース6612が配設されるため、遊技者が、反射領域6622b、6622fの表示を視認することはできない。よって、開口部6612pを通して投影板部材6620の模様や図柄を表示させることで、表示面以外の表示を遊技者が視認することがなくなり、他の領域が視認できることで遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
次に、図80(b)及び図80(c)に示すように、駆動モータ661に駆動力を付与すると、上述したように、その駆動力が歯車列(歯車662〜664)を介して投影板部材に伝達されて、投影板部材6620が回転される。投影板部材6620が回転することで、正面視における正面ベース6612の開口部6612pの内側に配置された、反射領域6622a〜6622fの模様や図柄が切替えられる。これにより、開口部6612pの内側に、複数の異なる模様や図柄を表示することができる。
ここで、被照射体(投影板部材6620)の前面に模様や図柄が印刷して、被照射体を変位させてその表示面を切り替えるものであると、被照射体の視認可能領域(開口部6612p)から、被照射体の模様や図柄の切替が見えてしまい、遊技者が、次にどの表示がされるのかを模様や図柄を切り替え終える前に分かることで、遊技者に被照射体の変位を最後まで楽しませることができないという問題点があった。
また、仮に被照射体に光を照射する光源(LED651)の電力をオフして、被照射体の表示面を暗くしたとしても、他の装置や店内の蛍光灯の光により、被照射体が照射されることで、遊技者から被照射体の模様や図柄が視認可能となっていた。
本願では、投影板部材6620が、光透過性材料から形成されており、照射ユニット650のLED651の光をオフすることで、投影板部材6620の模様や図柄を視認し難くして透明状態とすることができる。よって、投影板部材6620を回転させる際に、LED651の照射をオフすることで、投影板部材6620の模様や図柄の切替を遊技者から視認し難くすることができるので、遊技者に投影板部材6620の変位を最後まで楽しませることができる。
また、第6実施形態では、投影板部材6620が、正面視円環状に形成され、その中心を回転軸として回転されるので、投影板部材6620が、スライド変位する場合と比較して、正面ベース6612の開口部6612pを介して遊技者に視認させる模様や図柄の数を確保しつつ、投影板部材6620の配設に要するスペースを抑制できる。
即ち、投影板部材6620がスライド変位するものでは、左右または上下方向の配設スペースが限られるため、投影板部材6620の模様や図側の数を確保することが困難となるところ、円環形状に形成することで、模様や図柄の数を確保しつつ、投影板部材6620の配設に要するスペースを抑制できる。
次いで、図81から図121を参照して、第7実施形態における遊技盤13について説明する。第7実施形態では、第1入賞口64、第2入賞口140及び特定入賞口65aが1のユニットとして構成される入賞口ユニット930に形成される。上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
また、以下では、第1実施形態と同様に、図1に示すパチンコ機10の上下方向を重力方向として、図1に示すパチンコ機1の左右方後方を左右方向として、図1に示すパチンコ機10の紙面手前側を正面側(又は前方)として、図1に示すパチンコ機10の紙面奥側を背面側(又は後方)として説明する。
初めに、図81及び図82を参照して、第7実施形態における遊技盤13のベース板に配設される入賞口ユニット930及び送球ユニット970について説明する。図81は、第7実施形態における遊技盤13の正面図である。図82は、遊技盤13の分解斜視正面図である。なお、図82では、ベース板60に配設される入賞口ユニット930及び送球ユニット970以外のユニット(例えば、センターフレーム86(図81参照)など)の図示が省略される。
図82に示すように、ベース板60には、センターフレーム86(図81参照)が取り付けられる中央開口の重力方向下側(図82下側)にベース板60の厚み方向に貫通する貫通孔60aがルータ加工によって形成される。
貫通孔60aは、後述する正面ユニット940の正面視における外形よりも若干小さく形成され、内側に正面ユニット940に配設される駆動ユニット960及び特定入賞口ユニット950が挿入される。
ベース板60には、遊技領域(正面)側から入賞口ユニット930が配設され、遊技領域と反対(背面)側から送球ユニット970が配設され、それぞれタッピングネジ等により締結固定される。なお、入賞口ユニット930及び送球ユニット970の詳細な構成については後述する。
次いで、図83から図86を参照して入賞口ユニット930の全体構成について説明する。図83(a)は、入賞口ユニット930の正面図であり、図83(b)は、入賞口ユニット930の背面図である。図84(a)は、入賞口ユニット930の斜視正面図であり、図84(b)は、入賞口ユニット930の斜視背面図である。図85は、入賞口ユニット930の分解斜視正面図であり、図86は、入賞口ユニット930の分解斜視背面図である。
図83から図86に示すように、入賞口ユニット930は、正面ユニット940と、その正面ユニット940の背面(図83(b)紙面手前)側に配設される特定入賞口ユニット950と、その特定入賞口ユニット950の背面(図83(b)紙面手前))側に配設される駆動ユニット960と、その駆動ユニット960及び正面ユニット940との間に配設される変位部材966とを主に備えて形成される。
正面ユニット940は、上述したように正面視における外形がベース板60の貫通孔60aよりも大きく形成される。従って、ベース板60に入賞口ユニット930(正面ユニット940)を配設することで、貫通孔60aの開口を塞ぐことができる。これにより、遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球が、後述する正面ユニット940に形成される遊技球の通過経路(第1入賞口64、第2入賞口140及び特定入賞口65a)以外の空間から貫通孔60aを通過することを抑制できる。
特定入賞口ユニット950は、正面ユニット940に形成される特定入賞口65aの内側に一部が挿入されており、特定入賞口65aを介して遊技球を特定入賞口ユニット950の内側に送球可能とされる。なお、特定入賞口ユニット950についての詳しい説明は後述する。
駆動ユニット960は、特定入賞口ユニット950の背面側に配設されると共に、変位部材966を介してその一部(伝達部材965の挿入部965e)が正面ユニットに配設される羽部材945に連結される。これにより、駆動ユニット960の伝達部材965を動作させて羽部材945を回転変位させることができる。なお、羽部材945の動作についての詳しい説明は後述する。
次いで、図87から図89を参照して、正面ユニット940の詳細な説明をする。図87(a)は、正面ユニット940の正面図であり、図87(b)は、正面ユニット940の背面図である。図88は、正面ユニット940の分解斜視正面図であり、図89は、正面ユニット940の分解斜視背面図である。なお、図87(a)及び図87(b)では、羽部材945の外形が鎖線で図示される。
図87から図89に示すように、正面ユニット940は、ベース板60に締結される背面ベース941と、その背面ベース941に遊技球の直径よりも大きい距離を隔てて配設される正面ベース943と、背面ベース941及び正面ベース943の対向間に回転可能な状態で配設される2個(一対)の羽部材945とを主に備えて形成される。
背面ベース941は、正面視における外形が上下反対向きの略T字状に形成されると共に、所定の板厚を備える板状体から形成される。また、背面ベース941は、無色透明の樹脂材料から形成されており、入賞口ユニット930(正面ユニット940)がベース板60に配設された状態において、背面ベース941を介してベース板60の貫通孔60aの内部を視認できる。
背面ベース941は、遊技球の流下側(重力方向下側(図87(b)下側))に切り欠き形成される第1アウト口71と、その第1アウト口71の上方(図87(b)上方)に位置し水平方向に長い矩形状に貫通形成される特定入賞口65aと、その特定入賞口65aの上方に貫通形成される第2入賞口140と、第1アウト口71と反対側の縁部に切り欠き形成される第1入賞口64とを主に備える。
また、背面ベース941は、外縁部に板厚方向に貫通する貫通孔941aを複数個備える。貫通孔941aは、正面側(図87(a)紙面手前側)から背面側(図87(b)紙面手前側)に向かって縮径する第1貫通孔941a1と、背面側から正面側に向かって縮径する第2貫通孔941a2とから形成される。
第1貫通孔941a1は、背面ベース941(入賞口ユニット930)をベース板60に締結固定するためのタッピングネジを挿通する孔であり、内径がタッピングネジの螺入部分の外径よりも大きく設定される。また、第1貫通孔941a1は、上述したように、正面側から背面側に向かって縮径して形成されるので、タッピングネジの頭部を正面側の拡径部分に収容することができる。従って、タッピングネジの頭部が遊技領域に突出することを抑制できる。さらに、第1貫通孔941a1の近傍には、背面ベース941の背面から円柱状に突出する位置決め突起942aが形成される。
位置決め突起942aは、ベース板60の貫通孔60aの周囲に形成される位置決め孔60b(図82参照)に対応する位置に形成されると共に、位置決め孔60bの内径と略同一の外径に形成される。これにより、背面ベース941(入賞口ユニット930)をベース板60に対して位置決めして配設できる。
第2貫通孔941a2は、背面ベース941と正面ベース943とを締結するためのネジを背面ベース941側から挿通する孔であり、内径がネジの螺入部分の外径よりも大きく設定される。即ち、正面ベース943は、背面ベース941の背面側からネジで締結される。この場合、正面ベース943の背面ベース941からの取り外しの作業は、入賞口ユニット930をベース板60から取り外した状態とする必要がある。従って、遊技者が不正をして遊技盤13の前面側(遊技領域側)から正面ベース943のみを取り外すことを抑制できる。
また、第2貫通孔941a2は、上述したように、背面側から正面側に向かって縮径して形成されるので、ネジの頭部を背面側の拡径部分に収容することができる。従って、背面ベース941の背面側にネジの頭部が突出することを抑制できる。その結果、背面ベース941の背面側に後述する特定入賞口ユニット950を配設する場合に、ネジの頭が特定入賞口ユニット950に当接することを抑制できる。
背面べース941は、重力方向下側(図87(b)下側)端部の外形が、遊技盤13の内レール61(図A01参照)の内縁に沿って形成される。第1アウト口71は、切欠き底部の縁部(重力方向上側の縁部)が内レール61の内縁と遊技球の直径以上離間する寸法に形成される。これにより、遊技盤13(ベース板60)の前面に形成される遊技領域を流下する遊技球のうち第1入賞口64、第2入賞口140、特定入賞口65a及び一般入賞口63()のいずれにも流入しなかった遊技球を、第1アウト口71を介して遊技盤13の背面側(遊技領域の反対側(図87(b)紙面手前側))に送球できる。
第1入賞口64は、第1アウト口71と反対側の重力方向上側(図87(b)上側)の端部を半円形状に切り欠いて形成される。また、第1入賞口64は、その内縁の寸法が遊技球の直径よりも大きい寸法に形成される。これにより、後述する第1受部941gの内部に流入する遊技球を第1入賞口64を介して背面側(遊技領域の反対側(図87(b)紙面手前側)に送球できる。
第1入賞口64の縁部には、遊技領域側(図87(a)紙面手前側)に突出すると共にカップ状に形成される第1受部941gと、遊技領域と反対側(図87(b)紙面手前側)に断面U字状に突出する第1送球部942gとが形成される。
第1受部941gは、内側に1球分の遊技球を受け入れ可能な大きさに形成される。これにより、第1受部941g(第1入賞口64)の重力方向上側から遊技領域を流下する遊技球を第1受部941gの内側に流入させることができる。
また、第1受部941gは、底面が背面側(遊技領域の反対側(図87(b)紙面手前側))に下降傾斜して形成される。これにより、第1受部941gに流入した遊技球を第1入賞口64を下介して背面側(第1送球部942g側)に送球できる。
さらに、第1受部941gは、ベース板60の短手方向(図87左右方向)両端の上端部から、第2入賞口側(重力方向下側(図87(a)下側))に向かってベース板60の短手方向外側に傾斜して立設される案内部941g1を備える。案内部941g1は、所定の厚みを備える板状体に形成されると共に、遊技領域と反対側(背面側)の側面が、背面ベース941の前面側に連結される。これにより、第1受部941gの剛性を高めることができ、流下領域を流下する遊技球が第1受部941gに衝突して、第1受部941gが破損することを抑制できる。
また、背面ベース941に第1入賞口64、第2入賞口140及び特定入賞口65を一体に形成すると、遊技領域を流下する遊技球に変化を与える遊技釘の配置が足りなくなるため、遊技球の流下方向を変化させ難くなる。従って、遊技者の興趣が損なわれる恐れがあるところ、案内部941g1に遊技球を衝突させることで、遊技球の流下方向に変化を与えることができ、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
さらに、案内部941g1は、第2入賞口140側に向かってベース板60の短手方向外側(図87(a)左右方向両側)に傾斜して形成されるので、案内部941g1に衝突した遊技球を背面ベース941の水平方向外側に案内できる。これにより、ベース板60に配設される遊技釘(図示しない)に再度衝突させることができ、遊技球の流下方向に変化を与えやすくできる。従って遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
第1送球部942gは、重力方向上側が開放するU字に形成されており、その内縁の対向間の距離寸法が遊技球の直径よりも大きく形成される。また、第1送球部942gは、底面が背面側(遊技領域と反対側(図87(b)紙面手前側))に向かって下降傾斜して形成されると共に、突出先端側が、後述する送球ユニット970の流入口982dの縁部に当接される。これにより、第1受部941gの内側から第1入賞口64を介して第1送球部942gに送球される遊技球を背面側に転動させて、送球ユニット970に送球することができる。
第1送球部942gは、突出先端の上方端部が、側面視矩形状に切り欠かれる第1凹欠部942g1を備える。第1凹欠部942g1は、後述する送球ユニット970の第2突起982d1が載置される切欠きであり、第2突起982d1の側面視形状と略同一の大きさに凹欠される。なお、第1送球部942g及び送球ユニット970の配置についての詳しい説明は後述する。
第2入賞口140は、正面視において上方が湾曲した略D字状に貫通形成されると共に、内縁が遊技球の外径よりも大きく形成される。これにより、後述する羽部材945の対向間に送球される遊技球を第2入賞口140を介して背面側(遊技領域の反対側(図87(b)紙面手前側))に送球できる。
第2入賞口140には、その縁部に、正面側(遊技領域側(図87(a)紙面手前側))に突出する正面側壁部941bと、背面側(遊技領域と反対側(図87(b)紙面手前側))に突出する第2送球部942cとが形成される。
正面側壁部941bは、ベース板60の短手方向における第2入賞口の両側縁部に沿って形成される。正面側壁部941bは、その突出先端面が後述する正面ベース943の送球ガイド部943dと当接する大きさに設定される。
第2送球部942cは、第2入賞口140の下側縁部の両端のそれぞれに背面視略L字に屈曲して形成される。第2送球部942cは、重力方向(図87(b)上下方向)における寸法が遊技球の半径よりも大きく設定される。これにより、後述する正面ベース943の転動部943aを転動する遊技球が転動部943aの上面から落下することを抑制できる。
一対の第2送球部942cは、ベース板60の短手方向(図87(b)左右方向)における対向間の距離寸法が後述する正面ベース943の転動部943aのベース板60の短手方向(図87(b)左右方向)における長さ寸法と略同一に設定され、内側に転動部943aが配設される。また、第2送球部942cは、突出先端部の重力方向他側(重力方向上側(図87(b)上側))に第2凹欠部942c1が切り欠き形成される。第2凹欠部942c1は、内側に後述する通路ユニットの突起981b1が載置される部分であり、その詳しい説明は後述する。
背面ベース941は、第2入賞口140の近傍の重力方向他側(第1入賞口64側(図87(b)上側))に、背面ベース941の遊技領域側から遊技領域と反対側に向かって円形状に2箇所に凹設される第1軸孔941dと、その第1軸孔941dの軸を中心に湾曲して背面ベース941に貫通形成される2箇所の第1開口941eと、その2箇所の第1開口941eの対向方向外側に位置し背面側に突設される第1ガイド壁942bと、第1入賞口64及び第2入賞口140との間に突設される突出部941cとを備えて形成される。
第1軸孔941dは、後述する羽部材945を軸支する軸部材945aを支持可能とされ、軸部材945aの外径と略同一の内径に形成される。これにより、軸部材945aの一端を第1軸孔941dに挿入して支持できる。
第1開口941eは、第1軸孔941dの中心を軸とする円弧状に開口される。また、第1開口941eは、羽部材945の突起945bを挿通可能とされ、羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の径方向における突起945bの最大幅寸法よりも大きく設定される。これにより、羽部材945が回転した際に突起945bが第1開口941eの内面に当接することを抑制できる。
突出部941cは、正面視における外形が二等辺の三角形状に形成され、二等辺の連結部の角部が後述する羽部材945の対向間の中央位置と略同一の平面上に位置される。また、突出部941cの不等辺は、羽部材945の対向方向と平行に延設して形成されており、その長さ寸法が、閉鎖状態における羽部材945の対向間寸法よりも若干大きく設定される。さらに、突出部941cは、閉鎖状態の羽部材945との最短の離間距離が遊技球の直径よりも小さくされる位置に形成される。これにより、羽部材945が閉鎖状態とされる場合に、遊技球が第2入賞口140(一対の羽部材945の対向間)に送球されることを抑制できる。なお、羽部材945の閉鎖状態についての詳しい説明は後述する。
一対の第1ガイド壁942bは、後述する変位部材966が変位される際に、変位部材966の変位を案内する壁であり、一対の第1ガイド壁942bの対向間における距離寸法が、変位部材966の短手方向の距離寸法よりも若干大きく設定される。
また、一対の第1ガイド壁942bは、背面視略L字に形成され、屈曲部分が互いに近づく方向に延設される。これにより、変位部材966の突出部966aを第1ガイド壁942bの屈曲部分に当接させて、変位部材966の変位距離を規制できる。
特定入賞口65aは、一対の羽部材945の対向方向(図87(b)左右方向)に長い矩形状に開口形成されており、その開口の内側に後述する特定入賞口ユニット950の板部材951を挿入することができる。これにより、遊技領域を流下する遊技球を特定入賞口65aを介して特定入賞口ユニット950の内部に送球できる。
また、背面ベース941は、特定入賞口65aの周囲を取り囲むと共に背面側(遊技領域と反対側)に立設される立設部942fと、特定入賞口65aの長手方向両端部に背面側から凹設される凹部941hとを備える。
立設部942fは、その内縁の形状が後述する特定入賞口ユニット950の正面視形状と略同一に設定される。これにより、立設部942fの内側に特定入賞口ユニット950を位置決めして配設し易くできる。
凹部941hは、特定入賞口ユニット950が背面ベース941に配設された状態において、特定入賞口ユニット950の板部材951の回転軸となる棒部材952が挿入される壁部953dと対応する位置に形成される。これにより、棒部材952が板部材951から抜け出る方向に変位した場合に、棒部材952の端面を凹部941hの内縁に当接させて、棒部材952が板部材951から抜け出ることを抑制できる。
さらに、正面ベース942は、立設部942fと第2送球部942cとの対向間に膨出する膨出部942hと、立設部942fの外周面から第1ガイド壁942b側(図87(b)上側)に突出する第2ガイド壁942dとを備える。
膨出部942hは、背面ベース941の背面側に膨出すると共に、立設部942fと第2送球部942cとに連結される。これにより、後述する変位部材966(図90参照)を背面ベース941の背面側(図87(b)紙面手前側)に配設した場合に、変位部材966と背面ベース941の背面との間に所定の隙間を形成できる。その結果、変位部材966が変位する場合に、変位部材966の摩擦(摺動)抵抗を抑えることができる。
第2ガイド壁942dは、変位部材966の下端部分の変位を案内する壁面であり、一対の第2ガイド壁942dの対向間の距離寸法が変位部材966の短手方向の距離寸法よりも若干大きく設定される。従って、変位部材966を一対の第2ガイド壁942dの対向間に配設した場合に、変位部材966の下端部分の変位部材966の短手方向への変位距離を規制できる。
背面ベース941は、特定入賞口65aの長手方向(図87(b)左右方向)両端の重力方向他側(重力方向上側)の縁部に重力方向一側(重力方向下側)に向かって半円状に切り欠いて形成される第2アウト口941fを備える。第2アウト口941fは、正面ベース943に形成される第3受部944aに流入した遊技球をベース板60の背面側(遊技領域と反対側)に送球するための切り欠きであり、遊技球の直径よりも大きい形状に形成される。
また、第2アウト口941fの縁部には、背面視略U字状に形成され背面側に突出する第3送球部942eが形成される。これにより、第2アウト口941fの内側を介して背面側に送球した遊技球を第3送球部942eの内側に送球できる。
第3送球部942eは、背面視U字の湾曲部分(下側部分)が背面側に突出するに従って重力方向下側に傾斜して形成されており、第2アウト口941fから送球された遊技球を背面側に転動させることができる。なお、第3送球部942eの内面を転動する遊技球についての詳しい説明は後述する。
正面ベース943は、正面視における外形が背面ベースよりも小さい上下反対の略T字状に形成される。また、正面ベース943は、無色透明な板状体から形成される。これにより、正面ベース943と背面ベース941との対向間を流下する遊技球を遊技者に視認させることができる。
正面ベース943は、上述した背面ベース941の第2入賞口140及び第2アウト口941fのそれぞれに対応する位置に突設される第2受部943c及び第3受部944aとを主に備えて形成される。
第2受部943cは、背面視略U字に形成され、正面視において内側に背面ベース941の第2入賞口140が配置される。また、第2受部943cの開放側(U字の開放側)には、後述する一対の羽部材945が配設される。さらに、第2受部943cの背面ベース941側への突出距離は、遊技球の直径よりも大きく設定される。よって、背面ベース941及び正面ベース943の対向間に遊技球を送球することができると共に、遊技球が後述する一対の羽部材945の対向間の外側から第2入賞口140に流入することを抑制できる。
また、第2受部943cは、その内縁から内側に突設される送球ガイド部943dと、背面ベース941側(図87(b)紙面手前側)から、円形状に凹設される第1凹部943caと、湾曲部分の内側から背面ベース側に突設される転動部943aとを備える。
送球ガイド部943dは、一対の羽部材945の重力方向下側(図87(b)下側)に一対形成される。また、一対の送球ガイド部943dは、背面ベース941の正面側壁部941bと対応する位置にそれぞれ形成されており、背面ベース941と正面ベース943とが組み合わされると、その端面同士が当接される。これにより、一対の羽部材945の対向間に流入した遊技球を送球ガイド部943dの対向間に送球できる。
転動部943aは、一対の送球ガイド部943dの対向間の重力方向一側(重力方向下側)に形成されると共に、重力方向上側の端面943a1が背面ベース941側に向かって下降傾斜して形成される。また、上述したように、転動部943aは、背面ベース941と正面ベース943とが締結された(組み合わされた)状態において、凹部941jの内側に配置されると共に、先端が背面ベース941の背面側(図87(b)紙面手前側)に突出される。
これにより、一対の送球ガイド部943dの対向間に送球された遊技球を転動部の端面943a1に送球できると共に、その遊技球を端面943a1の上部を転動させて、背面ベース941の背面側に送球できる。
また、正面ベース943は、第2受部943cの開口側(重力方向上側)に、背面ベース941の第1軸孔941dと対向する位置に円環状に突設される円環突起943bを備える。円環突起943bは、その内縁の第2軸孔943b1を備え、その第2軸孔943b1の内側に後述する羽部材945を軸支する軸部材945aの他端を挿入できる。上述したように、軸部材945aは、一端が背面ベース941の第1軸孔941dに挿入される。よって、背面ベース941と正面ベース943との対向間に軸部材945aを挟持して支持できる。
第3受部944aは、背面視略U字形成されており、その内側に背面ベース941の第2アウト口941fが配置される。これにより、遊技盤13の遊技領域を流下する遊技球を第3受部944aの内側に流入させることができると共に、第3受部944aに流入した遊技球を第2アウト口941fを介して背面側(遊技領域と反対側)に送球することができる。
また、第2受部943c及び第3受部944aには、第1凹部943ca及び第2凹部944a1が、背面ベース941側(図87(b)紙面手前側)から円形状に凹設される。第1凹部943ca及び第2凹部944a1は、上述した第2貫通孔941a2に挿入されたネジが螺合される被締結部であり、背面ベース941の第2貫通孔941a2の軸と同軸上に形成される。これにより、背面ベース941と正面ベース943とを締結できる。
羽部材945は、正面視において、背面ベース941に形成される第2入賞口140を間に挟んで一対配設される。羽部材945は、有色の半透明材料から形成されており、正面ベース943を介して遊技者から視認可能とされる。
羽部材945は、正面視略三角形状に形成されると共に、背面ベース941と正面ベース943との対向間よりも小さい厚みに形成される。羽部材945は、厚み方向(背面ベース941側から正面ベース943側)に貫通形成される挿通孔945cと、背面ベース941側の面(背面)から突出する突起945bとを主に備える。
挿通孔945cは、背面ベース941と正面ベース943との対向間に支持される軸部材945aの外径よりも大きい内径に形成される。よって、背面ベース941と正面ベース943とを締結(組立)する際に、挿通孔945cに軸部材945aを挿通させることで、羽部材945を回転可能な状態で背面ベース941と正面ベース943との対向間に配設できる。これにより、羽部材945は、対向する側面が重力方向に平行な状態の閉鎖状態と、その側面の一側を対向方向外側に変位させた開放状態とで変位可能とされる。
突起945bは、後述する変位部材966と連結され、駆動ユニット960の駆動を羽部材945に伝達する伝達部分であり、その先端が背面ベース941の第1開口941eを介して変位部材966が配設される背面ベース941の背面側(遊技領域と反対側)に突出する寸法に設定される。なお、突起945bと変位部材966との連結状態についての詳しい説明は後述する。
次いで、図90を参照して、変位部材966についての詳細な説明をする。図90(a)は、変位部材966の正面図であり、図90(b)は、変位部材966の側面図であり、図90(c)は、変位部材966の斜視正面図である。
変位部材966は、正面視縦長矩形の板状体から形成されると共に、正面視略中央位置に第2開口966cが板厚方向(図90(b)左右方向)に貫通形成される。第2開口966cは、正面視における内縁の形状が上述した背面ベース941の第2入賞口140の内縁の形状よりも大きく形成されると共に、内側に第2入賞口140が配置される。これにより、第2入賞口140を介して遊技領域と反対側に送球される遊技球が変位部材966の内縁に衝突することを抑制できる。
変位部材966は、長手方向(図90(a)上下方向)一端側(図90(a)上側)から短手方向(図90(a)左右方向)に突出する突出部966aと、長手方向他端側(図90(b)下側)から背面側(背面ベース941側(図85参照))に膨出する膨出部966bとを備える。
突出部966aは、変位部材966の板厚方向に貫通して形成される摺動溝966a2と、変位部材966の短手方向両外側に位置すると共に長手方向に延設される当接部966a1とを備える。
摺動溝966a2は、内側に上述した羽部材945の突起945bが挿入される長孔であり、変位部材966の短手方向に長い長穴に形成される。また、摺動溝966a2は、幅寸法が羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の径方向における突起945bの幅寸法よりも大きく設定される。これにより、羽部材945が回転した際に、突起945bが摺動溝966a2の幅方向に対向する両内面に当接して、羽部材945の動作が規制されることを抑制できる。
当接部966a1は、正面側(正面ベース943側(図85参照))と背面側(背面ベース941側)にそれぞれ膨出して形成される。これにより、変位部材966と正面ベース943及び後述する駆動ユニット960とが当接する面積を小さくできる。その結果、変位部材966が駆動する場合の抵抗を小さくできる。
膨出部966bは、背面側(背面ベース941側)に膨出して形成されると共に、背面視における内側部分に横長矩形の連結孔966b1が形成される。連結孔966b1は、後述する駆動ユニット960の伝達部材965の先端(挿入部965e)が挿入される開口であり、内縁の形状が、伝達部材965の先端の外形よりも大きく設定される。なお、連結孔966b1と伝達部材965との連結状態の詳しい説明は後述する。
連結孔966b1は、変位部材966の短手方向に長い矩形状に形成され、重力方向他側(重力方向上側(図90(a)上側))の内周面の一側被当接部966b2と、重力方向一側(重力方向下側(図90(a)下側))の内周面の他側被当接部966b3とを備える。
一側被当接部966b2は、後述する伝達部材965の挿入部965eの膨出部965e1が当接する面である。変位部材966は、一側被当接部966b2に、膨出部965e1が当接されてスライド変位されることで、羽部材945を開放状態(図92参照)に変位させることができる。
他側被当接部966b3は、後述する伝達部材965の挿入部965eの膨出部965e1と反対側の側面が当接する面である。変位部材966は、他側被当接部966b3に、膨出部965e1と反対側の側面が当接されてスライド変位されることで、羽部材945を閉鎖状態(図91参照)に変位させることができる。
次いで、図91及び図92を参照して、変位部材966と羽部材945との連結状態について詳しく説明する。図91及び図92は、図87(b)の範囲XCIにおける入賞口ユニット930及び変位部材966の背面図である。なお、図91及び図92では、羽部材945の外形が鎖線で図示される。また、図91では、羽部材945の閉鎖状態が図示され、図92では、羽部材945の開放状態が図示される。
図91及び図92に示すように、羽部材945の突起945bは、背面視において略三角形状に形成されており、閉鎖状態における一対の羽部材945の対向する面と平行に形成される第1面945b1と、その第1面945b1に連なると共に重力方向一側(特定入賞口65a側)に位置する第3面945b3と、第1面945b1及び第3面945b3と連なる第2面945b2とを主に備える。
摺動溝966a2は、重力方向一側(連結孔966b1側)に位置し突起945bと当接して羽部材945を開放状態に変位させる下側内面966a4と、その下側内面966a4と対向すると共に突起945bと当接して羽部材945を閉鎖状態に変位させる上側内面966a3と、変位部材966の短手方向(図91左右方向)外側から下側内面966a4側に向かって変位部材966の短手方向内側に傾斜する傾斜面966a5とを備える。
なお、変位部材966は、後述する伝達部材965により、背面ベース941に対して長手方向(図91上下方向)に変位可能に配設される。羽部材945は、変位部材966が特定入賞口65a側(図91下側)に変位されると閉鎖状態とされ、変位部材966が第2入賞口140側(図91上側)に変位されると開放状態とされる。
次いで、変位部材966の摺動溝966a2と羽部材945の突起945bとの連結について説明する。上述したように、羽部材945の突起945bは、変位部材の摺動溝966a2の内側に配置される。
図91に示すように、羽部材945は、閉鎖状態とされると突起945bが摺動溝966a2の傾斜面966a5側(変位部材966の短手方向外側)に配置される。この状態から、変位部材966が第2入賞口140側(重力方向他側(図91上側))に変位されると、変位部材966の下側内面966a4が、突起945bの第3面945b3と当接して突起945bが変位される。これにより、羽部材945を回転変位させることができる。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生させる駆動手段と、その駆動手段の駆動力を一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備えた遊技機が知られている。伝達機構は、駆動手段の駆動力により回転させる回転部材を備え、その回転部材の一端側が、一対の羽部材の背面から突設される突設部に連結される。詳細には、回転部材の一端側には、上下に所定の間隔を隔てて対向する対向部が形成され、その対向部の対向間に羽部材の突設部が挿通される。よって、回転部材が回転されると、その回転部材の対向部によって羽部材の突設部が押し上げられる又は押し下げられることで、羽部材が開放または閉鎖される。
しかしながら、従来の遊技機では、対向部と、突設部との間の隙間を大きく設定する必要があるため、羽部材の開閉動作が安定しないという問題があった。即ち、羽部材の開閉動作のために、回転部材が回転される際には、対向部の姿勢が突設部に対して傾斜されるところ、対向部の対向間隔が突設部の外形と同等であると、対向部の対向間に突設部が干渉して、回転部材が回転できなくなる。そのため、突設部が干渉しない大きさに対向部の対向間隔を設定する必要があり、その分、対向部と突設部との間の隙間が大きくなる。その結果、羽部材のがたつきが生じやすいため、羽部材の開閉動作が安定しない。
これに対し、本実施形態によれば、伝達機構は、駆動手段(駆動ユニット960)の駆動力により回転される伝達部材965と、その伝達部材965の回転に伴ってスライド変位される変位部材966とを備え、一対の羽部材945から突起945bが突設されると共に、その突起945bが摺動可能に挿通される摺動溝966a2が変位部材966に凹設されるので、摺動溝966a2の溝幅を抑制することができる。即ち、変位部材966の変位がスライド変位であり、摺動溝966a2の姿勢が突起945bに対して傾斜しないので、従来品のように回転する際の突設部との干渉を避ける必要がない。よって、摺動溝966a2の溝幅を突起945bの大きさに近似させることができ、溝幅を抑制できるので、摺動溝966a2と突起945bとの間の隙間を小さくできる。その結果、羽部材945のがたつきを抑制でき、羽部材945の開閉動作を安定させることができる。 また、変位部材966の変位の方向が、一対の羽部材945の回転軸に略直交する方向であるので、変位部材966を羽部材945に対して略平行に配設することができる。その結果、羽部材945及び変位部材966の配設に必要なスペースを抑制でき、その分、他の部材を配設するスペースを確保できる。即ち、変位部材966が変位した場合に、変位部材966が一対の羽部材945の回転軸方向に変位しないので、一対の羽部材945の回転軸方向における変位部材の配設に必要なスペースを抑制できる。その結果、他の部材を配設するスペースを確保できる。
ここで、一対の羽部材に回転部材が直接連結される従来品に対し、本発明では、羽部材945と伝達部材965との間に変位部材966が介在されるため、変位部材966を重力方向上側(重力方向他側)へスライド変位させる方向への動作時には、変位部材966の重さが加算される分、慣性力が大きくなり、駆動手段(後述するソレノイド610)に必要な駆動力が嵩む。よって、停止状態にある羽部材945の駆動を開始して、開放状態または閉鎖状態に変位させる際の初期動作をスムーズに行うことが困難となる。
これに対し、本実施形態では、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合において、突起945bは、羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の重力方向下側(重力方向一側)に位置される。即ち、変位部材966が重力方向上側(重力方向他側)へ向けてスライド変位を開始する際の突起945bの位置が、羽部材945の回転軸の重力方向に沿った下方に設定される。これにより、摺動溝966a2の内壁押し上げられる突起945bの変位成分を、水平方向(図91左右方向)に大きくし、重力方向(図91下方向)に小さくできる。よって、変位部材966の重さが加算させる本発明においても、停止状態(閉鎖状態)にある羽部材945の駆動を開始して、開放または閉鎖させる際の初期動作をスムーズに行うことができる。
また、羽部材945の重心は、回転軸(挿通孔945c)を挟んで突起945bの反対側に設定される。これにより、羽部材945が閉鎖状態から開放状態に変位される際には、羽部材945の自重を利用して羽部材945を開放状態に変位させることができる。即ち、変位部材966が重力方向上側(重力方向一側)へ向けてスライド変位を開始すると、羽部材945が開放される方向へ回転されるので、羽部材945をその重さ(自重)により回転させることができる。よって、変位部材966の重さが加算される本発明においても、停止状態(閉鎖状態)にある羽部材945の駆動を開始して、開放させる際の初期動作をスムーズに行うことができる。
さらに、上述した傾斜面966a5は、羽部材945の回転軸(挿通孔945c)の重力方向一側(重力方向下側(図91下側))に形成される。これにより、突起945bの位置が、羽部材945の回転軸の重力方向に沿った下方に設定される場合であっても、傾斜面966a5の傾斜方向に沿って突起945bを案内して、変位部材966の重力方向他側(重力方向上側)へ向けたスライド変位をスムーズに開始させることができる。
また、摺動溝966a2の内壁に傾斜面966a5が形成されることで、その分、摺動溝966a2の内壁と突起945bとの間の隙間を小さくできるだけでなく、かかる傾斜面966a5への突起945bの当接により、突起945bの重力方向への変位に加え、水平方向への変位も規制することができる。よって、閉鎖状態とされる場合の羽部材945のがたつきを抑制しやすくできる。即ち、遊技球の流下に伴う振動の影響を受けた場合でも、羽部材945を開放姿勢または閉鎖姿勢に維持しやすくできる。
図92に示すように、羽部材945が開放状態から閉鎖状態に変位される場合には、変位部材966が、第2入賞口140側から特定入賞口65a側(重力方向一側(図92下側))に変位される。これにより、変位部材966の上側内面966a3が、突起945bの第1面945b1と当接して突起945bが変位される。これにより、羽部材945を回転変位させることができる。
また、変位部材966の第2入賞口140側から特定入賞口65a側の変位方向は、重力方向(図92下方向)に設定される。これにより、羽部材945を閉鎖する場合に、変位部材966の自重を利用して羽部材945を変位させることができる。その結果、羽部材945を開放状態から閉鎖状態に変位させやすくできる。
次いで、図93から図95を参照して、駆動ユニット960について詳細な説明をする。図93(a)は、駆動ユニット960の側面図であり、図93(b)は、駆動ユニット960の上面図であり、図93(c)は、駆動ユニット960の斜視正面図である。図94は、駆動ユニット960の分解斜視正面図であり、図95は、駆動ユニット960の分解斜視背面図である。
図93から図95に示すように、駆動ユニット960は、箱形状に形成され対向して配設される第1収容部962及び第2収容部963と、第1収容部962及び第2収容部963の間の空間に配設されるソレノイド610と、そのソレノイド610に連結される連結部材964と、第1収容部962及び第2収容部963に軸支されると共に連結部材964に連結される伝達部材965とを主に備えて形成される。
第1収容部962は、無色透明の樹脂材料から形成され、ソレノイド610の一側(図93(a)上側)を覆う覆設部962aと、その覆設部962aから背面ベース941側(図85参照)に突出するガイド部962bとを備える。
覆設部962aは、ソレノイド610側(図93(a)下側)及びガイド部962b側が開放される略箱形状に形成される。また、覆設部962aは、対向する壁面の一部を切り欠いて形成される被係合部962cと、対向する壁面の外側に対向する方向に突出する締結部962dとを備える。
被係合部962cは、後述する第2収容部963の係合部963cを係合させる切欠きであり、側面視において係合部963cの外形よりも大きい形状に切り欠き形成される。これにより、第1収容部962及び第2収容部963を締結する前に、被係合部962cに係合部963cを係合させることができるので、第1収容部962及び第2収容部963との締結の作業性を向上できる。
締結部962dは、駆動ユニット960が組み立てられた状態において、第2収容部963の締結孔963b1と対向する位置に形成されており、第2収容部963側(図93(a)下側)に向かって貫通する貫通孔962daを備える。
貫通孔962daは、第2収容部963の締結孔963b1に螺合されるネジ(図示しない)を挿通する孔であり、締結孔963b1と同軸上に形成されると共に、締結孔963b1よりも大きい内径に形成される。これにより、第1収容部962と第2収容部963とを締結固定できる。
ガイド部962bは、覆設部962aの対向する壁面に連なって側面視略L字状に形成される一対の腕部962eと、その一対の腕部962eに連結されると共に、正面視門型に形成される壁部962fと、その壁部962fから覆設部962aと反対側(背面ベース941側(図85参照))に突設される突設部962gとを備えて形成される。
腕部962eは、覆設部962aの対向する壁面のそれぞれから背面ベース941側(図85参照)に突出すると共に突出先端側を重力方向他側(ソレノイド610側と反対側)に屈曲する側面視略L字に形成される。また、一対の腕部962eは、対向間の寸法が後述する振分けユニット980の側壁部981b(図109(a)参照)の水平方向両端部の距離寸法と略同一に設定され、対向間に側壁部981bが挿入される。
壁部962fは、上述した腕部962eの先端側(屈曲側)の側面をそれぞれ連結して形成され、その正面視における形状が、上述した変位部材966の正面視形状よりも大きく形成される。また、壁部962fは、対向方向(図93(b)上下方向)における外側の距離寸法L3(図93(b)参照)が、上述した背面ベース941の一対の第1ガイド壁942bの対向方向における外側の距離寸法L4(図91参照)と略同一に設定される(L3=L4)。さらに、壁部962fは、重力方向(図93(a)上下方向)における距離寸法L5(図93(a)参照)が、背面ベース941の第1ガイド壁942bの上端面から立設部942fの外面までの距離寸法L6(図91参照)と略同一に設定される(L5=L6)。これにより、壁部962f及び背面ベース941との対向間に変位部材966を配設できると共に、変位部材966を第1ガイド壁942bの対向間に収容できる。さらに、壁部962fと背面ベース941との対向間に配設される変位部材966の摺動溝966a2を、その対向間に配置することができる。
突設部962gは、壁部962fの一対の腕部962eの対向方向(図93(b)上下方向)外側から腕部962eと反対側に突出して形成され、その突出寸法が、背面ベース941の第1ガイド壁942bの突出寸法と略同一に設定される。また、突設部962gの対向方向(図93(b)上下方向)における内側寸法L7は、背面ベース941の一対の第2ガイド壁942dの対向方向における外側寸法L8(図91参照)よりも若干大きく設定される。さらに、突設部962gは、重力方向の寸法が、第1ガイド壁942b及び立設部942fの対向間の寸法と略同一に設定さる。
これにより、組み立て状態における駆動ユニット960を背面ベース941(正面ユニット940)に配設する際には、突設部962gの対向間に第2ガイド壁942dを挿入すると共に、第1ガイド壁942b及び立設部942fの対向間に突設部962gを挿入することで、駆動ユニット960を背面ベース941に対して位置決めして配設できる。
第2収容部963は、無色透明の樹脂材料から形成され、ソレノイド610の他側(図93(a)下側)を覆う箱状体に形成される。第2収容部963は、上面視において後述するソレノイド610の駆動方向(図93(b)左右方向)に長い矩形状に形成される。また、第2収容部963は、長手方向に延設される両壁部の複数箇所に凹設される凹設部963eと、その複数箇所の凹設部963eの間から第1収容部962側に突出する係合部963cと、長手方向に延設される両壁部から短手方向に突出する突出部963bと、短手方向に延設される一方側(背面ベース941側(図85参照)の壁部に凹設される軸受部963dとを備えて形成される。
突出部963bは、第2収容部963の短手方向外側に半円弧状に突出して形成され、第1収容部962の貫通孔962daと同軸の締結孔963b1を備える。これにより、第1収容部962の貫通孔962da側からネジを挿通したネジを締結孔963b1に螺合して、第1収容部962と第2収容部963とを締結固定できる。
凹設部963eは、第1収容部962と第2収容部963との対向間に形成される空間に空気を循環させる開口である。凹設部963eを介して空気を循環させることで、第1収容部962と第2収容部963との対向間に配設されるソレノイド610を冷却できる。
係合部963cは、複数個並設される凹設部963eの間から第1収容部962側に突出され、その先端が第2収容部963の短手方向内側に屈曲する鉤状に形成される。また、上述したように係合部963cは、第1収容部962の被係合部962cと対応する位置に形成されており、第1収容部962と第2収容部963とが組み合わされると、係合部963cが被係合部962cの内側に配設されると共に、係合部963cの屈曲部分が第1収容部962の一側端面に係合される。
また、係合部963cは、凹設部963eの間に形成されるので、係合部963cの基端から先端までの距離を長くできる。従って、係合部963cを第1収容部962に配設する場合に、係合部963cを撓ませ易くでき、係合部963cを第1収容部962に係合させやすくできる。
軸受部963dは、後述する伝達部材965の回転軸965cを収容する凹みであり、回転軸965cの外形よりも大きい形状に凹設される。また、軸受部963dの第1収容部962側の端面は、第1収容部962の重力方向一側の側面に覆設されており、第1収容部962と第2収容部963とが組み合わされた状態では、軸受部963dに収容された回転軸965cが軸受部963dの外側に外れることを抑制できる。
ソレノイド610は、直方体に形成される本体部961aと、その本体部961aの内側に挿入されると共に本体部961aに対して変位可能な軸部961bと、その軸部961bの本体部961aと反対側の端部に配設される円環部961cと、円環部961cと本体部961aとの間に配設されるコイルばねSP1とを備える。
本体部961aは、電力が付与(供給)されることで、磁性を発生させるコイル部分であり、その磁性により本体部961aに挿入される軸部961bを内側に引き寄せて挿入できる。
軸部961bは、磁性を有する金属材料から形成されると共に、円柱状に形成される。軸部961bは、軸方向が背面ベース941側に向かう方向に配置されると共に、背面ベース941側の一部が本体部961aから突出した状態で配置される。
円環部961cは、本体部961aから突出した軸部961bの端部に配置される。円環部961cには、後述する連結部材964が連結される。これにより、軸部961bが、本体部961aに対して変位されると、その変位が円環部961cから連結部材964に伝達され連結部材964を変位させることができる。
コイルばねSP1は、螺旋状に複数回巻いたバネ部材である。コイルばねSP1は、軸部961bの周囲に配設されると共に、円環部961cと本体部961aとの対向間に少し圧縮された状態で配設される。これにより、円環部961cを本体部961aから離間する方向に付勢できる。従って、本体部961aに電力が付与(供給)されていない状態では、円環部961cを本体部961aから離間させた状態に維持できる。また、本体部961aに電力が付与(供給)された後、電力の付与(供給)が遮断された際には、円環部961cを本体部961aから素早く離間させることができる。
連結部材964は、無色透明の樹脂材料から形成される。連結部材964は、ソレノイド610の円環部961cの軸と直交する平面と平行な板状体に形成されるベース部964aと、そのベース部964aの重力方向他側から背面ベース941側(図85参照)側に屈曲する立設部964bとを備えて形成される。
ベース部964aは、ソレノイド610の円環部961cと連結される部分であり、重力方向一側(図93(b)紙面奥側)の端面から円環部961cの直径よりも大きい寸法で凹設される第1凹設部964cと、その第1凹設部964cのソレノイド610側に位置し軸部961bの直径よりも大きい寸法で凹設される第2凹設部964dとを備える。
第1凹設部964cは、ソレノイド610の円環部961cを挿入する溝であり、断面視において重力方向一側が開放する略U字状に形成される。また、第1凹設部964cは、その溝幅が円環部961cの板厚よりも大きく設定れる。これにより、第1凹設部964cに円環部961cを挿入できる。
第2凹設部964dは、上述したように円環部961cを第1凹設部964cの内側に配設した場合に、軸部961bとベース部964aとが干渉することを抑制する切欠きであり、背面視において下側が開放する略U字状に形成されると共に、第1凹設部964c側からソレノイド610側に開口して形成される。
立設部964bは、重力方向に貫通する挿通孔964eを備え、その挿通孔964eの内部に後述する伝達部材965の突出部965dが挿入される。これにより、連結部材964がソレノイド610の変位により動作されると、挿通孔964eの内縁に突出部965dが当接して伝達部材965が変位される。なお、伝達部材965の変位についての詳しい説明は後述する。
伝達部材965は、側面視において屈曲して形成され、ソレノイド610の軸部961bの変位方向に延設される先端部965aと、その先端部965aと連なると共に連結部材964側に延設される回転部965bとから形成される。
回転部965bは、第2収容部963の短手方向(図93(b)上下方向)における幅寸法が、第2収容部963に一対形成される軸受部963dの対向間の寸法よりも小さく形成される。また、回転部965bは、964側の端部に第2収容部963の短手方向(図93(b)上下方向)両側に円柱状に突出する回転軸965cと、その回転軸965cの径方向であって重力方向一端側に突出する突出部965dとを備える。
回転軸965cは、上述したように、軸受部963dの溝幅よりも小さい外径に形成される。また、一対の回転軸965cは、突出先端同士の離間距離が、第2収容部963に一対形成される軸受部963dの対向間の距離寸法よりも大きく設定される。これにより、一対の回転軸965cを軸受部963dの内側に挿入して配設できる。従って、回転軸965cを軸受部963dに挿入すると共に第2収容部963と第1収容部962とを締結することで、伝達部材965を回転軸965cを軸に回転可能な状態で支持できる。
突出部965dは、上述したように、連結部材964の挿通孔964eに挿入される突起であり、上面視においてその外形が挿通孔964eの内縁形状よりも小さく設定される。また、突出部965dは、ソレノイド610の軸部961bが変位される(本体部961aに電力が付与(供給)される)前の状態において、ソレノイド610の軸部961bの変位方向の幅寸法が、挿通孔964eの幅寸法よりも十分に大きく設定される(本実施形態では、挿通孔964eの幅寸法が突出部965dの幅寸法の2倍に設定される)。これにより、伝達部材965が、回転軸965cを軸に回転変位された場合に、軸部961bの変位方向両端面の突出部965dと挿通孔964eとが当接して伝達部材965の回転が規制されることを抑制できる。
先端部965aは、ソレノイド610から離間するに従って回転軸965cの軸方向における幅寸法が小さく形成される。また、先端部965aは、その先端に上述した変位部材966の連結孔966b1に挿入される挿入部965eと、回転部965bとの連結側から重力方向一側に突設される立設部965fとを備えて形成される。
挿入部965eは、正面視における外形が変位部材966の連結孔966b1の内縁形状よりも小さく形成されており、連結孔966b1の内側に挿通して配設される。これにより、伝達部材965が回転変位されると、挿入部965eと連結孔966b1とが当接して変位部材966が変位される。なお、伝達部材965と変位部材966との変位についての詳しい説明は後述する。
次いで、図96を参照して、駆動ユニット960の変位動作について説明する。図96(a)及び図96(b)は、図93(b)のXCVI−XCVI線における駆動ユニット960の断面図である。なお、図96(a)では、ソレノイド610の動作前の状態が図示され、図96(b)では、ソレノイド610の動作後の状態が図示される。また、図96(a)及び図96(b)では、伝達部材965の回転軸965cの外形が鎖線で図示される。
図96(a)に示すように、ソレノイド610の本体部961aに電力が付与(供給)されていない状態では、本体部961aと円環部961cとの間に配設されるコイルばねSP1の付勢力により円環部961cが本体部961aから離間する状態とされる。これにより、円環部961cに連結される連結部材964が本体部961aから離間する方向(図96(a)左側)に押し出された状態とされる。
連結部材964が本体部961aから離間する方向に押し出されると、伝達部材965の突出部965dのソレノイド610側(図96(a)右側)の面と、連結部材964の挿通孔964eのソレノイド610側の内面とが当接した状態とされる。これにより、伝達部材965の先端部965aが回転軸965cを軸に重力方向一側(図96(a)下側)に押し下げられた状態とされる。また、伝達部材965の先端部965aの重力方向一側への変位は、当接部965gが第2収容部963と当接して規制される。
図96(b)に示すように、ソレノイド610の本体部961aに電力が付与(供給)された状態では、本体部961aに発生する磁力により、軸部961bが本体部961aの内部に引き込まれ円環部961cと本体部961aとが(本体部961aに電力が付与(供給)されていない状態よりも)近接される。これにより、円環部961cに連結される連結部材964が本体部961aに近接する方向(図96(a)右側)に変位された状態とされる。
連結部材964が本体部961aに近接する方向に変位されると、伝達部材965の突出部965dのソレノイド610と反対側(図96(b)左側)の面と、連結部材964の挿通孔964eのソレノイド610側と反対側(図96(b)左側)の内面とが当接した状態とされる。これにより、伝達部材965の先端部965aが回転軸965cを軸に重力方向他側(図96(b)上側)に押し上げられた状態とされる。また、伝達部材965の先端部965aの重力方向他側への変位は、伝達部材965の先端部965aと回転部965bとの連結部分が第1収容部962と当接して規制される。
従って、伝達部材965の先端部965aが重力方向他側または重力方向一側のどちらか一方に変位されることで、伝達部材965を第1収容部962または第2収容部963のどちらか一方に当接させることができる。これにより、遊技者の不正行為を抑制することができる。
例えば、遊技者が、遊技者側(遊技領域側)からソレノイド610に伝達部材965及び第1収容部962又は第2収容部963の隙間にピアノ線等を挿通した場合に、そのピアノ線の太さの分、伝達部材965の変位距離を少なくすることができる。従って、伝達部材965により変位される羽部材945の変位動作に異常が出るため、店舗の運営者にその不正を発見させやすくできる。
また、上述したように、伝達部材965は、回転軸965cから延設されると共に変位部材966に連結される先端部965a及び回転部965bと、回転軸965cから延設されると共にソレノイド610に連結される突出部965dとを備え、先端部965a及び回転部965bが、回転軸965cの軸方向視において略くの字状に屈曲して形成されるので、変位部材966の変位量を確保しつつ、ソレノイド610と変位部材966の間の距離を抑制できる。
即ち、先端部965aと回転部965bとを回転軸965cの軸方向視において直線状に形成し、且つ、先端部965aと回転部965bとの長さ寸法距離を、本実施形態の先端部965aと回転部965bとを合わせた距離と略同等に設定した場合には、変位部材966のスライド変位量を本実施形態と同等にできるが、ソレノイド610と変位部材966との間の距離が嵩み、全体が大型化する。
一方、先端部965aと回転部965bとを回転軸965cの軸方向視において直線状に形成、且つ、先端部965aと回転部965bとの長さ寸法距離を、本実施形態の挿入部965eから回転軸965cまでの距離寸法と略同一に設定した(先端部965aと回転部965bとの距離を短くした)場合には、ソレノイド610と変位部材966との間の距離を本実施形態と同等とできるが、変位部材966の変位量が小さくなる。
これに対し、本実施形態によれば、先端部965aと回転部965bとが、回転軸965cの軸方向視において略くの字状に屈曲して形成されることで、変位部材966のスライド変位量を確保しつつ、ソレノイド610と変位部材966との間の距離を抑制できる。 また、突出部965dは、変位部材966と反対側となる先端部965a及び回転部965bの背面側(図96(a)右側)に形成される。これにより、先端部965a及び回転部965bを屈曲させることで生じたスペースを有効に活用して、伝達部材965を小型化できる。即ち、正面ユニット940の転動部943a(後述する送球ユニット970)及び特定入賞口ユニット950の通路部材955との間のスペースに伝達部材965を効率的に配設して、全体としての小型化を図ることができる。
次いで、図97及び図98を参照して、駆動ユニット960と変位部材966との連結について詳しく説明する。図97は、図83のXCVII−XCVII線における入賞口ユニット930の断面図である。図98(a)及び図98(b)は、図97のXCVIII−XCVIII線における入賞口ユニット930の断面図である。なお、図98(a)では、ソレノイド610の動作前の状態が図示され、図98(b)では、ソレノイド610の動作後の状態が図示される。
図97及び図98に示すように、駆動ユニット960と正面ユニット940とが組み上げられた状態では、伝達部材965の先端部965aが変位部材966の連結孔966b1に挿入される。
従って、上述したように、駆動ユニット960のソレノイド610が駆動されて、伝達部材965の先端部965aが重力方向他側(図98(a)上方)に変位されると、図98(a)及び図98(b)に示すように、挿入部965eの膨出部965e1と変位部材966の連結孔966b1の一側被当接部966b2とが当接して変位部材966が重力方向他側にスライド変位される。
上述したように、変位部材966が重力方向他側(第2入賞口140側)にスライド変位されると、羽部材945の突起945bが変位されて、羽部材945が開放状態とされる。即ち、ソレノイド610の本体部961aに電力を付与することで、羽部材945が開放状態とされる。
一方、ソレノイド610の本体部961aへの電力の付与(供給)が遮断されると、上述したようにソレノイド610に配設したコイルばねSP1の付勢力により伝達部材965の先端部965aが重力方向一側(図98(a)下側)に変位される。これにより、図98(a)に示すように、膨出部965e1の反対面と変位部材966の連結孔966b1の他側被当接部966b3とが当接して変位部材966が重力方向一側にスライド変位される。
上述したように、変位部材966が重力方向一側(特定入賞口65a側)にスライド変位されると、羽部材945の突起945bが変位されて、羽部材945が閉鎖状態とされる。即ち、ソレノイド610の本体部961aへの電力の付与(供給)を遮断することで、羽部材945が閉鎖状態とされる。
この場合、本体部961aへの電力の付与(供給)を遮断した状態で、羽部材945を閉鎖状態とできるので、本体部961aの配線が断線した場合や遊技者の不正行為により本体部961aの配線が切断された場合に、羽部材945が開放状態となり第2入賞口140に遊技球が流入しやすい状態とされることを抑制できる。
また、伝達部材965の回転変位は、変位部材966の短手方向略中間位置に形成される連結孔966b1により変位部材966に伝達される。これにより、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材の姿勢変化を許容しやすくできる。よって、伝達部材の回転に伴い、変位部材966をスムーズにスライド変位させることができる。その結果、羽部材945を確実に開放または閉鎖させることができる。
即ち、伝達部材965の回転に伴って、変位部材966をスライド変位させ、一対の羽部材945を開放または閉鎖させる動作中に、一対の羽部材945の内の一方のみに遊技球からの負荷が作用されると、変位部材966の姿勢が変化されるところ、変位部材966が、一対の羽部材945に対して2カ所で連結されると共に、伝達部材965に対しても2カ所で連結されていると、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材966の姿勢の変化が許容され難く、変位部材966をスライド変位させる(即ち、伝達部材965を回転させる)際の抵抗が発生して、羽部材の開放または閉鎖が阻害される。これに対し、本発明によれば、変位部材966が、一対の羽部材945に対して2カ所で連結されると共に、伝達部材965に対して1カ所で連結されているので、一対の羽部材945のうちの一方のみに遊技球からの負荷が作用されても、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材966の姿勢変化を許容しやすくできる。
さらに、挿入部965eの一側被当接部966b2及び他側被当接部966b3との当接面の幅寸法D1(図98(a)参照)は、突起945bの最大外形寸法D2(図98(a)参照)の3倍よりも小さく設定される。これにより、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材966の姿勢変化を許容しやすくできる。即ち、挿入部965eの幅寸法D1が大きく設定されると、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材966の姿勢変化をした場合に、挿入部965eと連結孔966b1との当接しやすくなり、変位部材966の姿勢変化が規制されるところ、かかる挿入部965eの幅寸法D1を、突起945bの最大外形寸法D2の3倍よりも小さく設定することで、変位部材966の姿勢変化が規制されることを抑制できる。その結果、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材966の姿勢変化を許容しやすくできる。
なお、挿入部965eの幅寸法D1は、突起945bの最大外形寸法D2の2倍よりも小さく設定されることが好ましい。これによれば、変位部材966の姿勢が変化した場合に、挿入部965eと連結孔966b1とが当接することを抑制しやすくできる。その結果、一対の羽部材945と伝達部材965との間での変位部材966の姿勢変化を許容しやすくできる。
次いで、図99から図101を参照して特定入賞口ユニット950について説明する。図99(a)は、特定入賞口ユニット950の正面図であり、図99(b)は、特定入賞口ユニット950の背面図であり、図99(c)は、特定入賞口ユニット950の上面図である。図100は、特定入賞口ユニット950の分解斜視正面図であり、図101は、特定入賞口ユニット950の分解斜視背面図である。
図99から図101に示すように、特定入賞口ユニット950は、遊技者側(図99紙面手前側)が開放する箱状体に形成される入球部材953と、その入球部材953の開放部分を覆う状態に配設される板部材951と、入球部材953を挟んで板部材951の反対側に配設される通路部材955と、板部材951を動作させる駆動ユニット957とを備えて形成される。
板部材951は、有色半透明の樹脂材料から形成され、板部材951を介して入球部材953側を流下する遊技球を遊技者に視認させることができる。板部材951は、正面視横長矩形の板状体に形成される本体部951aと、その本体部951aの長手方向両外側に円筒状に凹設される軸孔951bと、本体部951aの長手方向の一方の端部から入球部材953側に突出する突起951cと、本体部951aの長手方向の他方の端部から入球部材953側に突出する係合部951dとを備えて形成される。
本体部951aは、正面視において後述する入球部材953の開放側を覆設する大きさに形成されると共に、上述した正面ユニット940の特定入賞口65aの内縁形状よりも若干小さい形状とされる。
軸孔951bは、本体部951aの重力方向一側(重力方向下側)に形成されると共に、長手方向の両端のそれぞれが同軸上に設定される。また、軸孔951bは、後述する棒部材952の外径よりも若干大きい内径に形成され、内側に棒部材952を挿入可能とされる。よって、棒部材952を軸孔951bに挿入した状態で入球部材953に支持させることで、板部材951を入球部材953に対して軸支できる。
突起951cは、本体部951aの長手方向の一方側に突出して形成される。これにより、板部材951が後述する駆動ユニット957の駆動により軸孔951bを軸に回転変位され、板部材951の重力方向他側が遊技領域側に傾斜する状態とされた場合に、本体部951aに流下した遊技球が本体部951aの長手方向の一方側からから落下することを抑制できる。
係合部951dは、突出先端に部分的に凹設される凹設部951d1を備える。凹設部951d1は、その内側に後述する伝達部材958の先端部958cが連結され、駆動ユニット957の動作が伝達される。また、係合部951dは、板部材951が軸孔951bを軸に回転変位された場合に、その一部が流下領域側に突出することで、本体部951aに流下した遊技球が本体部951aの長手方向の他方側から落下することを抑制できる。
入球部材953は、無色透明の樹脂材料から形成される。入球部材953は、正面視横長矩形の箱形状に形成される本体部953aと、その本体部953aの開放側と反対側の面に立設される立設壁953bと、本体部953aの開放側と反対側の面に突設される係合部953fと、本体部953aの開放側と反対側の面に円環形状に突設される円環突起953cと、本体部953aの開放側の縁部の長手方向両外側から板部材951側に突設される壁部953dと、本体部953aの長手方向の他方側に通路部材955側から板部材951側に貫通する挿通孔953eと、本体部953aの長手方向両端側から突設される突設部953gと、本体部953aの開放側縁部から板部材951側に突出する突起953hと、本体部953aの底面に貫通形成される2箇所の流入口953jとを備えて形成される。
本体部953aは、箱形状の内側部分に遊技球を挿通可能な大きさに形成され、板部材951側に開口する開口953a1と、その開口953a1から流入される遊技球を転動させる転動面953a2とを備えて形成される。また、本体部953aの正面視における外形形状は、上述した正面ユニット940の立設部942fの内縁形状よりも若干小さく形成される。これにより、本体部953a(入球部材953)を立設部942fの内側に挿入して正面ユニット940と締結固定できる。なお、本体部953aの内側形状についての詳しい説明は後述する。
また、本体部953aの長手方向寸法は、上述した一対の羽部材945の対向方向外側の離間距離よりも大きく設定される。これにより、遊技領域を流下する遊技球が一対の羽部材945の外周面に衝突した場合であっても、遊技球を特定入賞口65aを介して本体部953aに流入させることができる。
開口953a1は、内縁の形状が遊技球の直径よりも大きく形成されており、板部材951が開放状態とされる場合に、遊技球を開口953a1を介して本体部953aの内側に流入させることができる。
転動面953a2は、本体部953aの重力方向下側の内縁であり、上面視において矩形状に形成される。また、背面側(通路部材955側)から正面側(板部材951側)の方向(短手方向)における寸法が遊技球の直径よりも大きく形成される。よって、開口953a1から本体部953aの内側に送球される遊技球を、転動面953a2で転動させることができる。
立設壁953bは、本体部953aの開放側と反対側に配設される検出装置SE1を保持する壁であり、背面視略横長矩形に形成される検出装置SE1の3方向の外周面を囲う大きさに形成される。
係合部953fは、立設壁953bにより囲われた3方向以外の検出装置SE1の外周面に沿って形成される。これにより、検出装置SE1を立設壁953b及び係合部953fにより囲われた部分の内側に配設できる。また、係合部953fは、基端側から検出装置SE1の厚み分の距離を隔てた先端部分が立設壁953b側に屈曲される。よって、検出装置SE1と係合部953fとが係合して、本体部953aに配設した検出装置SE1が脱落することを抑制できる。
なお、検出装置SE1は、遊技球の通過を検知する装置であり、その厚み方向に遊技球よりも若干大きい内径の検出孔SE1aが貫通形成される。検出孔SE1aは、背面視横長矩形の状態で配設される検出装置SE1の長手方向のどちらか一方または他方に偏って形成されており、検出孔SE1aが形成されていない長手方向のどちらか他方または一方に検出装置SE1を制御する検出基板SE1bが配設される。また、検出孔SE1aは、後述する流入口953jと対応する位置に配置されており、流入口953jに流入する遊技球を通過させることができる。
円環突起953cは、本体部953aの開放側と反対側に円環状に複数箇所から突出して形成され、その内縁部分に通路部材955と入球部材953と締結固定するネジが螺合される。
壁部953dは、本体部953aの長手方向両外側に一対形成されており、その対向間における距離寸法が、板部材951の長手方向寸法よりも短く形成される。これにより、一対の壁部953dの対向間に板部材951を配設できる。
また、壁部953dには、本体部953aの長手方向(図99(a)左右方向)に円形状に貫通する軸孔953d1が形成される。軸孔953d1は、板部材951の軸孔951bの内径と略同一の大きさに形成される。よって、一対の壁部953dの対向間に板部材951を配置した後に、板部材951の長手方向両外側から、棒部材952を軸孔953d1及び軸孔951bに挿入することで、板部材951を入球部材953に軸支できる。
さらに、壁部953dは、上述した正面ユニット940の背面ベース941に形成される凹部941hの凹設距離よりも小さい突出寸法に形成される。従って、正面ユニット940及び特定入賞口ユニット950を組み合わせた状態とすることで、凹部941hの内側に壁部953dを収容できる。これにより、軸孔953d1及び軸孔951bに挿入した棒部材952が抜け出ることを抑制できる。
挿通孔953eは、後述する通路部材955に配設される伝達部材965の一部を板部材951側に挿通させる孔であり、通路部材955に配設される伝達部材965と対応する位置に形成される。
突設部953gは、正面ユニット940の連結突起942jの軸上に突出形成される。また、正面ユニット940と特定入賞口ユニット950とが組み合わされた状態において、連結突起942jの内円942j1と突設部953gに貫通形成される挿通孔953g1とが同軸上に配置されると共に、突設部953gと連結突起942jとが当接される。これにより、特定入賞口ユニット950側から挿通孔953g1に挿通したねじを、内円942j1に螺合することで、特定入賞口ユニット950と正面ユニット940とを締結固定できる。
突起953hは、板部材951側に突出して形成される。これにより、後述する駆動ユニット957により板部材951が変位される際に、板部材951と本体部953aの縁部との間に遊技球が挟まり難くできる。
また、突起953hは、板部材951の突起951c及び係合部951dの板部材951の長手方向(図99(a)左右方向)において略同一の位置に形成される。これにより、突起953hの突出側に遊技球を転動し難くできる。その結果、板部材951が変位される際に、板部材951と突起951cとの間に遊技球が挟まり難くできる。
流入口953jは、板部材951側から通路部材955側に、遊技球の直径よりも大きい内縁形状に開口して形成される。流入口953jは、本体部953aの内側に流入した遊技球を通路部材955に送球する孔であり、本体部953aの長手方向に一対形成される。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口とその入球口を開閉する開閉部材と、入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材とを備えた遊技機が知られている。入球口は、複数の遊技球が同時に入球可能な大きさに形成され、入球口に入球された遊技球は、転動面を転動することで通路部材に集められ、通路部材へ一球ずつ流入される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、入球口を大型化すると、その分入球口の端部から通路部材までの遊技球の転動距離(転動面の長さ)が長くなる。そのため、通路部材へ到着するまでに時間を要し、開閉部材により入球口を閉鎖するまでに別の遊技球が入球口から入球されることで、オーバー入賞が生じ易いという問題があった。
これに対して、本実施形態では、流入口953jが、所定の間隔を隔てて一対(2箇所に)形成されるので、本体部953aの開口953a1を大型化した場合でも、流入口953jまでの遊技球の転動距離(転動面の長さ)の長さを短くできる。よって、その分、流入口953jへ到達するまでの時間を短くして、流入口953jへ短時間で流入させることができる。その結果、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
さらに、入球部材953への遊技球の流入を検出する検出装置SE1は、流入口953jと後述する通路部材955の凹設部955aとの連結部分に配設される。これにより、本体部953aの開口953a1に入球した遊技球をより短時間で検知できる。よって、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制でき、オーバー入賞を抑制できる。
また、流入口953jは、正面ユニット940及び特定入賞口ユニット950が締結された状態において、閉鎖状態の一対の羽部材945と重力方向に重ならない位置に形成される。即ち、一対の流入口953jの間に閉鎖状態の一対の羽部材945が配置される。
ここで、上述したように、特定入賞口ユニット950は、第2入賞口140(一対の羽部材945)の重力方向下側に配設される。また、一対の羽部材945は、遊技領域に配設されるので、遊技領域を流下する遊技球が一対の羽部材945の重力方向下側に流下し難い。従って、特定入賞口ユニット950の入球部材953に流入する遊技球の流入位置に偏りが生じる。本実施形態では、上述したように、流入口953jが閉鎖状態の一対の羽部材945と重力方向に重ならない位置に形成されるので、入球部材953に流入する遊技球の流入が多い位置に流入口953jを近づけることができる。これにより、入球部材953に流入する遊技球を短時間で流入口953jに流入させることができる。その結果、入球部材953への遊技球のオーバー入賞を抑制できる。
通路部材955は、無色透明な樹脂材料から形成され、その正面視における外形が、上述した入球部材953の正面視における外形と略同一の形状に形成される。また、通路部材955は、各検出装置SE1の検出孔SE1aと対向する位置に凹設される一対の凹設部955aと、長手方向の他方側に位置し駆動ユニット957側から入球部材953側に貫通形成される第2開口955bと、長手方向両端に駆動ユニット957側から入球部材953側に貫通形成される一対の第3開口955cと、その第3開口955cの重力方向他側に凹設される転動部955dと、一対の凹設部955aの間に位置し駆動ユニット957側から凹設される第2凹設部955fとを備えて形成される。
凹設部955aは、検出孔SE1aを挿通する遊技球を案内する通路であり、通路部材955の長手方向の凹設寸法および駆動ユニット957側の凹設寸法が、遊技球の直径よりも大きく設定される。
第2開口955bは、後述する駆動ユニット957の連結部材957c及び伝達部材958が配設される空間である。また、第2開口955bの内周面には、通路部材955の長手方向に円柱状に突出する軸部955b1(図102(a)参照)が形成される。軸部955b1は、伝達部材958の軸孔958bの内径よりも小さい外径に形成されており、軸孔958bに軸部955b1を挿通することで、伝達部材958を軸支できる。
第3開口955cは、内部に検出孔SE1aの挿通方向が重力方向と平行に配置された検出装置SE2を配設する空間であり、正面視における検出装置SE2の外形形状と略同一に設定される。これにより、第3開口955cの内側に検出装置SE2を配設できる。また、検出装置SE2は、第3開口955cの内部に配設された状態において、検出孔SE1が入球部材953側に突出される。
また、第3開口955cの縁部には、係合部955eが駆動ユニット957側に突出する。係合部955eは、その突出先端が第3開口955cの内側に屈曲される。第3開口955cに検出装置SE2が配設されると、係合部955eの屈曲部分が検出装置SE2の検出基板SE1b側に係合される。これにより、第3開口955cの内側に挿入された検出装置SE2が駆動ユニット957側に抜け出ることを抑制できる。
転動部955dは、円弧状に湾曲して形成される。また、転動部955dは、正面ユニット940及び特定入賞口ユニット950とが組み合わされた状態において、板部材951側の端部が、正面ユニット940の第3送球部942eに連結される。これにより、正面ユニット940の第2アウト口941fに流入する遊技球を特定入賞口ユニット950の転動部955dに送球できる。
また、転動部955dの他端側は、第3開口955cに配設される検出装置SE2の検出孔SE1aの重力方向他側に位置される。これにより、転動部955dを転動する遊技球をその他端側から落下させて検出装置SE2の検出孔SE1aに挿通させることができる。これにより、第2アウト口941fに流入した遊技球の球数を検出装置SE2より計測できる。
第2凹設部955fは、上述したように遊技球の通路となる一対の凹設部955aの間に形成される。第2凹設部955fは、上述した駆動ユニット960が配設される窪みであり、通路部材955の長手方向(図99(c)左右方向)における距離寸法が、上述した駆動ユニット960の第2収容部963の短手方向(図93(b)上下方向)の距離寸法よりも大きく設定される。
第2凹設部955fには、通路部材955の長手方向中間位置に貫通形成される挿通孔955hと、駆動ユニット957側に突出する突起955gとが形成される。挿通孔955hは、入球部材953及び通路部材955を締結するネジを挿通する孔であり、ネジの先端の外径よりも大きい内径に形成される。
突起955gは、円柱状に形成されると共に、中心に締結孔955g1が円形に凹設される。締結孔955g1は、駆動ユニット960と通路部材955(特定入賞口ユニット950)とを締結するネジを螺合させる孔であり、駆動ユニット960の第2収容部963に形成される長孔963fと対向する位置に形成される。これにより、駆動ユニット960と通路部材955(特定入賞口ユニット950)とを締結固定できる。
駆動ユニット957は、ソレノイド957aと、そのソレノイド957aを覆うケース部材957bと、ソレノイド957aの変位部分に配設される連結部材957cとを備えて形成される。
ソレノイド957aは、直方体に形成される本体部957a1と、その本体部957a1の内側に挿入されると共に本体部957a1に対して変位可能な軸部957a2と、その軸部957a2の本体部957a1と反対側の端部に配設される円環部957a3と、円環部957a3と本体部957a1との間に配設されるコイルばねSP2とを備える。
本体部957a1は、電力が付与(供給)されることで、磁性を発生させるコイル部分であり、その磁性により本体部957a1に挿入される軸部957a2を本体部957a1の内側に引き寄せて挿入可能とされる。
軸部957a2は、磁性を有する金属材料から形成されると共に、円柱状に形成される。軸部957a2は、軸方向が通路部材955に向かう方向に配置されると共に、背面ベース941側の一部が本体部957a1から突出した状態で配置される。
円環部957a3は、本体部957a1から突出した軸部957a2の端部に配置される。円環部957a3には、後述する連結部材957cが連結される。これにより、軸部957a2が、本体部957a1に対して変位されると、その変位が円環部957a3から連結部材957cに伝達され連結部材957cを変位させることができる。
コイルばねSP2は、螺旋状に複数回巻いたバネ部材である。コイルばねSP2は、軸部957a2の周囲に配設されると共に、円環部957a3と本体部957a1との対向間に少し圧縮された状態で配設される。これにより、円環部957a3を本体部957a1から離間する方向に付勢できる。従って、本体部957a1に電力が付与(供給)されていない状態では、円環部957a3を本体部957a1から離間させた状態に維持できる。また、本体部957a1に電力が付与(供給)された後、電力の付与(供給)が遮断された際には、円環部957a3を本体部957a1から素早く離間させることができる。
ケース部材957bは、ソレノイド957aの本体部957a1を覆設する箱状体に形成され、軸部957a2が挿入される側の一面が開放される。また、ケース部材957bは、軸部957a2の軸方向に貫通する挿通孔957b1と、開放側と反対側に貫通形成される開口957b2とを備えて形成される。
挿通孔957b1は、通路部材955とケース部材957b(駆動ユニット957)とを締結するネジを挿通するネジ穴であり、ネジの先端部の外形よりも大きく形成される。また、挿通孔957b1を挿通されたネジは、通路部材955に螺合される。
開口957b2は、軸部957a2の反対側に形成される。これにより、本体部957a1に配線HS1(図105参照)を開口957b2を介して連結できる。
連結部材957cは、無色透明の樹脂材料から形成される。連結部材957cは、ソレノイド957aの円環部957a3の軸と直交する平面と平行な板状体に形成される。連結部材957cは、重力方向一側(図99(b)下側)の端面から円環部957a3の直径よりも大きい寸法で凹設される第1凹設部957c1と、その第1凹設部957c1のソレノイド957a側に位置し軸部957a2の直径よりも大きい寸法に凹設される第2凹設部957c2と、入球部材953側に突出する係合部957c3とを備える。
第1凹設部957c1は、ソレノイド957aの円環部957a3を挿入する溝であり、断面視において重力方向一側が開放する略U字状に形成される。また、第1凹設部957c1は、その溝幅が、円環部957a3の板厚よりも大きく設定される。これにより、第1凹設部957c1に円環部957a3を挿入できる。
第2凹設部957c2は、上述したように円環部957a3を第1凹設部957c1の内側に配設した場合に、軸部957a2と連結部材957cとが干渉することを抑制する切欠きであり、背面視において重力方向一側が開放する略U字状に形成されると共に、第1凹設部957c1側からソレノイド957a側に開口して形成される。
係合部957c3は、側面視略L字に屈曲して形成される。係合部957c3は、屈曲部分の内側に後述する伝達部材958の連結部958aが配設される。これにより、連結部材957cが、ソレノイド957aの変位により動作されると、係合部957c3の内縁に連結部958aが当接して伝達部材958が変位される。なお、伝達部材958の変位についての詳しい説明は後述する。
伝達部材958は、側面視略三角形の板状体に形成される。伝達部材958は、板厚方向に円形状に貫通する軸孔958bと、連結部材957c側の端部から板厚方向に円柱状に突出する連結部958aと、板部材951側に突出する先端部958cとを備えて形成される。
軸孔958bは、上述したように、軸部955b1(図102(a)参照)が挿入される貫通孔である。また、軸孔958bは、その内径が軸部955b1の外径よりも若干大きく形成される。これにより、伝達部材958が通路部材955に回転可能な状態で軸支される。
連結部958aは、上述したように、係合部957c3の屈曲部分の内側に配設される。これにより、連結部材957cが、ソレノイド957aの変位により動作されると、係合部957c3の内縁に連結部958aが当接して伝達部材958が軸孔958bを軸に回転変位される。
先端部958cは、板部材951の凹設部951d1に挿入して配設される。従って、ソレノイド957aが動作されて、伝達部材958が軸孔958bの軸を中心に回転された場合に、先端部958cが変位することで、係合部951d押し上げることができる。これにより、板部材951を回転させることができる。
次いで、図102及び図103を参照して、板部材951の変位について説明する。図102(a)及び図102(b)は、図99(c)のCII−CII線における特定入賞口ユニット950の断面図である。図103(a)及び図103(b)は、特定入賞口ユニット950の斜視正面図である。
なお、図102(a)及び図103(a)では、板部材951の閉鎖状態が図示され、図103(a)及び図103(b)では、板部材951の開放状態が図示される。また、板部材951の閉鎖状態とは、本体部951aが入球部材953の本体部953aの開口部分を覆う状態であり、板部材951の開放状態は、本体部951aが入球部材953の本体部953aの開口から離間した状態である。
図102(a)及び図103(a)に示すように、ソレノイド957aの本体部957a1への電力の付与(供給)が遮断された状態では、コイルばねSP2の付勢力により軸部957a2が板部材951側(図102(a)左側)に突出した状態とされる。これにより、軸部957a2(円環部957a3)に配設される連結部材957cも同様に、本体部957a1側から離間する板部材951側に配置される。
この場合、上述したように、伝達部材958の連結部958a(図101参照)は、連結部材957cの係合部957c3の内側に配置されるので、連結部958aが板部材951側に押し出される。これにより、伝達部材958の先端部958cには、軸孔958bを中心に重力方向一側(図102(a)下側)に回転する方向に力が伝達される。
先端部958cが重力方向一側に押し下げられると、先端部958cと凹設部951d1とが当接して、板部材951の本体部951aが入球部材953の本体部953aの開口953a1側に近づく方向に回転される。これにより、板部材951を閉鎖状態に維持することができる。
また、板部材951が閉鎖状態とされる場合には、連結部材957cの板部材951側の面と、伝達部材958のソレノイド957a側の面とが、当接した状態とされる。これにより、遊技者が不正操作をして板部材951側を無理に開放状態とする場合には、連結部材957cの板部材951側の面を、伝達部材958のソレノイド957a側の面で押し出すことができるので、連結部958a又は係合部957c3に不正操作の力がかかることを抑制できる。その結果、連結部958a又は係合部957c3が破損することを抑制できる。
図102(b)及び図103(b)に示すように、ソレノイド957aの本体部957a1に電力が付与(供給)された状態では、軸部957a2が本体部957a1の内側に引き込まれ(吸着され)た状態とされる。これにより、軸部957a2(円環部957a3)に配設される連結部材957cも同様に、本体部957a1側に配置される。
この場合、上述したように、伝達部材958の連結部958a(図101参照)は、連結部材957cの係合部957c3の内側に配置されるので、連結部材957cの変位に伴って本体部958a1側(図102(b)右側)に変位される。これにより、伝達部材965には、先端部958cを軸孔958bを中心に重力方向他側(図102(b)上側)に回転する方向の力が伝達される。
先端部958cが、重力方向他側に押し上げられると、先端部958cと凹設部951d1とが当接して、板部材951の本体部951aが、入球部材953の本体部953aの開口側から離間する方向に回転される。これにより、板部材951を開放状態にできる。
また、板部材951が閉鎖状態から開放状態に変位される場合には、板部材951の自重を利用して板部材951を開放方向に変位させることができるので、連結部958a又は係合部957c3に力がかかることを抑制できる。その結果、連結部958a又は係合部957c3が破損することを抑制できる。
次いで、図104を参照して、入球部材953の本体部953aの内側部分について説明する。図104(a)は、特定入賞口ユニット950の正面図であり、図104(b)は、図104(a)のCIVb−CIVb線における特定入賞口ユニット950の断面図である。なお、図104(a)では、板部材951が取り外された状態が図示され、図104(b)では、板部材951が取り付けられた状態が図示される。また、図104(a)及び図104(b)では、板部材951の閉鎖状態が図示される。
図104に示すように、本体部953aの内側には、本体部953aの長手方向(図104(a)左右方向)中間位置から外側に向かって重力方向一側に傾斜する傾斜面954aと、その傾斜面954aの端部に凹設される凹部954bと、傾斜面954a及び凹部954bの連結部分に突設される突設部954cと、長手方向の両端の各面および通路部材955側の面に連なって立設される立設壁954dとを備えて形成される。
傾斜面954aは、一対の流入口953jの対向間に流入する遊技球を流入口953j側に転動させる遊技球の転動面であり、流入口953j側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、流入口953jの対向間に流入する遊技球を流入口953jへ流入口に転動させることができる。
凹部954bは、流入口953jの前方(図104(b)下方)に位置し、重力方向一側(重力方向下側)に向かって凹設される。また、凹部954bは、凹設先端面が流入口953jに向かって下降傾斜して形成されており、本体部953aの転動面953a2を転動する遊技球を受け入れて流入口953j(通路部材955の凹設部955a)に案内することができる。よって、本体部953aの開口953a1から入球した遊技球を通路部材955の凹設部955aへ短時間で流入させることができ、その結果、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
また、凹部954bは、転動面953a2の長手方向に略直交する方向(図104(b)上下方向)に直線状に延設される。これにより、転動面953a2をその転動面953a2の長手方向(図104(b)左右方向)に転動する遊技球を凹部954bに受け入れやすくできると共に、受け入れた遊技球を通路部材955へ短時間で案内する(流入させる)ことができる。その結果、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
さらに、凹部954bは、転動面953a2の長手方向における幅寸法L9(図104(b)参照)が遊技球の直径と略同一に設定される。これにより、凹部954bに複数の遊技球が受け入れられる場合に、それら各遊技球を整列させた状態で通路部材955へ速やかに流入させることができる。その結果、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
また、凹部954bは、通路部材955側から開口953a1側(板部材951側)に向かって転動面953a2の長手方向における幅寸法が小さくされる。これにより、転動面953a2をその転動面953a2の長手方向に転動する遊技球が凹部954bに受け入れられた場合に、遊技球を通路部材955側に流れやすくできる。その結果、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
第2傾斜面954eは、上述した傾斜面954aに対して転動面953a2の長手方向に凹部954bを挟んで反対側に形成されると共に、流入口953j(通路部材955)に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2傾斜面954e側に入球した遊技球を、第2傾斜面954eの下降傾斜を利用して、流入口953jの手前に転動させ、通路部材955へ向けて速やかに転動させることができる。その結果、板部材951により開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
立設壁954dは、第2傾斜面954eと所定の距離離間する位置に形成されると共に、第2傾斜面954eに流入する遊技球の転動方向を流入口953j(通路部材955)側に第2案内面954d1を備える。
第2案内面954d1は、開口953a1側の端面であり、転動面953a2の長手方向において、凹部954b側に向かって開口953a1側から流入口953j側に傾いて形成される。即ち、第2案内面954d1は、開口953a1から通路部材955へ向けて傾斜し転動面953a2を転動する遊技球に当接可能に形成されると共に、転動面953a2の長手方向端部と通路部材955との間に配設される。これにより、開口953a1の長手方向端部から本体部953aに流入する遊技球を、通路部材955へ向けて速やかに転動させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
突設部954cは、傾斜面954aの転動面953a2の長手方向両端部に形成されると共に、重力方向他側(重力方向上側)に向かって突設される。これにより、傾斜面954aを転動面953a2の長手方向(図104(b)左右方向)外側に転動する遊技球の転動速度を凹部954b(通路部材955)の手前で減速させることができる。即ち、凹部954bまでは、遊技球の転動速度を速くしつつ、凹部954bの手前(直前)で遊技球の転動を減速させて、遊技球が傾斜面954aから凹部954bを通過して第2傾斜面954eまで転動することを抑制できる。よって、その分、遊技球を通路部材955へ短時間で流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
また、突設部954cは、上面視略三角形に形成され、1面が開口953a1と反対側の面に連結されると共に、残りの2面の内の1面が凹部954b側の側縁部954c3が凹部954bの側面に連結して形成され、残りの1面の案内面954c1が遊技球の傾斜面954aの遊技球の転動方向(転動面953a2の長手方向外側方向)に向かって開口953a1側に傾斜して形成される。これにより、傾斜面954aを転動面953a2の長手方向に転動する遊技球の転動面953a2の長手方向における転動速度を凹部954b(通路部材955)の手前で減速させることができる。
即ち、凹部954bまでは、遊技球の転動面953a2の長手方向における転動速度を速くしつつ、凹部954bの手前(直前)で遊技球の転動面953a2の長手方向における転動を減速させて、遊技球が傾斜面954aから凹部954bを通過して第2傾斜面954eまで転動することを抑制できる。よって、その分、遊技球を通路部材955へ短時間で流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
また、上述したように、板部材951の回転軸は、本体部953aの開口953a1の短手方向における両端部の間に形成されるので、板部材951が開放された状態とされる場合に、板部材951の端部が転動面953a2よりも重力方向一端(重力方向上)側に位置できる。これにより、板部材951が開放状態とされた場合に、本体部951aの内側に流入した遊技球が、本体部951aの開口953a1側から飛び出ることを抑制できる。
さらに、案内面954c1により開口953a1側に案内された遊技球を、板部材951に当接させることができるので、傾斜面954aを転動面953a2の長手方向に転動する遊技球の転動速度を凹部954b(通路部材955)の手前で減速させることができる。即ち、凹部954bまでは、遊技球の転動速度を速くしつつ、凹部954bの手前(直前)で遊技球の転動を減速させて、遊技球が傾斜面954aから凹部954bを通過して第2傾斜面954eまで転動することを抑制できる。よって、その分、遊技球を通路部材955へ短時間で流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
また、案内面954c1は、側縁部954c3と流入口953jとの連結部分から傾斜面954aとの連結部分の側辺部954c2に向かう下降傾斜形状に形成される。これにより、傾斜面954aを転動面953a2の長手方向に転動する遊技球が開口953a1から飛び出ることを抑制しつつ、その遊技球を流入口953j(通路部材955)へ短時間で流入させることができる。
即ち、傾斜面954aを通路部材955へ向けて転動面953a2の長手方向に沿って転動される遊技球のうち、転動速度が比較的低い(遅い)遊技球に対しては、開口933a1から外部へ飛び出る恐れが低いので、案内面954c1に当接させて、開口953a1側へ案内することで、傾斜面954aから凹部954bを通過して第2傾斜面954eまで転動することを抑制して、その分、通路部材955へ短時間で流入させることができる。一方、転動速度が比較的高い(速い)遊技球に対しては、案内面954c1を乗り越えさせて、第2傾斜面954e側に形成さえる立設壁954dまで案内することができる。よって、案内面954c1の乗り越えと、立設壁954dへの衝突とにより遊技球の運動エネルギーを消費させ、確実に減速させることができる。よって、傾斜面954aを転動面953a2の長手方向に転動する遊技球を、開口953a1から飛び出ることを抑制しつつ、流入口953j(通路部材955)へ早く流入させることができる。これらの結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
また、突設部954cは、立設壁954dと対向側の端面の側縁部954c3が、転動面953a2の長手方向に略直交する方向に延設される。立設壁954dは、突設部954cと対向側の端面の第2側縁部954d2が転動面953a2の長手方向に略直交する方向に延設される。側縁部954c3は、転動面953a2の長手方向に略直交する方向における長さ寸法L30(図104(b)参照)が、第2側縁部954d2の転動面953a2の長手方向に略直交する方向における長さ寸法L31よりも小さく設定される。これにより、案内面954c1を乗り越えた遊技球を立設壁954dの第2側縁部954d2に当接させて、確実に減速させることができると共に、通路部材955の近傍に位置させやすくできる。よって、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
さらに、立設壁954dは、その厚み方向における中間位置と第2傾斜面954eとの離間距離L32(図104(a)参照)が、遊技球の半径と略同一に設定される。これにより、案内面954c1を乗り越えた遊技球を立設壁954dの第2側縁部954d2に当接させて、確実に減速させることができる。よって、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
立設壁954dの第2案内面954d1の傾斜方向の延長線上に突設部954cが位置されており、第2案内面954d1により凹部954b(通路部材955)へ向けて案内された遊技球の転動速度が比較的高い(低い)場合であっても、かかる遊技球を突設部954cに当接させて、減速させることができる。よって、遊技球を通路部材955へ短時間で流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
突設部954cは、凹部954bの凹設面から突出先端までの距離寸法L33(図104(a)参照)が、遊技球の半径よりも大きく設定される。また、上述したように、突設部954cは、凹部954bの側面に連なって形成されるので、立設壁954dの第2案内面954d1により通路部材955に向けて案内された遊技球を転動速度が比較的高い(速い)場合にも、かかる遊技球を突設部954cに当接しやすくできる。よって、かかる遊技球を減速させることができ、通路部材955に短時間で流入させることができる。その結果、板部材951により、開口953a1を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
次いで、図105及び図106を参照して、特定入賞口ユニット950及び駆動ユニット960の組み立て状態について説明する。図105(a)は、特定入賞口ユニット950及び駆動ユニット960の上面図であり、図105(b)は、特定入賞口ユニット950及び駆動ユニット960の側面図である。図106(a)は、図105(a)のCVIa−CVIa線における特定入賞口ユニット950及び駆動ユニット960の断面図であり、図106(b)は、図106(a)のCVIb−CVIb線における特定入賞口ユニット950及び駆動ユニット960の断面図である。
なお、図105(a)及び図105(b)では、板部材951を動作するソレノイド957aに連結される配線HS1及び一対の羽部材(図83(a)参照)を動作するソレノイド610に連結される配線HS2の一部が図示された状態とされる。また、図106(b)では、特定入賞口65aに流入した遊技球の数を検出する検出装置SE1に連結される配線HS3の一部が図示された状態とされる。
図105及び図106に示すように、入賞口ユニット930の羽部材945(図83(a)参照)を駆動する駆動ユニット960は、正面視において、特定入賞口ユニット950とその一部が重なる位置に形成される。これより、第2入賞口140(一対の羽部材945)の遊技領域と反対側(背面側)に空間を形成することができる。
ここで、従来より、第2入賞口140と、その第2入賞口140を開放または閉鎖する一対の羽部材945と、その一対の羽部材945を駆動する第1駆動手段と、特定入賞口65aと、その特定入賞口65aを開放または閉鎖する板部材951と、その板部材951を駆動する第2駆動手段とを備えた遊技機が知られている。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第1駆動手段および第2駆動手段が、それぞれ一対の羽部材945と、板部材951の背面側に配設されるため、これら一対の羽部材945及び板部材951の背面側に他の部材や装置を配設し難く、スペースを有効に活用することが困難であるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、一対の羽部材945を駆動する駆動ユニット960が、板部材951の背面側に配設されるので、一対の羽部材945の背面側にスペースを形成することができる(図97参照)。即ち、一対の羽部材を駆動する駆動ユニット960及び板部材951を駆動する駆動ユニット957を板部材951(特定入賞口65a)の背面側に集約することで、他の部材や装置を配設するためのスペースを一対の羽部材945(第2入賞口140)の背面に確保でき、その分、スペースを有効に活用することができる。
また、ベース板60(図82参照)に形成される(センターフレーム86が配設される)中央開口の近傍に配設される羽部材945の動作手段(駆動ユニット960)を、中央開口から遠方に配設される板部材951(特定入賞口ユニット950)の背面側に配設することで、中央開口(センターフレーム86)の内側を介して遊技者に視認させる動作ユニットの可動体をベース板60の背面側(遊技領域と反対側)に退避させて遊技者から視認し難くできる。
即ち、動作ユニットの可動体は、通常(退避)時にベース板60の背面側に配設され、遊技者から視認し難くされると共に、可動(張出)時にベース板60の中央開口(センターフレーム86)の内側に張り出すことで遊技者から視認されやすくされるところ、中央開口の近傍に配設される羽部材945の動作手段(駆動ユニット960)を、中央開口から遠方に位置する特定入賞口ユニット950と水平方向に重なる位置に配設することで、退避時に可動体を中央開口から離れた位置に配置しやすくできる。従って、通常(退避)時における動作ユニットの可動体を遊技者から視認し難くできる。その結果、可動体を動作させて張出状態とした場合に、遊技者に興趣を与え易くできる。
また、板部材951は、正面視における投影面積が一対の羽部材945の投影面積よりも大きく設定される。よって、特定入賞口65a(板部材951)の背面におけるデッドスペースを有効に活用できる。即ち、2の変位部材(板部材951及び一対の羽部材945)を備える遊技盤13において、正面視における投影面積の大きい側(板部材951側)の背面にそれぞれの駆動手段(駆動ユニット957及び駆動ユニット960)が配設されるので、それぞれの駆動手段を1の変位部材(板部材951)の背面に配設しやすくできると共に、その他の変位部材(一対の羽部材945)の背面側にスペースを形成できる。
さらに、板部材951は、正面視における投影面積が、一対の羽部材945を駆動する駆動ユニット960及び板部材951を駆動する駆動ユニット957の正面視における投影面積よりも大きく形成されるので、特定入賞口65a(板部材951)の背面におけるデッドスペースを有効に活用できる。
また、図105(a)に示すように、一対の羽部材945を駆動する駆動ユニット960及び板部材951を駆動する駆動ユニット957は、板部材951の長手方向(図105(a)左右方向)に沿って並設される。よって、特定入賞口65a(板部材951)の背面におけるデッドスペースを有効に活用できる。
この場合、上述したように、板部材951(特定入賞口ユニット950)は、ベース板60(図A01参照)の中央開口から一対の羽部材945よりも離間した位置に配設されると共に、その離間方向に対して長手方向が直交して配設される。これにより、一対の羽部材945の背面側のスペースを確保しやすくできる。その結果、一対の羽部材945の背面側のスペースを有効に活用することができる。
上述したように、転動部943aは、正面ユニット940の正面ベース943に形成され、転動部943aは背面ベース941の第2入賞口140を介して配設され、駆動ユニット960は、背面ベース941に連結されるので、正面ベース943に背面ベース941を締結固定する作用と同時に、正面ベース943に駆動ユニット960を保持させる(配設する)ことができる。これにより、ベース板60(遊技盤13)に正面ユニット940及び送球ユニット970を取り付ける際に、駆動ユニット960を取り付け忘れることを抑制できる。
駆動ユニット957のソレノイド957a及び駆動ユニット960のソレノイド610は、特定入賞口ユニット950の板部材951側と反対側(背面側)の端部の位置が略同一の位置に設定されると共に、駆動ユニット957のソレノイド957a及び駆動ユニット960のソレノイド610に連結される配線HS1及び配線HS2が、特定入賞口ユニット950の板部材951側と反対側(背面側)の端部から連結される。これにより、ソレノイド957a及びソレノイド610の配線をまとめ易くできる。その結果、遊技盤13の遊技領域と反対側(背面側)で配線がばらけることを抑制でき、配線HS1及びHS2が他の装置や役物に干渉することを抑制できる。
即ち、羽部材945を駆動する駆動ユニット960のソレノイド610及び板部材951を駆動する駆動ユニット957のソレノイド957aは、軸部961b及び軸部957a2の軸方向が同一の方向に向けた姿勢で配設されると共に、本体部961a及び軸部957a2の軸部961b及び957a2と反対側に配線HS1及び配線HS2が連結される(引き出される)。これにより、駆動ユニット960の配線HS1と駆動ユニット957の配線HS2とをまとめやすくできる。
一対の羽部材945を駆動する駆動ユニット960及び板部材951を駆動する駆動ユニット957は、重力方向における両側面が略面一となる位置に配設される。これにより、駆動ユニット957及び駆動ユニット960を区画して、駆動ユニット957及び駆動ユニット960を配設した領域に電磁場が流れることを制限する区画部材(図示しない)の形状を簡易化できる。
即ち、駆動ユニット960の本体部961a及び駆動ユニット957の本体部957a1の側面が異なる大きさに形成される、又は、駆動ユニット960の本体部961a及び駆動ユニット957の本体部957a1の重力方向における両側面が重力方向に異なる位置に配置される場合には、駆動ユニット960の本体部961aと駆動ユニット957の本体部957a1との重力方向における両側面が段差を形成するため、その段差に合わせて区画部材を形成する必要が生じ、かかる区画部材の形状が複雑となる。
これに対し、本実施形態では、本体部961aと本体部957a1との重力方向における両側面どうしが略面一となる位置に駆動ユニット960及び駆動ユニット957が配設され、外面どうしが段差を形成しないので、区画部材を平板形状とすることができる。その結果、区画部材の形状を簡易化できる。
なお、区画部材とは、駆動ユニット960及び駆動ユニット957の配設領域と他の領域とを区画して、それら両領域の間を電磁波が流れることを制限するための導電体の障壁であり、金属製の板材から形成される。
また、伝達部材965は、特定入賞口ユニット950の通路部材955及び正面ユニット940の転動部943aとの対向間に配設され(図97参照)、その先端(挿入部965e)に伝達部材965の回転に伴ってスライド変位して一対の羽部材945を開閉させる変位部材966が配設されるので、一対の羽部材945の開閉を回転部材のみで行う従来品と比較して、第2入賞口140の背面側であって、転動部943aの両側(側方)にスペースを確保できる。また、従来品のように回転部材との干渉を避けるために、第2入賞口140から流入する遊技球の送球経路を特定入賞口ユニット950側に屈曲させる必要がないので、その分、第2入賞口140を特定入賞口65aへ近接させることができる。
さらに、駆動ユニット960は、図106(a)及び図106(b)に示すように、正面視において、特定入賞口ユニット950に一対に配置される検出装置SE2の検出基板SE1bと重なる位置に配設される。即ち、検出装置SE2は、板部材951と駆動ユニット960との間に配設される。これにより、例えば、板部材951を開放させて特定入賞口65aから駆動ユニット960に不正を加える場合、検出装置SE1の検出基板SE1bにより、駆動ユニット960を隠すことができるため、かかる不正行為を行いにくくすることができる。
ここで、上述したように、羽部材945を駆動する駆動手段(駆動ユニット960)が、特定入賞口ユニット950の背面側に配設される場合に、パチンコ機10の隙間からピアノ線等を挿入して遊技機を不正に操作することを目的として、入球部材953に遊技領域側からドリル等で駆動ユニット960まで貫通する穴が形成されると、その不正を店員が発見することが困難とされる恐れがあった。
即ち、入球部材953の遊技領域(遊技者)側には、板部材951が配設されるため、板部材951に入球部材953が隠れてしまい、入球部材953にされる不正を店員が発見することが困難とされる。
これに対し、本実施形態では、特定入賞口65aから第1駆動手段までの、経路を確保するために、例えばドリルなどによる工具が使用されて孔あけ加工などが行われた場合には、検出装置SE1の検出基板SE1bを破壊させることができるので、かかる検出装置SE1の状態を監視することで、不正行為を発見することができる。上述したように、本実施形態では、板部材951を開放して特定入賞口65aから駆動ユニット960に不正が加えられた場合でも、板部材951を閉鎖することで、駆動ユニット960が板部材951に遮蔽され、不正が加えられた箇所を視認不能となるため、検出装置SE1の状態の監視により不正行為を発見できることが特に有効となる。
また、検出装置SE1は、他の遊技球を検知する検出装置(例えば、検出装置SE2や検出装置SE3)と同一の流用品(既製品)であるため、その外形の大きさに自由度が確保できない。そのため、検出装置SE1の対向間に隙間が形成される。そのため、その隙間を狙って遊技者がドリル等で入球部材953に穴あけ加工をした場合に、遊技者の不正行為を店員に報知できなくなる恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、一対の検出装置SE1の対向側に配線HS3が連結される。これにより、一対の検出装置SE1の対向間に形成される隙間に配線HS3を配設することができる。従って、遊技者が一対の検出装置SE1の対向間の隙間を狙ってドリル等を貫通させた場合に、ドリルにより配線HS3を断線させることができる。これにより、パチンコ機10に検出不良を認識させることができるので、パチンコ機10がエラーを報知することで店員に不正を発見させやすくできる。
即ち、配線は比較的損傷を生じやすい。そのため、特定入賞口65aから駆動ユニットまでの経路を確保するために、例えば、ドリルなどによる工具が使用されて穴あけ可能などが行われる場合には、その不正行為に伴って配線HS3を損傷(断線)させやすくできる。或いは、配線HS3を損傷(断線)させずに不正行為を行うことが困難と認識させ、不正行為を抑止しやすくできる。
また、一対の検出装置SE1の対向間には、入球部材953と通路部材955とを締結するねじを螺合させる円環突起953cが形成される。これにより、板部材951を開放させて、入球部材953の開放側(E10(a)下側)から駆動ユニット960に不正を加える場合、円環突起953cに螺合されるねじにより、駆動ユニット960を隠すことができるため、かかる不正行為をより行いにくくすることができる。即ち、上述したように駆動ユニット960の正面の前面を一対の検出装置SE1により遮蔽することは困難であり、一対の検出装置SE1の対向間には、隙間が形成されやすいため、かかる隙間をねじの締結位置とすることで、駆動ユニット960の正面における遮蔽されない領域をねじにより補うことができるので、不正行為をより行い難くできる。
さらに、図106(b)に示すように配線HS3は、入球部材953の円環突起953cの周囲に巻かれて配置される。これにより、配線HS3を、一対の検出装置SE1の対向間に形成される隙間のより広い範囲にわたって引きまわす(位置させる)ことができる。即ち、駆動ユニット960の正面のより広い範囲を配線HS3により遮蔽できる。よって、例えば、板部材951を開放させて、入球部材953の開放側から駆動ユニット960に不正を加える場合に、かかる不正行為をより行い難くすることができる。或いは、配線HS3を損傷(断線)させずに不正行為を行うことが困難と認識させやすくでき、不正行為を抑止しやすくできる。
従って、遊技者が一対の検出装置SE1の対向間の隙間を狙ってドリル等を貫通させた場合に、ドリルにより配線HS3を断線させる易くできる。これにより、パチンコ機10に検出不良を認識させることができるので、パチンコ機10がエラーを報知することで店員に不正を発見させやすくできる。
さらに、配線HS3は、円環突起953cに巻かれて配置される。これにより、検出装置SE1と配線HSとの連結部分にせん断方向の力が作用し難くできる。即ち、配線HS3が円環突起953cの周囲に巻かれず、特定入賞口ユニット950の外方に排出される場合には、配線HS3が特定入賞口ユニット950に排出方向に引っ張られることにより、検出装置SE1と配線HSとの連結部分にせん断方向の力が作用する。検出装置SE1と配線HS3との連結部分は、挿入式のコネクタにより形成されるので、せん断方向の力により切断され易い。
これに対し、本実施形態では、配線HS3が円環突起953cに巻かれて配置されるので、配線HS3が特定入賞口ユニット950の排出方向に引っ張られた場合に、検出装置SE1との連結部分に作用する力の方向を配線HS3が連結される方向に作用させることができる。その結果、配線HS3が、検出装置SE1との連結部分で切断されることを抑制できる。
また、一対の検出装置SE1の対向間に形成される円環突起953cは、検出装置SE1の配線HS3の排出側と反対側の端部に偏る位置に形成される。よって、一対の検出装置SE1の配線HS3が、ねじの螺合位置(円環突起953c)と反対側へ引き出されるので、かかる配線HS3を駆動ユニット960の正面のより広い範囲にわたって引き回す(位置させる)ことができる。即ち、駆動ユニット960の正面のより広い範囲をねじと配線とにより、遮蔽できる。よって、例えば、板部材951を開放させて特定入賞口65aから駆動ユニット960に不正を加える場合に、かかる不正行為をより行い難くすることができる。
次いで、図107及び図108を参照して、送球ユニット970の全体構成について説明する。図107(a)は、送球ユニット970の正面図であり、図107(b)は、送球ユニット970の側面図である。図108(a)は、送球ユニット970の分解斜視正面図であり、図108(b)は、送球ユニット970の分解斜視背面図である。
図107及び図108に示すように、送球ユニット970は、遊技者側(遊技領域側)に配設され内部に遊技球を挿通可能な空間を備える振分けユニット980と、その振分けユニット980の遊技領域と反対側に配設される通路ユニット990とを備えて形成される。
振分けユニット980は、上述した入賞口ユニット930の第1入賞口64及び第2入賞口140と連なる開口(流入口982d及び側壁部981b)を備えており、その開口(流入口982d及び側壁部981b)から第1入賞口64及び第2入賞口140の介して遊技領域と反対側に送球される遊技球を内部に受け入れることができる。なお、振分けユニット980についての詳しい説明は後述する。
通路ユニット990は、振分けユニット980の重力方向他端側(重力方向下側)に配設される。通路ユニット990は、振分けユニット980との対向面に複数の開口(第1挿通孔991a〜第2挿通孔991dを備えており、振分けユニット980の内部を送球される遊技球をその開口から受け入れることができる。なお、通路ユニット990についての詳しい説明は後述する。
次いで、図109から図112を参照して、振分けユニット980の構成について詳細な説明をする。図109(a)は、振分けユニット980の正面図であり、図109(b)は、振分けユニット980の側面図である。図110は、振分けユニット980の分解斜視正面図であり、図111は、振分けユニット980の分解斜視背面図である。図112(a)は、図109(a)のCXIIa−CXIIa線における振分けユニット980の断面図であり、図112(b)は、図112(a)のCXIIb−CXIIbにおける振分けユニット980の断面図である。
図109から図112に示すように、振分けユニット980は、背面ベース985と、その背面ベース985の遊技者側に配設される正面ベース981と、その正面ベース981と背面ベースとの間に回転可能な状態で配設される振分け部983と、背面ベース985の背面側に振分け部983と対応する位置に配設されるカバー部材987とを主に備えて形成される。
背面ベース985は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成され、板状体に形成されるベース部985aと、そのベース部985aの厚み方向に貫通する複数の開口(開口985b〜985g)と、その複数の開口の重力方向他側(重力方向上側)に凹設される凹部985hと、その凹部985hの反対面から突出する収容部986b及び突設部986eとを主に備えて形成される。
ベース部985aは、正面視縦長矩形に形成され、その外縁部に円形状に貫通する複数の締結孔986c及び986dと、正面ベース981側と反対側に重力方向一側に向かって傾斜する傾斜面986aとを備えて形成される。締結孔986cは、後述する正面ベース981を挿通したネジを螺合する孔である。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を締結固定することができる。また、締結孔986dは、後述する通路ユニット990を挿通するネジを螺合する孔である。これにより、背面ベース985(振分けユニット980)及び通路ユニット990を締結固定することができる。
傾斜面986aは、後述する開口985b〜985fの重力方向他側の一部と重なる位置に形成される。また、傾斜面986aは、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において、正面ベース981の傾斜部982bと対向する位置に形成される。これにより、重力方向に流下する遊技球の流下方向を開口985b〜985f側に案内することができる。その結果、遊技球を開口985b〜985fに流入させやすくできる。
凹部985hは、正面ベース981と反対側(図109(b)紙面手前側)に向かって凹設されると共に、ベース部985aの短手方向(図109(b)左右方向)略中央位置に形成される。また、凹部985hは、内側に後述する振分け部983の一部を収容可能な大きさに形成されると共に、底面に円環状に突出する軸受部985jを備える。軸受部985jは、振分け部983を軸支する軸部材988aの一端が挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも大きい内径に形成される。
開口985b及び開口985cは、それぞれベース部985aの短手方向両端部に形成されるとともに、内縁の寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、開口985b及び開口985cは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981側と反対側に転動させることができる。
開口985dは、ベース部985aの短手方向(図109(b)左右方向)略中央位置に形成され、重力方向(図109(b)上下方向)における位置が開口985b及び開口985cと略同一の位置に設定される。また、開口985dは、開口985b及び開口985cと同様に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981側と反対側に転動させることができる。
開口985eは、開口985b及び開口985dの間に形成され、開口985fは、開口985c及び開口985dの間に形成される。また、開口985e,985fは、正面ベース981側に開口する空間の流入通路985e1,985f1と、正面ベース981側と反対側に開口する空間の排出通路985e3,985f3と、重力方向に延設され流入通路985e1,985f1及び排出通路985e3,985f3を連通する中間通路985e2,985f2と,を主に備えて形成される。
流入通路985e1,985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第1通路TR1及び第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路を流下する遊技球を流入通路985e1,985f1に流入させることができる。
中間通路985e2,985f2は、重力方向に延設して形成され、重力方向他側(重力方向上側)が流入通路985e1,985f1に連通されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、流入通路985e1,985f1を通過する遊技球を中間通路985e2,985f2に流入させることができる。
また、中間通路985e2,985f2には、遊技球の送球方向(重力方向)と略直交する方向に凹設される凹設部985f4が形成される。凹設部985f4は、その内側に後述する検出装置SE3を配設するための切り欠きであり、背面視において検出装置SE3の外形と略同一に設定される。これにより、検出装置SE3をベース部985aの背面側(正面ベース981と反対側)から挿入して配設することができる。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が中間通路985e2,985f2の延設方向に平行に設定されると共に、検出孔SE1aの内部空間と中間通路985e2,985f2の空間とが略一致する位置に配置される。これにより、遊技球が中間通路985e2,985f2の重力方向他側(重力方向上側)から重力方向一側(重力方向下側)に流下する場合に、検出装置SE3の検出孔SE1aを通過させることができる。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を通過する遊技球を検出することができる。
また、検出装置SE3は、検出孔SE1aの軸方向が重力方向と平行に形成されるので、遊技球を検出孔SE1aに送球する際に、遊技球の自重を利用しやすくできる。その結果、遊技球が中間通路985e2,985f2及び検出孔SE1aとの連結部分に引っ掛ることを抑制できる。なお、検出装置SE3の詳細な構成は、上述した検出装置SE1と同一であるので、その詳しい説明は省略する。
凹設部985e4,985f4は、流入通路985e1,985f1及び排出通路985e3,985f3の空間と連なって形成される。即ち、中間通路985e2,985f2は、検出装置SE3を利用して形成される。これにより、中間通路985e2,985f2の重力方向の長さ寸法が大きくなることを抑制できる。その結果、背面ベース985が重力方向に大型化することを抑制できる。
排出通路985e3,985f3は、中間通路985e2,985f2の重力方向一側(重力方向下側)に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。また、排出通路985e3,985f3は、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、後述する通路ユニット990の第3挿通孔991c及び第4挿通孔991dに連結される。これにより、中間通路985e2,985f2を通過する遊技球を、排出通路985e3,985f3に流入させることができると共に、その空間を通過させて通路ユニット990に送球できる。
開口985gは、開口985dの重力方向一側(重力方向下側)に形成される。また、開口985gは、開口985dと同様に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が正面ベース981側と反対側に向かうにつてれて下降傾斜して形成される。これにより、正面ベース981側から流入する遊技球を正面ベース981と反対側に転動させることができる。
流入通路985e1,985f1は、後述する正面ベース981と背面ベース985との対向間に形成される第1通路TR1及び第2通路TR2に連結されると共に、遊技球が通過可能な大きさに形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を流入通路985e1,985f1に流入させることができる。
収容部986bは、一対の半円環体から形成される。また、収容部986bは、後述する磁性体988bを内側に収容する部分であり、その内径が、円柱体に形成される磁性体988bの外径と略同一に設定される。また、収容部986bの突設寸法は、磁性体988bの軸方向寸法よりも大きく設定される。これにより、収容部986bの内側に磁性体988bを収容できる。また、収容部986bは、一対の半円環体から形成されるので、磁性体988bの外径が製造の誤差により微小に大きく形成された場合でも、一対の半円環体を弾性変形させて磁性体988bを配設できる。
突設部986eは、上述した軸受部985jとベース部985aを挟んで反対側の位置から円柱状に突設される。また、突設部986eは、その軸に円形状に凹設される締結孔を備える。締結孔は、後述するカバー部材987を挿通するネジの先端を螺合させる孔であり、カバー部材987を当接させた状態でネジを螺合することで、カバー部材987を背面ベース985に締結固定できる。
磁性体988bは、磁石から形成されており、収容部986bに配設されることで、ベース部985aを介して正面ベース981側に磁界を発生させることができる。これにより、後述する振分け部983に配設される磁性体988cを反発させて振分け部983を変位させやすくできる。
正面ベース981は、有色半透明(本実施形態では、青色)の樹脂材料から形成される。また、正面ベース981は、正面視において背面ベース985よりも大きい略矩形状に形成されると共に、ベース板981aとそのベース板981aから遊技者側(背面ベース986と反対側)に膨出する膨出部982とを主に備えて形成される。
ベース板981aは、正面視略矩形状の板部材に形成され、その外周縁部に板厚方向に貫通する複数の挿通孔981gと、背面ベース985側に向けて突設される第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dと、その第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dの近傍に貫通する第2挿通孔981eと、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)に板厚方向に貫通する貫通孔981cとを主に備えて形成される。
挿通孔981gは、組み立て状態の送球ユニット970をベース板60(図82参照)に締結するネジ(図示しない)を挿通する孔であり、ネジの先端部分の外径よりも大きい内径に設定される。
第1ガイド壁981fは、半円の円環形状に形成されると共に、後述する膨出部982を間に挟む状態で短手方向に一対形成される。また、第1ガイド壁981fは、半円の開放部分をベース板981aの短手方向略中央側に向けて形成される。
第2ガイド壁981dは、円環形状に形成されると共に、ベース板981aの短手方向に2箇所形成される。また、第2ガイド壁981dは、後述する膨出部982の重力方向下側に形成されると共に、2箇所の間に貫通孔981cが形成される。
第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dは、その内縁形状が上述した背面ベース985の締結孔986cの周囲の外形形状と略同一に形成される。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせた場合に、第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dの内側に締結孔986cの周囲の壁部を挿入でき、第1ガイド壁981f及び第2ガイド壁981dを位置決めすることができる。
第2挿通孔981eは、第1ガイド壁981fの半円の中心および第2ガイド壁981dの中心に形成される。第2挿通孔981eは、正面ベース981及び背面ベース985が組み立られた状態において、締結孔986cと同軸上に形成されており、正面ベース981側からネジを挿通して締結孔986dに螺合させることで、正面ベース981と背面ベース985とを締結できる。
貫通孔981cは、一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に貫通形成される。また、貫通孔981cは、その縁部に沿って背面ベース985側と反対側(図109(a)紙面手前側)に立設される側壁部981bを備えて形成される。また、貫通孔981cは、上述した入賞口ユニット930の第2入賞口140に連通する部分であり、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、第2入賞口140に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
側壁部981bは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、立設先端面が入賞口ユニット930の第2送球部942cと当接する寸法に形成される。また、側壁部981bは、重力方向他端側(重力方向下側)の内面の転動面981c1が、転動部943aの端面943a1よりも重力方向他端側に位置されると共に、背面ベース985側に向かって下降傾斜して形成される。
さらに、側壁部981bは、立設先端面から突設される突起981b1を備える。突起981b1は、転動面981c1から重力方向へ遊技球の半径分離間した位置に形成される。これにより、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面981c1に遊技球が送球される場合に、遊技球が転動部943aと貫通孔981cとの間に挟まりにくくできる。なお、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面981c1に遊技球が送球される場合についての詳しい説明は後述する。
膨出部982は、ベース板981aから膨出するドーム状に形成されると共に、その内側に遊技球を挿通可能な大きさに設定され、その内側に流入口982dから流入される遊技球が通過する送球通路TR0と、その送球通路TR0から分岐する第1通路TR1及び第2通路TR2とを備えて形成される。膨出部982は、正面視縦長矩形に形成されると共に、重力方向上端部を切り欠いて形成される流入口982dと、正面視略中間位置に背面ベース985側に向かって屈曲して立設する立設壁982aと、重力方向他側の複数箇所に凹設される凹部982e〜982jとを主に備えて形成される。
流入口982dは、正面視略U字状に切り欠き形成される。また、流入口982dは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に装着された状態において、内縁部分が、入賞口ユニット930の第1入賞口64に流入した遊技球の転動方向と重なる位置に形成される。
また、流入口982dは、重力方向他側(重力方向上側)の縁部に背面ベース985側と反対側に突出する第2突起982d1を備える。第2突起982d1は、上述した入賞口ユニット930の第1凹欠部942g1の内縁形状に形成されており、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板60に配設された場合に、第1凹欠部942g1の内縁に第2突起982d1が当接される。
また、第2突起982d1から流入口982dの重力方向一側(重力方向下側)の端面までの距離寸法L34(図109(a)参照)は、第1凹欠部942g1の内縁から第1送球部942gの重力方向一側の内縁までの距離寸法L35(図87(b)参照)までの距離寸法よりも大きく設定される。これにより、第1入賞口64を介して第1送球部942gに送球された遊技球が、流入口982dに流入する際に、流入口982d(膨出部982)と第1送球部942gとの間に挟まりにくくできる。
立設壁982aは、正面視において膨出部982の外縁形状と所定の間隔を隔てる矩形状に形成される。また、立設壁982aは、流入口982dの重力方向下側に形成されると共に、重力方向上側に立設方向視三角形状に形成される当接部982a1を備えて形成される。
立設壁982aは、膨出部982の外周部分の内縁と水平方向における離間距離L36(図112(b)参照)が、遊技球の直径よりも大きく設定されており、その対向間に遊技球が通過可能な空間の第1通路TR1及び第2通路TR2が形成される。
第1通路TR1及び第2通路TR2は、後述する振分け部983の下流側に形成されており、振分け部983を通過する遊技球がどちらかに送球される。振分け部983は、流入口982dに流入する遊技球を、第1通路TR1及び第2通路TR2に交互に送球可能に設定される。これにより、第1入賞口64に流入する遊技球の送球が単調になることを抑制できる。その結果、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
立設壁982aの重力方向他側(重力方向上側)には、膨出部982の内側面から背面ベース985側に円環状に突出する軸受部982cが形成される。軸受部982cは、後述する振分け部983を軸支する軸部材988aの他端側を支持する部分であり、内径が軸部材988aの外径と略同一に設定される。よって、軸部材988aを軸受部982cに挿入することで、軸部材988aの他端側を支持できる。
また、上述したように、軸部材988aの一端側は、背面ベース985の軸受部985jに挿入されるので、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせる際に、軸部材988aの一端を軸受部985jに挿入すると共に、軸部材988aの他端側を軸受部982cに挿入することで、軸部材988aを正面ベース981及び背面ベース985の間に支持できる。
当接部982a1は、後述する振分け部983の回転軌跡上に形成されており、振分け部983の作用部983aが当接することで、振分け部983の回転変位量が規制される。なお、当接部982a1と振分け部983との当接状態についての詳しい説明は後述する。
凹部982e及び凹部982fは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向と略直交する方向に凹設される。また、凹部982e及び凹部982fの内側には、第1通路TR1又は第2通路TR2と連通する空間の第1分岐通路BK1又は第2分岐通路BK2が形成される。
第1分岐通路BK1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985bと連通される。従って、第1分岐通路BK1は、第1通路TR1を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985bに流入可能とされる。
第2分岐通路BK2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985cと連通される。従って、第2分岐通路BK2は、第2通路TR2を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985cに流入可能とされる。
凹部982h及び凹部982jは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)の内側面から第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向に凹設される。即ち、第1通路TR1及び第2通路TR2は、凹部982h及び凹部982jの分、重力方向一側に延設される。
第1通路TR1は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985eと連通される。従って、第1通路TR1は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985eに流入可能とされる。
第2通路TR2は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985fと連通される。従って、第1通路TR1は、流入口982dに流入した遊技球が流入されると共に、その流入された遊技球を背面ベース985の開口985eに流入可能とされる。
凹部982gは、凹部982h及び凹部982jの間に形成されると共に、凹設方向が第1通路TR1及び第2通路TR2の延設方向と平行に設定される。また、凹部982gの内側には、第1通路TR1及び第2通路TR2と連通する空間の第3分岐通路BK3が形成される。よって、第1通路TR1及び第2通路TR2に連通する第3分岐通路BK3が、第1通路TR1及び第2通路TR2との間に形成されるので、振分けユニット980の小型化を図ることができる。
第3分岐通路BK3は、正面ベース981及び背面ベース985が組み合わされた状態において背面ベース985の開口985dと連通される。従って、第3分岐通路は、第1通路又は第2通路を流下する遊技球を受け入れ可能に形成されると共に、その受け入れた遊技球を背面ベース985の開口985dに流入可能とされる。
傾斜部982bは、膨出部982の重力方向一側(重力方向下側)に形成されると共に、重力方向一側に向かって背面ベース985側に傾斜して延設される。また、傾斜部982bは、正面ベース981及び背面ベース985を組み合わせた状態において、開口985bから開口985fと対向する位置に形成される。これにより、第1通路TR1、第2通路TR2、第1分岐通路BK1、第2分岐通路BK2及び第3分岐通路BK3を流下する遊技球を傾斜部982bに当接させることで、流下する遊技球を開口985b〜985f側に案内して開口985b〜985fに流入させ易くできる。
案内部982h1,982j1及び案内部982j1は、凹部982h及び凹部982jと傾斜部982bとに連結されると共に、立設先端面が背面ベース985側(図109(b)紙面手前側)に向かって下降傾斜される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を、案内部982h1,982j1及び案内部982j1の立設先端面に当接させて、開口985e及び開口985f側に案内して、開口985e及び開口985fに流入しやすくできる。
また、案内部982h1,982j1は、傾斜部982bと連結して形成される。これにより、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球を傾斜部982bに当接させて背面ベース985側に案内しつつ案内部982h1,982j1に衝突させることで、遊技球を開口985e及び開口985fに流入させすくできる。さらに、傾斜部982bの傾斜の分、案内部982h1,982j1の立設距離を小さくすることができるので、案内部982h1,982j1の剛性を高めて耐久性の向上を図ることができる。
ここで、上述したように、振分けユニット980(送球ユニット970)は、遊技者側に配設される正面ユニット940(入賞口ユニット930)を介して遊技者から視認可能とされる。そのため、正面ユニット940を介す分、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球は、遊技者側から視認し難くなる。さらに、開口985e及び開口985fの正面側に案内部982h1,982j1が立設されると、その案内部982h1,982j1の厚みの分、第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球が遊技者から視認し難くなるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、案内部982h1,982j1は、傾斜部982bと連結して形成されるので、傾斜部982bの立設寸法を小さくできる。従って、開口985e及び開口985fに送球される遊技球(第1通路TR1及び第2通路TR2を流下する遊技球)を、正面ユニット940を介した状態であっても視認させやすくすることができる。即ち、本実施形態では、傾斜部982bが、遊技球の流下方向へ向かうに従って背面ベース985側に位置するように傾斜されることで、剛性の確保と遊技球の案内とを可能としつつ、案内部982h1,982j1の前後方向の厚みを薄くすることができるので、遊技球の視認性を確保できる。
振分け部983は、正面ベース981及び背面ベース985の対向間の寸法よりも若干小さい厚みに設定されると共に、正面視略T字状に形成される。また、振分け部983は、T字状の一辺側の作用部983aと、その作用部983aの延設方向略中央位置から突出する中間板983bと、作用部983a及び中間板983bの連結部分に貫通される貫通孔983cと、その貫通孔983cの軸を中心に円形状に膨出する当接部983dと、作用部983a及び中間板983bの背面ベース985側に連結して形成される壁部983eとを主に備えて形成される。
貫通孔983cは、正面ベース981及び背面ベース985の対向間に支持される軸部材988aが挿入される孔であり、軸部材988aの外径よりも若干大きく形成される。これにより、正面ベース981及び背面ベース985を組み上げる場合に、軸部材988aを振分け部983の貫通孔983cに挿入した状態とすることで、振分け部983が回転可能な状態で正面ベース981及び背面ベース985の対向間に配設される。
中間板983bは、貫通孔983cの径方向外側に向かって延設して形成されると共に、振分け部983の変位が一方または他方に回転して規制された状態において、その先端から中間板983bの内側までの離間距離L37(図112(b)参照)が遊技球の直径よりも小さい寸法とされる。これにより、遊技球の送球が第1通路TR1又は第2通路TR2の一方または他方のどちらかに規制される。また、中間板983bは、振分け部983が貫通孔983cを中心に回転されることで、第1通路TR1の一方に遊技球の送球を規制した状態から第2通路TR2の他方に遊技球の送球を規制した状態に切り換えられる。
作用部983aは、正面視において中間板983bの延設方向と略直交する方向に延設して形成される。また、作用部983aは、当接部983dとの連結位置が、中間板983bの当接部983dとの連結位置よりも重力方向他端側(重力方向下側)に設定される。これにより、流入口982dを介して振分け部983に送球される遊技球は、作用部983a側に荷重をかけた状態とされる。その結果、振分け部983は、貫通孔983cを中心に回転変位される。
壁部983eは、作用部983a及び中間板983bに連結されると共に、貫通孔983cの軸方向視において略半円状の板状に形成される。壁部983eは、貫通孔983cの軸と直交する方向において作用部983a及び中間板983bよりも外側に突出して形成されると共に、厚み寸法が上述した背面ベース985の凹部985hの凹設寸法よりも小さく設定される。よって、背面ベース985及び正面ベース981の対向間に振分け部983を配設した状態において、凹部985hの内部に壁部983eを配置できる。これにより、流入口982dから振分けユニット980の内部に送球される遊技球が、凹部985hの内部に引っ掛ることで、その遊技球の流下が阻害されることを抑制できる。
また、壁部983eは、中間板983bの背面側であって、貫通孔983cから径方向外側端部に、中間板983b側に向かって凹設される収容部983e1を備える。収容部983e1は、円柱状体に形成される磁性体988cを内側に収容する部分であり、磁性体988cの外径と略同一の内径の円形に凹設される。また、収容部983e1は、背面ベース985側から正面ベース981側に向かって凹設されており、磁性体988cが背面ベース985側から内部に収容される。
磁性体988cは、磁石から形成されており、背面ベース985に配設される磁性体988bと反発する状態で配設される。これにより、振分け部983は、磁性体988cが背面ベース985に配設される磁性体988bから磁力が作用されて、貫通孔983cを軸に回転して作用部983aの延設方向を一方または他方に傾いた状態にできる。
また、磁性体988cと磁性体988bとが反発される状態に配設されると共に、収容部983e1が正面側に向かって凹設されるので、収容部983e1に挿入する磁性体988cが収容部983e1から抜け出ることを抑制できる。即ち、収容部983e1に挿入される磁性体988cを係止する部分を必要としないので、振分け部983の構造を簡易にできると共に、振分け部983への磁性体988cの配設を簡易にできる。
なお、磁性体988b及び磁性体988cの磁力は、遊技球の荷重よりも小さい磁着力に設定される。これにより、振分けユニット980の内側を送球される遊技球が磁性体988b及び磁性体988cに磁着して、振分けユニット980の内側に停滞することを抑制できる。
カバー部材987は、上面視縦長矩形に形成されると共に、背面ベース985の凹部985hの正面ベース981側と反対側に配設される。また、カバー部材987は、正面視円形状に重力方向に並んで凹設される2つの第1凹部987a及び第2凹部987bを備えて形成される。
第1凹部987aは、内側に上述した背面ベース985の収容部986bを収容する部分であり、収容部986bの外径と略同一の内径に設定される。よって、上述したように収容部986bの内部に磁性体988bを収容した状態で、第1凹部987aに収容部986bの先端を収容することで、収容部986bの内側に収容した磁性体988bが収容部986bから抜け出ることを抑制できる。
第2凹部987bは、その凹設底面に背面ベース985に締結固定するための貫通孔987b1を備える。また、第2凹部987bは、凹設部分の内形が、上述した背面ベース985の突設部986eの外径と略同一の内径に形成される。これにより、カバー部材987は、背面ベース985の突設部986eに第2凹部987bを収容して位置決め配置できると共に、位置決めした状態で貫通孔987b1を介してネジを突設部986eの締結孔に締結できる。
次いで、図113を参照して、流入口982dから遊技球が振分けユニット980に流入した場合の振り分け部983の動作について説明する。図113(a)及び図113(b)は、図112(b)の範囲CXIIIにおける振分けユニット980の部分拡大断面図である。なお、以下では、振分け部983の作用部983aが第1通路TR1の一方へ遊技球の送球を規制する状態から、第2通路TR2の他方への遊技球の送球を規制する状態へ変位される場合のみを説明し、第2通路TR2の他方への遊技球の送球を規制する状態から、第1通路TR1の一方への遊技球の送球を規制する場合の説明は省略する。
図113(a)及び図113(b)に示すように、振分け部983に遊技球が送球される前(作用部983aに遊技球が当接する前)では、上述したように、振分け983に配設される磁性体988cが磁性体988b(図110参照)と反発することで、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bが、第2通路TR2側へ傾いた状態とされる。なお、第2通路TR2側の作用部983aが正面ベース981の当接部982a1に当接することで、その回転量が規制される(図113(a)参照)。
この状態で遊技球が振分け部983に送球されると、遊技球は、中間板983b及び第1通路TR1側の作用部983aとの間に送球される。上述したように、作用部983aは、当接部983dとの連結位置が、中間板983bの当接部983dとの連結位置よりも重力方向他端側(重力方向下側)に設定されるので、遊技球の荷重を第1通路TR1側の作用部983aに作用させることができる。
これにより、振分け部983は、図113(b)に示すように、貫通孔983cを軸に回転変位され、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bが、第1通路TR1側へ傾いた状態とされる。なお、第1通路TR1側の作用部983aが正面ベース981の当接部982a1に当接することで、その回転量が規制される。また、この場合、磁性体988cの反発方向が、貫通孔983cから径方向外側の中間板983bを第2通路TR2側へ作用する状態から第1通路TR1側へ作用する状態に切り換えられる。
従って、振分け部983は、遊技球の荷重および磁性体988cの反発力を利用して、貫通孔983cを軸に回転変位させることができる。また、磁性体988cの反発力の方向が切り替わるので、振分け部983が回転した状態を維持させることができる。従って、振分け部983は、遊技球が送球される都度、中間板983bの傾き方向を変位させて、遊技球を第1通路TR1及び第2通路TR2に一球ずつ送球できる。
次いで、図114から図116を参照して、通路ユニット990の構成について説明する。図114(a)は、通路ユニット990の正面図であり、図114(b)は、通路ユニット990の側面図である。図115は、通路ユニット990の分解斜視正面図であり、図116は、通路ユニット990の分解斜視背面図である。
図114から図116に示すように、通路ユニット990は、振分けユニット980側が開口する複数の開口を備える第1通路部材991と、その第1通路部材991に配設される第1通路部材991を通過する遊技球を送球する第2通路部材992と、第2通路部材992に配設され第2通路部材992を通過した遊技球を送球する第3通路部材993と、第2通路部材992及び第3通路部材993の間に配設される検出装置SE4とを主に備えて形成される。
第1通路部材991は、正面視横長矩形に形成されると共に第2通路部材992側に所定の幅を備えて形成される。また、第1通路部材991は、振分けユニット980側の重力方向他側(重力方向上側)に貫通形成される第1挿通孔991aと、その第1挿通孔991aの重力方向一側(重力方向下側)に貫通形成される第2挿通孔991bと、その第2挿通孔991bの水平方向両隣に形成される貫通形成される第3挿通孔991c及び第4挿通孔991dと、正面視における外側周囲に円形状に複数個貫通形成される貫通孔991fとを主に備えて形成される。
第1挿通孔991aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第1挿通孔991aは、振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態において、振分けユニット980の開口985dと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985dを通過する遊技球を第1挿通孔991aに受け入れることができる。
また、第1挿通孔991aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第1挿通孔991aに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
さらに、第1挿通孔991aには、第2通路部材992を挿通するネジを螺合する締結孔991g1を備える円環状の円環突起991gが外周部分に連結して形成される。これにより、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定することができる。
第2挿通孔991bは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第2挿通孔991bは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985gと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985gを通過する遊技球を第2挿通孔991bに受け入れることができる。
また、第2挿通孔991bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2挿通孔991bに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
第3挿通孔991cは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第3挿通孔991cは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985bの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部(第1通路TR1)を流下して開口985eを通過する遊技球を第3挿通孔991cに受け入れることができる。
また、第3挿通孔991cは、重力方向他側(重力方向上側)に水平方向両側に凹設される凹設部991c1を備える。凹設部991c1は、振分けユニット980に配設される検出装置SE3の検出基板SE1bを内部に収容する部分であり、検出装置SE3の外形と略同一の寸法に形成される。これにより、検出装置SE3の検出基板SE1b側を凹設部991c1により保護することができると共に、検出装置SE3が振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態で外部から不正に操作されることを抑制できる。
さらに、振分けユニット980と通路ユニット990とを組み合わせる場合に、振分けユニット980に配設する検出装置SE3の検出基板SE1bを通路ユニット990の凹設部991c1の内部に受け入れることができるので、振分けユニット980と通路ユニット990との位置決めとすることができる。これにより、検出装置SE3の一部が外部に張り出すことを抑制して、送球ユニット970の全体としての小型化を図ることができる。
第3挿通孔991cは、第2通路部材992側の内縁に第2挿通孔991b側から突出する突設部991c2を備えると共に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が水平方向に隣り合う第2挿通孔991bから離間する方向に下降傾斜して形成される。これにより、第3挿通孔991cに流入した遊技球を突設部991c2に衝突させると共に、第2挿通孔991bから離間する方向(図114(a)左方向)に転動させることができる。
第4挿通孔991dは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第4挿通孔991dは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985bの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部(第2通路TR2)を流下して開口985fを通過する遊技球を第4挿通孔991dに受け入れることができる。
また、第4挿通孔991dは、重力方向他側(重力方向上側)に水平方向両側に凹設される凹設部991d1を備える。凹設部991d1は、振分けユニット980に配設される検出装置SE3の検出基板SE1bを内部に収容する部分であり、検出装置SE3の外形と略同一の寸法に形成される。これにより、検出装置SE3の検出基板SE1b側を凹設部991d1により保護することができると共に、検出装置SE3が振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態で外部から不正に操作されることを抑制できる。
さらに、第4挿通孔991dは、第2通路部材992側の内縁に第2挿通孔991b側から突出する突設部991c2を備えると共に、重力方向一側(重力方向下側)の内面が水平方向に隣り合う第2挿通孔991bから離間する方向に下降傾斜して形成される。これにより、第4挿通孔991dに流入した遊技球を突設部991d2に衝突させると共に、第2挿通孔991bから離間する方向(図114(a)右方向)に転動させることができる。
第2通路部材992は、正面視において上下反対の略T字状の板状に形成されると共に、重力方向他側(重力方向上側)に貫通する第5挿通孔922と、その第5挿通孔922の重力方向一側(重力方向下側)に貫通する第6挿通孔992cと、第5挿通孔922の内周縁に立設される立設壁992aとを主に備えて形成される。
第5挿通孔922は、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第5挿通孔991eは、第1通路部材991及び第2通路部材992が組み合わされた状態において、第1通路部材991の第1挿通孔991aの内部空間が連なる位置に形成される。これにより、第1通路部材991の第1挿通孔991aを通過する遊技球を第5挿通孔922に受け入れることができる。
立設壁992aは、第5挿通孔922の縁部全域から第3通路部材993側に向かって立設される。また、立設壁992aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第3通路部材993側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第5挿通孔922に送球された遊技球を第3通路部材993側(図114(b)右側)に転動させることができる。
立設壁992aの外周面には、水平方向に突出する係合部992dと、第1通路部材991側の端部から水平方向に突出する突設壁992eとを備えて形成される。係合部992dは、水平方向に突出すると共に、その先端が第3通路部材993側に屈曲するL字状に形成される。係合部992dは、立設壁992aとの対向間に後述する検出装置SE4及び振分けユニット980に配設される検出装置SE3の配線が挿入される。これにより、検出装置SE3及び検出装置SE4の配線を係止することができるので、検出装置SE3及び検出装置SE4が振分けユニット980及び通路ユニット990から抜け出ることを抑制できる。
突設壁992eは、立設壁992aの水平方向両側に正面視半円状に突出して形成され、その半円の軸に貫通する貫通孔992e1を備える。また、突設壁992eは、第1通路部材991及び第2通路部材992が組み合わされた状態において、第1通路部材991の円環突起991gと対向する位置に形成されると共に、貫通孔992e1が締結孔991g1と同軸上に位置される。これにより、第2通路部材992側から貫通孔992e1にネジを挿通すると共に、そのネジを締結孔991g1に螺合することで、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定できる。
第6挿通孔992cは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第6挿通孔992cは、第1通路部材991及び第2通路部材992を組み合わせた状態において、その内部空間が第1通路部材991の第2挿通孔991bの内部空間と連なる位置に形成される。これにより、第1通路部材991の第2挿通孔991bを通過する遊技球を第6挿通孔992cに受け入れることができる。
また、第6挿通孔992cの周囲には、第3通路部材993側に向かって立設されるガイド壁992c1が形成される。ガイド壁992c1は、第6挿通孔992cの重力方向一側(重力方向下側)に立設される第1壁部992c2と、その第1壁部992c2の延設方向の端部と連なると共に重力方向に延設される第2壁部992c3とから形成される。
第1壁部992c2及び第2壁部992c3は、検出装置SE4を配設する位置決めとなる壁面であり、第3通路部材993に形成される立設壁993e及び係合部993dとの対向間における寸法が検出装置SE4の対向における寸法と略同一に設定される。
また、検出装置SE4は、検出孔SE1aの内部空間が第6挿通孔992cの内部空間と連なる位置に配置される。これにより、第6挿通孔992cを通過する遊技球は、検出孔SE1aを通過して検出装置SE4に検出されると共に、第3通路部材993側に送球される。
また、第2通路部材992は、第6挿通孔992cから水平方向(図114(a)左右方向)に離間した位置に、第3通路部材993側に突設される円環突起992fを備える。円環突起992fは、その軸に円形状の孔の締結孔992f1を備える。締結孔992f1は、第3通路部材993を挿通したネジを螺合する孔であり、これにより、第2通路部材992及び第3通路部材993を締結固定できる。
第1挿通孔991aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも大きい正方形に形成される。また、第1挿通孔991aは、振分けユニット980及び通路ユニット990を組み合わせた状態において、振分けユニット980の開口985dと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985dを通過する遊技球を第1挿通孔991aに受け入れることができる。
また、第1挿通孔991aは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第1挿通孔991aに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
さらに、第1挿通孔991aには、第2通路部材992を挿通するネジを螺合する締結孔991g1を備える円環状の円環突起991gが外周部分に連結して形成される。これにより、第1通路部材991及び第2通路部材992を締結固定することができる。
第2挿通孔991bは、正面視において縦長矩形に形成され、短手方向の幅寸法が遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第2挿通孔991bは、振分けユニット980及び通路ユニット990が組み合わされた状態において、振分けユニット980の開口985gと内部空間が連なる位置に形成される。これにより、振分けユニット980の内部を流下して開口985gを通過する遊技球を第2挿通孔991bに受け入れることができる。
また、第2挿通孔991bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって下降傾斜して形成される。これにより、第2挿通孔991bに送球される遊技球を第2通路部材992側に転動させることができる。
第3通路部材993は、正面視横長矩形の板状に形成される。第3通路部材993は、長手方向略中間位置に貫通形成される第7挿通孔993aと、その第7挿通孔993aの縁部から立設される案内壁993bと、重力方向他側の縁部から第2通路部材992側に立設される立設壁993eと、長手方向に突出する係合部993dと、第2通路部材992側の側面に凹設される凹部993cとを主に備えて形成される。
第7挿通孔993aは、正面視において一辺が遊技球の直径よりも多きい正方形に形成される。また、第7挿通孔993aは、第2通路部材992及び第3通路部材993を組み合わせた状態において、第2通路部材992に配設される検出装置SE4の内部空間と連なる位置に形成される。これにより、第2通路部材992の第7挿通孔993a及び検出装置SE4の検出孔SE1aを通過した遊技球を第7挿通孔993aに受け入れることができる。
案内壁993bは、第7挿通孔993aの重力方向他側(重力方向上側)を除く3方向の縁部から第2通路部材992側と反対側に向かって立設される。また、案内壁993bは、重力方向一側(重力方向下側)の内面が第2通路部材992側に向かって上方傾斜(第2通路部材992側と反対側に向かって下降傾斜)して形成される。これにより、第7挿通孔992gに送球された遊技球を第2通路部材992側と反対側(図114(b)右側)に転動させることができる。
また、第3通路部材993は、図114(b)に示すように、第2通路部材992の立設壁992aの重力方向一側(図114(b)下側)に配設される。上述したように、第3通路部材993は、重力方向他側(図114(b)上側)が開放されるので、その分、第3通路部材993を立設壁992aに近づけて配設できる。その結果、上述した振分けユニット980の開口985dと開口985gとを近づけることができ、振分けユニット980及び通路ユニット990の重力方向における外形を小型化することができる。
立設壁993eは、第2通路部材992及び第3通路部材993が組み合わされた状態において、第2通路部材992の第1壁部992c2との対向間の距離寸法が、検出装置SE4の検出孔SE1aの軸と直交する方向における短手側の距離寸法と略同一に設定される。これにより、検出装置SE4の重力方向における位置決めをすることができる。
また、遊技球が送球される上流側(第2通路部材992側)に、検出装置SE4の重力方向下側の位置決めをする第1壁部992c2が形成される。これにより、第6挿通孔992cを通過する遊技球を検出装置SE4の検出孔SE1aに挿通させやすくできる。
即ち、検出孔SE1aは、遊技者の不正を防止する目的で、遊技球の直径よりも若干大きい寸法に形成されるため、遊技球の転動面の高さの微小な位置ずれにより、その内部に遊技球が挿通できなくなるところ、本実施形態では、遊技球が送球される上流側(第2通路部材992側)に、検出装置SE4の重力方向下側の位置決めをする第1壁部992c2が形成されるので、第6挿通孔992cと検出孔SE1aと転動面の高さが位置ずれすることを抑制できる。その結果、第6挿通孔992cを挿通する遊技球を検出孔SE1aに挿通させやすくできる。
係合部993dは、第3通路部材993の長手方向に突出して形成されると共に、その突出先端に第2通路部材992側に屈曲する屈曲部993d1を備える。屈曲部993d1は、第2通路部材992及び第3通路部材993が組み合わされた状態において、第2通路部材992の第2壁部992c3との対向間の距離寸法が、検出装置SE4の検出孔SE1aの軸と直交する方向における長手側の距離寸法と略同一に設定される。これにより、検出装置SE4の水平方向における位置決めをすることができる。
凹部993cは、第2通路部材992と第3通路部材993とが組み合わされた状態において、第2通路部材992の円環突起992fと対向する位置に形成されると共に、円環突起992fの外径よりも大きい内縁形状に形成される。また、凹部993cは、その凹設底面に円環突起992fの締結孔992f1と同軸上に貫通形成される貫通孔993c1を備える。これにより、凹部993cに第2通路部材992の円環突起992fを挿入すると共に、ネジを第3通路部材993側から貫通孔993c1を挿通させて締結孔992f1に螺合させることで、第2通路部材992及び第3通路部材993を締結固定できる。
以上のように構成される送球ユニット970によれば、送球ユニット970が、第1入賞口64及び第2入賞口140と異なるユニットから形成されると共に、第1入賞口64及び第2入賞口140を備える正面ユニット940の背面側(遊技領域と反対側)に配設されるので、送球ユニット970(振分けユニット980)を交換して別のユニットを配設することで、遊技領域を流下する遊技球の流下に影響することなく、別の遊技形態とできる。
図117及び図118を参照して、振分けユニット980の別のユニット(交換ユニット1980)について説明する。図117(a)は、交換ユニット1980の正面図であり、図117(b)は、交換ユニット1980の背面図である。図118(a)は、図117(a)のCXVIIIa−CXVIIIa線における交換ユニット1980の断面図であり、図118(b)は、図118(a)のCXVIIIb−CXVIIIb線における交換ユニット1980の断面図である。なお、上述した振分けユニット980と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
図117及び図118に示すように、交換ユニット1980は、遊技領域側に配設される正面ベース1981と、その正面ベース1981の遊技領域側と反対側に配設される背面ベース1985とを主に備えて形成される。
正面ベース1981は、有色半透明の樹脂材料から形成される。また、正面ベース1981は、正面視おける外形が振分けユニット980の正面ベース981と略同一に形成される。正面ベース1981は、ベース板981aと、そのベース板981aから遊技者側(背面ベース1985と反対側)に膨出する膨出部1982とを主に備えて形成される。
また、正面ベース1981は、その色が振分けユニット980の正面ベース981の色と異なる色(本実施形態では、黄色)の材料から形成される。これにより、遊技盤13に振分けユニット980が配設されているのか、交換ユニット1980が配設されているのかを遊技者に認識させやすくできる。
即ち、振分けユニット980を配設した仕様の遊技盤13(パチンコ機10)と、交換ユニット1980を配設した仕様の遊技盤13(パチンコ機10)とが、同一の店舗に導入された場合に、後述するようにどちらの仕様も遊技領域(遊技盤13の前面)の形状が同一のため、遊技者がどちらの仕様か判断し難くなるところ、振分けユニット980と交換ユニット1980との配色を異なるものとすることで、遊技者にどちらの仕様の遊技盤13(パチンコ機10)であるのかを認識させやすくできる。
ベース板1981aは、正面視における外形が振分けユニット980のベース板981aの外形と略同一に設定される。よって、振分けユニット980から交換ユニット1980に交換(仕様が変更)された場合に、ベース板60の貫通孔60aの形状を変更することなく、正面ベース1981(交換ユニット1980)をベース板60に配設できる。従って、振分けユニット980と交換ユニット1980との交換による仕様変更に伴って、ベース板60の形状を変更する必要がなくなり、製造コストの削減をすることができる。
膨出部1982は、ベース板1981aから膨出するドーム状に形成されると共に、その内側に遊技球を挿通可能な大きさに設定される。膨出部1982は、正面視縦長矩形に形成されると共に、重力方向上端部を切り欠いて形成される流入口982dを備えて形成される。
膨出部1982の水平方向における幅寸法は、一球の遊技球のみが通過可能な大きさに設定されており、流入口982dから流入した遊技球をその内側を通過させて流下させることができる。また、膨出部1982の重力方向一側(重力方向下側)の内面が、背面ベース1985に形成される開口985dの重力方向一側の内面と略同一の重力方向位置に設定される。これにより、流入口982dから交換ユニット1980に流入した遊技球を、流入口982dに流入する順で開口985dに送球することができる。
背面ベース1985は、正面視における外形が振分けユニット980の背面ベース985の外形と略同一に設定されると共に、膨出部1982の内部空間に連通される開口985dと貫通孔981cの内部空間に連通する開口985gとを備えて形成される。
以上のように構成される交換ユニット1980によれば、上述したように、ベース板1981aの正面視における外形が、振分けユニット980のベース板981aと略同一であるので、振分けユニット980から交換ユニット1980への交換(仕様の変更)を簡易に行うことができる。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口およびその入球口に連結される通路を備えた入球ユニットと、その入球ユニットが配設される遊技盤とを備えた遊技機が知られている。かかる遊技機によれば、入球ユニットを別の入球ユニット(例えば、通路の本数が異なるもの)に取り換えることで、遊技盤を流用(兼用)しつつ、遊技機の仕様を変更することができる。しかしながら、上述した遊技機では、入球ユニットが遊技盤の前面に配設されるので、例えば、通路の最大本数に応じたスペースを予め遊技盤の前面に確保しておく必要があった。そのため、通路の本数が少ない入球ユニットを用いる場合には、遊技盤の前面側のスペースに無駄が生じるという問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、振分けユニット980(入球ユニット)は、流入口982d及びその流入口982dに連結される第1通路TR1及び第2通路TR2を有すると共に、遊技盤13の前面側に配設される入賞口ユニット930と、その入賞口ユニット930の背面側にベース板60の貫通孔60aを介して配設されると共に、第1通路TR1及び第2通路TR2に連結される通路ユニット990を備えるので、遊技盤13の前面には入賞口ユニット930の大きさに対応するスペースを確保すれば足り、通路の最大本数に応じたスペースを遊技盤の前面に確保しておく必要がない。よって、振分けユニット980を交換ユニット1980に取り換えることで、遊技盤13(ベース板60及び正面ユニット940)を流用(兼用)しつつ、遊技盤13の仕様を変更する際に、遊技盤13の前面のスペースを有効に活用できる。
また、上述したように正面ユニット940は、上述したように無色透明(光透過性材料)の樹脂材料から形成され、振分けユニット980又は交換ユニット1980が、入賞口ユニットよりも小さな外形に形成されると共に、正面視において正面ユニット940に重なる位置に配設されるので、正面ユニット940を通して振分けユニット980を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、振分けユニット980又は交換ユニット1980を遊技者に視認可能とするために、ベース板60を光透過性材料から形成することが必須とされず、例えば、ベース板60をベニヤ板から形成することや、ベース板60にシールを張り付ける。或いは、ベース板60を塗装することも許容されるので、設計の自由度を高めることができる。
さらに、振分けユニット980又は交換ユニット1980は、有色半透明(光透過性材料)の樹脂材料から形成されるので、正面ユニット940と通して振分けユニット980又は交換ユニット1980の内部(通路)を流下する遊技球を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、正面ユニット940が、無色透明(光透過性材料)の樹脂材料から形成され、振分けユニット980又は交換ユニット1980は、有色半透明(光透過性材料)の樹脂材料から形成されるので、正面ユニット940を通して振分けユニット980又は交換ユニット1980との前後方向(重なり方向)の位置関係を遊技者に把握させやすくできる。即ち、遊技球が前後方向に位置を変化させて流下される態様を遊技者に視認させやすくできるので、遊技の興趣を高めることができる。
また、振分けユニット980の遊技球の通路は、流入口982dに連通される送球通路TR0と、その送球通路TR0から分岐される第1通路TR1及び第2通路TR2とを備えて形成される。また、振分けユニット980には、第1通路TR1及び第2通路TR2を通過する遊技球を検出する検出装置SE3が配設される。従って、遊技球の通過経路が多い振分けユニット980から少ない交換ユニット1980に変更して異なる仕様の遊技機を製造する場合に、検出装置SE3の配設数を作業者が間違えることを抑制できる。
即ち、振分けユニット980又は交換ユニット1980の下流側に配設される通路ユニット990に検出装置SE3を配設する構造では、振分けユニット980の通路の分だけ検出装置SE3を配設できるところ、流下通路が2本形成される振分けユニット980から流下通路が1本の交換ユニット1980に変更する場合に、1の検出センサを通路ユニット990に配設すれば足りるのに、振分けユニット980の流下通路の本数分だけ検出装置SE3を配設してしまう可能性がある。これに対し、送球通路TR0から分岐される通路に検出装置SE3を配設する構造であれば、振分けユニット980を交換ユニット1980に変更する際に、そのユニットに応じた数の検出装置SE3を配設することになるため、その配設数を作業者が間違えることを抑制できる。
一方、第2入賞口140への遊技球の流入を検出する検出装置SE4は、上述したように、通路ユニット990に配設される。よって、振分けユニット980及び交換ユニット1980に配設される検出装置を分散させることができ、その分、通路の配置の自由度を高めることができる。
また、交換ユニット1980には、振分けユニット980と同一の位置に第2入賞口140から流入される遊技球を送球する側壁部981bが形成される。従って、振分けユニット980と同様に、交換ユニット1980を正面ユニット940(入賞口ユニット930)に配設する際に、側壁部981bを利用して交換ユニット1980の位置決めをすることができる。即ち、交換ユニット1980の形態に関わらず、転動部943aと側壁部981bとの連結される位置は同一であるので、転動部943aに対して側壁部981bを位置決めすることで、交換ユニット1980であっても、正面ユニット940に対して位置決めを行うことができる。
さらに、正面ユニット940に対する交換ユニット1980の位置決めは、振分けユニット980と同様に、転動部943aと側壁部981bとの連結部分に位置ずれ(段差)が生じることを抑制することが目的となるところ、その対象となる部分を位置決めすることができるので、他の部分を位置決めする場合と比較して、位置ずれ(段差)の発生を効果的に抑制できる。その結果、遊技球をスムーズに流下させることができる。
次いで、図119を参照して、入賞口ユニット930及び送球ユニット970の配置について説明する。図119は、図A01のCXIX−CXIX線における遊技盤13の断面図である。
図119に示すように、正面ユニット940及び送球ユニット970の各通路の連結は、前後方向(図119左右方向)に当接した状態とされると共に、送球ユニット970に形成される凸部が、正面ユニット940に形成される突部に挿入される。
詳しく説明すると、第1送球部942gと流入口982dとは、第1送球部942gに形成される第1凹欠部942g1の内側に流入口982dに形成される第2突起982d1が配置される。また、第2送球部942cと側壁部981bとは、第2送球部942cに形成される第2凹欠部942c1の内側に、側壁部981bに形成される突起981b1が配置される。
また、正面ユニット940の第2送球部942cと振分けユニット980の側壁部981bとは、駆動ユニット960に形成される腕部962eと壁部962fに囲われる内部空間に配設される。
ここで、従来より、遊技盤と、その遊技盤の正面側に配設されると共に遊技球が通過する第1通路を有する第1部材と、その第1部材の第1通路に連通される第2通路を有すると共に遊技盤の背面側に配設される第2部材と、を備えた遊技機が知られている。遊技盤の正面側を流下し、第1部材の第1通路に流入した遊技球は、第1通路を通過した後、第2部材の第2通路へ流入し、遊技盤の背面側において、第2通路を通過する。これにより、遊技球の通過経路が前後方向に変化され、遊技者に興趣を与えることができる。
この場合、第1通路と第2通路との連結部分に位置ずれ(段差)が生じていると、遊技球のスムーズな流下が阻害されるため、第1部材に対する第2部材の位置精度を確保することが要請される。しかしながら、上述した遊技機では、第1部材に対する第2部材の位置決めが困難であるという問題点があった。即ち、遊技盤の正面には、第1部材だけでなく、通路を有する他の部材や装飾部材などの各種部材が配設されるため、それらの各部材を位置決めするための位置決め孔を遊技盤に形成する工程内で、第1部材を位置決めするための位置決め孔も形成できる一方、第2部材を位置決めするための位置決め孔を遊技盤の背面に形成するためには、遊技盤を反転させた上で第2部材のためだけの位置決め孔を形成するという別工程が必要となり、現実的ではない。
これに対し、本実施形態では、上述したように、正面ユニット940に駆動ユニット960が配設されられる場合に、駆動ユニット960の突設部962gの対向間に正面ユニット940の一対の第2ガイド壁942dが挿入される。正面ユニット940に送球ユニット970が配設される場合には、突設部962gが突設される腕部962eの対向間に振分けユニット970の側壁部981bが挿入される。
即ち、駆動ユニット960は、正面ユニット940の第2ガイド壁942dと係合する突設部962g(ガイド部962b)と、送球ユニット970の側壁部981bと係合する腕部962e(ガイド部962b)とを備える。これにより、正面ユニット940と送球ユニット970とを駆動ユニット960のガイド部962bを利用して位置決めを行うことができる。
ガイド部962bの腕部962eは、正面ユニット940の一対の第2送球部942cの対向方向外側に位置される。これにより、ガイド部962bの腕部962eは、突設部962gが正面ユニット940の第2ガイド壁942dに、腕部962eが送球ユニット970の側壁部981bに、それぞれ係合されるので、正面ユニット940に対する送球ユニット970の位置決めを効果的に行うことができる。即ち、正面ユニット940に対する送球ユニット970の位置決めは、第2送球部942cと側壁部981bとの連結部分に位置ずれ(段差)が生じることを抑制することが目的となるところ、その対象となる部分(第2送球部942cと側壁部981bとの連結部分)をガイド部962b(腕部962e)により、直接位置決めすることができるので、他の部分をガイド部962bにより位置決めする場合と比較して、位置ずれ(段差)の発生を効果的に抑制できる。
また、ガイド部962bを備える駆動ユニット960は、正面ユニット940に配設された状態で、ベース板60の貫通孔60aの内部空間に配設される。よって、駆動ユニット960を配設するための開口部分を別途設ける必要がない。即ち、正面ユニット940の第2送球部942cと側壁部981bとの連結部分を配設するための貫通孔60aを配設空間としても兼用することができるので、その分、加工工数を低減して、製品コストの低減を図ることができる。
上述したように、ガイド部962bを備える駆動ユニット960は、第2送球部942cを備える正面ユニット940に配設(保持可能に形成)されるので、遊技盤13の正面および背面に正面ユニット940及び送球ユニット970をそれぞれ取り付ける際に、駆動ユニット960を別途取り付ける必要がなく、正面ユニット940を取り付けることで、駆動ユニット960の取り付けも同時に行うことができる。よって、その分、取り付けの作業性の向上を図ることができる。
また、正面ユニット940に駆動ユニット960を配設した状態では、正面ユニット940に駆動ユニット960の突設部962g及び腕部962eが、それぞれ第2ガイド壁942d及び第2送球部942cに係合される。よって、ベース板60に正面ユニット940と駆動ユニット960とを取り付けた後に、駆動ユニット960の突設部962g及び腕部962eをそれぞれ第2ガイド壁942d及び第2送球部942cに係合させる作業を別途行う必要がない。よって、その分、取り付け作業性の向上を図ることができる。
さらに、正面ユニット940に駆動ユニット960が配設された状態では、駆動ユニット960の腕部962eが、正面ユニット940と反対側から送球ユニット970に係合可能に形成されるので、ベース板60に正面ユニット940及び駆動ユニット960を同時に取り付けた後に、ベース板60の背面に駆動ユニット960を取り付けることで、かかる取り付け動作と同時に、駆動ユニット960の腕部962eを送球ユニット970に係合させることができる。よって、その分、取り付け作業の作業性の向上を図ることができる。
上述したように、一対の腕部962eの対向間は、壁部962fが連結されており、正面ユニット940及び駆動ユニット960が組み合わされた状態において、腕部962e及び壁部962fと正面ユニット940の背面ベース941との対向間に上述した変位部材966が配設される。よって、変位部材966の変位を案内する部材を別途設けることを不要とできる。よって、その分、正面ユニット940の構造を簡素化でき、製品コストの削減を図ることができる。
また、この場合、ガイド部962bの壁部962fは、一対の羽部材945の突起945bが挿入される変位部材966の摺動溝966a2とその開放方向に対向する位置に配置される。よって、駆動ユニット960の壁部962fにより変位部材966の摺動溝966a2の開口を外部から遮断して、埃や異物が摺動溝に侵入することを抑制できる。その結果、摺動溝966a2に侵入した埃や異物により、突出部966aの摺動が妨げられることを抑制して、一対の羽部材を安定して開放または閉鎖させることができる。
次いで、図120及び図121を参照して、第2送球部942cと側壁部981bとの連結を代表例として、その連結状態を説明する。図120(a)及び図121(a)は、図119の範囲CXXaにおける遊技盤13の部分拡大断面図であり、図120(b)及び図121(b)は、図120(a)のCXXb−CXXb線における遊技盤13の部分拡大断面図である。なお、図121(a)及び図121(b)では、図120(a)及び図120(b)に示す位置から、入賞口ユニット930及び送球ユニット970が所定の量離間された状態が図示される。
図120及び図121に示すように、突起981b1及び第2凹欠部942c1は、転動面981c1との離間距離L38が、遊技球の半径と略同一に設定される。
ここで、遊技球が通過する第1通路部材と、その第1通路部材の下流端に上流端が連結され第1通路部材から流下された遊技球が通過する第2通路部材とを備えた遊技機が知られている。しかしながら、このように、第1通路部材と第2通路部材とを連結する構造では、両者の間の位置ずれが避けられないため、第1通路部材の下流端と第2通路部材の上流端との連結部分に段差が形成され、遊技球のスムーズな流下が阻害される恐れがあるという問題点があった。
また、入賞口ユニット930及び送球ユニット970は、上述したように、ベース板60の両側にそれぞれ締結固定される。そのため、ベース板60の厚み寸法に誤差ができる(厚みが大きくされる)と入賞口ユニット930及び送球ユニット970とが、ベース板60の厚み方向(図120(a)左右方向)に離間する恐れがある。その場合、第2送球部942cと側壁部981bとの間に隙間が形成され、遊技球のスムーズな流下が阻害される恐れがあるという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、側壁部981bの転動面981c1と突起981b1の上流端部とが、遊技球の通過方向に位置を異ならせて形成されるので、遊技球が底面側の段差を通過するタイミングと側面側の段差を通過するタイミングとを異ならせることができる。よって、これら底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを回避し、それらの影響を分散させられるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
即ち、図121に示すように、第2送球部942cの遊技球の転動部943a及び側壁部981bの遊技球の転動面981c1の間に形成される空間の隙間K1と、第2送球部942cの第2凹欠部942c1及び側壁部981bの突起981b1の間に形成される空間の隙間K2とは、遊技球の転動方向(図121(a)左右方向)に異なる位置に形成される。これにより、第2送球部942cから側壁部981bに転動される遊技球が、隙間K1と隙間K2との両方に入り込むことを抑制できる。よって、第2送球部942c及び側壁部981bの連結部分に形成される隙間により、遊技球が受ける抵抗の最大値を低減できる。その結果、遊技球が、第2送球部942c及び側壁部981bとの隙間で停止することを抑制できる。
次いで、図122を参照して、第8実施形態の変位部材8966について説明する。上記第7実施形態では、摺動溝966a2が直線状に形成される場合を説明したが、第8実施形態の変位部材8966の摺動溝8966a2は、変位部材8966の短手方向両外側に、重力方向他側(重力方向上側(図122上方))に向かって凹設される凹部8966a6を備え、背面視において略L字状に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図122は、第8実施形態における正面ユニット940及び変位部材8966の背面図である。なお、図122は、図91に対応する。図122に示すように、第8実施形態における変位部材8966は、正面視縦長矩形の板状に形成されると共に、正面視略中央位置に第2開口966cが板厚方向に貫通形成される。第2開口966cは、正面視における内縁の形状が背面ベース941の第2入賞口140の内縁形状よりも大きく形成され、変位部材8966が正面ユニット940に配設された状態では、その内側に第2入賞口140が配置される。
また、変位部材8966は、長手方向(図122上下方向)一端側(図122上側)から短手方向(図122左右方向)に突出する突出部966aと、長手方向他端側(図122下側)から背面側(図122紙面手前側)に膨出する膨出部966bとを備えて形成される。
突出部966aは、変位部材8966の板厚方向に貫通して形成される摺動溝8966a2と、変位部材8966の短手方向両外側に位置し長手方向に延設される当接部966a1とを備える。
摺動溝8966a2は、内側に羽部材945の突起945bが挿入される孔であり、変位部材966の短手方向に延設されると共に、短手方向外側に凹部8966a6が重力方向他側(重力方向上側(図122上側))に向かって凹設される。
凹部8966a6は、短手方向の幅寸法が、突起945bの外周面の対向間における最大寸法よりも大きく設定される。また、突起945bの移動側の側面は、突起945bの移動方向(図122左右方向)と略直交する方向に延設されると共に、その延設方向が、閉鎖状態における羽部材945の突起945bの第1面945b1と平行とされる。
従って、羽部材945が閉鎖状態とされる場合に、凹部8966a6の内側に突起945bの少なくとも一部を収容できると共に、羽部材945側が回転された場合に、第1面945b1を凹部8966a6の内面と当接させて突起945bの変位を規制することができる。
一方、伝達部材965(ソレノイド610)側から駆動が伝達される場合には、変位部材8966が重力方向他側(重力方向上側)にスライド変位されることで、羽部材945の突起945bを凹部8966a6の内側から抜き出すことができる。これにより、突起945bと摺動溝8966a2の内面とを当接させて、突起945bを変位させることができる。
即ち、羽部材945から駆動が伝達される場合には、その駆動が伝達部材965側へ伝達されることを規制できると共に、伝達部材965側から駆動が伝達される場合には突起945bと凹部8966a6との係合を解除して、突起945bを変位可能とできる。その結果、羽部材945が外部から強制開放されることを抑制できる。
さらに、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合に、変位部材8966は、重力方向一側(重力方向下側)にスライド変位される。また、凹部8966a6は、重力方向他側(重力方向)上側に向かって凹設されるので、突起945bを変位部材8966のスライド変位に伴って受け入れることができる。従って、変位部材8966の重さ(自重)を利用して凹部8966a6に突起945bが受け入れられた状態を維持しやすくできる。
次いで、図123を参照して、第9実施形態の伝達部材9965の挿入部9965eについて説明する。上記第7実施形態では、伝達部材965の挿入部965eは、先端が変位部材966の連結孔966b1の内部に配置される場合を説明したが、第9実施形態では、伝達部材9965の挿入部9965eの先端が連結孔966b1から突出される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図123(a)及び図123(b)は、第9実施形態における駆動ユニット8960及び変位部材966の断面図である。なお、図123(a)及び図123(b)は、図96(a)に対応する。また、図123(a)では、羽部材945の閉鎖状態が図示され、図123(b)では、閉鎖状態の羽部材945が遊技者から不正に操作(強制開放)されて閉鎖状態から開放状態に変位する途中の係合状態が図示される。
図123に示すように、第9実施形態における伝達部材9965は、側面視において屈曲して形成され、ソレノイド610の軸部961bの変位方向に延設される先端部9965aと、その先端部9965aに連なると共に連結部材964側に延設される回転部965bとから形成される。
先端部9965aは、第7実施形態と同様にソレノイド610から離間するに従って回転軸965cの軸方向における幅寸法が小さくされる。また、先端部9965aは、その先端に変位部材966の連結孔966b1に挿入される挿入部9965eと、回転軸965cとの連結側から重力方向一側(重力方向下側)に突設される立設部965fとを備えて形成される。
挿入部9965eは、正面視における外形が変位部材966の連結孔966b1の内縁形状よりも小さく形成されており、連結孔966b1の内側に挿通して配設されると共に、先端の端部が連結孔966b1から突出される。また、挿入部9966eは、連結孔966b1から重力方向一側(重力方向下側)に突出する係合部9965e3と、重力方向他側(重力方向上側)から連結孔966b1の内面側に膨出する膨出部965e1とを備えて形成される。
係合部9965e3は、変位部材966の変位方向(重力方向)に突出して形成されると共に、回転軸965c側の側面の当接面9965e4が変位部材966の前面と若干の隙間を隔てる位置に形成される。これにより、図123(b)に示すように、変位部材966が矢印Yの方向(重力方向他側)に変位された場合に、変位部材966の前面と当接面9965e4を当接させて伝達部材9965の変位を規制できる。
詳しく説明すると、変位部材966が矢印Yの方向に変位されると、連結孔966b1の一側被当接部966b2が伝達部材9965の挿入部9965eに当接して、伝達部材9965が回転変位される。この場合、伝達部材9965の挿入部9965eは、回転変位により矢印Yの方向に変位されると共に回転軸965c側に変位される。従って、挿入部9965eの回転軸965c側への変位により、当接面9965e4を変位部材966の前面に当接させることができる。これにより、伝達部材9965の変位が規制されるので、変位部材966の矢印Yの方向への変位も同様に規制される。
一方、ソレノイド610から駆動が伝達される(連結部材964が変位される)場合には、伝達部材965が変位部材966よりも先に回転へえにすることで、挿入部9965eと変位部材966とが当接することを抑制できる。従って、伝達部材965を回転変位させて、変位部材966を変位させることができる。
上述したように、変位部材966には、一対の羽部材945の突起945bが連結される。よって、羽部材945側から駆動が伝達される場合には、変位部材966と当接面9965e4とが当接して伝達部材9965の回転を規制できる。よって、羽部材945が外部から強制開放されることを抑制できる。
即ち、第9実施形態における伝達部材9965は、挿入部9965eとその挿入部9965eの先端から張り出す係合部9965e3とを備え、羽部材945が閉鎖された状態で、変位部材966を変位させて変位部材966の他側被当接部966b3に挿入部9965eの一側が当接されると、係合部9965e3が変位部材966に係合される。よって、羽部材945が外部から強制開放される場合に、係合部9965e3と変位部材966とを係合させることができる。その結果、羽部材945が外部から強制開放されることを抑制できる。
次いで、図124を参照して、第10実施形態における伝達部材10965及び変位部材10966について説明する。上記第7実施形態では、伝達部材965の挿入部965eは、先端が変位部材966の連結孔966b1の内側に配置されるのみの場合を説明したが、第10実施形態では、伝達部材10965の挿入部10965eの先端が連結孔10966bと係合される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は小やs九する。
図124(a)及び図124(b)は、第10実施形態における駆動ユニット10960及び変位部材10966の断面図である。なお、図124(a)は、図96(a)と対応し、図124(b)は、図96(b)に対応する。また、図124(a)では、羽部材945の閉鎖状態が図示され、図124(b)では、羽部材945の開放状態が図示される。
図124に示すように、第10実施形態における伝達部材10965は、側面視において屈曲して形成され、ソレノイド610の軸部961bの変位方向に延設される先端部10965aと、その先端部10965aに連なると共に連結部材964側に延設される回転部とから形成される。
先端部10965aは、第7実施形態と同様にソレノイド610から離間するに従って回転軸965cの軸方向における幅寸法が小さくされる。また、先端部10965aは、その先端に後述する変位部材10966の連結孔10966bに挿入される挿入部10965eと、回転軸965cとの連結側から重力方向一側(重力方向下側)に突設される立設部965fとを備えて形成される。
挿入部10965eは、正面視における外形が変位部材10966の連結孔10966bの内縁形状よりも小さく形成されており、連結孔10966bの内側に挿入して配設される。また挿入部10965eは、重力方向一側(重力方向下側)から突設される係合部10965e3と、重力方向他側(重力方向上側)から連結孔966b1の内面側に膨出する膨出部964d1とを備えて形成される。
係合部10965e3は、回転軸965cの軸を中心に湾曲する板状に形成され、羽部材945が閉鎖された状態において、後述する変位部材10966の凹部10966dの内側に配設される。また、変位部材10966は、回転軸965c側の側面(内面)に当接面10965e4を備える。当接面10966d4は、羽部材945が閉鎖された状態において、後述する変位部材10966の当接面10966dcと所定の隙間を隔てて対向して配設される。
変位部材10966は、正面視横長矩形の板状体から形成されると共に、正面視略中央位置に第2開口966cが板厚方向(図124(a)左右方向)に貫通形成される。第2開口966cは、正面視における内縁の形状が背面ベース941の第2入賞口140及び第2送球部942c(図88参照)よりも大きく形成され、内側に第2送球部942cを挿入した状態で配置される。これにより、第2入賞口140を介して遊技領域と反対側に送球される遊技球が変位部材966の内縁に衝突することを抑制できる。
また、変位部材10966は、長手方向一端側から短手方向に突出する突出部966aと、長手方向他端側から背面側に膨出する膨出部966bと、その膨出部966bの反対面に凹設される凹部10966dとを主に備える。
凹部10966dは、連結孔966b1の他側被当接部966b3に連なって凹設されると共に、膨出部966b側の側面に被当接面10966d1を備える。被当接面10966d1は、羽部材945が閉鎖された状態において、上述した伝達部材10965の回転軸965cの軸を中心に湾曲して形成され、伝達部材10965の当接面10965e4と若干の隙間を隔てて対向して配設される。また、被当接面10966d1は、連結孔966b1に連結する端部に傾斜面10966d2を備える。
傾斜面10966d2は、一側被当接部966b2側に向かって背面側に傾斜して形成される。また、傾斜面10966d2は、回転軸965cを中心とする被当接面10966d1よりも径方向内側に形成される。
また、第10実施形態では、連結孔966b1の他側被当接部966b3から一側被当接部966b2までの対向間の距離寸法が、羽部材945が閉鎖された状態の正面視における挿入部10965eの重力方向の幅寸法L39(図124(a)参照)よりも大きく設定される。これにより、伝達部材10965が回転された場合に、当接面10965e4が背面側に変位されることで、当接面10965e4と被当接面10966d1とが当接して伝達部材10965の回転が規制されることを抑制できる。
以上のように構成される駆動ユニット10960及び変位部材10966によれば、羽部材945を開放状態に変位させる場合に、ソレノイド610が駆動されると、その駆動が連結部材964から伝達部材10965に伝達される。これにより、伝達部材10965が回転軸965cを軸に回転される。上述したように、伝達部材10965の当接面10965e4及び変位部材10966の被当接面10966d1は、回転軸965cの軸を中心に湾曲して形成されるので、伝達部材10965が回転軸965cを軸に回転されると、当接面10965e4が被当接面10966d1と若干の隙間を隔てた状態を維持つつ変位される。即ち、当接面10965e4と被当接面10966d1とが干渉せずに変位される。
上述したように、連結孔966b1の他側被当接部966b3から一側被当接部966b2までの対向間の距離寸法が、伝達部材10965の幅寸法L36よりも大きく形成されるので、伝達部材10965を回転させることで、変位部材10966の凹部10966dの内側に配設した挿入部10965eを凹部10966dの外側に出すことができる。これにより、伝達部材10965の膨出部965e1を他側被当接部10966b3に当接させて変位部材10966をスライド変位させることができる。従って、一対の羽部材945を開放状態に変位させることができる。
また、一対の羽部材945を開放状態から閉鎖状態に変位させる場合には、伝達部材10965の係合部10965e3の先端が、被当接面10966d1に形成された傾斜面10966d2に沿って摺動されることで、変位部材10966を重力方向一側(重力方向下側)に変位させつつ、係合部10965e3を凹部10966dの内側に変位させることができる。
一方、一対の羽部材945を開放状態に変位させる場合に、一対の羽部材945から駆動が伝達されると、その駆動が変位部材10966から伝達部材10965に伝達される。この場合、伝達部材10965の係合部10965e3が、変位部材10966の凹部10966dの内側に配置された状態で、変位部材10966がスライド変位される。従って、変位部材10966のスライド変位に伴って伝達部材965が回転変位されるので、その回転変位により係合部10965e3が背面側に変位される。従って、係合部10965e3の当接面10965e4が、凹部10966dの被当接面10966d1に当接され、伝達部材10965の回転変位が規制される。その結果、羽部材945が外部から強制開放されることを抑制できる。
即ち、第10実施形態における伝達部材10965は、挿入部10965eと、その挿入部10965eの先端から張り出す係合部10965e3とを備え、羽部材945が閉鎖された状態では、一側被当接部966b2に挿入部10965eの重力方向一側が当接されると共に係合部10965e3が変位部材10966に係合されると共に、他側被当接部966b3に挿入部10965eの重力方向他側(膨出部965e1)が当接される位置まで伝達部材10965が重力方向他側へ回転されると、係合部10965e3の変位部材10966との係合が解除されるので、伝達部材10965を回転させずに変位部材10966を重力方向他側へスライド変位させることが規制される。よって、羽部材945が外部から強制海保されることを抑制できる。
一方、係合部10965e3が、変位部材10966の凹部10966dの内側から外側に出る位置まで伝達部材10965が回転されると、係合部10965e3の変位部材10966との係合が解除されるので、伝達部材10965を更に重力方向他側へ回転させることで、変位部材10966を重力方向他側へ向けてスライド変位させ、羽部材945を開放することができる。
次いで、図125及び図126を参照して、第11実施形態における変位部材11966について説明する。上記第7実施形態では、変位部材966は、第2入賞口140からの遊技球の転動通路に配置されない場合について説明したが、第11実施形態における変位部材11966は、第2入賞口140からの遊技球の転動通路上に配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図125は、第11実施形態における背面ベース941及び変位部材11966の分解斜視背面図である。図126(a)及び図126(b)は、正面ユニット940及び変位部材11966の背面図である。なお、図126(a)では、羽部材945の閉鎖状態が図示され、図126(b)では、羽部材945の開放状態が図示される。
図125及び図126に示すように、第11実施形態における正面ユニット940は、第2入賞口140の水平方向両外側に一対の第2ガイド壁11942bが重力方向に延設される。また、第11実施形態では、第2送球部942cの対向間に配置される転動部943aの先端位置が、第2送球部942cの突設先端位置と略同一に設定される。
一対の第2ガイド壁11942bは、その対向する側面にギア歯面の第1歯面11942b1が形成される。また、一対の第2ガイド壁11942bは、その対向間における離間距離が後述する変位部材11966の水平方向(図126(a)左右方向)の幅寸法よりも大きく設定され、対向間に変位部材11966が配設される。
第1歯面11942b1は、後述する変位部材11966に軸支される第1ギヤGY1が歯合される。これにより、変位部材11966がスライド変位させることで、第1歯面11942b1に歯合する第1ギヤGY1を回転できる。
変位部材11966は、正面視横長矩形の板状体に形成される第1部材11967と、その第1部材11967に変位可能な状態で配設される第2部材11968と、第1部材11967に軸支されると共に第2部材11968に歯合される第1ギヤGY1とを備えて形成される。
第1部材11967は、正面視略中央位置に第2開口966cが板厚方向に貫通形成される。また、第1部材11967は、第2開口966cの重力方向他側(重力方向上側)に、変位部材11966の長手方向に沿って延設される一対の摺動溝966a2と、第2開口966cを挟んだ短手方向両側に円環状に突設される支持部11966d及び摺動突起11966eとを備えて形成される。
支持部11966dは、第1部材11967側に突設されると共に、先端が第1ギヤGY1の軸孔に挿入される。これにより、第1ギヤGY1を第1部材11967に回転可能な状態で支持することができる。
摺動突起11966eは、第1部材11967側に突設されると共に、先端が第2部材11968の摺動溝11968bの内側に挿入される。これにより、第2部材11968を第1部材11967に配設できる。
第2部材11968は、正面視略門型の板状体に金属材料から形成され、水平方向(図126(a)左右方向)の両端面にギア歯面の第2歯面11968a1と、その第2歯面11968a1(図126(a)上下方向)の延設方向に沿って長孔状に板厚方向に貫通形成される摺動溝11968bと、門型に形成された内縁のうちの水平方向に延設される端面に板厚方向に傾斜する刃部11968cとを備えて形成される。
一対の第2歯面11968a1は、それぞれ第1ギヤGY1に歯合される。これにより、第1ギヤGY1の回転を第2歯面11968a1が形成される第2部材11968の水平方向両側面から伝達できる。
摺動溝11968bは、上述したように第2歯面11968a1の延設方向に沿って長孔状に形成されると共に、内側に第1部材11967の摺動突起11966eが挿入される。よって、第2部材11968は、第1部材11967に対して摺動溝11968bと摺動突起11966eとの隙間の分、スライド変位させることができる。
よって、上述したように一対の第1ギヤGY1が第1部材11967の変位により回転変位されると、その第1ギヤGY1の回転が第2歯面11968a1から第2部材11968に伝達されて、第2部材11968が第2歯面11968a1の延設方向に変位される。
刃部11968cは、第1部材11967側に向かって下降傾斜して形成され、その下端部が、羽部材945が閉鎖された状態において、第2送球部942cの重力方向他端側の内面よりも、重力方向他端側に配置される。これにより、刃部11968cの先端を第2入賞口140から流入する遊技球の転動面よりも重力方向他端側に配置できる。
また、第2送球部942cの突設距離は、第2部材11968の背面側と当接する長さに設定される。上述したように、第11実施形態では、第2送球部942cの対向間に配置される転動部943aの先端位置が、第2送球部942cの先端位置と略同一の位置に設定される。これにより、第2入賞口140から流入する転動面の端部と刃部と11968cとで第2入賞口140の内部に挿入される異物を切断することができる。
以上の様に構成される変位部材11966によれば、図126(a)に示すように、羽部材945が閉鎖状態とされる場合には、第2部材11968の刃部11968cを転動部943a及び第2送球部942cの先端部よりも重力方向下側に配置できるので、駆動ユニット960のソレノイド610から駆動が伝達されていない状態で、不正操作により羽部材945の突起945bが切断されて突起945bが強制開放された場合に、第2入賞口140から入球される遊技球の流下を変位部材11966によって規制することができる。
一方、羽部材945が開放状態とされる場合には、変位部材11966の第1部材11967が伝達部材965により上方に変位されることで、第2部材11968が変位される。なお、第1部材11967の変位量は、遊技球の半径分よりも大きく設定される。これにより、第2部材11968は、上述したように、背面ベース941に対して、第1部材11967の変位量と倍の変位量とされるので、第2入賞口140から入球される遊技球の転動面となる転動部943aから遊技球の直径よりも大きい距離離間することができる。その結果、羽部材945が開放状態とされる場合には、第2入賞口140から入球される遊技球の流下を許容することができる。
即ち、第2部材11968は、羽部材945を開放させる位置から、閉鎖させる位置まで変位部材11966がスライド変位された際に第2入賞口140から流下する遊技球の通路を横切ると共にその通路の縁部(転動部943a及び第2送球部942cの端部)に擦接する刃部を備えるので、第2入賞口140から遊技球の転動通路内に不正に挿通された不正物を切断することができる。
例えば、遊技球に糸の先端を接着し、かかる遊技球を第2入賞口140から入球させると共に転動部943aを通過させて、その遊技球の通過を検知する検出装置SE4(図114参照)に遊技球が達した状態で、糸の他端を操作(繰り出し、引き寄せ)して、遊技球を往復させることで、検出装置SE4に複数回検出させる不正行為がある。かかる不正行為に対し、第11実施形態によれば、羽部材945が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、羽部材945を開放させる位置から閉鎖させる位置まで、変位部材11966(第2部材11968)がスライド変位され、刃部11968cが転動部943a及び第2送球部942cの通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を刃部11968cと共に変位させて転動部943a又は第2送球部942cの縁部へ押し付けると共に、刃部11968cが転動部943a及び第2送球部942cの縁部に擦接される際に、刃部11968cと転動部943a又は第2送球部942cの縁部との間で糸を切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
次いで、図127及び図128を参照して、第12実施形態における変位部材12966について説明する。上記第7実施形態では、変位部材966は、第2入賞口140から遊技球の転動通路上に配置されない場合について説明したが、第12実施形態における変位部材12966は、第2入賞口140からの遊技球の転動通路上に配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図127は、第12実施形態における背面ベース941及び変位部材12966の分解斜視背面図である。図128(a)及び図128(b)は、正面ユニット940及び変位部材12966の背面図である。なお、図128(a)では、羽部材945の閉鎖状態が図示され、図128(b)では、羽部材945の開放状態が図示される。
図127及び図128に示すように、第12実施形態における正面ユニット940は、第2入賞口140の水平方向両外側に一対の第2ガイド壁12942bが重力方向に延設される。また、第12実施形態では、第2送球部942c及び転動部943aの突出距離が短く設定され、突設先端面が後述する変位部材12966の第1部材12967の前面と当接する位置に設定される。
また、正面ユニット940の第2入賞口140の水平方向両外側には、変位部材12966側に突出する第1支持部12942k1及び第2支持部12942k2を備える。第1支持部12942k1及び第2支持部12942k2はそれぞれ後述する第1ギヤGY1及び第2ギヤGY2の軸に挿通され、第1ギヤGY1及び第2ギヤGY2を軸支できる。
一対の第2ガイド壁12942bは、その対向する側面の重力方向一端側(重力方向下側)に当接部12942b2が対向方向に突設される。一対の当接部12942b2の対向間の距離寸法は、後述する第1部材12967の短手方向の幅寸法よりも若干大きく設定される。これにより、一対の当接部12942b2の対向間に第1部材12967を配設できると共に、その第1部材12967のスライド変位を案内することができる。
変位部材12966は、正面視縦長矩形の板状体から形成される第1部材12967と、その第1部材12967に変位可能な状態で配設される第2部材12968と、背面ベース941に軸支されると共に第1部材12967に歯合される第1ギヤGY1と、背面ベース941に軸支されると共に第2部材12968に歯合される第2ギヤGY2とを主に備えて形成される。
第1ギヤGY1は、外周面に歯面を備えるギヤであり、上述したように背面ベース941の第1支持部12942k1に軸支されると共に、その歯面が、第1部材12967及び第2ギヤGY2に歯合される。
第2ギヤGY2は、それぞれ大きさの異なる2段のギヤから構成される多段のギヤであり、小径側の小径ギヤGY2aと、大径側の大径ギヤGY2bとを備えて形成される。また、第2ギヤGY2は、上述したように背面ベース941の第2支持部12942k2に軸支されると共に、小径ギヤGY2aの歯面が第1ギヤGY1に歯合され、大径ギヤGY2bの歯面が第2部材12968に歯合される。
第1部材12967は、金属材料から形成されると共に、正面視略中央位置に第2開口12966cが板厚方向に貫通形成される。また、第1部材12967は、第2開口12966cの重力方向他側(重力方向上側)に、第1部材12967の短手方向に沿って延設される一対の摺動溝966a2と、第2開口12966cを挟んだ短手方向両側に円環状に突設される摺動突起12966eと、長手方向に延設される両側面にギア歯面の第3歯面12966fとを備えて形成される。
第2開口12966cは、正面視における内縁の形状が上述した背面ベース941の第2入賞口140の内縁形状よりも大きく設定される。また、第2開口12966cには、重力方向他側(重力方向上側)の内面に第2刃部12966c2を備える。
第2刃部12966c2は、背面ベース941側から後述する第2部材12968側に向かって下降傾斜して形成される。第2開口12966cは、一対の羽部材945が閉鎖された状態において第2刃部12966c2が、第2入賞口140に流入する遊技球の転動通路上に配設され、一対の羽部材945が開放された状態において第2刃部12966c2が、第2入賞口140に流入する遊技球の転動通路の外側に配置される。
摺動突起12966eは、第2部材12968側に突設されると共に、先端が第2部材12968の摺動溝12968bの内側に挿入される。これにより、第2部材12968を第1部材12967に配設できる。
一対の第3歯面12966fは、それぞれ第1ギヤGY1に歯合される。これにより、第1ギヤGY1の第1部材12967が伝達部材965の回転変位に伴ってスライド変位されることで、第1ギヤGY1を回転させることができる。また、上述したように、第1ギヤGY1には、第2ギヤGY2の小径ギヤGY2aが歯合されており、これにより第2ギヤGY2を回転させることができる。
第2部材12968は、金属材料から正面視略H字状の板状体に形成され、一対の延設部分を重力方向(図128(a)上下方向)に向けた姿勢で配設される。また、第2部材12968は、一対の延設部分の対向方向外側にギア歯面の第2歯面12968aと、その第2歯面12968aの延設方向(図128(a)上下方向)に沿って長孔状に板厚方向に貫通形成される摺動溝12968bと、一対の延設部分を連結する連結部分の重力方向他側(重力方向上側)の端面に刃部6683とを備えて形成される。
摺動溝12968bは、上述したように第2歯面12968aの延設方向に沿って長孔状に形成されると共に、内側に第1部材12967の摺動突起12966eが挿入される。よって、第2部材12968は、第1部材12967に対して摺動溝12968bと摺動突起12966eとの隙間の分、重力方向にスライド変位させることができる。
一対の第2歯面12968aは、それぞれ第2ギヤGY2の大径ギヤGY2bが歯合される。よって、第2ギヤGY2が回転されることにより、第2部材12968がスライド変位される。上述したように、第2ギヤGY2は、伝達部材965により第1部材12967がスライド変位されることにより回転される。従って、第2部材12968は、第1部材12967の変位に伴って変位させることができる。
なお、第1部材12967と第2部材12968とは、そのスライド変位の方向が反対に設定されると共に、第2部材12968の変位量が小径の第2ギヤGY2を介する分、大きく設定される。
刃部6683は、第1部材12967側に向かって上昇傾斜して形成され、その上端部が、羽部材945が閉鎖された状態において、第2送球部942cの重力方向一側(重力方向下側)の内面よりも重力方向他側(重力方向上側)に配置される。即ち、第2部材12968は、羽部材945が閉鎖された状態の正面視において、刃部6683が第1部材12967と重なる位置に配置される。
よって、一対の羽部材945が開放する位置から閉鎖する位置まで変位される際に、転動部943a及び第2送球部942cの遊技球の転動通路を横切ると共に互いの縁部どうしを擦接させる第2刃部12966c2及び刃部6683を第1部材12967及び第2部材12968(変位部材12966)が備えるので、第2入賞口140から通路内に不正に挿通された不正物を切断することができる。
例えば、遊技球に糸の先端を接着し、かかる遊技球を第2入賞口140から入球させると共に転動部943a及び第2送球部942cの遊技球の転動通路を通過させ、検出装置SE4の検出位置に遊技球が達した状態で、糸の他端を操作(繰り出し、引き寄せ)して、遊技球を往復させることで、検出装置SE4に複数回検出させる不正行為がある。かかる不正行為に対し、本発明によれば、一対の羽部材945が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、一対の羽部材945が開放する位置から閉鎖する位置まで変位され、第2刃部12966c2及び刃部6683が通路部材の通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を、一対の第2刃部12966c2及び刃部6683の間に挟み込み、切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
一方、第2部材12968は、羽部材945が開放された状態において、刃部6683が第2入賞口140に入球した遊技球の転動面(転動部943a)よりも重力方向他側に配置される。上述したように、羽部材945が開放された状態では、第1部材12967の第2刃部12966c2が、第2入賞口140に流入する遊技球の転動通路の外側に配置される。よって、一対の羽部材945が開放された状態では、第2入賞口140に流入する遊技球を刃部6683及び第2刃部966c2の間を通過させることができる。
また、第12実施形態では、第1部材12967及び第2部材12968により、第2入賞口140に入流する遊技球の転動通路を塞ぐことができるので、第2部材12968の変位距離を第11実施形態における第2部材11968よりも少なくすることができる。その結果、第2入賞口140を流入する遊技球の転動通路を短時間で閉鎖することができ、一対の羽部材945の閉鎖したタイミングで流入する遊技球が転動通路内に流入することを抑制できる。
次いで、図129を参照して、第13実施形態における駆動ユニット13960について説明する。上記第7実施形態では、ソレノイド610から羽部材945への駆動の伝達が連結部材964、伝達部材965及び変位部材966の3部材を介す場合について説明したが、第13実施形態では、ソレノイド610から羽部材945への駆動の伝達が1部材で行われる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図129(a)は、第13実施形態における正面ユニット940の背面図であり、図129(b)は、図129(a)のCXXIXb−CXXIXb線における入賞口ユニット930の断面図である。なお、図129(b)では、理解を容易とするために特定入賞口ユニット950がその外形のみ鎖線で図示される。また、第13実施形態では、本体部961aに軸部961bが引き込まれた状態とされる場合に一対の羽部材945が閉鎖状態とされ、本体部961aから軸部961bが張り出した状態とされる場合に一対の羽部材945が開放する状態とされる。
図129に示すように、第13実施形態における駆動ユニット13960は、特定入賞口ユニット950の背面側(図129(b)右側)に配設されると共に、ソレノイド610の軸部961bの軸を重力方向(図129(b)上下方向)に向けた状態で配設される。また、ソレノイド610には、円環部961cに伝達部材13965が連結される。
伝達部材13965は、ソレノイド610側から正面ユニット940側に向かって延設される基部7658と、その基部7658の正面ユニット940側の端部から羽部材945の突起945b側に向けて立設される係合部13965jとを備えて形成される。
基部7658には、係合部13965j側の反対側の端部にソレノイド610の円環部961cが連結される。これにより、ソレノイド610の軸部961bをその軸方向に駆動することで、伝達部材13965をスライド変位させることができる。
係合部13965jは、一対の羽部材945の突起945bと背面視(又は正面視)において重力方向(図129(a)上下方向)に重なる位置に形成される。また、係合部13965jは、その立設寸法が、羽部材945の突起945bを超える長さに設定され、正面視において突起945bと重なる状態とされる。
また、係合部13965jには、その立設先端に側面視略C字状の支持部13965j1が突出される。支持部13965j1は、開口内側の対向間寸法が突起945bの外形の最大寸法よりも大きく設定される。また、一対の係合部13965jの対向方向(図129(a)左右方向)におけるの支持部13965j1の幅寸法は、突起945bの変位距離よりも大きく設定される。よって、支持部13965j1の開口内側に突起945bを配設することができる。
従って、上述したように連結部10965hが重力方向にスライド変位されると、係合部9965jが重力方向にスライド変位され、その変位に伴って突起945bが変位される。突起945bが変位されることにより、羽部材945を開放状態に変位させることができる。
以上のように構成される駆動ユニット13960によれば、一対の羽部材945を駆動する駆動ユニット13960及び板部材951を駆動する駆動ユニット957が板部材951の背面側に配設されるので、一対の羽部材945(第2入賞口140)の背面側にスペースを形成することができる。即ち、駆動ユニット13960及び駆動ユニット957を配設スペースを一対の羽部材945の背面側に集約することで、他の部材や装置を配設するためのスペースを一対の羽部材945(第2入賞口140)の背面側に確保でき、その分、スペースを有効に活用することができる。
次いで、図130及び図131を参照して、第14実施形態における変位部材14966について説明する。上記第7実施形態では、変位部材966の連結孔966b1の内縁形状が伝達部材965の挿入部965eの正面視における外形よりも若干大きく形成される場合について説明したが、第14実施形態では、変位部材14966の連結孔966b1の内縁形状が伝達部材965の外形よりも十分に大きく形成される場合について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図130(a)及び図131(a)は、第14実施形態における入賞口ユニット930の背面図である。図130(b)は、図130(a)のCXXXb−CXXXb線における入賞口ユニット930の断面図であり、図131(b)は、図131(a)のCXXXIb−CXXXIb線における入賞口ユニット930の断面図である。
なお、図130(a)及び図131(a)では、一対の羽部材945の外形が鎖線で図示される。また、図130(a)及び図130(b)では、一対の羽部材945の閉鎖状態が図示され、図131(a)及び図131(b)では、一対の羽部材945の突起945bが切断された場合における一対の羽部材945の開放状態が図示される。さらに、第14実施形態では、第7実施形態よりも特定入賞口65aが第2入賞口140から離間した位置に形成される。
図130(a)及び図130(b)に示すように、第14実施形態における変位部材14966は、正面視縦長矩形の板状に形成されると共に、正面視略中央位置に第2開口966cが板厚方向(図130(b)左右方向)に貫通形成される。
変位部材14966は、長手方向(図130(a)上下方向)一端側(図130(a)上側)から短手方向(図130(a)左右方向)に突出する突出部966aと、長手方向他端側(図130(b)下側)から背面側(背面ベース941側(図85参照))に膨出する膨出部14966bとを備える。
膨出部14966bは、背面側(背面ベース941側)に膨出して形成されると共に、背面視における内側部分に横長矩形の連結孔14966b1が形成される。連結孔14966b1は、後述する駆動ユニット960の伝達部材965の先端(挿入部965e)が挿入される開口であり、内縁の形状が、伝達部材965の先端の外形よりも大きく設定される。
連結孔14966b1は、正面視における内縁の形状が略正方形に設定されると共に、重力方向他側(重力方向上側(図130(a)上側))の内周面の一側被当接部966b2と、重力方向一側(重力方向下側(図90(a)下側))の内周面の他側被当接部966b3とを備える。
連結孔14966b1は、重力方向の対向間(他側被当接部966b3から一側被当接部14966b2)の離間距離L40が、挿入部965eの重力方向の幅寸法L41よりも十分に大きく形成され、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる際には、他側被当接部966b3に挿入部965eが当接される。
また、連結孔14966b1は、重力方向の対向間(他側被当接部966b3から一側被当接部14966b2)の離間距離L40から挿入部965eの重力方向の幅寸法L41を引いた寸法が、転動部943aの端面943a1から変位部材14966の第2開口966cの内縁までの離間距離L42から遊技球の直径分を引いた寸法よりも大きく設定される(L40−L41)>(L42−遊技球の直径)。これにより、変位部材14966が重力方向一側(重力方向下側)に落下した場合に、変位部材14966の縁部で第2入賞口140から流入する遊技球の転動通路を塞ぐことができる。
次いで、図131(a)及び図131(b)を参照して、一対の羽部材945の突起945bが切断された場合の説明をする。上述したように、連結孔14966b1の離間距離L40が、挿入部965eの重力方向の幅寸法L41よりも十分に大きく形成され、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる際には、他側被当接部966b3に挿入部965eが当接されるので、図131(a)及び図131(b)に示すように、一対の羽部材945の突起945bが切断されると、一側被当接部966b2と挿入部965eとの隙間の分、変位部材14966が重力方向一側に自由落下される。
連結孔14966b1は、上述したように、離間距離L40から幅寸法L41を引いた寸法が、離間距離L42から遊技球の直径分を引いた寸法よりも大きく設定される(L40−L41)>(L42−遊技球の直径)ので、変位部材14966が自由落下されることにより、第2入賞口140から流入する遊技球の転動通路を変位部材14966の縁部により塞ぐことができる。
即ち、第14実施形態では、一対の羽部材945が変位部材14966の摺動溝966a2に非連通とされた状態(図131(a)及び図131(b)に示す状態)では、変位部材14966の一部が、第2入賞口140から流入する遊技球の通路内に配置されるので、例えば、羽部材945の突起945bを切断して羽部材945を外部から強制開放したとしても、第2入賞口140から入球された遊技球の流下を変位部材14966によって規制することができる。
次いで、図132及び図133を参照して、第15実施形態における駆動ユニット15960について説明する。上記第7実施形態では、駆動ユニット960の腕部962eが振分けユニット980の側壁部981bの外側に配置されて位置決めされる場合について説明したが、第15実施形態では、第2腕部15962jが側壁部981bの内側に配置されて位置決めされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図132(a)は、第15実施形態における駆動ユニット15960の側面図であり、図132(b)は、駆動ユニット15960の上面図であり、図132(c)は、駆動ユニット15960の斜視正面図である。図133(a)は、遊技盤13の断面図であり、図133(b)は、図133(a)のCXXXIIIb−CXXXIIIb線における遊技盤13の断面図である。なお、図133(a)は、図120(a)に対応する。
初めに図132を参照して、第15実施形態における駆動ユニット15960について説明する。図132に示すように、第15実施形態部おける駆動ユニット15960は、箱形状に形成され、対向して配設される第1収容部15962及び第2収容部963と、第1収容部15962及び第2収容部963の間の空間に配設されるソレノイド610と、そのソレノイド610に連結される連結部材964と、第1収容部15962及び第2収容部963に軸支されると共に連結部材964に連結される伝達部材965とを主に備えて形成される。
第1収容部15962は、無色透明の樹脂材料から形成され、ソレノイド610の一側(図132(a)上側)を覆う覆設部962aと、その覆設部962aから背面ベース941側(図85参照)に突出するガイド部15962bとを備える。
駆動ユニット15960は、箱形状に形成され対向して配設される第1収容部962及び第2収容部963と、第1収容部962及び第2収容部963の間の空間に配設されるソレノイド610と、そのソレノイド610に連結される連結部材964と、第1収容部962及び第2収容部963に軸支されると共に連結部材964に連結される伝達部材965とを主に備えて形成される。
第1収容部962は、無色透明の樹脂材料から形成され、ソレノイド610の一側(図93(a)上側)を覆う覆設部962aと、その覆設部962aから背面ベース941側(図85参照)に突出するガイド部15962bとを備える。
ガイド部15962bは、側面視略L字状に形成される一対の腕部15962eと、その一対の腕部15962eに連結されると共に、正面視門型に形成される壁部962fと、その壁部962fから覆設部962aと反対側(背面ベース941側(図125参照))に突設される突設部962gと、一対の腕部15962eの重力方向他側に位置し壁部962fから突設される第2腕部15962jと、壁部962fを挟んで第2腕部15962jの反対側に突設される第3腕部15962hとを主に備えて形成される。
腕部15962eは、覆設部962aの対向する壁面のそれぞれから背面ベース941側(図85参照)に突出すると共に突出先端側を重力方向他側(ソレノイド610側と反対側)に屈曲する側面視略L字に形成される。また、腕部15962eは、重力方向の突設位置が、駆動ユニット15960及び振分けユニット970が組み合わされた状態において、振分けユニット980の側壁部981bの下方に設定される。
第2腕部15962jは、壁部962fの内縁部に連結されて形成されており、その一対の対向間の距離寸法L43が、一対の腕部962eの対向間における幅寸法よりも小さく設定されると共に、遊技球の直径よりも大きく設定される。また、第2腕部15962jは、重力方向の距離寸法が振分けユニット980の側壁部981bの重力方向における対向間の寸法よりも小さく設定され、駆動ユニット15960及び振分けユニット980が組み合わされた状態において、側壁部981bの内側に挿入される。
また、一対の第2腕部15962jは、対向方向外側の距離寸法が、側壁部981bの水平方向における対向間の距離寸法と略同一に設定される。これにより、入賞口ユニット930に振分けユニット980(送球ユニット970)を配設する際に、側壁部981bの内側に第2腕部15962jを配置することで位置決めすることができる。
第3腕部15962hは、その対向間における距離寸法が、腕部15962eの対向間における距離寸法と略同一に設定される。また、第3腕部15962hには、第2腕部15962jの背面ベース941側端部に連結される突設部15962h1が形成される。
突設部15962h1は、第2腕部15962jの端部から背面ベース941(図85参照)側への突設距離が、第2凹欠部942c1の凹設寸法と略同一に設定される。また、突設部15962h1は、正面ユニット940と駆動ユニット15960とが組み合わされた状態において、第2凹欠部942c1と対応する位置に形成され、第2凹欠部942c1の内側に配置される。
よって、突設部15962h1及び側壁部981bの転動面981c1の上流端部を、遊技球の通過方向に位置を異ならせて形成されるので、遊技球が底面側の段差を通過するタイミングと側面側の段差を通過するタイミングとを異ならせることができる。よって、これら底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを回避し、それ羅の影響を分散させるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
従って、第15実施形態では、駆動ユニット15960が、正面ユニット940の位置決めと、振分けユニット980の位置決めとを兼用させることができると共に、第2入賞口140から流入する遊技球の通過経路の一部となる。よって、振分けユニット980側も寸法効果または取り付け交差を許容しやすくできる。
次いで、図134(a)を参照して、第16実施形態における振分けユニット980の側壁部16981b及び入賞口ユニット930の第2送球部16942cについて説明する。上記第7実施形態では、側壁部981bの突起981b1が、第2送球部942cの第2凹欠部942c1の内側に配置される場合について説明したが、第16実施形態では、第2送球部16942cの突起16942c2が側壁部16981bの凹欠部16981b2の内側に配置される。上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図134(a)は、第16実施形態における遊技盤13の断面図である。なお、図134(a)は、図120(a)に対応する。図134(a)に示すように、第16実施形態における振分けユニット980の側壁部16981bは、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板に装着された状態において、立設先端面が入賞口ユニット930の第2送球部16942cの先端部と当接する寸法に形成される。
また、側壁部16981bは、立設先端面に立設基端側に凹設される凹欠部16981b2を備える。凹欠部16981b2は、転動面981c1から重力方向へ遊技球の半径分離間する位置に形成されると共に、側面視においてその凹設形状が後述する第2送球部16942cの突起16942c2の側面視形状と略同一に設定される。
これにより、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面に遊技球が遊技球が送球される場合に、遊技球が転動部943aと貫通孔981cとの間に挟まりにくくできる。なお、転動部943aの端面943a1から貫通孔981cの転動面981c1に遊技球が送球される場合についての詳しい説明は後述する。
また、凹欠部16981b2は、側面視において略台形に凹設されており、側壁部16981bの立設基端側の内面が、遊技球の転動方向に沿って下降傾斜して形成される。これにより、貫通孔981cの転動面を転動する遊技球が、その遊技球の転動経路の切り替わり部分で上方にバウンドすることを抑制できる。
即ち、第16実施形態では、凹欠部16981b2の凹設先端面が、遊技球の通過方向に沿って下降傾斜して形成されるので、凹欠部16981b2の凹設先端面に衝突した遊技球を転動面981c1(底面)側へ押し付けることができる。従って、凹欠部16981b2の凹設先端面で遊技球が跳ね上げられて、バウンドすることを抑制できる。その結果、遊技球をスムーズに通過(流下)させやすくすることができる。
突起16942c2は、第2送球部16942cの突設先端面から突出して形成されると共に、側面視における外形が側壁部16981bの凹欠部16981b2と略同一に設定される。これにより、入賞口ユニット930の転動部943aの端面943a1を転動する遊技球が、振分けユニット980の転動面981c1に送球される場合に、その遊技球が振分けユニット980の凹欠部16981b2の内側に挟まることを抑制できる。その結果、入賞口ユニット930の転動部943aから振分けユニット980の転動面981c1へ、遊技球をスムーズに通過(流下)させやすくすることができる。
また、第16実施形態では、側壁部16981bの凹欠部16981b2及び転動面981c1の上流端部とが、遊技球の通過方向に位置をことならせて形成されるので、遊技球が底面側の段差を通過するタイミングと側面側の段差を通過するタイミングとを異ならせることができる。よって、これら底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを回避し、それらの影響を分散させられるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
さらに、第16実施形態によれば、遊技球の転動方向の下流側に凹欠部16981b2が形成され、上流側に突起16942c2が形成されるので、第2送球部942cの側面下流端及び転動部943aの底面下流端を、側壁部16981bの側面上流端及び底面上流端に近接させることができる。即ち、第2送球部942cの側面上流端が、転動部943aの底面上流端に対して、遊技球の通過方向下流側に位置を異ならせて形成される場合に、側壁部16981bの側面上流端に遊技球が達するまでの間、第2送球部942cの突起16942c2により、遊技球を案内できる。よって、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
一方で、突起16942c2は、比較的剛性が弱く、折損の恐れがあるところ、第16実施形態によれば、突起16942c2の遊技球の通過方向上流側に形成されるので、突起16942c2が折損した場合であっても、側壁部16981bの底面上流端と、側面上流端とを遊技球の通過方向に位置を異ならせた状態を維持でき、遊技球が底面側の段差を通過するタイミングと側面側の段差を通過するタイミングとを異ならせることができる。よって、これら、底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを回避し、それ羅の影響を分散させられるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
また、突起16942c2が、入賞口ユニット930側に、凹欠部16981b2が振分けユニット980側にそれぞれ形成されるので、突起16942c2に凹欠部16981b2の側面が当接されることで、転動部943aに対する振分けユニット980の重力方向上側への位置ずれを規制できる。即ち、転動部943aの底面下流端よりも、側壁部16981bの底面上流端が高い位置となる段差では、遊技球が乗り上げる際に跳ね上げられやすいため。逆の段差と比較して、遊技球のスムーズな流下(通過)を阻害しやすい。よって、側壁部16981bの底面上流端が、転動部943aの底面下流端よりも重力方向上側に位置ずれすることを規制できることが、遊技球のスムーズな流下に特に有効となる。
次いで、図134(b)を参照して、第17実施形態における振分けユニット980の側壁部17981b及び入賞口ユニット930の第2送球部17942cについて説明する。上記第7実施形態では、側壁部981bの突起981b1及び第2送球部942cの第2凹欠部942c1の端部が側面視において遊技球の転動方向に対し略直交する方向に形成される場合について説明したが、第17実施形態では、第2送球部17942c及び側壁部17981bの端部が側面視において傾斜して形成される。上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図134(b)は、第17実施形態における遊技盤13の断面図である。なお、図134(b)は、図120(a)に対応する。図134(b)に示すように、第17実施形態における振分けユニット980の側壁部17981bは、その立設先端の先端面17981b3が、基端側から先端側に向かって下降傾斜して形成される。言い変えると、先端面17981b3が、側壁部17981bの転動面981c1の遊技球の転動方向に沿って上昇傾斜して形成される。
一方、入賞口ユニット930の第2送球部17942cは、その突設先端面の先端面17942c3が、転動部943aの遊技球の転動方向に沿って上昇傾斜して形成される。また、第2送球部17942cの先端面17942c3は、入賞口ユニット930及び送球ユニット970がベース板に装着された状態において、上述した側壁部17981bの突設先端の先端面17981b3と略平行な状態で配設される。
よって、側壁部17981bの側面上流端(先端面17981b3)を遊技球の通過方向に対して傾斜させることができるので、側壁部17981bの側面上流端が遊技球の通過方向に対して直交して形成される(第7実施形態)の場合と比較して、側壁部17981bの側面上端面に衝突した遊技球を傾斜に沿って滑らせて跳ね返され難くできる。その結果、遊技球をスムーズに通過(流下)させやすくすることができる。
また、側壁部17981bの側面上流端(先端面17981b3)の全体が傾斜して形成されるので、例えば第16実施形態のように、凹欠部16981b2を有する形状に形成される場合と比較して、応力集中の発生を抑制して、側壁部17981bの耐久性を確保できる。また、側壁部17981bを樹脂材料から形成する場合に、その射出成型金型のキャビティ(空洞部分)の形状変化を緩やかとできるので、気泡だまり(エア噛み)や充填不良を抑制して成形性の向上を図ることができる。
次いで、図135から図137を参照して、第18実施形態における変位部材18966について説明する。上記第7実施形態では、変位部材966は、第2入賞口140から入球される遊技球の転動通路上に配置されない場合について説明したが、該18実施形態における変位部材18966は、第2入賞口140から入球される遊技球の転動通路上に配置される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
図135(a)、図136(a)及び図137(a)は、第18実施形態における入賞口ユニット930を背面視した模式図であり、図135(b)は、図135(a)のCXXXVb−CXXXVb線における入賞口ユニット930の断面模式図である。図136(b)は、図136(a)のCXXXVIb−CXXXVIb線における入賞口ユニット930の断面模式図である。図137(b)は、図137(a)のCXXXVIIb−CXXXVIIb線における入賞口ユニット930の断面模式図である。
なお、図135では、一対の羽部材945の閉鎖状態が図示され、図136では、一対の羽部材945の開放状態が図示され、図137では、一対の羽部材945が強制的に開放された状態が図示される。また、図135(a)、図136(a)及び図137(a)では、一対の羽部材945、変位部材18966及び第2入賞口140のみが図示される。図135(b)、図136(b)及び図137(b)では、一対の羽部材945、背面ベース941、正面ベース943、変位部材18966、伝達部材19958及びソレノイド961のみが模式的に図示される。
図135に示すように、第18実施形態における変位部材18966は、第7実施形態における変位部材966に比べて、外形が重力方向(図135(a)上下方向)に大きく形成される。変位部材18966の摺動溝18966aは、背面視において略L字に屈曲する形状に形成され、重力方向に延設される非伝達部18966a6と、その非伝達部18966a6の重力方向下方の端部から左右方向中央側に屈曲して延設される伝達部18966a7とを備える。
また、変位部材18966は、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合に、貫通孔966c1が第2入賞口140よりも重力方向下側に配置される。これにより、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合は、第2入賞口140を通過する遊技球が転動部943aから送球ユニット970の貫通孔981cに流入することを規制できる。
さらに、変位部材18966は、貫通孔966c1の重力方向上側の内周縁に下方に向かうに従って正面側に傾斜する刃部1896gを備える。刃部1896gは、正面側が転動部943aの突出先端部および第2送球部942cの突出先端部に当接される。即ち、背面視において、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合、刃部1896gと転動部943a及び第2送球部942cとが重なる位置に配置される。
また、第18実施形態における伝達部材18958は、第1実施形態に比べて、ソレノイド961が駆動された場合に先端部965a側の回転範囲が大きく設定される。即ち、先端部965a側の重力方向への変位寸法が大きく設定されており、その変位寸法が、第2入賞口140の重力方向の開口寸法より大きく設定される。
従って、図136に示すように、ソレノイド961が駆動された場合に、刃部1896gを第2入賞口140の上方に配置できると共に、背面視において変位部材18966の貫通孔966c1の内側に第2入賞口140の開口を配置することができる。
また、変位部材18966が伝達部材18958の変位により重力方向に変位することにより、突起945bが、摺動溝18966aの内側を摺動される。突起945bの摺動溝18966a内部の摺動は、初めに突起945bが非伝達部18966a6の内部を摺動した後に、伝達部18966a7の内部を摺動される。この場合、非伝達部18966の延設方向と変位部材18966の変位方向とが略同一に設定されるので、突起945bは、非伝達部18966a6を摺動する場合に、背面ベース942に対する位置が変更されることなく非伝達部18966a6の内側を摺動する。一方、突起945bは、伝達部18966a7を摺動する場合に、伝達部18966a7の内周縁により押し出されて変位(回転)される。これにより、一対の羽部材945は、開放状態に変位れる。
従って、一対の羽部材が開放状態とされる場合には、第2入賞口140を通過する遊技球が転動部943aから送球ユニット970の貫通孔981cに流入することを許容できる。
一方、一対の羽部材945が開放状態から閉鎖状態とされる場合には、羽部材945の突起945bが伝達部18966a7を摺動することで、羽部材945が回転される。この場合、上述したように、変位部材18966は、刃部18966gが第2入賞口140の内周縁よりも重力方向下方に配置されると共に、正面側の側面が転動部943aの突出先端部および第2送球部942cの突出先端部に当接されるので、重力方向下側に変位する動作に伴って、刃部18966gと転動部943a及び第2送球部942cとの間で、第2入賞口140からの遊技球の転動経路上に挿入される付勢物を切断することができる。
即ち、変位部材18966は、一対の羽部材945を開放させる位置から、閉鎖させる位置まで、変位部材18966がスライド変位された際に、第2入賞口140から流下する遊技球の通路を横切ると共に、その通路の縁部(転動部943a及び第2送球部942cの端部)にさ擦接する刃部18966gを備えるので、第2入賞口140から遊技球のる通路内に不正に挿通された付勢物を切断することができる。
例えば、遊技球に糸の先端を接着し、かかる遊技球を第2入賞口140から入球させると共に、転動部943aを通過させて、その遊技球の通過を検知する検出装置SE4(図114参照)に遊技球が達した状態で、糸の他端を操作(繰り出し、引き寄せ)して、遊技球を往復させることで、検出装置SE4に複数回検出させる不正行為がある。かかる不正行為に対し、第18実施形態によれば、羽部材945が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、羽部材945を開放させる位置から閉鎖させる位置まで、変位部材18966がスライド変位され、刃部18966gが転動部943a及び第2送球部942cの通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を刃部18966gと共に変位させて転動部943a又は第2送球部942cの縁部へ押し付けると共に、18966gが転動部943a及び第2送球部942cの縁部に擦接される際に、18966gと転動部943a又は第2送球部942cの縁部との間で糸を切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
また、図137に示すように、一対の羽部材945の突起945bが遊技者の不正行為により切断され(折られ)た場合には、第2入賞口140に対して、変位部材18966の貫通孔966c1が重力方向下側に配置される。これにより、遊技者が一対の羽部材945を強制的に開放状態とさせた場合に、第2入賞口140から入球される遊技球の流下を変位部材18966によって規制することができる。
なお、この場合、伝達部材18965は、ソレノイド961にコイルばねSP1(図94参照)により、先端部18965a側が重力方向下方に変位する方向に付勢される。即ち、変位部材18966が第2入賞口140を塞ぐ方向に付勢される。従って、一対の羽部材945が遊技者の不正行為により強制的に開放された場合に、変位部材18966も同様に強制的に開放されることを抑制できる。その結果、遊技者の不正行為を抑制することができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記第1及び第2実施形態では、投影ユニット600の照射ユニット650において、基板部材652に合計4個の第1ブロック653及び第2ブロック654が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第1ブロック653及び第2ブロック654の合計の個数は、3個以下であっても良く、5個以上であっても良い。この場合、第1ブロック653及び第2ブロック654の割合は任意であり、第1ブロック653のみであっても良く、第2ブロック654のみであっても良い。
上記第1及び第2実施形態では、基板部材652の正面にLED651が配設されると共に背面に第1ブロック653及び第2ブロック654が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、LED651、第1ブロック653及び第2ブロック654を基板部材652の正面に配設しても良い。この場合には、第1ブロック653及び第2ブロック654の内部にLED651を収容すると共に、そのLED651から照射された光を、第1ブロック653及び第2ブロック654の正面に形成された開口から投影板部材620の外周面へ入射させる。
上記第1及び第2実施形態では、投影ユニット600のギヤ部材630及び溝形成部材640,2640が光透過性材料から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ギヤ部材630及び溝形成部材640,2640は、光透過性材料と非透過性材料との2層から形成されていてもよい。
例えば、ギヤ部材630の背面部632側および溝形成部材640,2640の正面部642側が非透過性材料の層で形成され、ギヤ部材630及び溝形成部材640,2640の投影板部材620,2620側が透過性材料の層で形成されていてもよい。この場合、非透過性材料の層により、遊技領域における他の装置が発した光が投影板部材620,2620に入射することを抑制することができる。即ち、照射ユニット650でない装置が発した光を、非透過性材料の層により遮ることができる。
その結果、照射ユニット650を消灯させている場合(投影板部材620,2620に光を入射させず、投影板部材620,2620の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が投影板部材620,2620に入射されて投影板部材620,2620の正面に模様や図柄が表示されることを抑制できる。
また、この場合、非透過性材料から形成される層が、反射率の高い金属材料や可撓性材料で形成される、或いは、非透過性材料の層と透過性材料の層との間に反射率の高い金属性材料や可撓性材料を介設することが好ましい。これにより、LED651からギヤ部材630及び、溝形成部材640,2640に入射された光をより投影板部材620,2620に反射させやすくできる。その結果、反射部622で反射され投影板部材620,2620の正面側から射出される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせることができる。
上記第1及び第2実施形態では、投影ユニット600のギヤ部材630の背面部632及び溝形成部材640,2640の正面部642が、空気(大気)と接する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、背面図632及び正面部642にギヤ部材630及び溝形成部材640よりも反射率の高い部材(例えば、銀箔やアルミなど)のシールを添付、或いは、反射率の高い色(例えば白色等)の印刷を施してもよい。
この場合、シール又は印刷により、遊技領域における他の装置が発した光が投影板部材620,2620に入射することを抑制することができる。即ち、照射ユニット650でない装置が発した光を、シール又は印刷により遮ることができる。
その結果、照射ユニット650を消灯させている場合(投影板部材620,2620に光を入射させず、投影板部材620,2620の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が投影板部材620,2620に入射されて投影板部材620,2620の正面に模様や図柄が表示されることを抑制できる。
さらに、シール又は印刷により、LED651からギヤ部材630及び、溝形成部材640,2640に入射された光をより投影板部材620,2620に反射させやすくできる。その結果、反射部622で反射され投影板部材620,2620の正面側から射出される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせることができる。
なお、シールを添付する場合は、そのシールをギヤ部材630の背面部632及び溝形成部材640,2640の正面部642から外縁側に突出させた様態で添付するものであってもよい。この場合、LED651から照射されて扇状に広がる光を、突出させたシール部分で反射させることができるので、LED651から照射される光を投影板部材620,2620に集光させやすくできる。
上記第3実施形態では、ギヤ部材3630と投影板部材3620との間および溝形成部材3640と投影板部材3620との間に空気層が形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ギヤ部材3630と投影板部材3620との間および溝形成部材3640と投影板部材3620との間にギヤ部材630及び溝形成部材640よりも反射率の高い非透過性材料の板部材を介設してもよい。
この場合、投影板部材3620に入射された光は、反射率の高い非透過性材料の板部材により確実に全反射されて、投影板部材3620の縁部から中央側に向かって進ませることができる。よって、照射角度α3に照射された光の強さ(光量)が減少することを抑制することができ、反射部622で反射され投影板部材3620の正面側から射出される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせることができる。
また、反射率の高い非透過性材料の板部材により、遊技領域における他の装置が発した光が投影板部材3620に入射することを抑制することができる。即ち、照射ユニット650でない装置が発した光を、反射率の高い非透過性材料の板部材により遮ることができる。
その結果、照射ユニット650を消灯させている場合(投影板部材3620に光を入射させず、投影板部材3620の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が投影板部材3620に入射されて投影板部材3620の正面に模様や図柄が表示されることを抑制できる。
上記第1実施形態では、上下変位ユニット800の変位部材850を付勢する手段がコイルばねである場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ゴム状体の弾性体、ねじりバネ、板バネであっても良い。なお、その取り付け方法は、突起852と突起823とを連結して取り付ける様態、または、変位部材850の回転軸とベース部材820の軸支部821との間に取り付けられる様態が例示される。
上記第1実施形態では、上下変位ユニット800の変位部材850が一端に形成された軸孔851を軸に回転運動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、変位部材850が、正面ベース820に形成された案内溝をスライド変位するものであってもよい。なお、この場合、正面ベース820の案内溝の両端部が上下方向(重力方向)で異なる位置に形成される様態であれば、第1実施形態と同様に、変位部材850の重力方向の変位を等速円運動の正射影の運動とでき、変位速度に変化を持たせることができるので、かかる変位部材850に興趣のある変位を行わせることができる。
上記第1から第3、6実施形態では、LED651の光の照射面を投影板部材620,2620,3620,6620の側端面と対向する位置に配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、LED651の光の照射面をギヤ部材630,3630又は溝形成部材640,2640,3640の側端面と対向する位置に配設しても良い。
この場合も上記第1から第3、第5及び第6実施形態と同様に、ギヤ部材630,3630又は溝形成部材640,2640,3640の側端面から、LED651の光を入射させて、投影板部材620,2620,3620,6620の表面に模様や図柄を表示することができる。
また、LED651の光の照射面を投影板部材620,2620,3620,6620、ギヤ部材630,3630及び溝形成部材640,2640,3640の側端面と、対向しない位置(即ち、LED651の光の照射面が投影板部材620,2620,3620,6620、ギヤ部材630,3630及び溝形成部材640,2640,3640の側端面と前後方向に異なる位置)に配設して、LED651の照射する光の一部が、投影板部材620,2620,3620,6620、ギヤ部材630,3630及び溝形成部材640,2640,3640の側端面に入射するように配置してもよい。
この場合、LED651の照射面と直交する方向に照射される光で投影板部材620,2620,3620,6620とは異なる他の非照射部材を照射しつつ、LED651の照射面から斜めに照射される光の一部を投影板部材620,2620,3620,6620、ギヤ部材630,3630及び溝形成部材640,2640,3640の側端面に入射させることができる。即ち、LED651に投影板部材620,2620,3620,6620に模様や図柄を表示させる光と他の被照射体を照射させる光とを兼用させることができる。
上記第1から第3、第5及び第6実施形態では、LED651の光の照射面と投影板部材620,2620,3620,6620の側端面とが平行に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、LED651の光の照射面を、投影板部材620,2620,3620,6620に対して傾倒させても良い。
具体的には、LED651の光の照射面を背面側に向けて配設すると共に、LED651の配設位置をLED651の照射面と直交する方向に照射される光が投影板部材620,2620,3620,6620の側端面に照射される位置としてもよい。この場合、投影板部材620,2620,3620,6620の表面に模様や図柄などが表示された際に、LED651の光が正面視円環形状に形成された正面ベース612,6612の内縁から漏れ出すことを抑制できる。
また、LED651の光の照射面を正面側に向けて配設すると共に、LED651の配設位置をLED651の照射面と直交する方向に照射される光が投影板部材620,2620,3620,6620の側端面に照射される位置としてもよい。
さらに、LED651の光の照射面を背面側または正面側に向けて投影板部材620,2620,3620,6620の側端面に対して傾倒させた状態で配設すると共に、LED651の配設位置をLED651の照射面と直交する方向に照射される光が溝形成部材640,2640,3640の側端面またはギヤ部材630,3630の側端面に照射される位置としてもよい。
他に、LED651の光の照射面を背面側または正面側に向けて投影板部材620,2620,3620,6620の側端面に対して傾倒させた状態で配設すると共に、LED651の配設位置をLED651の照射面と直交する方向に照射される光が溝形成部材640,2640,3640の正面部632又はギヤ部材630,3630の背面部632に照射される位置としてもよい。
上記第5実施形態では、第2ブロック654の前面に配設されるLED651から照射される光を投影板部材5620の左右の側面から投影板部材5620に入射させることで投影板部材5620の正面から出射される光量を増加する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、投影板部材5620の左右から入射される光により投影板部材5620に表示される模様や図柄を、投影板部材5620の上端面から入射される光により投影板部材5620に表示される模様や図柄と異なるものとしても良い。
即ち、投影板部材5620の内部に空気層や非光透過性の材料を備えて形成して、反射部622の領域を分ける(例えば、3つの領域に分ける)ことで、投影板部材5620の上端部から入射される光は、第1の領域の反射部622により正面側から出射され、左側側面から入射される光は、第2の領域の反射部622により正面側から出射され、右側側面から入射される光は、第3の領域の反射部622により正面側から出射される様態とすることができる。これにより、投影板部材5620に表示される模様や図柄のパターンを複数個形成することができ、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
この場合、第1〜第3の領域を照射する光源(LED651)を被照射体(投影板部材5620)の周囲に複数個備えて、第1〜第3の領域を照射する(例えば、上部に配置された光源は上端部から光を入射させて第1の領域を照射し、左側に配置される光源は左端面から入射させて第2の領域を照射し、右側に配置される光源は右端面から入射させて第3の領域を照射する)こともできるが、その分、光源を複数個配設する必要があり、製品コストが嵩むという問題点があった。
これに対し、第5実施形態では、第2ブロック654の前方に配設されるLED651は、投影板部材5620のスライド変位により、第1ブロック653に対して回転されることで、第2ブロックの前方に配設したLED651の光の照射方向を変更させることができるので、第2又は第3の領域を照射する場合と、第1の領域を照射する場合との2つの領域を照射することができるので、その分、LED651の配設する数を減らすことができ、製品コストが嵩むことを抑制することができる。
上記第5実施形態では、投影板部材5620のスライド変位に伴って、第2ブロック654の前方に配設されたLED651の光の照射方向を変更する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、回転部材5670を新たに配設する駆動モータの軸部と連結して回転させても良い。
この場合、回転部材5670を投影板部材5620のスライド位置に関わらず回転させて、第2ブロック654の前方に配設されたLED651の光の照射方向を変更することができるので、投影板部材5620の前方から出射される光量を部分的に多くする又は少なくすることができる。即ち、投影板部材5620に入射される光の方向を変位させて、投影板部材5620に表示される模様や図柄の表示の濃淡の変更を操作することができる。
上記第1実施形態では、正面ベース612及び背面ベース611の対向面間に、投影板部材620と、投影板部材620を照射する複数の照射ユニット650と、駆動モータ661の駆動力を伝達する歯車列(歯車662〜664)と、を1のユニットとして配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、正面ベース612及び背面ベース611の対向面間に、上述したユニット(投影板部材620、照射ユニット650、歯車列(歯車662〜664))を前後方向に2つ以上重ねた様態で配設しても良い。
この場合、それぞれの投影板部材620に模様や図柄を表示させることで、遊技者にそれぞれの投影板部材620の模様や図柄の表示を組み合わせた状態で視認させることができる。その結果、それぞれの投影板部材620の回転位置を変化させることで、複数の模様や図柄の表示パターンを形成することができ、遊技者の興趣が損なわれることを抑制できる。
上記第1実施形態では、投影板部材620を回転変位させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、投影板部材620を固定して照射ユニット650を変位させるものであっても良い。
上記第3実施形態では、ボルトTが配置された位置の投影板部材3620の側端部からは、LED651の光が中央側に入射されない様態とする場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ボルトTを金属材料(例えば、鉄やステンレス)から形成して、その側面に投射される光を投影板部材3620の中央側に反射させるものであってもよい。この場合、投影板部材3620の中央部にLED651から照射された光を集光させやすくできる。
また、ボルトTを一定の間隔で複数個配設し、投影板部材3620の表面に模様や図柄が表示されない(LED651の光が入射されない)箇所を部分的に形成して、投影板部材3620の表示を区切るようにしてもよい。
また、上述したように、投影板部材3620と溝形成部材3640及びギヤ部材3630との締結部分の接地面は、開口646と径方向に重なる面(図65(c)参照)であるため、通常光が入射されない箇所を接地面とすることができる。
即ち、開口646には、ボルトTが挿入されるため、開口646の径方向外側から光を入射すると光はボルトTにより遮られ、LED651の光が反射部622側に入射されない。よって、LED651から溝形成部材3640及びギヤ部材3630に入射された光が、投影板部材3620側に入射されること確実に抑制することができる。
この場合、照射ユニット650に配設されたLED651の光を照射した状態で照射ユニット650を変位させることで、遊技者に投影板部材620が変位(回転)しているように視認させることができる。
なお、この場合の照射ユニット650の変位は、スライド変位でも、回転変位であっても良く、第1ブロック653及び第2ブロック654に配設された各LED651の照射方向をそれぞれ異なる方向に変位させるものであっても良い。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記第7実施形態では、突起945bが背面視略三角形に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、突起945bを背面視円形状に形成しても良い。この場合、羽部材945の開閉動作時における羽部材945のがたつきを抑制でき、羽部材945の開閉動作を安定させることができる。
即ち、突起945bが、背面視異形状に形成される又は摺動溝966a2が湾曲して形成されると、突起945bが摺動溝966a2を摺動することで、摺動溝966a2の内壁と突起945bとの間の隙間が変化する。従って、摺動溝966a2の内壁と突起945bとの間の隙間が大きくされると、その隙間の分、突起945bが動きやすくなり、羽部材945ががたつき易くなる。
これに対して、突起945bを背面視円形状に形成され、摺動溝966a2が変位部材966に直線状に延設されることで、羽部材945の開閉動作時における摺動溝966a2の内壁と突起945bとの隙間を常に一定の大きさとできる。よって、羽部材945のがたつきを抑制でき、羽部材945の開閉動作を安定させることができる。
さらに、摺動溝966a2が、変位部材966の変位方向に直交する方向に沿って直線状に延設されるので、かかる摺動溝966a2の延設長さを最小に抑制できる。その結果、摺動溝966a2の凹設に伴う肉抜き量を抑制して、変位部材966の剛性の向上を図ることができる。
上記第7実施形態では、一対の検出装置SE1の対向間に形成される円環突起953cに螺合されるねじが、入球部材953と通路部材955とを締結固定するためのものである場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ねじが、特定入賞口ユニット950と正面ユニット940とを締結固定するためのものであってもよい。
上記第5及び第12実施形態では、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合には、駆動ユニット960の軸部961bがコイルばねSP1の付勢力により本体部961aから張り出される状態とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の羽部材945が閉鎖状態とされる場合には、本体部961aに電力を付与して、駆動ユニット960の軸部961bが本体部の内側に引き込まれた状態としてもよい。
この場合、変位部材11966,12966には、刃部11968c,6683及び第2刃部12966c2による、転動部943a及び第2送球部942cの転動する遊技球の転動通路の内部に挿入される不正物(糸)の切断を駆動ユニット960(ソレノイド610)の電磁力を利用して行うことができる。即ち、刃部11968c,6683及び第2刃部12966c2の切断方向(挟み込み方向)への変位が、電磁力を利用して行われるので、その駆動力を大きくできる。よって、刃部11968c,6683及び第2刃部12966c2による不正物の切断をしやすくできる。
また、上記第5及び第12実施形態では、駆動ユニット960の本体部961aと円環部961cとの間にコイルばねSP1が圧縮状態で配設され、本体部961aに電力が付与(供給)されることで、円環部961cが本体部961a側に変位される(軸部961bが本体部961aの内部に引き込まれる)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、駆動ユニット960の本体部961aと円環部961cとの間に伸張状態のバネを配設して、本体部961aに電力を付与することで、円環部961cが本体部961aから離間する方向に変位させても良い。
この場合、上記と同様に、刃部11968c,6683及び第2刃部12966c2の切断方向(挟み込み方向)への変位が、電磁力を利用して行われるので、その駆動力を大きくできる。よって、刃部11968c,6683及び第2刃部12966c2による不正物の切断をしやすくできる。
上記第11実施形態では、変位部材11966を第1部材11967及び第2部材11968の2部材から形成して、刃部11968cを第1部材11967よりも変位量の大きい第2部材11968に形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。変位部材11966を1部材から形成して、その1部材(変位部材11966)の伝達部材965による変位量を大きくすると共に、1部材の貫通孔966c1に刃部11968cを形成してもよい。
上記第7実施形態では、特定入賞口ユニット950の一対の検出装置SE1の対向間に形成される円環突起953cは、円環状に突出して形成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、一対の検出装置SE1の対向間に形成される円環突起953cが、入球部材953から通路部材955側に離間するほど拡径する円錐形状に形成されてもよい。
この場合、特定入賞口65aから駆動ユニット960までの岐路を確保するために、例えば、ドリルなどによる工具が使用されて穴あけ加工などが行われる場合に、ドリルの進行方向を円環突起953cの外周面(拡径部分の外周面)で横方向(円環突起953cの軸から径方向外側に離間する方向)へ位置ずれ(横滑り)させて、配線HS3を損傷(断線)させやすくできる。
上記第7実施形態では、振分けユニット980の正面ベース981の遊技領域(正面)側が遊技者から視認される場合について説明したが、必ずしもこれに限るものではなく、振分けユニット980の遊技領域(正面)側に、文字または図形からなる情報が表示されるシールを添付しても良い。
この場合、振分けユニット980の送球通路TR0、第1通路TR1及び第2通路TR2の遊技領域(正面)側には、文字または図形からなる情報が表示されるので、正面ユニット940(入賞口ユニット930)を通して、振分けユニット980を視認する場合であっても、表示を目印(基準位置)として、振分けユニット980の位置を遊技者に認識させやすくできる。なお、情報表示の形態としては、シールの添付に限らず、インクによる印刷や2色形成などでもよい。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<駆動ユニット600を一例とする発明の概念について>
遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され前記入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備えた遊技機において、前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位されるスライド部材とを備え、前記スライド部材または前記一対の羽部材の一方から突設部が突設されると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝が前記スライド部材または前記一対の羽部材の他方に凹設されることを特徴とする遊技機A1。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2010−234009号公報)。伝達機構は、駆動手段の駆動力により回転される回転部材を備え、その回転部材の一端側が、一対の羽部材の背面から突設される突設部に連結される。詳細には、回転部材の一端側には、上下に所定間隔を隔てて対向する対向部が形成され、その対向部の対向間に、羽部材の突設部が挿通される。よって、回転部材が回転されると、その回転部材の対向部によって羽部材の突設部が押し上げられる又は押し下げられることで、羽部材が開放または閉鎖される。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、対向部と突設部との間の隙間を大きく設定する必要があるため、羽部材の開閉動作が安定しないという問題点があった。即ち、羽部材の開閉動作のために、回転部材が回転される際には、対向部の姿勢が突設部に対して傾斜されるところ、対向部の対向間隔が突設部の外形(太さ)と同等であると、対向部の対向間に突設部が干渉して、回転部材が回転できなくなる。そのため、突設部が干渉しない大きさに対向部の対向間隔を設定する必要があり、その分、対向部と突設部との間の隙間が大きくなる。その結果、羽部材のがたつきが生じやすいため、羽部材の開閉動作が安定しない。
これに対し、遊技機A1によれば、伝達機構は、駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位されるスライド部材とを備え、スライド部材または一対の羽部材の一方から突設部が突設されると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝がスライド部材または一対の羽部材の他方に凹設されるので、摺動溝の溝幅を抑制することができる。即ち、スライド部材の変位がスライド変位であり、摺動溝の姿勢が突設部に対して傾斜しないので、従来品のように回転する際の突設部との干渉を避ける必要がない。よって、例えば、摺動溝の溝幅を突設部の大きさ(太さ)と同等に設定するなど、溝幅を抑制できるので、摺動溝と突設部との間の隙間を小さくできる。その結果、羽部材のがたつきを抑制でき、羽部材の開閉動作を安定させることができる。
なお、摺動溝は、凹溝(窪み)であっても、貫通溝(開口)であっても良い。即ち、摺動溝は、挿通された突設部が摺動溝の延設方向(溝幅の方向と直交する方向)に沿って摺動可能に形成されていれば良い。
遊技機A1において、前記スライド部材のスライド変位の方向が、前記一対の羽部材の回転軸に略直交する方向であることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、スライド部材のスライド変位の方向が、一対の羽部材の回転軸に略直交する方向であるので、スライド部材を羽部材に対して略平行に配設することができる。その結果、羽部材およびスライド部材の配設に必要なスペースを抑制でき、その分、他の部材を配設するスペースを確保できる。
遊技機A1又はA2において、前記突設部が前記羽部材から突設され、前記摺動溝が前記スライド部材に凹設されると共に前記スライド部材のスライド変位の方向に直交する方向に沿って直線状に延設されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、突設部が羽部材から突設され、摺動溝がスライド部材に凹設されると共に直線状に延設されるので、羽部材の開閉動作時における摺動溝の内壁と突設部との間の隙間を常に一定の大きさとできる。よって、羽部材のがたつきを抑制でき、羽部材の開閉動作を安定させることができる。また、摺動溝がスライド部材のスライド変位の方向に直交する方向に沿って直線状に延設されるので、かかる摺動溝の延設長さを最少に抑制できる。その結果、摺動溝の凹設に伴う肉抜き量を抑制して、スライド部材の剛性の向上を図ることができる。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記突設部が前記羽部材から突設されると共に、前記摺動溝が前記スライド部材に凹設され、前記スライド部材が重力方向上方へ向けてスライド変位を開始する際の前記突設部の位置が、前記羽部材の回転軸の重力方向に沿った下方に設定されることを特徴とする遊技機A4。
ここで、羽部材に回転部材が直接連結される従来品に対し、本発明では、羽部材と回転部材との間にスライド部材が介在されるため、スライド部材を重力方向上方へスライド変位させる方向への動作時には、スライド部材の重さが加算される分、慣性力が大きくなり、駆動手段に必要な駆動力が嵩む。よって、停止状態にある羽部材の駆動を開始して、開放または閉鎖させる際の初期動作をスムーズに行うことが困難となる。
これに対し、遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかの奏する効果に加え、突設部が羽部材から突設されると共に、摺動溝がスライド部材に凹設され、スライド部材が重力方向上方へ向けてスライド変位を開始する際の突設部の位置が、羽部材の回転軸の重力方向に沿った下方に設定されるので、摺動溝の内壁で押し上げられる突設部の変位成分を、水平方向成分を大きくし、重力方向成分を小さくする(最少とする)ことができる。よって、スライド部材の重さが加算される本発明においても、停止状態にある羽部材の駆動を開始して、開放または閉鎖させる際の初期動作をスムーズに行うことができる。
遊技機A4において、前記スライド部材が重力方向上方へ向けてスライド変位を開始すると、前記羽部材が開放される方向へ回転されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、スライド部材が重力方向上方へ向けてスライド変位を開始すると、羽部材が開放される方向へ回転されるので、羽部材をその重さ(自重)により回転させることができる。よって、スライド部材の重さが加算される本発明においても、停止状態(閉鎖位置)にある羽部材の駆動を開始して、開放させる際の初期動作をスムーズに行うことができる。
遊技機A4又はA5において、前記スライド部材が重力方向上方へ向けてスライド変位を開始する際に前記突設部が当接する前記摺動溝の内壁には、前記羽部材の回転軸を含み且つ重力方向に直交する平面に対して傾斜する傾斜面が形成されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A4又はA5のいずれかにおいて、スライド部材が重力方向上方へ向けてスライド変位を開始する際に突設部が当接する摺動溝の内壁には、羽部材の回転軸を含み且つ重力方向に直交する平面に対して傾斜する傾斜面が形成されるので、突起の位置が、羽部材の回転軸の重力方向に沿った下方に設定される場合であっても、傾斜面の傾斜方向に沿って突設部を案内して、スライド部材の重力方向上方へ向けたスライド変位をスムーズに開始させることができる。
また、摺動溝の内壁に傾斜面が形成されることで、その分、内壁と突設部との間の隙間を小さくできるだけでなく、かかる傾斜面への突設部の当接により、突設部の重力方向への変位に加え、水平方向への変位も規制することができる。よって、開放または閉鎖された停止状態における羽部材のがたつきを抑制しやすくできる。即ち、遊技球の流下に伴う振動の影響を受けた場合でも、羽部材を開放姿勢または閉鎖姿勢に維持しやすくできる。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記摺動溝の内壁には、前記羽部材を閉鎖させる位置まで前記スライド部材がスライド変位された際に前記突設部を受け入れる受入部が凹設され、前記受入部に前記突設部が受け入れられた状態では、前記羽部材の回転が規制されることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、摺動溝の内壁には、羽部材を閉鎖させる位置までスライド部材がスライド変位された際に突設部を受け入れる受入部が凹設され、受入部に突設部が受け入れられた状態では、羽部材の回転が規制されるので、羽部材が外部から強制開放されることを抑制できる。
遊技機A7において、前記スライド部材が重力方向下方へ向けてスライド変位されることで、前記受入部に前記突設部が受け入れられることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、スライド部材が重力方向下方へ向けてスライド変位されることで、受入部に突設部が受け入れられるので、スライド部材の重さ(自重)を利用して、受入部に突設部が受け入れられた状態を維持しやすくできる。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、前記スライド部材は、前記羽部材を閉鎖させるために前記回転部材が一側へ向けて回転された際に前記当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部と前記スライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され前記羽部材を開放させるために前記回転部材が他側へ向けて回転された際に前記当接部の他側が当接される他側被当接部とを備え、前記羽部材が閉鎖された状態では、前記一側被当接部に前記当接部の一側が当接されると共に前記張出部が前記スライド部材に係合され、少なくとも前記他側被当接部に前記当接部の他側が当接される位置まで前記回転部材が他側へ回転されると、前記張出部の前記スライド部材との係合が解除されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、スライド部材は、羽部材を閉鎖させるために回転部材が一側へ向けて回転された際に当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部とスライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され羽部材を開放させるために回転部材が他側へ向けて回転された際に当接部の他側が当接される他側被当接部とを備えるので、回転部材が一側へ回転されると、その回転に伴って、一側被当接部が当接部の一側によって押され、スライド部材が一側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が閉鎖される一方、回転部材が他側へ回転されると、その回転に伴って、他側被当接部が当接部の他側によって押され、スライド部材が他側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が開放される。
この場合、羽部材が閉鎖された状態では、一側被当接部に当接部の一側が当接されると共に張出部がスライド部材に係合されるので、回転部材を回転させずにスライド部材を他側へスライド変位させることが規制される。よって、羽部材が外部から強制開放されることを抑制できる。
一方、少なくとも他側被当接部に当接部の他側が当接される位置まで回転部材が他側へ回転されると、張出部のスライド部材との係合が解除されるので、回転部材を更に他側へ回転させることで、スライド部材を他側へ向けてスライド変位させ、羽部材を開放することができる。
遊技機A1からA8において、前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位されるスライド部材とを備え、前記スライド部材または前記一対の羽部材の一方から突設部が突設されると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝が前記スライド部材または前記一対の羽部材の他方に凹設され、前記回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、前記スライド部材は、前記羽部材を閉鎖させるために前記回転部材が一側へ向けて回転された際に前記当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部と前記スライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され前記羽部材を開放させるために前記回転部材が他側へ向けて回転された際に前記当接部の他側が当接される他側被当接部とを備え、前記羽部材が閉鎖された状態では、前記張出部が前記スライド部材に非係合とされると共に、前記羽部材が閉鎖された状態から、前記当接部の一側に前記一側当接部が当接される位置まで前記スライド部材がスライド変位されると、前記張出部が前記スライド部材に係合されることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、スライド部材は、羽部材を閉鎖させるために回転部材が一側へ向けて回転された際に当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部とスライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され羽部材を開放させるために回転部材が他側へ向けて回転された際に当接部の他側が当接される他側被当接部とを備えるので、回転部材が一側へ回転されると、その回転に伴って、一側被当接部が当接部の一側によって押され、スライド部材が一側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が閉鎖される一方、回転部材が他側へ回転されると、その回転に伴って、他側被当接部が当接部の他側によって押され、スライド部材が他側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が開放される。
この場合、羽部材が閉鎖された状態から、当接部の一側に前記一側当接部が当接される位置までスライド部材がスライド変位されると、張出部がスライド部材に係合されるので、回転部材を回転させずにスライド部材を他側へスライド変位させることが規制される。よって、羽部材が外部から強制開放されることを抑制できる。
一方、羽部材が閉鎖された状態では、張出部がスライド部材に非係合とされるので、回転部材を更に他側へ回転させることで、スライド部材を他側へ向けてスライド変位させ、羽部材を開放することができる。ここで、羽部材が閉鎖された状態で、張出部がスライド部材に係合されていると、張出部および一側当接部の形状を、回転部材の他側への回転を許容可能な形状に形成する必要があり、形状が複雑化する。よって、強度が低下するだけでなく、係合が解除されやすくなる恐れがある。これに対し、本発明のように、羽部材が閉鎖された状態では、張出部がスライド部材に非係合とされていることで、張出部および一側当接部の形状を、回転部材の他側への回転を許容可能な形状に形成する必要がない。よって、形状を簡素化して、強度を確保できるだけでなく、係合を保持しやすい形状を採用でき、係合が解除され難くできる。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、前記突設部が前記摺動溝に非挿通とされた状態では、前記スライド部材の一部が前記通路部材の通路内に配置されることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A1からA10のいずれかの奏する効果に加え、入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、突設部が摺動溝に非挿通とされた状態では、スライド部材の一部が通路部材の通路内に配置されるので、例えば、突設部を切断して羽部材を外部から強制開放したとしても、入球口から入球された遊技球の流下をスライド部材によって規制することができる。
遊技機A1からA11のいずれかにおいて、前記入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、前記スライド部材は、前記羽部材を開放させる位置から閉鎖させる位置まで前記スライド部材がスライド変位された際に前記通路部材の通路を横切ると共に前記通路部材の縁部に擦接する擦接部を備えることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A1からA11のいずれかの奏する効果に加え、羽部材を開放させる位置から閉鎖させる位置までスライド部材がスライド変位された際に通路部材の通路を横切ると共に通路部材の縁部に擦接する擦接部をスライド部材が備えるので、入球口から通路内に不正に挿通された不正物を切断することができる。
例えば、遊技球に糸の先端を接着し、かかる遊技球を入球口から入球させると共に通路部材の通路を通過させ、検出センサの検出位置に遊技球が達した状態で、糸の他端を操作(繰り出し、引き寄せ)して、遊技球を往復させることで、検出センサに複数回検出させる不正行為がある。かかる不正行為に対し、本発明によれば、羽部材が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、羽部材を開放させる位置から閉鎖させる位置までスライド部材がスライド変位され、擦接部が通路部材の通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を、擦接部と共に変位させ通路部材の縁部へ押し付けると共に、擦接部が通路部材の縁部に擦接される際に、擦接部と通路部材の縁部との間で糸を切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
なお、スライド部材の擦接部は、金属材料から形成することが好ましい。この場合、スライド部材の全体を金属材料から形成しても良く、スライド部材の一部(擦接部)のみを金属材料から形成しても良い。通路部材についても同様であり、通路部材の全体を金属材料から形成しても良く、通路部材の一部(擦接部が擦接される部分)のみを金属材料から形成しても良い。また、擦接部およびその擦接部が擦接される部分(通路部材の縁部)は、刃(切断刃)として形成されることが好ましい。
遊技機A1からA11のいずれかにおいて、前記入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、前記伝達機構は、前記羽部材が開放する位置から閉鎖する位置まで変位される際に前記通路部材の通路を横切ると共に互いの縁部どうしを擦接させる一対の切断部材を備えることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A1からA11のいずれかの奏する効果に加え、羽部材が開放する位置から閉鎖する位置まで変位される際に通路部材の通路を横切ると共に互いの縁部どうしを擦接させる一対の切断部材を伝達機構が備えるので、入球口から通路内に不正に挿通された不正物を切断することができる。
例えば、遊技球に糸の先端を接着し、かかる遊技球を入球口から入球させると共に通路部材の通路を通過させ、検出センサの検出位置に遊技球が達した状態で、糸の他端を操作(繰り出し、引き寄せ)して、遊技球を往復させることで、検出センサに複数回検出させる不正行為がある。かかる不正行為に対し、本発明によれば、羽部材が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、羽部材が開放する位置から閉鎖する位置まで変位され、一対の切断部材が通路部材の通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を、一対の切断部材の間に挟み込み、切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
なお、一対の切断部材は、金属材料から形成することが好ましい。この場合、スライド部材の全体を金属材料から形成しても良く、スライド部材の一部(互いに擦接される縁部)のみを金属材料から形成しても良い。また、一対の切断部材における互いに擦接される部分は、刃(切断刃)として形成されることが好ましい。
遊技機A12又はA13において、前記駆動手段は、駆動軸の第1方向への変位が電磁力により行われると共に前記第1方向とは反対方向となる第2方向への前記駆動軸の変位が付勢手段の弾性回復力で行われるソレノイドアクチュエータとして形成され、前記羽部材の開放させる位置から閉鎖させる位置までの変位が、前記駆動手段の駆動軸を前記第1方向へ変位させることで行われることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A12又はA13の奏する効果に加え、羽部材の開放させる位置から閉鎖させる位置までの変位が、駆動手段の駆動軸を第1方向へ変位させることで行われる、即ち、電磁力を利用して行われるので、その駆動力を大きくできる。よって、スライド部材の擦接部と通路部材の縁部との間で不正物(例えば、糸)を切断しやすくできる。
遊技機A1からA14のいずれかにおいて、前記回転部材は、当接部を備え、前記スライド部材は、前記羽部材を閉鎖させるために前記回転部材が一側へ向けて回転された際に前記当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部に対向配置され前記羽部材を開放させるために前記回転部材が他側へ向けて回転された際に前記当接部の他側が当接される他側被当接部とを備え、前記一側被当接部および他側被当接部が幅方向略中央に形成されることを特徴とする遊技機A15。
遊技機A15によれば、遊技機A1からA14の奏する効果に加え、回転部材が当接部を備え、スライド部材が、羽部材を閉鎖させるために回転部材が一側へ向けて回転された際に当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部に対向配置され羽部材を開放させるために回転部材が他側へ向けて回転された際に当接部の他側が当接される他側被当接部とを備え、一側被当接部および他側被当接部が幅方向略中央に形成されるので、一対の羽部材と回転部材との間でのスライド部材の姿勢変化を許容しやすくできる。よって、回転部材の回転に伴い、スライド部材をスムーズにスライド変位させることができ、その結果、羽部材を確実に開放または閉鎖させることができる。
即ち、回転部材の回転に伴ってスライド部材をスライド変位させ、一対の羽部材を開放または閉鎖させる動作中に、一対の羽部材のうちの一方のみに遊技球からの負荷が作用されると、スライド部材の姿勢が変化されるところ、スライド部材が、一対の羽部材に対して2カ所で連結されると共に、回転部材に対しても2カ所で連結されていると、一対の羽部材と回転部材との間でのスライド部材の姿勢の変化が許容され難く、スライド部材をスライド変位させる(即ち、回転部材を回転させる)際の抵抗が発生して、羽部材の開放または閉鎖が阻害される。これに対し、本発明によれば、スライド部材が、一対の羽部材に対して2カ所で連結されると共に、回転部材に対して1カ所で連結されているので、一対の羽部材のうちの一方のみに遊技球からの負荷が作用されても、一対の羽部材と回転部材との間でのスライド部材の姿勢変化を許容しやすくできる。
なお、一側被当接部および他側被当接部が形成される幅方向略中央とは、一対の羽部材が開放または閉鎖された状態における一対の突設部の間の略中央を通り、且つ、スライド変位の方向に沿う仮想線上の位置を意味する。
遊技機A15において、前記当接部の一側および他側の幅寸法が、前記突設部の最大外形寸法の少なくとも3倍以下に設定されることを特徴とする遊技機A16。
遊技機A16によれば、遊技機A15の奏する効果に加え、当接部の一側および他側の幅寸法が、突設部の最大外形寸法の少なくとも3倍以下に設定されるので、一対の羽部材と回転部材との間でのスライド部材の姿勢変化を許容しやすくできる。なお、当接部の一側および他側の幅寸法は、突設部の最大外形寸法の2倍以下に設定されることが好ましい。上述した姿勢変化の許容をより達成しやすくできるからである。
<入賞口ユニット930を一例とする発明の概念について>
第1入球口と、その第1入球口を開放または閉鎖する第1開閉部材と、その第1開閉部材を駆動する第1駆動手段と、第2入球口と、その第2入球口を開放または閉鎖する第2開閉部材と、その第2開閉部材を駆動する第2駆動手段と、を備えた遊技機において、前記第1駆動手段および第2駆動手段が前記第2開閉部材の背面側に配設されることを特徴とする遊技機B1。
ここで、第1入球口と、その第1入球口を開放または閉鎖する第1開閉部材と、その第1開閉部材を駆動する第1駆動手段と、第2入球口と、その第2入球口を開放または閉鎖する第2開閉部材と、その第2開閉部材を駆動する第2駆動手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2011−177416号公報)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、第1駆動手段および第2駆動手段がそれぞれ第1開閉部材および第2開閉部材の背面側に配設されるため、これら第1開閉部材および第2開閉部材の背面側に他の部材や装置を配設し難く、スペースを有効に活用することが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、第1駆動手段および第2駆動手段が第2開閉部材の背面側に配設されるので、第1開閉部材(第1入球口)の背面側にスペースを形成することができる。即ち、第1駆動手段および第2駆動手段の配設スペースを第2開閉部材の背面側に集約することで、他の部材や装置を配設するためのスペースを第1開閉部材(第1入球口)の背面に確保でき、その分、スペースを有効に活用することができる。
遊技機B1において、前記第2開閉部材の正面投影面積が前記第1開閉部材の正面投影面積よりも大きくされることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B1又はB2において、前記第2開閉部材の正面投影面積が前記第1駆動手段および第2駆動手段の合計の正面投影面積よりも大きくされることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B2又はB3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、第2開閉部材の正面投影面積が、第1開閉部材の正面投影面積よりも大きくされる、又は、第1駆動手段および第2駆動手段の合計の正面投影面積よりも大きくされるので、第2入球口(第2開閉部材)の背面におけるデッドスペースを有効に活用できる。
遊技機B3において、前記第2開閉部材が一方向を長手方向とする正面視矩形状に形成され、前記第1駆動手段および第2駆動手段が前記第2入球口の背面側において前記第2開閉部材の長手方向に沿って並設されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、第2開閉部材が一方向を長手方向とする正面視矩形状に形成され、第1駆動手段および第2駆動手段が第2入球口の背面側において第2開閉部材の長手方向に沿って並設されるので、第2入球口(第2開閉部材)の背面におけるデッドスペースを有効に活用できる。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記第1駆動手段および第2駆動手段は、本体部と、その本体部の一側に配設される駆動軸と、その駆動軸を駆動すると共に前記本体部に収容される駆動部と、その駆動部に電力を供給すると共に前記本体部の他側から引き出される配線とを備え、前記第1駆動手段および第2駆動手段が前記駆動軸を前記第2開閉部材へ向けた姿勢で配設されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかにおいて、第1駆動手段および第2駆動手段は、本体部と、その本体部の一側に配設される駆動軸と、その駆動軸を駆動すると共に本体部に収容される駆動部と、その駆動部に電力を供給すると共に本体部の他側から引き出される配線とを備え、第1駆動手段および第2駆動手段が駆動軸を第2開閉部材へ向けた姿勢で配設されるので、第1駆動手段の配線と第2駆動手段の配線とをまとめやすくできる。
遊技機B5において、前記第1駆動手段の本体部および前記第2駆動手段の本体部がそれぞれ略直方体形状に形成されると共に、前記本体部の外面のうちの前記駆動軸および配線が配設される外面を除く一の外面どうしが略面一となる位置に前記第1駆動手段および第2駆動手段が配設されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、第1駆動手段の本体部および第2駆動手段の本体部がそれぞれ略直方体形状に形成されると共に、本体部の外面のうちの駆動軸および配線が配設される外面を除く一の外面どうしが略面一となる位置に第1駆動手段および第2駆動手段が配設されるので、例えば、第1駆動手段および第2駆動手段が異なる出力とされ、両者の本体部の大きさが異なる場合であっても、第1駆動手段および第2駆動手段を他の領域から区画するためのシールド板の形状を簡素化できる。
即ち、第1駆動手段の本体部と第2駆動手段の本体部とが異なる大きさに形成される場合には、一方の本体部と他方の本体部との外面どうしが段差を形成するため、その段差に沿わせて屈曲させてシールド板を形成する必要が生じ、かかるシールド板の形状が複雑となる。これに対し、本発明によれば、本体部の一の外面どうしが略面一となる位置に第1駆動手段および第2駆動手段が配設され、外面どうしが段差を形成しないので、シールド板を平板形状とすることができる。その結果、シールド板の形状を簡素化できる。
なお、シールド板とは、第1駆動手段および第2駆動手段の配設領域と他の領域(例えば、検出センサや制御基板が配設される領域)とを区画して、それら両領域の間を電磁場が流れることを制限(抑制)するための導体製の障壁であり、例えば、金属製の板材として形成される。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記第1入球口に入球された遊技球の通路を形成する第1通路部材と、前記第2入球口に入球された遊技球の通路を形成する第2通路部材と、前記第1駆動手段の駆動力を前記第1開閉部材に伝達する第1伝達機構とを備え、前記第1開閉部材は、前記入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され前記入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材を備え、前記第1伝達機構は、前記第1駆動手段の駆動力により回転されると共に前記第1通路部材および第2通路部材の間に配設される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位され前記一対の羽部材を開閉させるスライド部材とを備えることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかの奏する効果に加え、第1伝達機構が、第1駆動手段の駆動力により回転されると共に第1通路部材および第2通路部材の間に配設される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位され一対の羽部材を開閉させるスライド部材とを備えるので、一対の羽部材の開閉を回転部材のみで行う従来品と比較して、第1入球口の背面側であって第1通路部材の両側(側方)にスペースを確保できる。また、従来品のように回転部材との干渉を避けるために第1通路部材を第2通路側へ屈曲させる必要ないので、その分、第1入球口を第2入球口へ近接させることができる。
遊技機B7において、前記回転部材は、回転軸から延設されると共に前記スライド部材に連結される第1部分と、前記回転軸から延設されると共に前記第1駆動手段に駆動される第2部分とを備え、前記第1部分が前記回転軸方向視において略くの字状に屈曲して形成されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、回転部材は、回転軸から延設されると共にスライド部材に連結される第1部分と、回転軸から延設されると共に第1駆動手段に駆動される第2部分とを備え、第1部分が回転軸方向視において略くの字状に屈曲して形成されるので、スライド部材のスライド量を確保しつつ、第1駆動手段とスライド部材との間の距離を抑制できる。
即ち、第1部分を直線状に形成し、且つ、その第1部分の長さ寸法(回転軸からスライド部材に連結される部分までの距離)距離を本発明における回転軸からスライド部材に連結される部分までの直線距離と同等に設定した場合には、スライド部材のスライド量を本発明と同等とできるが、第1駆動手段とスライド部材との間の距離が嵩み、全体が大型化する。一方、第1部分を直線状に形成し、且つ、その第1部分の長さ寸法を本発明における回転軸からスライド部材に連結される部分までの直線距離よりも短くした場合には、第1駆動手段とスライド部材との間の距離を本発明と同等とできるが、スライド部材のスライド量が小さくなる。
これに対し、本発明によれば、第1部分が回転軸方向視において略くの字状に屈曲して形成されることで、スライド部材のスライド量を確保しつつ、第1駆動手段とスライド部材との間の距離を抑制できる。
遊技機B8において、前記回転部材の第2部分は、前記スライド部材と反対側となる前記第1部分の背面側に形成されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B8の奏する効果に加え、回転部材の第2部分が、スライド部材と反対側となる第1部分の背面側に形成されるので、前記第1部分を屈曲させることで生じたスペースを有効に活用して、回転部材を小型化できる。即ち、第1通路部材および第2通路部材の間のスペースに回転部材を効率的に配設して、全体としての小型化を図ることができる。
遊技機B1からB9のいずれかにおいて、前記第2入球口に入球した遊技球を検出する検出センサを備え、前記検出センサの少なくとも一部が前記第2開閉部材と前記第1駆動手段との間に配設されることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B1からB9のいずれかの奏する効果に加え、第2入球口に入球した遊技球を検出する検出センサを備え、検出センサの少なくとも一部が第2開閉部材と第1駆動手段との間に配設されるので、例えば、第2開閉部材を開放させて第2入球口から第1駆動手段に不正を加える場合、検出センサの一部により第1駆動手段を隠すことができるため、かかる不正行為を行い難くすることができる。
この場合、第2入球口から第1駆動手段までの経路を確保するために、例えば、ドリルなどによる工具が使用されて穴あけ加工などが行われた場合には、検出センサを破壊させることができるので、かかる検出センサの状態を監視することで、不正行為を発見することができる。なお、第1駆動手段が第2開閉部材の背面側に配設される本発明では、第2開閉部材を開放して第2入球口から第1駆動手段に不正が加えられた場合でも、第2開閉部材を閉鎖することで、第1駆動手段が第2開閉部材に遮蔽され、不正が加えられた箇所を視認不能となるため、上述した検出センサの状態の監視により不正行為を発見できることが特に有効となる。
遊技機B10において、前記検出センサを収容するケース部材と、そのケース部材に締結されるねじ部材とを備え、前記検出センサが一対配設されると共に、前記一対の検出センサのそれぞれの少なくとも一部が前記第2開閉部材と前記第1駆動手段との間に配設され、前記ねじ部材が前記一対のセンサ装置の対向間に位置することを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B10の奏する効果に加え、一対の検出センサのそれぞれの少なくとも一部が第2開閉部材と第1駆動手段との間に配設され、ケース部材に締結されるねじ部材が一対のセンサ装置の対向間に位置するので、第2開閉部材を開放させて第2入球口から第1駆動手段に不正を加える場合、ねじ部材により第1駆動手段を隠すことができるため、かかる不正行為をより行い難くすることができる。即ち、第1駆動手段の正面の全面を一対の検出センサにより遮蔽することは困難であり、一対の検出センサの対向間には隙間が形成されやすいため、かかる隙間(一対の検出センサの対向間をねじ部材の締結位置とすることで、第1駆動手段の正面における遮蔽されない領域をねじ部材により補うことができるので、不正行為をより行い難くできる。
なお、ねじ部材は、ケース部材が2部材からなり、それら2部材どうしを締結固定するためのものであっても良く、或いは、ケース部材に他の部材を締結固定するためのものであっても良い。また、ねじ部材は金属製であることが好ましい。
遊技機B11において、前記一対の検出センサの配線が、それら一対の検出センサの対向間に位置することを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B11の奏する効果に加え、一対の検出センサの配線が、それら一対の検出センサの対向間に位置するので、例えば、第2開閉部材を開放させて第2入球口から第1駆動手段に不正を加える場合に、かかる不正行為をより行い難くすることができる。
即ち、配線は比較的損傷を生じやすい。そのため、第2入球口から第1駆動手段までの経路を確保するために、例えば、ドリルなどによる工具が使用されて穴あけ加工などが行われる場合には、その不正行為に伴って配線を損傷(断線)させやすくできる。或いは、配線を損傷(断線)させずに不正行為を行うことが困難と認識させ、不正行為を抑止しやすくできる。
遊技機B12において、前記ケース部材は、前記ねじ部材が締結される座部を備え、その座部に前記一対の検出センサの配線が巻回されることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B12の奏する効果に加え、ねじ部材が締結される座部をケース部材が備え、その座部に一対の検出センサの配線が巻回されるので、かかる配線を、第1駆動手段の正面のより広い範囲にわたって引き回す(位置させる)ことができる。即ち、第1駆動手段の正面のより広い範囲を配線により遮蔽できる。よって、例えば、第2開閉部材を開放させて第2入球口から第1駆動手段に不正を加える場合に、かかる不正行為をより行い難くすることができる。
遊技機B12又はB13において、前記ケース部材は、前記ねじ部材が締結される座部を備え、その座部が前記第2開閉部材から離間するほど拡径する円錐形状に形成されることを特徴とする遊技機B14。
遊技機B14によれば、遊技機B12又はB13の奏する効果に加え、ねじ部材が締結される座部をケース部材が備え、その座部が第2開閉部材から離間するほど拡径する円錐形状に形成されるので、第2入球口から第1駆動手段までの経路を確保するために、例えば、ドリルなどによる工具が使用されて穴あけ加工などが行われる場合に、ドリルの進行方向を座部の外周面で横方向へ位置ずれ(横滑り)させて、配線を損傷(断線)させやすくできる。
遊技機B12からB14のいずれかにおいて、前記一対の検出センサの配線が、前記ねじ部材の締結位置と反対側へ引き出されることを特徴とする遊技機B15。
遊技機B15によれば、遊技機B12からB14のいずれかの奏する効果に加え、一対の検出センサの配線が、ねじ部材の締結位置と反対側へ引き出されるので、かかる配線を、第1駆動手段の正面のより広い範囲にわたって引き回す(位置させる)ことができる。即ち、第1駆動手段の正面のより広い範囲をねじ部材と配線とにより遮蔽できる。よって、例えば、第2開閉部材を開放させて第2入球口から第1駆動手段に不正を加える場合に、かかる不正行為をより行い難くすることができる。
<入賞口ユニット930及び送球ユニット970を一例とする発明の概念について>
遊技盤と、その遊技盤の正面側に配設されると共に遊技球が通過する第1通路を有する第1部材と、その第1部材の第1通路に連通される第2通路を有すると共に前記遊技盤の背面側に配設される第2部材と、を備えた遊技機において、前記第1部材に係合する第1係合部と、前記第2部材に係合する第2係合部とを有する第3部材を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、遊技盤と、その遊技盤の正面側に配設されると共に遊技球が通過する第1通路を有する第1部材と、その第1部材の第1通路に連通される第2通路を有すると共に遊技盤の背面側に配設される第2部材と、を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2012−5783号公報)。遊技盤の正面側を流下し、第1部材の第1通路に流入した遊技球は、第1通路を通過した後、第2部材の第2通路へ流入し、遊技盤の背面側において、第2通路を通過する。これにより、遊技球の通過経路が前後方向に変化され、遊技者に興趣を与えることができる。
この場合、第1通路と第2通路との連結部分に位置ずれ(段差)が生じていると、遊技球のスムーズな流下が阻害されるため、第1部材に対する第2部材の位置精度を確保することが要請される。しかしながら、上述した遊技機では、第1部材に対する第2部材の位置決めが困難であるという問題点があった。即ち、遊技盤の正面には、第1部材だけでなく、通路を有する他の部材や装飾部材などの各種部材が配設されるため、それらの各部材を位置決めするための位置決め孔を遊技盤に形成する工程内で、第1部材を位置決めするための位置決め孔も形成できる一方、第2部材を位置決めするための位置決め孔を遊技盤の背面に形成するためには、遊技盤を反転させた上で第2部材のためだけの位置決め孔を形成するという別工程が必要となり、現実的ではない。
これに対し、遊技機C1によれば、第1部材に係合する第1係合部と、第2部材に係合する第2係合部とを有する第3部材を備えるので、第3部材を利用して、第1部材に対する第2部材の位置決めを行うことができる。
遊技機C1において、前記遊技盤は、開口形成され、前記第1部材の第1通路と前記第2部材の第2通路との連結部分が内部空間に配設される開口部を備え、その開口部の内部空間に前記第3部材が配設されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、遊技盤は、開口形成され、第1部材の第1通路と第2部材の第2通路との連結部分が内部空間に配設される開口部を備え、その開口部の内部空間に第3部材が配設されるので、第3部材を配設するための開口部を別途設ける必要がない。即ち、第1通路と第2通路との連結部分を配設するための開口部を第3部材の配設空間としても兼用するので、その分、加工工数を低減して、製品コストの低減を図ることができる。
遊技機C1又はC2において、前記第3部材は、前記第1係合部が前記第1部材の第1通路に、前記第2係合部が前記第2部材の第2通路に、それぞれ係合されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2において、第3部材は、第1係合部が第1部材の第1通路に、第2係合部が第2部材の第2通路に、それぞれ係合されるので、第1部材に対する第2部材の位置決めを効果的に行うことができる。即ち、第1部材に対する第2部材の位置決めは、第1通路と第2通路との連結部分に位置ずれ(段差)が生じることを抑制することが目的となるところ、その対象となる部分(第1通路と第2通路との連結部分)を第3部材により直接位置決めすることができるので、他の部分を第3部分により位置決めする場合と比較して、位置ずれ(段差)の発生を効果的に抑制できる。その結果、遊技球をスムーズに流下させることができる。
遊技機C3において、前記第1通路または第2通路の少なくとも一方における内壁の一部が前記第3部材により形成されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、第1通路または第2通路の少なくとも一方における内壁の一部が第3部材により形成されるので、第1通路および第2通路の寸法公差または取り付け公差を許容しやすくできる。
遊技機C1からC4のいずれかにおいて、前記第1部材が前記第3部材を保持可能に形成されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C1からC4のいずれかの奏する効果に加え、第1部材が第3部材を保持可能に形成されるので、遊技盤の正面および背面に第1部材および第2部材をそれぞれ取り付ける際に、第3部材を別途取り付ける必要がなく、第1部材を取り付けることで、第3部材の取り付けも同時に行うことができる。よって、その分、取り付け作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機C5において、前記第1部材に前記第3部材が保持された状態では、前記第1部材に前記第3部材の第1係合部が係合されていることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、第1部材に第3部材が保持された状態では、第1部材に第3部材の第1係合部が係合されているので、遊技盤に第1部材と第3部材とを取り付けた後に、第3部材の第1係合部を第1部材に係合させる作業を別途行う必要がない。よって、その分、取り付け作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機C6において、前記第1部材に前記第3部材が保持された状態では、前記第3部材の第2係合部が前記第1部材と反対側から前記第2部材に係合可能に形成されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、第1部材に第3部材が保持された状態では、第3部材の第2係合部が第1部材と反対側から第2部材に係合可能に形成されるので、遊技盤に第1部材および第3部材を同時に取り付けた後に、遊技盤の背面に第2部材を取り付けることで、かかる取り付け動作と同時に、第3部材の第2係合部を第2部材に係合させることができる。よって、その分、取り付け作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機C5からC7のいずれかにおいて、前記第1部材は、前記第1通路が配設される本体部材と、その本体部材に締結固定される固定部材とを備え、その固定部材に前記第3部材が固着または一体に形成されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C5からC7のいずれかの奏する効果に加え、第1部材は、第1通路が配設される本体部材と、その本体部材に締結固定される固定部材とを備え、その固定部材に第3部材が固着または一体に形成されるので、本体部材に固定部材を締結固定する作業と同時に、第1部材に第3部材を保持させる(配設する)ことができる。これにより、遊技盤に第1部材および第2部材を取り付ける際に第3部材を取り付け忘れるこを抑制できる。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて、前記第1部材は、遊技球が入球可能に形成されると共に前記第1通路に連通される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され前記入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備え、前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位され前記一対の羽部材を開閉させるスライド部材とを備え、そのスライド部材のスライド変位を前記第3部材が案内可能に形成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8のいずれかの奏する効果に加え、伝達機構が、駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位され一対の羽部材を開閉させるスライド部材とを備えるので、一対の羽部材の開閉を回転部材のみで行う従来品と比較して、入球口の背面側であって第1通路の両側(側方)にスペースを確保できる。この場合、スライド部材のスライド変位を第3部材が案内可能に形成されるので、スライド部材のスライド変位を案内するための部材を別途設けることを不要とできる。よって、その分、第1部材の構造を簡素化でき、製品コストの低減を図ることができる。
遊技機C9において、前記一対の羽部材が前記スライド部材へ向けて突設される突設部を備えると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝を前記スライド部材が備え、そのスライド部材の摺動溝における前記羽部材と反対側の開口に対面する覆設面部を前記第3部材が備えることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、一対の羽部材がスライド部材へ向けて突設される突設部を備えると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝をスライド部材が備え、そのスライド部材の摺動溝における羽部材と反対側の開口に対面する覆設面部を第3部材が備えるので、第3部材の覆設面部によりスライド部材の摺動溝の開口を外部から遮蔽して、埃や異物が摺動溝に侵入することを抑制できる。その結果、摺動溝に侵入した埃や異物により突設部の摺動が妨げられることを抑制して、一対の羽部材を安定して開放または閉鎖させることができる。
<特定入賞口ユニット950を一例とする発明の概念について>
遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を開閉する開閉部材と、前記入球口に入球された遊技球が転動される転動面と、その転動面を転動した遊技球が流入する通路部材とを備えた遊技機において、前記通路部材が所定間隔を隔てつつ複数配設されることを特徴とする遊技機D1。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を開閉する開閉部材と、入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2015−3092号公報)。入球口は、複数の遊技球が同時に入球可能な大きさに形成され、入球口に入球された遊技球は、転動面を転動することで通路部材に集められ、通路部材へ1球ずつ流入される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、入球口を大型化すると、その分、入球口の端部から通路部材までの遊技球の転動距離(転動面の長さ)が長くなる。そのため、通路部材へ到達するまでに時間を要し、開閉部材により入球口を閉鎖するまでに別の遊技球が入球口から入球されることで、オーバー入賞が生じやすいという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、通路部材が所定間隔を隔てつつ複数配設されるので、入球口を大型化した場合でも、通路部材までの遊技球の転動距離(転動面の長さ)を短くできる。よって、その分、通路部材へ到達するまでの時間を短くして、通路部材へ早く流入させることができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機D1において、前記入球口に入球した遊技球を検出する検出センサを備え、その検出センサが前記転動面と前記通路部材との連結部分に配設されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、入球口に入球した遊技球を検出する検出センサを備え、その検出センサが転動面と通路部材との連結部分に配設されるので、入球口に入球した遊技球をより早く検出できる。よって、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制でき、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機D1又はD2において、前記入球口から前記通路部材へ向けて傾斜し前記転動面を転動する遊技球に当接可能に形成される第1傾斜面を有する第1案内手段を備え、前記入球口が横長矩形状に形成されると共に前記転動面が前記入球口の長手方向に沿って延設され、前記第1案内手段が前記転動面の長手方向一側端部と前記通路部材との間に配設されることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、入球口から通路部材へ向けて傾斜し転動面を転動する遊技球に当接可能に形成される第1傾斜面を有する第1案内手段を備え、入球口が横長矩形状に形成されると共に転動面が入球口の長手方向に沿って延設され、第1案内手段が転動面の長手方向一側端部と通路部材との間に配設されるので、入球口の長手方向端部の近傍から遊技球が入球した場合に、その遊技球を第1案内手段の第1傾斜面により通路部材へ案内して、転動面の長手方向端部に滞らせ難くできる。よって、入球口から入球した遊技球を通路部材へ早く流入させることができ、その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記転動面に凹設され前記入球口から前記通路部材へ向けて下降傾斜する凹溝として形成される案内溝を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、転動面に凹設され入球口から通路部材へ向けて下降傾斜する凹溝として形成される案内溝を備えるので、転動面をその転動面の長手方向に転動する遊技球を受け入れて通路部材へ案内することができる。即ち、遊技球が転動面の長手方向に転動する際に通路部材を通過することを抑制できる。よって、入球口から入球した遊技球を通路部材へ早く流入させることができ、その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機D4において、前記案内溝が前記転動面の長手方向に略直交する方向に直線状に延設されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、案内溝が転動面の長手方向に略直交する方向に直線状に延設されるので、転動面をその転動面の長手方向に転動する遊技球を案内溝に受け入れやすくできると共に、受け入れた遊技球を通路部材へ速やかに案内する(流入させる)ことができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機D4又はD5において、前記案内溝の溝幅が遊技球の直径と略同等に設定されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4又はD5の奏する効果に加え、案内溝の溝幅が遊技球の直径と略同等に設定されるので、案内溝に複数の遊技球が受け入れられる場合に、それら各遊技球を整列させた状態で通路部材へ案内することができる。よって、各遊技球を通路部材へ速やかに流入させることができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機D3からD6のいずれかにおいて、前記転動面は、前記第1案内手段が配設される第1領域に対して前記転動面の長手方向に前記通路部材を挟んで反対側となる第2領域が、前記第1領域へ向けて下降傾斜して形成されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D3からD6のいずれかの奏する効果に加え、転動面は、第1案内手段が配設される第1領域に対して転動面の長手方向に通路部材を挟んで反対側となる第2領域が、第1領域へ向けて下降傾斜して形成されるので、第2領域へ入球した遊技球または第1領域から第2領域まで転動した遊技球を、第2領域の下降傾斜を利用して、通路部材へ向けて速やかに転動させることができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機D7において、前記転動面の第2領域から突設される第2案内手段を備えることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、転動面の第2領域から突設される第2案内手段を備えるので、第2領域の下降傾斜により転動速度が速くされた遊技球を通路部材の手前で減速させることができる。即ち、通路部材までは転動速度を速くしつつ、通路部材の手前(直前)で減速させて、遊技球が第2領域から通路部材を通過して第1領域まで転動することを抑制できる。よって、その分、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機D7又はD8において、前記転動面の第2領域に配設され、前記通路部材へ向けて前記転動面の第2領域を前記転動面の長手方向に沿って転動される遊技球を前記入球口側へ案内可能に形成される第2案内手段を備えることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D7又はD8の奏する効果に加え、転動面の第2領域に配設され、通路部材へ向けて転動面の第2領域を転動面の長手方向に沿って転動される遊技球を入球口側へ案内可能に形成される第2案内手段を備えるので、第2領域の下降傾斜により転動速度が速くされた遊技球を通路部材の手前で減速させることができる。即ち、通路部材までは転動速度を速くしつつ、通路部材の手前(直前)で減速させて、遊技球が第2領域から通路部材を通過して第1領域まで転動することを抑制できる。よって、その分、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機D9において、前記入球口が開放された状態では、前記転動面を転動する遊技球が当接可能な位置に前記開閉部材が配設されることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D9の奏する効果に加え、入球口が開放された状態では、転動面を転動する遊技球が当接可能な位置に開閉部材が配設されるので、第2案内手段により入球口側へ案内された遊技球を、開閉部材に当接させて、通路部材へ向けて跳ね返させることができる。よって、その分、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。その結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機D9又はD10において、前記第2案内手段は、前記第1案内手段と反対側の側縁部が前記第1案内手段から離間するに従って前記入球口から離間する方向に傾斜されると共に、その上面が前記第1案内手段と反対側の側辺部へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機D11。
遊技機D11によれば、遊技機D9又はD10の奏する効果に加え、第2案内手段は、第1案内手段と反対側の側縁部が第1案内手段から離間するに従って入球口から離間する方向に傾斜されると共に、その上面が第1案内手段と反対側の側縁部へ向けて下降傾斜されるので、遊技球を、入球口から飛び出ることを抑制しつつ、通路部材へ早く流入させることができる。
即ち、第2領域を通路部材へ向けて転動面の長手方向に沿って転動される遊技球のうち、転動速度が比較的低い(遅い)遊技球に対しては、入球口から外部へ飛び出る恐れが低いので、第2案内手段の側縁部に当接させて入球口側へ案内することで、第2領域から通路部材を通過して第1領域まで転動することを抑制して、その分、通路部材へ早く流入させることができる。一方、転動速度が比較的高い(速い)遊技球に対しては、第2案内手段の上面を乗り越えさせて、第1領域(第1案内手段)まで案内することができる。よって、第2案内手段の乗り越えと第1案内部材への衝突とにより遊技球の運動エネルギーを消費させ、確実に減速させることができる。よって、入球口から飛び出ることを抑制しつつ、通路部材へ早く流入させることができる。これらの結果、開閉部材により入球口を閉鎖するまでの間に別の遊技球が入球されることを抑制して、オーバー入賞を抑制できる。
遊技機D11において、前記第2案内手段は、前記第1案内手段に対向する側の側縁部が前記転動面の長手方向に直交する方向に延設され、前記転動面の長手方向に直交する方向における前記第1案内手段の側縁部の寸法が、前記転動面の長手方向に直交する方向における前記第2案内手段の側縁部の寸法よりも大きくされることを特徴とする遊技機D12。
遊技機D12によれば、遊技機D11の奏する効果に加え、転動面の長手方向に直交する方向における第1案内手段の側縁部の寸法が、転動面の長手方向に直交する方向における第2案内手段の側縁部の寸法よりも大きくされるので、第2案内手段の上面を乗り越えた遊技球を、第1案内手段に当接(衝突)させて、確実に減速させることができると共に、通路部材の近傍に位置させやすくできる。よって、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。
遊技機D11又はD12において、前記転動面から遊技球の半径だけ離間した位置が前記第2案内手段の側縁部に含まれることを特徴とする遊技機D13。
遊技機D13によれば、遊技機D11又はD12の奏する効果に加え、転動面から遊技球の半径だけ離間した位置が第2案内手段の側縁部に含まれるので、第2案内手段の上面を乗り越えた遊技球を、第1案内手段の側縁部に当接(衝突)させて、確実に減速させることができると共に、通路部材の近傍に位置させやすくできる。よって、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。
遊技機D8からD13のいずれかにおいて、前記第1案内手段の第1傾斜面における傾斜方向の延長上に前記第2案内手段が位置することを特徴とする遊技機D14。
遊技機D14によれば、遊技機D8からD13のいずれかの奏する効果に加え、第1案内手段の第1傾斜面における傾斜方向の延長上に第2案内手段が位置するので、第1案内手段の第1傾斜面により通路部材へ向けて案内された遊技球の転動速度が比較的高い(速い)場合であっても、かかる遊技球を、第2案内手段に当接(衝突)させて、減速させることができると共に、通路部材の近傍に位置させやすくできる。よって、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。
遊技機D14において、前記転動面に凹設され前記入球口から前記通路部材へ向けて下降傾斜する凹溝として形成される案内溝を備え、前記案内溝の底面から前記第2案内手段の最上部までの高さ寸法が遊技球の半径よりも大きくされることを特徴とする遊技機D15。
遊技機D15によれば、遊技機D14の奏する効果に加え、転動面に凹設され入球口から通路部材へ向けて下降傾斜する凹溝として形成される案内溝を備え、案内溝の底面から第2案内手段の最上部までの高さ寸法が遊技球の半径よりも大きくされるので、第1案内手段の第1傾斜面により通路部材へ向けて案内された遊技球の転動速度が比較的高い(速い)場合に、かかる遊技球を、第2案内手段に当接(衝突)しやすくできる。よって、かかる遊技球を、減速させることができると共に、通路部材の近傍に位置させやすくでき、通路部材へ早く流入させることができる。
遊技機D1からD15のいずれかにおいて、前記転動面に凹設され前記入球口から前記通路部材へ向けて下降傾斜する凹溝として形成される案内溝を備え、前記案内溝の溝幅が前記通路部材へ向かうに従って小さくされることを特徴とする遊技機D16。
遊技機D16によれば、遊技機D1からD15のいずれかの奏する効果に加え、転動面に凹設され入球口から通路部材へ向けて下降傾斜する凹溝として形成される案内溝を備え、案内溝の溝幅が通路部材へ向かうに従って小さくされるので、転動面をその転動面の長手方向へ転動する遊技球が案内溝の側壁に当接(衝突)することで、かかる遊技球の転動方向を通路部材へ向かう方向へ転換させやすくできる。よって、遊技球を通路部材へ早く流入させることができる。
<入賞口ユニット930及び送球ユニット970を一例とする発明の概念について>
遊技球が入球可能に形成される入球口およびその入球口に連結される通路を備えた入球ユニットと、その入球ユニットが配設される遊技盤とを備えた遊技機において、前記遊技盤には、板厚方向に開口部が開口形成され、前記入球ユニットは、前記入球口およびその入球口に連結される第1通路を有すると共に前記遊技盤の前面側に配設される第1ユニットと、その第1ユニットの背面側に前記遊技盤の開口部を介して配設されると共に前記第1通路に連結される第2通路を有する第2ユニットとを備えることを特徴とする遊技機E1。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口およびその入球口に連結される通路を備えた入球ユニットと、その入球ユニットが配設される遊技盤とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2015−131046号公報)。かかる遊技機によれば、入球ユニットを別の入球ユニット(例えば、通路の本数が異なるもの)に取り換えることで、遊技盤を流用(兼用)しつつ、遊技機の仕様を変更することができる。しかしながら、上述した遊技機では、入球ユニットが遊技盤の前面に配設されるので、例えば、通路の最大本数に応じたスペースを予め遊技盤の前面に確保しておく必要があった。そのため、通路の本数が少ない入球ユニットを用いる場合には、遊技盤の前面側のスペースに無駄が生じるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、入球ユニットは、入球ユニットは、入球口およびその入球口に連結される第1通路を有すると共に遊技盤の前面側に配設される第1ユニットと、その第1ユニットの背面側に遊技盤の開口部を介して配設されると共に第1通路に連結される第2通路を有する第2ユニットとを備えるので、遊技盤の前面には第1ユニットの大きさに対応するスペースを確保すれば足り、通路(第2通路)の最大本数に応じたスペースを遊技盤の前面に確保しておく必要がない。よって、第2ユニットを別の第2ユニット(例えば、第2通路の本数が異なるもの)に取り換えることで、遊技盤を流用(兼用)しつつ、遊技盤の仕様を変更する際に、遊技盤の前面のスペースを有効に活用できる。
遊技機E1において、前記第1ユニットの少なくとも一部が光透過性材料から形成され、前記第2ユニットが、前記第1ユニットよりも小さな外形に形成されると共に、正面視において前記第1ユニットに重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、第1ユニットが光透過性材料から形成され、第2ユニットが、第1ユニットよりも小さな外形に形成されると共に、正面視において第1ユニットに重なる位置に配設されるので、第1ユニットを通して第2ユニットを遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。また、第2ユニットを遊技者に視認可能とするために、遊技盤を光透過性材料から形成することが必須とされず、例えば、遊技盤をベニヤ板から形成することや遊技盤にシールを貼り付ける、或いは、遊技盤を塗装することも許容されるので、設計の自由度を高めることができる。
遊技機E2において、前記第2ユニットの少なくとも前記第2通路における正面側が光透過性材料から形成されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、第2ユニットの少なくとも第2通路における正面側が光透過性材料から形成されるので、第1ユニットを通して第2ユニットの第2通路を流下する遊技球を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1ユニットは、その全体が光透過性材料から形成されていても良い。また、第1ユニットの一部のみが光透過性材料からなる場合は、正面視において第2ユニットの少なくとも第2通路に重なる部分が光透過性材料から形成されることが好ましい。遊技球の流下を視認可能として、遊技の興趣を高められるからである。
遊技機E3において、前記第1ユニットが無色の光透過性材料から形成され、前記第2ユニットが有色の光透過性材料から形成されることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、第1ユニットが無色の光透過性材料から形成され、第2ユニットが有色の光透過性材料から形成されるので、第1ユニットを通して第2ユニットを遊技者に視認させる場合に、第1ユニットと第2ユニットとの前後方向の位置関係を遊技者に把握させやすくできる。即ち、遊技球が前後方向に位置を変化させて流下される態様を遊技者に視認させやすくできるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機E4において、前記第2ユニットの前記第2通路の正面には、文字または図形からなる情報が表示されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、第2ユニットの第2通路の正面には、文字または図形からなる情報が表示されるので、第1ユニットを通して第2ユニットを視認する場合であっても、表示を目印(基準位置)として、第2通路の位置(前後方向位置)を遊技者に認識させやすくできる。なお、表示の態様としては、インクによる印刷、シールの貼り付け、2色成形などが例示される。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、前記第2通路は、前記第1通路に連結される第2上流通路と、その第2上流通路から複数本に分岐される複数の第2分岐通路と、それら複数の第2分岐通路のそれぞれに連結される複数の第2連結通路とを備え、前記第2ユニットは、前記第1ユニットの背面側に配設されると共に前記第2上流通路と前記複数の第2分岐通路とが形成される第2上流ユニットと、その第2上流ユニットに配設されると共に前記複数の第2連結通路が形成される第2下流ユニットとを備え、前記複数の第2分岐通路に遊技球の通過を検出する検出センサが配設されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5のいずれかにおいて、第2ユニットは、第1ユニットの背面側に配設されると共に第2上流通路と複数の第2分岐通路とが形成される第2上流ユニットと、その第2上流ユニットに配設されると共に複数の第2連結通路が形成される第2下流ユニットとを備え、複数の第2分岐通路に遊技球の通過を検出する検出センサが配設されるので、例えば、第2上流ユニットを、第2分岐通路の本数が少ない別のユニットに変更して異なる仕様の遊技機を製造する場合に、検出センサの配設数を作業者が間違えることを抑制できる。
即ち、第2連結通路に検出センサを配設する構造では、第2連結通路の本数分だけ検出センサを配設できるところ、例えば、第2分岐通路が2本形成される第2上流ユニットを、第1通路と第2連結通路との間を1本の通路のみで連結する別のユニットに変更する場合に、1の検出センサを配設すれば足りるのに、第2連結通路の本数分だけ検出センサを配設してしまう可能性がある。これに対し、第2分岐通路に検出センサを配設する構造であれば、第2上流ユニットを別のユニットに変更する際に、そのユニットに応じた数の検出センサを配設することになるため、その配設数を作業者が間違えることを抑制できる。
遊技機E6において、前記第1ユニットは、遊技球が入球可能に形成される第2入球口を備え、その第2入球口に入球された遊技球が通過する第3通路が、前記第1ユニット、前記第2上流ユニット及び前記第2下流ユニットのそれぞれにわたって形成されると共に、前記第3通路のうちの前記第2下流ユニットに形成される部分に遊技球を検出する検出センサが配設されることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、第1ユニットは、遊技球が入球可能に形成される第2入球口を備え、その第2入球口に入球された遊技球が通過する第3通路が、第1ユニット、第2上流ユニット及び第2下流ユニットのそれぞれにわたって形成されると共に、第3通路のうちの第2下流ユニットに形成される部分に遊技球を検出する検出センサが配設されるので、第2ユニットに配設される検出センサを分散させることができ、その分、通路の配置の自由度を高めることができる。
遊技機E7において、前記第1通路に対して前記第2通路が直接または間接に係合することで、又は、前記第1ユニットおよび前記第2ユニットの前記第3通路どうしが直接または間接に係合することで、前記第1ユニットに対する前記第2ユニットの位置決めが行われることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E7の奏する効果に加え、第1通路に対して第2通路が直接または間接に係合することで、又は、第1ユニットおよび第2ユニットの第3通路どうしが直接または間接に係合することで、第1ユニットに対する第2ユニットの位置決めが行われるので、第2ユニットの第2上流ユニットを別のユニットに変更する場合でも位置決めを可能とできる。即ち、別のユニットの形態に関わらず、第1通路と第2通路とが連結される位置または第3通路どうしが連結される位置は同一であるので、第1通路に対して前記第2通路を又は第3通路どうしを直接または間接に係合させて位置決めすることで、別ユニットであっても第1ユニットに対して位置決めを行うことができる。
また、第1ユニットに対する第2ユニットの位置決めは、第1通路と第2通路との連結部分または第3通路どうしの連結部分に位置ずれ(段差)が生じることを抑制することが目的となるところ、その対象となる部分(第1通路と第2通路との連結部分または第3通路どうしの連結部分)を位置決めすることができるので、他の部分を位置決めする場合と比較して、位置ずれ(段差)の発生を効果的に抑制できる。その結果、遊技球のスムーズに流下させることができる。
遊技機E6からE8のいずれかにおいて、前記第2上流通路の前記第2分岐通路に配設される検出センサの一部が前記第2下流ユニットへ向けて突出されると共に、その突出された検出センサの一部を受け入れる受入部が前記第2下流ユニットに形成されることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E6からE8のいずれかの奏する効果に加え、第2上流通路の第2分岐通路に配設される検出センサの一部が第2下流ユニットへ向けて突出されると共に、その突出された検出センサの一部を受け入れる受入部が第2下流通路に形成されるので、検出センサと受入部との係合により第2上流ユニット及び第2下流ユニットの位置決めを行うことを可能としつつ、検出センサの一部が外部へ張り出すことを抑制して、第2ユニット全体としての小型化を図ることができる。
遊技機E1からE6において、前記第1ユニットは、遊技球が入球可能に形成される第2入球口を備え、その第2入球口に入球された遊技球が通過する第3通路が、前記第2ユニットにおいて、少なくとも前記第2分岐通路の間に形成されることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E1からE9の奏する効果に加え、第2入球口に入球された遊技球が通過する第3通路が、第2ユニットにおいて、少なくとも第2分岐通路の間に形成されるので、第2ユニットの小型化を図ることができる。
遊技機E1からE10のいずれかにおいて、前記第2通路には、前記第2ユニットの正面から背面へ向けて屈曲される屈曲部分が形成されると共に、その屈曲部分における屈曲外側の壁部の内面から立設部が立設され、前記屈曲外側の壁部が遊技球の流下方向へ向かうに従って前記第2ユニットの背面側に位置するように傾斜されることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E1からE10のいずれかの奏する効果に加え、第2通路には、第2ユニットの正面から背面へ向けて屈曲される屈曲部分が形成されると共に、その屈曲部分における屈曲外側の壁部の内面から立設部が立設され、屈曲外側の壁部が遊技球の流下方向へ向かうに従って第2ユニットの背面側に位置するように傾斜されるので、第2通路の屈曲部分を流下する遊技球を遊技者に視認させやすくできる。即ち、屈曲部分の屈曲外側の壁部の内面から立設部が立設されることで、通路の剛性を高めて耐久性の向上を図ると共に立設部の立設先端に沿って遊技球を案内して屈曲部分をスムーズに流下させることができる一方で、正面視において立設部が遊技球の正面に位置することとなるため、立設部に遊技球が隠れてその遊技球の視認性が低下する。これに対し、屈曲外側の壁部が遊技球の流下方向へ向かうに従って第2ユニットの背面側に位置するように傾斜されることで、剛性の確保と遊技球の案内とを可能としつつ、立設部の前後方向の厚みを薄くできるので、遊技球の視認性を確保できる。
<入賞口ユニット930及び送球ユニット970を一例とする発明の概念について>
遊技球が通過する第1通路部材と、その第1通路部材の下流端に上流端が連結され前記第1通路部材から流下された遊技球が通過する第2通路部材とを備えた遊技機において、少なくとも前記第2通路部材の上流端のうちの底面側の底面上流端と側面側の側面上流端とが遊技球の通過方向に位置を異ならせて形成されることを特徴とする遊技機F1。
ここで、遊技球が通過する第1通路部材と、その第1通路部材の下流端に上流端が連結され第1通路部材から流下された遊技球が通過する第2通路部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2012−5783号公報)。しかしながら、このように、第1通路部材と第2通路部材とを連結する構造では、両者の間の位置ずれが避けられないため、第1通路部材の下流端と第2通路部材の上流端との連結部分に段差が形成され、遊技球のスムーズな流下が阻害される恐れがあるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1では、少なくとも第2通路部材の上流端のうちの底面側の底面上流端と側面側の側面上流端とが遊技球の通過方向に位置を異ならせて形成されるので、遊技球が底面側の段差(底面上流端)を通過するタイミングと側面側の段差(側面上流端)を通過するタイミングとを異ならせることができる。よって、これら底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを回避し、それらの影響を分散させられるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
遊技機F1において、前記底面上流端から遊技球の半径だけ離間した位置が前記側面上流端に含まれることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、底面上流端から遊技球の半径だけ離間した位置が側面上流端に含まれるので、第1通路部材から第2通路部材へ遊技球が転動(流下)する際に、かかる遊技球を側面上流端に内接させることができる。即ち、遊技球が影響を受ける底面側の段差の位置と側面側の段差の位置とを遊技球の通過方向に確実に異ならせることができる。その結果、これら底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを確実に回避し、それらの影響を分散させやすくできるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
遊技機F1又はF2において、前記第1通路部材の下流端のうちの底面側の底面下流端と側面側の側面下流端とが遊技球の通過方向に位置を異ならせて形成され、前記第1通路部材は、その下流端から前記第2通路部材の上流端へ向けて突出されると共にその突出先端が前記側面下流端とされる突出片を備えると共に、前記第2通路部材は、その上流端に凹設され前記突出片を受け入れると共に前記突出片の突出先端に対面する部分が前記側壁上流端とされる凹部を備えることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、第1通路部材は、その下流端から第2通路部材の上流端へ向けて突出されると共にその突出先端が側面下流端とされる突出片を備えると共に、第2通路部材は、その上流端に凹設され突出片を受け入れると共に突出片の突出先端に対面する部分が側壁上流端とされる凹部を備えるので、第1通路部材の側面下流端および底面下流端を、第2通路部材の側面上流端および側面下流端に近接させることができる。即ち、第2通路部材の側面上流端が底面上流端に対して遊技球の通過方向下流側に位置を異ならせて形成される場合に、その第2通路部材の側面上流端に遊技球が達するまでの間、第1通路部材の突出片により遊技球を案内できる。よって、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
一方で、突出片は比較的剛性が弱く、折損のおそれがあるところ、遊技機F3によれば、突出片が第1通路部材(即ち、遊技球の通過方向上流側)に形成されるので、突出片が折損した場合であっても、第2通路部材の底面上流端と側面上流端とを遊技球の通過方向に位置を異ならせた状態を維持でき、遊技球が底面側の段差(底面上流端)を通過するタイミングと側面側の段差(側面上流端)を通過するタイミングとを異ならせることができる。よって、これら底面側の段差と側面側の段差との影響を遊技球が同時に受けることを回避し、それらの影響を分散させられるので、その分、遊技球をスムーズに流下(通過)させることができる。
また、遊技機F3によれば、遊技機突出片が第1通路部材に、凹部が第2通路部材に、それぞれ形成されるので、突出片に凹部の側面が当接されることで、第1通路部材に対する第2通路部材の上方への位置ずれを規制できる。即ち、第1通路部材の下流端よりも第2通路部材の上流端が高い位置となる段差では、遊技球が乗り上げる際に跳ね上げられやすいため、逆の段差(第1通路部材の下流端よりも第2通路部材の上流端が低い位置となる段差)と比較して、遊技球のスムーズな流下(通過)を阻害しやすい。よって、遊技機F3のように、第1通路部材に対する第2通路部材の上方への位置ずれを規制できることは、第1通路部材の下流端よりも第2通路部材の上流端が高い位置となる段差が形成されることを抑制でき、遊技球のスムーズな流下に特に有効となる。
遊技機F3において、前記第2通路部材の側面上流端が遊技球の通過方向に対して傾斜して形成されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、第2通路部材の側面上流端が遊技球の通過方向に対して傾斜して形成されるので、第2通路部材の側面上流端が遊技機の通過方向に対して直交して形成される場合と比較して、第2通路部材の側面上端面に衝突した遊技球を傾斜に沿って滑らせて、跳ね返され難くできる。その結果、遊技球をスムーズに通過(流下)させやすくすることができる。
遊技機F1又はF2において、少なくとも前記第2通路部材の上流端の全体が前記遊技球の通過方向に対して傾斜して形成されることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、少なくとも第2通路部材の上流端の全体が遊技球の通過方向に対して傾斜して形成されるので、第2通路部材の上流端のうちの側面上流端を遊技球の通過方向に対して傾斜せることができる。よって、第2通路部材の側面上流端が遊技機の通過方向に対して直交して形成される場合と比較して、第2通路部材の側面上端面に衝突した遊技球を傾斜に沿って滑らせて、跳ね返され難くできる。その結果、遊技球をスムーズに通過(流下)させやすくすることができる。
この場合、遊技機F5によれば、第2通路部材の上流端の全体が傾斜して形成されるので、例えば、突出片や凹部を有する形状(階段状)に形成される場合と比較して、応力集中の発生を抑制して、通路部材の耐久性を確保できる。また、第2通路部材が樹脂材料からなる場合には、その射出成型金型のキャビティ(空洞部分)の形状変化を緩やかとできるので、気泡だまり(エア噛み)や充填不良を抑制して、成形性の向上を図ることができる。
遊技機F4及びF5において、前記第2通路部材の側面上流端が遊技機の通過方向に沿って下降傾斜して形成されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F4又はF5の奏する効果に加え、第2通路部材の側面上流端が遊技機の通過方向に沿って下降傾斜して形成されるので、第2通路部材の側面上流端に衝突した遊技球を底面側へ押し付けることができる。即ち、第2通路部材の側面上流端で遊技球が跳ね上げられて、バウンドすることを抑制できる。その結果、遊技球をスムーズに通過(流下)させやすくすることができる。
<特定入賞口ユニット550を一例とする発明の概念について>
遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され前記入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備えた遊技機において、前記一対の羽部材が外部から開放方向へ変位された場合に、前記一対の羽部材の開放方向への変位を前記伝達機構が規制可能に形成されることを特徴とする遊技機G1。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んで配設される一対の羽部材と、それら一対の羽部材に駆動力を付与して開放または閉鎖させる駆動手段と、その駆動手段の駆動力により一対の羽部材が開放されると入球口への遊技球の入球を許容する許容位置に配置されると共に駆動手段の駆動力により一対の羽部材が閉鎖されると入球口への遊技球の入球を規制する規制位置に配置される規制手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2011−172833号公報)。
この遊技機によれば、駆動手段の駆動力により一対の羽部材が開放されると、規制手段が許容位置に配置されることで、一対の羽部材の間を通過した遊技球を入球口へ入球させることができる。一方、駆動手段の駆動力により一対の羽部材が閉鎖されると、規制手段が規制位置に配置されるので、一対の羽部材が外部から強制開放された場合に、遊技球が入球口へ入球されることを規制できる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、規制手段の変位が規制されていないため、例えば、一対の羽部材を外部から強制開放した上で、規制手段を規制位置から許容位置へ変位させることができるため、遊技球が入球口へ不正に入球されることを規制する効果が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、一対の羽部材が外部から開放方向へ変位された場合に、それら一対の羽部材の開放方向への変位を伝達機構が規制可能に形成されるので、羽部材が強制開放されることを抑制できる。よって、遊技球が入球口へ不正に入球されることを規制しやすくできる。
遊技機G1において、前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位されるスライド部材とを備え、前記スライド部材または前記一対の羽部材の一方から突設部が突設されると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝が前記スライド部材または前記一対の羽部材の他方に凹設され、前記摺動溝の内壁には、前記羽部材を閉鎖させる位置まで前記スライド部材がスライド変位された際に前記突設部を受け入れる受入部が凹設され、前記受入部に前記突設部が受け入れられた状態では、前記羽部材の回転が規制されることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機A1からA6のいずれかの奏する効果に加え、摺動溝の内壁には、羽部材を閉鎖させる位置までスライド部材がスライド変位された際に突設部を受け入れる受入部が凹設され、受入部に突設部が受け入れられた状態では、羽部材の回転が規制されるので、羽部材が外部から強制開放されることを抑制できる。
遊技機G2において、前記スライド部材のスライド変位の方向が、前記一対の羽部材の回転軸に略直交する方向であることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、スライド部材のスライド変位の方向が、一対の羽部材の回転軸に略直交する方向であるので、羽部材が外部から開放方向へ変位され、その外力が突設部および受入部を介してスライド部材に伝達された場合でも、スライド部材のスライド変位成分を発生し難くできる。その結果、羽部材が強制開放されることを抑制できる。
また、スライド部材を羽部材に対して略平行に配設することができる。その結果、羽部材およびスライド部材の配設に必要なスペースを抑制でき、その分、他の部材を配設するスペースを確保できる。
遊技機G2又はG3において、前記スライド部材が重力方向下方へ向けてスライド変位されることで、前記受入部に前記突設部が受け入れられることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G2又はG3の奏する効果に加え、スライド部材が重力方向下方へ向けてスライド変位されることで、受入部に突設部が受け入れられるので、スライド部材の重さ(自重)を利用して、受入部に突設部が受け入れられた状態を維持しやすくできる。
遊技機G1において、前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位されるスライド部材とを備え、前記スライド部材または前記一対の羽部材の一方から突設部が突設されると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝が前記スライド部材または前記一対の羽部材の他方に凹設され、前記回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、前記スライド部材は、前記羽部材を閉鎖させるために前記回転部材が一側へ向けて回転された際に前記当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部と前記スライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され前記羽部材を開放させるために前記回転部材が他側へ向けて回転された際に前記当接部の他側が当接される他側被当接部とを備え、前記羽部材が閉鎖された状態では、前記一側被当接部に前記当接部の一側が当接されると共に前記張出部が前記スライド部材に係合されると共に、少なくとも前記他側被当接部に前記当接部の他側が当接される位置まで前記回転部材が他側へ回転されると、前記張出部の前記スライド部材との係合が解除されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、スライド部材は、羽部材を閉鎖させるために回転部材が一側へ向けて回転された際に当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部とスライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され羽部材を開放させるために回転部材が他側へ向けて回転された際に当接部の他側が当接される他側被当接部とを備えるので、回転部材が一側へ回転されると、その回転に伴って、一側被当接部が当接部の一側によって押され、スライド部材が一側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が閉鎖される一方、回転部材が他側へ回転されると、その回転に伴って、他側被当接部が当接部の他側によって押され、スライド部材が他側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が開放される。
この場合、羽部材が閉鎖された状態では、一側被当接部に当接部の一側が当接されると共に張出部がスライド部材に係合されるので、回転部材を回転させずにスライド部材を他側へスライド変位させることが規制される。よって、羽部材が外部から強制開放されることを抑制できる。
一方、少なくとも他側被当接部に当接部の他側が当接される位置まで回転部材が他側へ回転されると、張出部のスライド部材との係合が解除されるので、回転部材を更に他側へ回転させることで、スライド部材を他側へ向けてスライド変位させ、羽部材を開放することができる。
遊技機G1において、前記伝達機構は、前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転に伴ってスライド変位されるスライド部材とを備え、前記スライド部材または前記一対の羽部材の一方から突設部が突設されると共に、その突設部が摺動可能に挿通される摺動溝が前記スライド部材または前記一対の羽部材の他方に凹設され、前記回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、前記スライド部材は、前記羽部材を閉鎖させるために前記回転部材が一側へ向けて回転された際に前記当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部と前記スライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され前記羽部材を開放させるために前記回転部材が他側へ向けて回転された際に前記当接部の他側が当接される他側被当接部とを備え、前記羽部材が閉鎖された状態では、前記張出部が前記スライド部材に非係合とされると共に、前記羽部材が閉鎖された状態から、前記当接部の一側に前記一側当接部が当接される位置まで前記スライド部材がスライド変位されると、前記張出部が前記スライド部材に係合されることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、回転部材は、当接部と、その当接部の先端から張り出す張出部とを備え、スライド部材は、羽部材を閉鎖させるために回転部材が一側へ向けて回転された際に当接部の一側が当接される一側被当接部と、その一側被当接部とスライド変位の方向に所定間隔を隔てて対向配置され羽部材を開放させるために回転部材が他側へ向けて回転された際に当接部の他側が当接される他側被当接部とを備えるので、回転部材が一側へ回転されると、その回転に伴って、一側被当接部が当接部の一側によって押され、スライド部材が一側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が閉鎖される一方、回転部材が他側へ回転されると、その回転に伴って、他側被当接部が当接部の他側によって押され、スライド部材が他側へ向けてスライド変位されることで、羽部材が開放される。
この場合、羽部材が閉鎖された状態から、当接部の一側に前記一側当接部が当接される位置までスライド部材がスライド変位されると、張出部がスライド部材に係合されるので、回転部材を回転させずにスライド部材を他側へスライド変位させることが規制される。よって、羽部材が外部から強制開放されることを抑制できる。
一方、羽部材が閉鎖された状態では、張出部がスライド部材に非係合とされるので、回転部材を更に他側へ回転させることで、スライド部材を他側へ向けてスライド変位させ、羽部材を開放することができる。ここで、羽部材が閉鎖された状態で、張出部がスライド部材に係合されていると、張出部および一側当接部の形状を、回転部材の他側への回転を許容可能な形状に形成する必要があり、形状が複雑化する。よって、強度が低下するだけでなく、係合が解除されやすくなる恐れがある。これに対し、本発明のように、羽部材が閉鎖された状態では、張出部がスライド部材に非係合とされていることで、張出部および一側当接部の形状を、回転部材の他側への回転を許容可能な形状に形成する必要がない。よって、形状を簡素化して、強度を確保できるだけでなく、係合を保持しやすい形状を採用でき、係合が解除され難くできる。
遊技機G2からG6のいずれかにおいて、前記入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、前記突設部が前記摺動溝に非挿通とされた状態では、前記スライド部材の一部が前記通路部材の通路内に配置されることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G2からG6のいずれかの奏する効果に加え、入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、突設部が摺動溝に非挿通とされた状態では、スライド部材の一部が通路部材の通路内に配置されるので、例えば、突設部を切断して羽部材を外部から強制開放したとしても、入球口から入球された遊技球の流下をスライド部材によって規制することができる。
<入賞口ユニット930を一例とする発明の概念について>
遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され前記入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備えた遊技機において、前記入球口に入球された遊技球の通路を形成する通路部材を備え、前記羽部材を開放位置から閉鎖位置まで変位させる際に前記伝達機構の一部が前記通路部材の通路を横切ることを特徴とする遊技機H1。
ここで、遊技球が入球可能に形成される入球口と、その入球口を挟んだ位置に回転可能に軸支され入球口を開放または閉鎖する一対の羽部材と、それら一対の羽部材を回転させるための駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を一対の羽部材に伝達する伝達機構とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2010−234009号公報)。伝達機構は、駆動手段の駆動力により回転される回転部材を備え、回転部材が一側または他側へ向けて回転されることに伴い、羽部材が開放または閉鎖される。
この場合、例えば、遊技球に糸の先端を接着し、かかる遊技球を入球口から入球させると共に通路部材の通路を通過させ、検出センサの検出位置に遊技球が達した状態で、糸の他端を操作(繰り出し、引き寄せ)して、遊技球を往復させることで、検出センサに複数回検出させる不正行為がある。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技球に糸の先端を接着して、検出センサに複数回検出させる不正行為を有効に抑制することが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機H1によれば、羽部材を開放位置から閉鎖位置まで変位させる際に伝達機構の一部が通路部材の通路を横切るので、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分に伝達機構を少なくとも干渉させることができる。その結果、遊技球を往復させることで、検出センサに複数回検出させる不正行為を抑制することができる。
遊技機H1において、前記伝達機構は、前記羽部材を開放位置から閉鎖位置まで変位させる際に前記スライド部材が前記通路部材の通路を横切ると共に、前記スライド部材が前記通路部材の縁部に擦接する擦接部を備えることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、伝達機構は、羽部材を開放位置から閉鎖位置まで変位させる際にスライド部材が通路部材の通路を横切ると共に、スライド部材が通路部材の縁部に擦接する擦接部を備えるので、入球口から通路内に不正に挿通された不正物を切断することができる。
即ち、羽部材が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、羽部材を開放位置から閉鎖位置まで変位され、スライド部材の擦接部が通路部材の通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を、擦接部と共に変位させ通路部材の縁部へ押し付けると共に、擦接部が通路部材の縁部に擦接される際に、擦接部と通路部材の縁部との間で糸を切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
なお、スライド部材の擦接部は、金属材料から形成することが好ましい。この場合、スライド部材の全体を金属材料から形成しても良く、スライド部材の一部(擦接部)のみを金属材料から形成しても良い。通路部材についても同様であり、通路部材の全体を金属材料から形成しても良く、通路部材の一部(擦接部が擦接される部分)のみを金属材料から形成しても良い。また、擦接部およびその擦接部が擦接される部分(通路部材の縁部)は、刃(切断刃)として形成されることが好ましい。
遊技機H1において、前記伝達機構は、前記羽部材が開放する位置から閉鎖する位置まで変位される際に前記通路部材の通路を横切ると共に互いの縁部どうしを擦接させる一対の切断部材を備えることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、羽部材が開放する位置から閉鎖する位置まで変位される際に通路部材の通路を横切ると共に互いの縁部どうしを擦接させる一対の切断部材を伝達機構が備えるので、入球口から通路内に不正に挿通された不正物を切断することができる。
即ち、羽部材が開放された状態で上述した遊技球が入球されたとしても、羽部材が開放する位置から閉鎖する位置まで変位され、一対の切断部材が通路部材の通路を横切る際に、遊技球に先端が接着されている糸の途中部分を、一対の切断部材の間に挟み込み、切断することができる。その結果、上述した不正行為を抑制できる。
なお、一対の切断部材は、金属材料から形成することが好ましい。この場合、スライド部材の全体を金属材料から形成しても良く、スライド部材の一部(互いに擦接される縁部)のみを金属材料から形成しても良い。また、一対の切断部材における互いに擦接される部分は、刃(切断刃)として形成されることが好ましい。
遊技機H2又はH3において、前記駆動手段は、駆動軸の第1方向への変位が電磁力により行われると共に前記第1方向とは反対方向となる第2方向への前記駆動軸の変位が付勢手段の弾性回復力で行われるソレノイドアクチュエータとして形成され、前記羽部材の開放させる位置から閉鎖させる位置までの変位が、前記駆動手段の駆動軸を前記第1方向へ変位させることで行われることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H2又はH3の奏する効果に加え、羽部材の開放させる位置から閉鎖させる位置までの変位が、駆動手段の駆動軸を第1方向へ変位させることで行われる、即ち、電磁力を利用して行われるので、その駆動力を大きくできる。よって、スライド部材の擦接部と通路部材の縁部との間で不正物(例えば、糸)を切断しやすくできる。
<投影ユニット600の投影板部材620を一例とする発明の概念について>
光透過性材料から板状に形成されると共に反射部を有する光透過部材と、その光透過部材の側端面へ光を照射する光照射手段とを備え、前記光透過部材の側端面から入射された光を前記反射部で反射させて前記光透過部材の正面から出射させる遊技機において、前記光照射手段から照射された光のうちの前記光透過部材の正面から出射される光の割合を高くする出射増加手段を備えると共に、その出射増加手段が表示領域外に配置されることを特徴とする遊技機I1。
ここで、光透過性材料から板状に形成されると共に反射部を有する光透過部材と、その光透過部材の側端面へ光を照射する光照射手段とを備え、光透過部材の側端面から入射された光を反射部で反射させて光透過部材の正面から出射させる遊技機が知られている(例えば、特開2015−29735号公報)。この種の遊技機によれば、例えば、光透過部材を遊技領域における液晶表示装置の正面側に配設することで、通常の状態では、光透過部材を介して液晶表示装置の表示を遊技者に視認させる一方、所定の遊技状態が形成された場合には、光照射手段から照射した光を光透過部材の側端面から入射させ、光透過部材の内部を進行する光を反射部で反射させて、光透過部材の正面から出射させる。この場合、反射部は、複数の反射面から構成される群が複数配設され、各群が模様や図柄の形状をなす。よって、反射部で反射され、光透過部材の正面から出射される光を、模様や図柄として遊技者に認識させることができる。即ち、液晶表示装置の表示と共に、その液晶表示装置の正面に模様や図柄を浮かび上がさせる(表示する)ことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光が弱いという問題点があった。そのため、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことが困難となる。この場合、光照射手段の出力を大きくしたのでは、コストや消費電力が嵩むだけでなく、発熱量が大きくなり、他の部材や機器へ熱の影響を与えるという問題が生じる。
これに対し、遊技機I1によれば、光照射手段から照射された光のうちの光透過部材の正面から出射される光の割合を高くする出射増加手段を備えるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くできる。その結果、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。また、光照射手段の出力を高める必要がないので、発熱量を小さくして、他の部材や機器への熱の影響を抑制できる。更に、出射増加手段は、表示領域外に配置されるので、遊技者から視認され難くでき、その分、外観を悪化することを抑制できる。
なお、光透過部材の反射部の形成位置は、例えば、光透過部材の背面であっても良く、或いは、光透過部材の内部であっても良い。
遊技機I1において、前記出射増加手段は、前記光透過部材の正面または背面の少なくとも一方の外縁に沿って配設される外縁部材を備えることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、出射増加手段は、光透過部材の正面または背面の少なくとも一方の外縁に沿って配設される外縁部材を備えるので、光照射手段から照射され光透過部材の側端面に直接到達する光だけでなく、光照射手段から照射され外縁部材に反射された光も光透過部材の側端面から入射させることができ、その分、光透過部材の側端面へ入射される光の集光効率を高めることができる。よって、光照射手段から照射された光のうちの光透過部材の反射部まで到達する光を増加させることができるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。また、光照射手段の出力を高める必要がないので、発熱量を小さくして、他の部材や機器への熱の影響を抑制できる。
更に、このように、出射増加手段が、光透過部材の正面または背面の少なくとも一方の外縁に沿って配設される外縁部材を備えることで、遊技領域における他の装置が光を発光した場合には、かかる他の装置の光を外縁部材が遮って、光透過部材の側端面から入射されることを抑制することができる。よって、光照射手段を消灯させている場合(光透過部材に光を入射させず、光透過部材の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が光透過部材に入射されて光透過部材の正面に模様や図柄が表示されることを抑制できる。
遊技機I2において、前記外縁部材は、前記光透過部材の正面および背面のそれぞれに配設されることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I2の奏する効果に加え、外縁部材は、光透過部材の正面および背面にそれぞれ配設されるので、光照射手段から照射された光のうち、光透過部材の側端面に直接入射されず、光透過部材の正面側に外れる光および背面側に外れる光のそれぞれを、正面の外縁部材および背面の外縁部材によってそれぞれ反射させ、光透過部材の側端面から入射させることができる。よって、その分、光透過部材の側端面へ入射される光の集光効率をより一層高めることができる。
更に、このように、光透過部材の正面または背面のそれぞれに外縁部材を備えることで、遊技領域における他の装置が発光した光が光透過部材の正面または背面のいずれの側から到達した場合でも、正面の外縁部材および背面の外縁部材のそれぞれによって遮ることができるので、光透過部材の側端面から入射されることを抑制することができる。よって、光照射手段を消灯させている場合(光透過部材に光を入射させず、光透過部材の正面に模様や図柄を表示させない場合)に、他の装置からの光が光透過部材に入射されて光透過部材の正面に模様や図柄が表示されることをより確実に抑制できる。
遊技機I2又はI3において、前記外縁部材は、前記光透過部材の側端面よりも外方へ張り出して配設されることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I2又はI3の奏する効果に加え、外縁部材は、光透過部材の側端面よりも外方へ張り出して配設されるので、光照射手段から照射された光を、外縁部材の張り出した部分(光透過部材の側端面に連設される面)で反射させて、光透過部材の側端面へ入射させやすくできる。よって、その分、光透過部材の側端面へ入射される光の集光効率をより一層高めることができる。
遊技機I2からI4のいずれかにおいて、前記外縁部材は、前記光透過部材よりも小さな屈折率の材料から形成されることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I2からI4のいずれかの奏する効果において、外縁部材は、光透過部材よりも小さな屈折率の材料から形成されるので、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材と外縁部材との境界で反射させやすくできる。その結果、光透過部材の側端面から入射された光を反射部に到達させやすくできるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
即ち、例えば、光透過部材と外縁部材とが同じ屈折率の材料から形成されると、光透過部材の側端面から入射された光が、光透過部材と外縁部材との境界で反射され難く、外縁部材へ透過されやすい。外縁部材へ透過された光は、その外縁部分の外面(空気との境界)で全反射(又は一部が反射)した後、光透過部材へ戻るが、外縁部材から光透過部材へ戻った光は、光透過部材の反射部へ向かう方向へ進行するものだけでなく、光透過部材の側端面へ向かう方向へ進行するものも含まれる。そのため、反射部に到達する光が減少される。これに対し、遊技機I4のように、外縁部材を、光透過部材よりも小さな屈折率の材料から形成することで、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材と外縁部材との境界で反射させやすくできる(又は、全反射させることができる)ので、反射部に到達する光を確保することができる。
遊技機I2からI5のいずれかにおいて、前記外縁部材は、前記光透過部材の正面または背面との間に所定の隙間が形成された状態で配設されることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I2からI5のいずれかの奏する効果において、外縁部材は、光透過部材の正面または背面との間に所定の隙間が形成された状態で配設されるので、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材の正面または背面(空気との境界)で反射させやすくできる。その結果、光透過部材の側端面から入射された光を反射部に到達させやすくできるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
即ち、例えば、光透過部材と外縁部材との屈折率が同一または屈折率の差が比較的小さい場合に、それら光透過部材と外縁部材とが密着されていると、光透過部材の側端面から入射された光が、光透過部材と外縁部材との境界で反射され難く、外縁部材へ透過されやすい。外縁部材へ透過された光は、その外縁部分の外面(空気との境界)で全反射(又は一部が反射)した後、光透過部材へ戻るが、外縁部材から光透過部材へ戻った光は、光透過部材の反射部へ向かう方向へ進行するものだけでなく、光透過部材の側端面へ向かう方向へ進行するものも含まれる。そのため、反射部に到達する光が減少される。これに対し、遊技機I5のように、外縁部材を、光透過部材の正面または背面との間に所定の隙間が形成された状態で配設することで、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材の正面または背面(空気との境界)で反射させやすくできる(又は、全反射させることができる)ので、反射部に到達する光を確保することができる。
遊技機I2からI6のいずれかにおいて、前記光透過部材を回転可能に支持すると共に前記光透過部材に回転駆動力を付与する回転機構を備え、前記外縁部材は、円環形状に形成されると共に、その円環形状の外周面または内周面の周方向に沿って湾曲ラックギヤが刻設され、前記回転機構は、前記外縁部材の湾曲ラックギヤに歯合されるピニオンギヤと、そのピニオンギヤを回転駆動する駆動手段とを備えることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I2からI6のいずれかの奏する効果に加え、外縁部材が、円環形状に形成されると共に、その円環形状の外周面または内周面の周方向に沿って湾曲ラックギヤが刻設され、その外縁部材の湾曲ラックギヤに歯合されるピニオンギヤと、そのピニオンギヤを回転駆動する駆動手段とを回転機構が備えるので、駆動手段によりピニオンギヤを回転駆動することで、そのピニオンギヤの回転を湾曲ラックギヤを介して外縁部材に伝達でき、これにより、外縁部材と共に光透過部材を回転させることができる。よって、光透過部材の正面から出射される光により表示される模様や図柄を、変位(回転)させた状態で遊技者に視認させることができる。
この場合、光照射手段から照射された光を光透過部材の側端面へ集光させる役割と、駆動手段の回転駆動力を光透過部材へ伝達して回転させる役割とを、外縁部材に兼用させることができるので、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減と構造の簡素化に伴う信頼性の向上とを図ることができる。
遊技機I2からI7のいずれかにおいて、前記光透過部材を回転可能に支持すると共に前記光透過部材に回転駆動力を付与する回転機構を備え、前記外縁部材は、円環形状に形成されると共に、その円環形状の外周面の周方向に沿って案内溝が凹設され、前記回転機構は、前記案内溝に沿って案内される複数の支持輪を備えることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I2からI7のいずれかの奏する効果に加え、外縁部材が、円環形状に形成されると共に、その円環形状の外周面の周方向に沿って案内溝が凹設され、回転機構は、案内溝に沿って案内される複数の支持輪を備えるので、これら案内溝および支持輪の作用により、光透過部材の側端面を露出させた状態で、即ち、光透過部材の側端面から光を入射可能な状態で、光透過部材を回転可能に支持することができる。よって、光透過部材を回転させることで、光透過部材の正面から出射される光により表示される模様や図柄を、変位(回転)させた状態で遊技者に視認させることができる。
この場合、光照射手段から照射された光を光透過部材の側端面へ集光させる役割と、光透過部材を支持輪と共に回転可能に支持する役割とを、外縁部材に兼用させることができるので、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減と構造の簡素化に伴う信頼性の向上とを図ることができる。
なお、支持輪は、回転可能に軸支されるものであっても良く、或いは、回転不能に固定されるものであっても良い。この場合、支持輪が案内溝に沿って案内される形態としては、回転可能に軸支された支持輪が案内溝に沿って転動する或いは摺動しつつ転動する形態や、回転不能に固定された支持輪が案内溝に沿って摺動する形態が例示される。
また、遊技機I7に従属する遊技機I8においては、湾曲ラックギヤが刻設される外縁部材を光透過部材の正面または背面の一方に、案内溝が凹設される外縁部材を光透過性部材の正面または背面の他方に、それぞれ配設することが好ましい。即ち、外縁部材が、光透過部材の正面および背面にそれぞれ配設されることで、光照射手段から照射された光のうち、光透過部材の側端面に直接入射されず、光透過部材の正面側に外れる光および背面側に外れる光のそれぞれを、正面の外縁部材および背面の外縁部材によってそれぞれ反射させ、光透過部材の側端面から入射させることができるからである。また、このように、光透過部材の正面または背面のそれぞれに外縁部材が配設されることで、遊技領域における他の装置が発光した光が光透過部材の正面または背面のいずれの側から到達した場合でも、正面の外縁部材および背面の外縁部材のそれぞれによって遮ることができ、光透過部材の側端面から入射されることを抑制することができるからである。
遊技機I8において、前記外縁部材は、その外周側が前記光透過部材の正面または背面と所定間隔を隔てて対向する形状に形成され、それら外縁部材と光透過部材との間の対向間が前記案内溝とされることを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I8の奏する効果に加え、外縁部材は、その外周側が光透過部材の正面または背面と所定間隔を隔てて対向する形状に形成され、それら外縁部材と光透過部材との間の対向間が案内溝とされるので、光透過部材および外縁部材からなる構造体の小型化を図ることができる。即ち、光透過部材の正面または背面に案内溝の一方の内壁を担わせることで、外縁部材を断面コ字状に形成する必要がなく、外縁部材の厚み寸法を小さくできる。よって、その分、上述した構造体の小型化を図ることができる。
また、外縁部材は、光透過部材の正面または背面との間に所定の隙間が形成された状態で配設されるので、光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材の正面または背面(空気との境界)で反射させやすくできる。その結果、光透過部材の側端面から入射された光を反射部に到達させやすくできるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
遊技機I2からI9のいずれかにおいて、前記光透過部材の側端面は、前記光透過部材の正面および背面に直交して形成され、前記光照射手段は、その照射面からの光の照射方向が前記光透過部材の側端面に直交する姿勢で前記照射面を前記光透過部材の側端面に対向させて配設されることを特徴とする遊技機I10。
遊技機I10によれば、遊技機I2からI9のいずれかの奏する効果に加え、光透過部材の側端面は、光透過部材の正面および背面に直交して形成され、光照射手段は、その照射面からの光の照射方向が光透過部材の側端面に直交する姿勢で照射面を光透過部材の側端面に対向させて配設されるので、光照射手段から照射され光透過部材の側端面から入射された光を、光透過部材の正面または背面で反射させやすくできる。その結果、光透過部材の側端面から入射された光を反射部に到達させやすくできるので、反射部で反射され光透過部材の正面から出射される光を強くして、模様や図柄を鮮明に浮かび上がらせる(表示する)ことができる。
<投影ユニット600の照射ユニット650を一例とする発明の概念について>
光の照射対象となる対象部材と、その対象部材へそれぞれが照射面を向けた姿勢で前記対象部材の周囲に分散配置される複数の発光手段とを備えた遊技機において、前記複数の発光手段のうちの少なくとも2以上の発光手段が搭載されると共に弾性変形可能に形成される1又は複数の基板部材と、その基板部材を弾性変形された所定の姿勢で保持するベース部材とを備えることを特徴とする遊技機J1。
ここで、光の照射対象となる対象部材と、その対象部材へそれぞれが照射面を向けた姿勢で配置される複数の発光手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2015−29735号公報)。この遊技機によれば、発光手段から光を照射して対象部材の外周面から入射させることで、その入射された光を、光透過部材の内部を進行させ、反射部で反射させることで、光透過部材の正面から出射させることができる。この場合、本願出願人は、対象部材を、光透過性材料から円板形状に形成すると共に反射部を形成する一方、複数の発光手段を、円板形状(対象部材)の外周面に照射面を向けた姿勢で、対象部材の周囲を取り囲むように配設し、各発光手段から照射された光を対象部材の外周面から入射させる構造を考案した(本願出願時において未公知)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、複数の発光手段を対象部材の周囲にそれぞれ配設する必要があるため、その配設作業の手間が嵩むという問題点があることを新たに見出した。特に、複数の発光手段は、それぞれの照射面を対象部材の外周面へ向けた姿勢(即ち、それぞれが異なる向き)で配設する必要があるため、この点からも配設作業の手間が嵩む。
これに対し、遊技機J1によれば、少なくとも2以上の発光手段が搭載されると共に弾性変形可能に形成される1又は複数の基板部材と、その基板部材を弾性変形された所定の姿勢で保持するベース部材とを備えるので、1の基板部材をベース部材に配設することで、少なくとも2以上の発光手段の配設作業を完了することができる。よって、その分、発光手段の配設作業の手間を抑制できる。
また、ベース部材に基板部材を配設すると、かかる基板部材が弾性変形された所定の姿勢に保持されるので、発光手段の照射面の方向を規定することができる。即ち、複数の発光手段を、それらの照射面をそれぞれ個別に対象部材の外周面へ向けた姿勢で配設する必要がないので、この点からも発光手段の配設作業の手間を抑制できる。
遊技機J1において、前記基板部材よりも剛性が高く形成されると共に前記基板部材に配設されるブロック体を備え、そのブロック体が前記ベース部材に保持されることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、基板部材よりも剛性が高く形成されると共に基板部材に配設されるブロック体を備え、そのブロック体がベース部材に保持されるので、基板部材の反りや撓みを抑制して、かかる基板部材の姿勢を規定しやすくできる。その結果、発光手段の姿勢が、基板部材の反りや撓みの影響を受けることを抑制して、発光手段の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きを維持しやすくできる。
遊技機J2において、前記発光手段は、前記基板部材のうちの前記ブロック体が配設される領域に配設されることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J2の奏する効果に加え、発光手段は、基板部材のうちのブロック体が配設される領域に配設されるので、発光手段の姿勢が、基板部材の反りや撓みの影響を受けることをより確実に抑制できる。よって、発光手段の照射面を適切な方向へ向けることができると共にその向きをより一層維持しやすくできる。
遊技機J2又はJ3において、前記ブロック体は、前記基板部材に複数が所定間隔を隔てつつ配設されると共に、前記ブロック体どうしの間に位置する前記基板部材を弾性変形させた姿勢で前記ベース体に保持されることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J2又はJ3の奏する効果に加え、ブロック体は、基板部材に複数が所定間隔を隔てつつ配設されると共に、ブロック体どうしの間に位置する基板部材を弾性変形させた(曲げた)姿勢でベース体に保持されるので、弾性変形した姿勢の基板部材をベース部材に直接保持させる場合と比較して、発光手段の姿勢(照射面の向き)を安定させることができる。
遊技機J2からJ4のいずれかにおいて、前記発光手段は、前記対象部材に対面する前記基板部材の正面に配設されると共に、前記ブロック体は、前記対象部材と反対側となる前記基板部材の背面に配設されることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J2からJ4のいずれかの奏する効果に加え、発光手段は、対象部材に対面する基板部材の正面に配設されると共に、ブロック体は、対象部材と反対側となる基板部材の背面に配設されるので、ブロック体による基板部材の姿勢を安定化する効果を得つつ、発光手段をより対象部材へ近接させることができる。
遊技機J5において、前記ブロック体は、前記基板部材の正面からねじにより締結固定され、前記ねじの頭部が前記基板部材の正面に突出されることを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J5の奏する効果に加え、ブロック体は、基板部材の正面からねじにより締結固定され、そのねじの頭部が基板部材の正面に突出されるので、発光手段をねじの頭部によって保護することができる。即ち、例えば、可動する部材が基板部材の正面へ変位された場合には、その部材にねじの頭部を当接させ、発光手段に当接して破損することを抑制できる。
遊技機J6において、前記ブロック体は、少なくとも2本の前記ねじにより締結固定され、前記発光手段は、前記2本のねじの頭部の間に配設されることを特徴とする遊技機J7。
遊技機J6によれば、遊技機J5の奏する効果に加え、ブロック体は、少なくとも2本のねじにより締結固定され、発光手段は、2本のねじの頭部の間に配設されるので、発光手段をねじの頭部によって保護しやすくできる。
なお、2本のねじは、可動する部材の変位方向に沿って配設されることが好ましい。このように配設されるねじの頭部の間に発光手段が配設されることで、可動する部材をねじの頭部に当接させやすくでき、発光手段を保護しやすくできるからである。
遊技機J2からJ7のいずれかにおいて、前記ベース体またはブロック体の一方には、突起が突設されると共に、その突起を受け入れて嵌合される嵌合孔が前記ベース体またはブロック体の他方に凹設されることを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J2からJ7のいずれかの奏する効果に加え、ベース体またはブロック体の一方には、突起が突設されると共に、その突起を受け入れて嵌合される嵌合孔がベース体またはブロック体の他方に凹設されるので、突起を嵌合孔に嵌合させることで、ベース体へブロック体を配設することができ、その配設作業の手間を抑制できる。特に、複数のブロック体が基板部材に配設され、それらブロック体どうしの間を弾性変形させた(曲げた)姿勢で配設する場合には、一方のブロック体を嵌合により位置決め(仮固定)しつつ、基板部材を弾性変形させて(曲げて)、他方のブロック体を嵌合させる態様で作業できるので、かかる配設作業の作業性の向上を図ることができる。
遊技機J2からJ8のいずれかにおいて、前記ブロック体は、前記基板部材に配設される側の面に凹部を備え、そのブロック体の凹部に、前記基板部材に配設される電子部品が収納されることを特徴とする遊技機J9。
遊技機J9によれば、遊技機J2からJ8のいずれかにおいて、ブロック体が、基板部材に配設される側の面に凹部を備え、そのブロック体の凹部に、基板部材に配設される電子部品が収納されるので、電子部品をブロック体により覆って保護することができる。よって、例えば、可動する部材が電子部品に当接して破損することを回避できる。
<上下変位ユニット800を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に配設され第1位置および第2位置の間で変位可能に形成される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段とを備えた遊技機において、前記変位部材が前記第1位置から第2位置へ変位されるに伴って弾性変形される弾性部材を備え、前記変位部材は、重力の作用により前記第1位置から第2位置へ向かう方向へ変位される形態で前記ベース部材に配設され、前記駆動手段から前記変位部材への駆動力の付与が解除された状態では、前記第1位置および第2位置の間の所定位置において、前記変位部材に作用する重力と前記弾性部材の弾性回復力とがつり合うことを特徴とする遊技機K1。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に配設され第1位置および第2位置の間で変位可能に形成される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段とを備え、変位部材の変位による演出を行う遊技機が知られている(例えば、特開2011−239870号公報)。この場合、例えば、通常の状態では、変位部材を、遊技者から視認不能または遊技領域の外縁側となる退避位置(例えば、第1位置または第2位置の一方)に配置する一方、所定の遊技状態が形成されると、遊技領域に張り出す張出位置(第1位置または第2位置の他方)へ向けて変位部材を変位させ、張出位置へ向けて変位される変位部材の動作を遊技者に視認させる演出が行われる。しかしながら、上述した遊技機では、駆動手段の駆動力により変位部材を変位させる構成であり、変位部材が一定の変位速度で変位されるため、変位部材に興趣のある変位を行わせることが困難であるという問題点があった。
これに対し、遊技機K1によれば、変位部材が第1位置から第2位置へ変位されるに伴って弾性変形される弾性部材を備え、変位部材は、重力の作用により第1位置から第2位置へ向かう方向へ変位される形態でベース部材に配設され、駆動手段から変位部材への駆動力の付与が解除された状態では、第1位置および第2位置の間の所定位置において、変位部材に作用する重力と弾性部材の弾性回復力とがつり合うので、このつり合い位置(所定位置)を中心として、重力の作用と弾性部材の弾性回復力とによる往復変位(近似的には単振動)を変位部材に行わせることができる。即ち、変位部材の重力方向の変位を等速円運動の正射影の運動とでき、変位速度に変化を持たせることができるので、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
一方で、駆動手段から変位部材へ駆動力を付与すれば、上述した変位(等速円運動の正射影の運動)とは異なる態様で、変位部材を第1位置および第2位置の間で変位させることができ、その分、変位のバリエーションを増やすことができる。即ち、駆動手段から変位部材へ駆動力を付与するか否かを切り替えるのみで、変位のバリエーションを増やすことができ、構造や制御を複雑化する必要がないので、製品コストの低減と信頼性の向上とを図ることができる。
遊技機K1において、前記変位部材は、一端側が前記ベース部材に回転可能に軸支され、前記第1位置および第2位置の間で他端側を昇降させる形態で形成されることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、一端側がベース部材に回転可能に軸支され、第1位置および第2位置の間で他端側を昇降させる形態で形成されるので、駆動手段から変位部材への駆動力の付与を解除して、重力の作用と弾性部材の弾性回復力とによる往復変位(近似的には単振動)を変位部材に行わせる場合には、かかる変位部材の他端の変位を、鉛直方向の直線運動だけでなく、一端側を回転中心とする回転運動も組み合わせた変位とすることができる。その結果、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
遊技機K2において、前記駆動手段の駆動力を前記変位部材へ伝達する伝達手段を備え、その伝達手段は、前記ベース部材に回転可能に配設され前記駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転中心から偏心した位置に一端が回転可能に連結されると共に他端が前記変位部材に回転可能に連結される連結部材とを備えることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、伝達手段は、ベース部材に回転可能に配設され駆動手段の駆動力により回転される回転部材と、その回転部材の回転中心から偏心した位置に一端が連結されると共に他端が変位部材に連結される連結部材とを備えるので、駆動手段から変位部材への駆動力の付与を解除して、重力の作用と弾性部材の弾性回復力とによる往復変位(近似的には単振動)を変位部材に行わせる場合には、その変位部材が連結部材を押し引きして回転部材を回転させるところ、その押し引きに伴って回転部材に対する連結部材の姿勢が変化されるため、押し引き方向の力のうちの回転部材を回転させる方向の力成分の大きさを変化させることができる。即ち、変位部材が往復変位される際に、変位部材が伝達手段から受ける抵抗の大きさを変化させることができ、その結果、変位部材の往復変位の変位速度に変化を付与することができ、かかる変位部材に興趣のある変位を行わせることができる。
遊技機K3において、前記変位部材に作用する重力と前記弾性部材の弾性回復力とがつり合う前記所定位置では、前記回転部材の回転中心と前記回転部材および連結部材の連結位置とを結ぶ方向に対して、前記回転部材および連結部材の連結位置と前記連結部材および変位部材の連結位置とを結ぶ方向が略直交することを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K3の奏する効果に加え、変位部材に作用する重力と弾性部材の弾性回復力とがつり合う所定位置では、回転部材の回転中心と回転部材および連結部材の連結位置とを結ぶ方向に対して、回転部材および連結部材の連結位置と連結部材および変位部材の連結位置とを結ぶ方向が略直交するので、押し引き方向の力のうちの回転部材を回転させる方向の力成分の大きさを、つり合い位置(所定位置)において最大とし、その力成分を、つり合い位置から押し引きのいずれの方向へ向かう場合も減少させることができる。即ち、変位部材が往復変位される際に、変位部材が伝達手段から受ける抵抗をつり合い位置を中心として略対称に変化させることができるので、変位部材の往復変位を継続させやすくできる。
遊技機K3又はK4において、前記回転部材または連結部材の一方は、他方へ向けて突設される突設部を備え、前記第1位置および第2位置の間の可動範囲のうちの前記所定位置を含む中央側範囲を前記変位部材が変位される際には、前記突設部が前記回転部材または連結部材の他方に非対向とされ、前記中央側範囲よりも前記第1位置または第2位置に近い外側範囲を前記変位部材が変位される際には、前記突設部が前記回転部材または連結部材の他方に当接可能に対向されることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K3又はK4の奏する効果に加え、回転部材または連結部材の一方は、他方へ向けて突設される突設部を備え、第1位置および第2位置の間の可動範囲のうちの所定位置を含む中央側範囲を変位部材が変位される際には、突設部が回転部材または連結部材の他方に非対向とされ、中央側範囲よりも第1位置または第2位置に近い外側範囲を変位部材が変位される際には、突設部が回転部材または連結部材の他方に対向されるので、駆動手段から変位部材への駆動力の付与を解除して、つり合い位置(所定位置)を中心とする往復変位を変位部材に行わせる場合には、中央側範囲において、突設部の摺動による抵抗の発生を回避して、変位部材の往復変位をスムーズに行わせることができる一方、駆動手段の駆動力により変位部材を変位させる場合には、外側範囲において、突設部を、回転部材または連結部材の他方に当接可能に対向させて、それら回転部材および連結部材の間のがたつきを抑制できる。
遊技機K5において、前記外側範囲は、前記中央側範囲よりも前記第1位置に近い側に設定されると共に、前記中央側範囲は、前記所定位置および前記第2位置を含む範囲に設定されることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K5の奏する効果に加え、外側範囲は、中央側範囲よりも第1位置に近い側に設定されると共に、中央側範囲は、所定位置および第2位置を含む範囲に設定されるので、変位部材が第1位置に変位された状態では、突設部を利用して、回転部材および連結部材の間のがたつきを抑制することで、変位部材の姿勢を安定化できる一方、駆動手段の駆動力により変位部材を第1位置から第2位置へ向けて変位させる際には、突設部の摺動による抵抗の発生を回避できるので、変位部材に作用する重力も利用しつつ、変位部材の変位をスムーズに行わせることができる。
例えば、第1位置を、変位部材が遊技領域の外縁側に退避される退避位置とし、第2位置を、変位部材が遊技領域の中央側へ向けて張り出される張出位置とする場合には、第1位置(退避位置)では、変位部材のがたつきを抑制して、外観の向上や耐久性の向上を図ると共に、他の部材の演出が阻害されることを抑制できると共に、変位部材を第1位置から第2位置(張出位置)へ向けて変位させる際には、第2位置まで速やかに張り出させる(変位させる)ことができ、その張り出し動作による演出効果を高めることができる。
遊技機K6において、前記第2位置では、前記回転部材の回転中心と、前記回転部材および連結部材の連結位置と、前記連結部材および変位部材の連結位置とが略一直線上に位置することを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K6の奏する効果に加え、第2位置では、回転部材の回転中心と、回転部材および連結部材の連結位置と、連結部材および変位部材の連結位置とが略一直線上に位置するので、変位部材が連結部材を押し引きして回転部材を回転させようとしても、その押し引き方向が回転部材の回転中心へ向かう方向となり、回転部材を回転させる方向の力成分が発生しない状態(即ち、死点)を形成できる。よって、変位部材を第2位置へ向けて変位させる際には、突設部の摺動による抵抗の発生を回避して、変位部材をスムーズ(速やか)に変位させることを可能としつつ、第2位置に配置された後は、上述した死点の作用により、変位部材のがたつきを抑制して、外観の向上や耐久性の向上を図ることができる。
遊技機K3からK7のいずれかにおいて、前記連結部材は、前記ベース部材に当接可能に形成される当接部を備え、その当接部は、前記変位部材およびベース部材の連結位置と前記回転部材および連結部材の連結位置とを結ぶ略直線上であって、前記回転部材および連結部材の連結位置を挟んで前記変位部材およびベース部材の連結位置と反対側に配置されることを特徴とする遊技機K8。
遊技機K8によれば、遊技機K3からK7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に当接可能に形成される当接部を連結部材が備え、その当接部は、変位部材およびベース部材の連結位置と回転部材および連結部材の連結位置とを結ぶ略直線上であって、回転部材および連結部材の連結位置を挟んで変位部材およびベース部材の連結位置と反対側に配置されるので、ベース部材に対して変位部材ががたつく場合に、ベース部材に連結部材の当接部が当接されることで、回転部材および連結部材の連結部分(回転部材と連結部材の一端とが回転可能に連結される部分の軸支孔に対する回転軸)の傾きを抑制しやすくできる。その結果、駆動手段の駆動力を伝達手段を介して変位部材にスムーズに伝達することができる。
<変位ユニット400を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与する駆動手段とを備えた遊技機において、前記駆動手段は、第1駆動手段と、第2駆動手段とを備え、前記第1駆動手段から付与される駆動力により前記変位部材が変位される場合と、前記第2駆動手段から付与される駆動力により前記変位部材が変位される場合とで、前記変位部材が異なる態様で変位されることを特徴とする遊技機L1。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に変位可能に配設される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与する駆動手段とを備え、変位部材の変位による演出を行う遊技機が知られている(例えば、特開2011−239870号公報)。この場合、例えば、通常の状態では、変位部材を、遊技者から視認不能または遊技領域の外縁側となる退避位置に配置する一方、所定の遊技状態が形成されると、遊技領域に張り出す張出位置へ向けて変位部材を変位させ、張出位置へ向けて変位される変位部材の動作を遊技者に視認させる演出が行われる。
しかしながら、従来の遊技機では、変位部材の変位による演出の効果が不十分であるという問題点があった。具体的には、従来の遊技機では、変位部材の変位態様(ベース部材に対して変位部材が変位する際の軌跡)が一通りに限定されているため、変位部材の変位による演出がワンパターンとなり、遊技者の意表をつく演出を行うことが困難であった。駆動手段の駆動力に強弱をつけて変化を設けたとしても、変位部材の変位速度が増減するだけであり、その変位態様(軌跡)は相変わらず一定であるため、遊技者の意表をつく演出を行うことが困難であった。
これに対し、遊技機L1によれば、駆動手段が、第1駆動手段と、第2駆動手段とを備え、第1駆動手段から付与される駆動力により変位部材が変位される場合と、第2駆動手段から付与される駆動力により変位部材が変位される場合とで、変位部材が異なる態様で変位されるので、変位部材の変位による演出の効果を高めることができる。即ち、変位部材の変位態様(ベース部材に対して変位部材が変位する際の軌跡)が一通りに限定される従来品のように、演出がワンパターンとならず、一の変位部材を少なくとも二通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行うことができる。
遊技機L1において、前記ベース部材にスライド変位可能に配設されると共に前記第1駆動手段により駆動される第1部材と、前記ベース部材にスライド変位可能に配設されると共に前記第2駆動手段により駆動される第2部材とを備え、前記変位部材の第1の部分および第2の部分が前記第1部材および第2部材に少なくとも回転可能にそれぞれ連結されることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、ベース部材にスライド変位可能に配設されると共に第1駆動手段により駆動される第1部材と、ベース部材にスライド変位可能に配設されると共に第2駆動手段により駆動される第2部材とを備え、変位部材の第1の部分および第2の部分が第1部材および第2部材に少なくとも回転可能にそれぞれ連結されるので、第1駆動手段の駆動力により第1部材がスライド変位される場合には、第2部分側を中心として変位部材全体が回転される変位態様を形成できる一方、第2駆動手段の駆動力により第2部材がスライド変位される場合には、第1部分側を中心として変位部材全体が回転される変位態様を形成できる。即ち、一の変位部材を少なくとも二通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行うことができる。
特に、遊技機L2によれば、二通りの変位態様が、回転中心を同一としその回転方向を異ならせることで形成されるのではなく、回転方向が異なり、且つ、回転中心も異ならせて形成されるので、変位部材の変位態様の変化を大きくでき、遊技者の意表をつく演出を行いやすくできる。
遊技機L2において、前記第1部材および第2部材が前記ベース部材に直線変位可能に配設されると共に、前記変位部材の第1の部分または前記第1部材の一方から突出される連結ピンが他方に形成される案内溝に回転可能かつ摺動可能に挿通されることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L2の奏する効果に加え、第1部材および第2部材がベース部材に直線変位可能に配設されると共に、変位部材の第1の部分または第1部材の一方から突出される連結ピンが他方に形成される案内溝に回転可能かつ摺動可能に挿通されるので、第1駆動手段の駆動力により第1部材を直線変位させるか第2駆動手段の駆動力により第2部材を直線変位させるかに応じて、第2部分側を中心として変位部材全体が回転される変位態様と、第1部分側を中心として変位部材全体が回転される変位態様とを形成できる。即ち、一の変位部材を少なくとも二通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行うことができる。
この場合、第1部材および第2部材がベース部材に直線変位可能に配設されるので、曲線状の軌跡でスライド変位させる場合のように複雑な構造とする必要がなく(曲線状の軌跡であると、第1部材および第2部材を曲線状に案内する機構だけでなく、曲線状に変位する第1部材および第2部材に駆動力を継続して付与可能とする機構とを設ける必要が生じる)、例えば、ラック・ピニオン機構を利用することができ、その構造を簡素化することができる。よって、製品コストの削減と共に、耐久性と動作の信頼性の向上を図ることができる。
遊技機L3において、前記第1部材の直線変位の方向と、前記第2部材の直線変位の方向とが略平行とされることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L3の奏する効果に加え、第1部材の直線変位の方向と、第2部材の直線変位の方向とが略平行とされるので、第1駆動手段または第2駆動手段の一方のみを駆動して、変位部材全体を回転させる変位態様に加え、第1駆動手段および第2駆動手段の両方を駆動して、変位部材全体を直線変位(例えば、横行)させる変位態様を形成することができる。即ち、一の変位部材を少なくとも三通りの変位態様で変位させることができるので、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行いやすくすることができる。
特に、遊技機L4によれば、変位部材の変位態様として、変位の種類(回転)は同じだが、その回転方向と回転中心の位置とを異ならせるものに加え、変位の種類自体を異ならせることができる(即ち、回転と直線変位とを形成できる)ので、変位部材の変位態様の変化をより一層大きくでき、遊技者の意表をつく演出を更に行いやすくできる。
遊技機L4において、前記第1部材および第2部材が前記第1駆動手段および第2駆動手段によりそれぞれ駆動される場合に、前記第1部材の変位速度と第2部材の変位速度とが異なる変位速度とされることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L4の奏する効果に加え、第1部材および第2部材が第1駆動手段および第2駆動手段によりそれぞれ駆動される場合に、第1部材の変位速度と第2部材の変位速度とが異なる変位速度とされるので、変位部材の変位に、回転運動と直線運動とを含ませることができる。即ち、変位部材を、その姿勢を維持したまま、第1部材および第2部材の直線変位の方向と平行に変位(直線運動)させるのみでなく、その姿勢を回転させつつ直線運動させることができるので、遊技者の意表をつく演出を行いやすくすることができる。
なお、かかる回転運動と直線運動とを組み合わせた変位態様で変位部材を変位させることは、1の駆動手段の駆動力でスライド溝に沿って変位部材を摺動させる従来の構成では不可能であり、本発明のように、2の駆動手段を利用することが始めて可能となったものである。
遊技機L1からL5のいずれかにおいて、前記ベース部材に変位可能に配設される第2変位部材を備え、前記第1駆動手段の駆動力により前記変位部材が変位される際には、その変位部材と共に前記第2変位部材が変位される一方、前記第2駆動手段の駆動力により前記変位部材が変位される際には、前記第2変位部材が停止状態に維持されることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L1からL5のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に変位可能に配設される第2変位部材を備え、第1駆動手段の駆動力により変位部材が変位される際には、その変位部材と共に第2変位部材が変位される一方、第2駆動手段の駆動力により変位部材が変位される際には、第2変位部材が停止状態に維持されるので、第1駆動手段による変位態様と第2駆動手段による変位態様との装置(変化)を大きくすることができる。よって、かかる変位態様を切り替えることで、遊技者の意表をつく演出を行いやすくすることができる。
<投影ユニット5600を一例とする発明の概念について>
光の照射対象となる対象部材と、その対象部材へ向けて光を照射する光照射手段とを備えた遊技機において、前記対象部材または前記光照射手段の少なくとも一方または両方が変位可能に形成され、前記一方または両方の変位によって前記光照射手段による前記対象部材の照射態様が変化されることを特徴とする遊技機M1。
ここで、第1位置および第2位置の間で変位可能に形成される変位部材と、その変位部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段とを備え、変位部材の変位による演出を行う遊技機が知られている(例えば、特開2011−239870号公報)。この遊技機では、変位部材の内部に光照射手段(LED)が配設されると共に、変位部材の正面(遊技者側の面)に光透過性材料からなる透光部が設けられ、その透光部を光照射手段により背面から照射することで、変位部材の一部(透光部)が発光している形態を遊技者に視認させることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、光照射手段により対象部材の照射態様が一定であるため、遊技者が視認する態様の変化が乏しく、興趣を持たせ難いという問題点があった。
これに対し、遊技機M1によれば、対象部材または光照射手段の少なくとも一方または両方が変位可能に形成され、一方または両方の変位によって光照射手段による対象部材の照射態様が変化されるので、遊技者が視認する態様を変化させることができる。その結果、遊技者に興趣を持たせやすくできる。
なお、光の照射態様が変化される形態としては、例えば、光照射手段により照射される対象部材の位置が変化される形態、光照射手段の照射面から対象部材の照射位置までの距離が変化される形態、これらを組み合わせた形態などが例示される。
遊技機M1において、ベース部材を備え、前記光照射手段は、前記ベース部材に固定されると共に、前記対象部材は、前記ベース部材に変位可能に配設されることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、光照射手段は、ベース部材に固定されると共に、対象部材は、ベース部材に変位可能に配設されるので、光照射手段の電気的配線を固定状態とすることができ、その分、断線の発生を抑制できる。
遊技機M2において、開口部を有し前記ベース部材に配設される遮蔽部材を備え、前記遮蔽部材の開口部から前記対象部材の一部を遊技者に視認させると共に、前記対象部材は、光透過性材料から板状に形成されると共に反射部を備えて形成され、前記光照射手段から照射され側端面から入射された光を前記反射部で反射して前記対象部材の正面から出射することを特徴とする遊技機M3。
ここで、反射部は、複数の反射面から構成される群が複数配設され、各群が模様や図柄の形状をなす。よって、反射部で反射され、光透過部材の正面から出射される光を、模様や図柄として遊技者に認識させることができる。
遊技機M3によれば、遊技機M2の効果に加え、開口部を有しベース部材に配設される遮蔽部材を備え、遮蔽部材の開口部から対象部材の一部を遊技者に視認させるので、対象部材が変位されることで、対象部材の異なる部分を遮蔽部材の開口部から遊技者に視認させることができる。
例えば、反射部を構成する複数の群のうちの第1の群が開口部を介して視認可能となる第1位置と、第1の群とは別の群となる第2の群が開口部を介して視認可能となる第2位置との間で対象部材が変位可能とされる場合、対象部材を第1位置に配置することで、遮蔽部材の開口部を介して、第1の群により形成される第1の模様や図柄を遊技者に視認させる一方、対象部材を第1位置から第2位置へ変位させることで、遮蔽部材の開口部を介して遊技者に視認させる模様や図柄を、第2の群により形成される第2の模様や図柄に変更することができる。
この場合、対象部材は、光透過性材料から形成されるので、遊技者が視認する模様や図柄を変更するために、対象部材を変位させる際には、光照射手段からの光を非照射とすることで、対象部材が変位していることを遊技者に認識させ難くできる。
遊技機M3において、前記対象部材は、正面視円形状または円環形状に形成され、その円形状または円環形状の中心を回転中心として前記ベース部材に回転可能に配設されることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M3の奏する効果に加え、対象部材は、正面視円形状または円環形状に形成され、その円形状または円環形状の中心を回転中心としてベース部材に回転可能に配設されるので、対象部材がスライド変位可能とされる場合と比較して、遮蔽部材の開口部を介して遊技者に視認させる模様や図柄の数を確保しつつ、対象部材の配設に要するスペースを抑制できる。
遊技機M2において、前記対象部材は、光透過性材料から正面視円形状の板状に形成されると共に反射部を備えて形成され、前記光照射手段から照射され側端面から入射された光を前記反射部で反射して前記対象部材の正面から出射するものであり、前記光照射手段は、前記対象部材の側端面へ照射面を向けた姿勢で前記対象部材の周囲に複数が分散配置され、前記対象部材が前記円形状の中心を回転中心として前記ベース部材に回転可能に配設されることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M6の奏する効果に加え、対象部材は、光透過性材料から円形板状に形成されると共に反射部を備えて形成され、光照射手段から照射され側端面から入射された光を反射部で反射して対象部材の正面から出射するものであり、光照射手段は、対象部材の側端面へ照射面を向けた姿勢で対象部材の周囲に複数が分散配置されるので、光照射手段から光を照射させつつ対象部材を回転させることで、対象部材の正面から出射される光により表示される模様や図柄を、回転させた状態で遊技者に視認させることができる。
遊技機M5において、前記複数の光照射手段は、前記対象部材の回転中心から等距離となる位置において周方向に分散配置されることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6によれば、遊技機M5の奏する効果に加え、複数の光照射手段は、対象部材の回転中心から等距離となる位置において周方向に分散配置されるので、対象部材の回転位置(位相)に関わらず、対象部材の正面から出射される光を一定としやすくできる。即ち、対象部材の正面から出射される光により表示される模様や図柄を安定して形成することができる。
遊技機M1において、ベース部材を備え、前記光照射手段および対象部材は、前記ベース部材に変位可能に配設されることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M7によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、光照射手段および対象部材は、ベース部材に変位可能に配設されるので、両者の変位の組み合せによって、光照射手段による対象部材の照射態様の変化のバリエーションを多くすることができる。よって、遊技者が視認する態様をより変化させることができ、遊技者に興趣を持たせやすくできる。
遊技機M7において、前記対象部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段を備え、前記光照射手段は、前記駆動手段から付与された駆動力により変位された前記対象部材が当接されることで、前記対象部材と共に変位されることを特徴とする遊技機M8。
遊技機M8によれば、遊技機M7の奏する効果に加え、対象部材に駆動力を付与して変位させる駆動手段を備え、光照射手段は、駆動手段から付与された駆動力により変位された対象部材が当接されることで、対象部材と共に変位されるので、対象部材を変位させるための駆動手段を兼用することができ、光照射手段を変位させるための駆動手段を別途設けることを不要とできる。
遊技機A1からA16、B1からB15、C1からC10、D1からD15、E1からE11、F1からF6、G1からG7、H1からH4、I1からI10、J1からJ9、K1からK8、L1からL6及びM1からM8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA16、B1からB15、C1からC10、D1からD15、E1からE11、F1からF6、G1からG7、H1からH4、I1からI10、J1からJ9、K1からK8、L1からL6及びM1からM8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA16、B1からB15、C1からC10、D1からD15、E1からE11、F1からF6、G1からG7、H1からH4、I1からI10、J1からJ9、K1からK8、L1からL6及びM1からM8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。