JP2017126646A - ノイズフィルタ及びこれを備えたパワーコンディショナー - Google Patents

ノイズフィルタ及びこれを備えたパワーコンディショナー Download PDF

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Abstract

【課題】ノイズの除去能力及び外来ノイズ耐性が高いノイズフィルタを提供する。【解決手段】ノイズフィルタ10は、リングコア11と、リングコア11に巻回された複数の電力電線P,Nとを備えている。複数の電力電線P,Nが相互に撚り合わされて撚り電力電線12が形成されており、この撚り電力電線12がリングコア11の周方向に沿って整列した状態で巻回されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電力伝送線路上に設けられたノイズフィルタ及びこれを備えたパワーコンディショナーに関するものである。
一般的に、太陽光発電ユニットを系統に連系するパワーコンディショナーには、電力伝送線路上にノイズ対策用のノイズフィルタが設けられている。ノイズフィルタの一例として、電力伝送線路を構成する複数の電力電線をリングコアに数回巻回したリング状コイルが用いられている。ここで、電力伝送線路を構成する複数の電力電線(例えば、2相の場合は2本、3相の場合は3本)には相互に等しい電流が流れる。そのため、ノイズの除去能力を十分に発揮させるためには、複数の電力電線がバランスよく巻回されている必要がある。一般的には、リングコアに巻線をバイファイラ巻きして構成されたものが知られている(例えば、特許文献1)。
ここで、電力伝送線路の電力電線には、必要な電流容量に対応した太い線径の導線やハーネス線が用いられるのが一般的である。ある程度以上線径が太くなるとともに、巻回数が増加すると、複数の電力電線をリングコアにバランスよく巻回する作業が困難になるという問題がある。
この問題に対し、特許文献1では、中央穴の内壁に等間隔の縦溝を設けたドーナツ状台座に接続端子を設け、この中央孔内にトロイダルコイルを保持するとともに、巻線を上記縦溝内に保持することが提案されている。
また、特許文献2には、トロイダルコアを収納する樹脂ケースを設け、この樹脂ケースに深さが導線の径と同程度の溝を形成する技術が開示されている。
実開昭63−174415号公報 特開2000−150246号公報
ところで、近年、蓄電池付きの高機能な太陽光発電システムが普及しており、このものでは、高機能である一方で、従来の太陽光発電ユニットと比較してパワーコンディショナー内でノイズが発生しやすくなるという課題を有する。したがって、従来と比較して、ノイズフィルタのノイズの除去能力をより一層高める必要が生じている。
ここで、リング状コイルをノイズフィルタとして用いる場合において、ノイズの除去能力を高めるためには、コイルのインダクタンス値を高める必要がある。換言すると、リングコアに対して電力電線の巻回数を増やす必要がある。単純に電力電線の巻回数を増やしたり、複数段に重ねて巻回したりしようとすると、複数の電力電線間のバランスが崩れやすく、新たなノイズ発生の要因となる場合があるため対策が必要である。
これに対し、特許文献1のように、縦溝を設けたドーナツ状台座を設けると、デットスペースが生じるため、増加させる巻回数に限りがあり、巻回数が十分確保できない場合がある。
特許文献2の技術では、溝が形成された樹脂ケースを用いるので、複数の電力電線をリングコアにバランスよく巻回することができる。しかしながら、複数段に重ねて電力電線を巻回する場合には、2段目以降は案内溝がないため、複数の電力電線間のバランスを十分に保つことができない場合がある。このような電力電線間のバランスの乱れは、前述のとおり新たなノイズ発生の原因となる場合がある。また、特許文献1,2ともに電力電線を誘導させるための部材が別に必要となるという問題がある。
さらに、バイファイラ巻きをすると、電力伝送線路を構成する複数の電力電線が平行な状態でコアに巻回されるため、該複数の電線間を通過する磁束(外来ノイズや製品内で発生したノイズ)による誘導ノイズが発生するという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、ノイズの除去能力及び外来ノイズ耐性が高いノイズフィルタを提供することを目的とする。
本発明に係るノイズフィルタでは、電力伝送線路を構成する複数の電力電線が相互に撚り合わされて撚り電力電線を形成し、該撚り電力電線がリングコアにその周方向に沿って整列させられた状態で巻回されるようにした。
この態様によると、撚り電力電線がリングコアの周方向に沿って整列するように巻回されている。このように電力電線が撚られていることにより、電力電線間のバランスを保ったまま電力電線をリングコアに巻回することができる。
すなわち、本発明の第1態様では、流れる電流が相互に等しく、かつ、相互に電位が異なる複数の電力電線からなる電力伝送線路上に設けられたノイズフィルタであって、リングコアを備えており、前記複数の電力電線が相互に撚り合わされて撚り電力電線が形成され、かつ、該撚り電力電線が前記リングコアにその周方向に沿って整列させられた状態で巻回されていることを特徴とする。
この態様によると、前述のとおり、電力電線が撚られていることにより、電力電線間のバランスを保ったまま電力電線をリングコアに巻回することができる。これにより、例えば、ノイズの除去能力を高めるために、巻回数を増加させた場合においても、新たなノイズ発生を抑制することができる。
また、本態様によると、複数の電力電線を同じ巻回数でバイファイラ巻きする場合と比較して、巻回後の配線全体の周方向長さを短くすることができる。これにより、従来と比較して、同じ大きさのリングコアを用いた場合の巻回数を増加させることができる。
以上のように、本態様に係るノイズフィルタは、従来と比較して、新たなノイズ発生を抑制しつつ、インダクタンス値を高めることが可能であり、結果として、ノイズ除去能力を高めることができる。
また、撚り電力電線を形成することで、撚り電力電線の隣接する電流ループ間で発生磁界が相互に打ち消されるので、外部に対してノイズを出しにくくなるとともに、外来ノイズの影響も受けにくいというメリットがある。加えて、撚り電力電線を巻回するので、複数の電力電線間で巻回数が異なる恐れがなく、バイファイラ巻きと比較して巻回しやすくなり、製造工程における作業効率が改善される。
第1態様記載のノイズフィルタにおいて、前記撚り電力電線は、前記リングコアの内周側において、周方向に隣り合う該撚り電力電線の相互間が密着するように巻回されていてもよい。
この態様によると、周方向に隣接する撚り電力電線の相互間が密着しているので、撚り電力電線の巻回数を増加させることができるようになる。これにより、本態様では、ノイズフィルタのインダクタンスを高めることが可能になり、結果として、ノイズフィルタのノイズ除去能力を高めることができる。
上記態様のノイズフィルタにおいて、前記撚り電力電線は、前記リングコアの半径方向に複数段重なり、かつ、内側の段の隣り合う2つの撚り電力電線間の中間位置に外側の段の撚り電線が配置されるように巻回されていてもよい。
このように、撚り電力電線がリングコアの半径方向に複数段重なるようにすることで、インダクタンス値を高めることが可能であり、結果として、ノイズ除去能力を高めることができる。また、密接する電力電線間の電位差を最小限にとどめることができ、電力電線間の浮遊容量に起因するノイズの伝導を防ぐことができる。
本発明の第2態様では、太陽光発電ユニットを系統連系するパワーコンディショナーであって、太陽光発電ユニットの発電電力をDC−DC変換するDC−DCコンバータと、前記DC−DCコンバータの直流出力電力をDC/AC変換するインバータとを備え、前記太陽光発電ユニットと前記DC−DCコンバータとの間、前記DC−DCコンバータと前記インバータとの間または前記インバータと前記系統との間の少なくともいずれか一箇所に上記態様のノイズフィルタが配設されていることを特徴とする。
本態様に係るパワーコンディショナーは、ノイズ除去能力を高めたノイズフィルタが配設されているので、従来と比較してノイズ耐性が高いものを実現することができる。
本発明に係るノイズフィルタは、新たなノイズ発生を抑制しつつ、インダクタンス値を高めることが可能である。したがって、ノイズの除去能力が高く、かつ、外来ノイズ耐性が高いという効果が得られる。
実施形態に係るノイズフィルタの平面図である。 実施形態に係るノイズフィルタを斜め上方から見た拡大斜視図である。 リングコアの内周側における撚り電力電線の配列例を示した図である。 誘導ノイズ、外来ノイズの影響の違いについて説明するための図である。 誘導ノイズ、外来ノイズの影響の違いについて説明するための図である。 実施形態に係るパワーコンディショナーを示す概略図である。 リングコアの内周側における撚り電力電線の他の配列例を示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用範囲あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
まず、図1及び図2を参照して実施形態に係るノイズフィルタの構成について詳細に説明する。図1には、単相2線式の電力伝送線路上に配設されるノイズフィルタ10を例示している。図1に示すように、ノイズフィルタ10は、フェライト等の磁性体で形成されたリングコア11と、リングコア11に巻回された撚り電力電線12とを備えている。
リングコア11は、例えば、断面が略矩形状の円形リング状コアである。外径寸法は、撚り電力電線12の巻回数に応じて適宜選択することができるが、例えば、数[cm]〜十数[cm]が好ましい。
撚り電力電線12は、2本の電力電線P,Nが相互に撚り合わされて集合一体化されたものである。撚り電力電線12は、リングコア11の周方向全体にわたって、周方向に沿って順に整列するように巻回されている。そのとき、図2に示すように、撚り電力電線12は、リングコア11の内周側において、周方向に隣り合う撚り電力電線12の相互間が密着し、リングコア11の外周側で周方向に隣り合う撚り電力電線12の相互間が離隔するように巻回されている。撚り電力電線12の撚り数は、電力電線P,Nの太さによって異なるため、特に限定されないが、後述する誘導ノイズ、外来ノイズの影響を低減するという観点に基づいて、撚り数を決定するのが好ましい。
電力電線P,Nの線種は、特に限定されないが、例えば、ハーネス線やエナメル被覆された銅の単線を適用することができる。電力電線P,Nには、例えば、数十[A]の電流が流される。このため、電力電線P,Nは、上記電流に対応した線径(導電部分)が必要である。また、電力電線P,N間の短絡防止のために被覆も十分に行う必要があることから、線径(導電部分+絶縁部分)は、比較的太めになるのが一般的である。図1において、P1,P2は、正極側の電力電線Pの両端に設けられた端子を示しており、N1,N2は、負極側の電力電線Nの両端に設けられた端子を示している。
図3上段は、図2のA−Aの範囲の撚り電力電線12の断面を模式的に示した図であり、リングコア11の内周側における撚り電力電線12の配列例を示している。また、図3下段は、比較例として、図3上段の電力電線P,Nと同じ径を有する2本の電力電線をバイファイラ巻きした場合の配列例を示している。
本実施形態では、撚り電力電線12を巻回させるため、巻回される過程を電力電線P,Nの断面形状の変化としてとらえた場合、2本の電力電線P,Nが周方向に沿って並んだ状態から、一体的に周方向に沿って回転するように変化する。したがって、巻回された電力電線について、リングコア11の厚さ方向中央を通る平面に沿った切断断面を見た場合、図3上段に示すような種々の断面パターンがランダムに発生しながら周方向に整列されることになる。
一方で、2本の電力電線P,Nをバイファイラ巻きすると、図3下段に示すように、2本の電力電線P,Nが周方向に沿って並んだ状態で整列されることになる。すわなち、バイファイラ巻きにおいて、リングコアに1段で電線を巻回する場合の電力電線P,Nの最大ターン数は、「リングコアの内径÷電力電線P,Nの外径÷2」となる。
これに対して、本実施形態では、種々の断面パターンがランダムに発生しながら周方向に整列されているため、バイファイラ巻きと比較して、20%程度多くの電力電線P,Nを巻回できるようになる。これにより、従来と比較して、同じ大きさのリングコア11を用いた場合の電力電線P,Nの巻回数を増加させることができる。
次に、図4を用いて、2本の電力電線P,Nをバイファイラ巻きした場合と、本実施形態に係るノイズフィルタ10とにおいて、誘導ノイズ、外来ノイズの影響の違いについて説明する。
まず、2本の電力電線P,Nをバイファイラ巻きした場合、図4Aに示すように、リングコア11の表面や側面において、2本の電力電線P,Nが平行に並んでいる。この2本の電力電線P,Nには相互に逆方向の電流Iが流れるため、図4Aの紙面手前側に向かう磁束φが発生する。この変化する磁束φの誘導によって、2本の電力電線P,N間には、「e=dφ/dt」の誘導ノイズが生じる。この誘導ノイズeは、電力電線P,Nの巻回数の増加に伴って増加するため、巻回数が多くなるほどその影響が大きくなる。
これに対し、本実施形態では、図4Bに示すように、リングコア11の表面や側面において、2本の電力電線P,Nが相互にねじれている。したがって、2本の電力電線P,Nに相互に逆方向の電流Iが流れた場合においても、磁束φの方向が一義的ではないため、磁束φが相互に打ち消され、誘導ノイズが低減される。
また、電力電線P,Nをバイファイラ巻きした場合には、外来ノイズ(磁気ノイズ)の磁束が鎖交する面積が広くなるため、外来ノイズの影響を受けやすい。これに対して、本実施形態では、バイファイラ巻きした場合と比較して、2本の電力電線P,N間において、磁束が鎖交可能な領域が小さくなるため、外来ノイズの影響を受けにくくなるメリットがある。ここで、外来ノイズとは、例えば、ノイズフィルタがパワーコンディショナーに設置された場合、パワーコンディショナー外部から飛来するノイズと、パワーコンディショナー自体から発生するノイズとの両方を含む概念である。
<適用例>
次に、図5を用いて実施形態に係るノイズフィルタ10の適用例について詳細に説明する。図5に示すように、実施形態に係るノイズフィルタ10は、例えば、太陽光発電ユニット20を系統40に連系するパワーコンディショナー30に適用することができる。図5では、太陽光発電ユニット20が3個の太陽電池を備えている例について説明する。なお、太陽光発電ユニットが備える太陽電池の数はいくつでもよく、また、パワーコンディショナーが蓄電池ユニット(図示しない)を備えていてもよい。
パワーコンディショナー30は、各太陽電池に対応した入力端子台ユニット31及びDC−DCコンバータモジュール32(以下、単にDC−DCコンバータ32ともいう)とを備えている。本実施形態では、太陽電池21が3個であるため、3個の入力端子台ユニット31,31,…及び3個のDC−DCコンバータ32,32,…を備えている。
パワーコンディショナー30は、さらに、3個のDC−DCコンバータ32,32,…の直流出力を受けて、DC−AC変換するインバータ回路33(以下、単にインバータ33ともいう)と、ACリアクトルユニット34(以下、単にACリアクトル34ともいう)と、単相から3相への電力変換を行う出力フィルター回路35と、出力端子36を備えている。パワーコンディショナー30は、出力端子36を介して系統40に連系されている。
本実施形態に係るノイズフィルタ10は、パワーコンディショナー30内の直流電力電線又は低周波(例えば、50〜60Hz)の電力電線P,Nに接続され、これらの電力電線P,Nに重畳するノイズを低減する。ノイズフィルタ10の設置場所は特に限定されないが、ノイズ源の近く、又は、雑音端子電圧等を測定する測定地点近くに設置するのが好ましい。本実施形態では、各DC−DCコンバータ32がそれぞれに接続された各入力端子台ユニット31の前段部分(上流側)における直流電力電線上、DC−DCコンバータ32とインバータ33との間におけるインバータ33寄りの直流電力電線上、インバータ33とACリアクトル34との間の交流電力電線上、及びACリアクトル34と出力フィルター回路35との間の交流電力電線上に設けた例を示している。
ノイズフィルタ10に巻回する電力配線P,Nの巻線数は、例えば、JET認証規格の規定に基づく雑音端子電圧の測定結果から決定する。具体的には、JET認証規格規定の測定条件における雑音端子電圧の測定値が規定のノイズ以下になる巻回数を実測に基づいて選定する。
なお、図5では、ノイズフィルタ10が、太陽電池向けのパワーコンディショナー30に配設された例を示したが、これに限定されない。例えば、他形式の発電機向けパワーコンディショナーや、発電機以外の他用途向けのパワーコンディショナー等に適用してもよい。また、電力伝送線路上に配設される機器であれば、パワーコンディショナーに限定されず、他の電気機器、電源機器であってもよい。また、電力伝送線路を機器内に有するような電気機器、電源機器内に本実施形態に係るノイズフィルタを配設してもよい。
以上のように、本実施形態によると、本実施形態に係るノイズフィルタ10は、撚り電力電線12をリングコア11に巻回するようにしているため、種々の断面パターンがランダムに発生しながら周方向に整列される。これにより、2本の電力電線P,Nが周方向に並んでいるバイファイラ巻きと比較して、同じ巻回数を得るための周方向長さを短くすることができ、同じ大きさのリングコア11を用いた場合の巻回数を増加させることができる。これにより、ノイズフィルタ10のインダクタンス値を高めることが可能であり、結果として、ノイズフィルタ10のノイズ除去能力を高めることができる。
さらに、リングコア11の内周側において、周方向に隣接する撚り電力電線12(各電力電線P,N)が相互間で密着しているので、撚り電力電線12の巻回数をさらに増加させることができるようになる。これにより、ノイズフィルタ10のインダクタンス値をより一層高めることが可能であり、結果として、ノイズフィルタ10のノイズ除去能力をさらに高めることができる。
また、電力電線P,Nの線径が比較的太めであるため、2本の電力電線P,Nをそれぞれに巻回する場合には、電力電線P,N間のバランスが崩れたり、電力電線P,N相互間で巻回数を間違えたり(巻回数が異なったり)する場合がある。これに対し、本実施形態では、電力電線P,Nが撚られた状態でリングコア11に巻回されているため、巻回数を増加させた場合においても、電力電線P,N間のバランスが確実に保たれる。これにより、新たなノイズ発生を抑制することができる。また、2つの電力電線をそれぞれに巻回する場合や、バイファイラ巻きする場合と比較して巻回しやすいため、製造工程における作業効率が改善される。
なお、上記の実施形態では、撚り電力電線12がリングコア11全体に対してリングコア11の径方向に1段で、かつ、周方向に1周回巻回されている例について説明したが、これに限定されない。例えば、ノイズフィルタの特性上の理由等により、撚り電線の巻回数が1段、1周回で足りない場合は、段数を2段、3段、…と増加させてもよい。また、周回の途中まで巻回するようにしてもよい。
<2段以上の巻回例>
以下、図6を用いて、3段巻回する場合における撚り電線の巻回例を詳細に説明する。図6では、図3と同様に、リングコア11の内周側における撚り電力電線12の配列例を示している。説明の便宜上、2本の電力電線P,Nの図示は割愛するとともに、撚り電力電線12の形状が円形状であるものとして説明する。また、撚り電力電線12内の[]付きの数字は、巻回する順番を示している。
図6に示すように、撚り電力電線12は、1段目において、周方向に2つ巻回された後(図6[1],[2]参照)、上記図6[1],[2]間の2段目に巻回される(図6[3]参照)。その後、1段目に戻って、図6[1],[2]の隣に密着させて周方向に2つ巻回された後(図6[4],[5]参照)、上記図6[4],[5]間の2段目に巻回される(図6[6]参照)。最後に、上記図6[3],[6]間の3段目に巻回される(図6[7]参照)。上記のような規則に基づいて、周方向全体にわたって3段巻回すればよい。
以上のように、リングコア11に近い内側の段で隣り合う2つの撚り電力電線12,12間の中間位置の外側に、リングコア11から遠い外側の段の撚り電力電線12が配置されように巻回していくことで、1段目を全て巻回した後に2段目を巻回する場合と比較して、各段を構成する撚り電力電線12,12,…間の電位差を小さくすることができる。ここで、密接する電力電線間の電位差が大きくなると電力電線間の浮遊容量によるノイズの伝導が発生するため好ましくない。したがって、図6のような配列にすることにより、密接する電力電線12,12,…間の電位差を最小限にとどめることができ、電力電線12,12,…間の浮遊容量に起因するノイズの伝導を防ぐことができる。
なお、図6では、電力電線が3段巻回される例を示したが、巻回段数は、2段であってもよく、4段以上であってもよい。ここで、段数が増加する場合においても、内側の段で隣り合う2つの撚り電力電線12,12間の中間位置の外側に外側の段の撚り電力電線12が配置されように巻回していけばよい。これにより、密接する線間の電位差を最小限にとどめることができ、図6と同様の効果を得ることができる。
また、上記の実施形態において、撚り巻線は、リングコアの内周側において、周方向に隣り合う撚り電力電線12,12,…の相互間が密着するものとして説明したが、これに限定されない。例えば、周方向内側において、隣り合う撚り電力電線12,12,…間に意識的に又は作業上の理由により、間隔があいていてもよく、同様の効果が得られる。
また、上記実施形態では、撚り電力電線12として2本の電力電線P,Nが相互に撚り合わされて形成されるものとしたが、撚り電力電線12を構成する電力電線数は2本に限定されない。例えば、ノイズフィルタ10が3相3線式のパワーコンディショナー等に適用される場合には、撚り電力電線12は3本の電力電線U,O,Wを相互に撚り合わせればよい。ノイズフィルタ10の構成や設置方法等は、撚り電線を構成する電線数によらず上記実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。撚り電線を構成する電力電線数が4本(4相)以上についても同様である。
本発明に係るノイズフィルタは、ノイズの除去能力が高く、かつ、外来ノイズ耐性が高いので電力伝送線路上に設ける用途に対して極めて有用である。例えば、パワーコンディショナー等の電力変換装置(機器)、電源装置(機器)等に用いるノイズフィルタとして極めて有用である。
10 ノイズフィルタ
11 リングコア
12 撚り電力電線
P,N 電力電線
20 太陽光発電ユニット
30 パワーコンディショナー
32 DC−DCコンバータ
33 インバータ
40 系統

Claims (4)

  1. 流れる電流が相互に等しく、かつ、相互に電位の異なる複数の電力電線からなる電力伝送線路上に設けられたノイズフィルタであって、
    リングコアを備えており、
    前記複数の電力電線が相互に撚り合わされて撚り電力電線が形成され、かつ、該撚り電力電線が前記リングコアにその周方向に沿って整列させられた状態で巻回されている
    ことを特徴とするノイズフィルタ。
  2. 請求項1記載のノイズフィルタにおいて、
    前記撚り電力電線は、前記リングコアの内周側において、周方向に隣り合う該撚り電力電線の相互間が密着するように巻回されている
    ことを特徴とするノイズフィルタ。
  3. 請求項1または2に記載のノイズフィルタにおいて、
    前記撚り電力電線は、前記リングコアの半径方向に複数段重なり、かつ、内側の段の隣り合う2つの撚り電力電線間の中間位置に外側の段の撚り電線が配置されるように巻回されている
    ことを特徴とするノイズフィルタ。
  4. 太陽光発電ユニットを系統に連系するパワーコンディショナーであって、
    太陽光発電ユニットの発電電力をDC−DC変換するDC−DCコンバータと、
    前記DC−DCコンバータの直流出力電力をDC−AC変換するインバータとを備え、
    前記太陽光発電ユニットと前記DC−DCコンバータとの間、前記DC−DCコンバータと前記インバータとの間または前記インバータと前記系統との間の少なくともいずれか一箇所に請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のノイズフィルタが配設されている
    ことを特徴とするパワーコンディショナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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