JP2017161518A - 樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法及び検査システム、並びに該検査方法を用いた樹脂被覆鋼管の製造方法 - Google Patents

樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法及び検査システム、並びに該検査方法を用いた樹脂被覆鋼管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂被覆鋼管の任意の部位において、鋼管と樹脂被覆層との接着力を非破壊で評価できる検査方法を提供する。【解決手段】本発明の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法では、樹脂被覆鋼管を得る過程において、鋼管の外周面上に接着層を形成する工程の後、かつ、前記鋼管の外周面に溶融した樹脂を被覆する工程の前に、前記接着層の吸光度を測定する。その後、測定された前記吸光度に基づいて、得られる前記樹脂被覆鋼管の、前記鋼管と前記樹脂被覆層との接着力を評価する。【選択図】図1

Description

本発明は、鋼管と該鋼管の外周面に接着・被覆された樹脂被覆層とを含む樹脂被覆鋼管の、前記鋼管と前記樹脂被覆層との接着力を評価する検査方法及び検査システム、並びに該検査方法を用いた樹脂被覆鋼管の製造方法に関する。
樹脂被覆鋼管は、例えば特許文献1、2に記載されるように、鋼管の外周面上に塩化ビニル層等の樹脂層を被覆させたものであり、ガス管、水道管等の配管設備に使用される。樹脂被覆鋼管の一例として硬質塩化ビニル被覆鋼管は、例えば図6に示す工程を経て製造される。すなわち、鋼管112の外周面上に接着剤塗布装置10により接着剤94を塗布し、乾燥炉20により接着剤を加熱して乾燥させることにより、鋼管112の外周面上に接着層を形成する。続いて、誘導加熱装置40により、接着層が形成された鋼管116を誘導加熱して接着層を昇温させ、被覆装置50により、鋼管112の外周面に昇温した接着層を介して溶融した硬質塩化ビニル系樹脂を被覆し、冷却装置96により、接着層及び被覆された硬質塩化ビニル系樹脂を冷却して、鋼管上に接着層を介して硬質塩化ビニル被覆層を形成する。この際、鋼管と硬質塩化ビニルとの間に接着力が発現し、硬質塩化ビニル被覆鋼管110が得られる。
このように製造される硬質塩化ビニル被覆鋼管等の樹脂被覆鋼管においては、基準範囲内の接着力があることを保証する必要がある。そこで製造ラインから樹脂被覆鋼管を一定頻度で抜き取り、接着力の検査が行われてきた。樹脂被覆鋼管の、鋼管と樹脂被覆層との接着力を検査する方法としては、樹脂被覆鋼管を長さ20mmに切断した検査用サンプルを用意し、このサンプルの鋼管から樹脂被覆層を押抜き試験機で押し抜き、その際の荷重を測定し、その荷重が所定値以上であれば合格とするものが挙げられる。
特開平6−320666号公報 特開平4−219232号公報
上記検査方法は破壊検査ゆえ、製造ライン上の一部の樹脂被覆鋼管を試験体として用いるしかなく、製造ライン上の全ての製品について検査を行うことはできない。しかも、その樹脂被覆鋼管のごく一部(切り取った20mm)の接着力を検査しているに過ぎない。
しかしながら、樹脂被覆鋼管のごく一部の接着力が、全ての樹脂被覆鋼管の接着力を保証できる代表的な結果である確証はない。ここで、接着剤の塗布は、鋼管の上方から接着剤を垂らすように行うので、鋼管の管径によって接着剤の付き方が異なり、得られる接着層の層厚に差が生じる。そのため、鋼管の管径が異なる場合には、得られる樹脂被覆鋼管ごとに接着力にばらつきが生じるという問題が判明した。また、1本の樹脂被覆鋼管であっても管長方向に接着層の層厚にばらつきが生じるため、接着力にばらつきが生じるという問題が判明した。
しかも、特許文献1及び特許文献2に記載されるように、樹脂被覆鋼管の接着力には上限値および下限値が決められており、接着力が上限値より高いと、拡管方式の継手との接続の際に管端部の樹脂被覆層の剥離ができなくなり、下限値未満であると、樹脂被覆層が鋼管から剥離しやすくなり、ねじ加工方式の継手との接続の際にねじ切りができないといった問題が生ずる。
そのため、製造ライン上の全ての樹脂被覆鋼管の任意の部位で、適正な接着力を得られているかを把握できることが、製品の信頼性をより高めることにつながるとの認識に至った。
本発明は、上記課題に鑑み、樹脂被覆鋼管の任意の部位において、鋼管と樹脂被覆層との接着力を非破壊で評価できる検査方法および検査システムを提供することを目的とする。また、本発明は、樹脂被覆鋼管の任意の部位において、鋼管と樹脂被覆層との接着力が非破壊で検査された樹脂被覆鋼管の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、赤外線吸光度測定装置によって非接触で、鋼管の外周面上に形成された接着層の吸光度を測定したところ、その測定された吸光度と、上記押抜き試験により測定した接着力との間に相関関係があることを見出した。そこで、この測定された吸光度に基づいて、樹脂被覆鋼管の接着力を評価できるとの認識に至り、本発明を完成した。
本発明は、上記の知見によって完成されたものであり、その要旨構成は以下のとおりである。
(1)鋼管の外周面上に接着剤を塗布する第1工程と、
前記接着剤を加熱して乾燥させることにより、前記鋼管の外周面上に接着層を形成する第2工程と、
前記接着層が形成された鋼管を加熱して、前記接着層を溶融した樹脂と反応することができる温度に昇温させる第3工程と、
前記鋼管の外周面に、昇温した前記接着層を介して、溶融した前記樹脂を被覆する第4工程と、
前記接着層及び被覆された前記樹脂を冷却して、前記鋼管上に前記接着層を介して樹脂被覆層を形成する第5工程と、
を経て、樹脂被覆鋼管を得る過程において、
前記第2工程の後、かつ、前記第4工程の前に、前記接着層の赤外光の吸光度を測定する測定工程と、
その後、測定された前記吸光度に基づいて、得られる前記樹脂被覆鋼管の、前記鋼管と前記樹脂被覆層との接着力を評価する評価工程と、
を有することを特徴とする樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
(2)前記測定工程では、前記鋼管の管長方向に沿って複数箇所において前記接着層の吸光度を測定し、前記評価工程では、測定された前記吸光度に基づいて、得られる前記樹脂被覆鋼管の、前記複数箇所における、前記鋼管と前記樹脂被覆層との接着力を評価する、上記(1)に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
(3)前記評価工程では、前記複数箇所において測定された吸光度の全てが所定の範囲内である場合に、前記接着力に関して合格であると判定し、それ以外の場合に、前記接着力に関して不合格である判定する、上記(2)に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
(4)前記評価工程の後、不合格と判定された樹脂被覆鋼管に対して、マーキングを施す工程をさらに有する、上記(3)に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
(5)前記測定工程は、前記第2工程の後、かつ、前記第3工程の前に行う、上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
(6)前記第3工程における加熱は誘導加熱である、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
(7)前記樹脂は硬質塩化ビニル系樹脂である、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
(8)鋼管の外周面上に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、
前記接着剤を加熱して乾燥させることにより、前記鋼管の外周面上に接着層を形成する乾燥炉と、
前記接着層が形成された鋼管を加熱して、前記接着層を溶融した樹脂と反応することができる温度に昇温させる加熱装置と、
前記鋼管の外周面に、昇温した前記接着層を介して、溶融した前記樹脂を被覆する被覆装置と、
前記接着層及び被覆された前記樹脂を冷却する冷却装置と、
が配置された製造ラインによって製造される、前記鋼管上に前記接着層を介して樹脂被覆層が接着形成された樹脂被覆鋼管の接着力を検査する検査システムであって、
前記乾燥炉の下流、かつ、前記被覆装置の上流の位置に設置され、前記接着層の赤外光の吸光度を測定する赤外線吸光度測定装置と、
測定された前記吸光度に基づいて、得られる前記樹脂被覆鋼管の、前記鋼管と前記樹脂被覆層との接着力を評価する評価部と、
を有することを特徴とする樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
(9)前記赤外線吸光度測定装置は、前記鋼管の管長方向に沿って複数箇所において前記接着層の吸光度を測定するように制御され、前記評価部は、測定された前記吸光度に基づいて、得られる前記樹脂被覆鋼管の、前記複数箇所における、前記鋼管と前記樹脂被覆層との接着力を評価する、上記(8)に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
(10)前記評価部は、前記複数箇所において測定された吸光度の全てが所定の範囲内である場合に、前記接着力に関して合格であると判定し、それ以外の場合に、前記接着力に関して不合格であると判定する、上記(9)に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
(11)前記評価部により不合格と判定された樹脂被覆鋼管に対して、マーキングを施すマーキング装置をさらに有する、上記(10)に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
(12)前記赤外線吸光度測定装置は、前記乾燥炉の下流、かつ、前記加熱装置の上流の位置に設置される、上記(8)〜(11)のいずれか一つに記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
(13)前記加熱装置は誘導加熱装置である、上記(8)〜(12)のいずれか一つに記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
(14)前記樹脂は硬質塩化ビニル系樹脂である、上記(8)〜(13)のいずれか一つに記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
(15)前記鋼管および前記接着層から発生する熱および蒸気の少なくとも一つから前記赤外線吸光度測定装置を保護する保護機構をさらに有する、上記(8)〜(14)のいずれか一つに記載の硬質塩化ビニル被覆鋼管の接着力の検査システム。
(16)鋼管の外周面上に接着剤を塗布する第1工程と、
前記接着剤を加熱して乾燥させることにより、前記鋼管の外周面上に接着層を形成する第2工程と、
前記接着層が形成された鋼管を加熱して、前記接着層を溶融した樹脂と反応することができる温度に昇温させる第3工程と、
前記鋼管の外周面に、昇温した前記接着層を介して、溶融した前記樹脂を被覆する第4工程と、
前記接着層及び被覆された前記樹脂を冷却して、前記鋼管上に前記接着層を介して樹脂被覆層を形成する第5工程と、
を有する樹脂被覆鋼管の製造方法において、
上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法を用いて、前記鋼管と前記樹脂被覆層との接着力を検査する工程を有することを特徴とする樹脂被覆鋼管の製造方法。
本発明の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法及び検査システムによれば、樹脂被覆鋼管の任意の部位において、鋼管と樹脂被覆層との接着力を非破壊で検査することができる。また、本発明の樹脂被覆鋼管の製造方法によれば、樹脂被覆鋼管の任意の部位において、鋼管と樹脂被覆層との接着力が非破壊で検査された樹脂被覆鋼管を得ることができる。
本発明の一実施形態による検査システム100を含む、硬質塩化ビニル被覆鋼管の製造ラインの構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態による検査システム100における、赤外線吸光度測定装置30の保護機構の模式図である。 本発明の一実施形態の検査システム100に供する、硬質塩化ビニル被覆鋼管110の管長方向に垂直な模式断面図である。 本発明の一実施形態による検査方法のフローチャートである。 管径の異なる複数本の硬質塩化ビニル被覆鋼管において、種々の部位における接着層の吸光度と、当該部位を含む長さ20mmにカットした試料の接着力との関係を示すグラフである。 硬質塩化ビニル被覆鋼管の一般的な製造ラインを示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。なお、本実施形態では、鋼管に被覆する樹脂として硬質塩化ビニル系樹脂を用いた場合を例として説明する。まず、図1および図3を参照して、硬質塩化ビニル被覆鋼管の製造ラインの一例を説明する。
まず、第1工程では、鋼管112が、その管長方向に沿って製造ライン上を搬送され、鋼管112の外周面上に、接着剤塗布装置10により接着剤94が塗布される。なお、接着剤94を塗布する前に、外面ブラストショットにより、鋼管112の外周面のちりや汚れを吹き飛ばしてもよい。
次に、第2工程では、接着剤94を乾燥炉20により50℃〜100℃に加熱して乾燥させることにより、鋼管112の外周面上に図3に示す接着層114を形成する。
次に、第3工程では、接着層が形成された鋼管116を誘導加熱装置40により誘導加熱して、接着層114を硬質塩化ビニル系樹脂と反応することのできる温度に昇温させる。ここで、誘導加熱装置40は、図1に示すように、接着層が形成された鋼管116の周囲に配置される。誘導加熱装置40内の誘導加熱コイルに所定の周波数および電圧の交流電圧を印加することで、鋼管112を100℃〜200℃の温度に加熱し、その熱を接着層114が受けて、接着層114は、硬質塩化ビニルと反応できる温度100℃〜200℃に昇温する。この時、第2工程にて既に形成された接着層114が溶融することはない。なお、第3工程における加熱は、接着層を硬質塩化ビニルと反応できる温度に昇温させることができるような加熱であればよく、誘導加熱装置を用いた誘導加熱に限らず、任意または公知の加熱装置を用いた加熱であってもよい。
次に、第4工程では、被覆装置50により、鋼管112の外周面に、昇温した接着層114を介して、150℃〜200℃の溶融した硬質塩化ビニル系樹脂を被覆する。
次に、第5工程では、接着層114及び被覆された硬質塩化ビニル系樹脂を冷却装置としての水冷装置96により冷却して、鋼管112上に接着層114を介して硬質塩化ビニル被覆層118を形成する。このようにして得られる硬質塩化ビニル被覆鋼管110では、鋼管112と硬質塩化ビニル被覆層118との間に接着層114を介することで、接着力が発現する。本発明の一実施形態は、上記の硬質塩化ビニル被覆鋼管の製造過程で、製造ライン上の鋼管112の外周面上に形成された接着層114の吸光度を非接触で測定し、この吸光度に基づいて上記接着力を非破壊で検査するものである。以下では、これを実現する検査方法および検査システムについて詳細に説明する。
なお、本発明の適用対象の一例である硬質塩化ビニル被覆鋼管は、鋼管の外周面上に硬質塩化ビニル被覆層を接着させたものであれば限定されないが、以下のものが例示される。まず、鋼管としては、JIS G 3452(SGP)の黒管や白管が挙げられる。また、鋼管は、JIS G 3454(STPG)の白管でもよい。ここで、黒管とは亜鉛めっきを施していない鋼管を意味し、白管とは亜鉛めっきを施した鋼管を意味する。また、硬質塩化ビニル被覆層は、硬質塩化ビニル系樹脂を基材とする。硬質塩化ビニル系樹脂には、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−イミド共重合体、塩化ビニル−アクリル酸共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体等に対して、又はこれらを2種以上組み合わせたものに対して、フタル酸ビス2−エチルヘキシル等の可塑剤を10%未満で添加したものが挙げられる。
また、本発明に用いられる接着剤については、特に限定されず公知または任意のものを好適に用いることができる。具体的には、接着剤に含まれる固形分として、塩化ビニル系重合体ポリエステル系樹脂等が挙げられる。また、接着剤に含まれる有機溶剤として、シクロヘキサン及びトルエンの有機溶剤等が挙げられる。また、塗布する段階での接着剤を占める固形分の割合が約50〜100%となるように有機溶剤の量を調整することが好ましい。
(接着力の検査方法および検査システム)
図1〜図4を参照して、本実施形態の検査システム100により行うことが可能な検査方法の一例を説明する。
まず、ステップS1では、図1に示すように乾燥炉20の下流、かつ、誘導加熱装置40の上流の位置に設置された赤外線吸光度測定装置30が、制御部70によって制御され、上記第2工程の後、かつ、上記第3工程の前に、接着層114の吸光度を測定する。
既述のように、本発明者らは、接着層の吸光度と硬質塩化ビニル被覆鋼管の接着力との間に相関関係があることを知見した。これは、接着層の吸光度が小さければ、接着層の層厚も小さくなっており、その結果、鋼管と硬質塩化ビニル被覆層との接着力も不足するという観点に基づくものである。ここで、第2工程の後であれば、接着剤94に含まれる有機溶剤が乾燥炉20による加熱により十分に揮発しているから、その後の工程で接着層の層厚がさらに減ることはない。また、第3工程の前であれば、鋼管112には硬質塩化ビニル系樹脂が被覆されておらず、接着層そのものの吸光度を測定することができる。従って、第2工程の後、かつ、第3工程の前であれば、最終的に得られる硬質塩化ビニル被覆鋼管の接着層と等しい厚さの接着層の吸光度を正確に測定することができるので、鋼管と硬質塩化ビニル被覆層との接着力を正確に評価することができる。この場合、赤外線吸光度測定装置30は、乾燥炉20の下流、かつ、誘導加熱装置40の上流の位置に設置することになる。同様の理由で、上記接着力を正確に評価するには、鋼管に硬質塩化ビニル系樹脂が被覆される第4工程の前に吸光度の測定を行えばよく、吸光度の測定は、必ずしも第3工程の前に行うことを必須とするものではない。すなわち、本発明における接着層の吸光度の測定は、第2工程の後、かつ、第4工程の前であればよく、この場合、赤外線吸光度測定装置は、乾燥炉の下流、かつ、被覆装置の上流の位置に設置することになる。
赤外線吸光度測定装置30は、照射部、検出部、及び演算部を備え(不図示)、さらに図2に示すようにレンズ32を備える。照射部から照射された赤外光は、レンズ32を通過して接着層に入射する。この時、赤外光の一部の成分は接着層に吸収され、一方で接着層に吸収されなかった成分は接着層によって反射される。そして、反射された赤外光は、レンズ32を通過して検出部により検出される。その後、検出された赤外光に基づいて、演算部が赤外光の吸光度を算出する。ここで、吸光度を正確に測定するには、鋼管112の外周面上に形成された接着層114の上面と赤外線吸光度測定装置30のレンズ32の表面32Aとの距離が、管径により変わるが30mm以上200mm以下の範囲内になるように赤外線吸光度測定装置30を設置することが好ましい。より正確に吸光度を測定する観点からは、鋼管112の外周面上に形成された接着層114の上面と赤外線吸光度測定装置30のレンズ32の表面32Aとの距離が55mm〜150mmとなるように赤外線吸光度測定装置30を設置することが好ましい。また、赤外線吸光度測定装置30により照射される赤外光の波長は、本発明に用いられる接着剤による赤外光の吸収率を高くする観点から、1μm以上5μm以下の範囲とすることが好ましい。この範囲であれば、赤外光の吸光度を感度良く測定することができ、接着力に関してより正確性の高い評価を行うことができる。
なお、制御部70は、コンピュータ内部の中央演算処理装置(CPU)によって実現できる。
ここで、得られる硬質塩化ビニル被覆鋼管ごとに接着力がばらつくのは、鋼管の管径によるものと考えられる。接着剤の塗布は、鋼管の上方から接着剤を垂らすように行うので、鋼管の管径によって接着剤の付き方が異なり、得られる接着層の層厚に差が生じるからである。そこで、接着力に関して、より正確性の高い評価を行う観点からは、製造ライン上の全ての鋼管112に対して、接着層114の吸光度を測定することが好ましい。
また、1本の鋼管内であっても部位ごとに接着力がばらつくのは、管長方向に接着層の層厚にばらつきが生じるためと考えられる。そこで、接着力に関して、より正確性の高い評価を行う観点からは、鋼管112の管長方向に沿って複数箇所において、例えば50〜200mm程度の等間隔で、鋼管112の全長に渡って接着層114の吸光度を測定するように、制御部70により赤外線吸光度測定装置30を制御することが好ましい。さらに正確性の高い評価を行う観点からは、接着層が形成された鋼管116の周方向に沿って複数箇所において、接着層114の外周面全体の吸光度を測定することが好ましい。
また、鋼管112の表面温度は特に限定されないが、50℃以上200℃以下の状態で接着層114の吸光度を測定することができる。
赤外線吸光度測定装置30による測定結果、すなわち、鋼管112の外周面上に形成された接着層114の吸光度の測定データは、メモリ60に記録される。なお、メモリ60は、ハードディスク、ROM又はRAMを用いて実現できる。
本実施形態の検査システム100は、鋼管112および接着層114から発生する熱および蒸気の少なくとも一つから赤外線吸光度測定装置30を保護する保護機構をさらに有することが好ましい。図2において保護機構は、熱シールド板34およびエアー噴射部36で構成される。熱シールド板34は、鉄、コバルト、ニッケル等の合金類からなり、赤外線吸光度測定装置30を覆う筐体である。ただし、赤外線吸光度測定装置30のレンズ32に対向する部分は開口している。熱シールド板34により、赤外線吸光度測定装置30を熱から保護できる。また、レンズ32に蒸気が付着すると正確な吸光度の測定を阻害するため、エアー噴射部36により、熱シールド板34の開口部分近傍にエアーを噴射する。
保護機構は図2のものには限定されない。例えば、熱シールド板34の開口部分には、ガラス板を設置することも好ましい。また、エアー噴射部36に替えて、又は、エアー噴射部36に加えて、熱シールド板34の筐体内部にエアーを循環させる別途のエアー供給部を設けてもよい。
次に、評価部80が、測定された吸光度に基づいて、得られる硬質塩化ビニル被覆鋼管110の、鋼管112と硬質塩化ビニル被覆層118との接着力を評価する。その具体例を、図4のステップS2〜S5を参照して説明する。なお、評価部80は、コンピュータ内部の中央演算処理装置(CPU)によって実現できる。
ステップS2では、評価部80が、メモリ60に予め記録された後述する接着力の合否判定時に使用する好適吸光度のデータから、管径や接着剤の種類に応じて最適なデータを読み出すことにより、判定吸光度の選択を行う。すなわち、管径によって鋼管表面の曲率が変わるため、鋼管表面に接着剤を塗布し、乾燥することにより形成される接着層の層厚が管径によって異なり、その結果、赤外光の透過率が変わる。また、塗布する接着剤の種類によっても鋼管の外周面上に形成された接着層の材質が異なるため、赤外光の透過率が変わる。赤外光の透過率が変わると赤外線吸光度測定装置30にて測定される吸光度も変わるため、管径や接着剤の種類ごとに好適吸光度(閾値)を変える必要がある。例えば、鋼管の管径が21.7mm以上114.3mm以下であって、シクロヘキサン及びトルエンの有機溶剤に塩化ビニル系重合体ポリエステル系樹脂を添加したホットメルト系接着剤を使用する場合には、好適吸光度が0.25以上0.45以下であることから、「判定吸光度:0.25以上0.45以下」のデータを読み出す。
次に、ステップS3では、評価部80がメモリ60から測定した吸光度のデータを読み出し、複数箇所において測定された吸光度の全てが所定の数値範囲内である場合に、接着力に関して合格であると判定し、それ以外の場合に、すなわち1箇所でも吸光度が所定の範囲内にない場合に、上記接着力に関して不合格であると判定する。このようにして、評価部80は、測定された上記吸光度に基づいて、得られる硬質塩化ビニル被覆鋼管110の、複数箇所における、鋼管112と硬質塩化ビニル被覆層118との接着力を評価する。
全ての測定箇所において、得られる硬質塩化ビニル被覆鋼管110が接着力に関して合格と判定された場合、検査を終了する。検査結果をメモリ60に記録してもよい。なお、図1では、水冷装置96による冷却の前に、判定吸光度の選択と合否判定を行う例を示したが、評価部80による判定吸光度の選択と合否判定は、この順に限られず、例えば、水冷装置96による冷却の後に行ってもよい。
不合格と判定された場合にはステップS4に進み、制御部70が、評価部80による不合格である判定結果、メモリ60に予め記録された赤外線吸光度測定装置30からマーキング装置としてのスプレー92までの距離、およびメモリ60に予め記録されたライン速度計90の情報に基づいて、不合格と判定された硬質塩化ビニル被覆鋼管(不合格材)のみにスプレー92を噴射するタイミングを計算する。
その後、ステップS5では、制御部70が、スプレー92を噴射するタイミングの計算結果に基づいてスプレー92を制御して、不合格材のみにスプレー92を噴射させる。このように、不合格と判定された場合には、マーキング装置が不合格と判定された硬質塩化ビニル被覆鋼管110に対してマーキングを施すので、オペレータは、不合格材を識別し、製造ライン上から不合格材を取り除く。これにより検査は終了する。図1において、スプレー92は、製造ラインにおいて水冷装置96による冷却の直後に噴射するように配置したが、オペレータによる識別工程の前であれば位置は限定されない。また、スプレーに替えて、インクジェットなどとしてもよい。
このように、本実施形態の硬質塩化ビニル被覆鋼管の接着力の検査方法及び検査システムによれば、硬質塩化ビニル被覆鋼管の任意の部位において、鋼管と硬質塩化ビニル被覆層との接着力を非破壊で検査することができる。
(硬質塩化ビニル被覆鋼管の製造方法)
次に、本発明の樹脂被覆鋼管の製造方法の一実施形態を、樹脂として硬質塩化ビニル系樹脂を用いた場合を例として説明する。すなわち、以下では硬質塩化ビニル被覆鋼管の製造方法を説明する。
本実施形態は、硬質塩化ビニル被覆鋼管の製造工程(上記第1工程〜上記第5工程)中に、検査システム100により行うことが可能な検査方法(上記ステップS1〜上記ステップS5)を用いて、鋼管と硬質塩化ビニル被覆層との接着力を検査する工程を有する。すなわち、上記接着力を検査する工程は、上記第2工程の後、かつ、上記第3工程の前に、接着層の赤外光の吸光度を測定する測定工程と、その後、測定された吸光度に基づいて、得られる硬質塩化ビニル被覆鋼管の、鋼管と硬質塩化ビニル被覆層との接着力を評価する評価工程とを含む。本実施形態における測定工程および評価工程ならびにこれらを実現する具体的な手段の詳細については、既述の説明を援用する。また、本発明では、上記測定工程は、第2工程の後、かつ、第3工程の前に限られず、第2工程の後、かつ、第4工程の前に行えばよく、この理由についても既述の説明を援用する。
本発明の硬質塩化ビニル被覆鋼管の製造方法によれば、硬質塩化ビニル被覆鋼管の任意の部位において、鋼管と硬質塩化ビニル被覆層との接着力が非破壊で検査された硬質塩化ビニル被覆鋼管を得ることができる。
製品歩留まりを向上させる観点から、製造ライン上で1本でも不合格材が出た場合には、それ以降の製造ラインにおいて接着層の吸光度が所定の範囲内となるように接着層の層厚を変更するフィードバック制御を行うことが好ましい。フィードバック制御の方法としては、以下の3つの方法が挙げられる。
第1の方法は、塗布する段階(第1工程)における接着剤に含まれる有機溶剤の量を制御する方法である。すなわち、接着剤を占める樹脂の割合を制御する。例えば、接着力が小さい不合格材が発生した場合には、オペレータが、有機溶剤の量を減らした接着剤を接着剤塗布装置10が備える接着剤貯蔵器に充填する。このような接着剤は粘度が高くなっているため、鋼管の外周面に塗布されても垂れにくくなる。このため、制御前に比べて接着層の層厚が厚くなる。有機溶剤の変化量は、管径や接着剤の種類、好適吸光度からのズレに応じて適宜変えればよい。第1の方法は、オペレータが有機溶剤の量を調整すればよいだけなので容易に行うことができ、ライン速度を変化させる必要もないので他の工程に影響を及ぼさないため、最も好ましい。
第2の方法は、塗布する段階(第1工程)での接着剤の温度を制御する方法である。この方法では、温度が下がるにつれて接着剤の粘度が増加するという性質を利用する。例えば、接着力が小さい不合格材が発生した場合には、塗布する段階の接着剤の温度を下げる。これにより塗布する段階での接着剤の粘度が高くなり、第1の方法における理由と同様の理由により制御前に比べて接着層の層厚が厚くなる。接着剤の温度は、管径や接着剤の種類、好適吸光度からのズレに応じて適宜変えればよい。第2の方法は、ライン速度を変化させる必要がなく他の製造工程に影響を及ぼさないため好ましい。
第3の方法は、製造ラインのライン速度を変化させる方法である。例えば、接着力が小さい不合格材が発生した場合には、ライン速度を落とすことで単位時間当たり鋼管の外周面に垂らされる接着剤の量を増加させることができるので、制御前に比べて接着層の層厚が厚くなる。第3の方法でも、製品歩留まりを向上させることができる。
これらのフィードバック制御を行うと、既述のとおり吸光度と接着力との間に相関があることに起因して、その後の製造ラインでは接着力が所定の範囲内となる。その結果、硬質塩化ビニル被覆鋼管の任意の部位において、鋼管と硬質塩化ビニル被覆層との接着力が適切な値となっている硬質塩化ビニル被覆鋼管を得ることができる。
以上、図1〜図4を参照して、検査システム100により行うことが可能な検査方法、及び当該検査方法を用いた硬質塩化ビニル被覆鋼管の製造方法を説明したが、本発明の適用対象となる樹脂被覆鋼管は硬質塩化ビニル被覆鋼管に限定されない。例えば、本発明の適用対象としてポリエチレン系樹脂を被覆したポリエチレン被覆鋼管、軟質塩化ビニル系樹脂を被覆した軟質塩化ビニル被覆鋼管が挙げられる。ここで、ポリエチレン系樹脂としては、ホモポリエチレン、エチレン共重合体等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。軟質塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−イミド共重合体、塩化ビニル−アクリル酸共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体等に対して、又はこれらを2種以上組み合わせたものに対して、フタル酸ビス2−エチルヘキシル等の可塑剤を10%以上60%以下で添加したものが挙げられる。なお、本発明における樹脂には、上記の樹脂以外にもポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン、架橋ポリエチレン、アイオノマー樹脂、ポリエステル、塩化ビニル等の樹脂を単独で又は2種以上組み合わせて適用することができる。
まず、管径がφ21.7mm、φ60.5mm、及びφ114.3mmの鋼管を各々10本ずつ準備した。鋼管の長さは全て4000mmとした。次に、図1に示す検査システム100を用いて、ライン速度計の値が各管径の鋼管に対して表1に示す速度となるように、各管径の鋼管ごとに10本連続して鋼管を順次製造ラインに投入し、鋼管の外周面上に、接着剤塗布装置によってホットメルト系接着剤を塗布した。ここで、ホットメルト系接着剤としては、固形分としての塩化ビニル系重合体ポリエステル系樹脂をシクロヘキサン及びトルエンの有機溶剤に溶解したものを用い、接着剤を占める固形分の割合は80%とした。次に、ホットメルト系接着剤を、乾燥炉により80℃に加熱して乾燥させることにより、鋼管の外周面上に接着層を形成した。次に、赤外線吸光度測定装置のレンズの表面と接着層の上面との距離を表1に記載のとおりとして設置した赤外線吸光度測定装置によって、鋼管の外周面上に形成された接着層に、波長3μmの赤外光を1sの間隔で照射し、鋼管の外周面上に形成された接着層の吸光度を各管径の鋼管に対して表1に示す間隔で、鋼管の全長に渡って測定した。次に、接着層が形成された鋼管を、誘導加熱装置により、約100〜200℃に誘導加熱して、その熱により接着層を約100〜200℃に昇温させた。次に、被覆装置により、鋼管の外周面に接着層を介して約150〜200℃に溶融した硬質塩化ビニル系樹脂(PLV品種)を被覆した。各管径の鋼管に対して得られた被覆の厚さを表1に示す。次に、接着層及び被覆された硬質塩化ビニル系樹脂を水冷装置により冷却して、鋼管上に接着層を介して硬質塩化ビニル被覆層を形成し、硬質塩化ビニル被覆鋼管を得た。そして、各管径の硬質塩化ビニル被覆鋼管10本のうち製造ラインの安定性の観点から先端の1本と後端の1本とを除いた8本の硬質塩化ビニル被覆鋼管について接着力を検査した。なお、接着力の検査に用いた試料は、各硬質塩化ビニル被覆鋼管の管端部および中央部の2点において、当該吸光度測定部位を含むようにそれぞれ長さ20mmにカットすることにより得た。このようにして得た、各部位の吸光度と接着力との関係を、図5に示す。
Figure 2017161518
本実施例では、2.00MPa以上6.80MPa以下を合格基準とした。接着力が6.80MPaより高いと、拡管方式の継手との接続の際に管端部の硬質塩化ビニル被覆層の剥離ができなくなり、2.00MPa未満であると、硬質塩化ビニル被覆層が鋼管から剥離しやすくなり、ねじ加工方式の継手との接続の際にねじ切りができなくなるからである。図5より、吸光度が0.25〜0.45の範囲内では、いずれの硬質塩化ビニル被覆鋼管、いずれの部位においても、2.00MPa以上6.80MPa以下の接着力が得られたが、吸光度が0.5以上の範囲では、接着力が上限値である6.80MPaより高くなることがあり、吸光度が0.2以下の範囲では、接着力が下限値である2.00MPaより小さくなることがあった。1本の製品中に1箇所でも接着力が2.00MPa以上6.80MPa以下の範囲外の箇所があると、製品として不適格である。そこで、測定した全ての部位の吸光度が0.25〜0.45の範囲内にある製品は合格材であると判定し、それ以外は不合格材であると判定することが、確実な製品検査の一例となる。このようにして、鋼管の外周面上に形成された接着層の吸光度に基づいて、接着力が所定の範囲内にない不良材を判別することができることがわかった。
本発明の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法及び検査システムによれば、樹脂被覆鋼管の任意の部位において、鋼管と樹脂被覆層との接着力を非破壊で検査することができる。また、本発明の樹脂被覆鋼管の製造方法によれば、樹脂被覆鋼管の任意の部位において、鋼管と樹脂被覆層との接着力が非破壊で検査された樹脂被覆鋼管を得ることができる。
100 検査システム
10 接着剤塗布装置
20 乾燥炉
30 赤外線吸光度測定装置
32 レンズ
32A レンズの表面
34 熱シールド板
36 エアー噴射部
40 誘導加熱装置
50 被覆装置
60 メモリ
70 制御部
80 評価部
90 ライン速度計
92 スプレー
94 接着剤
96 水冷装置
110 硬質塩化ビニル被覆鋼管
112 鋼管
114 接着層
116 接着層が形成された鋼管
118 硬質塩化ビニル被覆層

Claims (16)

  1. 鋼管の外周面上に接着剤を塗布する第1工程と、
    前記接着剤を加熱して乾燥させることにより、前記鋼管の外周面上に接着層を形成する第2工程と、
    前記接着層が形成された鋼管を加熱して、前記接着層を溶融した樹脂と反応することができる温度に昇温させる第3工程と、
    前記鋼管の外周面に、昇温した前記接着層を介して、溶融した前記樹脂を被覆する第4工程と、
    前記接着層及び被覆された前記樹脂を冷却して、前記鋼管上に前記接着層を介して樹脂被覆層を形成する第5工程と、
    を経て、樹脂被覆鋼管を得る過程において、
    前記第2工程の後、かつ、前記第4工程の前に、前記接着層の赤外光の吸光度を測定する測定工程と、
    その後、測定された前記吸光度に基づいて、得られる前記樹脂被覆鋼管の、前記鋼管と前記樹脂被覆層との接着力を評価する評価工程と、
    を有することを特徴とする樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
  2. 前記測定工程では、前記鋼管の管長方向に沿って複数箇所において前記接着層の吸光度を測定し、前記評価工程では、測定された前記吸光度に基づいて、得られる前記樹脂被覆鋼管の、前記複数箇所における、前記鋼管と前記樹脂被覆層との接着力を評価する、請求項1に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
  3. 前記評価工程では、前記複数箇所において測定された吸光度の全てが所定の範囲内である場合に、前記接着力に関して合格であると判定し、それ以外の場合に、前記接着力に関して不合格である判定する、請求項2に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
  4. 前記評価工程の後、不合格と判定された樹脂被覆鋼管に対して、マーキングを施す工程をさらに有する、請求項3に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
  5. 前記測定工程は、前記第2工程の後、かつ、前記第3工程の前に行う、請求項1〜4のいずれか一項に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
  6. 前記第3工程における加熱は誘導加熱である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
  7. 前記樹脂は硬質塩化ビニル系樹脂である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法。
  8. 鋼管の外周面上に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、
    前記接着剤を加熱して乾燥させることにより、前記鋼管の外周面上に接着層を形成する乾燥炉と、
    前記接着層が形成された鋼管を加熱して、前記接着層を溶融した樹脂と反応することができる温度に昇温させる加熱装置と、
    前記鋼管の外周面に、昇温した前記接着層を介して、溶融した前記樹脂を被覆する被覆装置と、
    前記接着層及び被覆された前記樹脂を冷却する冷却装置と、
    が配置された製造ラインによって製造される、前記鋼管上に前記接着層を介して樹脂被覆層が接着形成された樹脂被覆鋼管の接着力を検査する検査システムであって、
    前記乾燥炉の下流、かつ、前記被覆装置の上流の位置に設置され、前記接着層の赤外光の吸光度を測定する赤外線吸光度測定装置と、
    測定された前記吸光度に基づいて、得られる前記樹脂被覆鋼管の、前記鋼管と前記樹脂被覆層との接着力を評価する評価部と、
    を有することを特徴とする樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
  9. 前記赤外線吸光度測定装置は、前記鋼管の管長方向に沿って複数箇所において前記接着層の吸光度を測定するように制御され、前記評価部は、測定された前記吸光度に基づいて、得られる前記樹脂被覆鋼管の、前記複数箇所における、前記鋼管と前記樹脂被覆層との接着力を評価する、請求項8に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
  10. 前記評価部は、前記複数箇所において測定された吸光度の全てが所定の範囲内である場合に、前記接着力に関して合格であると判定し、それ以外の場合に、前記接着力に関して不合格であると判定する、請求項9に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
  11. 前記評価部により不合格と判定された樹脂被覆鋼管に対して、マーキングを施すマーキング装置をさらに有する、請求項10に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
  12. 前記赤外線吸光度測定装置は、前記乾燥炉の下流、かつ、前記加熱装置の上流の位置に設置される、請求項8〜11のいずれか一項に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
  13. 前記加熱装置は誘導加熱装置である、請求項8〜12のいずれか一項に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
  14. 前記樹脂は硬質塩化ビニル系樹脂である、請求項8〜13のいずれか一項に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
  15. 前記鋼管および前記接着層から発生する熱および蒸気の少なくとも一つから前記赤外線吸光度測定装置を保護する保護機構をさらに有する、請求項8〜14のいずれか一項に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査システム。
  16. 鋼管の外周面上に接着剤を塗布する第1工程と、
    前記接着剤を加熱して乾燥させることにより、前記鋼管の外周面上に接着層を形成する第2工程と、
    前記接着層が形成された鋼管を加熱して、前記接着層を溶融した樹脂と反応することができる温度に昇温させる第3工程と、
    前記鋼管の外周面に、昇温した前記接着層を介して、溶融した前記樹脂を被覆する第4工程と、
    前記接着層及び被覆された前記樹脂を冷却して、前記鋼管上に前記接着層を介して樹脂被覆層を形成する第5工程と、
    を有する樹脂被覆鋼管の製造方法において、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂被覆鋼管の接着力の検査方法を用いて、前記鋼管と前記樹脂被覆層との接着力を検査する工程を有することを特徴とする樹脂被覆鋼管の製造方法。
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