JP2017158842A - 椎体変形診断装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】急性期病院に蓄積されているCT画像を有効利用して、急性期病院を起点とした骨粗鬆症の治療システムを構築可能にする技術を提供する。【解決手段】本発明の一側面に係る椎体変形診断装置は、脊椎を含むCT画像を取得し、取得したCT画像から脊椎の矢状断面像を作成する。そして、椎体変形診断装置は、作成した矢状断面像に表れる脊椎内の椎体の高さに基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定することによって、骨粗鬆症の画像診断を行う【選択図】図1
Description
本発明は、椎体変形診断装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
骨粗鬆症は、運動器疾患として要支援又は要介護状態に陥る原因になるだけではなく、糖尿病、高血圧症、慢性腎臓病等の生活習慣病とも関係しており、その予防及び治療が重要視されるようになってきている。非特許文献1によると、大腿骨近位部又は脊椎に既存骨折があることは骨折発生の最も重要な危険因子の一つであり、この既存骨折を持つ者は、骨密度の数値に関わらず骨粗鬆症の治療薬による治療を受けるべきとしている。すなわち、骨粗鬆症による脆弱性骨折の発生する危険性の高い患者を効率よく発見し、発見した患者に骨粗鬆症の治療を継続的に施すことが可能な医療システムの構築が望まれている。
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編集、「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」、第1版第2刷、一般社団法人日本骨粗鬆症学会、日本骨代謝学会、公益財団法人骨粗鬆症財団、2015年10月
近年、医師及び多職種のスタッフが連携して、骨粗鬆症の治療を実施する骨粗鬆症リエゾンサービス(Osteoporosis Liaison Service, OLS)(登録商標)が提唱されている。日本骨粗鬆症学会では、骨粗鬆症の診療におけるコーディネーターの役割を果たすスタッフ(骨粗鬆症マネージャー、登録商標)を養成する制度もできており、一部の病院の整形外科病棟及びクリニックでは、OLSが実施され始めている。
このような骨粗鬆症に対する連携サービスのうち、骨密度測定装置(例えば、特許文献1)を保有する施設とかかりつけ医とが連携して骨粗鬆症の治療を行う医療サービスが一定の成果を上げている。この医療サービスでは、患者に骨粗鬆症の疑いがある場合に、かかりつけ医は、骨密度測定装置を保有する施設に患者の骨密度の測定を依頼する。施設は、かかりつけ医の依頼に応じて、保有する骨密度測定装置により患者の骨密度の測定を行い、当該骨密度の測定結果をかかりつけ医に提供する。そして、かかりつけ医は、施設から提供された骨密度の測定結果に基づいて、骨粗鬆症の診断を行う。これにより、この医療サービスでは、早期の骨粗鬆症治療の開始及びその継続の実現を図っている。このような骨粗鬆症に対するサービスに、高度で専門的な医療を提供可能な急性期病院が加われば、骨粗鬆症の治療をより早期に開始可能になると期待される。
しかしながら、我が国では、急性期病院は、診断群分類(Diagnosis Procedure Combination, DPC)包括評価制度に対応しており、主病以外に対する検査及び治療の報酬を得ることができない。そのため、その急性期病院が骨密度測定装置を保有していても、当該急性期病院が、骨密度測定装置により患者の骨密度を測定することは稀であり、骨粗鬆症の治療連携に積極的には参加することができていなかった。
一方で、急性期病院には、骨粗鬆症の診断には利用されていないが、患者の胸部から腹部にかけて撮影されたコンピュータ断層撮影画像(以下、「CT画像」とも記載する)が蓄積されている。本件発明者は、この蓄積されたCT画像を有効利用すれば、急性期病院を起点とした骨粗鬆症の新たな治療システムを構築することができるのではないかと考えた。
本発明は、一側面では、このような点を考慮してなされたものであり、急性期病院に蓄積されているCT画像を有効利用して、急性期病院を起点とした骨粗鬆症の治療システムを構築可能にする技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係る椎体変形診断装置は、脊椎を含むコンピュータ断層撮影画像(CT画像)を取得するCT画像取得部と、取得した前記コンピュータ断層撮影画像(CT画像)から前記脊椎の矢状断面像を作成する矢状断面像作成部と、前記矢状断面像に表れる前記脊椎内の椎体の高さに基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定する画像診断部と、を備える。
急性期病院では、主病の検査のため、胸部から腹部にかけてのCT画像を撮影していることが多い。そこで、当該構成では、このCT画像を利用し、脊椎の矢状断面像を作成する。矢状断面像は、正中に対して平行に身体を左右に分ける面の像であるため、この矢状断面像によれば、椎体骨折による椎体変形の有無を容易に且つ確実に判定することができる。本実施形態では、このような矢状断面像を利用して、椎体の高さに基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定する。これによって、骨粗鬆症の画像診断を行い、骨粗鬆症の治療対象患者を自動的に見つけ出すことができる。なお、骨粗鬆症の治療対象患者とは、上記画像診断により骨粗鬆症である又はその疑いがあると判定され、骨粗鬆症の治療を受けることが望ましいとされる者のことである。また、「椎体が変形している状態」とは、「椎体に骨折が生じている状態」のことである。
したがって、当該構成によれば、急性期病院に蓄積されたCT画像を有効に利用して、業務を殆ど増やすことなく、当該急性期病院に潜んでいる骨粗鬆症の治療対象患者を自動的に見つけ出すことができる。そのため、診断群分類包括評価制度に対応した急性期病院でも、骨粗鬆症の治療連携に積極的に参加可能になる。また、これにより、急性期病院で骨粗鬆症の治療対象患者を早期に見つけ出し、所定の施設、かかりつけ医等に急性期病院から、見つけ出した患者の骨粗鬆症の精密な検査を行ったり、当該患者の骨粗鬆症の治療を開始したりするよう促す医療システムを構築することができる。よって、当該構成によれば、急性期病院に蓄積されているCT画像を有効利用して、急性期病院を起点とした骨粗鬆症の治療システムを構築することができる。なお、椎体変形の検出しやすさの観点から、矢状断面像を取得する位置は正中部であるのが好ましい。
また、上記一側面に係る椎体変形診断装置の別の形態として、前記画像診断部は、前記矢状断面像を用いて、同一の前記椎体の高さの最大値と最小値とを測定してもよく、測定した前記同一の椎体内における高さの最大値に対する最小値の割合に基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定してもよい。当該構成では、同一の椎体内で高さの最大値と最小値とを比較することで、楔状椎、魚椎等のような椎体の一部に生じる変形を検出することができる。そのため、当該構成によれば、骨粗鬆症の治療対象患者を適正に見つけ出すことができる。
また、上記一側面に係る椎体変形診断装置の別の形態として、前記画像診断部は、前記矢状断面像を用いて、診断対象の前記椎体の高さと、当該診断対象の椎体の上位又は下位の椎体の高さと、を測定してもよく、測定した前記診断対象の椎体の上位又は下位の椎体の高さに対する前記診断対象の椎体の高さの比率に基づいて、前記診断対象の椎体が変形しているか否かを判定してもよい。当該構成では、診断対象の椎体の高さとその椎体の上位又は下位の椎体の高さとを比較することで、楔状椎、魚椎等のような椎体の一部に生じる変形だけではなく、扁平椎のような椎体の高さが全体的に減少する変形も検出することができる。そのため、当該構成によれば、骨粗鬆症の治療対象患者を適正に見つけ出すことができる。
また、上記一側面に係る椎体変形診断装置の別の形態として、前記画像診断部は、前記矢状断面像を用いて、診断対象の前記椎体の高さと、当該診断対象の椎体の上位の椎体の高さと、当該診断対象の椎体の下位の椎体の高さと、を測定してもよく、測定した前記診断対象の椎体の上位及び下位の椎体の高さの平均値に対する前記診断対象の椎体の高さの比率に基づいて、前記診断対象の椎体が変形しているか否かを判定してもよい。当該構成では、診断対象の椎体の高さとその椎体の上位及び下位の椎体の高さの平均値とを比較することで、楔状椎、魚椎等のような椎体の一部に生じる変形だけではなく、扁平椎のような椎体の高さが全体的に減少する変形も検出することができる。そのため、当該構成によれば、骨粗鬆症の治療対象患者を適正に見つけ出すことができる。
また、上記一側面に係る椎体変形診断装置の別の形態として、前記画像診断部は、前記矢状断面像を用いて、一列に並ぶ複数の椎体それぞれの高さを測定してもよく、測定した各椎体の高さが、隣接する椎体同士の高さの比率を規定した当該椎体の高さの序列に関する条件を満たしているか否かによって、当該各椎体が変形しているか否かを判定してもよい。通常、上位から下位にいくにしたがって、椎体の高さは高くなる。当該構成では、この考えを利用し、変形している椎体を検出する。すなわち、椎体の高さの序列が崩れていないかどうかを判定することで、楔状椎、魚椎等のような椎体の一部に生じる変形だけではなく、扁平椎のような椎体の高さが全体的に減少する変形も検出することができる。そのため、当該構成によれば、骨粗鬆症の治療対象患者を適正に見つけ出すことができる。
また、上記一側面に係る椎体変形診断装置の別の形態として、前記画像診断部は、前記矢状断面像を用いて、診断対象の前記椎体の高さと幅とを測定してもよく、正常な椎体の高さを当該正常な椎体の幅で割った値に対する前記測定した診断対象の椎体の高さを前記測定した診断対象の椎体の幅で割った値の比率に基づいて、前記診断対象の椎体が変形しているか否かを判定してもよい。当該構成では、診断対象の椎体の高さと正常な椎体の高さとを比較することで、楔状椎、魚椎等のような椎体の一部に生じる変形だけではなく、扁平椎のような椎体の高さが全体的に減少する変形も検出することができる。そのため、当該構成によれば、骨粗鬆症の治療対象患者を適正に見つけ出すことができる。なお、当該構成では、椎体の幅で椎体の高さを正規化している。そのため、一個人の正常な時点と診断時点との間での椎体の高さの比較だけではなく、健常者と診断対象者との間、すなわち、他人間での椎体の高さの比較によっても、椎体の変形を検出することができる。なお、椎体の幅とは、矢状断面像に表れる椎体の前後径のことである。
また、上記一側面に係る椎体変形診断装置の別の形態として、上記椎体変形診断装置は、前記椎体が変形していると前記画像診断部が判定した場合に、骨粗鬆症の治療を依頼するための治療依頼書のテンプレートに、前記矢状断面像の前記変形していると判定された椎体の写る部分を挿入することで、当該治療依頼書を作成する治療依頼書作成部を更に備えてもよい。地域連携の医療システムでは、急性期病院で骨粗鬆症の治療対象患者を発見した後には、急性期病院からかかりつけ医に逆紹介して、その患者の骨粗鬆症の治療を継続していくのが望ましい。また、従来より、地域連携の利用システムでは、急性期病院は、治療を終えた患者をかかりつけ医にもとに戻す逆紹介を行っている。当該構成によれば、急性期病院からかかりつけ医に逆紹介するための治療依頼書を自動で作成することができるため、急性期病院を起点とした当該医療システムの運用の円滑化を図ることができる。すなわち、本発明による画像診断で骨粗鬆症の治療対象患者を発見した場合に、自動で作成した治療依頼書をかかりつけ医への逆紹介状として利用することができる。また、かかりつけ医を持たない治療対象患者については、自動で作成した治療依頼書を、近医での治療を勧めるための紹介状として利用することができる。
なお、上記各形態に係る椎体変形診断装置の別の形態として、以上の各構成を実現する情報処理システムであってもよいし、情報処理方法であってもよいし、プログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータその他装置、機械等が読み取り可能な記憶媒体であってもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的、又は、化学的作用によって蓄積する媒体である。
例えば、本発明の一側面に係る情報処理方法は、コンピュータが、脊椎を含むコンピュータ断層撮影画像を取得するステップと、取得した前記コンピュータ断層撮影画像から前記脊椎の矢状断面像を作成するステップと、前記矢状断面像に表れる前記脊椎内の椎体の高さに基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定するステップと、を実行する情報処理方法である。
また、例えば、本発明の一側面に係るプログラムは、コンピュータに、脊椎を含むコンピュータ断層撮影画像を取得するステップと、取得した前記コンピュータ断層撮影画像から前記脊椎の矢状断面像を作成するステップと、前記矢状断面像に表れる前記脊椎内の椎体の高さに基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定するステップと、を実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、急性期病院に蓄積されているCT画像を有効利用して、急性期病院を起点とした骨粗鬆症の治療システムを構築することができる。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、本実施形態において登場するデータを自然言語により説明しているが、より具体的には、コンピュータが認識可能な疑似言語、コマンド、パラメタ、マシン語等で指定される。
§1 適用場面
まず、図1を用いて、本発明が適用される場面について説明する。図1は、本実施形態に係る椎体変形診断装置1の適用場面を模式的に例示する。上記のとおり、急性期病院では、コンピュータ断層撮影装置(以下、「CT装置」とも記載する)により撮影されたCT画像が蓄積されている。本実施形態に係る椎体変形診断装置1は、この急性期病院に蓄積されているCT画像を利用して、当該急性期病院に潜んでいる骨粗鬆症の治療対象患者(以下、単に「患者」とも記載する)を見つけ出すための情報処理装置である。
まず、図1を用いて、本発明が適用される場面について説明する。図1は、本実施形態に係る椎体変形診断装置1の適用場面を模式的に例示する。上記のとおり、急性期病院では、コンピュータ断層撮影装置(以下、「CT装置」とも記載する)により撮影されたCT画像が蓄積されている。本実施形態に係る椎体変形診断装置1は、この急性期病院に蓄積されているCT画像を利用して、当該急性期病院に潜んでいる骨粗鬆症の治療対象患者(以下、単に「患者」とも記載する)を見つけ出すための情報処理装置である。
具体的には、椎体変形診断装置1は、脊椎の像を含むCT画像3を取得し、取得したCT画像3を画像処理することで、当該脊椎の矢状断面像4を作成(再構成)する。矢状断面は、正中に対して平行に身体を左右に分ける面である。そのため、矢状断面像4では、椎体の変形が、当該椎体の高さの減少となって表れる。そこで、椎体変形診断装置1は、矢状断面像4に表れる脊椎内の椎体の高さに基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定することで、骨粗鬆症の画像診断を行い、骨粗鬆症の治療対象患者を自動的に見つけ出す。
したがって、本実施形態によれば、急性期病院に蓄積されたCT画像3を有効に利用して、業務を殆ど増やすことなく、当該急性期病院に潜んでいる骨粗鬆症の治療対象患者を自動的に見つけ出すことができる。そのため、診断群分類包括評価制度に対応した急性期病院でも、骨粗鬆症の治療連携に積極的に参加可能になる。また、これにより、急性期病院で骨粗鬆症の治療対象患者を早期に見つけ出し、所定の施設、かかりつけ医等に急性期病院から、見つけ出した患者の骨粗鬆症の精密な検査を行ったり、当該患者の骨粗鬆症の治療を開始したりするよう促す医療システムを構築することができる。よって、本実施形態に係る椎体変形診断装置1によれば、急性期病院に蓄積されているCT画像を有効利用して、急性期病院を起点とした骨粗鬆症の治療システムを構築することができる。
なお、本実施形態では、椎体変形診断装置1を急性期病院で利用することを想定している。しかしながら、椎体変形診断装置1の利用場面はこのような例に限定されなくてもよく、椎体変形診断装置1は急性期病院以外のCT画像が撮影される場面で広く利用可能である。
§2 構成例
[ハードウェア構成]
次に、図2を用いて、椎体変形診断装置1のハードウェア構成の一例を説明する。図2は、本実施形態に係る椎体変形診断装置1のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。図2に例示されるように、本実施形態に係る椎体変形診断装置1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含む制御部11、制御部11で実行されるプログラム8等を記憶する記憶部12、ネットワークを介した通信を行うための通信インタフェース13、マウス、キーボード等の入力を行うための入力装置14、ディスプレイ、スピーカ等の出力を行うための出力装置15、及び記憶媒体9に記憶されたプログラムを読み込むためのドライブ16が電気的に接続されたコンピュータである。ただし、図2では、通信インタフェースは、「通信I/F」と記載されている。
[ハードウェア構成]
次に、図2を用いて、椎体変形診断装置1のハードウェア構成の一例を説明する。図2は、本実施形態に係る椎体変形診断装置1のハードウェア構成の一例を模式的に例示する。図2に例示されるように、本実施形態に係る椎体変形診断装置1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含む制御部11、制御部11で実行されるプログラム8等を記憶する記憶部12、ネットワークを介した通信を行うための通信インタフェース13、マウス、キーボード等の入力を行うための入力装置14、ディスプレイ、スピーカ等の出力を行うための出力装置15、及び記憶媒体9に記憶されたプログラムを読み込むためのドライブ16が電気的に接続されたコンピュータである。ただし、図2では、通信インタフェースは、「通信I/F」と記載されている。
記憶部12に記憶されるプログラム8は、椎体変形診断装置1の制御部11に各構成要素を制御させ、後述する骨粗鬆症の画像診断に関する各処理を実行させるためのプログラムである。このプログラム8は、本発明の「プログラム」に相当する。このプログラム8は、記憶媒体9に記憶されていてもよい。
記憶媒体9は、コンピュータその他装置、機械等が記録されたプログラム等の情報を読み取り可能なように、当該プログラム等の情報を、電気的、磁気的、光学的、機械的又は化学的作用によって蓄積する媒体である。なお、図2では、記憶媒体9の一例として、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)等のディスク型の記憶媒体が例示されている。しかしながら、記憶媒体9の種類は、ディスク型に限定される訳ではなく、ディスク型以外であってもよい。ディスク型以外の記憶媒体として、例えば、フラッシュメモリ等の半導体メモリを挙げることができる。
なお、椎体変形診断装置1の具体的なハードウェア構成に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換、及び追加が可能である。例えば、制御部11は、複数のプロセッサを含んでもよい。また、椎体変形診断装置1は、提供されるサービス専用に設計された情報処理装置の他、パーソナルコンピュータ等の汎用の情報処理装置であってもよい。例えば、椎体変形診断装置1は、CT装置に接続されるコンピュータ(又は、コンソール)であってもよい。更に、椎体変形診断装置1は、1又は複数台の情報処理装置により構成されてよい。
[機能構成]
次に、図3を用いて、椎体変形診断装置1の機能構成の一例を説明する。図3は、本実施形態に係る椎体変形診断装置1の機能構成の一例を模式的に例示する。本実施形態では、椎体変形診断装置1の制御部11が、記憶部12に記憶されたプログラム8をRAMに展開する。そして、制御部11は、RAMに展開されたプログラム8をCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これにより、椎体変形診断装置1は、CT画像取得部111、矢状断面像作成部112、画像診断部113、及び治療依頼書作成部114を備えるコンピュータとして機能する。
次に、図3を用いて、椎体変形診断装置1の機能構成の一例を説明する。図3は、本実施形態に係る椎体変形診断装置1の機能構成の一例を模式的に例示する。本実施形態では、椎体変形診断装置1の制御部11が、記憶部12に記憶されたプログラム8をRAMに展開する。そして、制御部11は、RAMに展開されたプログラム8をCPUにより解釈及び実行して、各構成要素を制御する。これにより、椎体変形診断装置1は、CT画像取得部111、矢状断面像作成部112、画像診断部113、及び治療依頼書作成部114を備えるコンピュータとして機能する。
CT画像取得部111は、脊椎を含むCT画像3を取得する。矢状断面像作成部112は、取得したCT画像3から脊椎の矢状断面像4を作成する。画像診断部113は、矢状断面像4に表れる脊椎内の椎体の高さに基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定することによって、骨粗鬆症の画像診断を行う。治療依頼書作成部114は、椎体が変形していると画像診断部113が判定した場合に、骨粗鬆症の治療を依頼するための治療依頼書のテンプレート121に、矢状断面像4の変形した椎体(変形していると判定された椎体)の写る部分を挿入することで、治療依頼書5を作成する。
なお、本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のCPUによって実現される例を説明している。しかしながら、これらの機能の一部又は全部が、1又は複数の専用のプロセッサにより実現されてもよい。また、椎体変形診断装置1の機能構成に関して、実施形態に応じて、適宜、機能の省略、置換、及び追加が行われてもよい。例えば、治療依頼書5を作成しない場合には、治療依頼書作成部114は省略されてもよい。各機能に関しては後述する動作例で詳細に説明する。
§3 動作例
次に、図4を用いて、椎体変形診断装置1の動作例を説明する。図4は、椎体変形診断装置1の画像診断に関する処理手順を例示する。以下で説明する画像診断に関する処理手順は、本発明の「情報処理方法」に相当する。ただし、以下で説明する画像診断に関する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
次に、図4を用いて、椎体変形診断装置1の動作例を説明する。図4は、椎体変形診断装置1の画像診断に関する処理手順を例示する。以下で説明する画像診断に関する処理手順は、本発明の「情報処理方法」に相当する。ただし、以下で説明する画像診断に関する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する処理手順について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
<ステップS101>
まず、ステップS101では、制御部11は、CT画像取得部111として機能し、脊椎の像を含むCT画像3を取得する。骨粗鬆症の診断を行う対象者のCT画像3を取得すると、制御部11は、次のステップS102に処理を進める。
まず、ステップS101では、制御部11は、CT画像取得部111として機能し、脊椎の像を含むCT画像3を取得する。骨粗鬆症の診断を行う対象者のCT画像3を取得すると、制御部11は、次のステップS102に処理を進める。
CT画像3の取得先は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、椎体変形診断装置1がネットワーク等を介してCT装置に接続している場合には、制御部11は、当該CT装置による患者の撮影に応じて、当該患者を撮影したCT画像3を取得してもよい。また、椎体変形診断装置1は、CT装置から受信するCT画像3を記憶部12に蓄積してもよい。この場合、本ステップS101では、制御部11は、記憶部12からCT画像3を取得してもよい。更に、CT画像3は、例えば、ネットワークアタッチストレージ(Network Attached Storage)等の他の記憶装置に格納されていてもよい。この場合、本ステップS101では、制御部11は、ネットワーク等を介して当該他の記憶装置からCT画像3を取得してもよい。
なお、骨粗鬆症により変形(骨折)が生じやすいのは、胸椎及び腰椎である。そのため、取得するCT画像3では、患者の胸部から腹部にかけて撮影されているのが望ましい。ただし、取得するCT画像3には、胸椎及び腰椎の全ての椎体が含まれていなくてもよく、胸椎及び腰椎の椎体のうちの一部が含まれていればよい。急性期病院のCT検査では、大抵の場合、胸椎及び腰椎を含む部位の撮影が行われる。そのため、急性期病院のCT検査で得られるCT画像の殆どは、本ステップS101の取得対象とすることができる。
<ステップS102>
次のステップS102では、制御部11は、矢状断面像作成部112として機能し、ステップS101で取得したCT画像3から脊椎の矢状断面像4を作成する。脊椎の矢状断面像4を作成すると、制御部11は、次のステップS103に処理を進める。
次のステップS102では、制御部11は、矢状断面像作成部112として機能し、ステップS101で取得したCT画像3から脊椎の矢状断面像4を作成する。脊椎の矢状断面像4を作成すると、制御部11は、次のステップS103に処理を進める。
矢状断面像4の作成は、多断面再構成法(multi planer reconstruction, MPR)等の公知の三次元画像処理により行うことができる。例えば、矢状断面像4の作成には、富士フィルム社製の「VINCENT」に含まれる「スライサー」が利用されてもよい。矢状断面像4を作成する方法は、実施の形態に応じて適宜選択可能である。
なお、本ステップS102では、制御部11は、側彎変形をなくすように脊椎の形状を補正しつつ、矢状断面像4を作成するのが望ましい。当該形状の補正も、公知の三次元画像処理(例えば、富士フィルム社製の「VINCENT」)により行うことができる。これにより、骨粗鬆症の診断対象とする椎体の変形以外の変形を作成される矢状断面像4から除外することができるため、後述するステップS103における画像診断に適した矢状断面像4を得ることができる。また、本ステップS102では、制御部11は、正中部の矢状断面像4を取得するのが好ましい。
<ステップS103>
次のステップS103では、制御部11は、画像診断部113として機能し、ステップS102で作成した矢状断面像4に表れる脊椎内の椎体の高さ(以下、「椎体高」とも記載する)に基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定することによって、骨粗鬆症の画像診断を行う。
次のステップS103では、制御部11は、画像診断部113として機能し、ステップS102で作成した矢状断面像4に表れる脊椎内の椎体の高さ(以下、「椎体高」とも記載する)に基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定することによって、骨粗鬆症の画像診断を行う。
椎体の高さに基づいて骨粗鬆症の画像診断を行う方法は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。本実施形態では、制御部11は、図5A〜図5Eに示される5つの方法によって、診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する。以下、椎体の変形を検出する各方法について、詳細に説明する。なお、以下では、「椎体が変形している状態」と「椎体に骨折が生じている状態」とは同義とみなし、椎体の「変形」を「骨折」とも記載する。
(A)第1の方法
まず、図5Aを用いて、同一の椎体内の2箇所の位置から取得される椎体高を比較することで、当該椎体が変形しているか否かを判定する方法(第1の方法)について説明する。図5Aは、当該第1の方法により、椎体の変形を検出する場面を模式的に例示する。楔状椎、魚椎等のように椎体の一部に変形が生じた場合には、変形の生じている箇所と変形の生じていない箇所との間で椎体高に差が生じる。第1の方法では、これを利用して、椎体の変形を検出する。
まず、図5Aを用いて、同一の椎体内の2箇所の位置から取得される椎体高を比較することで、当該椎体が変形しているか否かを判定する方法(第1の方法)について説明する。図5Aは、当該第1の方法により、椎体の変形を検出する場面を模式的に例示する。楔状椎、魚椎等のように椎体の一部に変形が生じた場合には、変形の生じている箇所と変形の生じていない箇所との間で椎体高に差が生じる。第1の方法では、これを利用して、椎体の変形を検出する。
具体的には、図5Aに例示されるように、制御部11は、ステップS102で作成した矢状断面像4を用いて、同一の椎体内の2箇所で椎体高(A、B)を測定する。なお、椎体高Aは、変形の生じていないと想定される箇所の高さであり、椎体高Bは、変形の生じていると想定される箇所の高さである。椎体高(A、B)の測定は、エッジ検出等の公知の画像処理により行うことができる。
ここで、各椎体高(A、B)を測定する箇所は、実施の形態に応じて適宜設定可能である。例えば、制御部11は、各椎体高(A、B)を測定する箇所を予め特定せず、同一の椎体内で椎体高の最大値と最小値とを測定し、椎体高の最大値を椎体高Aに採用し、椎体高の最小値を椎体高Bに採用してもよい。これにより、後述の判定条件に基づき、楔状椎と魚椎とを区別することなく、椎体の一部に生じた変形を検出することができる。
また、例えば、制御部11は、次のように、各椎体高(A、B)を測定する箇所を予め特定していてもよい。すなわち、前縁で変形が生じる楔状椎の検出を対象とする場合には、制御部11は、変形の生じていないと想定される椎体の後縁で椎体高Aを測定し、変形の生じていると想定される椎体の前縁で椎体高Bを測定してもよい。一方、椎体の中央で変形が生じる魚椎の検出を対象とする場合には、制御部11は、変形の生じていないと想定される椎体の前縁又は後縁で椎体高Aを測定し、変形の生じていると想定される椎体の中央領域で椎体高Bを測定してもよい。
なお、このとき、椎体高を測定する前縁、後縁、及び中央領域は、任意の方法で定めることができる。例えば、制御部11は、椎体の前縁から所定の範囲までの領域を前縁領域と認識し、椎体の後縁から所定の範囲までの領域を後縁領域と認識し、前縁領域と後縁領域との間の領域を中央領域と認識してもよい。これにより、制御部11は、各領域の任意の位置で各椎体高(A、B)を測定することができる。
そして、制御部11は、測定した両椎体高(A、B)の比、すなわち、椎体高Aに対する椎体高Bの割合に基づいて、診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する。診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する条件の閾値は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、図5Aに例示されるように、椎体高Bを椎体高Aで割った値(割合)が80%以上である場合に、制御部11は、診断対象の椎体は変形していない(グレード0)と判定してもよい。一方、椎体高Bを椎体高Aで割った値(割合)が80%未満である場合に、制御部11は、診断対象の椎体は変形していると判定してもよい。
このとき、制御部11は、椎体高Aに対する椎体高Bの割合に基づいて、椎体に生じている変形の程度を判定することができる。例えば、椎体高Bを椎体高Aで割った値(割合)が75%以上80%未満である場合に、制御部11は、診断対象の椎体にはグレード1(軽度)の変形が生じていると判定してもよい。また、椎体高Bを椎体高Aで割った値(割合)が60%以上75%未満である場合に、制御部11は、診断対象の椎体にはグレード2(中等度)の変形が生じていると判定してもよい。更に、椎体高Bを椎体高Aで割った値(割合)が60%未満である場合に、制御部11は、診断対象の椎体にはグレード3(高度)の変形が生じていると判定してもよい。
なお、椎体高の最大値を椎体高Aとし、椎体高の最小値を椎体高Bとした場合には、制御部11は、椎体高Aを測定した位置と椎体高Bを測定した位置とに基づいて、診断対象の椎体が楔状椎になっているのか魚椎になっているのかを推定してもよい。例えば、椎体高Aが後縁付近で取得され、椎体高Bが前縁付近で取得された場合には、制御部11は、診断対象の椎体は楔状椎になっていると推定してもよい。一方、椎体高Aが後縁又は前縁付近で取得され、椎体高Bが中央領域で取得された場合には、制御部11は、診断対象の椎体は魚椎になっていると推定してもよい。
また、ステップS102で作成した矢状断面像4に複数の椎体が写っている場合には、制御部11は、各椎体に上記処理を適用する。これによって、制御部11は、矢状断面像4に写る各椎体について、変形が生じているか否かを判定することができる。
(B)第2の方法
次に、図5Bを用いて、隣接する椎体間で椎体高を比較することで、診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する方法(第2の方法)について説明する。図5Bは、当該第2の方法により、椎体の変形を検出する場面を模式的に例示する。扁平椎のように全体的に変形が生じた場合には、隣接する他の椎体に比べて、当該変形の生じた椎体の椎体高は全体的に低くなる。第2の方法では、これを利用して、椎体の変形を検出する。
次に、図5Bを用いて、隣接する椎体間で椎体高を比較することで、診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する方法(第2の方法)について説明する。図5Bは、当該第2の方法により、椎体の変形を検出する場面を模式的に例示する。扁平椎のように全体的に変形が生じた場合には、隣接する他の椎体に比べて、当該変形の生じた椎体の椎体高は全体的に低くなる。第2の方法では、これを利用して、椎体の変形を検出する。
具体的には、図5Bに例示されるように、制御部11は、ステップS102で作成した矢状断面像4を利用して、診断対象の椎体の椎体高Cと、診断対象の椎体の上位の椎体の椎体高D又は下位の椎体の椎体高Eとを測定する。各椎体高C〜Eを測定する方法は、第1の方法と同じでよい。
ここで、各椎体において各椎体高C〜Eを測定する位置は、実施の形態に応じて適宜設定可能である。例えば、制御部11は、各椎体の高さの最大値を各椎体高C〜Eに採用してもよい。
また、例えば、制御部11は、上記と同様の方法で、前縁領域、中央領域、及び後縁領域を各椎体内で認識し、いずれかの領域で測定した椎体高の最大値を各椎体高C〜Eに採用してもよい。この場合、各椎体の後縁領域における椎体高の最大値を各椎体高C〜Eに採用するのが好ましい。なぜなら、後縁領域は、扁平椎以外の変形の影響を受けにくいため、各椎体の後縁領域における椎体高の最大値を各椎体高C〜Eに採用することで、後述する判定条件に基づき、扁平椎を適切に検出することができるからである。なお、以下では、説明の便宜のため、前縁領域の椎体高の最大値を前縁高とも称し、中央領域の椎体高の最大値を中央高とも称し、後縁領域の椎体高の最大値を後縁高とも称する。
そして、制御部11は、測定した上位の椎体の椎体高D又は下位の椎体の椎体高Eに対する診断対象の椎体の椎体高Cの比率に基づいて、診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する。診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する条件の閾値は、上記第1の方法と同様に、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、図5Bに例示されるように、上記第1の方法と同じ判定条件の閾値を用い、椎体高Cを椎体高D又はEで割った値(比率)が80%以上である場合に、制御部11は、診断対象の椎体は変形していない(グレード0)と判定してもよい。一方、椎体高Cを椎体高D又はEで割った値(比率)が80%未満である場合に、制御部11は、診断対象の椎体は変形していると判定してもよい。更に、上記第1の方法と同様に、制御部11は、椎体高D又は椎体高Eに対する椎体高Cの比率に基づいて、椎体に生じている変形の程度(グレード1〜3)を判定することができる。
なお、各椎体の前縁高、中央高、及び後縁高のいずれかを各椎体高C〜Eに採用する場合には、制御部11は、これら3つの椎体高についての比率が上記変形の存在する条件を満たすか否かを判定してもよい。すなわち、制御部11は、診断対象の椎体及び上位又は下位の椎体それぞれで、前縁高、中央高、及び後縁高の3つの椎体高を測定してもよい。そして、制御部11は、上位又は下位の椎体の前縁高に対する診断対象の椎体の前縁高の比率、上位又は下位の椎体の中央高に対する診断対象の椎体の中央高の比率、及び上位又は下位の椎体の後縁高に対する診断対象の椎体の後縁高の比率の3つの比率全てが上記変形の存在する条件(80%未満)を満たすか否かを判定してもよい。3つの比率全てが上記変形の存在する条件を満たす場合、制御部11は、診断対象の椎体が扁平椎になっていると推定することができる。また、例えば、制御部11は、隣接する椎体の前縁高同士又は中央高同士を比較することで、楔状椎又は魚椎を検出することもできる。
(C)第3の方法
次に、図5Cを用いて、診断対象の椎体の上位及び下位の椎体の高さの平均値を利用して、診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する方法(第3の方法)について説明する。図5Cは、当該第3の方法により、椎体の変形を検出する場面を模式的に例示する。第3の方法は、上位の椎体の椎体高D及び下位の椎体の椎体高Eのいずれかを利用するのではなく、その両方を利用する点を除き、第2の方法と同様である。
次に、図5Cを用いて、診断対象の椎体の上位及び下位の椎体の高さの平均値を利用して、診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する方法(第3の方法)について説明する。図5Cは、当該第3の方法により、椎体の変形を検出する場面を模式的に例示する。第3の方法は、上位の椎体の椎体高D及び下位の椎体の椎体高Eのいずれかを利用するのではなく、その両方を利用する点を除き、第2の方法と同様である。
すなわち、制御部11は、ステップS102で作成した矢状断面像4を利用して、診断対象の椎体の椎体高Cと、診断対象の椎体の上位の椎体の椎体高Dと、診断対象の椎体の下位の椎体の椎体高Eと、を測定する。そして、制御部11は、上位の椎体の椎体高D及び下位の椎体の椎体高Eの平均値に対する診断対象の椎体の椎体高Cの比率に基づいて、診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する。なお、椎体高の測定方法、椎体高の測定位置、変形の判定条件等、第3の方法のその他の点については、上記第2の方法と同様である。
一般的に、上位から下位にいくにしたがって、椎体高は高くなる。そのため、診断対象の椎体の高さと上位又は下位の椎体の高さとを直接比較すると、この脊椎の序列による椎体高の差異が、当該診断対象の椎体が変形しているか否かの判定に影響を及ぼす可能性がある。これに対して、第3の方法では、上位の椎体の椎体高D及び下位の椎体の椎体高Eの平均値を利用することで、脊椎の序列による椎体高の影響を除外することができる。そのため、この第3の方法によれば、診断対象の椎体が変形しているか否かの判定を精度よく行うことができる。
(D)第4の方法
次に、図5Dを用いて、上記椎体高の序列に関する条件を利用して、椎体が変形しているか否かを判定する方法(第4の方法)について説明する。図5Dは、当該第4の方法により、椎体の変形を検出する場面を模式的に例示する。第4の方法は、上記第2の方法及び第3の方法と同様に、隣接する椎体間での椎体高の比較に基づいて、椎体が変形しているか否かを判定する。
次に、図5Dを用いて、上記椎体高の序列に関する条件を利用して、椎体が変形しているか否かを判定する方法(第4の方法)について説明する。図5Dは、当該第4の方法により、椎体の変形を検出する場面を模式的に例示する。第4の方法は、上記第2の方法及び第3の方法と同様に、隣接する椎体間での椎体高の比較に基づいて、椎体が変形しているか否かを判定する。
具体的には、図5Dに例示されるように、制御部11は、ステップS102で作成した矢状断面像4を利用して、一列に並ぶ複数の椎体それぞれの椎体高Fnを測定する(nは整数、nの値が小さいほど上位の椎体を示す)。椎体高Fnの測定方法、椎体高Fnの測定位置等の点については、当該第4の方法は、上記第2の方法と同様である。そして、制御部11は、測定した各椎体の椎体高Fnが、隣接する椎体同士の椎体高の比率を規定した椎体高の序列に関する条件を満たしているか否かによって、各椎体が変形しているか否かを判定する。
椎体高の序列に関する条件は、実施の形態に応じて適宜設定することができる。例えば、図5Dに例示されるように、椎体高の序列に関する条件は、上記第2の方法における変形の判定条件と同様であってよい。すなわち、制御部11は、上位の椎体の椎体高Fn-1又は下位の椎体の椎体高Fn+1で診断対象の椎体の椎体高Fnを割った値(比率)が80%以上である場合に、制御部11は、診断対象の椎体は変形していない(グレード0)と判定してもよい。一方、制御部11は、上位の椎体の椎体高Fn-1又は下位の椎体の椎体高Fn+1で診断対象の椎体の椎体高Fnを割った値(比率)が80%未満である場合に、制御部11は、診断対象の椎体は変形していると判定してもよい。この条件を採用する場合、制御部11は、上記第1の方法と同様に、上位の椎体の椎体高Fn-1又は下位の椎体の椎体高Fn+1で診断対象の椎体の椎体高Fnを割った値(比率)に基づいて、椎体に生じている変形の程度(グレード1〜3)を判定することができる。
また、例えば、椎体高の序列に関する条件は、隣接する椎体間で上位の椎体の椎体高Fkよりも下位の椎体の椎体高Fk+1の方が大きいこと(Fk<Fk+1)を規定したものであってもよい。この場合、制御部11は、当該判定条件に基づいて椎体高の序列が崩れているか否かによって、椎体に変形が生じているか否かを判定することができる。すなわち、椎体高の序列を崩している椎体を検出したときに、制御部11は、当該椎体高の序列を崩している椎体に変形が生じていると判定することができる。一方、椎体高の序列を崩している椎体を検出しなかったときには、制御部11は、各椎体には変形が生じていないと判定することができる。
(E)第5の方法
次に、図5Eを用いて、正常な椎体との比較により、診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する方法(第5の方法)について説明する。図5Eは、当該第5の方法により、椎体の変形を検出する場面を模式的に例示する。上記第2の方法では、診断対象の椎体に上位又は下位で隣接する椎体の椎体高を正常な椎体の椎体高の指標として利用したのに対して、この第5の方法では、正常な椎体の椎体高そのものを利用する。
次に、図5Eを用いて、正常な椎体との比較により、診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する方法(第5の方法)について説明する。図5Eは、当該第5の方法により、椎体の変形を検出する場面を模式的に例示する。上記第2の方法では、診断対象の椎体に上位又は下位で隣接する椎体の椎体高を正常な椎体の椎体高の指標として利用したのに対して、この第5の方法では、正常な椎体の椎体高そのものを利用する。
具体的には、まず、制御部11は、矢状断面像4を用いて、診断対象の椎体の椎体高Gと幅WGとを測定する。椎体高Gの測定方法、椎体高Gの測定位置等については、当該第5の方法は、上記第2の方法と同様である。また、椎体の幅WGの測定も、椎体高Gと同様に、公知の画像処理により行うことができる。
次に、制御部11は、正常な椎体の椎体高Hを当該正常な椎体の幅WHで割った値(H/WH)を取得する。正常な椎体の椎体高H及び幅WHは、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、制御部11は、本ステップS103の他の方法の処理により、変形が生じていないと判定された椎体の椎体高及び幅の値を記憶部12に蓄積してもよい。そして、制御部11は、記憶部12に蓄積した椎体高及び幅の値それぞれの平均値を求めることで、正常な椎体の椎体高H及び幅WHそれぞれの値を算出してもよい。また、例えば、正常な椎体の椎体高H及び幅WHは、ユーザの入力により設定されてもよい。なお、この椎体の幅(WG、WH)は、矢状断面像に表れる椎体の前後径である。
そして、制御部11は、正常な椎体の椎体高Hを当該正常な椎体の幅WHで割った値(H/WH)に対する測定した診断対象の椎体の椎体高Gを測定した診断対象の椎体の幅WGで割った値(G/WG)の比率に基づいて、診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する。なお、変形の判定条件については、当該第5の方法は、上記第2の方法と同様である。すなわち、制御部11は、診断対象の椎体から得られた値(G/WG)を正常な椎体から得られた値(H/WH)で割った値(比率)が80%以上である場合に、制御部11は、診断対象の椎体は変形していない(グレード0)と判定してもよい。一方、制御部11は、診断対象の椎体から得られた値(G/WG)を正常な椎体から得られた値(H/WH)で割った値(比率)が80%未満である場合に、制御部11は、診断対象の椎体は変形していると判定してもよい。更に、上記第1の方法と同様に、制御部11は、正常な椎体から得られた値(H/WH)に対する診断対象の椎体から得られた値(G/WG)の比率に基づいて、椎体に生じている変形の程度(グレード1〜3)を判定することができる。
なお、この第5の方法では、各椎体の幅(WG、WH)で各椎体高(G、H)を正規化している。そのため、この第5の方法は、一個人の正常な時点と診断時点との間での椎体の高さの比較だけではなく、健常者と診断対象者との間、すなわち、他人間での椎体の高さの比較にも適用可能である。ただし、椎体の高さは椎体の種類によって異なる可能性があるため、この第5の方法では、同種の椎体同士で比較するのが好ましい。一般的には、上位から下位にいくほど、椎体の高さは高くなる。
(その他)
以上の5つの方法によって、制御部11は、骨粗鬆症の画像診断を行うことができる。なお、上記各方法における判定条件の閾値は、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。また、計算処理上、判定指標となる各値の分母と分子とは入れ替わってもよい。例えば、本ステップS103では、上記第1の方法における判定指標となる値(B/A)の分母と分子とを入れ替えて、(A/B)を判定指標の値として採用してもよい。
以上の5つの方法によって、制御部11は、骨粗鬆症の画像診断を行うことができる。なお、上記各方法における判定条件の閾値は、実施の形態に応じて適宜変更されてよい。また、計算処理上、判定指標となる各値の分母と分子とは入れ替わってもよい。例えば、本ステップS103では、上記第1の方法における判定指標となる値(B/A)の分母と分子とを入れ替えて、(A/B)を判定指標の値として採用してもよい。
また、骨粗鬆症の画像診断を行う方法は、上記5つの方法に限定されなくてもよい。本ステップS103では、上記5つの方法以外の方法で、骨粗鬆症の画像診断が行われてもよい。更に、制御部11は、必ずしも上記5つの方法による画像診断を全て実行可能に構成されなくてもよく、上記5つの方法のうちの一部の方法による画像診断を実行可能に構成されてもよい。
<ステップS104>
図4に戻り、次のステップS104では、制御部11は、ステップS103の画像診断の結果に基づいて、次のステップS105の処理を実行するか否かを判定する。ステップS103の画像診断において、対象者の椎体が変形していると判定した場合、すなわち、対象者に骨粗鬆症の疑いがあると推定される場合、制御部11は、次のステップS105に処理を進める。一方、ステップS103の画像診断において、対象者の椎体が変形していないと判定した場合、すなわち、対象者に骨粗鬆症の疑いがないと推定される場合、制御部11は、次のステップS105の処理を省略して、本動作例に係る処理を終了する。
図4に戻り、次のステップS104では、制御部11は、ステップS103の画像診断の結果に基づいて、次のステップS105の処理を実行するか否かを判定する。ステップS103の画像診断において、対象者の椎体が変形していると判定した場合、すなわち、対象者に骨粗鬆症の疑いがあると推定される場合、制御部11は、次のステップS105に処理を進める。一方、ステップS103の画像診断において、対象者の椎体が変形していないと判定した場合、すなわち、対象者に骨粗鬆症の疑いがないと推定される場合、制御部11は、次のステップS105の処理を省略して、本動作例に係る処理を終了する。
<ステップS105>
次のステップS105では、制御部11は、治療依頼書作成部114として機能し、骨粗鬆症の治療を依頼するための治療依頼書5のテンプレート121に、矢状断面像4の変形した椎体(変形していると判定された椎体)の写る部分を挿入することで、治療依頼書5を作成する。本ステップ105の処理が完了すると、制御部11は、本動作に係る処理を終了する。
次のステップS105では、制御部11は、治療依頼書作成部114として機能し、骨粗鬆症の治療を依頼するための治療依頼書5のテンプレート121に、矢状断面像4の変形した椎体(変形していると判定された椎体)の写る部分を挿入することで、治療依頼書5を作成する。本ステップ105の処理が完了すると、制御部11は、本動作に係る処理を終了する。
ここで、図6A及び図6Bを用いて、本ステップS105の処理を詳細に説明する。図6Aは、治療依頼書5のテンプレート121の一例を模式的に例示する。図6Bは、本ステップS105により作成される治療依頼書5の一例を模式的に例示する。治療依頼書5は、急性期病院からかかりつけ医等に対象者(患者)を逆紹介する際の紹介状であり、例えば、対象者に対する骨粗鬆症の治療の開始を促すために利用される。また、かかりつけ医を持たない対象者(患者)については、治療依頼書5を、近医での治療を勧めるための紹介状として利用することができる。
テンプレート121は、そのような治療依頼書5を作成可能なように適宜設定される。例えば、図6Aに示されるとおり、テンプレート121には、骨粗鬆症により変形(骨折)した椎体の矢状断面像を掲載するための挿入部1212が設定される。制御部11は、矢状断面像4の、ステップS103で変形していると判定した椎体の写る部分を挿入部1212に挿入する。このとき、制御部11は、矢状断面像4を挿入部1212にそのまま挿入し、ステップS103で変形していると判定した椎体を印で囲む等してもよい。変形していると判定される椎体が複数存在する場合には、制御部11は、変形した椎体の写る部分をそれぞれ挿入部1212に挿入してもよいし、矢状断面像4を挿入部1212にそのまま挿入し、ステップS103で変形していると判定した椎体を印で囲む等してもよい。
また、テンプレート121には、対象者の氏名を記入するための挿入部1211が設定されている。制御部11は、対象者の氏名を適宜取得する。例えば、制御部11は、入力装置14を介した入力を受け付けることで、対象者の氏名を取得してもよい。また、制御部11は、CT画像3のステータス、電子カルテ等から対象者の氏名を取得してもよい。制御部11は、適宜取得した対象者の氏名を挿入部1211に挿入する。テンプレート121には、氏名及び骨折した椎体を挿入する挿入部(1211、1212)の他、かかりつけ医に対象者に対する骨粗鬆症の治療の開始を促すための文章等が含まれてよい。
以上の処理により、制御部11は、図6Bに示される治療依頼書5を作成することができる。なお、治療依頼書5に対象者の氏名を直接記入する場合には、挿入部1211は省略されてもよい。また、現在では、骨粗鬆症の治療薬は複数種類登場しており、骨粗鬆症の重症度によって治療薬を選択することができる。そのため、テンプレート121には、ステップS103で判定した椎体骨折のグレード(グレード1〜3)と骨折の生じている椎体の数とを記入する挿入部が設けられてもよい。椎体変形診断装置1は、このようなテンプレート121を利用し、椎体骨折のグレードと骨折の生じている椎体の数とを記載した治療依頼書5を作成することで、かかりつけ医等に対象者の骨粗鬆症の重症度を的確に示すことができる。
なお、本ステップS105では、制御部11は、治療依頼書5を作成する処理の他、作成した治療依頼書5を出力する処理を実行してもよい。この出力処理では、制御部11は、作成した治療依頼書5を電子データとして出力してもよい。また、椎体変形診断装置1にプリンタ(不図示)が接続している場合には、制御部11は、作成した治療依頼書5をプリンタにより印刷してもよい。治療依頼書5の出力形態は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
[作用・効果]
以上のように、本実施形態に係る椎体変形診断装置1は、上記ステップS101〜S103の処理により、CT画像3から矢状断面像4を作成し、作成した矢状断面像4に表れる椎体の高さに基づいて、骨粗鬆症の診断を行うことができる。したがって、本実施形態に係る椎体変形診断装置1を急性期病院で利用すれば、当該急性期病院に蓄積されたCT画像3を有効に利用して、業務を殆ど増やすことなく、当該急性期病院に潜んでいる骨粗鬆症の治療対象患者を自動的に見つけ出すことができる。そのため、本実施形態に係る椎体変形診断装置1によれば、急性期病院を起点とした骨粗鬆症の治療システムを構築することができる。
以上のように、本実施形態に係る椎体変形診断装置1は、上記ステップS101〜S103の処理により、CT画像3から矢状断面像4を作成し、作成した矢状断面像4に表れる椎体の高さに基づいて、骨粗鬆症の診断を行うことができる。したがって、本実施形態に係る椎体変形診断装置1を急性期病院で利用すれば、当該急性期病院に蓄積されたCT画像3を有効に利用して、業務を殆ど増やすことなく、当該急性期病院に潜んでいる骨粗鬆症の治療対象患者を自動的に見つけ出すことができる。そのため、本実施形態に係る椎体変形診断装置1によれば、急性期病院を起点とした骨粗鬆症の治療システムを構築することができる。
また、本実施形態に係る椎体変形診断装置1は、変形している椎体を検出した場合には、上記ステップS105の処理により、骨粗鬆症の治療を依頼するための治療依頼書5を作成する。そのため、本実施形態に係る椎体変形診断装置1を急性期病院で利用すれば、急性期病院で骨粗鬆症の治療対象患者を発見した場合に、上記ステップS105で作成された治療依頼書5をその患者に渡すことで、かかりつけ医による骨粗鬆症の治療を受けるようにその患者に促すことができる。または、かかりつけ医を持たない患者に治療依頼書5を渡すことで、骨粗鬆症の治療を近医で受けるようにその患者に促すことができる。したがって、本実施形態に係る椎体変形診断装置1によれば、急性期病院を起点とした当該医療システムの運用の円滑化を図ることができる。特に、従来より、地域連携の利用システムでは、急性期病院は、治療を終えた患者をかかりつけ医にもとに戻す逆紹介を行っている。そのため、本実施形態に係る椎体変形診断装置1によれば、従来より行われている急性期病院を起点とした医療システムに、骨粗鬆症の治療プログラムを組み込むことができる。なお、治療依頼書5を患者に渡す作業は、医師ではなく、骨粗鬆症マネージャー(登録商標)等のスタッフにより行われるのが好ましい。これにより、急性期病院での医師の作業負担を増加させることなく、骨粗鬆症の医療システムを運用することができる。
§4 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
例えば、上記実施形態では、ステップS103において、椎体変形診断装置1は、椎体の変形の有無を4段階で評価している。しかしながら、椎体の変形の有無の評価基準は、このような例に限定されなくてもよい。例えば、椎体変形診断装置1は、対象の椎体が変形しているか否かの2段階で、当該椎体の変形の有無を評価してもよい。
1…椎体変形診断装置
3…CT画像、4…矢状断面像、5…治療依頼書、
8…プログラム、9…記憶媒体、
11…制御部、12…記憶部、13…通信インタフェース、
14…入力装置、15…出力装置、16…ドライブ、
111…CT画像取得部、112…矢状断面像作成部、113…画像診断部、
114…治療依頼書作成部、121…テンプレート
3…CT画像、4…矢状断面像、5…治療依頼書、
8…プログラム、9…記憶媒体、
11…制御部、12…記憶部、13…通信インタフェース、
14…入力装置、15…出力装置、16…ドライブ、
111…CT画像取得部、112…矢状断面像作成部、113…画像診断部、
114…治療依頼書作成部、121…テンプレート
Claims (9)
- 脊椎を含むコンピュータ断層撮影画像を取得するCT画像取得部と、
取得した前記コンピュータ断層撮影画像から前記脊椎の矢状断面像を作成する矢状断面像作成部と、
前記矢状断面像に表れる前記脊椎内の椎体の高さに基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定する画像診断部と、
を備える、
椎体変形診断装置。 - 前記画像診断部は、
前記矢状断面像を用いて、同一の前記椎体の高さの最大値と最小値とを測定し、
測定した前記同一の椎体内における高さの最大値に対する最小値の割合に基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定する、
請求項1に記載の椎体変形診断装置。 - 前記画像診断部は、
前記矢状断面像を用いて、診断対象の前記椎体の高さと、当該診断対象の椎体の上位又は下位の椎体の高さと、を測定し、
測定した前記診断対象の椎体の上位又は下位の椎体の高さに対する前記診断対象の椎体の高さの比率に基づいて、前記診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する、
請求項1又は2に記載の椎体変形診断装置。 - 前記画像診断部は、
前記矢状断面像を用いて、診断対象の前記椎体の高さと、当該診断対象の椎体の上位の椎体の高さと、当該診断対象の椎体の下位の椎体の高さと、を測定し、
測定した前記診断対象の椎体の上位及び下位の椎体の高さの平均値に対する前記診断対象の椎体の高さの比率に基づいて、前記診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の椎体変形診断装置。 - 前記画像診断部は、
前記矢状断面像を用いて、一列に並ぶ複数の椎体それぞれの高さを測定し、
測定した各椎体の高さが、隣接する椎体同士の高さの比率を規定した当該椎体の高さの序列に関する条件を満たしているか否かによって、当該各椎体が変形しているか否かを判定する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の椎体変形診断装置。 - 前記画像診断部は、
前記矢状断面像を用いて、診断対象の前記椎体の高さと幅とを測定し、
正常な椎体の高さを当該正常な椎体の幅で割った値に対する前記測定した診断対象の椎体の高さを前記測定した診断対象の椎体の幅で割った値の比率に基づいて、前記診断対象の椎体が変形しているか否かを判定する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の椎体変形診断装置。 - 前記椎体が変形していると前記画像診断部が判定した場合に、骨粗鬆症の治療を依頼するための治療依頼書のテンプレートに、前記矢状断面像の前記変形していると判定された椎体の写る部分を挿入することで、当該治療依頼書を作成する治療依頼書作成部を更に備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載の椎体変形診断装置。 - コンピュータが、
脊椎を含むコンピュータ断層撮影画像を取得するステップと、
取得した前記コンピュータ断層撮影画像から前記脊椎の矢状断面像を作成するステップと、
前記矢状断面像に表れる前記脊椎内の椎体の高さに基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定するステップと、
を実行する情報処理方法。 - コンピュータに、
脊椎を含むコンピュータ断層撮影画像を取得するステップと、
取得した前記コンピュータ断層撮影画像から前記脊椎の矢状断面像を作成するステップと、
前記矢状断面像に表れる前記脊椎内の椎体の高さに基づいて、当該椎体が変形しているか否かを判定するステップと、
を実行させるためのプログラム。
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- 2016-03-10 JP JP2016046900A patent/JP2017158842A/ja active Pending
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