本発明の一実施形態である遊技機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、右側を、それぞれ、遊技機1の前側(正面側)、後側(背面側)、上側、下側、左側、右側とする。
図1および図2を参照して、遊技機1の概略構成を説明する。図1に示すように、遊技機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられる。遊技盤2は正面視略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護される。遊技盤2の下部には上皿5が設けられる。上皿5は、発射機に遊技球を供給し、かつ賞品球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作される操作ボタン9が配設される。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられる。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられる。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられる。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成される。発射装置37(図3参照)によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4は、発射ハンドル7の発射強度に応じて、遊技球が流下する度合いを互いに異にする第一遊技領域4Lと第二遊技領域4Rとを備える。第一遊技領域4Lは、遊技機1に正対した遊技者から見て遊技領域4の左側に位置し、第二遊技領域4Rは、遊技者から見て遊技領域4の右側に位置している。ガイドレール3は遊技領域4の左側に形成されている。発射ハンドル7によって所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は、第二遊技領域4Rを流下し(例えば図2の矢印R参照)、所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第一遊技領域4Lを流下する(例えば図2の矢印L参照)。
遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター役物10が設けられる。センター役物10は、表示装置28、可動役物31、および発光役物32を主に備える。表示装置28は、センター役物10の略中央に設けられる。表示装置28は、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成される表示画面28Aを備える。表示画面28Aの形状は、左右方向を長手方向とした矩形状である。表示装置28は、動画、メッセージ等の遊技に関する様々な画像を表示画面28Aに表示する。特に、表示装置28は、大当たり判定の結果を報知するための演出図柄を表示画面28Aに表示する。遊技機1は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
可動役物31は、表示装置28の上側に設けられる。可動役物31は、可動部を動作させることで、表示装置28およびスピーカ48等と連動して、報知演出等の様々な演出を実行する。発光役物32は、可動役物31のさらに上側に設けられる。発光役物32は、複数(本実施形態では、7種類)のキャラクタからなり、キャラクタ毎に発光可能である。発光役物32は、1または複数のキャラクタを発光させることで、表示装置28およびスピーカ48等と連動して、報知演出等の様々な演出を実行する。
センター役物10の下方には、第一始動口14が設けられる。センター役物10の右斜め下方には、普通図柄作動ゲート12が設けられる。普通図柄作動ゲート12の下方には、第二始動口15が設けられる。第二始動口15の左斜め下方には、通常アタッカー16が設けられる。第一始動口14の直下に、Vアタッカー17が設けられる。
第二始動口15は、開閉部材を備える。第二始動口15の開閉部材が開放状態となると、第二始動口15への遊技球の入賞が容易になる。通常アタッカー16およびVアタッカー17も開閉部材を備える。遊技球は、開閉部材が開放した状態でのみ、通常アタッカー16およびVアタッカー17に入賞できる。各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。入賞口である第一始動口14、第二始動口15、通常アタッカー16、およびVアタッカー17に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
図示しないが、Vアタッカー17に入賞した遊技球の流路には、特定領域および非特定領域が形成される。遊技機1では、大当たり遊技中に遊技球がVアタッカー17内の特定領域を通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する条件となっている。本実施形態では、Vアタッカー17は1回の大当たり遊技中に1回開放される。Vアタッカー17の開放パターンには、1回の開放動作で最大13秒開放される長時間開放パターンと、最大0.3秒しか開放されない短時間開放パターンとがある。短時間開放パターンの場合には、Vアタッカー17に遊技球が入賞する確率は低い。そして、大当たり遊技の種類には、長時間開放パターンが選択される長時間開放大当たりと、短時間開放パターンが選択される短時間開放大当たりとが設けられる。よって、長時間開放大当たりとなるか否かによって、確率変動状態が生起される割合は変化する。
遊技盤2の右斜め下部には図柄表示部8が設けられる。図柄表示部8は、普通図柄表示部、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄記憶数表示LED、第一特別図柄記憶数表示LED、および第二特別図柄記憶数表示LEDを備える。普通図柄作動ゲート12を遊技球が通過すると普通当たり判定が行われて、判定結果が普通図柄表示部に表示される。第一始動口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われ、判定の結果に応じて複数の特別図柄のうちの1つが第一特別図柄表示部に表示される。第二始動口15へ遊技球が入賞すると、第二大当たり判定が行われ、その判定の結果は第二特別図柄表示部に表示される。
普通図柄記憶数表示LEDは、普通図柄作動保留球数を4つまで表示する。普通図柄作動保留球数とは、普通図柄作動ゲート12を通過し、かつ普通図柄表示部に普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第一特別図柄記憶数表示LEDは、第一特別図柄作動保留球数を4つまで表示する。第一特別図柄作動保留球数とは、第一始動口14に入賞し、かつ第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第二特別図柄記憶数表示LEDは、第二特別図柄作動保留球数を4つまで表示する。第二特別図柄作動保留球数とは、第二始動口15に入賞し、かつ第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。さらに、遊技盤2には、上記以外に各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技くぎ等が設けられる。
図3を参照して、遊技機1の電気的構成について説明する。遊技機1の制御部40は、主制御基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47等を備える。
主制御基板41は、遊技機1の主制御を司る。主制御基板41のCPUユニット50には、各種の演出処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。CPU51は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主制御基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動スイッチ72、および第二始動スイッチ73に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータに遊技機1の情報を出力する。第一始動スイッチ72は、第一始動口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動スイッチ73は、第二始動口15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9、およびスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主制御基板41から送信されるコマンド、および操作ボタン9の検出結果に従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は可動役物31の動作、発光役物32の発光、各種照明の発光等を制御する。演出制御基板43は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示装置28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU451等を備える。払出制御基板45は、主制御基板41から送信されるコマンドに応じて賞品球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47には、普通電動役物開閉ソレノイド69、通常アタッカー開閉ソレノイド70、およびVアタッカー開閉ソレノイド71が接続されている。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材を開閉する。通常アタッカー開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に通常アタッカー16の開閉部材を開閉する。Vアタッカー開閉ソレノイド71は、大当たり遊技中にVアタッカー17の開閉部材を開閉する。
さらに、中継基板47には、普通図柄作動スイッチ74、通常アタッカースイッチ75、特定領域スイッチ76、非特定領域スイッチ77、および図柄表示部8が接続されている。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。通常アタッカースイッチ75は、通常アタッカー16に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ76は、Vアタッカー17内の特定領域を通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ77は、Vアタッカー17内の非特定領域を通過した遊技球を検出する。
電源基板42は、主制御基板41および発射装置37に接続されており、各基板および発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
遊技機1における遊技制御の概要について説明する。普通図柄作動スイッチ74によって、普通図柄作動ゲート12を遊技球が通過したことが検出されると、主制御基板41のCPU51は普通当たり判定を実行する。普通当たり判定の結果は、図柄表示部8に表示される。普通当たりとなると、CPU51は、普通電動役物開閉ソレノイド69によって第二始動口15を所定時間開放させる。
第一始動スイッチ72または第二始動スイッチ73によって、第一始動口14または第二始動口15への遊技球の入賞が検出されると、CPU51は大当たり判定を実行する。CPU51は、大当たり判定の結果に応じて、複数の変動パターンのうちの1つを決定する。変動パターンとは、大当たり判定による判定結果を遊技者に報知する際に用いられるデモ図柄の変動のパターン(演出パターン)である。この変動パターンによって、図柄表示部8に表示される特別図柄の変動時間(デモ図柄の変動時間に等しい)と、特別図柄の変動に同期して表示装置28、可動役物31、発光役物32、スピーカ48等によって実行される報知演出のパターンとが決定される。報知演出とは、複数のデモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せを確定表示させる演出である。CPU51は、決定した変動パターンを指定するコマンドを、サブ制御基板58に送信する。大当たり判定の結果は、サブ制御基板58等によって制御される報知演出と、図柄表示部8に表示される特別図柄とによって遊技者に報知される。大当たりとなると、CPU51は、通常アタッカー開閉ソレノイド70およびVアタッカー開閉ソレノイド71によって、ぞれぞれ、通常アタッカー16およびVアタッカー17を所定のパターンで開放する。
サブ制御基板58は、主制御基板41から受信したコマンドに応じて、報知演出等の各種演出を制御する。特に、サブ制御基板58のCPU581は、主制御基板41によって変動パターンが指定されると、指定された変動パターンに応じた報知演出の映像の開始、映像の変更、映像の終了等を指示するコマンドを演出制御基板43に送信する。演出制御基板43は、サブ制御基板58から受信したコマンドに基づいて、表示画面28Aにおける映像の表示を制御する。なお、CPU581は、表示画面28Aに表示される映像に同期するように、可動役物31、発光役物32、およびスピーカ48の動作を制御する。
図4を参照して、演出制御基板43の電気的構成について説明する。演出制御基板43は、表示制御ユニット60、画像表示プロセッサ(Video Display Processor、以下「VDP」という)35、VRAM34、およびCGROM33を備える。
表示制御ユニット60について説明する。表示制御ユニット60は、表示制御CPU61、表示制御RAM62、表示制御ROM63、および発振器64を備える。表示制御CPU61は、サブ制御基板58に接続されており、表示装置28の表示を制御するための各種コマンドをサブ制御基板58から受信する。表示制御CPU61は、受信したコマンドに基づいて、表示制御開始コマンド、引き画面コマンド、特定映像コマンド等をVDP35に送信する。表示制御開始コマンドは、表示装置28に表示させる映像を選定し、選定した映像を表示させるためのコマンドである。引き画面コマンドは、後述する引き画面処理(図6参照)を実行させるためのコマンドである。特定映像コマンドは、後述する特定映像110(図7参照)を表示させるためのコマンドである。表示制御RAM62には、VDP35に送信するためのコマンド等の各種データが一時的に記憶される。表示制御ROM63には、表示装置28の表示を制御するための表示制御プログラム、初期値等が記憶されている。発振器64は、表示装置28における画像表示に必要なドットクロック周波数を発振する。
VDP35、VRAM34、およびCGROM33について説明する。VDP35は、表示制御CPU61から受信したコマンドに従って各種画像表示制御を実行する。VDP35は、表示画面28Aに一の領域および複数の領域のいずれかを割り当てることができる。本実施形態では、一の領域は第一領域D1であり、複数の領域は第一領域D1および第二領域D2である(図7参照)。CGROM33には、複数の映像データが記憶されている。映像データは、一連の映像を構成する複数の画像を表示させるための画像データである。VDP35は、表示制御CPU61から送信された表示制御開始コマンドによって指定されている映像を示す映像データを、CGROM33から取得する。VRAM34には、表示画面28Aに表示される映像を構成する複数の画像を描画するための複数のサーフェスが設けられている。本実施形態では、複数のサーフェスは、第一サーフェス341、第二サーフェス342、および第三サーフェス343を含む。サーフェス341〜343は、それぞれ、一群のサーフェスである。
VDP35は、取得した映像データに基づいて、VRAM34に設けられた複数のサーフェスに、映像を構成する複数の画像をそれぞれ描画する。VDP35は、画像が描画された複数のサーフェスのうち、表示画面28Aにおける画像表示に用いられるサーフェス(以下、表示用サーフェスという。)を示すデータに基づいて、画像を表示画面28Aに表示する。以下、第一サーフェス341、第二サーフェス342、および第三サーフェス343の表示用サーフェスを、それぞれ、第一表示用サーフェス341A(図7参照)、第二表示用サーフェス(図示略)、および第三表示用サーフェス(図示略)という。
以下、VDP35が実行する処理の詳細について説明する。表示制御CPU61は、サブ制御基板58のCPU581から、表示制御開始コマンドをVDP35に送信するためのコマンドを受信した場合に、表示制御開始コマンドをVDP35に送信する。VDP35は、表示制御CPU61から受信した表示制御開始コマンドによって指定された映像を表示画面28Aに表示させる。映像には、大当たり判定の結果を示す報知演出の実行中に表示される報知演出映像、大当たり遊技中に表示される大当たり演出映像、遊技が行われていない場合に表示されるデモ映像等、遊技に関する情報を遊技者に示す映像が設けられている。本発明は、いずれの映像を表示させる場合にも適用できるが、以下では、報知演出映像を表示させる場合の処理について説明する。
図5〜図7を参照して、VDP35が実行する映像表示制御処理について説明する。まず、映像表示制御処理で使用されるフラグを説明する。VDP35に設けられたRAMには、特定映像フラグ等が記憶されている。特定映像フラグは、特定映像コマンドを受信した場合に「1」が記憶されて「ON」となり、映像表示制御処理が終了する場合に「0」が記憶されて「OFF」となる。すなわち、映像表示制御処理が開始される時点では、特定映像フラグは「OFF」となっている。
映像表示制御処理(図5参照)では、報知演出映像の表示が制御される。VDP35は、報知演出映像を指定する表示制御開始コマンドを表示制御CPU61から受信すると、VDP35に設けられた記憶装置に記憶されたプログラムに従って、映像表示制御処理を実行する。以下では、映像表示開始コマンドによって、所定の報知演出映像が指定された場合を例に挙げて説明する。図7は、所定の報知演出映像を構成する基本映像100A、格子映像101、および特定映像110が表示画面28Aに表示される場合を例示している。
図5に示すように、映像表示制御処理が開始されると、受信した映像表示開始コマンドによって指定された所定の報知演出映像に基づいて、基本映像100Aを示す基本映像データが、CGROM33から取得される(S101)。基本映像100Aは、視差のない複数の画像によって構成される映像である。このため、視差のある画像が用いられるよりも容量が小さく、VDP35への負荷が抑制される。図7に示す基本映像100Aは、キャラクタと気球とを含む。次いで、取得された基本映像データに基づいて、第一サーフェス341に基本映像が描画される(S102)。
次いで、引き画面コマンドを表示制御CPU61から受信したかが判断される(S111)。表示制御CPU61は、サブ制御基板58のCPU581から、引き画面コマンドをVDP35に送信するためのコマンドを受信した場合に、VDP35に引き画面コマンドを送信する。本実施形態では、CPU581は、引き画面コマンドをVDP35に送信するためのコマンドを、いずれのタイミングで表示制御CPU61に送信してもよい。例えば、CPU581は、引き画面コマンドをVDP35に送信するためのコマンドを、操作ボタン9の検出結果に従って表示制御CPU61に送信してもよい。また、CPU581は、大当たり判定の結果が大当たりであることの期待度に応じて、引き画面コマンドをVDP35に送信するためのコマンドを表示制御CPU61に送信するか否かを決定してもよい。従って、遊技機1は、表示画面28Aで行われる演出を多様化できる。
引き画面コマンドを受信していない場合(S111:NO)、表示画面28Aの全体に、第一領域D1(図7参照)が割り当てられる(S112)。次いで、第一表示用サーフェス341Aを示すデータに基づいて、基本映像100Aが第一領域D1に表示される(S113)。図7の例では、基本映像100Aを含む画像A1が表示画面28Aに表示される。この場合、遊技者は、表示画面28A全体(第一領域D1)に表示された基本映像100A(画像A1)を平面的な画像として視認する。次いで、映像表示制御処理を終了するか否かが判断される(S114)。S102の処理で第一サーフェス341に描画された基本映像100Aの全てが表示された場合、映像表示制御処理を終了すると判断される(S114:YES)。この場合、映像表示制御処理は終了する。S102の処理で第一サーフェス341に描画された基本映像100Aの全てがまだ表示されていない場合、映像表示制御処理を終了しないと判断される(S114:NO)。この場合、残りの基本映像100Aを表示するため、S111の判断に戻る。また、S111の処理において、引き画面コマンドを受信した場合(S111:YES)、画像の表示制御を行う引き画面処理(図6参照)が実行される(S115)。
図6および図7を参照し、引き画面処理(図5、S115参照)について説明する。引き画面処理では、報知演出映像の一部において実行される引き画面演出映像(図7の画像A2〜A4参照)の表示が制御される。引き画面演出映像は、表示画面28Aに表示されているキャラクタ等に対峙するカメラが後退することで、表示範囲を広範囲にしていくような映像である。このため、遊技者は表示画面28Aに表示された引き画面演出映像を、立体的な仮想空間として視認する。図6に示すように、引き画面処理が開始されると、Xに「1」が加算されて、VDP35に設けられたRAMに記憶される(S121)。本実施形態では、後述のS122の処理で表示画面28Aに割り当てられる第一領域D1と第二領域D2(図7参照)との面積比(以下、領域比という。)を、「(100−X):X」として設定している。すなわち、図7に示すように、表示画面28Aの上辺から第一領域D1の下辺(第一領域D1と第二領域D2との境界)までを「100−X」とした場合、表示画面28Aの下辺から第二領域D2の上辺(第一領域D1と第二領域D2との境界)までを「X」としている。なお、「X」の初期値は「0」であり、映像表示制御処理を終了する際に「X」が「0」でない場合、「0」にリセットされる。つまり、映像表示処理が開始された時点では、「X」は「0」となっている。なお、領域比の設定の方法は、この方法に限定されない。
図6に示すように、S121で更新された領域比が参照され、表示画面28Aに、第一領域D1および第二領域D2(図7参照)が割り当てられる(S122)。図7に示すように、本実施形態の第二領域D2は、第一領域D1の下側に割り当てられる。第一領域D1の下辺および第二領域D2の上辺は、第一領域D1と第二領域D2との境界であり、互いに一辺を共有する。先述したように、S122の処理では、表示画面28Aの上辺から第一領域D1と第二領域D2との境界までを「100−X」とした場合、表示画面28Aの下辺から境界までが「X」となるように、第一領域D1および第二領域D2が表示画面28Aに割り当てられる。従って、「X」が「1」から増加することにより、第一領域D1および第二領域D2は、互いの境界が、表示画面28Aの下端部から表示画面28Aの内側に移動するように、割り当てられる。換言すると、第二領域D2は、表示画面28Aにおいて占める割合が徐々に増えるように、割り当てられる。
図6に示すように、第一表示用サーフェス341Aを示すデータに基づいて、基本映像100Aが第一領域D1に表示される(S123)。次いで、基本映像100Aが描画された第一表示用サーフェス341Aが変形される(S124)。図7に示すように、本実施形態では、第一表示用サーフェス341Aが上下に反転され、かつ、反転した第一表示用サーフェス341Aの上辺から下辺まで、下方に向かうに従って左右方向に引き延ばされるように変形される。以下、変形後の第一表示用サーフェス341Aを、変形第一表示用サーフェス341Bという。すなわち、変形第一表示用サーフェス341Bは下辺が上辺よりも長い台形状である。この場合、変形第一表示用サーフェス341Bには、基本映像100Aが第一領域D1と第二領域D2との境界に対して反転した反転映像100Bが、描画されている状態となる。反転映像100Bは、基本映像100Aの一態様である。変形第一表示用サーフェス341Bを示すデータに基づいて、複数の領域のうち第一領域D1とは異なる領域である第二領域D2に、反転映像100Bが表示される(S125)。
次いで、格子映像101(図7参照)を示す格子映像データが、CGROM33から取得される(S126)。格子映像データは、境界線101Aを示す境界線映像データ、横線102,102Aを示す横線映像データ、縦線103を示す縦線映像データ、および遠近線103Aを示す遠近線映像データを含む。図7に示すように、格子映像101は、境界線101A、横線102,102A、縦線103、および遠近線103Aを含む。境界線101Aは、第一領域D1と第二領域D2との境界を示す1本の線である。本実施形態では、境界線101Aは左右方向に延びる。横線102は、境界線101Aより上側(つまり、第一領域D1)において、上下方向に一定の間隔を空け、境界線101Aと平行に延びる一群の線である。横線102Aは、境界線101Aより下側(つまり、第二領域D2)において、下方(つまり、境界線101Aから離隔する方向)に向かうに従って上下方向の間隔を狭めながら、境界線101Aと平行に延びる一群の線である。縦線103は、左右方向に一定の間隔を空け、境界線101Aから上方に延びる一群の線である。遠近線103Aは、左右方向に間隔を空けた一群の線である。遠近線103Aは、境界線101Aより下側(つまり、第二領域D2)において、境界線101Aから表示画面28Aの下端部まで所謂遠近法を用いて略上下方向に延びる。詳細には、遠近線103Aは、境界線101Aから表示画面28Aの下端部まで、互いに隣り合う線との間隔を所定の割合で広げながら延びる。本実施形態では、S124の処理で第一表示用サーフェス341Aを左右方向に引き延ばした態様と対応するように、遠近線103Aの各間隔が広がっている。本実施形態では、縦線103と遠近線103Aとは、それぞれ、境界線101A上で交わる。
図6に示すように、取得された格子映像データに基づいて、格子映像101が第二サーフェス342に描画される(S127)。次いで、第二表示用サーフェスを示すデータに基づいて、格子映像101が表示画面28Aに重畳表示される(S128)。
図7の例では、S123、S125、S128の処理によって、画像A2が表示画面28Aに表示される。画像A2は、第一領域D1に表示された基本映像100A、第二領域D2に表示された反転映像100B、および表示画面28A全体に重畳表示された格子映像101を含む。この場合、遊技者は、基本映像100Aが表示された第一領域D1を一つの面として視認する。また、遊技者は、反転映像100Bが表示された第二領域D2を、第一領域D1とは異なる一つの面と視認する。よって、遊技者は、表示画面28A内に二つの面を視認するため、表示画面28Aに表示された画像A2を奥行き感のある立体的な仮想空間として視認する。従って、遊技機1は、VDP35への負荷の小さい視差のない映像(基本映像100Aおよび反転映像100B)を使用して、遊技者に立体的な仮想空間を視認させることができる。これにより、遊技者は、表示画面28Aに表示される映像をより楽しむことができる。さらに、第一領域D1に基本映像100Aが表示され、第二領域D2に、第一領域D1との境界に対して反転した反転映像100Bが表示される。このため、遊技者は、基本映像100Aが表示された第一領域D1と反転映像100Bが表示された第二領域D2とが、互いに鏡面の関係になっていると認識する。従って、遊技者は、表示画面28Aに表示された画像A2をより立体的な仮想空間として認識やすい。
また、先述したように、S122の処理では、第一領域D1および第二領域D2は、互いの境界が、表示画面28Aの下端部から表示画面28Aの内側に移動するように、割り当てられる。つまり、第一領域D1および第二領域D2は、互いの境界が表示画面28Aの下方から徐々に上方に上がってくるように、割り当てられる。これにより、遊技機1は、例えば表示画面28Aに表示されている画像A1を立体的な画像A2に切り替えることなく、遊技者に平面的な画像A1を視認させている状態から立体的な画像A2を視認させる状態へと、一連の流れで移行できる。従って、遊技機1は、平面的な画像A1を視認させている状態から立体的な仮想空間を視認させる際に遊技者に与える違和感を、従来の遊技機と比べて低減できる。また、図7の例では、画像A2が表示画面28Aに表示された次に行われるS123およびS125の処理によって、画像A3が表示される。この場合、遊技者は徐々に奥行き感を感じることができる。従って、遊技機1は、遊技者に与える違和感を抑制ながら立体的な仮想空間を遊技者に見せることができる。
また、第一表示用サーフェス341Aを示すデータと、変形第一表示用サーフェス341Bを示すデータとは、いずれもS102の処理で取得された映像データの一の画像データに基づいて生成される。つまり、一の画像データに基づいて、複数の領域(第一領域D1および第二領域D2)に画像が表示される。このため、第一表示用サーフェス341Aおよび変形第一表示用サーフェス341Bのそれぞれに描画するための画像データをそれぞれ取得する場合に比べ、VDP35への負荷が抑制される。
また、格子映像101が表示画面28Aに表示された場合、遊技者は境界線101Aを認識することにより、第一領域D1と第二領域D2とを異なる領域として把握できるため、引き画面演出映像を立体的な仮想空間と認識しやすい。また、遠近線103Aは、所謂遠近法を用いて、第二領域D2に表示されるため、第二領域D2に表示された反転映像100Bの遠近感をより効果的に遊技者に見せることができる。従って、遊技機1は、格子映像101を基本映像100Aに重畳させて表示させることにより、引き画面演出映像をより立体的な仮想空間として遊技者に見せることができる。
また、本実施形態の第一表示用サーフェス341Aおよび変形第一表示用サーフェス341Bは、表示画面28Aよりも大きい領域を示す(図7参照)。このため、引き画面演出映像を表示する際に、第一表示用サーフェス341Aおよび変形第一表示用サーフェス341Bを再作成しなくても、表示範囲を広範囲にしていくような映像(引き画面演出映像)を表示画面28Aに表示できる。
図6に示すように、特定映像コマンドを表示制御CPU61から受信したか、または特定映像フラグが「ON」となっているかが判断される(S131)。表示制御CPU61は、サブ制御基板58のCPU581から、特定映像コマンドをVDP35に送信するためのコマンドを受信した場合に、VDP35に特定映像コマンドを送信する。本実施形態では、引き画面コマンドと同様に、CPU581は、特定映像コマンドをVDP35に送信するためのコマンドを、いずれのタイミングで表示制御CPU61に送信してもよい。特定映像コマンドを受信していない場合、または特定映像フラグが「OFF」となっている場合(S131:NO)、映像表示制御処理に戻る。特定映像コマンドを受信した場合、または特定映像フラグが「ON」となっている場合(S131:YES)、特定映像110(図7参照)を示す特定映像データが、CGROM33から取得される(S132)。図7の例では、特定映像110は、基本映像100Aに含まれるキャラクタと同一のキャラクタを示す。特定映像110は、立体的な画像処理が施されている。本実施形態では、特定映像110は、視差のない映像であって、所謂リアルタッチで描画されている。
図6に示すように、取得された特定映像データに基づいて、特定映像110が第三サーフェス343に描画される(S133)。次いで、第三表示用サーフェスを示すデータに基づいて、特定映像110が表示画面28Aに重畳表示される(S134)。この場合、図7の例では、画像A4が表示画面28Aに表示される。図7に示すように、画像A4は、第一領域D1に表示された基本映像100A、第二領域D2に表示された反転映像100B、表示画面28A全体に重畳表示された格子映像101、および第一領域D1と第二領域D2とにまたがって重畳表示された特定映像110を含む。遊技者は引き画面演出映像を立体的な仮想空間と視認している。この状態で、特定映像110が第一領域D1および第二領域D2にまたがって表示される。このため、例えば図7の例では、遊技者は特定映像110のキャラクタが第二領域D2に立っているように視認する。すなわち、立体的な画像処理が施された特定映像110が、表示画面28Aの第一領域D1および第二領域D2にまたがって重畳表示されると、遊技者は引き画面演出映像をより立体的な仮想空間として視認できる。また、従来の遊技機は、特に平面的なキャラクタと、それと同一の立体的なキャラクタとが混在する等、立体的な画像処理が施されていない画像と、立体的な画像処理が施されている画像とが混在する映像を表示する場合、遊技者に違和感を与えていた。本実施形態の遊技機1は、視差のない基本映像100Aおよび反転映像100Bをそれぞれ第一領域D1および第二領域D2に表示することで、立体的な仮想空間を作り出し、その上に立体的な画像処理が施された特定映像110を重畳表示している。このため、遊技機1は、立体的な画像処理が施されている画像と、立体的な画像処理が施されていない画像とが混在する映像を表示する場合に、遊技者に与える違和感を軽減できる。
図6に示すように、次いで、特定映像フラグに「0」が記憶されていれば「1」が記憶されて「ON」とされ(S135)、映像表示制御処理に戻る。これにより、次のS131の判断において、特定映像フラグが「ON」となっていると判断されるため、一旦特定映像コマンドが受信された以降は再度特定映像コマンドを受信しなくとも特定映像110が表示される。
図5の説明に戻る。引き画面処理の実行後、映像表示制御処理を終了するか否かが判断される(S116)。具体的には、S102の処理で第一サーフェス341に描画された基本映像100Aの全てが表示された場合、映像表示制御処理を終了すると判断される(S116:YES)。この場合、特定映像フラグに「1」が記憶されていれば「0」が記憶されて「OFF」とされ、映像表示制御処理は終了する。S102の処理で第一サーフェス341に描画された基本映像100Aの全てがまだ表示されていない場合、映像表示制御処理を終了しないと判断される(S116:NO)。本実施形態では、一度引き画面コマンドを受信すると、引き画面コマンド受信後の報知演出映像は、引き画面処理によって表示制御される。このため、S116の処理において、映像表示制御処理を終了しないと判断された場合(S116:NO)、引き画面処理によって残りの基本映像100Aを表示するため、S115の処理に戻る。なお、表示された映像を示す映像データは、適宜削除されてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、表示画面28Aの全体に一の領域(第一領域D1)が割り当てられた場合(S112)、遊技者は第一領域D1に表示された視差のない基本映像100Aを平面的な画像として視認する。一方、表示画面28Aに複数の領域(第一領域D1および第二領域D2)が割り当てられた場合(S122)、第一領域D1に基本映像100Aが表示され(S123)、複数の領域のうち第一領域D1とは異なる第二領域D2(第二領域D2)には反転映像100Bが表示される(S125)。この場合、遊技者は、基本映像100Aが表示された第一領域D1を一つの面と視認する。また、遊技者は、反転映像100Bが表示された第二領域D2を第一領域D1とは異なる一つの面と視認する。よって、遊技者は、表示画面28Aに表示された引き画面演出映像全体を立体的な仮想空間として視認できる。さらに、反転映像100Bは、第一領域D1と第二領域D2との境界に対して、第一領域D1に表示される基本映像100Aを反転させた画像である。このため、遊技者は第一領域D1と第二領域D2とが互いに鏡面の関係になっていると視認し、表示画面28Aに表示された引き画面演出映像全体をより立体的な仮想空間として視認できる。従って、遊技機1は、VDP35への負荷が小さい視差のない画像を用いて遊技者に立体的な仮想空間を視認させることができる。ここで、遊技機1は、第一領域D1を表示画面28Aの全体に割り当てている状態から第一領域D1および第二領域D2を表示画面28Aに割り当てている状態に移行する場合、第一領域D1と第二領域D2との境界が、表示画面28Aの端部から表示画面28Aの内側に移動するように、第一領域D1および第二領域D2を表示画面28Aに割り当てる。これにより、遊技機1は、例えば表示画面28Aに表示されている画像を切り替えることなく、遊技者に平面的な画像を視認させている状態から立体的な仮想空間を視認させる状態へと、一連の流れで移行できる。このため、遊技機1は、平面的な画像を視認させている状態から立体的な仮想空間を視認させる状態に移行する際に、遊技者に与える違和感を、従来の遊技機と比べて低減できる。従って、遊技機1は、立体的な画像を表示した際に遊技者に与える違和感を低減しつつ、視差のない画像を用いて立体的な仮想空間を遊技者に見せることができる。
表示画面28Aに第一領域D1および第二領域D2が割り当てられた場合(S122)、反転映像100Bは、第一領域D1と第二領域D2との境界から表示画面28Aの端部に向かうに従って端部が延びる方向に引き伸ばされて、第二領域D2に表示される。従って、遊技機1は、表示画面28Aに表示された引き画面演出映像全体をより立体的な仮想空間として遊技者に見せることができる。
遠近線103Aは、互いに間隔を空けた一群の線であって、第一領域D1と第二領域D2との境界から、表示画面28Aの端部まで間隔を所定の割合で広げながら延びる。表示画面28Aに第一領域D1および第二領域D2が割り当てられた場合(S123)、S126で取得された格子映像データに含まれる遠近線映像データに基づいて、遠近線103Aが第二領域D2に表示された反転映像100Bに重畳表示される(S128)。これにより、第二領域D2に表示された反転映像100Bの遠近感をより効果的に遊技者に見せることができる。従って、遊技機1は、表示画面28Aに表示された引き画面演出映像全体をより立体的な仮想空間として遊技者に見せることができる。
表示画面28Aに第一領域D1および第二領域D2が割り当てられた場合(S122)、S126で取得された格子映像データに含まれる境界線映像データに基づいて、境界線101Aが表示画面28Aに表示される(S128)。このため、遊技者は、第一領域D1および第二領域D2のそれぞれを把握できるため、表示画面28Aに表示された画像全体を立体的な仮想空間と認識しやすい。従って、遊技機1は、表示画面28Aに第一領域D1および第二領域D2が割り当てられた場合に、表示画面28Aに表示された引き画面演出映像全体をより立体的な仮想空間として遊技者に見せることができる。
本実施形態において、表示画面28Aが本発明の「表示領域」に相当する。表示装置28が本発明の「表示手段」に相当する。基本映像100Aが本発明の「演出画像」に相当する。基本映像データが本発明の「演出画像データ」に相当する。図5のS101の処理を実行するVDP35が本発明の「第一取得手段」に相当する。第一領域D1が本発明の「一の領域」に相当する。第一領域D1および第二領域D2が本発明の「複数の領域」に相当する。図5のS112の処理および図6のS122の処理を実行するVDP35が本発明の「割当手段」に相当する。第二領域D2が本発明の「他の領域」に相当する。反転映像100Bが本発明の「反転演出画像」に相当する。変形第一表示用サーフェス341Bを示すデータが本発明の「反転演出画像データ」に相当する。図6のS127の処理を実行するVDP35が本発明の「生成手段」に相当する。図5のS113の処理を実行するVDP35が本発明の「第一表示制御手段」に相当する。図6のS123の処理およびS125の処理を実行するVDP35が本発明の「第二表示制御手段」に相当する。表示画面28Aの下端部が本発明の「表示領域の端部」に相当する。
遠近線103Aが本発明の「遠近線」に相当する。遠近線映像データが本発明の「遠近線画像データ」に相当する。図6のS126の処理で遠近線映像データを取得するVDP35が本発明の「第二取得手段」に相当する。図6のS128の処理で遠近線103Aを表示するVDP35が本発明の「第三表示制御手段」に相当する。境界線101Aが本発明の「境界線」に相当する。境界線映像データが本発明の「境界線画像データ」に相当する。図6のS126の処理で境界線映像データを取得するVDP35が本発明の「第三取得手段」に相当する。図6のS128の処理で境界線101Aを表示するVDP35が本発明の「第四表示制御手段」に相当する。
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、上記実施形態では、第一領域D1および第二領域D2が表示画面28Aに割り当てられるが、これに限定されず、複数の領域が割り当てられればよい。
図8を参照して、引き画面演出映像の変形例を説明する。S122の処理において、複数の領域として例えば第一領域D1〜第五領域D5が表示画面28Aに割り当てられた場合、S123,S125,S128の処理によって画像B1が表示画面28Aに表示される。第二領域D2〜第五領域D5は、それぞれ、第一領域D1の下側、左側、上側、右側に割り当てられた領域である。この場合、画像B1は、第一領域D1に表示された基本映像100A、第二領域D2〜第五領域D5にそれぞれ表示された反転映像100B〜100E、および表示画面28A全体に重畳表示された格子映像101を含む。反転映像100B〜100Eは、それぞれ表示された第二領域〜第五領域D5と第一領域D1との境界に対して反転した映像である。また、格子映像101は、複数の境界線101A、複数の遠近線103A等を含む。複数の境界線101Aは、第一領域D1〜第五領域D5のそれぞれの境界を示す。複数の遠近線103Aは、それぞれ、第一領域D1と第二領域D2〜第五領域D5との境界から表示画面28Aの端部に向かって所謂遠近法を用いて延びる。
また、上記実施形態では、S122の処理において、第二領域D2は第一領域D1の上側に割り当てられる。そして、第一領域D1および第二領域D2は、互いの境界が、表示画面28Aの下端部から表示画面28Aの内側に移動するように、割り当てられる。これに対し、第二領域D2は第一領域D1の上下左右斜め、いずれの方向に割り当てられてもよい。つまり、第一領域D1および第二領域D2は、互いの境界が表示画面28Aのいずれの端部から表示画面28Aの内側に移動するように割り当てられてもよい。また、第一領域D1および第二領域D2の境界は、直線に限定されず、曲線等であってもよい。すなわち、境界線101Aは、直線でなくてもよく、第一領域D1および第二領域D2の境界を示す線であればよい。
また、上記実施形態では、特定映像110は、視差のない映像であって、所謂リアルタッチで描画されているが、例えば視差のある所謂立体映像であってもよい。この場合、遊技機1は、表示画面28Aに表示された画像全体をより立体的な仮想空間として遊技者に見せることができる。なお、特定映像110は、立体的な画像処理が施されていなくてもよいし、表示されなくてもよい。また、上記実施形態では、特定映像110は、基本映像100Aに含まれるキャラクタと同一のキャラクタを示すが、これに限定されず、基本映像100Aに含まれるキャラクタとは異なるキャラクタを示してもよいし、または複数のキャラクタを示してもよい。なお、キャラクタは、人物に限定されず、動物、図形、図柄等いずれであってもよい。
また、上記実施形態では、格子映像101は、境界線101A、横線102,102A、縦線103、および遠近線103Aを含む。これに対し、格子映像101は、境界線101A、横線102,102A、縦線103、および遠近線103Aのいずれか1つまたは複数を含まなくてもよいし、または、表示されなくてもよい。また、横線102,102A、縦線103、および遠近線103Aは、例えば斜めに延びる線であってもよいし、曲線等であってもよい。
また、上記実施形態では、一の画像データに基づいて、複数の領域(第一領域D1および第二領域D2)に画像が表示される。これに対し、遊技機1は、基本映像データの他に反転映像100Bを示す反転映像データを取得し、基本映像データおよび反転映像データのそれぞれの画像データに基づいて、基本映像100Aおよび反転映像100Bを、第一領域D1および第二領域D2にそれぞれ表示してもよい。
さらには、特許請求の範囲、明細書、および図面に記載される全ての要素は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素に付けた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したに過ぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「割当手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくは一つの要素を複数の要素に分けて構成するかは、特許請求の範囲等において特定していない限り、いずれも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、敢えて明細書等において全てのパターンを記載しなくてもいずれのパターンも想定範囲内であることから本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。