JP2017131919A - レーザ溶接方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マグネシウム合金からなる母材同士の溶接にあたって健全な溶接部を形成できるレーザ溶接方法を提供する。
【解決手段】このレーザ溶接方法は、マグネシウム合金からなる母材M,M同士を溶接するレーザ溶接方法であって、母材M,M同士の溶接予定部分Aに対するレーザビームLの照射位置に向けてフィラーワイヤFを供給する工程を有し、当該工程において、フィラーワイヤFの融点の90%以上となる温度を制御目標値として、照射位置に向けて供給するフィラーワイヤFをヒータ12によって加熱する。
【選択図】図1
【解決手段】このレーザ溶接方法は、マグネシウム合金からなる母材M,M同士を溶接するレーザ溶接方法であって、母材M,M同士の溶接予定部分Aに対するレーザビームLの照射位置に向けてフィラーワイヤFを供給する工程を有し、当該工程において、フィラーワイヤFの融点の90%以上となる温度を制御目標値として、照射位置に向けて供給するフィラーワイヤFをヒータ12によって加熱する。
【選択図】図1
Description
本発明は、レーザ溶接方法に関する。
従来、鉄道車両などの車体の軽量化を目的として、アルミニウム合金が用いられてきた。近年では、更なる軽量化及び強度の向上を両立させるために、マグネシウム合金が着目されている。マグネシウム合金を母材とする溶接技術としては、例えば特許文献1に記載の溶接方法がある。この溶接方法は、アーク溶接に関するものであり、レーザの出力値やビームスポット径等を調整することにより、溶融池にキーホールが形成されず、かつ所定の溶け込み深さが得られるようにレーザ照射部のエネルギー密度を設定している。
マグネシウム合金からなる母材同士をレーザ溶接する場合にも、解決すべき課題が存在する。一般に、マグネシウムは、アルミニウムに比べて液相温度が低く、かつ比重が小さい。したがって、マグネシウムは、アルミニウムに比べて沸点が低く、かつ表面張力が小さい。このため、母材をレーザ溶接する際に母材のぬれ性が過剰となり、溶融した金属が溶接部から流失し易く、溶接中のスパッタも発生し易くなるおそれがある。
母材同士の継手において、溶接部の一方側(レーザ照射側)は、母材の表面と面一であることが理想的である。これに対し、実際のレーザ溶接においては、上記の理由によって溶接落ち込みが発生する。このため、溶接部の一方側が減肉してしまう場合がある。
従来、溶接部の減肉の問題に対しては、レーザビームの照射位置へのフィラー材の供給が行われている。しかしながら、マグネシウム合金からなる母材をレーザ溶接の対象とする場合、マグネシウム合金の冷却速度が非常に速いことが問題となる。このため、フィラー材をそのまま供給すると、フィラー材がレーザビームの照射位置において冷却材として作用してしまうおそれがある。この場合、母材の溶け込みが不十分になり、健全な溶接部の形成が阻害されることが考えられる。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、マグネシウム合金からなる母材同士の溶接にあたって健全な溶接部を形成できるレーザ溶接方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るレーザ溶接方法は、マグネシウム合金からなる母材同士を溶接するレーザ溶接方法であって、母材同士の溶接予定部分に対するレーザビームの照射位置に向けてフィラー材を供給する工程を有し、工程において、フィラー材の融点の90%以上となる温度を制御目標値として、照射位置に向けて供給するフィラー材を加熱手段によって加熱する。
このレーザ溶接方法では、フィラー材の融点の90%以上となる温度を制御目標値として加熱手段で加熱し、レーザビームの照射位置に供給する。加熱したフィラー材をレーザビームの照射位置に供給することで、レーザビームの照射によって母材が液相温度まで上昇する際の温度変化、及び自然冷却によって母材が固相に戻って常温となるまでの温度変化が緩和される。これにより、母材の溶け込みを十分に生じさせることができ、マグネシウム合金からなる母材同士の溶接にあたって健全な溶接部の形成が可能となる。
また、フィラー材として、母材と同材質のフィラー材を用いることが好ましい。これにより、マグネシウム合金からなる母材同士の溶接予定部分に対して好適に溶接部を形成できる。
本発明によれば、マグネシウム合金からなる母材同士の溶接にあたって健全な溶接部を形成できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一側面に係るレーザ溶接方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るレーザ溶接方法の実施に用いるレーザ溶接装置の概略図である。同図に示すように、レーザ溶接装置1は、例えば母材M,Mの端面同士の突き合わせ溶接を行う装置として構成されている。母材Mは、例えば鉄道車両構体の外板として用いられる厚さ数mm程度の平板部材である。母材Mは、鉄道車両の車体の更なる軽量化及び強度の向上を両立させるため、マグネシウム合金によって形成されている。
レーザ溶接装置1は、図1に示すように、レーザ光源2と、フィラー供給ノズル3と、アシストガス供給ノズル4と、温度検出部5とを備えて構成されている。また、レーザ溶接装置1は、不図示の制御部を有している。制御部は、例えばプロセッサ、メモリ等を含んで構成されるコンピュータシステムである。制御部は、レーザ光源2、フィラー供給ノズル3、アシストガス供給ノズル4、温度検出部5、及びヒータ12(後述する)の制御を実行する。
レーザ光源2は、レーザビームLを発生させる装置である。レーザ光源2としては、例えばファイバレーザを用いることができる。レーザ光源2の加工ヘッド11は、ハンドリング用ロボットなどによって支持され、レーザ溶接装置1の制御部によって駆動・走査の制御がなされる。レーザビームLが母材M,M同士の溶接予定部分Aに沿って走査されることにより、溶接予定部分Aに沿って溶接部Wが形成される。
母材M,Mの板厚が4mmである場合を例示すると、レーザ光源2から例えば波長1064nm、スポット径φ0.6mmのレーザビームLが出力される。また、加工ヘッド11の走査速度は、例えば1.2m/minに設定される。加工ヘッド11によるレーザビームLの走査速度は、すなわち溶接速度である。この条件下では、母材M,Mの溶接予定部分Aの表面において、直径約2mm程度の溶融池が約20mm/sで移動していくこととなる。
フィラー供給ノズル3は、溶接部Wの減肉を抑制するため、レーザビームLの照射位置に向けてフィラーワイヤ(フィラー材)Fを供給する部分である。フィラー供給ノズル3は、例えば加工ヘッド11の走査方向の前方側において、母材M,Mの表面に対して45°程度傾斜した状態で配置されている。フィラー供給ノズル3の先端から供給されるフィラーワイヤFは、例えば母材M,Mと同材質の断面円形の線状部材である。フィラーワイヤFの径は、例えばレーザビームLのスポット径と同径となっている。
また、フィラー供給ノズル3には、ヒータ(加熱手段)12が取り付けられている。ヒータ12によってフィラー供給ノズル3を加熱することにより、フィラーワイヤFが加熱され、レーザビームLの照射位置に向けてホットワイヤが供給される。ヒータ12の動作は、温度検出部5による検出結果に基づいて、レーザ溶接装置1の制御部によって制御される。ヒータ12によるフィラーワイヤFの加熱温度の制御目標値は、当該フィラーワイヤFの構成材料の融点の90%以上融点未満となるように設定される。
制御目標値の設定にあたっては、ヒータ12の温度制御の精度を考慮することが好ましい。フィラーワイヤFがAZ31合金(Alを3%、亜鉛を1%含有する難燃性マグネシウム合金)によって構成されている場合を例示する。AZ31合金の融点は、575℃〜630℃と見積もられる。この場合、例えば融点の下限値である575℃の90%である518℃をヒータ12による制御目標値として設定する。ヒータ12の温度制御の精度が±5%と仮定すると、レーザビームLの照射位置におけるフィラーワイヤFの温度は、490℃(融点の85%)〜546℃(融点の95%)と見積もられる。
アシストガス供給ノズル4は、レーザビームLの照射点に向けてアシストガスを供給する部分である。アシストガス供給ノズル4は、例えばレーザビームLと略同軸に配置され、レーザ溶接装置1の制御部(不図示)により、加工ヘッド11と同期して駆動・走査される。アシストガスとしては、例えばヘリウムガス又はアルゴンガスが用いられる。これにより、母材M,Mの酸化防止及びスパッタ防止が図られる。なお、アシストガス供給ノズル4は、加工ヘッド11の走査方向の後方側において、母材M,Mの表面に対して45°程度傾斜した状態で配置されていてもよい。
温度検出部5は、レーザビームLの照射位置近傍の温度(≒フィラーワイヤFの先端の温度)を検出する部分である。温度検出部5としては、例えば赤外線サーモグラフィが用いられる。温度検出部5は、例えば加工ヘッド11の走査方向の後方側において、母材M,Mの表面に対して45°程度傾斜した状態で配置されている。温度検出部5は、2次元的な視野範囲の中心部分にフィラーワイヤFのワイヤ径と略同等の空間分解能を有しており、視野範囲の中心部分をレーザビームLの照射位置に合わせることにより、時刻歴での温度測定が可能となっている。
このようなレーザ溶接装置1を用いたレーザ溶接方法では、加工ヘッド11が母材M,Mの溶接予定部分Aに沿って相対的に走査される。これにより、レーザビームLの照射位置では、母材M,Mの溶融・凝固が生じ、溶接部Wが形成される。また、レーザビームLの照射位置には、アシストガス供給ノズル4からアシストガスが供給されると共に、フィラー供給ノズル3からフィラー材の融点の90%以上となる温度を制御目標値としてヒータ12で加熱されたフィラーワイヤFが供給される。
このようなレーザ溶接方法によれば、レーザビームLの照射によって母材Mが液相温度まで上昇する際の温度変化、及び自然冷却によって母材Mが固相に戻って常温となるまでの温度変化が緩和される。図2は、本実施形態及び従来例におけるレーザビームの照射前後の温度変化の様子を概略的に示す図である。同図では、横軸に時間を示し、縦軸にレーザビームLの照射位置における母材Mの温度を示す。
フィラーワイヤFに対して加熱を行わずに常温でレーザビームLの照射位置に供給する場合(従来例)、グラフG1に示すように、レーザビームLが照射された直後からレーザビームLによって母材Mの温度が急激に上昇し、融点(≒液相温度)に達することで照射位置における母材Mの溶融が生じる。その後、照射位置からレーザビームLが外れると、自然冷却によって母材Mの温度が一定の冷却曲線をもって常温まで低下し、母材Mの溶融部分が固相に戻ることで溶接部Wとなる。
一方、フィラーワイヤFを融点近くまで加熱してレーザビームLの照射位置に供給する場合(本実施形態)、レーザビームLとホットワイヤとによって母材Mの温度を上昇させるので、グラフG2に示すように、レーザビームLが照射された直後の母材Mの温度上昇が従来例に比べて緩やかとなる。また、照射位置からレーザビームLが外れた後の母材Mの温度の冷却も従来例に比べて緩やかとなる。
これにより、母材Mの溶け込みを十分に生じさせることができ、マグネシウム合金からなる母材M,M同士の溶接にあたって健全な溶接部Wの形成が可能となる。また、フィラーワイヤFの溶け込みも十分に生じさせることができるため、溶接部W内でフィラーワイヤFが個片状態で残存することを抑制できる。これにより、個片状態のフィラーワイヤFを起点とする溶接部Wのクラッキング等も防止できる。
本実施形態では、フィラーワイヤFとして、母材Mと同材質のフィラー材を用いている。これにより、マグネシウム合金からなる母材M,M同士の溶接予定部分Aに対して母材Mと同種の溶接部Wを好適に形成できる。
なお、フィラーワイヤFの温度は、例えばヒータ12に供給される電流値を用いて制御してもよい。この場合、ヒータ12の電源電圧値と電流値との積によってヒータ12の電力を算出し、ヒータ12の電力と通電時間との積によってフィラーワイヤFに供給されるエネルギーからフィラーワイヤFの温度を算出すればよい。温度検出部5によるフィラーワイヤFの先端の温度の検出結果に基づいてヒータ12に供給される電流値を制御することにより、より融点に近い範囲でフィラーワイヤFの温度を制御することが可能となる。
例えば上記実施形態では、母材M,Mの突き合わせ溶接を例示したが、本発明の手法は、隅肉溶接などの他の溶接形態についても適用可能である。
12…ヒータ(加熱手段)、A…溶接予定部分、L…レーザビーム、M…母材、W…溶接部。
Claims (2)
- マグネシウム合金からなる母材同士を溶接するレーザ溶接方法であって、
前記母材同士の溶接予定部分に対するレーザビームの照射位置に向けてフィラー材を供給する工程を有し、
前記工程において、前記フィラー材の融点の90%以上となる温度を制御目標値として、前記照射位置に向けて供給する前記フィラー材を加熱手段によって加熱するレーザ溶接方法。 - 前記フィラー材として、前記母材と同材質のフィラー材を用いる請求項1記載のレーザ溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016013392A JP2017131919A (ja) | 2016-01-27 | 2016-01-27 | レーザ溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2016013392A JP2017131919A (ja) | 2016-01-27 | 2016-01-27 | レーザ溶接方法 |
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Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016013392A Pending JP2017131919A (ja) | 2016-01-27 | 2016-01-27 | レーザ溶接方法 |
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2016
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