JP2017155665A - タービンのターニング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タービンロータへの伝動に歯車の噛み合いをなくし、円滑かつ安全にターニング運転を投入することができるタービンのターニング装置を提供する。【解決手段】実施形態によるターニング装置は、タービンのタービンロータを低速で回転させるターニング運転を実施するためのターニング装置であって、ターニング運転に必要なトルクを発生するモータ15と、モータ15とタービンロータ14とを直接接続し、タービンロータ14の低速域から高速域までタービンロータ14とモータ15との間の速度比を変化させる変速装置16と、を備えている。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、タービンのタービンロータを、タービンの起動前および停止後に低速で回転させるのに利用されるタービンのターニング装置に関する。
発電プラントで用いられている蒸気タービンには、タービンロータを低速で回転させるターニング装置が設けられている。ターニング装置は、蒸気タービンの起動前や、蒸気タービンの停止後にタービンロータを低速回転させることにより、タービンロータの曲がりを直すのに使用される装置である。今回では主に蒸気タービンを例として挙げる。
停止している蒸気タービンでは、動翼などの重量を受けて、タービンロータには僅かながら曲がりが生じている。この状態で蒸気タービンをいきなり起動すると、大きな振動が発生するなどの問題がある。そこで、ターニング装置は、蒸気タービンの起動に際して、あらかじめタービンロータを低速回転させる。これによって、タービンロータの曲がりが修正され、円滑な回転上昇がもたらされる。
また、蒸気タービンが停止した後は、タービンロータの偏心が生じケーシングとタービンロータの間隙が正常値からずれる可能性があるが、これを防止するためにも、ターニング装置が用いられる。
すなわち、蒸気タービンが停止した後は、ケーシングの内部では上下に温度差が生じており、その中にタービンロータが静止したまま置かれると、温度差によってタービンロータの偏心が大きくなる。
蒸気タービンが停止した後においても、ターニング装置によってタービンロータを低速で回転させると、タービンロータ全周の温度分布を均一化することができ、また、羽根の撹拌効果により、ケーシング内部の温度を均一化することができるので、タービンロータの偏心を未然に防止することができる。
その他にも、ターニング装置は、タービンロータからの熱伝達による、軸受損傷の防止の役割も果たす。
その他にも、ターニング装置は、タービンロータからの熱伝達による、軸受損傷の防止の役割も果たす。
ところで、従来のターニング装置は、タービンロータと歯車伝動機構を介して接続される形式のものが一般的である。
ターニング運転を投入する場合には、ターニング装置側の歯車と、タービンロータ側の歯車とを噛み合わせ、タービンロータに低速回転させるトルクを伝達する。この種のターニング装置についての従来技術としては、例えば、特許文献1に開示されているものがある。
ターニング運転を投入する場合には、ターニング装置側の歯車と、タービンロータ側の歯車とを噛み合わせ、タービンロータに低速回転させるトルクを伝達する。この種のターニング装置についての従来技術としては、例えば、特許文献1に開示されているものがある。
また、特許文献2は、歯車伝動式のターニング装置に替えて、ターニング専用の蒸気タービンを別途設置し、このターニング用蒸気タービンに蒸気を供給して、タービンロータを低速回転させるようにしたターニング装置を提案している。
しかしながら、機械的な歯車の噛み合いによってターニング運転の投入を行うターニング装置では、ターニング装置側の歯車が、静止しているタービンロータ側の歯車に噛み合うことになるため、そのときの衝撃で歯車に過大な応力が発生し、破損が発生する虞がある。
ところで、蒸気タービンでは、タービンロータが停止するまで、タービンロータを支持する軸受に潤滑油を供給する必要がある。何らかの事故によって、蒸気タービンが停止した場合も同様である。
電源喪失のような重大な事故の場合には、潤滑油を供給するポンプも停止してしまい、軸受への油の供給も止まってしまうという問題がある。
ところで、蒸気タービンでは、タービンロータが停止するまで、タービンロータを支持する軸受に潤滑油を供給する必要がある。何らかの事故によって、蒸気タービンが停止した場合も同様である。
電源喪失のような重大な事故の場合には、潤滑油を供給するポンプも停止してしまい、軸受への油の供給も止まってしまうという問題がある。
本発明は、前記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであって、タービンロータへの伝動に歯車の噛み合いをなくし、円滑かつ安全にターニング運転を投入することができるタービンのターニング装置を提供することを目的としている。
前記の目的を達成するために、本発明の実施形態は、タービンのタービンロータを低速で回転させるターニング運転を実施するためのターニング装置において、前記ターニング運転に必要なトルクを発生するモータと、前記モータと前記タービンロータとを直接接続し、前記タービンロータの低速域から高速域まで前記タービンロータと前記モータとの間の速度比を変化させる変速装置と、を備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、タービンロータへの伝動に歯車の噛み合いをなくして、円滑かつ安全にターニング運転を投入することができる
以下、本発明によるタービンのターニング装置の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
本実施の形態では、主にタービンの中でも蒸気タービンのターニング装置を例として挙げて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるタービンのターニング装置の概要を示す図である。図1において、参照番号10は、本実施形態によるターニング装置12が適用される発電プラントの蒸気タービンを示している。参照番号14はタービンロータを示している。
本実施の形態では、主にタービンの中でも蒸気タービンのターニング装置を例として挙げて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるタービンのターニング装置の概要を示す図である。図1において、参照番号10は、本実施形態によるターニング装置12が適用される発電プラントの蒸気タービンを示している。参照番号14はタービンロータを示している。
本実施形態に係るターニング装置12は、ターニングモータ15と、このターニングモータ15とタービンロータ14とを連結する無段変速装置16と、を備えている。ターニングモータ15は、発電プラントの常用電源17から電力が供給される交流電動機である。この実施形態では、無段変速装置16には、2つ1組の軸が平行な円すい形ローラ18a、18bにベルト20が巻き掛けられている変速装置が適用されている。この無段変速装置16は、ベルト20の位置を変化させることによって、ターニングモータ15とタービンロータ14の間の回転速度比をタービンロータ14の低速域から高速域まで連続的に変化させながら動力伝達を行うように構成されている。
次に、本実施形態によるタービンのターニング装置の作用及び効果について説明する。
ターニング装置12によって、タービンロータ14を低速回転させるターニング運転は、蒸気タービン10を起動する前と、蒸気タービン10の停止後に実施される。
ターニング装置12によって、タービンロータ14を低速回転させるターニング運転は、蒸気タービン10を起動する前と、蒸気タービン10の停止後に実施される。
まず、蒸気タービン10の起動前のターニング運転について説明する。
ターニング運転では、ターニングモータ15の回転数は、タービンロータ14の回転数との比がある値に一定になるように、無段変速装置16によって減速されてタービンロータ14に回転が伝達される。
ターニング運転では、ターニングモータ15の回転数は、タービンロータ14の回転数との比がある値に一定になるように、無段変速装置16によって減速されてタービンロータ14に回転が伝達される。
本実施形態によれば、ターニングモータ15は、タービンロータ14と無段変速装置16を介してターニング運転前からあらかじめ接続されているので、ターニング運転に必要な動力を伝達するのに、従来のように、ターニングモータとタービンロータ14を、歯車機構を介して接続する必要がなくなり、円滑にターニング運転を投入することができる。
ターニング運転は、所定時間続けられ、この間、ターニングロータ14は、低速での回転を継続し、タービンロータ14の曲がりが修正される。
ターニング運転は、所定時間続けられ、この間、ターニングロータ14は、低速での回転を継続し、タービンロータ14の曲がりが修正される。
ターニング運転が十分に行われると、次に、蒸気が供給されて蒸気タービン10が起動される。タービンロータ14の回転数は、次第に上昇し、蒸気タービン10の通常運転では、例えば、1500rpm程度に到達する。
本実施形態によるターニング装置12は、蒸気タービン10の運転中もタービンロータ14と接続されたままであるが、タービンロータ14の回転数の上昇に追従して、ターニングモータ15の回転数も変化していく。このような回転数の変化は、無段変速機16によって円滑に進行する。
蒸気タービン10が通常運転されている間、ターニングモータ15はタービンロータ14の回転に追従して回転するだけである。
蒸気タービン10が通常運転されている間、ターニングモータ15はタービンロータ14の回転に追従して回転するだけである。
次に、蒸気タービン10が停止した後のターニング運転について説明する。
蒸気タービン10は、蒸気の供給が止まっても、タービンロータ14はしばらくの間慣性で回転を続けることになる。タービンロータ14の回転数が、十分低下したら、常用電源17からターニングモータ15に電力が供給され、ターニング運転が開始される。
蒸気タービン10は、蒸気の供給が止まっても、タービンロータ14はしばらくの間慣性で回転を続けることになる。タービンロータ14の回転数が、十分低下したら、常用電源17からターニングモータ15に電力が供給され、ターニング運転が開始される。
ターニングモータ15にタービンロータ14と無段変速装置16を介して接続されている状態のままなので、ターニング運転に必要な動力を伝達するのに、従来のように、ターニングモータとタービンロータ14を歯車機構を介して接続する必要がなくなり、円滑にターニング運転を投入することができる。
このようなターニング運転の投入によって、タービンロータ14が低速回転を続けると、タービンロータ14全周の温度分布を均一化することができ、また、羽根の撹拌効果により、図示しないケーシング内部の温度を均一化することができるので、タービンロータ14の偏心を未然に防止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態によるタービンのターニング装置について、図2を参照して説明する。なお、図1の第1実施形態と同一の構成要素には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略する。
次に、本発明の第2実施形態によるタービンのターニング装置について、図2を参照して説明する。なお、図1の第1実施形態と同一の構成要素には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略する。
この第2実施形態に係るターニング装置30では、ターニングモータが無段変速装置16を介してタービンロータ14と常時連結されている点は第1実施形態と同様である。
第1実施形態と異なる点は、ターニングモータ15の替わりに、電動機の機能とともに発電機能を有するモータ発電機32を適用し、発電した電力を充電式バッテリ33に充電し、その電力を利用して、蒸気タービン10の軸受等に潤滑油を供給できるようにした点にある。
モータ発電機32は、制御装置34と接続されている。制御装置34は、電源周波数の制御によって、モータ発電機32の回転数を制御することが可能であり、モータ発電機32が発電する場合には、発電した交流電力を直流に変換して充電式バッテリ33に蓄電させる機能を有している。さらに、制御装置34は、モータ発電機32の電源に常用電源17を利用しない場合には、充電式バッテリ33から送電された直流電力を交流に変換してモータ発電機32に供給する機能を有している。なお、モータ発電機32には、常用電源17からの電力供給も可能である。
この実施形態では、充電式バッテリ33は、ターニングモータとして作動するモータ発電機32に電力を供給するだけでなく、潤滑油をタービンロータ14の軸受等に供給する主油ポンプ35の電源としても利用されている。
図2に示されるように、各主油ポンプ35は、主油ポンプモータ36によって駆動される。各主油ポンプモータ36は、給電配線37によって、充電式バッテリ33と接続され、また、給電配線38を介して常用電源17と接続されている。
第2実施形態に係るターニング装置30は、以上のように構成されるものであり、次に、その作用および効果について説明する。
まず、蒸気タービン10を起動する前に実施されるターニング運転について説明する。
まず、蒸気タービン10を起動する前に実施されるターニング運転について説明する。
ターニングモータとして働くモータ発電機32は、常用電源17あるいは充電式バッテリ33から供給される電力によって回転する。充電式バッテリ33から電力が供給される場合には、制御装置34によって、モータ発電機32は定格ターニング回転数に維持される。
こうしてモータ発電機32の回転数は、タービンロータ14の回転数との比がある値に一定になるように、無段変速装置16によって減速されてタービンロータ14に回転が伝達される。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、モータ発電機32は、タービンロータ14と無段変速装置16を介してターニング運転前からあらかじめ接続されているので、ターニング運転に必要な動力を伝達するのに、従来のように、ターニングモータとタービンロータ14を歯車機構を介して接続する必要がなくなり、円滑にターニング運転を投入することができる。
ターニング運転は、所定時間続けられ、この間、ターニングロータ14は、低速での回転を継続し、タービンロータ14の曲がりが修正される。
ターニング運転が十分に行われると、次に、蒸気が供給されて蒸気タービン10が起動される。タービンロータ14の回転数は、次第に上昇し、やがて通常運転の定格回転数に到達する。
本実施形態では、蒸気タービン10が通常運転されている間、モータ発電機32は、タービンロータ14の回転エネルギーを電力に変換する発電機として機能する。発電された電気は、充電式バッテリ33に蓄電される。
次に、蒸気タービン10の通常運転が停止した後のターニング運転について説明する。この場合には、モータ発電機32は、ターニングモータとして機能することになる。
蒸気タービン10への蒸気の供給が止まり、タービンロータ14の回転数が十分に低下したら、常用電源17または充電式バッテリ33からモータ発電機32に電力が供給され、ターニング運転が開始される。
蒸気タービン10への蒸気の供給が止まり、タービンロータ14の回転数が十分に低下したら、常用電源17または充電式バッテリ33からモータ発電機32に電力が供給され、ターニング運転が開始される。
モータ発電機32は、タービンロータ14と無段変速装置16を介して接続されている状態のままなので、ターニング運転に必要な動力を伝達するのに、モータ発電機32とタービンロータ14を歯車機構を介して接続する必要はなくなり、円滑にターニング運転を投入することができる。
このようなターニング運転の投入によって、第1実施形態と同様に、タービンロータ14が低速回転を続けると、タービンロータ14全周の温度分布を均一化することができ、また、羽根の撹拌効果により、図示しないケーシング内部の温度を均一化することができので、タービンロータの偏心を未然に防止することができる。
以上は、蒸気タービン10が正常に運転されている場合のターニング装置の動作の説明である。
発電プラントでは、大地震、津波等の重大な災害によって、電源を喪失してしまう事態が十分に想定される。
発電プラントでは、大地震、津波等の重大な災害によって、電源を喪失してしまう事態が十分に想定される。
蒸気タービン10では、タービンロータ14を支持している軸受には、主油ポンプ35によって潤滑油が常時供給されており、この潤滑油の供給は、タービンロータ10が回転している限り、停止するまで継続しなければならない。
平時には、主油ポンプ35を駆動する主油ポンプモータ36には、常用電源17から電力が安定供給されるもので、潤滑油の供給は維持される。
平時には、主油ポンプ35を駆動する主油ポンプモータ36には、常用電源17から電力が安定供給されるもので、潤滑油の供給は維持される。
ところが、電源喪失のような事故が万一発生すると、主油ポンプ35が止まり、潤滑油を軸受等に供給できなくなる虞がある。
本実施形態では、万一、電源喪失という事態が発生したとしても、モータ発電機32と充電式バッテリ33の組み合わせにより、次のようにして潤滑油の供給を維持することができる。
本実施形態では、万一、電源喪失という事態が発生したとしても、モータ発電機32と充電式バッテリ33の組み合わせにより、次のようにして潤滑油の供給を維持することができる。
ここで、図3は、電源喪失のような大事故が発生した場合のタービンロータ14と主油ポンプモータ36の回転数の時間的変化を示すグラフである。
時間T1は、電源喪失時点を示し、時間T2は、その後のタービントリップの時点を示し、蒸気タービン10への蒸気の供給は強制的に直ちに停止されたものとする。
通常運転時には、タービンロータ14は一定の回転数で回転しているが、タービントリップ後は徐々に回転数が低下していく。この間の過程では、正常運転している時も含めて、モータ発電機32によってタービンロータ14の回転エネルギーが電気エネルギーに変えられ、この電力を使って主油ポンプモータ36が駆動されるので、タービンロータ14の軸受への給油が行われる。タービンロータ14の回転がさらに低下していくと、モータ発電機32での発電量が主油ポンプ35を駆動するのに不足してしまう可能性がある。
時間T1は、電源喪失時点を示し、時間T2は、その後のタービントリップの時点を示し、蒸気タービン10への蒸気の供給は強制的に直ちに停止されたものとする。
通常運転時には、タービンロータ14は一定の回転数で回転しているが、タービントリップ後は徐々に回転数が低下していく。この間の過程では、正常運転している時も含めて、モータ発電機32によってタービンロータ14の回転エネルギーが電気エネルギーに変えられ、この電力を使って主油ポンプモータ36が駆動されるので、タービンロータ14の軸受への給油が行われる。タービンロータ14の回転がさらに低下していくと、モータ発電機32での発電量が主油ポンプ35を駆動するのに不足してしまう可能性がある。
そこで、タービンロータ14の回転数が主油ポンプの運転を継続するのに必要な最小回転数まで低下すると(時間T3)、制御装置34は、充電式バッテリ33から供給される電力によって主油ポンプモータ36を駆動するように切り換える。以後、主油ポンプ35は、充電式バッテリ33によって安定的に駆動されるので、タービンロータ14が安全に停止するまで、軸受への給油は継続されるものになる。
なお、以上は、主油ポンプモータ36への電力供給を例に説明したが、タービンロータ14の安全な停止には、様々な機器、装置(周辺機器)が関与している。この周辺機器としては、主油ポンプ35の他に、例えば、軸受から戻ってきた温度の上がった潤滑油の冷却に用いられる油冷却ポンプの電源に、上述のようなモータ発電機32と充電式バッテリ33を組み合わせるようにしてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態によるタービンのターニング装置について、図4を参照して説明する。なお、第2実施形態の図2と同一の構成要素には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略する。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態によるタービンのターニング装置について、図4を参照して説明する。なお、第2実施形態の図2と同一の構成要素には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略する。
この第3実施形態によるターニング装置40が第2実施形態と異なる点は、モータ発電機32と制御装置34を含む電気回路に抵抗器(制動装置)41を設けた点にある。抵抗器41は、モータ発電機32と制御装置を接続する配線と並列にスイッチ42を介して配置されている。
次に、以上のように構成される第3実施形態の作用および効果について説明する。
蒸気タービン10が運転されている時に、タービンロータ14の回転エネルギーをモータ発電機32で電気に替えて充電式バッテリ33に蓄える点、および電源喪失時には、主油ポンプ35等の電源に充電式バッテリ33を利用できる点も、第2実施形態と同様であるので、ここでは説明は省略する。
蒸気タービン10が運転されている時に、タービンロータ14の回転エネルギーをモータ発電機32で電気に替えて充電式バッテリ33に蓄える点、および電源喪失時には、主油ポンプ35等の電源に充電式バッテリ33を利用できる点も、第2実施形態と同様であるので、ここでは説明は省略する。
この第3実施形態では、蒸気タービン10への蒸気の供給が止まった後、タービンロータ14の回転数が低下するまで時間がかかることに鑑み、その時間を短縮することを目的に抵抗器41を設けている。図4に示されるように、スイッチ42の接点は、抵抗器41側に切り換えられると、タービンロータ14の回転エネルギーは抵抗器41で熱になって消費されるので、タービンロータ14を早期に停止させることができる。また、この過程では、モータ発電機32は回生ブレーキとなり、タービンロータ14の停止を促進する。
タービンロータ14の回転数が十分に低下したら、常用電源17または充電式バッテリ33からモータ発電機32に電力が供給され、ターニング運転が開始されることになる。なお、抵抗器41を利用する場面としては、タービンロータ14の停止までの時間短縮の他に、蒸気タービン10の運転中に負荷の変動によるオーバースピードの発生を防止するのに利用することも可能である。
タービンロータ14の回転数が十分に低下したら、常用電源17または充電式バッテリ33からモータ発電機32に電力が供給され、ターニング運転が開始されることになる。なお、抵抗器41を利用する場面としては、タービンロータ14の停止までの時間短縮の他に、蒸気タービン10の運転中に負荷の変動によるオーバースピードの発生を防止するのに利用することも可能である。
(第4実施形態)
次に、図5は、本発明の第4実施形態によるタービンのターニング装置を示す。なお、第2実施形態の図2と同一の構成要素には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略する。
この第4実施形態によるターニング装置50が第2実施形態と異なる点は、主復水器52内部の負圧を開放する真空破壊弁54の電源に充電式バッテリ33を用いた点である。
図5に示されるように、真空破壊弁54の駆動部は、配線55を介して充電式バッテリ33と接続され、真空破壊弁54を開くのに必要な電力が充電式バッテリ33から供給されるようになっている。
次に、図5は、本発明の第4実施形態によるタービンのターニング装置を示す。なお、第2実施形態の図2と同一の構成要素には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略する。
この第4実施形態によるターニング装置50が第2実施形態と異なる点は、主復水器52内部の負圧を開放する真空破壊弁54の電源に充電式バッテリ33を用いた点である。
図5に示されるように、真空破壊弁54の駆動部は、配線55を介して充電式バッテリ33と接続され、真空破壊弁54を開くのに必要な電力が充電式バッテリ33から供給されるようになっている。
以上のように構成される第4実施形態においても、蒸気タービン10が運転されている時に、タービンロータ14の回転エネルギーをモータ発電機32で電気に替えて充電式バッテリ33に蓄える点、および電源喪失時には、主油ポンプ35等の電源に充電式バッテリ33を利用できる点も、第2実施形態と同様であるので、ここでは説明は省略する。
この第4実施形態では、第3実施形態と同様に、蒸気タービン10への蒸気の供給が止まった後、タービンロータ14の回転数が低下しターニングを投入できるようになるまで時間の短縮化を図っている。
蒸気タービン10の運転中は、仕事を終えた蒸気が主復水器52で凝縮するため、主復水器52の内部は負圧状態になっており、蒸気タービン10のケーシング内部も同様に負圧になっている。この状態では、蒸気タービン10に蒸気の供給が止まった後も、タービンロータ14が回転を低下するまでに時間がかかることになる。
そこで、蒸気タービン10の運転が停止されると、充電式バッテリ33に蓄えられた電力を使って、真空破壊弁54が開放される。この結果、蒸気タービン10のケーシング内部には空気が流れ込み、羽根との間に生じる空気抵抗によって、タービンロータ14の回転数の低下が促進され、より早期に停止させることができる。また、この過程では、モータ発電機32は回生ブレーキとなり、タービンロータ14の停止を促進する。
タービンロータ14の回転数が十分に低下したら、常用電源17または充電式バッテリ33からモータ発電機32に電力が供給され、ターニング運転が開始されることになる。
タービンロータ14の回転数が十分に低下したら、常用電源17または充電式バッテリ33からモータ発電機32に電力が供給され、ターニング運転が開始されることになる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態によるタービンのターニング装置について、図6、図7を参照して説明する。
図6は、図1の第1実施形態によるターニング装置10において、ターニングモータ15と無段変速装置16とをクラッチ60で接続する実施形態を示し、図7は、図2の第2実施形態によるターニング装置30において、モータ発電機32と無段変速装置16とをクラッチ60で接続する実施形態を示す。ターニング運転を実施する際には、ターニングモータ15またはモータ発電機32は、クラッチ60によって、無段変速装置16と接続される。なお、なお、ここで適用されるクラッチには、機械的な噛み合いや摩擦によって回転を伝達するクラッチの他、流体や磁気を利用したクラッチも含まれる。
次に、本発明の第5実施形態によるタービンのターニング装置について、図6、図7を参照して説明する。
図6は、図1の第1実施形態によるターニング装置10において、ターニングモータ15と無段変速装置16とをクラッチ60で接続する実施形態を示し、図7は、図2の第2実施形態によるターニング装置30において、モータ発電機32と無段変速装置16とをクラッチ60で接続する実施形態を示す。ターニング運転を実施する際には、ターニングモータ15またはモータ発電機32は、クラッチ60によって、無段変速装置16と接続される。なお、なお、ここで適用されるクラッチには、機械的な噛み合いや摩擦によって回転を伝達するクラッチの他、流体や磁気を利用したクラッチも含まれる。
以上のように構成される第5実施形態によれば、蒸気タービン10の運転中には、ターニングモータ15あるいはモータ発電機32は、クラッチ60を切ることによって、蒸気タービン10からから切り離すことができるようになる。したがって、蒸気タービン10の運転中にターニングモータ15あるいはモータ発電機32のメンテナンスを実施することが可能になる。
以上、本発明に係るタービンのターニング装置について、好適な実施形態を挙げて説明したが、これらの実施形態は、例示として挙げたもので、発明の範囲の制限を意図するものではない。もちろん、明細書に記載された新規な装置、方法およびシステムは、様々な形態で実施され得るものであり、さらに、本発明の主旨から逸脱しない範囲において、種々の省略、置換、変更が可能である。請求項およびそれらの均等物の範囲は、発明の主旨の範囲内で実施形態あるいはその改良物をカバーすることを意図している。
10…蒸気タービン、12…ターニング装置、14…タービンロータ、15…ターニングモータ、16…無段変速装置、20…ベルト、30…ターニング装置、32…モータ発電機、33…充電式バッテリ、34…制御装置、35…主油ポンプ、36…主油ポンプモータ、40…ターニング装置、41…抵抗器、42…スイッチ、50…ターニング装置、52…主復水器、54…真空破壊弁、60…クラッチ
Claims (7)
- タービンのタービンロータを低速で回転させるターニング運転を実施するためのターニング装置において、
前記ターニング運転に必要なトルクを発生するモータと、
前記モータと前記タービンロータとを直接接続し、前記タービンロータの低速域から高速域まで前記タービンロータと前記モータとの間の速度比を変化させる変速装置と、を備えることを特徴とするタービンのターニング装置。 - 前記変速装置は、前記タービンロータと前記モータとの間の速度比を連続的に変化させる無段変速装置からなることを特徴とする請求項1に記載のタービンのターニング装置。
- 前記モータとしての機能と発電機能とを有するモータ発電機と、
前記モータ発電機で発電された電気を蓄電し、前記モータ発電機の補助電源でもある充電式バッテリと、を有し、
前記タービンロータが停止するまでの間、動作の維持が必要とされるタービン周辺機器の電源として、前記充電式バッテリを利用可能にしたことを特徴とする請求項1に記載のタービンのターニング装置。 - 前記タービン周辺機器は、前記タービンロータを支持する軸受に潤滑油を供給する主油ポンプを駆動するモータであることを特徴とする請求項3に記載のタービンのターニング装置。
- 前記タービンロータの回転エネルギーを熱エネルギーに変換し、前記タービンロータを制動する制動装置を有することを特徴とする請求項3に記載のタービンのターニング装置。
- 前記充電式バッテリは、主復水器に設けられる真空破壊弁の開放操作用電源となることを特徴とする請求項3に記載のタービンのターニング装置。
- 前記無段変速装置と前記モータとは、クラッチを介して接続されていることを特徴とする請求項2または3に記載のタービンのターニング装置。
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Cited By (2)
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CN111412028A (zh) * | 2020-03-23 | 2020-07-14 | 中国电力工程顾问集团华北电力设计院有限公司 | 共用直流电源系统且不设危急油泵的润滑油供油系统 |
CN111412027A (zh) * | 2020-03-23 | 2020-07-14 | 中国电力工程顾问集团华北电力设计院有限公司 | 独立直流电源系统且不设危急油泵的润滑油供油系统 |
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2016
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