JP2017129251A - シール装置及び回転機械 - Google Patents

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昂平 尾▲崎▼
Kohei Ozaki
昂平 尾▲崎▼
上原 秀和
Hidekazu Uehara
秀和 上原
豊治 西川
Toyoji Nishikawa
豊治 西川
英治 小西
Eiji Konishi
英治 小西
西本 慎
Shin Nishimoto
西本  慎
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Abstract

【課題】シール装置は、熱伸びによってシール性が低下してしまうことを抑えることができる。
【解決手段】シール装置60は、軸線回りに回転するロータの外周面を径方向Drの外側から覆うステータの内周面に、径方向Drの内側に突出する凸部22と、径方向Drの外側に凹む凹部21とが軸線方向Daに隣接して配置されており、前記内周面に設けられて、凸部22及び凹部21を覆うように凹凸形状に設けられた快削材63と、凸部22に対応する軸線方向Daの位置で前記ロータの外周面から前記径方向の外側に突出する短尺フィン61と、凹部21に対応する軸線方向Daの位置で前記ロータの外周面から前記径方向の外側に短尺フィン61よりも突出する長尺フィン62と、を備え、長尺フィン62の先端の径方向Drの位置が、凸部22の径方向Drを向く面と凸部22を覆う快削材63の径方向Drを向く面との間に位置している。
【選択図】図3

Description

本発明は、シール装置及び回転機械に関する。
蒸気タービン、ガスタービン、軸流圧縮機等の回転機械では、圧力損失の一つとして、動翼の先端とこの先端に近接して対向するハウジングの内周面との間を、蒸気やガス等の動作流体が漏れて通り抜けてしまうことで生じる損失がある。この損失を低減させてタービン効率を向上させるべく動翼の先端とハウジングとの間にシール装置を設けている。このようなシール装置としては、例えば、動翼とハウジングとが接触した場合でも、いずれの部材も損傷させないアブレイダブルシールがある。
特許文献1では、アブレイダブルシールとして、シールフィンと、このシールフィンに対して対向するシール基板に配置された快削性スペーサとが設けられたシール装置が開示されている。このシール装置は、ロータに向かって突出するロー部と、ロー部よりも長いハイ部とがシール基板に設けられている。快削性スペーサは、このロー部及びハイ部の表面に設けられている。シールフィンは、ロー部及びハイ部に対して同程度の隙間を空けるように異なる長さで形成されている。
特許第5511561号
ところで、上記のようなシール装置が設けられた回転機械では、運転中に、ロータに軸線方向への熱伸びが生じる場合がある。熱伸びが生じることで、シールフィンの位置が回転機械の停止時の位置からずれてしまう。そのため、例えば、ハイ部に対応する位置からロー部に対応する位置までずれるように、シールフィンの位置が停止時と運転時とで大きく移動してしまう可能性がある。このように熱伸びによってシールフィンの位置が大きくずれた場合、シールフィンとハウジング等のステータとの隙間が大きくなってしまいシール性が低下してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、熱伸びによってシール性が低下してしまうことを抑えることが可能なシール装置及び回転機械を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の第一の態様におけるシール装置は、軸線回りに回転するロータの外周面と、該外周面を前記ロータの径方向の外側から覆うステータの内周面との間の隙間をシールするシール装置であって、前記ステータの内周面に、前記径方向の内側に突出する凸部と、前記径方向の外側に凹む凹部とが前記軸線の延びる軸線方向に隣接して配置されており、前記内周面に設けられて、前記凸部及び前記凹部を覆うように前記凸部及び前記凹部の形状に従った凹凸形状に設けられた快削材と、前記軸線方向の前記凸部に対応する位置で、前記ロータの外周面から前記径方向の外側に突出する短尺フィンと、前記軸線方向の前記凹部に対応する位置で、前記ロータの外周面から前記径方向の外側に前記短尺フィンよりも突出する長尺フィンと、備え、前記長尺フィンの先端の前記径方向の位置が、前記ステータの凸部の前記径方向を向く面と該凸部を覆う前記快削材の前記径方向を向く面との間に位置している。
このような構成によれば、短尺フィンの軸線方向の位置が変化して、短尺フィンの軸線方向の位置が凸部と重ならない位置までずれそうになった場合に、凸部を覆う快削材と長尺フィンを接触させることができる。したがって、短尺フィンの軸線方向の位置が凸部に対して大きくずれてしまっても、削られた快削材と長尺フィンとによって、隙間が大きくなってしまうことを抑えることができる。
また、本発明の第二の態様におけるシール装置では、第二の態様において、前記快削材は、前記軸線方向を含む方向を向いて前記長尺フィンと向かい合う傾斜面を有し、前記傾斜面は、前記径方向の外側から内側に向かうにしたがって前記長尺フィンから離れるように傾斜していてもよい。
このような構成によれば、長尺フィンが軸線方向に移動して傾斜面と接触した場合の抵抗を低減することができる。したがって、長尺フィンが軸線方向に移動した場合に、凸部を覆う快削材を長尺フィンによって安定して削ることができる。
また、本発明の第三の態様におけるシール装置では、第一又は第二の態様において、隣接する前記短尺フィンと前記長尺フィンとの前記軸線方向の長さが、前記短尺フィンの前記径方向の外側を向く面と対向する前記快削材の対向面の前記軸線方向の長さ以下であってもよい。
このような構成によれば、短尺フィンの軸線方向の位置が、この対向面の軸線方向の位置と重ならない位置までずれる前に、凸部を覆う快削材に対して長尺フィンを高い精度で接触させることができる。
また、本発明の第四の態様におけるシール装置では、第一から第三の態様のいずれか一つにおいて、前記軸線方向に隣接する一対の前記短尺フィンの間に複数の前記長尺フィンが配置されていてもよい。
このような構成によれば、一つ一つの長尺フィンと、凸部を覆う快削材の軸線方向を含む方向を向く面との軸線方向の距離を短くすることができる。したがって、長尺フィンが軸線方向にずれた場合に、より短い距離で長尺フィンと快削材とを接触させることができる。
また、本発明の第五の態様における回転機械は、軸線回りに回転するロータと、前記ロータの径方向の外側から覆うステータと、第一から第四のいずれか一項に記載のシール装置とを備える。
このような構成によれば、ロータの外周面とステータの内周面との間の隙間のシール性の低下を抑え、漏れ損失を低減させてタービン効率を高めることができる。
本発明によれば、熱伸びによってシール性が低下してしまうことを抑えることができる。
本発明の第一実施形態の回転機械の全体構成を示す模式図である。 本発明の第一実施形態のシール装置を示す縦断面図である。 本発明の第一実施形態のシール装置の要部拡大図である。 本発明の第一実施形態のシール装置において、長尺フィンと短尺フィンとが軸線方向に移動した様子を示す要部拡大図である。 本発明の第二実施形態のシール装置の要部拡大図である。
《第一実施形態》
以下、本発明に係る第一実施形態の回転機械について図1〜図4を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の回転機械は、蒸気タービン100である。蒸気タービン100は、蒸気Sのエネルギーを回転動力として取り出す外燃機関であって、発電所における発電機等に用いられる。蒸気タービン100は、ケーシング10と、ロータ30と、静翼40と、軸受部50と、シール装置60とを備えている。
ケーシング10は、内部の空間が気密に封止されているとともに、蒸気Sの流路が内部に形成されている。ケーシング10は、ロータ30の径方向Drの外側からロータ30を覆っている。ケーシング10は、後述する動翼31と対向する位置にハウジング(ステータ)20を有している。
ハウジング20は、周方向に分割可能なリング状の部材である。ハウジング20は、軸線O回りに回転するロータ30の外周面を径方向Drの外側から覆っている。本実施形態のハウジング20は、図2に示すように、動翼31の先端の先端面31aを径方向Drの外側から覆っている。ハウジング20の内周面には、径方向Drの内側に突出する凸部22と、径方向Drの外側に凹む凹部21とが軸線Oの延びる軸線方向Daに隣接して配置されている。凸部22及び凹部21は、軸線方向Daに交互に並んで複数配置されている。
ロータ30は、図1に示すように、ケーシング10を貫通するように軸線Oに沿って延びて軸線O回りに回転する。ロータ30は、動翼31が設けられている。ロータ30は、動翼31が設けられた中間部分がケーシング10の内部に収容されている。ロータ30は、その両端部が、ケーシング10の外部に突出している。ロータ30は、ケーシング10から外方に突出した両端部が、軸受部50により回転可能に支持されている。
動翼31は、ロータ30の周方向に複数並んで配置されている。複数の動翼31は、環状をなしてロータ30の外周面に設けられている。動翼31は、ロータ30の軸線方向Daに流れる蒸気Sの圧力を受けて軸線O回りにロータ30を回転させる。動翼31は、径方向Drの外側を向く先端面31aがハウジング20の径方向Drの内側を向く内周面と対向している。
静翼40は、ロータ30の周方向に沿って並んでケーシング10の内側を向く面に複数設けられている。静翼40は、ロータ30と径方向Drに間隔を空けて配置されている。静翼40は、動翼31と軸線方向Daに間隔を空けて配置されている。
軸受部50は、ロータ30を軸線O回りに回転可能に支持している。軸受部50は、ロータ30の両端部にそれぞれ設けられたジャーナル軸受51と、ロータ30の一端側に設けられたスラスト軸受52と、を備えている。
シール装置60は、軸線O回りに回転するロータ30の外周面と、外周面をロータ30の径方向Drの外側から覆うステータの内周面との間の隙間をシールしている。本実施形態のシール装置60は、動翼31の先端面31aと、ハウジング20の内周面との間の隙間をシールしている。シール装置60は、図2及び図3に示すように、短尺フィン61と、長尺フィン62と、快削材63とを備えている。つまり、本実施形態のシール装置60は、アブレイダブルシールの一種である。
短尺フィン61は、軸線方向Daの凸部22に対応する位置で、ロータ30の外周面である動翼31の先端面31aから径方向Drの外側に突出している。短尺フィン61は、径方向Drの外側を向く面である先端の頂面61aが快削材63に対して隙間を空けるように突出している。短尺フィン61は、動翼31の先端面31aに沿って周方向に延びているシールフィンである。短尺フィン61は、軸線方向Daに離れて複数配置されている。複数の短尺フィン61は、軸線方向Daに対して等間隔に配置されている。
長尺フィン62は、軸線方向Daの凹部21に対応する位置で、動翼31の先端面31aから径方向Drの外側に短尺フィン61よりも長く突出している。長尺フィン62は、動翼31の先端面31aに沿って周方向に延びているシールフィンである。長尺フィン62の先端の径方向Drの位置は、凸部22の径方向Drを向く面と、凸部22を覆う快削材63の径方向Drを向く面との間に位置している。長尺フィン62は、径方向Drの外側を向く面である先端の頂面62aが快削材63に対して隙間を空けるように突出している。長尺フィン62は、軸線方向Daに離れて複数配置されている。長尺フィン62は、隣接する短尺フィン61の間で、一カ所の凹部21の位置に対応して一つ配置されている。長尺フィン62は、軸線方向Daの両側に配置された二つの短尺フィン61の中間に配置されている。
快削材63は、ハウジング20の内周面に設けられている。快削材63は、凸部22及び凹部21を覆うように凸部22及び凹部21の形状に従った凹凸形状に設けられている。快削材63は、短尺フィン61及び長尺フィン62よりも被削性に優れた材料がハウジング20の内周面に溶射されることで、層状をなして形成されている。本実施形態の快削材63は、3mm程度の厚みで形成されている。快削材63は、長尺フィン62と向かい合う傾斜面63aを有している。快削材63は、短尺フィン61の頂面61aと対向する短尺対向面63bと、長尺フィン62の頂面62aを向く長尺対向面63cとを有している。
傾斜面63aは、軸線方向Daを含む方向を向いて長尺フィン62と向かい合っている。ここで、軸線方向Daを含む方向とは、軸線方向Daの成分を含む方向である。本実施形態の軸線方向Daを含む方向とは、軸線方向Da及び径方向Drに対して傾斜下方向である。傾斜面63aは、長尺フィン62の軸線方向Daを向く面である側面と向かい合う面である。傾斜面63aは、短尺対向面63bと長尺対向面63cとを繋ぐ面である。傾斜面63aは、径方向Drの外側から内側に向かうにしたがって長尺フィン62の側面から離れるように傾斜している。傾斜面63aは、長尺フィン62の軸線方向Daの中心位置から離れるように傾斜している。つまり、傾斜面63aは、凹凸形状の凹部分が径方向Drの内側に向かうにしたがって広がるように傾斜している。したがって、傾斜面63aは、長尺フィン62を挟んで配置された一組の傾斜面は、異なる方向を向いて傾斜している。
短尺対向面63bは、凸部22を覆う快削材63の径方向Drの内側を向く面である。短尺対向面63bは、軸線方向Daに隣接する傾斜面63aの径方向Drの内側の端部を繋ぐ面である。短尺対向面63bは、短尺フィン61の先端に対して、径方向Drに微小な隙間を設けた位置に形成されている。短尺対向面63bの軸線方向Daの長さは、隣接する短尺フィン61と長尺フィン62との軸線方向Daの長さ以上の大きさで形成されている。つまり、軸線方向Daで隣接する短尺フィン61と長尺フィン62との軸線方向Daの長さは、短尺対向面63bの軸線方向Daの長さ以下となっている。
なお、短尺フィン61と長尺フィン62との軸線方向Daの長さとは、軸線方向Daにおける短尺フィン61の頂面61aの中心位置と、長尺フィン62の頂面62aの中心位置と長さである。
長尺対向面63cは、凹部21を覆う快削材63の径方向Drの内側を向く面である。長尺対向面63cは、軸線方向Daに隣接する傾斜面63aの径方向Drの外側の端部を繋ぐ面である。長尺対向面63cは、長尺フィン62の先端に対して、径方向Drに微小な隙間を設けた位置に形成されている。長尺対向面63cの径方向Drの位置は、凸部22を覆う快削材63の厚みの半分程度の位置に形成されている。長尺対向面63cの軸線方向Daの長さは、短尺フィン61の軸線方向Daの長さ以下の大きさで形成されている。
上記のようなシール装置60では、動翼31の先端面31aに設けられた複数の短尺フィン61及び長尺フィン62が、ハウジング20の内周面を覆う快削材63との間に微小な隙間を形成している。そのため、動翼31の先端面31aとハウジング20の内周面との間の隙間をシールすることができ、この隙間からの軸線方向Daへの漏れを抑えることができる。
また、ハウジング20の内周面が快削材63で覆われている。そのため、短尺フィン61及び長尺フィン62の径方向Drの位置が蒸気タービン100の運転状態に応じて変化した場合であっても、短尺フィン61及び長尺フィン62が損傷することなく快削材63が切削される。その結果、短尺フィン61及び長尺フィン62のそれぞれと、快削材63との間の隙間が広がってしまうことを防ぐことができる。したがって、短尺フィン61及び長尺フィン62の損傷を防ぎながら、高いシール性能を確保することができる。
また、蒸気タービン100が運転されることによってロータ30に熱伸びが生じ、図4に示すように、短尺フィン61及び長尺フィン62の軸線方向Daの位置は変化する。しかしながら、上記のようなシール装置60では、長尺フィン62の先端の頂面62aの径方向Drの位置が、凸部22の径方向Drを向く面と、凸部22を覆う快削材63の短尺対向面63bとの間に配置されている。そのため、短尺フィン61の軸線方向Daの位置が短尺対向面63bの軸線方向Daの位置と重ならない位置までずれそうになった場合に、凸部22を覆う快削材63と長尺フィン62とが接触する。したがって、短尺フィン61の軸線方向Daの位置が凸部22に対して大きくずれてしまっても、削られた快削材63と長尺フィン62とによって、短尺フィン61及び長尺フィン62とハウジング20との隙間が大きくなってしまうことを抑えることができる。これにより、熱伸びによって短尺フィン61の位置がずれてもシール性が低下してしまうことを抑えることができる。
また、長尺フィン62の側面と向かい合う傾斜面63aが、径方向Drの外側から内側に向かうにしたがって長尺フィン62の側面から離れるように傾斜している。そのため、長尺フィン62が軸線方向Daに移動して傾斜面63aと接触した場合の抵抗を低減することができる。したがって、長尺フィン62が軸線方向Daに移動した場合に、凸部22を覆う快削材63を長尺フィン62によって安定して削ることができる。これにより、快削材63と接触している長尺フィン62によって、快削材63との隙間が大きくなってしまうことを安定して抑えることができる。
また、短尺フィン61と長尺フィン62との軸線方向Daの長さが、短尺対向面63bの軸線方向Daの長さ以下とされている。そのため、短尺フィン61の軸線方向Daの位置が短尺対向面63bの軸線方向Daの位置と重ならない位置までずれる前に、凸部22を覆う快削材63の傾斜面63aに対して長尺フィン62を高い精度で接触させることができる。したがって、短尺フィン61の軸線方向Daの位置が大きくずれてしまっても、快削材63と接触している長尺フィン62によって、快削材63との隙間が大きくなってしまうことを高い精度で抑えることができる。これにより、熱伸びによって短尺フィン61の位置がずれてもシール性が低下してしまうことを高い精度で抑えることができる。
また、このようなシール構想を用いた蒸気タービン100によれば、動翼31の先端面31aとハウジング20の内周面との間の隙間のシール性の低下を抑え、漏れ損失を低減させてタービン効率を高めることができる。
《第二実施形態》
次に、図5を参照して第二実施形態のシール装置について説明する。
第二実施形態においては第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。この第二実施形態のシール装置は、長尺フィンの構成について、第一実施形態と相違する。
第二実施形態のシール装置60は、図5に示すように。軸線方向Daに隣接する一対の短尺フィン61の間に複数(本実施形態では二つ)の長尺フィン62Aが配置されている。
長尺フィン62Aは、軸線方向Daの一カ所の凹部21に対応する位置に二つ形成されている。複数の長尺フィン62Aは、動翼31の先端面31aから径方向Drの外側に向かって、同じ長さで、かつ、短尺フィン61よりも長く突出している。なお、第二実施形態における凹部21や凸部22の軸線方向Daの長さは、第一実施形態と同じである。長尺フィン62Aの先端の径方向Drの位置は、凸部22の径方向Drを向く面と、凸部22を覆う快削材63の径方向Drを向く面との間に位置している。第二実施形態の長尺フィン62Aは、一カ所の凹部21に対して二つ設けられている。長尺フィン62Aは、二つを一組として、凹部21の位置に対応して軸線方向Daに離れて複数組配置されている。一組の長尺フィン62Aは、軸線方向Daの両側に配置された二つの短尺フィン61の中間に配置されている。
上記のような第二実施形態のシール装置60によれば、軸線方向Daに隣接する一対の短尺フィン61の間に、一つの凹部21に対して二つの長尺フィン62Aが配置されている。そのため、一つの凹部21に対して一つの長尺フィン62Aを配置した場合に比べて、一つ一つの長尺フィン62Aと快削材63の傾斜面63aとの軸線方向Daの距離を短くすることができる。したがって、長尺フィン62Aが軸線方向Daにずれた場合に、より短い距離で長尺フィン62Aと快削材63とを接触させることができる。これにより、熱伸びによって短尺フィン61の位置がずれてもシール性が低下してしまうことを高い精度で抑えることができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
シール装置60は、蒸気タービン100に限定されるものではない。シール装置60は、例えば、ガスタービンや圧縮機等の回転機械に適用することができる。
また、本実施形態では、快削材63が、長尺フィン62の側面から離れるように傾斜した傾斜面63aを有していたがこれに限定されるものではない。例えば、短尺対向面63bと長尺対向面63cとを繋ぐ面が傾斜しておらず、動翼31の先端面31aに対して垂直な面であってもよい。
100…蒸気タービン Da…軸線方向 Dr…径方向 S…蒸気 10…ケーシング 20…ハウジング 21…凹部 22…凸部 30…ロータ O…軸線 31…動翼 31a…先端面 40…静翼 50…軸受部 60、60A…シール装置 61…短尺フィン 61a…頂面 62、62A…長尺フィン 62a…頂面 63…快削材 63a…傾斜面 63b…短尺対向面 63c…長尺対向面

Claims (5)

  1. 軸線回りに回転するロータの外周面と、該外周面を前記ロータの径方向の外側から覆うステータの内周面との間の隙間をシールするシール装置であって、
    前記ステータの内周面に、前記径方向の内側に突出する凸部と、前記径方向の外側に凹む凹部とが前記軸線の延びる軸線方向に隣接して配置されており、
    前記内周面に設けられて、前記凸部及び前記凹部を覆うように前記凸部及び前記凹部の形状に従った凹凸形状に設けられた快削材と、
    前記軸線方向の前記凸部に対応する位置で、前記ロータの外周面から前記径方向の外側に突出する短尺フィンと、
    前記軸線方向の前記凹部に対応する位置で、前記ロータの外周面から前記径方向の外側に前記短尺フィンよりも突出する長尺フィンと、を備え、
    前記長尺フィンの先端の前記径方向の位置が、前記ステータの凸部の前記径方向を向く面と該凸部を覆う前記快削材の前記径方向を向く面との間に位置しているシール装置。
  2. 前記快削材は、前記軸線方向を含む方向を向いて前記長尺フィンと向かい合う傾斜面を有し、
    前記傾斜面は、前記径方向の外側から内側に向かうにしたがって前記長尺フィンから離れるように傾斜している請求項1に記載のシール装置。
  3. 隣接する前記短尺フィンと前記長尺フィンとの前記軸線方向の長さが、前記短尺フィンの前記径方向の外側を向く面と対向する前記快削材の対向面の前記軸線方向の長さ以下である請求項1又は請求項2に記載のシール装置。
  4. 前記軸線方向に隣接する一対の前記短尺フィンの間に複数の前記長尺フィンが配置されている請求項1又は請求項2に記載のシール装置。
  5. 軸線回りに回転するロータと、
    前記ロータの径方向の外側から覆うステータと、
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシール装置とを備える回転機械。
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