JP2017146149A - 磁性粒子を用いたバイオセンシング方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、従来よりも大幅にコンパクトで簡単な方法で磁性粒子の磁気集合・除去等を行うことである。【解決手段】本発明による磁性粒子の磁気集合・除去方法及び装置と基板と測定装置は、基板(1)上の複数の配線パターン(2,3)間の検出領域(4)に磁性粒子を含む溶液を滴下し、各配線パターン(2,3)に通電することにより、測定対象物質と磁性粒子を結合させ、測定対象物質と未結合の磁性粒子を磁気的に移動させて除去することにより、小型でかつ簡単な装置によって磁性粒子の除去を行うことができるようにした方法と構成である。【選択図】図1
Description
本発明は、磁性粒子の磁気集合・除去方法及び装置と基板と測定装置に関し、特に、磁性粒子を用いた微小な領域でのバイオセンシングにおける磁性粒子を誘導磁気的に集合・除去するための新規な改良に関する。
例えば、特許文献1に開示されている磁性粒子を用いるバイオセンシングにおいて磁性粒子を用いる方法は、外部磁場の勾配によって磁性粒子の操作が可能であること、磁性粒子から得られる磁気信号のSN比が高いこと、検出にホール素子や磁気抵抗効果素子などの磁気センサを用いることができるためバイオセンシングのシステムが小型になることなど、利点が多く有力な手法である。
また、バイオセンシングの例として磁性粒子を用いた免疫測定方法は、以下のようになる。(A)検出領域表面に測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した基板を用意する。(B)測定対象物質を含む溶液を基板に滴下して検出領域に測定対象物質を反応させる。測定対象物質と特異的に結合する物質が表面に修飾された磁性粒子を含む溶液を基板に滴下する。(C)磁場勾配により磁性粒子を誘導し検出領域に集合させて、検出領域に結合した測定対象物質と磁性粒子を結合させる。(D)測定対象物質と未結合の磁性粒子を除去する。(A)〜(D)のプロセスを経ると検出領域表面には測定対象物質に対応した量の磁性粒子が結合され、それを磁気センサ等で検出することで測定対象物質の量を同定することができる。
ここで、上記(C)の工程において磁場勾配で磁性粒子を誘導して効率よく検出領域に集合させる方法として、非特許文献1に記載された方法が挙げられる。すなわち、検出領域を通るように形成した1本のマイクロサイズの幅の配線パターンに電流を流すことで周囲に磁場勾配を発生させ、磁性粒子を配線パターン上の検出領域に誘導し集合させることができる。
また、バイオセンシングの例として磁性粒子を用いた免疫測定方法は、以下のようになる。(A)検出領域表面に測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した基板を用意する。(B)測定対象物質を含む溶液を基板に滴下して検出領域に測定対象物質を反応させる。測定対象物質と特異的に結合する物質が表面に修飾された磁性粒子を含む溶液を基板に滴下する。(C)磁場勾配により磁性粒子を誘導し検出領域に集合させて、検出領域に結合した測定対象物質と磁性粒子を結合させる。(D)測定対象物質と未結合の磁性粒子を除去する。(A)〜(D)のプロセスを経ると検出領域表面には測定対象物質に対応した量の磁性粒子が結合され、それを磁気センサ等で検出することで測定対象物質の量を同定することができる。
ここで、上記(C)の工程において磁場勾配で磁性粒子を誘導して効率よく検出領域に集合させる方法として、非特許文献1に記載された方法が挙げられる。すなわち、検出領域を通るように形成した1本のマイクロサイズの幅の配線パターンに電流を流すことで周囲に磁場勾配を発生させ、磁性粒子を配線パターン上の検出領域に誘導し集合させることができる。
IEEE Transactions on Magnetics, 42, 3893-3895
従来の方法では配線パターンから発生する磁場勾配により配線パターン上に磁性粒子が集まるため、検出領域が配線パターンの幅に制限される。そのため、検出対象となる磁性粒子の数が少なく、特にナノサイズの磁性粒子検出において磁気センサで検出しても十分な検出感度が得られない、という問題があった。
また、従来の方法による1本の配線パターンから発生する磁場勾配では、上記の(D)の工程のような未結合の磁性粒子を除去することができない。そのため、未結合の磁性粒子を除去するために水流を発生させるなど複雑な機構が必要となり、バイオセンシングのシステムの小型化が実現できない、という問題があった。
また、従来の方法による1本の配線パターンから発生する磁場勾配では、上記の(D)の工程のような未結合の磁性粒子を除去することができない。そのため、未結合の磁性粒子を除去するために水流を発生させるなど複雑な機構が必要となり、バイオセンシングのシステムの小型化が実現できない、という問題があった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、磁性粒子を用いた微小な領域でのバイオセンシングにおける磁性粒子を誘導磁気的に集合・除去するようにした磁性粒子の磁気集合・除去方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明による磁性粒子の磁気集合・除去方法及び装置は、間隙を介して形成された、少なくとも2本の導電性の配線パターンと、少なくとも前記配線パターン間に挟まれて形成され測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した検出領域とからなる基板と、各々の配線パターンから夫々独立して任意の強度の磁場勾配を発生させるための電流源とを備え、
また、測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した磁性粒子を更に備え、
また、測定対象物質と同じ物質を固定化した磁性粒子を更に備え、
また、磁性粒子が蛍光物質などの色素を封入し、
また、前記配線パターンは直線形に形成され、
また、複数の前記配線パターンは平行に形成され、
また、前記配線パターンは円形または多角形の環状に形成され、
また、複数の前記環状の配線パターンは同心円状に形成され
また、前記環状の配線パターンは複数個が配列して形成され、
また、間隙を介して形成された少なくとも2本の導電性の配線パターン間に挟まれて形成され測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した検出領域を、さらに区分し、それぞれを別々の測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、一度に複数の測定対象物質を選択的に結合させることができ、
また、間隙を介して形成された少なくとも2本の導電性の配線パターン間に挟まれて形成され測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した検出領域を複数設けそれぞれを同じ測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、一度に大量の測定対象物質を結合させることができ、
また、環状に形成された配線パターンのインダクタンスを測定する測定器と、測定器の出力信号から検出領域に結合している磁性粒子の量を算出する信号処理部と、算出した磁性粒子の量から測定対象物質量を算出する算出部とを更に備え
また、環状に形成された配線パターンの内側の発熱量を測定する測定器と、測定器の出力信号から検出領域に結合している磁性粒子の量を算出する信号処理部と、算出した磁性粒子の量から測定対象物質量を算出する算出部とを更に備え
また、基板を撮影して画像データを得る撮影手段と、画像データから検出領域に結合した磁性粒子の量を算出する信号処理部と、算出した磁性粒子の量から測定対象物質量を算出する算出部とを更に備え
また、前記載の装置の基板に、測定対象物質を含む溶液と、測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した磁性粒子を含む溶液とをそれぞれ滴下し、各々の配線パターンから発生した任意の強度の磁場勾配により前記磁性粒子を前記検出領域の表面上で自在に移動させることで、測定対象物質を介して前記磁性粒子を前記検出領域に結合させ、未結合の前記磁性粒子は配線パターンに移動させて除去することを特徴とし、
また、前記載の装置の基板に、測定対象物質を含む溶液と、測定対象物質と同じ物質を固定化した磁性粒子を含む溶液をそれぞれ滴下し、各々の配線パターンから発生した任意の強度の磁場勾配により前記磁性粒子を前記検出領域の表面上で自在に移動させることで、測定対象物質と競合的に前記磁性粒子を前記検出領域に結合させ、未結合の前記磁性粒子は配線パターンに移動させて除去することを特徴とする。
また、測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した磁性粒子を更に備え、
また、測定対象物質と同じ物質を固定化した磁性粒子を更に備え、
また、磁性粒子が蛍光物質などの色素を封入し、
また、前記配線パターンは直線形に形成され、
また、複数の前記配線パターンは平行に形成され、
また、前記配線パターンは円形または多角形の環状に形成され、
また、複数の前記環状の配線パターンは同心円状に形成され
また、前記環状の配線パターンは複数個が配列して形成され、
また、間隙を介して形成された少なくとも2本の導電性の配線パターン間に挟まれて形成され測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した検出領域を、さらに区分し、それぞれを別々の測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、一度に複数の測定対象物質を選択的に結合させることができ、
また、間隙を介して形成された少なくとも2本の導電性の配線パターン間に挟まれて形成され測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した検出領域を複数設けそれぞれを同じ測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、一度に大量の測定対象物質を結合させることができ、
また、環状に形成された配線パターンのインダクタンスを測定する測定器と、測定器の出力信号から検出領域に結合している磁性粒子の量を算出する信号処理部と、算出した磁性粒子の量から測定対象物質量を算出する算出部とを更に備え
また、環状に形成された配線パターンの内側の発熱量を測定する測定器と、測定器の出力信号から検出領域に結合している磁性粒子の量を算出する信号処理部と、算出した磁性粒子の量から測定対象物質量を算出する算出部とを更に備え
また、基板を撮影して画像データを得る撮影手段と、画像データから検出領域に結合した磁性粒子の量を算出する信号処理部と、算出した磁性粒子の量から測定対象物質量を算出する算出部とを更に備え
また、前記載の装置の基板に、測定対象物質を含む溶液と、測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した磁性粒子を含む溶液とをそれぞれ滴下し、各々の配線パターンから発生した任意の強度の磁場勾配により前記磁性粒子を前記検出領域の表面上で自在に移動させることで、測定対象物質を介して前記磁性粒子を前記検出領域に結合させ、未結合の前記磁性粒子は配線パターンに移動させて除去することを特徴とし、
また、前記載の装置の基板に、測定対象物質を含む溶液と、測定対象物質と同じ物質を固定化した磁性粒子を含む溶液をそれぞれ滴下し、各々の配線パターンから発生した任意の強度の磁場勾配により前記磁性粒子を前記検出領域の表面上で自在に移動させることで、測定対象物質と競合的に前記磁性粒子を前記検出領域に結合させ、未結合の前記磁性粒子は配線パターンに移動させて除去することを特徴とする。
本発明による磁性粒子の磁気集合・除去方法及び装置と基板と測定装置は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、磁性粒子を用いた領域でのバイオセンシングにおける前記磁性粒子を基板上に形成された導電性の配線パターンを用いて前記磁気粒子を誘導磁気的に集合・除去するようにした磁性粒子の磁気集合・除去方法において、前記基板上に形成された前記配線パターンは、少なくとも第1配線パターンと、前記第1配線パターンに対して間隙を介して形成された第2配線パターンと、前記第1、第2配線パターン間に挟まれて形成され測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化するための検出領域とからなることにより、電流の供給と配線パターンのみの簡易的な構造のためシステムの小型化ができる。
また、従来技術に対して検出領域を広くすることができ、さらに磁性粒子を検出領域上で複数回往来させることができるので、検出領域に結合する磁性粒子が多くなり、その結果として、例えば検出領域と、測定対象物質と特異的に結合する物質が固定化された磁性粒子の結合においては、バイオセンシングの検出感度の向上ができ、また測定対象物質と特異的に結合する物質が固定化されていない磁性粒子の洗浄においては洗浄が促進されるため、バイオセンシングの効率と精度が向上できる。
前記第1配線パターンに電流を流すことで発生した磁場勾配により前記第1配線パターンに磁性粒子を集合させた後、隙間を介して形成された前記第2配線パターンに電流を流すことで発生した磁場勾配により前記磁性粒子を前記第2配線パターンに移動させる際に、測定対象検出物質を介して前記磁性粒子を前記検出領域に結合させ、未結合の前記磁性粒子は外側の前記第2配線パターンに除去することにより、簡単、迅速かつ少量の測定対象検出物質でバイオセンシングを行うことができる。
前記第1、第2配線パターンに交互に電流を流すことでそれぞれに発生した磁場勾配により未結合の前記磁性粒子が前記第1、第2配線パターンに交互に移動する際に、更に測定対象物質を介して前記磁性粒子を前記検出領域に結合させることにより、例えば検出領域と、測定対象物質と特異的に結合する物質が固定化された磁性粒子の結合においては、バイオセンシングの検出感度の向上ができ、また測定対象物質と特異的に結合する物質が固定化されていない磁性粒子の洗浄においては洗浄が促進されるため、バイオセンシングの効率と精度が向上できる。
少なくとも3個又はそれ以上の前記配線パターンを用いる場合には一個置きに前記配線パターンに電流を流すことで発生した磁場勾配によりその前記配線パターンに前記磁性粒子を集合させた後、残りの一個置きの前記配線パターンに電流を流すことで発生した磁場勾配により前記磁性粒子をその前記配線パターンに移動させる際に、測定対象物質を介して前記磁性粒子を前記検出領域に結合させることができる。
最も内側の前記配線パターンから順に最も外側の前記配線パターンに一本ずつ電流を流すことで発生した磁場勾配により内側の前記配線パターンから順に最も外側の前記配線パターンまで未結合の前記磁性粒子を移動させて除去することができる。
また、前記配線パターンは、円形、多角形、直線形など任意に作成できるので、検出に応じて最適な検出領域を構築できる。
また、前述の基板上に形成できるため高精度の磁性粒子の磁気集合・除去、磁性粒子の各種測定が簡便となる。
すなわち、磁性粒子を用いた領域でのバイオセンシングにおける前記磁性粒子を基板上に形成された導電性の配線パターンを用いて前記磁気粒子を誘導磁気的に集合・除去するようにした磁性粒子の磁気集合・除去方法において、前記基板上に形成された前記配線パターンは、少なくとも第1配線パターンと、前記第1配線パターンに対して間隙を介して形成された第2配線パターンと、前記第1、第2配線パターン間に挟まれて形成され測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化するための検出領域とからなることにより、電流の供給と配線パターンのみの簡易的な構造のためシステムの小型化ができる。
また、従来技術に対して検出領域を広くすることができ、さらに磁性粒子を検出領域上で複数回往来させることができるので、検出領域に結合する磁性粒子が多くなり、その結果として、例えば検出領域と、測定対象物質と特異的に結合する物質が固定化された磁性粒子の結合においては、バイオセンシングの検出感度の向上ができ、また測定対象物質と特異的に結合する物質が固定化されていない磁性粒子の洗浄においては洗浄が促進されるため、バイオセンシングの効率と精度が向上できる。
前記第1配線パターンに電流を流すことで発生した磁場勾配により前記第1配線パターンに磁性粒子を集合させた後、隙間を介して形成された前記第2配線パターンに電流を流すことで発生した磁場勾配により前記磁性粒子を前記第2配線パターンに移動させる際に、測定対象検出物質を介して前記磁性粒子を前記検出領域に結合させ、未結合の前記磁性粒子は外側の前記第2配線パターンに除去することにより、簡単、迅速かつ少量の測定対象検出物質でバイオセンシングを行うことができる。
前記第1、第2配線パターンに交互に電流を流すことでそれぞれに発生した磁場勾配により未結合の前記磁性粒子が前記第1、第2配線パターンに交互に移動する際に、更に測定対象物質を介して前記磁性粒子を前記検出領域に結合させることにより、例えば検出領域と、測定対象物質と特異的に結合する物質が固定化された磁性粒子の結合においては、バイオセンシングの検出感度の向上ができ、また測定対象物質と特異的に結合する物質が固定化されていない磁性粒子の洗浄においては洗浄が促進されるため、バイオセンシングの効率と精度が向上できる。
少なくとも3個又はそれ以上の前記配線パターンを用いる場合には一個置きに前記配線パターンに電流を流すことで発生した磁場勾配によりその前記配線パターンに前記磁性粒子を集合させた後、残りの一個置きの前記配線パターンに電流を流すことで発生した磁場勾配により前記磁性粒子をその前記配線パターンに移動させる際に、測定対象物質を介して前記磁性粒子を前記検出領域に結合させることができる。
最も内側の前記配線パターンから順に最も外側の前記配線パターンに一本ずつ電流を流すことで発生した磁場勾配により内側の前記配線パターンから順に最も外側の前記配線パターンまで未結合の前記磁性粒子を移動させて除去することができる。
また、前記配線パターンは、円形、多角形、直線形など任意に作成できるので、検出に応じて最適な検出領域を構築できる。
また、前述の基板上に形成できるため高精度の磁性粒子の磁気集合・除去、磁性粒子の各種測定が簡便となる。
本発明による磁性粒子の磁気集合・除去方法は、磁性粒子を用いた微小な領域でのバイオセンシングにおける磁性粒子を誘導磁気的に集合・除去することである。
以下、図面と共に本発明による磁性粒子の磁気集合・除去方法及び装置と基板と測定装置の好適な実施の形態について説明する。
図1において、符号1で示されるものは基板であり、この基板1上には、例えば、金の蒸着又はエッチング等で形成された導電性で環状の第1配線パターン2a、2b、が形成されている。
前記第1配線パターン2aの外側には、前記第1配線パターン2aを囲うように環状の第2配線パターン2bが形成され、前記各配線パターン2a,2b間には、斜線で示すように、検出領域4が形成されている。
図1において、符号1で示されるものは基板であり、この基板1上には、例えば、金の蒸着又はエッチング等で形成された導電性で環状の第1配線パターン2a、2b、が形成されている。
前記第1配線パターン2aの外側には、前記第1配線パターン2aを囲うように環状の第2配線パターン2bが形成され、前記各配線パターン2a,2b間には、斜線で示すように、検出領域4が形成されている。
図1及び図3のように環状の各配線パターン2a,2bが形成された基板1を用意する。前記配線パターンは2本以上であれば本数は限られない。すなわち、図示していないが多くの配線パターンを用いる場合もある。配線の形状は円形に限らず、形成しやすい形状であれば三角でも四角等の多角形でもよい。また、図10、図11のように、直線形でもよい。配線パターンの材質は導電性が高ければ限定されないが、金や銅などが好ましい。各配線パターン2a,2b間の検出領域4は測定対象物質と特異的に結合する物質が結合されている。基板1と測定対象物質と特異的に結合する物質との固定化方法としては、周知の化学的な共有結合だけでなく疎水的な分子間力でもよい。
次に、図4のように、前記基板1に測定対象物質を含む溶液を滴下して基板1の検出領域4に測定対象物質を結合させ、さらに、測定対象物質と特異的に結合する抗体が表面に修飾された磁性粒子10を含む溶液を滴下する。尚、この時は、内側用電流源11と外側用電流源12がオフである。尚、溶液滴下後に図示しないカバーガラスをかけ、このカバーガラスの重みと水が伝うことの効果で液滴が平面になり、図5のように、粒子観察が容易となる。
前記各配線パターンが二本の場合は、図6〜図9のようにまず内側の第1配線パターン2aに電流を流して磁場勾配を発生させ、その第1配線パターン2aに磁性粒子10を集合させる。次に内側の第1配線パターン2aに流す電流を止めて、隙間を介して位置する外側1Bの第2配線パターン2bに電流を流して磁場勾配を発生させ、その第2配線パターン2bに磁性粒子10を移動させる。この際に、磁性粒子は測定対象物質が結合した検出領域4の上を移動するので、測定対象物質を介して磁性粒子は測定対象領域4に結合させることができる。未結合の磁性粒子はそのまま外側の第2配線パターン2bに移動するので、検出領域4からは未結合の磁性粒子が除去されることになる。
さらに、内側1Aと外側1Bの第1、第2配線パターン2a,2bに交互に電流を流してそれぞれに磁場勾配を発生させ、二つの配線パターン間で粒子を複数回移動することで、多くの磁性粒子が検出領域4に結合させることができる。
このとき、図12のように配線パターンと検出領域の組み合わせを複数配置させ、検出領域ごとに別々の測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、一度に複数の測定対象物質を選択的に結合させることができる。また図13のように複数の検出領域を同じ測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、大量に測定対象物質を結合させることができる。
前記各配線パターンが二本の場合は、図6〜図9のようにまず内側の第1配線パターン2aに電流を流して磁場勾配を発生させ、その第1配線パターン2aに磁性粒子10を集合させる。次に内側の第1配線パターン2aに流す電流を止めて、隙間を介して位置する外側1Bの第2配線パターン2bに電流を流して磁場勾配を発生させ、その第2配線パターン2bに磁性粒子10を移動させる。この際に、磁性粒子は測定対象物質が結合した検出領域4の上を移動するので、測定対象物質を介して磁性粒子は測定対象領域4に結合させることができる。未結合の磁性粒子はそのまま外側の第2配線パターン2bに移動するので、検出領域4からは未結合の磁性粒子が除去されることになる。
さらに、内側1Aと外側1Bの第1、第2配線パターン2a,2bに交互に電流を流してそれぞれに磁場勾配を発生させ、二つの配線パターン間で粒子を複数回移動することで、多くの磁性粒子が検出領域4に結合させることができる。
このとき、図12のように配線パターンと検出領域の組み合わせを複数配置させ、検出領域ごとに別々の測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、一度に複数の測定対象物質を選択的に結合させることができる。また図13のように複数の検出領域を同じ測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、大量に測定対象物質を結合させることができる。
例えば、図示しないが、前記各配線パターンを多数であるn個を用い(図示せず)図1よりも多い場合は、一個置きの各パターンに電流を流して磁場勾配を発生させて各配線パターンに磁性粒子を集合させた後に電流を止め、もう一方の一個置きの図示しない配線パターンに電流を流して磁場勾配を発生させて磁性粒子10を移動させることで、広範囲の検出領域4の上を磁性粒子10が移動して結合させることができる。
また、図11に示されるように、最も内側1Aの直線形(棒状)の第1配線パターン2aから外側1Bの第2配線パターン2dに順に一本ずつ電流を流して発生した磁場勾配により内側1Aの配線パターンから順に外側1Bの配線パターンに未結合の磁性粒子10を移動させることで、すべての検出領域4から未結合の磁性粒子が除去される。
以上は直線形の構成であるが、円形、多角形などの環状形でも同様である。
また、図11に示されるように、最も内側1Aの直線形(棒状)の第1配線パターン2aから外側1Bの第2配線パターン2dに順に一本ずつ電流を流して発生した磁場勾配により内側1Aの配線パターンから順に外側1Bの配線パターンに未結合の磁性粒子10を移動させることで、すべての検出領域4から未結合の磁性粒子が除去される。
以上は直線形の構成であるが、円形、多角形などの環状形でも同様である。
次に、本発明による図1及び図2に示す磁性粒子の磁気集合・除去方法の実際の実施の状況について説明する。
磁性粒子10の集合と除去の検証として実際に第1、第2配線パターン2,3を作製し粒子径3μmの磁性粒子を用いた実験を行った。基板1はシリコンで表面にシリコン酸化膜が300nm堆積しているものを使用した。各配線パターン2,3は半導体製造プロセスを用いて形成した。まず基板1上にフォトリソグラフィ工程により配線パターンをレジストにより形成した後にチタン100nmと金100nmを順に蒸着し、リフトオフ工程で最終的な金属の配線パターンを形成した。
磁性粒子10の集合と除去の検証として実際に第1、第2配線パターン2,3を作製し粒子径3μmの磁性粒子を用いた実験を行った。基板1はシリコンで表面にシリコン酸化膜が300nm堆積しているものを使用した。各配線パターン2,3は半導体製造プロセスを用いて形成した。まず基板1上にフォトリソグラフィ工程により配線パターンをレジストにより形成した後にチタン100nmと金100nmを順に蒸着し、リフトオフ工程で最終的な金属の配線パターンを形成した。
その後磁性粒子溶液を滴下し光学顕微鏡下で様子を観察した。まず電流を印加していない状態では一面に磁性粒子が分散している(図2(A))。その後、第1配線パターン2aに電流を印加すると、粒子が配線パターン2aに集まった(図2(B))。その後電流を止め、今度は配線パターン2bに電流を流したとき、粒子は配線パターン2bに集まった(図2(C))。この工程は何回も繰り返すことで配線パターン2a,2b間の検出領域4を磁性粒子が複数回往来させることが確認できた。
次に、前述の本発明による磁性粒子の磁気集合・除去方法及び装置と基板と測定装置の要旨とするところは、次の通りである。
すなわち、磁性粒子10を用いた領域でのバイオセンシングにおける前記磁性粒子10を基板上に形成された導電性の配線パターンを用いて前記磁性粒子10を誘導磁気的に集合・除去するようにした磁性粒子の磁気集合・除去方法において、
前記基板上に形成された前記配線パターンは、少なくとも第1配線パターンと、前記第1配線パターンに対して間隙を介して形成された第2配線パターンと、前記第1、第2配線パターン間に挟まれて形成され測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化するための検出領域とからなることを特徴とする磁性粒子の磁気集合・除去方法であり、また、
前記第1配線パターンに電流を流すことで発生した磁場勾配により前記第1配線パターンに磁性粒子を集合させた後、前記第2配線パターンに電流を流すことで発生した磁場勾配により前記磁性粒子10を前記第2配線パターンに移動させる際に、測定対象物質を介して前記磁性粒子10を前記検出領域4に結合させ、未結合の前記磁性粒子は前記第2配線パターンに除去する方法であり、また、
前記第1、第2配線パターンに交互に電流を流すことでそれぞれに発生した磁場勾配により未結合の前記磁性粒子10が前記第1、第2配線パターンに交互に移動する際に、更に測定対象物質を介して前記磁性粒子10を前記検出領域4に結合させることができる方法であり、また、
少なくとも3個又はそれ以上の前記配線パターン2a、2b、2c、2dを用いる場合には、図11で示すように、一個置きに例えば前記配線パターン2aと2cあるいは2bと2dの組み合わせで電流を流すことで発生した磁場勾配によりその前記配線パターン2aと2cあるいは2bと2dに前記磁性粒子10を集合させた後、残りの一個置きの前記配線パターン2bと2dあるいは2aと2cの組み合わせで電流を流すことで発生した磁場勾配により前記磁性粒子10をその前記配線パターン2bと2dあるいは2aと2cに移動させる際に、測定対象物質を介して前記磁性粒子10を前記検出領域4に結合させることができる方法であり、また、
最も内側1Aの前記第1配線パターン2aから順に最も外側1Bの前記第n配線パターン2dに一本ずつ電流を流すことで発生した磁場勾配により内側1Aの前記第1配線パターン2aから順に最も外側1Bの前記第n配線パターン2dまで未結合の前記磁性粒子を移動させて除去することができる方法であり、また、
前記第1、第2、第n配線パターン2a、2b、2c、2dは、金又は銅で形成されている方法であり、また、
前記第1、第2、第n配線パターン2a、2b、2c、2dは、円形、多角形、直線形の何れかよりなる方法であり、また、
図3から図9で示されるように、前記各配線パターン2a、2bから発生する磁場勾配は、各電流源11、12のオン・オフ制御により、各々独立してオン・オフ、各々同時にオン・オフ、各々独立して任意の設定値に可変、各々独立して反転、各々独立して任意の周期で設定値を可変、組合せることにより任意の比率で設定、組合わせることにより任意の周期で可変、の何れかに設定される方法であり、また、本発明による基板は、電流を流すことで磁場勾配を発生させ、基板表面近傍にある磁性粒子を移動させることが可能な配線パターンが複数施された構成であり、また、配線パターンに流す電流をオン・オフあるいは可変制御することで、基板表面近傍にある磁性粒子を自在に移動させるような構成であり、また、本発明によるの基板1は、複数の前記配線パターンに磁性粒子を選択的に固定可能な物質を配置した構成であり、また、固定化されなかった磁性粒子を更に他の配線パターンに移動させることで除去可能な構成であり、また、
それらを繰り返し行うことが可能な構成であり、また、磁性粒子を移動させる為の配線パターンを並行に複数配置した構成であり、また、
磁性粒子を移動させる為の配線パターンを環状に配置した構成であり、また、環状の配線パターンを複数配置した構成であり、また、本発明による磁性粒子測定装置は環状に配置された配線パターンに周期的に変化する電流を流し、インダクタンスを測定することで、固定化された磁性粒子の量を測定することを可能とする構成であり、また、環状に配置された配線パターンに電流を流し、固定化された磁性粒子の発熱を測定することで、磁性粒子の量を測定可能とする構成である。
すなわち、磁性粒子10を用いた領域でのバイオセンシングにおける前記磁性粒子10を基板上に形成された導電性の配線パターンを用いて前記磁性粒子10を誘導磁気的に集合・除去するようにした磁性粒子の磁気集合・除去方法において、
前記基板上に形成された前記配線パターンは、少なくとも第1配線パターンと、前記第1配線パターンに対して間隙を介して形成された第2配線パターンと、前記第1、第2配線パターン間に挟まれて形成され測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化するための検出領域とからなることを特徴とする磁性粒子の磁気集合・除去方法であり、また、
前記第1配線パターンに電流を流すことで発生した磁場勾配により前記第1配線パターンに磁性粒子を集合させた後、前記第2配線パターンに電流を流すことで発生した磁場勾配により前記磁性粒子10を前記第2配線パターンに移動させる際に、測定対象物質を介して前記磁性粒子10を前記検出領域4に結合させ、未結合の前記磁性粒子は前記第2配線パターンに除去する方法であり、また、
前記第1、第2配線パターンに交互に電流を流すことでそれぞれに発生した磁場勾配により未結合の前記磁性粒子10が前記第1、第2配線パターンに交互に移動する際に、更に測定対象物質を介して前記磁性粒子10を前記検出領域4に結合させることができる方法であり、また、
少なくとも3個又はそれ以上の前記配線パターン2a、2b、2c、2dを用いる場合には、図11で示すように、一個置きに例えば前記配線パターン2aと2cあるいは2bと2dの組み合わせで電流を流すことで発生した磁場勾配によりその前記配線パターン2aと2cあるいは2bと2dに前記磁性粒子10を集合させた後、残りの一個置きの前記配線パターン2bと2dあるいは2aと2cの組み合わせで電流を流すことで発生した磁場勾配により前記磁性粒子10をその前記配線パターン2bと2dあるいは2aと2cに移動させる際に、測定対象物質を介して前記磁性粒子10を前記検出領域4に結合させることができる方法であり、また、
最も内側1Aの前記第1配線パターン2aから順に最も外側1Bの前記第n配線パターン2dに一本ずつ電流を流すことで発生した磁場勾配により内側1Aの前記第1配線パターン2aから順に最も外側1Bの前記第n配線パターン2dまで未結合の前記磁性粒子を移動させて除去することができる方法であり、また、
前記第1、第2、第n配線パターン2a、2b、2c、2dは、金又は銅で形成されている方法であり、また、
前記第1、第2、第n配線パターン2a、2b、2c、2dは、円形、多角形、直線形の何れかよりなる方法であり、また、
図3から図9で示されるように、前記各配線パターン2a、2bから発生する磁場勾配は、各電流源11、12のオン・オフ制御により、各々独立してオン・オフ、各々同時にオン・オフ、各々独立して任意の設定値に可変、各々独立して反転、各々独立して任意の周期で設定値を可変、組合せることにより任意の比率で設定、組合わせることにより任意の周期で可変、の何れかに設定される方法であり、また、本発明による基板は、電流を流すことで磁場勾配を発生させ、基板表面近傍にある磁性粒子を移動させることが可能な配線パターンが複数施された構成であり、また、配線パターンに流す電流をオン・オフあるいは可変制御することで、基板表面近傍にある磁性粒子を自在に移動させるような構成であり、また、本発明によるの基板1は、複数の前記配線パターンに磁性粒子を選択的に固定可能な物質を配置した構成であり、また、固定化されなかった磁性粒子を更に他の配線パターンに移動させることで除去可能な構成であり、また、
それらを繰り返し行うことが可能な構成であり、また、磁性粒子を移動させる為の配線パターンを並行に複数配置した構成であり、また、
磁性粒子を移動させる為の配線パターンを環状に配置した構成であり、また、環状の配線パターンを複数配置した構成であり、また、本発明による磁性粒子測定装置は環状に配置された配線パターンに周期的に変化する電流を流し、インダクタンスを測定することで、固定化された磁性粒子の量を測定することを可能とする構成であり、また、環状に配置された配線パターンに電流を流し、固定化された磁性粒子の発熱を測定することで、磁性粒子の量を測定可能とする構成である。
本発明による磁性粒子の磁気集合・除去方法は、磁性粒子を用いた微小な領域でのバイオセンシングにおける磁性粒子を誘導磁気的に集合・除去する場合に、基板上の複数の配線パターンを用いるため、小型化及びコストダウンの達成ができる。
1 基板
2a 第1配線パターン(環状又は直線形)
2b 第2配線パターン(環状又は直線形)
2c、2d 第n配線パターン(環状又は直線形)
4 検出領域
1A 内側
1B 外側
10 磁性粒子
11 内側用電流源
12 外側用電流源
11a 第1配線パターン用電源
11b 第2配線パターン用電源
11c、11d 第n配線パターン用電源
2a 第1配線パターン(環状又は直線形)
2b 第2配線パターン(環状又は直線形)
2c、2d 第n配線パターン(環状又は直線形)
4 検出領域
1A 内側
1B 外側
10 磁性粒子
11 内側用電流源
12 外側用電流源
11a 第1配線パターン用電源
11b 第2配線パターン用電源
11c、11d 第n配線パターン用電源
次に、図4のように、前記基板1に測定対象物質を含む溶液を滴下して基板1の検出領域4に測定対象物質を結合させ、さらに、測定対象物質と特異的に結合する抗体が表面に修飾された磁性粒子10を含む溶液を滴下する。尚、この時は、内側用電流源11と外側用電流源12がオフである。尚、溶液滴下後に図示しないカバーガラスをかけ、このカバーガラスの重みと水が伝うことの効果で液滴が平面になり、図5のように、粒子観察が容易となる。
前記各配線パターンが二本の場合は、図6〜図9のようにまず内側の第1配線パターン2aに電流を流して磁場勾配を発生させ、その第1配線パターン2aに磁性粒子10を集合させる。次に内側の第1配線パターン2aに流す電流を止めて、隙間を介して位置する外側の第2配線パターン2bに電流を流して磁場勾配を発生させ、その第2配線パターン2bに磁性粒子10を移動させる。この際に、磁性粒子は測定対象物質が結合した検出領域4の上を移動するので、測定対象物質を介して磁性粒子は測定対象領域4に結合させることができる。未結合の磁性粒子はそのまま外側の第2配線パターン2bに移動するので、検出領域4からは未結合の磁性粒子が除去されることになる。
さらに、第1、第2配線パターン2a,2bに交互に電流を流してそれぞれに磁場勾配を発生させ、二つの配線パターン間で粒子を複数回移動することで、多くの磁性粒子が検出領域4に結合させることができる。
このとき、図12のように配線パターンと検出領域の組み合わせを複数配置させ、検出領域ごとに別々の測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、一度に複数の測定対象物質を選択的に結合させることができる。また図13のように複数の検出領域を同じ測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、大量に測定対象物質を結合させることができる。
前記各配線パターンが二本の場合は、図6〜図9のようにまず内側の第1配線パターン2aに電流を流して磁場勾配を発生させ、その第1配線パターン2aに磁性粒子10を集合させる。次に内側の第1配線パターン2aに流す電流を止めて、隙間を介して位置する外側の第2配線パターン2bに電流を流して磁場勾配を発生させ、その第2配線パターン2bに磁性粒子10を移動させる。この際に、磁性粒子は測定対象物質が結合した検出領域4の上を移動するので、測定対象物質を介して磁性粒子は測定対象領域4に結合させることができる。未結合の磁性粒子はそのまま外側の第2配線パターン2bに移動するので、検出領域4からは未結合の磁性粒子が除去されることになる。
さらに、第1、第2配線パターン2a,2bに交互に電流を流してそれぞれに磁場勾配を発生させ、二つの配線パターン間で粒子を複数回移動することで、多くの磁性粒子が検出領域4に結合させることができる。
このとき、図12のように配線パターンと検出領域の組み合わせを複数配置させ、検出領域ごとに別々の測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、一度に複数の測定対象物質を選択的に結合させることができる。また図13のように複数の検出領域を同じ測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、大量に測定対象物質を結合させることができる。
例えば、図11のように、前記各配線パターンを多数であるn個を用い、一個置きの各パターン(例えば、2a,2c)に電流を流して磁場勾配を発生させて各配線パターン2a,2cに磁性粒子を集合させた後に電流を止め、もう一方の一個置きの配線パターン2b,2dに電流を流して磁場勾配を発生させて磁性粒子10を移動させることで、広範囲の検出領域4の上を磁性粒子10が移動して結合させることができる。
また、図11に示されるように、最も内側1Aの直線形(棒状)の第1配線パターン2aから外側1Bの第2配線パターン2dに順に一本ずつ電流を流して発生した磁場勾配により内側1Aの配線パターンから順に外側1Bの配線パターンに未結合の磁性粒子10を移動させることで、すべての検出領域4から未結合の磁性粒子が除去される。
以上は直線形の構成であるが、円形、多角形などの環状形でも同様である。
また、図11に示されるように、最も内側1Aの直線形(棒状)の第1配線パターン2aから外側1Bの第2配線パターン2dに順に一本ずつ電流を流して発生した磁場勾配により内側1Aの配線パターンから順に外側1Bの配線パターンに未結合の磁性粒子10を移動させることで、すべての検出領域4から未結合の磁性粒子が除去される。
以上は直線形の構成であるが、円形、多角形などの環状形でも同様である。
Claims (16)
- 間隙を介して形成された少なくとも2本の導電性の配線パターンと前記配線パターン間に挟まれて形成され測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した検出領域とからなる基板と、各々の配線パターンから夫々独立して任意の強度の磁場勾配を発生させるための電流源と、
を備えることを特徴とするバイオセンシング装置。 - 測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した磁性粒子を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンシング装置。
- 測定対象物質と同じ物質を固定化した磁性粒子を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンシング装置。
- 磁性粒子が蛍光物質などの色素を封入していることを特徴とする請求項2又は3に記載のバイオセンシング装置。
- 前記配線パターンは直線形に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のバイオセンシング装置。
- 複数の前記配線パターンは平行に形成されていることを特徴とする請求項5に記載のバイオセンシング装置。
- 前記配線パターンは円形または多角形の環状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載のバイオセンシング装置。
- 複数の前記環状の配線パターンは同心円状に形成されていることを特徴とする請求項7に記載のバイオセンシング装置。
- 前記環状の配線パターンは複数個が配列して形成されていることを特徴とする請求項7および8に記載のバイオセンシング装置。
- 間隙を介して形成された少なくとも2本の導電性の配線パターン間に挟まれて形成され測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した検出領域を、さらに区分し、それぞれを別々の測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、一度に複数の測定対象物質を選択的に結合させることができる請求項1ないし9の何れか1項に記載のバイオセンシング装置。
- 間隙を介して形成された少なくとも2本の導電性の配線パターン間に挟まれて形成され測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した検出領域を複数設け、それぞれを同じ測定対象物質を特異的に結合する物質を固定化することで、一度に大量の測定対象物質を結合させることができる請求項1ないし9の何れか1項に記載のバイオセンシング装置。
- 環状に形成された配線パターンのインダクタンスを測定する測定器と、
測定器の出力信号から検出領域に結合している磁性粒子の量を算出する信号処理部と、
算出した磁性粒子の量から測定対象物質を算出する算出部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1ないし11の何れか1項に記載のバイオセンシング装置。 - 環状に形成された配線パターンの内側の発熱量を測定する測定器と、
測定器の出力信号から検出領域に結合している磁性粒子の量を算出する信号処理部と、
算出した磁性粒子の量から測定対象物質を算出する算出部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1ないし11の何れか1項に記載のバイオセンシング装置。 - 基板を撮影して画像データを得る撮影手段と、
画像データから検出領域に結合した磁性粒子の量を算出する信号処理部と、
算出した磁性粒子の量から測定対象物質を算出する算出部と、
を更に備えることを特徴とする請求項1ないし11の何れか1項に記載のバイオセンシング装置。 - 請求項1に記載のバイオセンシング装置の基板に、
測定対象物質を含む溶液と、測定対象物質と特異的に結合する物質を固定化した磁性粒子を含む溶液とをそれぞれ滴下し、
各々の配線パターンから発生した任意の強度の磁場勾配により前記磁性粒子を前記検出領域の表面上で自在に移動させることで、測定対象物質を介して前記磁性粒子を前記検出領域に結合させ、
未結合の前記磁性粒子は配線パターンに移動させて除去する、
ことを特徴とするバイオセンシング方法。 - 請求項1に記載のバイオセンシング装置の基板に、
測定対象物質を含む溶液と、測定対象物質と同じ物質を固定化した磁性粒子を含む溶液をそれぞれ滴下し、
各々の配線パターンから発生した任意の強度の磁場勾配により前記磁性粒子を前記検出領域の表面上で自在に移動させることで、測定対象物質と競合的に前記磁性粒子を前記検出領域に結合させ、
未結合の前記磁性粒子は配線パターンに移動させて除去する、
ことを特徴とするバイオセンシング方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016026823A JP2017146149A (ja) | 2016-02-16 | 2016-02-16 | 磁性粒子を用いたバイオセンシング方法及び装置 |
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JP2014500949A (ja) * | 2010-10-28 | 2014-01-16 | イェール ユニバーシティー | 磁性流体中の標的種のマイクロ流体処理 |
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2016
- 2016-02-16 JP JP2016026823A patent/JP2017146149A/ja active Pending
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