JP2017164491A - 自律神経の揺らぎの利用方法およびシステム - Google Patents

自律神経の揺らぎの利用方法およびシステム Download PDF

Info

Publication number
JP2017164491A
JP2017164491A JP2017027060A JP2017027060A JP2017164491A JP 2017164491 A JP2017164491 A JP 2017164491A JP 2017027060 A JP2017027060 A JP 2017027060A JP 2017027060 A JP2017027060 A JP 2017027060A JP 2017164491 A JP2017164491 A JP 2017164491A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
user
fluctuation
autonomic nerve
fluctuation period
period
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017027060A
Other languages
English (en)
Inventor
全弘 坂井
Masahiro Sakai
全弘 坂井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Publication of JP2017164491A publication Critical patent/JP2017164491A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/48Other medical applications
    • A61B5/486Bio-feedback
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/0091Fixation targets for viewing direction
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/11Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for measuring interpupillary distance or diameter of pupils
    • A61B3/112Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for measuring interpupillary distance or diameter of pupils for measuring diameter of pupils
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/02Detecting, measuring or recording pulse, heart rate, blood pressure or blood flow; Combined pulse/heart-rate/blood pressure determination; Evaluating a cardiovascular condition not otherwise provided for, e.g. using combinations of techniques provided for in this group with electrocardiography or electroauscultation; Heart catheters for measuring blood pressure
    • A61B5/024Detecting, measuring or recording pulse rate or heart rate
    • A61B5/0245Detecting, measuring or recording pulse rate or heart rate by using sensing means generating electric signals, i.e. ECG signals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/40Detecting, measuring or recording for evaluating the nervous system
    • A61B5/4029Detecting, measuring or recording for evaluating the nervous system for evaluating the peripheral nervous systems
    • A61B5/4035Evaluating the autonomic nervous system

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Biodiversity & Conservation Biology (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)
  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)
  • Eye Examination Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】簡易な自律神経の揺らぎの利用方法を提供する。【解決手段】方法は、(a)使用者の自律神経の揺らぎ周期の情報を取得するステップと、(b)前記取得した情報に基づいて、前記使用者の呼吸を前記自律神経の揺らぎ周期に同期させるステップと、(c)前記取得した情報に基づいて、前記ステップ(b)と同時に、前記使用者の瞳孔径揺らぎを前記自律神経の揺らぎ周期に同期させるステップと、を包含する。前記自律神経の揺らぎ周期は、瞳孔径の揺らぎ周期、心拍4の揺らぎ周期、または前記瞳孔径の揺らぎ周期および前記心拍の揺らぎ周期から算出11された周期であってもよい。【選択図】図1

Description

本開示は、自律神経の揺らぎを利用する方法およびシステムに関する。
近年、バイオフィードバック技術の研究が進んでいる。「バイオフィードバック」とは、意識にのぼらない情報を工学的な手段によって意識上にフィードバックすることにより、体内状態を意識的に調節することを可能とする技術や現象のことを言う。たとえば、被験者の現在の心拍数、脈拍数、呼吸数などの生体情報を考慮して、被験者の生理状態と同質となる生理状態を出現させる刺激を与える。これにより、現状の生理状態を緩和し、徐々に目的とする生理状態に誘導することができる。
従来のバイオフィードバック方法として、たとえば特許文献1および2が知られている。
特許文献1は、心拍数、筋電、血圧、呼吸数、皮膚電気反射などを用いてバイオフィードバックを行う技術を開示する。図11は、特許文献1に記載された従来のバイオフィードバック装置600を示す。バイオフィードバック装置600の生理計測部63は、被験者(「使用者」と呼ぶことがある。)の生理情報を取得する。取得された情報は、自律神経の活動指標を算出する状態推定部64、状態決定部65から制御決定部66に送られ、最終的に、刺激提示部68により、使用者に何らかの刺激を提示する。特許文献1の実施例では、既知の心拍揺らぎバイオフィードバックを行っている(たとえば非特許文献1参照)。
また、特許文献2は、脳波(または脳磁)、生化学的な反応、瞬きの頻度、皮膚抵抗、発汗、声の抑揚、体動、口の動きや、乾き、頭部の動き、瞳孔の大きさ、顔面の表情、心拍数、脈拍、呼吸数、呼吸状態、体表温を用いてバイオフィードバックを行う技術を開示する。特許文献2は、それらの情報に基づいて使用者の精神活動を推定し、五感に1/f揺らぎ理論などを利用して時系列に強度を変化させて使用者に伝達する。図12は、特許文献2に記載された従来のバイオフィードバック装置を示す。精神活動検出手段71は使用者の各種生体反応を検出し、精神活動判定手段76は、この検出結果を複合的に解析する。その結果、使用者の精神活動状態が判定される。そして、精神活動選択手段74が選択した精神活動を目標として、刺激発生手段73は使用者の五感に対して時系列的に強度変化する刺激を与える。
特開2008−125802号公報 特開2001−252265号公報
心拍変動バイオフィードバック法、バイオフィードバック研究、2013年、40巻、第2号、3頁
本開示の、限定的ではない例示的なある実施形態は、簡易な自律神経の揺らぎの利用方法を提供する。
本開示の、一態様にかかる方法は、(a)使用者の自律神経の揺らぎ周期の情報を取得するステップと、(b)前記取得した情報に基づいて、前記使用者の呼吸を前記自律神経の揺らぎ周期に同期させるステップと、(c)前記取得した情報に基づいて、前記ステップ(b)と同時に、前記使用者の瞳孔径揺らぎを前記自律神経の揺らぎ周期に同期させるステップと、を包含する。前記自律神経の揺らぎ周期は、瞳孔径の揺らぎ周期、心拍の揺らぎ周期、または前記瞳孔径の揺らぎ周期および前記心拍の揺らぎ周期から算出された周期であってもよい。
上述の一般的かつ特定の態様は、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記録媒体、及びこれらの何れかの組み合わせを用いて実現され得る。
本開示の例示的な実施形態にかかる方法によれば、簡易に自律神経の揺らぎを利用することができる。
本実施形態にかかるバイオフィードバックシステム100の概略的な構成を示す図である。 (a)〜(e)は、心電測定部3が出力した心電信号を瞬時心拍に変換する手順の概念を示す図である。 バイオフィードバックシステム100のハードウェア構成の一例を示す図である。 心電測定部3および心拍算出部4を構成するCPU401の処理の手順を示すフローチャートである。 (a)〜(c)は、Resting、HRVならびにHRV+PDの心拍揺らぎの結果を示す図である。 (a)および(b)は、2秒ごとに50秒幅でパワースペクトルを計算した結果を示す図である。 実施形態2にかかるバイオフィードバックシステム200の概略的な構成を示す図である。 実施形態2にかかるバイオフィードバックシステム200のハードウェア構成の一例を示す図である。 カメラ902によって撮影された使用者1の眼球の画像例を示す図である。 画像処理回路403によって2値化された画像の一部を示す図である。 実施形態3にかかるバイオフィードバックシステム300の概略的な構成を示す図である。 特許文献1に記載された従来のバイオフィードバック装置600を示す図である。 特許文献2に記載された従来のバイオフィードバック装置を示す図である。
まず、本開示の基礎となった知見を説明する。
バイオフィードバック技術は、意識にのぼらない情報を工学的な手段によって意識上にフィードバックすることにより人の生理状態を制御する技術である。特許文献1では、実質、生理情報として具体的な記載があるのは、心拍のみである。これは、非特許文献1に記載の、心拍揺らぎバイオフィードバックに関する技術と同じである。心拍揺らぎバイオフィードバックでは、ゆっくりとした腹式呼吸により心拍を制御する。本発明者の検討によると、使用者によっては、意識的にゆっくりした腹式呼吸をすることが苦手な場合がある。また、通常状態ではゆっくりした腹式呼吸ができる使用者であっても、強いストレス状態にある場合など、それを実施することが容易ではない場合もある。つまり、心拍揺らぎバイオフィードバックを実施することは、事実上困難となる場合がある。
また、特許文献2では、多くの生理情報に関する記載があるものの、既知の一般的な内容であり、具体的な実施例はない。さらに、特許文献2は、フィードバックの方法として、主に1/f揺らぎを有する光の点滅や音を提案しているが、取得した生理情報にフィードバックの影響が及ぶのかどうか、何ら検証、確認されておらず、推測の域を出ない。
本発明者が鋭意検討を行った結果、心拍揺らぎだけではなく、心拍揺らぎおよび瞳孔径揺らぎの両方を利用して自律神経を制御することが、より容易、かつより効果的なバイオフィードバックを実現することになるとの結論に至った。
上述のように、一般に、バイオフィードバックは、使用者に刺激を与えて自律神経を変化させることによって所望の生理状態を誘導する。自律神経は2つの神経、すなわち交感神経および副交感神経からなるとされている。これら交感神経と副交感神経とが相補的に作用することにより、使用者の意思とは無関係に、各種臓器、部位の機能が自動的に調節される。これを自律神経の2重支配と呼ぶ。交感神経と副交感神経のバランスが崩れると疾患に繋がる。
代表的なバイオフィードバックである心拍揺らぎバイオフィードバックでは、腹式呼吸を窓口として、心拍にアクセスし、自律神経を調整する。具体的には、使用者に呼吸を意識的にゆっくり行わせることで、血圧の周期変動に、呼吸変動を同期させ、最大の心拍揺らぎを実現する。血圧の周期変動(すなわち、末端の圧受容器の周期変動)は、心拍揺らぎの低周波成分であり、通常は0.04−0.15Hzである。また、呼吸変動は、心拍揺らぎの高周波成分であり、通常は0.15−0.5Hzである。
本発明者は、複式呼吸のみを利用した心拍揺らぎのバイオフィードバックでは、複式呼吸ができない場合には全くバイオフィードバックの効果が得られず、また、腹式呼吸以外の要因、たとえばストレス等により、限定的にしか効果が得られない場合があることに注目した。そして、より確実に効果が得られる方法はないかを検討した。
まず本発明者は、簡単な訓練により、輻輳反応により瞳孔径の変化を意図的に起こせることを利用できるか否か、検討を進めた。その結果、輻輳反射による瞳孔径変化を意図的に生じさせることが可能であることがわかった。すなわち、使用者に所定の物体をリラックスして注視させ、その物体と使用者の距離を変化させることで、輻輳反応による瞳孔径の変化を誘起させられることが明らかになった。瞳孔径は自律神経の2重支配を受けているので、瞳孔径の周期的変動は、脳内で自律神経にフィードバックされることが期待され、結果として、自律神経のバランスを制御することが可能となる。
また、本発明者らのさらなる検討によれば、移動する物体の位置に腹式呼吸を同期させることは、単に腹式呼吸を行うよう指示した場合や、単に数値、グラフ、映像などに腹式呼吸を同期するよう促す場合に比べて容易であることが分かった。
そこで本発明者は、腹式呼吸のみによって心拍揺らぎバイオフィードバックを行うのではなく、心拍揺らぎと瞳孔径揺らぎとを同期させてバイオフィードバックを行うこととした。従来の心拍揺らぎバイオフィードバック法と比較して、いずれも自律神経の支配を受けている心拍揺らぎと瞳孔径揺らぎとが同期されるため、高いバイオフィードバック効果が実用的に得られる。本発明者は、心拍揺らぎと瞳孔径揺らぎとを同期させてバイオフィードバックを行う方式によれば、被験者の覚醒度(Arousal)が低いときにより高い効果が得られることを確認した。
以上により、本発明者は、従来の心拍揺らぎバイオフィードバック法を用いるよりも簡便、実用的かつ効果的なバイオフィードバック技術を開発するに至った。
本開示の一態様の概要は以下のとおりである。
本開示の一態様にかかる方法は、(a)安静時の使用者の自律神経の揺らぎ周期の情報を取得するステップと、(b)前記取得した情報に基づいて、前記使用者の呼吸を前記自律神経の揺らぎ周期に同期させるステップと、(c)前記取得した情報に基づいて、前記ステップ(b)と同時に、前記使用者の瞳孔径揺らぎを前記自律神経の揺らぎ周期に同期させるステップと、を包含する。前記自律神経の揺らぎ周期は、瞳孔径の揺らぎ周期、心拍の揺らぎ周期、または前記瞳孔径の揺らぎ周期および前記心拍の揺らぎ周期から算出された周期であってもよい。前記ステップ(c)において、前記使用者の視点を前記使用者から遠ざかる方向に誘導することおよび前記使用者に近づく方向に誘導することを含む1サイクルを前記自律神経の揺らぎ周期で繰り返すことにより、前記使用者の瞳孔径揺らぎを前記自律神経の揺らぎ周期に同期させてもよい。
前記自律神経の揺らぎ周期は、使用者の安静時における心拍揺らぎに含まれる所定周波数帯域のピーク周波数に対応する周期であってもよい。
前記所定の周波数帯域は、0.04−0.15Hzであってもよい。
前記ステップ(c)において、心拍数が、安静時平均値より大きい場合には、前記使用者の視点を前記使用者に近づく方向に誘導してもよい。
前記ステップ(b)において、前記ステップ(c)で前記使用者の視点を前記使用者から遠ざかる方向に誘導するときに、前記使用者に吸気させてもよい。
前記ステップ(c)において、前記サイクルを繰り返すことは、(c1)前記使用者に、物体を注視させることによって前記視点を前記物体に合わせさせること、および(c2)前記ステップ(c1)の後、前記物体を前記使用者から遠ざかる方向に移動させることと、前記物体を前記使用者に近づく方向に移動させることとを交互に繰り返すことを含んでいてもよい。
前記ステップ(c)において、前記サイクルを繰り返すことは、(c1)表示装置の画面上に3次元画像の物体を表示すること、(c2)前記使用者に、前記物体を注視させることによって前記視点を前記物体に合わせさせること、および(c3)前記ステップ(c2)の後、前記物体の大きさを変更することにより、前記物体を前記使用者から遠ざかる方向に仮想的に移動させることと、前記物体を前記使用者に近づく方向に仮想的に移動させることとを交互に繰り返すことを含んでいてもよい。
前記ステップ(c)において、前記サイクルを繰り返すことは、(c1)前記使用者に、光が照らす位置を注視させることによって前記視点を前記光が照らす位置に合わせさせること、および(c2)ステップ(c1)の後、前記光が照らす位置を前記使用者から遠ざかる方向に移動させることと、前記光が照らす位置を前記使用者に近づく方向に移動させることとを交互に繰り返すことを含んでいてもよい。
前記心拍揺らぎ周期の情報は、心電を測定することにより取得されてもよい。
前記心拍揺らぎ周期の情報は、脈波を測定することにより取得されてもよい。
本開示の一態様にかかるシステムは、安静時の使用者の自律神経の揺らぎ周期の情報を保持する記憶装置と、前記記憶装置が保持する前記情報に基づいて、物体を移動させるための制御信号を生成するプロセッサであって、前記制御信号によって前記物体を前記揺らぎ周期で移動させることにより、前記使用者の呼吸を前記揺らぎ周期に同期させ、かつ、前記使用者の瞳孔径揺らぎを、前記自律神経の揺らぎ周期に同期させるプロセッサとを備えている。
本開示の他の態様にかかるシステムは、安静時の使用者の自律神経の揺らぎ周期の情報を保持する記憶装置と、前記使用者の視点の位置を誘導するコントローラであって、前記記憶装置が保持する前記情報に基づく制御信号に従って物体を移動させることにより、前記使用者の視点を使用者から遠ざかる方向に誘導することおよび前記使用者の視点を前記使用者に近づく方向に誘導することを含む1サイクルを前記自律神経の揺らぎ周期で繰り返し、かつ、前記使用者の呼吸を前記自律神経の揺らぎ周期に同期させるコントローラとを備えている。
以下、添付の図面を参照しながら、本開示によるバイオフィードバック装置の実施形態を説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態にかかるバイオフィードバックシステム100の概略的な構成を示す。理解の便宜のため、使用者1も併せて示されている。
まず、バイオフィードバックシステム100の概要を説明する。
バイオフィードバックシステム100では、使用者1の呼吸を利用した心拍揺らぎと、使用者1の瞳孔径の揺らぎとを同期させてバイオフィードバックを行う。
バイオフィードバックシステム100では、使用者1の安静時における自律神経の揺らぎ周期の情報を予め取得しておく。その後、バイオフィードバックシステム100は、並列的に2つの処理を実行する。すなわち、(1)使用者1の呼吸を自律神経の揺らぎ周期に同期させる処理、および、(2)使用者1の瞳孔径揺らぎを、自律神経の揺らぎ周期に同期させる処理、である。(2)の処理は、自律神経の揺らぎ周期にあわせて、使用者1の視点を近くから遠く、遠くから近くへ誘導する、という処理で実現してもよい。
処理(1)に関しては、従来の心拍揺らぎバイオフィードバックの考え方を利用している。使用者1の呼吸を自律神経の揺らぎ周期に同期させると、心拍を制御することが可能である。その結果、自律神経を調整することが可能になる。呼吸は、例えば、腹式呼吸である。
処理(2)に関して、使用者1は物体2を注視するよう指示される。このとき、バイオフィードバックシステム100は、任意の周期ではなく、上述の自律神経の揺らぎ周期で物体2を使用者1に近付け、遠ざける。当該物体2を注視する使用者1の視点は、安静時における自律神経の揺らぎ周期で、近くから遠く、遠くから近くへ誘導される。視点の移動により輻輳反応が生じ、瞳孔径の変化をもたらす。その結果、自律神経で支配される瞳孔径を、物体2の動きの周期を利用して変化させ、自律神経の周期を制御することが可能になる。
処理(2)で利用されている、物体2の動きの周期は、使用者1が処理(1)の呼吸を行うための基準としても利用され得る。例えば、使用者1は、物体2が遠ざかるタイミングで吸気し、それ以外の期間ではゆっくり呼気するよう指示される。本発明者の知見として説明したように、物体2の位置に腹式呼吸を同期させることは、単に腹式呼吸を行う場合よりも容易である。
上述の処理によれば、心拍揺らぎと瞳孔径揺らぎとを同期させるため、より確実に、自律神経の揺らぎ周期を、安静時における自律神経の揺らぎ周期に誘導することができる。さらに、物体2が移動するタイミングと呼吸のタイミングとを関連付けることにより、腹式呼吸の誘導が容易になる。よって従来行われていたバイオフィードバックよりも実用的である。
上述の処理を行うバイオフィードバックシステム100の具体的な構成を説明する。
バイオフィードバックシステム100は、制御部6と、心電センサ7と、フィードバック部10とを備えている。制御部6は、心電測定部3と、心拍算出部4と、物体位置制御部5と、心拍揺らぎ算出部11とを備えている。また、フィードバック部10は、物体2および物体駆動部8を備えている。以下では処理に関連する順序で構成要素を説明する。
まず、バイオフィードバックシステム100では、バイオフィードバック動作を行う前に、使用者1の安静時の心拍を求めておく。そのために、たとえば、心電センサ7、心電測定部3、心拍算出部4、および心拍揺らぎ算出部11が利用される。
心電センサ7は、使用者1に装着され、使用者1の心電を取得する。心電のデータは、無線または有線で出力される。
心電測定部3は、使用者1の心電のデータを有線または無線で受け取り、続く処理に必要な形式に変換して、心電信号として出力する。
心拍算出部4は、心電信号を、瞬時心拍を示す信号(瞬時心拍信号)に変換する。変換手順は以下のとおりである。瞬時心拍とは、電圧値によって表される複数のR波ピークを、2つのR波ピークの間隔を示す時間(単位:秒)を用いた形式に変換してそれらを補間によって滑らかに繋げた連続信号である。
図2(a)〜(e)は、心電測定部3が出力した心電信号を瞬時心拍に変換する手順の概念を示す。
図2(a)は、心電信号の波形例を示す。心拍算出部4はこの波形を受け取って以下の処理を行う。
心拍算出部4は、まず心電信号のR波のピークを特定する。たとえば心拍算出部4は、予め定めた閾値以上で、かつ極大値(ピーク)を取る値をR波のピークとして特定する。図2(b)は、特定されたR波のピークの値とその時刻を示す。
次に心拍算出部4は、得られたデータをRR間隔タコグラムに変換する。すなわち、縦軸に示すR波のピークの値を、RR時間間隔に変換する。具体的には、心拍算出部4は、時刻T1で得られたR波のピークAの値を、次に特定された時刻T2の値を用いて、(T2−T1)に置き換える。この結果、ピークAは、座標(T1,T2−T1)に変換される。同様に、時刻T2で得られた2番目のR波のピークBは、座標(T2,T3−T2)に置き換えられ、続くピークCは座標(T3,T4−T3)に置き換えられる。
図2(c)は、上述の処理によって得られた各ピークに対応する座標を示す。
心拍算出部4は、このようにして得られた離散的な座標を、滑らかに補間することによって曲線を求める。図2(d)は、図2(c)の各座標をスプライン補間して得られた曲線を示す。なおスプライン補間の技術は周知であり、詳細の説明は省略する。スプライン補間以外の補間処理を利用してもよい。さらに図2(e)はより長い時間に亘るR波ピークを利用して得られた曲線を示す。このようにして得られた曲線が、瞬時心拍である。本実施形態では、瞬時心拍の時間平均を使用者1の安静時の心拍として利用する。
上述の処理の説明から明らかなように、心拍算出部4の処理周期は、瞬時心拍のRR間隔より短い必要がある。
再び図1を参照する。心拍算出部4は、変換した瞬時心拍を出力する。心拍揺らぎ算出部11は、瞬時心拍を示す情報を取得する。
心拍揺らぎ算出部11は、瞬時心拍の波形から、心拍揺らぎを求める。たとえば心拍揺らぎ算出部11は、瞬時心拍の波形の周波数揺らぎを解析する。具体的には、高速フーリエ変換によりパワースペクトルを算出する。フーリエ変換のため、本発明者は、一例として50秒に亘って取得された瞳孔径値の時系列の情報を利用した。心拍揺らぎ算出部11は、得られた瞬時心拍の波形の周波数揺らぎを用いて、低周波(LF)領域のピーク周波数を検出することにより、心拍揺らぎを求めることができる。この後、バイオフィードバックシステム100は、バイオフィードバック動作を行う。上述のように、心拍揺らぎ算出部11は、心拍揺らぎの低周波成分(LF)のピーク周波数相当の周期を求めている。この周期は、安静時における使用者1の自律神経の揺らぎ周期であると言うことができる。
バイオフィードバック動作のために、心拍揺らぎ算出部11は、上述した周期の情報を物体位置制御部5に送る。物体位置制御部5は、後に取得するバイオフィードバック動作時の瞬時心拍の情報と、上述した周期の情報とを利用して制御信号を生成する。フィードバック部10の物体駆動部8は、物体位置制御部5から制御信号を受けて、この周期に同期するように物体2を移動させ、使用者1に呼吸を促す。これにより、瞳孔径および心拍の両方から、自律神経を調整することができる。
バイオフィードバック動作では、心電センサ7が使用者1の現在の心電を取得する。その後の処理は心拍算出部4が瞬時心拍を出力するまでは同じである。
心拍算出部4は、瞬時心拍の情報を物体位置制御部5に送る。
物体位置制御部5は、瞬時心拍と、予め取得していた安静時における使用者1の自律神経の揺らぎ周期の情報とに基づいて物体2を周期運動させるための制御信号を生成する。その方法は以下のとおりである。
物体位置制御部5は、所定のフィードバック周期の1/2の期間内で瞬時心拍を平均する。「所定のフィードバック周期」は、安静時における自律神経の揺らぎ周期である。物体位置制御部5は、平均瞬時心拍数(瞬時心拍の平均値の逆数)と平均安静時心拍数(安静時瞬時心拍の平均値の逆数)との大小関係で物体2の制御を変える。
例えば、物体位置制御部5は、平均瞬時心拍数が平均安静時心拍数よりも大きい場合には、物体2を使用者1に近づけるよう制御する制御信号を生成する。一方、物体位置制御部5は、平均瞬時心拍数が平均安静時心拍数よりも小さい場合、物体2を使用者1から遠ざけるよう制御する制御信号を生成する。
さらに、本実施形態では、呼吸に関しても使用者1に介在する。たとえば、使用者1は事前に、物体2が遠ざかるタイミングで吸気し、それ以外の期間では、ゆっくり呼気するよう指示される。
図3は、バイオフィードバックシステム100のハードウェア構成の一例を示す。図3には、心電センサ7、制御部6およびフィードバック部10に対応するハードウェア構成がそれぞれ示されている。なお、図示されたハードウェアが動作するためには電源が必要であるが、電源の記載は省略した。
心電センサ7は、公知の心電計である。心電センサ7は、使用者1の心電を示す信号を有線または無線で出力する。
制御部6の心電測定部3および心拍算出部4は、たとえば信号処理回路またはプロセッサ(以下「CPU」)401と、メモリ402と、無線通信回路404とによって構成される。これらは互いにバス405で接続されており、相互にデータの授受が可能である。
CPU401は、メモリ402に格納されているコンピュータプログラム406を実行して、心電測定部3および心拍算出部4としての動作を制御する。コンピュータプログラム406は、図4に示すフローチャートの処理を実行する命令群である。なお、CPU401は、心拍揺らぎ算出部11としても動作する。上述した心拍揺らぎ算出部11の処理の内容に対応するコンピュータプログラムもまた、メモリ402に存在する。
さらに、CPU401は、瞬時心拍の平均値を算出する。平均値を算出するための期間は、安静時における自律神経の揺らぎ周期(すなわち、フィードバック周期)の1/2よりも短い期間である。この平均値の算出は、例えば、フィードバック周期の1/2の周期で繰り返される。CPU401は、使用者1の安静時心拍平均値と、安静時の自律神経の揺らぎ周期(すなわち、フィードバック周期)の情報とを利用して制御信号を生成し、その制御信号によってフィードバック部10を制御する。すなわち、CPU401は、算出した平均瞬時心拍数HRave(瞬時心拍の平均値の逆数)が、平均安静時心拍数HRconst(安静時瞬時心拍の平均値の逆数)よりも小さい場合には、DCモータ804を正回転させるための制御命令(すなわち、制御信号)を生成する。一方、CPU401は、算出したHRaveが、HRconstよりも大きい場合には、DCモータ804を逆回転させるための制御命令(すなわち、制御信号)を生成する。いずれの制御信号も、DCモータ804をどのような回転速度でどれだけの期間に亘って回転させるかを制御する信号を含み得る。
無線通信回路404は、予め定められた通信プロトコルに従い、無線で情報を送信および/または受信する。本実施形態では、無線通信回路404は、CPU401が生成した制御信号を送信する。この制御信号は、次に説明するフィードバック部10を構成する無線通信回路801によって受信される。
フィードバック部10は、たとえば無線通信回路801と、バッファ802と、マイクロコントローラ803と、DCモータ804とによって構成されている。フィードバック部10は、たとえば外部から無線で制御信号を受信し、その制御信号に従ってDCモータ804を回転させて車輪を駆動し、移動させるラジオコントロールカーとして実現され得る。物体2としてのラジオコントロールカーの筐体の中に、物体駆動部8が搭載されてフィードバック部10が構成されている。
無線通信回路801は、予め定められた通信プロトコルに従い、無線で情報を送信および/または受信する。本実施形態では、無線通信回路801はCPU401が生成した制御信号を受信する。無線通信回路801は、受信した制御信号が示す命令をバッファ802に送る。バッファ802はその命令を格納する。
マイクロコントローラ(以下「マイコン」と記述する。)803は、バッファ802に格納された命令を逐次読み出し、その命令を実行する。たとえばマイコン803は、DCモータ804を正回転させる命令を実行すると、DCモータ804が正回転するよう、DCモータ804に与えられる電流および/または電圧を制御してラジオコントロールカーを前進させる。これにより、ラジオコントロールカーは使用者1から遠ざかる。
また、マイコン803は、DCモータ804を逆回転させる命令を実行すると、DCモータ804が逆回転するよう、DCモータ804に与えられる電流および/または電圧を制御してラジオコントロールカーを後進させる。これによりラジオコントロールカーは使用者1に近付く。
DCモータ804の回転方向のみならず、回転速度および回転させる期間は、制御信号に基づいて決定される。これにより、ラジオコントロールカーは、所望の速さおよび周期で、往復運動を行うことが可能になる。
さらにマイコン803は、DCモータ804の回転を停止させる命令を実行すると、DCモータ804に与えられる電流および/または電圧を遮断し、または徐々に減少させる。これにより、ラジオコントロールカーは移動を停止する。
なお、DCモータ804が正回転したときにラジオコントロールカーが使用者1に近付き、逆回転したときにラジオコントロールカーが使用者1から遠ざかるように構成してもよい。
ラジオコントロールカーを使用者1に近付ける目的は、上述したように、注視する使用者1に輻輳反射を生じさせるためである。逆に、ラジオコントロールカーを使用者1から遠ざける目的は、上述したように、注視する使用者1に生じた輻輳反射を緩和させるためである。
上述したマイコン803によって実現される物体2の動作は、元々はCPU401によって生成された制御信号に基づいて実現されていると言える。よって、CPU401は、制御信号を用いて物体2の位置を移動させることにより、使用者1の視点を自律神経の揺らぎ周期で近くから遠く、遠くから近くへ誘導させ、かつ、使用者1の呼吸を自律神経の揺らぎ周期に同期させていると言うことができる。ただし、より直接的には、マイコン803が制御信号に基づいて物体2を自律神経の揺らぎ周期で移動させることにより、使用者1の呼吸を揺らぎ周期に同期させ、かつ、使用者1の瞳孔径揺らぎを自律神経の揺らぎ周期に同期させている。
図3では、CPU401、および、マイコン803という2つの半導体回路を挙げて説明したが、これらは一例である。CPU401およびマイコン803に限られず、所定の命令に基づいて、その命令に従った処理を実行できる回路を用いることができる。
次に、バイオフィードバックシステム100の動作を、図3に示すハードウェアの動作として説明する。
図4は、心電測定部3および心拍算出部4を構成するCPU401の処理の手順を示すフローチャートである。なお図4の処理に先立って、安静時心拍平均値は得られているとする。
ステップS1において、CPU401は、心電センサ7から心電のデータを受信してメモリ402に格納する。
ステップS2において、CPU401は、メモリ402から心電のデータを読み出して形式を変換し、心電信号を生成する。
ステップS3において、CPU401は、心電信号から瞬時心拍を求める。この処理の具体的な内容は、図2(a)〜(e)を参照しながら説明した通りである。
ステップS4において、CPU401は、メモリ402を参照して、メモリ402に所定期間以上の瞬時心拍が格納されているか否かを判断する。格納されている場合にはステップS5に進み、そうでない場合には再びステップS2に戻る。なお、「所定期間」は、たとえば、安静時における自律神経の揺らぎ周期(すなわち、フィードバック周期)の1/2の周期で、この周期の一部の期間である。
ステップS5において、上述した所定期間に亘る平均瞬時心拍数(瞬時心拍の平均値の逆数)HRaveを算出する。
ステップS6において、CPU401は、HRaveと予め得られていた平均安静時心拍数(安静時瞬時心拍の平均値の逆数)HRconstとを比較する。HRaveがHRconstより小さい場合には処理はステップS7に進み、そうで無い場合にはステップS8に進む。
ステップS7において、CPU401はDCモータ804を一定時間正回転させる制御信号を生成する。ステップS8において、CPU401はDCモータ804を一定時間逆回転させる制御信号を生成する。
そしてステップS9において、CPU401は、生成した制御信号を無線通信回路404を介してフィードバック部10の無線通信回路801に送信する。これにより、フィードバック部10のマイコン803は、受信した制御信号に基づいてDCモータ804を正回転させて物体2を前進させ、または逆回転させて物体2を後進させることができる。なお、前進させる制御信号と後進させる制御信号とは必ずしも別個の信号でなくてもよい。マイコン803が解釈可能であれば、たとえばフィードバック周期の半分の時間だけDCモータ804を正回転させ、その後フィードバック周期の半分の時間だけDCモータ804を逆回転させる命令を1つの制御信号として送信してもよい。このように、平均安静時心拍数との比較処理は、フィードバック周期に応じたタイミング(例えば、フィードバック周期の1/2の期間ごと)で行われる。これにより、物体2が移動する範囲が調整され、使用者1の瞬時心拍は、安静時心拍の平均値を含む範囲で周期的に変化する。また、瞬時心拍平均値の変化のサイクルが安定した後は、ステップS1〜S6を省略してステップS7およびS8を交互に繰り返しても良い。
なお、上述のステップS1は、たとえばDMA(Direct Memory Access)技術を用いればCPU401自らが行わなくてもよい。
上述したコンピュータプログラム406は、CD−ROM等の記録媒体に記録されて製品として市場に流通され、または、インターネット等の電気通信回線を通じて伝送され得る。
以下、本発明者が行った具体的な実験結果を説明する。
心電センサ7としては市販の心電計を使用できる。ただし本発明者は、低ノイズ測定のために内部にプレアンプを有するアクティブ電極型心電計を用いた。心電計は、有線または無線にて心電をCPU401に送る。CPU401はデジタル化された心電を取得する。
CPU401は、得られた心電のRRピーク間隔解析を行って瞬時心拍に変換する。瞬時心拍の疑似的なサンプリング周期は4Hz以上とする。
CPU401は、得られた瞬時心拍から、使用者1の安静時の心拍揺らぎを解析する。具体的にはCPU401は、自律神経揺らぎとしての心拍揺らぎの低周波成分ピーク周波数を解析する。この低周波成分の周期が、安静時における使用者1の自律神経の揺らぎ周期である。
また本発明者は、マイコン803によって駆動される物体2を、得られた使用者1の自律神経の揺らぎ周期で移動させた。
以上により、使用者1に物体2を注視させ、物体2の位置に合わせて腹式呼吸をさせることで、使用者1に輻輳反応が誘起され、瞳孔径が周期変動し、それに合わせて、腹式呼吸に同期して心拍揺らぎが発生する。
バイオフィードバックシステム100を使用して、実際に心拍揺らぎを測定した。測定は、安静時(Resting)、従来行われていた、通常の心拍揺らぎバイオフィードバック(HRV、心拍数を数値にてフィードバック)、および本実施形態による、心拍揺らぎと瞳孔径揺らぎとを同期させたバイオフィードバック(HRV+PD)の順に実施した。
フィードバック周期は安静時の心拍揺らぎのLF成分ピークから11秒とし、本実施形態に記載の方法にて使用者1にフィードバックした。すなわち、11秒の1/2の周期にて、物体2を使用者1に近づけたり遠ざけたりした。心拍に関するフィードバックは物体2の位置に応じて行うようにした。測定期間は、それぞれ150秒である。
図5(a)〜(c)は、Resting、HRVならびにHRV+PDの心拍揺らぎの結果を示す。図5(c)に示す「HRV+PD」は、心拍揺らぎ算出部11として動作するCPU401の演算により得られた結果である。
さらに、図6(a)および(b)は、2秒ごとに50秒幅でパワースペクトルを計算した結果を示す。図6(a)は低周波成分(以下LFと呼ぶ、0.04−0.15Hz)を積分した値であり、図6(b)は、高周波成分(以下HFと呼ぶ、0.15−0.5Hz)を積分した値である。ただし、値は、Restingの結果により規格化している。なお、図6の横軸は、50秒間の窓の開始時刻を示している。
本発明者による分析の結果は以下のとおりである。まず図6(a)の低周波成分の結果から、安静時より顕著に低周波成分が増大しており、バイオフィードバックが良好に実現されていることが分かる。さらに、図6(b)の高周波成分の結果によれば、フィードバック周期とは直接関係ない高周波領域において、従来のバイオフィードバックと本実施形態によるバイオフィードバックとの間に差異が認められた。特に36秒以降で、本実施形態によるパワー積分値の方が、従来行われていた、通常の心拍揺らぎバイオフィードバックのみ(HRV)のパワー積分値よりも高い値を示している。
この結果は、本実施形態によれば、交感神経および副交感神経の両方を効率よく活性化できることを示している。本実施形態の、心拍揺らぎと瞳孔径揺らぎとを同期させるバイオフィードバックによれば、従来の心拍揺らぎバイオフィードバックより自律神経制御に効果的である。
総括すると、上述の処理によれば、使用者1は物体2を注視するよう指示され、注視しているので、輻輳反射が周期的に誘起される。すなわち、物体2が近づくと、瞳孔径が相対的に小さくなり、物体2が遠ざかると瞳孔径が相対的に大きくなる。したがって、上記の方法によると、使用者1は瞳孔径を変動させるという意識を持つことなく、自身の瞳孔径を周期的に変動させることが可能となる。
さらに、使用者1は、物体2の位置に合わせて腹式呼吸を行うよう指示されているため、非特許文献1に述べられているように、心拍揺らぎバイオフィードバックの効果で心拍揺らぎも制御できる。
これらの結果として、心拍の揺らぎと瞳孔径の揺らぎとが同期する。上述のように、心拍も瞳孔径も自律神経の2重支配を受けているので、心拍と瞳孔径の同期した周期的揺らぎは、従来の心拍揺らぎバイオフィードバックの場合より、脳内で自律神経に効果的にフィードバックされることが期待される。結論として、本実施の形態の方法により、従来例より、自律神経のバランスを確実に制御することが可能となる。
本発明者は、本開示による心拍揺らぎバイオフィードバックが、使用者1の覚醒度が低い状態のときに特に効果的であることを確認した。
(実施形態2)
図7は、本実施形態にかかるバイオフィードバックシステム200の概略的な構成を示す。図7において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
実施の形態1と実施の形態2の相違点は、安静時における使用者1の自律神経揺らぎの決定方法である。実施の形態1では、自律神経揺らぎを心拍揺らぎにより決定したが、本実施の形態2では、自律神経揺らぎを瞳孔径揺らぎにより決定する。
本実施形態では、瞳孔径揺らぎを取得するために、瞳孔径の画像を取得し、その画像内の瞳孔径を特定する。画像を継続的に取得することにより、瞳孔径が変動する周期を取得することが可能である。
バイオフィードバックシステム200は、瞳孔画像取得部21と、制御部9と、フィードバック部10とを備えている。制御部9は、実施形態1による制御部6の構成に、さらに瞳孔径算出部22および瞳孔径揺らぎ算出部23が追加されて構成されている。
瞳孔画像取得部21は、使用者1の瞳孔を撮影し、瞳孔の画像を取得する。得られた使用者1の瞳孔画像は、瞳孔径算出部22に送られる。
瞳孔径算出部22は、瞳孔画像から瞳孔径を算出する。瞳孔径算出のためのアルゴリズムは、一般に入手可能な瞳孔径測定装置と同じであり、後述する。
瞳孔径揺らぎ算出部23は、バイオフィードバックの動作を行う前に動作して、使用者1の自律神経の揺らぎ周期(すなわち、フィードバック周期)を取得する。バイオフィードバックの動作に先立って、瞳孔画像取得部21および瞳孔径算出部22が動作を行う。瞳孔径算出部22は、瞳孔径値の変化を示す信号を瞳孔径揺らぎ算出部23に送る。瞳孔径揺らぎ算出部23は、瞳孔径算出部22から受け取った瞳孔径値の変化を示す信号の周波数揺らぎを解析する。具体的には、高速フーリエ変換によりパワースペクトルを算出する。フーリエ変換のため、本発明者は、一例として50秒に亘って取得された瞳孔径値の時系列の情報を利用した。上述のように、瞳孔径は自律神経の支配を受けているので、瞳孔径の揺らぎは自律神経の揺らぎを反映している。瞳孔径揺らぎ算出部23は、得られた瞳孔径の揺らぎの情報を物体位置制御部5に送る。
図8は、バイオフィードバックシステム200のハードウェア構成の一例を示す。
瞳孔画像取得部21は、たとえば近赤外光源901およびカメラ902によって構成される。近赤外光源901は、たとえば波長890〜940nmの波長の光を放射するLEDである。カメラ902は、近赤外光源901の波長に感度を有しており、その波長の光を受けて撮像できる。カメラ902は、たとえば30〜300Hzで動画像を取得する。
上述の波長を利用して使用者1の目を撮影すると、たとえば、虹彩が濃い茶色で、瞳孔が黒い場合であっても、瞳孔を明確に識別できる。
なお、図8では、近赤外光源901は単に近赤外光を放射する機能のみを有しており、カメラ902と接続されていないが、これは一例である。他の例として、カメラ902に近赤外光源901が実装され、撮影時にのみ近赤外光源901が点灯するよう、カメラ902からの制御信号を授受できるような信号線が設けられてもよい。
瞳孔径算出部22は、たとえばCPU401と、メモリ402と、画像処理回路403とによって構成される。これらは互いにバス405で接続されており、相互にデータの授受が可能である。なお、画像処理回路403を設けずに、CPU401を画像処理回路403として動作させてもよい。
瞳孔径揺らぎ算出部23は、たとえばCPU401と、メモリ402と、無線通信回路404とによって構成される。
CPU401は、メモリ402に格納されているコンピュータプログラム407を実行して、瞳孔径算出部22および瞳孔径揺らぎ算出部23に対応する処理を実行する。コンピュータプログラム407は、コンピュータプログラム406(図3)の処理に加え、瞳孔径算出部22および瞳孔径揺らぎ算出部23の処理を行うための命令群を含む。
画像処理回路403は、たとえばグラフィックプロセッサである。本実施形態では、画像処理回路403は以下の処理を行って瞳孔画像から瞳孔径を算出する。まず、画像処理回路403は、得られた瞳孔画像を2値化する。この2値化の処理の目的は、瞳孔の輪郭を明確にすることにある。
画像処理回路403は、2値化後の瞳孔画像に楕円算出アルゴリズムを適用して画像内に含まれる楕円を特定する。画像処理回路403は、一般的な瞳孔径に対応する画素数を閾値として予め保持している。閾値は、カメラ902の画素数と、使用者1とカメラ902との距離等に依存する。以下、具体例を説明する。
本発明者は、画素数が縦640画素×横480画素のカメラ902を採用した。そして、使用者1の片目全体が概ねカメラ902の視野に収まるよう、使用者1とカメラ902の位置を調整した。
図9Aは、カメラ902によって撮影された使用者1の眼球の画像例である。また図9Bは、画像処理回路403によって2値化された画像の一部である。
本実施形態では2値化のために、画素の輝度に閾値を設けた。本実施形態では近赤外光を照射して撮影しているため、閾値の設定は比較的容易である。具体的に説明すると、図9Aから明確に理解されるように、撮影された画像では、瞳孔は黒く、瞳孔の周囲に広がる虹彩は薄いグレーであり、さらにその外側(すなわち、目尻側)は白い。瞳孔の黒さに相当する輝度値と、それ以外の輝度値とを分離できる値を閾値として設ければよい。
画像処理回路403は、撮影画像の画素ごとに、その閾値よりも大きいかそれ以下かを判定する。画像処理回路403は、ある輝度値以下の輝度値を有する画素を「白画素」に変換し、ある輝度値より大きい輝度を有する画素を「黒画素」に変換する。その結果得られた画像が図9Bである。図9Aに示される黒い瞳孔が、図9Bでは白い領域として表され、それ以外の領域は概ね黒く表示されている。なお、上述の処理は一例である。瞳孔を黒い領域に変換してもよい。
次に、画像処理回路403は、2値化後の瞳孔画像(図9B)に含まれる白色領域のうち、所定の範囲内の大きさの領域を瞳孔領域として検出する。本発明者の実験によれば、瞳孔画像の長軸の長さは、短い被験者で20画素程度であり、長い被験者で150画素程度であり、典型的(または平均的)には60画素程度であった。画像処理回路403は、たとえば20画素から150画素の長さの直線を含む白色領域を、瞳孔領域として検出する。このような処理を含めることにより、瞳孔以外に楕円形の領域が含まれたとしても、誤って瞳孔であると判断することを防止できる。なお、上述の処理によれば、楕円だけではなく、正円であっても瞳孔候補領域として検出され得る。
画像処理回路403は、たとえば、楕円に内接する平行四辺形を利用して、長軸の長さを取得する。画像処理回路403は、楕円に内接する平行四辺形の相対する辺の中点同士を連結して2本の直線を得て、その2本の直線の交点を楕円の中心として特定する。そして、画像処理回路403は、楕円中心を通る、2つの輪郭点がなす線分が最長になるときの線分長を、瞳孔径として特定する。
なお、近赤外光源901から放射された近赤外光が瞳孔に近い位置の角膜で反射すると、瞳孔画像の一部が反射光に起因して高輝度化し、楕円領域の一部が欠落してしまうことがある。高輝度化した部分は「アウトライア」と呼ばれ、その存在により、楕円領域の検出ができなくなる。ただしアウトライアを除去する技術は種々開発されている。よって本明細書ではその説明は省略する。アウトライアを除去した後、上述の楕円領域の検出および瞳孔径の検出を行うことが望ましい。
なお、撮影しながら瞳孔径を特定するため、画像処理回路403が瞳孔径を算出する際の動作周波数は、カメラ902が画像を取得する周波数より高い。
CPU401は、画像処理回路403によって特定された瞳孔径のデータを受け取る。瞳孔画像は刻々取得されるため、瞳孔径のデータも蓄積される。CPU401は、上述した処理により、蓄積された瞳孔径のデータから瞳孔径の揺らぎの周期を算出する。
無線通信回路404は、瞳孔径の揺らぎ周期の情報を、無線通信回路801を介して物体駆動部8として機能するマイコン803に送信する。これにより、バイオフィードバック動作に先立って、物体駆動部8は瞳孔径の揺らぎ周期を、自律神経の揺らぎ周期として取得することができる。
自律神経の揺らぎ周期が得られた後は、バイオフィードバックシステム200は、実施形態1にかかるバイオフィードバックシステム100と同じ動作を行う。
以上により、自律神経揺らぎに起因する瞳孔径揺らぎを、最大化したり、あるいは、最小化したり、使用者1の生体状態に応じて、瞳孔径を制御することが可能となる。結果として、所望の自律神経制御が実現されるため好ましい。
(実施形態3)
図10は、本実施形態にかかるバイオフィードバックシステム300の概略的な構成を示す。
実施形態1および2と異なり、本実施形態によるバイオフィードバックシステム300は、予め取得した使用者1の安静時の自律神経の揺らぎ周期のみを利用して物体2を当該周期で前後させ続ける。このとき、使用者1の生理信号を取得することもなく、また、当然にその生理信号を利用して周期の調整をすることもない。
つまり、バイオフィードバックシステム300は、使用者1の現在の生理状態にかかわらず、物体2の移動周期を制御して、瞳孔径が自律神経の揺らぎ周期で収縮するように、かつ、呼吸も物体2の移動周期に同期させることで、心拍揺らぎが自律神経の揺らぎ周期に同期するよう誘導する。安静時の自律神経の揺らぎ周期の情報は、実施形態1のように、安静時の心拍揺らぎから取得してもよいし、実施形態2のように、安静時の瞳孔径揺らぎを利用する方法で取得してもよい。また、安静時の瞳孔径の揺らぎの周期と安静時の心拍揺らぎの周期との平均値を自律神経の揺らぎ周期として用いてもよい。
バイオフィードバックシステム300に含まれる、物体2および物体位置駆動部8を有するフィードバック部10のハードウェアは、たとえば実施形態1にかかるバイオフィードバックシステム100のフィードバック部10と同じである。両者の相違点は、物体駆動部8は、実施形態1のように、心電から瞬時心拍および瞬時心拍平均値を求めること、および瞬時心拍平均値と安静時心拍平均値とを比較することが必要無いことである。瞬時心拍平均値の情報を利用する必要は無いため、瞳孔径値の情報に関する処理は行わず、ただ物体2を近くから遠く、遠くから近くへと自律神経の揺らぎ周期で前後させ、かつ、物体2が遠ざかるタイミングで吸気し、それ以外の期間ではゆっくり呼気させるだけでよい。これにより、自律神経の周期を制御することが可能になる。
上述の相違点は、たとえば図3に示すマイコン803の動作およびバッファ802に記憶される情報の相違として現れる。たとえばバッファ802は、予め測定された、安静時の使用者1の自律神経の揺らぎ周期の情報を記憶している。マイコン803は、バッファ802に記憶された当該揺らぎ周期の情報のみに依拠して、物体2を移動させることにより、使用者1の視点を近くから遠く、遠くから近くへ誘導する。必要であれば、マイコン803はディスプレイやスピーカ(いずれも図示せず)から、使用者1に指示を提示してもよい。指示は画像や音声の形態をとり、物体2が遠ざかるタイミングで吸気し、それ以外の期間ではゆっくり呼気するよう、使用者1に促す。
本実施形態の構成によれば、自律神経の揺らぎ周期さえ得られれば、使用者1の生理信号を取得するための設備を導入する必要は無いため、バイオフィードバックシステム300の導入は非常に容易である。
また、使用者1は単に物体2を注視し、動く物体2の位置に合わせて呼吸していればよいので、非常に簡易にバイオフィードバックを実現できる。
以上、本開示の例示的な実施形態を説明した。
(変形例)
上述の実施形態では、心電センサ7を用いる例を説明した。しかしながら、心電センサ7に代えて脈波を測定する脈波センサを用いてもよい。脈波とは、身体組織のある部分への血液の流入によって生じる容積変化を体表面から捉えた波形である。脈波は血管運動反応を反映する。心臓の動きそのものではなく、 末梢血管の運動を測定することによって、間接的に心電のR−R間隔と同様の意味を持つ情報が得られるとされている。したがって、心電を取得する処理と同様に処理することが可能である。
上述の実施形態では、現実の物体2(例えば、ラジオコントロールカー)を変位させるバイオフィードバック方法およびシステムに関して説明した。しかしながら、これは一例である。本明細書でいう「物体」は有体物に限られず、たとえばレーザを用いて床面や壁面に投射された光の点のような無体物であってもよい。
さらに、本発明者は、ラジオコントロールカーのような、現存する物体の代替として、3Dディスプレイ上の仮想的な物体でも同様の効果が得られることを確認している。具体的には、画面上に3次元画像の物体を表示し、使用者1に、当該物体を注視させることによって視点を物体に合わせさせる。そして、画面上に表示されている物体の大きさを変更する。たとえば画面上の物体が小さくなるように表示を変化させると、使用者1の視点を仮想的に近くから遠くへ移動させたと同じ効果が得られる。逆に、画面上の物体が大きくなるように表示を変化させると、使用者1の視点を仮想的に遠くから近くへ移動させたと同じ効果が得られる。
さらに、自走する物体に代えて、点灯時期を個別に設定できる少なくとも2つのランプを、使用者1からの距離が異なる位置に配置する。使用者1には点灯したランプを注視するよう指示する。そして、点灯させるランプを、使用者1に近い位置のランプから遠い位置のランプに切り替える。これにより、使用者1から見て物体2を近くから遠くへ移動させた場合と同じ効果が得られる。逆に、点灯させるランプを、使用者1から遠い位置のランプから近い位置のランプに切り替えると、使用者1から見て物体2を遠くから近くへ移動させたと同じ効果が得られる。本発明者は、このような方法によっても、使用者1の輻輳反射を誘発できることを確認した。なお、ランプの点灯時期は、PC、マイコン等を利用して容易に制御できる。これにより、上述したと同じ効果を得ることができる。
また、使用者1の目に入射する光の強度を自律神経の揺らぎ周期で変化させてもよい。例えば、使用者1に照明を見つめるように指示し、その照明の明るさ(又はオン/オフ)を自律神経の揺らぎ周期で変化させてもよい。
実施形態1〜3および変形例における使用者1への指示は、指示装置を用いて行ってもよい。指示装置は、例えば、コンピュータと、メモリと、ディスプレイおよび/またはスピーカとを備えている。メモリは、使用者1に指示する画像および/または音声のデータを格納し、コンピュータは、メモリのデータを読み出し、読み出したデータに基づく画像表示および/または音声出力がされるように、ディスプレイおよび/またはスピーカを制御してもよい。あるいは、指示者が使用者1に指示してもよい。
また、指示なしで、使用者1の瞳孔径を強制的に自律神経の揺らぎ周期に同期して変化させてもよい。例えば、使用者1が居る部屋の照明の明るさ(又はオン/オフ)を自律神経の揺らぎ周期で変化させてもよい。また、使用者1にヘッドマウントディスプレイを装着させ、ヘッドマウントディスプレイの明るさ(又はオン/オフ)を自律神経の揺らぎ周期で変化させてもよい。これらの場合は、指示なしで、使用者1の瞳孔径を強制的に自律神経の揺らぎ周期に同期して変化させることができる。さらに、指示なしで、使用者1の呼吸を強制的に自律神経の揺らぎ周期に同期して変化させてもよい。例えば、エアバッグを備えたベルトを使用者1の腹部に巻き、自律神経の揺らぎ周期でエアバックの空気を出し入れしてもよい。これにより、使用者1の腹部が自律神経の揺らぎ周期で圧迫される。
本開示にかかる瞳孔径揺らぎバイオフィードバック方法およびバイオフィードバックシステムは、ストレス検知と、その改善に有効であり、個人の日常的で簡便なストレス管理、改善の方法、システムとして有用である。また、企業他各種団体の社員、メンバの日常的なストレス管理、改善等の用途にも応用できる。本開示にかかる自律神経の揺らぎの利用方法およびシステムによれば、自律神経のバランスを従来方法に比較してより簡便かつ実用的に維持、調整することができる。
1 使用者
2 物体
3 心電測定部
4 心拍算出部
7 心電センサ
8 物体位置制御部
10 フィードバック部
11 心拍揺らぎ算出部
301 心電計
401 CPU
402 メモリ
403 画像処理回路
404 無線通信回路
405 バス
801 無線通信回路
802 バッファ
803 マイコン
804 DCモータ
100、200 心拍揺らぎおよび瞳孔径揺らぎを同期させるバイオフィードバックシステム
901 近赤外光源
902 カメラ

Claims (13)

  1. (a)安静時の使用者の自律神経の揺らぎ周期の情報を取得するステップと、
    (b)前記取得した情報に基づいて、前記使用者の呼吸を前記自律神経の揺らぎ周期に同期させるステップと、
    (c)前記取得した情報に基づいて、前記ステップ(b)と同時に、前記使用者の瞳孔径揺らぎを前記自律神経の揺らぎ周期に同期させるステップと、
    を包含し、
    前記自律神経の揺らぎ周期は、瞳孔径の揺らぎ周期、心拍の揺らぎ周期、または前記瞳孔径の揺らぎ周期および前記心拍の揺らぎ周期から算出された周期である
    方法。
  2. 前記ステップ(c)において、前記使用者の視点を前記使用者から遠ざかる方向に誘導することおよび前記使用者に近づく方向に誘導することを含む1サイクルを前記自律神経の揺らぎ周期で繰り返すことにより、前記使用者の瞳孔径揺らぎを前記自律神経の揺らぎ周期に同期させる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記自律神経の揺らぎ周期は、使用者の安静時における心拍揺らぎに含まれる所定周波数帯域のピーク周波数に対応する周期である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記所定周波数帯域は、0.04−0.15Hzである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ステップ(c)において、心拍数が、安静時平均値より大きい場合には、前記使用者の視点を前記使用者に近づく方向に誘導する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ステップ(b)において、前記ステップ(c)で前記使用者の視点を前記使用者から遠ざかる方向に誘導するときに、前記使用者に吸気させる、請求項2から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記ステップ(c)において、前記サイクルを繰り返すことは、
    (c1)前記使用者に、物体を注視させることによって前記視点を前記物体に合わせさせること、および
    (c2)前記ステップ(c1)の後、前記物体を前記使用者から遠ざかる方向に移動させることと、前記物体を前記使用者に近づく方向に移動させることとを交互に繰り返すこと
    を含む、
    請求項2から6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記ステップ(c)において、前記サイクルを繰り返すことは、
    (c1)表示装置の画面上に3次元画像の物体を表示すること、
    (c2)前記使用者に、前記物体を注視させることによって前記視点を前記物体に合わせさせること、および
    (c3)前記ステップ(c2)の後、前記物体の大きさを変更することにより、前記物体を前記使用者から遠ざかる方向に仮想的に移動させることと、前記物体を前記使用者に近づく方向に仮想的に移動させることとを交互に繰り返すこと
    を含む、
    請求項2から6のいずれかに記載の方法。
  9. 前記ステップ(c)において、前記サイクルを繰り返すことは、
    (c1)前記使用者に、光が照らす位置を注視させることによって前記視点を前記光が照らす位置に合わせさせること、および
    (c2)ステップ(c1)の後、前記光が照らす位置を前記使用者から遠ざかる方向に移動させることと、前記光が照らす位置を前記使用者に近づく方向に移動させることとを交互に繰り返すこと
    を含む、
    請求項2から6のいずれかに記載の方法。
  10. 前記心拍揺らぎ周期の情報は、心電を測定することにより取得される、請求項3に記載の方法。
  11. 前記心拍揺らぎ周期の情報は、脈波を測定することにより取得される、請求項3に記載の方法。
  12. 安静時の使用者の自律神経の揺らぎ周期の情報を保持する記憶装置と、
    前記記憶装置が保持する前記情報に基づいて、物体を移動させるための制御信号を生成するプロセッサであって、前記制御信号によって前記物体を前記揺らぎ周期で移動させることにより、前記使用者の呼吸を前記揺らぎ周期に同期させ、かつ、前記使用者の瞳孔径揺らぎを、前記自律神経の揺らぎ周期に同期させるプロセッサと
    を備えたシステム。
  13. 安静時の使用者の自律神経の揺らぎ周期の情報を保持する記憶装置と、
    前記使用者の視点の位置を誘導するコントローラであって、前記記憶装置が保持する前記情報に基づく制御信号に従って物体を移動させることにより、前記使用者の視点を使用者から遠ざかる方向に誘導することおよび前記使用者の視点を前記使用者に近づく方向に誘導することを含む1サイクルを前記自律神経の揺らぎ周期で繰り返し、かつ、前記使用者の呼吸を前記自律神経の揺らぎ周期に同期させるコントローラと
    を備えたシステム。
JP2017027060A 2016-03-10 2017-02-16 自律神経の揺らぎの利用方法およびシステム Pending JP2017164491A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016047329 2016-03-10
JP2016047329 2016-03-10

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017164491A true JP2017164491A (ja) 2017-09-21

Family

ID=59788006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017027060A Pending JP2017164491A (ja) 2016-03-10 2017-02-16 自律神経の揺らぎの利用方法およびシステム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10646158B2 (ja)
JP (1) JP2017164491A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020067693A (ja) * 2018-10-22 2020-04-30 セイコーインスツル株式会社 情報伝達装置及びプログラム

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210221404A1 (en) * 2018-05-14 2021-07-22 BrainVu Ltd. Driver predictive mental response profile and application to automated vehicle brain interface control

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003093360A (ja) * 2001-09-26 2003-04-02 Osaka Gas Co Ltd 心拍揺らぎ表示システム
WO2009001558A1 (ja) * 2007-06-27 2008-12-31 Panasonic Corporation ヒト状態推定装置およびその方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001252265A (ja) 2000-03-08 2001-09-18 Sharp Corp バイオフィードバック装置
JP4771084B2 (ja) 2006-11-21 2011-09-14 トヨタ自動車株式会社 バイオフィードバック装置
US20120277521A1 (en) * 2011-04-29 2012-11-01 Chamberlin D E Systems And Methods For Eliciting A Therapeutic Zone
US9050035B2 (en) * 2012-03-22 2015-06-09 The Curators Of The University Of Missouri Device to measure pupillary light reflex in infants and toddlers

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003093360A (ja) * 2001-09-26 2003-04-02 Osaka Gas Co Ltd 心拍揺らぎ表示システム
WO2009001558A1 (ja) * 2007-06-27 2008-12-31 Panasonic Corporation ヒト状態推定装置およびその方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020067693A (ja) * 2018-10-22 2020-04-30 セイコーインスツル株式会社 情報伝達装置及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
US20170258396A1 (en) 2017-09-14
US10646158B2 (en) 2020-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6727599B2 (ja) 生体情報表示装置、生体情報表示方法、及び生体情報表示プログラム
McDuff et al. Improvements in remote cardiopulmonary measurement using a five band digital camera
JP7191159B2 (ja) コンピュータプログラム、及び、被験者の感情状態を提供する方法
JP6608388B2 (ja) ユーザの心拍数の変動を検出するためのシステム及び方法
Huynh et al. VitaMon: measuring heart rate variability using smartphone front camera
WO2021076642A1 (en) Systems and methods for multivariate stroke detection
CN104545864B (zh) 心理调节方法和装置
US20220395186A1 (en) Apparatus for, method of, and computer program product having program of displaying biological information
JP2019524187A (ja) 被検者の呼吸情報を決定するための方法及び装置
JP2015532164A (ja) 生物のバイタルサイン情報を取得するためのデバイス及び方法
US20210186347A1 (en) Method and apparatus for determining a health status of an infant
TWI449515B (zh) 步進延遲閃爍序列之腦機介面控制方法及其系統
CN101969841A (zh) 修改对象的心理生理状态
JP6761976B2 (ja) 自律神経の揺らぎの利用方法およびシステム
JP2017164491A (ja) 自律神経の揺らぎの利用方法およびシステム
Capdevila et al. HRV based health&sport markers using video from the face
EP4356822A2 (en) Sleep staging using an in-ear photoplethysmography (ppg)
Betella et al. Interpreting psychophysiological states using unobtrusive wearable sensors in virtual reality
JP6886140B2 (ja) 不快判定装置
JP7340546B2 (ja) 対象の脈拍を検出する装置、システム及び方法
KR20140092486A (ko) 패치형 생체 신호 측정 장치
Madsen et al. Narratives engage brain and body: bidirectional interactions during natural story listening
Bousefsaf et al. Assessment of physiological parameters by non-contact means to quantify mental stress states
Gao A digital signal processing approach for affective sensing of a computer user through pupil diameter monitoring
WO2024042530A1 (en) Method and system for electrophysiological determination of a behavioral activity

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201006

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210330