JP2017167338A - 光配線デバイス及び個体識別子認証キット - Google Patents
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Abstract
【課題】複製や偽造が困難な個体識別子を備えた、光配線デバイス及び個体識別子認証キットを提供する。【解決手段】第1の基板;前記第1の基板上に配置され、第1の半導体発光素子と、第1の半導体受光素子と、前記第1の半導体発光素子及び前記第1の半導体受光素子に光結合する第1の光導波路とを備えるデータ伝送用の第1の光配線;及び前記第1の基板上に配置され、第2の半導体発光素子と、第2の半導体受光素子と、前記第2の半導体発光素子及び前記第2の半導体受光素子に光結合する第2の光導波路とを備える個別識別子用の第2の光配線;を具備し、前記第2の光導波路は、前記第1の光導波路よりも高い光散乱性を有することを特徴とする光配線デバイス。【選択図】 図5
Description
実施形態は、光配線デバイス及び個体識別子認証キットに関する。
近年、電子データの違法コピーや改ざんを防ぐための情報セキュリティー技術が必要とされている。情報セキュリティー技術として、予め許可又は登録した正規のデバイスのみに電子データのコピーや変更を認めるという技術がある。正規のデバイスを判別するには、正規のデバイスに個体識別子を付与し、デバイスの個体認証を行うという方法がある。この方法による情報セキュリティーを高めるには、正規のデバイスに対して複製や偽造が困難な個体識別子を付与することが必要となる。現在、個人を識別する方法として、指紋や網膜などの生体情報を個体識別子として用いる生体認証が実用化されている。人を識別するための指紋や網膜などと同様に、モノを識別するための複製や偽造が困難な個体識別子が求められている。
実施形態は、複製や偽造が困難な個体識別子を備えた、光配線デバイス及び個体識別子認証キットを提供する。
1つの実施形態によると、第1の基板;第1の基板上に配置され、第1の半導体発光素子と、第1の半導体受光素子と、第1の半導体発光素子及び第1の半導体受光素子に光結合する第1の光導波路とを備えるデータ伝送用の第1の光配線;及び第1の基板上に配置され、第2の半導体発光素子と、第2の半導体受光素子と、第2の半導体発光素子及び第2の半導体受光素子に光結合する第2の光導波路とを備える個別識別子用の第2の光配線;を具備し、第2の光導波路は、第1の光導波路よりも高い光散乱性を有することを特徴とする光配線デバイスが提供される。
別の実施形態によると、第1の基板と、第1の基板上に配置される第1の半導体発光素子及び第1の半導体受光素子と、第1の半導体発光素子及び第1の半導体受光素子にそれぞれ光結合する第1及び第2の光導波路とを備える読み出し装置;及び第2の基板と、第2の基板上に配置され、第1及び第2の光導波路より高い光散乱性を有する第3の光導波路とを備える鍵;を具備し、読み出し装置に対して前記鍵を組み合わせたとき、読み出し装置の第1及び第2の光導波路と鍵の第3の光導波路とは、それぞれ光結合されることを特徴とする個体識別子認証キットが提供される。
以下、実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
第1の実施形態を図1〜図4を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る光配線デバイスを備えたメモリチップをデバイスに接続した状態を示す平面図、図2は図1の光配線デバイスを示す斜視図、図3の(a)は図2の第1の光配線のA−A線に沿う断面図、図3の(b)は図3の(a)のb−b線に沿う断面図、図4の(a)は図2の第2の光配線のB−B線に沿う断面図、図4の(b)は図4の(a)のb−b線に沿う断面図である。
第1の実施形態を図1〜図4を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る光配線デバイスを備えたメモリチップをデバイスに接続した状態を示す平面図、図2は図1の光配線デバイスを示す斜視図、図3の(a)は図2の第1の光配線のA−A線に沿う断面図、図3の(b)は図3の(a)のb−b線に沿う断面図、図4の(a)は図2の第2の光配線のB−B線に沿う断面図、図4の(b)は図4の(a)のb−b線に沿う断面図である。
図1において、デバイスDとメモリチップ100とが電気的に接続されている。デバイスDは、例えばコンピュータであり、後述する光配線デバイスPWDの第2の光配線20による個体識別子を認証する機能が予め組込まれている。
メモリチップ100は、光配線デバイスPWD及び当該光配線デバイスPWDに電気的に接続されるメモリ部Mを備える。光配線デバイスPWDは、図2に示すように第1の光配線10及び第2の光配線20を備え、これらの光配線10,20は例えばシリコン基板1上に設けられる。
第1の光配線10は、信号配線として機能するデータ伝送用の光配線である。第1の光配線10は、その一端側でデバイスDとメモリチップ100とを電気的に接続し、かつ他端側でメモリ部Mに接続されている。第2の光配線20は、信号配線として機能せず、デバイスDの個体認証時に機能する個体識別子用の光配線である。第2の光配線20は、デバイスDに電気的に接続されている。
第1の光配線10は、図2及び図3の(a),(b)に示すようにシリコン基板1上に互いに所望の距離隔てて配置された複数の第1の半導体発光素子LD1及び第1の半導体受光素子PD1をそれぞれ備えている。各第1の半導体発光素子LD1は、それぞれ例えば半導体リングレーザであり、各第1の半導体受光素子PD1はそれぞれ例えばリング状をなす。各第1の半導体発光素子LD1及び各第1の半導体受光素子PD1を含むシリコン基板1上には、例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第1の誘電体層2が当該第1の誘電体層2表面が平坦になるように設けられている。第1の光導波路3は、第1の誘電体層2上に設けられ、両端部がそれぞれ各第1の半導体発光素子LD1の上部及び各第1の半導体受光素子PD1の上部に薄い第1の誘電体層2を介して設けられている。すなわち、第1の光導波路3はそれらの両端部が各半導体発光素子LD1及び各第1の半導体受光素子PD1と光結合される。各第1の光導波路3は、第1の誘電体層2よりも高い屈折率を有する材料、例えばアモルファスシリコンまたは多結晶シリコンから作られる。各第1の光導波路3を含む第1の誘電体層2上には、例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第2の誘電体層4が設けられている。各第1の光導波路3は、図3の(b)に示すように断面がリブ型(凸型)をなす。
第2の光配線20は、図2及び図4の(a),(b)に示すようにシリコン基板1上に互いに所望の距離隔てて配置された第2の半導体発光素子LD2及び第2の半導体受光素子PD2を備えている。第2の半導体発光素子LD2は、例えば半導体リングレーザであり、第2の半導体受光素子PD2は例えばリング状をなす。第2の半導体発光素子LD2及び第2の半導体受光素子PD2を含むシリコン基板1上には、例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる前記第1の誘電体層2が当該第1の誘電体層2表面が平坦になるように設けられている。第2の光導波路5は、第1の誘電体層2上に設けられ、両端部がそれぞれ第2の半導体発光素子LD2の上部及び第2の半導体受光素子PD2の上部に薄い第1の誘電体層2を介して設けられている。すなわち、第2の光導波路5はその両端部が第2の半導体発光素子LD2及び第2の半導体受光素子PD2と光結合される。第2の光導波路5は、第1の誘電体層2よりも高い屈折率を有する材料、例えばアモルファスシリコンまたは多結晶シリコンから作られる。第2の光導波路5を含む第1の誘電体層2上には、例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる前記第2の誘電体層4が設けられている。第2の光導波路5は、図4の(b)に示すように断面が矩形状をなす。
なお、基板1はシリコン基板の代わりに、例えばGaAs基板またはInP基板を用いることができ、SOI基板などであってもよい。
半導体発光素子は、半導体リングレーザの代わりに、例えば端面発光レーザや面発光レーザを用いることができる。好ましい半導体発光素子は、半導体リングレーザである。
半導体受光素子は、リング状の代わりに、例えばディスク状又は直線状のものを用いることができる。
第1の実施形態によれば、第1の光配線10において第1の半導体発光素子LD1から出射された光は第1の光導波路3を伝搬し、第1の半導体受光素子PD1で受光される。第1の光導波路3は、図3の(b)に示すように断面がリブ型(凸型)であるため、低い光散乱性を有する。それ故、第1の光導波路3を伝搬する光からは第1の半導体発光素子LD1への散乱戻り光が生じにくい。その結果、第1の半導体発光素子LD1の駆動電流と第1の半導体受光素子PD1の検出電流との関係を示すILD−IPD曲線を測定した場合、第1の光配線10に関するILD−IPD曲線は安定した波形が得られる。
事実、断面の幅1.2μm、高さ0.4μm、凸部の幅0.6μm及び凸部の高さ0.2μmを持つリブ型の第1の光導波路3を第1の誘電体層2の上に形成し、半導体リングレーザである第1の半導体発光素子LD1から室温において駆動電流0mAから25mAの連続駆動でレーザを出射し、第1の光導波路3を伝搬し、リング状の第1の半導体受光素子PD1で受光したときの第1の半導体発光素子LD1の駆動電流と第1の半導体受光素子PD1の検出電流との関係を示すILD−IPD曲線を測定した。その結果、図5の(a)に示すILD−IPD曲線を得た。図5の(a)から明らかなように第1の光配線10では安定した波形のILD−IPD曲線が得られることがわかる。
以上より、第1の光配線10によれば、デバイスDとメモリチップ100との間で安定したデータ伝送を行うことができる。
他方、第2の光配線20において、第2の半導体発光素子LD2から出射された光は、第2の光導波路5を伝搬し、第2の半導体受光素子PD2で受光される。第2の光導波路5は、図4の(b)に示すように断面が矩形状であるため、第1の光導波路に比較して高い光散乱性を有する。そのため、光が第2の光導波路5を伝搬する際に、第2の半導体発光素子LD2への散乱戻り光が生じる。第2の光導波路5で生じた散乱戻り光は第2の光導波路5を介して第2の半導体発光素子LD2に入射され、第2の半導体発光素子LD2の動作を不安定化する。
その結果、第2の光配線20において、第2の半導体発光素子LD2の駆動電流と第2の半導体受光素子PD2の検出電流との関係を示すILD−IPD曲線を測定した場合、ILD−IPD曲線には乱れが生じて特定のパターン形状が生じる。
事実、断面の幅0.6μm、高さ(厚さ)0.4μmを持つ矩形状の第2の光導波路5を第1の誘電体層2の上に形成し、半導体リングレーザである第2の半導体発光素子LD2から室温において駆動電流0mAから25mAの連続駆動でレーザを出射し、第2の光導波路5を伝搬し、リング状の第2の半導体受光素子PD2で受光したときの第2の半導体発光素子LD2の駆動電流と第2の半導体受光素子PD2の検出電流との関係を示すILD−IPD曲線を測定した。すなわち、第2の光導波路5の断面形状以外の測定条件は、図5の(a)と同様の測定条件でILD−IPD曲線を測定した。その結果、図5の(b)に示すILD−IPD曲線を得た。図5の(b)から明らかなように第2の光配線20では乱れが生じた特定のパターン形状を持つ波形のILD−IPD曲線が得られることがわかる。
ILD−IPD曲線のパターン形状は、断面が矩形状の第2の光導波路5を形成する過程で生じた第2の光導波路5の側壁の荒れに起因する。第1の光導波路3は、リブ型の形状を有しているため、第2の光導波路5と同じ大きさの側壁荒れを有していても、光散乱は小さい。そのため、第1の光導波路3と第2の光導波路5を同一プロセスで形成した場合でも、第2の光導波路5の光散乱性は第1の光導波路3の光散乱性よりも大きくなる。第2の光導波路5の側壁の荒れは、フォトリソグラフィやエッチングの工程でランダムに生じ、意図しても複製や偽造することは困難である。そのため、第2の光配線20で得られるILD−IPD曲線のパターン形状はコンピュータ等のデバイスDにメモリチップ100を取り付けた時の個体識別子として用いることができる。
図6の(a)、(b)は、同一の第2の光配線20を用いて、同一の測定条件で2回ILD−IPD曲線を測定した結果を示す。ILD−IPD曲線のパターン形状は第2の光導波路5の形状に依存しているため、ILD−IPD曲線のパターン形状には高い再現性が現れる。従って、光導波路からの散乱戻り光の影響を受けたILD−IPD曲線は、複製や偽造が困難な個体識別子として用いることができる。
次に、図1に示すデバイス(コンピュータ)Dと光配線デバイスPWDを備えるメモリチップ100との間で、個別識別子用の第2の光配線20を用いてメモリチップ100を認証する方法を説明する。
まず、メモリチップ100の第2の光配線20の第2の半導体発光素子LD2の駆動電流と第2の半導体受光素子PD2の検出電流との関係を示すILD−IPD曲線のパターン形状をデバイスDに予め記憶させる。
次いで、デバイスDにメモリチップ100を接続した時にデバイスDでメモリチップ100の第2の光配線20における個別識別子を読み取る。この読み取りにおいて、デバイスD内で予め記憶したILD−IPD曲線のパターンと、読み取ったILD−IPD曲線のパターンとを照合し、合致している場合、デバイスDに対して正規のメモリチップ100が接続されたと判断してデバイスDとメモリチップ100の間で第1の光配線10を通してデータのやり取りを行う。合致しない場合、デバイスDに対して正規のメモリチップ100が接続されてないと判断し、デバイスDとメモリチップ100の間でのデータのやり取りを行わない。
なお、第1の実施形態において、第1の光配線10の備える第1の光導波路3は断面形状がリブ形状の光導波路に限定されず、第2の光導波路に対して光散乱性が低ければよい。例えば、特開2014-35498号公報の段落0079及び図26に記載のSiからなる光導波路とSiONからなる光導波路を組み合わせた光導波路なども用いることができる。この構成によっても、安定したデータ伝送を行えるデータ伝送用の光導波路を得ることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る個別識別子認証キットを図7及び図8を参照して詳細に説明する。図7の(a)は第2の実施形態に係る個体識別子認証キットを組み合わせる前の状態を示す断面図、図7の(b)は同図(a)の読み出し装置を第2の誘電体層を取り除いて上方から見た平面図、図7(c)は同図(a)の鍵を第4の誘電体層を取り除いて下方から見た平面図である。
第2の実施形態に係る個別識別子認証キットを図7及び図8を参照して詳細に説明する。図7の(a)は第2の実施形態に係る個体識別子認証キットを組み合わせる前の状態を示す断面図、図7の(b)は同図(a)の読み出し装置を第2の誘電体層を取り除いて上方から見た平面図、図7(c)は同図(a)の鍵を第4の誘電体層を取り除いて下方から見た平面図である。
個体識別子認証キット200は、図7の(a)に示すように読み出し装置30及び鍵40を備える。
読み出し装置30は、第1のシリコン基板31を備えている。第1のシリコン基板31は、第1の基板に相当する。第1のシリコン基板31上には、半導体発光素子LD11及び半導体受光素子PD11が互いに所望距離隔てて配置されている。半導体発光素子LD11は、例えば半導体リングレーザであり、半導体受光素子PD11は例えばリング状をなす。例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第1の誘電体層32は、半導体発光素子LD11及び半導体受光素子PD11を含むシリコン基板31上に当該第1の誘電体層32表面が平坦になるように設けられている。第1の光導波路33aは、第1の誘電体層32上に設けられ、一端が半導体発光素子LD11の上部に薄い第1の誘電体層32を介して設けられている。すなわち、第1の光導波路33aは半導体発光素子LD11と光結合される。第1の光導波路33aの他端には、第1のグレーティング34aが設けられている。第2の光導波路33bは、第1の誘電体層32上に設けられ、一端が半導体受光素子PD11の上部に薄い第1の誘電体層32を介して設けられている。すなわち、第2の光導波路33bは半導体受光素子PD11と光結合される。第2の光導波路33bの他端には、第2のグレーティング34bが設けられている。第1、第2の光導波路33a,33bは、第1の誘電体層32よりも高い屈折率を有する材料、例えばアモルファスシリコンまたは多結晶シリコンから作られる。また、第1、第2の光導波路33a,33bは断面が例えばリブ型である。例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第2の誘電体層35は、第1、第2の光導波路33a,33bを含む第1の誘電体層32上に当該第2の誘電体層35表面が平坦になるように設けられている。第2の誘電体層35は、第1の誘電体層32に比べて十分に薄い厚さを有する。
鍵40は、第2のシリコン基板41を備えている。第2のシリコン基板41は、第2の基板に相当する。例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第3の誘電体層42は、第2のシリコン基板41の下面に設けられている。第3の誘電体層42の下面には、第1及び第2の光導波路33a、33bより高い光散乱性を有する第3の光導波路43が配置されている。第3の光導波路43の両端には、第3、第4のグレーティング44a,44bが設けられている。なお、第3の光導波路43は後述する個体識別子認証キット200の組合せにおいて、読み出し装置30の第1、第2の光導波路33a、33b間に位置する長さを有し、かつ第3の光導波路43の両端の第3、第4のグレーティング44a,44bが第1、第2の光導波路33a、33bの他端の第1、第2のグレーティング34a、34bとカップリングされる。第3の光導波路43は、断面が矩形状である。例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第4の誘電体層45は、第3の光導波路43を含む第3の誘電体層42の下面に当該第4の誘電体層45の表面が平坦になるように設けられている。
次に、前述した第2の実施形態に係る個体識別子認証キット200の作用を図8を参照して説明する。図8の(a)は個体識別子認証キット200の組み合わせた後の状態示す断面図、図8の(b)は、同図(a)の第2のシリコン基板及び第3の誘電体層を取り除いて上方から見た平面図である。
読み出し装置30の第2の誘電体層35上面に鍵40の第4の誘電体層45下面を当接させる。このとき、鍵40の第3の光導波路43を読み出し装置30の第1、第2の光導波路33a、33b間に位置させると共に、第3の光導波路43の両端の第3、第4のグレーティング44a,44bを第1、第2の光導波路33a、33bの他端の第1、第2のグレーティング34a、34bに第2、第4の誘電体層35,45を挟んで光カップリングさせる。すなわち、読み出し装置30の第1の光導波路33aは鍵40の第3の光導波路43の一端に第1のグレーティング34aと第3のグレーティング44aの光カップリングにより光結合し、第3の光導波路43の他端は第2の光導波路33bに第4のグレーティング44bと第2のグレーティング34bの光カップリングにより光結合する。この状態で、半導体発光素子LD11から光を出射すると、読み出し装置30の第1の光導波路33a、鍵40の第3の光導波路43、読み出し装置30の第2の光導波路33bの順に伝搬し、半導体受光素子PD11で受光される。第3の光導波路43は、断面が矩形状であり、断面がリブ型の第1、第2の光導波路33a、33bに比較して高い光散乱性を有する。つまり、矩形状の第3の光導波路43側面の荒れに起因して高い光散乱性が現われる。そのため、光が第3の光導波路43を伝搬する際、第1の光導波路33aを通して半導体発光素子LD11への散乱戻り光が生じる。半導体発光素子LD11に対して散乱戻り光が生じると、半導体発光素子LD11の動作が不安定化する。
その結果、第2の実施形態に係る個体識別子認証キット200において、半導体発光素子LD11の駆動電流と半導体受光素子PD11の検出電流との関係を示すILD−IPD曲線を測定した場合、第1の実施形態で説明した図5の(b)と同様にILD−IPD曲線には乱れが生じ、特定形状のパターンが現われる。ILD−IPD曲線のパターン形状は、第3の光導波路43側面の荒れに起因するため、複製や偽造が困難である。
従って、読み出し装置30に予めをILD−IPD曲線を持つ特定形状のパターンを記憶させ、当該読み出し装置30に鍵40を組合せた時に、それら読み出し装置30と鍵40とで出現されるILD−IPD曲線のパターン形状を予め記憶させたILD−IPD曲線を持つ特定形状のパターンに照合し、合致するか否かにより鍵40の個体識別を行うことができる。それ故、第2の実施形態に係る個体識別子認証キット200は、鍵40を例えばIDカードとして用いることができる。
また、読み出し装置30において第1、第2の光導波路33a,33b上に設けられる第2の誘電体層35、及び鍵40において第3の光導波路43の下面に設けられる第4の誘電体層45は、第1〜第3の光導波路33a,33b、43の表面を保護でき、かつ読み出し装置30と鍵40とを組み合わせたときの光学的な安定性を向上できる。
このような第2の誘電体層35及び第4の誘電体層45の合計厚さは、第1、第2の光導波路33a,33bと第3の光導波路43の光結合に影響を及ぼす。例えば、前記合計厚さを厚くし過ぎると、第1、第2の光導波路33a,33bの他端の第1、第2のグレーティング34a、34bと第3の光導波路43の両端の第3、第4のグレーティング44a,44bとの光カップリング性が低下するおそれがある。従って、前記合計厚さは最大で300nmにすることが好ましい。また、前記合計厚さは第1〜第3の光導波路33a,33b、43の表面の保護等を考慮して、最小厚さを50nmにすることが好ましい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る個別識別子認証キットを図9を参照して詳細に説明する。図9の(a)は第3の実施形態に係る個体識別子認証キットを組み合わせる前の状態を示す断面図、図9の(b)は同図(a)の読み出し装置を上方から見た平面図、図9(c)は同図(a)の鍵を第4の誘電体層を取り除いて下方から見た平面図である。
第3の実施形態に係る個別識別子認証キットを図9を参照して詳細に説明する。図9の(a)は第3の実施形態に係る個体識別子認証キットを組み合わせる前の状態を示す断面図、図9の(b)は同図(a)の読み出し装置を上方から見た平面図、図9(c)は同図(a)の鍵を第4の誘電体層を取り除いて下方から見た平面図である。
個体識別子認証キット300は、図9の(a)に示すように読み出し装置50及び鍵60を備える。
読み出し装置50は、第1のシリコン基板51を備えている。第1のシリコン基板51上には、半導体発光素子LD21及び半導体受光素子PD21が互いに所望距離隔てて配置されている。半導体発光素子LD21は、例えば半導体リングレーザであり、半導体受光素子PD21は例えばリング状をなす。例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第1の誘電体層52は、半導体発光素子LD21及び半導体受光素子PD21を含むシリコン基板51上に当該第1の誘電体層52表面が平坦になるように設けられている。第1の光導波路53aは、第1の誘電体層52上に設けられ、一端が半導体発光素子LD21の上部に薄い第1の誘電体層52を介して設けられている。すなわち、第1の光導波路53aは半導体発光素子LD21と光結合される。第1の光導波路53aの他端部には、先端に向かって縮径したテーパ部54aが形成されている。第2の光導波路53bは、第1の誘電体層52上に設けられ、一端が半導体受光素子PD21の上部に薄い第1の誘電体層52を介して設けられている。すなわち、第2の光導波路53bは半導体受光素子PD21と光結合される。第2の光導波路53bの他端部は、先端に向かって縮径したテーパ部54bが形成されている。第1、第2の光導波路53a,53bは、第1の誘電体層52よりも高い屈折率を有する材料、例えばアモルファスシリコンまたは多結晶シリコンから作られる。また、第1、第2の光導波路53a,53bは断面が例えばリブ型である。例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第2の誘電体層は、第1、第2の光導波路53a,53bを含む第1の誘電体層52上に当該第2の誘電体層表面が平坦になるように設けられている。第2の誘電体層は、細長状の貫通穴が開口され、当該貫通穴から第1、第2の光導波路53a,53bのテーパ部54a,54bを含む領域が露出されている。細長矩形状の第4の光導波路55は、第2の誘電体層に開口された細長状の貫通穴内に第2の誘電体層の表面と面一になるように設けられている。当該第4の光導波路55の両端部は、その下に位置する第1、第2の光導波路53a,53bのテーパ部54a,54bに光結合されている。第4の光導波路55は、第1、第2の光導波路53a、53bよりも低い屈折率を有する材料、例えばSiONから作られている。
鍵60は、第2のシリコン基板61を備えている。例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第3の誘電体層62は、第2のシリコン基板61の下面に設けられている。第3の誘電体層62の下面には、第1及び第2の光導波路53a、53bより高い光散乱性を有する、断面が矩形状をなす第3の光導波路63が配置されている。第3の光導波路63の両端部には、先端に向かって縮径したテーパ部64a,64bが形成されている。なお、第3の光導波路63は後述する個体識別子認証キット300の組合せにおいて、読み出し装置50の第4の光導波路55に対応して位置すると共に、第4の光導波路55の長さより僅かに短い長さを有する。例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第4の誘電体層65は、第3の光導波路63を含む第3の誘電体層62の下面に当該第4の誘電体層65の表面が平坦になるように設けられている。
次に、第3の実施形態に係る個体識別子認証キット300の作用を図10を参照して説明する。図10の(a)は個体識別子認証キット300の組み合わせた後の状態示す断面図、図10の(b)は、同図(a)の第2のシリコン基板及び第3の誘電体層を取り除いて上方から見た平面図である。
読み出し装置50の第4の光導波路55を含む第2の誘電体層上面に鍵60の第4の誘電体層65下面を当接させる。このとき、読み出し装置50は第1、第2の光導波路53a、53bの他端部のテーパ部54a,54bにSiONからなる第4の光導波路55の両端部が光結合され、第4の光導波路55の全体に鍵60の第3の光導波路63が第4の誘電体層65を挟んで光結合する。この状態で、半導体発光素子LD21から光を出射すると、読み出し装置50の第1の光導波路53a、SiONからなる第4の光導波路55、鍵60の第3の光導波路63、読み出し装置50の第4の光導波路55及び第2の光導波路53bの順に伝搬し、半導体受光素子PD21で受光される。
第1の光導波路53aは第4の光導波路55に接続する端部に先端に向かって縮径するテーパ部54aが形成されているため、第1の光導波路53aを伝搬する光は第1の光導波路53aの端部において断面積が小さくなるに従い第1の光導波路53aから第4の光導波路55に徐々に光が伝搬する。その結果、第1の光導波路53aを伝搬する光は、散乱が小さく、かつ、高い結合効率で第4の光導波路55に伝播できる。
同様に、鍵60の第3の光導波路63は両端部に先端に向かって縮径するテーパ部64a,64bが形成されているため、第3の光導波路63を伝搬する光は当該第3の光導波路63の両端部において断面積が小さくなるに従い第3の光導波路63から第4の光導波路55に徐々に光が伝搬する。その結果、第4の光導波路55を伝搬する光は、散乱が小さく、かつ、高い結合効率で第3の光導波路63に伝播できる。
さらに、同様に第2の光導波路53bは第4の光導波路55に接続する端部に先端に向かって縮径するテーパ部54bが形成されており、かつ、第2の光導波路53bの屈折率が第4の光導波路55の屈折率よりも大きいため、第4の光導波路55を伝搬する光は第2の光導波路53bの端部において第2の光導波路53bの断面積が大きくなるに従い第4の光導波路55から第2の光導波路53bに徐々に光が伝搬する。その結果、第4の光導波路55を伝搬する光は、散乱が小さく、かつ、高い結合効率で第2の光導波路53bに伝播できる。
前記半導体発光素子LD21から光を出射する際、第3の光導波路63は断面が矩形状であり、断面がリブ型の第1、第2の光導波路53a、53b、および、屈折率が小さい第4の光導波路55に比較して高い光散乱性を有する。つまり、矩形状の第3の光導波路63側面の荒れに起因して高い光散乱性が現われる。そのため、光が第1の光導波路53a及び第4の光導波路55を通して第3の光導波路63を伝搬する際、第4の光導波路55及び第1の光導波路53aを通して半導体発光素子LD21への散乱戻り光が生じる。半導体発光素子LD21に対して散乱戻り光が生じると、半導体発光素子LD21の動作が不安定化する。
その結果、第3の実施形態の個体識別子認証キット300において、半導体発光素子LD21の駆動電流と半導体受光素子PD21の検出電流との関係を示すILD−IPD曲線を測定した場合、第1の実施形態で説明した図5の(b)と同様なILD−IPD曲線には乱れが生じ、特定形状のパターンが現われる。ILD−IPD曲線のパターン形状は、第3の光導波路63側面の荒れに起因するため、複製や偽造が困難である。
従って、読み出し装置50に予めをILD−IPD曲線を持つ特定形状のパターンを記憶させ、当該読み出し装置50に鍵60を組合せた時に、それら読み出し装置50と鍵60とで出現されるILD−IPD曲線のパターン形状を予め記憶させたILD−IPD曲線を持つ特定形状のパターンに照合し、合致するか否かにより鍵60の個体識別を行うことができる。それ故、第3の実施形態に係る個体識別子認証キット300は、鍵60を例えばIDカードとして用いることができる。
また、第3の実施形態のように読み出し装置50の第1の光導波路53a及び第2の光導波路53bと鍵60の第3の光導波路63の光結合において、例えばSiONからなる第4の光導波路55を介在することによって、前述した第2の実施形態のように第1の光導波路及び第2の光導波路と鍵の第3の光導波路をグレーティングのカップリングで光結合する場合に比べて光の結合効率を高くできる。読み出し装置50の第1の光導波路53a及び第2の光導波路53bと鍵60の第3の光導波路63の光の結合効率を高くすることによって、第3の光導波路63で生じた散乱戻り光は減衰が抑えられて半導体発光素子LD21に戻すことができる。その結果、第3の光導波路63の側面の荒れに応じたILD−IPD曲線のパターン形状の再現性を向上できる。
さらに、読み出し装置50において第1、第2の光導波路53a,53b上に設けられる第2の誘電体層、及び鍵60において第3の光導波路63の下面に設けられる第4の誘電体層65は、第1〜第3の光導波路53a,53b、63の表面を保護でき、かつ読み出し装置50と鍵60とを組み合わせたときの光学的な安定性を向上できる。
さらに、第4の光導波路55をSiONで作った場合には、第4の光導波路55上の誘電体層を形成せずに、最上層の面をSiONからなる第4の光導波路55を露出させることができる。その場合でも、読み出し装置50と鍵60の組合せにおいて最下層の第4の誘電体層65をSiONからなる第4の光導波路55を含む第2の誘電体層と良好に密着することが可能になる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係る個別識別子認証キットを図11を参照して詳細に説明する。図11の(a)は第4の実施形態に係る個体識別子認証キットを組み合わせる前の状態を示す断面図、図11の(b)は同図(a)の読み出し装置を第2の誘電体層を取り除いて上方から見た平面図、図11(c)は同図(a)の鍵を下方から見た平面図である。
第4の実施形態に係る個別識別子認証キットを図11を参照して詳細に説明する。図11の(a)は第4の実施形態に係る個体識別子認証キットを組み合わせる前の状態を示す断面図、図11の(b)は同図(a)の読み出し装置を第2の誘電体層を取り除いて上方から見た平面図、図11(c)は同図(a)の鍵を下方から見た平面図である。
第4の実施形態に係る個体識別子認証キット400は、図11の(a)に示すように読み出し装置70及び鍵80を備える。
読み出し装置70は、第1のシリコン基板71を備えている。第1のシリコン基板71上には、半導体発光素子LD31及び半導体受光素子PD31が互いに所望距離隔てて配置されている。半導体発光素子LD31は、例えば半導体リングレーザであり、半導体受光素子PD31は例えばリング状をなす。例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第1の誘電体層72は、半導体発光素子LD31及び半導体受光素子PD31を含むシリコン基板71上に当該第1の誘電体層72表面が平坦になるように設けられている。第1の光導波路73aは、第1の誘電体層72上に設けられ、一端が半導体発光素子LD31の上部に薄い第1の誘電体層72を介して設けられている。すなわち、第1の光導波路73aは半導体発光素子LD31と光結合される。第1の光導波路73aの他端部には、先端に向かって縮径したテーパ部74aが形成されている。第2の光導波路73bは、第1の誘電体層72上に設けられ、一端が半導体受光素子PD31の上部に薄い第1の誘電体層72を介して設けられている。すなわち、第2の光導波路73bは半導体受光素子PD31と光結合される。第2の光導波路73bの他端部には、先端に向かって縮径したテーパ部74bが形成されている。第1、第2の光導波路73a,73bは、第1の誘電体層72よりも高い屈折率を有する材料、例えばアモルファスシリコンまたは多結晶シリコンから作られる。また、第1、第2の光導波路73a,73bは断面が例えばリブ型である。例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第2の誘電体層75は、第1、第2の光導波路73a,73bを含む第1の誘電体層72上に当該第2の誘電体層75表面が平坦になるように設けられている。第2の誘電体層75は、第1の誘電体層72に比べて十分に薄い厚さを有する。
鍵80は、第2のシリコン基板81を備えている。例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第3の誘電体層82は、第2のシリコン基板81の下面に設けられている。第3の誘電体層82の下面には、第1及び第2の光導波路73a、73bより高い光散乱性を有する、断面が矩形状をなす第3の光導波路83が配置されている。第3の光導波路83の両端部には、先端に向かって縮径したテーパ部84a,84bが形成されている。例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第4の誘電体層85は、第3の光導波路83を含む第3の誘電体層82の下面に設けられている。例えば酸化シリコン(SiO2)から作られる第5の誘電体層は、第4の誘電体層85下面に当該第5の誘電体層表面が平坦になるように設けられている。第3の光導波路83に対応する第5の誘電体層部分には、細長状の貫通穴が開口されている。細長矩形状の第5の光導波路88は、第5の誘電体層に開口された細長状の貫通穴内に第5の誘電体層の下面と面一になるように設けられている。当該第3の光導波路83の両端部は、その下方に位置する第5の光導波路86に光結合されている。第5の光導波路86は、第1、第2の光導波路73a、73bよりも低い屈折率を有する材料、例えばSiONから作られている。
次に、第4の実施形態に係る個体識別子認証キット400の作用を図12を参照して説明する。図12の(a)は個体識別子認証キット400の組み合わせた後の状態を示す断面図、図12の(b)は、同図(a)の第2のシリコン基板及び第3の誘電体層を取り除いた平面図である。
読み出し装置70の第2の誘電体層75上面に鍵80の第5の光導波路86を含む第5の誘電体層下面を当接させる。このとき、読み出し装置70の第1、第2の光導波路73a、73bの他端部のテーパ部74a,74bに鍵80のSiONからなる第5の光導波路86の両端部が第2の誘電体層75を挟んで光結合され、第5の光導波路86の全体に第3の光導波路83が第4の誘電体層85を挟んで光結合する。すなわち、読み出し装置70に鍵80を組み合せたときの、第1、第2の光導波路73a、73b、第5の光導波路86及び第3の光導波路83の光結合形態は、前述した第3の実施形態と実質的に同じである。この状態で、半導体発光素子LD31から光を出射すると、読み出し装置70の第1の光導波路73a、鍵80のSiONからなる第5の光導波路86、第3の光導波路83及び第2の光導波路73bの順に伝搬し、半導体受光素子PD31で受光される。
従って、第4の実施形態に係る個体識別子認証キット400において、半導体発光素子LD31の駆動電流と半導体受光素子PD31の検出電流との関係を示すILD−IPD曲線を測定した場合、第1の実施形態で説明した図5の(b)と同様にILD−IPD曲線には乱れが生じ、特定形状のパターンが現われる。ILD−IPD曲線のパターン形状は、半導体発光素子LD31への散乱戻り光の量等に決定されるため、複製や偽造が困難である。
第3の実施形態と同様に読み出し装置70に予めをILD−IPD曲線を持つ特定形状のパターンを記憶させ、当該読み出し装置70に鍵80を組合せた時に、それら読み出し装置70と鍵80とで出現されるILD−IPD曲線のパターン形状を予め記憶させたILD−IPD曲線を持つ特定形状のパターンに照合し、合致するか否かにより鍵80の個体識別を行うことができる。それ故、第4の実施形態に係る個体識別子認証キット400は、鍵80を例えばIDカードとして用いることができる。
本発明の幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
PWD…光配線デバイス、D…デバイス、M…メモリ部、100…メモリチップ、10…第1の光配線、20…第2の光配線、LD…半導体発光素子、PD…半導体受光素子、1…シリコン基板、3…第1の光導波路、5…第2の光導波路、200,300,400…個別識別子認証キット、30,50,70…読み出し装置、40,60,80…鍵、31,51,71…第1のシリコン基板、41,61,81…第2のシリコン基板、33a,53a,73a…第1の光導波路、33b,53b,73b…第2の光導波路、43,63,83…第3の光導波路、55…第4の光導波路、86…第5の光導波路。
Claims (10)
- 第1の基板;
前記第1の基板上に配置され、第1の半導体発光素子と、第1の半導体受光素子と、前記第1の半導体発光素子及び前記第1の半導体受光素子に光結合する第1の光導波路とを備えるデータ伝送用の第1の光配線;及び
前記第1の基板上に配置され、第2の半導体発光素子と、第2の半導体受光素子と、前記第2の半導体発光素子及び前記第2の半導体受光素子に光結合する第2の光導波路とを備える個別識別子用の第2の光配線;
を具備し、
前記第2の光導波路は、前記第1の光導波路よりも高い光散乱性を有することを特徴とする光配線デバイス。 - 前記第1の光導波路の断面形状はリブ形状であり、前記第2の光導波路の断面形状は矩形状であることを特徴とする請求項1に記載の光配線デバイス。
- 前記第2の半導体発光素子は、半導体リングレーザであることを特徴とする請求項1又は2に記載の光配線デバイス。
- 第1の基板と、前記第1の基板上に配置される半導体発光素子及び半導体受光素子と、前記半導体発光素子及び前記半導体受光素子にそれぞれ光結合する第1及び第2の光導波路とを備える読み出し装置;及び
第2の基板と、前記第2の基板上に配置され、前記第1及び第2の光導波路より高い光散乱性を有する第3の光導波路とを備える鍵;
を具備し、
前記読み出し装置に対して前記鍵を組み合わせたとき、前記読み出し装置の前記第1及び第2の光導波路と前記鍵の第3の光導波路とは、それぞれ光結合されることを特徴とする個体識別子認証キット。 - 前記第1及び第2の光導波路の断面形状はリブ形状であり、前記第3の光導波路の断面形状は矩形状であることを特徴とする請求項4に記載の個体識別子認証キット。
- 前記第1の光導波路は、一端が前記半導体発光素子と光結合し、その他端にグレーティングが設けられ、
前記第2の光導波路は、一端が前記半導体受光素子と光結合し、その他端にグレーティングが設けられ、
前記第3の光導波路は、両端にグレーティングが設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の個体識別子認証キット。 - 前記読み出し装置は、前記第1及び第2の光導波路に、光結合する第4の光導波路をさらに備え、
前記第4の光導波路は、前記第1及び第2の光導波路よりも低い屈折率を有する材料からなり、
前記読み出し装置に対して前記鍵を組み合わせたとき、前記鍵の前記第3の光導波路は、前記読み出し装置の前記第4の光導波路を通して前記読み出し装置の前記第1及び第2の光導波路と光結合されることを特徴とする請求項4に記載の個体識別子認証キット。 - 前記鍵は、前記第3の光導波路に、光結合する第5の光導波路をさらに備え、
前記第5の光導波路は、前記第1及び第2の光導波路よりも低い屈折率を有する材料からなり、
前記読み出し装置に対して前記鍵を組み合わせたとき、前記鍵の前記第3の光導波路は、前記鍵の前記第5の光導波路を通して前記読み出し装置の前記第1及び第2の光導波路と光結合されることを特徴とする請求項4に記載の個体識別子認証キット。 - 前記第4の光導波路及び前記第5の光導波路はSiONから作られることを特徴とする請求項7又は8に記載の個体識別子認証キット。
- 前記半導体発光素子は、半導体リングレーザであることを特徴とする請求項4乃至9のいずれか1項に記載の個体識別子認証キット。
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