JP2017128778A - 遠心噴霧法粉末製造用ディスク - Google Patents

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Abstract

【課題】高融点の金属粉末製造においても、高速回転に耐えうる強度を有する遠心噴霧法粉末製造用ディスクの提供。【解決手段】この遠心噴霧法粉末を製造するためのディスク10は、炭化物を含み残部がモリブデン及び不可避不純物である合金からなる基板18を備えている。上記炭化物は、上記モリブデンのマトリクス中に分散している。上記炭化物の総個数Nに対する、円相当径が1μm未満である上記炭化物の個数N1の比(N1/N)は、90%以上である。好ましくは、上記比(N1/N)は95%以上である。好ましくは、円相当径が1μm以上の上記炭化物同士の最短距離Lは、10μm以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、遠心噴霧法により出湯温度が400℃以上の金属微粉末の製造に好適な遠心噴霧法粉末を製造するためのディスクに関する。
近年、はんだ用粉末、フィラー用粉末、溶射用粉末、積層造形用粉末等の分野において流動性の高い粉末が求められている。流動性の低い粉末は、この粉末を使用した製品の特性劣化や欠陥の発生の原因となる。
粉末の流動性は、粉末の真球度、粒度分布の幅及びサテライトの有無により変化する。真球度が高く、粒度分布の幅が狭く、サテライトの少ない粉末が流動性の高い粉末となる。粉末の製造方法としては、水噴霧法(水アトマイズ法)、ガス噴霧法(ガスアトマイズ法)及び遠心噴霧法(ディスクアトマイズ法)が知られている。これらの中で遠心噴霧法は、真球度が高く、粒度分布の幅が狭くかつ、サテライトの少ない粉末が得られる特徴がある。この方法は、他の粉末製造方法と比較して流動性の高い粉末が得られる点で優位性がある。
遠心噴霧法による粉末の製造では、溶湯が、出湯ノズルから下部に設置してある遠心噴霧法粉末製造用ディスク(回転ディスクと称される)の中心に滴下される。この溶湯は、回転ディスク上で液状の薄い膜となる。ディスクの回転による遠心力で、この薄い膜がより薄くなり、回転ディスクの先端から微細液滴が飛散する。飛散した液滴が凝固することで粉末が得られる。
遠心噴霧法により金属粉末を製造する場合の鍵となるのが、回転ディスクである。回転ディスクには、溶湯が滴下されるため、この溶湯と反応を起こさず、溶湯の温度でも軟化しない基材が用いられる。また、溶湯を滴下すると回転ディスクには熱応力が発生するため、溶湯の温度よりも高い耐熱衝撃抵抗値を有する基材が用いられる。さらに回転ディスクには、高速回転に耐えうる強度が要求される。
これまで回転ディスクは、一般的には融点が低く出湯温度が低い、具体的には出湯温度が300℃以下で粉末製造が可能な場合に適用されてきた。その用途は低融点はんだの粉末製造が主であった。高い出湯温度を必要とする融点の高い金属粉末に対しては、上に記した特性を満たす回転ディスクの作製が容易ではないためである。そこで、融点が高い金属の粉末製造に適用可能な回転ディスクについて、様々な検討がなされている。
特開2013−119663公報には、炭化物分散型のモリブデン合金から構成される回転ディスクを用いた銀(Ag)の粉末の製造の検討例が開示されている。
特開2005−298299公報には、窒化珪素質の回転ディスクを用いた銅(Cu)の粉末の製造の検討例が開示されている。
特開2009−62573公報には、耐熱性を有し且つ熱伝導性がセラミックスよりも良好な基材からなるディスク(基材ディスクと称される)と、この基材ディスクの上面を被覆するセラミックス薄膜とからなる回転ディスクが開示されている。
特開2012−117115公報には、耐熱衝撃抵抗値が710℃以上であり、熱伝導率が100W/m・K以下の材質で構成されていることを特徴とする回転ディスクが開示されている。
特開昭59−133303公報には、純鉄の融点である1535℃まで耐えうる回転ディスクが提案されている。
特開平07−145408公報に記載の回転ディスクでは、耐熱性に優れる金属の薄板が、回転円盤として用いられている。これを回転円盤の受台へ設置するにあたり、この円盤と受台との間に空間を設けること、あるいは、この円盤と受台との間にセラミックス等の低熱伝導率の物質を介在させることが、提案されている。
特開2013−119663公報 特開2005−298299公報 特開2009−62573公報 特開2012−117115公報 特開昭59−133303公報 特開平07−145408公報
特開2013−119663公報に記載の回転ディスクを本発明者が試したところ、Agの粉末製造は可能であった。しかし、この回転ディスクは、Agよりも融点の高い合金の粉末製造用としては軟化抵抗が十分ではない。本発明者が上記公報に記載の回転ディスクでFe基合金の粉末製造を試みたところ、回転ディスクが軟化し、回転ディスクの形状が保てなかった。また、Agの粉末製造においても、微粉化目的で出湯温度を上昇させる場合、軟化抵抗が十分ではない可能性がある。
特開2005−298299公報に記載の回転ディスクは、耐熱衝撃抵抗値が十分ではない。本発明者が微粉化目的で溶湯温度を1250℃以上にすると、耐熱衝撃抵抗値が不十分であることが原因で、回転ディスクが破損した。
特開2009−62573公報に記載のセラミック薄膜は1×10μm以下1×10−1μm以上と薄い。この公報に記載された基材であるグラファイト又はボロンナイトライドの気孔率は、一般に10〜20体積%である。これらをディスク基材として用いた場合、ディスク上面に存在する気孔上に薄膜が形成されないため、コーティング膜に欠陥が生じる。基材と溶湯が反応する場合、欠陥部分において溶湯と基材が反応しディスクが破損することが起こりうる。
上記特開2012−117115公報に記載の回転ディスクでは、回転に対する強度が十分ではない。この回転ディスクで本発明者が粉末製造を試みたところ、ディスクの回転速度が60000rpmより大きくなるとディスクの強度が足らず、ディスクが破損した。また、熱伝導率が100W/m・K以下との制約のため、回転ディスクの強度不足を解消しようとする場合、使用できる材質が限定される懸念がある。
上記特開昭59−133303公報の回転ディスクでは、ディスク内に設けられたキャビティ内に冷却流体を循環あるいは衝突させる。この構造は複雑であるため、このディスクの小型化は困難である。このため、このディスクは、粉末の微粉化を目的とした高速回転用としては不向きである。実際、この公報には、このディスクの回転速度は最大で35000rpmと記載されている。本発明者がこのディスクを試したところ、回転速度は35000rpmが限界であった。
上記特開平07−145408公報に記載の回転ディスクでは、溶湯温度が高くなり、かつディスク回転速度が上がると、セラミックスと金属との熱膨張係数の差が、ディスクの耐久性や高速回転時の特性に影響を与えることが懸念される。しかしこの回転ディスクでは、溶湯温度が1000℃を超えるアトマイズ、あるいはディスク回転速度が18000rpmを超えるアトマイズについての検討はなされていない。
本発明の目的は、高い融点を有する金属粉末製造においても、高速回転に耐えうる強度を有する回転ディスクを提供することである。
本発明に係る遠心噴霧法粉末を製造するためのディスクは、炭化物を含み残部がモリブデン及び不可避不純物である合金からなる基板を備えている。上記炭化物は、上記モリブデンのマトリクス中に分散している。上記炭化物の総個数Nに対する、円相当径が1μm未満である上記炭化物の個数N1の比(N1/N)は、90%以上である。
好ましくは、上記比(N1/N)は95%以上である。
好ましくは、円相当径が1μm以上の上記炭化物同士の最短距離Lは、10μm以上である。
好ましくは、上記炭化物は、Tiの炭化物、Zrの炭化物及びHfの炭化物のうち、少なくとも一種を含む。
好ましくは、上記モリブデンの平均結晶粒径Dlaveは50μm以下である。
このディスクが、上記基板の上面を被覆するセラミックス膜をさらに備えていてもよい。好ましくは、上記セラミックス膜の厚さCtは100μm以上500μm以下であり、
上記基板の上面の表面粗さRzの値Brに対する、上記厚さCtの比(Ct/Br)は1.0より大きく10より小さい。
好ましくは、上記基板の熱伝導率Bhに対する上記セラミックスの熱伝導率Chの比(Ch/Bh)は、0.001より大きく1.0より小さい。
好ましくは、上記基材の熱膨張係数Beに対する上記セラミックスの熱膨張係数Ceの比(Ce/Be)は、1.0より大きく3.0より小さい。
本発明に係る遠心噴霧法粉末を製造するためのディスクの基板では、モリブデンのマトリクス中に炭化物が分散している。モリブデンは、グラファイト等の他の高融点の材料よりも高強度及び高靱性である。この回転ディスクは、高速回転に耐えうる強度を有する。また、この基板では、分散した炭化物のうち、円相当径が1μm未満の炭化物の個数N1は、炭化物の全個数Nの90.0%以上である。円相当径が1μm未満の炭化物は、高温状態においても、モリブデンの結晶の成長を効果的に抑制する。この回転ディスクでは、モリブデンの再結晶化が効果的に抑えられている。このため、アトマイズ中においても、回転ディスクの軟化抵抗の低下が抑制される。この回転ディスクでは、高い融点を有する金属粉末製造においても、高速回転に耐えうる強度が維持されている。この回転ディスクは、400℃以上の融点を有する金属微粉末の製造に好適である。
図1は、本発明の一実施形態に係る、遠心噴霧法粉末製造用のディスクを用いた遠心噴霧装置の構成を示す概念図である。 図2は、図1のディスクが示された拡大図である。 図3は、本発明の他の実施形態に係る遠心噴霧法粉末製造用のディスクが示された拡大断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る遠心噴霧法粉末製造用ディスクを用いた、遠心噴霧装置2の構成を示す概念図である。この遠心噴霧装置2は、チャンバー4、ルツボ6、出湯ノズル8、ストッパー9、遠心噴霧法粉末製造用のディスク10(回転ディスク10)、モーター12、熱電対14及び加熱コイル15を備えている。
この遠心噴霧装置2を用いた粉末の製造方法は次の通りである。出湯ノズル8が閉じた状態で、金属原料がルツボ6に入れられる。この金属材料は、加熱コイル15で高周波誘導加熱により加熱され、溶融金属である溶湯16となる。適切な温度に加熱できるように、熱電対14にて溶湯16の温度が測温される。モーター12が稼働され、回転ディスク10が回転する。ストッパー9を上方に移動させることで出湯ノズル8に溶湯16が流れ込む。これにより、溶湯16が回転ディスク10上に滴下される。滴下された溶湯16は、回転ディスク10上で液状の薄い膜となる。回転するディスク10による遠心力で、この薄い膜がより薄くなり、回転ディスク10先端から微細液滴が飛散する。この微細液滴が凝固して球状の粉末ができる。できた粉末は、チャンバー4内から回収される。
図2は、図1の回転ディスク10の拡大図である。回転ディスク10は、正面視においてT字状である。この回転ディスク10は基板18と軸20とを備えている。基板18は円盤状である。基板18の上面に、溶湯16が滴下される。軸20はモーター12と接続されている。基板18と軸20とは同じ材質である。基板18と軸20とは一体として形成されている。
基板18は炭化物を含む。その残部は、モリブデン及び不可避不純物の合金からなる。モリブデンは融点が2623℃と高い。この回転ディスク10は、高い融点を有する金属粉末の製造に適用できる。さらにモリブデンは、同様に融点の高い材料であるグラファイトより高強度、高靭性である。この回転ディスク10は、高速回転に耐えうる強度を有する。この回転ディスク10は、回転速度150000rpmでの使用に耐えうる強度を有する。
溶湯16が滴下される回転ディスク10は高温となる。金属が高温になると、再結晶化により、強度が著しく低下することが起こる。比較的低い温度では高い強度を有している回転ディスク10でも、高い融点を有する金属粉末の製造時には、強度不足となることが起こりうる。
この回転ディスク10では、炭化物がモリブデンのマトリクス中に分散している。この分散した炭化物のうち、円相当径が1μm未満の炭化物の個数N1の、炭化物の全個数Nに対する比(N1/N)は90.0%以上である。円相当径が1μm未満の炭化物は、高温状態においても、モリブデンの結晶の成長を効果的に抑制する。比(N1/N)を90.0%以上とすることで、この回転ディスク10では、モリブデンの再結晶化が効果的に抑えられている。具体的には、この実施形態の回転ディスク10では、再結晶化温度は1400℃以上となる。この回転ディスク10では、1400℃の高温状態においても、回転速度150000rpmでの使用に耐えうる強度が維持されている。
ここでは、炭化物の円相当径、個数N1及び全個数Nは、基板18の断面において計測される。基板18がその中心点を通る任意の線で、半円盤状の2つの部分に分割される。一方の部分の断面において、任意の箇所について顕微鏡を用いて縦30μm、横40μmの領域が拡大撮影される。この撮影された領域内に存在する炭化物の断面の円相当径が、炭化物の円相当径とされる。ここで断面の円相当径とは、この断面と同じ面積を有する円の直径である。この領域内に存在する炭化物の全断面数が、全個数Nとされる。この領域内に存在する円相当径が1μm未満の断面の数が、個数N1とされる。円相当径、個数N1及び全個数Nは、上記の断面を拡大撮影し、この画像を計算機で解析して算出する。
比(N1/N)は95.0以上%がより好ましい。比(N1/N)を95%以上とすることで、モリブデンの再結晶化がより効果的に抑えられている。この観点から、比(N1/N)は97%がさらに好ましく、100%が最も好ましい。
円相当径が1μm以上の炭化物間の距離のうち最も短い距離(最短距離)Lは、10μm以上が好ましい。円相当径が1μm以上の炭化物同士の距離が近いと、炭化物による結晶の成長の抑制効果が小さくなる。これは、再結晶化温度の低下の要因となる。これは、回転ディスク10の中心近辺における亀裂を招来する。最短距離Lを10μm以上とすることで、モリブデンの再結晶化が効果的に抑えられる。この観点から、最短距離Lは50μm以上がより好ましい。
最短距離Lは、前述の円相当径、個数N1及び全個数Nを測定した領域において計測される。この領域において、円相当径が1μm以上の炭化物の断面について、その輪郭間の隙間が計測される。この最小値が最小距離Lとされる。これは、基板18の断面を拡大撮影し、この画像を計算機で解析して算出される。
回転ディスク10の炭化物は、Tiの炭化物、Zrの炭化物及びHfの炭化物のうち、少なくとも一種を含むのが好ましい。発明者らは、炭化物を形成する元素と再結晶化温度との関係を詳細に調査した。その結果、Ti、Zr及びHfのいずれかの炭化物を含ませることで、再結晶化温度低下の抑制効果が高くできることを見出した。これらの炭化物のうち少なくとも一種を含むことで、モリブデンの再結晶化が効果的に抑えられる。この回転ディスク10では、アトマイズ中にディスク10が高温状態となっても高い強度が維持される。この回転ディスク10は、高温状態においても、回転速度150000rpmでの使用に耐えうる。
炭化物を構成する金属元素を同定する方法としては、エネルギー分散型X線分析が挙げられる。これは、炭化物に電子線を照射した際に発生するX線をエネルギー分散型分析装置で分析するものである。この方法によれば、炭素、Ti、Zr及びHfの検出が可能である。このほかの分析装置を用いて炭化物を構成する金属元素を同定してもよい。
この回転ディスク10では、モリブデンの平均結晶粒径Dlaveは50μm以下が好ましい。金属粉末の量産時には、回転ディスク10に15分以上連続して溶湯16が滴下されることがある。モリブデンの平均結晶粒径Dlaveが大きいと、長時間高温状態が続くことにより、最も高温となる回転ディスク10の中心部において、亀裂を生じる場合がある。モリブデンの平均結晶粒径Dlaveを50μm以下とすることで、長時間連続して金属粉末を製造した場合においても、回転ディスク10の損傷が防止される。
平均結晶粒径Dlaveは、前述の円相当径、個数N1及び全個数Nを測定した領域において計測される。この領域において、モリブデンの結晶の断面の円相当径が計測される。これらの平均が平均結晶粒径Dlaveとされる。これは、基板18の断面を拡大撮影し、この画像を計算機で解析して算出される。
基板18の上面の表面粗さRzの値Crは、1μm以下が好ましい。値Crを1μm以下とすることで、ウェンゼル(Wenzel)の効果が作用することが抑えられる。これにより、濡れ性の低下が抑制される。
モリブデンに対する炭化物の比は、原子数比で0.01%以上2.0%以下が好ましい。この比を0.01%以上2.0%以下とすることで、モリブデンの再結晶化が効果的に抑えられる。この観点から、この比は0.05%以上1.5%以下がより好ましい。
図3は、本発明の他の実施形態に係る回転ディスク22が示された拡大断面図である。この回転ディスク22は基板24と軸26とに加え、セラミックス膜28をさらに備えている。この実施形態の基板24及び軸26は、それぞれ図2の回転ディスク10の基板18及び軸20と同じである。
セラミックス膜28は、基板24の上面を覆っている。溶湯16は、このセラミックス膜28に滴下される。粉末を製造する金属に対して良好な濡れ性を有するセラミックスを材料として選択することで、溶湯16との高い濡れ性を有する回転ディスク22が実現できる。これにより、より粒径の小さな粉末の製造が可能となる。さらに、このセラミックス膜28は基板24を保護する。このセラミックス膜28は、基板24と溶湯16とが触れることを防止する。基板24と溶湯16とが反応を起こす場合においても、金属粉末の製造が可能となる。
セラミックス膜28を被覆する方法は、めっき法、溶射法、物理蒸着法、化学蒸着法、ゾルゲル法、ゾルゲル電気泳動電着法等が挙げられる。そのほか、基材ディスク22上にセラミックス粒子を焼結させて膜を形成しても良い。この場合、セラミックス粒子中に焼結助剤を添加してもよい。
セラミックス膜28の厚さCtは100μm以上が好ましく、500μm以下が好ましい。厚さCtを100μm以上とすることで、回転ディスク22に気孔が存在していても、セラミックス膜28に欠陥が生じることが防止されている。厚さCtを500μm以下とすることで、セラミックス膜28の自重とディスク22回転時に発生する遠心力とにより、この膜に亀裂が生じることが抑制されている。
図3の拡大図に示されるとおり、セラミックス膜28が被せられる基板24の上面は、粗面処理が施されている。ここでセラミックス膜28の厚さCtとは、基板24の上面の最も高い位置から、セラミックス膜28上面までの厚さである。セラミックス膜28の厚さCtは、セラミックス膜28の製膜前後のディスク22の厚さを測定し、この差から算出する。
基板24上面の表面粗さRzの値をBrとすると、この回転ディスク22では、この値Brに対するセラミックス膜28の厚さCtの比(Ct/Br)は、1.0より大きいのが好ましく、10より小さいのが好ましい。
比(Ct/Br)を10より小さくすることで、基板24の凹凸がセラミック膜の剥離を防止する。回転ディスク22が高速で回転しても、上記の膜厚を有するセラミックス膜28の剥離が防止される。このセラミックス膜28は、回転ディスク22が高速で回転しても剥離しない。具体的には回転ディスク22が150000rpmで回転してもこの膜は剥離しない。剥離防止の観点から比(Ct/Br)は、8.0より小さいのがより好ましい。
比(Ct/Br)を1.0より大きくすることで、基板24上面の凹凸により、セラミックス膜28に欠陥が生じることが防止される。この凹凸が熱膨張しても、基板24は、その上面全体がセラミックス膜28に被覆されている。欠陥防止の観点から比(Ct/Br)は、2.0より大きいのがより好ましい。
この発明では、表面粗さRzはJIS B 0601に規定された最大高さ粗さを意味している。この表面粗さRzの測定方法は以下の通りである。先端が鋭利な触針をJIS−B−0601に準拠した条件で走査させて粗さ曲線を作成する。この走査は、表面の任意の位置において、2mmの長さにわたってなされる。次に粗さ曲線の最大値及び最小値を読み取りその差を表面粗さRzとする。
前述のとおり、回転ディスク22は高温となる。回転ディスク22の熱がモーター12に流入して、モーター12が損傷することが起こりうる。特開2012−117115公報に記載の回転ディスク22では、これを熱伝導率が100W/m・K以下の材質で構成することで、モーター12に流入する熱を抑制している。しかし、熱伝導率が100W/m・K以下との制約により、使用できる材質は限定される。モリブデン合金を材質として選択した場合、熱伝導率100W/m・K以下を達成するのは困難である。モーター12への熱の流入を抑制する他の方法として、回転ディスク22の上面を冷却ガスで冷却する方法がある。しかし、冷却ガスでの回転ディスク22の冷却は、回転ディスク22上面を流れる溶湯16の凝固を招く。これは、フレークの粉末を発生させる要因となる。
発明者らは、セラミック膜の熱伝導率Chを適切に調整することで、回転ディスク22からモーター12に流入する熱を抑制できることを見出した。セラミックスの熱伝導率Chの、回転ディスク22の熱伝導率Bhに対する比(Ch/Bh)は、0.001より大きく1より小さいのが好ましい。比(Ch/Bh)を0.001より大きく1より小さくすることで、モーター12への熱の流入が効果的に抑制できる。これにより、モリブデン合金を材質とした回転ディスク22においても、冷却ガスを使用することなく、モーター12の損傷が抑えられる。この観点から、比(Ch/Bh)は0.01より大きく0.5より小さいのがより好ましい。
ここでは、熱伝導率は温度傾斜法で測定される。温度傾斜法は、試料板の片面を加熱しその反対側の面を冷却することで試料板の厚み方向に定常状態の温度勾配を設け、この温度勾配で運ばれる熱量と、温度勾配でできた温度差との比から熱伝導率を算出する方法である。
上記の比(Ch/Bh)の制約を満たすことが可能なセラミックスが、被覆膜の材料として選択されるのが好ましい。モリブデン合金を材質とした回転ディスク22では、適切なセラミックスとして、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア等が挙げられる。また、ジルコニアとイットリアを8mol%混合した安定化ジルコニアのように、2種類以上のセラミックスを混合したセラミックスが使用されてもよい。このセラミックスについても、上記の比(Ch/Bh)の制約を満たすよう作製されていればよい。これらのセラミックスは、回転ディスク22に好適に使用できる。
回転ディスク22基板24の熱膨張係数をBe、セラミックス膜28の熱膨張係数をCeとしたとき、熱膨張係数Beに対する熱膨張係数Ceの比(Ce/Be)は、1.0より大きいことが好ましい。比(Ce/Be)を1.0より大きくすることで、熱応力が原因でセラミックス膜28に極端な引張応力が生じることが抑えられる。この引張応力による亀裂の発生が抑止できる。これにより、この亀裂から溶湯16が進入し基材と反応すること、及びこの亀裂による濡れ性の低下が防止できる。
比(Ce/Be)は3.0より小さいことが好ましい。比(Ce/Be)を3.0より小さくすることで、熱応力が原因でセラミックス膜28に極端な圧縮応力が生じることが抑えられる。この圧縮応力によるセラミックス膜28の剥離が抑止できる。これにより、この剥離部分から溶湯16が進入し基材と反応すること、及びこの剥離による濡れ性の低下が防止できる。
本発明では、熱膨張率はJIS−Z−2285に記載された方法で測定される。
セラミックス膜28の気孔率は20体積%以下が好ましい。気孔率を20体積%以下とすることで、カッシーバクスター(Cassie−Baxter)の効果が作用することが抑えられる。これにより、濡れ性の低下が抑制される。
セラミックス膜28の気孔率は、作製した回転ディスク22の断面写真を10視野撮影することで得られた膜中に存在する気孔の面積から算出される。
セラミックス膜28の上面の表面粗さRzの値Crは、1μm以下が好ましい。値Crを1μm以下とすることで、ウェンゼル(Wenzel)の効果が作用することが抑えられる。これにより、濡れ性の低下が抑制される。
この発明に係る回転ディスク22で製造した金属粉末は、はんだ用粉末、フィラー用粉末、溶射用粉末、ショット用粉末、積層造形用粉末等の分野で利用可能である。具体的な金属として、Sn―50Cu(mass%)、Sn−80Ag−0.5In(mass%)、Au−50Sn(mass%)、Fe−8Cr−6.5B(mass%)、Ag、Cu、SUS304L、SUS316L、AlloyC276等が挙げられる。各金属に対し、良好な濡れ性を有するセラミックスが選択される。これを前述の各条件を満たすように被覆させた回転ディスク22を使用することで、これらの金属の粉末製造が可能となる。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実験1]
図2の実施形態の回転ディスクを用いて金属粉末を作製した。
[モリブデン合金の準備]
粒度を調整したモリブデン粉末及び粒度を調整した炭化物を混合し、熱間等方加圧法(HIP)にて円柱状のモリブデン合金を作製した。炭化物の組成、粒径及びモリブデンの粒径を変えて、複数の合金が作製された。
[回転ディスクの作製]
上記のモリブデン合金から、基板の径が60mm、厚さが2mmの回転ディスクが作製された。基板の表面に研磨処理を施した。作製された回転ディスクの諸元が、表1及び2に示されている。
[粉末を作製する金属]
ディスクアトマイズ法で、Sn―50mass%Cu(融点=690℃)、Sn−80mass%Ag−0.5mass%In(融点=730℃)純Ag(融点=960℃)、純Cu(融点=1083℃)、Ag−28mass%Cu(融点780℃)、Ag−30mass%Zn(融点=940℃)の粉末の作製を試みた。これらの粉末の製作において、各金属をその融点から300℃高い温度まで昇温した。すなわち、Sn―50mass%Cuで990℃、Sn−80Ag−0.5Inで1030℃、純Agで1260℃、純Cuで1383℃、Ag−28mass%Cuで1080℃、Cu−30mass%Znで1240℃まで昇温した。
[評価方法]
[回転ディスク破損]
回転ディスクを使用して、遠心噴霧法で粉末の作製を試みた。出湯ノズルの直径は4mmである。粉末を作製する金属各々について、溶湯の量は溶解量50kg、ディスク回転速度は130000rpm、出湯温度は上記の通り融点より300℃高い温度とした。粉末が作製される途中で、回転ディスク破損の発生の有無が確認された。
[平均粒径]
回転ディスク破損試験で、回転ディスク破損が発生せず、粉末が得られたものについて、その粉末の平均粒径を評価した。粉末の平均粒径の測定方法には、レーザー回折法が用いられた。
[総合評価]
粉末の製造結果をもとに、回転ディスクについて以下の格付けを行った。
A1:粉末が作製でき、その粉末の平均粒径が30μm以下。
B1:粉末が作製でき、その粉末の平均粒径が30μmより大きい。
C1:粉末が作製できたが、ディスクに亀裂が発生、継続利用が困難と判断。
F1:ディスクがアトマイズ中に破損し実験を中止。
A1、B1、C1、F1の順に良好である。
[評価結果]
[実施例6−15]
実施例6−15では、下記の条件の回転ディスクが使用された。
(1)比(N1/N):95.0%以上
(2)最短距離L:10μm以上
(3)炭化物の組成:Ti、Zr、Hfの炭化物の少なくとも一種を含む。
(4)平均結晶粒径Dlave:50μm以下
この結果が表1に示されている。なお、表において、N12は、円相当径が1μm以上の炭化物の個数である。以降の表においても同じである。
[実施例1−5]
実施例1−5では、下記の条件の回転ディスクが使用された。
(1)比(N1/N):90.0%以上95.0%未満
その他の条件は、上記実施例6−15と同じである。この結果が表1に示されている。
[実施例16−20]
実施例16−20では、下記の条件の回転ディスクが使用された。
(2)最短距離L:10μm未満
その他の条件は、上記実施例6−15と同じである。この結果が表1に示されている。
[実施例21−25]
実施例21−25では、下記の条件の回転ディスクが使用された。
(3)炭化物の組成:Ti、Zr、Hfの炭化物のいずれも含まない。
その他の条件は、上記実施例6−15と同じである。この結果が表1に示されている。
[実施例25−30]
実施例21−25では、下記の条件の回転ディスクが使用された。
(4)平均結晶粒径Dlave:50μmより大
その他の条件は、上記実施例6−15と同じである。この結果が表1に示されている。
[比較例1−5]
比較例1−5では、下記の条件の回転ディスクが使用された。
(1)比(N1/N):90.0%未満
その他の条件は、上記実施例6−15と同じである。この結果が表2に示されている。
Figure 2017128778
Figure 2017128778
[実験2]
図3の実施形態の回転ディスクを用いて金属粉末を作製した。
[モリブデン合金の準備]
粒度調整したモリブデン粉末及び粒度調整した炭化物を混合し、熱間等方加圧法(HIP)にて円柱状のモリブデン合金を作製した。炭化物の組成、粒径及びモリブデンの粒径を変えて、複数の合金が作製された。
[回転ディスクの作製]
上記のモリブデン合金から、径が60mm、厚さが2mmである基板と軸とからなる基材ディスクが作製された。この基板の上面に、粗面処理を行い、この上面にセラミックス膜を被覆させて回転ディスクを製作した。セラミックス膜は、セラミックスと焼結助剤を添加したものを基板上面に塗布し焼結させることで形成した。セラミックス膜を形成後、その上面に研磨処理を施した。セラミックス膜上面の表面粗さRzの値Crが1μm以下となるよう研磨処理が施された。作製された回転ディスクの諸元が、表3−8に示されている。
[粉末を作製する金属]
粉末を作製する金属は、鉄基のSUS316L(融点=1396℃)、マルエージング鋼(融点=1430℃)、Ni基のAlloyC276(融点=1390℃)、Alloy718(融点=1400℃)、Co基のCo−28mass%Cr−6mass%Mo合金(融点=1440℃)およびAlloyNo.6(融点=1290℃)とした。各合金をその融点から50℃高い温度まで昇温した。すなわちSUS316Lで1446℃、マルエージング鋼で1480℃、AlloyC276で1440℃、Alloy718で1450℃、Co−28mass%Cr−6mass%Mo合金で1490℃、AlloyNo.6で1340℃まで加熱した。なお、セラミックス材料は、上記の金属に対して良好な漏れ性を有するものが選択されている。
[評価方法]
[被膜剥離]
製作した回転ディスクをそのままモーターに設置し、回転速度150000rpmにて10分間回転させた。その後回転を止めてセラミックス膜の剥離の有無を目視にて確認した。セラミックス膜の剥離が発生していない場合が「OK」、それ以外が「NG」とされた。
[回転ディスク破損]
上記被膜剥離試験にて問題のなかった回転ディスクを使用して、遠心噴霧法で粉末の作製を試みた。出湯ノズルの直径は4mmである。粉末を作製する金属各々について、溶湯の量は溶解量50kg、ディスク回転速度は150000rpm、出湯温度は上記のとおり融点より50℃高い温度とした。粉末が作製される途中で、回転ディスク破損の発生の有無が確認された。回転ディスク破損が発生しなければ「OK」、それ以外が「NG」とされた。
[モーター温度上昇]
遠心噴霧装置のモーターの軸に熱電対を接触させ、モーターへの熱流入を確認した。モーターの軸に使用している金属の軟化温度である500℃以下を保持した場合は「OK」、それ以外は粉末製造を途中中止し「NG」とされた。
[平均粒径]
上記回転ディスク破損試験で、回転ディスク破損が発生せず、粉末が得られたものについて、その粉末の平均粒径を評価した。粉末の平均粒径の測定方法には、レーザー回折法が用いられた。
[総合評価]
上記評価結果をもとに、回転ディスクについて以下の格付けを行った。
A2:粉末が作製でき、その粉末の平均粒径が30μm以下。
B2:粉末が作製でき、その粉末の平均粒径が30μmより大きい。
C2:粉末が作成できたが、ディスクに亀裂が発生、継続利用が困難と判断。
D2:アトマイズ中にモーターの軸部温度が上昇し中止。
E2:基板上へのセラミックス膜の被覆率は100%であったが、150000rpm回転時に被膜が剥離し遠心噴霧での実験は中止。
F2:アトマイズ開始直後にディスクが破損し中止。
A2、B2、C2、D2、E2、F2の順に良好である。
[評価結果]
表3及び4はSUS316L粉末およびマルエージング鋼粉末の作製結果である。表の「合金」の列で、「SUS」はSUS316Lを表す。「MA」はマルエージング鋼を表す。表5及び6は、はAlloyC276粉末およびAlloy718粉末の作製結果である。表の「合金」の列で、「AC276」はAlloyC276を表す。「A718」はAlloy718を表す。表7及び8は、Co−28mass%Cr−6mass%Mo合金粉末およびAlloyNo.6粉末の作製結果である。表の「合金」の列で、「CCrMo」はCo−28mass%Cr−6mass%Moを表す。「A6」はAlloyNo.6を表す。
[実施例41−54、79−92及び117−130]
実施例41−54、79−92及び117−130では、下記の条件の回転ディスクが使用された。
(1)比(N1/N):95.0%以上
(2)最短距離L:10μm以上
(3)炭化物の組成:Ti、Zr、Hfの炭化物の少なくとも一種を含む。
(4)平均結晶粒径Dlave:50μm以下
この結果が表3、5及び7に示されている。
[実施例31−40、69−78及び107−116]
実施例31−40、69−78及び107−116では、下記の条件の回転ディスクが使用された。
(1)比(N1/N):90.0%以上95.0%未満
その他の条件は、上記実施例41−54、79−92及び117−130と同じである。
この結果が表3、5及び7に示されている。
[実施例55−58、93−96及び131−134]
実施例55−58、93−96及び131−134では、下記の条件の回転ディスクが使用された。
(2)最短距離L:10μm未満
その他の条件は、上記実施例41−54、79−92及び117−130と同じである。この結果が表3、5及び7に示されている。
[実施例59−60、97−98及び135−136]
実施例59−60、97−98及び135−136では、下記の条件の回転ディスクが使用された。
(3)炭化物の組成:Ti、Zr、Hfの炭化物のいずれも含まない。
その他の条件は、上記実施例41−54、79−92及び117−130と同じである。この結果が表3、5及び7に示されている。
[実施例61−68、99−106及び137−144]
実施例61−68、99−106及び137−144では、下記の条件の回転ディスクが使用された。
(4)平均結晶粒径Dlave:50μmより大
その他の条件は、上記実施例41−54、79−92及び117−130と同じである。この結果が表4及び5−8に示されている。
[比較例6−20]
比較例6−20では、下記の条件の回転ディスクが使用された。
(1)比(N1/N):90.0%未満
その他の条件は、上記実施例41−54、79−92及び117−130と同じである。この評価結果が表4、6及び8に示されている。
Figure 2017128778
Figure 2017128778
Figure 2017128778
Figure 2017128778
Figure 2017128778
Figure 2017128778
表1−8に示された評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明された回転ディスクは、遠心噴霧法による種々の粉末製造にも適用されうる。
2・・・遠心噴霧装置
4・・・チャンバー
6・・・ルツボ
8・・・出湯ノズル
9・・・ストッパー
10、22・・・回転ディスク
12・・・モーター
14・・・熱電対
15・・・加熱コイル
16・・・溶湯
18、24・・・基板
20、26・・・軸
28・・・セラミックス膜

Claims (8)

  1. 炭化物を含み残部がモリブデン及び不可避不純物である合金からなる基板を備えており、
    上記炭化物が、上記モリブデンのマトリクス中に分散しており、
    上記炭化物の総個数Nに対する、円相当径が1μm未満である上記炭化物の個数N1の比(N1/N)が、90%以上である遠心噴霧法粉末を製造するためのディスク。
  2. 上記比(N1/N)が95%以上である請求項1に記載のディスク。
  3. 円相当径が1μm以上の上記炭化物同士の最短距離Lが10μm以上である請求項1又は2に記載のディスク。
  4. 上記炭化物が、Tiの炭化物、Zrの炭化物及びHfの炭化物のうち、少なくとも一種を含む請求項1から3のいずれかに記載のディスク。
  5. 上記モリブデンの平均結晶粒径Dlaveが50μm以下である請求項1から4のいずれかに記載のディスク。
  6. 上記基板の上面を被覆するセラミックス膜をさらに備えており、
    上記セラミックス膜の厚さCtが100μm以上500μm以下であり、
    上記基板の上面の表面粗さRzの値Brに対する、上記厚さCtの比(Ct/Br)が1.0より大きく10より小さい請求項1から5のいずれかに記載のディスク。
  7. 上記基板の熱伝導率Bhに対する上記セラミックスの熱伝導率Chの比(Ch/Bh)が0.001より大きく1.0より小さい請求項1から6のいずれかに記載のディスク。
  8. 上記基材の熱膨張係数Beに対する上記セラミックスの熱膨張係数Ceの比(Ce/Be)が1.0より大きく3.0より小さい請求項1から7のいずれかに記載のディスク。
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