JP2017155716A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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泰志 小野
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【課題】ポンプセルからのAuの蒸散によるセンサセルの出力低下を抑制することができる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関1の制御装置は、内燃機関の停止要求に応じて該内燃機関を停止させる内燃機関停止部と、ヒータ55を制御するヒータ制御部と、ポンプセル52の出力に基づいて排気ガスの空燃比を推定する空燃比推定部と、空燃比推定部によって推定された空燃比に基づいて排気ガスの空燃比を制御する空燃比制御部とを備える。空燃比制御部は、内燃機関の停止が要求されたときに、空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比よりもリーンである場合には、排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチに制御し、内燃機関停止部は、空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比以下であるときに内燃機関を停止させ、ヒータ制御部は、空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比以下であるときにヒータをオフにする。
【選択図】図6

Description

本発明は内燃機関の制御装置に関する。
従来、内燃機関の排気通路を流れる排気ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度を検出するために、内燃機関の排気通路に窒素酸化物(NOx)センサを配置することが知られている。
特許文献1に記載されるように、NOxセンサは、排気ガスが被測ガスとして導入される被測ガス室と、被測ガス中の酸素を排出するポンプセルと、被測ガス中のNOx濃度を検出するセンサセルとを備えている。ポンプセルの陰極は、酸素分解機能を有し且つNOx分解機能を有しない白金−金合金(Pt−Au合金)から構成される。一方、センサセルの陰極は、NOx分解機能を有する白金−ロジウム合金(Pt−Rh合金)から構成される。
また、NOxセンサは、センサセル及びポンプセルを加熱するヒータも備えている。ヒータは、NOxセンサによるNOx濃度の検出精度を確保すべく、センサセル及びポンプセルの温度を活性温度以上に加熱する。しかしながら、ポンプセルの温度が過剰に高くなると、ポンプセルの陰極から金(Au)が蒸散する。蒸散したAuは、センサセルの陰極に付着し、センサセルの出力を恒久的に低下させる。このため、NOxセンサによって排気ガス中のNOx濃度を検出する間、ポンプセルの温度は所定の制御温度(例えば750℃〜800℃)に制御される。
特開平10−038845号公報 特開平01−257739号公報
ところで、内燃機関の停止が要求されると、内燃機関を停止させると共にNOxセンサのヒータをオフにする。この結果、ポンプセルの温度は制御温度から徐々に低下する。本願の発明者は、内燃機関の停止後にポンプセルの温度が低下する際にも、ポンプセルからのAuの蒸散によってセンサセルの出力が低下することを見出した。
そこで、本発明の目的は、ポンプセルからのAuの蒸散によるセンサセルの出力低下を抑制することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、第1の発明では、内燃機関の制御装置であって、前記内燃機関の排気通路には、該排気通路を流れる排気ガス中の窒素酸化物濃度を検出する窒素酸化物センサが配置されており、前記窒素酸化物センサは、前記排気ガスが被測ガスとして導入される被測ガス室と、酸化物イオン伝導性を有するセンサ用固体電解質層と、前記被測ガスに曝されるように前記センサ用固体電解質層の一方の側面上に配置された第一電極と、基準ガスに曝されるように前記センサ用固体電解質層の他方の側面上に配置された第二電極とを有するセンサセルと、酸化物イオン伝導性を有するポンプ用固体電解質層と、前記被測ガスに曝されるように前記ポンプ用固体電解質層の一方の側面上に配置され且つ白金−金合金から構成された第三電極と、前記基準ガスに曝されるように前記ポンプ用固体電解質層の他方の側面上に配置された第四電極とを有すると共に、前記被測ガスの流れ方向において前記センサセルよりも上流側に配置されたポンプセルと、前記センサセル及び前記ポンプセルを加熱するヒータと、を備え、当該制御装置は、前記内燃機関の停止要求に応じて該内燃機関を停止させる内燃機関停止部と、前記ヒータを制御するヒータ制御部と、前記ポンプセルの出力に基づいて、前記被測ガス室に導入される導入排気ガスの空燃比を推定する空燃比推定部と、前記空燃比推定部によって推定された空燃比に基づいて前記導入排気ガスの空燃比を制御する空燃比制御部と、を備え、前記空燃比制御部は、前記内燃機関の停止が要求されたときに、前記空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比よりもリーンである場合には、前記導入排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチに制御し、前記内燃機関停止部は、前記内燃機関の停止が要求された後、前記空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比以下であるときに前記内燃機関を停止させ、前記ヒータ制御部は、前記内燃機関の停止が要求された後、前記空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比以下であるときに前記ヒータをオフにする、内燃機関の制御装置が提供される。
本発明によれば、ポンプセルからのAuの蒸散によるセンサセルの出力低下を抑制することができる内燃機関の制御装置が提供される。
図1は、本発明の第一実施形態に係る内燃機関の制御装置が用いられる内燃機関を概略的に示す図である。 図2は、NOxセンサの拡大断面図である。 図3は、図2のA−A線に沿ったNOxセンサの断面図である。 図4は、PtO2、Au、Pt及びPt−Au合金の飽和蒸気圧と温度との関係を示す図である。 図5は、ポンプセルの温度が中間温度領域にあるときの排気ガスの空気過剰率とAuの蒸散量との関係を示す図である。 図6は、内燃機関の停止が要求されるときの素子部の温度等の概略的なタイムチャートである。 図7は、本発明の第一実施形態における内燃機関停止処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。 図8は、本発明の第二実施形態における内燃機関停止処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
<第一実施形態>
以下、図1〜図7を参照して、本発明の第一実施形態について説明する。
<内燃機関全体の説明>
図1は、本発明の第一実施形態に係る内燃機関の制御装置が用いられる内燃機関1を概略的に示す図である。図1に示される内燃機関1は、圧縮自着火式内燃機関(ディーゼルエンジン)である。内燃機関1は例えば車両に搭載される。
図1を参照すると、内燃機関1は、機関本体100と、各気筒の燃焼室2と、燃焼室2内に燃料を噴射する電子制御式燃料噴射弁3と、吸気マニホルド4と、排気マニホルド5とを備える。吸気マニホルド4は吸気管6を介してターボチャージャ(過給機)7のコンプレッサ7aの出口に連結される。コンプレッサ7aの入口は吸気管6を介してエアクリーナ8に連結される。吸気管6内にはステップモータにより駆動されるスロットル弁9が配置される。さらに、吸気管6周りには吸気管6内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置13が配置される。図1に示した内燃機関1では機関冷却水が冷却装置13内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。吸気マニホルド4及び吸気管6は、空気を燃焼室2に導く吸気通路を形成する。
一方、排気マニホルド5は排気管27を介してターボチャージャ7のタービン7bの入口に連結される。タービン7bの出口は、排気管27を介して、排気浄化触媒28を内蔵したケーシング29に連結される。排気マニホルド5及び排気管27は、燃焼室2における混合気の燃焼によって生じた排気ガスを排出する排気通路を形成する。排気浄化触媒28は、例えば、排気ガス中のNOxを還元浄化する選択還元型NOx低減触媒(SCR触媒)又はNOx吸蔵還元触媒である。また、排気通路には、排気ガス中の粒子状物質(PM)を低減するために、酸化触媒、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)等が配置されてもよい。
排気マニホルド5と吸気マニホルド4とは排気ガス再循環(以下、「EGR」という)通路14を介して互いに連結される。EGR通路14内には電子制御式EGR制御弁15が配置される。また、EGR通路14周りにはEGR通路14内を流れるEGRガスを冷却するためのEGR冷却装置20が配置される。図1に示した実施形態では機関冷却水がEGR冷却装置20内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。
燃料は電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ19によって燃料タンク33から燃料配管34を介してコモンレール18内に供給される。コモンレール18内に供給された燃料は各燃料供給管17を介して各燃料噴射弁3に供給される。
内燃機関1の各種制御は電子制御ユニット(ECU)80によって実行される。ECU80はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス81によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)82、RAM(ランダムアクセスメモリ)83、CPU(マイクロプロセッサ)84、入力ポート85及び出力ポート86を備える。負荷センサ101及びエアフロメータ102の出力が、対応するAD変換器87を介して入力ポート85に入力される。一方、出力ポート86は、対応する駆動回路88を介して、燃料噴射弁3、スロットル弁駆動用ステップモータ、EGR制御弁15及び燃料ポンプ19に接続されている。
負荷センサ101は、アクセルペダル120の踏込み量に比例した出力電圧を発生させる。したがって、負荷センサ101は機関負荷を検出する。エアフロメータ102は、吸気通路においてエアクリーナ8とコンプレッサ7aとの間に配置され、吸気管6内を流れる空気流量を検出する。さらに、入力ポート85には、クランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ108が接続され、クランク角センサ108によって機関回転数が検出される。
なお、内燃機関1は、燃焼室に点火プラグが配置された火花点火式内燃機関であってもよい。また、気筒配列、吸排気系の構成及び過給機の有無のような内燃機関1の具体的な構成は、図1に示した構成と異なっていてもよい。
<NOxセンサの説明>
内燃機関1の排気通路には、さらに、窒素酸化物(NOx)センサ10が配置されている。NOxセンサ10は、内燃機関1の排気通路を流れる排気ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度を検出する。NOxセンサ10は、所定の電圧を印加したときにセンサ内に流れる限界電流を検出することによって排気ガス中のNOx濃度を算出する限界電流式NOxセンサである。本実施形態では、NOxセンサ10は排気通路において排気浄化触媒28の排気流れ方向上流側に配置されている。なお、NOxセンサ10は、排気通路の他の位置、例えば排気浄化触媒28の排気流れ方向下流側に配置されてもよい。
以下、図2及び図3を参照して、NOxセンサ10の構成について説明する。図2は、NOxセンサ10の拡大断面図である。図2では、NOxセンサ10の一部が断面図で示されている。NOxセンサ10は、先端部10aが排気管27に挿入された状態で排気管27に固定される。NOxセンサ10は、その内部に、板状の形状を有する素子部10bを備えている。
図3は、図2のA−A線に沿ったNOxセンサ10の断面図である。図3に示されるように、NOxセンサ10の素子部10bは、被測ガス室30、第一基準ガス室31、第二基準ガス室32、センサセル51、ポンプセル52及びモニタセル53を備えている。NOxセンサ10が内燃機関1の排気通路に配置されたとき、被測ガス室30には、排気通路を流れる排気ガスが被測ガスとして導入される。第一基準ガス室31及び第二基準ガス室32には基準ガスが導入される。基準ガスは例えば大気である。
素子部10bは、複数の層を積層して構成されている。具体的には、素子部10bは、第一固体電解質層11、第二固体電解質層12、拡散律速層16、第一不透過層21、第二不透過層22、第三不透過層23、第四不透過層24及び第五不透過層25を備える。第一固体電解質層11及び第二固体電解質層12は、酸化物イオン伝導性を有する薄板体である。第一固体電解質層11及び第二固体電解質層12は、例えば、ZrO2(ジルコニア)、HfO2、ThO2、Bi23等にCaO、MgO、Y23、Yb23等を安定剤として添加した焼結体により形成されている。また、拡散律速層16は、ガス透過性を有する薄板体である。拡散律速層16は、例えば、アルミナ、マグネシア、けい石質、スピネル、ムライト等の耐熱性無機物質の多孔質焼結体により形成されている。不透過層21〜25は、ガス不透過性の薄板体であり、例えばアルミナを含む層として形成されている。
素子部10bの各層は、図3の下方から、第一不透過層21、第二不透過層22、第三不透過層23、第二固体電解質層12、拡散律速層16及び第四不透過層24、第一固体電解質層11、第五不透過層25の順に積層されている。被測ガス室30は、第一固体電解質層11、第二固体電解質層12、拡散律速層16及び第四不透過層24によって区画形成されている。排気ガスは拡散律速層16を通って被測ガス室30内に導入される。拡散律速層16は被測ガスの拡散律速を行う。なお、被測ガス室30は、固体電解質層(本実施形態では第一固体電解質層11及び第二固体電解質層12)に隣接し且つ被測ガスが導入されるように構成されていれば、如何なる態様で構成されてもよい。
第一基準ガス室31は第一固体電解質層11及び第五不透過層25によって区画形成されている。第二基準ガス室32は、第二固体電解質層12、第二不透過層22及び第三不透過層23によって区画形成されている。なお、第一基準ガス室31は、固体電解質層(本実施形態では第一固体電解質層11)に隣接し且つ基準ガスが流入するように構成されていれば、如何なる態様で構成されてもよい。また、第二基準ガス室32は、固体電解質層(本実施形態では第二固体電解質層12)に隣接し且つ基準ガスが流入するように構成されていれば、如何なる態様で構成されてもよい。
センサセル51は、センサ用固体電解質層、第一電極41及び第二電極42を有する電気化学セルである。本実施形態では、第一固体電解質層11がセンサ用固体電解質層として機能する。第一電極41は、被測ガス室30内の被測ガスに曝されるように第一固体電解質層11の被測ガス室30側の表面上に配置されている。一方、第二電極42は、第一基準ガス室31内の基準ガスに曝されるように第一固体電解質層11の第一基準ガス室31側の表面上に配置されている。第一電極41と第二電極42とは、第一固体電解質層11を挟んで互いに対向するように配置されている。
本実施形態では、第一電極41は、NOx分解機能を有する白金−ロジウム合金(Pt−Rh合金)から構成されている。例えば、第一電極41は、Pt−Rh合金を主成分として含む多孔質サーメット電極である。しかしながら、第一電極41を構成する材料は、必ずしも上記材料に限定されるものではなく、第一電極41と第二電極42との間に所定の電圧を印加したときに、被測ガス中のNOxを還元分解することができれば、いかなる材料であってもよい。
また、本実施形態では、第二電極42は白金(Pt)から構成されている。例えば、第二電極42は、Ptを主成分として含む多孔質サーメット電極である。しかしながら、第二電極42を構成する材料は、必ずしも上記材料に限定されるものではなく、第一電極41と第二電極42との間に所定の電圧を印加したときに、第一電極41と第二電極42との間で酸化物イオンを移動させることができれば、いかなる材料であってもよい。
ポンプセル52は、ポンプ用固体電解質層、第三電極43及び第四電極44を有する電気化学セルである。本実施形態では、第二固体電解質層12がポンプ用固体電解質層として機能する。第三電極43は、被測ガス室30内の被測ガスに曝されるように第二固体電解質層12の被測ガス室30側の表面上に配置されている。一方、第四電極44は、第二基準ガス室32内の基準ガスに曝されるように第二固体電解質層12の第二基準ガス室32側の表面上に配置されている。第三電極43と第四電極44とは、第二固体電解質層12を挟んで互いに対向するように配置されている。
本実施形態では、第三電極43は、酸素分解機能を有し且つNOx分解機能を有しない白金−金合金(Pt−Au合金)から構成されている。例えば、第三電極43は、Pt−Au合金を主成分として含む多孔質サーメット電極である。
また、本実施形態では、第四電極44は白金(Pt)から構成されている。例えば、第四電極44は、Ptを主成分として含む多孔質サーメット電極である。しかしながら、第四電極44を構成する材料は、必ずしも上記材料に限定されるものではなく、第三電極43と第四電極44との間に所定の電圧を印加したときに、第三電極43と第四電極44との間で酸化物イオンを移動させることができれば、いかなる材料であってもよい。
モニタセル53は、モニタ用固体電解質層、第五電極45及び第六電極46を有する電気化学セルである。本実施形態では、第一固体電解質層11がモニタ用固体電解質層として機能する。したがって、本実施形態では、センサ用固体電解質層及びモニタ用固体電解質層は共通の固体電解質層である。第五電極45は、被測ガス室30内の被測ガスに曝されるように第一固体電解質層11の被測ガス室30側の表面上に配置されている。一方、第六電極46は、第一基準ガス室31内の基準ガスに曝されるように第一固体電解質層11の第一基準ガス室31側の表面上に配置されている。第五電極45と第六電極46とは、第一固体電解質層11を挟んで互いに対向するように配置されている。
本実施形態では、第五電極45は、酸素分解機能を有し且つNOx分解機能を有しない白金−金合金(Pt−Au合金)から構成されている。例えば、第五電極45は、Pt−Au合金を主成分として含む多孔質サーメット電極である。
また、本実施形態では、第六電極46は白金(Pt)から構成されている。例えば、第六電極46は、Ptを主成分として含む多孔質サーメット電極である。しかしながら、第六電極46を構成する材料は、必ずしも上記材料に限定されるものではなく、第五電極45と第六電極46との間に所定の電圧を印加したときに、第五電極45と第六電極46との間で酸化物イオンを移動させることができれば、いかなる材料であってもよい。
図3に示されるように、ポンプセル52は、被測ガスの流れ方向において、センサセル51よりも上流側に配置されている。モニタセル53は、被測ガスの流れ方向において、ポンプセル52とセンサセル51との間に配置されている。また、ポンプセル52の第三電極43及び第四電極44は、センサセルの第一電極41及び第二電極42並びにモニタセル53の第五電極45及び第六電極46よりも大きな表面積を有する。
素子部10bはヒータ55を更に備える。本実施形態では、ヒータ55は、図3に示されるように、第一不透過層21と第二不透過層22との間に配置される。ヒータ55は、例えば、白金(Pt)とセラミックス(例えば、アルミナ等)とを含むサーメットの薄板体であり、通電によって発熱する発熱体である。ヒータ55は、素子部10b、特にセンサセル51、ポンプセル52及びモニタセル53を加熱する。
なお、素子部10bの具体的な構成は、図3に示した構成とは異なっていてもよい。例えば、センサ用固体電解質層、ポンプ用固体電解質層及びモニタ用固体電解質層はそれぞれ共通の固体電解質層であっても別個の固体電解質層であってもよい。
<NOx濃度の検出原理>
以下、NOxセンサ10を用いて排気ガス中のNOx濃度を検出する原理について説明する。上述したように、内燃機関1の排気通路を流れる排気ガスは拡散律速層16を通って被測ガス室30内に被測ガスとして導入される。被測ガス室30内に導入された被測ガスは最初にポンプセル52に到達する。
被測ガス(排気ガス)はNOx(NO及びNO2)だけでなく酸素も含んでいる。センサセル51の第一電極41は酸素も分解するため、被測ガス中の酸素濃度が変動すると、センサセル51の出力も変動し、NOx濃度の検出精度が低下する。このため、センサセル51に到達する被測ガス中の酸素濃度を一定にすべく、ポンプセル52によって被測ガス中の酸素を第二基準ガス室32に排出する。
ポンプセル52の第三電極43及び第四電極44には、第二回路70が接続されている。第二回路70は第二電源71及び第二電流計72を備える。第二電源71は、第三電極43と第四電極44との間に、第四電極44の電位が第三電極43の電位よりも高くなるように電圧を印加する。ECU80の出力ポート86は、対応する駆動回路88を介して第二電源71に接続されている。したがって、ECU80は、第二電源71を制御して、ポンプセル52に印加される電圧を制御することができる。また、第二電流計72は、ポンプセル52に流れる電流をポンプセル52の出力として検出する。第二電流計72の出力は、対応するAD変換器87を介してECU80の入力ポート85に入力される。したがって、ECU80は、第二電流計72によって検出されたポンプセル52の出力を第二電流計72から取得することができる。
ポンプセル52には、第二電源71によって所定の電圧が印加される。この結果、被測ガス中の酸素は第三電極43において還元分解されて酸化物イオンとなる。この酸化物イオンは、ポンプ用固体電解質層(本実施形態では第二固体電解質層12)を介して第三電極(陰極)43から第四電極(陽極)44に移動し、第二基準ガス室32に排出される。したがって、ポンプセル52は被測ガス中の酸素を第二基準ガス室32に排出することができる。また、ポンプセル52には、被測ガス中の酸素濃度に応じた電流が流れる。このため、第二電流計72によってポンプセル52の出力を検出することによって被測ガス中の酸素濃度を検出することもできる。
また、上述したようにポンプセル52によって被測ガス中の酸素濃度が十分に低減されると、2NO2→2NO+O2という反応が生じ、排気ガス中のNO2がNOに還元される。したがって、被側ガスがセンサセル51に到達する前に被測ガス中のNOxがNOに単ガス化される。
ポンプセル52を通過した被測ガスは次にモニタセル53に到達する。モニタセル53は、被測ガス中の酸素を分解することで、被測ガス中の残留酸素濃度を検出する。モニタセル53の第五電極45及び第六電極46には、第三回路90が接続されている。第三回路90は第三電源91及び第三電流計92を備える。第三電源91は、第五電極45と第六電極46との間に、第六電極46の電位が第五電極45の電位よりも高くなるように電圧を印加する。ECU80の出力ポート86は、対応する駆動回路88を介して第三電源91に接続されている。したがって、ECU80は、第三電源91を制御して、モニタセル53に印加される電圧を制御することができる。また、第三電流計92は、モニタセル53に流れる電流をモニタセル53の出力として検出する。第三電流計92の出力は、対応するAD変換器87を介してECU80の入力ポート85に入力される。したがって、ECU80は、第三電流計92によって検出されたモニタセル53の出力を第三電流計92から取得することができる。
モニタセル53には、第三電源91によって所定の電圧が印加される。この結果、モニタセル53には、被測ガス中の酸素濃度に応じた電流が流れる。このため、第三電流計92によってモニタセル53の出力を検出することによって、被測ガス中の残留酸素濃度を検出することができる。ECU80は、残留酸素濃度が所定の低濃度になるように、モニタセル53の出力に基づいて、ポンプセル52への印加電圧をフィードバック制御する。この結果、センサセル51に到達する被測ガス中の酸素濃度が一定の値に制御される。
モニタセル53を通過した被測ガスは次にセンサセル51に到達する。センサセル51は、被測ガス中のNOを分解することで、被測ガス中のNOx濃度を検出する。センサセル51の第一電極41及び第二電極42には、第一回路60が接続されている。第一回路60は第一電源61及び第一電流計62を備える。第一電源61は、第一電極41と第二電極42との間に、第二電極42の電位が第一電極41の電位よりも高くなるように電圧を印加する。ECU80の出力ポート86は、対応する駆動回路88を介して第一電源61に接続されている。したがって、ECU80は、第一電源61を制御して、センサセル51に印加される電圧を制御することができる。また、第一電流計62は、センサセル51に流れる電流をセンサセル51の出力として検出する。第一電流計62の出力は、対応するAD変換器87を介してECU80の入力ポート85に入力される。したがって、ECU80は、第一電流計62によって検出されたセンサセル51の出力を第一電流計62から取得することができる。
センサセル51には、第一電源61によって所定の電圧が印加される。この結果、被測ガス中のNOは第一電極41において還元分解されて酸化物イオンが発生する。この酸化物イオンは、センサ用固体電解質層(本実施形態では第一固体電解質層11)を介して第一電極(陰極)41から第二電極(陽極)42に移動し、第一基準ガス室31に排出される。センサセル51に被測ガスが到達する前に被測ガス中のNO2がNOに単ガス化されているため、センサセル51には、NOの分解によって排気ガス中のNOx(NO及びNO2)濃度に応じた電流が流れる。このため、第一電流計62によって検出されたセンサセル51の出力を検出することによって排気ガス中のNOx濃度を検出することができる。
なお、ポンプセル52によって被測ガス中のほとんどの酸素を除去できる場合又はポンプセル52によって被測ガス中の酸素濃度をほぼ一定の低濃度にできる場合には、モニタセル53によって被測ガス中の残留酸素濃度を検出する必要はない。このため、このような場合には、NOxセンサ10は、モニタセル53を備えることなく、ポンプセル52及びセンサセル51によって排気ガス中のNOx濃度を検出してもよい。
<NOxセンサの問題点>
NOxセンサ10では、NOx濃度の検出精度を確保するために、各電気化学セルの温度を活性温度以上にする必要がある。また、ポンプセル52の温度が過剰に高くなると、ポンプセル52の第三電極43から金(Au)が蒸散する。蒸散したAuは、センサセル51の第一電極41に付着し、センサセル51の出力を恒久的に低下させる。このため、NOx濃度の検出時に、NOxセンサ10の素子部10bの温度はヒータ55によって所定の制御温度(例えば750℃〜800℃)に制御される。この結果、NOxセンサ10によるNOx濃度の検出精度を確保することができる。
ところで、内燃機関1の停止が要求されると、内燃機関1を停止させると共にNOxセンサ10のヒータ55をオフにする。この結果、ポンプセル52の温度は制御温度から徐々に低下する。本願の発明者は、内燃機関1の停止後にポンプセル52の温度が低下する際にも、ポンプセル52からのAuの蒸散によってセンサセル51の出力が低下することを見出した。この現象は、以下に説明するようなメカニズムに基づくものと考えられている。
図4は、二酸化白金(PtO2)、金(Au)、白金(Pt)及び白金−金(Pt−Au)合金の飽和蒸気圧と温度との関係を示す図である。ポンプセル52の温度が制御温度領域T3(750℃〜800℃)に制御されているときには、ポンプセル52の酸素排出能力が高いため、第三電極43においてPt−Au合金中のPtはほとんど酸化されない。また、図4に示されるようにPt−Auの飽和蒸気圧が比較的低いため、Pt−Au合金中のPt及びAuは制御温度領域T3において第三電極43から蒸散しない。
内燃機関1の停止後には排気ガス中のNOx濃度を検出する必要がないため、通常、内燃機関1の停止が要求されると、内燃機関1を停止させると共にNOxセンサ10のヒータ55をオフにする。ヒータ55がオフにされると、ポンプセル52の温度が制御温度領域T3よりも低くなり、ポンプセル52の酸素排出能力が低下する。このとき、排気ガスの空燃比が理論空燃比(14.6)よりもリーンであると、ポンプセル52の第三電極43がリーン雰囲気となる。この結果、ポンプセル52の第三電極43において、Pt−Au合金中のPtが酸化され、PtO2が生成される。
図4に示されるように、PtO2の飽和蒸気圧はPt−Au合金及びPtの飽和蒸気圧よりもはるかに高い。このため、ポンプセル52の温度が制御温度領域T3よりも低い場合であっても、第三電極43において生成されたPtO2が第三電極43から蒸散する。この結果、Pt−Au合金中のPtが蒸散されるため、第三電極43においてAuが単体の状態で存在することになる。図4に示されるように、Auの飽和蒸気圧は、PtO2の飽和蒸気圧よりも低いがPt−Au合金の飽和蒸気圧よりも高い。このため、ポンプセル52の温度が制御温度領域T3よりも低い中間温度領域T2(500℃〜750℃)にあるとき、第三電極43からAuが蒸散する。なお、ポンプセル52の温度が中間温度領域T2(500℃〜750℃)よりも低い低温度領域T1(500℃未満)にあるときには、Auの飽和蒸気圧がかなり低くなるため、Auの蒸散はほとんど発生しない。
したがって、内燃機関1の停止後にポンプセル52の温度が中間温度領域T2を通過するときに、排気ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーンである場合には、第三電極43からAuが蒸散する。図5は、ポンプセル52の温度が中間温度領域T2にあるときの排気ガスの空気過剰率λとAuの蒸散量との関係を示す図である。
ポンプセル52の第三電極43からAuが蒸散すると、蒸散したAuがセンサセル51の第一電極41に付着し、センサセル51の出力が低下する。この結果、NOxセンサ10によるNOx濃度の検出精度が低下する。したがって、NOxセンサ10によるNOx濃度の検出精度を確保するためには、ポンプセル52からのAuの蒸散によるセンサセル51の出力低下を抑制する必要がある。
<内燃機関の制御装置の説明>
以下、内燃機関1を停止させるときに、ポンプセル52からのAuの蒸散によるセンサセル51の出力低下を抑制するための制御を実行する内燃機関1の制御装置の構成及び制御について説明する。
本実施形態に係る内燃機関1の制御装置は、ヒータ制御部、内燃機関停止部、空燃比推定部及び空燃比制御部を備える。ヒータ制御部は、NOxセンサ10のヒータ55を制御することによって、素子部10bの温度、すなわちセンサセル51、ポンプセル52及びモニタセル53の温度を制御する。ヒータ制御部はNOx濃度の検出時に素子部10bの温度を制御温度(例えば750℃〜800℃)に制御する。
内燃機関停止部は内燃機関1の停止要求に応じて内燃機関1を停止させる。内燃機関1の停止要求は、例えば、内燃機関1を搭載した車両のイグニッションスイッチがオフにされたときに発生する。また、内燃機関1を搭載した車両がハイブリッド車両である場合、車両の駆動源が内燃機関1から電気モータに切り替えられるときにも内燃機関1の停止要求が発生する。内燃機関停止部は、例えば、燃焼室2への燃料の供給を停止することによって内燃機関1を停止させる。
上述したように、ポンプセル52には、被測ガス中の酸素濃度に応じた電流が流れる。このため、空燃比推定部は、ポンプセル52の出力に基づいて、被測ガス室30に導入される導入排気ガスの空燃比を推定する。なお、導入排気ガスの空燃比(排気空燃比)とは、その導入排気ガスが生成されるまでに供給された燃料の質量に対する空気の質量の比率(空気の質量/燃料の質量)を意味し、導入排気ガスの成分から推定される。なお、導入排気ガスが生成されるまでに供給された燃料には、燃焼室2に供給された燃料だけでなく、NOxセンサ10よりも上流側の排気通路に供給された燃料も含まれる。
空燃比制御部は、空燃比推定部によって推定された空燃比に基づいて、導入排気ガスの空燃比を制御する。具体的には、空燃比制御部は、内燃機関1の停止が要求されたときに、空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比よりもリーンである場合には、導入排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチに制御する。空燃比制御部は、空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときに、燃料噴射弁3から燃焼室2に供給される燃料の量を増加させることによって導入排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチに制御することができる。なお、空燃比制御部は、NOxセンサ10よりも上流側の排気通路に燃料を供給する排気燃料噴射弁(図示せず)が内燃機関1に設けられている場合、排気燃料噴射弁から排気通路に燃料を供給することによって導入排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチに制御してもよい。
内燃機関停止部は、内燃機関1の停止が要求された後、空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比以下であるときに内燃機関1を停止させる。ヒータ制御部は、内燃機関1の停止が要求された後、空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比以下であるときにヒータ55をオフにする。なお、本実施形態では、ECU80が、ヒータ制御部、内燃機関停止部、空燃比推定部及び空燃比制御部として機能する。
<タイムチャートを用いた制御の説明>
以下、図6のタイムチャートを参照して、内燃機関1を停止させるときの制御について具体的に説明する。図6は、内燃機関の停止が要求されるときの、内燃機関1の停止要求の有無、内燃機関1の機関回転数、燃焼室2への燃料供給量、導入排気ガスの空燃比(排気空燃比)、ヒータ55のオンオフ及び素子部10bの温度の概略的なタイムチャートである。図示した例では、素子部10bの温度はポンプセル52のインピーダンスに基づいて算出されている。
図示した例では、時刻t1において内燃機関1の停止が要求されている。時刻t1以前には、排気空燃比は理論空燃比(14.6)よりもリーンな値に維持されている。このため、排気空燃比を理論空燃比よりもリッチにすべく、時刻t1において燃焼室2への燃料供給量が増加される。この結果、排気空燃比は、時刻t1の後、理論空燃比よりもリッチな空燃比に向かって徐々に低下する。また、時刻t1において、燃費の悪化を抑制すべく、内燃機関1の機関回転数が、低下せしめられ、アイドル回転数NEi(例えば600rpm)に制御される。なお、時刻t1においてヒータ55はオンにされたままであり、素子部10bの温度は制御温度(図示した例では775℃)に制御されている。
図示した例では、時刻t2において排気空燃比が理論空燃比に達する。この結果、時刻t2において、内燃機関1を停止させるべく、燃焼室2への燃料供給量がゼロにされる。この結果、内燃機関1の機関回転数がゼロまで低下し、内燃機関1が停止する。また、時刻t2においてヒータ55がオフにされる。この結果、素子部10bの温度は制御温度から徐々に低下する。
図示した例では、時刻t3において、素子部10bの温度が、Auの蒸散がほとんど発生しない低温度領域(500℃未満)に達する。上述した制御によれば、素子部10bの温度が制御温度から低温度領域に低下するまでの間(時刻t2〜時刻t3)、排気空燃比が理論空燃比以下に維持される。したがって、素子部10bの温度の低下によってポンプセル52の酸素排出能力が低下したとしても、ポンプセル52の第三電極43においてPt−Au合金中のPtはほとんど酸化されない。この結果、ポンプセル52の第三電極43からAuが蒸散することが抑制され、ひいてはセンサセル51の出力低下が抑制される。
図示した例では、排気空燃比が理論空燃比に達したときに内燃機関1を停止させ且つヒータ55をオフにしている。しかしながら、排気空燃比が理論空燃比よりもリッチな所定の空燃比に達したときに内燃機関1を停止させ且つヒータ55をオフにしてもよい。このことによって、Auの蒸散によるセンサセル51の出力低下をより確実に抑制することができる。また、内燃機関1を停止させるタイミング、すなわち燃焼室2への燃料供給量をゼロにするタイミングと、ヒータ55をオフにするタイミングは異なっていてもよい。
<内燃機関停止処理>
以下、図7のフローチャートを参照して、内燃機関1を停止させるときの制御について詳細に説明する。図7は、本発明の第一実施形態における内燃機関停止処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは、ECU80によって所定の時間間隔で繰り返し実行される。
最初に、ステップS101において、内燃機関停止部が、内燃機関1の停止要求が有るか否かを判定する。内燃機関1の停止要求が無いと判定された場合、本制御ルーチンは終了する。なお、内燃機関1の停止要求が発生した場合、内燃機関1の停止が要求されてから内燃機関1が停止せしめられ且つヒータ55がオフにされるまで、内燃機関1の停止要求が有ると判定される。一方、内燃機関1の停止要求が有ると判定された場合、本制御ルーチンはステップS102に進む。
ステップS102では、空燃比推定部が、被測ガス室30に導入される導入排気ガスの空燃比(排気空燃比)が理論空燃比よりもリーンであるか否かを判定する。空燃比推定部はポンプセル52の出力に基づいて排気空燃比を推定する。ステップS102において排気空燃比が理論空燃比よりもリーンでないと判定された場合、すなわち排気空燃比が理論空燃比以下であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS106に進む。
この場合、図5からわかるように、内燃機関1を停止させてヒータ55をオフにしたとしても、ポンプセル52の第三電極43からAuは蒸散しない。このため、ステップS106では、内燃機関停止部が内燃機関1を停止させる。内燃機関停止部は、例えば、燃焼室2への燃料供給を停止することによって内燃機関1を停止させる。次いで、ステップS107では、ヒータ制御部がヒータ55をオフにする。ステップS107の後、本制御ルーチンは終了する。
一方、ステップS102において排気空燃比が理論空燃比よりもリーンであると判定された場合、本制御ルーチンはステップS103に進む。ステップS103では、燃費の悪化を抑制すべく、内燃機関停止部が内燃機関1の機関回転数を低回転数に変更する。内燃機関停止部は例えば機関回転数をアイドル回転数(例えば600rpm)に変更する。内燃機関停止部は、燃焼室2に供給される空気量及び燃料量を制御することによって機関回転数を制御することができる。
次いで、ステップS104において、空燃比制御部が排気空燃比を理論空燃比よりもリッチに制御する。例えば、空燃比制御部は、燃料噴射弁3から燃焼室2に供給される燃料の量を増加させることによって排気空燃比を理論空燃比よりもリッチに制御する。なお、空燃比制御部は、内燃機関1の排気通路に設けられた排気燃料噴射弁から燃料を供給することによって排気空燃比を理論空燃比よりもリッチに制御してもよい。
次いで、ステップS105では、ステップS102と同様に、空燃比推定部が、排気空燃比が理論空燃比よりもリーンであるか否かを判定する。排気空燃比が理論空燃比よりもリーンであると判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、排気空燃比が理論空燃比よりもリーンでないと判定された場合、すなわち排気空燃比が理論空燃比以下であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS106に進む。上述したように、ステップS106では内燃機関が停止せしめられ、ステップS107ではヒータ55がオフにされる。ステップS107の後、本制御ルーチンは終了する。
<第二実施形態>
第二実施形態に係る内燃機関の制御装置は、以下に説明する点を除いて、基本的に第一実施形態に係る内燃機関の制御装置の構成及び制御と同様である。このため、以下、本発明の第二実施形態について、第一実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第二実施形態では、内燃機関1の制御装置は、NOxセンサ10の周囲温度を推定する周囲温度推定部を更に備える。周囲温度推定部は、例えば、排気管27に配置された排気温センサの出力に基づいてNOxセンサ10の周囲温度を推定する。本実施形態では、ECU80が周囲温度推定部として機能する。
ヒータ制御部は、内燃機関1の停止後、空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比以下であり且つ周囲温度推定部によって推定された周囲温度が所定温度以下であるときにヒータ55をオフにする。所定温度は、素子部10bの制御温度(例えば750℃〜800℃)未満の温度であり、例えば500℃である。上述した制御によって、素子部10bの温度が制御温度から低温度領域(500℃未満)に低下するまでの時間を短くすることができる。この結果、Auの蒸散によるセンサセル51の出力低下をより確実に抑制することができる。
<内燃機関停止処理>
図8は、本発明の第二実施形態における内燃機関停止処理の制御ルーチンを示すフローチャートである。本制御ルーチンは、ECU80によって所定の時間間隔で繰り返し実行される。図8におけるステップS201〜ステップS206は、図7におけるステップS101〜ステップS106と同様であることから説明を省略する。
本制御ルーチンは、ステップS206の後、ステップS207に進む。ステップS207では、周囲温度推定部が、NOxセンサ10の周囲温度が所定温度以下であるか否かを判定する。周囲温度推定部は、例えば、排気管27に配置された排気温センサの出力に基づいてNOxセンサ10の周囲温度を推定する。所定温度は例えば500℃である。
ステップS207においてNOxセンサ10の周囲温度が所定温度よりも高いと判定された場合、本制御ルーチンは終了する。一方、ステップS207においてNOxセンサ10の周囲温度が所定温度以下であると判定された場合、本制御ルーチンはステップS208に進む。ステップS208では、ヒータ制御部がヒータ55をオフにする。ステップS208の後、本制御ルーチンは終了する。
以上、本発明に係る好適な実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載内で様々な修正及び変更を施すことができる。
1 内燃機関
10 NOxセンサ
10b 素子部
11 第一固体電解質層
12 第二固体電解質層
30 被測ガス室
41 第一電極
42 第二電極
43 第三電極
44 第四電極
51 センサセル
52 ポンプセル
55 ヒータ
80 電子制御ユニット(ECU)

Claims (1)

  1. 内燃機関の制御装置であって、
    前記内燃機関の排気通路には、該排気通路を流れる排気ガス中の窒素酸化物濃度を検出する窒素酸化物センサが配置されており、
    前記窒素酸化物センサは、
    前記排気ガスが被測ガスとして導入される被測ガス室と、
    酸化物イオン伝導性を有するセンサ用固体電解質層と、前記被測ガスに曝されるように前記センサ用固体電解質層の一方の側面上に配置された第一電極と、基準ガスに曝されるように前記センサ用固体電解質層の他方の側面上に配置された第二電極とを有するセンサセルと、
    酸化物イオン伝導性を有するポンプ用固体電解質層と、前記被測ガスに曝されるように前記ポンプ用固体電解質層の一方の側面上に配置され且つ白金−金合金から構成された第三電極と、前記基準ガスに曝されるように前記ポンプ用固体電解質層の他方の側面上に配置された第四電極とを有すると共に、前記被測ガスの流れ方向において前記センサセルよりも上流側に配置されたポンプセルと、
    前記センサセル及び前記ポンプセルを加熱するヒータと、を備え、
    当該制御装置は、
    前記内燃機関の停止要求に応じて該内燃機関を停止させる内燃機関停止部と、
    前記ヒータを制御するヒータ制御部と、
    前記ポンプセルの出力に基づいて、前記被測ガス室に導入される導入排気ガスの空燃比を推定する空燃比推定部と、
    前記空燃比推定部によって推定された空燃比に基づいて前記導入排気ガスの空燃比を制御する空燃比制御部と、を備え、
    前記空燃比制御部は、前記内燃機関の停止が要求されたときに、前記空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比よりもリーンである場合には、前記導入排気ガスの空燃比を理論空燃比よりもリッチに制御し、前記内燃機関停止部は、前記内燃機関の停止が要求された後、前記空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比以下であるときに前記内燃機関を停止させ、前記ヒータ制御部は、前記内燃機関の停止が要求された後、前記空燃比推定部によって推定された空燃比が理論空燃比以下であるときに前記ヒータをオフにする、内燃機関の制御装置。
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