JP2017157340A - レドックスフロー電池 - Google Patents

レドックスフロー電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2017157340A
JP2017157340A JP2016038080A JP2016038080A JP2017157340A JP 2017157340 A JP2017157340 A JP 2017157340A JP 2016038080 A JP2016038080 A JP 2016038080A JP 2016038080 A JP2016038080 A JP 2016038080A JP 2017157340 A JP2017157340 A JP 2017157340A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
seal
seal member
seal groove
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016038080A
Other languages
English (en)
Inventor
高輔 白木
Kosuke Shiraki
高輔 白木
毅 寒野
Takeshi Kanno
毅 寒野
晴久 豊田
Haruhisa Toyoda
晴久 豊田
伊藤 岳文
Takefumi Itou
岳文 伊藤
桑原 雅裕
Masahiro Kuwabara
雅裕 桑原
山口 英之
Hideyuki Yamaguchi
英之 山口
勇人 藤田
Isato Fujita
勇人 藤田
清明 林
Kiyoaki Hayashi
清明 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP2016038080A priority Critical patent/JP2017157340A/ja
Priority to CN201780013838.6A priority patent/CN108701852B/zh
Priority to PCT/JP2017/002430 priority patent/WO2017150011A1/ja
Priority to US16/080,699 priority patent/US10749202B2/en
Priority to EP17759483.5A priority patent/EP3425714B1/en
Priority to TW106104291A priority patent/TWI698043B/zh
Publication of JP2017157340A publication Critical patent/JP2017157340A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/18Regenerative fuel cells, e.g. redox flow batteries or secondary fuel cells
    • H01M8/184Regeneration by electrochemical means
    • H01M8/188Regeneration by electrochemical means by recharging of redox couples containing fluids; Redox flow type batteries
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0271Sealing or supporting means around electrodes, matrices or membranes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0271Sealing or supporting means around electrodes, matrices or membranes
    • H01M8/0273Sealing or supporting means around electrodes, matrices or membranes with sealing or supporting means in the form of a frame
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0271Sealing or supporting means around electrodes, matrices or membranes
    • H01M8/0276Sealing means characterised by their form
    • H01M8/0278O-rings
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0271Sealing or supporting means around electrodes, matrices or membranes
    • H01M8/028Sealing means characterised by their material
    • H01M8/0284Organic resins; Organic polymers
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0271Sealing or supporting means around electrodes, matrices or membranes
    • H01M8/0286Processes for forming seals
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/02Details
    • H01M8/0289Means for holding the electrolyte
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/18Regenerative fuel cells, e.g. redox flow batteries or secondary fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】電解液のシール構造を構築し易くて、電解液のシール性に優れるレドックスフロー電池を提供する。【解決手段】電池セルを構成する電極と接する双極板、及び前記双極板の周縁を囲むと共に、シール溝が形成された枠体を有するセルフレームと、前記シール溝に配置されて、前記電池セルへ供給する電解液の前記枠体外への漏洩を防止するシール部材とを備えるレドックスフロー電池であって、前記シール部材を前記シール溝に固定する接着剤を備え、前記接着剤の硬化後のタイプAデュロメータ硬さが100以下であるレドックスフロー電池。【選択図】図1

Description

本発明は、レドックスフロー電池に関する。特に、電解液のシール構造を容易に構築できて、電解液のシール性に優れるレドックスフロー電池に関する。
太陽光発電や風力発電といった自然エネルギー由来の電力を蓄電する大容量の蓄電池の一つにレドックスフロー電池(RF電池)がある。図4のRF電池の動作原理図に示すように、RF電池1は、代表的には、交流/直流変換器を介して発電部(例えば、太陽光発電装置や風力発電装置、その他一般の発電所など)と負荷(需要家など)との間に接続され、発電部で発電した電力を充電して蓄え、蓄えた電力を放電して負荷に供給する。
RF電池1は、水素イオンを透過させる隔膜101で正極セル102と負極セル103とに分離された電池セル100を備える。正極セル102には正極電極104が内蔵され、正極電解液を貯留する正極電解液タンク106が供給導管108、排出導管110を介して接続されている。同様に、負極セル103には負極電極105が内蔵され、負極電解液を貯留する負極電解液タンク107が供給導管109、排出導管111を介して接続されている。各極電解液は、各供給導管108,109の途中に設けられたポンプ112,113により各供給導管108、109から各極セル102、103に供給され、各極セル102、103から各排出導管110、111を流通して各極タンク106、107に排出されることで各極セル102、103に循環される。RF電池1は、こうして電解液を循環して、正極電解液に含まれるイオンと負極電解液に含まれるイオンの酸化還元電位の差を利用して充放電を行う。図4では、各極電解液に含まれるイオンとしてバナジウムイオンを示しており、実線矢印は充電、破線矢印は放電を意味する。
電池セル100は、通常、図5下図に示すセルスタック200と呼ばれる構造体の内部に形成される。セルスタック200は、その両側から2枚のエンドプレート210、220で挟み込んで締付機構により締め付けられている。セルスタック200は、図5上図に示すように、セルフレーム120、正極電極104、隔膜101、及び負極電極105を、この順番で積層することで形成される積層体と、積層体の両側に配置される一対の給排板201(図5下図)とを備える。セルフレーム120は、双極板121とその周縁を囲む枠体122とを備える。この構成の場合、隣接するセルフレーム120の双極板121の間に一つの電池セル100が形成され、双極板121を挟んで表裏に、隣り合う電池セル100の正極電極104(正極セル102)と負極電極105(負極セル103)とが配置される。各給排板201は、セルスタック200と各タンク106、107との間での各電解液の流通を行う。
電池セル100内の各極電解液の流通は、枠体122に形成される給液マニホールド131、132と、排液マニホールド133、134とを介して行われる。正極電解液は、給液マニホールド131から枠体122の一面側(紙面表側)に形成される給液ガイド溝135を介して正極電極104に供給される。そして、図5上図の矢印に示すように正極電解液は正極電極104の下から上へ通り、枠体122に形成される排液ガイド溝137を介して排液マニホールド133に排出される。同様に、負極電解液は、給液マニホールド132から枠体122の他面側(紙面裏側)に形成される給液ガイド溝136を介して負極電極105に供給される。そして、負極電解液は負極電極105の下から上へ通り、枠体122に形成される排液ガイド溝138を介して排液マニホールド134に排出される。各枠体122間には、Oリングなどの環状のシール部材140が配置され、電池セル100からの電解液の漏洩を抑制している。
例えば、特許文献1のRF電池は、内周シール溝及び外周シール溝がフレーム(枠体)の両面にそれぞれ対向する位置に設けられ、内周シール溝、外周シール溝のそれぞれに内周シール、外周シールが配置されている。この内周シール及び外周シールにはOリングが使用されている。そして、積層した複数のセルフレームをその両側から挟むエンドプレートを締め付けて押圧することで、内周シールと外周シールとが隔膜を圧接してフレーム同士の間からセルの電解液の漏洩を防止している。
特開2002−367659号公報
電解液のシール構造を構築し易く、電解液のシール性を向上することが望まれている。弾性材料からなるOリングなどのシール部材は、柔らかい上に長い紐状なので形状が定まり難く、Oリングをシール溝に嵌め込んでもOリングがシール溝から脱落する虞がある。特に、シール部材は、セルフレームを積層した際の隣り合うセルフレーム又は隣接するセルフレームに設けられたシール部材との接触などにより、ずれてシール溝から脱落する虞がある。シール部材がシール溝から脱落したままセルスタックが組み立てられると、電解液がセルフレームの枠体外に漏洩し易くなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、電解液のシール構造を構築し易くて、電解液のシール性に優れるレドックスフロー電池を提供することにある。
本発明の一態様に係るレドックスフロー電池は、電池セルを構成する電極と接する双極板、及び双極板の周縁を囲むと共に、シール溝が形成された枠体を有するセルフレームと、シール溝に配置されて、電池セルへ供給する電解液の枠体外への漏洩を防止するシール部材とを備えるレドックスフロー電池であって、シール部材をシール溝に固定する接着剤を備え、接着剤の硬化後のタイプAデュロメータ硬さが100以下である。
上記レドックスフロー電池は、電解液のシール構造を構築し易くて、電解液のシール性に優れる。
実施形態1に係るレドックスフロー電池に備わるセルフレームを示す概略平面図である。 図1に示すセルフレームにおけるシール溝の(II)−(II)切断線で切断した状態を示す断面図である。 試験例1で使用した液体漏洩試験用治具を示す概略図である。 レドックスフロー電池の動作原理図である。 レドックスフロー電池に備わるセルスタックの概略構成図である。
《本発明の実施形態の説明》
最初に本発明の実施態様の内容を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係るレドックスフロー電池は、電池セルを構成する電極と接する双極板、及び双極板の周縁を囲むと共に、シール溝が形成された枠体を有するセルフレームと、シール溝に配置されて、電池セルへ供給する電解液の枠体外への漏洩を防止するシール部材とを備えるレドックスフロー電池であって、シール部材をシール溝に固定する接着剤を備え、接着剤の硬化後のタイプAデュロメータ硬さが100以下である。
上記の構成によれば、電解液のシール構造を構築し易い。接着剤によりシール部材をシール溝に固定できるため、柔らかくて長い紐状で形状の定まり難いOリングなどをシール部材に用いても、シール溝に嵌め込んだシール部材のシール溝からの脱落を抑制し易いからである。
また、上記の構成によれば、電解液のシール性に優れる。
硬化(固化)後の接着剤はタイプAデュロメータ硬さが100以下であり柔らかいため、硬化前の接着剤は流動性に富む。そのため、硬化前の接着剤は、接着剤をシール溝に塗布して硬化前の接着剤にシール部材を接触させた際、シール溝内とシール部材との間に隙間が生じないように流動し易い。それにより、接着剤とシール部材との接触に伴って接着剤内に枠体内側から枠体外側へ連通する隙間が形成されることを抑制し易い。従って、電解液がその隙間から枠体外へ漏洩することを抑制できる。
硬化後の接着剤は、タイプAデュロメータ硬さが100以下であり柔らかい。そのため、接着剤を硬化してシール溝にシール部材を固定した後にセルフレームを積層した際、シール部材が隣接するセルフレーム又は隣接するセルフレームに設けられたシール部材に圧縮されて変形しても、硬化後の接着剤は、そのシール部材の変形に追従して変形させられる。それにより、シール部材の変形に伴う接着剤の割れなどの損傷を抑制し易く、シール部材の接着剤からの剥離や接着剤のシール溝からの剥離を抑制し易い。従って、シール部材のシール溝からの脱落を抑制し易いため、電解液の枠体外への漏洩を抑制できる。
接着剤の損傷を抑制できることで、接着剤は電解液をシールする機能を有することができるため、電解液のシール性を高め易い。
(2)上記レドックスフロー電池の一形態として、接着剤の硬化後のタイプAデュロメータ硬さが、シール部材のタイプAデュロメータ硬さ以下であることが挙げられる。
上記の構成によれば、シール部材の変形に伴う接着剤の損傷をより一層抑制し易い。接着剤はシール部材と同等の硬さか、シール部材よりも柔らかいため、シール部材の変形に追従して変形し易いからである。
(3)上記レドックスフロー電池の一形態として、接着剤の材質は、シリコーン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、塩化ビニル系接着剤、及びラテックス系接着剤の中から選択される1種以上の材質であることが挙げられる。
上記の構成によれば、電池性能の低下を抑制し易い。上記材質は電解液に対する耐性に優れるため、接着剤が電解液により溶出して不純物として枠体内に混入することを抑制し易いからである。そのため、不純物の電極への付着などに伴う内部抵抗の上昇や圧力損失の増加を抑制できる。
(4)上記レドックスフロー電池の一形態として、シール溝の体積をVg(mm)、シール部材の体積をVs(mm)、接着剤の体積をVb(mm)とするとき、シール溝における接着剤の占積率{(Vb/Vg)×100}は、{(1−Vs/Vg)×50}%以上{(1−Vs/Vg)×100}%以下であることが挙げられる。
占積率{(Vb/Vg)×100}が{(1−Vs/Vg)×50}%以上であれば、接着剤の割合が多いため、シール部材をシール溝の全長に亘って固定し易い。そのため、枠体の全長に亘って電解液の漏洩を一層防止し易い。占積率{(Vb/Vg)×100}が{(1−Vs/Vg)×100}%以下であれば、接着剤の割合が過度に多過ぎないため、シール部材を圧縮した際に接着剤への過度な圧力の付加を抑制できる。そのため、硬化後の接着剤の圧壊を抑制し易い。また、シール部材の圧壊や過度の圧縮による早期の劣化を防止し易い。更に、シール部材を圧縮した際のシール溝への過度な圧力の付加をも抑制できるため、シール溝自体の圧壊も防止し易い。
《本発明の実施形態の詳細》
本発明の実施形態の詳細を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
《実施形態1》
〔レドックスフロー電池〕
実施形態1に係るRF電池は、図4、図5を用いて説明した従来のRF電池と同様、セルフレームと電池セル100との積層体を備えるセルスタック200と、電池セル100の正極セル102に循環させる正極電解液を貯留する正極電解液タンク106と、負極セル103に循環させる負極電解液を貯留する負極電解液タンク107とを備える。各極電解液の循環は、各供給導管108,109、各排出導管110、111を介して、それらの途中に設けたポンプ112,113により行う。実施形態1に係るRF電池の主たる特徴とするところは、電解液の漏洩を防止するシール部材5をセルフレーム2のシール溝48に固定する特定の接着剤6(図1一点鎖線円内、図2)を備える点にある。以下、詳細を説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
[セルフレーム]
セルフレーム2は、双極板3と双極板3の周縁を囲む枠体4とを備える。セルフレーム2には、上記積層体の隣り合う電池セル100(図5)の間に配置される中間セルフレームと、上記積層体の両端に配置される端部セルフレームとがある。中間セルフレームは、双極板3の表裏に一方の電池セル100の正極電極104及び他方の電池セル100の負極電極105が接し、端部セルフレームは、双極板3の一方の面に電池セル100の正負のいずれかの電極が接する。セルフレーム2の表裏(正極側・負極側)面の構成は、中間セルフレーム及び端部セルフレームのいずれにおいても同様である。
(双極板)
双極板3は、原則として隣接する電池セル100(図4、図5)を仕切る。双極板3の形状は、矩形状の板である。双極板3の材質には、電流は通すが電解液は通さない材料を用いることができる。加えて、耐酸性および適度な剛性を有する材料であることが好ましい。双極板3の材質は、例えば、黒鉛およびポリオレフィン系有機化合物または塩素化有機化合物から形成される導電性プラスチックが挙げられる。黒鉛の一部をカーボンブラックおよびダイヤモンドライクカーボンの少なくとも一方に置換した導電性プラスチックでもよい。ポリオレフィン系有機化合物は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどが挙げられる。塩素化有機化合物は、塩化ビニル、塩素化ポリエチレン、塩素化パラフィンなどが挙げられる。双極板3がこのような材料から形成されることで、双極板3の電気抵抗を小さくできる上に、耐酸性に優れる。
(枠体)
枠体4は、内側に電池セル100(図4、図5)となる領域を形成する。枠体4は、電池セル100の内部に電解液を供給する給液マニホールド44を有する給液側片41と、給液側片41に対向し、電池セル100の外部に電解液を排出する排液マニホールド45を有する排液側片42とを備える。この給液側片41と排液側片42との端部同士は、互いに対向すると共に給液側片41及び排液側片42に対して直交する一対の連結片43により連結されている。枠体4の形状は、矩形枠状である。給液側片41及び排液側片42は、矩形枠の長片を構成し、連結片43は、矩形枠の短片を構成する。セルフレーム2を平面視した際、給液側片41と排液側片42とが互いに対向する方向を縦方向、縦方向に直交する方向を横方向とすると、給液側片41が縦方向下側、排液側片42が縦方向上側に位置している。即ち、電解液の流れは、枠体4の縦方向下側から縦方向上側に向かう方向である。
枠体4の材質は、耐酸性、電気絶縁性、機械的特性を満たす材料が挙げられる。枠体4の材質は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどの種々のフッ素系樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂が挙げられる。ここでは、枠体4の材質は、硬質塩化ビニル樹脂としている。
枠体4における両マニホールド44,45よりも外側の周縁には、シール溝48が形成されている。
〈シール溝〉
シール溝48には、後述するシール部材5(図1一点鎖線円内、図2)が嵌め込まれる。シール溝48は、枠体4の両面に形成される場合と、一面側(図1紙面表側)に形成されて枠体4の他面側(図1紙面裏側)には形成されていない場合とがある。シール溝48が両面に形成される場合、シール溝48のシール部材5は、セルフレーム2を積層した際、隣接するセルレームの他面のシール溝に嵌め込まれるシール部材により押圧されて、セルフレーム同士の間をシールする。このとき、シール部材同士の間に隔膜101(図4、図5)を挟む。シール溝48が一面に形成され他面には形成されない場合、シール溝48のシール部材5は、セルフレーム2を積層した際、隣接するセルレームの枠体の他面により押圧されて、セルフレーム同士の間をシールする。このとき、シール部材5と隣接するセルフレームの枠体との間に隔膜101(図4、図5)を挟む。ここでは、シール溝48は、枠体4の一面側(図1紙面表側)に形成されて枠体4の他面側(図1紙面裏側)には形成されていない。シール溝48は、一重構造としているが、内周シール溝及び外周シール溝を有する二重構造としてもよい。
シール溝48は、枠体4の外形(各片41、42、43の長手)に沿って環状に形成されている。シール溝48は、給液側片41及び排液側片42のそれぞれに形成され、シール溝48の長手方向に直線状の長直線部48Lと、連結片43に形成され、シール溝48の長手方向に直線状の短直線部48Sと、枠体4の角部に形成されて長直線部48Lと短直線部48Sとの間を連結し、シール溝48の長手方向に湾曲する湾曲部48Cとで構成されている。
シール溝48の横断面形状は矩形状であり、その長手方向に一様である。シール溝48の幅は、その深さ方向に一様である。
シール溝48の幅は、シール部材5の非圧縮時の径D(mm)以上とすることができる。即ち、シール部材5の非圧縮時、シール溝48とシール部材5との間には隙間が形成される。そうすれば、シール溝48に後述する接着剤6(図1一点鎖線円内、図2)を設け易い上にシール部材5を容易に嵌め込むことができる。シール溝48の幅は、シール溝48の深さにもよるが、シール部材5を圧縮した際、シール溝48の側壁にシール部材5が接触する程度の大きさとしてもよいし、シール溝48とシール部材5との間に隙間が形成される程度の大きさとしてもよい。
シール溝48の深さd(mm)は、シール部材5の材質にもよるが、0.5D以上0.9D以下が好ましい(図2)。シール溝48の深さdが0.5D以上であることで、シール部材5のシール溝48から露出する領域が多すぎないため、隣接するセルフレーム又は隣接するセルフレームに設けられたシール部材(以下、隣接部材ということがある)によるシール部材5の圧壊を防止し易い。シール溝48の深さdが0.9D以下であることで、シール部材5のシール溝48から露出する領域を適切に確保でき、隣接部材によりシール部材5を十分に圧縮し易い。シール溝48の深さdは、0.6D以上0.8D以下がより好ましい。
[シール部材]
シール部材5は、電池セル100(図4、図5)へ供給する電解液の枠体4外への漏洩を防止する(図1拡大図)。具体的には、シール部材5は、シール溝48に配置されて、上述したようにセルフレーム2を積層した際、隣接するセルフレームにおける枠体の他面のシール溝に嵌め込まれるシール部材、又は隣接するセルフレームの枠体の他面のいずれかに押圧されて弾性変形してセルフレーム2間をシールする。
シール部材5は、Oリングを利用することが挙げられる。シール部材5の横断面形状は、非圧縮時では円形状である。シール部材5をシール溝48に嵌め込んだ際、シール部材5の横断面形状は、非圧縮時と同様の円形状である。
シール部材5の材質は、耐酸性に優れる弾性材料が挙げられる。例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、シリコーンゴムなどのゴムが好適である。シール部材5のタイプAデュロメータ硬さは、例えば、90以下とすることができる。シール部材5のタイプAデュロメータ硬さを90以下とすれば、柔らかいため、弾性変形させてセルフレーム2間をシールし易い。シール部材5のタイプAデュロメータ硬さは、例えば、50以上とすることができる。シール部材5のタイプAデュロメータ硬さを50以上とすれば、過度に柔らか過ぎず適度な弾性を有するため、上記隣接部材によりシール部材5を圧縮した際にセルフレーム2間のシール性を保ち易い。タイプAデュロメータ硬さは、「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ JIS K 6253−3(2012)」に準拠した値である。この点は、後述の接着剤6のタイプAデュロメータ硬さも同様である。
[接着剤]
接着剤6は、シール部材5をシール溝48に固定する(図1一点鎖線円内、図2)。この固定により、セルフレーム2における電解液のシール構造を構築して、電解液の枠体4外への漏洩を抑制する。
接着剤6は、硬化後のタイプAデュロメータ硬さが100以下の柔らかい材質で構成する。そうすれば、上記隣接部材によりシール部材5を圧縮した際に、そのシール部材5の変形に追従させ易い。そのため、シール部材5の変形に伴う接着剤6の割れなどの損傷を抑制し易く、シール部材5の接着剤6からの剥離や接着剤6のシール溝48からの剥離を抑制し易い。
接着剤6の硬化後のタイプAデュロメータ硬さは、シール部材5のタイプAデュロメータ硬さよりも大きい場合、シール部材5のタイプAデュロメータ硬さとの差が小さいほど好ましい。そうすれば、シール部材5の変形に追従させ易いため、シール部材5の変形に伴う接着剤6の損傷を抑制し易い。この場合、接着剤6の硬化後のタイプAデュロメータ硬さとシール部材5のタイプAデュロメータ硬さと差は、例えば、20以下が好ましく、更には10以下が好ましく、特に5以下が好ましい。
接着剤6の硬化後のタイプAデュロメータ硬さは、小さいほど好ましく、特にシール部材5のタイプAデュロメータ硬さ以下が好ましい。そうすれば、シール部材5と同等か、シール部材5よりも変形し易いため、シール部材5の変形に伴う接着剤6の損傷を一層抑制し易い。接着剤6の硬化後のタイプAデュロメータ硬さは、90以下が好ましく、更には70以下、60以下が好ましく、特に50以下、40以下が好ましい。接着剤6の硬化後のタイプAデュロメータ硬さは、実用上、20以上が好ましい。
接着剤6の材質は、シリコーン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、塩化ビニル系接着剤、及びラテックス系接着剤の中から選択される1種以上の材質であることが好ましい。特に、接着剤6の材質は、シリコーン樹脂系接着剤、及びエポキシ樹脂系接着剤から選択される1種以上の材質が好ましい。これらの材質の中でも特にシリコーン樹脂系接着剤、及びエポキシ樹脂系接着剤は、電解液に対する耐性に優れるため、接着剤が電解液により溶出して不純物として枠体内に混入することを抑制し易い。そのため、不純物の各極電極104,105(図5)への付着などに伴う内部抵抗の上昇や圧力損失の増加を抑制できるので、電池性能の低下を抑制し易い。接着剤6の材質は、常温で硬化(固化)する材質であることが好ましい。そうすれば、熱硬化性の接着剤に比べて、枠体4(セルフレーム2)に熱履歴がかかることがない。また、熱可塑性の接着剤に比べて、作業性に優れる。接着剤をシール溝48に塗布するために加熱溶融しなくてもよい上に、接着剤を硬化するのに冷却しなくてもよいからである。接着剤6の材質は、硬化(固化)時間がある程度長い材質(例えば1分以上)であることが好ましい。そうすれば、作業時間に余裕があり、接着剤6をシール溝48に塗布してから、シール部材5をシール溝48に嵌め込む作業を行い易い。
シール溝48の体積をVg(mm)、シール部材5の体積をVs(mm)、接着剤6の体積をVb(mm)とするとき、シール溝48における接着剤6の占積率{(Vb/Vg)×100}は、{(1−Vs/Vg)×50}%以上{(1−Vs/Vg)×100}%以下であることが好ましい。この占積率{(Vb/Vg)×100}が{(1−Vs/Vg)×100}%以下であれば、接着剤6の割合が過度に多過ぎないため、シール部材5を圧縮した際に接着剤6への過度な圧力の付加を抑制できる。そのため、硬化後の接着剤6の圧壊を抑制し易い。また、シール部材5の圧壊や過度の圧縮による早期の劣化を防止し易い。更に、シール部材5を圧縮した際のシール溝48への過度な圧力の付加をも抑制できるため、シール溝48自体の圧壊も防止し易い。この占積率{(Vb/Vg)×100}が{(1−Vs/Vg)×50}%であれば、接着剤6の割合が多いため、シール部材5をシール溝48の全長に亘って固定し易い。そのため、枠体4の全長に亘って電解液の漏洩を一層防止し易い。この占積率{(Vb/Vg)×100}は、{(1−Vs/Vg)×60}%以上{(1−Vs/Vg)×90}%以下が好ましく、特に{(1−Vs/Vg)×70}%以上{(1−Vs/Vg)×80}%以下が好ましい。
接着剤6の形成箇所は、シール溝48の全長の少なくとも1箇所とすることができる。接着剤6の形成箇所は多いほど、シール部材5のシール溝48からの脱落を防止し易い。シール溝48の全長の複数箇所に接着剤6を形成する場合、接着剤6の形成箇所は、シール溝48における対向位置及び対角位置の少なくとも一方の箇所とすることが好ましい。接着剤6の形成箇所は、少なくとも(1)4つの湾曲部48C、(2)1対の長直線部48L、又は(3)1対の短直線部48S、とすることができる。接着剤6は、(1)4つの湾曲部48C、(2)1対の長直線部48L、又は(3)1対の短直線部48S、のそれぞれにおいて複数箇所に分けて設けてもよいし、それぞれの全長に亘って一連に設けてもよい。接着剤6の形成箇所を少なくとも4つの湾曲部48Cとすれば、シール部材5のシール溝48からの脱落防止に効果的である。湾曲部48Cは長直線部48Lや短直線部48Sに比較してシール部材5が脱落し易いからである。接着剤6の形成箇所を(1)4つの湾曲部48C、(2)1対の長直線部48L、及び(3)1対の短直線部48Sの中から選択される2パターン以上の箇所とすることが好ましく、更には上記(1)から(3)の3パターン全ての箇所とすることが好ましい。接着剤6の形成箇所を上記(1)から(3)の3パターンの全ての箇所とすれば各片41、42、43でシール部材5をシール溝48に固定できるため、シール部材5のシール溝48からの脱落防止により一層効果的である。
接着剤6が各部48C,48L,48Sにおいて複数箇所に分けて設けられる場合、各接着剤6におけるシール溝48の長手方向に沿った長さは、適宜選択できる。即ち、各接着剤6を線状に設けてもよいし点状に設けてもよい。いずれの場合であっても、隣り合う接着剤6のシール溝48の長手方向における間隔は、シール部材5の脱落を防止できて、接着剤6の塗布作業が煩雑になり難い程度とすることが挙げられる。隣り合う接着剤6のシール溝48の長手方向における間隔は、シール溝48の全長に亘って等間隔としてもよいし、各部48C,48L,48Sのそれぞれにおいて等間隔としてもよい。各部48C,48L,48Sにおいて隣り合う接着剤6のシール溝48の長手方向における間隔と、湾曲部48Cと長(短)直線部48L(48S)とにおいて隣り合う接着剤6のシール溝48の長手方向における間隔とは不均等となることを許容する。
接着剤6は、シール溝48の全長に亘って一連に設けてもよい。この場合、シール溝48の全長に亘ってシール部材5を固定できるため、シール部材5のシール溝48からの脱落防止に特に効果的である。その上、接着剤6がシール溝48の全長に亘って設けられていることで、シール溝48の全長に亘って接着剤6でも電解液をシールできるため、電解液のシール性を高められる。
ここでは、接着剤6の形成箇所は、長直線部48L、短直線部48S、及び湾曲部48Cの全ての箇所としている。隣り合う接着剤6のシール溝48の長手方向における間隔は、各部48C,48L,48Sのそれぞれにおいて等間隔としている。
[その他]
給液側片41には、給液マニホールド44と双極板3との間を渡して給液マニホールド44から双極板3へ電解液を導く給液ガイド溝46が形成されている(図1)。同様に、排液側片42には、排液マニホールド45と双極板3との間を渡して双極板3から排液マニホールド45へ電解液を導く排液ガイド溝47が形成されている。これら両ガイド溝46,47は、上記積層体を構築する際、プラスチック製の保護板(図示略)により覆われる。それにより、電解液が両ガイド溝46,47から漏れることなく各マニホールド44、45と双極板3との間で電解液を流通させられる。
他面側(図1紙面裏側)に電解液を給排する給液マニホールド44、及び排液マニホールド45における外周には、シール部材(図示略)が嵌め込まれるマニホールドシール溝44a、45a(図1)が形成されていることが好ましい。このマニホールドシール溝44a、45aに嵌め込まれるシール部材は、シール部材5をシール溝48に固定する上述の接着剤6と同様の接着剤(図示略)でマニホールドシール溝44a、45aに固定することが好ましい。そうすれば、各マニホールド44,45からの電解液の漏洩を抑制できる。
〔作用効果〕
実施形態1のRF電池によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)電解液のシール構造を構築し易い。接着剤6によりシール部材5をシール溝48に固定できるため、柔らかくて長い紐状で形状の定まり難いOリングなどをシール部材5に用いても、シール溝48に嵌め込んだシール部材5のシール溝48からの脱落を抑制し易いからである。
(2)電解液のシール性に優れる。硬化後の接着剤はタイプAデュロメータ硬さが100以下であり柔らかいため、硬化前の接着剤は流動性に富む。そのため、硬化前の接着剤6は、接着剤6をシール溝48に塗布してその硬化前にシール部材5を接触させた際、シール溝48内とシール部材5との間に隙間が生じないように流動し易い。それにより、接着剤6とシール部材5との接触に伴って接着剤6内に枠体4内側から枠体4外側へ連通する隙間が形成されることを抑制し易い。従って、電解液がその隙間から枠体4外へ漏洩することを抑制できる。硬化後の接着剤6は、タイプAデュロメータ硬さが100以下であり柔らかい。そのため、接着剤6を硬化してシール溝48にシール部材5を固定した後にセルフレーム2を積層した際、シール部材5が隣接するセルフレーム又は隣接するセルフレームに設けられたシール部材に圧縮されて変形しても、硬化後の接着剤6は、シール部材5の変形に追従して変形させられる。それにより、シール部材5の変形に伴う接着剤6の損傷を抑制し易く、シール部材5の接着剤6からの剥離や接着剤6のシール溝48からの剥離を抑制し易い。従って、シール部材5のシール溝48からの脱落を抑制し易いため、電解液の枠体4外への漏洩を抑制できる。このように、接着剤6の損傷を抑制できることで、接着剤6は電解液をシールする機能を有することができるため、電解液のシール性を高め易い。
《試験例1》
図3に示す液体漏洩試験用治具300を用いて、シール部材5をシール溝48に固定する接着剤6の有無による水の漏洩量の違いを調べた。液体漏洩試験用治具300は、便宜上、水の漏洩量の違いがわかりやすいように、一般的なRF電池のセルスタック200(図5参照)に比べて水を漏洩し易くしている。
〔試料No.1−1〕
[液体漏洩試験用治具]
試料No.1の液体漏洩試験用治具300は、1枚のセルフレーム相当部材310と、1枚の給排板相当部材320と、1つのシール部材5(図3右の断面図)と、接着剤6とを備える。試料No.1の液体漏洩試験用治具300は、接着剤6でシール部材5をセルフレーム相当部材310のシール溝48に固定し、セルフレーム相当部材310に給排板相当部材320を積層して構成した。
(セルフレーム相当部材)
セルフレーム相当部材310は、実施形態1で説明したセルフレーム2を模擬した部材であり、ここでは透明な矩形状の平板で構成している。セルフレーム相当部材310の給排板相当部材320との対向面の中央には、矩形状の凹部311が形成され、その凹部311の外周には、セルフレーム相当部材310の外形に沿って凹部311の周囲を囲む一重の環状のシール溝48が形成されている。このシール溝48には、シール部材5が嵌め込まれる。
(給排板相当部材)
給排板相当部材320は、RF電池において電池セル100と各極電解液タンク106,107(図4参照)との間で各極電解液を給排する給排板201(図5参照)を模擬した部材であり、ここでは透明な矩形状の平板で構成している。給排板相当部材320のサイズは、セルフレーム相当部材310と同一としている。給排板相当部材320は、セルフレーム相当部材310の凹部311への水の供給と凹部311からの水の排出と行う。給排板相当部材320のセルフレーム相当部材310の凹部311に対応する箇所には、その表裏に貫通して凹部311に水を供給する供給孔321、及び凹部311に供給された水を排出する排出孔323が形成されている。給排板相当部材320のセルフレーム相当部材310との反対側面には、供給孔321及び排出孔323に取り付けられる供給パイプ322、及び排出パイプ324が設けられている。水は、供給パイプ322から供給孔321を介して凹部311に供給され、凹部311に供給された水は、排出孔323から排出パイプ324を介して液体漏洩試験用治具300の外部に排出される。
(シール部材)
シール部材5は、シール溝48に嵌め込まれて、セルフレーム相当部材310と給排板相当部材320との界面から液体漏洩試験用治具300の外部への水の漏洩を抑制する。ここでは、シール部材5には、タイプAデュロメータ硬さが70のOリングを用いた。
(接着剤)
接着剤6は、シール部材5をシール溝48に固定する。ここでは、接着剤6には、タイプAデュロメータ硬さが60のシリコーン系接着剤(信越化学工業株式会社製 シリコーンシーラント KE−40RTV)を用いた。シール溝48における接着剤6の占積率{(Vb/Vg)×100}は、{(1−Vs/Vg)×50}%とした。
〔試料No.1−100〕
試料No.1−100の液体漏洩試験用治具300は、シール部材5をシール溝48に固定する接着剤を用いない点を除き、その他の点は試料No.1−1と同じとした。即ち、試料No.1−100の液体漏洩試験用治具300のシール部材5はシール溝48に嵌めただけである。
〔液体漏洩試験〕
各試料の液体漏洩試験用治具300における水の漏洩量の違いは、次のようにして評価した。供給パイプ322から供給孔321を介して凹部311に水を供給し、凹部311に供給された水を排出孔323から排出パイプ324を介して液体漏洩試験用治具300の外部に排出した。このとき、セルフレーム相当部材310と給排板相当部材320との界面から液体漏洩試験用治具300の外部へ漏洩した量を測定した。
試料No.1−1の液体漏洩試験用治具300における水の漏洩量は、試料No.1−100の液体漏洩試験用治具300よりも少なかった。従って、硬化後の硬度が柔らかい接着剤6によりシール部材5をシール溝48に固定することで、接着剤6を用いない場合に比較して水のシール性が向上することが分かる。
《試験例2》
図1,2を参照して説明したセルフレーム2を用いて、図5を参照して説明したセルスタック200と同様のセルスタックを組み立て、電解液を流通して充放電させた後、セルスタックを解体してシール部材5のシール溝48への固定状態を確認した。
セルスタックは、複数のセルフレーム2を積層して組み立てた。ここでは、セルの数は5つとした。複数のセルフレーム2の積層は、各セルフレーム2において、シール溝48に接着剤6を塗布してシール溝48にシール部材5を嵌め込み、接着剤6を硬化させてシール部材5をシール溝48に固定させてから行った。シール部材5と接着剤6とには試験例1の試料No.1−1と同じものを用い、接着剤6の占積率は試験例1の試料No.1−1と同じとした。
充放電後にセルスタックを解体してセルフレーム2のシール溝48を目視にて確認した。シール部材5は、シール溝48から脱落しておらず、接着剤6によりしっかり固定されていた。従って、硬化後の硬度が柔らかい接着剤6によりシール部材5をシール溝48に固定することで、シール部材5のシール溝48からの脱落を抑制できることが分かる。
本発明の一態様に係るレドックスフロー電池は、太陽光発電、風力発電などの新エネルギーの発電に対して、発電出力の変動の安定化、発電電力の余剰時の蓄電、負荷平準化などを目的とした用途に好適に利用することができる。また、本発明の一態様に係るレドックスフロー電池は、一般的な発電所に併設されて、瞬低・停電対策や負荷平準化を目的とした大容量の蓄電池としても好適に利用することができる。
1 レドックスフロー(RF)電池
2 セルフレーム
3 双極板
4 枠体
41 給液側片 42 排液側片 43 連結片
44 給液マニホールド 45 排液マニホールド
44a、45a マニホールドシール溝
46 給液ガイド溝 47 排液ガイド溝
48 シール溝
48L 長直線部 48S 短直線部 48C 湾曲部
5 シール部材
6 接着剤
100 電池セル
101 隔膜 102 正極セル 103 負極セル
104 正極電極 105 負極電極
106 正極電解液タンク 107 負極電解液タンク
108、109 供給導管 110、111 排出導管
112、113 ポンプ
120 セルフレーム
121 双極板
122 枠体
131、132 給液マニホールド
133、134 排液マニホールド
135、136 給液ガイド溝 137、138 排液ガイド溝
140 シール部材
200 セルスタック
201 給排板
210、220 エンドプレート
300 液体漏洩試験用治具
310 セルフレーム相当部材
311 凹部
320 給排板相当部材
321 供給孔 322 供給パイプ
323 排出孔 324 排出パイプ

Claims (4)

  1. 電池セルを構成する電極と接する双極板、及び前記双極板の周縁を囲むと共に、シール溝が形成された枠体を有するセルフレームと、前記シール溝に配置されて、前記電池セルへ供給する電解液の前記枠体外への漏洩を防止するシール部材とを備えるレドックスフロー電池であって、
    前記シール部材を前記シール溝に固定する接着剤を備え、
    前記接着剤の硬化後のタイプAデュロメータ硬さが100以下であるレドックスフロー電池。
  2. 前記接着剤の硬化後のタイプAデュロメータ硬さが、前記シール部材のタイプAデュロメータ硬さ以下である請求項1に記載のレドックスフロー電池。
  3. 前記接着剤の材質は、シリコーン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、塩化ビニル系接着剤、及びラテックス系接着剤の中から選択される1種以上の材質である請求項1又は請求項2に記載のレドックスフロー電池。
  4. 前記シール溝の体積をVg(mm)、前記シール部材の体積をVs(mm)、前記接着剤の体積をVb(mm)とするとき、
    前記シール溝における前記接着剤の占積率{(Vb/Vg)×100}は、{(1−Vs/Vg)×50}%以上{(1−Vs/Vg)×100}%以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレドックスフロー電池。
JP2016038080A 2016-02-29 2016-02-29 レドックスフロー電池 Pending JP2017157340A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016038080A JP2017157340A (ja) 2016-02-29 2016-02-29 レドックスフロー電池
CN201780013838.6A CN108701852B (zh) 2016-02-29 2017-01-25 氧化还原液流电池
PCT/JP2017/002430 WO2017150011A1 (ja) 2016-02-29 2017-01-25 レドックスフロー電池
US16/080,699 US10749202B2 (en) 2016-02-29 2017-01-25 Redox flow battery
EP17759483.5A EP3425714B1 (en) 2016-02-29 2017-01-25 Redox flow battery
TW106104291A TWI698043B (zh) 2016-02-29 2017-02-09 氧化還原液流電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016038080A JP2017157340A (ja) 2016-02-29 2016-02-29 レドックスフロー電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017157340A true JP2017157340A (ja) 2017-09-07

Family

ID=59742740

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016038080A Pending JP2017157340A (ja) 2016-02-29 2016-02-29 レドックスフロー電池

Country Status (6)

Country Link
US (1) US10749202B2 (ja)
EP (1) EP3425714B1 (ja)
JP (1) JP2017157340A (ja)
CN (1) CN108701852B (ja)
TW (1) TWI698043B (ja)
WO (1) WO2017150011A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108400366B (zh) * 2018-03-09 2024-02-20 上海电气(安徽)储能科技有限公司 密封结构及包含其的液流电池
CN112310433B (zh) * 2020-11-27 2022-12-23 航天氢能(上海)科技有限公司 一种燃料电池的密封结构及燃料电池电堆的装配方法
DE102021210520A1 (de) * 2021-09-22 2023-03-23 Robert Bosch Gesellschaft mit beschränkter Haftung Verfahren zur Herstellung einer Dichtung, Dichtungsanordnung mit Dichtung, Brennstoffzelle sowie Brennstoffzellenstapel

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2199096C (en) * 1996-03-05 2001-01-23 Soichiro Kawakami Process and apparatus for recovering components of sealed type battery
JP3918265B2 (ja) * 1997-11-21 2007-05-23 トヨタ自動車株式会社 燃料電池の製造方法
JP2000156234A (ja) 1998-11-17 2000-06-06 Nichias Corp 燃料電池用セパレータ構造およびその作成方法
JP3682244B2 (ja) * 2001-06-12 2005-08-10 住友電気工業株式会社 レドックスフロー電池用セルフレーム及びレドックスフロー電池
TW541937U (en) * 2002-07-15 2003-07-11 Jia-Ling Jiang Structure improvement of closet for storing rice
JP4849931B2 (ja) * 2006-03-29 2012-01-11 Nok株式会社 シール構造体
JP2012099368A (ja) * 2010-11-02 2012-05-24 Sumitomo Electric Ind Ltd セルスタック、セルフレーム、レドックスフロー電池、およびセルスタックの製造方法
CN103069630B (zh) * 2011-08-10 2016-04-20 松下知识产权经营株式会社 燃料电池
CN103840180B (zh) 2012-11-23 2016-08-03 中国科学院大连化学物理研究所 一种具有自定位功能的液流电池线密封结构
JP5641528B2 (ja) 2013-03-28 2014-12-17 住友理工株式会社 燃料電池用シール部材およびそれを用いた燃料電池シール体
KR101609907B1 (ko) * 2013-07-11 2016-04-07 오씨아이 주식회사 레독스 흐름 전지 시스템 및 그 제어방법
KR101459927B1 (ko) 2013-07-12 2014-11-07 오씨아이 주식회사 전해액 분배 효율성을 향상시킨 셀 프레임 및 이를 구비하는 레독스 흐름 전지

Also Published As

Publication number Publication date
US10749202B2 (en) 2020-08-18
EP3425714A1 (en) 2019-01-09
CN108701852A (zh) 2018-10-23
EP3425714B1 (en) 2020-01-01
US20190067726A1 (en) 2019-02-28
CN108701852B (zh) 2021-03-12
WO2017150011A1 (ja) 2017-09-08
TWI698043B (zh) 2020-07-01
TW201801388A (zh) 2018-01-01
EP3425714A4 (en) 2019-05-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10141594B2 (en) Systems and methods for assembling redox flow battery reactor cells
EP3217461A1 (en) Galvanic cell and redox flow cell
WO2017150011A1 (ja) レドックスフロー電池
AU2022200525B2 (en) Electrode structure of flow battery, flow battery stack, and sealing structure for flow battery stack
EP3217459B1 (en) Electrolyte-circulation battery
US10468706B2 (en) Redox flow battery or fuel battery comprising storing and collecting means for preventing leakage of reactant
JP2017027663A (ja) レドックスフロー電池
US20160254551A1 (en) Flow battery and supply/discharge plate of flow battery
CN207542329U (zh) 氧化还原液流电池
CN108604701A (zh) 电池和密封构件
AU2016420289A1 (en) Frame body, cell frame, cell stack, and redox flow battery
JP2004178977A (ja) シール付き燃料電池用セパレータの製造方法およびシール付き燃料電池用セパレータ
KR20130028580A (ko) 연료전지용 스택의 채널 플레이트 조립체 및 그 제조방법
KR101488092B1 (ko) 레독스 흐름 전지용 셀
KR101822246B1 (ko) 연료전지 스택
US20200112044A2 (en) Cell frame and redox flow battery

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180921

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190627

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200203

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200803