JP2017133723A - 暖房熱源機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流量センサ等を新設することなく循環流量を取得し、これを用いて熱交換加熱による出力熱量を把握し、入力熱量との対比に基づき異常事態の発生検知等を行い得る暖房熱源機を提供する。【解決手段】 温水が所定温度になるまで入力熱量及び出力熱量の演算用データを蓄積する(S1,S2,S3でYES)。循環ポンプONを維持したまま燃焼停止し、タイマーをONして往き温度を監視する(S4)。往き温度が設定温度差ΔTだけ降下するのに要したタイマー値(降下時間値)を得て(S5でYES,S6)、関係テーブルから降下時間値に対応する循環流量の値を割り出す(S7)。熱交換器通過前後の温水温度差の積算値に循環流量を乗じて出力熱量を演算し、制御上の入力熱量と対比することで、出力異常の有無、ガス種の特定を行う(S8)。【選択図】 図4

Description

本発明は、加熱した流体(例えば温水)を暖房用熱源として暖房負荷に循環供給して暖房を行うための暖房熱源機に関し、特に、流量センサ等の流量を直接に検出する検出手段を必要とすることなく、循環流路内に循環供給される流体の流量を把握することで、制御上の入力に対する出力異常の発生を検知し得るようにした技術に係る。
流量センサを用いずに流体の循環流量を検出するために、本願の出願人は下記の特許文献1で制御上の処理により検出し得る技術を提案した。これは、追い焚き循環路に循環される浴槽内の湯水が缶体内の熱交換器を通過する間に燃焼バーナにより直接加熱されるという熱源機において、追い焚き循環路に循環される前記湯水の循環流量を検出し得るようにしたものである。具体的には、浴槽内の湯水を、浴槽と、燃焼バーナにより加熱される追い焚き用熱交換器との間に循環させ、追い焚き用熱交換器での追い焚き加熱により昇温した湯水を浴槽に供給させるという追い焚き循環加熱を行った後に、循環流量の検出のための処理を開始させる。すなわち、前記の燃焼バーナによる追い焚き加熱は停止させるものの、追い焚き循環路内の循環自体は中断させずに継続させる。そして、追い焚き加熱停止後に追い焚き熱交換器を通過して浴槽に供給される湯水の温度が所定の設定温度差分だけ降下するのに要した降下時間値を検出し、所定の関係テーブルからその降下時間値に対応する循環流量値を割り出すというものである。このような関係テーブルは、前記の降下時間と、循環流量との間の関係を予め試験等により求めて予め表や関係式として設定しておいたものである。
特許第5326650号公報
ところで、燃焼熱により熱交換加熱した所定の高温水を暖房負荷に対し暖房用の熱源として循環供給することにより暖房するという温水循環式の暖房熱源機においては、循環ポンプの作動に基づいて暖房負荷に対し一定流量で温水が循環供給されるように構成されており、循環流量を検出するための流量センサは必要性に乏しいことから従来より設けられてはいない。
一方、かかる暖房熱源機による温水の熱交換加熱においては、熱交換器のフィン詰まり、排気通路の閉塞(排気閉塞)、あるいは、燃焼バーナの異なる燃焼領域間での火移り不良等の異常事態が発生するおそれが考えられ、このような異常事態が発生すると、所定の熱交換加熱状態にするべく制御したとしても、その制御の結果として熱交換加熱により温水が受熱した出力熱量は、制御上の入力熱量よりも大きく異なり低下してしまうおそれがある。
しかしながら、このような異常事態の発生を制御上の入力熱量と、その結果である出力熱量との対比により判定・検知することも考えられるものの、出力熱量の把握のためには循環流量検知が必要であり、このため、暖房熱源機にも流量センサの新設が必要となってしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、流量センサ等の直接的な検出手段を新設することなく循環流量を取得し、取得した循環流量を用いて熱交換加熱による出力熱量を把握することができ、それに基づき異常事態の発生検知等を行うことができる暖房熱源機を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明では、加熱部と、暖房用熱源である熱媒が通過する際に前記加熱部からの加熱により前記熱媒を熱交換加熱するための熱交換器と、この熱交換器から熱媒を暖房負荷に対し循環供給可能に前記熱交換器及び暖房負荷を互いに接続するための暖房循環路と、この暖房循環路を通して前記熱媒を循環させるための循環ポンプと、制御装置とを備えている暖房熱源機を対象にして次の技術的手段を講じた。
すなわち、前記熱交換器を通過した後の通過後熱媒の温度を検出するための通過後熱媒温度検出手段と、前記熱交換器を通過する前の通過前熱媒の温度を検出するための通過前熱媒温度検出手段とを備え、前記制御装置として、前記循環ポンプを作動させて前記加熱部により所定の加熱時間にわたり加熱作動制御して熱交換加熱後の熱媒を前記暖房循環路に循環供給させる暖房制御部を備えるものとする。加えて、前記制御装置が、前記加熱時間の加熱後に、前記熱媒の循環状態を維持しつつ前記加熱部による加熱作動を停止させた状態で、前記通過後熱媒の温度が前記加熱部による加熱停止時点から設定温度差だけ温度降下するのに要する降下時間値を計測するための計測部と、前記降下時間値と前記暖房循環路内の熱媒の循環流量との関係を予め設定した関係テーブルとを有し、前記計測部により計測された降下時間値に基づいて上記関係テーブルから対応する循環流量の値を割り出して検出するように構成された循環流量検出処理部を備えるものとする。さらに、前記制御装置が、前記通過後熱媒の温度から前記通過前熱媒の温度を減じた温度差について前記加熱時間にわたり積分したものに、前記循環流量検出処理部により検出された循環流量を乗じて出力熱量を演算するための出力熱量演算部と、前記暖房制御部による前記加熱作動制御により前記熱交換器に対し入力される入力熱量と、前記出力熱量演算部により演算される出力熱量との対比に基づいて、前記熱交換器に出力異常が生じているか否かを診断する出力診断部とを備えるものとした(請求項1)。
この発明の場合、出力診断部により熱交換器に出力異常が生じているか否かを診断するに当たり、流量センサ等の直接的に計測する検出手段を用いることなく、循環流量値を循環流量検出処理部により取得することが可能となり、この取得された循環流量を用いて出力熱量を演算により得ることが可能となる。このため、出力異常が生じているか否かの出力診断を行うことが可能となって、それに基づき対策制御(以後の暖房運転の禁止や警告報知等)を早期に実行することが可能となる。又、かかる出力診断を、暖房運転毎に行うことにより、あるいは、その暖房運転の初回の加熱作動の際に取得した循環流量値に基づき行うことにより、出力異常が生じていたとしても、その出力異常の発生を早期に診断することが可能となる。これにより、例えば、熱交換器のフィン詰まりの発生、排気通路の閉塞、あるいは、加熱部の異常発生等により、熱交換器での熱交換加熱機能が低下し、制御上の入力熱量よりも出力熱量が異常に低下してしまう事態が発生したとしても、その出力異常の発生をいち早く判定・検出することが可能となる。
本発明の暖房熱源機において、制御装置が、前記循環流量検出処理部により少なくとも先後2回にわたり検出した先後2つの循環流量の値の対比に基づいて前記暖房循環路に循環異常が生じているか否かを診断するための循環診断部を、さらに備える構成とすることができる(請求項2)。この循環診断部による診断により、例えば、循環ポンプの異常、暖房循環路上に生じる種々の循環不良等に起因する循環流量の低下を判定・検出することが可能となり、循環異常発生に対し早期に対策を施すことが可能となる。この結果、例えばユーザーから診た外的症状が暖房温度の異常な低下である場合に、その原因がどこに生じているのか等の探索において、もしも、それが暖房循環路の循環異常である場合には、原因を早期に特定することが可能となって、対策を講じることで正常な状態に早期に復帰させることが可能となる。
又、本発明の暖房熱源機において、加熱部が、燃料ガスの燃焼により熱交換器を加熱するものであり、制御装置が、前記出力熱量演算部で求められた出力熱量と、前記制御部における熱交換器への入力熱量とに基づいて、前記加熱部に供給されている燃料ガスのガス種が複数の特定種類の内のいずれであるかを診断するためのガス種診断部を、さらに備えている構成とすることができる(請求項3)。このガス種診断部による診断により、暖房熱源機の設置地域の事情により、供給される燃料ガスが例えば通常の13Aではなくて12Aであったとしても、それを診断してガス種を特定することが可能となり、いち早く12Aのガス種に対応した空燃比等に基づく燃焼制御に変更することが可能となる。又、ガス種診断を最初の暖房運転時に行うことにより、あるいは、暖房運転の初回の加熱作動の際に取得した循環流量値を用いた出力熱量に基づき行うことにより、ガス種診断結果に基づく燃焼制御の調整を早期に行うことが可能となり、これにより、暖房熱源機の燃焼作動を早期に適切かつ安定した燃焼状態にして、燃焼作動の不具合に起因するサービスマンによる調整作業を回避することが期待し得るようになる。
さらに、本発明の暖房熱源機において、報知部をさらに備え、制御装置が、報知部により診断結果を報知処理する構成とすることができる(請求項4)。このようにすることにより、暖房熱源機の状況や、異常状態が生じている場合には対策制御が行われていること等をユーザーは認識し得ることになり、現状を認識した上で暖房熱源機に対処することが可能となる上に、サービスマンによる対応の要否の判断の助けになる。
以上、説明したように、本発明の暖房熱源機によれば、出力診断部により熱交換器に出力異常が生じているか否かを診断するに当たり、流量センサ等の直接的に計測する検出手段を用いることなく、循環流量値を循環流量検出処理部により取得することができ、取得した循環流量を用いて出力熱量を演算により容易に得ることができるようになる。このため、出力異常が生じているか否かの出力診断を確実に行うことができ、それに基づき対策制御(以後の暖房運転の禁止や警告報知等)を早期に実行することも可能となる。又、かかる出力診断を、暖房運転毎に行うことにより、あるいは、その暖房運転の初回の加熱作動の際に取得した循環流量値に基づき行うことにより、出力異常が生じていたとしても、その出力異常の発生を早期に診断することができることになる。これにより、例えば、熱交換器のフィン詰まりの発生、排気通路の閉塞、あるいは、加熱部の異常発生等により、熱交換器での熱交換加熱機能が低下し、制御上の入力熱量よりも出力熱量が異常に低下してしまう事態が発生したとしても、その出力異常の発生をいち早く判定・検出することができるようになる。
本発明の実施形態が適用される基本的な暖房熱源機の例を示す模式図である。 暖房熱源機における本実施形態の制御構成に係るブロック図である。 暖房運転時に入力熱量及び出力熱量に係るデータを積算した上で、循環流量を取得するという流れを説明するためのタイムチャートである。 暖房運転時に実行される循環流量の検出処理や各種診断の手順を示すフローチャートである。 循環を維持した状態で燃焼バーナの燃焼を停止した時点からの往き温度の変化を循環流量の大・小に分けて説明するための往き温度と時間との関係図である。 出力診断処理に係る手順を示すフローチャートである。 ガス種診断処理に係る手順を示すフローチャートである。 試運転時に循環流量の値を基準値として取得した後、暖房運転時に循環流量を取得するという流れを説明するためのタイムチャートである。 試運転時に循環流量の値を取得するための手順を示すフローチャートである。 循環診断処理に係る手順を示すフローチャートである。 循環診断のみを実行する場合の処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態が適用される暖房熱源機であって、図1とは異なる例を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態が適用される最も基本的な暖房熱源機の模式図である。この暖房熱源機は、温水循環式の暖房単機能を備えるように構成されたものである。すなわち、暖房用熱媒として温水(流体)を用い、給湯機能,ふろへの注湯機能や追い焚き機能等の各機能を併有する複合型とは異なり、暖房機能のみの単機能型に構成されたものである。しかも、暖房用熱源として1種類の温度の暖房用熱源を暖房負荷に循環供給するという、いわゆる1温度型の暖房熱源機に構成されたものである。もちろん、暖房機能を含んで前記各機能の内の1種以上を組み合わせた複合型熱源機を、本発明の暖房熱源機として本発明を適用することができる。又、加熱部として、気体燃料を燃焼させる燃焼バーナ2の他に、液体燃料(例えば石油)を燃焼させる燃焼バーナを用いて構成することができる他、燃焼加熱により直接的に暖房用熱源を加熱するもの以外に、燃焼加熱により加熱した加熱用熱源を用いて液−液熱交換により間接的に暖房用熱源を加熱するものにより構成することができる。さらに、熱交換器としては、燃焼熱の顕熱を利用する図例の熱交換器3に加え、燃焼排ガスから潜熱回収を行う副熱交換器を組み合わせた高効率型に構成されたものを用いることができる。又、暖房循環路として、図例の如く1温度型のものの他に、いわゆる高温・低温の2種類の温度の暖房用熱源を循環供給可能な2温度型のものを備えた暖房熱源機(後述)にも、1温度型と同様に本発明を適用することができる。
図1の暖房熱源機は、加熱部を構成する燃焼バーナ2と、この燃焼バーナ2の燃焼熱により熱交換加熱される熱交換器3と、暖房循環路を構成する温水循環路4と、循環ポンプ5とを備え、暖房用熱源である熱媒として1種類の温度の温水を暖房負荷(例えば床暖房機等)6に対し循環供給するようになっている。
すなわち、前記の温水循環路4は、循環ポンプ5の作動により、膨張タンク7に貯留されている低温水を熱交換器3に送り、ここで燃焼バーナ2により所定温度(例えば60℃)まで熱交換加熱した後の温水を往き路41を通して暖房負荷6に対し暖房用熱源として供給し、暖房負荷6で放熱により低温になった温水が戻り路42aを通して膨脹タンク7に戻されるようになっている。そして、膨脹タンク7から取り出された低温水は戻り路42bを通して熱交換器3に戻されて再び熱交換加熱されて暖房負荷6に循環供給される、というように温水の循環が繰り返されるようになっている。膨脹タンク7には、補水用の補水路71や補水電磁弁72が付設され、これらを用いた補水制御により、温水循環路4に循環される温水量が一定量に維持されるように補水されるようになっている。
又、燃焼バーナ2は、元ガス弁81や燃料調整弁であるガス比例弁82を介装した燃料供給系8からの燃料ガスの供給と、送風ファン9からの燃焼用空気の供給とを受けて燃焼作動するようになっている。ガス比例弁82は、コントローラ10により開度が変更制御され、これにより、燃焼バーナ2に対する燃料ガスのガス圧を変更調整し得るようになっている。
そして、前記の温水循環路4には、熱交換器3で熱交換加熱された直後の温水の温度(往き温度)を検出するための往き温度センサ43が熱交換器3の出口近傍位置の往き路41に設置され、熱交換器3で熱交換加熱される直前の温水の温度(戻り温度)を検出するための戻り温度センサ44が熱交換器3の入口近傍位置の戻り路42bに設置されている。
暖房熱源機は、制御装置を構成するコントローラ10によって暖房運転の運転制御がリモコン101からの出力及び前記の各種センサからの出力等に基づいて行われるようになっている。コントローラ10は、暖房運転制御の他に、温水循環路4に流れる循環流量を流量センサ等の直接的な検出手段を用いることなく制御上の処理によって行い、取得した循環流量を用いて熱交換加熱における出力異常等の診断を行うようになっている。制御装置を構成する前記コントローラ10は、温水循環路4により暖房負荷6に温水を循環供給して暖房運転を行う暖房制御部102と、循環流量を検出するための循環流量検出処理部103と、入力熱量演算部104と、出力熱量演算部105と、出力診断部106と、循環診断部107と、ガス種診断部108とを含む各種の制御部を備えている。かかるコントローラ10は、CPUや書き換え可能メモリを備えるマイコンによって主構成されており、メモリに記憶されたプログラム及び各種データに基づいて前記の各種制御を行うようになっており、循環流量検出処理部103はタイマー1031と、所定の関係テーブルが予め記憶されたテーブル記憶部1032とを備えている。
暖房制御部102による暖房運転制御は、例えばリモコン101の暖房スイッチをユーザーがON操作することで出力される操作信号を受けて開始され、循環ポンプ5をONして温水を循環作動させる一方、燃焼系8を制御して所定の燃焼号数で燃焼バーナ2を燃焼作動させることで開始される。開始時は予め定めた燃焼号数を入力するフィードフォワード(FF)制御により燃焼量が制御され、次に、往き温度センサ43により検出される往き温度が所定の目標温度(例えば60℃)になるようにフィードバック(FB)制御により燃焼量が制御される。そして、温水が燃焼加熱により目標温度以上まで昇温したら、燃焼バーナ2の燃焼を一旦OFFにし、所定量温度降下すれば、燃焼を再度ONにして熱交換加熱を加えるというように間欠加熱が実行される。この際、暖房熱源機が設置された場所で供給される燃料ガスのガス種が12Aであるか13Aであるかは不明であるものの、後述のガス種診断が行われるまでの間は、供給されているガス種が13Aであると仮定して燃焼量の制御(特に空燃比を制御するための送風ファン9のファン回転数制御)を行うようになっている。
以下、暖房運転制御時に併せて行う出力診断やガス種診断に必要な温水循環路4の循環流量を取得するタイミングとして、暖房運転開始により循環中の温水が所定の目標温度まで加熱されたことにより燃焼が停止された直後に循環流量Rjの取得(検出処理)をする場合について、説明する。より詳細には、図3に示すように、暖房運転の開始により燃焼バーナ2の燃焼を開始(ON)し、燃焼熱による熱交換加熱により所定の目標温度まで温水が昇温することで燃焼を停止(OFF)することになるが、その初回(1回目)の燃焼OFFの直後に循環流量Rjの取得(検出処理)を行う場合である。このような場合に、暖房運転制御時に併せて行う出力診断やガス種診断等について、図4のフローチャートを参照しつつ、詳細に説明する。出力診断及びガス種診断は、暖房運転の熱交換加熱制御における制御上の入力熱量と、その結果である出力熱量との対比に基づいて行う。入力熱量は制御データ自体を蓄積することにより得られ、出力熱量は熱交換器3での熱交換加熱前の戻り温度と、熱交換加熱後の往き温度との温度差に対し、循環流量を乗じることにより得られる。ところが、循環流量を検出するための流量センサ等の直接的な検出手段を備えていないため、この循環流量Rjを以下の如く取得した上で、出力診断等に用いるようにしている。
すなわち、循環ポンプ5をONにして燃焼バーナ2をON(燃焼開始)にして暖房運転制御を開始する(ステップS1)。往き温度センサ43により検出される往き温度を監視し、この往き温度が目標温度(例えば60℃)以上に到達するまで、入力熱量演算用の制御データの蓄積と、出力熱量演算用の温度データの蓄積とを行う(ステップS3でNO,ステップS2)。入力熱量演算用の制御データとは、まず暖房運転制御の開始時のFF制御値(例えば燃焼号数又は熱量自体に換算した値)と、その後のFB制御値(例えば燃焼号数又は熱量自体に換算した値)とである。なお、蓄積した入力熱量と、後述の出力熱量との両者の単位を例えばkcal等に変換して対比すればよい。又、ステップS2での出力熱量演算用の温度データの蓄積とは、往き温度センサ43により検出される往き温度と、戻り温度センサ44により検出される戻り温度との組み合わせに係るデータ、あるいは、両者の温度差を演算により求め、その温度差に係るデータを蓄積する。
<循環流量の取得>
ステップS3で検出往き温度が所定の目標温度まで昇温すれば(ステップS3でYES)、燃焼バーナ2の燃焼を一旦停止(一旦消火)し、停止直後の検出往き温度を記録すると共にその変化を監視する。それと同時にタイマ−1031(図2参照)をスタートさせる(以上ステップS4)。そして、消火時点の検出往き温度から設定温度差ΔT(例えばΔT=1℃又は2℃)だけ温度降下すれば(ステップS5でYES)、その温度降下時点のタイマ−1031のタイマ−値を出力する(ステップS6)。このタイマ−値は、往き温度センサ43の設置位置における循環流の温度が燃焼バーナ2の消火時点から設定温度差ΔTだけ温度降下するのに要した降下時間値を表すものである。そして、このタイマ−値に基づきテーブル記憶部1032に予め記憶させた関係テーブルから対応する循環流量値を割り出し、温水循環路4における循環流量値Rjとしてこの割り出された循環流量値を設定する(ステップS7)。
以上で暖房運転時における循環流量値Rjの検出処理が終了し、流量センサ等の直接的に計測する検出手段を用いることなく、循環流量値を検出(取得)することができるようになる。この取得は、循環流量検出処理を開始してから僅か数秒間で循環流量値の検出処理を迅速に終了することができることになる。又、必要とするタイマ−値の始期は燃焼バーナ2の消火時点であるため、その始期を正確に把握することができる一方、タイマ−値の終期も検出往き温度が設定温度差ΔTだけ温度降下した時点であるため、その終期をも正確に把握することができ、この結果、関係テーブルと照合すべきタイマ−値として極めて正確な値を計測することができ、かかる正確なタイマ−値に基づいて対応する循環流量値を導いているため、正確な循環流量値を得ることができることになる。
上記の設定温度差ΔTと、熱交換器3の下流側にある往き温度センサ43の設置位置における往き温度がΔTだけ温度降下するのに要した降下時間値との関係を図5を参照しつつ説明する。燃焼バーナ2の燃焼作動により、戻り路42bを通して戻された温水が熱交換器3において熱交換加熱され、温度上昇した温水が下流側の往き温度センサ43位置へ流れることになる。このため、往き温度センサ43により検出される往き温度Thは徐々に温度上昇していくことになる。そして、循環ポンプ5の作動は継続しつつ時間τ0において燃焼バーナ2を消火すると、その直後における検出往き温度は微増傾向を微小時間だけ継続するものの、急激な度合で温度降下に転じることになる。この温度降下分として微小な温度差ΔTを設定した場合、循環流量が大であるほど温度降下度合は急になり、循環流量が小であるほど温度降下は緩やかになる。このため、消火時点τ0からの温度差ΔT分の温度降下に要する降下時間値は循環流量大の場合の降下時間値Δτ2よりも循環流量小の場合の降下時間値Δτ1の方が長くなる、という特性を示すことになる。以上より、温度差ΔTだけの温度降下に要する降下時間値と、循環流量との間には相関関係があり、降下時間値(タイマー値)と、循環流量値との間の関係テーブルを予め実験により定めておけば、降下時間値を計測するだけで容易に、迅速に、しかも正確に、循環流量値を割り出すことができるようになる。迅速性に関して、上記の降下時間値Δτ1,Δτ2は、熱交換器3から往き温度センサ43までの範囲の往き路41の流路容積分の温水が往き温度センサ43位置を通過し終わるのに要する降下時間値と対応するため、その降下時間値の計測は分単位ではなくて秒単位で終了し、循環流量値の割り出しを極めて迅速に行うことができるようになるのである。
このような関係テーブルとして、目標温度まで昇温して燃焼を停止させる時点の循環流の温水温度の高低如何によって異なる複数種類の関係テーブルを設定することができる。すなわち、循環流の目標温度として互いに異なる複数の温度(例えば80℃,60℃)毎に、その温度の循環流に適用する関係テーブルを設定し、これら複数種類の関係テーブルをテーブル記憶部1032(図2参照)に記憶させておくことができる。そして、循環流量の検出処理の際に、往き温度センサ43により検出される往き温度に基づいてこの往き温度に対応する関係テーブルを呼び出し、この関係テーブルから循環流量の値を割り出すようにする。
又、テーブル記憶部1032に、互いに異なる複数の外気温に対し適用するものとして予め設定した複数種類の関係テーブルを記憶させておき、暖房熱源機に設けた外気温センサ(例えばF点サーミスタ;図示省略)により検出される外気温の高低の如何によって適用する関係テーブルを変更設定するようにすることができる。又、このような外気温に基づく補正を、前記の互いに異なる複数の目標温度毎にその温度の循環流に適用する関係テーブルに対し上乗せするようにすることもできる。
テーブル記憶部1032に対する記憶設定は、工場出荷前に記憶させても、あるいは、使用現場に暖房熱源機を設置した後にテーブル記憶部1032に対し記憶させるようにしても、いずれでもよい。又、使用後に、その関係テーブルを新たなものに更新・記憶させるようにしてもよい。
<出力診断>
そして、図4のステップS7で循環流量値Rjの割り出しが完了すれば、この循環流量値Rjを用いて出力診断等の処理を実行する(ステップS8)。具体的には、出力診断処理は、図6に示すように、まず、出力熱量Qoutの演算を次の式(1)により行う(ステップS911)。
Qout=Rj×Σ(Th−Tl) …(1)
Thは検出往き温度であり、Tlは検出戻り温度である。従って、(Th−Tl)はステップS2(図4参照)で蓄積した温度差である。この温度差について、暖房運転開始(図4のステップS1)から検出往き温度Thが所定の目標温度に昇温した時点(図4のステップS3でYES)までの時間にわたり積分した値に、循環流量値Rjを乗じて、出力熱量Qoutを得るのである。
次に、入力熱量Qinの演算を次の式(2)により行う(ステップS912)。
Qin=Σ(Qff+Qfb) …(2)
QffはFF制御値であり、QfbはFB制御値である。これらの値について出力熱量の場合と同じ時間にわたり積分して、入力熱量Qinを得る。
そして、入力熱量Qinに対する出力熱量Qoutの出力比率が所定の判定比率α%(例えば50%)以下か否かの判定を行う(ステップS913)。この出力比率がα%よりも大きい範囲であれば出力は正常であると判定し、次回以降の燃焼作動を許容し(ステップS914)、逆に、前記出力比率がα%以下という低いものであれば出力異常が生じていると判定し、次回以降の燃焼作動を強制的に禁止する(ステップS915)。この際、併せて、報知部を用いてユーザーへの報知処理も行うことができる。すなわち、報知部としての例えばリモコン101を用いて、文字情報等による警告表示や警告灯の点灯等により、出力異常の発生をユーザーに報知することができる。
以上の場合、流量センサ等の直接的に計測する検出手段を用いることなく、循環流量値を検出(取得)することができるため、この循環流量を用いて出力異常が生じているか否かの出力診断を行うことができるようになる。又、出力診断を、暖房運転毎に行うことができ、さらに、その暖房運転の初回の燃焼バーナ2のOFFの際に取得した循環流量値に基づき行うことができるため、出力異常が生じたとしても、その出力異常の発生を早期に判定・検出することができる。例えば、熱交換器3のフィン詰まりの発生、排気通路の閉塞、あるいは、燃焼バーナ2の隣接する燃焼領域間での火移り不良の発生等により、熱交換器3での熱交換加熱機能が低下し、制御上の入力熱量よりも出力熱量が異常に低下してしまう事態が発生していたとしても、その出力異常の発生をいち早く判定・検出することができ、それに基づき対策制御(燃焼作動の禁止や警告報知等)を早期に実行することができる。
<ガス種診断>
ガス種診断処理は、図7に示すように、出力熱量Qoutの演算(ステップS921)と、入力熱量Qinの演算(ステップS922)とを、前述の出力異常診断のステップS911とS912(図6参照)と同様にして行い、得られた出力熱量Qoutと入力熱量Qinとを用いて出力比率(Qout/Qin)が所定の判定比率β%(例えば92%)以下であるか否かの判定を行う(ステップS923)。ガス種としては、12Aと13Aとがあり、両者間にはほぼ10%の熱量差があるため、例えば8%の差があるか否かで、ガス種が12Aか13Aかの区別を判定して診断することができる。出力比率の判定において、出力比率がβ%よりも大きければ、ガス種は13Aであると判定・診断し、これをコントローラ10の例えば暖房制御部102に設定するとともに(ステップS924)、以後の空燃比に係る制御量(例えばファン回転数制御量)を維持する(ステップS925)。逆に、出力比率がβ%以下であれば、ガス種は12Aであると判定、診断し、これをコントローラ10の例えば暖房制御部102に設定変更するとともに(ステップS926)、以後の空燃比に係る制御量(例えばファン回転数制御量)を12Aのガス種に対応するように変更(例えばファン回転数を所定量ダウン)する(ステップS927)。この際、併せて、報知部を用いてユーザーへの報知処理も行うことができる。すなわち、例えばリモコン(報知部)101を用いて、文字情報等によりガス種は何であるかをユーザーに報知することができる。
以上の場合、暖房熱源機の設置地域の事情により、供給される燃料ガスが通常の13Aではなくて12Aであったとしても、それを判定・診断することができ、いち早く12Aのガス種に対応した空燃比等に基づく燃焼制御に変更することができる。この場合も、出力診断の場合と同様に、ガス種診断を最初の暖房運転時に行うことができ、あるいは、その暖房運転の初回の燃焼バーナ2のOFFの際に取得した循環流量値に基づき行うことができるため、ガス種診断及びガス種診断結果に基づく燃焼制御の調整を早期に行うことができる。これにより、暖房熱源機の燃焼作動を早期に適切かつ安定した燃焼状態にすることができ、燃焼作動の不具合に起因するサービスマンによる調整作業(例えばファン回転数の制御量変更調整、ガス比例弁82の調圧等)を回避することができるようになる。
<循環診断>
以上の出力診断及びガス種診断に加えて、温水循環路4の循環診断を行うことも可能である。循環診断は、暖房熱源機を設置してから使用に供されている間の先・後の循環流量を対比することにより可能となる。このため、前述の循環流量の検出処理(図4のステップS4〜S7)を暖房運転毎に行って比較したり、あるいは、これに加えて1回の暖房運転中に繰り返される燃焼バーナ2の燃焼ON・OFF毎に行って比較したりすればよい。そして、制御上の要因がないにも拘わらず、循環流量が先・後で所定量以上低下すれば、循環異常が生じていると判定することができる。
循環流量の対比としては、図8に示すように、暖房熱源機の設置時に行う試運転において循環流量Rsの取得処理を行い、取得された循環流量Rsを基準値として設定することが好ましい。そして、この基準値の循環流量Rsと、以後の暖房運転毎に取得した循環流量Rjとを対比して、循環異常が発生しているか否かの循環診断を行うことができる。
すなわち、図9に示すように、暖房熱源機の試運転時に、循環ポンプ5をONにして燃焼バーナ2をON(燃焼開始)にして暖房運転制御を開始する(ステップS11)。往き温度センサ43により検出される往き温度を監視し、この往き温度が目標温度(例えば60℃)以上まで昇温するのを待った上で(ステップS12でYES)、燃焼バーナ2の燃焼を停止(消火)し、停止直後の検出往き温度を記録すると共にその変化を監視する。それと同時にタイマ−1031(図2参照)をスタートさせる(以上ステップS13)。そして、消火時点の検出往き温度から設定温度差ΔT(例えばΔT=1℃又は2℃)だけ温度降下すれば(ステップS14でYES)、その温度降下時点のタイマ−1031のタイマ−値(降下時間値を表す)を出力する(ステップS15)。そして、このタイマ−値により表される降下時間値に基づきテーブル記憶部1032に予め記憶させた関係テーブルから対応する循環流量値を割り出し(ステップS16)、この試運転時における循環流量値Rsを循環流量の基準値として記憶・設定する(ステップS17)。
そして、以後の暖房運転毎に循環流量値Rjを取得し、この循環流量値Rjと基準値の循環流量値Rsとの対比により、循環診断を行う。すなわち、図10に示すように、まず、基準の循環流量値Rsに対する循環流量値Rjの比率である循環流量比(Rj/Rs)が所定の判定比率γ(例えば0.7)以下であるか否かの判定を行う(ステップS18)。循環流量比がγよりも大きければ、温水循環路4の循環は正常であるとして、次回以降の暖房運転(燃焼作動)を許容する一方(ステップS19)、逆に、循環流量比がγ以下というように低下している場合には、循環異常が生じていると判定して、次回以降の暖房運転(燃焼作動)を禁止する(ステップS20)。この際、併せて、報知部を用いてユーザーへの報知処理も行うことができる。すなわち、例えばリモコン(報知部)101を用いて、文字情報等による警告表示や警告灯の点灯等により、循環異常の発生をユーザーに報知することができる。
なお、出力熱量の演算を必要とする出力診断又はガス種診断を行わずに、循環診断のみを行う場合には、次のような処理を行うだけですみ、この場合には戻り温度のデータは不要であるため戻り温度センサ44の設置を省略することができる。この場合、試運転時に基準値となる循環流量値Rsを取得して記憶・設定しておき(図9参照)、以後の暖房運転時には、図11に示すように、循環流量値Rjの取得と、循環流量比に基づく循環診断のみを行うのである。
すなわち、暖房運転時に、まず、循環ポンプ5をONにして燃焼バーナ2をON(燃焼開始)にして暖房運転制御を開始する(ステップS21)。往き温度センサ43により検出される往き温度を監視し、この往き温度が目標温度(例えば60℃)以上まで昇温するのを待った上で(ステップS22でYES)、燃焼バーナ2の燃焼を停止(消火)し、停止直後の検出往き温度を記録すると共にその変化を監視する。それと同時にタイマ−1031(図2参照)をスタートさせる(以上ステップS23)。そして、消火時点の検出往き温度から設定温度差ΔT(例えばΔT=1℃又は2℃)だけ温度降下すれば(ステップS24でYES)、その温度降下時点のタイマ−1031のタイマ−値(降下時間値を表す)を出力する(ステップS25)。そして、このタイマ−値により表される降下時間値に基づきテーブル記憶部1032に予め記憶させた関係テーブルから対応する循環流量値Rjを割り出す(ステップS26)。
そして、循環流量比(Rj/Rs)が所定の判定比率γ(例えば0.7)以下であるか否かの判定を行う(ステップS27)。循環流量比がγよりも大きければ、温水循環路4の循環は正常であるとして、次回以降の暖房運転(燃焼作動)を許容する一方(ステップS28)、逆に、循環流量比がγ以下というように低下している場合には、循環異常が生じていると判定して、次回以降の暖房運転(燃焼作動)を禁止する(ステップS29)。この際、併せて、報知部を用いてユーザーへ循環異常が発生している旨の報知処理も、前記と同様に行うことができる。
以上の循環診断処理によって、例えば、温水循環路4上にある循環ポンプ5のP−Q特性(突出圧−流量特性)に狂いが生じた、各種弁の詰まり等に起因する開閉異常、あるいは、漏れが生じた等の原因に基づく循環流量の低下を判定・検出することができ、早期に対策を施すことができるようになる。この結果、例えばユーザーから診た外的症状が暖房温度の異常な低下である場合に、その原因がどこに生じているのか等の探索において、もしも、それが温水循環路4の循環異常である場合には、原因を早期に特定することができ、正常な状態に早期に復帰させることができるようになる。
<他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、いわゆる1温度型の暖房熱源機を対象に各種制御を実行するものを説明したが、これに限らず、本発明をいわゆる2温度型の暖房熱源機に適用することができ、1温度型の場合と同様に作用・効果を得ることができる。
<2温度型の暖房熱源機>
2温度型の暖房熱源機の例としては、図12に示すものがある。この2温度型の暖房熱源機は、燃焼バーナ2と、この燃焼バーナ2の燃焼熱により熱交換加熱される熱交換器3と、暖房循環路を構成する温水循環路4と、循環ポンプ5とを備え、暖房用熱源の熱媒として低温水と高温水との2種類の温度の温水を低温用・高温用の複数種類の暖房負荷6a,6bに対し循環供給するようになっている。
すなわち、この暖房熱源機の場合の温水循環路4は、循環ポンプ5の作動により、膨張タンク7に貯留されている低温水を熱交換器3に送り、ここで燃焼バーナ2により所定の目標温度(例えば80℃)まで熱交換加熱した後の高温水を高温往き路41aを通して高温用の暖房負荷(例えば浴室乾燥機等)6bに暖房用熱源として供給し、暖房負荷6bで放熱により低温になった低温水が戻り路42aを通して膨脹タンク7に戻されるようになっている。そして、膨脹タンク7から取り出された低温水は分岐部40で分岐され、一方は戻り路42bを通して熱交換器3に戻されて再び熱交換加熱されて暖房負荷6bに循環供給され、他方は低温往き路41bを通して低温用の暖房負荷(例えば床暖房機等)6aに暖房用熱源として供給されるようになっている。この暖房負荷6aで放熱によりさらに低温になった低温水も膨脹タンク7に戻されるようになっている。
前記の低温用の暖房負荷6a(図12には1つのみ図示)としては1又は複数のものが想定されており、それら複数の暖房負荷6aに対し暖房用熱源を供給可能なように、低温往き路41bと前記の低温用の暖房負荷6aとの間には、複数の暖房負荷6aに対し分岐供給可能なように個別に開閉制御可能な複数の接続口を備えた熱動弁11が介装されている。なお、前記の膨脹タンク7への戻り路42aの上流端にもこのような熱動弁を介装させることができる。
そして、前記の温水循環路4には、熱交換器3で熱交換加熱された直後の高温水の温度(往き温度)を検出するための往き温度センサ43が熱交換器3の出口近傍位置の往き路41に設置され、熱交換器3で熱交換加熱される前の低温水の温度(戻り温度)を検出するための戻り温度センサ44が、戻り路42aから膨脹タンク7に流入される入口近傍位置に設置されている。
以上の2温度型の暖房熱源機の場合も、その温水循環路4の循環流量値の取得処理、取得した循環流量を用いた出力診断,ガス種診断や循環診断等を、コントローラ10によって前記実施形態で説明したと同様に実行することができ、これにより、同様の作用効果を得ることができることになる。
<関係テーブル>
前記実施形態で用いる関係テーブルとして、目標温度に加えて外気温の高低の如何に対応した複数種類の関係テーブルをテーブル記憶部1032に予め記憶設定することができる。あるいは、前記実施形態において計測された降下時間値に対し、あるいは、その降下時間値に基づき関係テーブルから割り出される循環流量値に対し、外気温の高低の如何に応じて補正を加えるようにすることができる。例えば、外気温センサ(例えばF点サーミスタ;図示省略)により検出した外気温が基準温度範囲よりも低ければ温度降下の度合も大きく温度降下に要する時間も少なめになると考えられるため、タイマー1031から出力されたタイマー値に対しプラス側の補正を加え、逆に外気温が基準温度範囲よりも高ければ前記タイマー値に対しマイナス側の補正を加えるようにする。補正幅としては、例えばプラス・マイナス0.05秒とすればよい。このような外気温に基づく補正を加えることで、検出処理により得られる循環流量値としてより一層精度(正確性)の高いものを得ることができるようになる。
なお、関係テーブルとしては、関係曲線又は関係曲線を直線近似にした線形の関係線を設定してもよいし、そのような関係曲線を規定する数式を設定してもよいし、数値表を設定してもよいし、いずれでもよい。数式を設定するには実験結果から例えば最小二乗法等を用いて近似式を定めることができ、この近似式に基づいて降下時間値と循環流量値との座標系で関係曲線を特定することもでき、あるいは、その近似式そのものを関係テーブルとして設定することができる。又、数値表を関係テーブルとして設定した場合には、ぴったり合致する循環流量の値がない場合には、隣接する循環流量の数値間で線形補間により、循環流量の値を割り出すようにすることができる。
<出力診断処理又はガス種診断処理で用いる循環流量値>
前記実施形態では暖房運転において取得処理した循環流量値Rjを用いているが、これに限らず、試運転時に取得した循環流量値Rs(図9のステップS11〜S17参照)を以後の暖房運転毎の出力診断処理等において用いるようにすることができる。この場合には、出力熱量の演算を行うための式(1)中のRjの代わりにRsを用いればよい。
2 燃焼バーナ(加熱部)
3 熱交換器
4 温水循環路(暖房循環路)
5 循環ポンプ
6,6a,6b 暖房負荷
10 コントローラ(制御装置)
43 往き温度センサ(通過後熱媒温度検出手段)
44 戻り温度センサ(通過前熱媒温度検出手段)
101 リモコン(報知部)
102 暖房制御部
103 循環流量検出処理部
104 入力熱量演算部
105 出力熱量演算部
106 出力診断部
107 循環診断部
108 ガス種診断部
1031 タイマー(計測部)
1032 テーブル記憶部

Claims (4)

  1. 加熱部と、暖房用熱源である熱媒が通過する際に前記加熱部からの加熱により前記熱媒を熱交換加熱するための熱交換器と、この熱交換器から熱媒を暖房負荷に対し循環供給可能に前記熱交換器及び暖房負荷を互いに接続するための暖房循環路と、この暖房循環路を通して前記熱媒を循環させるための循環ポンプと、制御装置とを備えている暖房熱源機であって、
    前記熱交換器を通過した後の通過後熱媒の温度を検出するための通過後熱媒温度検出手段と、前記熱交換器を通過する前の通過前熱媒の温度を検出するための通過前熱媒温度検出手段とを備え、
    前記制御装置は、
    前記循環ポンプを作動させて前記加熱部により所定の加熱時間にわたり加熱作動制御して熱交換加熱後の熱媒を前記暖房循環路に循環供給させる暖房制御部と、
    前記加熱時間の加熱後に、前記熱媒の循環状態を維持しつつ前記加熱部による加熱作動を停止させた状態で、前記通過後熱媒の温度が前記加熱部による加熱停止時点から設定温度差だけ温度降下するのに要する降下時間値を計測するための計測部と、前記降下時間値と前記暖房循環路内の熱媒の循環流量との関係を予め設定した関係テーブルとを有し、前記計測部により計測された降下時間値に基づいて上記関係テーブルから対応する循環流量の値を割り出して検出するように構成された循環流量検出処理部と、
    前記通過後熱媒の温度から前記通過前熱媒の温度を減じた温度差について前記加熱時間にわたり積分したものに、前記循環流量検出処理部により検出された循環流量を乗じて出力熱量を演算するための出力熱量演算部と、
    前記暖房制御部による前記加熱作動制御により前記熱交換器に対し入力される入力熱量と、前記出力熱量演算部により演算される出力熱量との対比に基づいて、前記熱交換器に出力異常が生じているか否かを診断する出力診断部と
    を備えている、
    ことを特徴とする暖房熱源機。
  2. 請求項1に記載の暖房熱源機であって、
    前記制御装置は、
    前記循環流量検出処理部により少なくとも先後2回にわたり検出した先後2つの循環流量の値の対比に基づいて前記暖房循環路に循環異常が生じているか否かを診断するための循環診断部を、
    さらに備えている、暖房熱源機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の暖房熱源機であって、
    前記加熱部は、燃料ガスの燃焼により熱交換器を加熱するものであり、
    前記制御装置は、前記出力熱量演算部で求められた出力熱量と、前記制御部における熱交換器への入力熱量とに基づいて、前記加熱部に供給されている燃料ガスのガス種が複数の特定種類の内のいずれであるかを診断するためのガス種診断部を、さらに備えている、暖房熱源機。
  4. 請求項1〜請求ま項3のいずれかに記載の暖房熱源機であって、
    報知部をさらに備え、
    前記制御装置は、前記報知部により診断結果を報知処理するように構成されている、暖房熱源機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112984615A (zh) * 2021-03-05 2021-06-18 京源中科科技股份有限公司 一种基于物联网的热计量分摊系统及方法

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