JP2017164437A - 点眼補助具 - Google Patents

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Abstract

【課題】点眼薬容器に封入された薬液を眼球に確実に滴下することが可能な点眼補助具を提供する。【解決手段】皮膚と接触し、所定高さを有する筒状の下部材と、外壁と内壁と上壁と下壁とにより内部空間を構成する筒状の透明な上部材とからなる点眼補助具である。内部空間には着色された液体を所定量封入している。薬液口が眼球の真上に位置した際における液体の液面が位置する部分に基準線を内壁に設ける。眼球を覆うように点眼補助具を皮膚に接触させ、点眼薬容器の薬液口を上部材の上端から筒内に嵌合させる。【選択図】図1

Description

この発明は、点眼補助具、詳しくは眼球に確実に薬液を滴下することができる点眼補助具の技術分野に属する。
一般に、自分で点眼する場合には、上を向き、点眼薬容器を眼球の真上に移動し、指で点眼薬容器を押圧することで薬液を滴下する。一見簡単に思われる点眼動作も、不慣れな人の場合には、薬液を眼球の上に適切に落とすことが難しい。こうした点眼を容易にするため、従来から点眼薬用の容器や補助具など、種々の構造が検討されている。
例えば、下記特許文献1には、薬液を入れる主要器部分と、薬液を滴下する薬液口とを有する点眼薬容器であって、点眼時に、薬液口が眼球の略真上であることを視認させる視認部分を備えている。視認部分は、薬液口側に底部を有し、所定容積を備える副容器部を、薬液口を取り囲む位置に配置している。副容器部の内部には、透明でかつ着色された液体を、少なくとも薬液口が略真上である場合に底部を覆う所定量以上封入している。薬液が水平であるか否かを、透明でかつ着色された液体を透過する光量から判別できるようにしている。
特開2007−37775号公報
特許文献1に記載の点眼薬容器によれば、自ら点眼薬容器を保持することから、眼球と薬液口との離間距離が定まらない。そして、眼球の真上に薬液口がなかった場合、薬液を眼球に滴下することができない。すなわち、薬液口の位置にずれがあっても、それを判別する手段はない。
また、特許文献1に記載の点眼薬容器における薬液が水平であるか否かの判断を透明でかつ着色された液体を用いるが、容器がわずかに傾いている場合、透明でかつ着色された液体を透過する光量の差を視認することが困難であり、容器自体が水平か否かはこの点眼薬容器では判別できない
そこで、発明者は、鋭意研究の結果、点眼補助具の容器の形状と、着色された液体の性状、水平線の位置に着目し、点眼補助具を構成する外壁の内部に着色された液体を封入し、外壁に水平線を設けることにより、上述の課題は解決できることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、眼球に確実に薬液を滴下することができる点眼補助具を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、点眼薬を眼球に滴下する際にその点眼薬が封入された点眼薬容器の薬液口が眼球の真上に位置するように前記点眼薬容器を支持した状態で、前記点眼薬を前記眼球に滴下する点眼薬補助具であって、眼球を取り囲むように点眼補助具を皮膚に載置した際に、その皮膚に接触する、所定高さを有した筒状の下部材と、上端部から筒内に点眼薬容器の薬液口が嵌合され、外壁と内壁と上壁と下壁とにより内部空間が構成された筒状の透明な上部材と、からなり、前記内部空間に着色された液体が所定量封入され、前記薬液口が前記眼球の真上に位置した際における前記液体の液面が位置する部分に基準線を前記上部材に設けた点眼補助具である。
請求項1に記載の発明によれば、着色された液体の液面は常に水平であことから、点眼薬容器を上部材の上端部から筒内に差し込んだときに、点眼薬容器の薬液口が眼球の真上に位置するときの液面の位置を基準線で示すことで、点眼時に、その基準線が、着色された液体の液面の位置と一致すれば、点眼薬容器の薬液口が眼球の真上に位置していることとなる。これにより、基準線と着色された液体の液面の位置に注視しさえすれば確実に薬液を眼球に滴下することが可能である。
下部材と上部材は、筒状の部材である。円筒、円錐台の上面の中央部分と下面の中央部分とを貫通させた円錐台筒(筒内がテーパ状に形成された漏斗形状)、角柱の上面の中央部分と下面の中央部分とを貫通させた筒形状であってもよい。好ましくは下部材が円筒であり、上部材は円錐台筒である。
下部材と上部材の材質は、上部材が透明であれば、他は特に問わない。好ましくはプラスチック製である。軽量で加工も容易であり、安価に製造できるためである。
着色された液体の種類は、上部材を腐食・溶解しないものであれば特に問わない。好ましくは水を着色したものである。
着色された液体の色は、基準線が明確に視認できる色であれば特に問わない。基準線を黒色で示した場合、着色された液体の色は、例えば、黄色、薄い赤色、薄い青色等であってもよい。
着色材料は、染料、顔料等が挙げられる。
点眼薬容器の形状、点眼薬の種類、点眼薬容器における薬液口の形状については特に問わない。ただし、薬液口の形状は、上部材の上端部から筒内に嵌合することが可能な形状であることを要する。
請求項2に記載の発明は、前記下部材の前記皮膚と接触する部分の内径は、前記基準線が設けられた部分の内径より長く、前記下部材には、前記皮膚と接触する部分に弾性部材を設けた請求項1に記載の点眼補助具である。
請求項2に記載の発明によれば、下部材の皮膚と接触する部分の内径を、基準線が設けられた部分の内径より長くすることで、基準線を視認しやすくなる。これによって、点眼薬容器の薬液口が眼球の真上に位置しているか否かの判別がより容易にできる。
また、下部材には、皮膚と接触する部分に弾性部材を設けたことにより、点眼補助具を用いた際における皮膚への損傷を防止することができ、安全に点眼補助具を使用することができる。
弾性部材の種類は特に問わず、ゴム、スポンジであってもよい。
請求項1に記載の発明によれば、着色された液体の液面は常に水平であことから、点眼薬容器を上部材の上端部から筒内に差し込んだときに、点眼薬容器の薬液口が眼球の真上に位置するときの液面の位置を基準線で示すことで、点眼時に、その基準線が、着色された液体の液面の位置と一致すれば、点眼薬容器の薬液口が眼球の真上に位置していることとなる。これにより、基準線と着色された液体の液面の位置に注視しさえすれば確実に薬液を眼球に滴下することが可能である。
請求項2に記載の発明によれば、下部材の皮膚と接触する部分の内径を、基準線が設けられた部分の内径より長くすることで、基準線を視認しやすくなる。これによって、点眼薬容器の薬液口が眼球の真上に位置しているか否かの判別がより容易にできる。
また、下部材には、皮膚と接触する部分に弾性部材を設けたことにより、点眼補助具を用いた際における皮膚への損傷を防止することができ、安全に点眼補助具を使用することができる。
この発明の実施例に係る点眼補助具を示す斜視図である。 この発明の実施例に係る点眼補助具を示す断面図である。 この発明の実施例に係る点眼補助具を使用した状態を示す説明図である。
この発明の実施例に係る点眼補助具10について以下説明する。
この発明の実施例に係る点眼補助具10は、上部材11と下部材12とが、一体形成されたものである。上部材11と下部材12はいずれも透明樹脂製(ポリエチレン製)である。また、下部材12の下端部には、皮膚との接触により皮膚の損傷を防止する弾性部材14を取り付けている。
上部材11は、上部の内径が下部の内径より小さい筒状の部材である。つまり、上部材は筒内がテーパー状に形成された漏斗形状の部材である。
上部材11の上部の内径は2〜5mm程度、下部の内径は30〜50mm程度である。また、上部材11の上部の外径は6〜10mm程度、下部の内径は35〜55mm程度である。
上部材11は、内壁と外壁、上壁と下壁(以下、単に「四壁11a」と記載する)とからなり、四壁11aの壁厚は0.5〜1mm程度である。そして、四壁11aにより環状の内部空間11cが形成される。この内部空間11cに着色水13が所定量封入されるとともに、点眼補助具10を水平に載置した際に着色水13の液面の位置を示す基準線11bを内壁に形成している。
着色水13は、食紅が所定量溶解された薄い赤色の純水である。着色水13は、内部空間11cに、その内部空間11cの容積の50%程度の体積量だけ封入される。
基準線11bは、濃い黒色で示されるとともに、着色水13と基準線11bとが判別できるように、上部材11の内壁に形成されている。基準線11bの線幅は0.5〜1mm程度である。
下部材12は、円筒形状であり、下部材12の上端部の内径と下端部12の内径とは等しく、30〜50mm程度である。すなわち、下部材12の内径と、上部材11の下端部の内径とは等しい。
また、下端部12の上端部の外径と下端部12の外径とが等しく、35〜55mm程度である。つまり、下部材12の外径と上部材11の下端部の外径とは等しい。
下部材12の上面形状と、上部材11の下面形状とは同一形状であり、下部材12の上面と上部材11の下面とはずれがないように接している。
下部材12の下端部に取り付けられた弾性部材14は、下部材12の下端部の内径と等しい内径を有する環状の部材である。つまり、下部材12の下面形状と、弾性部材14の上面形状とは、同一形状であり、下部材12の下面と、弾性部材14の上面とはずれがないように接している。弾性部材14は軟性ゴムで形成される。
点眼薬容器20は、容器本体に封入された薬液を外部に滴下する薬液口を有している。薬液口は所定高さを有する円筒であり、外径が2〜5mm程度である。つまり、薬液口は、点眼補助具10の上部材の上端部から筒内に嵌合可能となるように、点眼補助具が構成されている。
このように構成される点眼補助具10を用いて点眼薬容器内に封入された薬液を眼球30に滴下する方法について説明する。
まず、眼球30を覆うようにして点眼補助具10の弾性部材14を皮膚31に接触させる。その後、上部材11の上端部から点眼薬容器20の薬液口を筒内に嵌合させる。その後、着色水13の液面を基準線11bに合わせる。その後、点眼薬容器20を押圧して薬液口から薬液を滴下させる。
これにより、眼球30に直接薬液を滴下することができる。
この発明は、眼球に確実に薬液を滴下することができる点眼補助具の技術に有用である。
10 点眼補助具、
11 上部材、
11b 基準線、
11c 内部空間、
12 下部材、
13 着色水、
14 弾性部材、
20 点眼薬容器、
30 眼球、
31 皮膚。
請求項1に記載の発明は、点眼薬を眼球に滴下する際にその点眼薬が封入された点眼薬容器の薬液口が眼球の真上に位置するように前記点眼薬容器を支持した状態で、前記点眼薬を前記眼球に滴下する点眼薬補助具であって、眼球を取り囲むように点眼補助具を皮膚に載置した際に、その皮膚に接触する、所定高さを有した筒状の下部材と、上端部から筒内に点眼薬容器の薬液口が嵌合され、外壁と内壁と上壁と下壁とにより内部空間が構成された筒状の透明な上部材と、からなり、前記内部空間に着色された液体が所定量封入され、前記点眼補助具を該点眼補助具の軸を鉛直方向にして皮膚に載置した際の前記液体の液面の位置を示す基準線を前記上部材に設けた点眼補助具である。

Claims (2)

  1. 点眼薬を眼球に滴下する際にその点眼薬が封入された点眼薬容器の薬液口が眼球の真上に位置するように前記点眼薬容器を支持した状態で、前記点眼薬を前記眼球に滴下する点眼薬補助具であって、
    眼球を取り囲むように点眼補助具を皮膚に載置した際に、その皮膚に接触する、所定高さを有した筒状の下部材と、
    上端部から筒内に点眼薬容器の薬液口が嵌合され、外壁と内壁と上壁と下壁とにより内部空間が構成された筒状の透明な上部材と、からなり、
    前記内部空間に着色された液体が所定量封入され、
    前記薬液口が前記眼球の真上に位置した際における前記液体の液面が位置する部分に基準線を前記上部材に設けた点眼補助具。
  2. 前記下部材の前記皮膚と接触する部分の内径は、前記基準線が設けられた部分の内径より長く、
    前記下部材には、前記皮膚と接触する部分に弾性部材を設けた請求項1に記載の点眼補助具。
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