JP2017147423A - ショットキー型デバイス - Google Patents

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俊顕 加藤
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Abstract

【課題】高い変換効率を有するショットキー型デバイスを提供する。
【解決手段】ショットキー型デバイスは、基材11と、基材11の一方の面上に設けられた第1電極12および第2電極13と、第1、第2電極上に設けられたTMD(遷移金属ダイカルコゲナイド)14とを備える。第1電極とTMDとの接合はショットキー接合であり、第2電極とTMDとの接合はオーミック接合である。第1電極と第2電極との仕事関数の差が、0.4eV以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ショットキー型デバイスに関する。詳しくは、遷移金属ダイカルコゲナイドを用いるショットキー型デバイスに関する。
遷移金属ダイカルコゲナイド(Transition Metal Dichalcogenide、以下「TMD」という。)は遷移金属とカルコゲン原子がサンドイッチした構造をとるナノ材料であり、グラフェンと類似の原子層物質として分類される。原子オーダーの厚み(一層1nm以下)をもつ二次元シートという構造的特徴に加え、グラフェンには無いバンドギャップを持つことから、次世代半導体デバイス材料として大きな注目を集めている。
ところで、最もシンプルな構造をもつ半導体デバイスとして、ショットキー型デバイスが古くから知られている。ショットキー型デバイスでは、金属の種類を適切に選択するだけで、金属と半導体との接合領域において発電や発光が可能である。TMDを用いたショットキー型デバイスとしては、50nm以上の厚さを持つバルクTMDを用いたものが提案されている(非特許文献1参照)。
Marcio Fontana et al. Electron-hole transport and photovoltaic effect in gated MoS2 Schottky junctions. Scientific Reports 3, Article number:1634(2013) doi:10.1038/srep01634
本発明の目的は、高い変換効率を有するショットキー型デバイスを提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明は、TMDと、TMDと接合された第1電極および第2電極とを備え、第1電極と第2電極との仕事関数の差が、0.4eV以上であるショットキー型デバイスである。
以上説明したように、本発明によれば、高い変換効率が得られる。
図1Aは、本発明の一実施形態に係る光電変換素子の構成を示す平面図である。図1Bは、図1AのIB−IB線に沿った断面図である。 図2Aは、3層構造のWSe2のバンド構造を示す図である。図2Bは、A、B、C励起子の遷移モデルを示す概略図である。 図3Aは、750nm程度の光が照射されたときの光電変換の動作を説明するための模式図である。図3Bは、波長400nm程度の光が照射されたときの光電変換の動作を説明するための模式図である。 図4A、図4Bはそれぞれ、本発明の一実施形態の変形例に係る光電変換素子の構成を示す断面図である。 図5Aは、実施例1−1の光電変換素子の構成を示す斜視図である。図5Bは、実施例1−1の光電変換素子の構成を示す側面図である。 図6Aは、実施例1−1、1−2、比較例1−1の光電変換素子のI−V曲線の評価結果を示すグラフである。図6Bは、実施例1−1、1−2、比較例1−1、1−2の光電変換素子のエネルギー変換効率の評価結果を示すグラフである。 図7Aは、各種金属の仕事関関数の評価結果を示すグラフである。図7Bは、第1、第2電極の電極材料とWSe2のエネルギーダイアグラムを示す概略図である。 図8Aは、実施例1−2の光電変換素子のI−V曲線の評価結果を示すグラフである。図8Bは、実施例1−2の光電変換素子の開放電圧VOCおよび短絡電流ISCの評価結果を示すグラフである。 図9Aは、実施例2−1〜2−5の光電変換素子の短絡電流Iscの評価結果を示すグラフである。図9Bは、実施例2−1〜2−5の光電変換素子のエネルギー変換効率(PCE)の評価結果を示すグラフである。 図10Aは、実施例2−5の光電変換素子の光電流のマッピング像を示す図である。図10Bは、実施例2−5の光電変換素子の光電流のラインスキャンの結果を示すグラフである。 図11Aは、実施例2−5の光電変換素子の外部量子効率(EQE)の評価結果を示すグラフである。図11Bは、実施例2−5の光電変換素子の微分反射スペクトル(ΔR/R)の評価結果を示すグラフである。 図12Aは、波長600nm、750nmのレーザ光を照射したときの実施例2−1〜2−5の光電変換素子の外部量子効率(EQE)の評価結果を示すグラフである。図12Bは、波長400nmのレーザ光を照射したときの実施例2−1〜2−5の光電変換素子の外部量子効率(EQE)の評価結果を示すグラフである。図12Cは、実施例2−5の光電変換素子の電極からの実効的光電流生成領域長さの評価結果を示す。 図13Aは、実施例3−5の光電変換素子の構成を示す斜視図である。図13Bは、実施例3−5の光電変換素子の構成を示す側面図である。 図14Aは、実施例3−5の光電変換素子のI−V曲線の評価結果を示すグラフである。図14Bは、実施例3−1〜3−5、比較例3−1、3−2の光電変換素子のエネルギー変換効率(PCE)の評価結果を示すグラフである。図14Cは、比較例3−1の光電変換素子のエネルギー変換効率(PCE(i))に対する、実施例3−2、3−4、3−5の光電変換素子のエネルギー変換効率(PCE(X))の割合を示すグラフである。 図15Aは、実施例4−1の光電変換素子の光電流のマッピング像を示す図である。図15Bは、実施例4−1の光電変換素子の光電流のラインスキャンの結果を示すグラフである。図15Cは、実施例4−1の光電変換素子のバンドダイアグラムの模式図である。 図16Aは、比較例4−1の光電変換素子の光電流のマッピング像を示す図である。図16Bは、比較例4−1の光電変換素子の光電流のラインスキャンの結果を示すグラフである。図16Cは、比較例4−1の光電変換素子のバンドダイアグラムの模式図である。 図17Aは、1Vの電圧が印加された状態における比較例4−1の光電変換素子の光電流のマッピング像を示す図である。図17Bは、1Vの電圧が印加された状態における比較例4−1の光電変換素子の光電流のラインスキャンの結果を示すグラフである。図17Cは、1Vの電圧が印加された状態における比較例4−1の光電変換素子のバンドダイアグラムの模式図である。
[光電変換素子の構成]
本発明の一実施形態に係る光電変換素子10は、図1A、図1Bに示すように、基材11と、基材11の一方の面上に設けられた第1、第2電極12、13と、第1、第2電極12、13上に設けられたTMD14とを備える。光電変換素子10は、いわゆるショットキー型光電変換素子(ショットキー型太陽電池)であり、フレキシブル性を有していてもよいし、可視光に対して透明性を有していてもよい。
第1、第2電極12、13により基材11とTMD13との間が離されている。これにより、TMD13が基材11と反応することを抑制して、光電変換素子10の変換効率の低下を抑制できる。第1電極12とTMD14との接合はショットキー接合であり、第2電極13とTMD14との接合はオーミック接合である。
(基材)
基材11は、可視光に対して透明性を有するものであってもよいし、可視光に対して不透明性を有するものであってもよい。基材11の形状としては、例えば、フィルム状、プレート状、ブロック状を挙げることができるが、特にこれらの形状に限定されるものではない。基材11は、剛性を有するものであってもよいし、フレキシブル性を有するものであってもよい。
基材11の材料としては、例えば、例えば、高分子樹脂またはガラスを用いることができる。高分子樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂(PMMA)ポリイミド(PI)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、環状オレフィンポリマー(COP)、ノルボルネン系熱可塑性樹脂などが挙げられる。ガラスとしては、例えば、ソーダガラス、無アルカリガラスまたは石英ガラスなどが挙げられる。
(第1、第2電極)
第1、第2電極12、13は、基材11の一方の面に垂直な方向から見ると、櫛歯状の形状を有し、互いに噛み合わされるようにして配置されている。第1電極12の一端には第1出力端子12aが設けられ、第2電極13の一端には第2出力端子13aが設けられている。第1、第2出力端子12a、13aは図示しない発電制御装置などの外部装置に接続されている。第1、第2電極12、13は可視光に対して透明性を有するものであってもよいし、不透明性を有するものであってもよい。
第1、第2電極12、13の仕事関数の差は、0.4eV以上、より好ましくは0.48eV、更により好ましくは0.56eV以上である。仕事関数の差が0.4eV以上であると、高い変換効率が得られる。第1、第2電極12、13間は所定の間隔離されている。第1、第2電極12、13間の距離Leleは、好ましくは1μm以上5μm以下、より好ましくは2μm以上4μm以下、更により好ましくは約2μmである。第1、第2電極12、13間の距離Leleが1μm未満であると、短チャネル効果(Short Channel Effect:SCE)により変換効率が低下する虞がある。一方、第1、第2電極12、13間の距離Leleが5μmを超えると、キャリアロスにより変換効率が低下する虞がある。
第1、第2電極12、13は、良好な電気的導電性を有し、かつ第1、第2電極12、13の仕事関数の差が0.4eV以上であるものであればよく、例えば、無機系導電材料を含む無機導電層、有機系導電材料を含む有機導電層、無機系導電材料および有機系導電材料の両方を含む有機−無機導電層などを用いることができる。
無機系導電材料としては、例えば、金属または金属酸化物などが挙げられる。ここで、金属には、半金属が含まれるものと定義する。有機系導電材料としては、例えば、炭素材料、導電性ポリマーなどが挙げられる。第1、第2電極12、13は、PVD(Physical Vapor Deposition)法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法により得られる薄膜であってもよいし、印刷法などの塗布法により得られる薄膜であってもよい。
(TMD)
TMD14は、単結晶および多結晶のいずれであってもよいが、光電変換素子10の電気伝導性や光学特性の向上の観点からすると、単結晶のものが好ましい。TMD14は、可視光に対して透明性を有するものであってもよいし、不透明性を有するものであってもよい。なお、本発明において、「可視光」とは360nm以上830nm以下の波長帯域の光をいう。また、「可視光に対して透明性を有する」とは、分光光度計により測定した可視光の平均透過率が70%以上であることを意味する。TMD14を可視光に対して透明性を有するものとする場合、TMD14の層数は、好ましくは6層以下、より好ましくは3層以下である。TMD14の層数が6層以下であると、TMD14の可視光の平均光吸収率を30%以下に抑える、すなわち可視光の平均光透過率を70%以上にできるため、TMD14を目視で透明と認識できる。
TMD14がp型の半導体特性を有する場合、第1電極12の材料としては、できるだけ小さい仕事関数を持つものが好ましい。具体的には、第1電極12の仕事関数とTMD14のフェルミエネルギーとの差が5.0eV以上となるものを用いることが好ましい。変換効率を向上できるからである。
TMD14がn型の半導体特性を有する場合、第1電極12の材料としては、できるだけ大きい仕事関数を持つものが好ましい。具体的には、第1電極12の仕事関数とTMD14のフェルミエネルギーとの差が、5.0eV以下であることが好ましい。変換効率を向上できるからである。
TMD13は、一般式MCh2で表される。但し、Mは遷移金属元素、具体的にはTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、MoまたはWなどである。Ch2はカルコゲナイド、具体的にはS、SeまたはTeなどである。
図2Aに、3層構造のWSe2のバンド構造を示す。数層のWSe2では、図2Aに示すように、光が吸収されると、A、B、C励起子が生成されることが知られている。本発明者らは、TMD14を用いた光電変換素子10の高効率化を実現するために、詳細な発電機構について実験により鋭意検討を行った。その結果、各励起子吸収により生成されるキャリアの拡散ダイナミクスが異なる可能性を見出した。具体的には、A、B励起子は励起子構造を維持したままショットキー接合の強電場領域まで拡散し電荷分離するのに対し、C励起子は励起直後に電荷分離して拡散するため比較的長い拡散長が得られることを見出した(図2B参照)。
上記拡散ダイナミクスの観点からすると、入射光のうちのどの波長成分の光の変換効率を向上するかに応じて、第1、第2電極12、13間の距離Leleを設定することが好ましい。600nm程度または750nm程度の光の変換効率を向上する観点からすると、第1、第2電極12、13間の距離Leleは、好ましくは1μm以上5μm以下、より好ましくは2μm以上4μm以下、更により好ましくは約2μmである。400nm程度の光の変換効率を向上する観点からすると、第1、第2電極12、13間の距離Leleは、好ましくは5μm以上10μm以下、より好ましくは6μm以上9μm以下、更により好ましくは約8μmである。
なお、図1A、図1Bでは、第1、第2電極12、13間の距離Leleが一定である例を示しているが、距離Leleが変化するようにしてもよい。例えば、600nm程度または750nm程度の光の変換効率を向上する第1、第2電極12、13間の距離Leleと、400nm程度の光の変換効率を向上する第1、第2電極12、13間の距離Leleとが1つの光電変換素子10内において混在していてもよい。
[光電変換時の動作]
以下、上述の構成を有する光電変換素子10の光電変換時の動作について説明する。
波長750nm程度の光20LがTMD14に対して照射されると、図3Aに示すように、A励起子21が生成される。生成されたA励起子21Aは、ショットキー接合の強電場領域まで拡散すると電子21eと正孔21hに分離される。分離された電子21e、正孔21hがそれぞれ第1、第2電極12、13に到達すると電流が流れる。
波長600nm程度の光20LがTMD14に対して照射されたときには、B励起子が生成される。生成されたB励起子が上記のA励起子21Aの場合と同様の過程を経て、電流が流れる。
波長400nm程度の光20LがTMD14に対して照射されると、図3Bに示すように、C励起子21Cが生成される。C励起子21Cは生成直後に電子21e、正孔21hに電荷分離し、分離された電子21e、正孔21hがそれぞれ第1、第2電極12、13に到達すると電流が流れる。
[効果]
本発明の一実施形態に係る光電変換素子10では、第1、第2電極12、13がTMD14に接合され、第1、第2電極12、13の仕事関数の差が0.4eV以上である。これにより、高い変換効率を得ることができる。
[変形例]
図4Aに示すように、基材11上にTMD14を設け、TMD14上に第1、第2電極12、13を設ける構成を採用してもよい。但し、光電変換素子10の変換効率の低下を抑制する観点からすると、上述の一実施形態における構成を採用することが好ましい。
図4Bに示すように、TMD14の一方の面に第1電極12が設けられ、TMD14の他方の面に第2電極13が設けられていてもよい。TMD14がフレキシブルである場合には、TMD14の断面は波状の形状を有し、波が最も高くなる位置を第1電極12が支持し、波が最も低くなる位置に第2電極13が載置されるようにしてもよい。
第1、第2電極12、13は、ストライプ状、同心状または螺旋状を有していてもよい。基材11の両方の面上に第1、第2電極12、13およびTMD14が設けられていてもよい。
上述の一実施形態では、本発明を光電変換素子に適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、トランジスタ、光受光素子、センサなどの種々のショットキーデバイスにも適用可能である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
<電極材料の種類とエネルギー変換効率との関係>
[実施例1−1]
図5A、5Bは、実施例1−1の光電変換素子の構成を示す。以下では、図5A、5Bに示す光電変換素子の構造を「密着構造」という。この光電変換素子を以下の手順で作製した。まず、数層のWSe2を準備し、片面酸化膜(SiO2:300nm)付Si基板(Siをゲート電極として利用)のSiO2面に載置した。次に、フォトリソグラフィ法によりWSe2の一端に第1電極(ドレイン電極)を形成した後、同様にフォトリソグラフィ法によりWSe2の他端に第2電極(ソース電極)を形成した。なお、第1電極としてはNi電極を用い、第2電極としてはTi電極を用い、第1、第2電極間の距離Leleを8μmとした。以上により、目的とする光電変換素子が得られた。
[実施例1−2]
第1電極としてNi電極を用い、第2電極としてPd電極を用いたこと以外は実施例1−1と同様にして光電変換素子を得た。
[比較例1−1]
第1電極としてTi電極を用い、第2電極としてTi電極を用いたこと以外は実施例1−1と同様にして光電変換素子を得た。
[比較例1−2]
第1電極としてAg電極を用い、第2電極としてTi電極を用いたこと以外は実施例1−1と同様にして光電変換素子を得た。
(I−V特性の評価(1))
上述のようにして得られた実施例1−1、1−2、比較例1−1、1−2の光電変換素子に対してソーラーシミュレーターにより擬似太陽光を照射してI−V曲線を測定し、開放電圧VOC、短絡電流ISCおよびエネルギー変換効率を求めた。
(I−V特性の評価(2))
上述のようにして得られた実施例1−2の光電変換素子に対してアークランプにより波長600nmの光を照射してI−V曲線を測定し、開放電圧VOCおよび短絡電流ISCを求めた。この操作を入射光強度を変化させて繰り返し行った。
(仕事関数の評価)
理研計器株式会社製の光電子収量分光装置(AC−3)により、Ni、Fe、Cu、Ag、Au、TiおよびPdの仕事関数を測定した。
(結果)
図6AにI−V特性の評価(1)の結果を示し、図6Bに仕事関数の差ΔWに対する光電変換効率の依存性を示す。図7Aに仕事関数の評価結果を示し、図7Bに第1、第2電極の電極材料とWSe2のエネルギーダイアグラムを示す。これらの結果から以下のことがわかる。TMDとしてp型の半導体特性を示すWSe2を用いた場合、第1電極としてWSe2のフェルミエネルギーよりもできるだけ仕事関数が小さい金属材料を用い、第2電極としてWSe2のフェルミエネルギーに近い仕事関数を有する金属材料を用いることで、高いエネルギー変換効率が得られる。具体的には、第1、第2電極の仕事関数の差ΔWが、0.4以上であると高いエネルギー変換効率が得られる。エネルギー変換効率を更に向上する観点からすると、第1、第2電極の仕事関数の差ΔWが好ましくは0.48eV以上、より好ましくは0.56eV以上である。
図8A、図8Bに、I−V特性の評価(2)の結果を示す。この結果から、発電が熱によるものではなく、光によるものであることがわかる。
<エネルギー変換効率の電極間距離依存性など>
[実施例2−1〜2−5]
Ni、Ti電極間の距離Leleを0.5μm、2μm、5μm、8μm、14μmとしたこと以外は実施例1−1と同様にして光電変換素子を得た。
(短絡電流Iscおよびエネルギー変換効率の電極間距離依存性の評価)
上述のようにして得られた実施例2−1〜2−5の光電変換素子にソーラーシミュレーターにより擬似太陽光を照射してI−V曲線を測定し、短絡電流Iscおよびエネルギー変換効率を求めた。
(光電流の評価)
実施例2−5(Lele=14μm)の光電変換素子のWSe2表面をレーザ光(波長630nm:1.96eV)によりスキャンして、光電流IpCを測定した。
(外部量子効率および抵抗変化率のフォトンエネルギー依存性の評価)
実施例2−5(Lele=14μm)の光電変換素子に異なる波長の単色光を照射して、外部量子効率および微分反射率のフォトンエネルギー依存性を評価した。
(外部量子効率の電極間距離依存性の評価)
実施例2−1〜2−5の光電変換素子に波長400nm(3.1eV)、600nm(2.1eV)、750nm(1.65eV)の単色光を照射して、外部量子効率の電極間距離依存性を評価した。
(励起子の拡散距離のフォトンエネルギー依存性の評価)
実施例2−5(Lele=14μm)の光電変換素子に異なる波長のレーザ光を照射して、電極からの実効的光電流生成領域長さLdのフォトンエネルギー依存性を評価した。
[結果]
図9Aに、短絡電流Iscの電極間距離依存性の評価結果を示す。図9Bに、エネルギー変換効率の電極間距離依存性の評価結果を示す。これらの結果から、第1、第2電極間の距離Leleが1μm以上5μm以下である場合に、高いエネルギー変換効率が得られることがわかる。第1、第2電極間の距離Leleが狭くなりすぎるとエネルギー変換効率が低下するのは、短チャネル効果(SCE)によるものである。一方、第1、第2電極間の距離Leleが広くなりすぎるとエネルギー変換効率が低下するのは、キャリアロスによるものである。
図10A、10Bに、光電流の評価結果を示す。図10A、10Bから、ショットキー接合部を中心として広い範囲で光電流が生じていることがわかる。
図11A、11Bにそれぞれ、外部量子効率および抵抗変化率のフォトンエネルギー依存性の評価結果を示す。図11A、11B中において領域A、B、Cはそれぞれ、励起子A、B、Cが励起されるフォトンエネルギーの範囲を示している。図11A、11Bから、照射光の波長によって外部量子効率、抵抗変化率が変化することがわかる。
図12A、12Bに、外部量子効率の電極間距離依存性の評価結果を示す。図12A、12Bから、照射光の波長によって外部量子効率が最大となる第1、第2電極間の距離Leleが異なることがわかる。波長600nmおよび750nmの光に対しては第1、第2電極間の距離Leleが1μm以上5μm以下である場合に、高いエネルギー変換効率が得られることがわかる。一方、波長400nmの光に対しては第1、第2電極間の距離Leleが5μm以上10μm以下である場合に、高いエネルギー変換効率が得られることがわかる。
図12Cに、励起子の拡散距離のフォトンエネルギー依存性の評価結果を示す。図12Cから、A、B、C励起子により生成されるキャリアの拡散ダイナミクスが異なることがわかる。A、B励起子は励起子構造を維持したままショットキー領域の強電場領域まで拡散し電荷分離するのに対し、C励起子は励起直後に電荷分離して拡散するため比較的長い拡散長が得られる。
<光電変換素子の構造とエネルギー変換効率との関係>
[実施例3−1]
実施例1−1と同様にして光電変換素子を得た。すなわち、Ni、Ti電極間の距離Leleを8μmとした。
[実施例3−2]
Ni、Pd電極間の距離Leleを7μmとしたこと以外は実施例1−2と同様にして光電変換素子を得た。
[実施例3−3]
Ni、Ti電極間の距離Leleを2.2μmとしたこと以外は実施例1−1と同様にして光電変換素子を得た。
[実施例3−4]
Ni、Pd電極間の距離Leleを2.5μmとしたこと以外は実施例1−2と同様にして光電変換素子を得た。
[実施例3−5]
図13A、13Bは、実施例3−5の光電変換素子の構成を示す。以下では、図13A、13Bに示す光電変換素子の構造を「架橋構造」という。この光電変換素子を以下の手順で作製した。まず、フォトリソグラフィ法により片面酸化膜(SiO2:300nm)付Si基板(Siをゲート電極として利用)のSiO2面に第1、第2電極(ドレイン、ソース電極)を離間して形成した。なお、第1電極としてはNi電極を用い、第2電極としてはPd電極を用い、第1、第2電極間の距離Leleを5μmとした。次に、第1、第2電極間にWSe2が橋架けされるようにして、第1、第2電極上にWSe2を載置した。以上により、目的とする光電変換素子が得られた。
[比較例3−1]
Ti、Ti電極間の距離Leleを10μmとしたこと以外は比較例1−1と同様にして光電変換素子を得た。
[比較例3−2]
比較例1−2と同様にして光電変換素子を得た。すなわち、Ag、Ti電極間の距離Leleを8μmとした。
(エネルギー変換効率の評価(1))
上述のようにして得られた実施例3−1〜3−5、比較例3−1、3−2の光電変換素子にソーラーシミュレーターにより擬似太陽光を照射してI−V曲線を測定し、エネルギー変換効率を求めた。
(エネルギー変換効率の評価(2))
上述のようにして得られた実施例3−3〜3−5の光電変換素子にアークランプにより波長400nmの光を照射してI−V曲線を測定し、エネルギー変換効率を求めた。
(結果)
図14Aに実施例3−5の光電変換素子(架橋構造)のI−V曲線を示す。図14Bにエネルギー変換効率の評価(1)、(2)の結果を示す。なお、横軸の仕事関数の差ΔWFは、実施例1−1などと同様にして求められたものである。また、図14B中に示したΔWF=0eV、0.24eV、0.48eV、0.56eVはそれぞれTi−Ti電極、Ag−Ti電極、Ni−Ti電極、Ni−Pd電極の仕事関数の差に対応している。
図14Cは、エネルギー変換効率PCE(i)に対するエネルギー変換効率PCE(X)の比率(PCE(X)/PCE(i)、但し、X=ii、iii、ivである。)を示す。ここで、PCE(i)、PCE(ii)、PCE(iii)、PCE(iv)はそれぞれ比較例3−1、実施例3−2、3−4、3−5のエネルギー変換効率を示す。上記評価結果から、架橋構造の光電変換素子のエネルギー変換効率は、密着構造の光電変換素子のエネルギー変換効率に比べて高いことがわかる。
<電極材料の種類と光電流との関係>
[実施例4−1]
Ni−Ti電極間の距離Leleを14μmとしたこと以外は実施例1−1と同様にして光電変換素子を得た。
[比較例4−1]
Ti−Ti電極間の距離Leleを9μmとしたこと以外は比較例1−1と同様にして光電変換素子を得た。
(光電流の評価)
上述のようにして得られた実施例4−1、比較例4−1の光電変換素子のWSe2表面をレーザ光によりスキャンして、光電流IpCを測定した。また、比較例4−1のTi−Ti電極間に1Vの電圧を印加してバンド構造を変化させた状態(具体的には、電圧を印加した側の電極の真空準位に対する電位を変化させた状態)で、上記と同様の手順で光電流IpCを測定した。
(結果)
図15A、図15Bに実施例4−1の光電変換素子の光電流の評価結果を示し、図15Cに実施例4−1の光電変換素子のバンドダイアグラムの模式図を示す。図16A、図16Bに比較例4−1の光電変換素子の光電流の評価結果を示し、図16Cに比較例4−1の光電変換素子のバンドダイアグラムの模式図を示す。図17A、図17Bに、1Vの電圧が印加された状態における比較例4−1の光電変換素子の光電流の評価結果を示し、図17Cに、1Vの電圧が印加された状態における比較例4−1の光電変換素子のバンドダイアグラムの模式図を示す。
上記評価結果から、実施例4−1では、ショットキー接合部を中心として広い範囲で光電流が生じていることがわかる。一方、比較例4−1では、ショットキー接合部近傍でのみ光電流が生じていることがわかる。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
10 光電変換素子
11 基材
12 第1電極
12a 第1出力端子
13 第2電極
13a 第2出力端子
14 TMD(遷移金属ダイカルコゲナイド)

Claims (10)

  1. 遷移金属ダイカルコゲナイドと、
    前記遷移金属ダイカルコゲナイドと接合された第1電極および第2電極と
    を備え、
    前記第1電極と前記第2電極との仕事関数の差が、0.4eV以上であるショットキー型デバイス。
  2. 前記第1電極と前記第2電極との間の距離が、1μm以上5μm以下である請求項1に記載のショットキー型デバイス。
  3. 前記第1電極と前記遷移金属ダイカルコゲナイドとの接合は、ショットキー接合であり、
    前記第2電極と前記遷移金属ダイカルコゲナイドとの接合は、オーミック接合である請求項1に記載のショットキー型デバイス。
  4. 前記遷移金属ダイカルコゲナイドがp型の半導体特性を有し、
    前記第1電極の仕事関数と前記遷移金属ダイカルコゲナイドのフェルミエネルギーとの差が、5.0eV以上である請求項1に記載のショットキー型デバイス。
  5. 前記遷移金属ダイカルコゲナイドがn型の半導体特性を有し、
    前記第1電極の仕事関数と前記遷移金属ダイカルコゲナイドのフェルミエネルギーとの差が、5.0eV以下である請求項1に記載のショットキー型デバイス。
  6. 基材をさらに備え、
    前記第1電極および前記第2電極により、前記遷移金属ダイカルコゲナイドと前記基板との間が離されている請求項1に記載のショットキー型デバイス。
  7. 前記遷移金属ダイカルコゲナイドが、WSe2を含み、
    前記第1電極がNiを含み、
    前記第2電極がPdまたはTiを含む請求項1に記載のショットキー型デバイス。
  8. 前記遷移金属ダイカルコゲナイドの層数は、6層以下である請求項1に記載のショットキー型デバイス。
  9. 前記遷移金属ダイカルコゲナイドが、可視光に対して透明性を有する請求項1に記載のショットキー型デバイス。
  10. フレキシブル性を有している請求項1に記載のショットキー型デバイス。
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