JP2017151942A - 通信システム、端末装置、プライバシー保護装置、プライバシー保護方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
P3P(Platform for Privacy Preference)にしたがって利用者によって設定される該利用者の意向に基づいて、これに違反するサービスが利用されようとした際に警告を発する技術が知られている(例えば、非特許文献2参照)。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、提供する情報を保護するとともに、情報を提供することによって得られるサービスを増加させることにある。
(3)本発明の一態様は、上記(2)に記載の通信システムにおいて、前記プライバシー保護装置は、提供先へ送信する情報の保護のレベルを記憶する記憶部を備え、前記情報変更部は、前記記憶部に記憶された情報の保護のレベルに応じて、前記情報抽出部によって抽出された前記情報又は前記情報の組み合わせの粒度を変更する、通信システムである。
(4)本発明の一態様は、上記(2)又は(3)に記載の通信システムにおいて、前記情報変更部は、所定の事象が発生しない場合に、前記情報又は前記情報の組み合わせの粒度を変更する、通信システムである。
(6)本発明の一態様は、端末装置を備える通信システムであって、生成、或いは収集した情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得した情報から、提供先が要求する情報又は情報の組み合わせを抽出する情報抽出部と、該情報抽出部によって抽出された情報又は情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否かを判定する情報判定部と、該情報判定部によってセンシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、前記提供先へ送信するか否かを判定する転送判定部と、前記転送判定部によって前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信する送信部とを備える、通信システムである。
(7)本発明の一態様は、上記(6)に記載の通信システムにおいて、前記端末装置は、前記転送判定部によって前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、該情報又は情報の組み合わせの粒度を変更する情報変更部を備え、前記送信部は、前記情報変更部によって情報の粒度が変更された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信する、通信システムである。
(8)本発明の一態様は、上記(7)に記載の通信システムにおいて、前記端末装置は、提供先へ送信する情報の保護のレベルを記憶する記憶部を備え、前記情報変更部は、前記記憶部に記憶された情報の保護のレベルに応じて、前記情報抽出部によって抽出された前記情報又は前記情報の組み合わせの粒度を変更する、通信システムである。
(9)本発明の一態様は、上記(7)又は(8)に記載の通信システムにおいて、前記情報変更部は、所定の事象が発生しない場合に、前記情報又は前記情報の組み合わせの粒度を変更する、通信システムである。
(10)本発明の一態様は、上記(7)から(9)のいずれか1項に記載の通信システムにおいて、前記情報変更部は、前記情報判定部によってセンシティブ情報に該当すると判定された前記情報又は前記情報の組み合わせの解像度、精度、又は鮮度を変更する、通信システムである。
(11)本発明の一態様は、情報を生成、或いは収集する制御部と、該制御部によって生成、或いは収集された情報のうち、プライバシー保護装置によって送信することが許可された情報を該プライバシー保護装置へ送信する送信部とを備える端末装置である。
(13)本発明の一態様は、生成、或いは収集した情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得した情報から、提供先が要求する情報又は情報の組み合わせを抽出する情報抽出部と、該情報抽出部によって抽出された情報又は情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否かを判定する情報判定部と、該情報判定部によってセンシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、前記提供先へ送信するか否かを判定する転送判定部と、前記転送判定部によって前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信する送信部とを備える、端末装置である。
(16)本発明の一態様は、端末装置によって生成及び、或いは収集される複数の情報から、提供先が要求する情報又は情報の組み合わせを抽出するステップと、該抽出された前記情報又は情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否かを判定するステップと、該センシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、提供先へ送信するか否かを判定するステップと、前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信するステップとを有する、プライバシー保護装置によって実行されるプライバシー保護方法である。
(17)本発明の一態様は、生成、或いは収集した情報を取得するステップと、前記取得するステップによって取得した情報から、提供先が要求する情報又は情報の組み合わせを抽出するステップと、該抽出するステップによって抽出された情報又は情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否かを判定するステップと、該判定するステップによってセンシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、前記提供先へ送信するか否かを判定するステップと、前記判定するステップによって前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信するステップとを有する、端末装置によって実行されるプライバシー保護方法である。
(20)本発明の一態様は、端末装置のコンピュータに、生成、或いは収集した情報を取得するステップと、前記取得するステップによって取得した情報から、提供先が要求する情報又は情報の組み合わせを抽出するステップと、該抽出するステップによって抽出された情報又は情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否かを判定するステップと、該判定するステップによってセンシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、前記提供先へ送信するか否かを判定するステップと、前記判定するステップによって前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信するステップとを実行させる、プログラムである。
なお、実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
<通信システムの構成>
図1は、本実施形態に係るプライバシー保護装置が適用される通信システムの一例を示す。
通信システムは、プライバシー保護装置100と、パーソナルデータ送出装置200とを備える。パーソナルデータ送出装置200には、データd01、データd02、・・・、データd0N(Nは、N>2の整数)が供給される。パーソナルデータ送出装置200は、通信ネットワーク20と接続され、該通信ネットワーク20を経由してデータd01、データd02、・・・、データd0Nをプライバシー保護装置100へ送信する。通信ネットワーク20の一例は、移動通信ネットワークである。パーソナルデータ送出装置200の一例は、スマートフォン、タブレット端末、PC、車載端末等の端末装置である。
以下、一例として、パーソナルデータ送出装置200に車載端末を適用した場合について説明を続ける。
車両用通信システムは、プライバシー保護装置100と、車載端末350とを備える。車載端末350は、車両300に搭載され、車両300で取得される情報をプライバシー保護装置100へ送信する。車両300には、ECU(Electronic Control Unit)310a、ECU310b、ECU310c、ECU310d、GPS(Global Positioning System)330、及びゲートウェイ(G/W:gateway)320が設置される。ECU310aと、ECU310bと、ECU310cと、ECU310dと、G/W320との間は、CAN(Controller Area Network)315等の機器間のデータ転送に使われる規格にしたがって接続される。
道路交通情報サーバ400aは、車載端末350へ道路交通情報を提供する。データセンター400bは、車載端末350へ各種データを提供する。保険会社・ロードサービス会社のサーバ400cは、車載端末350へ保険に関するサービスを提供する。X社のサーバ400dは、車載端末350へX社が提供するサービスを提供する。
車載端末350は、ハードウェア(HW)及びオペレーティングシステム(OS)(HW+OS)352と、ウェブランタイム(Webruntime)354と、パーソナルデータ送出アプリケーション・プログラム(APPS#0)355と、APPS#1と、APPS#2と、APPS#3、・・・、APPS#n(nは、n>3の整数)とを備える。
HWは、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、不揮発性メモリと、通信I/F部と、各部を接続する内部バスとを備えている。
APPS#0、APPS#1、APPS#2、APPS#3、・・・、及びAPPS#nは、車両300に搭載されたECU310a、ECU310b、ECU310c、ECU310d、及びGPS330によって生成され、且つ出力される車両情報を取得する要求をウェブランタイム354に通知する。
さらに、APPS#0のパーソナルデータ送出アプリケーション・プログラム355は、プライバシー保護装置100によって送出を許可された車両情報をプライバシー保護装置100へ送信する。
また、車載端末350に撮像部を備え、車両300の画像を撮像し、車両情報としてプライバシー保護装置100へ送信するようにしてもよい。具体的には、撮像部は、車両300の車内外で発生している事象を検出できる画像を撮像する。
図3は、本実施形態に係るプライバシー保護装置100のハードウェア構成の一例を示す。プライバシー保護装置100は、CPU102と、メモリ104と、不揮発性メモリ106と、通信I/F108と、内部バス110とを備えている。
CPU102は、例えば不揮発性メモリ106に格納されるプログラムを実行し、メモリ104をワークメモリとして使用して、プライバシー保護装置100の各部を制御する。メモリ104は、半導体素子を利用した揮発性のメモリ等のRAMによって構成される。メモリ104は、CPU102のワークメモリとして使用される。
図4は、プライバシー保護装置100の機能構成の一例を示す。
プライバシー保護装置100は、無線通信部152、通信部154、情報抽出部156、事象判定部158、情報判定部160、転送判定部162、情報変更部164、記憶部166、及び上記各構成要素を図4に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン168を有している。これらの各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、不揮発性メモリ106からメモリ104上に展開されたプログラム1062を実行するCPU102からの命令によって動作することで実現される機能である。
図3及び図4を用いて、プライバシー保護装置100の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、プライバシー保護装置100の各機能構成を説明するにあたって、図3に示されている各構成要素のうち、プライバシー保護装置100の各機能構成を実現させるための主なハードウェアとの関係も説明する。
通信部154は、CPU102からの命令、及び通信I/F108によって実現される。通信部154は、インターネット50を経由して、道路交通情報サーバ400a、データセンター400b、保険会社・ロードサービス会社のサーバ400c、X社のサーバ400d等の他の装置との間で各種データの送受信を行う。
プライバシー保護対象外事象とは、車載端末350から取得した車両情報がセンシティブ情報、或いはコンテキストセンシティブ情報であっても、該車両情報の粒度を変更することなく転送先へ送信すると判定される事象である。
図5は、プライバシー保護対象外事象判定テーブル1662の一例を示す。プライバシー保護対象外事象判定テーブル1662は、プライバシー保護対象外事象の識別情報と、プライバシー保護対象外事象とを紐付けたテーブルである。
センシティブ情報、コンテキストセンシティブ情報或いはDo Not Trackモード等によって車両情報の提供が拒否されている対象であっても、プライバシー保護対象外事象が発生した場合には、車両情報の削除や情報の粒度を変更する等による情報の保護は行わず、原車両情報を提供先へ送信しても、利用者個人から許容されることが多いと想定される。
「生命・身体・財産の保護を目的とした事象」には、運転者、同乗者、歩行者等の生命を守る事象、或いは負傷等から救済するため、合理的に必要となる事象が含まれる。具体的には、エアバッグ展開、タイヤ破裂、車両異常警報時等が該当する。
また、「生命・身体・財産の保護を目的とした事象」には、誘拐、テロ、殺人等の凶悪犯罪の捜査、車両の位置特定又は発見支援を行うため、法的権限内において合理的に必要となる事象が含まれる。
また、「生命・身体・財産の保護を目的とした事象」には、天変地異等の発災時の橋梁倒壊、トンネル崩落、落盤等における被災車両・被災者の特定又は発見支援を行うため、法的権限内において合理的に必要となる事象が含まれる。
「後続・周辺車両等の安全・便益を目的とした事象」には、健康状態の急変、居眠り等によって自車が危険走行車両と判定される事象が含まれる。
また、「後続・周辺車両等の安全・便益を目的とした事象」には、積雪、圧雪、凍結、半湿、湿潤、冠水等によって危険な路面状態や、事故車両・落石・陥没等の障害物、急ブレーキ・スポット(歩行者を含む飛び出し)等後続車両等へ通知する事象が含まれる。
また、「後続・周辺車両等の安全・便益を目的とした事象」には、車線規制や大型パーキングの空きスペースを通知する事象が含まれる。
「利用者の便益等を目的とした事象」には、一つのアプリケーション・プログラムが複数の提供サービスや動作モード等を有しており、一定の条件において、利用者の情報提供の対象や、粒度が異なっているために、プライバシー保護対象から除外される場合が含まれる。
車両300のユーザは、プライバシー保護対象外事象として、識別情報#a、#b、及び#cのいずれか又は複数の識別情報を指定できるが、この例に限られない。例えば、利用者によって、識別情報#a、#b、及び#c以外の事象が登録されてもよい。
図6は、センシティブ情報判定テーブル1664の一例を示す。センシティブ情報判定テーブル1664は、車両情報又は車両情報を複数組み合わせたものがセンシティブ情報又はコンテキストセンシティブ情報に該当するか否かを判定する際に使用される。センシティブ情報判定テーブル1664は、センシティブ情報を識別する情報と、センシティブ情報とを紐付けたテーブルである。センシティブデータには、JIS規格 Q15001:2006「個人情報保護マネジメントシステム」で述べられている機微情報と一般的な個人情報とがあるが、車両及びその走行に関しては、利用者個人にもよるが、図6に示される情報がセンシティブ情報となりえる代表例である。
「自宅・勤務先・行先」には、センシティブ・ロケーションと時刻・位置情報が含まれる。
センシティブ情報には、識別情報「#B」に紐付けられる「交通違反と判断されうる情報」が含まれる。
「ストーカや強盗被害等の危険性が高まる情報」には、走行ルート、時刻・位置、速度、とくに現在位置が含まれる。
センシティブ情報には、識別情報「#D」に紐付けられる「運転癖・技能」が含まれる。「運転癖・技能」には、アクセル/ブレーキ/ハンドル操作、車速、加速度、エンジン回転数、消費燃料量・電力量が含まれる。さらに、加速度には、急発進・急ブレーキが含まれる。
保護レベル判定テーブル1666は、車両情報に対する利用者個人の意向を登録したものである。ユーザが気になる情報の組み合わせや、センシティブ情報となる情報の組合せ(コンテキスト)は、転送先(情報の提供先)とその目的によって、情報の削除や情報の粒度の変更が必要となる場合がある。例えば、交通違反を気にする場合には、交通違反と判定されない走行であれば、ノンセンシティブ情報として、特に車両情報の変更や、削除を必要としない。また、走行時点検アプリ等も位置情報が不要であれば車両情報の変更や、削除を必要としない。
図7は、保護レベル判定テーブル1666の一例を示す。保護レベル判定テーブル1666は、利用者識別IDと、プライバシーとして保護を求める対象となる情報と、保護のレベルと、保護の例外とを紐付けたテーブルである。保護レベル判定テーブル1666の各欄は、車両300のユーザによって登録される。
プライバシーとして保護を求める対象となる情報は、センシティブ情報に該当するデータが登録される。つまり、図6のセンシティブ情報判定テーブル1664の識別情報#A、#B、#C、及び#Dのいずれか又は複数の識別情報が登録される。利用者が、識別情報#A、#B、#C、及び#D以外の情報を登録してもよい。
図7に示される例では、利用者識別IDが「100aa」であるユーザのプライバシーとして保護を求める対象となる情報は「#A」である。つまり、図6のセンシティブ情報判定テーブル1664の「自宅・勤務先・行先」が登録される。
具体的には、保護のレベルは、サーバ400cへ送信しない場合には「提供不可」が登録される。
図7に示される例では、「自宅・勤務先・行先」を保険会社・ロードサービス会社のサーバ400cへ提供する場合に「市町村レベル」の粒度へ変更することが登録されている。
図4へ戻り説明を続ける。
事象判定部158は、車両情報が、保護レベル判定テーブル1666の保護の例外の欄に登録されているプライバシー保護対象外事象判定テーブル1662の識別情報#a、#b、及び#cのいずれかに該当するか否かの判定結果を表す情報を情報判定部160へ出力する。
プライバシー保護対象外事象が発生している場合、情報判定部160は、記憶部166に記憶されているセンシティブ情報判定テーブル1664、及び保護レベル判定テーブル1666を参照し、情報抽出部156から供給された車両情報がセンシティブ情報に該当するか否かを判定する。
図8は、本実施形態に係るプライバシー保護装置100の動作を示す。図8に示される例では、サーバ400cから該保険会社・ロードサービス会社が要求する車両情報の一覧SP1がプライバシー保護装置100へ供給された後の動作を示す。
ステップS804では、プライバシー保護装置100の情報抽出部156は、ステップS802において収集した車両情報から、情報提供先、つまり保険会社・ロードサービス会社から要求される車両情報を抽出する。
ステップS808は、ステップS806においてプライバシー保護の対象外となる事象が発生していない場合に実行される。ステップS808では、プライバシー保護装置100の情報判定部160は、ステップS804において抽出した車両情報がセンシティブ情報であるか否かを判定する。
ステップS812は、ステップS810において車両情報を情報提供先へ提供すると判定した場合に実行される。ステップS812では、プライバシー保護装置100の情報変更部164は、保護レベル判定テーブル1666の保護レベルの欄に登録された情報の粒度にしたがって、車両情報を変更する。
図8に示されるフローチャートは一例であり、図8とは異なる順序で処理が行われてもよい。例えば、ステップS806と、ステップS808、及びステップS816の順序が入れ替えられてもよい。
(例1)
車載カメラにより得られる道路の制限速度情報、或は別のデータベースにより得られる道路の制限速度情報が40km/hの道路を、車両300が時速50km/hで移動している。この場合、プライバシー保護装置100は、位置情報と、制限速度情報と、車速情報との組合せを、利用者の意向により、交通渋滞を監視する情報センターへ、車速「40km/h以上」、或いは「巡行速度」として転送する。
車両情報の送出先が公的機関であっても、他人に知られたくない行先や経路がある場合には、プライバシー保護装置100は、車両300が走行する全ての位置情報を転送対象から除外する。また、プライバシー保護装置100は、位置情報を出力する際に、該当する場所や経路の属性の上位の属性情報(例えば、市町村)を出力する。
外部から取得される車両数の統計データ等によって、個人或いは車両が特定される可能性が高々1/M(Mは、M>1の整数)となるように、プライバシー保護装置100は、端末装置或いは車両の位置情報の解像度を端末装置の数がM以上となるまで位置情報或は時刻情報の解像度を下げる。
(イ) 第三者が、利用者の意向により二次利用を禁じられている場合
(ロ) 第三者が、プライバシー保護装置において既に転送先である場合
(ハ) 第三者が、プライバシー保護装置において過去に転送先であり、その転送期間に二次利用データの対象期間が含まれる場合
さらに、プライバシー保護装置100では、プライバシー保護対象外の事象が発生しているか否かを判定できない場合には、車載端末350で判定されてもよいし、車載端末350以外の装置によって判定されてもよい。
また、上述した実施形態においては、パーソナルデータ送出装置200が通信ネットワーク20に接続される場合について説明したが、通信ネットワーク20に限られず、インターネット50に接続されてもよい。また、上述した実施形態においては、プライバシー保護装置100がインターネット50に接続される場合について説明したが、インターネットに限られず、インターネット以外のネットワークに接続されてもよい。さらに、パーソナルデータ送出装置200が、インターネット以外のネットワークに接続されてもよい。
つまり、個人情報の提供先、提供情報、情報粒度等の取り扱いに関して、利用者本人の意向により、状況に合わせ、きめ細かく設定・変更することができる。このため、提供先毎に情報を送信するか否かが設定されている場合と比較して、情報を送信しないように設定されている提供先であっても、情報の粒度を変更して送信できる。
さらに、利用者の知られたくない情報やその基本的意向は、クルマ、デバイスやアプリケーションが違っても、あまり変わらないことから、利用者のプリファレンスをプライバシー保護のデフォルト設定として利用でき、クルマやデバイス毎、アプリ毎のプライバシー設定が省略できることも多く、利用者がプライバシーを保護するために生じる労力や設定等の煩わしさを軽減することができる。利用者としてクルマやデバイス毎、アプリ毎のプライバシー設定も確認でき、また後から個別に設定変更することもできる。
これによって、情報を保護できるとともに、情報の提供先を増加させることができるため、情報を提供することによって得られるサービスを増加させることができる。また、多種多様なプライバシー保護サービスの展開を容易とする新たなプライバシー保護基盤が実現できる。
さらに、車両情報の変更は、解像度、精度、鮮度等の情報の粒度を変更することによって実現される。ユーザは、適用する情報の粒度について、どの程度抽象化した概念を採用するのかについて自己の状況に応じて選択できる。例えば、ユーザは、位置情報については緯度経度の桁数や市町村名、時刻については時分秒や朝昼夕晩等、自己の状況については平時であるのか、緊急事態等の特別な事象が発生した場合であるのかに応じて選択できる。
ベンダーロックインが生じることを回避するため、情報の提供元から提供先毎にデータを変更し、伝送する形態を採用する場合には、同じ原情報でありながら、提供先毎に別の通信トラヒックとなり、情報が送出される通信ネットワークに対する負荷が増大する。
<通信システムの構成>
図9は、本実施形態に係るプライバシー保護装置が適用される通信システムの一例を示す。通信システムは、プライバシー保護装置500を備え、第1の実施形態とパーソナルデータ送出装置200がない点で異なる。プライバシー保護装置500には、データd01、データd02、・・・、データd0N(Nは、N>2の整数)が供給される。プライバシー保護装置500の一例は、スマートフォン、タブレット端末、PC、車載端末等の端末装置である。ここで、車載端末は、次世代車載情報通信システム(In−Vehicle Infotainment system,IVIシステム)を構成するものであってもよい。
車両用通信システムは、車載端末600を備える。車載端末600は車両300に搭載され、プライバシー保護装置500を備える。車載端末600は、インターネット50と接続される。インターネット50には、道路交通情報サーバ400a、データセンター400b、保険会社・ロードサービス会社のサーバ400c、X社のサーバ400d等が接続される。
以下、上述した実施形態と同様に、一例として、車載端末600を搭載した車両300のユーザが、保険会社・ロードサービス会社のサーバ400cから保険に関するサービスの提供を受ける場合について説明を続ける。
車載端末600は、HW及びOS(HW+OS)352と、Webruntime354と、パーソナルデータ送出アプリケーション・プログラム(APPS#0)355と、APPS#1と、APPS#2と、APPS#3、・・・、APPS#n(nは、n>3の整数)と、プライバシー保護装置500とを備える。
HW+OS352、Webruntime354、パーソナルデータ送出アプリケーション・プログラム355、APPS#1、及びAPPS#2、APPS#3、・・・、APPS#n(nは、n>3の整数)は、上述した実施形態を適用できる。
本実施形態に係るプライバシー保護装置500のハードウェア構成は、図3を適用できる。
<プライバシー保護装置の機能構成>
プライバシー保護装置500の機能構成の一例は、図4を適用できる。ただし、情報抽出部156の機能が上述した実施形態と異なる。情報抽出部156は、CPU102からの命令、及び通信I/F108によって実現される。情報抽出部156には、インターネット50を経由して、サーバ400cから保険会社・ロードサービス会社が要求する車両情報を表す情報が供給される。例えば、サーバ400cから保険会社・ロードサービス会社が要求する車両情報の一覧SP1が供給される。さらに、情報抽出部156には、プライバシー保護装置500によって収集できる車両情報が登録された収集可能データテーブルT1が保持される。情報抽出部156は、収集可能データテーブルT1と、車両情報の一覧SP1を照合することによって、車両情報の一覧SP1に含まれる車両情報から、プライバシー保護装置500によって収集可能な車両情報を抽出する。情報抽出部156は、抽出した車両情報をAPPS#0のパーソナルデータ送出アプリケーション・プログラム355から取得し、情報判定部160へ出力する。
図11は、本実施形態に係る車載端末600の動作を示す。図11に示される例では、サーバ400cから該保険会社・ロードサービス会社が要求する車両情報の一覧SP1が車載端末600へ供給された後の動作を示す。
ステップS1102では、プライバシー保護装置500の無線通信部152は、APPS#0のパーソナルデータ送出アプリケーション・プログラム355から車両情報を収集する。ステップS1104−S1122は、図8のステップS804−S822を適用できる。
例えば、IVIシステム等を構成する車載端末600にプライバシー保護装置500を備えた場合、個人の体格等に合わせ、現行の車両における座席位置や角度、ハンドルの位置や高さ、ミラーの角度等を記憶する機能と連動させることができる。
さらに、プライバシーポリシーを事前登録したり、音声、指紋、顔、パスワード等のポリシーに対する本人確認を行ったり、本人に限定したプライバシーポリシーを閲覧したり、修正したりする機能を、車載端末600が備えることによって、プライバシー保護装置500へ入力するプライバシーポリシーが人に覗かれたり、本人以外のプライバシーポリシーで情報が提供されることを防止できる。ただし、プライバシーポリシーをリセットする権限は、所有者或いは主たる使用者が有する。
<通信システムの構成>
本実施形態に係るプライバシー保護装置500が適用される通信システムの一例は、図1を適用できる。ただし、通信ネットワーク20の一例は、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の近距離の無線方式や、USB(Universal Serial Bus)等の有線方式によって車両内に形成されたネットワークや、パーソナルエリアネットワークである。また、プライバシー保護装置500の一例は、スマートフォン、タブレット端末、PC等の端末装置であり、家電機器、体重計、センサー、カメラと接続して、利用することができる。
車載端末350、及びプライバシー保護装置500は、上述した第1の実施形態を適用できる。また、プライバシー保護装置500の動作は、上述した第1の実施形態を適用できる。
また、車載端末600に、車両情報を収集し且つ送出するアプリケーションの実装数が少ない場合や、車両情報の送出量が少ない場合に、簡略化した構成で、上述した実施形態と同様の処理を実現できる。
また、今後は、車両情報に加え、ウエラブルセンサー、家電製品やフィットネス機器からスマートフォンへの接続機会が増えることが想定されるため、端末装置へパーソナル・エージェント機能を実装することによって、プライバシー保護を実現できる。
また、プライバシー保護装置500は、データ或いはデータ群を、時刻と位置情報とともに転送するようにしてもよい。この場合、プライバシー保護装置500は、転送する情報によって、個人或いは車両が特定される可能性が高々1/J(Jは、J>1の整数)となるように、端末或いは車両の位置情報の解像度を端末数がJ以上となるまで解像度を下げる。
また、プライバシー保護装置500は、データ或いはデータ群を、時刻と位置情報とともに転送する場合、車両のイグニッション・キーがオンにされ、走行が開始されてからM1分間の間、時刻と位置情報とを転送対象から除外するようにしてもよい。ここで、M1は、出発地の近傍における車両の保管台数及び走行車両台数の統計と、利用者にとって知られたくない度合により決定される。
また、プライバシー保護装置500は、プライバシー保護対象外事象が発生し、機関、団体からの開示リクエストを受領した場合には、機関・団体に対して、要求のあった情報をすべて開示するようにしてもよい。
50…インターネット
100、500…プライバシー保護装置
152…無線通信部
154…通信部
156…情報抽出部
158…事象判定部
160…情報判定部
162…転送判定部
164…情報変更部
166…記憶部
1662…プライバシー保護対象外事象判定テーブル
1664…センシティブ情報判定テーブル
1666…保護レベル判定テーブル
200…パーソナルデータ送出装置
300…車両
310a、310b、310c、310d…ECU
315…CAN
320…G/W
330…GPS
340…Data Broker
350、600…車載端末
352…HW+OS
354…Web runtime
355…パーソナルデータ送出アプリケーション・プログラム
400a…道路交通情報サーバ
400b…データセンター
400c…保険会社・ロードサービス会社のサーバ
400d…X社のサーバ
Claims (20)
- 端末装置と、該端末装置が送信する情報を受信するプライバシー保護装置とを備える通信システムであって、
前記端末装置は、
情報を生成、或いは収集する制御部と、
該制御部によって生成、或いは収集された情報のうち、前記プライバシー保護装置によって送信することが許可された情報を該プライバシー保護装置へ送信する送信部と
を備え、
前記プライバシー保護装置は、
前記端末装置によって生成、或いは収集される複数の情報から、提供先が要求する情報又は情報の組み合わせを抽出する情報抽出部と、
該情報抽出部によって抽出された情報又は情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否かを判定する情報判定部と、
該情報判定部によってセンシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、前記提供先へ送信するか否かを判定する転送判定部と、
前記転送判定部によって前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信する送信部と
を備える、通信システム。 - 前記プライバシー保護装置は、
前記転送判定部によって前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、該情報又は情報の組み合わせの粒度を変更する情報変更部
を備え、
前記送信部は、前記情報変更部によって情報の粒度が変更された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信する、請求項1に記載の通信システム。 - 前記プライバシー保護装置は、
提供先へ送信する情報の保護のレベルを記憶する記憶部
を備え、
前記情報変更部は、前記記憶部に記憶された情報の保護のレベルに応じて、前記情報抽出部によって抽出された前記情報又は前記情報の組み合わせの粒度を変更する、請求項2に記載の通信システム。 - 前記情報変更部は、所定の事象が発生しない場合に、前記情報又は前記情報の組み合わせの粒度を変更する、請求項2又は請求項3に記載の通信システム。
- 前記情報変更部は、前記情報判定部によってセンシティブ情報に該当すると判定された前記情報又は前記情報の組み合わせの解像度、精度、又は鮮度を変更する、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の通信システム。
- 端末装置を備える通信システムであって、
前記端末装置は、
生成、或いは収集した情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得した情報から、提供先が要求する情報又は情報の組み合わせを抽出する情報抽出部と、
該情報抽出部によって抽出された情報又は情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否かを判定する情報判定部と、
該情報判定部によってセンシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、前記提供先へ送信するか否かを判定する転送判定部と、
前記転送判定部によって前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信する送信部と
を備える、通信システム。 - 前記端末装置は、
前記転送判定部によって前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、該情報又は情報の組み合わせの粒度を変更する情報変更部
を備え、
前記送信部は、前記情報変更部によって情報の粒度が変更された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信する、請求項6に記載の通信システム。 - 前記端末装置は、
提供先へ送信する情報の保護のレベルを記憶する記憶部
を備え、
前記情報変更部は、前記記憶部に記憶された情報の保護のレベルに応じて、前記情報抽出部によって抽出された前記情報又は前記情報の組み合わせの粒度を変更する、請求項7に記載の通信システム。 - 前記情報変更部は、所定の事象が発生しない場合に、前記情報又は前記情報の組み合わせの粒度を変更する、請求項7又は請求項8に記載の通信システム。
- 前記情報変更部は、前記情報判定部によってセンシティブ情報に該当すると判定された前記情報又は前記情報の組み合わせの解像度、精度、又は鮮度を変更する、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の通信システム。
- 情報を生成、或いは収集する制御部と、
該制御部によって生成、或いは収集された情報のうち、プライバシー保護装置によって送信することが許可された情報を該プライバシー保護装置へ送信する送信部と
を備える端末装置。 - 端末装置によって生成、或いは収集される複数の情報から、提供先が要求する情報を抽出する情報抽出部と、
該情報抽出部によって抽出された情報又は情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否かを判定する情報判定部と、
該情報判定部によってセンシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、前記提供先へ送信するか否かを判定する転送判定部と、前記転送判定部によって前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信する送信部と
を備える、プライバシー保護装置。 - 生成、或いは収集した情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得した情報から、提供先が要求する情報又は情報の組み合わせを抽出する情報抽出部と、
該情報抽出部によって抽出された情報又は情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否かを判定する情報判定部と、
該情報判定部によってセンシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、前記提供先へ送信するか否かを判定する転送判定部と、
前記転送判定部によって前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信する送信部と
を備える、端末装置。 - 端末装置は、
情報を生成、或いは収集するステップと、
該生成、或いは収集された情報のうち、プライバシー保護装置によって送信することが許可された情報を該プライバシー保護装置へ送信するステップと
を実行し、
前記プライバシー保護装置は、
前記端末装置によって生成、或いは収集される複数の情報から、提供先が要求する情報又は情報の組み合わせを抽出するステップと、
該抽出するステップで抽出された前記情報又は前記情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否かを判定するステップと、
該判定するステップでセンシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、前記提供先へ送信するか否かを判定するステップと、
前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信するステップと
を実行する、プライバシー保護方法。 - 情報を生成、或いは収集するステップと、
該生成、或いは収集された情報のうち、プライバシー保護装置によって送信することが許可された情報を該プライバシー保護装置へ送信するステップと
を有する、端末装置によって実行されるプライバシー保護方法。 - 端末装置によって生成、或いは収集される複数の情報から、提供先が要求する情報又は情報の組み合わせを抽出するステップと、
該抽出された前記情報又は前記情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否か判定するステップと、
該センシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、提供先へ送信するか否かを判定するステップと、
前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信するステップと
を有する、プライバシー保護装置によって実行されるプライバシー保護方法。 - 生成、或いは収集した情報を取得するステップと、
前記取得するステップによって取得した情報から、提供先が要求する情報又は情報の組み合わせを抽出するステップと、
該抽出するステップによって抽出された情報又は情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否かを判定するステップと、
該判定するステップによってセンシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、前記提供先へ送信するか否かを判定するステップと、
前記判定するステップによって前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信するステップと
を有する、端末装置によって実行されるプライバシー保護方法。 - 端末装置のコンピュータに、
情報を生成、或いは収集するステップと、
該生成、或いは収集された情報のうち、プライバシー保護装置によって送信することが許可された情報を該プライバシー保護装置へ送信するステップと
を実行させる、プログラム。 - プライバシー保護装置のコンピュータに、
端末装置によって送信される複数の情報から、提供先が要求する情報又は情報の組み合わせを抽出するステップと、
該抽出された前記情報又は前記情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否か判定するステップと、
センシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、前記提供先へ送信するか否かを判定するステップと、
前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信するステップと
を実行させる、プログラム。 - 端末装置のコンピュータに、
生成、或いは収集した情報を取得するステップと、
前記取得するステップによって取得した情報から、提供先が要求する情報又は情報の組み合わせを抽出するステップと、
該抽出するステップによって抽出された情報又は情報の組み合わせがセンシティブ情報に該当するか否かを判定するステップと、
該判定するステップによってセンシティブ情報に該当すると判定された情報又は情報の組み合わせについて、前記提供先へ送信するか否かを判定するステップと、
前記判定するステップによって前記提供先へ送信すると判定された情報又は情報の組み合わせを前記提供先へ送信するステップと
を実行させる、プログラム。
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