JP2017161111A - 空調システム - Google Patents

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Tomoyuki Kinoshita
朋行 木下
秀吉 大谷
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秀吉 大谷
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Abstract

【課題】サーバ室内の環境を適切に維持することができない。
【解決手段】空調システムは、第1調整部、第2調整部、加湿部、空調制御部を備える。第1調整部は還気の導入量を調整する。第2調整部は外気の導入量を調整する。加湿部は外気と還気の混合気体に加湿する。空調制御部は外気の湿度が目標とする湿度目標範囲の下限値未満且つ外気の比エンタルピ値が目標とする温度目標範囲および湿度目標範囲によって規定された目標範囲に含まれる比エンタルピ下限値未満の範囲の場合、外気と還気の混合気体の比エンタルピ値が初期目標比エンタルピ値となるようにし、目標範囲に混合気体を調整する。空調制御部は、外気の湿度が湿度目標範囲の下限値未満且つ外気の比エンタルピ値が比エンタルピ下限値未満の範囲で、加湿部が異常の場合、混合気体の比エンタルピ値が初期目標比エンタルピ値よりも小さくなるように、還気および外気の導入量を調整する。
【選択図】図4

Description

実施形態は、空調システムに関する。
近年、様々な分野でIT化が進むにつれ、ネットワークへの接続回線や保守・運用サービスなどを顧客に提供するデータセンターの必要性が高まってきている。
データセンターのサーバ室には、一般的に多数のサーバが設置されているため、その発熱量が多い。そのようなサーバ室内で、これらのサーバを正常に稼働させるためには、サーバ室に対し適切に空調を行って所定範囲の環境条件に保つ必要がある。
データセンターのサーバ室のように多数のコンピュータが設置された室内を冷却するための技術として、室内の下部空間から吸い込んだ空気を上部空間に吹き出すことにより、その空気がサーバラックの上部に吸い込まれるように構成した空調システムがある。
この技術を利用することによりサーバ室内全体の温度勾配を少なくするとともに給気温度のばらつきを少なくして効率のよい空調制御を行うことが可能になる。
特開2005−172309号公報
しかしながら、上述の空調システムでは、供給する空気を加湿器により加湿しつつ冷却する場合があり、当該加湿器による加湿ができなくなった状態では、サーバ室内の環境を適切に維持することができない。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、実施形態の空調システムは、第1調整部と、第2調整部と、加湿部と、空調制御部と、を備える。第1調整部は、空調制御対象のサーバ室から流出した還気の導入量を調整する。第2調整部は、外気の導入量を調整する。加湿部は、外気および還気の混合気体に加湿する。空調制御部は、外気の湿度が目標とする湿度目標範囲の下限値未満であり、且つ、外気の比エンタルピ値が目標とする温度目標範囲および湿度目標範囲によって規定された目標範囲に含まれる比エンタルピ下限値未満の範囲の場合、外気と還気とを混合した混合気体の比エンタルピ値が予め設定された初期目標比エンタルピ値となるように、第1調整部および第2調整部を制御して還気および外気の導入量を調整するとともに、外気および還気の混合気体に加湿することにより、目標範囲に混合気体の湿度および温度を調整する。空調制御部は、外気の湿度が湿度目標範囲の下限値未満であり、且つ、外気の比エンタルピ値が比エンタルピ下限値未満の範囲の場合であって、加湿部が異常の場合、混合気体の比エンタルピ値が初期目標比エンタルピ値よりも小さくなるように、第1調整部と第2調整部とを制御して還気および外気の導入量を調整、前記温度目標範囲内に制御する。
図1は、実施形態の空調システムを含むサーバ室管理システムの構成を示す全体図である。 図2は、実施形態の空調システムの空調制御装置の構成を示すブロック図である。 図3は、実施形態の空調システムの空調制御装置で分類される外気の空気状態範囲を空気線図上に示すグラフである。 図4は、例外状態における実施形態の空調システムの制御を説明する空気線図のグラフである。
以下の例示的な実施形態や変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が部分的に省略される。実施形態や変形例に含まれる部分は、他の実施形態や変形例の対応する部分と置き換えて構成されることができる。また、実施形態や変形例に含まれる部分の構成や位置等は、特に言及しない限りは、他の実施形態や変形例と同様である。
<実施形態>
〈サーバ室管理システムの構成〉
実施形態のサーバ室管理用の空調システムを有するサーバ室管理システムの構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態の空調システム20を含むサーバ室管理システム1の構成を示す全体図である。
本実施形態によるサーバ室管理システム1は、データセンター等のサーバ室10と、このサーバ室10の空調を行う空調システム20とから構成される。
サーバ室10は複数の開口部11aを有する二重床11が設置されている。この二重床11上に、複数のサーバ(図示せず)を格納した複数のサーバラック12−1〜12−4が設置される。このサーバ室10では、設置されたサーバ内のファン(送風機)またはサーバラック12−1〜12−4に設置されたファンが稼働すると、矢印30で示すように、二重床11の下部に流入した冷気が、二重床11上の開口部11aから二重床11の上部へ流れる。この構成により、サーバ室10の空気がサーバの発熱により加熱されて還気として流出させる気流が発生する。この気流により、サーバラック12−1〜12−4に吸入する冷気を含む第1空間としてのコールドエリア13と、サーバラック12−1〜12−4から吹き出した暖気を含んだ第2空間としてのホットエリア14とが、二重床11の上部に形成される。このようにして、発生する熱が冷気により冷却されるので、サーバは正常に稼働できる。
空調システム20は、還気ダクト21と、還気温度センサ22と、排気用ダンパ23と、室内ユニット24と、室外ユニット25と、給気ダクト26と、外気温度センサ27と、外気湿度センサ28と、空調制御装置29とを有する。
還気ダクト21は空気を通す管であり、サーバ室10のホットエリア14と空調システム20の室内ユニット24とを接続する。
還気温度センサ22は、ホットエリア14から流入した還気の温度を計測し、計測値を空調制御装置29に送信する。
排気用ダンパ23は、還気ダクト21から外部に排出する還気の排出量を、その開度により調整する。
室内ユニット24は、還気導入用ダンパ241と、外気導入用ダンパ242と、フィルタ243と、冷気生成装置としての加湿器244、冷却コイル(冷却器)245、および給気ファン(送風機)246と、給気温度センサ247と、給気湿度センサ248とを有する。
還気導入用ダンパ241は、サーバ室10から還気ダクト21を介して流出して室内ユニット24内に流入する還気の導入量を、その開度により調整する。還気導入用ダンパ241は、第1調整部の一例である。
外気導入用ダンパ242は、室内ユニット24内に導入する外気の導入量を、その開度により調整する。外気導入用ダンパ242は、第2調整部の一例である。
フィルタ243は、外気導入用ダンパ242が開状態にされたときに導入される外気、および還気導入用ダンパ241が開状態にされたときに還気ダクト21から導入される還気から、塵埃を除去する。
加湿器244は、フィルタ243で塵埃が除去された外気および還気の混合気体を、必要に応じて加湿する。尚、加湿器244は、外気および還気の少なくともいずれか一方を加湿するようにしてもよい。
冷却コイル245は、フィルタ243で塵埃が除去された外気および還気を、必要に応じて冷却して冷気を生成する。
給気ファン246は、加湿器244により必要に応じて加湿されるとともに、冷却コイル245により必要に応じて冷却されて生成された冷気を給気ダクト26へ送風する。これにより、給気ファン246は、給気ダクト26からサーバ室10の床下を経由してコールドエリア13に冷気を流入させる。この給気ファン246の回転数を制御することによって、サーバ室10への送風量が制御される。
給気温度センサ247は、サーバ室10に流入させる給気の温度を計測し、計測値を空調制御装置29に送信する。
給気湿度センサ248は、サーバ室10に流入させる給気の湿度を計測し、計測値を空調制御装置29に送信する。
室外ユニット25は、冷却コイル245に接続されており、冷却コイル245で冷気を生成する際に利用される冷媒を冷却コイル245に供給する。
給気ダクト26は空気を通す管であり、室内ユニット24と、サーバ室10のコールドエリア13に繋がる床下とを接続する。
外気温度センサ27は、外気温度を計測し、その計測値を空調制御装置29に送信する。外気湿度センサ28は、外気湿度を計測し、その計測値を空調制御装置29に送信する。
図2は、実施形態の空調システム20の空調制御装置29の構成を示すブロック図である。図2に示すように、空調制御装置29は、記憶部291と、制御部295とを有する。
記憶部291は、サーバ室10の空調制御に要するデータおよびプログラムを記憶する。例えば、記憶部291は、サーバ室10への給気の目標範囲を規定する給気温度目標範囲および給気湿度目標範囲を記憶する。給気温度目標範囲は、対象となる気体の温度によって設定された範囲であって、温度目標範囲の一例である。給気湿度目標範囲は、対象となる気体の絶対湿度および相対湿度によって設定された範囲であって、湿度目標範囲の一例である。記憶部291は、線図上に温度、絶対/相対湿度、比エンタルピ値などから湿り空気の状態が分かるようにした線図であり、外気の状態を判定するための空気線図に関するデータを記憶する。
制御部295の一例は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置(またはプロセッサ)である。制御部295は、外気温湿度計測値取得部292と、空調制御内容設定部293と、機器制御部294とを有する。制御部295は、例えば、記憶部291に記憶された空調制御用のプログラムを読み込むことによって、外気温湿度計測値取得部292、空調制御内容設定部293、および、機器制御部294として機能する。尚、外気温湿度計測値取得部292、空調制御内容設定部293、および、機器制御部294の一部または全てを回路等のハードウエアによって構成してもよい。
外気温湿度計測値取得部292は、外気温度センサ27で計測された外気温度計測値、および外気湿度センサ28で計測された外気湿度計測値を取得する。
空調制御内容設定部293は、外気温湿度計測値取得部292から取得された外気温度計測値および外気湿度計測値と、還気温度センサ22で計測された還気温度計測値、給気温度センサ247で計測された給気温度計測値、および給気湿度センサ248で計測された給気湿度計測値とを取得する。空調制御内容設定部293は、取得した計測値と、記憶部291に記憶された給気温度目標範囲および給気湿度目標範囲とに基づいて、予め設定された温度範囲且つ湿度範囲内の給気を生成するための空調制御内容を設定する(詳細は後述)。
機器制御部294は、空調制御内容設定部293で設定された空調制御内容に基づいて、空調システム20内の各機器の動作を制御する。例えば、機器制御部294は、排気用ダンパ23、室外ユニット25、還気導入用ダンパ241、外気導入用ダンパ242、加湿器244、冷却コイル245、および、給気ファン246の動作を制御する。
〈サーバ室管理システムの動作〉
次に、本実施形態によるサーバ室管理システム1の動作について説明する。図3は、実施形態の空調システム20の空調制御装置29で分類される外気の空気状態範囲を空気線図上に示すグラフである。
本実施形態において、サーバ室管理システム1の空調制御装置29の記憶部291には、サーバ室10への給気温度目標範囲および給気湿度目標範囲が予め記憶されている。
本実施形態においては、サーバ室10への給気温度目標範囲および給気湿度目標範囲として、米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE;American Society of Heating, Refrigerating and Air-Conditioning Engineers)の規定を参考にして設定された範囲である、温度:18〜35℃、絶対湿度0.0056〜0.0107kg/kg且つ相対湿度60%以下とする範囲情報が記憶されているものとする。尚、給気温度目標範囲および給気湿度目標範囲は、上述の内容に限定されるものではない。
このように記憶部291に給気温度目標範囲および給気湿度目標範囲が記憶されている状態で、空調制御装置29において、各機器の制御が行われるときの動作について説明する。
まず、空調制御内容設定部293が、外気温湿度計測値取得部292で取得された外気温度計測値および外気湿度計測値を取得する。
次に、空調制御内容設定部293が、記憶部291に記憶された給気温度目標範囲および給気湿度目標範囲に基づいて、予め設定された給気温度目標範囲且つ給気湿度目標範囲内の給気を生成するための空調制御内容を設定する。以下に、空調制御内容設定部293が実行する空調制御内容の設定処理について説明する。
まず、空調制御内容設定部293は、取得された外気温度計測値および外気湿度計測値、および、記憶部291に記憶された空気線図のデータに基づいて、現在の外気の状態が、図3に示すように分割された空気線図上のどの領域に該当するかを判定する。
図3の空気線図では、飽和線X100で表した相対湿度100%(飽和状態)以下の空気の状態が、給気温度目標範囲、給気湿度目標範囲、比エンタルピの上限値、および、比エンタルピの下限値に基づいて、以下に示す5つの空気状態範囲を示す領域I〜Vに分割されている。
給気温度目標範囲は、図3の温度下限線Tlおよび温度上限線Thで示す範囲である。給気湿度目標範囲は、図3の絶対湿度下限線Xlおよび絶対湿度上限線Xhで示す範囲である。相対湿度の上限値は、図3の相対湿度上限線Rhで示す値である。比エンタルピ上限値は、給気温度目標範囲且つ給気湿度目標範囲に該当する目標範囲に含まれる比エンタルピ値の一つであり、比エンタルピ上限線Hhで示される。比エンタルピ下限値は、給気温度目標範囲且つ給気湿度目標範囲に該当する目標範囲に含まれる比エンタルピ値の一つであり、比エンタルピ下限線Hlで示される。比エンタルピ下限値は、比エンタルピ上限値よりも小さい。
本実施形態において、上述した給気温度目標範囲且つ給気湿度目標範囲に対応する比エンタルピ上限値は50kJ/kg(DA)であり、比エンタルピ下限値は35kJ/kg(DA)であるものとする。比エンタルピ上限値および比エンタルピ下限値は、加湿による変化を考慮して、目標範囲(後述する領域I)の角よりも内側を通るように設定されている。即ち、比エンタルピ上限値は、目標範囲内における最大値よりも小さい。比エンタルピ下限値は、目標範囲内における最小値よりも大きい。
比エンタルピ線は、0℃の 乾き空気を基準としたときの相対的な熱量であり、式(1)で示すことができる。
〔数1〕
h=Cpa×t+(γ+Cpv×t)x 式(1)
h:比エンタルピ(全熱量)
Cpa:乾き空気の定圧比熱[1.006kJ/(kg・K)]
t:湿り空気の温度[℃]
γ:1気圧、0℃の水の蒸発潜熱[2501kJ/kg]
Cpv:水蒸気の定圧比熱[1.805kJ/(kg・K)]
x:絶対湿度[kg/kg(DA)
−領域I(第1の空気状態範囲):
領域Iは、目標とする給気温度目標範囲、且つ、目標とする給気絶対湿度範囲、且つ給気相対湿度範囲と同様の範囲、つまり空気線図上において下記式(2)を満たす範囲である。尚、領域Iは、目標とする目標範囲の一例でもある。
〔数2〕
(温度18度以上35度以下)
∩(絶対湿度0.0056kg/kg(DA)以上、0.0107kg/kg(DA)以下)
∩(相対湿度60%以下) 式(2)
−領域II(第2の空気状態範囲):
領域IIは、目標とする給気絶対湿度範囲の下限値未満であり、且つ目標とする範囲における比エンタルピ下限値未満の範囲、つまり空気線図上において下記式(3)を満たす範囲である。
〔数3〕
(絶対湿度0.0056kg/kg(DA)未満)
∩(比エンタルピ35kJ/kg(DA)未満) 式(3)
−領域III(第3の空気状態範囲):
領域IIIは、目標とする給気絶対湿度の範囲内であり、且つ、目標とする給気温度範囲の下限値未満または目標とする給気相対湿度の上限値以上の範囲、つまり空気線図上において下記式(4)を満たす範囲である。
〔数4〕
(絶対湿度0.0056kg/kg(DA)以上、0.0107kg/kg(DA)以下)
∩{(温度18度未満)∪(相対湿度60%以上)} 式(4)
−領域IV(第4の空気状態範囲):
領域IVは、目標とする給気温度および給気湿度の範囲に対応する比エンタルピ範囲内であり、且つ、目標とする給気絶対湿度範囲の下限値未満または目標とする給気温度範囲の上限値を超える範囲、つまり空気線図上において下記式(5)を満たす範囲である。
〔数5〕
(比エンタルピ35kJ/kg(DA)以上、比エンタルピ50kJ/kg(DA)以下)
∩{(絶対湿度0.0056 kg/kg(DA)未満)∪(温度35℃超)} 式(5)
−領域V(第5の空気状態範囲):
領域Vは、上記の領域I〜IV以外の範囲であるが、具体的には、図3に示すように、給気湿度目標範囲の上限値超であるか、または給気温度目標範囲且つ給気湿度目標範囲に該当する範囲の空気状態に対応する比エンタルピ範囲の上限値超であり且つ給気温度目標範囲の上限値超である空気状態範囲である。
空調制御内容設定部293は、外気温度計測値、外気湿度計測値、還気温度計測値、給気温度計測値、および、給気湿度計測値を用いて、現在の外気の状態がこれらの領域I〜IVのうちいずれの領域に該当するかを判定する。空調制御内容設定部293は、判定した領域ごとに以下のように空調制御内容を設定する。空調制御内容設定部293は、空調制御対象のサーバ室10内のサーバから発生する熱による顕熱負荷を空調制御する。尚、本実施形態では、人の呼気等による潜熱負荷は発生しないものと仮定する。また、還気湿度計測値は、給気湿度センサ248で計測される給気湿度計測値と同一であるものとする。
−領域Iに該当する場合の空調制御内容:
現在の外気の湿度および温度が領域Iの範囲内にある場合、外気をそのまま給気とすることが可能である。このため、空調制御内容設定部293は、排気用ダンパ23を全開にし、還気導入用ダンパ241を閉じ、外気導入用ダンパ242を全開にすることで、外気導入比率が100%になるように空調制御内容を決定する。またこのときは、空調制御内容設定部293は、加湿器244による加湿処理、および冷却コイル245による外気の冷却処理を行わないように空調制御内容を決定する。外気導入比率は、給気における外気の導入率を示す値であって、外気と還気との比率の一例である。尚、外気導入率に代えて、給気における還気の導入率の値を示す還気導入率に基づいて空調制御内容を決定してもよい。
−領域IIに該当する場合の空調制御内容:
現在の外気の湿度および比エンタルピ値が領域IIの範囲内にある場合、空調制御内容設定部293は、外気に還気を混合することで外気温度を加温するとともに、混合した混合気体に加湿を行うように空調制御内容を決定する。例えば、空調制御内容設定部293は、排気用ダンパ23、還気導入用ダンパ241、および外気導入用ダンパ242の開度が外気導入比率に応じて0〜100%の間で調整されるとともに、加湿器244により必要量の加湿が行われるように空調制御内容を決定する。
空調制御内容設定部293は、この場合、混合後の混合気体が、記憶部291に記憶された給気温度目標範囲且つ給気湿度目標範囲内で示される目標範囲内で予め設定された給気温度目標値(図3の目標点参照)になるように、外気温度計測値および還気温度計測値に基づいて、外気導入比率の目標値αを調整する。例えば、目標範囲(即ち、領域I)内の比エンタルピ値、例えば、目標範囲の重心近傍の位置における比エンタルピ値が、初期目標比エンタルピ値として予め設定されている。当該初期目標比エンタルピを通り同じ比エンタルピ値を示す直線が、初期目標比エンタルピ線H0として設定されている。図3に示す例では、初期目標比エンタルピ値は、約42.5kJ/kg(DA)である。外気と還気とを混合した混合気体の比エンタルピ値が、当該初期目標比エンタルピ線H0上となるように、即ち、初期目標比エンタルピ値となるように、空調制御内容設定部293は、外気導入比率の目標値αを決定して、還気導入用ダンパ241および外気導入用ダンパ242を制御して、還気および外気の導入量を調整する。これにより、混合気体は、図3に混合点で示す温度および湿度となる。
このようにして外気導入比率が調整されて外気と還気とが混合された混合気体の絶対湿度値Xは、外気絶対湿度計測値Xo、還気絶対湿度計測値Xr、外気導入比率の目標値αを用いると、下記式(6)のように表される。
〔数6〕
X = Xo×α + Xr×(1 - α) 式(6)
このため混合された混合気体を、目標とする温湿度状態の給気にするには、混合された混合気体の絶対湿度値Xと給気絶対湿度目標値Xs0との差分である Xs0-X 分の加湿器244による加湿が外気及び還気の混合気体に必要である。この差分の湿度値を上げるための必要加湿量は、給気流量Fsを用いると Fs×(Xs0-X)となる。空調制御内容設定部293は、当該必要加湿量を供給するように加湿器244の水量を制御するための弁(図示せず)の空調制御内容を決定する。これにより、混合気体が、目標範囲(即ち、領域I)内の湿度および温度に調整される。このとき、空調制御内容設定部293は、冷却コイル245による混合した混合気体の冷却処理を行わないように空調制御内容を決定する。
なお、外気と還気とを混合後に加湿を行う際の必要加湿量は上記のように決定されるが、還気をあらかじめ絶対湿度目標値{Xr - (X - Xs0)/(1 - α)}になるように加湿しておくことで、混合後の加湿を不要にすることも可能である。
この場合、空調制御内容設定部293は、外気温度計測値To、加湿後の還気温度計測値Tr2、給気温度目標値Ts0とすると、下記式(7)に基づいて外気導入比率の目標値αを決定する。
〔数7〕
α = (Tr2 - Ts0)/(Tr2 - To)×100(%) 式(7)
−領域IIIに該当する場合の空調制御内容:
現在の外気の湿度および温度が領域IIIの範囲内にある場合、空調制御内容設定部293は、外気に還気を混合することで外気温度を加温するように空調制御内容を決定する。例えば、空調制御内容設定部293は、排気用ダンパ23、還気導入用ダンパ241、および外気導入用ダンパ242の開度を、外気導入比率に応じて0〜100%の間で調整した空調制御内容を決定する。
この場合、空調制御内容設定部293は、外気温度計測値To、還気温度計測値Tr、給気温度目標値Ts0とすると、下記式(8)に基づいて外気導入比率の目標値αを決定する。
〔数8〕
α = (Tr - Ts0)/(Tr - To)×100(%) 式(8)
この場合、空調制御内容設定部293は、加湿器244による加湿処理、および冷却コイル245による混合した混合気体の冷却処理を行わない空調制御内容を決定する。
−領域IVに該当する場合の空調制御内容:
現在の外気の湿度、温度および比エンタルピ値が領域IVの範囲内にある場合、空調制御内容設定部293は、外気に加湿を行うように空調制御内容を決定する。例えば、空調制御内容設定部293は、排気用ダンパ23を全開にし、還気導入用ダンパ241を閉じ、外気導入用ダンパ242を全開にすることで、外気導入比率を100%にして、加湿器244により必要量の加湿を行う空調制御内容を決定する。
この場合、外気絶対湿度計測値Xo、給気絶対湿度目標値Xs0とすると、必要加湿量はXs0-Xoである。このとき、加湿に伴って外気温度がToからTに低下する。空調制御内容設定部293は、給気温度目標値Ts0がTより低い場合は、外気温度が給気温度目標値になるように冷却コイル245により冷却処理を行う空調制御内容を決定する。
−領域Vに該当する場合の空調制御内容:
現在の外気の湿度、温度および比エンタルピ値が領域Vの範囲内にある場合、空調制御内容設定部293は、還気を冷却して目標状態(領域Iの状態)となるように空調制御内容を決定する。例えば、空調制御内容設定部293は、排気用ダンパ23を閉じ、還気導入用ダンパ241を全開にし、外気導入用ダンパ242を閉じることで、外気導入比率を0%にして、冷却コイル245による冷却および除湿処理を行う空調制御内容を決定する。このとき、空調制御内容設定部293は、加湿器244による加湿処理を行わない空調制御内容を決定する。
なお、現在の外気の状態が領域Vの範囲内にあるときでも、サーバ室10内に作業者がおり換気が必要な場合は、一定量の外気を取り入れるように、予め外気導入比率に下限値を設定して制御してもよい。
上述した処理により空調制御内容設定部293が空調制御内容を設定する。機器制御部294は、空調制御内容に基づいて排気用ダンパ23、還気導入用ダンパ241、および外気導入用ダンパ242の開度、加湿器244、冷却コイル245の制御量、給気ファン246の回転数を制御する制御信号を生成する。機器制御部294は、制御信号を各機器に送信して、各機器を制御する。これにより、空調システム20は、目標範囲内の給気温度値および給気湿度値を有する空気を生成してサーバ室10へ給気する。
−例外的空調制御内容:
図4は、例外状態における実施形態の空調システム20の制御を説明する空気線図のグラフである。次に、現在の外気が領域II、即ち、外気の湿度が目標とする給気絶対湿度範囲の下限値未満であり、且つ、外気の比エンタルピ下限値が目標とする範囲における比エンタルピ下限値未満の範囲にある場合において、加湿器244が正常に機能しない異常状態の空調制御内容について図4を参照して説明する。空調制御内容設定部293は、外気の温度が還気の温度よりも低い場合に当該空調制御内容を設定する。より好ましくは、空調制御内容設定部293は、外気の湿度が還気の湿度よりも低い場合に当該空調制御内容を設定する。
加湿器244が正常に機能しない場合とは、水を加湿器244に供給する加湿給水管の凍結および破損等による断水、加湿給水用電動弁の故障による断水、加湿給水管等に設けられた給水バルブの開け忘れ等による断水、および、加湿器244の故障等である。
空調制御内容設定部293は、加湿器244の正常および異常を判定する。空調制御内容設定部293は、例えば、還気温度センサ22、外気温度センサ27、外気湿度センサ28、給気温度センサ247、および、給気湿度センサ248から取得した計測値に基づいて、加湿器244の正常および異常を判定する。一例として、空調制御内容設定部293は、給気湿度センサ248から取得した給気湿度計測値が空調制御内容から想定される値よりも極めて低い場合、加湿器244が異常と判定することができる。
異常状態では、空調制御内容設定部293は、例えば、サーバ室10のコールドエリア13の温度が予め定められた設定温度を超えた場合、外気と還気とを混合した混合気体の比エンタルピ値が初期目標比エンタルピ値よりも小さくなるように、還気導入用ダンパ241、および外気導入用ダンパ242を制御して、還気および外気の導入量を調整する空調制御内容を決定する。例えば、図4に示すように、異常状態では、空調制御内容設定部293は、初期目標比エンタルピ値よりも小さく、且つ、目標範囲内に含まれる補正目標比エンタルピ値を設定する。本実施形態の空調制御内容設定部293は、補正目標比エンタルピ値を、比エンタルピ下限値に設定する。尚、補正目標比エンタルピ値を示す補正目標比エンタルピ線は、比エンタルピ下限値を式(1)に代入することによって算出することができる。
当該補正目標比エンタルピ値に基づいて、外気と還気の比率の一例である外気導入率の目標値αが決定される。機器制御部294は、当該目標値αに基づいて、排気用ダンパ23、還気導入用ダンパ241、および外気導入用ダンパ242の開度を制御および調整する。これにより、外気と還気の混合気体の比エンタルピ値が、補正目標比エンタルピ値に調整される。これにより、空調システム20は、初期目標比エンタルピ値に基づいて制御していた場合に比べて、混合気体の温度を下げることができる。この結果、空調システム20は、加湿器244が異常となり、加湿できない場合に、混合気体がサーバ室10に供給されても、サーバ室10の空気が目標範囲外(例えば、目標範囲よりも高温側の領域)となることを抑制し、目標温度範囲内とすることができる。
上述した実施形態の各構成の個数、配置、形状は適宜変更してよい。
例えば、上述の実施形態では、補正目標比エンタルピ値を比エンタルピ下限値に設定する例を示したが、補正目標比エンタルピ値は、これに限定されない。例えば、補正目標比エンタルピ値は、目標範囲内であればよく、図4に点線で示す比エンタルピ線H0’のように、目標範囲の最小の比エンタルピ値であってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…サーバ室管理システム、10…サーバ室、20…空調システム、22…還気温度センサ、29…空調制御装置、241…還気導入用ダンパ、242…外気導入用ダンパ、244…加湿器、291…記憶部、292…外気温湿度計測値取得部、293…空調制御内容設定部、294…機器制御部、295…制御部

Claims (4)

  1. 空調制御対象のサーバ室から流出した還気の導入量を調整する第1調整部と、
    外気の導入量を調整する第2調整部と、
    前記外気および前記還気の混合気体に加湿する加湿部と、
    前記外気の湿度が目標とする湿度目標範囲の下限値未満であり、且つ、前記外気の比エンタルピ値が目標とする温度目標範囲および前記湿度目標範囲によって規定された目標範囲に含まれる比エンタルピ下限値未満の範囲の場合、前記外気と前記還気とを混合した混合気体の比エンタルピ値が予め設定された初期目標比エンタルピ値となるように、前記第1調整部および前記第2調整部を制御して前記還気および前記外気の導入量を調整するとともに、前記外気および前記還気の混合気体に加湿することにより、前記目標範囲に前記混合気体の湿度および温度を調整する空調制御部と、
    を備え、
    前記空調制御部は、前記外気の湿度が前記湿度目標範囲の下限値未満であり、且つ、前記外気の比エンタルピ値が前記比エンタルピ下限値未満の範囲の場合であって、前記加湿部が異常の場合、前記混合気体の比エンタルピ値が前記初期目標比エンタルピ値よりも小さくなるように、前記第1調整部と前記第2調整部とを制御して前記還気および前記外気の導入量を調整し、前記温度目標範囲内に制御する空調システム。
  2. 前記空調制御部は、前記初期目標比エンタルピ値よりも小さく、且つ、前記目標範囲内に含まれる補正目標比エンタルピ値に基づく前記外気と前記還気との比率により、前記第1調整部および前記第2調整部を制御する
    請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記空調制御部は、前記目標範囲内の最小の比エンタルピ値を前記補正目標比エンタルピ値として、前記外気と前記還気との前記比率を設定する
    請求項2に記載の空調システム。
  4. 前記空調制御部は、サーバ室のコールドエリアの温度が設定温度を超えた場合、前記混合気体の比エンタルピ値が前記初期目標比エンタルピ値よりも小さくなるよう前記第1調整部および前記第2調整部を制御する
    請求項1から3のいずれか1項に記載の空調システム。
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