JP2017165874A - 植物油脂の製造方法 - Google Patents

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新悟 寺島
謙吾 齋藤
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謙吾 齋藤
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由美恵 小松
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良枝 山内
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【課題】製造コストの高コスト化を抑制し、製造効率に優れ、耐酸化性に優れた安定した品質の製品を得ることが可能な植物油脂の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の植物油脂の製造方法は、脱色工程後の脱色油中のクロロフィル由来物質の含有量を油脂精製ラインにおいてインラインで定量する工程と、前記含有量が上限基準値以上である又は上限基準値を超えている場合に、当該脱色油に対し再度、脱色工程を行なう及び/又は脱色工程における吸着剤の添加量を増やす工程とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、植物油脂の製造方法に関するものである。
製品としての植物油脂は、一般に、脱酸、脱色、脱臭等の精製工程を経て製造される。
植物油脂中に含まれるクロロフィルやその分解物(フェオフィチン等)は、酸素存在下における曝光により油脂の酸化を顕著に進行させる原因となるため、脱色工程において吸着剤に吸着させ、除去されている(特許文献1参照)。
特開平7−322819号公報
しかし、植物油脂中に含まれるクロロフィル含量は原料によって異なっており吸着剤の所要量を予測することが困難であるため、製品としての植物油脂にクロロフィルやその分解物が残存しないようにするには、過剰量の吸着剤を添加せざるを得ない。これにより、過剰品質の油脂が製造されることとなり、製造コストが高コスト化する。
また、過剰量の吸着剤を添加しない場合には、最終製品を検査した段階で、クロロフィルやその分解物の含量が多いことが判明することがあり、安定した品質の製品を得ることが難しい。この場合、再度、精製を行なわなければならなくなるため製造効率が低下する。
また、脱色を主目的とする脱色工程での管理値は色値であることが一般的であるが、色値が合格基準に達していない製品は曝光すると酸化が進みやすいことが知られていた。しかし、色値が合格基準に達している製品であっても、菜種油等の製品を曝光すると過酸化物価(POV)が異常に上昇するトラブルがあった。本発明者らは、トラブルの原因は油脂中に残存したクロロフィルやその分解物であると考えた。
従って、本発明の目的は、製造コストの高コスト化を抑制し、製造効率に優れ、耐酸化性に優れた安定した品質の製品を得ることが可能な植物油脂の製造方法を提供することである。
本発明は、上記目的を達成するために、下記の[1]〜[6]の植物油脂の製造方法を提供する。
[1]脱色工程後の脱色油中のクロロフィル由来物質の含有量を油脂精製ラインにおいてインラインで定量する工程と、該含有量が上限基準値以上である又は上限基準値を超えている場合に、当該脱色油に対し再度、脱色工程を行なう及び/又は脱色工程における吸着剤の添加量を増やす工程とを有することを特徴とする植物油脂の製造方法。
[2]前記上限基準値が0.005ppm以上0.02ppm以下の範囲内の値であることを特徴とする前記[1]に記載の植物油脂の製造方法。
[3]前記上限基準値が0.010ppm以上0.016ppm以下の範囲内の値であることを特徴とする前記[1]に記載の植物油脂の製造方法。
[4]前記含有量を定量する工程は、前記脱色油の紫外可視分光を分析する工程を含むことを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか1つに記載の植物油脂の製造方法。
[5]脱色工程後の脱色油中のクロロフィル由来物質の含有量を油脂精製ラインにおいてインラインで定量する工程と、該含有量が下限基準値以下である又は基準値未満である場合に、脱色工程における吸着剤の添加量を減らす工程とを有する植物油脂の製造方法。
[6]前記下限基準値が0.001ppm以上0.015ppm以下の値であることを特徴とする前記[5]に記載の植物油脂の製造方法。
本発明によると、製造コストの高コスト化を抑制し、製造効率に優れ、耐酸化性に優れた安定した品質の製品を得ることが可能な植物油脂の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る植物油脂の製造方法の工程例を示す概略図である。 (a)は図1における吸光度測定器設置部位を上から見た図であって脱色油の吸光度測定の構成の一例を示す概略図であり、(b)は(a)の実施形態の変形例を示す概略図である。 菜種脱色油の検量線を示す図である。 大豆脱色油の検量線を示す図である。
本発明の実施形態に係る植物油脂の製造方法を以下に図を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る植物油脂の製造方法の工程例を示す概略図である。また、図2(a)は図1における吸光度測定器設置部位を上から見た図であって脱色油の吸光度測定の構成の一例を示す概略図であり、図2(b)は(a)の実施形態の変形例を示す概略図である。
〔第1の実施形態〕
本発明の第1の実施形態に係る植物油脂の製造方法は、脱色工程後の脱色油中のクロロフィル由来物質の含有量を油脂精製ラインにおいてインラインで定量する工程と、前記含有量が上限基準値以上である又は上限基準値を超えている場合に、当該脱色油に対し再度、脱色工程を行なう及び/又は脱色工程における吸着剤の添加量を増やす工程とを有する。以下、これらの工程を順に説明する。
(クロロフィル由来物質含有量の定量工程)
本発明の第1の実施形態においては、脱ガム、脱酸、脱色、脱ろう及び脱臭の各精製工程を経て植物油脂が製造されるが、図1では、脱酸工程後(脱酸油が溜められた脱酸油タンク1)から脱色工程を経て次工程に移送されるまでを示している。各精製工程は、必要に応じて順序を入れ替えて行なうことができ、脱ろう工程は、油脂の種類に応じて省略可能である。
脱色工程以外の各精製工程の処理方法は、公知の方法により行なうことができるため説明を省略する。また、脱色工程も脱色処理の方法自体は公知の方法により行なうことができ、例えば、図1に示すように、脱酸油タンク1に溜められた脱酸油が油送路5(配管)内を移送される途中で吸着剤(白土20や活性白土等)が脱酸油に添加され、クロロフィル等の色素が吸着剤に吸着され、脱色フィルター2にて除去される。
脱色フィルター2を通過した脱色工程後の脱色油は、通常であれば、油送路5内を移送され、そのまま脱色油タンク3へ流入するが、本実施の形態においては、脱色油タンク3への移送途中にて、図1及び2に示すように、吸光度測定器11(分光光度計)が設置された油送路5を通過する。この際に、脱色油中のクロロフィル由来物質の含有量が定量される。すなわち、クロロフィル由来物質の含有量が油脂精製ラインにおいてインラインで定量される。
ここで、クロロフィル由来物質の含有量とは、一般社団法人 日本植物油協会で用いられている分析法「クロロフィル由来物質」に準拠して定量された値であり、クロロフィルの含有量及びクロロフィルの分解物(フェオフィチン等)の含有量の合計量として換算されたものである。
本実施の形態においては、クロロフィル由来物質の含有量を定量する工程は、脱色油の紫外可視分光を分析する工程を含むことが好ましい。測定波長は、600〜700nmで測定することが好ましく、645〜680nmで測定することがより好ましい。
図2(a)は、油送路5の断面図を示しており、測定光路長を長く取るために、油送路5は、90°方向転換され(図2(a)下部)、適度な測定光路長dが取れたところで油送路5の方向を元の方向へ戻すように90°方向転換されている(図2(a)上部)。測定光路長は、測定機器の性能によって異なるが、例えば、d=400〜600mm程度を確保する。測定機器の性能によっては、図2(b)の変形例で示すように、油送路5の方向を変えることなく、dより短い測定光路長dにて測定することもできる。
吸光度測定器11や光源12としては、市販品を使用することができ、例えば、光源や検出器アセンブリ等を備えたプロセス用インライン吸光度計測システム(仕様:AF26又はAF45、OPTEK社製)を使用できる。
試料である脱色油10に光源12から光をガラス窓5aを介して照射し、吸光度測定器11により吸光度測定を行ない、吸光度差(=クロロフィル由来物質含有脱色油の吸光度(例えば670nm)−当該脱色油のベースの吸光度(例えば750nm))を算出して、予め作成しておいた検量線(縦軸:クロロフィル由来物質の含量、横軸:吸光度差)に基づき、クロロフィル由来物質の含有量を定量する。
本発明の実施形態に適用可能な植物油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、高オレイン酸菜種油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、牛脂、ラード、鶏脂、乳脂、魚油、アザラシ油、藻類油、品種改良によって低飽和化されたこれらの油脂等が挙げられる。特に、菜種油や大豆油の製造に好適である。
吸光度測定器11の設置位置としては、脱色フィルター2の出口付近又は脱色フィルター2から脱色油タンク3までの油送路5の途中に設置することが好ましいが、これに限られるものではなく、脱色工程から直ちに次の工程を行う場合は、脱色工程の次工程である脱ろう工程や脱臭工程の後の油送路5等に設置してもよい。
(基準値との比較・判定及びその後の処理を行なう工程)
本発明の第1の実施形態は、前述の定量工程によりクロロフィル由来物質含有量が定量された後、当該含有量が上限基準値以上である又は上限基準値を超えている場合に、当該脱色油に対し再度、脱色工程を行なう及び/又は脱色工程における吸着剤の添加量を増やす工程を有する。
上限基準値との比較・判定は、上限基準値が予め入力・設定されたコンピュータに、上記定量された含有量の数値が入力されることで上限基準値との比較が行なわれ、当該含有量が上限基準値以上である又は上限基準値を超えている(いずれかに予め設定)と判定された場合には、その後の処理として当該脱色油に対し再度、脱色工程を行なう及び/又は脱色工程における吸着剤の添加量を増やす指示が所定の装置に送信されて自動的に実行される。「再度、脱色工程を行なう」と「脱色工程における吸着剤の添加量を増やす」の両方を実行するか、いずれか一方のみを実行するかは、予めコンピュータに設定しておく。例えば、上限基準値とインプットされた含有量の値との乖離が大きい(例えば差が0.1ppm以上)場合には、両方を実行し、乖離が小さい(例えば差が0.1ppm未満)場合にはいずれか一方のみを実行する設定としてもよい。両方実行する実施形態が望ましい。当該含有量(入力値)が上限基準値以下又は未満(いずれかに予め設定)となるまで、上記の処理が繰り返される。
「再度、脱色工程を行なう」場合には、図1に示す油送路5に設けられたバルブ13の開閉を切り替える指示が図示していないバルブ開閉手段に送信されることで、バルブ13の開閉が実行される。すなわち、バルブ13の開閉切り替えにより、脱色油タンク3への油送路5が閉じられるとともに、戻し油タンク4への油送路5が開かれる。戻し油タンク4へ溜められた脱色油は、例えば、脱酸油タンク1に戻り、脱色工程へ再度、移送される。クロロフィル由来物質含有量(入力値)が上限基準値以下又は未満となったら、バルブ13の開閉を切り替える指示が出され、戻し油タンク4への油送路5が閉じられるとともに、脱色油タンク3への油送路5が開かれる。
「脱色工程における吸着剤の添加量を増やす」場合には、吸着剤の添加量を増やす指示が図示していない吸着剤添加量調整手段に送信されることで、油脂への吸着剤添加量が増量される。増加量は、一定値を設定しておいてもよいし、上限基準値とインプットされた含有量の値との差の大小に応じた増加量(差が大であるほど増加量も大)となるように設定しておいてもよい。クロロフィル由来物質含有量(入力値)が上限基準値以下又は未満(いずれかに予め設定)となったら、吸着剤の添加量を増やす指示の送信が停止され、吸着剤添加量の増量がストップする。
「脱色工程における吸着剤の添加量を増やす」のみを実行した場合に、クロロフィル由来物質含有量が上限基準値以上である又は上限基準値を超えている脱色油が一部そのまま脱色油タンク3へ流入してしまっても、ある程度大きい脱色油タンク3を使用する、或いは、吸着剤添加量の増量を多めに設定する等の対処をすることにより、ロット全体としては、クロロフィル由来物質含有量を上限基準値以下又は未満とすることが可能である。
上記上限基準値は、0.005ppm以上0.02ppm以下の範囲内の値であることが好ましく、0.010ppm以上0.020ppm以下の範囲内の値であることがより好ましく、0.010ppm以上0.018ppm以下の範囲内の値であることが更に好ましく、0.010ppm以上0.016ppm以下の範囲内の値であることがより更に好ましく、0.015ppmが最も好ましい。上限基準値が0.02ppmより大であると、耐酸化性が不十分な精製油脂が製造される恐れがある。また、上限基準値は、が0.005ppm未満では吸着剤の添加量が増えすぎる及び/又は脱色工程の繰り返しが増えすぎることで、製造コストが飛躍的に高くなる恐れがある。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係る植物油脂の製造方法は、脱色工程後の脱色油中のクロロフィル由来物質の含有量を油脂精製ラインにおいてインラインで定量する工程と、前記含有量が下限基準値以下である又は下限基準値未満である場合に、脱色工程における吸着剤の添加量を減らす工程とを有する。以下、これらの工程を順に説明する。
(クロロフィル由来物質含有量の定量工程)
本発明の第1の実施形態に係る植物油脂の製造方法と同じであるので、説明を省略する。
(基準値との比較・判定及びその後の処理を行なう工程)
本発明の第2の実施形態は、前述の定量工程によりクロロフィル由来物質含有量が定量された後、当該含有量が下限基準値以下である又は下限基準値未満である場合に、脱色工程における吸着剤の添加量を減らす工程を有する。
下限基準値との比較・判定は、下限基準値が予め入力・設定されたコンピュータに、上記定量された含有量の数値が入力されることで下限基準値との比較が行なわれ、当該含有量が下限基準値以下である又は下限基準値未満である(いずれかに予め設定)と判定された場合には、その後の処理として脱色工程における吸着剤の添加量を減らす指示が所定の装置に送信されて自動的に実行される。当該含有量(入力値)が下限基準値以上又は下限基準値を超える(いずれかに予め設定)まで、上記の処理が繰り返される。
「脱色工程における吸着剤の添加量を減らす」場合には、吸着剤の添加量を減らす指示が図示していない吸着剤添加量調整手段に送信されることで、油脂への吸着剤添加量が減量される。減少量は、一定値を設定しておいてもよいし、下限基準値とインプットされた含有量の値との差の大小に応じた減少量(差が大であるほど減少量も大)となるように設定しておいてもよい。クロロフィル由来物質含有量(入力値)が下限基準値以上又は下限基準値を超えたら(いずれかに予め設定)、吸着剤の添加量を減らす指示の送信が停止され、吸着剤添加量の減量がストップする。
上記下限基準値は、0.001ppm以上0.015ppm以下の値であることが好ましく、0.005ppm以上0.015ppm以下の値であることがより好ましく、0.008ppm以上0.015ppm以下の値であることが更に好ましく、0.010ppm以上、0.012ppm以下の値が最も好ましい。これにより、脱色工程における吸着剤の添加量が多すぎることで、製造コストが高くなることを防止できる。
なお、上限基準値が設定されている場合は、下限基準値は上限基準値以下の値を設定する必要がある。また、上限基準値と下限基準値の差が少ないほど、過剰な吸着剤使用による製造コストが高くなることを防止できるとともに、不十分な精製を抑制できるために好ましい。上限基準値と下限基準値を同じ値にすることも可能である(この場合には、当該基準値を外れた場合に第1の実施形態あるいは第2の実施形態の処理をするように、当該基準値において第1の実施形態と第2の実施形態の両方の判定後処理が行われないような設定を行なう)。十分な精製を確保するためには、上限基準値と下限基準値にある程度の差が有ることが好ましく、上限基準値と下限基準値の差が0.005ppmが好ましく、上限基準値と下限基準値の差が0.003ppmであることがより好ましく、上限基準値と下限基準値の差が0.001ppmであることが最も好ましい。
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
〔上限基準値設定のための参考データ〕
脱ガム、脱酸、脱色、脱ろう及び脱臭の各精製工程を経て表1に記載のクロロフィル由来物質含有量である精製菜種油及び精製大豆油を製造した。クロロフィル由来物質含有量は、一般社団法人 日本植物油協会で用いられている 分析法「クロロフィル由来物質」に準拠して測定した。なお、最大吸収波長は660nm(蛍光波長:励起波長420nm)であった。
(一般社団法人 日本植物油協会で用いられている 分析法「クロロフィル由来物質」)
試料を、液層の長さが5cmの吸収セルに入れ、イソオクタンを入れた吸収セルを対照にして、最大吸収波長及びその±40nmにおける吸光度を測定する。
クロロフィル由来物質(ppm)={A1−(1/2(A2+A3))}/(0.1×L)
A1=最大吸収波長における吸光度
A2=最大吸収波長+40nmにおける吸光度
A3=最大吸収波長−40nmにおける吸収度
L=液層の厚さ(5cm)
製造した精製菜種油及び精製大豆油について、曝光前後の過酸化物価(POV)を測定した。測定結果を表1に示す。曝光条件は、7000Lux、4時間である。
クロロフィル由来物質含有量が多いほど、曝光後のPOVが高いことが表1より分かる。また、曝光後のPOVが2.0を超えると耐酸化性(保存性)が悪いと言えるので、表1よりクロロフィル由来物質含有量0.02ppmを上限基準値に設定することが望ましいことが予測される。
Figure 2017165874
〔検量線の作成〕
菜種油及び大豆油について、種々の脱色油(試料)を製造し、各試料のベース吸光度(測定波長750nm)とクロロフィル由来物質のピーク吸光度(測定波長670nm)を測定し、吸光度差Xを算出した。
吸光度差X=(クロロフィル由来物質のピーク吸光度)−(ベースの吸光度)
各試料のクロロフィル由来物質含有量を、分析法「クロロフィル由来物質」にて測定した(励起波長420nm、蛍光波長660nm)。
各試料の吸光度差X及びクロロフィル由来物質含有量から検量線を算出した。
図3は、菜種脱色油の検量線を示す図である。直線は、y=0.24x+0.0519、R=0.9863である(y:縦軸の値、x:横軸の値、R:相関係数)。
図4は、大豆脱色油の検量線を示す図である。直線は、y=0.1885x+0.0386、R=0.943である(y:縦軸の値、x:横軸の値、R:相関係数)。
〔実施例〕
100〜110℃の脱酸油(菜種油、大豆油)に吸着剤として活性白土を添加処理し、脱色フィルターにて活性白土を除去した。プロセス用インライン吸光度計測システム(仕様:タイプAF26、OPTEK社製)を脱色フィルターの出口に設置し、吸光度を測定して、作成した図3及び図4の検量線よりクロロフィル由来物質含有量を定量した。クロロフィル由来物質含有量が0.015ppmを超えた場合に、再度、脱色工程を行なう及び脱色工程における吸着剤の添加量を増やすシステムを構築の上、当該システムを稼働させた。その結果、製造された精製菜種油及び精製大豆油はいずれも曝光(7000Lux、4時間)後のPOVが1.5以上2.0未満であり、耐酸化性(保存性)に優れていた。本発明を実施することにより、製造コストの高コスト化を抑制し、製造効率に優れ、耐酸化性に優れた安定した品質の製品を得ることができた。

なお、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず種々に変形実施が可能である。
1:脱酸油タンク、2:脱色フィルター、3:脱色油タンク
4:戻し油タンク、5:油送路、10:脱色油
11:吸光度測定器、12:光源、13:バルブ
20:白土

Claims (6)

  1. 脱色工程後の脱色油中のクロロフィル由来物質の含有量を油脂精製ラインにおいてインラインで定量する工程と、
    該含有量が上限基準値以上である又は上限基準値を超えている場合に、当該脱色油に対し再度、脱色工程を行なう及び/又は脱色工程における吸着剤の添加量を増やす工程とを有することを特徴とする植物油脂の製造方法。
  2. 前記上限基準値が0.005ppm以上0.02ppm以下の範囲内の値であることを特徴とする請求項1に記載の植物油脂の製造方法。
  3. 前記上限基準値が0.010ppm以上0.016ppm以下の範囲内の値であることを特徴とする請求項1に記載の植物油脂の製造方法。
  4. 前記含有量を定量する工程は、前記脱色油の紫外可視分光を分析する工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の植物油脂の製造方法。
  5. 脱色工程後の脱色油中のクロロフィル由来物質の含有量を油脂精製ラインにおいてインラインで定量する工程と、
    該含有量が下限基準値以下である又は下限基準値未満である場合に、脱色工程における吸着剤の添加量を減らす工程とを有する植物油脂の製造方法。
  6. 前記下限基準値が0.001ppm以上0.015ppm以下の値であることを特徴とする請求項5に記載の植物油脂の製造方法。
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JP7044456B2 (ja) 2017-09-29 2022-03-30 日清オイリオグループ株式会社 食用油の製造システム及び食用油の製造方法

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