JP2017170921A - 車両の横風予測報知システムおよび横風予測報知方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の走行進路上の横風注意箇所の風の向き、風の強さの程度を予測し、予測された横風の強さの警報レベルに応じた情報を、横風注意箇所に到達する所定時間手前で発信し、報知するもの。【解決手段】車両の横風予測報知システム20の制御ユニット24は、自車の車両進路前方の所定距離内に、横風が発生し易い横風注意箇所があるとき、前記横風注意箇所の風の向き、風の強さの程度を予測する横風予測手段39と、予測された風の強さに応じた警報レベルを決定する警報レベル判定手段40と、前記警報レベルに応じた警報を、前記自車が横風注意箇所に到達する所定時間手前で発信する警報発信手段42とを備えたことを特徴とするものである。【選択図】 図2
Description
本発明は、運転中の車両が受ける車両の横風の強さ、風の向きを事前に予測し、報知する車両の横風予測報知システムおよび横風予測報知方法に関する。
車両を運転中に横風を受けて走行車両がふらつき、運転者は予期せぬ車両の挙動に慌てることがある。特に、自動二輪車は、横風の強さ如何によって車両のふらつき、転倒や他車両との接触等を引き起こす可能性がある。車両に作用する横風を事前に予測し、報知することで、運転者は走行が不安定となる車両のふらつきを予知することができ、事前に横風対策に対する対応準備(心構え)ができるので、車両走行の予防安全技術の観点から好ましい。
車両に作用する横風を事前に予測し、報知する技術として、特許文献1および2に開示されたものがある。引用文献1は、車両前方をカメラで撮影し、樹木等の風揺れ状態から横風の向きやその強さを推定し、横風が一定以上強い場合に運転者に警告を発するようにした横風警告技術である。
また、特許文献2は、車両がふらついたことを検知し、車両のふらつきが地理データにより横風によるものと判断した場合、自車両の現在位置を取得して横風発生位置の存在を横風判定サーバに照会する。自車両の進行方向前方の所定距離、例えば2km以内に、他車両検知の横風発生位置が存在するときで、かつ自車両が横風発生予測領域内に入った場合に、自車両の運転者に横風発生が予測される旨を事前に報知する技術が示されている。
特許文献1に記載の横風警告技術では、車両の進行方向前方に風で揺れる物体が存在しない場所、夜間やトンネル内等で前方に風で揺れる物体が見えない場所では、横風の予測が困難な場合があるという課題がある。
また、特許文献2に記載の車両の横風予測報知技術では、車両が横風予測発生領域に入ったときに、無線通信により横風発生の有無情報が車両に通知される。しかし、特許文献2では、横風発生有無情報のみで、横風の強さの程度や風の向きを予測することは困難である。
したがって、車両の運転者は横風の発生を予測することができても、横風の強さの度合や風の向きを予測できないため、不安が残る。車両には、ワンボックスカーやバス、冷蔵・冷凍車両の車種のように横風の影響を強く受ける車両が存在する。さらに、自動二輪車では、車両のタイプにより、車両のふらつき度合が異なるために、自動二輪車の運転者は、四輪車両の運転者に比べ、不安が大きいという課題がある。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、車両の走行進路上の横風注意箇所の風の向き、風の強さの程度を予測し、予測された横風の強さの警報レベルに応じた警報を、横風注意箇所に到達する所定時間手前で発信し、報知する車両の横風予測報知システムおよび横風予測報知方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するために、制御ユニットを備えた車両の横風予測報知システムであって、前記制御ユニットは、自車の車両進路前方の所定距離内に、横風が発生し易い横風注意箇所があるとき、前記横風注意箇所の風の向き、風の強さの程度を予測する横風予測手段と、予測された風の強さに応じた警報レベルを決定する警報レベル判定手段と、前記警報レベルに応じた警報を、前記自車が横風注意箇所に到達する所定時間手前で発信する警報発信手段とを備えたことを特徴とする車両の横風予測報知システムである。
また、本発明は、上述した課題を解決するために、走行中の自車の位置情報を取得し、前記自車の車両進行方向前方の所定距離内に横風が発生し易い横風注意箇所があるとき、前記横風注意箇所の風の向き、風の強さの程度を予測し、予測された風の強さに応じた警報レベルを決定し、前記警報レベルに応じた警報を、前記自車が横風注意箇所に到達する所定時間手前で発信することを特徴とする車両の横風予測報知方法である。
本発明においては、自車の車両進路前方の所定距離内に横風注意箇所があるとき、横風注意箇所の風の向き、風の強さの程度を、自車が横風注意箇所に到達する所定時間手前で予測し、横風の強さに応じた警報レベルで運転者に報知することができるので、突然の横風にも余裕を持って対応することができ、安全確認の可能性を高めることができる。
以下、本発明に係る実施の形態を添付図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態を自動二輪車に適用した例を示すもので、運転席からハンドル部を見下ろした車両後面図であり、図2は、自動二輪車に備えられる車両の横風予測報知システムを示すシステム構成図である。
図1は、本発明の第1実施形態を自動二輪車に適用した例を示すもので、運転席からハンドル部を見下ろした車両後面図であり、図2は、自動二輪車に備えられる車両の横風予測報知システムを示すシステム構成図である。
[自動二輪車]
図1に示された自動二輪車10は、車体フレーム11の前方にウインドスクリーン12が備えられる。ウインドスクリーン12の後方斜め上方に、タコメータやスピードメータ、ギアポジション等を表示するメータ類13が防水処理されて設けられ、ハンドル14の両サイド側にリヤビューミラー15が取り付けられる。また、ハンドル14のメータ類13周辺近傍で運転者の見易い位置に、スマートフォン等の携帯端末17が設けられる。携帯端末17は、例えばハンドル14に着脱自在に設置される。
図1に示された自動二輪車10は、車体フレーム11の前方にウインドスクリーン12が備えられる。ウインドスクリーン12の後方斜め上方に、タコメータやスピードメータ、ギアポジション等を表示するメータ類13が防水処理されて設けられ、ハンドル14の両サイド側にリヤビューミラー15が取り付けられる。また、ハンドル14のメータ類13周辺近傍で運転者の見易い位置に、スマートフォン等の携帯端末17が設けられる。携帯端末17は、例えばハンドル14に着脱自在に設置される。
[車両の横風予測報知システム]
自動二輪車10には、車両の横風予測報知システム20を構成するスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末17と車両側車載機器21とが備えられる。携帯端末17は、アプリケーションで実行される一方、無線でデータ通信可能な通信部22と、データ記憶部23と、CPUやECU(Electronic Control Unit)等の制御部24と、警報表示手段25とを備える。警報表示手段25はモニタ等の表示部26と、スピーカ等の音発生部27とを有する。
自動二輪車10には、車両の横風予測報知システム20を構成するスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末17と車両側車載機器21とが備えられる。携帯端末17は、アプリケーションで実行される一方、無線でデータ通信可能な通信部22と、データ記憶部23と、CPUやECU(Electronic Control Unit)等の制御部24と、警報表示手段25とを備える。警報表示手段25はモニタ等の表示部26と、スピーカ等の音発生部27とを有する。
ここにおいて、横風とは、車両の走行方向に対して非平行な方向から吹く風であって、車両の側方に吹き付ける風をいう。
通信部22は、Wi−Fi,タブレット等の無線LANやLTE/3G等でモバイル通信可能であり、GPS28や気象情報サイト29等と無線通信が行なわれる。通信部22はGPS28を利用することで、自車の現在位置を3G(立体)位置情報の自車位置情報として取得でき、気象情報サイト29を利用することで、風の向きおよび風の強さを表示した公共の風予測情報を取得することができる。さらに、通信部22は、車載機器21の通信部30とブルートゥース(Bluetooth:登録商標)や赤外線を用いて無線データ通信可能でセットされる。
携帯端末17のデータ記憶部23は、地図情報31、自車位置情報32、風予測情報33、横風注意箇所情報34、ふらつき度マップ35、車両タイプ情報36および周辺車両情報37をそれぞれ格納するデータベースである。データ記憶部23には地図情報31、ふらつき度マップ35および車両タイプ情報36が予め設定されて格納されている。また、データ記憶部23には、通信部22が取得した自車位置情報32、風予測情報33、横風注意箇所情報34や周辺車両情報37等は一時的に格納され、保存される。
さらに、携帯端末17の制御部24は、コンピュータであるCPUやECU等の制御ユニットで構成される。制御ユニットの制御部24は、横風予測部39と、警報レベル判定部40と、周辺車両検出部41と、警報発信部42等とを備える。横風予測部39は、データ記憶部23の地図情報31や自車位置情報32、公共の風予測情報33、横風注意箇所情報34等に基づき、自車の進路前方の所定距離(例えば1km)以内の風の向きや風の強さの程度が算出され、予測される横風予測手段を構成している。
また、自動二輪車10には車体に車載機器21が搭載されており、この車載機器21にコンピュータである車両ECU(Electric Control Unit)45が備えられる。車両ECU45に車両周辺検出装置46のミリ波レーダ47や車外カメラ48が接続される。車外カメラ48は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラで構成され、車外カメラ48で車両周辺の状況が把握される。なお、ミリ波レーダ47を設けた場合、自動二輪車10では四輪車と異なり、車外カメラの設置は必ずしも必要としない。
また、ミリ波レーダ47は、ミリ波帯の電波(電磁波)を用いた車載レーダ機器(ユニット)である。ミリ波レーダ47は、波長がミリメートルオーダ(1mm〜10mm)で、周波数が30GHz〜300GHzのミリ波イメージング技術を、歩行者、車両、車線認識、標識等の認識技術に適用した車載レーダユニットである。ミリ波レーダ47は、車外カメラ48と同様にして設けられる。
ミリ波レーダ47は、ミリ波帯の電波(電磁波)を用いたもので、耐天候性(雨、雪、霧等)や、夜間、逆光等の悪環境下の検知性能が画像センサやレーザレーダセンサより格段に優れている。ミリ波レーダ47は、例えば77GHz帯FM−CW(Frequency Modulated−Continuous Wave)方式を採用したものは、車両や歩行者の相対距離および相対速度を高精度で算出することができる。このミリ波レーダ47の主な仕様例を図3に示す。
ミリ波レーダ47や車外カメラ48で車両周辺が検出された検出信号は、車両ECU45で信号処理される一方、車両ECU45の処理信号は通信部30から携帯端末17の通信部22に無線データ送信され、データ記憶部23の周辺車両情報37に格納され、周辺車両情報37に自車両の周辺情報が保存される。
[携帯端末の制御ユニット]
携帯端末17の制御部24は、CPUやECU等のコンピュータで構成される制御ユニットである。コンピュータである制御ユニットの制御部24は、横風予測部39等を備え、図4の横風予測フローチャートで示される車両の横風予測報知方法が実施される。
携帯端末17の制御部24は、CPUやECU等のコンピュータで構成される制御ユニットである。コンピュータである制御ユニットの制御部24は、横風予測部39等を備え、図4の横風予測フローチャートで示される車両の横風予測報知方法が実施される。
制御部24の横風予測部39は、自車の進路前方の所定距離内の風の向きや横風の強さの程度を予測する横風予測手段を構成している。横風予測部39は、データ記憶部23の地図情報31や自車位置情報32、風予測情報33および横風注意箇所情報34から地理(地形)情報や自車位置、横風注意箇所(地点)情報等が入力されて演算処理され、自車の進路前方の所定距離(例えば1km)内に横風が発生し易い横風注意箇所が存在するか否かをモニタリングし、横風注意箇所の有無を判断している。
横風注意箇所(地点)は、例えばトンネル出口や山間の橋梁、防音壁や大型建築物の切れ目等、横風が発生し易い地理的形状や位置がデータ記憶部23の横風注意箇所情報34に予め登録されている。
そして、制御部24の横風予測部39は、地図データ上の自車の進路上に予め登録された横風が発生し易い横風注意箇所に一致する登録条件箇所が存在する場合、横風発生可能性が大であると判断して、自車の運転者に、風の強さや風の向きを予測する横風予測を報知することができるようになっている。
また、データ記憶部23には、公共の気象情報サイト29から通信部22を経て取得される風予測情報33が格納される。データ記憶部23の風予測情報33は、自車位置情報32と共に横風予測部39に入力される。この横風予測部39で横風注意箇所周辺の「風向き」と「風速(平均風速)」データが得られるようになっている。風速は、例えば10分間の平均風速がカウントされ、表示される。
具体的には、データ記憶部23の風予測情報33には、例えば図4に示すように風の強さを表わす気象庁の風力階級データが予め格納されており、さらに、WEBサイト上に公開されている図5の風予測(地上)マップの画像データが時々刻々変化するが、利用可能に格納される。
本実施形態の車両の横風予測報知システム20において必要な情報は、例えば10km(あるいは数km)四方エリアに分割された各エリアの中から自車が位置するエリアPの「風向/風速」である。このため、図5に示された画像データは、携帯端末17のアプリケーションを用いて、エリアPに必要な形、例えば「風向/風速:北西5m/s」のようにピックアップ処理して表示部26に表示できるように構成されており、得られたエリアPの画像データに直接数値データが取り込まれるようにすることが好ましい。また、エリアPの「風向/風速」は矢印表示や色別表示で視覚的に瞬時に理解できるように表示することが望ましい。
また、データ記憶部23の横風注意箇所情報34には、地図情報の地理形状に応じた「地形係数」が格納されている。例えば山間の橋梁等は、風の通り道となっていて平均風速との差が大きい傾向にあるため、地形係数が1.5に設定され、海岸沿い等は平均風速との差が山間の橋梁等程大きくないため、地形係数が1.1に設定される。データ記憶部23の横風注意箇所情報34には、自車の進路前方である車両通過予定地点の地理形状に照し合せた地形係数が設定され、横風予測部39に入力されて使用される。地形係数は、制御部24で演算処理可能に数値化される。
制御ユニットを構成する制御部24の警報レベル判定部40は、自車情報(車両タイプ情報)横風予測情報、周辺車両情報等に基づき自車ふらつきレベルを予測し、警報レベルを判定するように警報レベル判定手段を構成している。警報レベル判定部40には、横風予測部39から風の向きや風の強さを予測する横風予測データが入力される一方、データ記憶部23のふらつき度マップ35や車両タイプ情報36から検出情報が入力され、自車ふらつきレベルが算出される。
ふらつき度マップ35は、バスやトラックの大型車が自車の側方を通過すると、大型車が発生させる側部から後部にかけて巻込み風の影響を受け、大型車の巻込み風に横風が加わると、よりふらつき度が増すようになっている。警報レベル判定部40では警報レベルの判定を演算処理できるように数値化して演算処理される。大型車が自車の側方を通過する可能性が大の場合、あるいは自車の側方を通過する可能性が極めて小さい場合を数値化し、例えば大型車有係数では1.2を、大型車無係数では1.0をそれぞれ使用する。さらに、中型車有係数に1.1を使用し、検出された大型車有無係数情報を警報レベル判定部40に送るようになっている。
さらに、データ記憶部23の車両タイプ情報には、自車両がタイプ別に分けられて車両タイプ係数として設定され、格納されている。自動二輪車では車両タイプにより横風の影響度合いが異なる。本実施形態では、自車両のタイプを「カウリングの有無」、「ニーグリップの可否」で分類して、以下の3通りの車両タイプに分けて「車両タイプ係数」を決定し、自車両のタイプに当てはまる「車両タイプ係数」を使用する。
例えば、「車両タイプ係数」は、次の3種類に分類される。
1)カウリング有/ニーグリップ不可 …スクータタイプ係数 :1.3
2)カウリング有/ニーグリップ可 …スポーツ・ツアラータイプ係数 :1.2
3)カウリング無/ニーグリップ可 …ネイキッド・アメリカンタイプ係数:1.1
1)カウリング有/ニーグリップ不可 …スクータタイプ係数 :1.3
2)カウリング有/ニーグリップ可 …スポーツ・ツアラータイプ係数 :1.2
3)カウリング無/ニーグリップ可 …ネイキッド・アメリカンタイプ係数:1.1
また、制御ユニットである制御部24の周辺車両検出部41は、データ記憶部23の周辺車両情報37により、自車の周辺車両情報を検出している。ミリ波レーダ47や車外カメラ48で検出された車両周辺情報、特に、後車両の車両の種類(車両タイプ)や車間距離相対速度等が検出され、検知できるようになっている。
ところで、制御ユニットである制御部24の横風予測部39は、自車の進路前方に横風注意箇所(地点)か存在する場合、横風注意地点を通過する時点で大型車が自車の側方を通過するか否かが判断され、予測される。
大型車が自車の側方を通過するか否かの判定を、高速道路のトンネル出口が横風注意地点となるトンネル内を走行する自車の例をとって説明する。
図6は、自動二輪車である自車両50が、トンネル51内の地点Aを速度V1で走行していて、後方に大型車両52が速度V2(V2>V1)で走行している周辺車両検知例を示す概念図である。
すなわち、自車両50が速度V1で(横風注意地点(箇所)である)、トンネル出口(地点B)の手前L1の距離を走行(位置)していて、後方L2の距離に大型車両52が速度V2(V2>V1)で走行している場合である。自車両50と大型車両52とがトンネル出口(地点B)に到達する時間が等しければ、横風注意地点であるトンネル出口(地点B)で、図7に示すように大型車両52が自車両50の側方を通過する可能性が大であると判断する。その他の横風注意地点、例えば山間の橋梁、防音壁や大型建築物の切れ目等の手前においても、周辺車両検出部41は自車の走行態様が近似もしくは等しければ、同様の判定が行なわれる。
さらに、制御部24の警報レベル判定部40では、横風予測部39からの横風予測データ、車両タイプ情報36、および周辺車両検出部41からの周辺車両データを集約し、自車両50の通過予定時点の運転者の体感横風予測値を算出するようになっている。この体感横風予測値は、制御部24の横風予測部39で算出し、予測するようにしてもよい。
体感横風予測値は、一例では自車周辺の「風速(平均風速)」に「地形係数」、「車両タイプ係数」、「大型車有無係数」を乗じて算出される。具体例では、自車両50がスクータ車両で走行中に平均風速5m/sの情報を取得し、大型車が接近状態で山間の橋梁を通過予定の場合、地形係数1.5、車両タイプ係数1.3、大型車有無係数1.2が適用され、体感横風予測値は、5(m/s)×1.5×1.3×1.2=11.7m/sとなる。
加えて、制御部24の警報発信部42は、警報レベル判定部40から判定信号を受信して表示装置の表示部26や音発生装置の音発生部27に警報を発信するようになっている。警報レベル判定部40は、図4に表示された気象庁の風速階級マップを読み込み、算出された体感横風予測値を当てはめ、警報レベルとする。体感横風予測値が11.7m/sの場合には、警報レベル6(雄風)と判定して、警報発信部42に送信するようになっている。
[車両の横風予測報知方法]
自車両が運転状態にあり、スマートフォン等の携帯端末17は、アプリケーションを立ち上げることにより、横風予測報知システム20が起動される。横風予測報知システム20が起動すると、コンピュータであるCPUの制御部24は、図8に示す横風予測フローチャートのプログラムが実行される。
自車両が運転状態にあり、スマートフォン等の携帯端末17は、アプリケーションを立ち上げることにより、横風予測報知システム20が起動される。横風予測報知システム20が起動すると、コンピュータであるCPUの制御部24は、図8に示す横風予測フローチャートのプログラムが実行される。
横風予測フローのプログラムでは、ステップ1(S1)でGPS28から携帯端末17のデータ記憶部23に自車位置情報が取得され、S2で制御ユニットの制御部24は、横風予測部39により地図情報を読み込み、これを自車位置情報と照し合せ、自車の現在走行中の地点が確認される。続いて、S3で、横風予測部39は横風注意位置情報を読み込み、自車の進路前方の所定距離(例えば1km)以内に横風が発生し易い横風注意箇所があるか否かを判定する。自車の進路前方の所定距離内に横風が発生し易い横風注意箇所が存在しない場合には、横風注意箇所(地点)がない(NO)として横風予測フローチャートのプログラムが終了し、STARTに戻る。
自車両の進路前方の所定距離内に横風注意箇所が存在する場合には、S4に移行し、公共の気象情報サイト29から風予測情報を取得して演算される。横風予測部39では、風予測情報を自車位置情報と照し合せ、自車周辺の「風向き」と「風速(平均風速)」データを取得する。
次に、S5で、横風予測手段である横風予測部39は、横風注意箇所の地理形状情報を読み込み、地形係数を決定する。地形係数は、山間の橋梁等では1.5、海岸等では1.1と設定する。通過予定地点の地理形状に照し合せた「地形係数」が設定されており、使用される。
続いて、制御ユニットである制御部24の警報レベル判定部40では、S6でデータ記憶部23の車両タイプ情報36に格納されている自車両タイプ情報が読み込まれ、「車両タイプ係数」を決定する。車両タイプ係数は、自車両タイプ別に「カウリングの有無」や「ニーグリップの可否」に応じて、例えば3種類に分類され、自車両の車両タイプに当てはまる車両タイプ係数が使用される。例えば、カウリング有/ニーグリップ不可のスクータ型車両では車両タイプ係数1.3が使用される。
また、制御ユニットである制御部24の周辺車両検出部41では、S7で自車周辺の車両(交通)情報を取得し、大型車の接近の有無を判定し、「大型車有無係数」を決定する。大型車有無係数は、例えば大型車有の場合1.2、大型車無の場合、大型車有無係数が1.0、中型車有の場合1.1に設定される。
さらに、制御部24の警報レベル判定部40は、横風予測部39からの横風予測データ、車両タイプ情報36、および周辺車両検出部41からの周辺車両データを集約し、S8で自車が通過予定地点の体感横風予測値が算出される。体感横風予測値は、制御部24の横風予測部39で算出してもよく、自車周辺の「風速(平均風速)」に「地形係数」、「車両タイプ係数」、「大型車有無係数」を乗じて算出される。
具体例では、自車がスポーツタイプの自動二輪車で、車両走行中に平均風速5m/sの風予測情報を取得し、大型車が接近状態で山間の橋梁を通過予定の場合、地形係数1.5、車両タイプ係数1.2、大型車有無係数1.2が適用され、体感横風予測値=5(m/s)×1.5×1.2×1.2=10.8m/sとなる。
次に、S9で制御部24の警報レベル判定部40で警報レベルを判定する。
警報レベル判定部40では、気象庁の風速階級マップ(図4参照)を読み込んで、算出されたS8の体感横風予測値を当てはめ、警報レベルとする。S8の体感横風予測値(10.8m/s)の例では、警報レベル6(雄風)と判定される。
S10では、制御部24の警報発信部42が警報を発信するか否かを確認する。警報レベル判定部40からの警報レベルが0〜3の場合、横風の影響は小さいと判断し、警報を発信しない。図4で示される警報レベル4以上の場合、警報レベルに応じた警報を発信する。
警報レベルが4以上の場合は、S11で自車両が横風注意箇所に到達する所定時間(t)前に警報を警報表示装置25の表示部26や音発生装置の音発生部27から発信する。
本実施形態では、自車両が横風注意箇所(地点)到達の数秒前、例えば5秒前に警報を発信する。警報は、警報確認時間を含め、対応準備が可能な適切な時間が設定されて発信する。例えば、5秒前は自車両が80kmで走行している場合、約111m手前となる。なお、大型車有無係数を使用した場合には、大型車の接近情報も警報発信部42から同時に発信するのが好ましい。
警報は、スマートフォン等の携帯端末17(警報表示装置25)の表示部26に、「警告・横風注意!!、警報レベル6(雄風)」等の内容を点滅表示させたり、音発生部27のスピーカから音声で警告音を発生させて報知してもよい。
また、自動二輪車10のハンドルグリップ部やシート部に振動発生部を設け、体感できる振動により警告してもよく、これらと組み合せてもよい。
警報発信後、S12のRETURNからSTARTに戻り、横風予測が繰り返される。
なお、図8に示す横風フローチャートのS5,S6,S7のフロー処理における各係数は、本実施形態における一例であり、各係数は、種々の実験データや実測定値等に基づいて、別途設定してもよい。
また、運転者が体感横風予測値による報知内容との間に体感の差を感じた場合、運転後体感結果を入力できるように構成し、データの蓄積により各係数を補正していくように構成することで、横風予測精度を向上させることができる。
[第1実施形態の効果]
本実施形態では、自動二輪車に備えられる横風予測報知システムが自車の進路前方の所定距離内に、横風が発生し易い横風注意箇所(地点)を事前に予測し、横風の向きや風の強さの程度を報知するので、冷静に横風に対する事前の心構えができ、突然の横風に余裕を持って対応することができ、安全確認の向上を図ることができる。横風に対する対応は、自動二輪車のニーグリップをしっかりし直したり、大型車から離れた風上側に車両を寄せたり、速度を落とす等の対応を余裕を持って行なうことができることである。
本実施形態では、自動二輪車に備えられる横風予測報知システムが自車の進路前方の所定距離内に、横風が発生し易い横風注意箇所(地点)を事前に予測し、横風の向きや風の強さの程度を報知するので、冷静に横風に対する事前の心構えができ、突然の横風に余裕を持って対応することができ、安全確認の向上を図ることができる。横風に対する対応は、自動二輪車のニーグリップをしっかりし直したり、大型車から離れた風上側に車両を寄せたり、速度を落とす等の対応を余裕を持って行なうことができることである。
また、横風の強さ(体感横風予測値)に応じて警報レベルを設置し、報知するので、警報レベルにより、横風の強さが分り、横風に対する心構えがより確実になり、運転者のストレス軽減を図ることができる。
さらに、運転車の車両タイプに応じて横風の強さが補正されるので、運転車の車両タイプに適した警報レベルの報知により、横風の予測精度を向上させることができる。加えて、周辺車両の状況により横風の強さが補正され、大型車の巻込み風を考慮した警報レベルの報知により、横風の予測精度がより一層向上する。
自車両が横風注意箇所(地点)に到達する所定時間前に警報レベルの報知により、警報確認後、対応準備が可能な適切な時間(距離)が得られ、横風に余裕を持って対応可能であり、安全確認の向上が図れる。
さらに、本実施形態では、携帯端末17が周辺車両検出部41を有し、ミリ波レーダ47等で検出された車両周辺情報を警報等で報知させ、特に後方車両の大型車や車線変更等を行なって追越しをかけてくる後方車両の存在を警報等で報知させることができるので、後方車両の確認性を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る車両の横風予測報知システムの第2実施形態を、図9を参照して説明する。
次に、本発明に係る車両の横風予測報知システムの第2実施形態を、図9を参照して説明する。
図9は第2実施形態に係る車両の横風予測報知システムのシステム構成図である。
第1実施形態に係る車両の横風予測報知システム20は、システムの構成および横風予測報知を全て携帯端末17側で実施した例を示したが、第2実施形態の車両の横風予測報知システム20Aは、携帯端末17側のシステム構成の一部を車載機器21A側に負担させた車両ECUの制御部24Aで行なうようにしたものである。第2実施形態の横風予測報知システム20Aを説明するに当り、第1実施形態の横風予測報知システム20と同じ構成には、同一符号を付して重複説明を省略あるいは簡素化する。
第2実施形態の車両の横風予測報知システム20Aにおいて、携帯端末17Aは、通信部22とデータ記憶部23Aとを有し、データ記憶部23Aは、地図情報31、自車位置情報32、風予測情報33および横風注意箇所情報34が格納されたデータベースである。
また、携帯端末17Aの通信部22は、車両側車載機器21Aの通信部30と双方向通信可能に構成される。車載機器21Aは通信部30の他、コンピュータを構成する車両ECUの制御部24A、警報表示装置25Aおよび車両周辺検出装置46を備える。
車載機器21Aの制御部24Aは、コンピュータである車両ECU45の制御ユニットで構成される。制御ユニットの制御部24Aは、データ記憶部23B、横風予測部39、周辺車両検出部41、警報レベル判定部40および警報発信部42を有する。さらに、データ記憶部23Bは、ふらつき度マップ35、車両タイプ情報36および周辺車両情報37とが格納されている。データ記憶部23Bは携帯端末17Aのデータ記憶部23Aから分れて構成されるが、全体として、第1実施形態の携帯端末17のデータ記憶部23と働きや機能を同じくする。
データ記憶部23Bの周辺車両情報37には、車両周辺検出装置46を構成するミリ波レーダ47および車外カメラ48から検出信号が入力され、自車の車両周辺情報が検出される。
制御ユニットを構成する制御部24Aの横風予測部39、警報レベル判定部40、周辺車両検出部41および警報発信部42をさらに備える。制御部24Aの横風予測部39、警報レベル判定部40、周辺車両検出部41および警報発信部42の役割や機能は、第1実施形態に示された制御ユニットの制御部24と異なるところがない。第2実施形態では車載機器21Aに備えられた制御ユニットの制御部24Aで、車両の横風予測報知方法が図4に示された横風予測フローのプログラムで実施される。
第2実施形態の車両の横風予測報知システム20Aは、システム構成の主要部を車載機器21Aの制御ユニットである車両ECU45の制御部24Aに備えたものである。制御ユニットの制御部24Aにデータ記憶部23B、横風予測部39、警報レベル判定部40および周辺車両検出部41等を備えたものである。
なお、第2実施形態では、車載機器21Aの警報発生装置25に振動発生部49が備えられる。振動発生部49は自動二輪車のシートに取り付けられた振動発生装置である。
第2実施形態の車両の横風予測報知システム20Aでは、車載機器21Aに備えられた制御部24Aがコンピュータである制御ユニットを構成している。制御ユニットの制御部24Aは、車載機器21Aのプログラムが起動すると、図4に示す横風予測フローが実行され、車両の横風予測報知方法が実施される。
[第2実施形態の効果]
第2実施形態の車両の横風予測報知システムにおいても、第1実施形態と同様な作用効果を奏する。
第2実施形態の車両の横風予測報知システムにおいても、第1実施形態と同様な作用効果を奏する。
本発明に係る車両の横風予測報知システムの各実施形態では、自動二輪車に適用した例を説明したが、四輪車両に適用してもよい。四輪車両に適用した場合には、車両タイプ情報は、車両タイプが軽車両や普通車両、バスや冷凍・冷蔵車両のような屋根付車両、大型車両等に応じて車両タイプ係数が定められる。
以上、本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、3輪の車両に適用することができ、様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…自動二輪車、11…車体フレーム、12…ヘッドパイプ、13…メータ類、14…ハンドル、15…サイドミラー、17,17A…携帯端末、20,20A…車両の横風予測報知システム、21,21A…車載機器、22…通信部、23,23A,23B…データ記憶部、24,24A…制御部(制御ユニット)、25…警報表示装置、26…表示部、27…音発生部、28…GPS、29…気象情報サイト、30…通信部、39…横風予測部(横風予測手段)、40…警報レベル判定部(警報レベル判定手段)、41…周辺車両検出部(周辺車両検出手段)、42…警報発信部(警報発信手段)、45…車両ECU、46…車両周辺検出装置、47…ミリ波レーダ、48…車外カメラ、49…振動発生部、50…自車両、51…トンネル、52…大型車両。
Claims (7)
- 制御ユニットを備えた車両の横風予測報知システムであって、
前記制御ユニットは、自車の車両進路前方の所定距離内に、横風が発生し易い横風注意箇所があるとき、前記横風注意箇所の風の向き、風の強さの程度を予測する横風予測手段と、
予測された風の強さに応じた警報レベルを決定する警報レベル判定手段と、
前記警報レベルに応じた警報を、前記自車が横風注意箇所に到達する所定時間手前で発信する警報発信手段とを備えたことを特徴とする車両の横風予測報知システム。 - 前記横風予測手段は、自車の車両進路前方の所定距離内に横風が発生し易い横風注意箇所が存在するか否かを判断するとともに、前記横風注意箇所の風の向き、風の強さの程度を、気象情報サイトから検知される風予測情報とGPSから検知される自車位置情報とを照し合せて予測する構成を備えた請求項1に記載の車両の横風予測報知システム。
- 前記警報レベル判定手段は、自車の車両タイプに応じて前記警報レベルが決定される請求項1に記載の車両の横風予測報知システム。
- 前記警報レベル判定手段は、周辺車両検出手段で検出される車両周辺情報を考慮して警報レベルが決定される請求項1または3に記載の車両の横風予測報知システム。
- 前記警報レベル判定手段は、自車が横風注意箇所を通過するとき、自車の側方を大型車が通過する可能性の大小に応じて定められる大型車有無係数を考慮して警報レベルが決定される請求項1,3および4のいずれか1項に記載の車両の横風予測報知システム。
- 前記警報レベル判定手段は、自車周辺の平均風速に地形係数、車両タイプ係数、大型車有無係数を乗じて算出される体感横風予測値を警報レベルとする請求項1,3,4および5のいずれか1項に記載の車両の横風予測報知システム。
- 走行中の自車の位置情報を取得し、
前記自車の車両進行方向前方の所定距離内に横風が発生し易い横風注意箇所があるとき、前記横風注意箇所の風の向き、風の強さの程度を予測し、
予測された風の強さに応じた警報レベルを決定し、
前記警報レベルに応じた警報を、前記自車が横風注意箇所に到達する所定時間手前で発信することを特徴とする車両の横風予測報知方法。
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