以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。実施の形態の説明において、同一又は相当する部分については、その説明を適宜省略又は簡略化する。
実施の形態1.
***構成の説明***
図1を参照して、本実施の形態に係る嗜好推定装置100の構成を説明する。
嗜好推定装置100は、ユーザの嗜好を推定し、推定した嗜好を示す情報を、当該ユーザに対応する嗜好情報180として生成する装置である。ユーザは、各部屋にセンサ210及び機器220が設置された建物内に日常的に居る人であればよいが、本実施の形態では建物の住人とする。建物は、本実施の形態では住宅であり、リビング、キッチンといった共用部屋と、各住人の個人用の部屋とに分かれている。センサ210及び機器220は、建物の各部屋に少なくとも1つずつ設置されており、それぞれがネットワーク300を介して嗜好推定装置100と接続している。
嗜好推定装置100は、コンピュータである。嗜好推定装置100は、プロセッサ101、メモリ102といったハードウェアを備える。プロセッサ101は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、他のハードウェアを制御する。
嗜好推定装置100は、機能要素として、取得部110と、推定部120とを備える。取得部110は、機器情報取得部111と、センサ情報取得部112とを含む。推定部120は、行動特性抽出部121と、ユーザ推定部122と、嗜好推定部123と、嗜好拡張部124と、嗜好更新部125とを含む。取得部110、推定部120といった「部」の機能は、ソフトウェアにより実現される。
プロセッサ101は、プロセッシングを行うIC(Integrated Circuit)である。プロセッサ101は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)である。
メモリ102には、第1レイアウト情報130と、第2レイアウト情報140と、機器情報150と、センサ情報160と、行動特性情報170と、嗜好情報180とが格納される。メモリ102は、具体的には、フラッシュメモリ、又は、RAM(Random Access Memory)である。
図示していないが、嗜好推定装置100は、ハードウェアとして、さらに、通信装置を備えている。
通信装置は、データを受信するレシーバ及びデータを送信するトランスミッタを含む。通信装置は、ネットワーク300と接続されている。通信装置は、ネットワーク300を介して、情報又はデータをセンサ210及び機器220から受信したり、情報又はデータをセンサ210及び機器220に送信したりするために、「部」により利用される。通信装置は、具体的には、通信チップ又はNIC(Network Interface Card)である。
センサ210としては、赤外線センサ等の各種センサが室内に設置されている。機器220としては、家電及び照明等の各種機器が室内に設置されている。ネットワーク300としては、通信ケーブル等を用いた有線通信網、各種無線通信網、又は、これらの組み合わせを利用することができる。
嗜好推定装置100は、ハードウェアとして、さらに、入力装置及びディスプレイを備えていてもよい。
入力装置は、情報又はデータの入力を受けるために、「部」により利用される。入力装置は、具体的には、マウス、キーボード、又は、タッチパネルである。
ディスプレイは、情報又はデータを出力するために、「部」により利用される。ディスプレイは、具体的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。
メモリ102には、「部」の機能を実現するプログラムが記憶されている。このプログラムは、プロセッサ101に読み込まれ、プロセッサ101によって実行される。メモリ102には、OS(Operating System)も記憶されている。プロセッサ101はOSを実行しながら、「部」の機能を実現するプログラムを実行する。
なお、「部」の機能を実現するプログラム及びOSは、補助記憶装置に記憶されていてもよい。補助記憶装置は、具体的には、フラッシュメモリ、又は、HDD(Hard Disk Drive)である。補助記憶装置に記憶されているプログラム及びOSは、メモリ102にロードされ、プロセッサ101によって実行される。
嗜好推定装置100は、1つのプロセッサ101のみを備えていてもよいし、複数のプロセッサ101を備えていてもよい。複数のプロセッサ101が「部」の機能を実現するプログラムを連携して実行してもよい。
「部」の処理の結果を示す情報、データ、信号値、及び、変数値は、メモリ102、補助記憶装置、又は、プロセッサ101内のレジスタ又はキャッシュメモリに記憶される。
「部」の機能を実現するプログラムは、磁気ディスク、光ディスクといった可搬記録媒体に記憶されてもよい。
***動作の説明***
図2から図18を参照して、本実施の形態に係る嗜好推定装置100の動作を説明する。嗜好推定装置100の動作は、本実施の形態に係る嗜好推定方法に相当する。嗜好推定装置100の動作は、本実施の形態に係る嗜好推定プログラムの処理手順に相当する。
主な具体例として、住人A及び住人Bの2人が同じ住宅内に住んでいる状況を考える。各住人の嗜好及び2人が一緒にいる際の嗜好を推定し、生活に合わせて嗜好情報180を逐次更新する嗜好推定装置100の具体的な動作について説明する。
図2に例示するように、第1レイアウト情報130は、機器220に関するレイアウト情報である。具体的には、第1レイアウト情報130は、テレビ、空気調和機といった家電及び照明等の機器220が建物内のどの部屋に設置されているかを示す情報である。本実施の形態では、建物内で各機器220が設置された部屋を示す情報が、各機器220に対応する第1レイアウト情報130として予めメモリ102に格納されている。
具体例として、リビングに設置されているテレビに機器ID(IDentifier)「0110」が割り当てられているとする。その場合、対応する第1レイアウト情報130には、部屋「リビング」、機器ID「0110」、機器名称「テレビ」といった情報が含まれる。
図2に例示するように、第2レイアウト情報140は、センサ210に関するレイアウト情報である。具体的には、第2レイアウト情報140は、人感センサ、温度センサといったセンサ210が建物内のどの部屋に設置されているかを示す情報である。本実施の形態では、建物内で各センサ210が設置された部屋を示す情報が、各センサ210に対応する第2レイアウト情報140として予めメモリ102に格納されている。
嗜好推定装置100では、センサ210が検知型及び定期測定型の2つのタイプに分けて扱われる。人感センサ及びドアの開閉センサのように、人の存在又は人の操作によって状態変化を検知するタイプのセンサ210を検知型と呼ぶことにする。温度センサ及び照度センサのように、人の存在及び人の操作とは関わりなく、物理量を計測するタイプのセンサ210を定期測定型と呼ぶことにする。第2レイアウト情報140では、センサ210を、そのセンサ210が配置されている部屋に関連付けるとともに、そのセンサ210のタイプの情報を管理しておく。
具体例として、リビングに設置されている人感センサにセンサID「0150」が割り当てられているとする。その場合、対応する第2レイアウト情報140には、部屋「リビング」、センサID「0150」、センサ名称「人感センサ」、センサタイプ「検知型」といった情報が含まれる。
図3を参照して、機器情報取得部111の動作を説明する。
住人が機器220の電源をオンにしたり、機器220の設定内容を変更したりすると、機器220の状態が変化する。すなわち、住人が機器220を操作すると、機器220の状態が変化する。
ステップS11において、機器情報取得部111は、住人の操作等により状態が変化した機器220を検知する。
ステップS12において、機器情報取得部111は、ステップS11で検知した機器220に関して、操作内容及び機器220の設定内容等を、日時と関連付けて機器情報150としてメモリ102に格納する。
このように、機器情報取得部111は、家電及び照明等の機器220の状況が変化する度に、新たな機器情報150をメモリ102に追記していく。
具体例として、住人Aが、毎週火曜日の22時から23時の時間帯に、リビングのテレビで美術番組を視聴する習慣があるとする。その時間帯において、住人Bは、住人Aと一緒にテレビを視聴せずに別の部屋で過ごす習慣があるとする。
火曜日の22時付近において、住人Aがリビングでテレビの視聴を始めると、機器情報取得部111は、テレビの電源がオンになったことを検知する。機器情報取得部111は、視聴番組の情報をテレビから取得して、日時と関連付けて機器情報150としてメモリ102に格納する。視聴番組の情報は、EPG(Electronic Program Guide)に含まれている情報等であり、タイトル、ジャンル、出演者等の様々な情報を含む。
同じ時間帯に、住人Bが住人Bの個人用の部屋である個室Bでくつろいでいるとする。このとき、住人Bが個室Bに設置されている空気調和機の電源をオンにすると、機器情報取得部111は、空気調和機の稼働状況を日時と関連付けて機器情報150としてメモリ102に格納する。
図4に例示するように、機器情報150は、機器220に対する操作及び稼働状況等に関する情報である。具体的には、機器情報150は、室内に設置された、空気調和機、テレビといった家電又は照明等の機器220について、機器220を識別する機器ID、機器220に対する操作内容、機器220の稼働状況等を日時と関連付けて示す情報である。機器220に対する操作内容としては、電源のオンオフ、温度の上げ下げ等がある。機器220の稼働状況としては、空気調和機の温度設定、視聴中のテレビ番組等がある。本実施の形態では、複数時点における建物の各部屋に設置された機器220の使用状況を示す情報が機器情報取得部111により取得され、各部屋に対応する機器情報150として機器情報取得部111によりメモリ102に格納される。
火曜日の22時付近の機器情報150としては、火曜日である2015年11月10日及び2015年11月17日において、22時少し前の時刻にテレビの電源をオンにする操作を示す情報が記録されている。具体例として、2015年11月10日21時55分に、リビングに設置されているテレビの電源がオンになったとする。その場合、対応する機器情報150には、日付「2015/11/10」、時刻「21:55」、部屋「リビング」、機器ID「0110」、操作「オン」といった情報が含まれる。機器情報150には、属性1から属性Nの情報も含まれる。属性1から属性Nは、操作された機器220に関する詳細な情報であり、機器220の種類に応じて属性の内容と数とが異なる。空気調和機の場合は、設定温度と、換気、暖房、冷房等の運転モードの変更、温度変更、風量変更、風向変更といった操作内容とが属性となる。テレビの場合は、放送局と、番組名と、大分類、中分類等のジャンルと、出演者と、番組紹介のキーワードとが属性となる。なお、属性は、ここに示したものに限らず、機器220から得られる任意の情報であればよい。
図5を参照して、センサ情報取得部112の動作を説明する。
センサ情報取得部112は、常時、センサ210からの信号を監視しており、人感センサ等の検知型のセンサ210が反応した場合は、直ちに情報を取得する。センサ情報取得部112は、温度センサ等の定期測定型のセンサ210からは、一定の周期で自動的に情報を取得する。
ステップS21において、センサ情報取得部112が検知型のセンサ210から情報を受信していれば、処理はステップS22に進む。センサ情報取得部112が検知型のセンサ210から情報を受信していなければ、処理はステップS23に進む。
ステップS22において、センサ情報取得部112は、ステップS21で受信した情報に基づいて、センサ210の状態を検知し、センサ情報160としてメモリ102に格納する。
ステップS23において、センサ情報取得部112は、定期測定時刻かどうかを判定する。定期測定時刻であれば、処理はステップS24に進む。定期測定時刻でなければ、処理は終了する。
ステップS24において、センサ情報取得部112は、第2レイアウト情報140で定期測定型として登録されたセンサ210から情報を取得する。
ステップS25において、センサ情報取得部112は、ステップS24で取得した情報をセンサ情報160としてメモリ102に格納する。
このように、センサ情報取得部112は、人感センサ及び温度センサ等、室内に設置されたセンサ210の検知状況を示す情報を取得し、センサ情報160としてメモリ102に格納する。情報の取得方法は、センサ210のタイプに応じて異なる。センサ情報取得部112は、検知型のセンサ210からは、センサ210の検知状況が変化した際に情報を取得する。センサ情報取得部112は、定期測定型のセンサ210からは、定期的に情報を取得する。
具体例として、ある部屋で人感センサが人を検知すると、センサ情報取得部112は、その人感センサから情報を取得し、センサ情報160としてメモリ102に格納する。同じ部屋に温度センサが設置されているとすると、センサ情報取得部112は、一定の時間間隔ごとに、その温度センサの計測結果をセンサ情報160としてメモリ102に格納する。
図6に例示するように、センサ情報160は、センサ210の検知状況に関する情報である。具体的には、センサ情報160は、室内に設置されたセンサ210について、センサ210を識別するセンサID、センサ210の検知状態等を日時と関連付けて示す情報である。センサ210の検知状態は、センサ210の種類に応じて異なる。人感センサの場合は、検知状態として、人を検知した状態が「オン」、人を検知していない状態が「オフ」として示される。さらに、検知回数等が示されてもよい。温度センサの場合は、検知状態として、定期的に取得した室温が示される。本実施の形態では、複数時点における各部屋に設置されたセンサ210の検知結果を示す情報がセンサ情報取得部112により取得され、各部屋に対応するセンサ情報160としてセンサ情報取得部112によりメモリ102に格納される。
具体例として、2015年11月10日21時35分に、リビングに設置されている人感センサが人を検知したとする。その場合、対応するセンサ情報160には、日付「2015/11/10」、時刻「21:35」、部屋「リビング」、センサID「0150」、状態「オン」といった情報が含まれる。
なお、検知型のセンサ210から取得された情報と、定期測定型のセンサ210から取得された情報とが1つのファイルにまとめて記録されてもよいし、別々のファイルに分けて記録されてもよい。
以上のように、本実施の形態では、人が機器220を操作したり、センサ210が人を検知したりすると、機器情報取得部111又はセンサ情報取得部112が、状態変化を検知し、日時と関連付けてメモリ102に情報を追記する。
図7を参照して、行動特性抽出部121の動作を説明する。
ステップS31において、行動特性抽出部121は、メモリ102に格納されているセンサ情報160に基づいて、住人が特定の部屋に一定時間以上居続けている曜日及び時間帯を特定する。これにより、行動特性抽出部121は、住人の習慣的な行動特性を抽出する。
住人が部屋に居続けている時間の長さは、その部屋に設置された検知型のセンサ210のオンオフの情報を用いて算出できる。具体的には、行動特性抽出部121は、メモリ102に格納されている第2レイアウト情報140を参照することで、検知型のセンサ210を特定する。行動特性抽出部121は、今まで検知型のセンサ210が反応していなかった部屋において、センサ「オン」を初めて検知した時刻を入室時刻とみなす。行動特性抽出部121は、その後、その部屋に配置されているセンサ210のうち、少なくとも1つがオンである間は人が居続けているとみなし、全てのセンサ210の反応がなくなった場合に退室したとみなすことで、住人がどれくらい居続けていたかを算出する。
行動特性抽出部121は、さらに、算出した在室時間を、「在室時間小」、「在室時間中」、「在室時間大」に分類し、どの程度の時間、住人が在室したかの特徴を抽出する。具体例として、10分未満の場合は「在室時間小」、10分以上30分未満の場合は「在室時間中」、30分以上の場合は「在室時間大」に分類される。
毎週火曜日の22時から23時まで、住人Aがリビングでテレビを視聴する習慣がある場合、火曜日の22時付近の時間帯においてリビングに人が居続ける時間は1時間以上となり、火曜日の22時付近の時間帯の在室時間は「在室時間大」に分類される。
なお、在室時間の分類は、上記のように、小、中、大の3段階に限定されるものではなく、任意の段階でよい。また、どの程度の長さを小、中、大に分類するかは、上記のように、10分未満、10分以上30分未満、30分以上に限定されるものではなく、任意の長さでよい。
上記のように、本実施の形態では、行動特性抽出部121が、メモリ102に格納されている一定期間のセンサ情報160に基づき、部屋と、一定時間以上、住人がその部屋に居続けている時間帯とを特定する。行動特性抽出部121は、さらに、算出した在室時間を曜日及び第何週であるか等の情報を併用して分析することで、習慣となっている行動特性を抽出する。
具体例として、22時から23時の時間帯に在室時間が大となるデータが複数抽出された後、曜日を調べると、毎週火曜日が含まれていることが判明するような場合、火曜日の22時から23時の時間帯にリビングの在室時間が1時間以上であるという行動特性が抽出される。在室時間を小、中、大と分けている場合は、同様にして、在室時間が中程度の行動特性、在室時間が比較的短い行動特性も抽出することができる。
ステップS32において、行動特性抽出部121は、メモリ102に格納されているセンサ情報160に基づいて、ステップS31で特定した曜日及び時間帯と同じ曜日及び時間帯における他の部屋の在室状況を特定する。これにより、行動特性抽出部121は、特徴的な行動が行われている時間帯における宅内全体の行動の様子を行動特性として抽出する。行動特性抽出部121は、抽出した行動特性を示す情報を行動特性情報170としてメモリ102に格納するとともに、嗜好推定部123に渡す。
他の部屋の在室状況は、ステップS31で特定された部屋以外の部屋におけるセンサ210の検知状況から特定できる。
毎週火曜日の22時から23時まで、住人Aがリビングでテレビを視聴する習慣がある場合、行動特性抽出部121は、火曜日の22時付近の時間帯におけるリビング以外の部屋のセンサ検知状況を特定する。図6の例では、2015年11月10日20時12分に個室Bで人感センサ「オン」の記録がある。その後も、個室Bに人が居続けており、22時付近の時間帯以前に個室Bで人感センサ「オフ」の記録されていないとすると、火曜日の22時付近の時間帯における他の部屋の在室状況として、個室Bに住人が在室していることが検出される。他の例として、2015年11月10日とは別の火曜日の21時40分にリビングで人感センサ「オン」が検知され、同じ日の21時50分に和室で人感センサ「オン」が検知されたとすると、火曜日の22時付近の時間帯における他の部屋の在室状況として、和室に住人が在室していることが検出される。このとき、その時間帯において検知型のセンサ210がオンとなっている部屋の総数が、リビングと和室の2部屋といった形で算出される。
ここで、行動特性情報170の例を図8及び図9に示す。図8は、在宅住人数が2人の場合の行動特性情報170の例を示しているが、図9は、在宅住人数が3人の場合の行動特性情報170の例を示している。
図8の表において、1行目の行動特性情報170には、特定の曜日及び時間帯「火曜日22時〜23時」、特定の部屋「リビング(住人不定)」、他の部屋「和室(2,住人不定)」、他の部屋「個室B(2,住人不定)」といった情報が含まれている。この情報は、火曜日の22時から23時の時間帯に、リビングに人が居続けていることが多く、同じ時間帯に、和室で人が検知される場合と、住人Bの個人用の部屋である個室Bで人が検知される場合があることを示している。
「他の部屋」のカッコ内の数字は、「特定の曜日及び時間帯」の時間帯に、検知型のセンサ210がオンになっている部屋の総数を示している。1行目の「和室(2,住人不定)」は、火曜日の22時から23時の時間帯に、リビング以外で検知型センサ「オン」が検知された部屋が和室である時刻において、検知型センサ「オン」が検知された部屋の個数がリビングと和室の合計2部屋であることを示している。これは、その時刻において、リビングと和室以外の部屋での検知型センサ「オン」はなかったということである。リビングと和室のそれぞれに誰がいるのかは、この段階では特定されていないが、在宅住人数が2人であるため、1人がリビング、別の1人が和室に居たという状況が示されている。同じように、1行目の「個室B(2,住人不定)」は、火曜日の22時から23時の時間帯に、リビング以外で検知型センサ「オン」が検知された部屋が個室Bである時刻において、検知型センサ「オン」が検知された部屋の個数がリビングと個室Bの合計2部屋であることを示している。これは、その時刻において、リビングと個室B以外の部屋での検知型センサ「オン」はなかったということである。リビングと個室Bのそれぞれに誰がいるのかは、この段階では特定されていないが、在宅住人数が2人であるため、1人がリビング、別の1人が個室Bに居たという状況が示されている。
1行目の行動特性情報170では、火曜日の22時から23時の時間帯に、リビングに人が居続けていることが示されているが、同じ時間帯に、和室に人が居続けていること、或いは、個室Bに人が居続けていることが示されているわけではない。その時間帯のうち、22時から22時30分まではリビングと和室で人が検知され、22時30分から23時まではリビングと個室Bで人が検知される、といったように、「特定の曜日及び時間帯」の時間帯において、「特定の部屋」の部屋以外にセンサ「オン」が検知された部屋があれば、その部屋が「他の部屋」となる。
図8の表において、2行目の行動特性情報170には、特定の曜日及び時間帯「月曜日19時〜21時」、特定の部屋「リビング(住人不定)」、他の部屋「和室(2,住人不定)」、他の部屋「洗面所(2,住人不定)」、他の部屋「キッチン(2,住人不定)」といった情報が含まれている。この情報は、月曜日の19時から21時の時間帯に、リビングに人が居続けていることが多く、同じ時間帯に、和室で人が検知される場合と、洗面室で人が検知される場合と、キッチンで人が検知される場合があることを示している。
図9の表において、1行目の行動特性情報170には、特定の曜日及び時間帯「日曜日11時〜12時」、特定の部屋「リビング(住人不定)」、他の部屋「和室(2,住人不定)」といった情報が含まれている。この情報は、日曜日の11時から12時の時間帯に、リビングに人が居続けていることが多く、同じ時間帯に、和室で人が検知される場合があることを示している。
前述したように、「他の部屋」のカッコ内の数字は、「特定の曜日及び時間帯」の時間帯に、検知型のセンサ210がオンになっている部屋の総数を示している。1行目の「和室(2,住人不定)」は、日曜日の11時から12時の時間帯に、リビング以外で検知型センサ「オン」が検知された部屋が和室である時刻において、検知型センサ「オン」が検知された部屋の個数がリビングと和室の合計2部屋であることを示している。リビングと和室のそれぞれに誰がいるのかは、この段階では特定されていないが、在宅住人数が3人であるため、3人のうち2人が同じ部屋に一緒に居て、少なくとも1人がリビング、別の少なくとも1人が和室に居たという状況が示されている。
図10を参照して、ユーザ推定部122及び嗜好推定部123の動作を説明する。
ステップS41において、繰り返し回数のカウントが開始する。
ステップS42において、ユーザ推定部122は、行動特性抽出部121で抽出された行動特性の中から住人が特定されていない行動特性を1つ選択し、その行動特性について住人を推定する。嗜好推定部123は、ユーザ推定部122により推定された住人の嗜好を推定する。ステップS42における詳細な動作は後述する。
ステップS43において、行動特性抽出部121で抽出された全ての行動特性についてステップS42の処理が実行されたかどうかが判定される。まだステップS42の処理が実行されていない行動特性がある場合、処理はステップS42に戻り、行動特性抽出部121で抽出された行動特性全てについてステップS42の処理が終了するまで、処理が繰り返される。
行動特性抽出部121で抽出された行動特性全てについてステップS43の処理が終了すると、ステップS44において、繰り返し回数がカウントアップされる。
ステップS45において、カウントアップされた後の値が、事前に決められた繰り返し回数の上限値を超えた場合は、行動特性に関する住人推定及び嗜好推定の処理が終了する。上限値に達していない場合、処理はステップS42に戻り、再び、全ての行動特性について住人が推定され、その住人の嗜好が推定される。
図11を参照して、ステップS42における詳細な動作を説明する。
ステップS51において、ユーザ推定部122は、行動特性抽出部121で抽出された行動特性の中から住人が特定されていない行動特性を1つ選択し、その行動特性において一定時間以上、住人が居続ける部屋T1を特定する。具体例として、ユーザ推定部122が、図8の表における1行目の行動特性情報170で示される行動特性を選択したとする。その場合、部屋T1はリビングとなる。
ステップS52において、ユーザ推定部122は、部屋T1が共用部屋かどうかを判定する。共用部屋とは、個人用の部屋以外の部屋であり、リビング及びキッチン等、住人全員が共用する部屋のことである。図示していないが、メモリ102には、部屋ごとに、部屋が共用部屋かどうかを示すとともに、部屋が個人用の部屋であれば、部屋の所有者を示す属性情報が予め格納されており、ユーザ推定部122は、この属性情報を参照することで、部屋T1が共用部屋かどうかを判定することができる。部屋T1が共有部屋でない場合、つまり、部屋T1が個人用の部屋の場合、処理はステップS53に進む。部屋T1が共有部屋である場合、処理はステップS54に進む。
ステップS53において、ユーザ推定部122は、個人用の部屋である部屋T1に居た住人を、部屋T1の所有者と推定する。具体例として、部屋T1が住人Aの個人用の部屋であったとすると、ユーザ推定部122は、部屋T1に居た住人が住人Aであることを検出する。嗜好推定部123は、ユーザ推定部122により推定された住人の嗜好を推定する。具体的には、嗜好推定部123は、ステップS51で選択された行動特性と同じ時間帯における部屋T1の機器情報150を取得し、機器情報150で示された操作内容及び機器220の設定内容等から、嗜好を推定する。そして、嗜好推定部123は、推定した嗜好を、ユーザ推定部122により推定された住人と関連付けて嗜好情報180としてメモリ102に格納する。具体例として、ユーザ推定部122が、部屋T1に居た住人を住人Aと推定し、該当する時間帯の機器情報150の全て又はほとんどにおいて、部屋T1のテレビの電源がオンになっていたとする。その場合、嗜好推定部123は、その機器情報150に含まれる番組情報から、住人Aの嗜好を推定し、住人Aと関連付けて嗜好情報180としてメモリ102に格納する。具体例として、番組情報から、美術番組が視聴されていることがわかる場合には、住人Aが美術に関心があることを示す嗜好情報180が生成される。ステップS53の後、処理は終了する。
ステップS54において、ユーザ推定部122は、ステップS51で選択した行動特性において他の部屋で在室検知された部屋の中に、個人用の部屋T2が含まれるかどうかを判定する。この判定は、ステップS52で部屋T1が共用部屋かどうかを判定する際に参照されたのと同じ属性情報を参照することで行われる。個人用の部屋T2が含まれていない場合、処理はステップS55に進む。個人用の部屋T2が含まれている場合、処理はステップS56に進む。
ステップS55において、嗜好推定部123は、共用部屋である部屋T1に居た住人の嗜好を推定する。ユーザ推定部122は、嗜好推定部123により推定された嗜好と既知の嗜好とを比較し、比較結果に基づいて、部屋T1に居た住人を推定する。ステップS55の後、処理は終了する。ステップS55における詳細な動作は後述する。
ステップS56において、ユーザ推定部122は、共用部屋である部屋T1に居た住人を、個人用の部屋T2に居た住人以外の住人と推定する。具体例として、ステップS51で、ユーザ推定部122が、図8の表における1行目の行動特性情報170で示される行動特性を選択していたとする。その場合、部屋T1はリビングとなり、リビングは共用部屋であるから、処理はステップS54に進む。ステップS54では、部屋T2として、個室Bが含まれることが検出される。このため、ステップS56では、ユーザ推定部122が、部屋T2に居た住人が住人Bであることを検出し、部屋T1に居た住人が住人B以外の住人であること、すなわち、住人Aであることを検出する。嗜好推定部123は、ユーザ推定部122により推定された住人の嗜好を推定する。具体的には、嗜好推定部123は、ステップS51で選択された行動特性と同じ時間帯における部屋T1の機器情報150を取得し、機器情報150で示された操作内容及び機器220の設定内容等から、嗜好を推定する。そして、嗜好推定部123は、推定した嗜好を、ユーザ推定部122により推定された住人と関連付けて嗜好情報180としてメモリ102に格納する。具体例として、ユーザ推定部122が、部屋T1に居た住人を住人Aと推定し、該当する時間帯の機器情報150の全て又はほとんどにおいて、部屋T1のテレビの電源がオンになっていたとする。その場合、嗜好推定部123は、その機器情報150に含まれる番組情報から、住人Aの嗜好を推定し、住人Aと関連付けて嗜好情報180としてメモリ102に格納する。具体例として、番組情報から、美術番組が視聴されていることがわかる場合には、住人Aが美術に関心があることを示す嗜好情報180が生成される。なお、ユーザ推定部122が、部屋T1に居た住人を複数の住人と推定した場合は、嗜好推定部123は、推定した嗜好を、それら複数の住人の組み合わせと関連付けて嗜好情報180としてメモリ102に格納する。
図12を参照して、ステップS55における詳細な動作を説明する。
ステップS61において、嗜好推定部123は、ステップS51で選択された行動特性と同じ時間帯における部屋T1の機器情報150を取得し、機器情報150で示された操作内容及び機器220の設定内容等から、嗜好を推定する。
ステップS62において、ユーザ推定部122は、ステップS61で推定された嗜好が既知の嗜好と一致する住人U1がいるかどうかを判定する。該当する住人U1がいる場合、処理はステップS63に進む。該当する住人U1がいない場合、処理はステップS64に進む。
ステップS63において、ユーザ推定部122は、共用部屋である部屋T1に居た住人を住人U1と推定する。嗜好推定部123は、ステップS61で推定した嗜好を、住人U1と関連付けて嗜好情報180としてメモリ102に格納する。ただし、ステップS61で推定した嗜好が既知の嗜好と同じものしかなければ、新たな嗜好情報180を生成する必要はない。具体例として、住人Aが美術に関心があることを住人Aの既知の嗜好として示す嗜好情報180が既にメモリ102に格納されていたとする。そして、ステップS61で、テレビ番組の視聴に関する機器情報150から、部屋T1に居た住人が美術に関心があることが推定され、空気調和機の稼働に関する機器情報150から、部屋T1に居た住人が好む室温が推定されていたとする。この場合、ステップS62では、部屋T1に居た住人が住人Aであることが検出される。そして、ステップS63では、住人Aが好む室温を示す嗜好情報180が新たにメモリ102に格納される。なお、ユーザ推定部122が、部屋T1に居た住人を複数の住人と推定した場合は、嗜好推定部123は、ステップS61で推定した嗜好を、それら複数の住人の組み合わせと関連付けて嗜好情報180としてメモリ102に格納する。ステップS63の後、処理は終了する。
ステップS64において、嗜好推定部123は、ステップS51で選択された行動特性と同じ時間帯における部屋T1以外の部屋の機器情報150を取得し、機器情報150で示された操作内容及び機器220の設定内容等から、嗜好を推定する。
ステップS65において、ユーザ推定部122は、ステップS64で推定された嗜好が既知の嗜好と一致する住人U2がいるかどうかを判定する。該当する住人U2がいる場合、処理はステップS66に進む。該当する住人U2がいない場合、処理は終了する。
ステップS66において、ユーザ推定部122は、共用部屋である部屋T1に居た住人を住人U2以外の住人と推定する。嗜好推定部123は、ステップS61で推定した嗜好を、住人U2以外の住人と関連付けて嗜好情報180としてメモリ102に格納する。ステップS63と同じように、ステップS61で推定した嗜好が既知の嗜好と同じものしかなければ、新たな嗜好情報180を生成する必要はない。
本実施の形態では、行動特性抽出部121で抽出された各行動特性について住人を推定していく際に、ステップS55において既知の嗜好が少ない場合は、住人が推定されないまま処理が終了する場合がある。しかし、嗜好情報180が蓄積されていくほど、以前の処理では推定できなかった住人が推定できるようになる。このため、図10に示すように、全ての行動特性について処理を実行した後、繰り返し回数の上限値となるまで繰り返し処理を行うことで、より多くの行動特性について住人を推定でき、その分、より多くの嗜好情報180を蓄積することができる。
既知の嗜好がない状態では住人を推定できないが、繰り返し処理を行うことで、後の行動特性に基づく嗜好推定により、住人推定と嗜好推定が可能となる例を、以下に示す。
図8の表とは1行目と2行目の順序が逆である、行動特性情報170の例を図13に示す。
図11のフローにおいて、ステップS51では、行動特性として図13の表の1行目が選択されるため、部屋T1はリビングとなる。ステップS52では、部屋T1が共用部屋であるため、処理はステップS54に移行する。ステップS54では、同じ時間帯に、他の部屋で在室が検知された部屋は、和室、洗面所及びキッチンと判定される。いずれも共用部屋であり、個人用の部屋は含まれないため、処理はステップS55に移行する。ステップS55では、既知の嗜好がないため、リビングに居た住人が推定できないまま、図13の表の1行目に関する処理が終了する。
次に、図10のフローにおいて、ステップS43では、全ての行動特性について処理が実行されていないと判定される。その結果、処理はステップS42に戻る。
図11のフローにおいて、ステップS51では、次の行動特性として図13の表の2行目が選択されるため、部屋T1はリビングとなる。ステップS52では、部屋T1が共用部屋であるため、処理はステップS54に移行する。ステップS54では、同じ時間帯に、他の部屋で在室が検知された部屋は、和室及び個室Bと判定される。個人用の部屋が含まれるため、処理はステップS56に移行する。ステップS56では、リビングに居た住人が、個室Bの所有者である住人B以外の住人、すなわち、住人Aと推定される。このとき、機器情報150として、火曜日の22時から23時にリビングのテレビで美術番組を視聴していることを示す情報が取得され、住人Aの嗜好として、美術に関心があるという嗜好情報180が生成される。
行動特性抽出部121で抽出された行動特性が図13に示す2つだけであった場合、図10のフローにおいて、ステップS43では、全ての行動特性について処理が実行されたと判定される。ステップS44では、繰り返し回数が上限値に達していないため、処理はステップS42に戻る。
図11のフローにおいて、ステップS51では、住人がまだ特定されていない行動特性として図13の表の1行目が再度選択されるため、部屋T1はリビングとなる。ステップS52では、部屋T1が共用部屋であるため、処理はステップS54に移行する。ステップS54では、同じ時間帯に、他の部屋で在室が検知された部屋は、和室、洗面所及びキッチンと判定される。いずれも共用部屋であり、個人用の部屋は含まれないため、処理はステップS55に移行する。ステップS55では、メモリ102に格納された、美術に関心があるという嗜好情報180が使用可能である。
月曜日の19時から21時の時間帯において、和室のテレビで美術番組が視聴されているとする。また、リビングのテレビでは、音楽番組が視聴されているとする。
図12のフローにおいて、ステップS61では、リビングである部屋T1の機器情報150から、音楽に関心があるという嗜好が推定される。ステップS62では、音楽に関心があるという嗜好が既知の嗜好と一致する住人がいないため、処理はステップS64に移行する。ステップS64では、処理対象の時間帯において、リビングである部屋T1以外の部屋で在室が検知された部屋は、和室、洗面所及びキッチンとなる。和室では美術番組が視聴されているため、美術に関心があるという嗜好が推定される。ステップS65では、推定された嗜好が既知の嗜好と一致する住人に、住人Aが該当するため、処理はステップS66に移行する。ステップS66では、リビングに居た住人が、住人A以外の住人、すなわち、住人Bと推定される。そして、住人Bの嗜好として、音楽に関心があるという嗜好情報180が生成される。
上記のように、本実施の形態では、一通り行動特性抽出部121で抽出された行動特性について処理が終わった後、繰り返し回数の上限に達するまで、特定の時間帯における特定の部屋に居る住人が推定されていない行動特性について住人推定及び嗜好推定が繰り返し試される。これにより、行動特性について住人が推定できる割合を高めることができる。図示していないが、ユーザ推定部122は、行動特性について住人が推定できた場合は、行動特性抽出部121によりメモリ102に格納された行動特性情報170に、推定した住人の情報を付加し、行動特性情報170を更新する。その際、ユーザ推定部122は、行動特性情報170に含まれる日付及び時刻の情報も更新しておく。
同じ部屋に複数人が居る場合の嗜好推定の動作例を以下に示す。
住人Aと住人Bが在宅の場合に各人の嗜好が推定される処理の流れについては、既に示したとおりであるが、以下では、図9の例を用いて、同じ住宅において住人Cも在宅の場合に複数人の組み合わせの嗜好が推定される処理の流れについて説明する。
図11のフローにおいて、ステップS51では、行動特性として図9の表の1行目が選択されるため、部屋T1はリビングとなる。ステップS52では、部屋T1が共用部屋であるため、処理はステップS54に移行する。ステップS54では、同じ時間帯に、他の部屋で在室が検知された部屋は、和室と判定される。和室は共用部屋であるため、処理はステップS55に移行する。ステップS55では、前述した、住人Bが音楽に関心があるという嗜好情報180が使用可能であるとする。
日曜日の11時から12時の時間帯において、和室のテレビで音楽番組が視聴されているとする。また、リビングのテレビでは、旅番組が視聴されているとする。
図12のフローにおいて、ステップS61では、リビングである部屋T1の機器情報150から、旅に関心があるという嗜好が推定される。ステップS62では、旅に関心があるという嗜好が既知の嗜好と一致する住人がいないため、処理はステップS64に移行する。ステップS64では、処理対象の時間帯において、リビングである部屋T1以外の部屋で在室が検知された部屋は、和室となる。和室では音楽番組が視聴されているため、音楽に関心があるという嗜好が推定される。ステップS65では、推定された嗜好が既知の嗜好と一致する住人に、住人Bが該当するため、処理はステップS66に移行する。ステップS66では、リビングに居た住人が、住人B以外の住人、すなわち、住人Aと住人Cと推定される。そして、住人Aと住人Cとの組み合わせの嗜好として、旅に関心があるという嗜好情報180が生成される。このように、本実施の形態では、複数の住人が一緒に居るときの嗜好が推定された場合には、それらの住人の組み合わせに関連付けて嗜好が記録される。
ここで、嗜好情報180の例を図14及び図15に示す。
嗜好情報180には、住人、嗜好項目、嗜好分類、確度、最新更新日、最新更新時刻といった情報が含まれる。
「嗜好項目」は、前述した動作によって推定された、何に関心があるかという情報である。
「嗜好分類」は、関心の有無、すなわち、好き嫌いを示す情報である。本実施の形態では、後述するように、住人が好まないことも推定して記録できる。
「確度」は、嗜好の確度を示す情報である。図11及び図12のフローにおいて、ステップS53、ステップS56、ステップS61、ステップS63、ステップS64及びステップS66の処理、すなわち、嗜好を推定する処理では、推定された嗜好が既知の嗜好であるかが判定される。推定された嗜好を示す嗜好情報180がまだメモリ102に格納されていない場合、新たに生成された嗜好情報180が生成され、メモリ102に格納される。この嗜好情報180には、嗜好が推定された日時が「最新更新日」及び「最新更新時刻」として含まれる。推定された嗜好を示す嗜好情報180が既にメモリ102に格納されている場合、その嗜好情報180の「最新更新日」及び「最新更新時刻」が最新の更新日時に更新されるとともに、前回の更新日時との時間差が算出される。嗜好推定部123は、時間差を数段階の比較値と比較し、時間差の度合いに応じて、「確度」を高、中、低のいずれかに設定する。つまり、嗜好情報180が頻繁に更新される場合は確度が「高」になり、更新頻度が少ない場合は、更新頻度に応じて、確度が「中」或いは「低」となる。
図14の例において、美術は住人Aの1人の行動に伴って推定された嗜好である。旅は住人Aと住人Cとの共通かつ同時の行動に伴って推定された嗜好であるため、住人Aの個人の嗜好とは区別されて記録される。図15の例では、その後に抽出された行動特性から、美術は住人Aが1人で居るときの嗜好だけでなく、住人Aが住人Bと一緒に居るときの嗜好でもあることが判明し、その結果が嗜好情報180に反映されている。
以上のように、本実施の形態では、各人の嗜好のほかに、他の人との組み合わせに応じた嗜好が推定され、嗜好情報180としてメモリ102に蓄積される。嗜好推定部123により推定された、ある住人の嗜好が、既にその住人の嗜好として登録されている場合は、嗜好を推定した日時が更新される。
本実施の形態において、ある組み合わせの2人以上のユーザが、決まった時間帯に同じ部屋に一緒に居続けることが検出されたとする。その場合、推定部120は、メモリ102に格納された当該部屋に対応する機器情報150が示す、当該時間帯における機器220の使用状況から、当該2人以上のユーザが一緒に居るときの嗜好を推定する。そして、推定部120は、推定した嗜好を示す情報を、当該2人以上のユーザの組み合わせに対応する嗜好情報180として生成する。前述した1つの例では、住人A及び住人Cが、毎週日曜日の11時から12時の時間帯にリビングに一緒に居続けることが検出される。推定部120は、メモリ102に格納されたリビングに対応する機器情報150が示す、当該時間帯におけるテレビの使用状況から、住人A及び住人Cが一緒に居るときの嗜好として、旅に関心があるという嗜好を推定する。そして、推定部120は、旅に関心があるということを示す情報を、住人A及び住人Cの組み合わせに対応する嗜好情報180として生成する。
本実施の形態において、不特定の2人以上のユーザが、決まった時間帯に同じ部屋に一緒に居続けることが検出されたとする。その場合、推定部120は、メモリ102に格納された当該部屋とは別の部屋に対応するセンサ情報160が示す、当該時間帯におけるセンサ210の検知結果から、どのユーザが、当該時間帯に当該別の部屋に居るかを特定し、残りのユーザが上記組み合わせの2人以上のユーザであることを検出する。具体例として、2人の住人が、毎週日曜日の11時から12時の時間帯にリビングに一緒に居続けることが検出されたとする。推定部120は、メモリ102に格納された和室に対応するセンサ情報160が示す、当該時間帯における人感センサの検知結果から、住人Bが、当該時間帯に和室に居ることを特定できた場合は、残りの住人である住人A及び住人Cが上記組み合わせの2人の住人であることを検出する。
本実施の形態において、不特定の2人以上のユーザが、決まった時間帯に同じ共用部屋に一緒に居続けることが検出されたとする。その場合、推定部120は、メモリ102に格納された各ユーザ専用の部屋に対応するセンサ情報160が示す、当該時間帯におけるセンサ210の検知結果から、どのユーザが、当該時間帯に自分専用の部屋に居るかを特定し、残りのユーザが上記組み合わせの2人以上のユーザであることを検出する。具体例として、2人の住人が、毎週日曜日の11時から12時の時間帯にリビングに一緒に居続けることが検出されたとする。推定部120は、メモリ102に格納された個室Bに対応するセンサ情報160が示す、当該時間帯における人感センサの検知結果から、住人Bが、当該時間帯に個室Bに居ることを特定できた場合は、残りの住人である住人A及び住人Cが上記組み合わせの2人の住人であることを検出する。
本実施の形態において、不特定の2人以上のユーザが、決まった時間帯に同じ部屋に一緒に居続けることが検出されたとする。その場合、推定部120は、メモリ102に格納された当該部屋とは別の部屋に対応するセンサ情報160が示す、当該時間帯におけるセンサ210の検知結果と、メモリ102に格納された当該別の部屋に対応する機器情報150が示す、当該時間帯における機器220の使用状況と、既に生成した各ユーザに対応する嗜好情報180が示す嗜好とから、どのユーザが、当該時間帯に当該別の部屋に居るかを特定し、残りのユーザが上記組み合わせの2人以上のユーザであることを検出する。具体例として、2人の住人が、毎週日曜日の11時から12時の時間帯にリビングに一緒に居続けることが検出されたとする。推定部120は、メモリ102に格納された和室に対応するセンサ情報160が示す、当該時間帯における人感センサの検知結果と、メモリ102に格納された和室に対応する機器情報150が示す、当該時間帯におけるテレビの使用状況と、既に生成した住人Bに対応する嗜好情報180が示す嗜好とから、住人Bが、当該時間帯に和室に居ることを特定できた場合は、残りの住人である住人A及び住人Cが上記組み合わせの2人の住人であることを検出する。
本実施の形態において、ある1人のユーザが、決まった時間帯に同じ部屋に1人で居続けることが検出されたとする。その場合、推定部120は、メモリ102に格納された当該部屋に対応する機器情報150が示す、当該時間帯における機器220の使用状況から、当該1人のユーザが1人で居るときの嗜好を推定する。そして、推定部120は、推定した嗜好を示す情報を、当該1人のユーザに対応する嗜好情報180として生成する。前述した別の例では、住人Aが、毎週火曜日の22時から23時の時間帯にリビングに1人で居続けることが検出される。推定部120は、メモリ102に格納されたリビングに対応する機器情報150が示す、当該時間帯におけるテレビの使用状況から、住人Aが1人で居るときの嗜好として、美術に関心があるという嗜好を推定する。そして、推定部120は、美術に関心があるということを示す情報を、住人Aに対応する嗜好情報180として生成する。
本実施の形態において、推定部120は、各ユーザに対応する嗜好情報180に、推定した嗜好ごとに、最後に嗜好を推定した日時に応じて異なる確度を示す情報を含める。具体例として、推定部120は、各住人に対応する嗜好情報180に、推定した嗜好ごとに、最後に嗜好を推定した日時が最近であるかどうかに応じて確度「高」、確度「中」、確度「低」のいずれかを示す情報を含める。
図16を参照して、嗜好拡張部124の動作を説明する。
嗜好拡張部124は、ユーザ推定部122により行動特性について住人推定を行った結果を記載した行動特性情報170を受け取ると、各行動特性の時間帯における部屋の状況に基づき、嗜好情報180を拡張する。
嗜好情報180の拡張は、以下の2つの方法による。
(A)機器220が操作されない状態と機器220が操作される状態との境界から、好みの状態を抽出する。
(B)行動特性の時間帯に機器220が操作されていないことから、関心の薄い対象を抽出する。
上記の(A)の例として、嗜好拡張部124は、住人が空気調和機をオンにした時刻における室温を温度センサのログから取得し、その住人の好みの室温を推定する。具体例として、26℃以下では空気調和機「オン」の記録がなく、28℃以上で「オン」の記録がある場合は、好みの室温は27℃までと推定される。同様に、嗜好拡張部124は、住人が照明をオンにした時刻における室内の明るさを照度センサのログから取得し、その住人の好みの明るさを推定する。具体例として、20000ルクス以下の場合に照明点灯操作がある場合、好みの明るさは20000ルクス以上と推定される。
上記の(B)の例として、嗜好拡張部124は、ある部屋に住人が一定時間以上居続けている場合において、テレビが視聴されていない場合は、その時間帯のテレビ番組に対する関心は薄いとみなす。
ステップS71において、嗜好拡張部124は、ユーザ推定部122が特定の時間帯に特定の部屋に居る住人を推定した結果を反映した行動特性情報170をメモリ102から取得する。
ステップS72において、嗜好拡張部124は、ステップS71で取得した行動特性情報170の「特定の曜日及び時間帯」と同じ時間帯における機器操作の受信履歴があるかどうかを、メモリ102に格納されている機器情報150に基づき判定する。受信履歴があれば、処理はステップS73に進む。受信履歴がなければ、処理はステップS74に進む。
ステップS73において、嗜好拡張部124は、ステップS71で取得した行動特性情報170の「特定の曜日及び時間帯」と同じ時間帯における室内状況を、メモリ102に格納されているセンサ情報160から特定し、ステップS71で取得した行動特性情報170に対応する住人の嗜好情報180を拡張する。ステップS73の後、処理は終了する。
ステップS71からステップS73の処理は、上記の(A)の処理に該当する。具体例として、ユーザ推定部122が、ある時間帯にリビングに住人Aが居続けていると推定したとする。その時間帯のある時刻に、リビングで照明をオンにした記録がある場合、嗜好拡張部124は、照明がオンになった時刻以前の照度をメモリ102に格納されているセンサ情報160から特定し、照明がオンになったときの照度以上が好みの照度であるという情報を、住人Aの嗜好情報180に追加する。
ステップS74において、嗜好拡張部124は、ステップS71で取得した行動特性情報170に対応する住人が一定時間以上、在室しているかどうかを判定する。一定時間以上、在室している場合、処理はステップS75に進む。在室していない場合、処理は終了する。
ステップS75において、嗜好拡張部124は、ステップS71で取得した行動特性情報170の「特定の曜日及び時間帯」と同じ時間帯に操作されていない機器220に関する情報に基づき、ステップS71で取得した行動特性情報170に対応する住人の嗜好情報180を拡張する。
ステップS74及びステップS75の処理は、上記の(B)の処理に該当する。具体例として、ユーザ推定部122が、ある時間帯にリビングに住人Aが居続けていると推定したとする。その時間帯に、リビングでテレビが視聴されなかった場合、嗜好拡張部124は、その時間帯のテレビ番組に対する関心が薄いという情報を、住人Aの嗜好情報180に追加する。その時間帯にアニメーション番組が放送されていたとすると、嗜好拡張部124は、図17に例示するように、アニメーションへの関心が薄いという情報を、住人Aの嗜好情報180に追加する。
以上のように、本実施の形態では、必須ではないが、嗜好情報180が拡張される。
本実施の形態において、ある1人以上のユーザが、決まった時間帯に同じ部屋に居続けることが検出されたとする。その場合、推定部120は、メモリ102に格納された当該部屋に対応するセンサ情報160が示す、当該時間帯におけるセンサ210の検知結果と、メモリ102に格納された当該部屋に対応する機器情報150が示す、当該時間帯における機器220の使用状況とから、当該部屋の室内環境の変化と当該部屋に設置された機器220の使用の有無との関係を特定する。そして、推定部120は、特定した関係から、当該1人以上のユーザの嗜好を推定する。前述した1つの例では、住人Aが、毎週火曜日の22時から23時の時間帯にリビングに1人で居続けることが検出される。推定部120は、メモリ102に格納されたリビングに対応するセンサ情報160が示す、当該時間帯における照度センサの検知結果と、メモリ102に格納されたリビングに対応する機器情報150が示す、当該時間帯における照明の使用状況とから、リビングの照度の変化とリビングに設置された照明の使用の有無との関係を特定する。そして、推定部120は、特定した関係から、住人Aの好みの照度を住人Aの嗜好として推定する。
本実施の形態において、ある1人以上のユーザが、決まった時間帯に同じ部屋に居続けることが検出されたとする。その場合、推定部120は、メモリ102に格納された当該部屋に対応する機器情報150が示す、当該時間帯における機器220の使用状況から、当該部屋に設置された機器220が使用されない条件を特定する。そして、推定部120は、特定した条件から、当該1人以上のユーザが好まないことを推定する。前述した1つの例では、住人Aが、毎週火曜日の22時から23時の時間帯にリビングに1人で居続けることが検出される。推定部120は、メモリ102に格納されたリビングに対応する機器情報150が示す、当該時間帯におけるテレビの使用状況から、リビングに設置されたテレビが使用されない条件を特定する。そして、推定部120は、特定した条件から、住人Aがアニメーションを好まないと推定する。
図18を参照して、嗜好更新部125の動作を説明する。
嗜好更新部125は、1日の終わり、1週間の終わり等、予め決めた時間又は期間の経過後に、定期的に、メモリ102に格納されている嗜好情報180を確認する。嗜好更新部125は、嗜好情報180で示された嗜好が一定期間、機器220の稼働状況及びセンサ210の検知状況から検出されない場合は、対応する住人の生活スタイル及び嗜好が変化したとみなし、嗜好情報180を更新するとともに行動特性情報170を更新する。
ステップS81において、嗜好更新部125は、処理対象とする1人の住人又は1つの住人の組み合わせに対応する嗜好情報180をメモリ102から取得する。
ステップS82において、嗜好更新部125は、ステップS81で取得した嗜好情報180の更新日時が現在日時に対して一定期間或いは一定時間以上前であるかを判定する。更新日時が一定期間或いは一定時間以上前でない場合、処理は終了する。更新日時が一定期間或いは一定時間以上前である場合、処理はステップS83に進む。
ステップS83において、嗜好更新部125は、ステップS81で取得した嗜好情報180の確度を1レベル下げ、更新日時を現在日時に変更する。具体例として、記録されている確度が「高」であった場合、嗜好更新部125は、確度を「中」に変更する。
ステップS83で確度を下げた場合、関連する行動特性も変更する必要があるため、ステップS84において、嗜好更新部125は、ステップS81で取得した嗜好情報180に対応する行動特性情報170の確度を1レベル下げ、更新日時を現在日時に変更する。
このように、日常生活のスタイル及び嗜好が変化した場合は、既に登録されている行動特性及び嗜好が抽出されなくなるため、本実施の形態では、一定の周期で既に登録されている嗜好情報180が確認される。長い間更新されていない嗜好情報180がある場合は、その嗜好情報180の確度が下げられるとともに、対応する行動特性情報170の確度も下げられる。これにより、住人の嗜好及び生活スタイルと連動し、常に最新の嗜好と行動特性に関する情報を確度の高い情報として管理しつつ、古い情報については相対的に確度の低い情報として適切に管理することができる。
本実施の形態では、嗜好推定部123が、主にテレビの視聴情報に基づき嗜好を推定するが、嗜好情報180は、テレビから得られる情報に限らない。具体例として、空気調和機に対する操作内容から、好みの室温、風量、風向等を推定してもよく、任意の機器220から情報を取得し、嗜好を推定することができる。
本実施の形態では、センサ210として、人感センサ、温度センサ、照度センサといった何種類かのセンサ210が利用されているが、圧力センサ、マイクロフォン等、他の種類のセンサ210も利用することができる。
本実施の形態では、機器220として、主に家電が利用されているが、建物内で稼働状況に変化のある任意の機器220を利用することができる。
本実施の形態では、建物が住宅であるが、建物は住宅に限らず、オフィス、大学等、他の建物であってもよい。住人は、建物内で行動する人であればよい。
***実施の形態の効果の説明***
本実施の形態では、ある組み合わせの2人以上のユーザが、決まった時間帯に同じ部屋に一緒に居続けることが検出された場合、当該時間帯における当該部屋に設置された機器220の使用状況から、当該2人以上のユーザが一緒に居るときの嗜好が推定される。推定された嗜好を示す情報は、各ユーザに個別に対応する嗜好情報180としてではなく、当該2人以上のユーザの組み合わせに対応する嗜好情報180として処理される。このため、ユーザの嗜好に関して確度の高い情報を得ることができる。
本実施の形態に係る嗜好推定装置100では、複数の住人が生活している状況において、室内空間全体における日常生活から、カメラを使わなくても、またユーザを識別するID等を特に入力することがなくても、各住人を識別し、各住人の嗜好を推定することができる。また、複数の住人が一緒に行動する際の、行動を共にする人の組み合わせに応じた嗜好を推定することができる。また、生活の中で自動的に嗜好情報180を更新することができる。嗜好推定装置100により獲得した嗜好情報180を用いると、レコメンドシステム、アプリケーション等において、住人が1人で居る場合のおすすめと、他の住人と一緒に居る場合のおすすめを変えることが可能になり、居る人の組み合わせに応じて、効果的なレコメンドができるようになる。
本実施の形態によれば、テレビ番組等の特定の対象に限定されず、任意の対象の嗜好を推定することができる。
本実施の形態によれば、スポーツ、ニュース、芸術といったユーザが興味を持つ分野、及び、どのような室内環境を好むのか等、個人の様々な嗜好を推定することができる。
***他の構成***
本実施の形態では、「部」の機能がソフトウェアにより実現されるが、変形例として、「部」の機能がハードウェアにより実現されてもよい。この変形例について、主に本実施の形態との差異を説明する。
図19を参照して、本実施の形態の変形例に係る嗜好推定装置100の構成を説明する。
嗜好推定装置100は、処理回路109、図示していない通信装置といったハードウェアを備える。
処理回路109は、前述した「部」の機能を実現する専用の電子回路である。処理回路109は、具体的には、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ロジックIC、GA(Gate Array)、又は、FPGA(Field−Programmable Gate Array)である。或いは、処理回路109は、具体的には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。
「部」の機能は、1つの処理回路109により実現されてもよいし、複数の処理回路109に分散して実現されてもよい。
別の変形例として、「部」の機能がソフトウェアとハードウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。すなわち、「部」の一部の機能が専用のハードウェアにより実現され、残りの機能がソフトウェアにより実現されてもよい。
プロセッサ101、メモリ102、及び、処理回路109を、総称して「プロセッシングサーキットリ」という。つまり、嗜好推定装置100の構成が図1及び図19のいずれに示した構成であっても、「部」の機能は、プロセッシングサーキットリにより実現される。
「部」を「工程」又は「手順」又は「処理」に読み替えてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この実施の形態を部分的に実施しても構わない。具体的には、この実施の形態に係る嗜好推定装置100の機能要素のうち、一部の機能要素のみを採用してもよい。なお、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。