JP2017165400A - 航空機エンジンを装着するための方法及びシステム - Google Patents

航空機エンジンを装着するための方法及びシステム Download PDF

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Abstract

【課題】航空機運転中の空力/重力/慣性/推力荷重によりエンジンに発生するバックボーン撓みを低減する装着システム及び方法を提供する。【解決手段】システムは、ウィング52に結合され、前方及び後方マウントインターフェース104,106を有する剛構造体を含む。又、第1の支持接続部108と、それから離間する第2の支持接続部110とを有するフレーム115を含む。リンク構造体114は、フレームを剛構造体に結合し、回転軸40に対して第1の角度αで前方マウントインターフェースと第1の支持接続部との間に延びる第1のリンク機構ペア116と、回転軸に対して第2の角度βで後方マウントインターフェースと第2の支持接続部との間に延びる第2のリンク機構ペア118とを含む。第1及び第2のリンク機構ペアの荷重ベクトルの120,122の射影が、ファン組立体16の前端と高圧圧縮機22との間でエンジンの回転軸に近接して交差する。【選択図】図2

Description

本発明は、全体的に、航空機に航空機エンジンを装着するための方法及びシステムに関する。より具体的には、本発明は、航空機運転中の空力荷重、重力荷重、慣性荷重、及び推力荷重の結果として航空機エンジンに発生する可能性があるバックボーン撓みを低減するよう適合された装着システム及び方法に関する。
ターボファンのような少なくとも一部の既知のガスタービンエンジンは、ファン、コアエンジン、及び出力タービンを含む。コアエンジンは、少なくとも1つの圧縮機、燃焼器及び高圧タービンを含み、これらは、直列流れ関係で互いに結合されている。より具体的には、圧縮機及び高圧タービンは、シャフトを通じて結合されて、高圧ロータ組立体を形成する。コアエンジンに流入する空気は、燃料と混合されて点火され、高エネルギーガスストリームを形成する。高エネルギーガスストリームは、高圧タービンを通って流れて高圧タービンを回転駆動して、シャフトが圧縮機を回転駆動するようになる。ガスストリームは、高圧タービンの後方に位置付けられる出力又は低圧タービンを通って流れるにつれて膨張する。低圧タービンは、駆動シャフトに結合されたファンを有するロータ組立体を含む。低圧タービンは、駆動シャフトを通じてファンを回転駆動する。タービンエンジン性能は、低圧タービンが比較的高い回転速度で作動しているとき及びファンが低圧力比で比較的低い回転速度で作動しているときに向上する。
エンジンバイパス比が増大すると、ファンの大型化及び空気流の増大により、離陸時回転にてより高い荷重がもたらされる。内部空気流及び一部の外部空気流が転回してエンジン軸線と整列すると、エンジン入口に大きな揚力荷重が生成される。この荷重は、バックボーン曲げモーメントの主要な要因となる。また、エンジン推力は、エンジンの装着システムの焦点がエンジン中心線上にあるか、中心線の上方にあるか又は下方にあるかに応じたピッチングモーメントを生成する。圧力比の増大及びブレード高さの縮小並びにエンジンバイパス比の増大に伴ってコア直径がより小さくなることにより、バックボーン曲げに対してコアエンジンがより影響を受けやすくなる。少なくとも一部のエンジンは、バックボーン曲げに対応するため、より開かれた先端クリアランスを含む。しかしながら、このように開かれた先端クリアランスは、燃費を悪化させる可能性がある。
米国特許第9,102,395号明細書
1つの態様において、航空機のエンジン支持構造体にエンジンを装着するためのシステムが提供される。本システムは、航空機のウィングに結合され、前方マウントインターフェース及び後方マウントインターフェースを有する剛構造体を含む。前方マウントインターフェース及び後方マウントインターフェースの各々は、荷重の推力成分を受ける。本システムはまた、エンジンの回転軸を囲むフレームを含む。フレームは、該フレームの上側部分に沿って離間して配置された第1の支持接続部及び第2の支持接続部を含む。リンク構造体は、フレームを剛構造体に結合する。リンク構造体は、第1のリンク機構ペア及び第2のリンク機構ペアを含む。第1のリンク機構ペアは、回転軸に対して第1の角度で前方マウントインターフェースと第1の支持接続部との間に延びる。第2のリンク機構ペアは、回転軸に対して第2の角度で後方マウントインターフェースと第2の支持接続部との間に延びる。側方から見たときに、第1のリンク機構ペア及び第2のリンク機構ペアの荷重ベクトルの射影は、エンジン推進ファン組立体の前端とエンジンの高圧圧縮機の前部との間でエンジンの回転軸に近接して交差する。
別の態様において、航空機ウィングにエンジンを結合する方法が提供される。本方法は、剛構造体を航空機ウィングに結合するステップを含む。剛構造体は、前方マウントインターフェース及び後方マウントインターフェースを含む。前方マウントインターフェース及び後方マウントインターフェースの各々は、荷重の推力成分を受ける。本方法はまた、エンジンの回転軸を囲むようにエンジンの周りにフレームを結合するステップを含む。フレームは、該フレームの上側部分に沿って離間して配置された第1の支持接続部及び第2の支持接続部を含む。本方法は更に、リンク構造体の第1のリンク機構ペアを回転軸に対して第1の角度で前方マウントインターフェース及び第1の支持接続部に結合するステップと、リンク構造体の第2のリンク機構ペアを回転軸に対して第2の角度で後方マウントインターフェース及び第2の支持接続部に結合するステップと、を含む。側方から見たときに、第1のリンク機構ペア及び前記第2のリンク機構ペアの荷重ベクトルの射影が、エンジンの回転軸及びファンロータの平面に近接して交差する。
更に別の態様において、航空機が提供される。航空機は、ウィングと、エンジンと、ウィングとエンジンとの間に結合されたパイロンと、を含む。パイロンは、前方マウントインターフェース及び後方マウントインターフェースを含む。前方マウントインターフェース及び後方マウントインターフェースの各々は、荷重の推力成分を受ける。航空機はまた、エンジンの回転軸を囲むフレームを含む。フレームは、該フレームの上側部分に沿って離間して配置された第1の支持接続部及び第2の支持接続部を含む。リンク構造体は、フレームをパイロンに結合する。リンク構造体は、第1のリンク機構ペア及び第2のリンク機構ペアを含む。第1のリンク機構ペアは、回転軸に対して第1の角度で前方マウントインターフェースと第1の支持接続部との間に延びる。第2のリンク機構ペアが、回転軸に対して第2の角度で後方マウントインターフェースと第2の支持接続部との間に延びる。側方から見たときに、第1のリンク機構ペア及び前記第2のリンク機構ペアの荷重ベクトルの射影が、エンジンの回転軸及びファンロータの平面に近接して交差する。
本開示のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、図面全体を通じて同様の参照符号が同様の要素を示す添付図面を参照しながら、以下の詳細な説明を読むと更に理解できるであろう。
本開示の例示的な実施形態による、航空機の斜視図。 図1に示す航空機と共に用いることができる高バイパスターボファンエンジンの側面図。 本発明の1つの実施形態による、航空機ウィングにエンジンを装着するためのシステムを備えた高バイパスターボファンエンジンの側面図。 図2に示す領域2Aから見た平面図。 図2のエンジン及び装着システム上に重畳された様々な荷重状態を表す図。 図2のエンジン及び装着システム上に重畳された様々な荷重状態を表す図。
別途指示されていない限り、本明細書で提供される図面は、本開示の実施形態の特徴を例証するものとする。これらの特徴は、本開示の1又はそれ以上の実施形態を含む幅広い種類のシステムに適用可能であると考えられる。従って、図面は、本明細書で開示される実施形態の実施に必要とされる当業者には公知の従来の全ての特徴を含むことを意図するものではない。
本開示の実施形態は、航空機ウィング(翼)にタービンエンジン組立体を装着するための装着システムに関する。より具体的には、本明細書で記載される装着システムは、特定のエンジン運転状態時にエンジンナセル内のバックボーン曲げを低減又は排除するよう設計される。1つの実施形態において、後方傾斜リンク構造体は、航空機ウィングのパイロンと、エンジンの内側フレームとの間に結合される。側方から見たときに、リンク構造体は、少なくとも第1及び第2のリンクを含み、各リンクが、エンジンの回転軸及びエンジン入口付近のファンロータに近接した焦点にて交差して延びる荷重ベクトルを含む。第1及び第2のリンクの荷重ベクトルの交点(側方からみたとき)の位置をエンジン軸線に近接して選択することにより、様々なエンジン作動モード時のエンジンのバックボーン曲げを低減又は排除することができる。
入口荷重及びエンジン中心線に対してある位置又はその近傍に装着システムの焦点を位置付けることにより、高い推力レベルを発生する大型のターボファンエンジンにおいてもバックボーン曲げが無視できるレベルにまで低減される。加えて、以下で記載される装着システムは、航空機ウィングをエンジンのフレームに結合し、装着システムがナセル又はコアカウルに結合されないようにする。更に、装着システムは、バックボーン曲げを低減する従来の取り組みに通常付随するコスト又は重量上の相当な欠点を回避しながら、この利点を達成することができる。
本明細書及び請求項全体を通じてここで使用される近似表現は、関連する基本的機能の変更をもたらすことなく、許容範囲内で変わることのできるあらゆる定量的表現を修飾するために適用することができる。従って、「約」及び「実質的に」などの1又は複数の用語により修飾される値は、指定される厳密な値に限定されるものではない。少なくとも幾つかの事例において、近似表現は、値を測定するための計器の精度に対応することができる。ここで、及び本明細書及び請求項全体を通じて、範囲の限定の組み合わせ及び/又は置き換えを行うことができ、文脈及び文言が別途規定のない限り、このような範囲は特定され、これに包含される全ての部分範囲を含む。
本明細書で使用される用語「軸方向」及び「軸方向に」とは、タービンエンジンの中心線に実質的に平行に延びる方向及び向きを意味する。更に、用語「半径方向」及び「半径方向に」とは、タービンエンジンの中心線に実質的に垂直に延びる方向及び向きを意味する。
図1は、本開示の例示的な実施形態による、航空機1の斜視図である。例示的な実施形態において、航空機1は、胴体2と、側方に延びるウィング(翼)3のペアとを含む。各ウィングは、パイロン5を通じてウィング3に固定結合されたエンジン4を含む。図1Aは、航空機1(図1に示す)と共に用いることができる高バイパスターボファンエンジン10を概略的に示している。エンジン10は、ナセル12及びコアエンジン14を含むように概略的に示される。コアエンジン14の前方に位置するファン組立体16は、ファンブレード18のアレイから外方に突出するスピナノーズ20を含む。コアエンジン14は、高圧圧縮機(HPC)22、燃焼器24、高圧タービン(HPT)26、及び低圧タービン(LPT)28を含むように概略的に示される。ファン組立体16に流入する空気の大部分は、エンジン10の後方にバイパスされて、追加のエンジン推力を発生する。バイパス空気は、ナセル12とコアカウル36との間の環状バイパスダクト30を通過して、ファン出口ノズル32を通ってダクト30から流出する。コアカウル36は、バイパスダクト30の半径方向内方境界を定め、コアエンジン14から後方に延びる一次排気ノズル38への後方コアカウル移行面を提供する。ナセル12は、バイパスダクト30の半径方向外方境界を定め、バイパスしたファン空気は、ナセル12及びコアカウル36によって定められるバイパスダクト流れ面の間を流れた後、ファン出口ノズル32を通って排出される。
ナセル12は通常、ナセル12の外部境界を定める3つの一次要素、すなわち、ファン組立体16の上流側に位置する入口組立体12Aと、ファンブレード18を囲むエンジンファンケース42と接合するファンカウル12Bと、該ファンカウル12Bの後方に位置する逆推力装置組立体12Cとから構成される。更に、コアカウル36は、ナセル12の構成要素であり、コアエンジン14の周りにシェルを提供する。
航空機上に装着されるときには、エンジン10は、航空機から外向きに延びる航空機剛構造体(例えば、パイロン(図1には示さず))によって支持される。ウィングに装着されるエンジンの場合、パイロンは通常、ウィングの真下で下向きに延びる。パイロンの構造構成要素は、HPC22及びタービン26,28の回転構成要素を支持するコアエンジン12のフレーム115に接続される。例示的な実施形態において、フレーム115は、エンジンフレーム又はファンフレームを含む。フレーム115は通常、HPC22に隣接する前方フレームと、タービン26,28に隣接する後方フレームと、前方及び後方フレームを接続するエンジンケーシングとを含む。エンジンケーシングは、エンジン10のバックボーンと呼ばれることが多い。図1に描かれているタイプの航空機エンジンは通常、エンジン中心線40に垂直な2つの平面内に装着及び固定される。第1の装着は通常、多くの場合ファン組立体16の直ぐ後方にある前方フレームに接続され、第2の装着は通常、タービンセクション付近の後方フレームに接続される。
上昇及び特定の航空機動作モード時には、エンジン10の中心線40は、接近する空気流の方向に対してピッチ方向に傾斜し、その結果、ナセル12は、上向きの空力荷重を受ける可能性がある。図1のベクトルFtで表される推力荷重に加えて、この空力的に誘起された荷重は、入口荷重と呼ばれることが多く、図1AにおいてベクトルFiで表される。これらの荷重は、エンジンケーシング(バックボーン)において曲げモーメントを誘起する。中心線40の周りのエンジンバックボーンの同心度を維持することは、エンジン10のHPC22及びタービンセクション26,28におけるブレード先端クリアランスを維持する観点から重要であり、これは、エンジンの燃料消費率(SPC)及び燃料消費量を改善する有利な効果がある。加えて、バックボーン曲げを低減することで、周囲のエンジン構造物(ファンケース42を含む)とのブレード先端摩耗接触の発生が低減され、これにより供用中の性能維持が向上する。保守整備のための取り外しまでの翼上時間の間隔が長いエンジンは、オペレータに対する保守整備契約コストの低減をもたらす。
図2は、航空機50のウィング52にエンジン10を装着するための装着システム100を備えた例示的な高バイパスターボファンエンジン10の側面図である。図2Aは、(図2に示される)領域2Aから見た平面図である。図2は、装着システム100に作用する唯一の荷重がエンジン10の重量Wである非作動モード状態のエンジン10を表している。図3は、離陸又は巡航荷重状態のエンジン10を表し、ここでは、エンジン10からの推力が、航空機50を離陸前の滑走路に沿って又は空中を高速度で推進させる。図4は、上昇又は離昇中の荷重状態のエンジン10を表している。装着システム100は、図1にて表されるタイプの高バイパスガスターボファンエンジンに設置することができ、従って、便宜上、図2〜図4を通じて同じ又は機能的に同等の構成要素を識別するために、エンジン10及びその構成要素を識別するのに図1で使用された同じ符号を用いる。以下で提供されるシステム100の説明を容易にするために、用語「垂直方向」、「水平方向」、「横方向」、「前方」、「後方」、「上側」、「下側」、「上方」、「下方」、その他は、航空機50上のエンジン10の設置及び向きの観点を基準として用いることができ、従って、これらは、本発明の組立、設置及び使用を示す相対的用語であり、本発明の範囲を定める一助となる。しかしながら、システム100を図面に示されるエンジン10とは大きく異なるエンジンに設置すること、又は航空機50の他の箇所(例えば、胴体)に設置できることは、本発明の範囲内である。最後に、システム100を航空機エンジン以外の用途に適用できることは予期される。
図2に示すように、装着システム100は、単一ボール又は球面軸受とクレビス及びラグ型コネクタを通じて航空機ウィング52のエンジン支持構造体に結合される剛構造体又はパイロン102を含む。パイロン102はまた、エンジン10に結合され、前方マウントインターフェース104及び後方マウントインターフェース106を含む。例示的な実施形態において、前方マウントインターフェース104及び後方マウントインターフェース106の各々は、特定のエンジン作動モードにおいて推力成分の少なくとも一部を受ける。
装着システム100はまた、エンジン10の回転軸40を囲むフレーム115を含む。例示的な実施形態において、フレーム115は、第1の支持接続部108と、該第1の支持接続部108から離間して配置された第2の支持接続部110とを含む。
例示的な実施形態において、装着システム100はまた、フレーム115とパイロン102との間に結合され、フレーム115をパイロン102に固定するよう構成されたリンク構造体114を含む。全体として、パイロン102、フレーム115、及びリンク構造体114は、静定構造体を形成する。リンク構造体114は、少なくとも、第1のリンク116のペア、第2のリンク118のペア、及び後方リンク119のペアを含む。図2Aの側面図で見たときに、第1のリンク116の両リンクは、回転軸40に対して同じ角度を形成し、第2のリンク118の両リンクは、回転軸40に対して同じ角度を形成する。しかしながら、図2Aに示すように、第1のリンク116は、回転軸40に対して内向きに角度が付けられ、第2のリンク118は、回転軸40に対してほぼ平行である。
例示的な実施形態において、対称リンク116の第1のペア(図2には1つだけ示されている)は、パイロン102上のそれぞれの前方マウントインターフェース104から、フレーム115上の第1の支持接続部108の間まで延びる。より具体的には、第1のリンク機構ペア116は、一方の端部にてパイロンの前方マウントインターフェース104に枢動可能に結合され、また、反対の端部にてフレーム115の第1の支持接続部108に枢動可能に結合される。例示的な実施形態において、第1のリンク機構ペア116は、パイロン102とフレーム115との間に結合されて、第1のリンク機構ペア116が回転軸40に対して第1の角度αを定めるようになる。
同様に、第2のリンク機構ペア118は、パイロン102上の後方マウントインターフェース106と、フレーム115上の第2の支持接続部110との間に延びる。より具体的には、第2のリンク機構ペア118は、一方の端部にてパイロンの後方マウントインターフェース106に枢動可能に結合され、また、反対の端部にてフレーム115の第2の支持接続部110に枢動可能に結合される。例示的な実施形態において、第2のリンク機構ペア118は、パイロン102とフレーム115との間に結合されて、第2のリンク機構ペア118が回転軸40に対して第2の角度βを定めるようになる。図2に示すように、第2の角度βは第1の角度αよりも小さい。リンク構造体114は、エンジン10と航空機ウィング52のパイロン102との間の接続部を提供し、これにより、図1を参照して上述したタイプの推力及び入口荷重により他の場合では生じるはずのコアエンジン14内のバックボーン曲げ/撓みが有意に低減される。加えて、リンク構造体114は、フレーム115とパイロン102との間にのみ結合され、従って、ナセル12又はファンケーシング42の何れの部分にも結合されない。一部の実施形態において、バックボーン曲げ/撓みは、無視できるほどのレベルまで低減され、或いはゼロになる可能性がある。
図2に示すように、第1のリンク機構ペア116は、該第1のリンク機構ペア116を通じて伝達される力(又は同じ平面内の複数の力)の荷重ベクトル120を含む。同様に、第2のリンク機構ペア118は、該第2のリンク機構ペア118を通じて伝達される力(又は同じ平面内の複数の力)の荷重ベクトル122を含む。例示的な実施形態において、回転軸40を通って延びる垂直平面上への合成荷重ベクトル120の射影は、平面領域124内に位置するある点で交差する。第1の実施形態において、平面領域124は、前方のHPC22のほぼ軸方向の中間点からスピナノーズ20先端くらいまで延びる。第2の実施形態において、平面領域124は、前方のHPC22のほぼ前端からファン組立体16の前端まで延びる。別の実施形態において、平面領域124は、HPC22の入口ガイドベーン23とファン組立体の平面17との間で軸方向に延びる。他の実施形態において、平面領域124は、図2で見たときに、反時計回りに約25度から約30度の角度が付けられる。より具体的には、平面領域124への荷重ベクトル120,122の射影は、ファン組立体の平面17に沿って焦点Pfにて回転軸40に近接して互いに交差する。荷重ベクトル120は、互いに平行ではなく、また、荷重ベクトル122は回転軸40にほぼ平行であるので、これらの荷重ベクトルは、何れの点でも回転軸40とは交差しないようにすることができる。しかしながら、平面領域124への荷重ベクトル120,122の射影は、回転軸40に近接した平面領域124の境界内で互いに交差することができる。
更に、バックボーン曲げ/撓みを低い値又はゼロにまで低減できる装着システム100の能力は、図2〜4を参照することにより理解することができる。図2は、エンジン10(エンジン非作動)の重量Wの結果としてだけ存在する相対的力ベクトルを図示し、エンジン重量が第1及び第2のリンク116,118と後方リンク119にて後方装着垂直反作用Raとの間で分担されていることを示している。より具体的には、図2は、エンジン10が運転停止されているか、又はエンジン10に作用する他の全ての力が平衡している、エンジン10の第1の作動モードを表している。
図3は、航空機50が滑走路を移動している離陸時、又は追加の推力を必要とする水平飛行時など、エンジン10の第2の作動モードの際に存在する状態を図示している。図3に示すように、リンク構造体114の第1及び第2のリンク116,118は、エンジン推力Ftから生じる追加の力を受ける。具体的には、図3で分かるように、焦点Pfが中心線の上方に示されているので、エンジン推力Ftは、重力反作用Wとは反対方向に作用する小さな前方垂直方向反作用Rfを焦点Pfにて生じる。同様に、エンジン推力Ftは、重力反作用Wに加えて上向き方向に作用する後方反作用Raを後方リンク119にて生じる。図3に示す荷重状態において、前方反作用Rfは、反対方向の同じ量だけ低減され、全体として推力Ftモーメントをオフセットする。加えて、焦点Pfが中心線40に近づくほど、図2の平衡した静荷重状態から、図3における追加の推力状態への後方反作用Raの増加がより小さくなる。
図4は、離昇時又は航空機50が上昇しているときなど、エンジン10の第3の作動モード時に存在する状態を図示している。図4に示すように、リンク構造体114のリンク116,118,119は、エンジン推力Ftから生じる追加の推力を受けるが、離昇及び上昇荷重状態時の航空機50の仰角の増大によって引き起こされる入口荷重Fiも受ける。具体的には、図4で分かるように、エンジン推力Ft及び入口荷重Fiは、重量力反作用Wとは反対の下向き方向で作用する前方反作用Rfを焦点Pfにて生じる。同様に、エンジン推力Ft及び入口荷重Fiは、重量力反作用Wに加えて上向き方向で作用する後方反作用Raの増大を後方リンク119にて生じる。図4に示す荷重状態において、前方反作用Rfは低減又は負になることができ、後方反作用Raは、図3に示す荷重状態と比べて増大している。例示的な実施形態において、焦点Pfがより前方になるほど、入口荷重Fiに起因したバックボーン曲げの増加が小さくなる。加えて、図4に示す荷重状態において、後方反作用Raは、図3に示す荷重状態時の後方反作用Raよりも大きい。航空機50が巡航に達して水平飛行になると、入口荷重Fiが減少し、前方反作用Rf及び後方反作用Raは、図3に示すように重量力反作用Wを相殺し、及び推進力Ftのみに復帰する。例示的な実施形態において、本明細書で記載されるように、HPC22、フレーム115及びコアカウル36の前縁から前方にある焦点Pfの位置は、離昇及び上昇荷重状態時のエンジン10のバックボーン曲げを低減することができる。
例示的な実施形態において、入口荷重Fiは、上昇中の航空機の結果として付加的に存在するものとして示され、この間、ナセル12は、エンジン10の中心線40が接近する空気流の方向に対して上向きにピッチ傾斜されている結果として空力的に上向きの荷重を受ける。とりわけ、図4は、焦点Pfがエンジン中心線40の上方にあるか又は下方にあるかに応じて、リンク116,118の焦点Pfの周りで同じ方向又は反対方向の荷重モーメントを与えるものとして、エンジン推力Ft及び入口荷重Fiの荷重を表している。その結果、これらのモーメントは、焦点Pfに対するその距離がFt及びFiのそれぞれの大きさに対して適切である場合には、ある程度の範囲までは互いに打ち消し合うことができる。入口荷重Fi及び推進力Ftによってエンジン10に誘起される曲げモーメントを低減することにより、コアエンジン14のバックボーンは、より小さな曲げ又は撓みを受けることになる。
図4に表された状態下における第1の支持構造体108及び第2の支持構造部110の荷重の大きさは、飛行中に生じる重量W、推進力Ft及び入口荷重Fiの実際の値に応じて変わることになる。そのため、フレーム115の前方にある焦点Pfの位置は、コアエンジン14のバックボーンの曲げ及び撓みを有意に低減するための本発明の好ましい態様である。加えて、焦点Pfは、好ましくは、エンジン推力ベクトルFt及び入口荷重ベクトルFiの交差に近接近して配置され、エンジン10のファン入口組立体12A内に位置付けられるようにする。実際には、エンジンの分布質量はまた、エンジンバックボーン曲げの一因となり、焦点の最良位置は、航空機の飛行全体を通じて全ての発生源のバックボーン曲げを最小限にするよう請求項に記載される領域内で見つけられることになる。より具体的には、既知のエンジン設計と比べて焦点Pfを前方に移動させることで、曲げが最小になる。更に具体的には、荷重ベクトル120,122は、エンジン10の回転軸40とエンジン入口近傍のファン組立体平面17の交点付近の焦点Pfにて交差する。エンジン軸線に近接した第1及び第2のリンクの荷重ベクトルの交点(側方から見たとき)の位置を選択することにより、様々なエンジン作動モード時のエンジンのバックボーン曲げを低減又は排除することができる。
記載されたシステムは、静定的なものであること、及び「フェールセーフ」検討事項は、追加の「待機するフェールセーフ」特徴要素又は追加のリンクを含み、バックボーン曲げを低減することに関して同じ性能の非静定的なシステムになることを理解されたい。上述のことから、焦点Pfの位置は、リンクの組み合わせ及び構成、図に示されたものとは異なる装着位置で達成することができ、このような他の組み合わせ及び構成は、本発明の範囲内にある点は理解されたい。モーメントを導きだすために適用される数学的ベクトル分析を利用することにより、好適な代替形態を容易に特定することができる。
本発明の技術的効果は、入口荷重及びエンジン中心線に対してある位置又はその近傍で装着システムの焦点を位置付けて、高い推力レベルを発生する大型のターボファンエンジンにおいてもバックボーン曲げが無視できるレベルにまで低減することができる能力である。加えて、装着システムは、航空機ウィングをエンジンのフレームに結合し、装着システムがナセル又はファンケースに結合されないようにする。更に、装着システムは、バックボーン曲げを低減する従来の取り組みに通常付随するコスト又は重量上の相当な欠点を回避しながら、この利点を達成することができる。
パイロンを通じてエンジンを航空機ウィングに結合する方法及びシステムの上述の実施形態は、様々な作動モード時にパイロンの後方マウントにおける荷重を低減し、且つ荷重の変動を縮小するコスト効果があり且つ信頼性の高い手段を提供する。より具体的には、本明細書で記載される方法及びシステムはまた、高圧圧縮機及び高圧タービンの構造クリアランスを改善し、パイロンのフェアリングの輪郭の低減を可能にする。結果として、本明細書で記載される方法及びシステムは、コスト効果があり且つ信頼性の高い方式でエンジンを航空機に結合することができる。
装着システムの例示的な実施形態を上記で詳細に説明した。装着システム、及びこのようなシステム及び装置を作動させる方法は、本明細書で記載される特定の実施形態に限定されず、システムの構成要素及び本方法のステップは、本明細書で記載される他の構成要素及び/又はステップと独立して別個に利用することができる。例えば、本方法はまた、構成要素の装着を必要とする他のシステムと組み合わせて用いることができ、本明細書で記載されるシステム及び方法での実施に限定されない。
本発明の種々の実施形態の特定の特徴は一部の図面で示され、他の図面では示されない場合があるが、これは便宜上のことに過ぎない。本開示の原理によれば、図面の何れかの特徴は、他の何れかの図面のあらゆる特徴と組み合わせて言及し及び/又は特許請求することができる。
本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、更に、あらゆる当業者があらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること及びあらゆる包含の方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本開示の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、又は請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
航空機のエンジン支持構造体にエンジンを装着するためのシステムであって、
上記エンジンのウィングに結合され、前方マウントインターフェース及び後方マウントインターフェースを含み、該前方マウントインターフェース及び後方マウントインターフェースの各々が荷重の推力成分を受けるパイロン剛構造体と、
上記エンジンの回転軸を囲み、上側部分に沿って離間して配置された第1の支持接続部及び第2の支持接続部を含むフレームと、
上記フレームを上記剛構造体に結合し、第1のリンク機構ペア及び第2のリンク機構ペアを含むリンク構造体と、
を備え、
上記第1のリンク機構ペアが、上記回転軸に対して第1の角度で上記前方マウントインターフェースと上記第1の支持接続部との間に延び、
上記第2のリンク機構ペアが、上記回転軸に対して第2の角度で上記後方マウントインターフェースと上記第2の支持接続部との間に延び、
上記エンジンの回転軸を通って延びる垂直平面上への上記第1のリンク機構ペアの荷重ベクトルの射影と、上記第2のリンク機構ペアの荷重ベクトルの射影とが、上記回転軸に垂直方向に直交し且つファン組立体のノーズと上記エンジンの高圧圧縮機の軸方向中間点との間に延びる平面領域内で焦点にて上記エンジンの回転軸に近接して交差する、システム。
[実施態様2]
上記平面領域が、上記ファン組立体の前端と上記エンジンの高圧圧縮機の軸方向前端との間に延びる、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様3]
上記平面領域が、上記ファン組立体の回転平面と、上記エンジンの高圧圧縮機の入口ガイドベーンとの間に延びる、実施態様2に記載のシステム。
[実施態様4]
上記第1のリンク機構ペアと上記第2のリンク機構ペアの荷重ベクトルの射影が、上記エンジンの回転軸に近接して交差する、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様5]
上記リンク構造体が、上記第1及び第2のリンク機構ペアの後方で上記フレームに結合される第3のリンク機構ペアを含む、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様6]
上記エンジンの回転軸を通って延びる垂直平面上への上記第1のリンク機構ペアの荷重ベクトルの射影と、上記第2のリンク機構ペアの荷重ベクトルの射影とが、ファンロータの平面の後方で且つ上記回転軸の軸方向上方の上記フレームの前方の焦点(Pf)にて交差する、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様7]
上記焦点が、上記回転軸の半径方向上方、半径方向下方、又は回転軸上に直接の何れかに位置する、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様8]
上記剛構造体、上記フレーム、及び上記リンク構造体が静定構造体を構成する、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様9]
上記リンク構造体が、上記エンジンのファンのケーシングに結合されない、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様10]
上記第1のリンク機構ペアが、上記前方マウントインターフェースに枢動可能に装着され、上記第2のリンク機構ペアが、上記後方マウントインターフェースに枢動可能に装着される、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様11]
上記剛構造体がパイロンを含む、実施態様1に記載のシステム。
[実施態様12]
航空機ウィングにエンジンを結合する方法であって、
各々が荷重の推力成分を受ける前方マウントインターフェース及び後方マウントインターフェースを含む剛構造体を上記航空機ウィングに結合するステップと、
第1の支持接続部及び第2の支持接続部を含むフレームを上記エンジンの回転軸を囲むように該エンジンの周りに結合するステップと、
を含み、上記第1の支持接続部及び第2の支持接続部が、上記フレームの上側部分に沿って離間して配置され、
上記方法が更に、
リンク構造体の第1のリンク機構ペアを上記回転軸に対して第1の角度で上記前方マウントインターフェース及び上記第1の支持接続部に結合するステップと、
上記リンク構造体の第2のリンク機構ペアを上記回転軸に対して第2の角度で上記後方マウントインターフェース及び上記第2の支持接続部に結合するステップと、
を含み、上記第1のリンク機構ペア及び前記第2のリンク機構ペアの荷重ベクトルの射影が、ファンロータの平面に近接して交差し、該平面が、上記回転軸に垂直である、方法。
[実施態様13]
上記第1のリンク機構ペアを結合して上記第2のリンク機構ペアを結合することが、上記第1のリンク機構ペア及び前記第2のリンク機構ペアの荷重ベクトルの射影が上記エンジンの回転軸に近接して交差するように、上記第1のリンク機構ペアを結合し上記第2のリンク機構ペアを結合することを含む、実施態様12に記載の方法。
[実施態様14]
上記リンク構造体の第3のリンク機構ペアを上記第1のリンク機構ペア及び上記第2のリンク機構ペアの後方で上記フレーム及び上記剛構造体に結合するステップを更に含む、実施態様12に記載の方法。
[実施態様15]
上記第1のリンク機構ペア及び前記第2のリンク機構ペアの荷重ベクトルの射影が、上記回転軸に垂直方向に直交し且つファン組立体のノーズと上記エンジンの高圧圧縮機の軸方向中間点との間に延びる平面領域内で焦点にて上記エンジンの回転軸に近接して交差する、実施態様12に記載の方法。
[実施態様16]
リンク構造体の第1のリンク機構ペアを上記前方マウントインターフェースに結合することが、リンク構造体の第1のリンク機構ペアを上記前方マウントインターフェースに枢動可能に結合することを含み、
リンク構造体の第2のリンク機構ペアを上記後方マウントインターフェースに結合することが、リンク構造体の第2のリンク機構ペアを上記後方マウントインターフェースに枢動可能に結合することを含む、
実施態様12に記載の方法。
[実施態様17]
航空機であって、
ウィングと、
エンジンと、
上記ウィングと上記エンジンとの間に結合され、荷重の推力成分を各々が受ける前方マウントインターフェース及び後方マウントインターフェースを含むパイロンと、
上記エンジンの回転軸を囲むフレームと、
を備え、上記フレームが、該フレームの上側部分に沿って離間して配置された第1の支持接続部と第2の支持接続部とを含み、
上記航空機が更に、
上記フレームを上記剛構造体に結合し、第1のリンク機構ペア及び第2のリンク機構ペアを含むリンク構造体と、
を備え、
上記第1のリンク機構ペアが、上記回転軸に対して第1の角度で上記前方マウントインターフェースと上記第1の支持接続部との間に延び、上記第2のリンク機構ペアが、上記回転軸に対して第2の角度で上記後方マウントインターフェースと上記第2の支持接続部との間に延び、上記エンジンの回転軸を通って延びる垂直平面上への上記第1のリンク機構ペア及び上記第2のリンク機構ペアの荷重ベクトルの射影が、上記ファン組立体の平面に近接して上記エンジンの回転軸に直交し、上記平面が、上記回転軸に垂直方向に直交する、航空機。
[実施態様18]
上記第1のリンク機構ペア及び上記第2のリンク機構ペアの荷重ベクトルの射影が、上記エンジンの回転軸に近接して交差する、実施態様17に記載の航空機。
[実施態様19]
上記リンク構造体が、上記エンジンのファンのケーシングに結合されない、実施態様17に記載の航空機。
[実施態様20]
上記第1のリンク機構ペアが、上記前方マウントインターフェースに枢動可能に装着され、上記第2のリンク機構ペアが、上記後方マウントインターフェースに枢動可能に装着される、実施態様17に記載の航空機。
1 航空機
2 胴体
3 ウィング(翼)
4 エンジン
5 パイロン
10 エンジン
12 ナセル
14 コアエンジン
16 ファン組立体
17 ファン組立体平面
18 ファンブレード
20 スピナノーズ
22 HPC
23 入口ガイドベーン
24 燃焼器
26 HPT
28 LPT
30 バイパスダクト
32 ファン出口ノズル
36 コアカウル
38 一次排気ノズル
40 回転軸
42 エンジンファンケース
50 航空機
100 装着システム
102 パイロン
104 前方マウントインターフェース
106 後方マウントインターフェース
108 第1の支持接続部
110 第2の支持接続部
114 リンク構造体
115 フレーム
116 第1のリンク機構ペア
118 第2のリンク機構ペア
119 後方リンク
120 荷重ベクトル
122 荷重ベクトル
124 平面領域

Claims (10)

  1. 航空機(1)のエンジン支持構造体(3)にエンジン(10)を装着するためのシステム(100)であって、
    前記エンジンのウィング(3)に結合され、前方マウントインターフェース(104)及び後方マウントインターフェース(106)を含み、該前方マウントインターフェース及び後方マウントインターフェースの各々が荷重の推力成分を受けるパイロン剛構造体(102)と、
    前記エンジンの回転軸(40)を囲み、上側部分に沿って離間して配置された第1の支持接続部(108)及び第2の支持接続部(110)を含むフレーム(115)と、
    前記フレームを前記剛構造体に結合し、第1のリンク機構ペア(116)及び第2のリンク機構ペア(118)を含むリンク構造体(114)と、
    を備え、
    前記第1のリンク機構ペアが、前記回転軸に対して第1の角度(α)で前記前方マウントインターフェースと前記第1の支持接続部との間に延び、
    前記第2のリンク機構ペアが、前記回転軸に対して第2の角度(β)で前記後方マウントインターフェースと前記第2の支持接続部との間に延び、
    前記エンジンの回転軸を通って延びる垂直平面上への前記第1のリンク機構ペアの荷重ベクトル(120)の射影と、前記第2のリンク機構ペアの荷重ベクトル(122)の射影とが、前記回転軸に垂直方向に直交し且つファン組立体(16)のノーズ(20)と前記エンジンの高圧圧縮機(22)の軸方向中間点との間に延びる平面領域(124)内で焦点(Pf)にて前記エンジンの回転軸に近接して交差する、システム(100)。
  2. 前記平面領域(124)が、前記ファン組立体(16)の前端と前記エンジン(10)の高圧圧縮機(22)の軸方向前端との間に延びる、請求項1に記載のシステム(100)。
  3. 前記平面領域(124)が、前記ファン組立体(16)の回転平面(17)と、前記エンジン(10)の高圧圧縮機(22)の入口ガイドベーン(23)との間に延びる、請求項2に記載のシステム(100)。
  4. 前記第1のリンク機構ペア(116)と前記第2のリンク機構ペア(118)の荷重ベクトル(120,122)の射影が、前記エンジン(10)の回転軸(40)に近接して交差する、請求項1に記載のシステム(100)。
  5. 前記リンク構造体(114)が、前記第1及び第2のリンク機構ペア(116,118)の後方で前記フレーム(115)に結合される第3のリンク機構ペア(119)を含む、請求項1に記載のシステム(100)。
  6. 前記エンジン(10)の回転軸(40)を通って延びる垂直平面(124)上への前記第1のリンク機構ペア(116)の荷重ベクトル(120)の射影と、前記第2のリンク機構ペア(118)の荷重ベクトル(122)の射影とが、ファンロータ(20)の平面(17)の後方で且つ前記回転軸の軸方向上方の前記フレーム(115)の前方の焦点(Pf)にて交差する、請求項1に記載のシステム(100)。
  7. 前記焦点(Pf)が、前記回転軸(40)の半径方向上方、半径方向下方、又は回転軸(40)上に直接の何れかに位置する、請求項1に記載のシステム(100)。
  8. 前記剛構造体(102)、前記フレーム(115)、及び前記リンク構造体(114)が静定構造体を構成する、請求項1に記載のシステム(100)。
  9. 前記リンク構造体(114)が、前記エンジン(10)のファンのケーシング(36,42)に結合されない、請求項1に記載のシステム(100)。
  10. 前記第1のリンク機構ペア(116)が、前記前方マウントインターフェース(104)に枢動可能に装着され、前記第2のリンク機構ペア(118)が、前記後方マウントインターフェース(106)に枢動可能に装着される、請求項1に記載のシステム(100)。
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