JP2017126699A - 太陽光発電モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】微少な水滴が表面に残留することが少なく、速やかに水滴を排除できる被膜を簡便かつ安価な方法で形成でき、性能劣化の主原因となるPIDや、スネイルトレイルとこれに随伴する不具合の発生を抑制することが可能な太陽光発電モジュールを提供する。
【解決手段】太陽光発電モジュールは、外周フレーム11と、透明基板12と、封止材13と、セル14と、インターコネクタ15と、バックシート16の機能部材を有しており、機能部材は、1種または2種以上のベース樹脂と、OH基を2個以上含む含フッ素アルコール系化合物を含有する撥水性の表面改質物質の被膜で覆われている。
【選択図】図1

Description

本発明は、屋外などに設置する際に著しい性能低下を引き起こすPID現象等を抑制し、安定して高出力を得ることが可能な透明性かつ撥水性組成物を表面改質塗膜として用いてなる太陽光発電モジュールに関する。
地球温暖化対策として自然エネルギーの利用が注目されている。その選択肢のひとつである太陽電池には、高変換効率、高耐候性、低コストが望まれており、特に発電機能の中核である太陽電池モジュール(あるいは太陽光発電モジュール)には、高い変換効率を維持しつつ長期安定的に使用できることが求められている。
ところで、近年産業用途などにおいて、多数のモジュールを直列接続して運転するなど、太陽光発電モジュールを高電圧で運転するケースが増えている。しかし、このような高電圧で太陽光発電モジュールを運転すると、構成部材である稼働フレームとモジュール間に高い電位差が生じ、発電能力が著しく減衰するPID(Potential Induced Degradation)と呼ばれる現象が起こることが分かっている。得られた電気の利用効率を上げるために、今後も太陽電池の運転電圧は高くなる傾向あり、より高い電圧で運転してもPIDを起こさない太陽光発電モジュールの設計が求められている。
PIDの生じる原因として、例えば”旭硝子株式会社、PV JAPAN 2013 部材関連専門セミナー資料、2013年”(非特許文献1)では、発電モジュール内への水の侵入や透明基板部材として使用されるカバーガラス中のナトリウムイオンの移動により惹起されることが指摘されている。このPIDを防止するために、特開2014−11270号公報(特許文献1)に記載されているような絶縁性の高いセル封止材の使用や、特開2011−254116号公報(特許文献2)や、特開2013−254993号公報(特許文献3)に記載されているようなガラス中のナトリウムイオンのセルへの移動抑制など、種々の対策が提案されているが、根本的な解決には至っていない。
さらに、”P.Pengほか、RSC Advances、2巻、113599-11365ページ、2012年”(非特許文献2)等では、スネイルトレイル(Snail Trail)(スネイルトラック(Snail Track)とも表記される)と呼ばれる不具合も報告されている。スネイルトレイルとは、主に発電セルと封止材の界面に発生し、“カタツムリが這った様な痕跡”を生じる現象である。スネイルトレイルは、セルのシリコンウェハーに微少なクラックが生じることで形成され、水、酸素、二酸化炭素が関与していると考えられている。
また、"S.Richterほか、Proceedings of 27th European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition、2012"(非特許文献3)では、スネイルトレイルが生じた部分は黒色や灰色に変色しており、それら変色域には、ナノ粒子化したAg等の電極成分のほかに硫黄、リンあるいは塩素が観測されている。また、スネイルトレイルと、これに付随して起こる不具合では、電極やハンダの腐食、剥離などの劣化によるものも一因として挙げられている。これらの不具合は、モジュールの中への水分の侵入や、EVA等の封止材の加水分解により生じた酢酸が原因であると考えられている。そして、これらの不具合もPIDと同様に太陽電池の信頼性を著しく低下させる要因となるが、根本的な解決が困難であり、早急な対策が必要とされている。
特開2001−60701号公報(特許文献4)には、太陽電池モジュール内部の電極の腐食を防止することを目的とし、塩素イオンや硫酸イオンのモジュール内部への進入を防止するため、シール材、支持枠、電極部の少なくともいずれかの表面にフィルム形成剤とイオン交換性材料とを含む塗料からなる塗膜を形成している太陽電池モジュールおよびその防蝕方法が記載されている。
しかし、この文献における塗膜にはフィルム形成剤の他にイオン交換性材料が含まれている。これは、外部から侵入しようとする塩素イオンや硫酸イオンを補足する目的で付加されるが、これはこの文献が単に電極の腐食だけを問題にしているからであり、PIDに対しては却ってこのようなイオン交換性材料は悪影響を与えると考えられる。例えば、同文献の段落0030には「陽イオン交換性材料と陰イオン交換性材料は混合して用いることが好ましい。イオン交換によって生じた水素イオンと水酸イオンは再結合して水となる。陽イオン交換性材料は陽イオン(たとえば、Na、Kなどのアルカリ金属イオン;Ag,Cuなどの金属イオン;トリメチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオンなどのアンモニウムイオン)の除去に用いられる。一方、陰イオン交換性材料は陰イオン(たとえば、Cl、Brなどのハロゲンイオン;SO4 、NO3 などの酸化物イオン;蟻酸、酢酸、フタル酸などの有機酸イオン)の除去に用いられる」と記載されているが、このような金属イオン自体、PIDやスネイルトレイルに悪影響を与える可能性があることは上記非特許文献2、非特許文献3からも明かである。また、同様に段落0031−0036にはイオン交換樹脂も記載されているが、これらもよい影響を与えることはないと考えられる。
この様に、この文献に開示されている技術はPIDやスネイルトレイルに関する知見が無い状態で開発されたものと考えられ、PIDやスネイルトレイルの防止技術に役立つものではない。
特開2014−11270号公報 特開2011−254116号公報 特開2013−254993号公報 特開2001−60701号公報
旭硝子株式会社、PV JAPAN 2013 部材関連専門セミナー資料(2013年) P.Pengほか、RSC Advances、2巻、113599−11365ページ、2012年 S.Richterほか、Proceedings of 27th European Photovoltaic Solar Energy Conference and Exhibition、2012年
本発明の目的は、上記の問題を解決するためになされたものであり、微少な水滴が表面に残留することが少なく、速やかに水滴を排除できる被膜を簡便かつ安価な方法で形成でき、性能劣化の主原因となるPIDや、スネイルトレイルとこれに随伴する不具合の発生を抑制することが可能な太陽光発電モジュール用の表面改質樹脂組成物およびそれを用いた太陽光発電モジュールを提供することである。
出願人は、発電効率を向上させかつ前述の問題点を解決するために、特願2014−172873号に示される所定の物性値を有する表面改質塗膜を太陽光発電モジュールの外部に形成することがPID現象やスネイルトレイル現象等の不具合の抑制に有効であることを見出した。また、特願2015−014971号に示される含フッ素アダマンタン化合物が前記表面改質塗膜の成分として優れていることも見出した。そして、さらに研究を重ねた結果、前記表面改質塗膜中にフッ素含有アルコール系化合物を僅かに含有させることで、撥水性が飛躍的に向上することを見出した。すなわち上記課題は以下の本発明の構成により達成される。
(1)構造部材として少なくとも外周フレーム、透明基板、封止材およびバックシートと、機能部材として少なくとも以下の(A)または(B)の何れかを有し、
(A)セルおよびインターコネクタ、
(B)透明電極、発電層、および裏面電極、
撥水性の表面改質物質の被膜で少なくとも上記いずれかの部材の表面全てまたは一部が覆われており、前記表面改質物質は、1種または2種以上のベース樹脂と、
OH基を2個以上含む含フッ素アルコール系化合物とを含有する太陽光発電モジュール。
(2) 前記含フッ素アルコール系化合物は、下記式(1)で表される上記(1)の太陽光発電モジュール。
Figure 2017126699
(式(1)において、RとR1’はOH基またはCH2OH基、RとR2’はOH基を0〜3個含有しかつFを0個または1個以上含有する炭素数1〜5個のアルキレンオキシ基、RとR3’はFを1個以上含有し炭素数1〜5個の炭素鎖、RはFを1個以上含有し炭素数1〜10個の炭素鎖、iとi’は0〜5の整数でそれぞれ同一でも異なっていてもよく、jとj’は1〜5の自然数でそれぞれ同一でも異なっていてもよく、kは0〜20の整数である。)
(3)前記ベース樹脂はフッ素を含有するかフッ素系樹脂である上記(1)または(2)の太陽光発電モジュール。
(4)前記ベース樹脂に対する含フッ素アルコール系化合物の含有量が0.001ppm以上100ppm以下である上記(1)〜(3)のいずれかの太陽光発電モジュール。
(5)前記被膜を形成した面を水平面に対して30度傾斜させたときの水滴の滑落する速度が0.3mm/s以上である上記(1)〜(4)のいずれかの太陽光発電モジュール。
(6)前記被膜の水の接触角が70度以上である上記(1)〜(5)のいずれかの太陽光発電モジュール。
(7)前記被膜面の水の滑落角が70度未満である上記(1)〜(6)のいずれかの太陽光発電モジュール。
本発明によれば、微少な水滴が表面に残留することが少なく、速やかに水滴を排除できる被膜を簡便かつ安価な方法で形成でき、太陽光発電モジュール表面の撥水性が飛躍的に改善され、出力低下の主原因となるPIDや、スネイルトレイルあるいはこれらに随伴する不具合の発生を抑制でき、太陽光発電モジュールの信頼性、寿命が向上し、長期間安定した出力を確保することが可能となり、量産工程での製造において特に有用である。
本発明の太陽光発電モジュールの一態様を示す模式図である。 本発明の太陽光発電モジュールの他の態様を示す模式図である。 実施例3の水の転落速度を示すグラフである。
本発明の太陽光発電モジュールは、構造部材として少なくとも外周フレーム、透明基板、封止材およびバックシートと、機能部材として少なくとも以下の(A)または(B)の何れかを有し、
(A)セルおよびインターコネクタ、
(B)透明電極、発電層、および裏面電極、
撥水性の表面改質物質の被膜で少なくとも上記いずれかの部材の表面全てまたは一部が覆われており、前記表面改質物質は、1種または2種以上のベース樹脂と、
OH基を2個以上含む含フッ素アルコール系化合物とを含有するものである。
このように、撥水性の表面改質物質の被膜で構造部材の少なくとも一部を覆うことにより、水分の進入を防止してPIDや、スネイルトレイルあるいはこれらに随伴する不具合の発生を抑制することができる。
<表面改質物質>
表面改質物質に撥水特性を持たせるには、フッ素を含有する樹脂など低表面エネルギーの物質を用いればよい。前記表面改質物質は、無機材料等で構成することも可能であるが、被膜の形成し易さ、コスト面などから、樹脂材料が好ましい。ベースとなる樹脂材料に上記含フッ素アルコール系化合物を添加した樹脂組成物とすることで安価で容易に成膜でき扱いやすい被膜材料を得ることができる。さらに、本発明では、表面改質物質の被膜中に含フッ素アルコール系化合物を添加することで、撥水特性を飛躍的に改善させることが可能になった。
撥水性を向上させるには、単にフッ素をコート面に増やすだけでは不十分である。表面疎水化処理には、例えば、シリコーン系化合物または樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの疎水性材料により表面を被覆するが、このような処理が施された物体表面に水が付着すると、水は弾かれて球状の水滴となる。このとき、大きい水滴は自重により落下するが、小さい水滴は物体表面に強く付着したままになり、付着表面を垂直に傾けても落下しないという現象が生じる。
このように、コート面表面に疎水性基しかないと、基材のコート面を垂直にしても、細かい水滴はコート面に付着したままになってしまう。そこで、コート面に親水基、例えばOH基を配向させると、親水性のOH基により水滴が移動しやすくなり、細かく分散した水滴が結合することで大きく重くなり流れやすくなる。一般的なフッ素系樹脂などでもOH基を含有するものもあるが、このような樹脂ではOH基は通常基材側に配向してしまい、表面側に表れなくなる。そこで、表面改質物質に含フッ素アルコール系化合物を添加すると、これに含まれる親水性のOH基が表面側に配向して水滴が移動しやすくなり、結合することで流れやすくなると考えられる。また、同様に含フッ素アルコール系化合物に含まれるフッ素も表面のフッ素元素を増加させ、撥水特性をより向上させる効果も望める。
含フッ素アルコール系化合物についてより詳細に説明すると、OH基を2個以上含み、好ましくは炭素数5以上の直鎖状化合物であり、直鎖状の骨格内には1つ以上の酸素が存在してエーテル結合を形成していてもよい。また、直鎖状骨格に結合しているフッ素は好ましくは10以上、より好ましくは16以上である。OH基は骨格主鎖の両端に存在するが、さらに骨格中の置換基として1〜4個存在していてもよい。
より具体的には、含フッ素アルコール系化合物は、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017126699
式(1)において、RとR1’はOH基またはCH2OH基、RとR2’はOH基を0〜3個好ましくは1〜3個含有しかつFを0個または1個以上含有する炭素数1〜5個、好ましくは1ないし4個のアルキレンオキシ基である。RとR3’はFを1個以上、炭素数1〜5個の炭素鎖である。RとR1’、RとR2’、RとR3’はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。RはFを1個以上含有し炭素数1〜10個の炭素鎖である。iとi’は0〜5の整数で同一でも異なっていてもよく、jとj’は1〜5の自然数で同一でも異なっていてもよく、kは0〜20の整数であり、好ましくは1〜15、より好ましくは2〜10である。また、RとR2’、RとR3’あるいはRに含まれるフッ素の個数は、好ましくは2〜10であり、より好ましくは4〜10である。
とR2’、RとR3’あるいはRに含まれるフッ素の個数が多いほど、撥水特性が向上する。また、RとR2’に含まれるOH基の個数は、ある程度多い方が水滴が流れやすくなるが多すぎると撥水特性を阻害するようになってくる。また、kはある程度大きいほどOH基やFが被膜表面に配向しやすくなるものと考えられるが、あまり大きすぎると分子の自由度が減少するため悪影響が生じやすくなる。
含フッ素アルコール系化合物として、以下の化合物を例示することができる。例えば、HOCHCFCFOCFCFCFOCFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFO)3CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFO)10CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFO)20CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFOCFOCFCFCFCHOH、HOCHCFCFOCHFOCFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFO)10CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFO)15CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFO)20CFCFCFCHOH、HOCHCFCFOCF(CH)CFOCFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CF(CH)CFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CF(CH)CFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CF(CH)CFO)10CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CF(CH)CFO)15CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CF(CH)CFO)20CFCFCFCHOH、HOCHCFCFOCF(CF)CFOCFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CF(CF)CFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CF(CF)CFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CF(CF)CFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CF(CF)CFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CF(CF)CFO)10CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CF(CF)CFO)15CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CF(CF)CFO)20CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFCFCFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFCFCFCFCFCFCFCFO)CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFCFCFCFCFCFCFCFO)10CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFCFCFCFCFCFCFCFO)20CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CFCFCFCFCFCF(CF)CFCFCFO)20CFCFCFCHOH、HOCHCFCFO(CF(CF)CFCFCFCFCFCFCFCFO)20CFCFCFCHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFOCFCFCFCFOCFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFCFCFCFO)CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFCFCFCFO)CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFCFCFCFO)CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFCFCFCFO)CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFCFCF
CFO)10CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFCFCFCFO)15CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFCFCFCFO)20CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFCFCFCFO)CFCFCFCFOCH(OH)CHCHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFOCFOCFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)10CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)15CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)20CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCFCHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCF(OCHCH(OH))CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCF(OCHCH(OH))CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCF(OCHCH(OH))CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCF(OCHCH(OH))CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)CFCFCFCF(OCHCH(OH))OH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)OCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)(CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)(CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)(CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)(CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)(CFCFCFCF10OCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)(CFCFCFCF15OCHCH(OH)CHOH、HOCHCH(OH)CHOCHCFCFCFO(CFO)(CFCFCFCF20OCHCH(OH)CHOH、HOCH(CH(OH)CHO)CHCFCFCFO(CFO)(CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCH(CH(OH)CHO)CHCFCFCFO(CFO)(CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCH(CH(OH)CHO)CHCFCFCFO(CFO)(CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH、HOCH(CH(OH)CHO)CHCFCFCFO(CFO)(CFCFCFCFOCHCH(OH)CHOH等が挙げられ、さらにこれらの化合物の2種以上の混合物でもよい。
ベース樹脂に対する含フッ素アルコール系化合物の含有量としては、好ましくは0.001ppm以上、100ppm以下であり、より好ましくは0.005ppm以上、50ppm以下、特に好ましくは0.01ppm以上、10ppm以下である。含フッ素アルコール系化合物を前記上限を超えて添加しても効果が向上しにくくなる傾向が見受けられる。
ベース樹脂材料としては、溶剤希釈型、熱硬化型または紫外線硬化型のいずれの樹脂も用いることができる。
溶剤希釈型の樹脂とは、塗膜を形成させる際の被膜の前駆体が被膜形成後も化学的に変化しない樹脂を意味し、熱硬化型の樹脂とは被膜の前駆体が熱により硬化する樹脂を意味し、紫外線硬化型の樹脂とは被膜の前駆体が紫外線により硬化する樹脂を意味する。これらの樹脂を以下に例示するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
溶剤希釈型の樹脂:あらかじめ被膜を形成する主体であるベース樹脂固形分と前記含フッ素アルコール系化合物を溶解しておき、太陽光発電モジュールの各部材に塗布し溶剤を蒸発させることにより被膜を形成させて所望の被膜形成モジュールを得ることができる。溶剤希釈型で用いられる固形分としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、PC(ポリカーボネート)、TAC(トリアセチルセルロース)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PVA(ポリビニルアルコール)、PVB(ポリビニルブチラール)、PEI(ポリエーテルイミド)、ポリエステル、EVA(エチレン−ビニルアセテートコポリマー)、PCV(ポリ塩化ビニル)、PI(ポリイミド)、PA(ポリアミド)、PU(ポリウレタン)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、PAN(ポリアクリロニトリル)、ブチラール樹脂、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー)、PVF(ポリフッ化ビニル)などのフッ素系樹脂、シリコーン樹脂などこれらの1種、または2種以上を混合して用いることができる。なかでも、フッ素系樹脂は撥水性に優れ、上記で示した特性も優れている。一方、他の樹脂を用いた場合でもある程度の効果を得ることができるため、使用条件などによりこれらを使用することができる。更に、これらに熱硬化性あるいは紫外線などの活性エネルギー線硬化性を付与した樹脂組成物等も使用できる。
熱硬化型の樹脂:あらかじめ被膜を形成する主体であるベース樹脂固形分と前記含フッ素アルコール系化合物を溶解しておき、太陽光発電モジュールの各部材に塗布し溶剤を蒸発させた後に、塗布面を室温以上で加熱し被膜を形成させて所望のモジュールを得ることができる。熱硬化型で用いられる固形分としては、例えばエポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレア樹脂、ウレタン樹脂、およびポリイミド樹脂や、フッ素樹脂、シラザン樹脂およびシリコーン樹脂等の重合体が挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
熱開始剤としては、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)やジメチル−2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などのアゾ系化合物、ケトンパーオキサイドやパーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアリルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシカーボネートなどの化合物またはその誘導体が好ましく、市販品では、日油株式会社製パーロイルO、パーロイルL、パーロイルS、パーオクタO、パーロイルSA、パーヘキサ250、パーヘキシルO、ナイパーPMB、パーブチルO、ナイパーBMT、ナイパーBW、パーブチルIB、パーヘキサMC、パーヘキサTMH、パーヘキサHC、パーヘキサC、パーテトラA、パーヘキシルI、パーブチルMA、パーブチル355、パーブチルL、パーヘキサ25MT、パーブチルI、パーブチルE、パーヘキシルZ、パーヘキサV、パーブチルP、パークミルD、パーヘキシルD、パーヘキサ25B、パーブチルD、パーメンタH、パーヘキシン25Bなどが用いられる。
紫外線硬化型の樹脂:あらかじめ被膜を形成する主体であるベース樹脂固形分と前記含フッ素アルコール系化合物を溶解しておき、太陽光発電モジュールの各部材に塗布し溶剤を蒸発させた後に、塗布面に紫外線を照射し硬化させた被膜を形成させて所望のモジュールを得る。紫外線硬化型で用いられる固形分としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、オキセタン樹脂およびポリビニルエーテル樹脂等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
光重合開始剤としては、例えばIRGACURE651、IRGACURE184、DAROCUR1173、IRGACURE2959、IRGACURE127、IIRGACURE907、IIRGACURE369、IIRGACURE379、DAROCUR TPO、IRGACURE819、IRGACURE784、IRGACURE OXE1、IRGACURE OXE2、IRGACURE754等のチバガイギー社製のものやBASF社製のLucirin TPO、Lucirin TPO−Lを単独あるいは二種以上混合して使用できる。
光硬化を促進するため、例えば、ベンゾフェノン等のケトン化合物、ローズベンガル等の色素や、フルオレン、ピレン、あるいはフラーレン等の共役系化合物を光増感剤として、光開始剤に対して質量比で0.05〜3倍量を光開始剤と共に用いることができる。
光硬化では、高圧水銀灯、定圧水銀灯、タリウムランプ、インジウムランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、紫外線LED、青色LED,白色LED、ハリソン東芝ラィティング社製のエキシマランプ、フュージョン社製のHバルブ、Hプラスバルブ、Dバルブ、Vバルブ、Qバルブ、Mバルブ等の発光を光源として挙げられるほか、太陽光の使用も可能である。なお、酸素非存在下で硬化する方法としては、窒素ガス、炭酸ガス、ヘリウムガス等の雰囲気で行う場合が挙げられる。
さらに、光硬化では、200〜400nmの紫外線を好ましくは0.1〜1000J/cm2の範囲で照射するとよい。また、硬化に活性なエネルギー線を複数回に分割して照射する方がより好ましい。すなわち1回目に全照射量の1/20〜1/3程度を照射し、2回目以降に必要残量を照射すると、複屈折のより小さな硬化物が得られる。照射時間は、樹脂量や硬化の程度に応じて適宜調整することが可能であり、通常1秒〜10分程度の間で調整される。
溶剤希釈型、熱硬化型、あるいは紫外線硬化型として用いられる固形分と前記含フッ素アルコール系化合物をあらかじめ溶解させておく溶剤は、上記固形分を溶解あるいは分散させることが可能な溶剤であれば特に限定されるものではない。具体的には、CF3CH2OH、F(CF22CH2OH、(CF32CHOH、F(CF23CH2OH、F(CF2425OH、H(CF22CH2OH、H(CF23CH2OH、H(CF24CH2OHなどのフッ素アルコール系溶剤、パーフルオロベンゼン、メタキシレンヘキサフルオライドなどの含フッ素芳香族系溶剤、CF4(HFC−14)、CHClF2(HCFC−22)、CHF3(HFC−23)、CH2CF2(HFC−32)、CF3CF3(PFC−116)、CF2ClCFCl2(CFC−113)、C3HClF5(HCFC−225)、CH2FCF3(HFC−134a)、CH3CF3(HFC−143a)、CH3CHF2(HFC−152a)、CH3CCl2F(HCFC−141b)、CH3CClF2(HCFC−142b)、C48(PFC−C318)、HFC−142bなどのフルオロカーボン系溶剤などが例示される。希釈率については、使用する樹脂や溶剤、また形成する被膜の厚さ、乾燥条件などにより最適な希釈率に調整すればよい。通常、被膜形成には固形成分が調整後の溶剤中30〜0.05質量%となるよう調製される。
さらに、例えば、キシレン、トルエン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ヘキサンなどの炭化水素系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコール、酢酸ジエチレングリコールなどのエステル系溶剤、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトンなどのケトン系溶剤、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルホルムアミドなどのアミド系溶剤、ジメチルスルホキシドなどのスルホン酸エステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(重合度3〜100)などが例示され、これらを単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
なお、これらのうち、溶解能、塗膜外観、貯蔵安定性の点から前記各種のアルコール系溶剤、フッ素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤が好ましく、特に、メタノール、エタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、セロソルブアセテート、酢酸ブチル、酢酸エチル、パーフルオロベンゼン、メタキシレンヘキサフルオライド、HCFC−225、CFC−113、HFC−134a、HFC−143a、HFC−142bを単独あるいは2種以上混合して使用することが好ましい。
被膜を構造部材に形成する場合、外周フレームの内側にブチルゴムやシリコーンゴムなどをコーキング剤として使用しても、外周フレーム部材と透明基板部材およびバックシート部材間ですき間が生じる場合がある。このため、これら構造部材間の隙間にも被膜あるいは被膜材による充填部位を形成させるとよい。具体的には被膜成分の溶液を染みこませる手法が有効であり、その際の被膜に供される固形分は溶剤希釈型あるいは熱硬化型の使用が好ましい。
本発明の表面改質物質として使用可能なベース樹脂は市販製品では、例えばテフロン(登録商標)AFシリーズ(デュポン社製)、テドラーシリーズ(デュポン社製)、フルオンシリーズ(旭硝子社製)、サイトップ(旭硝子社製)、ハイフロンシリーズ(ソルベイ・ソレクシス社製)、THVシリーズ(住友スリーエム社製)、ネオフロンシリーズ(ダイキン工業社製)、オプトエース(ダイキン工業社製)、カイナーシリーズ(アルケマ社製)、ダイニオンシリーズ(ダイニオン社製)、マーベルコート(三菱ガス化学社製)、エフトップシリーズ(三菱マテリアル電子化成製)、エスエフコート(AGCセイケミカル社製)などが挙げられる。これらを単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
また、本発明では上記の各成分に加えてフュームドシリカを添加してもよい。フュームドシリカを含有することで、得られる薄膜の耐擦傷性等の耐久性が向上する。本発明で用いることができるフュームドシリカは、好ましくは一次粒子の平均径が1〜100nm、比表面積が10〜1000m2/gであり、より好ましくは、一次粒子の平均径が3〜50nm、比表面積が40〜400m2/gである。具体的には、エボニック社製のフュームドシリカであれば、R202、R805、R812、R812S、RX200、RY200,R972、R972CF,90G、200V,200CF、200FAD、300CF等を用いることができる。このようなフュームドシリカは組成物全量に対して0.01〜10質量%の範囲で添加するとよい。また、フュームドシリカとともに、微粒子状のチタニア、ジルコニア、アルミナ、シリカ−アルミナなども単独あるいは二種以上を混合して用いてもよい。
さらに、本発明では上記の各成分に加えて炭素数1〜10、好ましくは炭素数2〜6のフルオロアルキル基を含有するアルコキシシランを添加してもよい。例えばCF3(CH29Si(OCH33 、CF3(CH28Si(OCH2CH33 、CF3(CH27Si(OCH33 、(CF32CHSi(OCH33 、CF3(CH22Si(OCH33 、CF3CH2Si(OCH33 、(CF32CHSi(OCH2CH33 、CF3(CH26Si(OCH33 、CF3(CH25Si(OCH33 、CF3(CH24Si(OCH3 、CF3(CH23Si(OCH3 、CF3(CH22Si(OCH33 、CF3(CF27Si(OCH33 、CH3(CF27Si(OCH3 、CH3CF2(CH27Si(OCH33 、CH3CF2(CH26Si(OCH33 、CF3(CH26Si(OCH(CH323 などを単独あるいは二種以上を混合して用いることができる。
これらアルコキシシラン化合物の含有量は、溶媒成分を除く透明樹脂材料中に含まれるフッ素原子の総量が少なくとも5質量%以上含まれるように添加すればよく、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは30質量%以上になるように添加すればよい。その上限としては特に規制されるものではないが、多すぎると光透過性、基材への接着性に悪影響が生じる場合があるので、被膜樹脂材料中に含まれる全ての化合物に由来するフッ素原子の総量が40質量%以下となるように添加すべきである。
本発明では、上記各樹脂材料と、有機溶剤、および必要に応じて光重合開始剤あるいは熱重合開始剤を混合し、樹脂組成溶液を調整して被膜形成用の塗布溶液を得ることができる。この樹脂組成溶液を部材表面に湿式塗布し、光などの放射線エネルギー照射あるいは加熱により硬化させることで反射防止膜を形成することができる。
溶剤希釈型あるいは熱硬化型あるいは紫外線硬化型の固形分を塗布する際には、布や紙などに上記の溶液を染みこませ太陽電池モジュールの各部材表面上を手で拭く手法、または既存の塗布法から好適な方法を選択することができる。具体的には、スクリーン印刷などの印刷法、グラビアコート法、リバースコート法、バーコート法、スプレーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ダイコート法等を用いることができ、条件によってはカーテンコート(フローコート)、スピンコート法、CVD法、mist-CVD法等を用いてよく、これらの手法の中から最適なものを選択して被膜を形成させ、所望の被膜形成太陽光発電モジュールを得ることができる。
表面改質物質の被膜は、上記構造部材に形成しても、機能性部材に形成しても効果的である。被膜を構造部材である外周フレーム部材、透明基板部材およびバックシート部材の表面に形成することで、PIDを抑制することができる。具体的には、組み立て前に、あらかじめ外周フレーム部材、透明基板部材およびバックシート部材の全面を表面改質物質の被膜で被覆し、太陽光発電モジュールを組み立てることにより、該発電モジュールへの雨水や外気の侵入を防ぎPIDを防ぐことが可能になる。特に、少なくとも外周フレーム部材、透明基板部材およびバックシート部材の1つまたは2つ以上において、部材が空気と接触している面だけを覆うことでも効果が得られる。
また、被膜は機能性部材に形成してもよい。機能性部材に形成するときには、セルに形成すると効果的であり、セル部材表面の一部または前部に形成するとよい。あるいは、透明電極、発電層、および裏面電極の積層体に形成してもよいが、これらは透明基板上に一体的に形成されているため、これらを覆うように被膜を形成する必要がある。
形成される被膜の膜厚としては、特に規制されるものではなく、通常の樹脂材料により形成される塗膜と同程度でよい。具体的には、1〜500nm程度であればよい。また、コート層の膜厚を調整することにより所望の物性に調整することも可能である。塗布用の組成溶液の固形分濃度は、使用される特定の器具・装置、溶液の粘度、スピナーの速度や塗布に許容される時間等により望ましいフィルム厚となるよう調整すればよい。
<水の接触角>
本発明における被膜の水に対する接触角は大きいほど撥水性が向上し、太陽光発電モジュールへの水の侵入を阻害することができ、屋外で長期間初期性能を維持することができる。また、モジュールに付着した汚れも容易に除去できる。接触角は、接触角計で測定できる。当該被膜の水の接触角の好ましい範囲は、70°以上であれば濡れ難く、濡れ広がり難くなるが、好ましくは測定温度および測定湿度が20℃〜50℃で20%RH〜50%RHの条件で、75度より大きく180度未満であり、より好ましくは80度より大きく150度未満であり、更に好ましくは80度以上140度未満である。
接触角の測定は1/2θ法を用いるとよい。すなわち固液界面・水平線と、液滴端での接線、この二つの線がなす角をθA(接触角)とし、固液界面・水平線と、液滴頂点と液滴端を結ぶ線、この二つの線がなす角をθB(測定角)とすると、測定角は接触角の1/2の関係にあることから接触角が求められる。
<水の滑落角>
本発明における被膜の水に対する滑落角は小さいほど、撥水性が向上し太陽光発電モジュールへの水の侵入を阻害することができ、屋外で長期間初期性能を維持することができる。滑落角は、滑落角計で測定できる。例えば太陽光発電モジュールの各部材の被膜面を水平に保ち水滴を付着させておき、この被膜面を少しずつ傾け水滴が滑り落ちる角度を測定する。本発明において好ましい滑落角は、0.5度以上70度未満であり、より好ましくは0.5度以上60度以下、特に1度以上55度以下である。
<水の滑落(転落)速度>
本発明における被膜に付着した水の滑落(転落)速度は、大きいほど撥水性が向上し太陽光発電モジュールへの水の侵入を阻害することができ、屋外で長期間初期性能を維持することができる。滑落速度は、滑落速度計で測定できる。例えば太陽光発電モジュールの各部材の被膜面を傾斜させずに水平状態で水滴を付着させておき、この被膜面を少しずつ傾け水滴が滑り落ちる角度とその際の水滴の速度を測定する。好ましい滑落速度としては、被膜面を傾斜させる角度が水平に対して20度〜60度の場合、水滴が滑落する速度は0.3mm/s以上であり、より好ましくは0.4mm/s以上1m/s以下であり、特に好ましくは0.5mm/s以上であり、その上限としては特に規制されるものではないが1m/s以下である。前記測定に使用する水滴は、3μL〜30μL程度がよい。水の滑落速度は、転落する水滴を高速度カメラで撮影するなどして求めることができる。例えば、滑落開始から任意の時間、具体的には1秒後(1000ミリ秒後)までの移動距離を測定し、その時間対距離の傾きより求めるとよい。また、このとき水滴中にトレーサー粒子を混入して、このトレーサーを測定してもよい。
<屈折率>
本発明における光発電モジュールに施される被膜自体の屈折率が構造部材である透明基板部材あるいは機能性部材であるセル部材の屈折率と同じ場合、被膜を施した際の発電効率は被膜を施す前と同じ性能を維持できる。また、被膜の屈折率が透明基板部材あるいはセル部材の屈折率より小さい場合、反射防止効果により発電性能が好ましくは0.5〜3%程度向上する。
<光透過率>
本発明における光発電モジュールに施される被膜自体の光線透過率が透明基板部材あるいはセル部材の光線透過率と同じ場合、当該被膜を施した際の発電効率は被膜を施す前と同じ性能を維持できる。また、被膜の光線透過率が透明基板部材あるいはセル部材の光線透過率より大きい場合、発電性能が0.5%〜3%程度向上する。なお、透明基板部材に発電効率を向上させるために多孔質反射防止材が用いられることがあるが、本発明における被膜は、それら多孔質反射防止材上に更に撥水性の被膜を形成するので、このような反射防止材により誘発されるPIDも防止することができる。
<シート抵抗>
表面改質物質の被膜は、各部材に形成したときに、湿度が85%RHの条件下で、シート抵抗が100Ω/sq以上、好ましくは500Ω/sq以上、より好ましくは1000Ω/sq以上であるとよい。シート抵抗が前記値以上であればPIDによる発電モジュールの性能劣化を効果的に防ぐことができる。上記の湿度条件で有効な部材のシート抵抗は、100Ω/sq以上であるが、その上限は好ましくは1015Ω/sq以下であり、より好ましくは1010Ω/sq以下である。
なお、塗装膜や薄膜などの抵抗を評価する際には、表面抵抗率(単位:Ω/□あるいはΩ/sq)が通常用いられる。この抵抗値は、シート抵抗あるいは表面抵抗と呼ばれ、単位正方形(1cm2)の領域を電流が片方から対向する方向へ流れる際の抵抗値であり、撥水性が高い被膜はシート抵抗値が大きくなる。本発明における部材表面の電気抵抗を測定する際の湿度条件は好ましくは−40℃〜100℃であり、より好ましくは15〜85℃であり、より好ましくは20℃〜60℃である。
以下に本発明の実施形態について、代表的な太陽光発電モジュール構造の断面図を例示して説明するが、本発明はこれらの例示構造に限定されるものではない。図1は(A)結晶系の太陽光発電モジュールの断面図であり、その詳細については特許文献2を参照されたい。この例の太陽光発電モジュールは、基本構成として少なくとも外周フレーム11と、透明基板12と、封止材13と、セル14と、インターコネクタ15と、バックシート16とを有する。
図2は、(B)アモルファスシリコン系あるいは化合物系の太陽光発電モジュールの断面図であり、その詳細については特開2013-165232号公報あるいは特開平05−175529号公報を参照されたい。この例の太陽光発電モジュールは、基本構成として少なくとも外周フレーム101と、透明基板102と、封止材103と、発電層104と、透明電極105と、裏面電極106と、バックシート107とを有する。
図1に例示される太陽光発電モジュールの場合、太陽光や発電に必要な光は、モジュールの透明基板12を透過してセル14に至り、セル14で光電変換され、生じた電力がインターコネクタ15を介して取り出される。また、図2に例示される太陽光発電モジュールの場合、太陽光や発電に必要な光は、モジュールの透明電極を通過して発電層104に至り、発電層104で光電変換され、生じた電力が透明基板102と裏面電極106とを介して取り出される。
ここで、図1、2における構成要素のうち、外周フレーム、透明基板、封止材およびバックシートは構造部材であり、何れの種類の太陽光発電モジュールにも共通している。一方、発電機能に直接関与する機能性部材は、(A)結晶系の太陽光発電モジュールではセルおよびインターコネクタであり、(B)アモルファスシリコン系あるいは化合物系の太陽光発電モジュールでは透明電極、発電層、および裏面電極となる。なお、上記各構成部材は必須の基本構成であり、必要に応じてさらに付加的な構成要素が加えられる。
本発明では、これらの構成要素のうちの何れかにおいて、その表面の少なくとも一部が撥水性の表面改質物質の被膜で覆われていることが重要である。なかでも、機能性部材は重要であり、これらの何れか、特にセルまたは透明電極、発電層、および裏面電極の積層体の一部または全ての表面が覆われているようにするとよい。また、セルに被膜を形成するときにはインターコネクタまで形成するのがより効果的である。さらに、これらの一部の領域に形成するときには、セルの片面全面、あるいは裏面電極側全面に形成するとよい。
一方、このような機能性部材に被膜を形成するのが困難であるかコスト面などの理由により、機能性部材に被膜を形成することができない場合には、構造部材の何れかに形成してもある程度の効果を得ることができる。具体的には、外周フレーム、透明基板、封止材およびバックシートの少なくとも何れかに表面改質物質の被膜を形成してもよい。さらに、これらの部材の内側に被膜を形成することも効果的である。なお、外周フレームにアルミニウムを用いる場合には、アルミニウム表面にアルマイト(酸化アルミニウム)処理を行ったものが好ましい。また、これらの部材の結合ないし接合部、特に隙間部分に表面改質物質の被膜を形成するのも効果的である。最小限の処理で効果を得るには、これらの部材が空気(外気)と接触している部分だけに被膜を形成することである。勿論、これらの全てに被膜を形成するのが最も効果的であることはいうまでもない。
具体的な数値で表した場合、各構成要素の表面の好ましくは50%以上、より好ましくは80%以上が表面改質物質の被膜で覆われるようにするとよい。ここで重要なのは、構成部材の表面を一部でも表面改質物質の被膜で覆うことで一定の効果が得られるということである。表面改質物質の被膜の厚みとしては、好ましくは1nm以上であり、より好ましくは5nm以上500nm以下であり、さらに好ましくは10nm以上160nm以下である。被膜が薄すぎると効果が得られ難くなり、一定以上の厚みにしても効果に変化が生じなくなってくる。
表面改質物質の被膜は、撥水性、表面硬度や耐擦り性さらには基材との密着性に優れ、孔(穴)やクラックなどが少なければ少ないほどイオンや分子などの超微細な物質移動を妨げることができ、PIDを引き起こす原因となるモジュール内でのナトリウムなどのイオンの移動を起こし難くできる。また、当該被膜は撥水性であるため、雨水や空気中の水分の侵入を起こし難い太陽光発電モジュールを得ることができる。さらに、基板内面や外面周囲に被膜を形成することで、透明基板の材料であるガラス中に存在するNaイオンによるセルの汚染を防止でき、ナトリウムイオンによるPIDの発生を防止することができる。
発電モジュールの各部材に使用される材料としては、例えば、外周フレームには、加工のしやすさや軽量性の観点からアルミニウムがよく使用される。透明基板には、必ずしも限定されるものではないが、ガラス、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)などの材料が用いられる。封止材には、例えばエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)やシリコーン樹脂などが用いられ、セルやインターコネクタ、あるいは発電層、透明電極および裏面電極を保護する。バックシートには、例えばポリフッ化ビニル(PVF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、アルミニウム、ガラスなどやそれらの積層体を使用し封止材や内部の発電部位を保護する。なお、外周フレームの内側には、ブチルゴムやシリコーンゴムなどをコーキング剤として使用し、発電モジュール内部を保護している。
本発明は太陽光発電モジュールの種類や態様に関わらず使用することができ、例えば、結晶系、アモルファスシリコン系、あるいはCIGS等の化合物系、さらには色相増感型や有機薄膜型等の有機系などの発電基板を有する太陽光発電モジュール全般に用いることができる。また、上記で例示された基本構成に加えて、例えば反射防止層等、必要な機能を補うために種々の付加的構成要素を加えてもよい。
次に、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
フッ素含有アルコール系化合物として分子量約700g/molの下記式(2)で表される化合物を1ppmテフロンAF1601Sに分散した。これを布に染みこませ、被膜の厚さが0.02〜0.2μm程度となるように、結晶系太陽光発電モジュール(1659mm×990mm)の外側のアルミニウム外周フレーム、ガラス透明基板、フレームとガラス基板およびバックシートとのすき間に塗り込み、ヘアドライヤーで熱風を送り乾燥した。同様に評価用の超白フロートガラス(大きさ100mm×100mm、厚さ3.2mm:以下の各実施例、比較例において同じ)上に塗布した後、前記同様乾燥し、評価用コート膜を得た。
この評価用コート膜の水の接触角(25℃、40%RH)と滑落角(25℃、40%RH)、滑落速度(傾斜角50度、25℃、40%RH)、およびシート抵抗(25℃、85%RH)を測定したところ、各々103.3度、13.7度、2.1mm/s、4.9×104Ω/sqであった。いずれの水滴の滑落速度も、滑落開始から1秒後(1000ミリ秒後)までの移動距離を測定し、その傾きより求めた。得られた発電モジュールに−1000Vの電圧を印加し発光させたところ内部のセルが全て発光し、この発光量を100%(基準値)とした。
Figure 2017126699
この発電モジュールを、高温高湿条件(95℃、85%RH)下に曝し100間放置した後、取り出し上記同様に−1000Vの電圧を印加すると発光し、このときの発光量は高温高湿条件に曝す前の98%の発光量であった。
〔比較例1〕
実施例1と同ロットの結晶系太陽光発電モジュール(1659mm×990mm)に、化(2)の化合物を添加しない以外は実施例1と同様にして得られた溶液を布に染みこませ、実施例1と同様に塗布し、乾燥させた。同様に評価用の超白フロートガラス上に塗布した後、乾燥し、評価用コート膜を得た。評価用ガラスの水の接触角(25℃、40%RH)と滑落角(25℃、40%RH)、滑落速度(傾斜角50度、25℃、40%RH)およびシート抵抗(25℃、85%RH)を測定したところ、各々104.3度、14.8度、0.20mm/s、5.51×104Ω/sqであった。得られた発電モジュールに−1000Vの電圧を印加したところ内部のセルが全て発光し、この発光量を100%(基準値)とした。
この発電モジュールを、高温高湿条件(95℃、85%RH)下に曝し100時間放置した後、取り出し−1000Vの電圧を印加した際の発光量は高温高湿条件に曝す前の28%の発光量であった。
〔比較例2〕
1,7−ビス(2,2−ジアクリロキシメチル−ブチルオキシ)−2,2,3,4,4,5,6,6,8,8,9,9,10,10−テトラデカフルオロ−アダマンタン:1g 、AIBN(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル):50mg、メチルイソブチルケトン:40g 、日本化薬製のDPHA:500mgを100mLのフラスコ中に投入し各成分を溶解させた。
次に、実施例1と同ロットの結晶系太陽光発電モジュール(1659mm×990mm)に、得られた溶液を布に染みこませ、実施例1と同様に塗布し、乾燥させた。同様に評価用の超白フロートガラス上に塗布した後、乾燥し、評価用コート膜を得た。この評価用コート膜の水の接触角(25℃、40%RH)と滑落角(25℃、40%RH)、滑落速度(傾斜角50度、25℃、40%RH)、およびシート抵抗(25℃、85%RH)を測定したところ、各々100.5度、5.7度、0.28mm/s、6.01×102Ω/sqであった。得られた発電モジュールに−1000Vの電圧を印加したところ内部のセルが全て発光し、この発光量を100%(基準値)とした。
この発電モジュールを、高温高湿条件(95℃、85%RH)下に曝し100時間放置した後、取り出し−1000Vの電圧を印加した際の発光量は高温高湿条件に曝す前の35%の発光量であった。
〔実施例2〕
分子量約750g/molの下記式(3)で表される化合物を1ppmテフロンAF1601Sに分散した。これを布に染みこませ、被膜の厚さが0.02〜0.2μm程度となるように、実施例1と同様な結晶系太陽光発電モジュール(1659mm×990mm)の外側のアルミニウム外周フレーム、ガラス透明基板、フレームとガラス基板およびバックシートとのすき間に塗り込み、ヘアドライヤーで熱風を送り乾燥した。同様に評価用の超白フロートガラス(大きさ100mm×100mm、厚さ3.2mm:以下の各実施例、比較例において同じ)上に塗布した後、前記同様乾燥し、評価用コート膜を得た。この評価用コート膜の水の接触角(25℃、40%RH)と滑落角(25℃、40%RH)、滑落速度(傾斜角50度、25℃、40%RH)、およびシート抵抗(25℃、85%RH)を測定したところ、各々103.2度、12.5度、5.4mm/s、4.82×104Ω/sqであった。得られた発電モジュールに−1000Vの電圧を印加し発光させたところ内部のセルが全て発光し、この発光量を100%(基準値)とした。
Figure 2017126699
この発電モジュールを、高温高湿条件(95℃、85%RH)下に曝し100時間放置した後、取り出し−1000Vの電圧を印加した際の発光量は高温高湿条件に曝す前の99%の発光量であった。
〔実施例3〕
実施例1において、式(2)で表される化合物の濃度を1,2,3,4ppmと変化させた以外は実施例1と同様にして各評価用コート膜サンプル3−1〜3−4を作製した。また、比較サンプルとして、比較例1の被膜を形成した評価用コート膜比較サンプルを用意した。
得られた各サンプル3−1〜3−4について30°に傾斜させたときの水の滑落速度を測定した。結果を図3に示す。図3のY軸(縦軸)は水滴の先頭端の移動距離(ミリメートル)、X軸(横軸)は経過時間(ミリ秒)であり、平均化した傾きより滑落速度を得た。得られた結果から、添加量1ppmのサンプル3−1でも効果が認められるが、添加量3ppmのサンプル3−3で顕著な効果が現れ、さらにサンプル3−4で効果がより向上していることが分かる。
〔実施例4〕
実施例1の式(2)で表される化合物を分子量約1200g/molとし、これを1ppm分散したテフロンAF1601Sを布に染みこませ、被膜の厚さが0.02〜0.2μm程度となるように、実施例1と同様な結晶系太陽光発電モジュール(1659mm×990mm)の外側のアルミニウム外周フレーム、ガラス透明基板、フレームとガラス基板およびバックシートとのすき間に塗り込み、ヘアドライヤーで熱風を送り乾燥した。同様に評価用の超白フロートガラス(大きさ100mm×100mm、厚さ3.2mm:以下の各実施例、比較例において同じ)上に塗布した後、前記同様乾燥し、評価用コート膜を得た。この評価用コート膜の水の接触角(25℃、40%RH)と滑落角(25℃、40%RH)、滑落速度(傾斜角50度、25℃、40%RH)、およびシート抵抗(25℃、85%RH)を測定したところ、各々102.1度、11.5度、12.3mm/s、6.12×104Ω/sqであった。得られた発電モジュールに−1000Vの電圧を印加し発光させたところ内部のセルが全て発光し、この発光量を100%(基準値)とした。
この発電モジュールを、高温高湿条件(95℃、85%RH)下に曝し100時間放置した後、取り出し−1000Vの電圧を印加した際の発光量は高温高湿条件に曝す前の99%の発光量であった。
〔実施例5〕
実施例1の式(2)で表される化合物を分子量約1500g/molとし、これを1ppm分散したテフロンAF1601Sを布に染みこませ、被膜の厚さが0.02〜0.2μm程度となるように、実施例1と同様な結晶系太陽光発電モジュール(1659mm×990mm)の外側のアルミニウム外周フレーム、ガラス透明基板、フレームとガラス基板およびバックシートとのすき間に塗り込み、ヘアドライヤーで熱風を送り乾燥した。同様に評価用の超白フロートガラス(大きさ100mm×100mm、厚さ3.2mm:以下の各実施例、比較例において同じ)上に塗布した後、前記同様乾燥し、評価用コート膜を得た。この評価用コート膜の水の接触角(25℃、40%RH)と滑落角(25℃、40%RH)、滑落速度(傾斜角50度、25℃、40%RH)、およびシート抵抗(25℃、85%RH)を測定したところ、各々103.7度、10.5度、15.1mm/s、7.39×104Ω/sqであった。得られた発電モジュールに−1000Vの電圧を印加し発光させたところ内部のセルが全て発光し、この発光量を100%(基準値)とした。
この発電モジュールを、高温高湿条件(95℃、85%RH)下に曝し100時間放置した後、取り出し−1000Vの電圧を印加した際の発光量は高温高湿条件に曝す前の99%の発光量であった。
〔実施例6〕
実施例1の式(2)で表される化合物を分子量約700g/molとし、これを1ppm分散した、4重量%のポリメチルメタクリレート酢酸ブチル溶液を布に染みこませ、被膜の厚さが0.02〜0.2μm程度となるように、実施例1と同様な結晶系太陽光発電モジュール(1659mm×990mm)の外側のアルミニウム外周フレーム、ガラス透明基板、フレームとガラス基板およびバックシートとのすき間に塗り込み、ヘアドライヤーで熱風を送り乾燥した。同様に評価用の超白フロートガラス(大きさ100mm×100mm、厚さ3.2mm:以下の各実施例、比較例において同じ)上に塗布した後、前記同様乾燥し、評価用コート膜を得た。この評価用コート膜の水の接触角(25℃、40%RH)と滑落角(25℃、40%RH)、滑落速度(傾斜角50度、25℃、40%RH)、およびシート抵抗(25℃、85%RH)を測定したところ、各々103.2度、12.7度、3.1mm/s、5.0×104Ω/sqであった。得られた発電モジュールに−1000Vの電圧を印加し発光させたところ内部のセルが全て発光し、この発光量を100%(基準値)とした。
この発電モジュールを、高温高湿条件(95℃、85%RH)下に曝し100時間放置した後、取り出し−1000Vの電圧を印加した際の発光量は高温高湿条件に曝す前の98%の発光量であった。
本発明は、単結晶、多結晶、アモルファスシリコン半導体型等のシリコン系やCIGS等といった化合物系のほか色相増感型や有機薄膜型等の有機系など発電基板の種類に限定されることなく、種々のタイプの太陽光発電モジュールの長期にわたる性能維持および発電効率の向上に利用できる。また、屋外で使用される太陽光をエネルギー源とするものに限らず、屋内で人工光をエネルギー源とする発電モジュールに応用することもできる。
11:外周フレーム
12:透明基板
13:封止材
14:セル
15:インターコネクタ
16:バックシート
101:外周フレーム
102:透明基板
103:封止材
104:発電層
105:透明電極
106:裏面電極
107:バックシート

Claims (7)

  1. 構造部材として少なくとも外周フレーム、透明基板、封止材およびバックシートと、機能部材として少なくとも以下の(A)または(B)の何れかを有し、
    (A)セルおよびインターコネクタ、
    (B)透明電極、発電層、および裏面電極、
    撥水性の表面改質物質の被膜で少なくとも上記いずれかの部材の表面全てまたは一部が覆われており、前記表面改質物質は、1種または2種以上のベース樹脂と、
    OH基を2個以上含む含フッ素アルコール系化合物とを含有する太陽光発電モジュール。
  2. 前記含フッ素アルコール系化合物は、下記式(1)で表される請求項1の太陽光発電モジュール。
    Figure 2017126699
    (式(1)において、RとR1’はOH基またはCH2OH基、RとR2’はOH基を0〜3個含有しかつFを0個または1個以上含有する炭素数1〜5個のアルキレンオキシ基、RとR3’はFを1個以上含有し炭素数1〜5個の炭素鎖、RはFを1個以上含有し炭素数1〜10個の炭素鎖、iとi’は0〜5の整数でそれぞれ同一でも異なっていてもよく、jとj’は1〜5の自然数でそれぞれ同一でも異なっていてもよく、kは0〜20の整数である。)
  3. 前記ベース樹脂はフッ素を含有するかフッ素系樹脂である請求項1または2の太陽光発電モジュール。
  4. 前記ベース樹脂に対する含フッ素アルコール系化合物の含有量が0.001ppm以上100ppm以下である請求項1〜3のいずれかの太陽光発電モジュール。
  5. 前記被膜を形成した面を水平面に対して30度傾斜させたときの水滴の滑落する速度が0.3mm/s以上である請求項1〜4のいずれかの太陽光発電モジュール。
  6. 前記被膜の水の接触角が70度以上である請求項1〜5のいずれかの太陽光発電モジュール。
  7. 前記被膜面の水の滑落角が70度未満である請求項1〜6のいずれかの太陽光発電モジュール。
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