JP2017139089A - 二次電池評価方法、二次電池評価装置および二次電池評価プログラム - Google Patents

二次電池評価方法、二次電池評価装置および二次電池評価プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池を分解せずに負極の膨張による劣化を評価する二次電池評価方法を提供する。【解決手段】二次電池評価方法は、X線を二次電池の負極に照射して炭素材料の格子面(004)および格子面(110)それぞれのX線回折スペクトルを取得し、格子面(004)および格子面(110)のX線回折スペクトルそれぞれから回折ピークの面積を演算し、格子面(110)の回折ピークの面積に対する格子面(004)の回折ピークの面積の比に基づいて負極の膨張による劣化の有無を判定することを含む。【選択図】図6

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に代表される二次電池の負極を評価する方法、装置およびプログラムに関する。
リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度や動作電圧が高い、充放電サイクルによる劣化が小さいなどの優れた特性を有するため、携帯電話機やノート型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報端末や小型の産業用機器に広く用いられている。近年では、電気自動車用蓄電池や電力貯蔵用蓄電池などにも、リチウムイオン二次電池が利用されている。
一般に、リチウムイオン二次電池の負極の活物質には、黒鉛や非晶質炭素などの炭素材料が用いられている。電極を作製する際には、まず、数μmから数十μmの大きさの炭素材料粒子をバインダや導電助剤、溶剤と混合して、塗工用のスラリを作る。このスラリを銅等の集電体箔上に塗工する。このようにして作製された負極の電極では、炭素材料粒子はバインダにより互いに結着されている。
リチウムイオン二次電池では、充放電に伴って炭素材料粒子の膨張収縮が生じる。この炭素材料粒子の膨張収縮が原因で、バインダの結着力が低下し、その結果、負極が膨張する。この負極の膨張は、以下の二つの要因のために電池の容量を低下させる。
第1の要因は、負極が膨張すると空隙体積が増加することである。増加した空隙には電解液が吸収されるので、電解液が不足した領域が電極内に生じる。この電解液が不足した領域は電池として働かないので、電池全体の容量を低下させる。
第2の要因は、負極の膨張のために活物質同士や活物質−導電助剤間の電気的接触が切断されることである。電気的接触が切断された活物質は電池として働かないので、電池の容量を低下させる。
このように、電池内での負極の膨張は電池の容量を低下させることから、負極の膨張を評価できれば、電池の劣化状態を知ることができる。負極の膨張を評価する方法として、電池を分解して負極の厚さを測定する評価方法がある。
負極の膨張を評価する方法ではないが、関連技術として、特許文献1には、X線回折測定を用いた電池電極用炭素材料の評価方法が記載されている。この評価方法では、炭素粉材料とバインダ樹脂との混合物を103kg/cm2以上の圧力でプレスした条件で測定されるX線回折スペクトルでの(004)面に帰属されるピークに対する(110)面のピーク強度比を指標として評価する。この指標は、高結晶性の黒鉛粒子の高い放電容量を損ねることなく、加圧による変形・配向が少なく、クーロン効率、サイクル特性、高電流特性に優れ、不可逆容量の小さい電池用材料を得るためのものである。
特許文献2には、広角X線回折測定より得られる(110)面と(004)面に対応するピークの強度比(I(110)/I(004))を負極の配向性の指標として用いることが記載されている。
特開2005−158718号公報 特開2011−086617号公報
しかし、上述した電池を分解して負極の厚さを測定する評価方法では、電池を分解するため、評価後に、電池を利用することはできない。劣化の原因によっては、電池を動作させた状態で検査を行うことが必要になる場合があるため、電池を分解せずに負極の膨張の度合いを評価することが求められている。
特許文献1や特許文献2に記載の評価方法においては、指標I(110)/I(004)は、負極の膨張の度合いを評価するためのものではない。また、電池を分解せずにこの指標を取得できない。このため、これらの評価方法を用いて負極の膨張の度合いを評価することは困難である。
本発明の目的は、電池を分解せずに負極の膨張による劣化を判定することができる、二次電池評価方法、二次電池評価装置および二次電池評価プログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、
負極の活物質に炭素材料を用いた二次電池の評価方法であって、
X線を前記負極に照射して前記炭素材料の格子面(004)および格子面(110)それぞれのX線回折スペクトルを取得し、
前記格子面(004)および格子面(110)のX線回折スペクトルそれぞれから回折ピークの面積を演算し、
前記格子面(110)の回折ピークの面積に対する前記格子面(004)の回折ピークの面積の比に基づいて前記負極の膨張による劣化の有無を判定する、二次電池評価方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、
負極の活物質に炭素材料を用いた二次電池の評価装置であって、
X線を前記負極に照射して前記炭素材料の格子面(004)および格子面(110)それぞれのX線回折測定を行うX線回折測定部と、
前記X線回折測定部のX線回折測定動作を制御し、前記格子面(004)および格子面(110)それぞれのX線回折スペクトルを取得するX線回折スペクトル取得部と、
前記格子面(110)のX線回折スペクトルの回折ピークの面積を算出し、前記格子面(004)のX線回折スペクトルの回折ピークの面積を算出し、前記格子面(110)の回折ピークの面積に対する前記格子面(004)の回折ピークの面積の比に基づいて前記負極の膨張による劣化の有無を判定する演算評価部と、を有する、二次電池評価装置が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、
負極の活物質に炭素材料を用いた二次電池にX線を照射して前記炭素材料の格子面(004)および格子面(110)それぞれのX線回折スペクトルを取得する処理と、
前記格子面(004)および格子面(110)のX線回折スペクトルそれぞれから回折ピークの面積を演算する処理と、
前記格子面(110)の回折ピークの面積に対する前記格子面(004)の回折ピークの面積の比に基づいて前記負極の膨張による劣化の有無を判定する処理と、をコンピュータに実行させるための二次電池評価プログラムが提供される。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池等の二次電池の劣化要因の一つである負極の膨張の評価を、電池を分解することなく行うことができる。
リチウムイオン二次電池の負極の格子面(004)のX線回折スペクトルを示す特性図である。 リチウムイオン二次電池の負極の格子面(110)のX線回折スペクトルを示す特性図である。 図1Aおよび図1Bに示すX線回折スペクトルから得た積分強度比(I(004)/I(110))とサイクル数との関係を説明するための図である。 積分強度比I(004)/I(110)とリチウムイオン二次電池の負極の厚さの関係を示す特性図である。 リチウムイオン二次電池の外装材料および負極を透過するX線および回折X線を示す光線図である。 本発明の二次電池評価方法が適用される二次電池評価装置の一構成例を示すブロック図である。 図5に示す二次電池評価装置にて行われる二次電池評価処理の一手順を示すフローチャートである。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
まず、負極の活物質に炭素材料を用いた二次電池であるリチウムイオン二次電池をX線回折測定した場合の炭素材料の格子面(004)と格子面(110)との回折ピークの面積比と負極の厚さとの関係を説明する。
図1Aに、グラファイトの格子面(004)のX線回折スペクトルを示し、図1Bに、格子面(110)のX線回折スペクトルを示す。これらの例では、負極の活物質に天然黒鉛を用いたリチウムイオン二次電池を分解して負極を取り出し、8.043keVのエネルギーを有するX線を負極に照射してX線回折測定を行った。X線回折測定には、いわゆるθ−2θ法を用いた。
図1Aおよび図1Bにおいて、縦軸は回折X線強度(counts)を示し、横軸は回折角2θを示す。図1Aに示す曲線1、曲線2、曲線3はそれぞれ、サイクル試験前、900サイクル後、4500サイクル後のスペクトルである。同様に、図1Bに示す曲線3、曲線4、曲線5はそれぞれ、サイクル試験前、900サイクル後、4500サイクル後のスペクトルである。
図1Aに示すように、格子面(004)の回折ピークについては、サイクル回数が多いほどピーク値およびピーク面積が減少する。一方、図1Bに示すように、格子面(110)の回折ピークについては、ピーク値やピーク面積のサンプル間の差異は小さい。ここで、ピーク面積は、X線回折スペクトルのピークを中心とした所定の回折角度の範囲の面積(積分強度)を示す。(004)回折ピークに対しては回折角範囲54.0°から55.2°、(110)回折ピークに対しては回折角範囲77.2°から78.0°でピーク面積を求めた。なお、ピーク面積の求め方は上記の方法以外を採用しても良い。例えば、(004)回折ピークと(110)回折ピークの両方に含まれている、CuKα1特性X線に由来するピークとCuKα2特性X線に由来する回折ピークを適当なフィッティング関数を用いてピーク分離し、CuKα1(あるいはCuKα2)特性X線に由来する(004)回折ピークおよび(110)回折ピークの面積を求める、といった方法がある。
図2に、図1Aおよび図1BのX線回折スペクトルから得たc軸配向性の指標である積分強度比(I(004)/I(110))をプロットした結果を示す。縦軸は、積分強度比(I(004)/I(110))を示し、横軸は、サイクル数を示す。ここで、積分強度比I(004)/I(110)は、[(004)回折ピークの面積]/[(110)回折ピークの面積]に等しい。破線は、使用の天然黒鉛粉体の積分強度比I(004)/I(110)を示す。
白丸は、電極の状態で積分強度比I(004)/I(110)を測定した結果である。積分強度比I(004)/I(110)は、試験前の状態が最も大きく、次いで、900サイクル後の状態が小さく、4500サイクル後の状態が最も小さい。これは、電極の状態の積分強度比I(004)/I(110)は、サイクル数の増加に伴って減少することを意味する。
黒丸は、電極から活物質を剥離して粉体の状態に戻し、積分強度比I(004)/I(110)を測定した結果である。試験前、4500サイクル後ともに、積分強度比I(004)/I(110)は、破線で示した未使用の天然黒鉛粉体の値とほぼ同じである。
図2に示した結果から、電極の状態での積分強度比I(004)/I(110)のサイクル増大に伴う変化は、電極内での活物質の配向性変化を反映していることが分かる。
図3に、積分強度比I(004)/I(110)と負極の厚さの関係を示す。縦軸は積分強度比I(004)/I(110)を示し、横軸は負極の厚さ(μm)を示す。各試料の負極の厚さは、断面をSEM観察することで測定した。
図3に示すように、負極の厚さが大きいほど(負極の膨張が大きいほど)、積分強度比I(004)/I(110)が小さい。この関係を利用すれば、積分強度比I(004)/I(110)から負極の膨張の度合いを評価することができることが分かる。
本発明では、図3に示した関係を利用し、格子面(110)の回折ピークの面積に対する格子面(004)の回折ピークの面積の比([格子面(004)の回折ピークの面積]/[格子面(110)の回折ピークの面積])を指標として負極の膨張を評価する。
なお、以上の説明では、リチウムイオン二次電池を分解して取り出した負極のX線回折測定結果を用いたが、X線のエネルギーを適切に設定することで、リチウムイオン二次電池を分解することなく負極の膨張を評価することが可能である。
以下、リチウムイオン二次電池を分解することなく負極の膨張を評価するのに適切なX線のエネルギーについて説明する。
リチウムイオン二次電池を分解せずに負極の膨張の度合いを評価するためには、外装材料越しにX線回折測定を行う必要がある。
一般に、強度I0で物質に入射し、距離tだけ進んだ後のX線強度I(t)は、次の式(1)で表される。
Figure 2017139089
ここで、ρは物質の密度、μmはX線の質量吸収係数である。
質量吸収係数μmは物質を構成する元素や入射X線のエネルギーに依存する。その依存性は、吸収端近傍を除いて、近似的に以下の式(2)で表される。
Figure 2017139089
ここで、kは比例係数、Zは物質を構成する元素の原子番号である。入射X線のエネルギーEが高いほど、質量吸収係数μmは小さい。よって、高エネルギーのX線を用いることで、外装材料によるX線の吸収を小さくすることでき、外装材料越しにX線回折測定が可能となる。
次に、式1と式2を用いて、外装材料と負極自身によるX線の吸収を計算した結果を説明する。
図4に計算に用いたX線の光線図を示す。この例では、外装ラミネート8が負極12上に設けられている。外装ラミネート8は、ポリエチレン層11、アルミニウム層10、ナイロン層9をこの順番で負極12上に積層したものである。ナイロン層9の厚さは25μm、アルミニウム層10の厚さは40μm、ポリエチレン層11の厚さ60μmである。
負極12は、グラファイトの上側電極13、集電体の銅14、グラファイトの下側電極15をこの順番で積層したものである。上側電極13の厚さは100μm、銅14の厚さは8μm、下側電極15の厚さは100μmである。
外装ラミネート8に入射したX線7は、ナイロン層9、アルミニウム層10、ポリエチレン層11を順に透過し、負極12に達する。入射X線7と負極表面とのなす角度をθBとする。角度θBは、負極12内で生じる回折の回折角であり、次の式で求められる。
Figure 2017139089
ここで、λは入射X線7の波長、dは回折を起こすグラファイトの面間隔を表す。
グラファイトの格子面(004)で回折した場合、d=0.1677nm、グラファイトの格子面(110)で回折した場合、d=0.1231nmである。X線の波長(エネルギー)が一定の場合は、面間隔dが小さいほど、角度θBは大きくなる。面間隔dが一定の場合には、X線の波長λが大きいほど角度θBは大きい。
負極12に入射したX線7は、上側電極13、集電体の銅14を順に透過し、下側電極15に至る。回折は上側電極13と下側電極15の両方で起こりうるが、ここでは、吸収が最も大きい下側電極15まで透過した場合についての回折X線14を示した。
なお、質量吸収係数μmの値には、文献「International Tables for X−ray crystallography,Vol. C, Kluwer Academic Pub.(1995)」に記載の値を用いた。また、エネルギーが30keVのX線については、上記文献に質量吸収係数μmの記載がないため、米国ローレンスバークレイ国立研究所のWebページ(http://henke.lbl.gov/optical_constants/filter2.html)を参照して吸収を計算した。また、外装ラミネート8のナイロン層9、アルミニウム層10及びポリエチレン層11は、ラミネート型リチウムイオン二次電池の典型的な例であり、これに限定されない。
表1に、格子面(004)と格子面(110)それぞれについて、X線強度I0を8.043keV、17.45keV、22.11keV、30.00keVに変化させた場合のX線強度I(t)の値を示す。
Figure 2017139089
吸収を受けない場合は1となる。回折X線の指数に応じて吸収の程度が異なる。これは、指数によりブラッグ角θBが異なるためである。ブラッグ角θBが大きい回折X線(ここでは、格子面(110)の回折)の方が、経路が短いので、吸収は小さい。
格子面(004)と格子面(110)のどちらの回折ピークの場合も、X線のエネルギーが高いほど吸収が小さく、測定に適しているということになるが、ここでは、以下のような判断基準を設定した。
図1Aに示したX線回折スペクトルにおいて、格子面(004)の回折ピークは104カウント台の信号強度で与えられている。一方、図1Bに示したX線回折スペクトルにおいて、格子面(110)の回折ピークは、103カウント台の信号強度で与えられている。ここで、102カウント台の信号が得られれば、積分強度比I(004)/I(110)の評価が可能となると仮定する。この場合、吸収による減少の許容範囲は、格子面(004)の回折ピークに対しては0.01倍まで、格子面(110)の回折ピークに対しては0.1倍までとなる。この条件に基づき、表1を参照すると、エネルギーが22.11keV、30keVのX線が許容範囲内に入っている。よって、22.11keVよりもエネルギーの高いX線を用いることで、外装材料越しに負極のI(004)/I(110)の評価が可能となり、リチウムイオン二次電池を分解することなく負極の膨張の度合いを評価することができる。
なお、22.11keVは、代表的なリチウムイオン二次電池の構成に対する望ましい値であり、外装材料越しの評価に必要なX線のエネルギーの値は、リチウムイオン二次電池の外装の材料や厚さ、負極の厚さなどに応じて適宜に変更可能である。
以上説明したように、本発明では、X線を負極に照射して炭素材料の格子面(004)および格子面(110)それぞれのX線回折スペクトルを取得する。そして、格子面(110)の回折ピークの面積に対する格子面(004)の回折ピークの面積の比に基づいて負極の膨張を評価する。格子面(110)の回折ピークの面積に対する格子面(004)の回折ピークの面積の比を、負極の膨張を評価するための新たな指標として用いることは、本発明の発明者が鋭意検討した結果から見出したものである。この新たな指標を利用することで、リチウムイオン二次電池を分解することなく負極の膨張を評価することができる。外装材料越しの評価が可能なX線のエネルギーは、例えば、22.11keV以上とすることが望ましい。
次に、本発明のリチウムイオン二次電池の評価方法が適用される評価装置を説明する。
図5は、本発明の一実施形態である評価装置の構成を示すブロック図である。
図5を参照すると、評価装置は、演算制御部100、X線回折測定部101、記憶部102、操作部103および表示部104を有する。
記憶部102は、評価装置を動作させるのに必要なプログラムやデータを記憶する。プログラムの一つとして、リチウムイオン二次電池の負極の膨張の度合を評価するための評価プログラム102aが記憶部102に格納されている。記憶部102として、半導体メモリやハードディスクなどを用いることができる。半導体メモリは、RAM(Random Access Memory)に代表される揮発性メモリやROM(Read Only Memory)に代表される不揮発性メモリを含む。
評価プログラム102aは、コンピュータ読み出し可能な記録媒体又は通信網(例えばインターネット)を介して提供されてもよい。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Video Disc)などの光ディスク、磁気ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカードなどである。
操作部103は、複数の操作キーを含み、ユーザが操作キーを用いて入力操作を行うと、その入力操作に応じた操作信号を演算評価部100に供給する。表示部104は、液晶ディスプレイ等の表示装置よりなる。
X線回折測定部101は、X線をリチウムイオン二次電池の負極に照射してX線回折測定を行う装置であって、X線発生装置と、回折角度を測定する回折角度測定装置(ゴニオメータ)と、回折X線強度を測定・記録する計数記録装置(カウンタ)とを含む。回折角度測定装置は、リチウムイオン二次電池がセットされる回転台を備え、負極の表面と入射X線のなす角度θに対して、カウンタが2θの角度を保つように回転台を回転する。
演算制御部100は、CPU(Central Processing unit)よりなり、記憶部102に格納されたプログラムを実行し、操作部103からの操作信号に従って種々の処理を実行する。演算制御部100は、CPUが評価プログラム102aを実行することで提供される、X線回折スペクトル取得部100aおよび負極評価部100bを有する。
X線回折スペクトル取得部100aは、X線発生装置および回折角度測定装置を制御して、X線をリチウムイオン二次電池の負極に照射させる。そして、X線回折スペクトル取得部100aは、計数記録装置の出力に基づいて、炭素材料の格子面(004)および格子面(110)それぞれのX線回折スペクトルを取得する。
負極評価部100bは、格子面(110)のX線回折スペクトルに基づいて格子面(110)の回折ピークの面積を算出し、格子面(004)のX線回折スペクトルに基づいて格子面(004)の回折ピークの面積を算出する。負極評価部100bは、格子面(110)の回折ピークの面積に対する格子面(004)の回折ピークの面積の比を指標として負極の膨張を評価する。負極評価部100bは、評価結果等を含む必要な情報を表示部104に表示することができる。
図6に、評価装置にて行われるリチウムイオン二次電池の負極の膨張による劣化の有無を判定する処理の一手順を示す。
まず、X線回折スペクトル取得部100aが、X線回折測定部101を制御して、炭素材料の格子面(004)のX線回折スペクトルを取得する(ステップS10)。そして、負極評価部100bが、格子面(004)のX線回折スペクトルに基づいて格子面(004)の回折ピークの面積を算出する(ステップS11)。
次に、X線回折スペクトル取得部100aが、X線回折測定部101を制御して、炭素材料の格子面(110)のX線回折スペクトルを取得する(ステップS12)。そして、負極評価部100bが、格子面(110)のX線回折スペクトルに基づいて格子面(004)の回折ピークの面積を算出する(ステップS13)。ここで、ステップS12およびS13の処理は、ステップS10およびS11の処理の前に行われてもよい。
最後に、負極評価部100bが、格子面(110)の回折ピークの面積に対する格子面(004)の回折ピークの面積の比に基づいて負極の膨張による劣化の有無を判定する(ステップS14)。この判定において、回折ピークの面積比が閾値以上の場合は、負極評価部100bは、リチウムイオン二次電池が劣化したと判断する。回折ピークの面積比が閾値未満の場合は、負極評価部100bは、リチウムイオン二次電池が劣化していないと判断する。ここで、閾値は、リチウムイオン二次電池の材料、負極の厚さ、サイクル特性などを考慮して適宜に設定できる。
以上説明した実施形態は本発明の一例であり、その構成および動作は発明の趣旨を逸脱しない範囲で当業者が理解する変更および改善を適用することができる。
本発明は、リチウムイオン二次電池に限定されない。本発明は、負極の活物質に炭素材料を用いた二次電池であって、炭素材料粒子をバインダや導電助剤、溶剤と混合したスラリを銅等の集電体箔上に塗工した構造を有するものであれば、どのような二次電池にも適用することができる。例えば、本発明は、ナトリウムイオン二次電池にも適用することができる。
また、X線発生装置、回折角度測定装置(ゴニオメータ)、計数記録装置(カウンタ)および制御装置を含む既存のX線回折装置において、制御装置のCPUが、図5に示した評価プログラム100aを実行するように構成してもよい。
1〜6 回折スペクトル
7 入射X線
8 外装ラミネート
9 ナイロン層
10 アルミニウム層
11 ポリエチレン層
12 負極
13 上側電極
14 集電体銅箔
15 下側電極
16 回折X線
100 演算制御部
100a X線回折スペクトル取得部
100b 負極評価部
101 X線回折測定部
102 記憶部
102a 評価プログラム
103 操作部
104 表示部

Claims (7)

  1. 負極の活物質に炭素材料を用いた二次電池の評価方法であって、
    X線を前記負極に照射して前記炭素材料の格子面(004)および格子面(110)それぞれのX線回折スペクトルを取得し、
    前記格子面(004)および格子面(110)のX線回折スペクトルそれぞれから回折ピークの面積を演算し、
    前記格子面(110)の回折ピークの面積に対する前記格子面(004)の回折ピークの面積の比に基づいて前記負極の膨張による劣化の有無を判定する、二次電池評価方法。
  2. 前記格子面(110)の回折ピークの面積に対する前記格子面(004)の回折ピークの面積の比が閾値以上の場合に、前記二次電池が劣化したと判定すること、をさらに含む、請求項1に記載の二次電池評価方法。
  3. 前記X線のエネルギーが22.11keV以上である、請求項1または2に記載の二次電池評価方法。
  4. 負極の活物質に炭素材料を用いた二次電池の評価装置であって、
    X線を前記負極に照射して前記炭素材料の格子面(004)および格子面(110)それぞれのX線回折測定を行うX線回折測定部と、
    前記X線回折測定部のX線回折測定動作を制御し、前記格子面(004)および格子面(110)それぞれのX線回折スペクトルを取得するX線回折スペクトル取得部と、
    前記格子面(110)のX線回折スペクトルの回折ピークの面積を算出し、前記格子面(004)のX線回折スペクトルの回折ピークの面積を算出し、前記格子面(110)の回折ピークの面積に対する前記格子面(004)の回折ピークの面積の比に基づいて前記負極の膨張による劣化の有無を判定する演算評価部と、を有する、二次電池評価装置。
  5. 前記演算評価部は、前記格子面(110)の回折ピークの面積に対する前記格子面(004)の回折ピークの面積の比が閾値以上の場合に、前記二次電池が劣化したと判定する、請求項4に記載の二次電池評価装置。
  6. 前記X線のエネルギーが22.11keV以上である、請求項4または5に記載の二次電池評価装置。
  7. 負極の活物質に炭素材料を用いた二次電池にX線を照射して前記炭素材料の格子面(004)および格子面(110)それぞれのX線回折スペクトルを取得する処理と、
    前記格子面(004)および格子面(110)のX線回折スペクトルそれぞれから回折ピークの面積を演算する処理と、
    前記格子面(110)の回折ピークの面積に対する前記格子面(004)の回折ピークの面積の比に基づいて前記負極の膨張による劣化の有無を判定する処理と、をコンピュータに実行させるための二次電池評価プログラム。
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