JP2017169141A - 寝具用音響システムおよび寝具用音響装置 - Google Patents

寝具用音響システムおよび寝具用音響装置 Download PDF

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Abstract

【課題】定在波の発生を低減させつつ、天井で反射した音をより拡散させる。【解決手段】寝具用音響システム100は、寝具10と、寝具10の利用者Hが横臥する面Fに対して上向きに音を放音する上向スピーカと、上向スピーカを寝具10に取り付ける上向取付部とを備え、上向取付部は、利用者Hが横臥する面Fよりも外側に対して音を放音するように上向スピーカを傾けた状態で保持する。【選択図】図1

Description

本発明は、音場に広がりをだすとともに快適な音響空間を寝具の利用者に提供する技術に関する。
寝具の利用者に快適な音響空間を提供するための各種の技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、リラクゼーション効果を高めるために、音響機構を備えた寝具に関する技術が開示されている。具体的には、寝具の利用者が就寝時に横臥する面に対して垂直方向に音を放音するスピーカを、利用者の就寝時に頭部の左右に配置する寝具構造が開示されている。
特開2000−83766号公報
しかし、特許文献1の技術では、スピーカは、利用者が就寝時に横臥する面に対して垂直方向に、つまり天井に対して直角に音を放音するので、天井で反射した音はあまり拡散せず立体的なサラウンド効果が得られにくい。また、天井と床面とで反射を繰り返すことで定在波が発生し、特定の周波数帯域の音が大きく聞こえたり、逆に小さく聞こえたりするため寝具の利用者にとって快適な音響空間とはいえない。以上の事情を考慮して、本発明は、定在波の発生を低減させつつ、天井で反射した音をより拡散させることを解決課題の一つとする。
以上の課題を解決するために、本発明に係る寝具用音響システムの一態様は、寝具と、寝具の利用者が横臥する面に対して上向きに音を放音する上向スピーカと、上向スピーカを寝具に取り付ける上向取付部とを備え、上向取付部は、利用者が横臥する面よりも外側に対して音を放音するように上向スピーカを傾けた状態で保持する。この態様では、利用者が横臥する面に対して上向きで、かつ、利用者が横臥する面よりも外側に音が放音される。寝具の利用者が横臥する面に対して垂直方向に音が放音される態様では、上向スピーカから放音される音は、寝具が置かれている部屋の天井に対して略直角で反射するため、天井で反射した音はあまり拡散しない。また、天井と床面とで反射を繰り返すことで定在波が発生しやすい。前述の態様では、上向スピーカから放音される音は、寝具が置かれている部屋の天井に対して傾斜して反射する。したがって、天井で反射した音がより拡散することで音場を広げることができる。また、定在波の発生を低減できるので、快適な音響空間を利用者に提供することが可能である。
本発明の好適な態様において、上向スピーカを複数備え、上向取付部は、複数の上向スピーカの各々を取り付ける。この態様では、複数の上向スピーカから音が放音される。したがって、上向スピーカの個数が1個の場合と比較して、この態様によれば、上向きに音を放音する音源の総数が多いので、より音場が広がる。
本発明の好適な態様において、上向取付部は、複数の上向スピーカのうち2個の上向スピーカの各々を、寝具において利用者が横臥する際に頭部を向ける側の左右端部に取り付ける。この態様では、複数の上向スピーカのうち2個の上向スピーカの各々が寝具において利用者が横臥する際に頭部を向ける側の左右端部に取り付けられる。したがって、2個の上向スピーカの各々が寝具において利用者が横臥する際に頭部を向ける側の左右端部よりも内側に取り付けた場合と比較して、この態様によれば、2個の上向スピーカの各々が放音した音の天井での反射位置が離れるので、より音場を広げることができる。
本発明の好適な態様において、利用者が横臥する面に対して下向きに音を放音する下向スピーカと、下向スピーカを寝具に取り付ける下向取付部とを備える。この態様では、寝具の利用者が横臥する面に対して上向きに音が放音されるとともに、寝具の利用者が横臥する面に対して下向きにも音が放音される。したがって、上向スピーカのみを具備する場合と比較して、この態様によれば、上向スピーカが放音する音が天井で反射する音に加えて、下向スピーカが放音する音が床面で反射する音を利用者は聴取することができるので、より音場を広げることができる。
本発明の好適な態様において、複数のチャンネルの音響信号を生成する信号生成装置を備え、複数の上向スピーカの各々には、複数のチャネルの音響信号のうちの1つが割り当てられる。この態様では、複数の上向スピーカの各々に、複数のチャネルの音響信号のうちの1つが割り当てられる。したがって、複数の上向スピーカの各々に同一のチャンネルの音響信号が割り当てられる場合と比較して、この態様によれば、上向スピーカの各々が、相異なるチャンネルの音響信号に応じた音を放音するので、寝具の利用者がより臨場感を感じることができる。
本発明の好適な態様において、複数のチャンネルの音響信号を生成する信号生成装置と、下向スピーカを複数備え、下向取付部は、複数の下向スピーカの各々を取り付け、複数の下向スピーカの各々には、複数のチャネルの音響信号のうちの1つが割り当てられる。この態様では、下向スピーカの各々には、複数のチャネルの音響信号のうちの1つが割り当てられる。したがって、複数の下向スピーカの各々に同一のチャンネルの音響信号が割り当てられる場合と比較して、この態様によれば、下向スピーカの各々が、相異なるチャンネルの音響信号に応じた音を放音するので、寝具の利用者がより臨場感を感じることができる。
本発明の好適な態様において、下向スピーカから放音される音を反射する位置に設置され、下向スピーカから放音される音を反射することによって拡散させる拡散材を備える。この態様では、下向スピーカから放音される音が拡散材で反射されることによって拡散する。したがって、拡散材を備えず、例えば下向スピーカから放音される音を床面(例えばカーペット)が反射する場合と比較して、この態様によれば、下向スピーカから放音される音が床面で吸収されるのを低減するとともに、下向スピーカから放音される音の反射音を様々な方向に拡散させることが可能である。
本発明は、前述の各寝具用音響システムの寝具を要件としない寝具用音響装置としても特定される。本発明の寝具用音響装置の一態様は、寝具の利用者が横臥する面に対して上向きに音を放音する上向スピーカと、上向スピーカを寝具に取り付ける上向取付部とを備え、上向取付部は、利用者が横臥する面よりも外側に対して音を放音するように上向スピーカを傾けた状態で保持する。
本実施形態に係る寝具用音響システムの構成図である。 スピーカ装置の断面図である。 上向スピーカの指向軸の説明図である。 対比例における上向スピーカが放音する音の説明図である。 上向スピーカが放音する音の説明図である。
図1は、本実施形態に係る寝具用音響システム100の構成図である。寝具用音響システム100は、反射音を利用した立体的なサラウンド効果と快適な音響空間とを寝具10の利用者Hに提供するためのシステムであり、寝具10と寝具用音響装置200とを具備する。サラウンドとは、音場に広がりを持たせることで、サラウンド効果とは、サラウンドにより音に包み込まれたような感覚を利用者が得られる効果である。なお、本発明においてサラウンドとは、規格上の意味に限定されるものではなく、上述した定義の通りである。
寝具用音響装置200は、2個のスピーカ装置20(1),20(2)と信号生成装置30とを具備する。寝具10は、例えば寝室に配置されているベッドであり、本実施形態では、寝具10の利用者Hが横臥する際に頭部を向ける方向の側面のみが寝室の壁面Wと近い距離に位置するように、寝室に配置されている。寝具10の利用者Hは、信号生成装置30で生成される音響信号に応じた音、例えば音楽等を寝具10の面Fに横臥しながら聴取する。
図1に例示される通り、スピーカ装置20(1)は、寝具10において、利用者Hが面Fに横臥する際に頭部を向ける方向の側面に設置され、スピーカ装置20(2)は、寝具10において、利用者Hが面Fに横臥する際に足元を向ける方向の側面に設置される。なお、本実施形態では、スピーカ装置20(1)とスピーカ装置20(2)との態様は同一のため、スピーカ装置20(2)の説明は省略する。
図2は、図1におけるスピーカ装置20(1)をI−I線で切断した断面図である。スピーカ装置20(1)は、図2に例示される通り、2個の上向スピーカ21(1),21(2)と、2個の下向スピーカ23(1),23(2)と、取付部25と、拡散材2とを具備する。
2個の上向スピーカ21(1),21(2)の各々は、信号生成装置30から供給される音響信号に応じて音を寝室内に放音する。具体的には、上向スピーカ21(1),21(2)は、寝具10の利用者Hが横臥する面Fに対して上向きに、つまり寝具10が設置してある寝室の天井に向けて音を放音する。したがって、利用者Hは、上向スピーカ21から放音される直接音ではなくて天井等で反射した反射音を聴取する。
2個の下向スピーカ23(1),23(2)の各々は、信号生成装置30から供給される音響信号に応じて音を寝室内に放音する。具体的には、下向スピーカ23は、図2に例示される通り、寝具10の利用者Hが横臥する面Fに対して下向きに、つまり寝具10が設置してある寝室の床面に向けて音を放音する。本実施形態では下向スピーカ23が音を放音する方向の床面上には拡散材2が設置されているので、下向スピーカ23から放音される音は、拡散材2によって反射される。したがって、利用者Hは、下向スピーカ23から放音される直接音ではなくて拡散材2で反射した反射音を聴取する。
取付部25は、上向スピーカ21および下向スピーカ23とを寝具10に取り付け、上向取付部252と下向取付部254と支柱256とを具備する。取付部25は、寝具10にネジ等の固着具により固着される。取付部25について、支柱256の有無や、取付部25の形状および素材は不問である。
上向取付部252は、図2に例示される通り、長尺状の形状で面Fと平行に支柱256の上端部(面Fより上方向)に保持され、上向スピーカ21を寝具10に取り付ける。具体的には、上向取付部252は、2個の上向スピーカ21(1),21(2)の各々を、利用者Hが横臥する面Fよりも外側に対して音を放音するように傾けた状態で上向取付部252の左右端部に保持する。したがって、上向スピーカ21(1),21(2)の各々は、寝具10において利用者Hが横臥する際に頭部を向ける側の左右上端部に位置するように、上向取付部252により間接的に寝具10に取り付けられる。面Fよりも外側に対して音を放音するように上向スピーカ21を傾けるとは、上向スピーカ21の指向軸Dが面F上の空間を通過しないように、上向スピーカ21の指向軸Dを面Fの垂線Pを基準(0°)として面Fと平行となる角度(90°)の間に傾けることをいう。つまり、上向スピーカ21の指向軸Dの傾きθは、0°<θ<90°であり、好ましくは0°<θ≦20°にする。スピーカの指向軸Dとは、スピーカから放音される音が指向する方向である。この例では、指向軸Dはスピーカユニットの中心軸と一致する。
図3は、上向スピーカ21の指向軸Dの説明図である。図3は、便宜上、寝具用音響システム100を簡略化して図示している。ここで、面F上の空間Sとは、図3に例示される通り、寝具10の面Fと寝室の天井Tとで挟まれた空間Sをいう。したがって、上向スピーカ21の指向軸Dが面F上の空間を通過しないようにとは、上向スピーカ21の指向軸Dが空間Sを通過することなく天井Tに突き当たることである。例えば、指向軸Dが天井Tに突き当たる位置は、0°<θ≦20°の場合、図3に例示される通り、垂線Pと天井Tとが交わる点を交点Oとしたとき、θ=20°の指向軸Dと天井Tとの交点Zと交点Oとの距離を半径とした円Eの内側の斜線部分以外の位置である。
本実施形態の上向取付部252は、図2に例示される通り、上向スピーカ21(1),21(2)の指向軸Dの各々を、壁面Wと平行状態を維持したまま上向取付部252の中心から離れる方向に(つまり空間Sを通過しないように)、垂線Pを基準に約20°傾ける(θ=20°)。なお、本実施形態では、寝具用音響装置200(1)は壁面Wと接しているため、指向軸Dが壁面Wに突き当たらないように、壁面Wと平行状態を維持したまま指向軸Dを傾ける。
なお、上向取付部252は、上向スピーカ21が面Fの外側に対して音を放音するように上向スピーカ21を保持することが可能であれば、上向取付部252の形状および素材は不問である。また、上向スピーカ21を傾ける最適な角度や方向は、寝室の広さ、上向スピーカ21の床面からの距離や天井までの距離、および寝室に対する寝具10を配置する位置により異なる。
下向取付部254は、図2に例示される通り、長尺状の形状で面Fと平行に支柱256の下端部(面Fより下方向)に位置し、下向スピーカ23を寝具10に取り付ける。具体的には、下向取付部254は、2個の下向スピーカ23(1),23(2)の各々を、下向スピーカ23(1),23(2)の指向軸Dが面Fに対して下方向に垂直の状態で下向取付部254の左右端部に保持する。したがって、下向スピーカ23(1),23(2)の各々は、寝具10において利用者Hが横臥する際に頭部を向ける側の左右下端部に位置するように、下向取付部254により間接的に寝具10に取り付けられる。本実施形態において下向スピーカ23は、下向スピーカ23の指向軸Dが面Fに対して下方向に垂直の状態で下向取付部254に保持される態様を例示したが、例えば、下向スピーカ23の指向軸Dが面Fの垂線Pを基準に傾くように下向取付部254に保持される態様もとり得る。なお、下向取付部254は、下向スピーカ23を保持することが可能であれば、下向取付部254の形状および素材は不問である。
拡散材2は、下向スピーカ23から放音される音を反射する位置に設置され、下向スピーカ23から放音される音を反射することによって拡散させる。具体的には、拡散材2は、下向スピーカ23の指向軸Dが拡散材2に突き当たるように床に設置される。拡散材2は音を効率良く反射できるのであれば、形状および素材は不問である。拡散材2は、床面がカーペットなどの音を吸収する素材である場合に有効である。なお、スピーカ装置20(1)において拡散材2は必須ではない。
ところで、スピーカ装置20(1)において上向スピーカ21(1),21(2)を傾けない態様、つまり、上向スピーカ21(1),21(2)の指向軸Dが面Fの垂線Pと平行である態様(以下「対比例」という)では、立体的なサラウンド効果が得られにくいという問題と快適な音響空間を利用者Hに提供できないという問題とがある。図4は、対比例における上向スピーカ21(1),21(2)が放音する音の説明図である。図4は、壁面W側から寝室を見た様子を図示し、上向スピーカ21(1),21(2)の放音面は床面から約80cmの高さに位置し、天井は上向スピーカ21(1),21(2)の放音面から約170cmの高さに位置する状況を想定する。なお、便宜上、図3において、壁面W、寝具10および信号生成装置30の図示は省略し、スピーカ装置20(1)はI−I線での断面図を図示する。また、上向スピーカ21で多方向に放音される音のうち、上向スピーカ21(1),21(2)の指向軸Dにそって放音される直接音A(1),(2)のみを図示する。
対比例では、図4に例示される通り、上向スピーカ21(1),21(2)は傾いていないため、直接音A(1),A(2)は天井に対して略直角で反射する。したがって、天井で反射した反射音B(1),B(2)は、拡散しないため寝具10の左右に広がらず、反射音B(1)とB(2)とが混ざって利用者Hに聞こえてしまう。また、天井と床面とで反射を繰り返すことで定在波が発生しやすい。さらには、反射音B(1),B(2)が再度床面で反射した反射音C(1),C(2)と、下向スピーカ23が拡散材2に向けて放音している音が拡散材2で反射した反射音とが混ざって利用者Hに聞こえてしまう。以上の説明から理解される通り、対比例では、反射音が混ざって聞こえることにより立体的なサラウンド効果が得られにくく、また、定在波の発生により、特定の周波数帯域の音が大きく聞こえたり、逆に小さく聞こえたりするため利用者Hにとって快適な音響空間とはいえない。なお、上向スピーカ21(1),21(2)から放音される音の反射音を利用者Hは聴取することになるため、対比例の上向スピーカ21(1),21(2)は、天井を面として上向スピーカ21(1),21(2)の面対称となる仮想スピーカ50(1),50(2)と等価となる。
図5は、本実施形態における上向スピーカ21(1),21(2)が放音する音の説明図である。対比例とは対照的に、本実施形態の態様によれば、図5に例示される通り、上向スピーカ21(1),21(2)は面Fよりも外側に対して音を放音するように傾いているため、直接音A(1),A(2)は天井に対して傾斜して反射する。天井で反射した反射音B(1),B(2)は、より拡散するため寝具10の左右に広がり、反射音B(1)とB(2)とが利用者Hに分離して聞こえやすくなる。また、反射音B(1),B(2)が再度床面で反射した反射音C(1),C(2)と、下向スピーカ23が放音している音が拡散材2で反射した反射音とが混ざって利用者Hに聞こえる可能性が低減される。したがって、本実施形態の態様では、対比例と比較して、より立体的なサラウンド効果が得られる。以上の説明から理解される通り、本実施形態の寝具用音響システム100は、上向スピーカ21および下向スピーカ23から放音される音の反射音を利用して、より立体的なサラウンド効果を利用者Hに提供している。
さらには、本実施形態では、天井と床面とで反射を繰り返すことに起因する定在波の発生が低減される。したがって、本実施形態の態様では、対比例と比較して、より快適な音響空間を利用者Hに提供することができる。なお、本実施形態の態様においても対比例と同様に、上向スピーカ21(1),21(2)から放音される音の反射音を利用者Hは聴取することになるため、上向スピーカ21(1),21(2)は、天井を面として上向スピーカ21(1),21(2)の面対称となる仮想スピーカ50(1),50(2)と等価となる。
図1の信号生成装置30は、寝具10と床面との間の空隙や寝具10の周囲に設置され、複数のチャンネルの音響信号を生成する。具体的には、信号生成装置30は、例えば、メモリーカードやCD(compact disk)等の各種媒体に記録された音響データ(例えば楽曲の演奏音)の時間波形を表す8チャンネルの音響信号を生成する。音響データは、信号生成装置30の記憶装置に予め記憶させておくことや、インターネット等の通信網や放送電波を介して受信することも可能である。8チャンネルは、例えば、フロントレフトチャンネル,フロントライトチャンネル,リアレフトチャンネル,リアライトチャンネル,プレゼンスレフトチャンネル,プレゼンスライトチャンネル,サラウンドバックレフトチャンネルおよびサラウンドバックライトチャンネルである。
上述した通り、寝具用音響システム100は、2個のスピーカ装置20(1),20(2)を具備するので、寝具用音響システム100全体として4個の上向スピーカ21と4個の下向スピーカ23とで計8個のスピーカを有する。信号生成装置30は、スピーカケーブル等の有線または近距離無線通信等の無線を介して、音響信号を8個のスピーカに供給する。8個のスピーカの各々には、信号生成装置30が生成した8チャネルの音響信号のうちの1つが割り当てられる。したがって、相異なる8チャンネルの音響信号に応じた音を8個のスピーカの各々が放音するので、寝具10の利用者Hがより臨場感を感じることができる。
以上の説明から理解される通り、本実施形態では、上向スピーカ21から放音される音は、寝具10が置かれている部屋の天井に対して傾斜して反射する。したがって、天井で反射した音がより拡散することで音場が広がるため、立体的なサラウンド効果を寝具10の利用者Hに提供することができる。また、定在波の発生を低減できるので、快適な音響空間を利用者Hに提供することが可能である。
本実施形態では、例えばスピーカが利用者Hを向くように放音することで直接音を利用者Hに聴取させる態様と比較して、寝室内での反射を利用した反射音を利用者Hは聴取することができるので、刺激の少ない睡眠時に適した音を利用者Hに提供することが可能である。
また、本実施形態では、寝具10に取り付けられたスピーカによる反射音を利用したサラウンド効果を利用者Hに提供しているので、例えば寝室の壁や天井にスピーカを設置して寝具10に向けて音を放音することで利用者Hにサラウンド効果を提供する態様と比較して、寝室の壁や天井ではなく寝具10にスピーカを取り付ければいいので、スピーカの設置が容易になる。さらには、スピーカと信号生成装置30がスピーカケーブル等の有線で接続されている場合、壁や天井にスピーカが設置されているとスピーカケーブルの配線には労力が要り、また部屋の見栄えも悪くなる。一方、本実施形態では、スピーカと信号生成装置30とが比較的局在しているので、スピーカケーブルの配線も容易であり、また部屋の見栄えにもさほど影響しないといった利点がある。
<変形例>
以上に例示した態様は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2個以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)前述の形態では、スピーカ装置20(1),20(2)は、寝具10に固着して取り付けたが、スピーカ装置20(1),20(2)を寝具10の付属装置(アタッチメント)とすることも可能である。以上の態様によれば、スピーカ装置20(1),20(2)の寝具10への着脱が自由になるという利点がある。
(2)前述の形態では、寝具用音響装置200は、2個のスピーカ装置20(1),20(2)を具備していたが、どちらか一方のスピーカ装置20を具備する態様も可能である。
(3)前述の形態では、寝具用音響装置200は、4個の上向スピーカ21を具備していたが、上向スピーカ21の総数は任意である、例えば、上向スピーカ21を1個とする態様も可能である。上向スピーカ21を1個とする態様でも、前述の形態と同様の効果が得られる。ただし、複数の上向スピーカ21を具備する前述の形態によれば、1個の上向スピーカ21を具備する態様と比較して、上向きに放音する音源の総数が多いのでより立体的なサラウンド効果を寝具10の利用者Hに提供することができる。
また、下向スピーカ23の総数についても、上向スピーカ21の総数と同様に任意である。なお、下向スピーカ23については、寝具用音響装置200が下向スピーカ23を具備しない態様も可能である。ただし、上向スピーカ21と下向スピーカ23とを具備する前述の態様では、下向スピーカ23を具備しない態様と比較して、上向スピーカ21が放音する音が天井で反射する音に加えて、下向スピーカ23が放音する音が拡散材2(拡散材2を置いていない場合は床面)で反射する音も利用者は聴取することができるので、より立体的なサラウンド効果を寝具10の利用者Hに提供することができる。
(4)前述の形態では、信号生成装置30は、8チャンネルの音響信号を生成したが、信号生成装置30が生成する音響信号のチャンネルの総数は任意である。なお、寝具用音響装置200は、信号生成装置30を具備しない態様でも特定される。
(5)前述の形態では、2個の上向スピーカ21(1),(2)の指向軸Dの各々を、壁面Wと平行状態を維持したまま上向取付部252の中心から離れる方向に約20°傾ける態様を例示したが、上向スピーカ21を傾ける角度や方向は、以上の例示に限定されない。上向スピーカ21を傾ける最適な角度や方向は、寝室の広さ、上向スピーカ21の床面からの距離や天井までの距離、および寝室に対する寝具10を配置する位置等の要因により異なる。なお、寝具用音響システム100が複数の上向スピーカ21を備える場合は、複数の上向スピーカ21の各々について傾ける角度や方向を変えることも可能である。
(6)前述の形態では、4個の上向スピーカ21を寝具10の4隅に取り付けたが、上向スピーカ21を取り付ける位置は、以上の例示に限定されない。つまり、上向スピーカ21を寝具10に取り付ける位置は任意である。なお、4個の上向スピーカ21のうちの2個の上向スピーカ21の各々を、寝具10において利用者Hが横臥する際に頭部を向ける側の左右端部に取り付ける態様によれば、例えば2個の上向スピーカ21の各々が寝具において利用者が横臥する際に頭部を向ける側の左右端部よりも内側に取り付けられる態様と比較して、2個の上向スピーカ21の各々が放音した音の天井での反射位置が離れることにより音場が広がる。したがって、より立体的なサラウンド効果を寝具10の利用者Hに提供することができる。また、同様に、下向スピーカ23を寝具10に取り付ける位置についても任意である。
100……寝具用音響システム,200……寝具用音響装置,10……寝具,21……上向スピーカ,23……下向スピーカ,25……取付部,30……信号生成装置,50……仮想スピーカ,252……上向取付部,254……下向取付部,256……支柱,2……拡散材。

Claims (13)

  1. 寝具と、
    前記寝具の利用者が横臥する面に対して上向きに音を放音する上向スピーカと、
    前記上向スピーカを前記寝具に取り付ける上向取付部とを備え、
    前記上向取付部は、前記利用者が横臥する面よりも外側に対して音を放音するように前記上向スピーカを傾けた状態で保持する
    寝具用音響システム。
  2. 前記上向スピーカを複数備え、
    前記上向取付部は、前記複数の上向スピーカの各々を取り付ける
    請求項1に記載の寝具用音響システム。
  3. 前記上向取付部は、前記複数の上向スピーカのうち2個の上向スピーカの各々を、前記寝具において利用者が横臥する際に頭部を向ける側の左右端部に取り付ける
    請求項2に記載の寝具用音響システム。
  4. 前記利用者が横臥する面に対して下向きに音を放音する下向スピーカと、
    前記下向スピーカを前記寝具に取り付ける下向取付部と
    を備える請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の寝具用音響システム。
  5. 複数のチャンネルの音響信号を生成する信号生成装置を備え、
    前記複数の上向スピーカの各々には、前記複数のチャネルの音響信号のうちの1つが割り当てられる、
    請求項2または3に記載の寝具用音響システム。
  6. 複数のチャンネルの音響信号を生成する信号生成装置と、
    前記下向スピーカを複数備え、
    前記下向取付部は、前記複数の下向スピーカの各々を取り付け、
    前記複数の下向スピーカの各々には、前記複数のチャネルの音響信号のうちの1つが割り当てられる、
    請求項4に記載の寝具用音響システム。
  7. 寝具の利用者が横臥する面に対して上向きに音を放音する上向スピーカと、
    前記上向スピーカを前記寝具に取り付ける上向取付部とを備え、
    前記上向取付部は、前記利用者が横臥する面よりも外側に対して音を放音するように前記上向スピーカを傾けた状態で保持する
    寝具用音響装置。
  8. 前記上向スピーカを複数備え、
    前記上向取付部は、前記複数の上向スピーカの各々を取り付ける
    請求項7に記載の寝具用音響装置。
  9. 前記上向取付部は、前記複数の上向スピーカのうち2個の上向スピーカの各々を、前記寝具において利用者が横臥する際に頭部を向ける側の左右端部に取り付ける
    請求項8に記載の寝具用音響装置。
  10. 前記利用者が横臥する面に対して下向きに音を放音する下向スピーカと、
    前記下向スピーカを前記寝具に取り付ける下向取付部と
    を備える請求項7乃至9のうちいずれか1項に記載の寝具用音響装置。
  11. 複数のチャンネルの音響信号を生成する信号生成装置を備え、
    前記複数の上向スピーカの各々には、前記複数のチャネルの音響信号のうちの1つが割り当てられる、
    請求項8または9に記載の寝具用音響装置。
  12. 複数のチャンネルの音響信号を生成する信号生成装置と、
    前記下向スピーカを複数備え、
    前記下向取付部は、前記複数の下向スピーカの各々を取り付け、
    前記複数の下向スピーカの各々には、前記複数のチャネルの音響信号のうちの1つが割り当てられる、
    請求項10に記載の寝具用音響装置。
  13. 前記下向スピーカから放音される音を反射する位置に設置され、前記下向スピーカから放音される音を反射することによって拡散させる拡散材を備える
    請求項10または12に記載の寝具用音響装置。
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