JP2017173119A - 風洞装置 - Google Patents

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雄一 仲谷
Yuichi Nakaya
雄一 仲谷
山口 裕美子
Yumiko Yamaguchi
裕美子 山口
雄貴 森崎
Yuki Morisaki
雄貴 森崎
雅之 小田
Masayuki Oda
雅之 小田
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Abstract

【課題】ストラットによる気流への干渉を抑制しつつ、ストラットの剛性の低下を抑制することができる風洞装置を提供する。
【解決手段】空中を飛行する飛行体を模した供試体が内部に設置され、内部において供試体の前方から後方へ向かって気流が流通する風路と、供試体を風路内に支持するストラット15と、を備え、ストラット15は、気流の流れ方向と供試体の左右に延びる方向であるピッチ軸方向とを含む面で切った断面において、前方から後方に延びる中心線I1を挟んで線対称に形成されており、中心線I1に直交する方向を厚み方向とすると、前方の先端から中心線I1に対して、前方から後方に向かって厚さが厚くなるように所定の先端角度θaで傾斜する第1ランプ面21と、第1ランプ面21の後方側に連なり、第1ランプ面21に対して、前方から後方に向かって厚さが厚くなるように所定の第1傾斜角度θ1bで傾斜する第2ランプ面22と、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、風路内において供試体がストラットで支持される風洞装置に関するものである。
従来、風洞装置として、風路内に設置される模型を支持する風洞試験模型支持装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この支持装置は、風洞壁から突出して模型を取り付ける二重管構造のストラットと、模型の姿勢角を変えるリンク機構とを備えている。支持装置は、模型が上下・前後に移動し難いような支点配分となるように、リンク機構により模型の姿勢角を変更している。また、ストラットを二重管の構成とすることで、模型の支持構造を簡素化して、支持系が模型に与える空力的干渉を小さくしている。
特開平6−307978号公報
ここで、ストラットによる空力的な干渉を抑制するためには、特許文献1のように、ストラットを小型化することが好ましい。特に、ストラットの小型化として、ストラットの厚みを薄くすることが、風路内を流通する気流への干渉を、より好適に抑制することが可能である。一方で、ストラットは、模型等の供試体を支持するための剛性を確保する必要があるため、ストラットの厚みを薄くし過ぎると、ストラットの剛性が低下し、供試体を支持することが困難となる。
そこで、本発明は、ストラットによる気流への干渉を抑制しつつ、ストラットの剛性の低下を抑制することができる風洞装置を提供することを課題とする。
本発明の風洞装置は、空中を飛行する飛行体を模した供試体が内部に設置され、内部において前記供試体の前方から後方へ向かって気流が流通する風路と、前記供試体を前記風路内に支持するストラットと、を備え、前記ストラットは、前記気流の流れ方向と前記供試体の左右に延びる方向であるピッチ軸方向とを含む面で切った断面において、前方から後方に延びる中心線を挟んで対称に形成されており、前記中心線に直交する方向を厚み方向とすると、前方の先端から前記中心線に対して、前方から後方に向かって厚さが厚くなるように所定の先端角度で傾斜する第1ランプ面と、前記第1ランプ面の後方側に連なり、前記第1ランプ面に対して、前方から後方に向かって厚さが厚くなるように所定の第1傾斜角度で傾斜する第2ランプ面と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、ストラットを、第1ランプ面及び第2ランプ面を有するダブルランプの構成とすることができる。ここで、ストラットの上記の断面において、第1傾斜角度における厚さは、疑似的なストラットの厚さとして機能し、疑似的なストラットの厚さを薄くすることで、ストラットによる気流への干渉を抑制することができる。また、第1ランプ面の後方側における厚さを厚くすることができるため、ストラットの強度を向上させることができる。
また、前記ストラットは、前記断面において、前記第2ランプ面の後方側に連なり、前記第2ランプ面に対して、所定の第2傾斜角度となる前記中心線に平行な平行面を、さらに有し、前記中心線に直交する直交線を挟んで、前記第1ランプ面、前記第2ランプ面及び前記平行面が対称に形成されることが、好ましい。
この構成によれば、ストラットは、その断面において、中心線を挟んで線対称となり、また、直交線を挟んで線対称となる、平行面を有するくさび形状に形成することができる。くさび形状となるストラットは、平行面が形成される部位(平行部位)の厚さが最も厚くなり、平行部位を設けることで、ストラットの強度を好適に確保することができる。
また、前記中心線と前記第1ランプ面との成す先端角度をθaとし、前記中心線と前記第2ランプ面との成す角度をθbとすると、「θb<θa<90°」の関係となることが、好ましい。
この構成によれば、先端角度θaと角度θbとを好適な関係とすることができるため、ストラットによる気流への干渉をより好適に抑制しつつ、ストラットの強度をより好適に向上させることができる。
また、前記ストラットは、前記断面において、前記中心線に直交する直交線を挟んで、前記第1ランプ面及び前記第2ランプ面が対称に形成されることが、好ましい。
この構成によれば、ストラットは、その断面において、中心線を挟んで線対称となり、また、直交線を挟んで線対称となる略菱形状に形成することができる。略菱形状となるストラットは、菱形に比して、第1傾斜角度における部位の断面積を大きくできるため、ストラットの強度を向上させることができる。
また、前記気流は、遷音速流以上の流速であることが、好ましい。
この構成によれば、遷音速流以上の気流に適したストラットの形状とすることができる。
また、前記供試体は、後方に垂直尾翼を有する前記飛行体を模したものであり、前記ストラットは、前記供試体の前記垂直尾翼を模した部位を支持することが、好ましい。
この構成によれば、ストラットを垂直尾翼の一部として見立てて、供試体を支持することができる。このため、ストラットによる気流への干渉をさらに抑制することができる。
図1は、実施形態1に係る風洞装置を示す模式図である。 図2は、実施形態1に係る風洞装置におけるストラットの断面図である。 図3は、従来に係る風洞装置におけるストラットの断面図である。 図4は、従来のストラットと実施形態1のストラットとの干渉性能を比較した説明図である。 図5は、種々のストラットの一部を示す説明図である。 図6は、図5に示す各ストラットの先端角度に応じた圧力係数の変化に関するグラフである。 図7は、マッハ数に応じた従来のストラットと実施形態1のストラットとの抵抗係数の変化に関するグラフである。 図8は、実施形態2に係る風洞装置におけるストラットの断面図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における発明特定事項には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した発明特定事項は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る風洞装置を示す模式図である。図2は、実施形態1に係る風洞装置におけるストラットの断面図である。図3は、従来に係る風洞装置におけるストラットの断面図である。図4は、従来のストラットと実施形態1のストラットとの干渉性能を比較した説明図である。図5は、種々のストラットの一部を示す説明図である。図6は、図5に示す各ストラットの先端角度に応じた圧力係数の変化に関するグラフである。図7は、マッハ数に応じた従来のストラットと実施形態1のストラットとの抵抗係数の変化に関するグラフである。
実施形態1の風洞装置10は、空中を飛行する飛行体を模した供試体5の気流の流れ場を計測したり、気流によって供試体に与えられる負荷を計測したりする試験装置である。風洞装置10の説明に先立ち、供試体5について説明する。
供試体5は、例えば、胴体6と、胴体6に設けられる翼体とを有する航空機の模型であり、翼体として、主翼7、水平尾翼(図示省略)及び垂直尾翼8を模した部位(以下、単に主翼7、水平尾翼及び垂直尾翼8という)を含んで構成されている。この供試体5は、垂直尾翼8を下方側にした逆さの状態で、風洞装置10に設置される。なお、供試体5の垂直尾翼8は、後述する風洞装置10のストラット15によって支持されている。
次に、図1を参照して、風洞装置10について説明する。図1に示すように、風洞装置10は、風路14と、ストラット15と、計測装置16を備えている。
風路14は、水平方向の一方側(図1の左側)から他方側(図1の右側)へ向かって空気が流通するように形成され、その内部に供試体5が設置される。供試体5は、その機首側(前方側)が空気の流通方向の上流側に配置され、その機尾側(後方側)が空気の流通方向の下流側に配置されている。そして、供試体5は、逆さの状態で水平姿勢となるように配置されている。つまり、供試体5は、そのロール軸の方向が、気流の流通方向で、且つ、水平方向となっている。また、供試体5は、そのピッチ軸の方向が、水平面内において、ロール軸の方向と直交する方向となっている。そして、供試体5は、そのヨー軸の方向が、ロール軸及びピッチ軸に直交する、鉛直方向となっている。よって、風路14の内部における気流は、供試体5の前方から後方へ向かって水平方向に流通する。
ストラット15は、風路14の下面から上方に向かって延びて設けられ、逆さの状態となる供試体5を支持している。具体的に、ストラット15は、風路14の下面から鉛直方向に向かって延びる鉛直部位15aと、鉛直部位15aの上端部から、空気の流通方向の上流側に向かって斜めに伸びる傾斜部位15bと、を含んで構成されている。そして、傾斜部位15bの上端部には、供試体5の垂直尾翼8が接続される。なお、ストラット15の詳細については後述する。
計測装置16は、風路14内の流れ場を計測するものであり、流れ場として、例えば、気流の圧力分布を計測している。この計測装置16は、その計測点Pが逆さの状態となる供試体5の主翼7の裏面(鉛直方向の上面)に対向する位置となるように、プローブ17が設けられている。
ここで、風洞装置10を用いた供試体5の風洞試験において、風路14内を流通する気流は、遷音速流以上の流速となっている。ここで、遷音速流とは、供試体5上を流通する気流において、マッハ数が1以上の音速となる気流と、マッハ数が1よりも小さい亜音速となる気流とが混在する気流である。
次に、図2を参照して、ストラット15の断面形状について説明する。図2に示すストラット15の断面形状は、気流の流通方向に沿って、供試体5と対向する水平面で切った断面の形状となっており、図1に示すA−A断面となっている。なお、図2では、ストラット15の傾斜部位15bにおける断面を示しているが、鉛直部位15aにおける断面でもよく、特に限定されない。
図2に示すように、ストラット15は、前方から後方に延びる中心線I1を挟んで線対称に形成されている。中心線I1は、断面内において気流の流通方向(ロール軸の方向)に沿って延びている。また、ストラット15は、断面内において、中心線I1に直交する直交線I2を挟んで線対称に形成されている。直交線I2は、断面内において気流の流通方向に直交する方向(ピッチ軸の方向)に沿って延びている。ここで、ストラット15は、中心線I1に沿った長さがコード長となっており、直交線I2に沿った長さが厚みとなっている。
このストラット15は、中心線I1の前方側における前方部位18と、中心線I1の後方側における後方部位19と、前方部位18と後方部位19との間の平行部位20とを含んで構成されている。
ストラット15の前方部位18は、中心線I1を挟んで設けられる一対の第1ランプ面21と、一対の第1ランプ面21に連なる一対の第2ランプ面22と、を有している。一対の第1ランプ面21は、前方の先端から後方に向かって厚さが厚くなるように、中心線I1に対して、所定の先端角度θaで傾斜して形成されている。一対の第2ランプ面22は、一対の第1ランプ面21の後方側にそれぞれ連なり、前方から後方に向かって厚さが厚くなるように、各第1ランプ面21に対して、所定の第1傾斜角度θ1bで傾斜して形成されている。このように、ストラット15の前方部位18は、第1ランプ面21及び第2ランプ面22が形成された、いわゆるダブルランプ型の構成となっている。
ストラット15の後方部位19は、直交線I2を挟んで前方部位18と線対称の構成となっていることから、前方部位18と同様の構成であり、一対の第1ランプ面31と、一対の第2ランプ面32と、を有している。一対の第1ランプ面31は、後方の先端から前方に向かって厚さが厚くなるように、中心線I1に対して、所定の先端角度θaで傾斜して形成されている。一対の第2ランプ面32は、一対の第1ランプ面31の前方側にそれぞれ連なり、後方から前方に向かって厚さが厚くなるように、第1ランプ面31に対して、所定の第1傾斜角度θ1bで傾斜して形成されている。このように、ストラット15の後方部位19も、前方部位18と同様に、第1ランプ面31及び第2ランプ面32が形成された、いわゆるダブルランプ型の構成となっている。そして、前方部位18の先端から、中心線I1に沿って、後方部位19の先端までの長さが、コード長の全長Lとなっている。
ストラット15の平行部位20は、各第2ランプ面22及び各第2ランプ面32に連なる一対の平行面35を有している。各平行面35は、断面において、中心線I1と平行となるように形成されている。そして、この一対の平行面35の直交線I2における厚さが、ストラットの全厚Tとなっている。一対の平行面35は、前方から後方に向かって厚さが同じ厚さとなっており、各平行面35は、第2ランプ面22,32に対して、所定の第2傾斜角度θ2bを為して形成されている。
ここで、中心線I1に沿った方向において、先端角度θaの頂点から第1傾斜角度θ1bの頂点までの長さをコード長L1とし、第1傾斜角度θ1bの頂点から第2傾斜角度θ2bの頂点までの長さをコード長L2とし、前方部位18と後方部位19との第2傾斜角度θ2bの頂点同士の間の長さをコード長L3とする。この場合、コード長の全長Lは、前方部位18のコード長L1と、前方部位18のコード長L2と、平行部位20のコード長L3と、後方部位19のコード長L2と、後方部位19のコード長L1とを足し合わせたものとなる。このとき、コード長は、「L1<L2<L3」の関係となっている。なお、コード長は、上記の関係に限定されない。
また、直交線I2に沿った方向において、先端角度θaの頂点から第1傾斜角度θ1bの頂点までの厚さを厚さT1とし、第1傾斜角度θ1bの頂点から第2傾斜角度θ2bの頂点までの厚さを厚さT2とする。この場合、全厚Tは、中心線I1を挟んだ両側の厚さT1と、中心線I1を挟んだ両側の厚さT2とを足し合わせたものとなる。このとき、厚さは、「T1≦T2」の関係となっている。なお、厚さは、上記の関係に限定されない。
さらに、中心線I1と第2ランプ面22との成す角度をθbとすると、中心線I1と第1ランプ面21との成す先端角度θaと、中心線I1と第2ランプ面22との成す角度θbとは、「θb<θa<90°」の関係となっている。換言すれば、第2傾斜角度θ2bは、第1傾斜角度θ1bよりも大きな角度となっている。
次に、図3及び図4を参照して、実施形態1のストラット15と、従来のストラット50とを比較した気流の流れ場への干渉性能について説明する。図3に示すストラット50は、従来の一般的なストラットであり、中心線I1を挟んで線対称な断面形状を有し、ランプ面51と平行面52とを有するくさび型の構成となっている。一対のランプ面51は、後方の先端から前方に向かって厚さが厚くなるように、中心線I1に対して、所定の先端角度θxで傾斜して形成されている。一対の平行面52は、前方から後方に向かって厚さが同じ厚さとなっており、各平行面52は、ランプ面51に対して、所定の傾斜角度θyを為して形成されている。
図4を参照して、くさび型(従来)のストラット50を用いたときの全体の流れ場(圧力場)と、ダブルランプ型(実施形態1)のストラット15を用いたときの全体の流れ場(圧力場)とを比較する。全体の流れ場においては、計測点P及びストラット15,50の位置は同じ位置となっている。くさび型のストラット50により形成される流れ場において、所定の圧力係数となるラインを圧力係数Cp1とすると、圧力係数Cp1は、計測点Pに対して、ストラット50から遠い側となる。つまり、従来における計測点Pの圧力係数は、圧力係数Cp1よりも大きくなる。これに対し、ダブルランプ型のストラット15により形成される流れ場において、圧力係数Cp1は、計測点Pに対して、ストラット15に近い側となる。つまり、実施形態1における計測点Pの圧力係数は、圧力係数Cp1よりも小さくなる。
計測点P付近における流れ場をより詳細に見る。ここで、図4の右側が、圧力係数が大きい側であり、図4の左側が、圧力係数が小さい側である。くさび型のストラット50により形成される計測点P付近の流れ場において、計測点Pは、圧力係数が大きい側に寄っている。一方で、ダブルランプ型のストラット15により形成される計測点P付近の流れ場において、計測点Pは、圧力係数が小さい側に寄っている。
以上から、ダブルランプ型のストラット15により形成される流れ場は、計測点Pにおいて、従来に比して圧力係数が小さくなることが確認された。
また、ストラット15,50付近における流れ場をより詳細に見る。くさび型のストラット50により形成されるストラット50の平行部位の流れ場は、傾斜角度θyの後方側において、圧力係数が大きいものとなっている。一方で、ダブルランプ型のストラット15により形成されるストラット15の平行部位20の流れ場は、第2傾斜角度θ2bの後方側において、従来に比して圧力係数が小さくなっている。また、ストラット15の前方部位18の第1傾斜角度θ1bの後方側は、第2傾斜角度θ2bの後方側と同等の圧力係数となっている。
以上から、ストラット15をダブルランプ型とすることで、第1傾斜角度θ1bの後方側の圧力分布が、第1傾斜角度θ1b及び第2傾斜角度θ2bによって分散されることが確認された。これにより、実施形態1のストラット15の第1傾斜角度θ1bが、従来のストラット50の傾斜角度θyと同等の機能を有することが確認された。すなわち、実施形態1のストラット15は、第1傾斜角度θ1bにおける厚さT1を、疑似的な厚さとして機能させることができ、第2傾斜角度θ2bにおける厚さT2を付加した場合であっても、気流への干渉を抑制できる。
次に、図5及び図6を参照して、先端角度に応じて変化する、実施形態1のストラット15と従来のストラット50との圧力係数の変化について説明する。図5は、左側から順に、厚みが厚い従来のストラット50aの前方部位を示す図であり、実施形態1のストラット15の前方部位18を示す図であり、厚みが薄い従来のストラット50bの前方部位を示す図である。
ここで、実施形態1のストラット15は、全厚Tが従来のストラット50aと同じ厚さとなっており、疑似的な厚さ(第1傾斜角度θ1bにおける厚さ)が従来のストラット50bと同じ厚さとなっている。
図6は、その横軸が先端角度[°]となっており、その縦軸が圧力係数Cpとなっている。図6に示すように、従来のストラット50aは、先端角度θxが大きくなるほど、圧力係数Cpが大きくなる。また、従来のストラット50bも、先端角度θxが大きくなるほど、圧力係数Cpが大きくなる。ここで、厚いストラット50aと、薄いストラット50bとを比較すると、薄いストラット50bの方が圧力係数Cpが小さく、また、先端角度の変化による圧力係数Cpの変化よりも、厚みの変化による圧力係数Cpの変化の方が大きいことが確認される。つまり、圧力係数Cpを小さくするためには、先端角度θxを小さくするよりも、厚みを薄くする方が効果的であることが確認された。
また、図6において、実施形態1のストラット15は、先端角度θaの頂点及び第2傾斜角度θ2bの頂点を固定した状態で、第1傾斜角度θ1bの頂点を、中心線I1と平行な方向に沿って移動させることで、先端角度θaを変化させている。この場合、ストラット15の圧力係数Cpは、疑似的な厚さが薄くなっていることから、厚いストラット50aの圧力係数Cpよりも小さくなっている。また、先端角度θaは、所定の角度よりも小さな角度となる場合、角度が大きくなるにつれて、圧力係数Cpが小さくなる。一方で、先端角度θaは、所定の角度よりも大きな角度となる場合、角度が大きくなるにつれて、圧力係数Cpが大きくなる。つまり、先端角度θaは、所定の角度において圧力係数Cpが最小となる。この角度は、例えば、60°程度である。ここで、実施形態1のストラット15は、その先端角度θaの範囲が、「55°≦θa≦65°」であることが好ましい。
次に、図7を参照して、マッハ数(Mach)に応じた抵抗係数Cの変化について説明する。図7は、その横軸がマッハ数となっており、その縦軸が抵抗係数Cとなっている。なお、図7では、図5に示す従来の厚いくさび型のストラット50aと、実施形態1のストラット15とを比較している。
図7に示すように、マッハ数が1よりも小さい亜音速の領域においては、実施形態1のストラット15と、従来のストラット50aとの抵抗係数Cは、ほぼ同じとなっている。マッハ数が1付近の遷音速の領域においては、実施形態1のストラット15の抵抗係数Cは、従来のストラット50aの抵抗係数Cに比して小さいものとなる。また、マッハ数が1よりも大きくなる超音速の領域においては、実施形態1のストラット15の抵抗係数Cは、従来のストラット50aの抵抗係数Cに比して小さい状態を維持可能となっている。すなわち、実施形態1のストラット15は、気流が遷音速流以上の場合において有用であることが確認された。
以上のように、実施形態1によれば、ストラット15を、第1ランプ面21及び第2ランプ面22を有するダブルランプ型の構成とすることができる。そして、ストラット15の第1傾斜角度θ1bにおける厚さT1を、疑似的なストラット15の厚さとして機能させ、疑似的なストラット15の厚さを薄くすることで、ストラット15による気流への干渉を抑制することができる。一方で、第1ランプ面21の後方側の部位(前方部位18の後方側及び平行部位20)における厚さを厚くすることができるため、ストラット15の強度を向上させることができる。
また、実施形態1によれば、ストラット15に全厚Tとなる平行部位20を設けることで、ストラット15の強度を好適に確保することができる。
また、実施形態1によれば、遷音速流以上の気流に適したストラット15の形状とすることができる。
また、実施形態1によれば、ストラット15を垂直尾翼8の一部として見立てて、供試体5を支持することができる。このため、ストラット15による気流への干渉をさらに抑制することができる。
なお、実施形態1では、後方部位19もダブルランプ型の構成としたが、少なくとも前方部位18をダブルランプ型の構成とすればよく、後方部位19は、従来と同様にくさび型としてもよい。
[実施形態2]
次に、図8を参照して、実施形態2に係るストラット60について説明する。図8は、実施形態2に係る風洞装置におけるストラットの断面図である。なお、実施形態2では、実施形態1と重複した記載を避けるべく、異なる部分についてのみ説明し、同一の構成については、同一の符号を付して説明する。
実施形態2のストラット60は、実施形態1のストラット15の平行部位20を省いた構成となっている。すなわち、ストラット60は、中心線I1を挟んで線対称に形成され、また、直交線I2を挟んで線対称に形成されている。ストラット60は、中心線I1の前方側における前方部位18と、中心線I1の後方側における後方部位19とを含んで構成されている。つまり、ストラット60は、直交線I2を挟んで、前方部位18と後方部位19とが線対称に配置された、略菱形状に形成されている。
ストラット60の前方部位18は、実施形態1と同様に、中心線I1を挟んで設けられる一対の第1ランプ面21と、一対の第1ランプ面21に連なる一対の第2ランプ面22と、を有している。なお、ストラット60の前方部位18及び後方部位19は、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、実施形態2によれば、従来の菱形形状のストラットに比して、第1ランプ面21と第2ランプ面22とが為す第1傾斜角度θ1bにおける部位の断面積を大きくできるため、ストラット60の強度を向上させることができる。
5 供試体
6 胴体
7 主翼
8 垂直尾翼
10 風洞装置
14 風路
15 ストラット
15a 鉛直部位
15b 傾斜部位
16 計測装置
17 プローブ
18 前方部位
19 後方部位
20 平行部位
21,31 第1ランプ面
22,32 第2ランプ面
35 平行面
50 ストラット(従来)
51 ランプ面(従来)
52 平行面(従来)
60 ストラット(実施形態2)
I1 中心線
I2 直交線
P 計測点
T 全厚
T1 第1ランプ面の厚さ
T2 第2ランプ面の厚さ
L コード長(全長)
L1 第1ランプ面のコード長
L2 第2ランプ面のコード長
L3 平行部位のコード長

Claims (6)

  1. 空中を飛行する飛行体を模した供試体が内部に設置され、内部において前記供試体の前方から後方へ向かって気流が流通する風路と、
    前記供試体を前記風路内に支持するストラットと、を備え、
    前記ストラットは、前記気流の流れ方向に沿って、前記供試体と対向する面で切った断面において、前方から後方に延びる中心線を挟んで対称に形成されており、
    前記中心線に直交する方向を厚み方向とすると、
    前方の先端から後方に向かって厚さが厚くなるように、前記中心線に対して所定の先端角度で傾斜する第1ランプ面と、
    前記第1ランプ面の後方側に連なり、前方から後方に向かって厚さが厚くなるように、前記第1ランプ面に対して所定の第1傾斜角度で傾斜する第2ランプ面と、を有することを特徴とする風洞装置。
  2. 前記ストラットは、前記断面において、
    前記第2ランプ面の後方側に連なり、前記第2ランプ面に対して、所定の第2傾斜角度となる前記中心線に平行な平行面を、さらに有し、
    前記中心線に直交する直交線を挟んで、前記第1ランプ面、前記第2ランプ面及び前記平行面が対称に形成されることを特徴とする請求項1に記載の風洞装置。
  3. 前記中心線と前記第1ランプ面との成す先端角度をθaとし、前記中心線と前記第2ランプ面との成す角度をθbとすると、「θb<θa<90°」の関係となることを特徴とする請求項1または2に記載の風洞装置。
  4. 前記ストラットは、前記断面において、
    前記中心線に直交する直交線を挟んで、前記第1ランプ面及び前記第2ランプ面が対称に形成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の風洞装置。
  5. 前記気流は、遷音速流以上の流速であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の風洞装置。
  6. 前記供試体は、後方に垂直尾翼を有する前記飛行体を模したものであり、
    前記ストラットは、前記供試体の前記垂直尾翼を模した部位を支持することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の風洞装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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