JP2017164716A - 廃水処理システムおよび廃水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アミン類を含有する廃水を効率よく生物処理のみで処理することができ、さらに余剰汚泥を低減させることができる廃水処理システムおよび廃水処理方法を提供することを目的とする。【解決手段】廃水が流入し、アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽と、第1槽から前記アミン類分解菌とアンモニア同化菌とを含有する中間処理水が流入し、浄化水が流出するとともに、原生動物が生存する第2槽とを含む廃水処理システムおよび廃水処理方法。【選択図】なし
Description
本発明は、廃水処理システムおよび廃水処理方法に関する。
各種有機性窒素化合物を含む廃水のうち、食品工場、自動車工場等から排出される廃水中の窒素化合物は、ほとんどが生物分解可能であり、脱窒素処理が可能である。このような処理法として生物学的硝化脱窒処理法がある。この方法は活性汚泥により廃水中のCOD原因物質、BOD原因物質を分解して、有機性窒素をアンモニア性窒素とし、これを硝化細菌により硝化した後、脱窒細菌により脱窒処理する方法である。そこでSS除去等の前処理の後、生物学的硝化脱窒処理を行うと、窒素、COD原因物質およびBOD原因物質を同一の槽またはシステムの中で除去することができる。このような処理において有機性窒素(Org−N)は、
Org−N → NH4 +−N → NOX−N → N2↑
の経路で脱窒される。
Org−N → NH4 +−N → NOX−N → N2↑
の経路で脱窒される。
しかし、染色加工工場、薬品製造工場等から排出される有機性窒素化合物は各種アミン類である場合が多く、これらは防腐剤として利用されることからも理解できるように生物阻害性があるものもある。
有機性窒素化合物含有廃水の活性汚泥処理において、有機性窒素化合物の生物分解に寄与している細菌は種類も多く、耐性も強い。このような細菌により生物分解を行う場合、化合物の種類によっては生物分解されないものもあるが、生物相への悪影響はそれ程著しくない。
一方、有機性窒素化合物が分解された後、NH4 +−N→NOX−Nの硝化反応に寄与する硝化細菌の多くは、適正生育条件の範囲が狭いばかりでなく、外的要因からの影響も大きい。そのため、生物阻害性を有するアミン類を含む廃水を生物学的硝化脱窒処理する場合は、硝化細菌が死滅あるいは生育が阻害されてしまい、硝化反応が進行せずに所望の脱窒素処理ができないという問題がある。また、生育温度も限定されるため外気温が低い環境や高い環境では硝化細菌の生育が不十分となり、所望の脱窒素処理ができないという問題がある。
そこで、アミン類を含む有機性窒素化合物含有廃水を効率よく処理して、高い除去率で安定してCOD原因物質、BOD原因物質および窒素を除去することができ、さらに二次環境汚染がない有機性窒素化合物含有廃水の処理方法が求められていた。
このような問題点を解決するため、特許文献1には、硝化阻害成分を含む有機性窒素化合物含有廃水を生物学的硝化脱窒処理する方法において、前記廃水を予め活性汚泥処理し、その活性汚泥処理水を活性炭処理したのち、生物学的硝化脱窒処理することを特徴とする有機性窒素化合物含有廃水の処理方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1記載の処理方法は、生物処理のほかに、活性炭処理が必要であるため、繰り返し活性炭の再生が必要となる。活性炭再生のためには熱エネルギーも必要となる上に、一旦捕捉した窒素を酸化物として放出してしまうので、大気汚染を防止するための処理も必要となる。このため、含窒素廃水を効率よく処理できているとはいえない。
本発明は、前記課題に鑑み、アミン類を含有する廃水を効率よく生物処理のみで処理することができ、さらに余剰汚泥を低減することができる廃水処理システムおよび廃水処理方法を提供すること目的とする。
本発明の廃水処理システムは、
(1)廃水が流入し、アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽と、
第1槽から前記アミン類分解菌とアンモニア同化菌とを含有する中間処理水が流入し、浄化水が流出するとともに、原生動物が生存する第2槽とを含む廃水処理システムである。
(1)廃水が流入し、アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽と、
第1槽から前記アミン類分解菌とアンモニア同化菌とを含有する中間処理水が流入し、浄化水が流出するとともに、原生動物が生存する第2槽とを含む廃水処理システムである。
第1槽は、アミン類分解菌とアンモニア同化菌とを共存させている。アンモニア同化菌は、生育条件の範囲が広く、アンモニア同化の処理速度も速いので好適に廃水を処理することができる。
また、アミン類分解菌とアンモニア同化菌とを同一の第1槽で共存させているので、アミン類をアンモニアに分解する処理と、アンモニアを微生物に同化させる処理を同時に行うことができる。
アンモニア同化により窒素を含んだアンモニア同化菌は、沈殿しにくく、中間処理水中で浮遊した状態となるが、この浮遊した菌を含む中間処理水を、第2槽に移送し、アンモニア同化菌を原生生物に捕食させることで、効率よく沈殿させることができ、回収を容易にすることができる。
また、第1槽と第2槽とを分けることにより、原生動物が過剰にアンモニア同化菌を捕食し、第1槽中のアンモニア同化菌の濃度が減少することを防止することができる。
(2)前記第1槽は、好気性処理を行うことが好ましい。
前記第1槽において好気性処理を行うことにより、第1槽中に有機物分解菌が発生するようになり、同時にアミン類以外の有機物の分解処理も行うことができる。
(3)前記第1槽は、さらに有機物分解菌が共存することが好ましい。
さらに有機物分解菌が共存することにより、廃水に含まれる有機物を同時に処理することができる。
(4)前記第1槽の滞留時間は、0.4〜0.6日であることが好ましい。
前記第1槽の滞留時間を0.4日以上にすることにより、アミン類分解菌およびアンモニア同化菌の増殖を促進することができ、十分に廃水中の窒素をアンモニア同化菌に取り込ませることができる。また、前記第1槽の滞留時間を0.6日以下にすることにより、第1槽中での原生動物の発生を抑制することができ、アミン類分解菌およびアンモニア同化菌の増殖を促すことができる。
(5)前記第2槽の滞留時間は、1.5〜2.0日であることが好ましい。
前記第2槽の滞留時間を1.5日以上にすることにより、原生動物の増殖を促進することができ、十分にアンモニア同化菌を減らすことができ、浮遊物質を減らすことができる。また、前記第2槽の滞留時間を2.0日以下にすることにより、一旦原生動物に取り込まれた有機物や窒素が腐敗し拡散することを防止することができる。
(6)前記第1槽の滞留時間は、前記第2槽の滞留時間より短いことが好ましい。
前記第1槽の滞留時間を、前記第2槽の滞留時間より短くすることにより、第1槽での原生動物の増殖を効率よく抑制することができる。
(7)前記第2槽は、直列の複数槽からなり、当該複数槽の下流側から上流側に返送汚泥を移送する経路を有することが好ましい。
前記第2槽は、直列の複数槽からなり、当該複数槽の下流側から上流側に返送汚泥を移送する経路を有することにより、中間処理水に原生動物が効率よく混入され、第2槽でのアンモニア同化菌の処理を効率よく行うことができる。
(8)前記アミン類分解菌は、コリネバクテリウム属、シュードモナス属、ノカルジア属、アエロモナス属、ミコバクテリウム属、アクアミクロビウム属、ステノトロホモナス属の微生物から選択される1または2以上のアミン類分解菌を含むことが好ましい。
(9)前記アンモニア同化菌は、ハイホミクロビウム属、ロイコバクター属、ロドバクター属、アルカリジェネス属、スフィンゴバクテリウム属、フラボバクテリウム属、ミロイデス属、フルビコラ属の微生物から選択される1または2以上のアンモニア同化菌を含むことが好ましい。
前記のアミン類分解菌およびアンモニア同化菌を用いることにより、アミン類を含有する廃水をより効率よく生物処理のみで処理することができる。
また、本発明は、
(10)廃水をアミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽で処理する第1工程と、第1工程で処理された中間処理水を原生動物が生存する第2槽で処理して浄化水を得る第2工程とを含む廃水処理方法に関する。
(10)廃水をアミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽で処理する第1工程と、第1工程で処理された中間処理水を原生動物が生存する第2槽で処理して浄化水を得る第2工程とを含む廃水処理方法に関する。
本発明の廃水処理システムまたは廃水処理方法によれば、アミン類を含有する廃水を効率よく生物処理のみで処理することができ、さらに余剰汚泥を低減することができる。
本発明の廃水処理システムおよび廃水処理方法は、アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽および、原生動物が生存する第2槽を用いて処理することを特徴とする。
第1槽(第1工程)
第1槽における処理は、アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽に処理対象となる廃水を流入し滞留させることで、廃水中のアミン類をアミン類分解菌によりアンモニアに分解し、このアンモニアをアンモニア同化菌に同化させる処理である(第1工程)。
第1槽における処理は、アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽に処理対象となる廃水を流入し滞留させることで、廃水中のアミン類をアミン類分解菌によりアンモニアに分解し、このアンモニアをアンモニア同化菌に同化させる処理である(第1工程)。
本発明の処理対象となる廃水は、特に限定されず、アミン類を含む有機性窒素化合物を含む廃水などが挙げられる。なかでも、本発明の廃水処理システムおよび廃水処理方法は硝化細菌による硝化反応を経ずに廃水処理することができるため、硝化反応(NH4 +−N → NOX−N)を阻害する硝化阻害成分を含有する有機性窒素化合物含有廃水であることが、本発明の効果をより発揮できるという理由から好ましい。硝化阻害成分としては、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、モノエタノールアミン(MEA)、ベンゾトリアゾール類などのアミン類が挙げられる。
第1槽に流入させる廃水の温度は、特に限定されないが、第1槽内の微生物の増殖を妨げないという理由、微生物の酵素たんぱく質を変性させないという理由から、25〜40℃が好ましく、30〜37℃がより好ましい。
第1槽に流入させる廃水のpHは、特に限定されないが、第1槽内の微生物の増殖を妨げないという理由、アミン分解菌とアンモニア同化に関わる微生物がアルカリ性を好むという理由、バルキングの原因となる糸状菌の増殖を防ぐという理由から、7.0〜11.0が好ましく、7.5〜10.5がより好ましい。
また、第1槽に流入させる廃水の溶存酸素濃度は、特に限定されないが、第1槽内の微生物の増殖を妨げないという理由、バルキングの原因となる糸状菌の増殖を防ぐという理由から、0.5〜4.0g/Lが好ましく、0.5〜2.0g/Lがより好ましい。
前記アミン類分解菌は、廃水中のアミン類をアンモニアに分解することができる微生物である。アミン類の分解は、アミン類を炭酸ガスとアンモニアとに分解することにより行われ、炭酸ガスは主に二酸化炭素として大気中に放出されるが、アンモニアは廃水中に溶解し、残存する。アミン類分解菌としては、コリネバクテリウム属、シュードモナス属、ノカルジア属、アエロモナス属、ミコバクテリウム属、アクアミクロビウム属、ステノトロホモナス属、フィロバクテリウム属の微生物などが挙げられる。これらのアミン類分解菌は、1種または2種以上を含むことができる。なかでもTMAHを分解することができることから、ノカルジア属、アエロモナス属、ミコバクテリウム属、アクアミクロビウム属、ステノトロホモナス属の微生物が好ましい。
前記アンモニア同化菌は、廃水中のアンモニアを菌体内に取り込んで同化する微生物である。アンモニア同化菌としては、ハイホミクロビウム属、ロイコバクター属、ロドバクター属、アルカリジェネス属、スフィンゴバクテリウム属、フラボバクテリウム属、ミロイデス属、フルビコラ属の微生物などが挙げられる。これらのアンモニア同化菌は、1種または2種以上を含むことができる。なかでもTMAHやMEAなどの有機窒素化合物の分解により得られたアンモニアを同化できるという理由から、アルカリジェネス属、フィロバクテリウム属、スフィンゴバクテリウム属、フラボバクテリウム属、ミロイデス属、フルビコラ属の微生物が好ましい。
アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽とすることにより、同一槽内でアミン類のアンモニアへの分解およびアンモニアの同化が行えるため、効率的な処理を行うことができる。
アミン類分解菌およびアンモニア同化菌は、担体に固定化せずに分散菌とすることが好ましい。担体に固定化すると第2槽の原生動物に捕食させることが困難となる。
アミン類分解菌およびアンモニア同化菌として好気性の微生物を用い、第1槽での処理を好気性処理とすることが、菌類の増殖が活発になり、アミン類の分解およびアンモニアの同化が促進されるという理由、アミン類以外の有機物を分解し得る有機物分解菌の発生および共存が可能となり、より効率的に廃水を処理できるという理由から好ましい。
前記有機物分解菌としては、ハイホミクロビウム属、ロイコバクター属、ロドバクター属、アルカリジェネス属、スフィンゴバクテリウム属、フラボバクテリウム属、ミロイデス属、フルビコラ属の微生物などが挙げられる。これらの有機物分解菌は、1種または2種以上を含むことができる。
第1槽の滞留時間は、第1槽内の微生物量や温度などに影響されるが、アミン類分解菌およびアンモニア同化菌の増殖を促進することができ、十分に廃水中の窒素をアンモニア同化菌に取り込ませることができるという理由から、0.4日以上が好ましく、0.45日以上がより好ましい。また、第1槽の滞留時間は、第1槽中での原生動物の発生を抑制することができ、アミン類分解菌およびアンモニア同化菌の増殖を促すことができるという理由から、0.6日以下が好ましく、0.55日以下がより好ましい。
また、第1槽の滞留時間は、第1槽での原生動物の増殖を効率よく抑制することができるという理由から、後述の第2槽の滞留時間より短いことが好ましい。
前記第1槽は、温度調節機能、pH調整機能および溶存酸素濃度調整機能を有することが好ましい。第1槽で滞留中の廃水の温度、pHおよび溶存酸素濃度を調整することで、微生物の増殖を促進させ、より効率的な廃水処理とすることができる。温度調節機能、pH調整機能および溶存酸素濃度調整機能は特に限定されず、従来の水処理装置に用いられている装置を用いることができる。
第1槽における処理後の廃水(中間処理水)の温度は、第2槽における原生動物の増殖や原生動物による微生物の捕食を活性化させるという理由から、25℃以上が好ましく、30℃以上がより好ましい。また、第1槽内における温度は、微生物の増殖を妨げないという理由、微生物の酵素たんぱく質を変性させないという理由から、40℃以下が好ましく、37℃以下がより好ましい。
第1槽における処理後の廃水(中間処理水)のpHは、アミン分解菌とアンモニア同化に関わる微生物類がアルカリ性を好むという理由、バルキングの原因となる糸状菌の増殖を防ぐという理由から、7.0以上が好ましく、7.5以上がより好ましい。また、第1槽におけるpHは高すぎる場合に同化速度の低下が発生するという理由から、11.0以下が好ましく、10.5以下がより好ましい。
第1槽内における廃水の溶存酸素濃度は、好気性細菌の同化を活性化させるという理由から、0.5g/L以上が好ましく、1.0g/L以上がより好ましい。また、第1槽内における溶存酸素濃度はバルキングの原因となる糸状菌の増殖を防ぐという理由から、4.0g/L以下が好ましく、2.0g/L以下がより好ましい。
第1槽の処理が完了した廃水は中間処理水として、第2槽に所定の流量で移送される。移送する中間処理水は、第1槽内で増殖した微生物を分散菌として含有する。第1槽内で増殖した微生物は、その全てを第2槽に移送してもよいし、一部を残して新たに流入してくる廃水の処理に使用してもよい。
第2槽(第2工程)
第2槽における処理は、原生動物が生存する第2槽に第1槽で得られたアミン類分解菌およびアンモニア同化菌を含有する中間処理水を流入し滞留させることで、中間処理水中の微生物を原生動物により捕食させる処理である(第2工程)。
第2槽における処理は、原生動物が生存する第2槽に第1槽で得られたアミン類分解菌およびアンモニア同化菌を含有する中間処理水を流入し滞留させることで、中間処理水中の微生物を原生動物により捕食させる処理である(第2工程)。
前記原生動物としては、限定されず、一般的な活性汚泥に含まれる原生動物とすることができる。
前記第2槽を構成する処理槽の数は特に限定されないが、直列の複数槽からなり、当該複数槽の下流側から上流側に返送汚泥を移送する経路を有する第2槽とすることにより、上流の処理槽に効率的に原生動物を混入できることから好ましい。
第2槽の滞留時間は、第2槽内の原生動物を含む活性汚泥量や温度などに影響されるが、原生動物の活動が活発となり、十分に中間処理水中の微生物を原生動物に取り込ませることができるという理由から、1.5日以上が好ましい。また、第2槽の滞留時間は、一旦原生動物に取り込まれた有機物や窒素が腐敗し拡散することを防止するという目的から、2.0日以下がより好ましい。
前記第2槽は、温度調節機能、pH調整機能および溶存酸素濃度調整機能を有することが好ましい。第2槽で滞留中の廃水の温度、pHおよび溶存酸素濃度を調整することで、原生動物の増殖を促進させ、より効率的な廃水処理とすることができる。温度調節機能、pH調整機能および溶存酸素濃度調整機能は特に限定されず、従来の水処理装置に用いられている装置を用いることができる。
第2槽における処理後の処理水のpHは、沈降分離の際に投入する硫酸バン土の効果を十分に得るという理由から、6.5以上、7.5以下が好ましい。また、第2槽内におけるpHは原生動物類の生育維持と糸状菌の発生を抑制するという理由から、7.5以上、9.0以下がより好ましい。
第2槽内における廃水の溶存酸素濃度は、原生動物の活動を活発にするという理由から、0.5g/L以上が好ましく、1.0g/L以上がより好ましい。また、第2槽内における溶存酸素濃度は第1槽目の負荷変動により発生し得る未処理有機物などが流入する際に溶存酸素が高いとバルキングが発生しやすいという理由から、4.0g/L以下が好ましく、2.0g/L以下がより好ましい。
第2槽の処理が完了した廃水は、処理水および活性汚泥の混合液であり、重力分離により処理水と汚泥とに固液分離する(固液分離工程)。この固液分離工程は、第2槽を構成する一部の槽内で行ってもよいし、前記混合液を第2槽とは異なる沈殿槽などに移送し、沈殿槽内で行ってもよい。分離された処理水は所定の流量で外部に廃水される。また、沈殿物となった活性汚泥は第2槽に返送汚泥として移送するか、余剰汚泥として排出する。
本発明の廃水処理システムおよび廃水処理方法によれば、アミン類を含有する廃水を効率よく生物処理のみで処理することができるため、アミン類を多く含有する染色加工工場や薬品製造工場等からの廃水であっても、効率よく生物処理のみで処理することができる。本発明の第1槽および第2槽を用いた廃水処理システムおよび廃水処理方法によれば、余剰汚泥を低減することができる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
実施例1および2
工場から排出された硝化阻害成分を含む有機性窒素化合物含有廃水7L/日を、アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存している塩化ビニル製の第1槽(4.5L)に流入させ、表1に示す溶存酸素濃度となるように曝気しながら8〜15時間滞留させた。第1槽での滞留後、アミン類分解菌とアンモニア同化菌とを含有する中間処理水を塩化ビニル製の第2槽(18L)に流入させ、表1に示す溶存酸素濃度となるように曝気しながら1.5〜2.0日間滞留させた。第2槽での滞留後、処理水を塩化ビニル製の沈降槽(5L)に移送し、重力分離により処理水と汚泥とに固液分離させた。廃水、第1槽後の中間処理水、沈降槽で得られた処理水の観察結果を表1に、第1槽での菌叢を表2に、第2槽での原生動物を表3に示す。なお、実施例はn=2で行い、実施例1および2とした。
工場から排出された硝化阻害成分を含む有機性窒素化合物含有廃水7L/日を、アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存している塩化ビニル製の第1槽(4.5L)に流入させ、表1に示す溶存酸素濃度となるように曝気しながら8〜15時間滞留させた。第1槽での滞留後、アミン類分解菌とアンモニア同化菌とを含有する中間処理水を塩化ビニル製の第2槽(18L)に流入させ、表1に示す溶存酸素濃度となるように曝気しながら1.5〜2.0日間滞留させた。第2槽での滞留後、処理水を塩化ビニル製の沈降槽(5L)に移送し、重力分離により処理水と汚泥とに固液分離させた。廃水、第1槽後の中間処理水、沈降槽で得られた処理水の観察結果を表1に、第1槽での菌叢を表2に、第2槽での原生動物を表3に示す。なお、実施例はn=2で行い、実施例1および2とした。
比較例1
アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽および、原生動物が生存する第2槽を用いた廃水処理システムではなく、第1槽で有機性窒素をアンモニア性窒素とし、これを硝化細菌により硝化した後、第2槽で脱窒細菌により脱窒処理し、3槽目で好気処理により仕上げ処理する廃水処理システムにより、工場から排出された硝化阻害成分を含む有機性窒素化合物含有廃水7L/日の廃水処理を行った。
アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽および、原生動物が生存する第2槽を用いた廃水処理システムではなく、第1槽で有機性窒素をアンモニア性窒素とし、これを硝化細菌により硝化した後、第2槽で脱窒細菌により脱窒処理し、3槽目で好気処理により仕上げ処理する廃水処理システムにより、工場から排出された硝化阻害成分を含む有機性窒素化合物含有廃水7L/日の廃水処理を行った。
比較例2
アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽および、原生動物が生存する第2槽を用いた廃水処理システムではなく、第1槽、第2槽ともに同容量9Lの従来の好気活性汚泥処理においてアミン分解菌を馴養した廃水処理システムにより、工場から排出された硝化阻害成分を含む有機性窒素化合物含有廃水7L/日の廃水処理を行った。
アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽および、原生動物が生存する第2槽を用いた廃水処理システムではなく、第1槽、第2槽ともに同容量9Lの従来の好気活性汚泥処理においてアミン分解菌を馴養した廃水処理システムにより、工場から排出された硝化阻害成分を含む有機性窒素化合物含有廃水7L/日の廃水処理を行った。
<評価>
各実施例および比較例の廃水処理システムによる全有機炭素(TOC)減少率、全窒素(T−N)減少率、浮遊物質(SS)減少率、硝化阻害成分減少率、系内と系外のSS分より増加汚泥量を評価した。評価結果を表1に示す。
各実施例および比較例の廃水処理システムによる全有機炭素(TOC)減少率、全窒素(T−N)減少率、浮遊物質(SS)減少率、硝化阻害成分減少率、系内と系外のSS分より増加汚泥量を評価した。評価結果を表1に示す。
表1に示す結果より、本発明の廃水処理システムによれば、従来の方法に比べてTOC、T−N量に大差はなく、汚泥の発生量を従来の方法に比べて減らせることが確認できた。特に、今回の試験では、本発明の廃水処理システムによる汚泥発生量は、従来比約1/3程度であり、処理に手間およびコストのかかる汚泥の発生量を抑えることができたことから本システムの効率性が実証できた。
Claims (18)
- 廃水が流入し、アミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽と、
第1槽から前記アミン類分解菌とアンモニア同化菌とを含有する中間処理水が流入し、浄化水が流出するとともに、原生動物が生存する第2槽とを含む廃水処理システム。 - 前記第1槽は、好気性処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の廃水処理システム。
- 前記第1槽は、さらに有機物分解菌が共存することを特徴とする請求項1または2に記載の廃水処理システム。
- 前記第1槽の滞留時間は、0.4〜0.6日であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の廃水処理システム。
- 前記第2槽の滞留時間は、1.5〜2.0日であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の廃水処理システム。
- 前記第1槽の滞留時間は、前記第2槽の滞留時間より短いことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の廃水処理システム。
- 前記第2槽は、直列の複数槽からなり、当該複数槽の下流側から上流側に返送汚泥を移送する経路を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の廃水処理システム。
- 前記アミン類分解菌は、コリネバクテリウム属、シュードモナス属、ノカルジア属、アエロモナス属、ミコバクテリウム属、アクアミクロビウム属、ステノトロホモナス属、フィロバクテリウム属の微生物から選択される1または2以上のアミン類分解菌を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の廃水処理システム。
- 前記アンモニア同化菌は、ハイホミクロビウム属、ロイコバクター属、ロドバクター属、アルカリジェネス属、フィロバクテリウム属、スフィンゴバクテリウム属、フラボバクテリウム属、ミロイデス属、フルビコラ属の微生物から選択される1または2以上のアンモニア同化菌を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の廃水処理システム。
- 廃水をアミン類分解菌とアンモニア同化菌とが共存する第1槽で処理する第1工程と、
第1工程で処理された中間処理水を原生動物が生存する第2槽で処理して浄化水を得る第2工程とを含む廃水処理方法。 - 前記第1工程の処理は、好気性処理であることを特徴とする請求項10に記載の廃水処理方法。
- 前記第1槽は、さらに有機物分解菌が共存することを特徴とする請求項10または11に記載の廃水処理方法。
- 前記第1工程の滞留時間は、0.4〜0.6日であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の廃水処理方法。
- 前記第2工程の滞留時間は、1.5〜2.0日であることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載の廃水処理方法。
- 前記第1工程の滞留時間は、前記第2工程の滞留時間より短いことを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の廃水処理方法。
- 前記第2槽は、直列の複数槽からなり、当該複数槽の下流側から上流側に返送汚泥を移送する経路を有することを特徴とする請求項10〜15のいずれか1項に記載の廃水処理方法。
- 前記アミン類分解菌は、コリネバクテリウム属、シュードモナス属、ノカルジア属、アエロモナス属、ミコバクテリウム属、アクアミクロビウム属、ステノトロホモナス属、フィロバクテリウム属の微生物から選択される1または2以上のアミン類分解菌を含むことを特徴とする請求項10〜16のいずれか1項に記載の廃水処理方法。
- 前記アンモニア同化菌は、ハイホミクロビウム属、ロイコバクター属、ロドバクター属、アルカリジェネス属、スフィンゴバクテリウム属、フラボバクテリウム属、ミロイデス属、フルビコラ属の微生物から選択される1または2以上のアンモニア同化菌を含むことを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項に記載の廃水処理方法。
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