JP2017131051A - ステータ、ステータの製造方法及び電動モーター - Google Patents

ステータ、ステータの製造方法及び電動モーター Download PDF

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方哉 石田
知之 鎌倉
Tomoyuki Kamakura
知之 鎌倉
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Eiji Okamoto
英司 岡本
宮下 武
Takeshi Miyashita
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Abstract

【課題】本発明の目的は、電動モーターにおいてステータが備えるコイルの絶縁被覆が高温に晒されることに基づく経時的劣化を抑制すること。【解決手段】本発明に係るステータ1は、ステータコア3と、ステータコア3に設けられ、セラミックスの絶縁被覆11を有するコイル9とを備える。これにより、ステータコア3に設けられるコイル9の絶縁被覆11はセラミックス材であるので、該セラミックスの高温耐熱性という特性によって該コイル9の絶縁被覆11が高温に晒されることに基づく経時的劣化を低減することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、電動モーターのステータ、ステータの製造方法及び電動モーターに関する。
電動モーターのステータ及びステータの製造方法の一例が下記の特許文献1及び特許文献2に開示されている。
特許文献1には、ステータコアと、当該ステータコアの所定の位置に配置されたコイル(セグメントコイル又はカセットコイル)と、当該コイルの外周を覆う絶縁体とを備えるステータの製造方法が記載されている。この製造方法は、前記コイルを構成する第1の金属材料と前記ステータコアを構成する第2の金属材料と前記絶縁体を構成する樹脂材料のそれぞれを同一層の所定の位置に配置して固化する処理を、ステータの水平断面の各層毎に繰り返して、第1の金属材料と第2の金属材料と樹脂材料とをステータの高さ方向に積層することでステータを形成する旨が記載されている。
特許文献2には、前記ステータコアの表面に絶縁層を形成する第1ステップと、積層造形法により前記絶縁層の表面に導電性粉体を噴射して固着させることによって導電層を形成する第2ステップと、前記導電層上に絶縁層を形成する第3ステップと、を含むステータの製造方法が記載されている。絶縁層の材料は、その段落0032には「絶縁性樹脂等」と記載されている。
特開2015−136831号公報 特開2013−81327号公報
電動モーターにおいてステータが備えるコイルは、該モーターの動作状態により高温になる場合がある。従来のコイルの絶縁体は、その材料が絶縁性の樹脂材料であるので、その高温の程度によっては該絶縁体が経時的に劣化する虞がある。上記いずれの文献にも、コイルの絶縁体が高温に晒されることに基づく経時的劣化の問題について記載されていないし、その示唆もない。
本発明の目的は、電動モーターにおいてステータが備えるコイルの絶縁被覆が、高温に晒されることに基づく経時的劣化を抑制することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る第1の態様のステータは、ステータコアと、前記ステータコアに設けられ、セラミックスの絶縁被覆を有するコイルとを備えることを特徴とする。
本態様によれば、ステータコアに設けられるコイルの絶縁被覆はセラミックス材であるので、該セラミックスの高温耐熱性という特性によって該コイルの絶縁被覆が高温に晒されることに基づく経時的劣化を低減することができる。
本発明に係る第2の態様のステータは、第1の態様において、前記セラミックスの絶縁被覆は前記コイルの隣り合う各導電性線材に共用される状態で存在することを特徴とする。
ここで、絶縁被覆が「コイルの隣り合う各導電性線材に共用される状態で存在する」とは、導電性の線材の周囲に設けられた略一様な厚さのチューブ状の絶縁被覆体ではなく、即ち該線材の周囲に、各線材毎に個別に存在(専用)する構造ではなく、隣り合う各線材に共用される状態でブロック状に存在することを意味する。
本態様によれば、セラミックスの絶縁被覆は前記コイルの隣り合う各導電性線材に共用される状態で存在するので、隣り合う導電性線材同士の間に隙間等の無駄な領域の存在がなく、その分だけ導電性線材の存在量を高めることが可能となり、以ってコイルの占有率を向上(高密度化)することができる。
本発明に係る第3の態様のステータは、第1の態様又は第2の態様において、前記ステータコアは、環状部と、前記環状部から径方向の内側に突出し周囲にコイルが配設される部位となる複数のコア部とを備え、少なくとも前記絶縁被覆と前記環状部との境界部は、該絶縁被覆の材料と該環状部の材料が互いに入り組んで存在していることを特徴とする。
ここで、「…境界部は、該絶縁被覆の材料と該環状部の材料が互いに入り組んで存在している」における「互いに入り組んで存在」とは、絶縁被覆と環状部の境界が滑らかな平面又は曲面によって互いに面接触された状態で接合されている構造ではなく、絶縁被覆と環状部の接合強度が増すように互いに凸凹に入り組んだ状態で構成されていることを意味する。絶縁被覆の材料と環状部の材料が絶縁被覆側から環状部側に向かって一方の材料の存在割合が増え、他方の材料の存在割合が減る傾斜状態である構造も含む。
本態様によれば、縁被覆と前記環状部との境界部は、該絶縁被覆の材料と該環状部の材料が互いに入り組んで存在しているので、絶縁被覆と環状部の境界が互いに異なる材料同士の界面を平面又は曲面によって単に面接触させた状態で接合されている構造に比べて、絶縁被覆と環状部の接合強度を増大させることができる。この入り組んでいる構造は後述する製造方法により容易に実現することができる。
本発明に係る第4の態様のステータは、第3の態様において、前記コイルの一部は前記環状部を径方向に内側から外側に貫通して配設されている、ことを特徴とする。
本態様によれば、前記コイルの一部を前記環状部を径方向に内側から外側に貫通して配設することで、ステータコアの存在している領域の環状部の、軸方向における外側にコイルの一部が存在することになる構造のステータにおいて生ずる、該外側部分で磁気的無効となる無駄な部分の発生を低減させることができる。
本発明に係る第5の態様のステータの製造方法は、ステータコアと、絶縁被覆を有し前記コア部の外周に配設されているコイルとを備えるステータの製造方法であって、前記ステータコア部用の材料粉末を含む第1組成物と、前記絶縁被覆用のセラミックス材料粉末を含む第2組成物と、前記コイル用の材料粉末を含む第3組成物の少なくとも一つの組成物を用いて単位層を形成する層形成工程と、前記単位層中の前記材料粉末を固化する固化工程とを備え、前記層形成工程及び前記固化工程を積層方向に繰り返すことを特徴とする。
本態様によれば、前記第1の態様から第4の態様のステータを容易に製造することができる。そして、製造されたステータによって前記第1の態様から第4の態様の効果を享受することが可能になる。
本発明に係る第6の態様のステータの製造方法は、第5の態様において、前記層形成工程では、少なくとも前記絶縁被覆とステータコアとの境界部が、両者の材料粉末が存在する複合材料層として形成されることを特徴とする。
本態様によれば、該複合材料層を形成する絶縁被覆とステータコアの各材料の組成(存在割合と存在位置を含む)を調整することによって該境界部において接合強度を高めることを含めて適宜の特性になるように調整することができる。
本発明に係る第7の態様のステータの製造方法は、第5の態様又は第6の態様において、前記層形成工程は、前記各材料粉末を含む組成物の少なくとも一つを吐出部によって液滴として吐出して形成することを特徴とする。
本態様によれば、吐出部によって材料粉末の吐出量、吐出位置及び吐出タイミング等を調整することができ、以って各材料の存在割合を容易に変えることができ、当該ステータを容易に製造することができる。
本発明に係る第8の態様のステータの製造方法は、第5の態様から第7の態様のいずれか一つの態様において、前記固化工程は、レーザー光を照射して前記材料粉末を溶融固化させることを特徴とする。
本態様によれば、固化工程をレーザー光を用いて容易に且つ正確に行うことができる。
本発明に係る第9の態様の電動モーターは、第1の態様から第4の態様のいずれか一つの態様のステータを備えることを特徴とする。
本態様によれば、電動モーターとして、第1の態様から第4の態様のいずれか一つの態様のステータの効果と同様の効果を得ることができる。即ち、該セラミックスの高温耐熱性という特性によって該コイルの絶縁被覆が高温に晒されることに基づく経時的劣化を低減することができ、電動モーターの特性を向上させることができる。
本発明の実施形態1に係るステータを表す平断面の斜視図。 本発明の実施形態1に係るステータを表す平断面図。 本発明の実施形態1に係るステータを表す絶縁被覆の図示を省略した斜視図。 本発明の実施形態2に係るステータを表す平面図。 本発明の実施形態2に係るステータを表す斜視図。 本発明の実施形態3に係るステータを表す要部の平断面図。 本発明の実施形態4に係るステータを表す要部の平断面図。 本発明の実施形態3に係るステータの製造方法を表すコイルと絶縁被覆と環状部の成形の様子を模式的に示す説明図。
以下に、本発明の実施形態に係るステータ、ステータの製造方法及び電動モーターについて、添付図面を参照して詳細に説明する。
尚、以下の説明では、最初に巻線タイプのコイルに対応した実施形態1に係るステータを例にとって、その具体的構成について説明する。次に、カセットコイルタイプのコイルに対応した実施形態2に係るステータの具体的構成について説明する。
続いて、前記実施形態1と部分的構成を異にする実施形態3と実施形態4について前記実施形態1との差異を中心に順番に説明する。また、これらの説明の中で、前記各実施形態に係る各ステータを適用した本発明の電動モーターの構成について簡単に言及する。
次に、前記各実施形態に係る各ステータを製造するのに使用できるステータの製造装置の概略の構成を説明し、続いて該ステータの製造装置を使用することによって実行される本発明のステータの製造方法を説明する。
◆◆◆実施形態1(図1から図3参照)◆◆◆
本実施形態1に係るステータ1A(1)は、ステータコア3A(3)と、ステータコア3A(3)に設けられ、セラミックスの絶縁被覆11を有するコイル9とを備える。ステータコア3Aは、環状部5と、環状部5の内周面から該環状部5の軸中心Oに向けて、径方向Rの内側に突出するように一例として8つ設けられているコア部7とを備えている。各コア部7の周囲にコイル9がそれぞれ配設されている。
本実施形態において、ステータコア3A(3)は、磁性構造材料によって形成され、好適な材料として軟磁性材料である融点が1430〜1530℃のケイ素鋼や融点が1440〜1470℃のパーマロイなどが一例として使用可能である。
コイル9の材料は、銅や合金等の通常の材料を使用可能である。
絶縁被覆11の材料であるセラミックスは、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、ステアタイト、コージライト、サイアロン等の公知のものが使用できる。
また、本実施形態のステータ1A(1)は、後述する三次元積層造形技術によって製造された構造のものである。即ち、ステータコア3A(3)、コイル9及び絶縁被覆11の各材料粉末を用いて各部の成形と組み立てを三次元積層造形技術によって同時に実行して製造されたものである。これにより、当該ステータ1A(1)を備える電動モーターを製造することが可能である。
図1から図3においては、図面の複雑化を避けるためにコイル9は実際の存在量よりも少なく描かれている。更に図3においては、絶縁被覆11の図示が省かれている。
図示の実施形態では一例として8つあるコア部7の各々にコイル9が設けられると共に、隣接する各コア部7間に形成されるコイル配設領域Sとなる空間を埋めるようにして前記絶縁被覆11が設けられている。即ち、絶縁被覆11はコイル9の隣り合う各導電性線材に共用される状態でコイル配設領域Sに存在している。
ここで、絶縁被覆11がコイル9の隣り合う各導電性線材に共用される状態で存在するとは、該線材の周囲に、各線材毎に個別に絶縁体が存在(専用)する構造ではなく、隣り合う各線材に共用される状態でブロック状に存在することを意味する。
本実施形態によれば、ステータコア3A(3)に設けられるコイル9の絶縁被覆11はセラミックス材であるので、該コイル9の絶縁被覆11が電動モーターの使用状況に応じて高温に晒されることがあるが、その場合に、該セラミックスの高温耐熱性という特性によって、その高温化に基づく経時的劣化を低減することができる。
更に、セラミックスの絶縁被覆11はコイル9の隣り合う各導電性線材に共用される状態で存在するので、隣り合う導電性線材同士の間に隙間等の無駄な領域の存在がなくなる。これにより、その分だけ導電性線材の存在量を高めることが可能となり、以ってコイルの占有率を向上(高密度化)することができる。
◆◆◆実施形態2(図4及び図5参照)◆◆◆
本実施形態2に係るステータ1Bは、コイル9Bの構成が前述した実施形態1と相違しており、一例として2種類のカセットコイル15、17と、これらのカセットコイル15、17の離間した位置にある2つの接点19、21を連結するバスバー23とを複数組配設することで構成されるカセットコイルタイプのコイル9Bが採用されている。ステータコア3B(3)に設けられるカセットコイル15、17の表面はセラミックスの絶縁被覆11で被われている。
また、コア部7の数は一例として24個で前述した実施形態1よりも多い。
また、本実施形態では、コイル9Bの一部が環状部5を径方向Rに内側から外側に貫通して配設されている。そして、図示の実施形態では、コア部7間に形成される空間12から環状部5を径方向Rの外方に向けて貫通する開口部25を設け、該開口部25を利用して第1カセットコイル15、第2カセットコイル17及びバスバー23間の接続と、軸方向Zの両端面からコイルの一部が大きく外方に張り出さないコイルエンドの処理が実現されている。
尚、前記貫通構造にはしないで、環状部5の軸方向における両側にコイルエンド張り出して位置する従来のステータの構造でもよいことは勿論である。
尚、上記構成以外の環状部5、コア部7、絶縁被覆11等の構成は前述した実施形態1と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
そして、このようにして構成される本実施形態に係るステータ1Bによっても前述した実施形態1に係るステータ1Aと同様の作用、効果を発揮することが可能であり、コイル9の絶縁被覆11が電動モーターの使用状況に応じて高温に晒されることがあるが、その場合に、該セラミックス製絶縁被覆の高温耐熱性という特性によって、その高温化に基づく経時的劣化を低減することができる。
また、このようにして構成される本実施形態に係るステータ1Bも前述した実施形態1に係るステータ1Aと同様、後述するステータの製造方法に従って各部品の成形と組み立てを三次元積層造形技術によって同時に実行して製造することができる。尚、この三次元造形製造方法によれば、開口部25は無い状態での貫通構造が可能である。
◆◆◆実施形態3(図6参照)◆◆◆
本実施形態に係るステータ1Cは、実施形態1に係るステータ1Aと基本的に同様の構成を有しており、その一部の構成のみが実施形態1と相違している。
従って、ここでは実施形態1と同様の構成については説明を省略し、実施形態1と相違する構成を中心に本実施形態に係るステータ1Cの構成とその作用、効果を説明する。
即ち、本実施形態では、絶縁被覆11と環状部5との境界部31が、絶縁被覆11の材料と環状部5の材料が互いに入り組んで存在するように設けられている。
尚、ここで言う「互いに入り組んで存在」とは、絶縁被覆11の材料と環状部5の材料が絶縁被覆11側から環状部5側に向かって一方の材料の存在割合が増え、他方の材料の存在割合が減る傾斜状態であることを意味する。別の言い方をすると、絶縁被覆11と環状部5の境界部31が単なる一様な平面や曲面によって均一に面接触された状態で接合されている構造ではなく、絶縁被覆11と環状部5の接合強度が増すように互いに入り組んで構成されていることを意味する。そして、この「入り組む」には両者の各材料の境界部13における存在割合が「傾斜状態」である構造が含まれる。
具体的には、図6に表すように境界部31において、絶縁被覆11の材料と環状部5の材料が径方向Rの内外の違う方向に互い違いに凸凹に延びるような態様で構成してもよいし、絶縁被覆11が環状部5側に入り組んでいる態様で構成することが可能である。
また、両者の各材料が入り組む形状の態様としては、図示のように先端に行くに従って幅が小さくなる平面視略三角形状の凹凸が組み合わさった態様でもよいし、平面視方形状ないし台形状の凹凸が組み合わさった態様でもよい。また、両者の各材料の入り組んだ部分のそれぞれの先端に脹らみや鉤部を持たせた、より接合強度の高い態様の形状を採用することも可能である。
そして、このようにして構成される本実施形態に係るステータ1Cによっても前述した実施形態1に係るステータ1Aと同様の作用、効果を発揮することが可能であり、更に本実施形態の場合には、絶縁被覆11を環状部5に対して接合強度を高めた状態で一体化することができ、以ってコイル9を安定してステータコア3Cに固定することが可能になる。
また、このようにして構成される本実施形態に係るステータ1Cも前述した実施形態1に係るステータ1Aと同様、後述するステータの製造方法に従って各部品の成形と組み立てを三次元積層造形技術によって同時に実行して製造することができる。
これらにより、当該ステータコア3C及び該ステータ1Cを備える電動モーターを製造することが可能である。
◆◆◆実施形態4(図7参照)◆◆◆
本実施形態に係るステータ1Dは、前記実施形態1に係るステータ1Aと基本的に同様の構成を有しており、その一部の構成のみが前記実施形態1と相違している。
従って、ここでは前記実施形態1と同様の構成については説明を省略し、前記実施形態1と相違する構成を中心に本実施形態に係るステータ1Dの構成とその作用、効果を説明する。
即ち、本実施形態では、コイル9の一部は環状部5を径方向Rに内側から外側に貫通して配設されている。この構成は前述した実施形態2に係るステータ1Bでも採用されていた構成であり、当該貫通構成を巻線タイプのコイル9を使用しているステータ1に適用したのが本実施形態である。
因みに図示の実施形態では、環状部5に対して径方向Rに貫通する穴部33を設け、該穴部33からコイル9の一部を一旦環状部5の外側に引き出し、他の穴部33に挿入して他のコア部7に巻かれているコイル9に接続するジャンパー線35を使用した構成が一例として採用されている。ジャンパー線35もセラミックスの絶縁被覆11で被われているが、図面の複雑化を避けるために、その図示は省略されている。
そして、このようにして構成される本実施形態に係るステータ1Dによっても前述した実施形態1に係るテータ1Aと同様の作用、効果を発揮することが可能であり、更に本実施形態の場合には、ステータコア3D(3)の存在している領域の環状部5の軸方向における外側にコイル9の一部が存在することになる構造のステータにおいて生ずる、該外側部分で磁気的無効となる無駄な部分の発生を低減させることが可能になる。
また、このようにして構成される本実施形態に係るステータ1Dも前述した実施形態1に係るステータ1Aと同様、後述するステータの製造方法に従って各部品の成形と組み立てを三次元積層造形技術によって同時に実行して製造することができる。
これらにより、当該ステータコア3D(3)及び該ステータ1Dを備える電動モーターを製造することが可能である。
◆◆◆実施形態5(図8参照)◆◆◆
次に、前記各実施形態で述べたステータ1の製造を三次元積層造形技術によって行う本発明の実施形態5に係るステータの製造方法を具体的に説明する。
本実施形態に係るステータの製造方法は、ステータコア3と、絶縁被覆11を有しコア部7の外周に配設されているコイル9とを備えるステータの製造方法であって、具体的には以下述べる層形成工程P1と固化工程P2とを備えることによって基本的に構成されている。
以下、最初に本実施形態に係るステータの製造方法を実行する場合に使用されるステータの製造装置41の概略の構成を説明し、その後、当該ステータの製造装置41を使用することによって実行される本実施形態に係るステータの製造方法の内容について説明する。
(1)ステータの製造装置の概略の構成(図8参照)
ステータの製造装置41としては、一例として複数本のロボットアーム43、47、49を備えた多関節式の産業用ロボットが採用できる。
具体的には、ステータコア3用の材料粉末を含む第1組成物51を吐出する第1吐出ヘッド61と、セラミックスの絶縁被覆11用の材料粉末を含む第2組成物53を吐出する第2吐出ヘッド63と、コイル9用の材料粉末を含む第3組成物54を吐出する第3吐出ヘッド64と、これらの吐出ヘッド61、63、64から吐出された各組成物51、53、54中に含まれる材料粉末にレーザー光Eを個別に照射して固化させる複数の照射ヘッド71、73、74と、各組成物51、53、54が吐出され、その上面に層形成領域となる一例として平板状のベースプレート81を備えたステージ83と、ロボットアーム43、47、49の駆動及びステージ83の積層方向Zの昇降動作を実行する図示しない駆動部と、これらの駆動部の駆動と吐出ヘッド61、63、64から吐出される各組成物51、53、54の吐出制御と、照射ヘッド71、73、74から照射されるレーザー光Eの照射制御を行う図示しない制御部と、を備えることによってステータの製造装置41は構成されている。
(2)ステータの製造方法の内容(図8参照)
本実施形態に係るステータの製造方法は、前述したように層形成工程P1と固化工程P2とを備え、層形成工程P1と固化工程P2とを積層方向Zに繰り返すことによって構成されている。以下、層形成工程P1と固化工程P2の内容を具体的に説明する。
(A)層形成工程
層形成工程P1は、ステータコア3用の材料粉末を含む第1組成物51と、セラミックスの絶縁被覆11用の材料粉末を含む第2組成物53と、コイル9用の材料粉末を含む第3組成物54の少なくとも一つの組成物を用いて単位層Dを形成する工程である。
そして、層形成工程P1では、少なくとも絶縁被覆11とステータコア3との境界部31が、両者の材料粉末が存在する複合材料層として形成されることが好ましい。
また、層形成工程P1では、前記各材料粉末を含む組成物51、53、54の少なくとも一つを吐出部であるそれぞれの吐出ヘッド61、63、64から液滴として吐出して形成することが好ましい。図示の実施形態では、組成物51、53、54のすべてを吐出ヘッド61、63、64から吐出される液滴によって形成する構成が開示されている。
尚、各組成物51、53、54には、前述したステータコア3、絶縁被覆11、コイル9を作る材料粉末の他に溶媒又は分散媒とバインダーとが一般に含まれている。
溶媒又は分散媒としては、例えば、蒸留水、純水、RO水等の各種水の他、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)等のエーテル類(セロソルブ類)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ギ酸エチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキシルベンゼン、ヘブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基及びベンゼン環を有する芳香族炭火水素類、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドンのいずれか一つを含む芳香族複素環類、アセトニトクル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、カルボン酸塩又はその他の各種油類等が挙げられる。
バインダーとしては、前述した溶媒又は分散媒に可溶であれば、限定されない。例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、セルロース系樹脂、合成樹脂等を用いることができる。また、例えば、PLA(ポリ乳酸)、PA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の熱可塑性樹脂を用いることもできる。
また、可溶状態でなく、上述したアクリル樹脂などの樹脂の微小な粒子の状態で、前述した溶媒又は分散媒中に分散させるようにしてもよい。
(B)固化工程
固化工程P2は、前述した層形成工程P1で形成した単位層D中の材料粉末を固化する工程である。そして、本実施形態では前述した照射ヘッド71、73、74から照射されるレーザー光Eを利用して前記材料粉末を溶融固化又は焼結固化させる構成が採用されている。
具体的には、絶縁被覆11とコイル9を形成する部位の断面を取ると、図8に表すようになり、絶縁被覆11の形成に際しては、ロボットアーム47の先端に取り付けられた第2吐出ヘッド63から第2組成物53が吐出され、該吐出された第2組成物53に対して第2照射ヘッド73からレーザー光Eを照射させて該第2組成物53を焼結固化する。
また、コイル9の形成に際しては、ロボットアーム49の先端に取り付けられた第3吐出ヘッド64から第3組成物54が吐出され、該吐出された第3組成物54に対して第3照射ヘッド74からレーザー光Eを照射させて該第3組成物54を溶融固化する。
更に、環状部5及びコア部7を有するステータコア3の形成に際しては、前記と同様、ロボットアーム43の先端に取り付けられた第1吐出ヘッド61から第1組成物51が吐出され、該吐出された第1組成物51に対して第1照射ヘッド71からレーザー光Eを照射させて該第1組成物51を溶融固化して単位層Dを形成する。
そして、同様の動作を積層方向Zに所定回数繰り返すことによって三次元積層造形物として前述した構成のステータ1が製造される。
そして、このようにして構成される本実施形態に係るステータの製造方法によれば、前述した各実施形態で述べた構成のそれぞれのステータ1を容易に製造することができるようになる。そして、製造されたステータ1によって前述した各実施形態で説明したステータ1が有する作用、効果が発揮され、コイル9の占有率を向上させて電動モーターの特性の向上に寄与し得るようになる。
[他の実施形態]
本発明に係るステータ1、ステータの製造方法及び電動モーターは、以上述べたような構成を有することを基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内での部分的構成の変更や省略等を行うことも勿論可能である。
例えば、実施形態5では、各吐出ヘッド61、63、64に対応して個別に照射ヘッド71、73、74を備えていたが、これらの照射ヘッド71、73、74の一部又は全部を共有するように構成することも可能である。
1 ステータ、3 ステータコア、5 環状部、7 コア部、9 コイル、
11 絶縁被覆、15 第1カセットコイル、17 第2カセットコイル、
19 接点、21 接点、23 バスバー、25 開口部、31 境界部、33 穴部、
35 ジャンパー線、41 ステータの製造装置、43 ロボットアーム、
47 ロボットアーム、49 ロボットアーム、51 第1組成物、53 第2組成物、
54 第3組成物、61 第1吐出ヘッド、63 第2吐出ヘッド、
64 第3吐出ヘッド、71 第1照射ヘッド、73 第2照射ヘッド、
74 第3照射ヘッド、81 ベースプレート、83 ステージ、R 径方向、
O 軸中心、S コイル配設領域、Z 軸方向(積層方向)、P1 層形成工程、
P2 固化工程、E レーザー光、D 単位層

Claims (9)

  1. ステータコアと、
    前記ステータコアに設けられ、セラミックスの絶縁被覆を有するコイルと、を備えるステータ。
  2. 請求項1に記載のステータにおいて、
    前記セラミックスの絶縁被覆は前記コイルの隣り合う各導電性線材に共用される状態で存在する、ことを特徴とするステータ。
  3. 請求項1又は2に記載のステータにおいて、
    前記ステータコアは、環状部と、前記環状部から径方向の内側に突出し周囲にコイルが配設される部位となる複数のコア部とを備え、
    少なくとも前記絶縁被覆と前記環状部との境界部は、該絶縁被覆の材料と該環状部の材料が互いに入り組んで存在している、ことを特徴とするステータコア。
  4. 請求項3に記載のステータにおいて、
    前記コイルの一部は前記環状部を径方向に内側から外側に貫通して配設されている、ことを特徴とするステータ。
  5. ステータコアと、絶縁被覆を有し前記コア部の外周に配設されているコイルと、を備えるステータの製造方法であって、
    前記ステータコア部用の材料粉末を含む第1組成物と、前記絶縁被覆用のセラミックス材料粉末を含む第2組成物と、前記コイル用の材料粉末を含む第3組成物の少なくとも一つの組成物を用いて単位層を形成する層形成工程と、
    前記単位層中の前記材料粉末を固化する固化工程と、を備え、
    前記層形成工程及び前記固化工程を積層方向に繰り返す、ことを特徴とするステータの製造方法。
  6. 請求項5に記載のステータの製造方法において、
    前記層形成工程では、少なくとも前記絶縁被覆とステータコアとの境界部が、両者の材料粉末が存在する複合材料層として形成される、ことを特徴とするステータの製造方法。
  7. 請求項5又は6に記載のステータの製造方法において、
    前記層形成工程は、前記各材料粉末を含む組成物の少なくとも一つを吐出部によって液滴として吐出して形成する、ことを特徴とするステータの製造方法。
  8. 請求項5から7のいずれか一項に記載のステータの製造方法において、
    前記固化工程は、レーザー光を照射して前記材料粉末を溶融固化させる、ことを特徴とするステータの製造方法。
  9. 請求項1から4のいずれか一項に記載のステータを備える、ことを特徴とする電動モーター。
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