JP2017156689A - 共振器および量子計算機 - Google Patents

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悟史 中村
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隼人 後藤
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真美子 鯨岡
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】 共振器モードのモードウエストを小さくすることができる共振器を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係る共振器は、物理系を含む媒質と、互いに対向して前記媒質に取り付けられた第1のミラーおよび第2のミラーと、を備える。共振器は、前記物理系と結合する共振器モードを有する。前記媒質は、前記共振器の光軸上での前記共振器モードの偏光方向に平行な第1の方向に偏光した光に対する第1の屈折率と、前記第1の屈折率とは異なる、前記光軸に平行な第2の方向に偏光した光に対する第2の屈折率と、を有する。前記第1のミラーは平面ミラーであり、前記第2のミラーは球面ミラーである。前記第1の屈折率をn、前記第2の屈折率をn、前記第2のミラーの曲率半径をR、前記共振器の共振器長をLと表すと、n>nの場合には、n /n ≦R/L≦2n /n −1であり、n<nの場合には、n /n ≦R/L≦1である。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、共振器およびそれを用いた量子計算機に関する。
光を閉じ込めるようにミラーを配置し固有の共振器モードを生成する光共振器が様々な用途で用いられている。このような共振器は、例えばレーザーでの利用では、共振器内に配置されたレーザー媒質からの誘導放出を増幅するために用いられる。
また、共振器と共振器内に配置された媒質に含まれる物理系との結合を利用した量子計算機が提案されている。このような量子計算機においては、より強く共振器モードと物理系とを結合することが望まれる。共振器モードと物理系との結合を強くするためには、モードウエストにおける共振器モードのスポットサイズを小さく絞る必要がある。媒質が複屈折性を有する場合には、モードウエストにおける共振器モードのスポットサイズを小さく絞ることは困難である。
特開平8−148739号公報 特開2015−135377号公報
T. Pellizzari et al., Phys. Rev. Lett. 75, 3788 (1995) H. Goto et al, Opt. Exp. 21 20 24332(2013)
本発明が解決しようとする課題は、モードウエストにおける共振器モードのスポットサイズを小さく絞ることができる共振器、およびそれを用いた量子計算機を提供することである。
一実施形態に係る共振器は、物理系を含む媒質と、互いに対向して前記媒質に取り付けられた第1のミラーおよび第2のミラーと、を備える。共振器は、前記物理系と結合する共振器モードを有する。前記媒質は、前記共振器の光軸上での前記共振器モードの偏光方向に平行な第1の方向に偏光した光に対する第1の屈折率と、前記第1の屈折率とは異なる、前記光軸に平行な第2の方向に偏光した光に対する第2の屈折率と、を有する。前記第1のミラーは平面ミラーであり、前記第2のミラーは球面ミラーである。前記第1の屈折率をn、前記第2の屈折率をn、前記第2のミラーの曲率半径をR、前記共振器の共振器長をLと表すと、n>nの場合には、n /n ≦R/L≦2n /n −1であり、n<nの場合には、n /n ≦R/L≦1である。
実施形態に係る共振器を示す図。 実施形態に係る非球面ミラーおよび平面ミラーから構成される共振器を示す図。 実施形態に係る球面ミラーおよび平面ミラーから構成される共振器を示す図。 屈折率楕円体を示す図。 共振器モードの断面形状を示す図。 共振器モードの断面形状を示す図。 実施形態に係る共振器の設計パラメータの範囲を示す図。 実施形態に係る1対の非球面ミラーから構成される共振器を示す図。 実施形態に係る球面ミラーおよび非球面ミラーから構成される共振器を示す図。 実施形態に係る屈折率制御装置を含む共振器を示す図。 実施例6に係る屈折率制御装置を含む共振器を示す図。 実施例7に係る屈折率制御装置を含む共振器を示す図。 実施例8に係る屈折率制御装置を含む共振器を示す図。 実施形態に係る量子計算機を示す図。
以下、図面を参照しながら種々の実施形態を説明する。以下の実施形態では、同様の構成要素に同様の参照符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図1は、実施形態に係る共振器100を概略的に示している。共振器100は、図1に示すように、複屈折結晶101と、互いに対向して複屈折結晶101に取り付けられたミラー111、112と、を備えるモノリシックなファブリペロー型共振器である。複屈折結晶101は、原子やイオンなどの物理系を内部に含む。共振器100は、物理系と結合する共振器モードを有する。図示しない光源は、周波数及びビームパターンを調整することにより、共振器モードに結合するレーザー光を発生させる。このレーザー光がミラー111又はミラー112を通して共振器100に入射すると、その共振器モードに対応した周波数を持つ光が共振器100内部に励起される。
以降では、説明のために、互いに直交するx軸、y軸、z軸を導入する。共振器100の光軸と平行にz軸を設定し、共振器の光軸上での共振器モードの偏光方向と平行にx軸を設定する。複屈折結晶101では、共振器100の光軸上での共振器モードの偏光方向に平行な方向(x軸方向)に偏光した光に対する屈折率nは、光軸に平行な方向(z軸方向)に偏光した光に対する屈折率nと異なっている。
共振器100は、例えば、量子計算機に使用される。量子計算機では、共振器モードと結合する物理系が量子ビットとして利用される。アディアバティックパッセージに基づく量子ゲートなどの操作を効率的に実行するためには、より強く共振器モードと物理系とを結合することが望まれる。共振器モードと物理系との強い結合は、モードウエストにおける共振器モードのスポットサイズを小さく絞ることにより達成することができる。モードウエストは、共振器モードのスポットサイズが最も小さくなる場所を指す。例えば、ミラー111が球面ミラーであり、ミラー112が平面ミラーである場合、モードウエストはミラー112上に形成される。
第1から第3の実施形態では、図1に示すようなモノリシックなファブリペロー型共振器においてモードウエストにおける共振器モードのスポットサイズを波長程度(波長オーダー)まで小さく絞る方法例について説明する。第1から第3の実施形態で説明される方法は、単独で実施されてもよく、適宜組み合わせて実施されてもよい。第4の実施形態では、第1から第3の実施形態のいずれかで説明した共振器を用いた量子計算機について説明する。
[第1の実施形態]
図2は、実施形態に係る共振器200を概略的に示している。共振器200は、図2に示すように、複屈折結晶101と、複屈折結晶101の表面102に取り付けられた非球面ミラー211と、表面102に対向する複屈折結晶101の表面103に取り付けられた平面ミラー212と、を備える。本実施形態では、非球面ミラー211は、互いに直交する2軸における曲率半径が異なるミラーである。具体的には、x軸方向(x−z平面)における曲率半径Rがy軸方向(y−z平面)における曲率半径Rと異なる(R≠R)。非球面ミラー211は、放物面ミラーや楕円面ミラーであってもよい。なお、図3に示す共振器300のように、非球面ミラー211の代わりに球面ミラー311が用いられてもよい(R=R=R)。
共振器200において、モードウエストにおける共振器モードのスポットサイズを波長オーダーまで小さく絞ることができる条件(共振器長Lおよび非球面ミラー211の曲率半径R、Rについての条件)を提供する。まず、複屈折結晶101中の共振器モードの形状を定式化する。そのために、(1)波数ベクトルに対する複屈折結晶の屈折率から波数を求め、(2)共振器モードの電場分布を求め、(3)その共振器モードのスポットサイズおよび波面の曲率半径を求め、(4)モードウエストと共振器長およびミラーの曲率半径との関係を求める。続いて、このような手順で定式化した共振器モードの形状から(5)モードウエストを小さく絞る条件を求める。
(1)屈折率の定式化
複屈折結晶101中では偏光方向によって屈折率が異なるため、波数ベクトルによっても屈折率が異なる。そこで、任意の波数ベクトルが与えられた場合の屈折率を定式化する。図4に示す座標系の屈折率楕円体400は次式のように表される。
このθを用いて切り口楕円の原点からの距離rは次式のように表される。
(2)共振器モードの電場分布の定式化
このようにして定式化された波数を用いて、共振器モードの電場分布は次のような積分(フレネル-キルヒホッフの回折積分)で表される。
この積分を実行するために、指数部のzの係数をkおよびkの2次までに展開する。共振器モードの光軸付近の波数ベクトルの方向はz軸方向に近く、kおよびkは波数に比べて小さいため、このような近似は妥当である。kおよびkの2次まで展開した共振器モードの電場分布は次式のようになる。
(3)スポットサイズおよび波面の曲率半径の定式化
共振器モードの電場分布からz軸(光軸)上の各点におけるモードのスポットサイズおよび波面の曲率半径を求める。モードjのxおよびyの各項とスポットサイズωjx、ωjyおよび波面の曲率半径Rjx、Rjyとの関係は次式のように表される。
従って、スポットサイズおよび波面の曲率半径は次式のように表される。
(4)モードウエスト
次にモードjのウエストサイズωjxおよびωjyを求める。共振器モードの波面の曲率半径は、非球面ミラー211上(z=L)では非球面ミラー211の曲率半径と一致するので、次式が成り立つ。
これらの式からウエストサイズωjx、ωjyを求めることができ、次式のように表される。
(5)モードウエストを小さく絞る条件
このように求めたモードウエストの式からモードウエストを小さく絞る条件を調べる。まず、複屈折性のない一様な媒質では、n=n=n≡nであるので、各モードのウエストは全て次式のようになる。
従って、球面ミラー(R=R=R)を用いる場合には、図5に示すように、モードウエストの断面は円になる(ω=ω)。また、モードウエストが実数となる条件を共振器モードの安定条件と呼ぶと、共振器モードはR/L≧1の場合に安定条件を満たす。
一方で、複屈折結晶101のような複屈折性を有する媒質(複屈折媒質)では、一般には各モードとも、モードウエストの断面は楕円になる。n>nの場合には、図6に示すように、モードウエストの断面は、x軸方向に短軸、y軸方向に長軸を有する楕円になる。この場合には、モード1では、R/L≧n /n およびR/L≧1の場合に安定条件を満たす。安定条件を満たす範囲では、共振器長Lがミラーの曲率半径R、Rに近いほど、モードウエストは小さくなる。またモード2では、R/L≧1およびR/L≧n /n の場合に安定条件を満たす。
一様な媒質および複屈折媒質について、曲率半径R=Rと共振器長Lの比とモードウエストとの関係を図7に示す。この計算ではR=3mm、n=1.8089、n=1.7845、λ=606nmとした。一様な媒質の場合も複屈折媒質の場合も、安定条件を満たす範囲では、共振器長Lがミラーの曲率半径Rに近づくほどモードウエストは小さくなる。しかしながら、一様な媒質と複屈折媒質とでは、安定条件を満たす領域が異なるため、ウエストを小さく絞るための条件が異なっている。
複屈折媒質の理論によれば、このサイズのモードウエストを持つ共振器を作る場合には、R/L=2n /n −1であればよい。従って、n /n ≦R/L≦2n /n −1の領域が上記(4)までに定式化した複屈折媒質を用いた場合のモードウエストで初めて効果が得られる領域となる。同様に、n<nの場合には、R/L≦1が一様な媒質の理論からは予見出来ない領域であり、n /n ≦R/L≦1の領域が複屈折媒質の理論で効果が得られる領域となる。
また、モードウエストを波長サイズ以下に絞る場合には、例えばω1x≦λの条件から次のような条件が得られる。
上記の条件は、平面ミラー212および球面ミラー311から構成される共振器300(図3)でも同様に成り立つ。
ここで示した条件は例示であり、種々の共振器に対して上記の解析手法を用いてモードウエストを定式化することで、複屈折結晶に取り付けた共振器の共振器モードのモードウエストを小さく絞る条件を得ることができる。
(実施例1)
実施例1では、平面ミラーおよび球面ミラーから構成される共振器の設計例を説明する。
実施例1に係る共振器は、図3に示すように、複屈折結晶101としてのPr3+イオンをドープしたY2SiO5結晶(Pr:YSO)と、Y2SiO5結晶の表面102に配置された球面ミラー311と、Y2SiO5結晶の表面103に配置された平面ミラー212と、を備える。球面ミラー311および平面ミラー212は、Y2SiO5結晶の結晶軸(b軸、D軸、D軸)のうちのb軸が共振器の光軸(z軸)方向になるように配置され、光軸上での共振器モードの偏光方向(x軸方向)がD軸方向になるように使用される。光の波長を606nmとすると、D軸方向の偏光の屈折率は約1.81であり、b軸方向の偏光の屈折率は約1.79である。球面ミラー311は、曲率半径がR=1.000mmとなるようにY2SiO5結晶の表面102を研磨し、研磨した表面102に誘電体多層膜を成膜することにより作製される。Y2SiO5結晶は、共振器長が0.973mmとなるように加工される。平面ミラー212は、平面研磨した表面103に誘電体多層膜を成膜することにより作製される。このように加工することで、複屈折結晶101を用いたモノリシックな共振器において、一様な媒質の理論を用いる場合に比べて、モードウエストのスポットサイズを小さくすることができる。
(実施例2)
実施例2では、平面ミラーおよび非球面ミラーから構成される共振器の設計例を説明する。
実施例2に係る共振器は、図2に示すように、複屈折結晶101としてのPr3+イオンをドープしたY2SiO5結晶(Pr:YSO)と、Y2SiO5結晶の表面102に配置された非球面ミラー211と、Y2SiO5結晶の表面103に配置された平面ミラー212と、を備える。非球面ミラー211および平面ミラー212は、Y2SiO5結晶の結晶軸(b軸、D軸、D軸)のうちのb軸が共振器の光軸(z軸)方向になるように配置され、光軸上での共振器モードの偏光方向(x軸方向)がD軸となるように使用される。光の波長を606nmとすると、D軸方向の偏光の屈折率は約1.81であり、b軸方向の屈折率は約1.79である。非球面ミラー211は、x軸方向の曲率半径Rが0.513mm、y軸方向の曲率半径Rが0.500mmとなるようにY2SiO5結晶の表面102を研磨し、研磨した表面102に誘電体多層膜を成膜することにより作製される。Y2SiO5結晶は、共振器長が0.499mmとなるように加工される。平面ミラー212は、平面研磨した表面103に誘電体多層膜を成膜することにより作製される。このように加工することで、複屈折結晶を用いたモノリシックな共振器において、一様な媒質の理論を用いる場合に比べて、モードウエストのスポットサイズを小さくすることができる。
[第2の実施形態]
複屈折結晶に球面ミラーおよび平面ミラーを取り付けたモノリシックなファブリペロー型共振器では、図6に示すように、共振器モードの断面は楕円になる。このような共振器では、複屈折性のない一様な媒体を用いた共振器と同程度にモードウエストを小さく絞ることができない。第2の実施形態では、非球面ミラーを用いて共振器モードの断面を円に近づける方法について説明する。共振器モードの断面を円に近づけることにより、複屈折性のない一様な媒体を用いた共振器と同程度にモードウエストを小さく絞ることが可能になる。
まず、複屈折結晶に平面ミラーおよび球面ミラーを取り付けて構成されるモノリシックな共振器の共振器モードについて説明する。続いて、それと比較して本実施形態に係る非球面ミラーを用いた共振器の利点を説明する。
複屈折結晶は、光の偏光方向によって屈折率が異なる結晶である。図3に示す平面ミラー212および球面ミラー311から構成される共振器300では、共振器モードのスポットサイズが最も小さくなるモードウエストは平面ミラー212付近になる。球面ミラー311の曲率半径Rと共振器長LがR>Lを満たす範囲では、曲率半径Rと共振器長Lとの差(R−L)が小さくなるほど、モードウエストのサイズは小さくなる。上述したように、共振器と物理系の結合を強くするためには、このモードウエストのサイズをできるだけ小さく絞ることが望まれる。モードウエストサイズの物理限界である波長程度まで小さく絞った場合には、球面ミラー付近でのスポットサイズはウエストのサイズに比べてx軸方向およびy軸方向に大きく広がったモードとなる。例えば、短軸方向のウエストサイズが波長オーダーになっていても、長軸方向のウエストサイズは波長の数倍ものサイズになることがある。このような場合、光軸上での共振器モードの偏光方向がx軸方向であっても、球面ミラー311付近のモードが広がった位置では光軸からx軸方向に離れるほど偏光方向はz軸方向に少し傾き、位置によって異なる偏光方向となる。一方で、光軸からy軸方向に離れた位置では偏光方向はx軸方向のままである。従って、複屈折結晶101の中で共振器モードはx−z平面内の位置によって異なる屈折率を持つ。
この影響により、x軸方向とy軸方向でモードの広がり方すなわちスポットサイズが異なり、図6に示すように、断面は楕円になる。その楕円率(短径/長径)はモードウエストを小さくするほど小さくなる。モードウエストでの短径が波長程度までに小さい場合には、楕円率はより小さくなり、長径方向は波長程度に小さくすることができない。つまり、複屈折結晶中では共振器モードが楕円状になることで共振器モードと物理系の結合は弱くなる。
なお、共振器モードと平行な方向の屈折率と光軸方向の屈折率とが異なる場合には、例えば2つの球面ミラーを用いる共振器においても、同様にビームウエストのスポット形状は楕円となる。
本実施形態では、球面ミラーの代わりに非球面ミラーを用いることで、モードの広がり方をx軸方向とy軸方向で個別に調整し、モードウエストでの楕円率を1に近づけることができる。これにより、ウエストをより小さく絞ることができ、共振器と物理系の結合を強くすることができる。
図2を再び参照して、本実施形態に係る共振器の一例を説明する。図2に示す共振器200は、平面ミラー212および非球面ミラー211を含む。n>nの場合には、図6に示すように、x軸方向への広がりが小さいモードとなる。従って、R>Rとなるように非球面ミラー211のy軸方向の曲率半径Rをより小さくすることで、球面ミラーを用いた場合に比べてウエストの楕円率を1に近づけることができる。同様に、n<nの場合には、R<Rとすることで、球面ミラーを用いた場合に比べてウエストの楕円率を1に近づけることができる。特にR、Rが次式を満たす場合に楕円率は1となり、図5に示すような円形の断面モードを得ることができる。
図8は、本実施形態に係る共振器の他の例を概略的に示している。図8に示す共振器800は、複屈折結晶101と、複屈折結晶101の表面102に取り付けられた非球面ミラー811と、表面102に対向する複屈折結晶101の表面103に取り付けられた非球面ミラー812と、を備える。x軸方向およびy軸方向における非球面ミラー811の曲率半径をRx1およびRy1、x軸方向およびy軸方向における非球面ミラー812の曲率半径をRx2およびRy2と表す。n>nの場合にはRx1>Ry1、Rx2>Ry2とすることで、楕円率を1に近づけることができる。同様に、n<nの場合には、Rx1<Ry1、Rx2<Ry2とすることで、ウエストの楕円率を1に近づけることができる。モードウエストの位置は、曲率半径Rx1、Ry1、Rx2、Ry2の関係に依存する。特に次式が満たされる場合には、図5に示すような円形の断面モードを得ることができる。
球面ミラーや非球面ミラーにおいては、曲率半径が小さいほど加工が難しくなる。さらに、曲率半径が小さいほど、ミラー付近でモードが広がり、回折損失を抑制するためにミラーのサイズを大きくする必要がある。同じモードウエストサイズに対してはミラーの曲率半径を大きくできる方が望ましい。また、Ry1=Ry2の場合には、共振器モードの中心部にモードウエストを作ることができ、同じモードウエストサイズに対して曲率半径の小さい方のミラーの曲率半径を最大にすることができる。
図9は、本実施形態に係る共振器のさらに他の例を概略的に示している。図9に示す共振器900は、複屈折結晶101と、複屈折結晶101の表面102に取り付けられた非球面ミラー811と、表面102に対向する複屈折結晶101の表面103に取り付けられた球面ミラー912と、を備える。x軸方向およびy軸方向における非球面ミラー811の曲率半径をRx1およびRy1、球面ミラー912の曲率半径をRと表す。
非球面ミラーは球面ミラーに比べて加工が難しく一般にはコストがかかる。このため、片方のミラーを球面ミラーに置き換えることができれば、コストの低減につながる。ただし、片方が球面ミラーでもう一方が非球面ミラーの場合には、モードウエストの位置がx軸方向とy軸方向で異なるため、非球面ミラーを2つ用いた場合に比べるとウエストを小さくする効果は小さい。しかし、球面ミラーを2枚用いた場合に比べると、楕円率を1に近づけることができ、ウエストサイズを小さくすることができ、共振器と物理系の結合を強めることができる。
共振器900において、n>nの場合にはR>Rとすることで、楕円率を1に近づけることができる。特にRが無限大(平面)の場合には、非球面ミラー811は、y軸方向だけ曲率をつけたシリンドリカルミラーとなり、加工が比較的容易になる。同様に、n<nの場合には、R<Rとすることで、楕円率を1に近づけることができる。特にRが無限大の場合には、非球面ミラー811は、x軸方向だけ曲率をつけたシリンドリカルミラーとなり、加工が比較的容易になる。また、非球面ミラー811の曲率半径R、Rおよび共振器長Lが次式を満たす場合、楕円率は1にはならないがスポットサイズは最小になる。
ここで示した構造は例示であり、種々の非球面ミラーを利用して、複屈折結晶に取り付けた共振器の共振器モードの断面形状を調整し、断面モードが円に近い共振器モードを得ることができる。
(実施例3)
実施例3では、平面ミラーおよび非球面ミラーから構成される共振器の設計例を説明する。
実施例3に係る共振器は、上述した実施例2に係る共振器と同じ構造を有する。このため、詳細な説明は省略する。実施例3の共振器によれば、複屈折結晶を用いたモノリシックな共振器でありながら平面ミラー付近のモードウエストの断面を円形にすることができ、平面ミラーおよび球面ミラーを用いた共振器のモードウエストの断面に比べてスポットサイズを小さくすることができる。
(実施例4)
実施例4では、2枚の非球面ミラーから構成される共振器の設計例を説明する。
実施例4に係る共振器は、図8に示すように、複屈折結晶101としてのPr3+イオンをドープしたY2SiO5結晶(Pr:YSO)と、Y2SiO5結晶の表面102に配置された非球面ミラー811と、Y2SiO5結晶の表面103に配置された非球面ミラー812と、を備える。非球面ミラー811、812は、Y2SiO5結晶の結晶軸(b軸、D軸、D軸)のうちのb軸が共振器の光軸(z軸)方向になるように配置され、光軸上での共振器モードの偏光方向(x軸方向)がD軸方向となるように使用される。光の波長を606nmとすると、D軸方向の偏光の屈折率は約1.81、b軸方向の偏光の屈折率は約1.79である。非球面ミラー811は、x軸方向の曲率半径Rx1が0.513mm、y軸方向の曲率半径Ry1が0.500mmとなるようにY2SiO5結晶の表面102を研磨し、研磨した表面102に誘電体多層膜を成膜することにより作製される。Y2SiO5結晶は、共振器長Lが0.998mmとなるように加工される。非球面ミラー812は、x軸方向の曲率半径Rx2が0.513mm、y軸方向の曲率半径Ry2が0.500mmとなるようにY2SiO5結晶の表面103を研磨し、研磨した表面103に誘電体多層膜を成膜することにより作製される。このように加工することで、複屈折結晶を用いたモノリシックな共振器でありながら非球面ミラー811と非球面ミラー812との中間付近のモードウエストの断面を円形にすることができ、平面ミラーおよび球面ミラーを用いた共振器のモードウエストの断面に比べてスポットサイズを小さくすることができる。
(実施例5)
実施例5では、非球面ミラーおよび球面ミラーから構成される共振器の設計例を説明する。
実施例5に係る共振器は、図9に示すように、複屈折結晶101としてのPr3+イオンをドープしたY2SiO5結晶(Pr:YSO)と、Y2SiO5結晶の表面102に配置された非球面ミラー811と、Y2SiO5結晶の表面103に配置された球面ミラー912と、を備える。非球面ミラー811および球面ミラー912は、Y2SiO5結晶の結晶軸(b軸、D軸、D軸)のうちのb軸が共振器の光軸(z軸)方向になるように配置され、光軸上での共振器モードの偏光方向(x軸方向)がD軸方向になるように使用される。光の波長を606nmとすると、D軸方向の偏光の屈折率は約1.81、b軸方向の屈折率は約1.79である。非球面ミラー811は、x軸方向の曲率半径Rx1が無限大(∞)、y軸方向の曲率半径Ry1が0.100mmとなるようにY2SiO5結晶の表面102を研磨し、研磨した表面102に誘電体多層膜を成膜することにより作製される。この場合、非球面ミラー811はシリンドリカルミラーである。Y2SiO5結晶は共振器長が2.999mmとなるように加工される。球面ミラー912は、曲率半径Rが3.000mmとなるようにY2SiO5結晶の表面103を研磨し、研磨した表面103に誘電体多層膜を成膜することにより作製される。このように加工することで、複屈折結晶を用いたモノリシックな共振器でありながら非球面ミラー811と球面ミラー912との中間付近のモードウエストの断面を円形に近づけることができ、平面ミラーおよび球面ミラーを用いた共振器のモードウエストの断面に比べてスポットサイズを小さくすることができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、共振器モードの断面を円に近づける別の方法について説明する。
前述したように、図3に示す平面ミラー212および球面ミラー311から構成される共振器300では、図6に示すように共振器モードの断面形状は楕円になる。一般的に用いられる光源はガウシアンビーム(真円)である。しかしながら、楕円の共振器モードを持つ共振器と光源からの光をカップリングしようとした場合には、入射光を楕円形状に成形しなければ高いカップリング効率が得られないことになる。
共振器モードの断面形状は楕円になるのは、共振器モードの偏光方向に平行なx軸方向の屈折率nと光軸に平行なz軸方向の屈折率nが異なることが原因である。このため、複屈折結晶の屈折率を何らかの方法で制御することで屈折率差を減らせばよいことになる。本実施形態では、屈折率差が小さくなるように、屈折率nまたは屈折率nまたはこれら両方が制御される。具体的には、本実施形態に係る共振器は、図10に示すように、複屈折結晶101と、複屈折結晶101の表面102に取り付けられたミラー111と、表面102に対向する複屈折結晶101の表面103に取り付けられたミラー112と、屈折率nまたは屈折率nまたはこれら両方を制御する屈折率制御装置1001と、を備える。一例では、ミラー111は球面ミラーであり、ミラー112は平面ミラーである。他の例では、ミラー111は非球面ミラーであり、ミラー112は平面ミラーである。さらに他の例では、ミラー111は非球面ミラーであり、ミラー112は球面ミラーである。さらに他の例では、ミラー111およびミラー112はともに非球面ミラーである。ミラー111およびミラー112はこれらの例に限定されない。
屈折率を変化させて複屈折性を補償する手法では、屈折率をその都度制御することになるため、状況に応じた補償が可能となる。また、すべての領域において共振器モードの形状を真円に近づけることができるため、真円のガウシアンビームの光源をカップリングさせる場合、複雑なビーム形成をすることなく高効率なカップリングを実現することができる。
屈折率制御装置1001は、例えば、複屈折結晶101に電場を印加する方法、複屈折結晶101の温度を調整する方法、複屈折結晶101に磁場を印加する方法、複屈折結晶101に圧力を印加する方法などに基づいていることができる。
複屈折結晶101に電場を印加する場合、電気光学効果や逆圧電効果または電歪効果が生じることで屈折率を変化させることができる。電場を印加する方向の複屈折結晶101の両端に電極が取り付けられる。複屈折結晶101が中心対称性のない物質である場合には、一次の電気光学効果(ポッケルス効果)を利用することができる。複屈折結晶101が中心対称性のある物質である場合には、二次の電気光学効果(カー効果)を利用することができる。電場方向と変化する屈折率の方向は結晶の対称性によって決まっており、例えば中心対称性を持たない点群3mに属する物質の場合には、次式のようになる。
ただし、z軸は、結晶軸のうちのc軸と平行とし、x、y軸は、結晶軸のうちのa軸、b軸と平行とする。nは電場を印加していないときのa軸、b軸方向の屈折率を表し、nは電場を印加していないときのz軸方向の屈折率を表す。rij[m/V]は一次の電気光学係数を表し、ここで、i=1,2,3、j=1,2,3である。V[V]は、y軸方向に印加される電場を表し、V[V]は、z軸方向に印加される電場を表し、d[m]はy軸方向の試料の寸法を表し、d[m]は、z軸方向の試料の寸法を表す。この物質の場合、例えばy方向に電場を印加するとすべての屈折率が異なる量だけ変化する。例として、LiTaO3の場合には、r22=-0.2[pm/V]、r13=8.4[pm/V]、r33=30.5[pm/V]である。
複屈折結晶に電場を印加すると、電気光学効果および逆圧電効果または電歪効果により、曲率半径に対する光路長の関係を調整することもできる。
複屈折結晶101の温度を調整する方法としては、ペルチェ素子などを使用する方法、レーザーにより温める方法などがある。ただし、温度による制御を行なう場合には、差を縮めたい2つの屈折率(共振器モードと平行方向の屈折率と光軸方向の屈折率)の温度依存性が異なる必要がある。屈折率制御装置1001は、屈折率差が小さくなるように複屈折結晶101の温度を制御する。
複屈折結晶101に圧力(例えば応力)を印加する場合、光弾性効果により屈折率を変化させることができる。
(実施例6)
実施例6では、電場による屈折率制御を行なう共振器の設計例を説明する。
図11は、実施例6に係る共振器1100を概略的に示している。共振器1100は、図11に示すように、希土類イオン分散結晶のPr3+:LiTaO3(複屈折結晶101)に曲率半径1.0001mmの球面ミラー311および平面ミラー212が取り付けられたモノリシックな共振器である。共振器1100で生じる共振器モードのモードウエストは平面ミラー上に形成される。共振器1100の光軸はLiTaO3の結晶軸の1つのa軸と平行する。a軸に垂直なb軸とc軸は図11に示すように設定される。具体的には、c軸が共振器モードの偏光方向と平行する。共振器1100は各辺が1mmの直方体である。共振器1100では、波長が633nmでc軸と平行な偏光を持つ共振器モードが形成される。屈折率制御装置は、電源1101および電極1102、1103を含む。電極1102、1103は、c軸と平行な方向に電場を印加するように取り付けられている。電源1101は、LiTaO3に電場を印加するために、電極1102、1103間に電圧を印加する。電歪効果は電気光学効果に比べて十分小さいと仮定する。
電場を印加していないときのLiTaO3のa軸方向の屈折率は2.1745、c軸方向の屈折率は2.177とする。光軸方向に21899Vの電圧を印加すると、上記の式(1)、(2)、(3)よりa軸方向の屈折率およびc軸方向の屈折率はいずれも2.1736へと変化する。これにより光軸方向と共振器モードの偏光と平行な方向の複屈折性が補償されてモードウエストが真円となる。
(実施例7)
実施例7では、電場による屈折率制御を行なう共振器の他の設計例を説明する。
図12は、実施例7に係る共振器1200を概略的に示している。共振器1200は、図12に示すように、希土類イオン分散結晶のPr3+:LiTaO3(複屈折結晶101)に曲率半径1.0001mmの球面ミラー311および平面ミラー212が取り付けられたモノリシックな共振器である。共振器1200で生じる共振器モードのモードウエストは平面ミラー上に形成される。共振器1200の光軸はLiTaO3の結晶軸の1つのc軸と平行する。c軸に垂直なa軸とb軸は図12に示すように設定される。具体的には、a軸が共振器モードの偏光方向と平行する。共振器1200は各辺が1mmの直方体である。共振器1200では、波長が633nmでc軸と平行な偏光を持つ共振器モードが形成される。屈折率制御装置は、電源1201および電極1202、1203を含む。電極1202、1203は、c軸と平行な方向に電場を印加するように取り付けられている。電源1201は、LiTaO3に電場を印加するために、電極1202、1203間に電圧を印加する。電歪効果は電気光学効果に比べて十分小さいと仮定する。
電場を印加していないときのLiTaO3のa軸方向の屈折率は2.1745、c軸方向の屈折率は2.177とする。光軸方向に21899Vの電圧を印加すると、上記の式(1)、(2)、(3)よりa軸方向の屈折率およびc軸方向の屈折率はいずれも2.1736へと変化する。これにより光軸方向と共振器モードの偏光と平行な方向の複屈折性が補償されてモードウエストが真円となる。
(実施例8)
実施例8では、温度による屈折率制御を行なう共振器の設計例を説明する。
図13は、実施例8に係る共振器1300を概略的に示している。共振器1300は、図13に示すように、希土類イオン分散結晶のPr3+:LiTaO3(複屈折結晶101)に曲率半径1.0001mmの球面ミラー311および平面ミラー212が取り付けられたモノリシックな共振器である。共振器1300で生じる共振器モードのモードウエストは平面ミラー上に形成される。共振器1300の光軸はLiTaO3の結晶軸の1つのc軸と平行する。c軸に垂直なa軸とb軸は図13に示すように設定される。具体的には、a軸が共振器モードの偏光方向と平行する。共振器1300は各辺が1mmの直方体である。共振器1300では、波長が633nmでc軸と平行な偏光を持つ共振器モードが形成される。屈折率制御装置は、電源1301およびペルチェ素子1302、1303を含む。電源1301は、ペルチェ素子1302、1303に直流電流を供給する。ペルチェ素子1302、1303は、LiTaO3を冷却する。
28℃におけるLiTaO3のa軸方向の屈折率を2.1745、c軸方向の屈折率を2.177、複屈折量の温度係数を4.7×10-5/℃とする。この場合、LiTaO3が約-25.2℃になると、複屈折量がゼロになる。これにより光軸方向と共振器モードの偏光と平行な方向の複屈折性が補償されてモードウエストが真円となる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態では、実施形態に係る共振器を用いた量子計算機について説明する。
図14は、第4の実施形態に係る量子計算機1400を概略的に示している。量子計算機1400は、図14に示すように、共振器(この例では図2に示す共振器200)を備える。複屈折結晶101としては、例えば、Pr3+イオンをドープしたY2SiO5結晶を用いることができる。共振器200は、クライオスタット1410内に設置され、低温に(例えば4Kに)保たれる。
一例として、量子計算機1400は、量子計算の方法の1つとして知られる周波数領域量子計算に基づいていることができる。周波数領域量子計算では、共振器中に配置された複数の物理系であって、各物理系の1つの遷移が共通の共振器モードに結合しており、それ以外の遷移の周波数が物理系ごとに異なる複数の物理系それぞれを量子ビットとして利用する。周波数領域量子計算は、各物理系の遷移周波数に共鳴するレーザー光を照射することによって、その物理系を選択的に操作することによって演算を行うものである。
量子計算機1400は、半導体レーザー1401をさらに備える。半導体レーザー1401から出力されたレーザー光は、ビームスプリッタ1402によって2つに分割される。分割されたレーザー光の一方は、音響光学素子1404に入射し、他方は、ミラー1403によって反射されて音響光学素子1405に入射する。
音響光学素子1404、1405は、制御装置1406によって生成された制御信号に従ってレーザー光の周波数および強度を変調する。音響光学素子1404によって変調されたレーザー光は、ミラー1407、1408、レンズ1409によって共振器200に導かれる。音響光学素子1405によって変調されたレーザー光は、レンズ1409によって共振器200に導かれる。
本実施形態によれば、共振器モードと共振器200に含まれる物理系(例えばPr3+イオン)とが強く結合する量子計算機を実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
(付記)
以下に、実施形態の態様に係る共振器を付記する。
[1]物理系を含む媒質と、互いに対向して前記媒質に取り付けられた第1のミラーおよび第2のミラーと、を備え、前記物理系と結合する共振器モードを有する共振器であって、
前記媒質は、前記共振器の光軸上での前記共振器モードの偏光方向に平行な第1の方向に偏光した光に対する第1の屈折率と、前記第1の屈折率とは異なる、前記光軸に平行な第2の方向に偏光した光に対する第2の屈折率と、を有し、
前記第1の屈折率をn、前記第2の屈折率をn、前記第1の方向における前記第1のミラーの曲率半径をRx1、前記第1の方向および前記第2の方向に垂直な第3の方向における前記第1のミラーの曲率半径をRy1、前記第1の方向における前記第2のミラーの曲率半径をRx2、前記第3の方向における前記第2のミラーの曲率半径をRy2と表すと、
>nの場合には、Rx1>Ry1、かつ、Rx2>Ry2であり、
<nの場合には、Rx1<Ry1、かつ、Rx2<Ry2である共振器である。
[2]前記共振器の共振器長をLと表すと、
x1=Ry1−L(1−n /n )、かつ、Rx2=Ry2−L(1−n /n
である、[1]に記載の共振器。
[3]Ry1=Ry2である、[2]に記載の共振器。
[4]物理系を含む媒質と、互いに対向して前記媒質に取り付けられた第1のミラーおよび第2のミラーと、を備え、前記物理系と結合する共振器モードを有する共振器であって、
前記媒質は、前記共振器の光軸上での前記共振器モードの偏光方向に平行な第1の方向に偏光した光に対する第1の屈折率と、前記第1の屈折率とは異なる、前記光軸に平行な第2の方向に偏光した光に対する第2の屈折率と、を有し、
前記第1のミラーは球面ミラーであり、
前記第1の屈折率をn、前記第2の屈折率をn、前記第1の方向における前記第2のミラーの曲率半径をR、前記第1の方向および前記第2の方向に垂直な第3の方向における前記第2のミラーの曲率半径をRと表すと、
>nの場合には、R>Rであり、
<nの場合には、R<Rである、共振器。
[5]Rは無限大である、[4]に記載の共振器。
[6]前記共振器の共振器長をLと表すと、
=R−L(1−n /n
である、[4]に記載の共振器。
[7]前記第1の屈折率と前記第2の屈折率との差を小さくするために、前記第1の屈折率または前記第2の屈折率を制御する屈折率制御装置をさらに備える[1]から[6]のいずれか1に記載の共振器。
100…共振器、101…複屈折結晶、111、112…ミラー、200…共振器、211…非球面ミラー、212…平面ミラー、300…共振器、311…球面ミラー、400…屈折率楕円体、800…共振器、811、812…非球面ミラー、900…共振器、912…球面ミラー、1001…屈折率制御装置、1100…共振器、1101…電源、1102、1103…電極、1200…共振器、1201…電源、1202、1203…電極、1300…共振器、1301…電源、1302、1303…ペルチェ素子、1400…量子計算機、1401…半導体レーザー、1402…ビームスプリッタ、1403…ミラー、1404、1405…音響光学素子、1406…制御装置、1407、1408…ミラー、1409…レンズ、1410…クライオスタット。

Claims (15)

  1. 物理系を含む媒質と、
    互いに対向して前記媒質に取り付けられた第1のミラーおよび第2のミラーと、
    を備え、前記物理系と結合する共振器モードを有する共振器であって、
    前記媒質は、前記共振器の光軸上での前記共振器モードの偏光方向に平行な第1の方向に偏光した光に対する第1の屈折率と、前記第1の屈折率とは異なる、前記光軸に平行な第2の方向に偏光した光に対する第2の屈折率と、を有し、
    前記第1のミラーは平面ミラーであり、前記第2のミラーは球面ミラーであり、
    前記第1の屈折率をn、前記第2の屈折率をn、前記第2のミラーの曲率半径をR、前記共振器の共振器長をLと表すと、
    >nの場合には、n /n ≦R/L≦2n /n −1であり、
    <nの場合には、n /n ≦R/L≦1である、共振器。
  2. 光の波長をλと表すと、
    R≦(n /n )L+(πnλ)2/L
    である、請求項1に記載の共振器。
  3. 物理系を含む媒質と、
    互いに対向して前記媒質に取り付けられた第1のミラーおよび第2のミラーと、
    を備え、前記物理系と結合する共振器モードを有する共振器であって、
    前記媒質は、前記共振器の光軸上での前記共振器モードの偏光方向に平行な第1の方向に偏光した光に対する第1の屈折率と、前記第1の屈折率とは異なる、前記光軸に平行な第2の方向に偏光した光に対する第2の屈折率と、を有し、
    前記第1のミラーは平面ミラーであり、
    前記第1の屈折率をn、前記第2の屈折率をn、前記第1の方向における前記第2のミラーの曲率半径をR、前記第1の方向および前記第2の方向に垂直な第3の方向における前記第2のミラーの曲率半径をRと表すと、
    >nの場合には、R>Rであり、
    <nの場合には、R<Rである、共振器。
  4. 前記共振器の共振器長をLと表すと、
    >nの場合には、R>R、かつ、n /n ≦R/L≦2n /n −1であり、
    <nの場合には、R<R、かつ、n /n ≦R/L≦1である、請求項3に記載の共振器。
  5. 光の波長をλと表すと、
    ≦(n /n )L+(πnλ)2/L
    である、請求項4に記載の共振器。
  6. =R−L(1−n /n
    である、請求項4に記載の共振器。
  7. 前記第1の屈折率と前記第2の屈折率との差を小さくするために、前記第1の屈折率または前記第2の屈折率を制御する屈折率制御装置をさらに備える請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の共振器。
  8. 物理系を含む媒質と、
    互いに対向して前記媒質に取り付けられた第1のミラーおよび第2のミラーと、
    を備え、前記物理系と結合する共振器モードを有する共振器であって、
    前記媒質は、前記共振器の光軸上での前記共振器モードの偏光方向に平行な第1の方向に偏光した光に対する第1の屈折率と、前記第1の屈折率とは異なる、前記光軸に平行な第2の方向に偏光した光に対する第2の屈折率と、を有し、
    前記第1の屈折率と前記第2の屈折率との差を小さくするために、前記第1の屈折率または前記第2の屈折率を制御する屈折率制御装置をさらに備える共振器。
  9. 前記屈折率制御装置は、前記媒質に電場を印加する、請求項7または請求項8に記載の共振器。
  10. 前記媒質は、LiTaO3結晶を含み、前記第2の方向は、前記媒質の結晶軸のa軸またはb軸に平行であり、前記第1の方向は、前記媒質の結晶軸のc軸に平行であり、前記屈折率制御装置は、前記第1の方向に前記電場を印加する、請求項9に記載の共振器。
  11. 前記媒質は、LiTaO3結晶を含み、前記第2の方向は、前記媒質の結晶軸のc軸に平行であり、前記第1の方向は、前記媒質の結晶軸のa軸に平行であり、前記屈折率制御装置は、前記第2の方向に平行な方向に前記電場を印加する、請求項9に記載の共振器。
  12. 前記屈折率制御装置は、前記媒質の温度を制御する、請求項7または請求項8に記載の共振器。
  13. 前記屈折率制御装置は、前記媒質に磁場を印加する、請求項7または請求項8に記載の共振器。
  14. 前記屈折率制御装置は、前記媒質に圧力を印加する、請求項7または請求項8に記載の共振器。
  15. 請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の共振器を備える量子計算機。
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