JP2017158626A - 強皮症用光治療器 - Google Patents

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Abstract

【課題】強皮症の治療に必要とされる大きな照射量を、高い消費電力および長い照射時間を要することなく、患部に対して局所的に照射することができ、よって、効率的に優れた治療効果を得ることのできる強皮症用光治療器を提供すること。【解決手段】強皮症用光治療器は、波長360〜385nmの範囲にピーク波長を有するLED素子を具備する光源部と、当該光源部を構成するLED素子を駆動制御する制御部とを備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、皮膚疾患の一種である強皮症を治療するために用いられる強皮症用光治療器に関し、更に詳しくは、紫外線照射によって強皮症を治療する強皮症用光治療器に関する。
近年、皮膚疾患の治療方法としては、患部に対して紫外線を照射する手法が広く利用されている。そして、紫外線によって皮膚疾患治療をするための皮膚疾患用光治療器としては、紫外線光源として放電ランプを備え、波長340〜400nmの範囲の紫外線(UVA1)を放射するものが実用化されている(具体的には、例えば「SELLAMED 2000 System Dr.Sellmeier」)。この実用化されている皮膚疾患用光治療器の或る種のものは、メタルハライドランプからの光を、複数(具体的には、例えば3枚)の波長選択フィルタを介して患部に照射する構成を有しており、よって紫外線光源からの光(紫外線)の利用効率が低い、という問題がある。
また、紫外線によって皮膚疾患治療をするための皮膚疾患用光治療器においては、紫外線光源として、LED素子を用いることが提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
具体的に、特許文献1に係る皮膚疾患用光治療器は、複数のLED素子が、円形状基板上、または凹面を有する筐体の当該凹面上に配列されたものである。この皮膚疾患用光治療器においては、複数のLED素子の配列、あるいは円形状基板や筐体の向きを変更することによって、複数のLED素子が患部を臨む状態とすることができ、よって患部に対して局所的に紫外線を照射することができる。すなわち、特許文献1に係る皮膚疾患用光治療器は、紫外線光源として放電ランプを用いた皮膚疾患用光治療器における、患部(紫外線照射対象部位)だけでなく、その患部の周辺部に対しても紫外線が照射されるために紫外線光源からの光を患部に対して局所的に照射することができない、という問題を解決することのできるものである。
また、特許文献2には、波長350〜390nmの範囲にピーク波長を有するLED素子が、難治性湿疹、異汗性湿疹、皮膚T細胞リンパ腫、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、ケロイド、瘢痕、皮膚萎縮線状および強皮症の治療に有効である旨の記載がある。
しかしながら、特許文献2においては、アトピー性皮膚炎に関する治癒効果が確認されているたけで、他の皮膚疾患に関する治癒効果についてはまったく明らかにされていない。
一方、強皮症(全身性強皮症)は、皮膚の硬化を伴う膠原病の一種であり、完全な治療方法が確立されていない難治性疾患に認定されている。
この強皮症を、波長340〜400nmの範囲の紫外線(UVA1)を照射する手法によって治療しようとする場合には、強皮症に対する有効波長が不明であることから、波長340〜400nmの範囲のブロードな紫外線を利用せざるをえなかった。しかも、強皮症の治療には、他の皮膚疾患に比して、患部に対して極めて大きな紫外線照射量(積算照射量)が必要とされることから、患者の治療負担低減等の観点から治療時間を短くすべく、高い放射照度が必要とされる。具体的には、必要とされる紫外線照射量(積算照射量)は30〜60J/cm2 であり、例えば60J/cm2 の紫外線照射量を、現実的な治療時間(紫外線照射時間)、例えば10分間で得るためには、必要とされる放射照度は100mW/cm2 である。そのため、強皮症用光治療器においては、広波長範囲の紫外線を高い放射強度で放射することが必要とされることから、治療器の大型化および高消費電力化が避けられない。このことは、強皮症の治療方法として、紫外線を照射する手法が普及しない一因となっている。
然るに、強皮症患者は、強皮症用光治療器の実用化を切望している。
特開平10−190058号公報 特開2007−151807号公報
而して、本発明は、本発明者らが、以上のような事情に基づいて、強皮症用光治療器について鋭意研究を重ね、強皮症に対する有効波長を見出した結果なされたものであって、その目的は、強皮症の治療に必要とされる大きな照射量を、高い消費電力および長い照射時間を要することなく、患部に対して局所的に照射することができ、よって、効率的に優れた治療効果を得ることのできる強皮症用光治療器を提供することにある。
本発明の強皮症用光治療器は、波長360〜385nmの範囲にピーク波長を有するLED素子を具備する光源部と、当該光源部を構成するLED素子を駆動制御する制御部とを備えたことを特徴とする。
本発明の強皮症用光治療器においては、前記LED素子が、波長365±4nmの範囲にピーク波長を有するLED素子であることが好ましい。
本発明の強皮症用光治療器においては、前記光源部は、矩形状の平面よりなるLED配置領域に、複数のLED素子が、当該LED配置領域の周縁に沿って、縦方向にm個(但し、mは2〜10の整数)が並列し、横方向にn個(但し、nは2〜10の整数)が並列して等間隔に縦横に並んで配置されたLEDモジュールを複数備えており、
前記複数のLEDモジュールにおいては、互いに隣接するLED素子の間の距離をPとするとき、最周縁側に位置するLED素子と前記LED配置領域の周縁との間の距離がP/2とされており、
前記複数のLEDモジュールが、前記LED配置領域が密接して縦方向および横方向の少なくとも一方向に並んで配置されていることが好ましい。
本発明の強皮症用光治療器においては、光源部が、波長360〜385nmの範囲にピーク波長を有するLED素子を具備するものであることから、当該光源部からの出射光を、患部に対して局所的に照射することができる。そして、波長360〜385nmの範囲にピーク波長を有する光は、強皮症に対する優れた治療効果を得ることができるものである。
従って、本発明の強皮症用光治療器によれば、強皮症の治療に必要とされる大きな照射量(積算照射量)を、高い消費電力および長い照射時間を要することなく、患部に対して局所的に照射することができ、よって、効率的に優れた治療効果を得ることができ、その結果、小型化および低消費電力化を図ることができる。
本発明の強皮症用光治療器の構成の一例を示す説明図である。 図1の強皮症用光治療器における光源部の構成を示す説明図である。 図2の光源部における光源ユニットの要部の構成を示す説明図である。 図3の光源部におけるLEDモジュールの構成を示す説明図である。 実験例1において用いた光照射機構の構成を説明する説明図である。 図5の光照射機構における遮光板の配置状態の一例を示す説明用透視図である。 実験例1において得られた、光照射波長とコラーゲナーゼの量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の強皮症用光治療器の構成の一例を示す説明図であり、図2は、図1の強皮症用光治療器における光源部の構成を示す説明図である。また、図3は、図2の光源部における光源ユニットの要部の構成を示す説明図である。
この強皮症用光治療器10は、LED素子24を具備する光源部20と、光源部20を構成するLED素子24を駆動制御する制御部30とを備え、光源部20および制御部30が支持体11によって支持されたものである。支持体11は、床面上において車輪18を介して支持される架台12を備え、この架台12の中央部において上方に伸びる支柱13の上部に、当該支柱13に対して光源部20を揺動自在に支持する作動アーム14が設けられたものである。支持体11において、光源部20は、作動アーム14の先端部に取り付けられており、一方、制御部30は、固定部材(図示省略)によって支柱13の中央部に取り付けられている。
図の例において、光源部20には、当該光源部20を手動によって揺動させるための手動レバー19が設けられている。
光源部20において、LED素子24は、波長360〜385nmの範囲(以下、「特定波長範囲」ともいう。)にピーク波長を有するものであり、好ましくは波長365±4nmの範囲、すなわち361〜369nmの範囲にピーク波長を有するものである。
LED素子24が特定波長範囲にピーク波長を有するものであることにより、光源部20からの出射光が特定波長範囲にピーク波長を有する光となることから、後述の実験例から明らかなように、強皮症に対する優れた治療効果を得ることができる。
また、光源部20は、図3に示されているように、複数(この図の例においては、36個)のLED素子24を有するものであることが好ましい。
光源部20を構成する複数のLED素子24は、そのすべてが特定波長範囲にピーク波長を有するものであることが好ましい。
この図の例において、複数のLED素子24は、特定波長範囲にピーク波長を有する同一種類のものである。
具体的に、光源部20は、矩形筒状の枠体25の内部において、複数のLED素子24が、矩形平板状の基板23上に、当該基板23の外周縁に沿って縦横に並ぶよう配置されてなる光源ユニット21を備えている。
そして、光源ユニット21は、一方に開口27Aを有する直方体状の光源部用筐体27の内部において、支持部材(図示省略)によって支持されて、当該開口27Aに対向するように配置されている。この光源ユニット21には、当該光源ユニット21の複数のLED素子24に電力を供給するためのケーブル21Aが電気的に接続されている。このケーブル21Aにより、光源部20(光源ユニット21)と制御部30とが電気的に接続されている。また、光源部用筐体27の内部においては、光源ユニット21と開口27Aとの間に、光源ユニット21からの光(具体的には、複数のLED素子24からの光)を集光して混合するためのレンズ26が配置されており、またレンズ26と開口27Aとの間における、開口27Aに近接した位置には、所定の大きさに設定されたアパーチャー29が設けられている。また、光源部用筐体27には、開口27Aを閉塞するように窓部材28が設けられている。そして、開口27A、アパーチャー29および窓部材28によって光源部20の光出射部が構成されている。
このようにして、光源部20は、複数のLED素子24からの光を、レンズ26により集光しつつ混合し、光出射部から放射する構成のものとされている。
この図の例において、光源部20を構成する複数のLED素子24が一斉点灯した場合の照射面(紫外線照射対象部位)における照射領域(以下、「最大照射領域」ともいう。)は正方形状であって、当該最大照射領域の大きさの目安は縦寸法および横寸法が100mmである。
光源ユニット21において、複数のLED素子24は、図3に示されているように、基板23上に、所定の間隔、具体的には所定の大きさのピッチ(中心間距離)で縦横に並んで格子状に配置されていることが好ましい。
この図の例において、複数(36個)のLED素子24は、基板23の外周縁に沿って、ピッチ20cmの等間隔で格子状(縦6行横6行)に配列されている。
そして、光源ユニット21は、図3に示されているように、複数(この図の例においては、4個)の矩形状のLEDモジュール22を備えており、これら複数のLEDモジュール22(具体的には、後述するLED配置領域)は密接して縦横に並んで配置されている。
この図の例において、光源ユニット21においては、縦方向に2個のLEDモジュール22が並列し、横方向に2個のLEDモジュール22が並列されている。
複数のLEDモジュール22は、同一の構成を有するものである。
そして、複数のLEDモジュール22は、各々、複数のLED素子24が、矩形平板状のモジュール基板23Aの表面(平面)よりなるLED配置領域に、当該LED配置領域の周縁に沿って、縦方向にm個(但し、mは2〜10の整数)が並列し、横方向にn個(但し、nは2〜10の整数)が並列して等間隔に互いに離間して縦横に並んで配置されたものである。複数のLEDモジュール22の各々において、モジュール基板23Aは、表面全面がLED配置領域とされており、よってLED配置領域の周縁は、モジュール基板23Aの外周縁によって構成されている。そして、複数のモジュール基板23Aによって基板24が構成されている。
ここに、複数のLEDモジュール22の各々において、LED素子24の縦方向の並列個数(以下、「縦並列個数」ともいう。)m、およびLED素子24の横方向の配列個数(以下、「横配列個数」ともいう。)nは、治療効率および治療器の設計の自由度の観点から、2〜10個とされる。
具体的に説明すると、モジュール基板23A上においてLED素子24の配置間隔を狭め、搭載個数を増やすことによれば、照射面における放射照度、および放射照度均一性の向上が見込め、よって効率的に治療効果を得ることができる。然るに、LED素子24の配置間隔を狭めて搭載個数を増やすことに伴って、LEDモジュール22における発熱量が増える。そのため、強皮症用光治療器10には、冷却ファン、ヒートシンクなどの冷却手段を備えた冷却構造が必要となり、よって治療器サイズが大きくなり、また製造コスト等が高くなる。従って、これらを鑑み、縦並列個数mおよび横並列個数nを上記の範囲とすることによれば、大掛かりな冷却構造を要することなく、照射面における放射照度、および放射照度均一性の向上を図ることができる。
この図の例において、複数のLEDモジュール22は、各々、9個のLED素子24が、正方形平板状のモジュール基板23Aの表面上に、当該モジュール基板23Aの外周縁に沿って、縦方向に3個が並列し、横方向に3個が並列して等間隔に互いに離間して縦横に並んで配置されたものである。すなわち、LEDモジュール22においては、縦並列個mが3であり、横配列個数nが3である。
そして、複数のLEDモジュール22の各々においては、図4に示すように、互いに隣接するLED素子24の間の距離、具体的には中心間距離(以下、「素子間ピッチ」ともいう。)をPとするとき、最周縁側に位置するLED素子24とLED配置領域の周縁との間の距離、具体的には、最周縁側に位置するLED素子24の中心とLED配置領域の周縁との間の距離(以下、「縁辺−素子ピッチ」ともいう。)がP/2とされる。ここに、「最周縁側に位置するLED素子」とは、LED配置領域(モジュール基板22Aの表面)に縦列配置された複数のLED素子24よりなるLED素子群における、当該LED配置領域の周縁を構成する4つの縁辺に近接する列(縦列または横列)を構成するLED素子24を示す。
このような構成のLEDモジュール22において、モジュール基板23Aの縦寸法Lmは、縦並列個数mと素子間ピッチPとの積と同値であり、一方、当該モジュール基板23Aの横寸法Lnは、横並列個数nと素子間ピッチPとの積と同値である。
この図の例において、素子間ピッチ(P)は20mmであり、よって縁辺−素子ピッチ(P/2)は10mmである。そして、モジュール基板23Aの縦寸法Lmおよび横寸法Lnは、いずれも60mmであり、当該モジュール基板23Aの表面(LED配置領域)は正方形状である。また、基板23は、縦寸法が120mm(=Lm×2)であって横寸法が120(=Ln×2)である。
縁辺−素子ピッチがP/2であることにより、複数のLEDモジュール22(LED配置領域)を密接して縦横に並んで配置することにより、複数のモジュール基板23Aによって構成される基板23上において、複数のLED素子24を、素子間ピッチPの等間隔で縦横に並んで格子状に配列した状態とすることができる。すなわち、図3に示すように、互いに隣接するLEDモジュール22の最周縁側に位置するLED素子24同士の間の距離がPとされる。その結果、複数のLEDモジュール22を、その個数および配列を調整して組み合わせて用いることにより、所期の最大照射領域を有する光源部20を容易に設計することができる。
LED素子24としては、InGaN系半導体よりなる特定波長範囲にピークを有するLED素子、およびAlGaN系半導体よりなる特定波長範囲にピークを有するLED素子などが用いられる。
この図の例において、複数のLED素子24としては、波長365nmにピーク波長を有するInGaN系半導体よりなる表面実装型LED素子が用いられている。
レンズ26としては、凸レンズおよびフレネルレンズなどを用いることができる。
レンズ26としてフレネルレンズを用いた場合には、レンズ26として凸レンズを用いた場合に比して光源部20を小型化することができることから、強皮症用光治療器10の小型化を図ることができる。
図の例において、レンズ26としては、凸レンズが用いられている。
窓部材28としては、光源ユニット21からの光(具体的には、複数のLED素子24からの光)に対する光透過性を有すると共に、高い機械的強度を有するものが用いられる。
窓部材28の材質の具体例としては、例えば石英ガラスなどが挙げられる。
アパーチャー29は、開口27Aと同等または開口27A以下の大きさを有するものとされている。
光源部20にアパーチャー29が設けられていることにより、照射面(紫外線照射対象部位)において照射領域と非照射領域との境界を明確にすることができ、よって意図しない部分、すなわち照射部位以外の部分に対する光照射(低出力露光)を防止することができる。
制御部30は、光源部20を構成するLED素子24を駆動制御するものである。
制御部30によって光源部20を構成するLED素子24、具体的には複数のLED素子24を駆動制御することにより、光源部20において、患部の大きさおよび患部の状態に応じた所期の光を出射させることができる。
具体的に説明すると、例えば、患部(紫外線照射対象部位)が、最大照射領域より小さい場合には、患部の形状に応じて、光源部20を構成する複数のLED素子24の一部を選択的に点灯することができる。
また、光源部20からの出射光において、放射照度は、患部の状態および治療時間(照射時間)などによって適宜に定められるが、具体的には、100mW/cm2 以上であることが好ましい。
ここに、強皮症の治療に必要とされる紫外線照射量(積算照射量)は、30〜60J/cm2とされる。そして、例えば、光源部20からの出射光における放射照度が100mW/cm2 である場合において、60J/cm2 の紫外線照射量(積算照射量)を得るために要する時間(照射時間)は、10分間である。
制御部30は、直方体状の制御部用筐体37の内部に、LED駆動用電源ユニット、およびPLCなどの制御ユニットが配設されており、また制御部用筐体27の側面に、グラフィック操作パネル39が配設されてなるものである。
このような強皮症用光治療器10は、光源部20を、窓部材28が照射部位と対向するように配置する。ここに、強皮症用光治療器10は、放射照度の安定的な確保の観点から、照射部位と光源部20(窓部材28)とが接触した状態で使用されることが好ましい。そして、光源部20においては、制御部30から電力が供給されたLED素子24が点灯され、患部に対して、当該光源部20からの出射光が照射(面照射)される。
而して、強皮症用光治療器10は、光源部20からの出射光が特定波長範囲にピーク波長を有する光であることから、後述する実験例から明らかなように、その出射光を患部に照射することにより、強皮症の皮膚硬化の原因となっているコラーゲンを分解、断片化する酵素であるコラーゲナーゼ(MMP1)を、有意差をもって発現させることができる。そのため、強皮症に対する優れた治療効果が得られる。
また、光源部20が、特定波長範囲にピーク波長を有する複数のLED素子24を備えた光源ユニット21を具備したものであることから、患部に対して、光源ユニット21からの光(紫外線)を、波長選択フィルタなどを介することなく、照射することができる。また、LED素子24が一方向に発光するものであることから、局所的な光照射をすることができる。そのため、光源ユニット21からの光を有効に利用することができる。
しかも、光源部20を構成する複数のLED素子24を駆動制御する制御部30が設けられていることから、光源部20を構成する複数のLED素子24の全部、または複数のLED素子24のうちの一部を選択的に点灯させることにより、患部の大きさに応じた所期の光を照射することができる。
従って、強皮症用光治療器10によれば、強皮症の治療に必要とされる大きな照射量(積算照射量)を、高い消費電力および長い照射時間を要することなく、患部に対して局所的に照射することができ、よって、効率的に優れた治療効果を得ることができる。その結果、強皮症用光治療器10においては、小型化および低消費電力化を図ることができる。
また、強皮症用光治療器10においては、光源部20を構成するLED素子24として、波長365±4nmの範囲にピーク波長を有するLED素子を用いることにより、後述する実験例から明らかなように、より一層優れた治療効果を得ることができる。
また、強皮症用光治療器10は、光源部20(光源ユニット21)が複数のLEDモジュール22を備えたものであることから、LEDモジュール22の個数および配列を調整するという容易な手法により、当該強皮症用光治療器10に必要とされる最大照射領域の大きさに応じて、小型化および大型化を図ることができる。
本発明においては、上記の実施の形態に限定されず、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、本発明の強皮症用光治療器は、光源部と制御部とを備えたものであればよく、光源部の構成および制御部の構成は、図1〜図4に示した構成に限定されず、また、光源部および制御部以外の構成部としては種々のものを用いることができる。
具体的には、例えば、強皮症用光治療器は、一方に窓部材によって閉塞された開口を有する略直方体状の光源部用筐体の内部に、図4に示した構成のLEDモジュール1個が配設された光源部と、直方体状の制御部用筐体の内部に、LED駆動用電源ユニットおよび制御ユニットが配設された制御部とが、長尺な給電線によって電気的に接続されてなる構成の小型のものであってもよい。この小型の強皮症用光治療器においては、照射面(紫外線照射対象部位)における最大照射領域の大きさの目安は縦寸法および横寸法が50mmである。また、光源部用筐体の外面には、取っ手が設けられており、制御部用筐体の外面にはグラフィック操作パネルが設けられている。この小型の強皮症用光治療器は、治療に際して、片手で取っ手を握り、光源部を移動して所期の位置に配置するハンディタイプのものである。
また、強皮症用光治療器は、一方に開口を有する直方体状の光源部用筐体の内部に、図4に示した構成のLEDモジュール60個が配設された光源部と、直方体状の制御部用筐体の内部に、LED駆動用電源ユニットおよび制御ユニットが配設された制御部とを備え、当該光源部が、制御部用筐体の外面に設けられた光源部駆動機構によって支持されてなる構成の大型のものであってもよい。ここに、60個のLEDモジュールは、縦方向に6個が並列し、横方向に10個が並列した状態で密接して縦横に並んで配置されている。この大型の強皮症用光治療器においては、照射面(紫外線照射対象部位)における最大照射領域の大きさの目安は縦寸法が500mmであって横寸法が300mmである。また、制御部用筐体の外面にはグラフィック操作パネルが設けられている。
また、光源部は、図3に示すように複数のLEDモジュールが縦横に並んで配置された構成のものに限定されず、複数のLEDモジュールが、縦方向のみに並んで配置されたものであってもよく、または横方向のみに並んで配置されたものであってもよい。
また、LEDモジュールにおいて、LED配置領域は、矩形平板状の基板の表面によって構成されたものに限定されず、平面を有するLED素子支持部材の当該平面によって構成されていてもよい。
以下、本発明の実験例について説明する。
〔実験例1〕
先ず、96ウェルプレート(Greiner bio-one, Monroe, NC)の複数のウェルに対して、正常ヒト繊維芽細胞1×103 cellsを撒種し、恒湿培養器を用いて、温度37℃、培養器内雰囲気における二酸化炭素濃度5%の条件で4日間かけて培養した。その後、各ウェルにおいて、培地を生理食塩水(PBS(−))に交換した。そして、1つのウェル以外の複数のウェルに対して、各々、異なるピーク波長を有する光を放射する6種類のLED照射器を用い、照射量(積算照射量)が15J/cm2 となるよう、各LED照射器の出力に応じ、下記の表1に示す照射時間条件により光照射を行った。この光照射においては、正常ヒト繊維芽細胞がプレート(ウェル)の底面に接着する接着細胞であること、および用いた96ウェルプレートにおけるウェルの深さが約11mmであることなどを考慮して、各ウェルにおける照射距離(具体的には、LED照射器とウェルの底面との離間距離)を20mmとした。なお、LED照射器と96ウェルプレートとの離間距離は6mmとした。また、図5および図6に示すように、各LED照射器45による光照射においては、96ウェルプレート40上に、細胞が培養された一のウェル41を含む一方向(図6における上下方向)に並列した一のウェル群以外の複数のウェルを覆うように遮光板44を配置した。
ここに、6種類のLED照射器としては、ウシオ電機株式会社製または株式会社イマック製の、波長355nmにピーク波長を有する波長355nmLED照射器、波長360nmにピーク波長を有する波長360nmLED照射器、波長365nmにピーク波長を有する波長365nmLED照射器、波長375nmにピーク波長を有する波長375nmLED照射器、波長385nmにピーク波長を有する波長385nmLED照射器、および波長395nmにピーク波長を有する波長395nmLED照射器を用いた。ここに、波長355nmLED照射器および波長360nmLED照射器は、AlGaN系半導体よりなる砲弾型LED素子を備えたものである。また、波長365nmLED照射器、波長385nmLED照射器および波長395nmLED照射器は、InGaN系半導体よりなる表面実装型LED素子を備えたものである。また、波長375nmLED照射器は、InGaN系半導体よりなる砲弾型LED素子を備えたものである。また、対照条件として、1つのウェルには光照射を行わなかった。
図5において、48は、LED照射器45に電力を供給する電源であり、49は、LED照射器45と電源48とを電気的に接続する給電線である。また、LED照射器45からの光の光路が破線で示されている。
Figure 2017158626
次いで、光照射を行った複数のウェルおよび光照射を行わなかったウェル(対照ウェル)において、各々、生理食塩水を吸引除去して培養液100μL/wellを添加し、恒湿培養器を用いて、温度37℃、培養器内雰囲気における二酸化炭素濃度5%の条件で2日間かけて培養した。
その後、RNA精製用キット「RNeasy Mini kit」(QIAGEN社製)を用い、複数のウェルの各々において培養された細胞からRNA(リボ核酸)を抽出し、RNAからcDNA(相補的デオキリシボ核酸)を合成(逆転写)するためのキット「High Capacity cDNA Reverse Transcription kit」(QIAGEN社製)により、抽出したRNAからcDNAを合成(逆転写)した。そして、得られた複数(具体的には、7種類)のcDNAサンプルを、リアルタイムPCRシステム「CFX Connect」(BIO-RAD社製)を用いて増幅させて解析することにより、強皮症の皮膚硬化の原因となっているコラーゲンを分解、断片化する酵素であるコラーゲナーゼ(MMP1)の量を確認した。結果を図7に示す。
図7において、コラーゲナーゼの量は、ハウスキーピング遺伝子(GAPDH)の量に基づいて得られた値である。そして、光照射を行った複数のウェルにおいて培養された細胞に係るコラーゲナーゼの量は、各々、「control」によって示されている、光照射を行わなかった対照ウェルにおいて培養された細胞に係るコラーゲナーゼの量を基準とする相対値として示されている。また、「**」は、t検定においてP値が0.01以下であることを示している。
この実験例1の結果から、波長355nm、波長360nm、波長365nm、波長375nm、波長385nmおよび395nmのいずれの波長条件によって光照射を行った場合においても、強皮症の皮膚硬化の原因となっているコラーゲンを分解、断片化する酵素であるコラーゲナーゼ(MMP1)の発現の亢進がみられることが明らかである。そして、特に、波長360nm、波長365nm、波長375nm、および波長385nmの波長条件によって光照射を行った場合において、有意差をもってコラーゲナーゼが発現することが明らかである。また、コラーゲナーゼの発現は、波長365nmの波長条件においてピークを示し、この波長365nmの波長条件におけるコラーゲナーゼの量は、対照条件、すなわち光照射を行わなかった場合の7.7倍である。
従って、波長360〜385nmの範囲にピーク波長を有する光は、強皮症に対する有効波長、すなわち強皮症に対する優れた治療効果が得られる光であることが確認された。また、波長365±4nmの範囲にピーク波長を有する光は、より一層優れた治療効果を得ることのできる光であることが確認された。
10 強皮症用光治療器
11 支持体
12 架台
13 支柱
14 作動アーム
18 車輪
19 手動レバー
20 光源部
21 光源ユニット
21A ケーブル
22 LEDモジュール
23 基板
23A モジュール基板
24 LED素子
25 枠体
26 レンズ
27 光源部用筐体
27A 開口
28 窓部材
29 アパーチャー
30 制御部
37 制御部用筐体
39 グラフィック操作パネル
40 96ウェルプレート
41 ウェル
44 遮光板
45 LED照射器
48 電源
49 給電線

Claims (3)

  1. 波長360〜385nmの範囲にピーク波長を有するLED素子を具備する光源部と、当該光源部を構成するLED素子を駆動制御する制御部とを備えたことを特徴とする強皮症用光治療器。
  2. 前記LED素子が、波長365±4nmの範囲にピーク波長を有するLED素子であることを特徴とする請求項1に記載の強皮症用光治療器。
  3. 前記光源部は、矩形状の平面よりなるLED配置領域に、複数のLED素子が、当該LED配置領域の周縁に沿って、縦方向にm個(但し、mは2〜10の整数)が並列し、横方向にn個(但し、nは2〜10の整数)が並列して等間隔に縦横に並んで配置されたLEDモジュールを複数備えており、
    前記複数のLEDモジュールにおいては、互いに隣接するLED素子の間の距離をPとするとき、最周縁側に位置するLED素子と前記LED配置領域の周縁との間の距離がP/2とされており、
    前記複数のLEDモジュールが、前記LED配置領域が密接して縦方向および横方向の少なくとも一方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の強皮症用光治療器。
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