JP2017131356A - 痰吸引器 - Google Patents

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和正 本田
Kazumasa Honda
和正 本田
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Abstract

【課題】 小型の痰吸引器を提供する。
【解決手段】 患者の口腔内に挿入され痰を吸引する吸引カテーテル12と、吸引カテーテル12に連通され吸引した痰を収容する収容容器14と、収容容器14に連通され、収容容器14を介して吸引カテーテル12に負圧力を発生させるエアポンプ16とからなり、さらに、収容容器14とエアポンプ16との間の流路中に、エアポンプ16による負圧力が所定以下の圧力となった際に流路内に大気空気を流入させる圧力調整器18を設けている。
【選択図】 図1

Description

本発明は痰吸引器に関する。
排痰機能が低下した人や排痰機能がない人の排痰を行うための機器として痰吸引器が知られている。一般的な痰吸引器は、口腔内に挿入され痰を吸引する吸引カテーテルと、吸引カテーテルに連通されて痰を収容する収容容器と、収容容器に連通されて吸引カテーテルに痰を吸引するための負圧力を発生させるためのエアポンプと、負圧力を調整するための圧力調整手段とから構成されている(特許文献1)。
特開2004−283329
上述のような痰吸引器は、圧力調整手段が圧力センサによるものや、リーク弁によるものが多い。圧力センサによるものは、センサや制御基板が必要となるためコストが高くなっていた。また、リーク弁によるものは、常に流体をリークさせながら使用するために流体の損失が大きく、それゆえに大型のエアポンプを使用せざるを得ず、持ち運びには適さない据置型となっていた。また、移動可能なものであっても、大型の車いすに固定したり、キャスター付きの荷車に載せて運んだりする必要があり、手軽な持ち運びはできなかった。
本発明は、このような点に鑑み、安価であり、人が持ち運び可能な小型の痰吸引器を提供することを目的としている。
すなわち、本発明は、
患者の口腔内に挿入され痰を吸引する吸引カテーテルと、
該吸引カテーテルに連通され吸引した痰を収容する収容容器と、
該収容容器に連通され、該収容容器を介して吸引カテーテルに負圧力を発生させるエアポンプと、からなる痰吸引器であって、
該収容容器と該エアポンプとの間の流路中に、該エアポンプによる負圧力が所定よりも大きい負圧力となった際に流路内に外気を流入させる圧力調整器を設けたことを特徴とする痰吸引器を提供する。
このようにすることで、流体の損失を減らすことができるため小型のエアポンプを使用できるようになり、痰吸引器全体を小型化することができる。
具体的には、該圧力調整器が、外径が略円筒状となっており、
一端が開放され他端に外気流入口が形成されたバルブハウジングと、
該バルブハウジングに挿入され螺合される圧力調整部材と、
該バルブハウジングと該圧力調整部材との間に、スプリングによって該圧力調整部材から該バルブハウジングに向けて付勢した状態で設定された圧力調整バルブと、からなり、
該圧力調整バルブが、該スプリングの付勢力によって付勢されて該バルブハウジングと密封係合して該外気流入口を閉止する圧力保持位置と、該スプリングの付勢力に抗して該圧力調整部材へ向かって変位して該外気流入口の閉止を解除する圧力解放位置との間を変位するようにすることができる。
より具体的には、該バルブハウジングと該圧力調整部材との螺合によって該スプリングの付勢力を調整できるようにすることができる。
以下、本発明に係る痰吸引器の実施形態を添付図面に基づき説明する。
本発明に係る痰吸引器の、構成部品の関係を示した模式図である。 本発明に係る痰吸引器に使用される圧力調整器の、圧力保持状態の断面図である。 本発明に係る痰吸引器に使用される圧力調整器の、圧力解放状態の断面図である。 本発明に係る痰吸引器に使用される収容容器の断面図である。 本発明に係る痰吸引器に使用される収容容器の容器部材の外観図である。 本発明に係る痰吸引器に使用される収容容器の、容器部材に蓋部材を螺合する際の初期状態を示す図である。 本発明に係る痰吸引器に使用される収容容器の、蓋部材固定用螺子部と螺合用突起部とが当接した状態を示す図である。 本発明に係る痰吸引器に使用される収容容器の、図6Bの状態から更に蓋部材を挿入した状態を示す図である。 本発明に係る痰吸引器に使用される収容容器の、図6Cの状態から更に蓋部材を挿入し、蓋部材の挿入が完了した状態を示す図である。 本発明に係る痰吸引器に使用される収容容器の、図6Dの状態から蓋部材と容器部材とを相対的に回動させた図である。 本発明に係る痰吸引器に使用される収容容器の、図6Eの状態から更に蓋部材と容器部材とを相対的に回動させた図である。 本発明に係る痰吸引器に使用される収容容器の、蓋部材と容器部材との螺合が完了した状態を示す図である。
本発明に係る痰吸引器10は、図1に示すように、患者の口腔内に挿入されて痰を吸引する吸引カテーテル12と、吸引カテーテル12に連通し吸引した痰を収容する収容容器14と、収容容器14に連通し収容容器14を介して吸引カテーテル12に負圧力を発生させるエアポンプ16と、エアポンプ16が発生させた負圧力を調整して吸引カテーテル12によって痰を吸引するための力を調整するための圧力調整器18と、流路内の負圧力を測定する真空計20とからなる。吸引カテーテル12、収容容器14、エアポンプ16、圧力調整器18、真空計20はシリコンなどによって形成されたチューブによってそれぞれが連通されている。エアポンプ16はダイアフラム式など種々の方式のものが知られているが、本発明において使用するエアポンプ16の方式は特に限定されるものではないため、その構造について詳述はしない。
図2に示す圧力調整器18は、外径が略円筒状となっており、一端22が開放され他端24の他端側壁面26に外気流入口28が形成されたバルブハウジング30と、バルブハウジング30に挿入され螺合される圧力調整部材33と、バルブハウジング30と圧力調整部材33との間に、スプリング32によって圧力調整部材33からバルブハウジング30に向けて付勢した状態で設定された圧力調整バルブ34とから構成されている。バルブハウジング30には真空計20に連通する第1連通路36と、収容容器14及びエアポンプ16に連通する第2連通路38とが形成されている。また、圧力調整部材33、バルブハウジング30及び圧力調整バルブ34によって流路空間40が形成されている。圧力調整バルブ34にはそのバルブハウジング30の他端側壁面26側に環状の突起部42が形成されており、突起部42と他端側壁面26の内壁面44とが密封係合するようになっている。
圧力調整器18は、圧力調整バルブ34が、スプリング32の付勢力によって付勢されて突起部42と内壁面44とが密封係合して流路空間40と外気流入口28との間を閉止する圧力保持位置とされた圧力保持状態(図2)と、スプリング32の付勢力に抗して圧力調整部材33へ向かって変位した圧力解放位置とされることで突起部42と内壁面44との密封係合が外れて外気流入口28と流路空間40とが連通する圧力解放状態(図3)との間を変位可能とされている。圧力調整器18は大気圧環境に置かれているため、圧力保持状態から圧力解除状態になると、流路空間40内の負圧力が小さくなるようになっている。また、圧力調整部材33とバルブハウジング30とは螺合されているため、圧力調整部材33をバルブハウジング30へねじ込む程度によってスプリング32の付勢力を調整することができる。これにより、痰吸引器10の最大吸引力を調整している。
図4に示す収容容器14は、痰を収容する略円筒状の容器部材46と、容器部材46を覆う蓋部材48と、容器部材46と蓋部材48との間を密封するためのパッキン50とからなる。容器部材46の外周面には、後述する蓋部材固定用螺子部52が形成されており、蓋部材48の内周面には後述する螺合用突起部54が形成されている。また、蓋部材48には、吸引カテーテル12に連通する吸引カテーテル用連通路56と、エアポンプ16に連通するエアポンプ用連通路58とが形成されている。吸引カテーテル用連通路56の吸引カテーテル側開口60は、図示しないチューブによって吸引カテーテル12に連通しており、第1容器側開口62は、容器部材46内に向かって開口している。エアポンプ用連通路58のエアポンプ側開口64は、図示しないチューブによってエアポンプ16に連通しており、第2容器側開口66は、容器部材46内に向かって開口している。
第2容器側開口66の周辺には、容器部材46内に溜まった痰がエアポンプ16に流入しないようにするためのフロート型バルブ68が備えられている。フロート型バルブ68は、蓋部材48の上部から突出した固定用突起70に圧入固定されたフロート弁ハウジング72と、エアポンプ用連通路58の第2容器側開口66の外周に圧入固定されており、容器部材46に向かって拡径するようにされた薄肉のリップ部74が形成されたフロート弁シール部材76と、リップ部74に係合して第2容器側開口66と容器部材46との連通を閉止するための球状で中空とされたフロート弁78とから構成されている。フロート弁ハウジング72には、容器部材46に向かって開口する第1開口80と、リップ部74とほぼ同じ高さ位置にある第2開口82とが形成されており、容器部材46に溜まった痰は主に第1開口80を通ってフロート弁ハウジング72内に流入するようにされている。フロート弁78は、比重が小さい材料によって形成されており、容器部材46に痰が溜まった際には痰に浮き、リップ部74と密封係合することでエアポンプ16と収容容器14との間の連通を閉止するようになっている。第2開口82は、フロート弁78が痰によってリップ部74と係合するように変位した際に、フロート弁78がスムースに変位するようにフロート弁ハウジング72内の空気を容器部材46側に逃がすために形成されている。
図4及び図5に示すように、容器部材46の外周面には、外周側に凸とされた蓋部材固定用螺子部52が形成されており、蓋部材48の内周面には、内周側に凸とされた螺合用突起部54が形成されている。蓋部材固定用螺子部52と螺合用突起部54とはそれぞれ複数個形成されており、本実施例においては同数個とされている。蓋部材固定用螺子部52と螺合用突起部54とが螺合することで、蓋部材48と容器部材46とがパッキン50を介して密封した状態で固定されるようになっている。蓋部材固定用螺子部52は、その上面54cには図で見て左側に向かうに従って容器部材46の底面に向かって傾斜する第1斜面52aが形成されており、その下面には第1斜面52aと同じ方向に傾斜する第2斜面52bと、容器部材46の上面54c及び底面と水平に形成された水平部52cと、水平部52cから垂直に底面に向かって凸とされた回動係止部52dとが設けられている。
蓋部材48と容器部材46との螺合方法について説明する。蓋部材48と容器部材46とが離れた位置にある状態(図6A)から蓋部材48を容器部材46にかぶせると、螺合用突起部54の右下端54aが蓋部材固定用螺子部52の第1斜面52aに係合する(図6B)。そのまま蓋部材48を押し込むと、螺合用突起部54の下方向への変位が第1斜面52aによって下方向への変位と回転方向への変位とに変換されて、図6Cの位置となる。さらに蓋部材48を押し込で図6Dの位置まで変位すると、蓋部材48に備えられたパッキン50と容器部材46の上端84とが当接する。蓋部材48を上からみて時計回りに回動させると、螺合用突起部54の左上端54bが蓋部材固定用螺子部52の第2斜面52bに係合する(図6E)。更に蓋部材48を回動させると、螺合用突起部54の回転方向の変位が第2斜面52bによって回転方向の変位と下方向の変位とに変換されて変位する(図6F)。続けて蓋部材48を回動させると、螺合用突起部54の上面54cと蓋部材固定用螺子部52の水平部52cとが摺動しながら蓋部材48が変位し、螺合用突起部54の左側面54dと蓋部材固定用螺子部52の回動係止部52dとが係合することで蓋部材48の回動が停止され、蓋部材48と容器部材46との螺合が完了する(図6G)。なお、図6Eから図6Fまでに変位によって蓋部材48と容器部材46とがパッキン50を介して密封係合するが、第2斜面52bによって回動方向の変位が下方向への変位に変換されることにより、当該密封係合はより小さな力で行えるようになっている。
上述のとおり、蓋部材固定用螺子部52と螺合用突起部54とはそれぞれ複数個が形成されている。そのため、蓋部材48を容器部材46に挿入する際に、相対的な回転角度位置を合わせずに蓋部材48を挿入しても、蓋部材固定用螺子部52と螺合用突起部54との係合によって蓋部材48と容器部材46との相対的な回転角度位置を容易に適正位置に変位させることができる。また、一般的な螺合と比べて、小さい回動角度で蓋部材48と容器部材46とを螺合することができる。
本発明に係る痰吸引器10の使用方法について説明する。エアポンプ16を駆動させて負圧力を発生させると、吸引カテーテル12から空気が流入し、痰吸引器10全体が負圧状態となる。この状態で吸引カテーテル12を人の口腔内に挿入することで、痰などを吸引することが可能となる。吸引した痰は、空気に比べて比重が大きいため収容容器14において空気と分離され、収容容器14内に溜まるようになっている。
痰を吸引する際の最大負圧力は、圧力調整器18によってほぼ一定の値に保たれる。これは、圧力調整器18内の負圧力がスプリング32の付勢力に勝り圧力調整バルブ34が圧力解放位置に変位することによって外気流入口28から大気が圧力調整器18内に流入して負圧力が下がることと、圧力調整器18内の負圧力が下がったことでスプリング32の付勢力が負圧力に勝り圧力調整バルブ34が圧力保持位置に変位し負圧力が大きくなることとを繰り返すことによってなしている。また、何らかの事情で意図的に痰吸引器10の負圧力を下げたいときは、圧力調整バルブ34の下端部を押し上げて圧力解放位置とすることで負圧力を下げることができる。
痰などを吸引している最中に真空計20の値を確認することで、どの程度の負圧力が発生しているかを確認することができる。痰を吸引するために適切な負圧力は、対象となる患者の年齢などによって変化するが、前述のとおり痰吸引器10が発生させる最大負圧力を任意に変更することができるため、老若男女問わず痰吸引器10を使用することができる。
痰吸引器10;吸引カテーテル12;収容容器14;エアポンプ16;圧力調整器18;真空計20;一端22;他端24;他端側壁面26;外気流入口28;バルブハウジング30;スプリング32;圧力調整部材33;圧力調整バルブ34;第1連通路36;第2連通路38;流路空間40;突起部42;内壁面44;容器部材46;蓋部材48;パッキン50;蓋部材固定用螺子部52;第1斜面52a;第2斜面52b;水平部52c;回動係止部52d;螺合用突起部54;右下端54a;左上端54b;上面54c;左側面54d;吸引カテーテル用連通路56;エアポンプ用連通路58;吸引カテーテル側開口60;第1容器側開口62;エアポンプ側開口64;第2容器側開口66;フロート型バルブ68;固定用突起70;フロート弁ハウジング72;リップ部74;フロート弁シール部材76;フロート弁78;第1開口80;第2開口82;上端84;

Claims (3)

  1. 患者の口腔内に挿入され痰を吸引する吸引カテーテルと、
    該吸引カテーテルに連通され吸引した痰を収容する収容容器と、
    該収容容器に連通され、該収容容器を介して吸引カテーテルに負圧力を発生させるエアポンプと、からなる痰吸引器であって、
    該収容容器と該エアポンプとの間の流路中に、該エアポンプによる負圧力が所定よりも大きい負圧力となった際に流路内に外気を流入させる圧力調整器を設けたことを特徴とする痰吸引器。
  2. 該圧力調整器が、外径が略円筒状となっており、
    一端が開放され他端に外気流入口が形成されたバルブハウジングと、
    該バルブハウジングに挿入され螺合される圧力調整部材と、
    該バルブハウジングと該圧力調整部材との間に、スプリングによって該圧力調整部材から該バルブハウジングに向けて付勢した状態で設定された圧力調整バルブと、からなり、
    該圧力調整バルブが、該スプリングの付勢力によって付勢されて該バルブハウジングと密封係合して該外気流入口を閉止する圧力保持位置と、該スプリングの付勢力に抗して該圧力調整部材へ向かって変位して該外気流入口の閉止を解除する圧力解放位置との間を変位するようにされている請求項1に記載の痰吸引器。
  3. 該バルブハウジングと該圧力調整部材との螺合によって該スプリングの付勢力を調整できるようにされた請求項2に記載の痰吸引器。

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109621019A (zh) * 2018-12-12 2019-04-16 河南科技大学第附属医院 一种用于人工气道的枪式吸痰器
CN114404693A (zh) * 2022-01-26 2022-04-29 中国人民解放军陆军军医大学第一附属医院 一种吸力智能调节的吸痰器

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